ディーブイエックス株式会社
(注) 1 当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、「連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移」については記載しておりません。
2 持分法を適用した場合の投資利益については、持分法を適用する関連会社が存在しないため記載しておりません。
3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第33期は潜在株式が存在しないため、第34期は希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第36期の期首から適用しており、第36期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社は、1986年4月の設立以来、「人に優しい医療」への貢献をコンセプトに、循環器疾病分野の医療機器を中心に事業展開しており、医療現場に携わる企業として「生命と健康を守る」ことをパーパスとし、患者様、医師・医療関係者の皆様にとって有益な製品・サービスを提供し、最適な医療の普及に貢献することを使命としております。
当社の事業内容は商品に応じて「不整脈事業」、「虚血事業」、「その他」に区分されます。
各事業について次のとおり説明いたします。
なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報と同一であります。
―不整脈事業―
不整脈とは、心臓を動かす刺激の発生又は刺激が伝わる伝導路の異常によって心臓のリズムが乱れる疾患のことで、脈が遅くなる徐脈、速くなる頻脈、脈が飛ぶ期外性収縮の3つに分けられます。原因としては、先天的なもの以外に加齢や喫煙、ストレス等によって引き起こされるといわれております。
不整脈事業においては、徐脈、頻脈、期外性収縮の治療に用いる心臓ペースメーカ、アブレーションカテーテル(心筋焼灼術用カテーテル)、ICD(植込み型除細動器)、検査用電極カテーテルが主力商品となっております。当事業はこれら不整脈の検査・治療のための医療機器を関東地域を中心に、医療機器輸入商社及び国内医療機器メーカーから仕入れ、主に医療施設に対し卸売会社として販売しております(販売代理店業)。
現在、当事業においては既に全国展開している虚血事業と連携しながら、営業エリアの拡大を推進しております。
当事業においては、主に以下の商品を販売しております。
・心臓ペースメーカ
心臓ペースメーカは、不整脈のうち主に脈が遅くなる「徐脈」を治療する機器です。心臓は洞結節と呼ばれる部位より発生した刺激が伝導経路を伝わり、心筋が収縮することで血液を送り出しています。心臓の刺激を伝える経路が病気により機能しなくなったり、刺激を作り出す洞結節の活動が低下すると心臓の脈拍が少なくなり、時には失神発作を起こしたりします。これが徐脈です。このように心臓の拍動が低下したときに、心臓の代わりに刺激を発生させる機器が心臓ペースメーカで、絶えず心臓を監視しており、設定した最低限の脈拍が出ていれば心臓ペースメーカは作動せず、その人の脈拍が優先される仕組みとなっております。
・ICD(植込み型除細動器)
心臓ペースメーカが徐脈の治療に使用されるのに対し、ICD(植込み型除細動器)は主に「心室頻拍」や「心室細動」と呼ばれる重篤な頻脈の治療に用いられます。心室頻拍とは心臓が異常に速く拍動する不整脈のことで、180~220拍/分(正常は60~100拍/分)という非常に速いリズムで心臓が動くため血液が送り出せず、めまいや失神を起こします。また、心室細動とは心臓が正確なリズムを失って心室が小刻みに痙攣する状態のことで、心臓から血液がほとんど送り出されず意識不明となります。この状態で放置すると死に至るため、一刻も早い処置が必要となります。通常、このような不整脈を止めるには電気ショックパルスを心臓に与える方法(除細動)しかありません。ICD(植込み型除細動器)はそのような頻脈が発生したとき、それを検知してただちに電気ショックパルスによって止めることを目的に開発された装置です。
・CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)
CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)は、ICD(植込み型除細動器)の機能に、心不全の治療の一種である心臓再同期療法の機能を併せ持つ商品であります。心臓再同期療法とは、心臓を動かすための電気信号の伝達に障害が発生し、心臓が正常に動作しなくなった場合に、人工的な電気信号を発生させることで心臓を正常に動作させようという治療法です。ICD(植込み型除細動器)に比べて適応範囲が広い商品です。
・電極カテーテル
電極カテーテルは、先端部分に電極が付いた特殊なカテーテルで、主に心臓電気生理学的検査に使用されるものです。心臓電気生理学的検査とは、心腔内に電極カテーテルを挿入し心腔内の様々な部位からの電位記録を取ったり電気刺激を与えたりして、不整脈の詳細な診断や発生メカニズムの解明、重症度の評価、薬剤の効果の判定、心臓ペースメーカやICD(植込み型除細動器)の適応決定などに広く用いられる検査方法です。電極カテーテルは用途に応じて、先端部分の電極数が2極~40極以上、カーブ部分が固定されているタイプや手元操作でカーブが変化するものなど多くの種類があります。
・アブレーションカテーテル(心筋焼灼術用カテーテル)
アブレーションカテーテル(心筋焼灼術用カテーテル)は、電極カテーテルの一種で、頻脈の原因となる心筋組織を焼灼し根治させるアブレーションといわれる手技に使用されるものです。アブレーション(心筋焼灼術)とは、心腔内に留置したカテーテルに外部から高周波エネルギーを通電し、不整脈の原因となっている部位を焼灼し組織的に壊死させる治療法で、現在、WPW症候群(正常な伝導系以外に別の副伝導路を有することに起因する病気)に対しては確立した治療となっているほか、発作性上室頻拍等でも良好な成績が得られております。また、心房頻拍や心房粗細動に対しても有効であるケースが増えているなど、従来外科手術の適応となっていた症例だけでなく、薬剤によってコントロールされていた症例にまで適応の幅は広がっております。
・冷凍アブレーションカテーテル
薬剤抵抗性を有する発作性心房細動治療を目的とした新しいエネルギー源である冷凍凝固法を用いたバルーンカテーテルです。バルーンが装着されたアブレーションカテーテルを心房細動のトリガーとなる肺静脈に挿入し、治療を行います。肺静脈隔離が比較的短時間で行われ、合併症発生率が従来より低いことから、今後も広く普及していくことが予測されています。
・心腔内エコーカテーテル
従来の超音波診断装置とは異なり、心臓の中に超音波カテーテルを留置し治療中の心臓内の情報をリアルタイムに得ることができるカテーテルです。また、磁気センサー付きの超音波カテーテルは、3Dマッピングシステムとの併用により心臓のリアルタイム3D画像を構築することが可能です。心腔内超音波カテーテルを用いることで、治療手技の有効性、安全性の向上が期待されます。
―虚血事業―
虚血とは、血管の狭窄又は閉塞により組織への血流が不十分もしくは途絶している状態を指します。虚血により引き起こされる虚血性疾患としては、心臓の冠動脈で起こる心筋梗塞や狭心症、脳の血管で起こる脳梗塞等が代表的なものです。原因となる動脈硬化は糖尿病や高血圧、高脂血症等によって進行し、肥満や喫煙、運動不足、ストレスの多い生活等も動脈硬化を促進させるといわれております。
虚血事業においては、虚血性疾患の検査・治療のための医療機器を、国内外の医療機器メーカーより直接仕入れ、主として全国の医療機器販売代理店を経由して医療施設に販売しております(国内総代理店業)。このため、全国主要都市において当事業を中心とした営業拠点を既に展開しております。
なお、国内で医療機器として流通させるためには厚生労働省の薬事承認を取得する必要があり、当社は有望な医療機器を国内外に見出すためにマーケティングを担当する部署や薬事承認及び品質保証を担当する部署を設置しております。
また、不整脈事業と同様の形態(販売代理店業)をとり、虚血分野の検査・治療に用いる医療機器を輸入商社や国内医療機器メーカーから仕入れ、医療施設等に販売しているケースもあります。
当事業においては、主に以下の商品を販売しております。
・自動造影剤注入装置「RAQUOSインジェクションシステム」
当社が日本国内における製造販売業者の認証を有する自動造影剤注入装置「RAQUOSインジェクションシステム」は、心臓血管インターベンション治療など血管造影を行う際の造影剤注入装置で、医療現場のニーズを取り入れた操作性の向上と、少量から大量まで正確に造影剤を注入することを実現しました。また、本システムを使用することで、複数症例での連続使用、造影剤の自動充填や自動エア抜き機能などにより、手技時間の短縮や放射線被ばくの低減、造影剤使用量の削減が期待されます。
―その他―
「その他」においては、脳神経外科関連商品、一般外科関連商品、消化器関連商品、放射線防護用品等、主力事業である不整脈事業及び虚血事業に属さない商品の販売を行っております。
事業系統図は、次のとおりであります。

該当事項はありません。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員(執行役員を除き、嘱託社員を含む。)であります。
2 臨時雇用者数(人材派遣会社からの派遣社員を除き、パートタイマーを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4 当社では、報告セグメント毎の経営組織体系を有しておらず、同一の従業員が複数のセグメントに従事しているため、合計で記載しております。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(注) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、「生命と健康を守る」ことをパーパスとし、患者様、医師・医療関係者の皆様にとって有益な製品・サービスを提供し、最適な医療の普及に貢献することで、「人に優しい医療」へ貢献しながら継続的に成長・発展することを目指しております。また、適時、公平な情報開示に努めるとともに、コンプライアンスを重視し、健全で透明性が高く、広く社会から信頼される経営を推進しております。
なお、当社のパーパス、ミッション、ビジョン、バリューズは次のとおりです。
パーパス(私たちの存在理由)
生命と健康を守る
ミッション(私たちがなすべきこと)
患者・医師・医療関係者にとって有益な製品・サービスを提供し、最適な医療の普及に貢献する。
ビジョン(その先にある未来像)
医療の現場や社会から求められるリーダーを目指す。
人種・性別・世代を問わず、多様な個性で変化を捉え、新たな事業を開拓する。
バリューズ(私たちが共有する価値観)
私たちは、人に優しい医療の実現に貢献する。
私たちは、ニーズを捉え、最適なサービスを考える。
私たちは、相互に理解し合い、相互に助け合う。
私たちは、自己の目標を定め、常に能力の向上を目指す。
私たちは、適正な利益を確保した公正な取引を行う。
私たちは、人の『心』をもって正直に行動する。
① 経営環境
医療機器業界を取り巻く環境は、超高齢社会の進展による医療ニーズの高まりに伴い医療機器やサービスに対する需要増加が予測される一方で、そのことが国民医療費の増大につながることから、今後も医療費抑制策は継続する見通しです。少子高齢化対策、格差是正、財政健全化への社会的課題意識の高まり等の要因も相まって、診療報酬や患者負担率の改定、継続的な特定保険医療材料の保険償還価格の引き下げといった方向に政策が執られることが予想され、当社を含む医療機器業界がその影響を受けることとなります。
そのような中、当社の取引環境においては、医療機器メーカーによる医療施設への直接販売や販売代理店の選別が行われ、顧客である医療施設でも共同購入による仕入単価の引下げ等の効率経営推進の動きが見られます。
また、競争環境に関しては、前述の構造的な要因により、従来の販売・流通業態では収益性の低下圧力に不可避的に直面することから、既存競合企業においては、合従連衡などによるシェア拡大で価格競争力を高める動きが見られる一方、効率的な医療制度運営や医療経営を目的とした技術導入のニーズを契機とした様々な規模、形態での新規参入も顕著になっており、当社の事業環境は大きな変化の中にあります。
② 中期経営計画
このような環境の変化を機会として捉え、持続的に成長していくため、中期経営計画として中長期的なビジョンを共有しております。なお、外部環境や当社の状況が変化することが想定される中、適宜状況に合わせた軌道修正を可能とするため、中期計画の運用においては従来通りローリング方式を継続することとし、毎年、通期決算発表の時期を目途に公表することを予定しております。
中期経営計画においては「当社の製品やサービスが日本のみならず世界中の生命と健康を守る」、「 当社の製品やサービスが1秒に一人の生命と健康を守る」ことを目指し、持続的な成長を可能とするための変革に取り組むこととしております。以下をテーマ・目的とした全体戦略に基づき、部門ごとの戦略を策定したうえで計画に取り組んでおります。
・利益率、生産性向上 ~医療への持続的な貢献~
・地域的依存度低減 ~コア事業での競争力の保持~
・強靭な事業ポートフォリオ ~リスクの分散とニーズの追求~
・新たな成長基盤の強化(市場) ~世界中の生命と健康を守る~
・成長基盤の強化(組織) ~技術・環境の変化を機会にする~
当社は、安定的に業容の拡大を図ることを経営の基本と考えており、継続的かつ効率的に販売の拡大を図ることを目指しております。そうした観点から、資本効率性の指標として自己資本当期純利益率(ROE)20%以上、収益性の指標として売上高営業利益率4%以上を確保することを目標としております。医療現場のニーズを捉えた商品の導入、高付加価値サービスの提供、管理機能の整備・強化により経営効率を向上させることで、当該目標の達成を目指しております。
当社は、継続的な成長を実現していくために、以下の事項を課題と認識しております。
当社は、主力の不整脈事業において、関東地区に特化して営業展開をしてきた経緯から、同地区への売上依存度が非常に高い状況にあります。激化する競争環境におけるリスク対応として、また、安定的な業容拡大を目指すためには、不整脈事業の営業エリアを拡大することが不可欠であるとの認識を持っております。
今後も、不整脈事業の全国展開に向けて、人材育成をはじめとする体制の整備を行い、既存顧客とともに新規顧客の期待に応えられるよう総合的な販売力の強化を図ることで、売上拡大に努めてまいります。
顧客基盤の構築と新規顧客の開拓には、顧客ニーズにあった医療機器をいち早く、継続的に提案することが必要であると認識しております。そのためには、常に国内外の最新医療情報を把握し新商品の早期の販売権獲得と、迅速な薬事承認の取得が求められるところであります。
特に、虚血事業における取扱商品の充実が急務とされているため、自社開発製品である自動造影剤注入装置「RAQUOS インジェクションシステム」の国内普及に向けた取組みや、マーケティング部門や薬事部門の活動による製品導入の取組みに加え、研究開発部門の機能強化や営業部門の組織強化等により主力商品の育成に取り組んでおります。当事業年度においては、「RAQUOS インジェクションシステム」及び関連消耗品の販売を本格的に開始いたしました。
また、医療現場のニーズを反映させた独自企画商品を充実させることで、新規顧客開拓や既存顧客の深耕につなげる取組みも継続しており、当事業年度においては、不整脈シミュレーター「EPSトレーナー」の海外販売を継続しました。また、新型コロナウイルス対策の必要性が高まる状況下において、陰圧装置の販売にも注力しました。
近年においては、顧客である医療機関からは、償還価格の引き下げによる値下げ要請、あるいは医療経営環境改善のための値下げ要請への対応が求められる傾向が継続しており、当社においても一層の効率化や合理化が求められていると認識しております。目標とする売上高営業利益率4%以上を達成するために、仕入先企業との協力関係の構築や、比較的利益率の高い当社独自商品の販売促進への取組みを行っております。
当社は、「生命と健康を守る」をパーパスに掲げ、医療業界で「患者・医師・医療関係者にとって有益な製品・サービスを提供し、最適な医療の普及に貢献する」ことをミッションとし、現在と未来の社会・環境に対する責任を自覚しながら事業活動を行うことを目指しており、全社的な取組みを行っております。具体的には、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
当社は、リスク・コンプライアンス委員会が検討・評価したリスクを取締役会に報告することにより、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。
当社の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は本書提出日(2023年6月28日)現在において当社が判断したものでありますが、以下の記載は当社の事業等及び当社株式への投資にかかわるリスクを全て網羅するものではありません。
(1) 事業環境に関わるリスク
① 仕入価格の値上
原材料価格の高騰等により仕入先からの値上げ要請の圧力が高まる状況において、顧客への価格転嫁が困難な 場合、利益率が低下し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
<主要な対策>
・価格変動の小さい商品群の充実
・シェア拡大による価格交渉力の強化
・償還価格に左右されないビジネスの開拓
・顧客との価格交渉強化
② 医療行政の動向
現行医療保険制度においては、当社が販売する特定保険医療材料の保険償還価格が定められており、医療費抑制を目的として償還価格が引き下げられる傾向が継続するものと想定され、その動向は、当社の顧客である医療施設の購買方針や販売価格に直結し、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
償還価格の引き下げ傾向が継続することや、制度の変更により、医療機関からの値下げ要請が高まり、利益率を押し下げる要因となることが課題となっています。
<主要な対策>
・償還価格改定に関する情報を注視
・改定の影響度の少ない商品群の充実
・比較的利益率の高い独自商品の開発及び販売への注力
・シェア拡大による仕入価格交渉力の強化
③ 競争環境(商流(帳合)変更、新技術等)
当社が属する医療機器業界においては総じて競争が激化する傾向にあります。とりわけ、当社においては、関東地域における売上高の割合が高いため、当該地域において、従業員の転職や独立その他の要因により当社が想定した以上に競争が激化し、相対的に当社の競争力が低下し取引関係の変更に至る場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社においては利益率低下傾向にある市場において自社企画品等による付加価値向上に努めていますが、競合品の登場により、自社企画品の収益性が低下する可能性があります。
さらに、医療業界における革新的な治療技術の開発等、急速な技術の進歩により、新たな事業機会が生まれる可能性がある一方で、事業機会に適切に対応できないまま医療施設において既存商品の使用頻度が低下した場合には、当社の業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
<主要な対策>
・ニーズに対応した自社企画品による当社の提供する価値の向上、差別化
・自社企画品、独自商品のラインナップやバージョンアップの検討
・シェア拡大による仕入価格交渉力の強化
・定期的な担当替えによる属人的業務の削減
・顧客医療施設との関係強化
・国内外における最先端の技術開発に関する情報収集
④ 仕入・供給リスク
当社は、他の医療機器輸入商社及び国内外の医療機器メーカー等から仕入を行っておりますが、当社が主要仕入先と締結している取引契約については、仕入先の買収、合併等の影響やその他の理由により、解約となる、又は更新が不可能となる場合があります。当社が取り扱っている商品の中には代替不能な商品も含まれているため、何らかの事由により商品の仕入に支障が生じた場合には、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
また、自社企画品や開発品においても、原材料や部材の不足、サプライチェーンの停滞、あるいは製造請負企業の経営破綻や人材不足等により商品の供給や開発が遅延又は停止した場合には、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
<主要な対策>
・複数の仕入先の確保
・取引先の定期的な信用調査の実施
・関連部門間における早期の信用情報及び回収情報共有
・製造計画の事前確認における適切な審査の実施
⑤ 人材不足
当社は、持続的成長を維持するためには、変化に強い社員からなる組織でなければならないとの考えに基づき、 人事基本方針のもと人材の獲得に努めておりますが、採用競争力が低下し採用が困難になった場合や、退職者の増加等により人材流出が急増した場合、要員不足による業務遅滞や機会損失の発生による影響が生じる可能性があります。
<主要な対策>
・従業員満足度の向上・維持
・一定の求心力を保つ報酬、福利厚生制度の立案・実施
・満足度のある評価制度、報酬
⑥ 気候変動
当社は、環境保全と事業活動との調和を経営上の重要課題の一つとして位置づけ、社会生活、企業活動の基盤である自然環境の負荷軽減に貢献することを方針としておりますが、気候変動による政策・法規制の動向、経済環境が変化した場合、エネルギー価格上昇や車両等の調達によるコスト増、炭素税導入等による負担増などの影響が生じる可能性があります。
<主要な対策>
・定期的な影響度の検証
・リスクと機会による負インパクトが最小になるよう監視
(2) 事業運営に関わるリスク(オペレーション)
① 交通事故
当社の事業活動におきましては、迅速に医療商材を医療機関へ届けるため、当社従業員が営業車両により直接営業所から医療機関へ医療商材を運搬することがあり、当社従業員による重大な車両事故が発生した場合には、社会的信用の低下や、対応に関する費用の発生等により当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
<主要な対策>
・日々の注意喚起による意識改善
・余裕ある営業活動ができるような営業計画と環境づくり
・運転日報による実態の把握
・アルコールチェックツールによる酒気帯び運転の防止
② 医療事故(PL事故、不具合)
当社は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「医薬品医療機器等法」といいます。)において、商品を市場に出荷する「製造販売業」として許可を受けており、社内においては医療機器製造販売業三役(医療機器等総括製造販売責任者・国内品質業務運営責任者・医療機器等安全管理責任者)を置き、必要十分な品質管理、安全管理体制を整備しているものと認識しています。しかしながら、万一、製品の不具合、調達部材の品質不良や検査作業不良等に起因する医療事故が発生した場合には、当社の信頼の低下、リコールによる市場在庫・流通在庫の回収コストの発生のほか、損害賠償請求等の訴訟を提起され当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
<主要な対策>
・教育訓練の実施、記録・報告
・必要人材の維持と採用
・手順書の整備やQMS(品質マネジメントシステム)の定期的な見直し
・製造物責任による損害賠償保険の付保
・自社企画品や開発品の製造計画の把握とコントロール
③ 情報セキュリティ、情報資産管理
当社におきましては、情報セキュリティ基本方針及び個人情報保護基本方針のもと、法令、規程類に基づく情報管理及び全社横断的な情報セキュリティの確立、導入、運用、監視、維持、改善が実行されていますが、万一、マルウェア感染によりシステム停止等に至った場合、業務が遅滞又は停止する可能性があります。
また、サイバー攻撃やヒューマンエラーによる個人情報や機密情報の漏洩や、退職・転職に伴う情報持ち出し又は持込みが発生した場合、社会的信用の棄損や、競争力の低下、対応に関する費用の発生等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
<主要な対策>
・情報管理ルールの適正化・明確化と周知
・情報管理部門によるアカウント管理、利用状況のモニタリング
・ウイルス対策ソフトの導入、ファイアウォールの利用
・システムBCP策定
・情報漏洩保険の付保
・管理ツールを活用した情報持出しの牽制
・情報管理ルールの適正化と周知
・情報資産に関する教育及び情報資産棚卸しの実施
④ 投資リスク
当社は、国内外における最先端の技術開発に関する情報をいち早く把握し、必要に応じた投資や、新製品取引関与に向けた働きかけを行い、将来有望な医療用製品の販売権の獲得を目指しております。しかしながら、適切な情報提供・報告がなされなければ、適切な判断に基づいた投資判断ができず、投資による損失が発生する可能性があります。
<主要な対策>
・投資関連企業に関する取締役会への事前の報告
・取締役会等における情報の吟味
・投資目的に応じた目標に対する定期的モニタリングの実施
⑤ 取扱い製品の減少
当社は、虚血事業において依存度の高い主力製品の取扱い終了が利益率低下要因となったことから、新たな競争力の源泉となる独自製品ラインナップを拡充し、外部環境の変化が激しい状況下においても成長への投資余力を確保することが課題となっております。また、当社は前記(1)③「競争環境」におけるリスクへの対策として輸入総代理店として取り扱う独自商品の拡充に努めておりますが、当該取引形態においては輸入先の事情により契約終了に至ることがあります。
<主要な対策>
・他社製品取引の開拓
・取引関与に見合う適正条件のための交渉、関係構築
⑥ 契約交渉
当社は、事業運営にあたり多数の契約を締結しておりますが、交渉力不足や十分な審査を行うことができない事情等により、当社が過度に不利となる条件で契約を締結した場合には、本来必要のない費用を負担する、利益を喪失するなどの不利益が発生する可能性があります。
<主要な対策>
・当社指定の契約書ひな形の使用推進
・適切な契約書審査手続きの実施
・法律、契約に関する知識の啓発
・営業部門と法務部門が連携した契約交渉
⑦ 適正在庫、UBD(有効期間)管理
当社は、滅菌期限等の有効期間(UBD)がある医療機器を取り扱い、在庫を保有しております。市場動向の変化、営業力不足等により在庫過多が生じ多量のUBD切れ商品が生じた場合には、在庫破棄による損失が生じる可能性があるほか、在庫のUBD管理の不備により誤ってUBD経過後の商品が使用された場合には、取引先や顧客からの信用の棄損、取引先の喪失、損害賠償請求等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
<主要な対策>
・安全管理措置の徹底と部門横断的な在庫ダブルチェックの運用
・営業部門における市場ニーズ情報収集と営業部門に対する在庫情報発信
⑧ 薬事承認の遅延
自社製品の薬事承認に係る申請その他に必要な情報の不備、入手遅延等があった場合、自社開発品等の薬事認可取得の遅延による上市延期、機会損失や信用低下等の影響が生じる可能性があります。
また、自社製品の海外輸出を行うにあたり、各国の承認必要事項の変更、製造元及び当社の書類作成の対応遅延が生じ、各国の承認が遅延する場合、事業計画に影響が生じる可能性があります。
<主要な対策>
・開発部門に対する薬事部門の視点からのサポート
・新製品導入プロジェクト工程管理手順書の周知徹底
・輸出対象国の薬事行政に関する情報収集
・CROとの連携
・製造元に対する適切な情報提供及び必要書類の入手
⑨ 債権未回収
当社は、販売先である医療施設等の取引先に対して信用取引を行っており、債権の回収リスクを負っております。近年においては、診療報酬及び保険償還価格の引き下げ等により、医療施設、医療機器販売代理店を取り巻く環境は厳しくなっているため、当社の販売先の経営の悪化等により、債権の回収が困難となった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う環境の変化は、当社の取引先に対しても大きな影響を与えるものと捉えております。
<主要な対策>
・取引先の定期的な信用調査の実施
・関連部門間における早期の信用情報及び回収情報共有
・与信規模に基づく潜在的リスクの大きさに応じたモニタリング
・内部統制の遵守と規程に則った与信枠の付与
⑩ 輸送事故
自社製品の海外輸出を含む輸送過程において、梱包不備等による運送中の破損が生じた場合、製品破損による損害が生じる可能性のほか、故障が発生することによる損害が生じる可能性があります。
<主要な対応>
・適正な手順による梱包の徹底
(3) 事業運営に関わるリスク(コンプライアンス)
① 不適切な会計処理の発生
当社におきましては、常日頃適切な会計処理を心がけ、実施しておりますが、内部統制システムにおいて不備が発生し見直しが行われないこと等により、不正確な事務、あるいは事故・不正等が発生した場合には、誤謬を原因とする開示書類の虚偽記載やこれに対する行政上の措置により、損害や信用の毀損が生じる可能性があります。
また、新たな取引形態等におけるルールの未整備やルール運用の不備により、仕入・売上・資産の計上に誤りが生じ、誤った財務報告がされた場合には、当社の信用の棄損に至る可能性があります。
<主要な対策>
・マニュアルの整備、事務手続きにおける相互チェックの体制の整備、更新
・従業員への教育・研修の実施
・システム化による事務作業負担の軽減等の実施
② 医療機器業公正競争規約
医療機器業公正競争規約は、事業者団体(医療機器業公正取引協議会)が業界の公正な競争秩序を確保することを目的として、景品類の提供に関して定めた規約であります。当該規約は、1998年11月に公正取引委員会の認定を受けて告示されたものであり、自主規制でありながら法的裏付けのある規制となっております。
また、医療機器の適切な使用を確保するため、従来医療施設からの要請に応じて、いわゆる「立会い」業務を行う場合がありますが、2008年4月より医療機器業公正取引協議会が「医療機関等における医療機器の立会いに関する基準」の運用を開始し、「立会い」業務に基準を設けております。
当社においても、2004年9月末に当該規約に準じた「DVx行動ガイドライン」を策定し、社員の行動規範を定め運用をはかる等、社員への教育啓蒙にも努めておりますが、医療機器業公正取引協議会及び公正取引委員会との認識の違いが生じ、入札停止や違約金等の罰則を適用された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
<主要な対策>
・全従業員等に対して定期的な研修、テストの実施
・コンプライアンスに関する問合せ内容の関連部門間における定期的な共有、改善措置
・規約インストラクター資格者の増強
・講習を活用した最新の規制の状況や違反事例に関する情報収集
③ 薬事関連法規等の規制
当社が行う医療機器の開発、製造、輸入及び販売等の事業は、医薬品医療機器等法等関連法規の厳格な規制を受けており、事業遂行にあたり「高度管理医療機器等販売業・貸与業」「第一種医療機器製造販売業」「医療機器修理業」の許可及び「医療機器製造業」の登録を受けております。当社はこれらの許可及び登録を受けるための諸条件並びに関連法令の遵守に努めており、現時点において当該許可及び登録が取り消される事由は発生しておりません。しかしながら、法令違反等によりその許可及び登録が取り消された場合又は規制当局から業務停止等の処分を受けた場合には、規制の対象となる商品を回収し、又はその販売を中止することが求められる可能性及び事業を継続できない可能性があり、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
<主要な対策>
・統括部門と対象事業所の密な連携
・適切な品質記録の管理
・書面又は実地訪問による教育及び情報の入手
・営業所にて遵守事項の自己点検を実施する体制の維持
・上市製品に関係する製造元管理及び監督
・定期的な教育研修の実施
なお、当社が取得しております主な許可及び登録は以下のとおりです。
(注) 高度管理医療機器等販売業・貸与業の許可及び医療機器製造業の登録は複数の事業所で取り扱っているため、本社の許可及び登録情報を記載しております。
④ 法令違反(贈収賄、独占禁止法)
当社は、国立・公立病院を始めとする多くの公的病院と継続的に取引を行っていることから、当社としても贈賄事件防止により一層注力する必要があると認識しております。万が一、当社におきまして贈賄事件が発生した場合には、刑事罰、事業者団体(医療機器業公正取引協議会)からの摘発・違約金支払命令を受けるほか、仕入先からの取引打切りや入札手続きにおいて指名停止措置を受けるなどの取引先の喪失、信用低下が発生する可能性があります。
また、当社は、入札等における独占禁止法遵守により一層注力する必要があると認識しております。万が一、当社におきまして独占禁止法違反事案が発生した場合には、刑事罰、事業者団体(医療機器業公正取引協議会)からの摘発・違約金支払命令を受けるほか、仕入先からの取引打切りや入札手続きにおいて指名停止措置を受けるなどの取引先の喪失、信用低下が発生する可能性があります。
<主要な対策>
・金銭授受の監視・管理の強化
・従業員への教育・研修の実施
・講習を活用した違反事例に関する情報収集
⑤ 訴訟(知的財産)
当社は、自社企画製品による当社の提供価値の向上、差別化を図っておりますが、自社企画製品の知的財産に関する管理体制の不整備や機能不全があった場合には、自社企画製品が模倣されるなどして知的財産が侵害される可能性があります。また、他者の知的財産権に関する事前調査が不足したり、当社従業員の教育が不足したりした場合には、知的財産に関する紛争により損害賠償責任を追及されたり、製品回収コストや信用低下を招く可能性があります。
<主要な対策>
・知的財産権の調査
・必要に応じた出願・申請の実施
・知的財産に関する社内研修の実施
⑥ 法令違反(労働法規)
近年労働法規の改正が続き労務管理の重要性が増しておりますところ、当社において、労働時間管理の不備、管理職の知見不足、組織マネジメント機能の低下により労働法規違反行為が生じた場合には、労働基準監督署是正勧告や刑事罰を受けるほか、信用低下による人材確保への悪影響が生じる可能性があります。
<主要な対策>
・労働時間のモニタリング
・従業員への教育・研修の実施
⑦ その他関連法令違反
当社は、事業特性に基づく法令のほか、会社法、金融商品取引法、取引所規則など、あらゆる関連法令の遵守を推進しておりますが、万一、会社法違反(善管注意義務違反、忠実義務違反を含む)、金融商品取引法違反(内部者取引規制違反を含む)、取引所規則違反、暴排条例違反等が発生した場合、法令に基づく罰則のほか、違法行為・取引内容の公表・報道により、信用失墜や人材採用競争力等への悪影響が生じる可能性があります。
<主要な対策>
・コンプライアンス研修の実施
(4) 自然環境、災害等に関わるリスク
① 火災等
当社では、事業所および倉庫において商品を保有しており、法令に基づく適正な保管を行っておりますが、万一、火災が発生した場合には、近隣住民からの損害賠償請求、安全管理に対する信用失墜、行政処分、営業所等の閉鎖、取引先喪失等の事態に至る可能性があります。
<主要な対策>
・各拠点における保険加入、安全対策、避難訓練、消防設備点検の実施
② 自然災害
当社では、国内外の仕入先から医療機器等を仕入れ、顧客である販売代理店や医療施設に対し販売を行っていることから、大規模な地震や風水害等の自然災害が発生した場合、物流への支障やシステム上の障害により当社の業績に影響を及ぼす可能性があり、また、従業員や営業所等、保有資産に被害が生じる可能性があります。
<主要な対策>
・保険加入、棚等の転倒防止策
・BCP、災害時マニュアル整備、周知
・ハザードマップ及び緊急時対応策の周知
③ 新型感染症の拡大
新型感染症の感染拡大に対して、医療施設において緊急性の低い治療の延期などの対策が執られた場合、当社が医療機器を供給する症例の数が減少すること等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大におきましても、緊急事態宣言を受けた営業活動自粛のほか、医療施設において上記対策等が執られたことによる販売の減少が生じました。
なお、当社におきましては、下記対策の他、2020年1月31日に新型コロナウイルス対策本部を設置し、顧客、取引先及び従業員の安全を第一に、当社の理念である医療への貢献を継続するための計画の策定等を実施しております。
<主要な対策>
・時差通勤、テレワークの実施
・感染拡大時の集合会議の自粛
・感染予防策の実施
・感染者が発生した場合の対応方法に関する事前の情報共有
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が残るものの、各種行動制限の緩和に伴い、社会経済活動の正常化が進んだことから緩やかな回復基調が見られました。しかし、ウクライナ情勢の長期化や資源価格の高騰、世界的な金融引き締めによる円安の進行や物価の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
医療機器業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に減少し症例数が回復しつつあるものの、医療機関においては物価高騰による運営コストの急騰を価格転嫁できないことから、経営改善に努める医療機関等取引先からの販売価格引き下げ要求は依然として高く、医療機器業界を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況にあります。
このような情勢のもと、当社では、社員の感染リスクを軽減するためのあらゆる対策を講じ、医療の安全、安心のために安定して商品を供給し続けることを使命とし企業活動を行ってまいりました。
これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ1,379,239千円増加し、23,589,982千円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ655,031千円増加し、14,278,055千円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ724,208千円増加し、9,311,926千円となりました。
当事業年度の経営成績は、売上高47,483,757千円(前期比4.4%増)、営業利益1,340,547千円(同7.1%増)、経常利益1,352,942千円(同7.5%増)当期純利益936,184千円(同8.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
不整脈事業は、売上高40,858,153千円(前期比3.8%増)、セグメント利益4,633,179千円(同5.8%増)となりました。
虚血事業は、売上高は3,059,612千円(前期比4.0%減)、セグメント利益は385,570千円(同35.7%減)となりました。
その他は、売上高は3,565,991千円(前期比21.5%増)、セグメント利益は437,313千円(同23.1%増)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得1,484,945千円、投資活動による資金の支出477,057千円、財務活動による資金の支出244,917千円等により、前事業年度末と比較して767,843千円増加し、8,614,223千円(前期比9.8%増)となりました。
当社の事業は、商品の仕入販売であり、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社の事業形態は、原則として受注と販売が同時に発生するため、記載を省略しました。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
ⅰ.流動資産
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末と比較して1,138,084千円増加し、21,965,511千円となりました。その主な要因は、電子記録債権が207,378千円減少しましたが、現金及び預金が767,843千円、商品が472,599千円増加したこと等によるものです。
ⅱ.固定資産
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末と比較して241,155千円増加し、1,624,470千円となりました。その主な要因は、投資有価証券が300,000千円増加しましたが、土地が55,000千円減少したこと等によるものです。
ⅲ.流動負債
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末と比較して630,364千円増加し、13,770,586千円となりました。その主な要因は、未払法人税等が71,000千円、未払金が32,495千円減少しましたが、買掛金が842,699千円増加したこと等によるものです。
ⅳ.固定負債
当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末と比較して24,667千円増加し、507,469千円となりました。その主な要因は、その他が15,200千円減少しましたが、退職給付引当金が31,057千円増加したこと等によるものです。
ⅴ.純資産
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末と比較して724,208千円増加し、9,311,926千円となりました。その主な要因は、剰余金の配当により258,843千円減少する一方、当期純利益により936,184千円、自己株式の処分により48,492千円増加したこと等によるものです。
当社は医療現場が必要とする医療機器等の商品を継続的かつ安定的に提供することで、医療の安心・安全に貢献することを社会的使命と考えております。この観点から財政の安全性には十分な配慮を行っております。当事業年度末における流動比率は159.5%、当座比率は145.4%、固定比率は17.5%、自己資本比率は39.4%、負債比率は153.5%であり、十分な安全性が確保されております。
ⅰ.売上高
当事業年度の売上高は47,483,757千円(前期比4.4%増)となりました。これは主に、不整脈事業において、新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けた前事業年度からは症例数が大きく回復したことによるものです。
ⅱ.売上原価
当事業年度の売上原価は42,027,693千円(前期比4.6%増)となりました。これは主に、売上高の増加に伴う仕入高の増加によるものです。
ⅲ.販売費及び一般管理費
当事業年度の販売費及び一般管理費は4,115,516千円(前期比0.8%増)となりました。これは主に、売上増加に伴って生じる荷造運賃、通信費、旅費交通費の増加によるものであります。効率化の向上には引き続き取り組んでおりますが、当事業年度における売上高販管費比率は8.7%(前事業年度は9.0%)となりました。
ⅳ.営業外損益
営業外損益は、前事業年度の6,605千円の利益(純額)から12,395千円の利益(純額)へと5,789千円利益(純額)が増加しました。これは、営業外収益その他が前事業年度は2,269千円発生しておりましたが、当事業年度は6,431千円となったこと等によるものです。
ⅴ.特別損益
特別損益は、前事業年度の42千円の利益(純額)から2,371千円の損失(純額)へと2,413千円損失(純額)が増加しました。これは、固定資産除却損が前事業年度は57千円発生しておりましたが、当事業年度は3,181千円となったこと等によるものです。
ⅵ.当期純利益
当期純利益は、上記の結果、前事業年度の863,016千円から8.5%増加して936,184千円となりました。
当社は医療現場のニーズに沿うことで安定的に業容の拡大を図ることを経営の基本とし、長期にわたって増収を重ねてまいりました。当事業年度の売上高は新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けた前事業年度からの反動により増収となりましたが、医療現場の落ち着きとともに更なるの業容拡大が可能と考えております。
また、当社は資本効率性の指標として自己資本当期純利益率(ROE)20%以上、収益性の指標として売上高営業利益率4%以上を確保することを目標としております。当事業年度における自己資本当期純利益率(ROE)は10.5%(前事業年度は10.5%)、売上高営業利益率は2.8%(前事業年度は2.8%)となりました。
販売総代理店として利益率の高い事業であったエキシマレーザ血管形成システムの独占販売契約終了や特定保険医療材料の保険償還価格改定の影響、及び価格競争の激化を主な要因として効率性に係る両指標ともに近年は低下傾向にある状況です。商品構成の改善、医療現場の課題解決を支援する高付加価値サービスの提供、管理機能の整備・強化による経営効率の向上を推進することで、これらの指標の改善と向上に取り組んでまいります。
商品の販売価格については、償還価格改定に伴う交渉だけでなく、医療機関のコスト意識の高まりや同一系列病院での統一価格交渉などによる価格競争の激化が見られ、行政による医療費の削減・抑制・適正化の方針を踏まえると、価格面では今後も厳しい環境が続くものと考えております。
当社といたしましては、プロダクトミックスやセグメント構成比率の変更による利益率改善、医療現場の課題解決を支援する営業力の強化、収益性を毀損しない新領域事業への展開に継続的に取り組むことで、規模・効率性の両面にわたって拡大と改善を図ってまいりたいと考えております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
不整脈事業
不整脈事業の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響により、症例数の一時的な減少傾向は依然として残っているものの、医療機関における医療提供体制の拡充に伴い前事業年度からは大きく回復し、前期比3.8%増の40,858,153千円となりました。
セグメント利益は、売上高の増加により、前期比5.8%増の4,633,179千円となりました。
虚血事業
虚血事業の売上高は、Spectranetics社製品の国内独占販売期間が終了したことから、前期比4.0%減の3,059,612千円となりました。
セグメント利益は、売上高の減少及び粗利率の低下により、前期比35.7%減の385,570千円となりました。
その他
その他の売上高は、外科、脳外科関連商品等が好調に推移したことから、前期比21.5%増の3,565,991千円となりました。
セグメント利益は、売上高の増加により、前期比23.1%増の437,313千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
棚卸資産の増加618,220千円、法人税等の支払512,075千円等の支出要因があった一方、税引前当期純利益1,350,571千円に加え、減価償却費391,272千円、仕入債務の増加842,699千円、売上債権の減少150,446千円等の収入要因により、1,484,945千円の資金の獲得(前期は1,687,188千円の資金の獲得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の売却による回収65,244千円、貸付金の回収9,000千円等の収入要因があった一方、投資有価証券の取得による支出300,000千円、有形固定資産の取得による支出230,140千円等の支出要因により、477,057千円の資金の支出(前期は97,487千円の資金の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
自己株式の処分14,346千円の収入要因があった一方、配当金の支払258,478千円等の支出要因により、244,917千円の資金の支出(前期は235,334千円の資金の支出)となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
(注) 1 各指標は以下の計算式により算出しております。
・自己資本比率:自己資本/総資産
・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 営業キャッシュ・フローはキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象にしております。
4 2022年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率については、有利子負債がないため、記載しておりません。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社の運転資金に係る資金需要の主なものは、商品仕入代金の支払資金、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払資金になります。営業費用の主なものは、人件費及び営業活動のための旅費交通費であります。設備投資に係る資金需要の主なものは、デモ・レンタル用などの営業用機器、システム関連、営業用車両関連の支払資金になります。当事業年度における設備投資金額は269,239千円、業態上或いは戦略上、当社は原則的に生産設備を保有しない方針であり、生産設備や建物の保有がないことから資本的支出は微少です。
当事業年度における研究開発費は15,426千円、自社製品及び自社企画品の研究開発のための費用を計上しております。
株主還元について、当社は継続的かつ安定的な配当による株主還元を行うことを基本として配当を決定することとしております。2023年3月期末配当は1株当たり30円、配当性向は33.3%となっております。
当社の運転資金及び設備投資資金等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金を充当しております。
資金調達の方法として、銀行等金融機関からの借入によることとしており、社債の発行、株式の発行につきましては現状では予定しておりません。2023年3月31日現在において借入金残高はありません。
M&Aなど今後において生じる可能性がある戦略的資金需要、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」にて記載したリスクまたはその他のリスクが顕在化した場合の事業継続のための資金需要等に対応して、手元資金を有しております。2023年3月31日現在の現金及び現金同等物の残高は8,614,223千円となっており、将来資金に対して十分な財源及び流動性を確保しているほか、取引金融機関との間で2,300,000千円の当座貸越契約を締結(全額未使用)しており、緊急対応可能な体制を整備しております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正と認められている会計基準に基づき作成されており、採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
この財務諸表の作成にあたって、過去の実績や現状等を勘案し合理的に見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
債権等の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しておりますが、得意先の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には、追加引当が必要になる可能性があります。
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しておりますが、割引率など数理計算上で設定される前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、主として営業部を基礎として資産のグルーピングを行っております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、「固定資産の減損に係る会計基準」等に従い慎重に検討を行っておりますが、事業計画や経営環境等の前提条件の変化により、投資額の回収が見込めなくなった場合には、将来追加で減損処理が必要となる可能性があります。
e.投資有価証券の評価
当社は、市場価格のない株式等を保有しております。取得価額をもって貸借対照表価額としていますが、当該株式の1株当たり純資産額が取得価額と比べ50%超低下し、かつ、回復の見込みがないと認められる場合は減損処理を実施する方針としております。超過収益力についての毀損の有無は投資先の事業計画の達成状況等を踏まえて評価しておりますが、将来、実績が事業計画を下回る場合は減損処理が必要となる可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、本社を含めて国内に27ヶ所の営業所及び出張所を有しているほか、物流センターを設けております。
以上のうち、2023年3月31日現在における主要な設備は、次のとおりであります。
(注) 1 従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。
2 上記の他、主要な賃借設備として以下のものがあります。
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末日現在(2023年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は100株となります。
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げるものとします。
また、新株予約権の割当日後、当社が当社普通株式につき時価を下回る価額で新株の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)、次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げるものとします。
さらに、上記のほか、新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて行使価額の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に行使価額の調整を行うことができるものとします。
3.新株予約権の行使により株式を発行する場合の発行価格は、新株予約権の払込金額839円と新株予約権の付与時における公正な評価単価95円を合算しております。
4.当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとします。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとします。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付します。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とします。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件を勘案のうえ、新株予約権の取り決めに準じて決定します。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、上記表中「新株予約権の行使時の払込金額」を調整して得られる再編後行使価額に、上記注(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とします。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記表中の「新株予約権の行使期間」の初日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から上記表中「新株予約権の行使期間」の末日までとします。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
① 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とします。計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとします。
② 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金等増加限度額から、上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とします。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとします。
(8) その他の新株予約権の行使の条件
上記表中「新株予約権の行使の条件」に準じて決定します。
(9) その他の条件については、再編対象会社の条件に準じて決定します。
該当事項はありません。
(注) 自己株式の消却による減少であります。
2023年3月31日現在
(注) 1 自己株式377,844株は、「個人その他」に3,778単元及び「単元未満株式の状況」に44株含まれております。
2 百分率について、小数点3位以下を四捨五入しており、「計」欄の調整を行っております。
3 株主数には、単元未満株式のみを所有する株主の数が含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 上記日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式のうち信託業務に係る株式数は456,500株であります。なお、それらの内訳は、年金信託設定分3,900株、投資信託設定分173,100株、その他信託分279,500株となっております。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社の事業は、商品分類に応じて「不整脈事業」、「虚血事業」、「その他」に区分されますが、主力事業である「不整脈事業」は販売代理店業を、「虚血事業」は国内総代理店業及び販売代理店業を営んでおり、事業毎に包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
そのような状況から、当社は「不整脈事業」及び「虚血事業」の2つを報告セグメントとしております。
「不整脈事業」は、心臓ペースメーカ、ICD(植込み型除細動器)、電極カテーテル、アブレーション(心筋焼灼術)カテーテル等を販売しております。「虚血事業」は、エキシマレーザ血管形成システム、冠動脈ステント等を販売しております。