アスクル株式会社
ASKUL Corporation
江東区豊洲三丁目2番3号
証券コード:26780
業界:小売業
有価証券報告書の提出日:2023年8月02日

(1)連結経営指標等

 

回次

第56期

第57期

第58期

第59期

第60期

決算年月

2019年5月

2020年5月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

売上高

(百万円)

387,470

400,376

422,151

428,517

446,713

経常利益

(百万円)

4,418

8,656

13,850

14,270

14,448

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

434

5,652

7,758

9,206

9,787

包括利益

(百万円)

477

5,720

7,740

9,255

10,056

純資産額

(百万円)

48,631

52,825

59,203

57,271

66,876

総資産額

(百万円)

169,112

174,146

190,107

188,024

227,506

1株当たり純資産額

(円)

474.22

513.69

573.57

582.43

658.20

1株当たり当期純利益

(円)

4.26

55.39

75.83

90.83

100.43

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

4.26

55.14

75.68

90.77

100.36

自己資本比率

(%)

28.6

30.1

30.9

30.2

28.2

自己資本利益率

(%)

0.9

11.2

14.0

15.9

16.2

株価収益率

(倍)

346.84

29.88

23.51

15.96

18.89

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

6,215

16,609

15,998

17,952

20,131

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

5,962

6,055

9,079

10,748

22,929

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

4,950

4,761

3,919

14,674

10,232

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

57,469

63,260

66,259

58,789

66,223

従業員数

(人)

3,477

3,550

3,297

3,380

3,574

(外、平均臨時雇用者数)

1,558

1,654

1,915

1,923

2,057

 

(注)1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年5月期の期首から適用しており、2022年5月期以降に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

2 当社は、2021年5月21日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。2019年5月期の期首に当該分割が行われたと仮定して、「1株当たり純資産額」、「1株当たり当期純利益」および「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」を算定しております。

3 2021年5月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2020年5月期に係る各数値においては、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。

 

 

(2)提出会社の経営指標等

 

回次

第56期

第57期

第58期

第59期

第60期

決算年月

2019年5月

2020年5月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

売上高

(百万円)

340,615

349,105

368,188

371,659

383,096

経常利益

(百万円)

4,696

7,480

12,299

12,047

13,724

当期純利益

(百万円)

491

4,919

8,125

8,281

9,774

資本金

(百万円)

21,189

21,189

21,189

21,189

21,189

発行済株式総数

(千株)

55,259

55,259

51,259

97,518

97,518

純資産額

(百万円)

49,026

52,101

58,855

55,950

62,634

総資産額

(百万円)

154,506

158,479

173,554

168,179

200,660

1株当たり純資産額

(円)

480.26

510.28

574.30

574.17

642.69

1株当たり配当額

(円)

36.00

38.00

49.00

31.00

34.00

(うち1株当たり中間配当額)

18.00

19.00

19.00

15.00

(16.00

1株当たり当期純利益

(円)

4.81

48.20

79.43

81.70

100.30

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

4.81

48.18

79.31

自己資本比率

(%)

31.7

32.9

33.9

33.3

31.2

自己資本利益率

(%)

1.0

9.7

14.6

14.4

16.5

株価収益率

(倍)

306.84

34.34

22.45

17.75

18.91

配当性向

(%)

374.0

39.4

30.8

37.9

33.9

従業員数

(人)

798

812

771

847

897

(外、平均臨時雇用者数)

58

67

67

65

62

株主総利回り

(%)

94.5

106.8

116.4

97.3

127.7

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

87.7

86.6

112.1

113.6

134.5

最高株価

(円)

3,640

3,665

4,715

1,924

1,904

最低株価

(円)

2,051

2,105

3,005

1,299

1,388

 

(注)1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年5月期の期首から適用しており、2022年5月期以降に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

2 当社は、2021年5月21日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。2019年5月期の期首に当該分割が行われたと仮定して、「1株当たり純資産額」、「1株当たり当期純利益」および「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」を算定しております。

3 2023年5月期の1株当たり配当額34円には、30周年記念配当2円を含んでおります。

4 2023年5月期の1株当たり配当額については、2023年8月4日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。

5 2022年5月期および2023年5月期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

6 最高株価および最低株価は、東京証券取引所(市場第一部)におけるものであります。なお、2022年4月4日以降の最高株価および最低株価は、東京証券取引所(プライム市場)におけるものであります。

 

 

2 【沿革】

1993年3月、当社の前身であるアスクル事業部は、オフィス用品の中小事業所向けカタログ通信販売を目的とする新規流通事業部門として、プラス株式会社の中で発足し、1997年5月21日、通信販売業としての位置付けを明確にするためにメーカーであるプラス株式会社から分社いたしました。

 

年月

事業内容

1963年11月

 

事務用品、事務用器具の製造を目的としてプラス株式会社の100%出資によりプラス工業株式会社を設立。本社は東京都千代田区に設置。併せて、埼玉県北葛飾郡に岩野木工場を設置。

1986年10月

埼玉県入間市の埼玉シルバー精工株式会社をプラス工業株式会社に商号変更後、同社に営業譲渡し休眠会社となる。

1993年3月

アスクル事業開始(プラス株式会社アスクル事業部において事業開始)。

 

リンクス株式会社に商号変更。併せて、営業目的を不動産の売買、賃貸借および管理に変更する。

1997年2月

オフィス関連用品の翌日配送サービスを目的として商号をアスクル株式会社に変更。

1997年3月

インターネットによる受注を開始。

1997年5月

プラス株式会社よりアスクル事業の営業を譲受け、東京都文京区に本社を設置し営業を開始。

 

埼玉県入間郡に所沢物流センターを開設。

1998年3月

インターネットによる受注分のみ当日配送(東京23区内限定)を開始。

1999年7月

東日本(除く北海道)における配送サービス体制強化のため、東京都江東区に東京センターを設置し、所沢物流センターを移転。

2000年9月

九州における配送サービス体制強化のため、福岡県糟屋郡に福岡センターを開設。

2000年11月

JASDAQ市場に上場。

2001年1月

「e-tailing center」を東京センター内に開設。本社事務所を東京都文京区から東京都江東区
「e-tailing center」へ移転。

2001年4月

関東地区の物流の強化を行うため、神奈川県川崎市に横浜センターを開設。

2002年4月

輸入品業務や庫内業務の合理化を目指すアスクルDCMセンター(東京都江東区)を開設。

2002年11月

ASKUL e-Pro Service株式会社を設立。(現 連結子会社 2009年1月にソロエル株式会社に商号変更)

2003年9月

法人向けインターネット一括購買システム 新「アスクルアリーナ(現 ソロエルアリーナ)」サービス開始。

2003年12月

仕入先企業との間でリアルタイムにマーケティング情報を共有する「SYNCHROMART(シンクロマート)」システムに「需給調整業務支援システム」機能を追加。

2004年1月

医療・介護施設向け用品カタログ「アスクル メディカル&ケア カタログ」を発刊。

2004年3月

本社(e-tailing center)ならびに全国5ヶ所の物流センターを含めた主要事業所において環境ISO 14001の認証を取得。

2004年4月

東京証券取引所市場第一部へ上場。

2004年9月

東海・北陸地域の物流拠点となる名古屋センターを愛知県東海市に開設。

2005年4月

主要事業所を対象に、情報セキュリティマネジメントシステムの国際的規格である「BS7799-2:2002」および国内規格である「ISMS認証基準(Ver.2.0)」の認証を取得。

2005年5月

当社エージェント(販売店)であるビジネスマート株式会社の発行済全株式を取得。(現 連結子会社)

2005年11月

医療施設向けの医療材料専門カタログ「ASKUL for Medical Professionals」を発刊。

2006年9月

大阪物流センター「大阪DMC」を大阪府大阪市に開設し、旧大阪センターから移転。

2006年12月

中国上海市に現地法人愛速客楽(上海)貿易有限公司を設立。(2014年1月に清算手続きが完了し、消滅)

2007年8月

仙台物流センター「仙台DMC」を宮城県仙台市に開設し、旧仙台センターから移転。

2009年3月

プラス株式会社が、当社の自己株式公開買付において、保有株式の一部を売却した結果、親会社からその他の関係会社に異動。

2009年4月

当社の配送および物流業務の一部を担うBizex株式会社の発行済全株式を取得。(現 連結子会社 2016年5月にASKUL LOGIST株式会社に商号変更)

 

 

 

年月

事業内容

2009年11月

個人向けネット通販事業の強化を目的に、アスマル株式会社を設立。(2013年2月21日付で当社を存続会社とする吸収合併により、消滅)

2010年2月

個人向けネット通販事業「ぽちっとアスクル」を、簡易吸収分割により、アスマル株式会社に承継。

2010年11月

取扱商材拡大を目的として、株式会社アルファパーチェスの株式を取得。(現 連結子会社)

2011年3月

東日本大震災により本社事務所「e-tailing center」、仙台物流センター「仙台DMC」が被災。

2011年9月

本社事務所を東京都江東区「live market center」へ移転。

2012年5月

BtoCオンライン通信販売事業の垂直立ち上げを目的に、ヤフー株式会社(現 Zホールディングス株式会社)と業務資本提携契約を締結し、ヤフー株式会社(現 Zホールディングス株式会社)に対する第三者割当増資を実施。(現 その他の関係会社)

2012年11月

一般消費者向け通信販売サイト「LOHACO(ロハコ)」サービス開始。

2013年7月

埼玉物流センター「ASKUL Logi PARK 首都圏」を埼玉県入間郡に開設。(2017年2月16日に発生した火災事故を受けて「持たざる経営」への回帰を決め、2017年11月20日に売却し、2020年2月より「ASKUL 三芳センター」として賃借開始)

2014年7月

プラス株式会社が、保有する当社株式の一部を売却した結果、その他の関係会社から異動。

2014年8月

酒類の通販事業を営む昌利株式会社の発行済全株式を取得し、同月中に当社を存続会社とする吸収合併を実施。

2015年8月

水の製造販売事業を営む嬬恋銘水株式会社の発行済全株式を取得。(現 連結子会社)

2015年9月

配送サービスの差別化等を目的として、株式会社エコ配の株式を取得。(2020年7月に株式を一部譲渡し、連結の範囲から除外)

2015年10月

製造工場・建設現場向け間接資材カタログ「現場のアスクル」を発刊。

2015年12月

福岡物流センター「ASKUL Logi PARK 福岡」を福岡県福岡市に開設し、旧福岡センターから移転。

2016年5月

横浜物流センター「ASKUL Logi PARK 横浜」を神奈川県横浜市に開設し、旧横浜センターから移転。

2017年4月

埼玉物流センター「ASKUL Value Center 日高」を埼玉県日高市に開設。

2017年4月

東京物流センター「新砂センター」を東京都江東区に開設。

2017年7月

ペット用品eコマース大手の株式会社チャームの発行済全株式を取得。(現 連結子会社)

2017年9月

大阪物流センター「ASKUL Value Center 関西」を大阪府吹田市に開設。

2020年2月

埼玉物流センター「ASKUL 三芳センター」を埼玉県入間郡に開設。

2021年9月

東京物流センター「ASKUL東京DC」を東京都江戸川区に開設。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場へ移行。

2022年12月

連結子会社である株式会社アルファパーチェスが、東京証券取引所スタンダード市場へ上場。

2023年2月

歯科業界向け通販サービス「FEED デンタル」を運営するフィード株式会社および他子会社を傘下におさめる、株式会社AP67の85%の株式を取得。(現 連結子会社)

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社および連結子会社13社により構成され、eコマース事業を主な事業として取り組んでおります。当社グループの事業における、当社と当社の関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

<eコマース事業>

OA・PC用品、事務用品、オフィス生活用品、オフィス家具、食料品、酒類、医薬品、化粧品、MRO商材(注)、ペット用品等の販売事業を行っており、販売チャネル別にはBtoB事業とBtoC事業に区分されます。

BtoB事業の主たる内容は、インターネット経由ならびにFAXの注文によるオフィス現場用品の翌日配送(一部、当日配送)サービスであります。このサービスを支える販売システム(以下、「アスクルシステム」という。)は、当社とお客様との間にアスクルシステムの販売店(以下、「エージェント」という。)を置くことにより、お客様の新規開拓および代金回収を含む債権管理をエージェントが担当するという独自のビジネスモデルにより構築されております。お客様からのご注文情報は当社が直接受け付け、商品は当社よりお客様にお届けしておりますが、お客様の商品ご購入代金は、エージェント経由で回収しております(次頁図参照)。これによりエージェントは、お客様への販売価格と当社からの仕切り価格の売買差額を利益として得る一方、当社はお客様開拓や代金回収コストを軽減しております。また、当社グループの事業は上記エージェントをはじめとして、商品のサプライヤー、運送会社、情報システムの開発および運用会社等多くの協力会社によって支えられています。これら協力会社との間で、それぞれの機能に応じて、役割を分担・補完し合い、お互いにパートナーとして戦略的にコラボレーションをすることにより時間やコストの無駄を排除しております。

連結子会社については、ASKUL LOGIST株式会社は、物流・配送サービスの提供において、競合他社との差別化および環境先進企業としてのプラットフォームの構築を進めております。また、株式会社アルファパーチェスにおいては、消耗品・補修用品等企業内で日常的に使用されるサプライ用品(MRO商材)をはじめとする取扱商材拡大に取り組んでおり、当社グループとしてお客様に提供する商品およびサービスの拡大を図っており、当社グループ全体で「機能主義」と「社会最適」を実現するバリューチェーン構築を目指しております。ソロエル株式会社は、巨大な間接材市場において、お客様の購買代理人として、間接材購買コストの削減および間接材の確実な供給を目指し、ビジネスのさらなる拡大にチャレンジしております。フィード株式会社は、全国の歯科医院に幅広く認知されている「FEED デンタル」の運営等の医療関連の通信販売事業を営んでおり、海外商品を含めたコストパフォーマンスの高い歯科材料や歯科用品など専門商材の幅広い品揃えを強みにしております。

一方、BtoC事業は、これまでBtoB事業において提供してきた事業所に対するオフィス現場用品の翌日配送(一部、当日配送)サービスを一般消費者向けに展開すべく、2012年11月20日に一般消費者向け通信販売サイト「LOHACO(ロハコ)」としてサービスを開始し、業務・資本提携契約を結ぶZホールディングス株式会社およびその子会社であるヤフー株式会社とノウハウや人的リソースを結集することで、他のBtoCの通信販売事業者に比べて価格、商品品質、配送その他のあらゆる点において優位性を有するeコマース事業(インターネット等を介して行われる電子商取引ビジネス)の構築に取り組んでまいりました。連結子会社である株式会社チャームは、ペット・ガーデニング用品の品揃えに強みがあります。グループで協業していくことにより、「LOHACO」においてはペット用品の取扱商品数が拡大し、多種多様なライフスタイルをもつ消費者ニーズに対応することで、売上高の拡大を図っております。

 

(注)Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場等で使用される、消耗品・補修用品等の間接材全般を指します。

 

(主な関係会社)ASKUL LOGIST㈱、㈱アルファパーチェス、㈱チャーム、ビジネスマート㈱、ソロエル㈱、㈱AP67、フィード㈱

 

<ロジスティクス事業>

eコマース事業で培った物流ノウハウを生かし、連結子会社のASKUL LOGIST株式会社を通じてメーカー等の通販商品の保管、物流、配送の請け負い等、企業向け物流・小口貨物輸送サービスを行っております。

(主な関係会社)ASKUL LOGIST㈱

 

<その他>

2015年8月に株式を取得し連結子会社とした嬬恋銘水株式会社にて、水の製造販売を行っております。

(主な関係会社)嬬恋銘水㈱

 

以上で述べた主な事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 


 

(注)1 当社グループは、当社および連結子会社13社により構成され、eコマース事業を主たる事業としております。

2 当社は、2002年11月に新たな電子調達システムを利用した企業購買の変化に対応するノウハウの蓄積を目的に100%子会社としてASKUL e-Pro Service株式会社(現ソロエル株式会社)を設立しております。なお、超大企業向けの間接材購買の最適化を支援するソロエルエンタープライズの営業代行を行っております。

3 当社は、2005年5月に当社エージェント(販売店)であるビジネスマート株式会社の発行済株式全株を取得し、100%子会社といたしました。当社がエージェント運営に関わり、エージェントとして培った運営ノウハウを他のエージェントにも展開することで、新しいエージェント機能を模索し、お客様の満足度をさらに高めていくことを目的としております。

 

4 当社は、2009年4月に、プラス株式会社の100%子会社であるプラスロジスティクス株式会社より、プラスロジスティクス株式会社が行った新設会社分割において、(1)物流事業の一部(当社が委託している当社の物流センターの庫内運営に係る事業)および(2)Bizex事業(配送に係る事業)を承継して新設分割により設立されたBizex株式会社(現ASKUL LOGIST株式会社)の発行済株式全株を取得し、100%子会社といたしました。これまで外部に依存していた物流面でのお客様への直接リーチを取り込み、当社の強みであるワンストップ・ショッピング機能を強化することで、顧客満足度の向上を図ることおよび物流コストの節減による効率化を目的としております。

5 当社は、2010年11月に株式会社アルファパーチェスの株式の78.8%(2023年5月20日現在における議決権の所有割合は64.0%)を取得し、連結子会社といたしました。当社と株式会社アルファパーチェスが持つお客様基盤と取扱商材の相互補完によるシナジー効果が見込まれ、当社グループの業績拡大に寄与することを目的としております。

6 当社は、2015年8月に、水の製造販売を行っております嬬恋銘水株式会社の株式を取得いたしました。

7 当社は、2017年7月に、ペット・ガーデニング用品を専門に扱う株式会社チャームの全株式を取得いたしました。株式会社チャームで取り扱う商品を「LOHACO」でも販売することで、多種多様なお客様のニーズにお応えし、BtoC事業の業績拡大に寄与することを目的としております。

8 当社は、2023年2月に、歯科業界向け通販サービス「FEED デンタル」を運営するフィード株式会社および他子会社を傘下におさめる、株式会社AP67の発行済株式の85%を取得し、連結子会社といたしました。当社とフィード株式会社が持つお客様基盤の相互活用による販路拡大など、グループ全体でのシナジー最大化を目指し、より幅広く仕事場を支えるインフラ企業として、企業価値の向上を図ることを目的としております。

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
(百万円)

主要な事業の内容

議決権の
所有(または被所有)割合(%)

関係内容

(その他の関係会社の親会社)

 

 

 

 

 

ソフトバンクグループ㈱
(注)3

東京都港区

238,772

持株会社

(45.0)

[45.0]

ソフトバンクグループジャパン㈱

東京都港区

188,798

持株会社

(45.0)

[45.0]

ソフトバンク㈱
(注)3

東京都港区

204,309

通信業

(45.0)

[45.0]

Aホールディングス㈱

東京都港区

100

持株会社

(45.0)

[45.0]

(その他の関係会社)

 

 

 

 

 

Zホールディングス㈱
(注)3

東京都千代田区

247,094

持株会社

(45.0)

役員の兼任等

(連結子会社)

 

 

 

 

 

ASKUL LOGIST㈱
(注)4

東京都江東区

90

eコマース事業
ロジスティクス事業

100.0

物流倉庫の転貸

商品の物流委託等

㈱アルファパーチェス

(注)3

東京都港区

524

eコマース事業

64.0

商品の仕入
商品の販売等

役員の兼任

㈱チャーム

群馬県邑楽郡

邑楽町

10

eコマース事業

100.0

商品の仕入

債務保証
役員の兼任

ビジネスマート㈱

東京都江東区

93

eコマース事業

100.0

当社エージェント

嬬恋銘水㈱

群馬県吾妻郡

嬬恋村

25

その他

100.0

商品の仕入等

資金の貸付

債務保証

役員の兼任

ソロエル㈱

東京都江東区

80

eコマース事業

100.0

営業代行等

役員の兼任

㈱AP67

神奈川県横浜市西区

100

eコマース事業

85.0

資金の貸付

役員の兼任

フィード㈱

 

神奈川県横浜市西区

43

eコマース事業

100.0

[100.0]

役員の兼任等

その他 5社

 

(注)1 議決権の所有(または被所有)割合欄の[ ]内は、間接所有割合で内数となっております。

2 議決権の被所有割合は自己株式を控除して計算しております。

3 有価証券報告書の提出会社であります。

4 特定子会社であります。

5 連結子会社の「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

 

5 【従業員の状況】
(1)連結会社の状況

2023年5月20日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

eコマース事業
ロジスティクス事業

3,533

2,057

その他

41

-)

合計

3,574

2,057

 

(注)1 eコマース事業、ロジスティクス事業の両事業に係る従業員については、セグメント別に従業員数を明確に区分できないため、合算した従業員数を記載しております。

2 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

 

(2)提出会社の状況

2023年5月20日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

897

62

41.0

9.1

7,685,693

 

(注)1 全従業員が、eコマース事業に従事しております。

2 従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

3 平均年間給与には、賞与を含んでおります。なお、当社は年俸制を採用しております。

 

(3)労働組合の状況

当社グループでは、労働組合は組織されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

23.0

66.7

78.9

82.4

98.7

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 

 ② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1、3

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注)2、3

労働者の男女の賃金の差異(%)
(注)1、3

全労働者

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

ASKUL LOGIST㈱ 

10.0

61.5

71.1

90.9

㈱チャーム 

14.3

73.8

79.5

97.3

㈱アルファパーチェス

19.2

フィード㈱ 

3.4

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)または「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表をしない連結子会社の数値は記載を省略しております。

4.管理職に占める女性労働者の割合は、各連結子会社の直近の事業年度末時点を集計対象としております。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、各連結子会社の直近の事業年度の実績を集計対象としております。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(2023年8月2日)現在において当社グループが判断したものであります。
 
(1)経営方針および中長期的な経営戦略等
 当社は1992年のアスクル創業以来、オフィスに必要なものやサービスを「迅速かつ確実にお届けする」トータルオフィスサポートサービスにおけるパイオニアとして、お客様の声を聞きながら、商品・サービス・システムを絶えず進化させて中小事業所から中堅大企業までのあらゆる企業の多様なニーズにお応えし、着実な成長を実現してまいりました。    
 これに加え、eコマース(インターネット等を介して行われる電子商取引ビジネス)へのニーズは、一般消費者へも急速に高まり、当社グループは、このような状況を絶好の成長機会と捉え、2012年11月20日に一般消費者向けインターネット通信販売サイト「LOHACO」のサービスを開始しました。
 一方で新型コロナウイルス感染症を起因とした新しい生活様式へのシフトやテクノロジーの急速な進化等により、当社を取り巻く事業環境は劇的に変化し、eコマース市場規模およびeコマース化率は拡大を続けているものの、他方で、競争は激化しており、この激化する競争に勝ち抜くため2022年5月期から2025年5月期の4年間の経営方針として中期経営計画を策定しました。
 中期経営計画の基本方針として、「サステナブル経営」、「お客様価値最大化」、「高収益モデルへの転換」の3つを掲げており、環境保全や社会課題の解決を考えたサービス「エシカルeコマース」の実践により、環境課題の解決を事業と一体化して実現してまいります。この方針のもと、当社グループが有する多様なお客様基盤・ビッグデータ、全国に当日翌日配送を可能とする高度に自動化された独自の物流基盤、長年蓄積してきたオリジナル商品開発力等、これらの優位性を活かしながら、グループの総力を結集して、オフィス通販からすべての仕事場とくらしを支えるインフラ企業へとトランスフォーメーションを図ってまいります。 
 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、中期経営計画の最終年度である2025年5月期には、連結売上高5,500億円、連結営業利益率5%、連結株主資本利益率(ROE)20%を実現してまいります。

 当連結会計年度(2023年5月期)は、新型コロナウイルス感染対策商品の特需の減少やオフィス用品需要の低下を注力分野である生活用品・MRO商材の売上拡大でカバーし増収、さらなる物流効率化と「LOHACO」の収益構造改善に取組み、売上高は4,467億円、売上高営業利益率は3.3%、ROEは16.2%となりました。

 次期(2024年5月期)においては、売上高の成長カーブと同時に利益の成長カーブも変える年度と位置付けております。BtoB事業は新アスクルWEBサイトのソロエルアリーナオープン化効果を成長エンジンに、戦略業種向けを中心とした取扱い商品数の拡大とロングテール商品の商材拡大に加え、インターネット広告等の販促の強化により、売上高、営業利益ともに高い成長率を実現し、中期経営計画最終年度である2025年5月期の大きな売上・利益成長に結びつけてまいります。一方、BtoC事業は、BtoB事業との融合をより一層進めることで、人件費等の固定費や配送原価の低減等の収益体質の強化を図り、黒字を継続し、2024年5月期第4四半期以降の再成長を実現してまいります。その結果、売上高は4,820億円、売上高営業利益率は3.4%、ROEは15.3%となる見通しです。

 

 

(3)会社の対処すべき課題

当社グループは、次期(2024年5月期)においては、以下4つのテーマに注力して取り組んでまいります。

 

① 戦略業種と品揃え拡大

BtoB事業は、WEBサイトの刷新を成長エンジンに、取扱い商品数を拡大することで高い成長率を目指しております。医療・介護、製造業を2大戦略業種と位置付け、戦略業種向けを中心に、2025年5月期には、取扱い商品数は1,800万アイテム、いつも買う「明日来る」の在庫商品数は33万アイテム、価格・品質の優位性があり、環境配慮型商品であるオリジナル商品数は1万2,000アイテムまで拡大することを計画しております。

2023年5月期末時点においては、取扱い商品数1,247万アイテム、在庫商品数は16万6,000アイテム、オリジナル商品数は9,600アイテムとなりました。2024年5月期末時点においては、取扱い商品数1,470万アイテム、在庫商品数24万アイテム、オリジナル商品数は1万1,000アイテムを目指してまいります。

 

② BtoB最強eコマースサイトの構築

WEBサイトの刷新を予定しております。新アスクルWEBサイトは、従来からの購買管理機能、ボリュームディスカウント、検索からの最速購入、パーソナライズドリコメンドを結集・強化し、テレワーク対応の新機能も追加することで、お客様の購買頻度の増加や購入単価の向上、購買集約による定着率向上により、2025年5月期までの累計売上高の増加額として500億円超を計画しております。

2023年5月期においては、中堅大企業向けのWEBサイトであるソロエルアリーナサイトのオープン化の先行リリースにより、サーチエンジン経由での売上高が増加しました。2024年5月期においては、2023年7月度にソロエルアリーナのお客様の新アスクルWEBサイトへの移行を開始しております。

 

③  BtoBビジネスの新サービス

2023年5月期において、オフィス通販からのトランスフォーメーションに向けての新サービスの第一弾として、「LOHACO」で培った広告ビジネスの知見を活かしたBtoB事業におけるメーカー向け広告サービスを開始しました。2024年5月期においては、従来からのメーカーとの強い関係性とBtoB事業の規模を最大限活用して、広告サービスを拡大してまいります。また、2022年10月にはソフトバンク株式会社のグループ各社との連携による中小事業所向け新サービス「ビズらく」を開始しており、2024年5月期もBtoB事業で培ったお客様基盤、ビッグデータを活用した物販以外の領域へチャレンジしてまいります。

 

④ 「LOHACO」再成長に向けた施策

BtoC事業は、「LOHACO」の収益事業化の実現を目指しております。2023年5月期においては、ヤフー株式会社の有するシステム基盤等を活用することで、サービス品質の向上とコストダウンを図り、計画通り通期での黒字化を実現しました。2024年5月期においては、2023年3月のBtoB事業との事業部統合のシナジー効果として期待される商品領域拡大とオリジナル商品強化に加え、Zホールディングスグループの持つ集客力の活用により、黒字を維持しつつ2024年5月期第4四半期以降の再成長を目指してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社グループでは、将来の経営成績に影響を与えるリスクを「重要なリスク」として抽出しリスクアセスメントを行うと同時に、その中でも特に当社グループの事業継続に著しい影響を及ぼすと認めたリスクを「特に重要なリスク」と定め、必要なリスク対応策を策定しています。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当有価証券報告書提出日(2023年8月2日)現在において判断したものであります。

 

1.特に重要なリスク
(1)従業員の生命・健康に対するリスクについて

当社グループが持続的に成長する上で、従業員の安全・安心は最大の優先事項であるとの基本的な考え方に基づき、当社グループでは、オフィス、物流センターにおける設備、車両等の維持・管理、およびそれらを取り扱う従業員向けの安全教育の徹底により、労働災害等の事故撲滅を目指しています。また、職場における災害の発生、あるいは長時間労働により従業員の心身の健康が脅かされることのないように、建物、設備における防災対策の徹底や労働時間の管理を行っております。しかしながら、不慮の事故、突発的な災害発生、急激な感染症の拡大や不測の事態に伴う長時間労働等により、従業員の生命、健康が損なわれた場合、人的資源の損失のみならず、事後の対応費用等も含めて当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(2)事業継続・サプライチェーンの分断におけるリスクについて

① 自然災害等に関するリスク

当社グループでは、東日本大震災の被災経験を踏まえ、また、直近では台風の大型化や集中豪雨の頻発といった地球温暖化に伴う気候変動や地震等の大規模な自然災害の発生、それに伴う大規模な停電や公共交通機関の運休等に備え、受注センター・お問い合わせセンター・物流センターを複数設置することで、リスク分散を図っております。また、事業、拠点、体制等の拡大や当社グループ内外の変化に応じて、事業継続計画の見直しを継続して行っております。しかしながら、自然災害の発生確率は依然として高いことから、想定以上の自然災害、特に南海トラフ地震など広域かつ深刻な災害が発生し、複数の事業所等が同時に甚大な被害を受け、サービスの継続に支障を来した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、このような広域かつ深刻な自然災害の発生に伴い、当社グループの事業所等のみならず、当社グループのサプライチェーンを構築するサプライヤー、あるいは配送委託先等が被害を受けその影響が長期化した場合、あるいは当社グループの調達先が海外に拡大していることから政情不安等によりグローバルな物流ネットワークの寸断や遅延が発生し、その影響が長期化した場合にも、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

特に気候変動につきましては、こうしたサプライチェーンの維持のみならず、政策・規制面、あるいは顧客の嗜好の変化など多方面での影響が懸念されます。当社グループでは、こうした気候変動による影響を経営上の重大リスクとして認識するとともに、それに適切に対応することで事業成長の機会に繋がると捉えています。気候変動への取組みにつきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 2.気候変動への取組み」に記載しています。

また、当社においては、インターネット通販という事業内容の特性や事業規模の観点から、本社機能が1ヶ所に集中しています。昨今の働き方改革に伴い、当社においてもリモートワークが進んでいるものの、大規模な自然災害等により本社機能の喪失が長期化した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

なお、自然災害以外の火災等の災害については、2017年2月に発生した「ASKUL Logi Park首都圏」の火災事故を受け、防火設備点検等の定期的な実施や物流センター運営体制の強化等により再発防止に努めておりますが、万が一こうした災害等が発生した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

② パートナー企業への業務委託の継続性に関するリスクについて

 当社グループの主たる事業である通信販売事業では、サプライヤーをはじめ、情報システムの開発および保守・運用会社、配送会社、運営業務の委託先、BtoB通信販売事業モデル独自のエージェント等多くの協力会社によって支えられております。それぞれの機能により、役割を分担・補完し合い、お互いにパートナーとして戦略的に連携し、業務や機能の重複、時間やコストの無駄を排除してお客様価値の最大化を図るバリューチェーンの考え方が当社グループの基本スタンスにあります。当社グループでは、事業モデルを支えるパートナー企業との良好な関係の維持に努めておりますが、ビジネスモデルの進化と市場の変化に伴ってパートナー企業の役割の見直しや、契約関係の改廃が生じ、特定の分野のパートナーが離脱した場合、あるいは各社の経営状況や経営方針の変化等によって、提携による業務委託等の継続ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)戦争、経済制裁などグローバルな情勢変化に関するリスクについて

当社グループでは、商品調達につきまして、サプライヤーに対して当社グループの販売力に応じて安定した商品供給体制を整えていただくよう要請して、また商品製造の国内シフトへの変更を含むサプライチェーンの見直しなどの対応を行っております。しかしながら、サプライチェーンが国内外に拡大しつつある昨今の状況においては、グローバルな経済状況の変化、原産地およびサプライチェーンにおける政治体制の変化、地域紛争や戦争、あるいはこれらを原因とする国家間の経済制裁といったいわゆるカントリーリスク・地政学的リスクや、地球規模的な感染症のまん延や災害の発生、あるいは当該商品の持続可能な原料調達に関わる環境問題等から生じる原材料の高騰や入手困難等による生産制限または製造原価の上昇や、為替レートの急激な変動等により安定した商品調達ができない、あるいは仕入価格が高騰する等の影響が発生する可能性があります。

また、当社の主力事業であるBtoBの通信販売事業は、国内の事業者を主要なお客様として物品を販売しておりますが、お客様の業種は製造業、医療・介護施設、建設業、サービス業等、多岐に渡っているため、特定の業種の業績悪化に起因する需要の低下が当社の業績に与える影響は限定的と考えております。しかしながら、この度のような全国的かつグローバル規模の感染症の影響等、同時に複数の業種の業績悪化により需要の低下が発生した場合、あるいは広範な業種で特定の商品に需要が集中し、需給が逼迫することにより商品等の調達に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 

さらに、当社は日本国内において事業を展開しておりますが、景気や消費の動向などの日本の経済状態が悪化した場合、お客様の購買力または消費意欲が減退し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)システム障害やサイバー攻撃によるリスクについて

当社グループでは、「アスクル」、「ソロエルアリーナ」、「ソロエルエンタープライズ」および「LOHACO」等のサイトを通じてご注文の大半をインターネットによって受け付けているとともに、お客様のお届けに至るサプライチェーン全体をITシステムにて構築しています。

今後、社会のIT化、デジタル化が進むにつれて、インターネットをはじめとするITシステムに特有の技術的または社会的なリスク要因が増大すると見込まれますが、当社グループではサーバーの増強、分散化、最新化および通信回線容量の増強を図るとともに、万一の障害や事故に備えた基幹システムの二重化およびリアルタイムのバックアップ体制の整備、不正アクセスやコンピュータウィルスを防御するネットワーク・セキュリティの強化を行う等、お客様にいつでも安心してサービスをお使いいただけるよう、安定稼働すべく運用を行っております。

しかしながら、基幹システムの障害やネットワークの障害、不測の事態によるインシデントや、外部からの攻撃、ウィルスの侵入等や急激なアクセスの増加等により情報システムの停止が引き起こされる、あるいは情報の流出、破壊もしくは改ざん等が引き起こされる可能性があり、当社グループの事業運営に重大な支障が発生する可能性があります。万一、このような事態が生じた場合には、社会的な信用の低下や損害賠償請求等による多額の費用の発生、または長時間にわたる業務の停止等により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(5)大規模システム開発、設備投資の実施、および実施後の減損に関するリスクについて

当社グループでは、事業成長に伴って、情報処理能力や出荷能力の拡大、あるいはお客様向けサービスの刷新を目的に、大規模な情報システム開発や物流インフラ等への設備投資を継続的に実施しています。いずれの場合も、周到に準備を行い、綿密な計画を立案の上、必要な経営資源を投入することにより、決められた期間、予算内で実現するように努めていますが、想定を超えるトラブルの発生等によりスケジュールが大幅に遅延する、あるいは当該システムや設備の完成を断念せざるを得ない可能性があります。その場合、所定の投資費用が回収できないのみならず、多額の追加費用の発生や、サービスの低下・停止等に伴う社会的信頼の失墜により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

さらに、ITの進歩が著しく、投資したソフトウエア等の利用可能期間が、当初予定したものより短くなった場合、残存期間分の償却が一時に発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、いずれの設備投資の実施に際しましても、充分な投資対効果の検証を行った上で実施しておりますが、その効果が充分でない場合、またはその効果の発現が計画より遅れた場合には、固定資産の減損損失を計上する可能性があります。回収可能性の検討の結果を踏まえ、減損損失を計上することになった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、大規模システムの開発に当たっては、ビジネスモデルの見直しを伴う場合、当社グループのビジネスモデルと密接に関係するエージェント制度の変更を伴う可能性があります。エージェント制度の変更に当たりましては、当社グループとエージェントの皆さまとの全体最適が実現するべくビジネスモデルの再設計を図るように努めてまいりますが、全てのエージェントの皆さまの意向に応えることができなかった場合、多数のエージェントが当社グループのビジネスから離脱することでお客様のサービス低下に繋がり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)従業員等による個人情報や機密情報の漏洩に関するリスクについて

当社グループは、事業を展開する上で、お客様やお取引先の機密情報や個人情報および当社グループ内の機密情報や役員、従業員等の個人情報を保有しております。これらの情報の破壊、改ざん、あるいは外部流出や競合他社への不正な提供等がないように、当社グループ全体で委託先も含めた管理体制を構築しセキュリティ対策を行うとともに、役員、従業員等への教育を実施しております。また、当社グループでは、情報資産の管理を徹底すべく、情報セキュリティマネジメントシステム(JIS Q 27001)の認証を取得し、JIS Q 27001の要求事項に沿ったマネジメントシステムを確立し、お客様情報および個人情報の保護においても必要な管理体制を整えており、今後も引き続きネットワーク・セキュリティと情報管理に関しまして強化を図ってまいります。しかしながら、万が一、不測の事態により、過去の在籍者を含む当社グループの役員、従業員、あるいは委託先の従業員等によって、これらの情報の破壊、改ざん、あるいは外部流出や競合他社への不正な提供等が引き起こされた場合には、信用低下、被害を受けた方への損害賠償等の多額の費用の発生、または長時間にわたる業務の停止等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法令違反、社会的要請への不適応に伴うレピュテーションリスクについて
① コンプライアンスについて

当社グループは、事業を展開するにあたり、様々な法律や諸規制の遵守を求められております。当社グループは、役員、従業員共通の規範となる「ASKUL CODE OF CONDUCT」を定めるとともに、コンプライアンスに則した行動をするための体制や仕組みの構築を推進し、健全で公正かつ透明性の高い企業風土を醸成するよう努めております。

しかしながら、このような施策を講じても関連する規制への抵触や、役員、従業員による不祥事、不正行為は完全には回避できない可能性があります。このような事象が発生した場合、当社グループの社会的な信用が低下し、多額の課徴金や損害賠償が請求される等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 社会課題への対応について

現在、各企業は「社会の公器」として、SDGsに代表されるような環境や人権をはじめとするグローバルな社会課題への対応を求められています。当社グループも「責任あるサプライチェーンの構築」の一環として、「アスクルサステナブル調達方針」を定めるなど、企業活動を通じて、積極的にこうしたグローバルな社会課題の解決に努めております。

しかしながら、こうしたグローバルな社会課題は原因が複合的であったり、関係者の利害関係が複雑であったりするため、結果的に当社グループの取組み方が不十分、あるいはその成果がお客様、あるいは社会一般の期待に添えない場合、当社グループの社会的信用が低下することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 内部統制について

当社グループは上場企業として、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制を整備し運用する必要があります。当社グループは、効果的な内部統制システムの整備は極めて重要であると認識し、必要な経営資源を投下し整備に取り組んでおりますが、いかに緻密に整備していたとしても、判断の誤りや過失による限界を有しており、効果的かつ適切である保証はありません。内部統制上の重大な欠陥等が発見された場合、あるいは改善に要する新たな資源投入により追加的コストが発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、財務報告に関わる内部統制に欠陥があり決算発表を延期せざるをえない等、市場における当社グループの評価が毀損する恐れが生じた場合、さらには欠陥の重大性や原因等の程度によって、法的責任が課せられた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)人材の確保・育成の不全におけるリスクについて

当社グループの事業は、物流センターの庫内業務や配送業務等、労働集約型の業務がお客様との接点を支えており、質の高い人材を常に一定数確保することが重要であります。また、今後更なる事業拡大およびテクノロジーやサービスの進化に挑戦していくための優秀な人材を採用、確保することとともに、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保も重要となっております。さらには人材育成を継続的に推進していくことや、性別、年齢、人種、国籍の違いを尊重したダイバーシティを適切に推進することも必要となっております。当社グループは、ダイバーシティに十分に配慮しながら、事業の持続的成長のために新卒採用や経験者の中途採用を実施し、人材を育成するための各種教育の実施等、従業員のモチベーションを向上する仕組みを構築するとともに、「働き方改革」を進めて労働環境の整備を実施し、従業員の定着を図っております。

人材の確保と定着は当社グループの成長には重要な要素となりますが、テクノロジーやサービスの進化に不可欠なエンジニアを含む必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、これら必要な人材が確保できなかった場合、あるいは確保するために人件費が大幅に増加した場合、また、従業員満足度の低下に伴う転職者の増加等、人材の定着率が低下した場合には、サービスレベルの劣化や競争優位性の低下を招くことにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社は「お客様のために進化する」ことをDNAとしてずっと大切にしてきました。このDNAを根付かせ、文化とするため、進化・変化にチャレンジする人材を育成するため、集合研修・OJTを通した教育、進化・変化へのチャレンジを後押しする人事評価制度を導入・整備してきました。これらにより「お客様のために進化する」というDNAは確実に根付いてきたと思われますが、一方、事業環境は急速に変化しており、それに応じたスキルを身に付けていないと人材価値が陳腐化してしまいますが、キャリアの構築・スキルを習得するリスキリングの難しさから、変化に対応できる人材育成が停滞し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) ビジネスモデルの陳腐化によるリスクについて

当社は明日来るという時間を約束したサービスの提供によりここまで事業を継続してきました。この成功体験に捉われることなく新たなビジネスモデルの変革に向け、イノベーションやトランスフォーメーションを促進する人材の育成が重要と捉え、新しい働き方や人事評価制度の導入・整備を実施しております。しかしながら、今のビジネスモデルでの成功体験に対する経営層を含む社員全体の慢心や安住等により、ビジネスモデル変革へのチャレンジが遅れることで、市場優位性が失われ顧客離反へと繋がり当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、昨今の社会状況の急速な変化に応じて法令改定や制度変更が行われており、当社グループもそうした改定、変更に対応してビジネスモデルのアップデートや見直しを適宜行っていますが、その対応が十分でない場合、あるいは対応に時間を要する場合、当社グループのビジネスモデルの毀損や収益構造の悪化、あるいは競争優位性の喪失につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.重要なリスク
(1)商品の安全性および品質水準の低下リスクについて

当社グループでは、商品品質の管理部署を設置し、商品の調達先および商品の選定・管理に最善を尽くしておりますが、商品の品質問題に起因するリコール等が発生した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、特に当社グループで製造している食品・飲料等の取扱商品については、食品衛生に関わる設備の充実、品質チェック体制の確立等、お客様に安全な商品をお届けできるよう努めておりますが、品質や商品情報等に瑕疵等が発生した場合、商品回収や製造物責任賠償が生じることもあり、その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)商品情報の正確性担保に関するリスクについて

当社グループの主たる事業である通信販売事業で取り扱っている商品アイテム数は年を追うごとに加速度的に増加しています。商品の選定、およびその商品情報のインターネットや紙カタログへの掲載におきましては、人為的なミスを回避するためシステム化を進めるとともに、法令遵守のための専門組織を中心とする管理体制を設け、細心の注意を払っておりますが、表示内容に重大な瑕疵が発生した場合には、内容訂正やお詫び、損害賠償、法令違反への対応をはじめとする様々な対応を行う事態が発生することが考えられます。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)事業運営に関わる関連法規等による規制について

当社グループは、通信販売業者として「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、医薬品等販売事業者として「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、その他「個人情報保護法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の規制を受けております。また、当社グループは医療・介護施設向け用品や医療機関向けの医療専門商材、一般消費者向けの医薬品、健康食品、酒類等をはじめ多岐にわたる商材を取り扱っており、これらの商材の販売および管理は、関連法規等により規制を受けるものもあり、必要な各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。その他、当社グループは、特定・一般建設業の許可、第一種貨物利用運送事業の登録、一般貨物自動車運送事業の許可、貨物軽自動車運送事業の届出、倉庫業の登録、その他各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。また、ビジネスの構造上、多くのお取引先と多様な取引を行っており、独占禁止法、下請法等一般的なビジネスに関わる法令の対象となっています。

こうした各種の法令については、従業員に対して必要な教育や啓発活動を行うとともに、これらの法令の規制改正や新たな法的規制については、規制当局やお取引先を通じて適宜把握し、必要な対応策を講じています。しかしながら、担当する従業員の理解不足や、社内の部門間連携の不手際等によりこれらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの営業活動が制限され、業績が影響を受ける可能性があります。

 

(4)物流センターの出荷能力に関するリスク

当社グループは取扱商品数やご利用お客様数の増加に対応するため、中期的な売上予測を踏まえて物流センターの新設を含む出荷能力向上のための設備投資計画を入念に立案・実行しております。しかしながらこのような設備投資、特に大型の投資は計画から稼働開始まで年単位を要することから、その間に不測の事態により設備投資の実施が遅延する、あるいは売上増加が予測を大幅に上回る事態が発生する可能性があります。その場合、出荷能力を超える状況が長期化することにより、お客様へ商品をお届けする納期が遅延する状況が続くことでお客様の離反に繋がり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)競合企業の新規参入等に関するリスク

 当社グループのビジネスモデルの主要な構成要素であるeコマースは、技術革新の変化が早く、また成長産業であるため資金調達も比較的容易である上に、店舗などの物理的、地理的な制約が比較的少ないことから、後発企業であっても一気にシェアを拡大できる余地が高いビジネスと考えられています。当社グループとしても、グループ内においてエンジニア等専門家の採用、育成を進めるとともに外部の先進的なパートナーと連携をすることで、こうした技術革新に対応し、ビジネスモデルを持続的に進化させているものの、新たな競合企業の参入や、既存の競合企業の台頭により、競争が激化する可能性があり、その可能性が顕在化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)Zホールディングス株式会社との業務・資本提携契約について

当社およびZホールディングス株式会社は、2012年4月27日付けで業務・資本提携契約を締結して以降、両社は事業運営の独立性をお互いに尊重し、イコールパートナーシップの精神の下、それぞれが有する集客能力、お客様、仕入先、決済システム、インターネットサービスに係るシステムおよびデザイン技術、物流・配送設備および物流・配送のオペレーション能力、ならびに、それらに関するノウハウ、人材その他のリソースを相互に提供し合い、「お客様に最高のeコマースを提供する」という壮大な目標を実現すべく、当社が運営する「LOHACO」をeコマース史上最も早い成長速度で立ち上げてまいりました。

両社は「LOHACO」をさらに大きく成長させるとともに収益性の向上を図るために、3年間培ってきた信頼関係をベースにさらなる発展および連携の強化を図ることが最善であると判断し、2015年5月19日付けで、業務・資本提携契約を更改いたしました。

当社は、更改された契約日以降、当社の株式の議決権希薄化行為(注)を行おうとする場合には、Zホールディングス株式会社に対して、議決権希薄化行為を行う旨およびその条件を書面にて通知した上で、議決権希薄化行為の直前の時点におけるZホールディングス株式会社の当社の株式に係る議決権割合を維持するために必要なあらゆる措置を適時かつ適切に講じるものとしております。加えて、当社は、当社の新株予約権その他の潜在株式の行使または株式への転換(以下「新株予約権行使等」という。)により、当該新株予約権行使等の直後の時点におけるZホールディングス株式会社の当社株式に係る議決権割合が、(a)2015年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるZホールディングス株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下し、かつ、(b)直前に上記措置を講じた時点におけるZホールディングス株式会社およびその子会社の当社の株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下した場合には、Zホールディングス株式会社に対して、その旨を書面にて通知した上で、2015年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるZホールディングス株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合を回復または維持するために必要なあらゆる措置を講じるものとしております。このため、当該措置を講じた場合、当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性があります。

なお、Zホールディングス株式会社は、更改された契約日以降、自らまたは第三者をして、当社の株式を追加取得(Zホールディングス株式会社または第三者が当社の株式を有するその他の第三者(有価証券報告書または四半期報告書の大株主の状況の記載により、当社の株式を有することが合理的に認知可能な第三者に限る。)の株式その他の持分を取得することにより、当社の株式を間接保有することとなる態様による取得を含む。)することを希望する場合は、事前に当社に対して書面により通知し、Zホールディングス株式会社および当社の書面による合意に基づいて実施するものとしております。

その他、Zホールディングス株式会社は、Zホールディングス株式会社および契約更改後にZホールディングス株式会社の子会社となった当該子会社(以下「Zホールディングスグループ」という。)の保有する当社の株式に係る議決権割合が、2015年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるZホールディングスグループの保有する当社の株式に係る議決権割合の合計よりも100分の1以上上昇した場合には、速やかに、市場取引等により当社の株式を売却しまたは売却せしめることその他、Zホールディングスグループの当社の株式に係る議決権割合の合計を、本自己株式取得の終了時点におけるZホールディングス株式会社の議決権割合の合計に復するために必要な措置を講じるものとしております。但し、上記に定めるZホールディングス株式会社および当社の書面による合意に基づいて行われる取引により、または当社による自己株式取得その他Zホールディングスグループの作為によらずに、Zホールディングスグループの当社の株式に係る議決権割合の合計が上昇した場合は、この限りではありません。上記等により株価等に影響を及ぼす可能性があります。

(注)当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性のある一切の行為(募集株式の発行、自己株式の処分、株式の発行を伴う組織再編等、議決権の希薄化が現に生じる行為のほか、新株予約権、議決権のある株式に転換可能な種類株式その他の潜在株式の発行等、将来議決権の希薄化が生じる可能性のある行為を含みます。但し、既に発行済の新株予約権の行使による当社の株式の発行若しくはそれに伴う自己株式の交付、または、当社の単元未満株式を有する株主から、会社法第194条第1項および当社の定款第10条に基づく単元未満株式の売渡請求がなされた場合において、当社がその保有する自己株式を当該株主に売り渡す行為を除きます。)を指します。

 

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2022年5月21日から2023年5月20日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、社会経済活動の正常化が進んできましたが、感染症法上の位置付けが5類に移行されたこと等により、経済活動の活性化が一層期待されます。一方、国際情勢、原料・エネルギー価格の高騰や円安等の為替動向の懸念等により、依然として先行きは不透明な状況となっております。

このような状況の中、当社グループは、2023年5月期を「売上高の成長カーブを変える」を最大のミッションと位置付け、中期経営計画(2022年5月期~2025年5月期)に掲げた最終年度の業績目標達成に向け、取扱い商品数の拡大に加え、重要施策である「ASKUL東京DC」の物流設備や新アスクルWEBサイトの構築等、当社グループの成長に繋がる積極的な設備投資を進めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高4,467億13百万円(前期比4.2%増)、営業利益146億20百万円(前期比2.2%増)、経常利益144億48百万円(前期比1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益97億87百万円(前期比6.3%増)の増収増益となり、売上高、利益ともに過去最高額を更新しました。

 

セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。

<eコマース事業>

当社グループの主力分野であるBtoB事業につきましては、仕事場で働く全てのお客様のご要望にお応えすべく、飲料、日用消耗品等の生活用品商材、抗原検査キット等の新型コロナウイルス感染症関連商材、袋・梱包資材等のMRO(注)商材など、幅広く商品を取り揃えております。前期に特需のあった感染症関連商材の反動減の影響がありましたが、生活用品、戦略的に強化しているMRO商材が伸長したこと、従来から取扱うOA・PC、文具等の消耗品需要が回復基調にあること等により、当連結会計年度は大幅な増収となりました。

2022年7月の新アスクルWEBサイト構築に関連する一部機能(中堅大企業向けのWEBサイトであるソロエルアリーナサイトのオープン化)の先行リリースにより、ソロエルアリーナご利用のお客様がサーチエンジンでの検索結果からソロエルアリーナサイトへ直接遷移することが可能となった結果、サーチエンジン経由でご購入いただくお客様数が増え、また、医療・MRO等の戦略カテゴリの売上構成比の上昇による注文単価の増加等により、サーチエンジン経由での売上高が増加しました。

また、インターネット広告等のさらなる強化によるお客様基盤の拡大に加え、医療・介護業種および製造業を中心とする専門商材の品揃え強化と動画広告による取扱い認知度向上施策が相乗効果となり、売上高の成長にそれぞれ貢献しております。

この結果、BtoB事業の売上高は、前期比で258億43百万円増収3,738億68百万円(前期比7.4%増)となりました。

BtoC事業につきましては、当連結会計年度において目標としておりました「LOHACO」の黒字化を実現しました。売上高については、キャンペーン変更等の影響もあり減収となりましたが、販促手法の見直しや配送バー改定の効果等により一箱あたりの売上高が増加し、売上総利益率は上昇しました。BtoB事業との融合を進めたことで、固定費の低減等により利益構造が改善し黒字化に大きく貢献しました。

この結果、「LOHACO」の売上高は、前期比で81億53百万円減収の461億76百万円(前期比15.0%減)となり、BtoC事業合計で、前期比で74億21百万円減収632億52百万円(前期比10.5%減)となりました。

以上の結果、両事業を合計したeコマース事業の売上高は4,371億20百万円(前期比4.4%増)となりました。売上総利益は、1,066億50百万円(前年同期比2.2%増)となりました。

2022年11月に稼働を開始しました「ASKUL東京DC」の準備期間中の地代家賃および立上時の費用発生、また、新アスクルWEBサイトの構築の設備投資に関連した一過性のコストが発生しましたが、一箱あたりの売上高の増加、売上高配送運賃比率の低いBtoB事業の売上割合の増加等により、売上高販管費比率が0.5ポイント減少し、販売費及び一般管理費が917億10百万円となり、営業利益は149億40百万円(前期比4.1%増)となりました。

 

<ロジスティクス事業>

ASKUL LOGIST株式会社の当社グループ外の物流業務受託の売上高が前期と同水準で推移したものの、生産性が低下したこと等により、減益となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は87億1百万円(前期比3.6%減)、営業損失は3億24百万円(前期は営業損失34百万円)となっております。

 

<その他>

嬬恋銘水株式会社での飲料水の販売が好調であることに加え、2021年11月に完成した新製造ラインの生産性が改善し、増収増益となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は19億5百万円(前期比27.2%増)、営業利益は12百万円(前期比1,285.5%増)となっております。

 

(注) Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場・倉庫等で使用される消耗品・補修用品等の間接材全般を指します。

 

 

財政状態の状況は以下の通りであります。

 

(資産の部)

当連結会計年度末における総資産は2,275億6百万円となり、前連結会計年度末と比べ394億81百万円増加いたしました。主な増加要因は、株式会社AP67の株式を取得し同社およびその子会社を連結範囲に含めたことに伴い顧客関連資産が79億88百万円、当連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、決済日が連結会計年度末日である電子記録債務84億44百万円が連結会計年度末残高に含まれていたこと等により現金及び預金が74億33百万円「ASKUL東京DC」の稼働等に伴いリース資産が67億13百万円、増収により受取手形、売掛金及び契約資産が57億94百万円増加したことであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債は1,606億30百万円となり、前連結会計年度末と比べ298億76百万円増加いたしました。主な増加要因は、電子記録債務が92億8百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)が82億8百万円、リース債務(長期)が64億62百万円増加したことであります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産は668億76百万円となり、前連結会計年度末と比べ96億5百万円増加いたしました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益97億87百万円の計上に対し、配当金の支払31億18百万円があったことにより利益剰余金が66億68百万円連結子会社の株式会社アルファパーチェスの上場に関連した公募増資等により、非支配株主持分が22億15百万円増加したことであります。

以上の結果、自己資本比率は28.2%(前連結会計年度末は30.2%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は662億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ74億33百万円増加いたしました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは201億31百万円の収入(前期は179億52百万円の収入)となりました。これは、法人税等の支払額46億89百万円、売上債権の増加額45億9百万円があった一方、税金等調整前当期純利益144億67百万円、仕入債務の増加額104億円、減価償却費、ソフトウエア償却費、のれん償却額および顧客関連資産償却額の合計71億14百万円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは229億29百万円の支出(前期は107億48百万円の支出)となりました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出87億85百万円、ソフトウエアの取得による支出77億87百万円、有形固定資産の取得による支出66億93百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは102億32百万円の収入(前期は146億74百万円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出53億91百万円があった一方、長期借入れによる収入105億円、セール・アンド・リースバックによる収入89億54百万円があったこと等によるものであります。

 

③ 生産、仕入および販売の状況

  a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

その他 (注)1

1,335

+27.9

合計

1,335

+27.9

 

(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、水の製造を行っております。

2 金額は、製造原価によっております。

3 eコマース事業およびロジスティクス事業につきましては、生産業務を行っていないため該当事項はありません。

 

  b. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前期比(%)

eコマース事業

331,995

+5.8

その他 (注)1

151

△0.5

合計

332,147

+5.8

 

(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、水の製造を行っております。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

3 金額は、仕入価格によっております。

4 ロジスティクス事業につきましては、物流・小口貨物輸送サービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。

 

  c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

eコマース事業

437,120

+4.4

ロジスティクス事業

8,701

△3.6

その他 (注)1

890

+13.0

合計

446,713

+4.2

 

(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、水の製造を行っております。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積りを用いております。この会計上の見積りには、その性質上不確実性があり、実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、当連結会計年度の連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りのうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、新たに減損処理が必要となる可能性があります。

 

(のれんおよび顧客関連資産の減損)

当社グループは、のれんおよび顧客関連資産について、その効果の発現する期間にわたって均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得を慎重に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

a. 経営成績等

「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

b. キャッシュ・フローの分析

「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループが属するeコマース市場は引き続き成長が見込まれているものの、競合とのサービス競争は激化しており、競合他社の状況が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、BtoB事業は、新たに位置付けた2大戦略業種(医療・介護、製造業)向けを中心に、お客様のご要望にあった品揃えの拡大や当社オリジナル商品の拡充を進めるとともに、既存サイトの特長を結集し、新たな機能も兼ね備えた新アスクルWEBサイトの構築により、他社との差別化を図ってまいります。BtoC事業は、BtoB事業との事業部統合のシナジー効果として期待される商品領域拡大とオリジナル商品強化に加え、Zホールディングスグループの持つ集客力の活用により、黒字を維持しつつ2024年5月期第4四半期以降の再成長を目指してまいります。その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りです。

 

 ④ 資本の財源および資金の流動性についての分析

当社グループの資金需要の主なものは、物流センターの新設・増強やWEBサイトの刷新等の設備投資資金、各事業の成長を加速させるためのシナジー効果のある事業者の買収資金等があります。

設備投資資金や買収資金等の資金については、金利コスト等を勘案しながら、自己資金または金融機関からの借入金、リース契約等により調達しております。

 

 ⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは劇的に変化する競争環境を勝ち抜くため、2021年7月2日に2025年5月期を最終年度とする4年間の中期経営計画を発表いたしました。中期経営計画では、オフィス通販からすべての仕事場とくらしを支えるインフラ企業へのトランスフォーメーションを成し遂げるべく、2025年5月期の経営目標として連結売上高5,500億円、連結営業利益率5%、ROE20%を新たな目標に掲げております。なお、当連結会計年度においては連結売上高4,467億円、連結営業利益率3.3%、ROE16.2%となっております。今後は、BtoB事業における「戦略業種と品揃え拡大」、「BtoB最強eコマースサイトの構築」、BtoC事業における「LOHACO」再成長に向けた施策、新たなチャレンジとしてのBtoBビジネスの新サービスを最重要戦略として、中期経営計画の経営目標達成に向けて各施策を推進してまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、2023年2月28日をもって株式会社AP67の株式の85%を取得し、中核会社であるフィード株式会社を含めたグループ5社を子会社といたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

2 【主要な設備の状況】

当社グループにおける主要な設備は次のとおりであります。

(1)提出会社

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年5月20日現在

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

設備の種類別の帳簿価額(百万円)

従業
員数
(人)

建物
及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

工具、
器具
及び備品

リース
資産

建設
仮勘定

ソフト
ウエア

その他
無形
固定資産

合計

本社
(東京都江東区)

eコマース事業
ロジスティクス事業

事務所

114

-

210

1

13

5,750

10,589

16,679

870

大阪DMC
(大阪府大阪市此花区)

eコマース事業

物流
センター

169

205

96

196

-

13

-

681

-

DCMセンター
(東京都江東区)

eコマース事業

物流
センター

116

75

46

-

-

15

-

254

4

名古屋センター
(愛知県東海市)

eコマース事業

物流
センター

32

11

36

-

-

5

8

93

-

仙台DMC
(宮城県仙台市宮城野区)

eコマース事業

物流
センター

125

105

72

6

-

104

-

414

-

ASKUL Logi PARK 福岡
(福岡県福岡市東区)

eコマース事業

物流
センター

68

427

36

-

-

6

-

538

-

ASKUL Logi PARK 横浜
(神奈川県横浜市鶴見区)

eコマース事業

物流
センター

529

99

59

906

1

46

-

1,643

-

ASKUL Value Center 日高
(埼玉県日高市)

eコマース事業

物流
センター

0

0

0

-

-

-

-

0

5

ASKUL Value Center 関西
(大阪府吹田市)

eコマース事業

ロジスティクス事業

物流
センター

1,538

179

101

5,887

715

33

-

8,456

15

ASKUL 三芳センター

(埼玉県入間郡三芳町)

eコマース事業

ロジスティクス事業

物流
センター

243

-

31

-

0

1

-

277

1

ASKUL東京DC

(東京都江戸川区)

eコマース事業

物流
センター

697

94

224

8,686

9

-

-

9,712

2

 

(注)1 その他無形固定資産は、商標権、特許権、ソフトウエア仮勘定であります。

2 帳簿価額は、減損損失計上後の金額で記載しております。

3 上記の建物は、全て賃借であり、「建物及び構築物」の帳簿価額は賃借物件への建物造作物等を示しております。なお、年間賃料(転貸分を含む)は10,755百万円であります。

 

 

(2)国内子会社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年5月20日現在

会社名 

事業所名
(所在地)

セグメント

の名称

設備

の内容

設備の種類別の帳簿価額(百万円)

従業
員数
(人)

建物
及び
構築物

機械装置
及び
運搬具

工具、
器具
及び備品

土地
(面積㎡)

リース
資産

建設
仮勘定

ソフト
ウエア

その他
無形
固定資産

合計

ASKUL LOGIST㈱

三芳EC物流センター

(埼玉県入間郡

 三芳町)他

ロジスティクス事業

物流

センター

149

493

56

-

1,618

-

303

24

2,645

2,005

嬬恋

銘水㈱

本社工場

(群馬県吾妻郡

 嬬恋村)他

その他

(注)2

製造

設備他

904

98

3

102

(21,456.27)    

1,100

1

0

-

2,211

41

 

(注)1 その他無形固定資産は、商標権、特許権、ソフトウエア仮勘定、およびのれんの合計であります。

      2 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、水の製造を行っております。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

169,440,000

169,440,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
2023年5月20日

提出日現在
発行数(株)
(2023年8月2日)

上場金融商品取引所名または登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

97,518,800

97,518,800

東京証券取引所
プライム市場

単元株式数
100株

97,518,800

97,518,800

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
 
(百万円)

資本金残高
 
(百万円)

資本準備金
増減額
(百万円)

資本準備金
残高
(百万円)

2021年3月31日
(注)1

△4,000,000

51,259,400

21,189

13,669

2021年5月21日
(注)2

51,259,400

102,518,800

21,189

13,669

2022年5月16日
(注)1

△5,000,000

97,518,800

21,189

13,669

 

(注)1 自己株式の消却による減少であります。

2 普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行ったことによる増加であります。

 

(5)【所有者別状況】

2023年5月20日現在

 

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府
および
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

19

19

262

231

125

35,892

36,548

所有株式数
(単元)

77,941

21,196

543,844

192,138

202

139,555

974,876

31,200

所有株式数
の割合(%)

7.99

2.17

55.79

19.71

0.02

14.32

100.00

 

(注) 自己株式62,406株は、「個人その他」に624単元、「単元未満株式の状況」に6株含まれております。

 

 

(6)【大株主の状況】

2023年5月20日現在

氏名または名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

Zホールディングス株式会社

東京都千代田区紀尾井町1-3

43,808

44.95

プラス株式会社

東京都港区虎ノ門4-1-28

10,331

10.60

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2-11-3

4,138

4.25

NORTHERN TRUST CO.(AVFC)
RE FIDELITY FUNDS
(常任代理人 香港上海銀行東京支店)

50 BANK STREET CANARY WHARF LONDON E14 5NT,UK
(東京都中央区日本橋3-11-1)

1,956

2.01

BBH FOR FIDELITY LOW-PRICED STOCK FUND (PRINCIPAL ALL SECTOR SUBPORTFOLIO)
(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)

245 SUMMER STREET
BOSTON, MA 02210
U.S.A.
(東京都千代田区丸の内2-7-1)

1,629

1.67

今泉 英久

東京都港区

1,592

1.63

今泉 忠久

東京都港区

1,580

1.62

SMBC日興証券株式会社

東京都千代田区丸の内3-3-1

1,559

1.60

野村信託銀行株式会社(投信口)

東京都千代田区大手町2-2-2

1,533

1.57

岩田 彰一郎

東京都港区

1,524

1.56

69,655

71.47

 

(注)1 上記日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式数は、信託業務に係る株式数4,116千株が含まれております。

2 上記野村信託銀行株式会社(投信口)の所有株式数は、全て信託業務に係るものです。

3 上記のほか、自己株式が62千株あります。

4 2023年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、エフエムアール エルエルシーが2023年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年5月20日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下のとおりであります。

氏名または名称

住所

保有株券等の数
(千株)

株券等保有割合
(%)

エフエムアール エルエルシー

米国 02210 マサチューセッツ州ボストン、サマー・ストリート245

7,063

7.24

 

 

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年5月20日)

当連結会計年度

(2023年5月20日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

58,789

66,223

 

 

受取手形、売掛金及び契約資産

※1 46,160

※1 51,954

 

 

商品及び製品

17,770

22,017

 

 

原材料及び貯蔵品

484

306

 

 

未成工事支出金

82

112

 

 

未収入金

11,938

12,623

 

 

その他

1,779

2,757

 

 

貸倒引当金

41

36

 

 

流動資産合計

136,964

155,958

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物

※2 8,946

※2 10,031

 

 

 

 

減価償却累計額

4,126

4,648

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

4,819

5,382

 

 

 

機械装置及び運搬具

※2 6,808

※2 7,080

 

 

 

 

減価償却累計額

5,026

5,270

 

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

1,781

1,810

 

 

 

土地

119

247

 

 

 

リース資産

21,176

30,268

 

 

 

 

減価償却累計額

9,472

11,850

 

 

 

 

リース資産(純額)

11,704

18,417

 

 

 

その他

4,175

4,638

 

 

 

 

減価償却累計額

3,290

3,459

 

 

 

 

その他(純額)

885

1,178

 

 

 

建設仮勘定

4,975

825

 

 

 

有形固定資産合計

24,285

27,862

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

5,672

7,950

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

8,332

11,037

 

 

 

のれん

1,370

5,533

 

 

 

顧客関連資産

75

8,064

 

 

 

その他

3

9

 

 

 

無形固定資産合計

15,455

32,594

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

143

159

 

 

 

長期前払費用

136

166

 

 

 

差入保証金

6,850

6,518

 

 

 

繰延税金資産

4,049

4,226

 

 

 

その他

※3 912

※3 860

 

 

 

貸倒引当金

772

840

 

 

 

投資その他の資産合計

11,319

11,091

 

 

固定資産合計

51,059

71,547

 

資産合計

188,024

227,506

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年5月20日)

当連結会計年度

(2023年5月20日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

52,700

54,614

 

 

電子記録債務

24,475

※4 33,683

 

 

短期借入金

380

380

 

 

1年内返済予定の長期借入金

2,124

10,127

 

 

リース債務

2,178

3,100

 

 

未払金

12,784

12,356

 

 

未払法人税等

2,631

2,677

 

 

未払消費税等

589

423

 

 

賞与引当金

261

373

 

 

その他

※1 2,561

※1 2,762

 

 

流動負債合計

100,686

120,499

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

10,131

10,337

 

 

リース債務

10,387

16,850

 

 

退職給付に係る負債

4,449

4,764

 

 

資産除去債務

2,600

3,190

 

 

繰延税金負債

-

2,750

 

 

その他

※1 2,498

※1 2,236

 

 

固定負債合計

30,066

40,130

 

負債合計

130,753

160,630

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

21,189

21,189

 

 

資本剰余金

14,315

14,906

 

 

利益剰余金

21,452

28,120

 

 

自己株式

118

92

 

 

株主資本合計

56,838

64,124

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

退職給付に係る調整累計額

82

20

 

 

その他の包括利益累計額合計

82

20

 

新株予約権

0

0

 

非支配株主持分

514

2,729

 

純資産合計

57,271

66,876

負債純資産合計

188,024

227,506

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年5月21日

 至 2022年5月20日)

当連結会計年度

(自 2022年5月21日

 至 2023年5月20日)

売上高

※1 428,517

※1 446,713

売上原価

323,444

339,672

売上総利益

105,072

107,040

販売費及び一般管理費

※2 90,763

※2 92,420

営業利益

14,309

14,620

営業外収益

 

 

 

受取利息

43

44

 

賃貸収入

75

3

 

助成金収入

161

69

 

その他

39

81

 

営業外収益合計

319

200

営業外費用

 

 

 

支払利息

226

298

 

賃貸費用

60

3

 

その他

72

70

 

営業外費用合計

359

371

経常利益

14,270

14,448

特別利益

 

 

 

受取保険金

※3 226

※3 173

 

固定資産売却益

※4 0

※4 0

 

投資有価証券売却益

-

22

 

新株予約権戻入益

3

-

 

その他

-

5

 

特別利益合計

230

200

特別損失

 

 

 

減損損失

※5 32

※5 36

 

固定資産売却損

※6 6

-

 

固定資産除却損

※7 144

※7 55

 

投資有価証券評価損

40

-

 

契約精算金

-

※8 60

 

製品不具合対応費用

-

※9 20

 

災害による損失

※10 319

-

 

その他

86

9

 

特別損失合計

629

182

税金等調整前当期純利益

13,871

14,467

法人税、住民税及び事業税

4,559

4,613

法人税等調整額

16

99

法人税等合計

4,575

4,513

当期純利益

9,295

9,953

非支配株主に帰属する当期純利益

89

166

親会社株主に帰属する当期純利益

9,206

9,787

 

1.報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、国内および海外の包括的な戦略を立案し、事業活動の展開を行っております。

「eコマース事業」はOA・PC用品、事務用品、オフィス生活用品、オフィス家具、食料品、酒類、医薬品、化粧品、MRO商材、ペット用品等の販売等を行っており、「ロジスティクス事業」は企業向け物流・小口貨物輸送サービスを提供しております。
 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年5月20日)

当事業年度

(2023年5月20日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

48,041

54,520

 

 

売掛金

※2 37,544

※2 40,645

 

 

商品

15,349

16,743

 

 

前払費用

1,112

1,271

 

 

未収入金

※2 12,931

※2 13,275

 

 

その他

※2 725

※2 1,334

 

 

貸倒引当金

25

17

 

 

流動資産合計

115,680

127,772

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

※1 3,356

※1 3,593

 

 

 

機械及び装置

※1 1,225

※1 1,193

 

 

 

工具、器具及び備品

704

916

 

 

 

リース資産

8,516

15,684

 

 

 

建設仮勘定

4,815

812

 

 

 

その他

※1 53

※1 48

 

 

 

有形固定資産合計

18,671

22,248

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

4,013

5,978

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

8,013

10,594

 

 

 

その他

-

4

 

 

 

無形固定資産合計

12,026

16,577

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

143

142

 

 

 

関係会社株式

11,295

21,477

 

 

 

関係会社長期貸付金

226

3,077

 

 

 

差入保証金

6,265

5,887

 

 

 

繰延税金資産

3,333

3,372

 

 

 

その他

1,292

862

 

 

 

貸倒引当金

754

759

 

 

 

投資その他の資産合計

21,801

34,060

 

 

固定資産合計

52,499

72,887

 

資産合計

168,179

200,660

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年5月20日)

当事業年度

(2023年5月20日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

※2 44,461

※2 45,390

 

 

電子記録債務

24,475

※3 33,683

 

 

1年内返済予定の長期借入金

1,226

8,945

 

 

リース債務

1,768

2,611

 

 

未払金

※2 11,958

※2 11,585

 

 

未払法人税等

2,228

2,035

 

 

その他

2,295

2,064

 

 

流動負債合計

88,414

106,317

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

8,346

9,234

 

 

リース債務

7,825

14,382

 

 

退職給付引当金

3,116

3,283

 

 

資産除去債務

2,111

2,662

 

 

その他

2,413

2,145

 

 

固定負債合計

23,813

31,708

 

負債合計

112,228

138,025

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

21,189

21,189

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

13,669

13,669

 

 

 

その他資本剰余金

-

1

 

 

 

資本剰余金合計

13,669

13,671

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

10

10

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

21,199

27,855

 

 

 

利益剰余金合計

21,210

27,865

 

 

自己株式

118

92

 

 

株主資本合計

55,950

62,634

 

純資産合計

55,950

62,634

負債純資産合計

168,179

200,660

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年5月21日

 至 2022年5月20日)

当事業年度

(自 2022年5月21日

 至 2023年5月20日)

売上高

※2 371,659

※2 383,096

売上原価

※1,※2 277,486

※1,※2 286,676

売上総利益

94,173

96,419

販売費及び一般管理費

※2,※3 82,476

※2,※3 83,393

営業利益

11,696

13,026

営業外収益

 

 

 

受取利息及び受取配当金

※2 500

※2 842

 

賃貸収入

※2 81

※2 5

 

その他

※2 46

※2 91

 

営業外収益合計

629

939

営業外費用

 

 

 

支払利息

167

220

 

賃貸費用

60

-

 

債権売却損

9

9

 

その他

40

11

 

営業外費用合計

278

240

経常利益

12,047

13,724

特別利益

 

 

 

受取保険金

※4 219

※4 163

 

固定資産売却益

-

※2,※5 0

 

投資有価証券売却益

-

22

 

新株予約権戻入益

3

-

 

子会社株式売却益

-

573

 

特別利益合計

223

759

特別損失

 

 

 

減損損失

※6 32

※6 36

 

固定資産売却損

※7 0

-

 

固定資産除却損

※8 30

※8 46

 

投資有価証券評価損

40

-

 

災害による損失

※2,※9 319

-

 

解約違約金

※10 58

-

 

営業補填損

-

※2,※11 974

 

その他

※2 4

※2 62

 

特別損失合計

486

1,120

税引前当期純利益

11,784

13,363

法人税、住民税及び事業税

3,559

3,628

法人税等調整額

56

39

法人税等合計

3,503

3,589

当期純利益

8,281

9,774