マルシェ株式会社
MARCHE CORPORATION
大阪市阿倍野区阪南町2丁目20番14号
証券コード:75240
業界:小売業
有価証券報告書の提出日:2023年6月26日

回次

第47期

第48期

第49期

第50期

第51期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

8,587,117

8,362,067

3,868,041

2,628,310

4,614,959

経常利益(△は損失)

(千円)

115,594

89,169

738,882

246,099

371,551

当期純利益(△は損失)

(千円)

52,227

361,414

1,470,040

323,599

590,267

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

1,510,530

1,510,530

1,510,530

1,510,530

100,000

発行済株式総数

(株)

8,550,400

8,550,400

8,550,400

8,550,400

8,550,400

純資産額

(千円)

2,911,999

2,467,748

1,000,115

650,128

62,346

総資産額

(千円)

5,148,491

4,213,980

4,563,312

4,030,777

3,648,387

1株当たり純資産額

(円)

362.71

307.38

124.57

80.98

7.77

1株当たり配当額
(内1株当たり
中間配当額)

(円)

10.00

5.00

(5.00)

(5.00)

(―)

(―)

―)

1株当たり当期純利益
金額(△は損失)

(円)

6.51

45.02

183.11

40.31

73.52

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

56.6

58.6

21.9

16.1

1.7

自己資本利益率

(%)

1.8

株価収益率

(倍)

119.2

配当性向

(%)

153.7

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

372,755

199,781

1,254,805

158,427

50,483

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

408,640

365,877

130,011

34,539

70,168

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

80,388

80,485

2,099,727

174,926

50,020

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

2,269,093

1,622,948

2,337,859

2,388,898

2,319,192

従業員数
[外、平均臨時雇用者数]

(人)

222

223

180

171

147

[423]

[443]

[210]

[154]

[256]

株主総利回り

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

97.9

(95.0)

68.5

(85.9)

63.3

(122.1)

57.8

(124.6)

51.1

(131.8)

最高株価

(円)

826

791

689

550

496

最低株価

(円)

658

455

431

382

381

 

(注) 1 持分法を適用した場合の投資利益は、関係会社が存在しないため、記載しておりません。

2 第49期、第50期、第51期の1株当たり配当額は、配当を実施していないため、記載しておりません。

3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

4 第48期、第49期、第50期、第51期の自己資本利益率、株価収益率及び配当性向については、当期純損失であるため記載しておりません。

5 平均臨時雇用者数は、1日8時間、1ヶ月22日換算で算出しております。

6 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。

7 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第50期の期首から適用しており、第50期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

8 第50期の期首より新型コロナウイルス感染症による損失、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金及び雇用調整助成金の会計方針を変更したため、第49期に係る主要な経営指標等については、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の指標等を表示しております。

 

2 【沿革】

年月

事項

1972年5月

料理飲食店等の経営を目的として、大阪市城東区中本町498番地の34に丸忠興業株式会社を設立。

   9月

酒類販売を目的として、大阪市東成区中本2丁目12番1号に丸忠販売株式会社を設立。

1976年3月

食品販売を目的として、大阪府東大阪市高井田西5丁目24番地に丸忠食品株式会社を設立。

1977年4月

居酒屋「酔虎伝」の本格的なフランチャイズ展開の開始。

1978年1月

丸忠興業株式会社を株式会社丸忠酔虎伝に商号変更、同時に本社所在地を大阪府東大阪市高井田西5丁目24番地に移転。

1979年8月

本社所在地を大阪市東成区中本2丁目13番1号に移転。

1984年7月

串焼酒場「八剣伝」の1号店として、緑橋1号店を出店。

   10月

株式会社丸忠酔虎伝東京本部を東京都中央区銀座3丁目11番15号に設置。(1988年5月に東京マルシェ株式会社に商号変更)

   11月

串焼酒場「八剣伝」の本格的なフランチャイズ展開の開始。

1986年7月

居酒屋「酔虎伝」で、「チャイルドルーム(託児所)」つきの郊外型モデル店を大阪市に出店。

1988年4月

株式会社丸忠酔虎伝をマルシェ株式会社に商号変更。

1991年10月

1991年10月1日を合併期日として、丸忠販売株式会社を存続会社としてマルシェ株式会社と東京マルシェ株式会社及び丸忠食品株式会社を吸収合併し、マルシェ株式会社の事業を全面的に継承するとともに商号をマルシェ株式会社に変更。

1996年11月

日本証券業協会に株式を店頭登録。

1999年7月

関西の配送センターを東大阪市から茨木市に移転。

   12月

東京証券取引所、大阪証券取引所の各市場第二部に上場。

2000年8月

低価格居酒屋「居心伝」の1号店を大阪市に出店。

2003年11月

本格懐石料理の店「樂待庵」を大阪市中央区の大阪マーチャンダイズマートビル21階に出店。

2004年2月

串揚げの店「串萬」を、大阪市東成区森ノ宮に出店。

   5月

本社を、大阪市中央区大手前1丁目7番31号へ移転。

   8月

民家づくりの素朴な空間と、地元の新鮮な素材にこだわった「語りの里八右衛門」を、福岡県粕屋町に出店。

2005年6月

新株式1,000千株発行し、発行済株式総数は8,550千株となる。

   9月

「八縁」を東京都に出店。

2006年9月

東京証券取引所、大阪証券取引所の各市場第一部に指定となる。

2007年2月

本社を、大阪市阿倍野区阪南町2丁目20番14号へ移転。

   4月

子会社となる「エコプランニング・マルシェ株式会社」を設立。

   8月

「海心丸」を伊丹市に出店。

   11月

「八剣伝」の加盟店を中国上海に出店。

2008年7月

「炭焼きバールSOLVIVA(現 バルビダ)」を大阪市中央区に出店。

2010年8月

子会社であった「エコプランニング・マルシェ株式会社」の株式を一部売却し、子会社ではなくなる。

2014年4月

播州ダイニング「GOTTO」を姫路市に出店。

   11月

焼鳥「おまっとう」を大阪市東住吉区に出店。

2016年9月

串焼酒場「心八剣伝」を京都市山科区に出店。

2017年3月

「エコプランニング・マルシェ株式会社」の全株式を譲渡し、関連会社でなくなる。

   6月

チムニー株式会社との間で資本業務提携に関する契約を締結。

   8月

「焼そばセンター」を尼崎市に出店。

   10月

「GOTTO酒場」を大阪市中央区に出店。

2018年3月

「餃子食堂マルケン」を尼崎市に出店。

2019年11月

「酒場とらず」を大阪市西区に出店。

2021年3月

「寿司スタンドとらず。」を吹田市に出店。

2021年7月

「鉄板スタンドとらず。」を神戸市東灘区に出店。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からスタンダード市場へ移行。

 

 

 

3 【事業の内容】

当社の事業内容の区分としましては、料飲部門、FC部門、商品部門及びその他部門となっております。

なお、セグメント情報を記載していないため、事業部門ごとに記載しております。

事業部門の名称

事業内容

料飲部門

 

 

酔虎伝

なにわの大衆居酒屋として関西の食材を中心とするメニュー構成を取り、大衆価格による料飲の提供

 

八剣伝

炭火串焼きを中心とした地域に密着した居酒屋による料飲の提供

 

居心伝

“低価格の鉄板居酒屋”をテーマに、少量多種メニューによる料飲の提供

 

餃子食堂マルケン

店内手仕込みの自家製餃子の他、中華料理を中心とする食事メニューも充実した低価格による料飲の提供

 

その他

上記以外の業態

FC部門

FC加盟店に対する経営指導及びロイヤリティの受取

商品部門

直営店及びサプライヤーを通してFC加盟店に酒類・食材を供給

その他部門

管理部門
FC加盟店への設備の販売等

 

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

(2023年3月31日現在)

◇事業系統図

 


 

 

4 【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況

 

     2023年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(円)

147

(256)

4212ヶ月

136ヶ月

4,537,817

 

 

     2023年3月31日現在

事業部門の名称

従業員数(人)

料飲部門

 

 

 酔虎伝

5

(20)

 八剣伝

40

(107)

 居心伝

13

(9)

 餃子食堂マルケン

37

(86)

 その他業態

15

(30)

小計

110

(252)

FC部門

11

(0)

商品部門

7

(0)

その他部門

19

(4)

合計

147

(256)

 

(注) 1 パートタイマー等の臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 パートタイマー等の平均人員の計算は1日8時間、1ヶ月22日換算で期中の月平均人数により算出しております。

3 当社は、単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。

4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5 前事業年度末に比べ従業員数が24名減少しております。主な理由として、店舗の退店や社員独立に伴う退職と自己都合退職によるものです。

 

(2) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は、マルシェ丸忠会ユニオンと称し、2008年10月に結成されております。

提出会社の本社に同組合本部が、また、各事業所別に支部が置かれ、2023年3月31日現在における組合員数は 331名で上部団体のUAゼンセンを通じ、日本労働組合総連合会に加盟しております。

なお、労使関係は円満に推移しております。

 

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

12.1

0

79.1

88.5

99.1

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

   2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

  (1) 会社の経営の基本方針

当社は、居酒屋チェーンを中心に展開する企業として、「心の診療所を創造する」を経営理念として掲げております。これは、飲食の提供と飲食の場を介し、お客様同士の健全なコミュニケーションのお役立ちをし、希薄化する人々の絆を深め地域社会に貢献することを目的としております。

また、長期的な経営ビジョンを以下のとおり定め、持続的な成長と企業価値向上に努めております。

 

◇経営理念

心の診療所を創造する

 

◇長期的な経営ビジョン

グループ全員のエネルギーを結集し、すべての人、すべての地域を元気にする

 

◇各ステークホルダーに向けたビジョン

顧   客

居心地の良い時間と空間、そして当社ならではの創意工夫に満ちた料理を、感謝の気持ちと共に提供することで、お客様自身に元気を提供する。

加 盟 店

信頼される加盟店本部となり、加盟店様との共存共栄を強化していくことで、加盟店様に元気を提供する。

社   員

働き甲斐のある人事制度の充実や、社員全員が誇りを持って働ける職場創りに努めると共に風通しのいい組織創りに努めることで、社員全員に元気を提供する。

取 引 先

良好な取引関係を築き、共存共栄を図っていくことで取引先様に元気を提供する。

地 域 社 会

飲食の提供や接客サービスを通じて、お客様同士の健全なコミュニケーションのお役立ちをし、希薄化する人々の絆を深め地域社会に元気を提供する。

株   主

継続的な利益創出や株主還元を通じて企業価値向上を図り、株主様に元気を提供する。

 

 

 

  (2) 目標とする経営指標

 当社が属する居酒屋業界は、当社と同様に居酒屋事業を展開する同業他社、ファストフードやレストランチェーンなどの中食を中心とした外食企業の他、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売業界との間で、価格・品質・サービス等を巡って厳しい競争が展開されており、加えて、少子高齢化に伴う労働需給の逼迫、物流経費や原価の高騰他、新型コロナウイルスの感染拡大への対応等、厳しい経営環境下にあります。

その中にあって、当社は、独自のコア・コンピタンス(中核的な競争優位性)として、「酔虎伝」「八剣伝」「居心伝」等のブランド力、それらブランドコンセプトに応じた店舗オペレーションのノウハウ、フランチャイズシステム導入による事業規模、日本津々浦々まで商品をお届けする物流販売網を有しており、創業以来、「心の診療所を創造する」という経営理念を基として蓄積された当社独自のコア・コンピタンスを軸とした経営施策を柔軟に推進することにより、競合との差別化や消費者ニーズへの対応に努めております。

現時点においては、先行き不透明な厳しい経営環境にあっては適宜迅速な意思決定の下、経営戦略の見直しが必要となる可能性があること、及び、上記重要業績評価指標から大幅に乖離している現状を打破するべく、まずは単年度毎に反省を繰り返し、業績回復を図っていく必要があるとの考えから、2019年4月1日以降、「中期経営計画」ではなく、「単年度事業計画」を立案し業績回復に努めております。

単年度事業計画における業績見込においては、現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、先行きが不透明であることから未定としております。しかしながら、その影響が一定程度終息し、業績見込の算定が可能となった時点で、遅滞なく開示する予定です。

その他、目標とする経営指標は定めておりません。

 

  (3) 中長期的な会社の経営戦略

上記「(2)目標とする経営指標」に記載のとおり、中長期経営計画は策定しておらず、現在、「単年度事業計画」を立案し、経営課題克服に努めております。経営課題は、下記「(4)経営環境及び対処すべき課題」記載のとおりです。

 

  (4) 経営環境及び対処すべき課題

  ①新型コロナウイルス感染症の財務面への対応

当社は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外食需要の低迷がございました2022年3月期に比べ2023年3月期において売上高は回復してまいりましたが、感染拡大前である2019年の水準に比して著しく減少したことにより、継続して重要な営業損失、経常損失及び当期純損失を前期に引続き計上したことから、現時点においては継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。

しかしながら、当社の当事業年度末の現金及び預金の残高は23億19百万円であり、複数の金融機関から資金調達を実施した後も継続した借入により当面の資金を確保しており、重要な資金繰りの懸念はありません。従って、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

尚、新型コロナウイルス感染拡大による生活様式の変容による消費ニーズの変化がもたらす影響を鑑みると、自己資本の増強及び財務基盤の安定化は重要な課題であると認識しており、資本性のある資金を調達することが必要であるとの考えから、株主総会におきまして、定款一部変更、第三者割当によるA種種類株式発行、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分を付議し、承認されております。

 

  ②既存直営店の収益力向上とFC事業の強化

原材料費が高騰していく中、「本物をおいしくちゃんとやる」を掲げ、商品のおいしさを追求した上で、提供する商品の付加価値を高め、お客様単価の向上による粗利益の確保を努めると共に、物流体系の見直しを図ることによる、配送コストの適正化、モバイルオーダーシステム導入による生産性の向上に努めることで、収益力の向上を図ってまいります。また、FC加盟店への積極的な支援活動を実践すべく、FC加盟店向けの教育体制の見直しを行うことと併せ、テイクアウト窓口を備えた「街の焼鳥屋さん」の併設などを推進していくことで、FC事業の強化を図ってまいります。

 

 

  ③新業態パッケージの創出

将来のFCパッケージの開発を目的とした取組みとして、新たな焼鳥業態の開発や当社主要業態である「八剣伝」「餃子食堂マルケン」ブランドの刷新を推進し、2025年3月期以降に向けた出店準備を行ってまいります。

 

  ④人財育成による組織力の向上

従業員一人一人の成長が店舗の成長となり、ひいてはそれが会社組織全体の向上に繋がると考えております。そのために、従業員への教育・研修を社内研修だけに留めず、多くの講義を受けることができる社外研修も積極的に参加することで、更なる個々の成長に繋げてまいります。

また、次期幹部候補生を育成する「リーダー勉強会」や将来のFCオーナーを育成する「育成塾」を開催してまいります。加えて、人事評価制度や表彰制度の見直しを図ることで、従業員が活き活きと働ける環境づくりに努めてまいります。

 

  ⑤SDGsへの取組み

持続可能な開発目標の実現に向けて、「八剣伝」では、国産種鶏・飼育米給餌・鶏糞リサイクルにより、持続可能性に配慮した鶏肉の特色JAS認証を受けた「純和鶏」を用いた商品を販売しております。

また、ペットボトルキャップを回収し、資源の再利用・売却を行い、その寄付金で開発途上国にワクチンを贈るエコキャップ運動にも取組んでおります。

加えて、ダイバーシティマネジメントの取組みの一環として、外国人材の積極的な雇用促進や、女性が活躍できる職場環境の整備を進める等、持続可能な企業体制づくりへと取組んでまいります。

 

  ⑥構造改革による管理コストの見直し及びコーポレートガバナンスの強化

小売店との垣根を越えた競合による競争が更に激しくなっていくことに加え、原材料価格や光熱費などのコスト上昇影響は、今後も継続すると見込んでおり、引続き、適正な経費コントロールや業務に関する機能を本社に集約させることで管理コスト低減に取組んでまいります。また、可能な限りコーポレートガバナンス・コードを意識した透明性の高いガバナンス体制の構築を推し進めていくことにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)競合競争について

当社が属する居酒屋業界では、当社と同様に居酒屋事業を展開する同業他社、ファストフードやレストランチェーンなどの中食を中心とした外食企業の他、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売業界との間で、価格・品質・サービス等を巡って厳しい競争が展開されております。

その中にあって、当社は、創業以来、「心の診療所を創造する」という経営理念を基として蓄積された当社独自のコア・コンピタンスを軸とした経営施策をもって競合との差別化を進めておりますが、当社が提供する商材の品質、価格、あるいはサービスレベルを上回る競合先が出現する等により客数が大幅に減少するに至った場合、もしくは少子高齢化に伴う物流経費の上昇や地球温暖化等に伴う原価の高騰等により経費が圧迫される状態を招いた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)人員の確保について

少子高齢化に伴う労働需給の逼迫によって採用教育費が上昇傾向にある経営環境下において、当社では、新規店舗のみならず既存店舗の運営に必要な人員の確保に最大限努めておりますが、採用条件に適う人員の確保が困難となり計画通りの新規出店を実行できない、もしくは、適正人員を欠く状況が継続し店舗運営が厳しく閉店することとなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)食品事故について

当社では、全社的リスクマネジメントシステムとして、「店舗事故予防委員会」を設置し、事故予防に関する講習会を定期的に実施している他、衛生管理について独自に策定したマニュアルに基づき衛生検査の実施、その他社外の検査機関によるチェックを随時行うなど安全性には最大限の万全を期しておりますが、万一、生産、流通、保存、調理の過程で何らかの影響により不可抗力的な食中毒が発生した場合には、一定期間の営業停止等を余儀なくされ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)営業店舗での事故について

当社では、全社的リスクマネジメントシステムとして、「店舗事故予防委員会」を設置し、事故予防に関する講習会を定期的に実施する等により店長へのコンプライアンス意識への啓発を行うことで細心の注意を払った店舗運営を実施しておりますが、万一、飲酒運転や未成年者飲酒禁止法に基づく未成年飲酒について販売する側の責任を問われた場合には、信用の低下等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)食の品質・安全について

当社は、全社的リスクマネジメントシステムとして、「品質管理委員会」や「メニュー表示適正化委員会」を設置し、食の品質や安全のみならず、メニュー表示の適正に関する会議を定期的に実施している他、取引先の協力を仰ぎながら、産地、加工工程、添加物等のデータ管理を行い食の品質・安全を担保しております。しかしながら、万一、表示内容に重大な誤り等が生じた場合には、信用の低下等を招き売上減少等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)自然災害について

当社の店舗が営業している地域で地震や大型台風等の自然災害が発生した場合は、店舗設備の損壊、社会インフラ、物流の寸断、避難勧告等の理由により、店舗の休業や営業時間の短縮を余儀なくされる場合があります。また自然災害による影響が長期化し、さらには消費意欲の低下、食材の高騰等が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)「固定資産の減損に係る会計基準」の適用について

当社の共用資産及び事業用資産である直営店舗において、競合店の出現等、事業環境の変化により業績が悪化し、投資回収が困難になる場合には、減損損失を計上し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)差入保証金及び敷金について

当社は直営店舗について、主に建物等を賃借する形で出店しており、賃貸人が破綻等の状態に陥り継続的使用や債権の回収が困難となった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)出店立地の調達について

当社は新規出店立地を、顧客需要、賃料、商圈人口、競合店の状況等を総合的に勘案し慎重に吟味した上で決定しておりますが、諸条件に合致する物件が調達できない場合には、出店計画が未達成となり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)個人情報の管理について

当社は、顧客へのアンケート等を通じて多くの個人情報を保有しており、個人情報保護法令やガイドラインに沿った個人情報保護の観点から、その管理には万全を期しておりますが、万一、不正の発生等により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償問題の発生や信用の低下等が、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)新型コロナウイルスについて

 当社は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大により、政府や各自治体から緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出され、ほぼ全ての直営店舗の営業を自粛もしくは営業内容の大幅な見直しを実施した他、当社グループ加盟店に対しては、緊急事態宣言期間の営業自粛の要請や持続化給付金等のサポート案内、一定期間のロイヤリティ免除や減額等を実施してまいりました。

この新型コロナウイルスの感染症の影響が長期化しつつも経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直し動きが見られますが回復する迄には、一定の期間を要するものと想定し、まずは手許資金の強化・確保を図るべく、複数の金融機関から資金調達を実施した後も継続した借入により当面の資金を確保しており、重要な資金繰りの懸念はありません。

現時点において、当社は、一定の仮定に基づいて、固定資産に関する減損損失等、会計上の見積りを行っておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、不確定要素が多く、翌事業年度の当社の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)有利子負債の依存度について

当社の2023年3月31日現在における有利子負債残高は2,225百万円であり、有利子負債依存度は61.0%であります。金融情勢の変化等により市場金利が上昇した場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)継続企業の前提に関する重要事象等について

当社は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い、重要な営業損失、経常損失及び当期純損失を前事業年度に引続き計上したことから、現時点においては継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。

しかしながら、当社の当事業年度末の現金及び預金の残高は2,319百万円であり、複数の金融機関等から資金調達を実施した後も継続した借入により当面の資金を確保しており、重要な資金繰りの懸念はありません。従って、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しつつも経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方で世界的なエネルギー価格の高騰や物価上昇に加え、為替の急激な変動等により依然として先行き不透明な状況が続いております。

外食産業におきましては、経済活動の緩やかな持ち直しに伴い、需要回復の兆しがみられるものの、原材料価格の高騰、人件費や光熱費の上昇等の影響を受け、厳しい経営局面が続いております。2023年3月にはマスクの着用が個人の判断に委ねられるなど、新型コロナウイルス感染症の影響は軽減されつつありますが、一方で、人手不足や食材費等の高騰は激化しており、厳しい経営環境が継続しております。

このような状況の中、当社は営業活動におけるキーワード「人・美味しさ・楽しさ」に「かわる」を加え、事業運営を行ってまいりました。2022年秋のメニュー改訂時に「高品質メニューの販売」を開始する等、店舗販売価格の改定を行うことで客単価の向上をはかると共に、継続した顧客開拓をすべく、八剣伝業態においてはテイクアウト販売「街の焼鳥屋さん」の併設と餃子食堂マルケンでのランチ営業とテイクアウトやデリバリー販売を推進し、新たな顧客層の獲得に取り組んでまいりました。

このような取組みを行ってまいりましたが、当事業年度における経営成績は、売上高は46億14百万円(前年同期比75.6%増)、営業損失は3億88百万円(前年同期は営業損失12億33百万円)、経常損失は3億71百万円(前年同期は経常損失2億46百万円)、当期純損失は5億90百万円(前年同期は当期純損失3億23百万円)となりました。

 

 

(2)財政状態及び経営成績の状況

 ① 経営成績

当事業年度における売上高は46億14百万円、営業損失は3億88百万円、当期純損失は5億90百万円となりました。なお、当社は、飲食事業の単一セグメントであるため、事業部門別の売上高の内訳を記載しております。

 

事業部門

金額(千円)

構成比(%)

料飲部門

 

 

 酔虎伝

254,070

5.5

 八剣伝

1,414,546

30.7

 居心伝

113,256

2.5

 餃子食堂マルケン

901,046

19.5

 その他業態

445,025

9.6

  料飲部門小計

3,127,945

67.8

FC部門

 

 

 ロイヤリティ等

359,409

7.8

  FC部門小計

359,409

7.8

商品部門

 

 

 食材等販売

1,040,857

22.6

 酒類等販売

6,630

0.1

  商品部門小計

1,047,487

22.7

その他部門

80,116

1.7

   合計

4,614,959

100.0

 

 

(売上高)

外食産業におきましては、需要回復の兆しが見られるものの、人手不足による人件費の上昇や原材料の高騰等により、厳しい経営環境が続いております。

そのような状況におきまして、当事業年度の売上高は前年同期比75.6%増の46億14百万円となりました。

(営業損失)

営業損失は、原価管理及び経費削減に努めてまいりましたが、3億88百万円の営業損失(前年同期は営業損失12億33百万円)となりました。

(当期純損失)

当期純損失は、特別損失として店舗収益低下等による減損損失を含む2億41百万円を計上したことにより、5億90百万円の当期純損失(前年同期は当期純損失3億23百万円)となりました。

 

 

 ② 生産、受注及び販売の実績

当社は、飲食事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況につきましては、事業部門区分ごとに記載しております。

当事業年度において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動がありました。その内容等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照願います。

 (イ) 生産実績

当社は、生産を行っていないため、生産実績にかえて料飲部門の収容実績を記載しております。

料飲部門の業態別収容実績

 

業態別

店舗数

客席数
(千席)

前年同期比
(%)

来店客数
(千人)

前年同期比
(%)

酔虎伝

8

202

17.25

110

192.8

八剣伝

49

944

27.83

600

140.6

居心伝

5

133

78.79

49

248.8

餃子食堂マルケン

28

519

140.46

450

199.4

その他業態

15

283

△17.64

243

136.5

合計

105

2,083

34.69

1,453

160.0

 

(注) 1 客席数は、各月末現在の各店舗客席数×営業日数として算出しております。

 2 店舗数には業態変更等を含む閉店24店舗(酔虎伝3店舗、八剣伝9店舗、居心伝3店舗、餃子食堂マルケン4店舗、その他業態5店舗)が含まれております。

 

 (ロ) 仕入実績

当事業年度の仕入実績は次のとおりであります。

事業部門別の仕入実績

 

事業部門

金額(千円)

前年同期比(%)

料飲部門

 

 

 酔虎伝

86,541

124.7

 八剣伝

429,250

53.4

 居心伝

31,296

121.3

 餃子食堂マルケン

247,592

99.7

 その他業態

128,295

37.5

  料飲部門小計

922,976

67.9

FC部門

 

 

 ロイヤリティ等

22,889

14.2

  FC部門小計

22,889

14.2

商品部門

 

 

 食材等販売

887,418

68.0

 酒類等販売

1,258

  商品部門小計

888,677

68.6

その他部門

67

   合計

1,834,610

67.5

 

 

 

 (ハ) 受注状況

該当事項はありません。

 (ニ) 販売実績

当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

事業部門別の販売実績

 

事業部門

金額(千円)

前年同期比(%)

料飲部門

 

 

 酔虎伝

254,070

123.4

 八剣伝

1,414,546

66.9

 居心伝

113,256

144.8

 餃子食堂マルケン

901,046

113.2

 その他業態

445,025

58.3

  料飲部門小計

3,127,945

82.8

FC部門

 

 

 ロイヤリティ等

359,409

72.2

  FC部門小計

359,409

72.2

商品部門

 

 

 食材等販売

1,040,857

62.4

 酒類等販売

6,630

△78.5

  商品部門小計

1,047,487

55.9

その他部門

80,116

117.0

   合計

4,614,959

75.6

 

 

 

 ③ 財政状態

(資産の部)

当事業年度末における資産は、現金及び預金69百万円の減少、未収入金2億4百万円の減少、直営店舗の減損等の影響により有形固定資産が2億39百万円の減少等により、総資産が前事業年度末に比べ3億82百万円減少し、36億48百万円となりました。

(負債の部)

当事業年度における負債総額は、主に買掛金1億62百万円の増加、未払消費税等1億32百万円の増加等により、前事業年度末に比べ2億5百万円増加し、35億86百万円となりました。

(純資産の部)

当事業年度末における純資産は、主に当期純損失の計上により5億87百万円減少し、62百万円となりました。

 

 

 ④ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、営業活動によるキャッシュ・フローが50百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが70百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが50百万円の支出となったことにより、前事業年度末と比べて69百万円減少し、23億19百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は50百万円であります。これは主に税引前当期純損失5億57百万円計上したものの、仕入債務1億62百万円の増加、協力金の受取額1億46百万円、非資金項目の減価償却費93百万円、減損損失2億41百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は70百万円であります。これは主に無形固定資産の取得による支出60百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は50百万円であります。これは主に借入金の返済50百万円によるものであります。

 

 

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき、見積りや判断を行っております。しかしながら、見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりです。重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度末の経営成績は、売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症にかかわる行動制限が緩和され徐々に回復の兆しが見られ、ご来店いただいたお客様にご満足いただける店舗創りを第一としてサービス力の向上等に努めた結果、直営店舗の売上高が前年比182.8%で着地したこと、加えて、当社グループ加盟店のロイヤリティ等収入が1億50百万円増加、そして、加盟店への食材・酒類等販売売上高が3億75百万円増加したこと等により、46億14百万円となり、前事業年度と比較して75.6%の増収で着地しました。営業利益及び経常利益につきましては、原材料の高騰や人手不足による人件費の上昇等により販売費及び一般管理費が前事業年度と比して14.5%増加したことから、営業損失3億88百万円、経常損失3億71百万円となりました。当期純損失につきましては、投資回収力の低下に伴う減損損失を含む特別損失2億64百万円を計上したことにより、当期純損失5億90百万円となりました。

資産合計につきましては、前事業年度末と比して3億82百万円減少し、36億48百万円となりました。また、負債合計につきましては、前事業年度末と比して2億5百万円増加し、35億86百万円となりました。当社の資産のうち、主なものは、現金及び預金23億19百万円、売掛金3億8百万円、有形固定資産3億85百万円、差入保証金3億21百万円となっております。また、負債のうち、主なものは、短期借入金(1年以内返済予定の長期借入金含む)18億40百万円、未払金2億47百万円、長期預り保証金2億89百万円、長期借入金3億85百万円となっております。当事業年度末の資産が減少している主な要因は、未収入金が減少していることによります。また負債の金額が増加している主な原因は、買掛金が増加していることによります。純資産につきましては、前事業年度末と比して5億87百万円減少し、62百万円となりました。この主な要因は、当期純損失5億90百万円を計上したことから利益剰余金が5億90百万円減少したことによります。

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。

当社の資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入資金の他、人件費、設備費及び一般管理費等の運転資金及び新規出店等の投資資金であり、自己資金及び借入金を財源としております。

加えて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による不測の事態に備えた予備資金として、銀行等金融機関から借入を行い、十分な資金の流動性を確保しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) フランチャイズ契約

当社は、フランチャイズ加盟店との間で「酔虎伝チェーンフランチャイズ契約」・「八剣伝チェーンフランチャイズ契約」、「居心伝チェーンフランチャイズ契約」、「八右衛門チェーンフランチャイズ契約」、「串まんチェーンフランチャイズ契約」及び「餃子食堂マルケンチェーンフランチャイズ契約」を締結しております。

 

(1) 契約の内容

当社は、加盟店に対し居酒屋事業に必要な情報、知識、ノウハウ等を与えるとともに、店名・商号・商標・サービスマーク等の一定地域における独占権を与え、かつ開店後も継続的に指導し、加盟店はこれらの権利付与とサービスに対し対価を支払う。

 

 

(2) 加盟料、加盟保証金等

加盟料

「酔虎伝」及び「居心伝」は店舗坪数×50千円、「八剣伝」、「八右衛門」及び「おまっとう」は1,200千円、「串まん」及び「餃子食堂マルケン」は1,500千円。

 

加盟保証金

「酔虎伝」は店舗坪数×30千円、「八剣伝」、「八右衛門」及び「おまっとう」は800千円、「居心伝」及び「餃子食堂マルケン」は1,000千円、「串まん」は600千円。

 

マニュアル保証金

「酔虎伝」、「八剣伝」、「居心伝」、「八右衛門」、「餃子食堂マルケン」及び「おまっとう」は50千円。

 

ロイヤリティー

「酔虎伝」、「八剣伝」、「居心伝」、「八右衛門」、「餃子食堂マルケン」及び「おまっとう」は毎月の店舗売上高の一定料率。

 

パッケージ料

「串まん」は50千円。

 

(注) 上記のほか、地域により広告費を加盟店から徴収しております。

 

 

(3) 契約期間等

契約期間

フランチャイズ契約締結日より起算して「酔虎伝」は7年間、「八剣伝」、「居心伝」、「串まん」、「八右衛門」、「餃子食堂マルケン」及び「おまっとう」は5年間。

 

契約更新の条件

契約満了3ヶ月前に当社と加盟者の双方より契約を更新しない旨の書面による意思表示がない場合

 

更新期間

「酔虎伝」は5年、「八剣伝」、「居心伝」、「串まん」、「八右衛門」、「餃子食堂マルケン」及び「おまっとう」は3年。

 

契約更新料

「酔虎伝」、「八剣伝」、「居心伝」、「串まん」、「八右衛門」、「餃子食堂マルケン」及び「おまっとう」共に200千円。

 

 

 

(4) フランチャイズ店舗数

2023年3月31日現在の店舗数は、「酔虎伝」9店(関西地区5店、関東・東北地区1店、東海・北陸地区1店、中国・四国地区2店)、「八剣伝」195店(関西地区56店、関東・東北地区23店、東海・北陸地区32店、中国・四国地区82店、九州地区2店)、「居心伝」7店(関西地区4店、中国・四国地区3店)、「串まん」4店(関西地区3店、中国・四国地区1店)、「八右衛門」3店(中国・四国地区3店)、「餃子食堂マルケン」2店(中国・四国地区2店)、「おまっとう」1店(関西地区1店)であります。

 

 

 

(2) 多額な資金の借入に関する契約

当社は、今般の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う事業への影響を鑑み、手元資金の強化・確保を図るべく、前事業年度より引き続き複数の銀行等金融機関と借入契約を締結しました。これにより、当期末の借入金総額は22億25百万円となっております。

 

2 【主要な設備の状況】

当社は国内各地に81店の直営料飲店舗を運営しております。

また、国内に本社及び名古屋支店等の事務所等を有しております。

主要な設備は、以下のとおりであります。

(1) 料飲部門の主要な設備(業態別)

       2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

事業部門
の名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数
(人)

建物及び
構築物

工具、器具
及び備品

土地
(面積㎡)

合計

酔虎伝 住道駅前店
(大阪府大東市)
ほか4店

料飲部門
(酔虎伝)

店舗設備

10,045

613

10,658

5(20)

八剣伝 八乙女駅前店
(仙台市泉区)
ほか39店

料飲部門
(八剣伝)

店舗設備

30,573

1,201

31,774

40(107)

居心伝 上新庄店
(大阪府大阪市)
ほか1店

料飲部門
(居心伝)

店舗設備

302

0

302

13(9)

餃子食堂マルケン 武庫之荘店
(兵庫県尼崎市)
ほか23店

料飲部門
(マルケン)

店舗設備

123,555

14,495

138,050

37(86)

備前今八右衛門
(岡山市北区)
ほか9店

料飲部門
(その他業態)

店舗設備

13,914

1,126

15,041

15(30)

 

 

(2) その他設備

       2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

事業部門
の名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数
(人)

建物及び
構築物

工具、器具
及び備品

土地
(面積㎡)

合計

本社
(大阪市阿倍野区)

FC・その他部門
(管理部門)

事務所

36,073

603

127,609

(239.47)

164,287

34(4)

名古屋支店
(名古屋市西区)
ほか1ヶ所

FC・その他部門
(管理部門)

事務所

2,770

560

3,330

3(0)

賃貸物件
(大阪市東成区)
ほか2件

その他部門
(管理部門)

賃貸店舗

792

21,756

(57.23)

22,548

 

(注) 1 従業員数は期末就業人員であり、パートタイマー等の臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 建設仮勘定、差入保証金及び長期前払費用は含んでおりません。

 

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

34,201,600

34,201,600

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月26日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

8,550,400

8,550,400

東京証券取引所
スタンダード市場

権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であり、単元株式数は100株であります。

8,550,400

8,550,400

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
 
(千円)

資本金残高
 
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2022年7月1日

(注)1

8,550,400

△1,410,530

100,000

816,726

 

(注)1 資本金の減少は無償減資によるものであり、減少額の全額をその他資本剰余金に振り替えております。

 

 

(5) 【所有者別状況】

      2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

9

23

109

22

19

14,760

14,942

所有株式数
(単元)

6,128

4,274

21,201

721

137

52,977

85,438

6,600

所有株式数
の割合(%)

7.17

5.00

24.81

0.85

0.16

62.01

100.00

 

(注) 1 自己株式522,130株のうち5,221単元は単元株として「個人その他」の欄に含まれており、30株は「単元未満株式の状況」に含めて記載しております。

2 上記「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ14単元及び60株含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

     2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

チムニー株式会社

東京都墨田区亀沢1-1-15

954

11.89

アサヒビール株式会社

東京都墨田区吾妻橋1-23-1

611

7.62

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2-11-3

345

4.30

SMBC日興証券株式会社

東京都千代田区丸の内3-3-1

168

2.10

株式会社三井住友銀行

東京都千代田区丸の内1-1-2

160

2.00

谷垣 雅之

大阪府大阪狭山市

141

1.76

株式会社中野外食サプライ

大阪府堺市中区八田北町10-9

110

1.37

楽天証券株式会社

東京都港区南青山2-6-21

76

0.95

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1-8-12

76

0.95

伊藤忠食品株式会社

大阪府大阪市中央区城見2-2-22

68

0.85

2,711

33.78

 

(注) 上記の所有株式数のうち、信託業務にかかる株式数は次のとおりであります。

・日本マスタートラスト信託銀行株式会社         345千株

・株式会社日本カストディ銀行            76千株

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

2,388,898

2,319,192

 

 

売掛金

182,971

308,757

 

 

商品及び製品

25,501

33,112

 

 

原材料及び貯蔵品

29,044

26,242

 

 

前払費用

51,287

44,010

 

 

未収入金

266,208

61,498

 

 

その他

5,998

8,969

 

 

貸倒引当金

2,203

2,991

 

 

流動資産合計

2,947,705

2,798,791

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

2,395,422

1,900,708

 

 

 

 

減価償却累計額

1,971,571

1,682,711

 

 

 

 

建物(純額)

423,851

217,997

 

 

 

構築物

36,134

35,094

 

 

 

 

減価償却累計額

35,637

35,064

 

 

 

 

構築物(純額)

496

29

 

 

 

工具、器具及び備品

460,733

360,970

 

 

 

 

減価償却累計額

408,641

342,368

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

52,091

18,601

 

 

 

土地

149,366

149,366

 

 

 

有形固定資産合計

625,805

385,994

 

 

無形固定資産

28,872

73,054

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

12,551

15,742

 

 

 

出資金

40

40

 

 

 

長期貸付金

7,855

6,444

 

 

 

破産更生債権等

9,905

10,353

 

 

 

長期前払費用

7,011

10,803

 

 

 

差入保証金

373,848

321,542

 

 

 

その他

37,631

45,451

 

 

 

貸倒引当金

20,449

19,830

 

 

 

投資その他の資産合計

428,394

390,546

 

 

固定資産合計

1,083,072

849,596

 

資産合計

4,030,777

3,648,387

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

175,516

337,721

 

 

短期借入金

1,800,000

1,800,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

60,000

40,000

 

 

未払金

233,506

247,437

 

 

未払費用

3,893

342

 

 

未払法人税等

45,118

33,487

 

 

前受金

2,522

3,476

 

 

預り金

31,753

40,247

 

 

前受収益

18,902

12,621

 

 

契約負債

12,251

9,311

 

 

賞与引当金

25,795

1,463

 

 

株主優待引当金

56,004

53,437

 

 

資産除去債務

6,186

4,000

 

 

その他

4,179

136,978

 

 

流動負債合計

2,475,630

2,720,525

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

415,000

385,000

 

 

繰延税金負債

4,346

6,028

 

 

資産除去債務

106,893

105,266

 

 

長期預り保証金

295,016

289,517

 

 

その他

83,763

79,702

 

 

固定負債合計

905,018

865,515

 

負債合計

3,380,648

3,586,040

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

1,510,530

100,000

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

816,726

816,726

 

 

 

その他資本剰余金

802,663

2,213,193

 

 

 

資本剰余金合計

1,619,390

3,029,920

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

2,030,078

2,620,346

 

 

 

利益剰余金合計

2,030,078

2,620,346

 

 

自己株式

453,378

453,386

 

 

株主資本合計

646,462

56,186

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

3,666

6,159

 

 

評価・換算差額等合計

3,666

6,159

 

純資産合計

650,128

62,346

負債純資産合計

4,030,777

3,648,387

 

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 2,628,310

※1 4,614,959

売上原価

 

 

 

商品及び原材料期首棚卸高

42,307

48,306

 

当期商品及び原材料仕入高

1,095,370

1,834,610

 

合計

1,137,677

1,882,917

 

商品及び原材料期末棚卸高

48,306

53,498

 

売上原価合計

1,089,370

1,829,418

売上総利益

1,538,939

2,785,540

販売費及び一般管理費

 

 

 

給料及び手当

1,138,553

1,338,619

 

法定福利費

129,508

132,422

 

賞与引当金繰入額

25,795

1,463

 

貸倒引当金繰入額

1,393

1,214

 

株主優待引当金繰入額

48,669

53,437

 

不動産賃借料

360,337

356,166

 

減価償却費

102,042

93,175

 

業務委託料

39,225

97,658

 

その他

929,631

1,099,453

 

販売費及び一般管理費合計

2,772,371

3,173,612

営業損失(△)

1,233,431

388,072

営業外収益

 

 

 

受取利息

616

396

 

受取配当金

524

588

 

受取家賃

8,372

9,856

 

解約返戻金

1,975

4,384

 

雇用調整助成金

219,867

-

 

新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金

768,737

10,229

 

賃貸収入

5,876

5,740

 

その他

5,373

14,131

 

営業外収益合計

1,011,343

45,327

営業外費用

 

 

 

支払利息

16,574

21,255

 

支払手数料

6,363

-

 

その他

1,073

7,550

 

営業外費用合計

24,011

28,806

経常損失(△)

246,099

371,551

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※2 2,265

※2 13,032

 

資産除去債務戻入益

-

62,454

 

その他

-

2,400

 

特別利益合計

2,265

77,886

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

※3 147

※3 318

 

固定資産売却損

※4 0

※4 13,667

 

減損損失

※5 50,498

※5 241,629

 

賃貸借契約解約損

1,712

3,160

 

特別退職金

-

5,310

 

特別損失合計

52,357

264,085

税引前当期純損失(△)

296,191

557,749

法人税、住民税及び事業税

29,079

32,392

法人税等調整額

1,671

125

法人税等合計

27,407

32,518

当期純損失(△)

323,599

590,267