石光商事株式会社
S.ISHIMITSU&CO.,LTD.
神戸市灘区岩屋南町4番40号
証券コード:27500
業界:卸売業
有価証券報告書の提出日:2023年6月30日

(1) 連結経営指標等

回次

第69期

第70期

第71期

第72期

第73期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

38,549,609

38,179,095

40,512,200

46,729,996

58,972,245

経常利益

(千円)

591,952

290,614

837,981

793,981

1,295,408

親会社株主に帰属する当期純利益

(千円)

413,401

99,473

469,772

532,646

792,194

包括利益

(千円)

464,132

30,530

759,203

650,106

631,381

純資産額

(千円)

8,599,590

11,881,264

12,208,423

12,753,969

13,306,680

総資産額

(千円)

21,922,180

26,235,148

27,142,584

30,846,952

36,174,229

1株当たり純資産額

(円)

1,089.63

1,083.47

1,231.14

1,305.45

1,362.40

1株当たり当期純利益

(円)

53.63

12.91

60.95

69.10

102.63

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

38.3

31.8

35.0

32.6

29.1

自己資本利益率

(%)

5.0

1.2

5.3

5.4

7.7

株価収益率

(倍)

8.09

28.83

7.24

7.44

7.03

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

1,385,566

254,530

2,259,242

731,442

1,290,733

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

159,590

793,460

266,110

661,161

713,223

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

757,069

200,527

882,490

798,912

2,944,032

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

2,891,368

3,615,738

4,718,478

4,154,561

5,100,037

従業員数
(ほか、平均臨時雇用
人員)

(名)

270

401

412

436

461

(70)

(96)

(93)

(107)

(112)

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.従業員数は、就業人員数を表示しております。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第72期の期首から適用しており、第72期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第69期

第70期

第71期

第72期

第73期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

38,137,737

37,670,854

36,251,952

40,974,934

51,124,415

経常利益

(千円)

480,886

245,241

607,958

331,314

712,453

当期純利益

(千円)

347,606

148,630

307,295

175,063

538,863

資本金

(千円)

623,200

623,200

623,200

623,200

623,200

発行済株式総数

(株)

8,000,000

8,000,000

8,000,000

8,000,000

8,000,000

純資産額

(千円)

5,451,925

5,514,114

5,917,688

6,122,445

6,319,139

総資産額

(千円)

18,576,732

17,287,707

17,691,168

21,859,059

26,001,162

1株当たり純資産額

(円)

707.31

715.37

767.73

794.30

818.32

1株当たり配当額
(1株当たり中間
配当額)

(円)

12.00

10.00

10.00

14.00

24.00

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

45.10

19.28

39.87

22.71

69.81

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

29.3

31.9

33.4

28.0

24.3

自己資本利益率

(%)

6.6

2.7

5.4

2.9

8.7

株価収益率

(倍)

9.62

19.29

11.06

22.63

10.33

配当性向

(%)

26.6

51.9

25.1

61.6

34.4

従業員数
(ほか、平均臨時雇用
人員)

(名)

200

211

218

219

220

(49)

(38)

(36)

(32)

(33)

 株主総利回り

 (比較指標:配当込み

 TOPIX)

(%)

(%)

76.50

(94.96)

67.58

(85.94)

81.13

(122.15)

96.05

(124.57)

135.68

(131.82)

最高株価

(円)

650

505

519

613

888

最低株価

(円)

373

335

340

435

460

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.従業員数は、就業人員数を表示しております。

3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。

4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第72期の期首から適用しており、第72期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

5.株主総利回りの比較指標は、第72期までは比較指標としてJASDAQ INDEXスタンダードを使用しておりましたが、2022年4月4日の東京証券取引所の市場再編に伴い廃止されました。このため第73期からは比較指標を、継続して比較することが可能な配当込みTOPIXに変更しております。

 

 

2 【沿革】

1951年5月

石光季男が神戸市葺合区(現 神戸市中央区)に㈱石光季男商店を設立、コーヒー生豆・紅茶原料の取扱開始。コーヒー生豆輸入統制下(関税35%)で、国内商社よりコーヒー生豆を仕入れ、全国の中小コーヒー焙煎業者に販売。

1953年3月

関東以北の販売強化のため、東京都千代田区に東京出張所開設。

1957年10月

酒類販売免許取得、洋酒の取引開始。

1963年7月

社名を「石光商事㈱」と変更し、東京出張所を東京支店に昇格。

1964年4月

九州地区販売強化のため、岡崎茂樹商店を吸収し、福岡市東区に福岡支店を開設。

1965年11月

東京都大田区に東京支店ビルを新築、移転。

1968年5月

東海地区販売強化のため、名古屋市北区に名古屋営業所を開設。

1970年7月

福岡市博多区に福岡支店ビルを新築、移転。

   12月

名古屋市北区に名古屋営業所ビルを新築、移転。

1972年9月

コーヒー焙煎にかかわる公害問題への対応及び中小焙煎業者の合理化のため、主に関東地区の取引先との共同出資により、東京アライドコーヒーロースターズ㈱(現 連結子会社)を設立。

   12月

名古屋営業所を名古屋支店に昇格。

1973年11月

コーヒー焙煎にかかわる公害問題への対応と中小焙煎業者の合理化のため、関西地区の取引先との共同出資により関西アライドコーヒーロースターズ㈱(現 連結子会社)を設立。

1976年10月

北海道地区販売強化のため、札幌市白石区に札幌営業所開設。

1978年2月

北九州地区販売強化のため、北九州市小倉北区に北九州営業所開設。

1982年7月

外食向けイタリア直輸入食材販売開始。

1987年3月

本社を神戸市灘区に移転。

1990年10月

札幌営業所を札幌支店に昇格。

1991年5月

札幌市豊平区に札幌支店ビルを新築、移転。

   10月

合理化のため、北九州営業所を廃止し福岡支店に統合。

1995年1月

阪神・淡路大震災により本社隣接の物流センター倒壊。

1997年6月

大阪市西淀川区に物流センター開設。

1999年1月

本社隣地に本社ビルを新築、移転。

   11月

ユーエスフーズ㈱(現 連結子会社)を買収、子会社化。

2002年11月

社団法人日本証券業協会に店頭登録銘柄として登録。

2004年12月

㈱ジャスダック証券取引所に株式を上場。

2010年4月

ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所(JASDAQ市場)に株式を上場。

      10月

大阪証券取引所ヘラクレス市場、同取引所JASDAQ市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場。

2011年2月

東京都品川区に東京支店を移転。

      3月

大阪市西淀川区の物流センター内に関西アライドコーヒーロースターズ㈱大阪工場を開設。

      4月

輸出に加え、三国間貿易や海外での事業開拓を行う組織として、海外事業部門を新設。

2012年2月

中華人民共和国に石光商貿(上海)有限公司(現 連結子会社)を設立。

2013年1月

タイ王国にTHAI ISHIMITSU CO.,LTD.(現 連結子会社)を設立。

2013年7月

東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場。

2013年12月

福岡市博多区内にて福岡支店を移転。

2015年6月

関西アライドコーヒーロースターズ㈱大阪工場がFSSC22000を取得。

2019年1月

インド共和国にA.Tosh Ishimitsu Beverages India Private Limited(現 連結子会社)を設立。

2019年8月

札幌市中央区に札幌支店を移転。

2020年3月

持分法適用関連会社であった東京アライドコーヒーロースターズ㈱を連結子会社化。

2020年6月

関西アライドコーヒーロースターズ㈱神戸工場がFSSC22000を取得。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しによりJASDAQ市場からスタンダード市場へ移行。

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社6社及び関連会社1社により構成されております。主な事業としてコーヒー及び食品の販売を行っており、その事業別の主要品目等は次のとおりであります。

 

事業別

主要品目等

コーヒー・飲料事業

コーヒー生豆、レギュラーコーヒー、インスタントコーヒー、紅茶等茶類、コーヒー関連器具・備品

食品事業

瓶・缶詰、小麦加工品、調味料、乳製品、油脂、酒類、素材加工品(水産・畜産・農産)、調理加工品、生鮮野菜、野菜缶詰、塩蔵野菜、農産加工品

海外事業

上記品目

 

 

当社及び関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

 

当社

上記のすべての品目を海外から輸入又は国内で仕入れ、全国のコーヒー焙煎業者、業務用食品問屋、飲料メーカー、食品加工メーカー、量販店、外食チェーン店等に販売をしております。

ユーエスフーズ㈱

コーヒー生豆を自家焙煎喫茶店等の小口ユーザーに販売をしております。

関西アライドコーヒーロースターズ㈱

当社が販売するコーヒー生豆の焙煎及びレギュラーコーヒー・インスタントコーヒーの加工受託をしております。

石光商貿(上海)有限公司

コーヒー及び食品の販売をしております。

THAI ISHIMITSU CO.,LTD.

コーヒー及び食品の販売をしております。

A.Tosh Ishimitsu Beverages India

Private Limited

紅茶製品の製造販売をしております。

東京アライドコーヒーロースターズ㈱

コーヒー生豆の焙煎及びレギュラーコーヒーの加工・販売をしております。

その他1社

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

又は出資金

主要な事業
の内容

議決権の
所有割合
(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

ユーエスフーズ㈱

東京都

足立区

50,000

千円

コーヒー生豆の販売

100.0

当社はコーヒー生豆の販売、債務の保証を行っております。
役員の兼任 1名

関西アライドコーヒー

ロースターズ㈱

(注)1

神戸市

東灘区

330,200

千円

コーヒー生豆の焙煎及びレギュラーコーヒー・インスタントコーヒーの加工受託

68.6

当社はレギュラーコーヒー・インスタントコーヒーの加工委託を行っております。
役員の兼任 4名

石光商貿(上海)有限公司

(注)1

中華人民共和国

上海市

1,500

千U.S.$

コーヒー及び食品の販売

100.0

当社はコーヒー及び食品の販売、債務の保証を行っております。

役員の兼任 4名

THAI ISHIMITSU CO.,LTD.

(注)2

タイ王国

バンコク市

4,000

千BAHT

コーヒー及び食品の販売

49.0

当社はコーヒー及び食品の販売を行っております。
役員の兼任 3名

A.Tosh Ishimitsu Beverages India Private Limited(注)1、2

インド共和国

コルカタ市

64,000

千INR

紅茶製品の製造販売

50.0

当社は紅茶製品の仕入、債務の保証を行っております。
役員の兼任 0名

東京アライドコーヒー

ロースターズ㈱

(注)1、4

東京都

大田区

314,400

千円

コーヒー生豆の焙煎及びレギュラーコーヒーの加工・販売

59.2

当社はコーヒー生豆の販売を行っております。
役員の兼任 3名

(持分法適用関連会社)

1社

 

 

 

 

 

 

(注) 1.特定子会社であります。

2.持分は、100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。

3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

4.東京アライドコーヒーロースターズ㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等 ① 売上高   8,163,884千円

② 経常利益   351,552千円

③ 当期純利益  241,614千円

④ 純資産額  6,359,399千円

⑤ 総資産額  9,667,596千円

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

当社グループ(当社及び連結子会社)は単一セグメントに該当するため、従業員数は一括して記載しております。

2023年3月31日現在

従業員数(名)

461

(112)

 

(注)従業員数は就業人員であり、従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の平均雇用人員であります。

 

(2) 提出会社の状況

当社は単一セグメントに該当するため、従業員数は一括して記載しております。

2023年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

220

(33)

42.3

12.8

6,070

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の平均雇用人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社

2023年3月31日現在

当事業年度

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1.

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の

賃金の格差(%)(注)1.

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

21.8

100.0

70.6

72.1

61.2

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

2023年3月31日現在

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1.

男性労働者の

育児休業

取得率(%)
(注)2.

労働者の男女の賃金の格差(%)(注)1.

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

関西アライドコーヒーロースターズ㈱

23.5

0.0

75.3

85.0

46.5

東京アライドコーヒーロースターズ㈱

4.5

50.0

62.2

68.9

79.9

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループはコーヒー等の飲料及び食品の専門商社として主に業務用の分野で事業を行っております。経営理念「ともに考え、ともに働き、ともに栄えよう」のもと、事業活動のミッションとして「世界の食の幸せに貢献する」ことを掲げております。当社グループは1906年創業とわが国にあって比較的長い業歴を有しておりますが、更に業歴を伸ばし「永く続く会社となること」に重点を置いております。その必要条件として以下を規定しております。

・ 社会に必要とされ続ける会社であること

社会と同じ方向を向いて事業を行うこと、利益とともに社会貢献にもしっかり取り組むこと

・ 顧客・取引先に必要とされ続ける会社であること

価値を共有するパートナーから信頼され、頼りにされ、よい顧客、よい取引先であり続けること

・ 株主に必要とされ続ける会社であること

ガバナンスを強化し、適切な還元と発信により株主に愛され、満足し続けていただくこと

・ 従業員に必要とされ続ける会社であること

従業員に適切に報いるだけでなく、働きやすさ、働きがいを追求し、従業員に愛され希望が宿る職場であり続けること

・ 変化に対応し続ける会社であること

変化に対する感度を高め、変化に対し常にしなやかに対応できる会社であり続けること

・ 利益を安定継続して出し続ける会社であること

社会や環境に配慮しながら事業や取扱商品の新陳代謝をすすめ、労働生産性・資本生産性を追求し続けること、適切な事業ポートフォリオを追求し続けること

そしてこれらの必要条件の充足を着実に進めていくため、目下、新たな「商売の仕組み」「経営の仕組み」「人事の仕組み」「働く仕組み」の確立や改革改善等、さまざまな「仕組み化」に取り組んでおります。

当社グループは当連結会計年度より新たな中期経営計画「SHINE2024」をスタートさせ、GHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や、社会的課題解決のビジネス化に積極的に取り組んでおります。

当社の事業はコーヒー・飲料事業、食品事業、海外事業の3つに分類され、それぞれの取り組みは以下のとおりであります。

① コーヒー・飲料事業

コーヒーや紅茶の輸入、加工、販売を通じて「1杯の幸せ」をつくり、消費者の皆様にお届けしていきます。原料となる作物の特性上、発展途上国との関わりが深く、長期間のパートナーシップの構築により、安定した雇用や技術の向上、生活の改善に貢献していきます。

② 食品事業

日本国内外で開発する業務用や中食等の食材の販売により「食の豊かさ」を支えていきます。さまざまな分野でのこだわり食材に加え、共働き世帯に役立つ食材、歳を重ねてもいつまでもおいしく食べられる食材、自然災害等による価格高騰から食卓を守るための食材等の提供により、世の中に貢献していきます。

③ 海外事業

多様化する消費者のニーズにお応えし、「食」を通じて日本の誇るべき文化と技術で世界の食卓に喜びと満足を届けます。また、海外グループ会社を拠点に最適なソリューションで世界の食文化の発展に貢献していきます。

 

(2) 経営環境
① 企業構造

当社の企業構造については第1 企業の概況、3 事業の内容の事業系統図のとおりであります。

② 市場環境

コーヒー・飲料事業、食品事業、海外事業それぞれの市場環境・顧客動向は以下のとおりであります。

1)コーヒー・飲料事業

ここ数年、わが国の1人当たりコーヒー消費量は大きくは変わっておりませんが、世界においてコーヒー消費量は毎年増加を続けています。特に、アジアにおけるコーヒー消費量は伸びております。わが国のレギュラーコーヒー市場は新型コロナウイルスにより家庭用市場が伸びましたが、2022年におきましてはアフターコロナ浸透により外食産業などの業務用市場も盛りかえしてきております。わが国の一時もてはやされたサードウェーブやシングルオリジンといったブームが落ち着いてまいりましたが、健康志向や環境意識の高まりもあり、こだわりの原料や飲み方に対する消費者の関心は高く、依然、話題に事欠かない状況が続いております。それはコーヒーの製品についても言え、簡便性も備えた1杯抽出(コーヒーバッグ)、嗜好性の高い原料使用、エシカル商品等、既存にとらわれない多様化へと進んできております。

紅茶市場につきましては2018年終わり頃、インフルエンザ予防効果が報道されたことを契機に一時の低迷から回復基調にあり、市場別ではRTD(Ready-to-Drink)のペットボトル飲料が大半を占めております。2022年におきましては「ヌン活(ホテルなどでアフタヌーンティーを楽しむトレンド)」や和紅茶など紅茶自体の注目度があがっております。家庭用商品ではティーバッグが日常的な商品として確立されており、価格帯や付加価値等で差別化された幅広い商品展開があります。

2)食品事業

新型コロナウイルスの影響により食の市場は2020年以降、外食から中食、内食へと一気にシフトいたしました。その後、経済活動の正常化が進み、外食市場は徐々に回復し、海外からの観光客の増加も後押しし、今後暫くは回復傾向が続くものと思われます。

国内市場におきましては人口の減少に加え、高齢化の進展に伴い1人当たりの飲食量が減少することが見込まれる一方、女性の社会進出、共働き世帯、単身世帯の増加による中食需要の高まりにより、中長期的には外食産業市場規模は今後も減少することが予想されております。

日常の食生活で健康の維持・向上を図り、健康寿命延伸やアンチエイジングにつなげたいという意識が広まっており、小売等でも健康訴求商品の取扱い意欲を高め、供給側からは減塩化や健康ニーズに対応した商品の投入が進んでいくとみられております。またそうした健康面からのこだわり食材に加え、1人あるいは2人世帯の増加や家族バラバラの食事が増えることにより、小容量タイプや食べ切りタイプといった個食対応の需要が今後一層、増加すると考えられ、さらには、より調理が簡便な商品を求める傾向は強まっていき、現に容器ごと電子レンジで調理できるような商品が増えたりしております。そうした動向に対するきめ細かな対応、観察力と先回りした対応が求められております。

分野別には、冷凍食品の分野で、近年、外食産業、給食業者、スーパー惣菜での人手不足により調理場、バックヤードの労働軽減のため調理のいらない自然解凍食品の需要が増えております。水産の分野では、わが国の漁船漁業が2010年代後半以降、地球温暖化や乱獲の影響で減少している一方、養殖量は中国やインドネシアやベトナムを中心に急速に伸びております。農産に関しては、近年天候による豊作・不作の振れが顕著なこと、または人手不足を解消化する効率化の観点から、安定的でオペレーションに優れた原料供給が求められているため、カット野菜や保存が出来る加工野菜の需要が、スーパーやコンビニ、食品メーカーを中心に広がっております。

 

3)海外事業

新型コロナウイルス感染拡大の影響で外食が落ち込む一方で、デリバリーやEC販売など新たなニーズも生まれました。2022年後半から海外の外食市場は徐々に回復し、多くの国でコロナ禍前の状況に戻りつつあります。

世界各国における輸入食品への規制強化、物流費や原料の高騰、世界情勢等の影響は今後も懸念されますが、「日本食」の人気は世界中で高まっており、経済の回復とともにさらに好ましい環境に向かっていくものと考えております。農林水産省が発表している2022年の農林水産物・食品の輸出額は、過去最高の1兆4,148億円となり、2021年比では14.3%増と10年連続で過去最高を更新しております。

なお当社輸出事業における主要顧客は日本食品の販売を手がける卸売業者となり、その内容は特定の商品を専門的に取扱う企業から広範に商品を取扱う企業まで幅広くあり、それぞれの事業規模もさまざまです。

そうした顧客に対し、当社グループの専門性を活かすとともに、国内のメーカー=パートナーと緊密に協働し、求められる商品を安定的に供給し、信頼に応えております。また顧客と連携し、現地の食品管理に係る諸規制や流通制度にも対応しております。

③ 競合の状況

当社グループの事業について、グループ会社のコーヒー・飲料関連の加工工場資本設備を除き総じて比較的少額の資本により新規参入、あるいは川上・川下からの参入が可能であると目され、事実、相応の競合は存在しております。しかしながら事業遂行にあたっては、かなり高度な専門知識や経験に基づくノウハウ、顧客・取引先との相互の信頼関係が伴わなければならず、当社グループはそうしたソフト面の知見や基盤をもとに競争優位を図っております。コーヒー・飲料事業、食品事業、海外事業それぞれの競争優位のポイントは以下のとおりであります。

1)コーヒー・飲料事業

・ コーヒー、紅茶ともに原料、加工技術、品質管理等に関する広範で深い知見(特にコーヒーに関して業界をリードする諸資格を有する人材の豊富さ)とこだわりの原料から加工、包装までお客様のニーズに合わせた商品価値を提案できること

・ 原料の生産者・輸出業者と長年かけて構築したパートナーシップとそれからもたらされる最新の情報や付加価値の創造力と提案力

・ グループ会社が有する東西の焙煎工場機能

・ コーヒーや紅茶の商品特性からGHG(温室効果ガス)削減や多様性、生産国とともに生きるための社会課題解決型商品の提案とサステナブルな取組とその価値の提供

2)食品事業

・ 食品原料、製品、それらの加工技術、品質管理等に関する広範で深い知見

・ 国内外の多数の食品原料供給者、製品の製造者とのつながり、他方、ニーズ先との接点とそれらの情報の結合

3)海外事業

・ 食品に関する深く広範な知識と国内メーカーとの厚い信頼関係

・ 輸出先国の輸入食品管理に係る諸規制や流通制度に関する情報、輸出に係る貿易知識

④ 法改正その他

当社グループは、事業の遂行にあたって、品質・衛生・表示面についてわが国の食品衛生法、JAS法及び食品表示法等を遵守しております。加えて海外との取引が盛んな当社は、輸出入を行う商品に関し対象国の法的規制も受けており、各国で法令の変更や新たな法令の施行等があった場合には、それを適切に受け入れ遵守していく必要があります。その上、わが国と輸出入の先の国とで食品衛生等に関する基準が異なる場合には、そのどちらをも充足するように対応していくことが求められております。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
① 利益の絶対金額(最終利益及び営業利益)

当社グループは、ステークホルダーとの良好な関係の充実・発展、すなわち[a]顧客に提供する商品についてご満足いただき収入を得る、[b]取引先に仕入れた商品や受けたサービスの対価を支払う、[c]従業員に適切に報い安心して働いてもらう、[d]金融機関等に対しサービスに応じた金利、手数料を支払う、[e]国・地方政府にきちんと税金を納める、[f]株主に配当等により適切に報いる、の関係の均衡の取れた拡大を経営の根幹に置き、それに基づくさまざまな事業活動と直接的にリンクする最終利益(親会社株主に帰属する当期純利益)の絶対額確保を最も重視しております。また事業面でその最終利益を特に大きく左右するものとして営業利益をキーとして捉え、その絶対金額及びその従業員1人当たり金額も注視しております。なお、ステークホルダーの満足度という点では従業員満足度等も考慮しております。

 

② 自己資本当期純利益率(ROE)

当社グループは、株主視線での効率化指標として自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。

自己資本当期純利益率の最近の状況は次のとおりであります。

回次

第69期

第70期

第71期

第72期

第73期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

自己資本当期純利益率(%)

5.04

1.19

5.27

5.45

7.70

 

(注)自己資本 = 純資産合計-新株予約権-非支配株主持分、期首・期末の平均により計算

わが国では広く自己資本当期純利益率8%が一つの基準とされておりますが、当社グループはその水準に達しておらず、それを目指し鋭意、努力を進めております。

なお近時わが国において株価純資産倍率(PBR)が1を割れている会社が多く存在し、改善への取り組みの必要性が指摘されております。当社グループも残念ながら1を割れております。PBRは本項のROEと株価収益率(PER)の積によって表され、当社グループのPBRとPERの最近の状況は次のとおりであります。

回次

第69期

第70期

第71期

第72期

第73期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

株価純資産倍率(倍)

0.42

0.36

0.40

0.42

0.56

株価収益率(倍)

8.40

29.92

7.51

7.72

7.28

 

(注)純資産は上記の自己資本で、発行済株式数を8,000千株として計算

すなわちROEの改善はPBR引き上げのための重要なファクターであると認識され、当社グループは2025年3月期を最終年度とする中期経営計画「SHINE2024」のなかで、業績向上の取り組み、IR活動の強化と適切な株主還元等により、ROEとPBRの両方の漸次引上げを図るよう努めております。

またROEが「売上高当期純利益率」と「売上高に対する総資産の回転率」と「自己資本比率の逆数」の積に分解されることはよく知られているところです。「売上高に対する総資産の回転率」の改善を構造的な課題として中長期的に取り組み、短期的には売上高に対する各利益の比率に焦点を当て、なかんずく次項の売上高営業利益率の引き上げを図るべく、事業の見直しや刷新を進めております。

 

③ 売上高営業利益率

売上高営業利益率の最近の状況は次のとおりであります。

回次

第69期

第70期

第71期

第72期

第73期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高営業利益率(%)

1.49

0.97

2.25

1.49

2.23

 

当社グループは、自己資本当期純利益率の構成要素である総資産回転率や自己資本比率の過去の実績と実効税率等をもとに自己資本当期純利益率8%を達成するために必要な売上高営業利益率を概ね2%以上と算定し、事業全体としてこの2%を平均的・安定的にクリアすることを目標にしております。当連結会計年度は為替相場が急激なドル高円安で進んだことに加え、昨年度より続くコーヒー相場高騰の影響により、仕入価格が上昇し、販売価格への転嫁を余儀なくされました。それにより売上高は増加いたしましたが、仕入価格の上昇を十分に販売価格へ転嫁できず売上総利益率は低下いたしました。しかし、販売費及び一般管理費は適切なコントロールにより抑制に努め、営業利益率は増加いたしました。その結果、当社グループ全体としては2%をクリアいたしましたが、それぞれの事業においては課題を残しております。今後はROIC経営導入による投資効率管理の向上により安定的な売上高営業利益率の確保に努めてまいります。

④ 投下資本利益率(ROIC)

 当社グループでは、投資効率と価値創出の程度を理解するための指標として、ROICを用いております。ROICの重要性は以下2点にあります。

・投資効率の評価: ROICは、全ての投資資本(短期・長期の負債と自己資本)がどの程度効果的に使用されているかを評価するのに役立ちます。つまり、企業が投資した資本に対してどの程度のリターンを生み出しているかを示します。これは企業の資本配分の効率性を評価する上で非常に重要な指標となります。

・資本コストとの比較: ROICと資本コスト(WACC:加重平均資本コスト)を比較することで、企業が投資家から調達した資本のコストを上回るリターンを生み出しているかどうかを評価することができます。ROICが資本コストを上回っている場合、それは企業が投資家の期待を上回るリターンを生み出し、企業価値を創出していると解釈できます。

ROICは、全ての資本(負債と自己資本)をどの程度効率的に利益に変換できているかを示します。当社はこれらの数値を向上させることで、投資家に対するリターンを最大化し、企業価値を向上させることを目指しています。

事業によって使用する資本は異なり、前項の売上高営業利益率をそれぞれの事業の目標として一律に適用するのは必ずしも適切でないため、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画「SHINE2024」のなかで、全社及び各事業の投下資本利益率を算定し、主要経営指標として注視することにしております。これをもとに事業ポートフォリオマネジメントを行い、投資及び経営資源配分の最適化に繋げてまいります。

なお、全社の投下資本利益率の最近の状況は次のとおりであります。

回次

第69期

第70期

第71期

第72期

第73期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

投下資本利益率(%)

簿価ベース

2.54

1.60

3.77

2.67

4.40

WACC(%)

簿価ベース

4.60

4.61

4.66

4.72

4.39

投下資本利益率(%)

時価ベース

3.64

2.42

5.56

3.89

5.61

WACC(%)

時価ベース

3.13

2.87

3.08

3.23

3.39

 

(注)投下資本利益率の分子は営業利益×(1-実効税率)で、実効税率は30.5%として計算

   分母は期首・期末の平均で、時価ベースの自己資本は発行済株式数を8,000千株とする時価総額

   WACCの計算に当たり、暫定的に負債コスト=1.25%、株主資本コスト=8.0%を想定

 以上のように、当社グループは簿価と時価の2つの切り口で資本コストと関連させながら投下資本利益率をウォッチし、経営効率の向上を目指しております。

 

⑤ 運転資本関連項目の回転期間

当社グループは、グループ会社にコーヒー・飲料関連の加工工場を有しておりますが、主たる事業は商社として卸売業であり、健全にキャッシュフローを回していくとの観点で棚卸資産、売上債権等、運転資本関連項目の回転期間を重視しております。これは前項の投下資本利益率にも影響を与えるものであります。

 

(4) 中期経営計画について

当社グループは、長期経営計画実現のための橋渡しとして、中期経営計画をローリング方式により定め、実行しており、2023年3月期より中期経営計画「SHINE2024」(3か年計画)をスタートさせました。それはミッションに「世界の食の幸せに貢献する」を掲げ、永く続く会社=200年企業を目指し、「少しでも多くの、少しでも大きな食の幸せを創る」を目標にGHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や、社会的課題解決のビジネス化に取り組み、投資の効率性を追求しながら、事業の持続的成長を目指そうとするものであります。

当連結会計年度は、その初年度にあたりましたが、期初からの著しいドル高円安が進み、当社グループは取扱商品の多くを輸入しているため、2021年から顕著となっていたコーヒー相場の上昇分と合わせ、お客様に販売価格への転嫁の協力をお願いしていくことになりました。それにより売上高は増加いたしましたが、転嫁は仕入価格上昇を十分にカバーしきれず利益率は低下を余儀なくされました。しかし、販売費及び一般管理費は適切なコントロールにより抑制に努め、売上高に対する比率は低下いたしました。その結果、当連結会計年度における売上高は58,972百万円(当初計画値52,497百万円に対し12.3%プラス)、売上総利益は7,623百万円(当初計画値6,914百万円に対し10.3%プラス)、営業利益は1,317百万円(当初計画値885百万円に対し48.8%プラス)、親会社株主に帰属する当期純利益は792百万円(当初計画値519百万円に対し52.5%プラス)となりました。

一方で当社グループを取り巻く事業環境は、特に為替相場を中心に当初計画策定時から著しく変化しており、足元の事業環境を踏まえ、中期経営計画の数値目標について見直しを行うことといたしました。今後は、重点施策を継続しつつ、引き続き中期経営計画で掲げる財務指標の達成を目指して、経営基盤の強化のもとさらなる企業価値の向上に努めてまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、課題認識として、2010年代まで長きにわたり売上高及び利益が大きく成長しない状況が続いておりました。それは食品というわが国国内においては成熟した商品を取扱っていることに由来するものと考えられます。とは言え、わが国の食品業界において急成長を遂げている会社は存在しており、当社グループといたしましても、「永く続く」とともに成長の必要性を十二分に認識しております。その成長に関しましては、次の3点をテーマに取り組んでまいります。

・ 既存事業の枠組みのもとでヒット商品を生み出し、それを核に新規事業を発展させること

・ 成長余地のある海外事業を拡大させていくこと

・ 取扱商品に関し、GHG(温室効果ガス)削減等、プロセスやストーリーを含めた付加価値を創っていくこと

上記以外にも、ブルーオーシャンの新規事業分野に進出していくこと、M&Aを積極的に行うことが考えられないではありません。しかしながら前者は、果たしてブルーオーシャンかの見極めが難しく、また既存の当社グループの知見や強みを活かせる分野でないと著しくリスクが高いものと思料しております。また後者は、いわゆるPMI(M&A後の事業統合)が障害となることが多く、わが国では過去のM&Aの多くが失敗であったという事実も考慮し、あくまでも目的でなく手段の一つであるとの認識のもとに選別的に展開することとしております。

そうしたことから当社グループの今後の成長路線のためのテーマとして、上記の3つをまずは優先させております。

このような企業成長と歩調を合わせる形で、当社グループは収益体質の強化、企業としてのより一層の健全化にも取り組んでまいります。今後の経営環境につきましては、景気の緩やかな回復への期待感があるものの、海外における地政学リスクとそれをめぐる巨大国家間の対立、急速な利上げのあおりを受けた金融市場の動揺等の影響により消費マインドの低下が懸念され、先行き不透明な状況が続くことが予想されております。

そうしたなか、当社グループは、2022年度から新たに中期経営計画「SHINE2024」(3ヶ年計画)をスタートさせ、「少しでも多くの、少しでも大きな食の幸せを創る」ことを目標にGHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や、社会的課題解決のビジネス化に積極的に取り組んでおります。その計画のもとに、以下を課題として挙げ、対処してまいります。

① サステナビリティと事業成長

・GXを軸とした商品開発、ビジネスモデル変革、収益追求

・社会課題、環境課題への対策推進

・パートナー企業との高度な事業連携

② 事業管理高度化

・投資効率管理の向上(ROIC経営導入の推進)

・2年後の目標数字として投下資本利益率(ROIC)、自己資本当期純利益率(ROE)、株価純資産倍率(PBR)等

の定量目標の達成

・非財務情報の定量化、積極的開示による信頼度向上

③ DX推進・AI活用

・業務の抜本的見直し

・社員のリスキリングによる育成

④ 人財力強化・エンゲージメント向上

・多様な人財の活躍推進(女性管理職比率、障がい者雇用率等の定量目標の達成)

・社員一人ひとりが新たな挑戦を生む土壌と個々の機会

⑤ グループ力強化

・本社機能の専門化とグループ各社との連携強化、一体的発展

・新たなフィールドへの挑戦(欧州拠点等)

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また各事項の発生可能性や影響度について、以下の分類を目安に考察を行っております。

 [A] 発生の可能性:(イ)高(2~3年の期間に1度以上程度)、(ロ)中(3年~10年の期間に1度以上程度)、(ハ)低(10年以上の期間に1度以上程度)

 [B] 影響度:(イ)大(売上高換算10%以上又は利益換算30%以上)、(ロ)中(売上高換算5%~10%又は利益換算15%~30%)、(ハ)小(売上高換算5%未満又は利益換算15%未満)、なお影響が表れる様相は売上高、利益といった業績のみならず、財産損失、事業遂行力低下、企業イメージダウン等が考えられますが、すべて業績に引き直して考察しております。

(1) 輸入商品の価格変動が業績に与える影響について

当社グループでは輸入商品を取扱っており、その仕入価格は産地国・調達先国の気候・作柄状況、地場通貨の相場、政情等によって変動する国際商品相場及び為替レートの影響を受けます。このような相場リスクを回避する目的で為替予約取引及びコーヒー先物取引を行い、また、調達先国を複数持つとともに、販売価格への転嫁を行っております。しかしながら、相場の変動が著しく急激あるいは変則的で、リスク回避を含めたコスト上昇分を販売価格に転嫁しきれない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、リスク回避目的の為替予約取引やコーヒー先物取引の未実現分の評価については繰延ヘッジ損益に計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループのこれまでの業績推移を振り返り、発生の可能性は中位、影響度は中と認識しております。近時はロシアのウクライナ侵攻を発端とするエネルギー・商品価格高騰により、世界的なインフレに拍車が掛かっている状況ですが、緩みのない高感度の情報収集と注意深い状況観察をもとにマネジメント主導で適切に判断し、迅速な対応を図っております。

(2) ITリスクについて

当社グループは、ITを活用し事業活動を効率的に進めるために、多くのITシステムを運用しています。これらを安全に運用するために権限責任の明確化、チェック体制、外部からの侵入対策、社員教育等情報セキュリティ体制の強化に努めております。しかしながら、サイバー攻撃を含む意図的な行為により、情報の漏洩、消失、各種障害等の影響を受け、信用低下や事業活動が一時的に中断することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は中位、影響度は中と認識しております。引き続ききめ細かく管理し、不測の事態が起きないよう努めてまいります。

(3) 感染症(パンデミック)のリスクについて

2020年に発生した新型コロナウイルスは世界中に拡散し、人々の社会生活や経済活動を一変させ、当社グループの主力マーケットである食品業界では、特に外食関連において深刻な打撃を与えてきました。

当社グループについて、感染症(パンデミック)に関して想定されている主要なリスクは次の通りであります。

① 国内外にて需要減少により販売が低下するリスク

② 販売ルートのいずれかで信用面の悪化が生じ連鎖するリスク

③ 生産拠点あるいは物流、サプライチェーンにおいて何らかの支障が生じ、販売用の仕入れ商品の調達が滞るリスク

④ 顧客・取引先と対面商談ができないことによるリスク

⑤ 当社グループのいずれかのユニットで社内感染により業務が停止するリスク

⑥ リモートワークに伴う業務機能の低下、あるいは社員の精神的な不安、ストレス等のリスク

⑦ 金融市場の混乱、あるいは当社グループの不測の業績悪化により資金調達に支障が生じるリスク

 例年、インフルエンザ等はありますが、今回の新型コロナウイルスほどのパンデミックは1920年代のスペイン風邪以来と言われており、発生の可能性は低位であると認識しております。しかしながら、感染症(パンデミック)が当社グループ商品の需要先の一つである国内外の外食関連に対し厳しい打撃を与える場合の影響度は大と考えられ、中食等影響を受けない分野の営業強化や新しい販売チャンネルの開拓等の必要性を認識し、継続して検討してまいります。

 

(4) サプライチェーンリスクについて

当社グループは、需給バランス、作柄、国際相場等さまざまな調達リスクや市場の変化に素早く対応できるよう、取扱商品により産地を分散化し安定的に調達できるよう努めております。さらに、サプライチェーン全体においてどこで人権リスクが発生しやすいかを分析・確認することが重要であり予防・低減に努めております。しかしながら、世界的な需給バランスの変化や不作、調達国における法律等の変更や政治的混乱、国際紛争等により商品の大幅な価格上昇や調達量不足が生じた場合やサプライチェーンにおける児童労働、強制労働、外国人労働者の差別等による当社グループの社会的な信用低下により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。途上国・新興国等における人権状況等に鑑み発生の可能性は中位、影響度は、当社グループの一部の商品において代替が難しいものが含まれるため中と認識しております。それらの対策として、サプライチェーンにおけるリスクの該否及び対応について確認と継続的な対応改善を図ってまいります。

(5) 食の安全について

当社グループは、取扱商品の多くを海外から調達しており、その衛生管理に関し、専門部署による品質チェック、海外製造元に対する監査・指導等を通じ、万全な品質管理体制を敷き、十分な注意を払っておりますが、偶発的な事象等による商品事故や当社グループの取り組み範囲を超えるトラブルが発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。不断の管理により未然防止に努めているため、過去においてリスクは最小限に抑えてまいりましたが、食の安全安心の観点から慎重を期し発生の可能性は高位、影響度は、当社グループの取扱商品が多岐にわたることから個々の商品としては小と認識しております。引き続き事故に繋がるいかなる兆候も見逃さず、油断なく管理を行ってまいります。

(6) 取引先の信用リスクについて

当社グループでは、国内外の取引先との商取引に伴い発生する売掛債権等の信用リスクが存在します。債権の回収不能という事態を未然に防ぐため、情報収集や与信管理等を徹底し、取引信用保険を付保して、債権の保全策を講じております。また、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を見積り、回収不能見込額を貸倒引当金に計上しております。しかしながら、取引先の予期せぬ事態により信用状況等が大きく悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ここ約10年来、管理強化に取り組んできた結果、本件リスクが顕在化したことはほとんどありませんが、実際の貸倒引当金の計上事案等を鑑み、発生の可能性は高位、影響度は、与信先の分散により小と認識しております。引き続き緻密に管理を行ってまいります。

(7) 物流等のインフラ機能不全の影響について

当社グループは、輸出入取引に係る貿易業務、常温もしくは冷蔵・冷凍保管、運送をそれぞれに強みのある取引先業者に委託し、それらを通じ様々な物流関連のインフラを利用しております。後述する自然災害のケースのみならず、突発的な電力等の供給不足、大規模ネット障害等によりインフラ機能に支障が生じ、その対応のため、一時的に、関連コストの増加を余儀なくされる場合があります。一方で、物流業界の慢性的な人手不足は、将来的に物流コストの上昇を招くものであり、現に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼしておりますが、物流を担当する専門部署を設置し、物流の最適化を進めており、それをもとに発生の可能性は低位、影響度は中と認識しております。

(8) 競合について

当社グループは、専門商社として取扱商品をコーヒー焙煎業者、飲料メーカー、業務用食品問屋、量販店、外食チェーン等へ販売しており、競合他社に対する差別化を図るため主に商品の魅力、特性を訴求しております。今後、消費者の嗜好変化に伴う需要変動、新規参入、販売先の系列化等の影響により競争がさらに激化するような場合には収益性が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。流行商品は変遷し、販売先の事業見直しや合従連衡は起きていますが、大規模なものの発生の可能性は中位、影響度は小と認識しております。当社グループの商品開発力、営業力に磨きをかけ、一層の競争優位を図ってまいります。

 

 

(9) 人材リスクについて

当社グループにあっては人材が最重要の経営資源であり、新卒及び中途採用を通じて優秀な人材の獲得及び育成に力を入れております。しかしながら、これら優秀な人材の退職や日本国内における少子高齢化に伴う労働人口の減少、産業構造の変化等により人材の確保が計画どおりに遂行できなかった場合、あるいは予見し得なかった突発的な事情により相応に知見・技能を有した人材の手当てが相当期間できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに当該リスクの発生の可能性は中位、影響度は小と認識しております。社員エンゲージメントを高めるために、各社員がモチベーションを持ってそれぞれの能力を伸ばしながら安心して働ける環境作り、ニューノーマルな働き方の採用、適切な待遇、加えて緻密で整合性のある事業計画と要員計画の実践、これらを通じ安定した要員体制を保持してまいります。

(10) 海外事業展開について

当社グループは、中長期的な視点で今後の国内需要の伸びに大きな期待をすることは難しいため、漸次、輸出事業の他、販売・製造拠点展開等の海外事業を拡大させております。それぞれの案件の採算を慎重に検証し、分散を図り、進捗ペースは既存の事業収益と適度なバランスが保たれるようコントロールしておりますが、対象国・地域に関して政治・経済情勢の変化、政策変更の他、自然災害、テロ、争乱等の予期し得ないリスクも存在しております。そうしたリスクの顕在化の程度が著しい場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに当該リスクの発生の可能性は中位、影響度は海外事業のボリュームが依然小さいため小と認識しております。きめ細かな情報収集と管理により、不測の事態が起きないよう努めてまいります。

(11) 保有資産の減損等のリスクについて

当社グループは、グループ会社にてコーヒー・飲料関連の加工工場を有し、対象事業の維持と拡大を図るため、漸次、機械設備等の増強、保守・更新を行っております。そうした投資案件に関し、金額・内容の妥当性や損益・資金収支の見通し等を慎重に検討の上、金額に応じ取締役会等で決定し、適切に進めております。しかしながら予期せぬ事態の発生により需要が当初予測を大幅に下回った場合、対象資産に係る損益・資金収支に影響を与え、それが高じた際には減損を余儀なくされ、それらにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は中と認識しております。引き続き投資判断を厳正に行うとともに、投資後案件をマネジメントレベルで定期的にレビューすること、保有資産の稼働状況、需要及び損益の先行き見通しを適切に管理することにより、不測の事態が起きないよう努めてまいります。

(12) 有利子負債の依存度について

当社グループは、運転資金及び設備投資資金等を主に金融機関からの借入れにより調達しており、総資産に占める有利子負債の割合が2023年3月決算期で33.5%(有利子負債残高(リース債務を含む)12,132百万円/総資産36,174百万円)といった水準にあります。収益力向上とキャッシュ・フロー重視の経営によりこの水準を引き下げ、金融機関とは円滑、安定的な関係維持を図っておりますが、金融環境の変化により金利が大きく上昇した場合、あるいは金融市場の動揺、当社信用力に係る評価の著しい悪化等で資金調達が制約を受けた場合、調達コストの増加等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまで本件リスクが顕在化したことはなく、発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。引き続き当社グループのバランスシートに万全の注意を払い、金融市場の状況を見ながら、円滑、安定した金融機関取引を継続してまいります。

 

 

(13) 気候変動リスクによる影響について

気候変動や地球温暖化の原因とされるGHG(温室効果ガス)削減が世界的に叫ばれるなか、当社グループの主要取扱商品であるコーヒーに関しては、コーヒー豆の生産地が2050年まで半減するという「2050年問題」が注目され、当社グループとしても検討すべきリスクファクターに含めております。また、他の商品についても少なからず気候変動の影響を受けるものと考えられます。本件は長期的に取り組むべきテーマであり、現時点では発生の可能性は低位、影響度は小と認識しておりますが、目下、グループ全体としてGHG(温室効果ガス)排出量の合理的な算出に取り組んでおり、さらにScope1・2とScope3に分けそれぞれの具体的な削減に向けた活動を推進しております。同様の観点で、当社グループはSDGsへの取り組みをグループ挙げての方針に掲げており、その一環として、近畿大学との共同で開発を行いましたコーヒーグラウンズ(コーヒー残渣)由来のバイオ燃料により焙煎したコーヒーの製造が進んでおります。また、兵庫県小野市に建設予定の新工場ではサーキュラーエコノミーシステムを用いた「グリーン焙煎」構想に着手いたします。

(14) 自然災害等による影響について

当社グループでは、自然災害等により事業所や設備の損壊による事業活動の低下や停止等、不測の事態が発生する可能性があるため、リスク管理委員会において対応の整備を図っております。しかしながら、予期せぬ自然災害等により想定を著しく超える事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験や統計的な判断をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。BCP(事業継続計画)の強化を図りながら、想定外に対応するような事前検討・準備を怠りなく行い、きめ細かな状況分析に基づく的確な判断により、著しい影響の回避を図ってまいります。

(15) 需要期の季節集中について

当社グループは、取扱商品の多くの需要期が冬場で、特にその一部は年末・年初に繁忙期を迎えるため、売上高・利益の計上が下半期、なかんずく第3四半期に偏っております。従前より夏場商品の開発等により平準化を試みておりますが、これまでのところ成果は捗々しくなく、もし需要期・繁忙期に突発的な自然災害、事変等が発生し、充分な需要を確保できないような事態が発生した場合、年度を通じた業績への影響等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。引き続き夏場商品の開発を進めるとともに、きめ細かな状況分析に基づく的確な判断により、著しい影響の回避を図ってまいります。

(16) 法的規制等について

当社グループは、事業の遂行にあたって、品質・衛生・表示面について食品衛生法、JAS法及び食品表示法等を遵守しております。しかしながら、海外との取引が盛んな当社は、日本のみならず海外各国の法的規制も受けており、各国で法令の変更や新たな法令の施行等があった場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。またこれらにより、各種規制事項を遵守するためのコストが増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。引き続き、きめ細かな状況分析に基づく的確な判断により、不測の事態が起きないよう努めてまいります。

 

(17) 投資有価証券について

当社グループは、良好な取引関係を維持する目的で一部の取引先企業の株式を保有しております。これらの保有 株式に関し定期的に取引関係、保有メリットが資本コストに見合っているかを精査し、保有の適否を見直すことと しておりますが、景気や市場動向、発行体の信用状況等の急激な変化により保有している有価証券の価格が著しく下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。引き続き、きめ細かな精査と見直しにより、著しい影響の回避を図ってまいります。

(18) 繰延税金資産について

当社グループは、わが国において一般的に通用する会計規則に則り、将来の課税所得を合理的に見積もり、回収可能性を検討した上で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の見積もり等に大きな変動が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの経験をもとに大事に至る当該リスクの発生の可能性は低位、影響度は小と認識しております。引き続ききめ細かく管理し、不測の事態が起きないよう努めてまいります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き新型コロナウイルスの影響が続くなか、WITHコロナのもとで各種政策の効果もあって徐々に経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。その一方、ウクライナ問題等に起因する世界的な資源価格高騰、さらには急激な円安の影響も相まって物価上昇圧力が高まるなか、今後の金融政策についてさまざまな思惑が広がり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

海外に関しては、米国は利上げによる景気下振れリスクはあるものの、安定した雇用環境のもと個人消費は底堅く推移し、景気は緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方欧州は、高インフレ及び利上げの影響により、景気はこのところ足踏みが続いております。中国は、ロックダウンの影響等から経済活動に停滞が見られましたが、ゼロコロナ政策の解除を機に回復基調を示しております。

当社グループの主力マーケットである食品業界におきましては、外食産業では行動制限の解除により売上高は回復傾向にあるものの、エネルギー価格や原材料の高騰等により厳しい経営環境が続いております。

当社グループの業績に影響を与える為替相場におきましては、期初1ドルあたり122円台で始まり、日米の金融政策の違いに関する思惑からドル高円安基調が強まり、一時151円台まで円安が進みました。その後米国の利上げペース減速の思惑等に加えて、日銀による政策修正観測の高まりを受けて一時127円台までドルが下落した後、再び130円台に戻りその半ばで推移し、期末では133円台となりました。

コーヒー業界におきましては、コーヒー相場は期初1ポンドあたり228.40セントからスタートし、最大生産国であるブラジルの収穫量予測等を背景に乱高下を繰り返し、8月に最大240セント付近まで上昇しましたが、その後徐々に下落し、一時143セント台まで下落した後3月末では170.50セントとなりました。

このような状況のなか、当社グループは、当連結会計年度より新たな中期経営計画「SHINE2024」をスタートさせました。これは、「少しでも多くの、少しでも大きな食の幸せを創る」を目標にGHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や、社会的課題解決のビジネス化に積極的に取り組むものです。当連結会計年度は、その初年度として新中期経営計画実践に向け意欲的に取り組もうとしましたが、期初からの上記した著しいドル高円安が進み、当社グループは取扱商品の多くを輸入しているため、2021年から顕著となっていたコーヒー相場の上昇分と合わせ、お客様に販売価格への転嫁の協力をお願いしていくことになりました。それにより売上高は増加いたしましたが、転嫁は仕入価格上昇を十分にカバーしきれず利益率は低下を余儀なくされました。しかし、販売費及び一般管理費は適切なコントロールにより抑制に努め、売上高に対する比率は低下いたしました。

そうしたことにより当連結会計年度においては、売上高は58,972百万円(前年同期比26.2%増加)、売上総利益は7,623百万円(前年同期比14.9%増加)、営業利益は1,317百万円(前年同期比89.4%増加)、経常利益は1,295百万円(前年同期比63.2%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は792百万円(前年同期比48.7%増加)となりました。

 

各事業別の状況は次のとおりであります。なお、ここ数年の海外子会社の事業拡大に伴い、当連結会計年度より国内外の販売市場に主眼を置く管理区分に変更いたしました。そのため当連結会計年度の比較・分析は変更後の区分に基づいております。

コーヒー・飲料事業

1)コーヒー飲料原料

コーヒー生豆は、コーヒー相場の高騰及び円安により販売価格が上昇し、売上高が大幅に増加いたしました。

また、自家焙煎店、量販店などの家庭用ルートや、一部の輸出が好調で販売量が増加し、新型コロナウイルスが落ち着いてきたことで業務用卸への販売も回復傾向にあることも売上高の増加を支えました。

飲料原料は、円安により販売価格が上がっていることに加え、飲料メーカー向けの販売が好調だったことにより売上高が増加いたしました。

その結果、コーヒー飲料原料の売上高は前年同期比39.7%増加いたしました。

2) コーヒー飲料製品

工業用製品の販売はコーヒー相場の高騰及び円安に伴う販売価格上昇により増加し、またWITHコロナが浸透したことにより外食需要が回復し、業務用は増加する一方、コーヒーバッグに関しては、値上げの影響により一部の量販店向けの販売が苦戦を強いられる結果となりました。

その結果、コーヒー飲料製品の売上高は前年同期比26.2%増加いたしました。

 

これらの理由により、コーヒー・飲料事業の売上高は22,932百万円と前年同期比31.0%の増加となり、売上総利益は3,236百万円と前年同期比13.1%の増加となりました。

 

食品事業

1)加工食品

ドライ商品は、量販店向けの野菜缶詰、メーカー原料・給食業態向けへのフルーツ缶詰等の販売が増加し、各商品群の価格改定も進み、売上高は前年同期比21.2%増加いたしました。

フローズン商品は、中国産ポテトの取り扱いが本格化し、既存の量販惣菜業態、小売業態・外食業態への販売が増加傾向で推移し、外食向け大型商品の価格改定・市場の復調もあり、売上高は前年同期比47.4%増加いたしました。

メーカー商品は、ドライ・フローズンともに、昨年落ち込んだ外食向けの販売が回復に向かい、売上高は前年同期比15.6%増加いたしました。

その結果、加工食品全体の売上高は前年同期比23.7%増加いたしました。

2)水産

水産は、新型コロナウイルスの規制緩和による外食業界の復調、及び観光地宿泊施設等の需要回復の影響によりエビ商品の販売が増加したことに加え、円安による販売単価上昇により売上高が増加いたしました。

その結果、水産の売上高は前年同期比17.4%増加いたしました。

3)調理冷食

調理冷食は、顧客需要の変化に伴い工場にて使用される鶏肉原料等の売上が伸びております。その一方、量販店を中心に販売しております合鴨製品の需要鈍化の影響を受け厳しい状況にて推移いたしました。

その結果、調理冷食の売上高は前年同期比7.3%増加いたしました。

4)農産

生鮮野菜は、台湾向けの国産玉葱の輸出が本格化し大幅に増加いたしました。また中国産玉葱の輸入販売におきましては、既存得意先の販売シェアが拡大したことに加え、円安による販売単価上昇により売上高が大きく増加いたしました。

農産加工品は、既存得意先の販売シェア拡大及び新規得意先開拓が進み、れんこん加工品、唐辛子、トマト加工品の販売が増加いたしました。

その結果、農産の売上高は前年同期比29.8%増加いたしました。

 

これらの理由により食品事業の売上高は26,989百万円と前年同期比20.7%の増加となり、売上総利益は3,189百万円と前年同期比13.4%の増加となりました。

 

海外事業

WITHコロナの生活様式が定着した海外市場では、料飲店での外食機会が大幅に増加しました。それに伴い、日本食を提供するレストラン向け業務用食材の需要も増加し、日本から食材の輸出が増加しました。その一方、コロナ禍で急拡大した小売店での巣ごもり需要は縮小へと転じ、小売用日本食材の輸出は減少しました。当社の主たる販売ルートは、小売店向けであるため、日本からの輸出売上高は前年に比べ減少する結果となりました。 中国の現地法人においては現地のコロナ対応の影響がありましたが、一年を通して、中国国内向けの出荷量を伸ばしました。

その結果、海外事業の売上高は9,050百万円と前年同期比31.7%の増加となり、売上総利益は1,197百万円と前年同期比24.3%の増加となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ945百万円増加し、5,100百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は1,290百万円(前連結会計年度に比べ使用した資金は559百万円増加)となりました。その主な内容は、棚卸資産の増加2,683百万円に対し、仕入債務の増加1,779百万円です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は713百万円(前連結会計年度に比べ使用した資金は52百万円増加)となりました。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出793百万円です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は2,944百万円(前連結会計年度に比べ得られた資金は2,145百万円増加)となりました。その主な内容は、借入金及び社債収支による収入3,210百万円です。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループ(当社及び連結子会社)は単一セグメントに該当するため、事業別に生産、受注及び販売の状況を記載しております。

a. 生産実績及び受注状況

当社グループのうち連結子会社において飲料製品(レギュラーコーヒー・インスタントコーヒー)の生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、生産実績及び受注状況については記載しておりません。

 

b. 商品仕入実績

 

事業別

金額(千円)

前年同期比(%)

コーヒー・飲料事業

17,655,497

47.5

食品事業

23,955,704

19.1

海外事業

8,738,007

40.1

合計

50,349,209

31.4

 

 

c. 販売実績

 

事業別

金額(千円)

前年同期比(%)

コーヒー・飲料事業

22,932,238

31.0

食品事業

26,989,970

20.7

海外事業

9,050,036

31.7

合計

58,972,245

26.2

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高58,972百万円(前年同期比26.2%増加)、売上総利益7,623百万円(前年同期比14.9%増加)、営業利益1,317百万円(前年同期比89.4%増加)、経常利益1,295百万円(前年同期比63.2%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益792百万円(前年同期比48.7%増加)となりました。年度初めより、新型コロナウイルスの感染者数が減少し、その後、一時急激な感染再拡大は見られたものの経済活動が徐々に正常化に向かう一方、ウクライナ問題の長期化、世界的な資源価格高騰、さらには円安に伴う物価上昇圧力も相まって、依然として先行きは不透明な状況が続いておりました。また、食品業界の特に外食産業におきましては、外出機会が徐々に増え、家族客を中心に客足が回復傾向にありました。これに伴い外食産業向けの販売が回復に向かいました。当連結会計年度におきましては、期初からの円安及び2021年度から顕著となっていたコーヒー相場の上昇分を販売価格の引き上げに繋げたことに加え、グループ挙げてのこれまでの取り組みが成果にあらわれ順調に業績を伸ばし、期中には当初計画の上方修正を行い、着地としては利益面で未達ながら、概ね修正計画に沿った結果となりました。

また、当連結会計年度からは新たに中期経営計画「SHINE2024」をスタートさせ、GHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や、社会的課題解決のビジネス化に積極的に取り組んでおります。

今後は、将来の目標とする姿からのバックキャストによって描かれるルートにしたがってビジネスモデルの変革や事業ポートフォリオの改革を進め、社会的課題・環境課題に対する高度な取り組みや新たなフィールドへのチャレンジ等を行うことにより事業の持続的成長を目指してまいります。

                                         (単位:百万円)

 

2022年3月期

2023年3月期

実績

 業績予想 (2022年5月)

 業績予想修正

 (2022年11月)

実績

連結

売上高

46,729

52,497

58,400

58,972

営業利益

695

885

1,540

1,317

経常利益

793

861

1,600

1,295

親会社株主に帰属する当期純利益

532

519

895

792

個別

売上高

40,974

43,884

51,600

51,124

売上総利益

4,843

 

 

5,338

営業利益

215

 

 

531

経常利益

331

401

760

712

当期純利益

175

279

520

538

 

 

連結会計年度の財政状態に関しては、売上債権・仕入債務が期末近くの取引活発により概ね並行する形で増えており(売上債権は1,698百万円増加、仕入債務は1,779百万円増加)、加えて、コーヒー相場の高騰及び円安により、棚卸資産が増加(2,683百万円増加)、それに伴い借入金も大きく増加(3,266百万円増加)しております。当連結会計年度末の現預金の残高は月商の1.06ヶ月と当社グループとしては特に問題ない水準ですが(前連結会計年度末は1.09ヶ月)、引き続き財務の効率化と健全化を意識して取り組んでまいります。

事業別の経営成績の状況は次のとおりであります。

コーヒー・飲料事業 ・・・ 売上高:  22,932百万円 (前年同期比31.0%増加)

              売上総利益: 3,236百万円 (前年同期比13.1%増加)

食品事業      ・・・ 売上高:  26,989百万円 (前年同期比20.7%増加)

              売上総利益: 3,189百万円 (前年同期比13.4%増加)

海外事業      ・・・ 売上高:   9,050百万円 (前年同期比31.7%増加)

              売上総利益: 1,197百万円 (前年同期比24.3%増加)

各事業で増収増益となっておりますが、コーヒー・飲料事業は、コーヒー相場の高騰及び円安により販売価格が上昇、また自家焙煎店、量販店などの家庭用ルートへの販売が好調だったこと、加えて一部の輸出において販売拡大、業務用卸への販売回復が前年同期比増加の主な要因であります。食品事業は、主に昨年落ち込んだ外食向けの販売が回復したことによるものであります。海外事業は、輸出先国でのWITHコロナの生活様式が定着し、それに伴い、日本食を提供するレストラン向け業務用食材の輸出が増加し、加えて中国現地法人の業績好調が後押ししたものであります。

今後はGHG(温室効果ガス)削減を図りながら、さらなる事業の持続的成長を目指してまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、現金及び現金同等物において期末残高は、前連結会計年度末に比べ945百万円増加し、5,100百万円となりました。また営業活動によるキャッシュ・フローは営業活動の結果使用した資金は1,290百万円となり、これは、主に棚卸資産の増加(2,683百万円)に対し、仕入債務の増加(1,779百万円)が大きく影響しております。当社が特に重視している運転資本関連項目の回転期間の推移は以下のとおりです。業態を勘案すれば特に問題ない水準と考えており、引き続きキャッシュ・コンバージョン・サイクルを注視しながら適切な運営を行ってまいります。

 

連結

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上債権

 

 

 

四半期末毎の平均残高(百万円)

8,832

9,748

12,342

回転期間(ヶ月)

2.62

2.50

2.51

棚卸資産

 

 

 

四半期末毎の平均残高(百万円)

5,994

6,810

9,666

回転期間(ヶ月)

1.78

1.75

1.97

買入債務

 

 

 

四半期末毎の平均残高(百万円)

4,191

5,184

6,775

回転期間(ヶ月)

1.24

1.33

1.38

運転資本

 

 

 

四半期末毎の平均残高(百万円)

10,636

11,375

15,233

回転期間(ヶ月)

3.15

2.92

3.10

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは適切な自己資本比率を維持しつつ、外部からの資金調達の制約を考慮しながら、円滑、安定的な資金繰り運営と手許流動性の維持を行っております。2002年の株式店頭登録以降、資本(エクイティ)による資金調達の実績はなく、調達の源泉は基本的に金融機関からの借入金に依存しております。その最近の推移は以下のとおりであります。当社グループは、前項の適切なキャッシュ・コンバージョン・サイクル、金融機関との密接な取引関係、不測の事態へのクッションとしての相応の自己資本の3つを資金流動性維持の根幹に据え、運営を行っております。自己資本比率に関して、当社グループはこれまで30%以上を目安とし、ここ数年その水準を維持しておりましたが、当連結会計年度において、当社グループは取扱商品の多くを輸入しているため、期初からの著しい円安の影響により、運転資金の増加を余儀なくされました。その結果、金融機関からの借入金が大きく増加し、自己資本比率は30%を下回っております。今後改めて適切な自己資本比率を見定めつつ、安定・効率的な資金調達と資本コストを意識した事業運営により、健全な財政状態が維持されるよう努めてまいります。

(単位:百万円)

連結

2021年3月

2022年3月

2023年3月

短期借入金

2,700

4,120

7,512

長期借入金

4,033

3,748

3,622

内1年内返済予定

1,396

1,323

1,301

社債(私募債)

316

260

204

内1年内返済予定

56

56

56

リース債務

618

816

793

有利子負債 計

7,667

8,945

12,132

 

 

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。それに関連する主な項目は以下のとおりであります。

a 貸倒引当金について

当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒が懸念される特定の債権については個別に回収可能性を検討し、債権の回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。

b 繰延税金資産について

繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を検討し計上しております。

c 保有資産の減損リスクについて

当社グループは、投資案件に関し、金額・内容の妥当性や損益・資金収支の見通し等を慎重に検討の上、金額に応じ取締役会等で決定し、適切に進めております。

d 投資有価証券について

当社グループは、保有株式に関し定期的に資本コストに見合っているか等を精査し、保有の適否を見直すこととしております。

e 賞与引当金について

当社グループは、従業員に対する賞与支給に充てるため、業績を鑑み、支給見込額を見積り計上しております。

f 棚卸資産の評価について

当社グループは、棚卸資産を主として移動平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法)で評価しておりますが、収益性の低下による簿価の切り下げは、一定の仮定及び販売可能性の判断に基づいております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社

2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業
員数
(名)

建物
及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

土地
(面積㎡)

リース
資産

その他

合計

本社
(神戸市灘区)

営業設備
本社機能

358,215

425

57,649

(1,000)

1,938

1,482

419,711

143

東京支店
(東京都品川区)

営業設備

2,146

0

(―)

30

2,177

61

福岡支店
(福岡市博多区)

営業設備

212

(―)

0

212

5

名古屋支店
(名古屋市北区)

営業設備

7,577

0

51,622

(946)

255

59,455

6

札幌支店
(札幌市中央区)

営業設備

2,739

(―)

141

2,881

5

関係会社貸与設備
(神戸市東灘区)

焙煎設備

246,701

(3,197)

109

246,810

関係会社貸与設備
(大阪市西淀川区)

加工・

配送設備

553,210

850,822

(4,875)

2,463

1,406,496

 

(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具備品であります。

2.本社建物の一部を連結会社以外の者へ賃貸しております。

3.関係会社貸与設備は、国内子会社である関西アライドコーヒーロースターズ㈱への工場用地及び建物の貸与であります。

 

(2) 国内子会社

2023年3月31日現在

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業
員数
(名)

建物
及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

土地
(面積㎡)

リース
資産

その他

合計

関西アライドコーヒーロースターズ㈱

本社工場
(神戸市
東灘区)

焙煎・
加工設備

176,575

123,552

(―)

389,050

11,816

700,995

41

大阪工場
(大阪市
西淀川区)

加工設備

15,375

67,203

(―)

202,188

6,152

290,919

41

東京アライドコーヒーロースターズ㈱

横浜工場

(横浜市都筑区)

焙煎・

加工設備

391,848

413,045

(―)

14,781

819,674

86

 

(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具備品及び建設仮勘定であります。

   2.東京アライドコーヒーロースターズ㈱の決算日は12月31日であり、連結財務諸表の作成に当たっては、同日現在の財務諸表を使用しているため、2022年12月31日現在の金額を記載しております。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

22,400,000

22,400,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月30日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

8,000,000

8,000,000

東京証券取引所
スタンダード市場

単元株式数100株

8,000,000

8,000,000

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(千株)

発行済株式
総数残高
(千株)

資本金増減額
 
(千円)

資本金残高
 
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2002年11月12日
(注)

700

8,000

134,400

623,200

161,700

357,000

 

(注) 有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)

700千株

 

発行価格

450円

引受価額

423円

発行価額

383円

資本組入額

192円

 

 

 

(5) 【所有者別状況】

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

7

18

59

16

4

4,612

4,716

所有株式数
(単元)

7,586

1,229

13,595

1,737

23

55,783

79,953

4,700

所有株式数
の割合(%)

9.49

1.54

17.00

2.17

0.03

69.77

100.00

 

(注) 自己株式277,901株は、「個人その他」に2,779単元、「単元未満株式の状況」に1株含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式(自己株式を
除く。)の総数に対する
所有株式数の割合(%)

マリンフード㈱

豊中市豊南町東4-5-1

375

4.86

石光商事従業員持株会

神戸市灘区岩屋南町4-40

358

4.64

㈱三井住友銀行

東京都千代田区丸の内1-1-2

252

3.27

石光輝男

神戸市灘区

238

3.08

駒澤孝江

神戸市北区

216

2.81

日米珈琲㈱

神戸市灘区灘南通6-2-20

204

2.64

㈱トーホー

神戸市東灘区向洋町西5-9

200

2.59

㈱みなと銀行

神戸市中央区三宮町2-1-1

194

2.51

丸紅㈱

東京都千代田区大手町1-4-2

192

2.49

石光輝信

横浜市磯子区

179

2.32

2,411

31.22

 

 

 

①【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

※2 4,263,001

※2 5,188,837

 

 

受取手形及び売掛金

※3,※4 10,036,917

※3,※4 11,735,550

 

 

商品及び製品

5,444,059

7,103,011

 

 

未着商品

1,740,262

2,450,534

 

 

仕掛品

9,572

31,849

 

 

原材料及び貯蔵品

648,687

940,421

 

 

その他

1,139,806

754,540

 

 

貸倒引当金

28,245

3,099

 

 

流動資産合計

23,254,062

28,201,644

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物

※2 4,490,272

※2 4,536,872

 

 

 

 

減価償却累計額

2,747,900

2,876,760

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

1,742,372

1,660,111

 

 

 

機械装置及び運搬具

6,873,042

6,563,898

 

 

 

 

減価償却累計額

5,828,286

5,685,313

 

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

1,044,756

878,584

 

 

 

土地

※2 2,562,471

※2 3,156,471

 

 

 

リース資産

914,566

978,796

 

 

 

 

減価償却累計額

264,840

350,954

 

 

 

 

リース資産(純額)

649,725

627,841

 

 

 

その他

498,575

558,283

 

 

 

 

減価償却累計額

337,784

355,218

 

 

 

 

その他(純額)

160,791

203,065

 

 

 

有形固定資産合計

6,160,116

6,526,074

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

リース資産

56,280

34,801

 

 

 

その他

149,700

168,343

 

 

 

無形固定資産合計

205,980

203,144

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※1 698,049

※1 715,925

 

 

 

繰延税金資産

87,172

75,576

 

 

 

その他

549,054

546,777

 

 

 

貸倒引当金

111,793

98,248

 

 

 

投資その他の資産合計

1,222,483

1,240,030

 

 

固定資産合計

7,588,580

7,969,250

 

繰延資産

 

 

 

 

社債発行費

4,309

3,334

 

 

繰延資産合計

4,309

3,334

 

資産合計

30,846,952

36,174,229

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

※2 5,886,181

※2 7,665,259

 

 

短期借入金

4,120,000

7,512,000

 

 

1年内償還予定の社債

56,000

56,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※2 1,323,140

※2 1,301,460

 

 

リース債務

164,334

183,253

 

 

未払金

1,379,216

1,428,621

 

 

未払法人税等

171,067

250,319

 

 

未払消費税等

7,741

41,286

 

 

契約負債

429,442

76,281

 

 

賞与引当金

215,036

207,617

 

 

役員賞与引当金

12,397

25,853

 

 

その他

123,838

173,401

 

 

流動負債合計

13,888,395

18,921,352

 

固定負債

 

 

 

 

社債

204,000

148,000

 

 

長期借入金

※2 2,425,560

※2 2,321,360

 

 

リース債務

652,352

610,003

 

 

繰延税金負債

323,808

262,646

 

 

役員退職慰労引当金

9,933

833

 

 

退職給付に係る負債

386,164

412,494

 

 

資産除去債務

128,902

129,424

 

 

その他

73,867

61,434

 

 

固定負債合計

4,204,587

3,946,196

 

負債合計

18,092,982

22,867,549

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

623,200

623,200

 

 

資本剰余金

902,444

904,195

 

 

利益剰余金

8,214,276

8,898,559

 

 

自己株式

107,564

102,394

 

 

株主資本合計

9,632,356

10,323,560

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

149,247

163,958

 

 

繰延ヘッジ損益

241,768

13,333

 

 

為替換算調整勘定

38,987

46,393

 

 

その他の包括利益累計額合計

430,003

197,019

 

非支配株主持分

2,691,609

2,786,100

 

純資産合計

12,753,969

13,306,680

負債純資産合計

30,846,952

36,174,229

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 46,729,996

※1 58,972,245

売上原価

※2 40,092,308

※2 51,348,558

売上総利益

6,637,687

7,623,687

販売費及び一般管理費

 

 

 

荷造運搬費

1,218,311

1,316,813

 

保管費

651,425

689,524

 

貸倒引当金繰入額

36,243

38,690

 

報酬及び給料手当

1,841,203

1,897,539

 

賞与引当金繰入額

173,752

187,015

 

役員賞与引当金繰入額

12,397

25,853

 

退職給付費用

94,183

78,424

 

支払手数料

538,413

604,781

 

減価償却費

182,279

171,876

 

その他

1,193,818

1,373,130

 

販売費及び一般管理費合計

5,942,029

6,306,269

営業利益

695,657

1,317,418

営業外収益

 

 

 

受取利息

9,031

9,243

 

受取配当金

15,068

16,862

 

受取賃貸料

21,578

21,519

 

為替差益

93,724

-

 

社宅使用料

12,826

18,825

 

その他

43,216

46,551

 

営業外収益合計

195,446

113,002

営業外費用

 

 

 

支払利息

66,492

79,361

 

持分法による投資損失

8,444

3,526

 

為替差損

-

38,204

 

その他

22,184

13,919

 

営業外費用合計

97,122

135,011

経常利益

793,981

1,295,408

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※3 307

-

 

投資有価証券売却益

※4 1,354

※4 6,130

 

補助金収入

-

※5 25,278

 

特別利益合計

1,661

31,409

特別損失

 

 

 

固定資産売却損

※6 17

-

 

固定資産除却損

※7 5,195

※7 3,641

 

投資有価証券評価損

599

-

 

投資有価証券売却損

2,948

-

 

貸倒引当金繰入額

160

-

 

特別損失合計

8,921

3,641

税金等調整前当期純利益

786,721

1,323,176

法人税、住民税及び事業税

288,784

402,995

法人税等調整額

45,025

55,258

法人税等合計

243,758

458,254

当期純利益

542,962

864,922

非支配株主に帰属する当期純利益

10,316

72,727

親会社株主に帰属する当期純利益

532,646

792,194

 

①【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

※2 2,330,854

※2 2,594,887

 

 

受取手形

※3 180,422

※3 168,633

 

 

売掛金

※1 7,472,342

※1 9,629,005

 

 

商品

4,737,558

5,476,132

 

 

未着商品

1,740,262

2,450,534

 

 

前払費用

57,714

65,269

 

 

未収入金

※1 622,694

※1 599,958

 

 

その他

※1 558,044

※1 287,869

 

 

貸倒引当金

32,141

3,919

 

 

流動資産合計

17,667,752

21,268,371

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

※2 958,250

※2 923,843

 

 

 

構築物

3,951

4,625

 

 

 

機械及び装置

6,060

4,698

 

 

 

工具、器具及び備品

6,244

5,577

 

 

 

土地

※2 1,206,795

※2 1,800,795

 

 

 

リース資産

9,992

2,464

 

 

 

その他

59,400

15,900

 

 

 

有形固定資産合計

2,250,695

2,757,906

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

19,375

10,011

 

 

 

リース資産

56,280

34,801

 

 

 

その他

24,724

66,796

 

 

 

無形固定資産合計

100,381

111,609

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

370,037

388,592

 

 

 

関係会社株式

928,315

940,635

 

 

 

出資金

30,941

33,172

 

 

 

関係会社出資金

37,860

37,860

 

 

 

長期貸付金

※1 190,925

※1 181,545

 

 

 

破産更生債権等

※1 242,575

※1 252,007

 

 

 

長期前払費用

5,217

4,142

 

 

 

敷金及び保証金

179,594

178,747

 

 

 

その他

32,801

27,282

 

 

 

貸倒引当金

182,349

184,045

 

 

 

投資その他の資産合計

1,835,920

1,859,939

 

 

固定資産合計

4,186,996

4,729,455

 

繰延資産

 

 

 

 

社債発行費

4,309

3,334

 

 

繰延資産合計

4,309

3,334

 

資産合計

21,859,059

26,001,162

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

※2 9,433

※2 13,707

 

 

買掛金

※1,※2 4,400,674

※1,※2 5,140,669

 

 

短期借入金

4,120,000

7,512,000

 

 

1年内償還予定の社債

56,000

56,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※2 1,311,140

※2 1,289,460

 

 

リース債務

42,364

29,664

 

 

未払金

※1 1,025,853

※1 1,117,246

 

 

未払費用

33,746

39,010

 

 

未払法人税等

37,185

127,805

 

 

契約負債

57,095

17,241

 

 

関係会社預り金

1,375,000

1,275,000

 

 

預り金

14,479

15,014

 

 

前受収益

1,980

1,980

 

 

賞与引当金

167,437

180,864

 

 

役員賞与引当金

12,397

25,853

 

 

その他

15,301

31,279

 

 

流動負債合計

12,680,089

16,872,796

 

固定負債

 

 

 

 

社債

204,000

148,000

 

 

長期借入金

※2 2,410,560

※2 2,318,360

 

 

リース債務

45,552

63,236

 

 

繰延税金負債

306,994

202,998

 

 

退職給付引当金

15,549

16,311

 

 

長期未払金

21,417

9,219

 

 

その他

52,450

51,100

 

 

固定負債合計

3,056,523

2,809,225

 

負債合計

15,736,613

19,682,022

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

623,200

623,200

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

357,000

357,000

 

 

 

その他資本剰余金

-

1,750

 

 

 

資本剰余金合計

357,000

358,750

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

84,700

84,700

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

固定資産圧縮積立金

554,747

548,848

 

 

 

 

別途積立金

2,857,000

2,857,000

 

 

 

 

繰越利益剰余金

1,383,467

1,820,318

 

 

 

利益剰余金合計

4,879,915

5,310,867

 

 

自己株式

107,564

102,394

 

 

株主資本合計

5,752,550

6,190,423

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

128,126

142,049

 

 

繰延ヘッジ損益

241,768

13,333

 

 

評価・換算差額等合計

369,894

128,716

 

純資産合計

6,122,445

6,319,139

負債純資産合計

21,859,059

26,001,162

 

②【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 40,974,934

※1 51,124,415

売上原価

※1 36,131,862

※1 45,786,087

売上総利益

4,843,071

5,338,328

販売費及び一般管理費

※1,※2 4,628,014

※1,※2 4,806,974

営業利益

215,057

531,353

営業外収益

 

 

 

受取利息及び配当金

※1 57,173

※1 148,243

 

受取賃貸料

※1 83,518

※1 86,079

 

為替差益

22,462

5,259

 

その他

※1 33,981

※1 45,996

 

営業外収益合計

197,135

285,577

営業外費用

 

 

 

支払利息

49,139

※1 62,002

 

賃貸収入原価

18,909

18,943

 

その他

12,829

23,532

 

営業外費用合計

80,878

104,477

経常利益

331,314

712,453

特別利益

 

 

 

投資有価証券売却益

150

6,130

 

補助金収入

-

2,800

 

特別利益合計

150

8,930

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

1,926

-

 

投資有価証券評価損

599

-

 

投資有価証券売却損

2,948

-

 

貸倒引当金繰入額

160

-

 

関係会社株式評価損

39,653

-

 

子会社清算損

-

2,062

 

特別損失合計

45,287

2,062

税引前当期純利益

286,176

719,321

法人税、住民税及び事業税

120,635

178,634

法人税等調整額

9,523

1,823

法人税等合計

111,112

180,458

当期純利益

175,063

538,863