上新電機株式会社
(注) 1.1株当たり情報の算定上の基礎となる「1株当たり純資産額の算定に用いられた普通株式の数」及び「普通株式の期中平均株式数」は、社員持株会専用信託口及び役員向け株式交付信託口が保有する当社株式を控除しております。なお、社員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引は、信託期間満了に伴い、2020年1月6日をもって終了しております。
2.従業員数は就業人員であります。また、平均臨時従業員数は、一般従業員の標準勤務時間数から換算した人員数であります。
3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第74期の期首から適用しており、第74期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.1株当たり情報の算定上の基礎となる「1株当たり純資産額の算定に用いられた普通株式の数」及び「普通株式の期中平均株式数」は、社員持株会専用信託口及び役員向け株式交付信託口が保有する当社株式を控除しております。なお、社員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引は、信託期間満了に伴い、2020年1月6日をもって終了しております。
2.従業員数は就業人員であります。また、平均臨時従業員数は、一般従業員の標準勤務時間数から換算した人員数であります。
3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第74期の期首から適用しており、第74期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社及びその関係会社で構成するジョーシングループの主な事業内容と、各社の当該事業に係る位置付け及び事業部門との関連は、次のとおりであります。なお、当社グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
当社は、家電製品、情報通信機器、エンタテインメント商品及び住宅設備機器とこれらに関連する商品の専門販売店をコア事業としております。
ジョーシンサービス株式会社(連結子会社)は、商品の配送、据付、修理及び保守業務を行っております。また、ジャプロ株式会社(連結子会社)は、情報通信機器の取付・設定業務を行っております。
ジョーシンテック株式会社(連結子会社)は、損害保険・生命保険代理店業務及び長期修理保証制度に関する業務を行っております。また、JSD INSURANCE PTE.LTD.(連結子会社)は、長期修理保証制度におけるグループ損益の改善と資金流動の効率化を図ることを目的としたキャプティブ(再保険会社)であります。
ジェー・イー・ネクスト株式会社(連結子会社)は、音楽・映像ソフトのレンタルや中古書籍等の売買を行う専門店を営んでおり、当社はジェー・イー・ネクスト株式会社に店舗を賃貸しております。
J・P・S商事株式会社(連結子会社)は、家電製品等の販売業務を行っております。
また、当社は兵庫京都ジョーシン株式会社(連結子会社)、東海ジョーシン株式会社(連結子会社)、関東ジョーシン株式会社(連結子会社)、滋賀ジョーシン株式会社(連結子会社)、和歌山ジョーシン株式会社(連結子会社)及び北信越ジョーシン株式会社(連結子会社)に店舗運営の一部を業務委託しております。
当社は、FC契約締結先(トヨタ生活協同組合他2社)に対して経営指導、商品供給等を行っております。
以上の事項を事業系統図によって示しますと、次のとおりであります。

(注) 1.当社グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
2.上記各社は、特定子会社に該当しておりません。
3.上記各社は、有価証券届出書又は有価証券報告書を提出しておりません。
4.ジャプロ株式会社の「議決権の所有(被所有)割合」欄の(内書)は間接所有であり、ジョーシンサービス株式会社が所有しております。
5.JSD INSURANCE PTE.LTD.の「議決権の所有(被所有)割合」欄の(内書)は間接所有であり、ジョーシンテック株式会社が所有しております。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員数であります。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員数(一般従業員の標準勤務時間数から換算した人員数)であります。
3.当社グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
4.管理部門は、当社本社の人事総務部門等の人員数であります。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員数(一般従業員の標準勤務時間数から換算した人員数)であります。
3.平均年齢及び平均勤続年数は、一般従業員におけるものであり、出向受入者等(866名)及び臨時従業員を含めてのものではありません。
4.平均年間給与は、一般従業員及び出向受入者等におけるものであり、臨時従業員を含めてのものではありません。なお、平均年間給与には賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5.当社は、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
6.管理部門は、本社の人事総務部門等の人員数であります。
当社グループ各社の労働組合は、UAゼンセンに所属しております。
なお、連結子会社であるジョーシンテック株式会社、ジェー・イー・ネクスト株式会社、兵庫京都ジョーシン株式会社、ジャプロ株式会社、関東ジョーシン株式会社、滋賀ジョーシン株式会社、和歌山ジョーシン株式会社、J・P・S商事株式会社及びJSD INSURANCE PTE.LTD.には、労働組合はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであり、取得率が100%を超えたため100%と記載しております。
3.労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであり、取得率が100%を超えた場合は100%と記載しております。
3.労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。
4.上記以外の連結子会社については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表項目に該当しない、もしくは公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
③ 連結グループ
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであり、取得率が100%を超えたため100%と記載しております。
3.労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。
4.連結グループの範囲は、以下の10社となります。
上新電機株式会社、ジョーシンサービス株式会社、ジョーシンテック株式会社、ジェー・イー・ネクスト株式会社、兵庫京都ジョーシン株式会社、東海ジョーシン株式会社、関東ジョーシン株式会社、滋賀ジョーシン株式会社、和歌山ジョーシン株式会社、北信越ジョーシン株式会社
〈補足説明〉
管理職に占める女性労働者の割合や男女の賃金差異に表れているように、女性の登用は当社グループの課題であります。女性活躍の主な阻害要因は家事・育児が女性に偏ることが多く、女性が時間的・心理的・身体的な制約を受けていることにあると考えております。当社グループでは、終業時間の遅さに起因して育児中従業員の就業継続が難しい状況を鑑み、2023年4月より育児短時間制度を子が中学3年生まで利用できるように改定いたしました。また、復職後に利用する育児短時間勤務制度における一日の所定労働時間を、5時間と6時間の2パターンから5時間~7.5時間(30分刻み)の6パターンに増やし、一人ひとりの個人的な事情に合わせて働き方を選択できるようにしています。
また、ジョーシンサービス株式会社に在籍する女性社員は提出日現在4名で、そのうちの3名(2022年度に2名、2023年度に1名採用)は配送・設置担当者として勤務しております。お客さまより、配達時に女性がいることで安心感があるなど評価をいただいており、今後も積極的に女性を採用し、活躍できる環境をつくってまいります。
さらに、育児目的休暇である「イクメン休暇」(最大28日間の育児特別有給休暇制度)の取得率は、2022年度に100%となっております。ライフスタイルのひとつとして、性別にかかわらず育児も仕事も楽しめる職場環境を構築してまいります。ダイバーシティ・カウンシルを通じて従業員が発信した声に経営層が耳を傾け、新しい視点で制度改革を実現してまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「リアル店舗」「EC店舗」「サービスインフラ」が三位一体となり、家電機器・エンターテインメントを合わせた家電販売事業及びリフォーム・ホームメンテナンス事業を展開しております。「リアル店舗」「EC店舗」間での相互送客(リアル店舗→EC店舗:スマートショップコーナーの導入、EC店舗→リアル店舗:O2O施策)等により連携を深めつつ、「リアル・EC」の両店舗からの「配送、設置、工事」が伴う業務を当社の連結子会社であるジョーシンサービス株式会社が対応しております。
「リアル店舗」は、東名阪・北信越地区を中心に当連結会計年度末現在、216店舗を展開しております。新規出店偏重による拡大路線を回避し、既存店舗のスクラップアンドビルドによる収益力の強化に取り組んでおります。「リアル店舗」にご来店いただいたお客さまに対し、「高い接客力・きめ細やかな対応力」を兼ね備えた販売員による商品提案により、お客さまから高い評価をいただいております。
「EC店舗」は、充実した商品アイテム数を誇り、商品調達を担う商品部との連携を強化し、商品の見せ方等をこまめに変更するといったお客さまを飽きさせない作りこみを行うなど、丁寧な店舗作りに取り組んでおります。
「サービスインフラ」は、洗濯機、冷蔵庫、エアコンといった「配送、設置、工事」が伴う業務を主としており、それらを含めた製品情報を蓄積しております。また、業務を委託しております協力会社にも当社グループのCSマインドを理解するための研修の実施等を通じ、業務品質を維持向上し、お客さまのご自宅内における作業の担い手として、高いCS評価をいただいております。
現在、当家電販売業界を含む世間を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。少子高齢化がもたらす人口・世帯数の減少や高齢単身世帯の増加といった人口動態の変化、ICTの高度化、性別・年齢・国籍などに囚われず、それぞれの「個」を尊重し、認め合うというダイバーシティ&インクルージョンの浸透、さらには気候変動など、人を取り巻く社会構造や環境、価値観が大きく変化する中で、人々の生活様式も大きく変わろうとしております。
当社グループは、長期的な視点で未来を考え、社会のあるべき姿を思い描いて、経営理念を《人と社会の未来を笑顔でつなぐ》に改定いたしました。
社会変化の現状と課題を踏まえた上で、当社グループの理念体系の根幹である社是「愛」(「常に相手の立場に立って考え行動する」の意)の基本精神に則り、「持続可能で誰ひとり取り残さない社会」を私たちの未来世代に引き継いでいきたいという思いを込めました。
そして、この新経営理念のもと、中長期的な視点からのバックキャストで、当社グループが中長期的に創造する2つの社会価値や経営ビジョン、7つのマテリアリティ(重要課題)等を特定いたしました。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
当社グループが企業価値を高め、持続的成長を果たしていくためには、投下資本を上回る「利益効率」を確保し、生み出されたアウトプットを再投資することで、さらなるリターンを生み出し続ける、このようなサイクルを回し続けることが求められます。当社グループは、3ヵ年(2023年度~2025年度)の新たな中期経営計画『JT-2025 経営計画』を策定いたしました。詳細は、「(3) JT-2025 経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)について」をご参照ください。
『JT-2025 経営計画』では、まず「収益力」の強化、いわゆる「稼ぐ力」の強化に取り組んでまいります。その上で「投資効率」を高いレベルで持続的に確保できる、筋肉質でサステナブルな経営体制への移行を目指してまいります。
当社グループは、2020年8月に3カ年の中期経営計画『JT-2023 経営計画』を公表し、一丸となって取り組んでまいりました。この計画は、当社グループの経営資源及び販売形態を有機的に統合・再編して、本業に一層磨きをかけるべく①各種販売チャネルの融合と、②人財ポテンシャルを引き出し、最大活用することを基本方針とし、営業キャッシュ・フローの創出と将来の成長に向けた投資の実行により、更なる発展に向けた強固な事業基盤の構築を目指した計画で、目標達成に向け具体的な戦略立案により、着実に計画を遂行してまいりました。しかしながら、ウクライナ問題に端を発する世界情勢の緊迫を背景とした原材料価格の高騰による各種製品や光熱費、サービスの相次ぐ値上げに、海外における金融機関の経営破綻等に代表される金融市場の不安定さも加わり、景気の先行きは極めて不透明な状態が続き、また、一昨年のコロナ禍における需要の前倒しの反動や、物価高に起因する消費の伸び悩み、行動制限緩和によるレジャー支出の増加等の影響を受け、自己資本比率及び配当性向以外の指標において未達となりました。
※ROIC(投下資本利益率)=営業利益×0.65(税率を0.35とした場合)/(純資産+有利子負債)
今後のわが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症に対する各種制限解除が進み、経済活動は回復傾向にあるものの、物価上昇に伴う消費マインドの停滞や、原材料費や人件費等の様々なコスト上昇等、景気の先行きについては依然として極めて不透明な状態が続くものと思われます。
当家電販売業界におきましても、新型コロナウイルス感染症に対する各種制限解除による消費動向の変化に加え、地域紛争激化等地政学的リスクの拡大、原材料高騰等に起因する各種経済指標の悪化、消費マインドの低下や可処分所得の減少等による需要の低迷から、同業者間の競争はますます激しくなることが予想されます。
このような状況下、当社グループは、3ヵ年(2023年度~2025年度)の新たな中期経営計画『JT-2025 経営計画』を策定いたしました。この中期経営計画は、「中長期の成長シナリオ」に基づき、2030年度までの8年間を一つのパッケージと位置づけ、2030年にあるべき姿「地域社会の成長を支え、人と環境の未来に貢献する企業」を達成するために、『お客さまの暮らしに寄り添う「コンシェルジュ」へ』をスローガンに掲げました。「お客さまの課題解決、お役立ち実現によって顧客生涯価値を創出し、当社グループに収益をもたらす持続可能なビジネスモデル」の確立を目指すもので、「ファンベース戦略」の実践(お客さまのファン化、コアファン化)とジョーシン経済圏(「リアル店舗」事業と「EC店舗」事業を核とするグループ全体の事業・サービスの集合体)の拡充を計画骨子としております。具体的な数値目標は、以下のとおりであります。
「利益効率」を重視した「収益力」の強化により「営業利益率」を高め「投資効率」を向上・維持するための基盤を構築する
売上高 420,000百万円 (2023年3月期比102.8%)
営業利益 11,000百万円 (2023年3月期比132.4%)
売上高営業利益率 2.6% (2023年3月期 2.0%)
「株主資本コスト」を上回る「ROE」、「加重平均資本コスト」を上回る「ROIC」を確保し長期的に持続することで「企業価値の向上」を目指す
ROE 8.0%以上 (2023年3月期 5.0%)
ROA 5.0%以上 (2023年3月期 3.8%)
ROIC(投下資本利益率) 5.0%以上 (2023年3月期 3.7%)
未来への「成長投資」を中心に「株主還元」「有利子負債削減」への配分をキャッシュアロケーションの中でバランスよく実施し、資本効率を最適化
計画期間3カ年累計の営業キャッシュ・フロー 400億円~450億円
配当性向30%以上を目安とし、安定的・持続的な還元を実施
配当性向 30.0%以上 (2023年3月期40.2%)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは当社グループ内で発生しうるさまざまなリスクに対し、発生防止と適切なリスク対応を行うため、2008年に「リスク管理規程」を定め、管理体制を整備しております。リスク管理体制の核となるリスク管理委員会では、当社グループに影響を及ぼすリスクの特定と評価を定期的に実施し、リスク対応状況を管理しております。
また、重大インシデント発生時には、社長執行役員を委員長とする災害(事故)対策委員会を招集し、初期対応を円滑に進めグループ経営に及ぼす影響を最小限にとどめる体制を整えております。
なお、「大地震」「重要施設火災」「感染症パンデミック」「大規模なITシステム障害及びデータ漏洩」を主な対象としてBCP(事業継続計画)の構築も行っておりますが、これらの実効性を高めるため、当社は2017年、国内でチェーン展開している大手小売業及びインターネット販売業界で初めて事業継続マネジメントシステムの国際規格「ISO22301」認証を取得しました。大地震、豪雨などの甚大な自然災害やサイバーリスクなどの脅威が高まる昨今、当社グループは早期の事業復旧や事業継続を確保するなどにより、ステークホルダーに対する社会的責任を果たしてまいります。

リスクを特定・評価するに際し、日々変化する外部環境、当社グループの事業特性と事業戦略を考慮し、多角的かつ多面的なリスクの把握に努めております。事業を取り巻く事象を4つのカテゴリー(①事故・災害リスク、②業務リスク、③財務リスク、④経営リスク)に分類し、リスクの特定と評価を行います。リスクが顕在化した際には、物的損害、人的損害に加え、当社グループの社会的信用の低下を招き、財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
以下の記載においては、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務を事業とする当社グループ経営全体への影響度と発生可能性を想定した主要なリスクを記載しております。
自然災害及び火災・事故等が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループに限らず、取引先の被災等により通常の商品供給が困難となった場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、災害発生に備え予め準備をしておく内容をまとめた「災害対策マニュアル」、災害発生時の対応についてまとめた「災害発生時対応マニュアル」等を策定しており、全従業員に対し定期的に理解度の確認を行い、訓練を行っております。また、当社グループにおける事業継続を著しく脅かす事象が発生した場合の対応基本方針として「事業継続計画書」を策定しており、災害等からの早期復旧を目指す体制を整えております。
昨今、日本企業が国内外からのサイバー攻撃を受ける事例が増加しており、当社グループでも情報セキュリティのさらなる強化は急務となっております。サイバー攻撃等によるシステムの破壊や停止、そして不正アクセス犯罪等による個人情報や機密情報の漏洩が発生した場合、システムの停止と復旧に時間を要することにより広範な業務に支障をきたすことを余儀なくされ、さらに当社グループの社会的信用の低下を招き、財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、ファイアウォールなどによる社内ネットワーク環境内のデータ流出などを防止する境界型セキュリティだけでは、多様化するサイバー攻撃を完全に防御することに限界があると認識しており、さらなる対応策として、「ゼロトラスト」の視点で社内外を問わず常に通信相手を認証する視点に立ったサイバーリスクマネジメント体制を構築しております。リモート環境、社内環境を問わず、すべての業務端末やサーバをEDR/MDRにより常時監視し、不正プログラムなどの侵入を即時に検知、該当端末の隔離を行うなど脅威からの排除を行う仕組みを稼働させております。さらに情報セキュリティに関して、全従業員に対し定期的に理解度の確認を行い、訓練を行っております。
この体制により、当社グループにおける業務の効率性と安全性の両方を担保しつつ、テレワークの導入など多様な働き方の推進やデジタルトランスフォーメーション推進を確実に行ってまいります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大時においては、緊急事態宣言の発令に伴い、当社グループにおいても店舗休業や営業時間の短縮等を余儀なくされ、また、従業員の働き方についても、平時からの抜本的な見直しが必要となりました。経済活動の停滞や長期間に渡る人やモノの流れの分断等、将来に渡り、消費者の価値観や消費行動を変容させております。今後、同等またはそれ以上の悪影響を及ぼす疫病等が蔓延した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの事業活動において主に取り扱う家電製品は、生活必需品であり社会インフラの一端を担うものであると考えております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大時において、各行政機関の指針に従った感染防止策の徹底や、各自治体の自粛要請に沿った営業時間の変更、デジタル販促の推進、正月休業や初売りの前倒し等、密を回避する店舗運営を実施することにより、お客様及び従業員の安全を考慮しつつ影響を最小限に抑えた経験を活かし、今後新たな疫病等が発生した場合にも適切に対処してまいります。
当社グループは、販売戦略としてポイントカードを発行し大量の顧客情報を取り扱っております。しかしながら、今後、犯罪行為等による顧客情報の流出により問題が発生した場合には、その後の事業展開において、当社グループの社会的信用の低下を招き、財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、2005年4月全面施行の個人情報保護法に対処すべく、個人情報保護方針、個人情報管理基準等の策定や推進体制の整備を行っております。具体的には、保有する総ての情報及び情報システムに対し、物理的セキュリティ対策、人的セキュリティ対策、技術的セキュリティ対策及び運用的セキュリティ対策からなる総合的な情報セキュリティ対策を実施し、これらの情報セキュリティ確保に向けた取り組みを継続的に実施していくためにセキュリティポリシーを定め、各組織や各人の役割・責任が明確化された情報セキュリティマネジメントシステムを構築し運用する「ジョーシングループ情報セキュリティ基本方針」を策定しており、コンプライアンスの推進を目的に設置された「CSR推進室(現・リスクマネジメント部)」により、全従業員に対し定期的に理解度の確認を行っております。
このような取り組みが認められ、2005年4月25日付で家電量販事業者として初の「プライバシーマーク」の付与・認定を財団法人日本情報処理開発協会(現・一般財団法人日本情報経済社会推進協会)より受け、2005年5月13日より同マークの使用を開始しております。
万一顧客情報の流出が発生した場合には、その内容・対処案がコンプライアンス統括責任者を通じてトップマネジメント、取締役会、執行役員会、監査役に報告され、迅速な対応を可能とする体制を構築しております。
当社グループは、関連法案を遵守し適切な労務管理や安全衛生管理を実施しております。しかしながら、従業員だけでなく他の店舗スタッフも含め、実務の中で適切な管理が実施されなかった場合、労働基準法違反や安全衛生管理上の問題が生じるほか、店舗での営業継続の困難、その他訴訟リスクも含め、当社グループの社会的信用の低下を招き、財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、2004年に制定した「ジョーシングループ行動規範」において、個性と人権を尊重しあうこと、性別・出生地・人種・学歴・信条・宗教・心身障がいの有無などによる差別を行わないこと、ハラスメント問題には厳正に対処することなどを明記し、さらに2019年には経営トップの「ハラスメント撲滅宣言」の発出により、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメント防止に向けた研修を継続的に実施し、従業員の意識啓発を図り、さらにはストレスチェックによる職場ごとのストレス度の定点観測及び継続的改善等を行うメンタルヘルスケアを行っております。
また、労使一体となった総労働時間抑制の取り組み、35歳以上の正社員を対象とする人間ドックの受診義務化、生活習慣病の予防を目的とする特定保健指導の推進、産業医による職場巡回・健康相談・面接指導等、従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践する「健康経営」の取り組みが優良であると認められたことから、2020年・2021年に続き「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定されております。
当社グループで販売している商品については、各仕入先との契約により仕入金額や販売実績に対して受取リベートを収受しているものがあります。今後仕入金額や販売実績の減少、取引条件の変更が生じた場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、各仕入先と良好な関係を築き、安定した仕入の量を確保し販売実績を残すため、新製品の販売への注力等、様々な販売施策を各仕入先の協力の下企画実践しております。
創業以来、当社グループは「商品をご購入いただいたお客さまに最後まで安心してご使用いただくことが小売業の務め」という考えのもと、一貫して安全安心な製品及びサービスの提供を重要課題として事業を展開しております。
しかしながら当社グループの提供する商品において、構造上の問題点や危険物の混入、また誤使用等により、商品の品質に重大な瑕疵や不備その他予期せぬ重大なトラブルが発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下を招き、財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、「ジョーシングループ製品安全自主行動指針」を策定し、万一製品事故等(欠陥、不具合、類似製品の事故)が発生した場合、お客様、製造事業者、輸入事業者、修理・設置事業者等から積極的に情報を収集し社内共有するとともに、速やかに情報をお客様、製造事業者、輸入事業者、修理・設置事業者等に提供できる体制を整えております。これにより、被害の拡大を防ぎ、事故再発の防止、原因究明に貢献いたします。また、必要があれば自主的に行政等の関連機関にも報告するなど、製造事業者、輸入事業者による迅速かつ的確なリコール(製品回収)等が行われるよう積極的に協力し、お客様の安全確保を最優先に行動いたします。
このような取り組みが認められ、経済産業省が「製品安全に積極的に取り組んでいる事業者」を企業単位で広く公募し、厳正な審査の上で表彰する「製品安全対策優良企業表彰」の大企業小売販売事業者部門において、制度初の3連続「経済産業大臣賞」を受賞し(2008年度・2010年度・2012年度。応募規定により受賞翌年度の応募資格なし)、2014年6月、経済産業大臣賞(あるいは金賞)3回以上の受賞企業を対象に創設された「製品安全対策ゴールド企業マーク」を初めて授与され、同制度上初の「製品安全対策ゴールド企業」に認定されております。さらに同認定後も、従来の取り組みを維持しつつ、より高いレベルでの製品安全実現に向けた活動を積極的に行っていることが高く評価され、審査委員会によって行われたフォローアップ(製品安全対策ゴールド企業認定から5年経過ごとに行われる、認定時の取り組みが引き続き維持されているかの確認)により、制度上初めて認定マークに「★」マークが追加されました。
今後も製品安全対策ゴールド企業のトップランナーとして、製品安全への積極的な取り組みを継続することで社会全体の製品安全文化の定着に貢献してまいります。
当社グループは主に家電製品を取り扱っており、その性質上、お客様のご自宅を直接訪問し、据付工事や配送設置等を行うことが多々あります。その際に、誤って壁面や床面等ご自宅の設備を破損した場合等において、お客様に多大なご迷惑をおかけすることとなり、さらには当社グループの社会的信用の低下を招き、財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、配送設置については、物品搬入訓練用家屋構造の独自性が認められ、2012年4月に特許を取得いたしました配送設置技術の習得を目的とする「トレーニングハウス」を当社グループ技術研修センター内に開設し、配送設置を受け持つ社員を対象に実務研修を行っております。また、多くの据付工事を外部業者に委託しておりますため、新製品技術説明会等で据付工事に伴う事故防止と個人情報保護法の知識、取り扱いルールなどについての研修を実施しております。さらに、新製品への対応力を高めるための技術研修も定期的に行っております。また、お客様に対するCSR活動の最重要課題として、当社グループのCS(顧客満足)マインドと具体的な取り組みの理解のために「CS研修」も行っております。
当社グループは、「大規模小売店舗立地法」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」に基づく「大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法」による規制、「不当景品類及び不当表示防止法」、「下請代金支払遅延等防止法」、「特定家庭用機器再商品化法」、「古物営業法」等、様々な法的規制を受ける事業を行っております。新たな法令の制定や規制の強化、規制当局による措置その他の法的手続きが行われた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、法令遵守に努めておりますが、万一、これらに違反する事由が生じ、事業活動が制限された場合、当社グループの社会的信用の低下を招き、財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、各法に従って適切に業務を遂行するため、コンプライアンス全体を統括する組織である「サステナビリティ委員会」の設置や社内マニュアル「ジョーシングループ行動規範」の整備、定期的な社員教育等の実施を行っております。また、顧問弁護士による法律相談会を定期的に行い、新規事業等の計画や通常の営業活動等において違法性のないことの確認を行っております。
当社グループは、当連結会計年度末において45,964百万円の借入金等有利子負債があります。今後、金融収縮等の全般的な市況の悪化や、信用格付けの格下げ等による信用力の低下、事業見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性があります。また、長期金利や短期金利が上昇した場合、借入コストの増加により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、常に多様な資金調達手段を検討しており、金融環境の変化に迅速に対応できる体制を整えております。
また、財務構成が改善基調にあること、地元関西エリアでの高い競争力、インフラ(物流体制の再整備)や店舗のスクラップアンドビルド等積極的な成長投資が計画されていること、利益蓄積に伴う自己資本の拡充も予想され、財務諸指標の改善が進むと見込まれることから、2020年11月、格付機関株式会社日本格付研究所による信用格付が、長期発行体格付が「BBB+」から「A-」に、国内CP格付が「J-2」から「J-1」にそれぞれ上昇しております。
店舗の賃借に伴う入居保証金等につきましては、当連結会計年度末における残高は12,810百万円となっており、賃貸人が経営破綻等した場合には入居保証金等の全部または一部が回収できなくなる可能性もあり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、賃貸借契約満了に伴う返還以外の方法として、賃料との一部相殺等、分割返還による早期回収に努めております。
また、賃貸人と良好な関係を築き、情報収集に努め、万一賃貸人の経営破綻等の兆候が見られるときには、貸倒引当金の計上等により、経営成績等への影響を最小限に抑えます。
当社グループの取り扱う家電製品においては、冷蔵庫・エアコン・暖房機等はその時の季節感との相関関係が強く、特に夏・冬の天候如何によって当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
また、家電製品の需要は社会情勢等の外部環境の変化により影響を受けやすく、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、販売時期が一定期間に集中する傾向にあるエアコン等の季節商品においては、早期ご購入による、お待ちいただくことのない据付工事の完了や、閑散期にご購入いただく際の特典等を訴求することにより、季節感に左右されない売上を創造することを目指し、さらに、創業月である5月には、当社グループにとって特別なセールである「大創業祭」を催すことにより業績の偏りを解消することを目指しております。また、MA(マーケティング・オートメーション)への積極的な投資や紙媒体販促(チラシ・DM)を縮小しデジタル販促を推進することにより、利益拡大及び経費削減を目指すべく、販促施策の充実を図っております。
当社グループの事業活動は人財に大きく依存しており、店舗運営をはじめとした各分野において優秀な人財を確保・育成することは成長に不可欠であります。しかしながら、少子高齢化の進行による人口構成の変化等により、採用計画が予定通りに進まない場合や、労働需給の逼迫等により従業員にかかる費用が増加する場合、「多様な人財が活躍できる働きがいのある労働環境の実現」を当社グループが取り組むべき7つのマテリアリティ(重要課題)のひとつとする、当社グループの経営理念「人と社会の未来を笑顔でつなぐ」及び経営ビジョン「家電とICTの力で生活インフラのHubになる」を実現することができず、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、定年延長に加え、新規採用だけではなく、即戦力としての中途採用や定年再雇用、その他退職者の再雇用、また働く側のニーズにも応えた短時間パートタイマーの採用等にも力を入れ、積極的に優秀な人財を活用して行く方針であります。また、従業員が高いモチベーションで最大限の能力を発揮できるよう、人事評価制度や研修制度の整備を行うこと等により、従業員の定着率の向上、個々の能力のレベルアップに努めております。
現在、当家電販売業界を含む世間を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。少子高齢化がもたらす人口・世帯数の減少や高齢単身世帯の増加といった人口動態の変化、ICTの高度化、性別・年齢・国籍などに囚われず、それぞれの「個」を尊重し、認め合うというダイバーシティ&インクルージョンの浸透、さらには気候変動など、人を取り巻く社会構造や環境、価値観が大きく変化する中で、人々の生活様式も大きく変わろうとしております。そのような背景から各企業は循環型経済社会の推進、人権の尊重、地域社会への貢献、ESG経営、SDGsへの取り組みといったような社会的責任の追及に根差したビジネスモデルを推進しております。しかしながら、このような社会の流れに対し当社グループの対応が不十分であった場合には、当社グループの経営理念「人と社会の未来を笑顔でつなぐ」及び経営ビジョン「家電とICTの力で生活インフラのHubになる」を実現することができず、当社グループの社会的信用の低下を招き、財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
さらに、気候変動による環境規制の強化やエネルギー価格高騰による設備費増や商品価格への影響により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、長期的な視点で未来を考え、社会のあるべき姿を思い描き、社会変化の現状と課題を踏まえた上で、当社グループの理念体系の根幹である社是「愛」(「常に相手の立場に立って考え行動する」の意)の基本精神に則り、「持続可能で誰ひとり取り残さない社会」を私たちの未来世代に引き継いでいきたいという思いを込め、「人と社会の未来を笑顔でつなぐ」を経営理念としており、この経営理念のもと、中長期的な視点からのバックキャストで、当社グループが中長期的に創造する2つの社会価値「高齢社会のレジリエンス強化支援」と「家庭のカーボンニュートラルの実現」や経営ビジョン「家電とICTの力で生活インフラのHubになる」、7つのマテリアリティ(重要課題)等を特定しております。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
出店先の選定については店舗の採算性を重視しており、賃借料や入居保証金等の出店条件、周辺世帯数、交通アクセス等の立地調査に基づく投資回収期間や予想利益等の一定条件を満たすものを出店対象物件としております。この条件に合致する物件が見当たらない場合、出店計画を変更することがあり、これに伴って当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
また、出店先の商業施設の売上高や集客力が変化した場合や、近隣地域への競合商業施設の出店等により顧客動向が変化した場合等にも、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、市場調査や幅広い店舗用地・空店舗などの募集により、出店候補地の検討数を増やしております。また、関西を中心にサービスインフラの整った東海・関東・北信越エリアの店舗ネットワークの活性化とドミナント化を指向し、既存店舗の積極的なリニューアル、スクラップアンドビルド、EC事業とのシームレス運営の推進、配送・工事・修理等のサービスインフラ拡充により、事業基盤の強化と収益力の向上を図り、安定的かつ着実な出店による収益拡大を推進いたします。業績、市場環境の変化や競合商業施設の出店動向の把握に努め、万一事業縮小や閉鎖を余儀なくされるような状況に陥った場合には、速やかに減損損失や店舗閉鎖損失引当金の計上等により、経営成績等への影響を最小限に抑えます。
なお、当連結会計年度末における店舗数は216店舗であり、店舗に係る固定資産の帳簿価額は66,352百万円であります。
当社グループは、一部の物流業務について外部業者に委託しております。現在、業務委託先の協力の下最適な物流体制を構築しておりますが、物流コストの上昇や配送ドライバーの人手不足問題等により、特に当社グループで展開しておりますインターネットショップ「Joshin webショップ」へのお客様からのご注文量の増加に対応した配送網の構築が間に合わない場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。また、今後、業務委託先の事業方針や戦略等の見直し、経営状況の変化や財務内容の悪化並びに取引条件の変更等があった場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループといたしましては、事業継続性を考慮した物流体制の再整備、リアル店舗とEC事業のシームレス営業を支える仕入・補給物流体制刷新、配送・工事・修理等のサービスインフラ拡充を目指し、新物流センターを稼働いたしました。大規模災害発生時の事業継続性に優れた内陸部に位置し、西日本を広くカバーできる最適なロケーションであり、2拠点で稼働しておりました物流センターを1拠点に集約し、EC事業拡大も見越した在庫効率の改善、またマテハン機能の充実による省力化で運営効率の向上を実現すべく、安定した物流体制の構築に向けた体制整備に取り組んでおります。
上記以外にも、犯罪被害、システム障害、電力不足による計画停電、その他風評被害等が発生する可能性は否定できず、そうした場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に対する対策と、経済活動の両立を目指した制限緩和を受け、正常化に向けた動きが期待されました。しかしながら、ウクライナ問題に端を発する世界情勢の緊迫を背景とした原材料価格の高騰による各種製品や光熱費、サービスの相次ぐ値上げに、海外における金融機関の経営破綻等に代表される金融市場の不安定さも加わり、景気の先行きは極めて不透明な状態が続きました。
当家電販売業界におきましても、一昨年のコロナ禍における需要の前倒しの反動や、物価高に起因する消費の伸び悩み、行動制限緩和によるレジャー支出の増加等から、新製品への買い替えタイミングとなった携帯電話等一部を除いて、どの商品群もおしなべて前年実績を下回る状況となりました。
このような状況下、最終年度を迎えた3カ年の中期経営計画『JT-2023 経営計画』に当社グループ一丸となって取り組んでまいりました。この計画は、当社グループの経営資源及び販売形態を有機的に統合・再編して、本業に一層磨きをかけるべく①各種販売チャネルの融合と、②人財ポテンシャルを引き出し、最大活用することを基本方針とし、営業キャッシュ・フローの創出と将来の成長に向けた投資の実行により、更なる発展に向けた強固な事業基盤の構築を目指した計画で、目標達成に向け具体的な戦略立案により、着実に計画を遂行してまいりました。
店舗展開につきましては、店舗力の強化と投資効率の改善を目指して、日本橋店(大阪府)を含む5店舗の出店を行うとともに7店舗を撤収した結果、当連結会計年度末の店舗数は216店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高408,460百万円(前年同期比99.7%)、営業利益8,311百万円(前年同期比93.5%)、経常利益8,317百万円(前年同期比85.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益4,972百万円(前年同期比77.8%)となりました。
なお、当社グループの事業は、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動及び財務活動による収入が投資活動による支出を上回った結果、前連結会計年度末より409百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は2,769百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益7,633百万円、減価償却費5,572百万円、減損損失977百万円、法人税等の還付額2,386百万円、棚卸資産の増加4,540百万円、未収入金の増加6,296百万円等があり、全体では7,119百万円の収入と前年同期と比べ5,676百万円の増加(前年同期1,442百万円の収入)になりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、新規出店等による固定資産の取得及び差入保証金の差入による9,501百万円の支出等があり、全体では9,070百万円の支出と前年同期と比べ502百万円の増加(前年同期9,573百万円の支出)になりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金等の有利子負債の増加5,947百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出910百万円、配当金の支払2,011百万円等があり、全体では2,360百万円の収入と前年同期と比べ487百万円の増加(前年同期1,873百万円の収入)になりました。
当連結会計年度における販売実績を都府県別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
2.「大阪府」には、店頭販売以外の売上が含まれております。
当連結会計年度における販売実績をチャネル別に示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を品種別に示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて0.3%減少の408,460百万円となりました。これは主に、一昨年のコロナ禍における需要の前倒しの反動や、物価高に起因する消費の伸び悩み、行動制限緩和によるレジャー支出の増加等が影響を及ぼしたことによります。
店舗展開につきましては、店舗力の強化と投資効率の改善を目指して、日本橋店(大阪府)を含む5店舗の出店を行うとともに、7店舗を撤収した結果、当連結会計年度末の店舗数は216店舗となりました。
売上総利益は、売上高総利益率の改善により、前連結会計年度に比べて5.5%増加の103,802百万円となりました。当連結会計年度は、前連結会計年度に引き続き、将来に備えた人的資本やシステム関連への積極的な投資を継続していること、また新物流センターの本格稼働等により、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて6.6%増加し、営業利益は前連結会計年度に比べて6.5%減少の8,311百万円となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より0.2%減少し、2.0%となりました。
営業外損益は、前連結会計年度において新型コロナウイルス感染症支援対策の補助金等の受給があったことにより、営業外収益は前連結会計年度に比べて65.5%減少の426百万円となり、経常利益は前連結会計年度に比べて14.3%減少の8,317百万円となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より0.4%減少し、2.0%となりました。
特別損益については、固定資産売却益等により、特別利益は752百万円となりました。また、当社グループでは、店舗のスクラップアンドビルドによる「店舗力の強化」が必要不可欠であると考えておりますことから、当連結会計年度においても店舗の撤収または改装等に伴う減損損失及び固定資産除却損を特別損失に計上したこと等により、特別損失は前連結会計年度と同等の1,437百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて22.2%減少の4,972百万円となりました。
また、当連結会計年度の1株当たりの当期純利益は、前連結会計年度の238.78円と比べて52.01円減少の186.77円となりました。
当連結会計年度の経営成績等は、2020年8月に公表いたしました当社グループの中期経営計画である『JT-2023 経営計画』の最終年度にあたり、同計画の諸施策にグループ一丸となって取り組んでまいりました。2022年5月に計画値の一部見直しを行い、最終年度の2023年3月期の計画値として、売上高420,000百万円(うちインターネット販売80,000百万円)、営業利益10,000百万円、経常利益10,000百万円、売上高経常利益率2.4%、自己資本比率45.0%以上、ROE7.0%以上、ROA5.0%以上、ROIC5.0%以上、配当性向30.0%程度とする計画で、堅実かつ着実な成長を目指しておりました。しかしながら、ウクライナ問題に端を発する世界情勢の緊迫を背景とした原材料価格の高騰による各種製品や光熱費、サービスの相次ぐ値上げに、海外における金融機関の経営破綻等に代表される金融市場の不安定さも加わり、景気の先行きは極めて不透明な状態が続き、また、一昨年のコロナ禍における需要の前倒しの反動や、物価高に起因する消費の伸び悩み、行動制限緩和によるレジャー支出の増加等の影響を受け、自己資本比率及び配当性向以外の指標において未達となりました。なお同計画の詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) JT-2023 経営計画(2020年4月1日~2023年3月31日)について」をご参照ください。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、消費マインドの低下、天候不順等が挙げられますが、耐久消費財の販売を主業とする当社グループにとって、一定の買い替え需要は常に存在することから、他社との比較において人的な生産性の向上と積極的な販売促進策の実行により、厳しい環境下においても安定的な業績をあげることができるように努力してまいります。なお、その他の要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの事業は、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度末は前連結会計年度末に比べ、資産は流動資産が7,045百万円増加し、固定資産が1,244百万円減少したため、合計で5,800百万円増加し、当連結会計年度末の資産合計は223,218百万円となりました。資産の増減の主な内容は、棚卸資産4,540百万円増加、建物及び構築物3,850百万円増加、未収入金3,432百万円増加、繰延税金資産1,478百万円減少、土地1,455百万円減少、売掛金1,154百万円減少、長期前払費用1,091百万円減少、建設仮勘定1,022百万円減少等であります。
負債は流動負債が6,330百万円増加し、固定負債が2,586百万円減少したため、合計で3,743百万円増加し、当連結会計年度末の負債合計は122,520百万円となりました。負債の増減の主な内容は、借入金等の有利子負債5,947百万円増加、資産除去債務1,308百万円減少等であります。
純資産は株主資本が2,097百万円増加し、その他の包括利益累計額が41百万円減少したため、合計で2,056百万円増加し、当連結会計年度末の純資産合計は100,698百万円となりました。純資産の増減の主な内容は、利益剰余金2,762百万円増加等であります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
(注)自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは商品の仕入を中心とした営業性費用と、人件費等の販売管理費用が中心となります。投資関連の費用としては、小売業という特性から店舗開発や店舗の改装といった設備投資が中心となります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金については自己資金、金融機関からの短期借入及びコマーシャル・ペーパーによる調達を基本としております。また、設備関連資金については金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は47,310百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は2,769百万円となっております。
今後の重要な設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループは既存の小売店と共存共栄を図ることを基本方針として、フランチャイズ契約(トヨタ生活協同組合他2社・全5店舗…「第1 企業の概況 3 事業の内容」ご参照)を締結しております。フランチャイズ契約の要旨は次のとおりであります。
2023年3月31日現在
(注) 1.帳簿価額には、建設仮勘定の金額は含んでおりません。
2.土地の[ ]は、賃借している面積(千㎡)を外書で記載しております。
3.その他有形固定資産には、リース資産を含んでおります。
4.現在休止中の重要な設備はありません。
2023年3月31日現在
(注) 1.帳簿価額には、建設仮勘定の金額は含んでおりません。
2.現在休止中の重要な設備はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1.2019年12月17日開催の取締役会の決議により、2020年1月14日付で自己株式103,700株の消却を実施したため、発行済株式総数は28,680,333株となっております。
2.2021年3月9日開催の取締役会の決議により、2021年3月23日付で自己株式680,333株の消却を実施したため、発行済株式総数は28,000,000株となっております。
2023年3月31日現在
(注) 1.自己株式1,528,398株は、「個人その他」に15,283単元、「単元未満株式の状況」に98株含まれております。
2.役員向け株式交付信託口が保有する当社株式51,475株は、「金融機関」に514単元、「単元未満株式の状況」に75株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1.上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 1,997千株
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 381千株
2.上記のほか当社所有の自己株式1,528千株があります。
3.2022年6月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、株式会社三菱UFJ銀行及びその共同保有者である三菱UFJ信託銀行株式会社及び三菱UFJ国際投信株式会社が2022年5月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、うち三菱UFJ信託銀行株式会社の一部及び三菱UFJ国際投信株式会社については、当社として2023年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。
4.2022年7月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友信託銀行株式会社及びその共同保有者である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及び日興アセットマネジメント株式会社が2022年6月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、うち三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及び日興アセットマネジメント株式会社については、当社として2023年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。