ジェコス株式会社
(1) 最近5連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移
(注) 1 売上高等の金額は、百万円未満を四捨五入して表示しております。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 株価収益率は、連結決算日における株価に基づいて算出しております。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第55期の期首から適用しており、第55期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2) 提出会社の最近5事業年度に係る主要な経営指標等の推移
(注) 1 売上高等の金額は、百万円未満を四捨五入して表示しております。
2 2019年3月期の1株当たり配当額35円には、創立50周年記念配当5円を含んでおります。
3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4 株価収益率は、貸借対照表日における株価に基づいて算出しております。
5 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
6 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第55期の期首から適用しており、第55期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社(旧 富士鉱業株式会社 1946年8月1日設立、1974年8月30日に山本建材リース株式会社に商号変更)は、1975年10月1日を合併期日として、旧山本建材リース株式会社の株式額面金額変更のため、同社を吸収合併いたしました。合併前の当社は、休業状態であり、したがいまして法律上消滅した旧山本建材リース株式会社が実質上の存続会社であるため、以下における記載は、すべて実質上の存続会社にかかるものを記載しております。
当社は、1968年6月20日、川崎製鉄㈱(現 JFEスチール㈱)の大型H形鋼、鋼矢板等の建設工事用仮設鋼材の賃貸、販売を目的として、山本産業㈱(1983年10月、川鉄商事㈱(現 JFE商事㈱)へ吸収合併)の全額出資により、資本金100百万円をもって、千葉県印旛郡白井町(現 千葉県白井市)に設立されました。
その後の主な変遷は次のとおりであります。
当社グループ(当社、連結子会社ならびに関連会社)は、建設仮設材の賃貸及び販売ならびに仮設工事の設計、施工等を主たる事業内容とする当社を中核として、各建設作業所における関連商品群を取扱い、総合的な営業活動を全国規模で展開しております。
重仮設事業におきましては、当社ならびに連結子会社5社、関連会社2社にて展開しております。
連結子会社のうちジェコス設計㈱は設計及びコンサルティング等を、ジェコス工事㈱は仮設工事の安全施工に関する技術的支援等を、㈱オトワコーエイは仮設工事、基礎杭工事、地中障害撤去工事等を行っております。また、トラック・エンド・メンテナンス・サービス㈱は、建設仮設材等の運送を行っており、当社はその委託をしております。GECOSS VIETNAM CO., LTD.は、ベトナム・ホーチミンを拠点に建設仮設材の賃貸、販売等を行っております。
関連会社のうち協友リース㈱はH形鋼桁材、鋼矢板等を保有、管理しており、当社はその提供を受けて顧客に供給しております。また北日本建材リース㈱は当社と建設仮設材等の賃貸借を行っております。
建設機械事業におきましては、連結子会社のレンタルシステム㈱が建設用機械の賃貸を行っております。また、当社と情報を共有化し、連携営業を行うことで重仮設事業とのシナジー効果の実現を図っております。
JFEスチール㈱は間接所有も含め当社議決権数の47.65%を所有する親会社であり、JFEスチール㈱の完全親会社であるJFEホールディングス㈱は、当社議決権数の59.50%を所有する親会社であります。当社が取扱う建設仮設材の一部は、JFEスチール㈱製の鉄鋼製品をJFEグループから調達しております。
当社グループの概要図は下記のとおりであります。

(注)1 北日本建材リース㈱は持分法非適用の関連会社であります。
2 2023年6月1日付でFUCHI Pte. Ltd.の発行済株式の30%を取得し、持分法適用関連会社といたしました。
(注) 1 連結子会社の「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 連結子会社のうちには特定子会社に該当する会社はありません。
3 連結子会社及び持分法適用関連会社のうちには有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4 議決権所有割合及び被所有割合の( )書きは、内数で間接所有の割合を示しております。
5 役員の兼任等に記載されている当社役員兼任人数には、執行役員を含んでおります。
6 2023年6月1日付でFUCHI Pte. Ltd.の発行済株式の30%を取得し、持分法適用関連会社といたしました。
※7 有価証券報告書を提出しております。
※8 レンタルシステム㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上高 14,254百万円
② 経常利益 206 〃
③ 当期純利益 122 〃
④ 純資産額 6,526 〃
⑤ 総資産額 11,586 〃
2023年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員であります。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与には受入出向者及び社外への出向者は含まれておりません。
提出会社及び連結子会社には労働組合は結成されておりませんが、労使は相互尊重精神のもと機会あるごとに忌憚のない意見交換を行い意思疎通を図っており、健全かつ円滑な労使関係が確立しております。
①提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3 パート・有期労働者は、再雇用制度適用者等の期間を定めて雇用している嘱託社員であります。
②連結子会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、前中期経営計画期間(2018~2020年度)を『ジェコスグループ10年VISION』の第一段階と位置づけ、既存事業の収益力強化、事業拡大分野の体制整備、生産性と働きやすさ向上のための投資といった、基盤確立の施策を推進してまいりました。
これに続く第二段階として、2021年4月に策定いたしました中期経営計画では、重仮設事業の競争力をさらに高めて業界トップシェアのポジションを盤石化するとともに、周辺事業の規模拡大を加速させ、事業規模・利益水準ともに拡大を目指します。
堅調な需要は想定されるものの、温暖化・自然災害・感染症等、その影響が想定し難い環境変化も予想される中、さまざまな変動要因に柔軟かつスピード感をもって対応し、『10年VISION』で掲げる「安心、安全な社会の建設に貢献し、働きがいの向上を追求する企業」の実現に向け、企業価値向上を進めてまいります。
中期経営計画対象期間(2021~2024年度)における当社グループを取り巻く事業環境として、建設需要は長期的には、再開発案件、老朽化インフラの更新、災害対策等により、堅調に推移するものと想定されます。また、首都圏以外でもリニア、大阪万博、北海道新幹線といったプロジェクトに関連する案件が控えています。
[主な取り組み]
① 重仮設事業のコスト競争力向上とシェア拡大
主力事業である重仮設の賃貸、工事については、直接的なコストの削減のみならず、管理業務関連を中心とした生産性アップ、技術レベル向上による顧客指向提案力の強化等、総合的なコスト競争力を磨き、売上規模・利益水準の拡大に注力いたします。
② 加工事業の規模拡大
もう一つの柱である加工事業については、専用工場を有するという特色を活かしてシナジーを最大限に発揮するとともに、全国各地域での営業強化、対応可能製品の拡充を進め、事業規模の拡大を図ります。
③ 地下工事一式受注、仮設橋梁事業、インフラメンテナンス事業の成長加速
地下工事一式受注は、前中期経営計画期間に水処理、地盤改良、本杭工事等で実績を積み重ねてまいりましたが、さらに技術レベルの向上を進め、「地下工事のプラットフォーマー」としてのポジション確立を目指します。
仮設橋梁事業、インフラメンテナンス事業では、受注活動の強化、競争力のある新商品開発を進め、特色ある事業として市場で存在感を持つ規模まで育成してまいります。
これらの事業については、JFEグループとの連携強化、M&Aを含めたパートナー企業選定を進め、成長を加速させます。
④ 建機事業の収益力向上
堅調な需要が見込まれる土木分野をはじめ、新たな需要を掘り起こし、これに合わせた体制強化、新商品投入を進めます。併せて、自社及び提携等による事業エリア拡大にも、引き続き取り組みます。さらに、建機関連システムのリフレッシュ等により管理業務の生産性を改善し、収益力を向上させます。
⑤ 海外展開における事業モデル再構築
ベトナム事業については、進出当初に想定していたODA案件対応だけではなく、現地パートナーとの提携、ジェコスの技術力を生かした事業の展開等により、収益を上げられる構造に転換することを目指します。
⑥ ICT推進、人材育成
上記の施策を遂行するにあたり、昨年来のコロナ対策として従来以上に進めてきたペーパーレス・押印廃止等の執務環境整備をICTによりさらに推進します。あわせて社内のチャレンジ・マインドを高め、意思決定をスピードアップするために、キャリアや年齢、性別を問わず、すべての社員が生き生きと活躍できるよう、各階層でレベルアップした人材育成に向けた取り組みを進めます。
なお、主要財務指標の、最終年度(2024年度)における数値目標は以下の通りです。
その上で、個別には再生可能エネルギーやゼロカーボン投資に関連する案件を通じた持続可能な社会の実現、ベトナムはじめASEANでの活動による発展支援も行っています。また社員との関係では、安全と健康の確保を最優先とすることはもちろん、性別を問わず活躍の場を用意し、働きがいの向上に資する施策を進めています。
中期経営計画期間においてもこれらの取り組みを継続してまいります。
(2) 次期の経営環境と課題
2023年度の事業環境は、足下は厳しい状況が続くものの、大型物件の立ち上がりが徐々に本格化し、需要は上向くと見ています。一方、諸物価の高騰は当面続くものと見込まれます。
そのような中、重仮設事業ではコストアップを反映した価格適正化に最重点を置き、LRBの追加導入や㈱オトワコーエイとの連携強化による工事採算性アップ、敷鉄板供給拠点の新設、工場への多品種水洗機導入等による生産性向上も進めます。加工分野においては、対応品種を拡大すること等により受注増加に注力します。また仮設橋梁を自社品化し、東西にヤードを新設して事業拡大を図ります。海外については本格的展開の第一歩として、シンガポールのFUCHI Pte. Ltd.へ資本参加を行います。これらの施策を実施するものの、売上高は引合物件の形態構成差により微減、経常利益も人的資本への投資等による販管費の増加があり微減の計画としております。
建設機械事業では、ジェコスとの協業や拠点間の連携を強化し、賃貸用資産の機動的配置や構成見直しを行うとともに、BROKK(無人施工ロボット)の拡販を強化すること等により、増収増益を計画しています。
以上により、2023年度の連結業績見通しにつきましては、売上高120,000百万円、営業利益4,650百万円、経常利益5,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3,300百万円を見込んでおります。なお、セグメント別の業績見通しは下表の通りです。
※ セグメント売上高の調整額はセグメント間の内部売上高又は振替高の消去額であり、セグメント利益の調整額は連結調整であります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項及びリスク対策は以下の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主たる取引先は建設会社であり、事業環境としては建設業界の事業環境と一体であります。したがって民間建設投資及び公共建設投資の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは取引先の信用度合による与信限度枠を設定し、不良債権の発生防止に努めておりますが、取引先の倒産により貸倒損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは作業に従事する建設作業所や資機材の補修及び修理工場において、安全・防災・環境管理部のもと社員や協力会社の作業員に対して安全衛生管理の徹底、啓蒙活動を行っておりますが、予期せぬ事故による納入遅延や工期の遅れ等により、損失補償の責任を負う可能性があり、その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの取扱商品であるH形鋼、鋼矢板、鋼製山留、覆工板及び鋼板等の販売価格は市況価格や原材料である鋼材価格の変動の影響を受けます。コスト削減策や販売価格への転嫁等の取り組みを行っておりますが、販売価格が低迷した場合、鋼材価格が高騰した場合及びこれらの施策が想定通りに進まなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおける事業活動への投資資金の一部は金融機関からの借入金を原資としており、金利の変動がある場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有している上場株式の株価が変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが所有する固定資産について、収益性の低下や時価の下落に伴う資産価値の低下により、固定資産の減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合には、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
地震や台風などによる大規模な自然災害や、その他の予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
海外への投資、海外顧客との取引については、対象国の政治・経済情勢等が大きく変動する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
外国通貨での取引については、為替レートが変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
金融恐慌、新型コロナウイルス等の感染症の拡大等、世界規模で経済環境が大きく変動する事象が発生した場合には、建設投資需要が大幅に落ち込む等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの有する顧客、取引先及び当社グループの機密情報や個人情報は、情報管理の諸規定を制定することによりグループ全体で徹底した管理を実行しておりますが、過失や盗難、外部からの攻撃等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
JFEホールディングス㈱及びJFEスチール㈱は当社の親会社であります。当社が取扱う建設仮設材の一部は、JFEホールディングス㈱の傘下のグループ会社で構成されるJFEグループから調達しております。従って、同グループの当社グループに対する事業戦略等に変更が生じた場合には、取引の増減等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業のうち、重仮設事業は、建設業法に定められた一般建設業や特定建設業の許可を受けており、取引を行う場合には必須事項となっております。これらの許可の取消や停止事由が発生した場合、又は当該法規制の改廃や新たな法規制が設けられた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、自社の成長をより加速するため、また当社グループの既存並びに新規の事業を補完・強化するために、必要に応じて企業や事業の買収、組織再編等を行っております。
当該行為に際しては、入念な調査、分析、検討を行っておりますが、買収、組織再編時点では想定できなかった収益性の低下等の不測の事態が生じる場合や、グループ会社間におけるシナジーが当初想定したほど発揮されない場合等には、のれんに係る減損損失の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対するリスク管理体制を「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載の通り整備し、リスクマネジメント活動を行っているほか、リスク発生の可能性を認識した時点で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)当期の財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産については、㈱オトワコーエイの株式取得等により固定資産が3,468百万円増加したことに加え、棚卸資産が1,783百万円増加、電子記録債権が1,670百万円増加したことに対し、預け金を5,800百万円取り崩したこと等により前連結会計年度末に比べ1,233百万円(1.1%)増加し、108,980百万円となりました。負債は、仕入債務が1,014百万円増加したこと等により前連結会計年度末に比べ1,558百万円(3.2%)増加し、49,876百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益3,428百万円を計上した一方で、自己株式の取得2,291百万円を実施したことと、剰余金の配当1,274百万円(1株あたり前期末配当20円、中間配当15円)の支払いを実施したこと等により前連結会計年度末に比べ325百万円(0.5%)減少し、59,104百万円となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりです。
重仮設事業の当連結会計年度末におけるセグメント資産は、㈱オトワコーエイの株式取得等により固定資産が3,513百万円増加したことに加え、棚卸資産が1,775百万円増加、電子記録債権が1,447百万円増加したことに対し、預け金を5,800百万円取り崩したこと等により前連結会計年度末に比べ789百万円(0.8%)増加し、99,109百万円となりました。建設機械事業の当連結会計年度末におけるセグメント資産は、預け金が410百万円増加したこと等により前連結会計年度末に比べ736百万円(6.8%)増加し、11,586百万円となりました。
当連結会計年度(2022年度)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症からの経済社会活動正常化が進み、緩やかに持ち直したものの、諸物価高騰が収束する見込みは立っておらず、また世界経済は欧米、中国ともに景気後退懸念が払拭されていないことから、今後も景気の先行きは不透明であると考えます。
当社グループの属する建設業界におきましては、公共投資や大型再開発物件は底堅く推移したものの、民間建築分野では資材価格高騰等による着工先送りや採算悪化の傾向が続き、厳しい状況となりました。
このような経営環境の中、当社グループでは採算性改善を最重点課題に掲げ、価格適正化をはじめ総合的付加価値向上に取り組み、収益の確保に注力いたしました。しかし当連結会計年度におきましては、売上高は120,521百万円(前年同期比5.7%増)となったものの、営業利益4,503百万円(前年同期比4.3%減)、経常利益4,903百万円(前年同期比6.4%減)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として政策保有株式の一部を売却したことによる投資有価証券売却益を計上したこと等から、3,428百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりです。
重仮設事業におきましては、コストアップ分の価格転嫁と、材料と工事の一括受注を基本とする総合的付加価値向上に重点を置きました。特に工事においては、生産性向上とGHGガス削減に効果を有する新機種(LRB)の導入、子会社化した㈱オトワコーエイとの連携等により、事業領域を拡大しました。また、橋梁インフラメンテナンス事業の中核商品となるH型鋼橋梁GHBを開発・商品化し、今後の展開に道筋をつけました。
以上の施策等により、売上高は108,744百万円(前年同期比4.0%増)となったものの、価格適正化が十分に進まなかったことと、活動水準の回復による販管費の増加、子会社取得に伴う一時的費用増等により、経常利益は4,844百万円(前年同期比5.0%減)と減益になりました。
建設機械事業におきましては、2022年4月に旧子会社5社を統合した新会社を発足させ、統合効果の早期発現に向けた取り組みを進めました。その結果、売上高は14,254百万円(前年同期比4.1%増)となったものの、競争激化に加え、退職給付会計の適用基準変更等により、経常利益は206百万円(前年同期比40.7%減)となりました。
重仮設事業における工場の主たる業務である、建設仮設材の復元修理作業ならびに鋼製山留材等の建設仮設材及び各種製品の製作加工について記載しております。
なお、建設機械事業は、生産に該当する事項はありません。
当連結会計年度の製作加工及び修理実績を販売価格により示せば次のとおりであります。
当社グループが取り扱う主要な商製品等については、出荷直前に取引契約の締結を行うという業界の慣習、取引形態の特殊性により、受注高の集計を行っておりません。
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 調整額は、セグメント間の内部売上高又は振替高の消去額であります。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の売上実績は、当該売上実績の総売上実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度と比べ5,519百万円(53.7%)減少し、4,767百万円となりました。
なお、各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動では、税金等調整前当期純利益が5,102百万円、減価償却費が3,193百万円となった一方、棚卸資産増加による支出が1,796百万円、法人税等の支払額が1,163百万円及び売上債権増加による支出が1,128百万円となったこと等により、2,952百万円の収入(前年同期9,097百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動では、㈱オトワコーエイ株式取得による支出が2,049百万円、賃貸用建設機械の取得による支出が1,440百万円及び工場の機械装置等の取得による支出が1,164百万円となったこと等により、4,750百万円の支出(前年同期2,610百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動では、自己株式の取得による支出が2,294百万円、前期末及び当期中間配当金の支払額が1,274百万円となったこと等により、3,728百万円の支出(前年同期3,234百万円の支出)となりました。
当社グループの主要な資金需要は、建設仮設材及び賃貸用建設機械の仕入費用、仮設工事の外注費、各種製品の製作加工費等営業活動に伴う支出ならびに設備投資に伴う支出であります。また、2021年4月に策定した中期経営計画に基づき、事業領域の拡大及び先端技術の導入等に対する投資を推進しています。
必要資金の大半は営業収入により確保し、事業拡大のために増額する投資資金及び一時的に不足する運転資金については金融機関からの借入により調達しています。また、当社及び連結子会社において資金の融通を行い、効率的な資金活用を進めるとともに、資金回収にも十分に留意しています。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。
また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する会計上の見積りについて、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 追加情報」に記載の通りです。
該当事項はありません。
当連結会計年度末(2023年3月31日)における当社グループの主要な設備(賃貸を目的とするものを除く)は、以下のとおりであります。
なお、帳簿価額には、建設仮勘定を含んでおりません。
(3) 在外子会社
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(注) 1 土地の[ ]書きは、賃借している土地の面積(外書き)を示しております。
2 連結会社以外からの主要な賃借設備の内容は以下のとおりであります。
(提出会社)
※3 提出会社の事業所及び国内子会社の内訳として以下を含んでおります。
(提出会社)
(国内子会社)
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 自己株式の消却による減少であります。
2023年3月31日現在
(注) 1 上記「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ15 単元及び9株含まれております。
2 自己株式205株は、「個人その他」に2単元、「単元未満株式の状況」に5株含まれております。
2023年3月31日現在
(注)1 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)、株式会社日本カストディ銀行(信託口)、株式会社日本カストディ銀行(信託口4)の所有株式は、信託業務に係るものであります。
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、営業品目別のセグメントから構成されており、「重仮設事業」、「建設機械事業」を報告セグメントとしております。各会社は、いずれかの事業に属し、当社取締役会での経営意思決定を受けて、営業戦略を立案し事業活動を展開しております。
「重仮設事業」は、建設工事用仮設鋼材の賃貸及び販売を中心に、それに関連する仮設工事の設計施工、特殊加工製品の製作及び販売等を行っております。「建設機械事業」は、建設機械の賃貸等を行っております。