株式会社あさひ
(注) 1.当社は、連結財務諸表を作成しておりませんので、「連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移」については記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がないため記載しておりません。
3.第44期の1株当たり配当額には、創業70周年記念配当2円が含まれております。
4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在していないため、記載しておりません。
5.従業員数は、就業人員数を表示しております。なお、( )内は、外書きで臨時雇用者の年間の平均人員を記載しており、1人当たり1日8時間換算にて算出したものであります。
6.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
7.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
8.当社は、2014年6月19日より「役員報酬BIP信託」を導入しており、当該信託が所有する当社株式を自己株式として処理しております。これに伴い、1株当たり当期純利益の算定上、控除した当該自己株式の期中平均株式数は第44期は82,400株、第45期は152,206株、第46期は161,590株、第47期は137,261株、第48期は126,070株であり、1株当たり純資産額の算定上、控除した当該自己株式数は第44期は82,400株、第45期は161,590株、第46期は161,590株、第47期は126,070株、第48期は126,070株であります。
当社の前身は、代表取締役社長下田佳史の祖父である下田順次が1949年4月旧本社所在地において、子供用玩具(すべり台、歩行器等)の製造・卸・小売を目的として旭玩具製作所を創業したことに始まります。その後、子供用自転車の卸売業や玩具小売業などを経て、1975年4月大阪府門真市に、一般ユーザーを対象とした自転車専門店をオープンし、同年5月株式会社として設立いたしました。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び非連結子会社(愛三希(北京)自転車商貿有限公司)の計2社で構成されており、店舗において自転車及びパーツ・アクセサリー等の関連商品の販売、各種整備及び修理等の付帯サービスの提供を行なっております。
当社は、当事業年度末現在、北海道・東北・関東・甲信越・中部・近畿・中国・四国・九州に501店舗の直営店を運営している他、当社直営店ノウハウをもとに中部、近畿、中国及び九州に18店舗のフランチャイズ(FC)店を展開しております。子会社は、中国北京市を拠点に、インターネット通信販売事業及び販売店への商品供給事業を運営しております。
インターネット通信販売では、「公式オンラインストア」に加え、「Yahoo!店」と「楽天市場店」を展開しております。また、リユース店では、自転車の買取・販売も行なっております。
商品については、当社が企画開発し、中国や台湾の海外メーカーにて生産した自社ブランド商品に加え、国内及び海外の自転車メーカー等の他社ブランド商品、メーカーとの共同開発商品を取り扱っております。
また、商品卸事業では、国内販売店に対し、自社ブランド商品だけでなく、当社が日本総販売代理権を所有する自転車及びパーツ・アクセサリーを販売しております。
なお、当社の事業は、単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
具体的な取扱品目は、以下のとおりであります。
事業の系統図を示すと以下のとおりであります。 (2023年2月20日現在)

該当事項はありません。
2023年2月20日現在
(注) 1.従業員数は就業人員数であります。
2.( )内は、外書きで臨時雇用者の年間の平均人員を記載しており、1人当たり1日8時間換算にて算出したものであります。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.当社の事業は、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の基本経営方針及び経営戦略
当社は『私たちは、自転車を通じて世界の人々に貢献できる企業を目指します。その企業目的に賛同し、参画するすべての人々が、豊かな人生を送れることを目指します。』という経営理念及び「あさひVISION2025」の実現を目指した行動計画に基づき、以下の方針を掲げております。
①全国各地への出店を進めるとともに、地域特性を活かした品揃えや、自転車をご利用されるシーンに合わせたライフスタイル提案型の展示を行なうなど、お客様のニーズに合わせた店舗展開をしてまいります。
②インターネット通信販売では、自社の「公式オンラインストア」に加え、「Yahoo!店」「楽天市場店」を展開し、未出店地域のお客様への対応に力を入れております。また、地域密着型のリアル店舗との融合による「ネットで注文・お店で受取り」サービスを展開し、より身近に、より便利に自転車を提供できることを目指し、OMO戦略(注)の強化に取り組んでいます。
③自社ブランド商品や当社が日本総販売代理権を有する「ルイガノ」「ガノー」などの海外スポーツサイクルブランドを中心に国内販売店に対して商品卸事業を行なっています。
④海外戦略事業では、経営理念に掲げております「世界の人々に貢献できる企業」を目指し、中国をはじめアジア圏における各国への商品供給など、海外事業の展開を進めています。
⑤商品戦略では、お客様のニーズをつねに汲み取り「確かな品質で値ごろ感のある商品」を目指し、企画・開発に取り組んでおります。また、品質管理につきましては、工場、物流倉庫、店頭の三段階での品質検査を行なうなど、商品のさらなる安全性の強化・向上を実現してまいります。
これらに基づき、今後も自転車専門販売店チェーンとして、世界の人々の自転車ライフの向上に努めてまいります。
(注) Online Merges with Offlineの略。ECと店舗が融合して、情報入手から購入、利用までをお客様の体験価値としてご提供する仕組み。
①年間出店数
マーケティング機能の充実を図りながら、毎期15から20店舗を目処とした新規出店のペースを維持し、お客様のさらなる利便性の向上に努めてまいります。
②自社ブランド商品構成比率
お客様にとって最適な品揃えをコンセプトに、店舗におきましては自社ブランド商品と他社ブランド商品の品揃え構成比率を各50%前後に保っています。
③対売上高営業利益率
当社は自転車及び自転車関連商品販売が事業の大半を占めるため、本業の収益性が明確に表れる対売上高営業利益率を重視しており、8%を当面の目標とし、一層の効率的な運営による営業利益率の向上に努めてまいります。
長期化する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、経済活動の抑制と緩和が繰り返されてきましたが、徐々に経済活動は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大前の平常に戻りつつあります。また、ウクライナ情勢を背景とするエネルギー価格の高騰や日米の金融政策の違いに伴う急速な円安は沈静化の傾向も見られます。一方で、原材料価格上昇に伴う生活必需品などの諸物価上昇により、個人消費の回復目途は未だ立っておらず、引き続き先行きが見通しにくい状況が続くと想定しております。
このような経営環境の中で、当社では、単に商品を販売するだけでなく購入時の楽しさや自転車に乗る楽しさを総合的に提供することで、お客様お一人おひとりのより充実した自転車ライフをサポートし、誰もが安全・安心に自転車を楽しめる環境を創り上げてまいりたいと考えております。その基本方針のもと、中期経営計画「あさひVISION2025」に沿った取り組みを進めてまいります。
当面の対処すべき課題として、中期経営計画「あさひVISION2025」における4つの重点戦略「お客様との関係性強化(CRM強化)」「既存店の活性化」「新しい店舗スタイルの開発」「事業領域の拡大」を着実に推進するため、その前提となる「デジタル・IT」「物流」「ブランディング」の3つの成長基盤の強化を引き続き推進してまいります。
・「デジタル・IT基盤の強化」
デジタル・ITを活用し、お客様お一人おひとりに合わせたきめ細やかなサービス提案や情報提供を実現してまいります。具体的には、サイクルベースあさひ公式アプリを通じ、クーポンやイベント、定期点検等のご案内など、最適な情報発信を行ないお客様との関係性強化を図ってまいります。また、基幹システムの再構築を進め、経営環境の変化に即応できるようシステム環境の整備・強化を進めてまいります。
・「物流機能の強化と最適化」
VISION2025の実現による業容拡大を踏まえつつ、納期短縮や外観品質などお客様サービスの品質向上を図ることに加えて、自転車の輸配送に伴う環境負荷を低減させることを目的に、各地域の物流拠点の規模や配置、体制などの最適化を進めてまいります。
・「ブランディング強化」
ブランド再活性化を引き続き進めながら、「商品」「店舗」「広告」などの目に見える部分だけでなく、意識や行動といった目に見えない部分においても企業理念や経営ビジョンを反映した統一感(ブランドアイデンティティ)を演出することでブランド価値を高め、さらなる認知度の向上を図ってまいります。また、商品においては、SPA(企画・製造・小売の一貫体制)ビジネスモデルの深化に伴う当社ブランドの製品を拡充してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①直営店による店舗展開について
直営店による店舗展開は、以下のようなメリットがあります。
・会社の経営方針、施策等を迅速かつ適切に実施できます。
・店舗管理が容易かつ機動的に実施できます。
・出退店、移転等が臨機応変に実施できます。
このようなメリットがある反面、以下のようなリスクがあります。
・出店費用、人件費等のコスト負担が大きくなるリスクがあります。
・予定通りの出店ができないことにより財政状態及び経営成績に影響を与えるリスクがあります。
・直営店においては、賃借による出店を基本としており、店舗用物件の契約時に賃貸人に対し保証金及び建設協力金を差入れています。差入保証金の残高は、当事業年度末現在5,150,966千円(総資産に対する割合10.2%)、建設協力金の残高は、当事業年度末現在851,121千円(同1.7%)であります。当該保証金は、期間満了等による賃貸借契約解約時に契約に従い返還されます。
これらの保証金及び建設協力金は、貸主側の経済的破綻等不測事態の発生により、その一部又は全額が回収できなくなるリスクがあります。
・賃借物件で契約に定められた期間満了前に中途解約した場合は、契約内容に従って違約金の支払いが必要となるリスクがあります。
当社では、新規出店後の中途解約等リスクを極力抑えるために、物件毎に商圏、競合状況、投資効果等を総合的に勘案し、厳選した物件での出店を心掛けています。そのために、店舗開発専任人材の確保及び育成に注力するとともに、物件紹介業者や他テナントとの関係を強化し、より多くの物件情報を収集し、既存店データに基づいた売上予測システムを活用し、新規出店が商圏でのシェア向上につながるように展開を進めています。また、出店スケジュールは無理のない日程を設定し、出店の遅れ等のリスク回避に努めています。
差入保証金等の預託金回収については、既存店賃貸管理の効率化を推進し、定期的に敷金額の見直しを行ない、店舗貸主の協力により、敷金の一部回収等に取り組んでいます。
②フランチャイズ(FC)展開について
当社では、“サイクルベースあさひ”ブランドの拡大と効率化を目的として、一部FCによる店舗展開を行なっています。FCによる店舗展開は、直営店による出店と比較し、低コストによる店舗展開が可能で、ブランドの浸透と当社商品の市場占有率の向上に貢献します。また当社はFC加盟店に対してFC契約に基づき、店舗運営に係る指導を実施しています。
一方で、FC加盟店は独立した経営主体であるため、下記のような潜在的なリスクも抱えています。
・統一的な店舗運営ノウハウ及び当社の経営方針、施策等を浸透させることが困難な場合があります。
・当社の出店政策に基づく出退店、移転等が臨機応変に実施できない場合があります。
・FC加盟店の経営状態等により店舗運営に支障が生じる場合があります。
・FC加盟店において重大なクレーム等が発生した場合、当社のブランド全体に対する信用失墜につながるおそれ があります。
・当社とFC加盟店との間にトラブル等が発生した場合、FC契約の解消、訴訟の発生等、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社の経営方針を十分にご理解、賛同いただいたうえで、FC加盟店を選定しています。
当社の主要販売商品である自転車及び自転車関連商品は、春の入学・入社シーズンが最需要期となるため、上半期の売上高は下半期に比べ多くなる傾向がある一方で、固定費部分の上半期・下半期の割合はほぼ一定であるため、営業利益の割合は上半期に偏る傾向があります。
なお、当社の最近2事業年度における上半期・下半期別の業績及び通期に対する比率は以下のとおりです。
(注) 比率は、通期に対する割合です。
当社では、「新しい発見」「驚き」「楽しさ」といったお客様の期待を超える商品づくりを目的に、自社ブランド商品の企画・開発に注力しています。
自社ブランド商品は、当社にて企画・開発を行ない、主に海外の自転車メーカーに生産を委託しています。当期における当該生産委託品の仕入高は17,118,725千円(総仕入高に占める割合41.1%)で、その大半は中国において生産を行なっています。このため、現地における今後の政治・社会情勢、経済的環境によっては、生産に支障が生じたり、生産コストが上昇したりすること等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社では、当社の努力だけでは吸収しきれないような仕入価格の変動に対しては販売価格を柔軟に変更するように努めています。しかし、仕入と販売の時期の差によって十分な調整ができない期間が生じる場合や仕入価格が予想を上回って変動した場合には、当社の売上総利益率が影響を受ける可能性があります。
このため、当社では、パーツの性能、機能等と価格とのバランスを考慮しながら、適時にモデルチェンジを行ない、適正な価格を維持しています。
なお、自社ブランド商品の企画・開発に当たっては、他社メーカーの特許権、商標権、意匠権等の侵害について細心の注意を払っていますが、これら権利を侵害したとして裁判等の紛争に至った場合においては、その処理に多額の費用を要し、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社は、中国を中心とした海外メーカーから商品を輸入しており、当事業年度の当社の輸入仕入高比率は42.8%です。
輸入に関しましては、海外仕入先との仕入価格改定の交渉とともに国内販売先との販売価格改定の交渉等を併せて行なっていますが、為替の変動幅が予想以上に大きくなる、又は為替予約のタイミングが不適切であることなどにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社では、為替変動リスクを軽減するため、為替予約運用ガイドラインを設定のうえ 、適切なタイミングで為替予約取引を行なっています。
当社は、商品供給をはじめとする、法人向け等の掛売取引を行なっています。予期せぬ得意先の経営破綻が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社では、得意先に対する売掛金等の与信管理については、定期的に情報収集を行ない、また信販会社を利用するなど十分に留意しています。
当社は、店舗等に係る有形固定資産及び無形固定資産などを保有しています。店舗等の収益性の低下により各店舗等の帳簿価額が回収できない場合、当該資産の帳簿価額にその価値の下落を反映させる手続きとして、減損処理を行なう必要があります。この結果、当該店舗等について減損損失が計上され、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
このため、当社は、店舗形態に応じた出店基準を定め、投資回収を検討したうえで出店を行なっています。
当社は直営店方式による自転車及び関連商品の小売業を事業の柱にしており、積極的な新規出店を行なっています。また、自転車は「乗り物」であり、何よりも安全性が重視されるため、店舗において組立・整備・修理等を適切かつ確実に行なう必要があります。
従って、店舗数の拡大ペースに対応した人材の確保・育成に支障をきたすといった場合には、出店ペースの減速、顧客に対するサービスの低下等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
このため、当社においては、年1回の新規卒業者だけではなく、年間を通じて補充・出店のための要員を機動的に採用しています。また、安全性を確保する技術的資格として、入社後2年以上経過の社員に対し、自転車技士、自転車安全整備士など公的資格の取得を支援しています。また、「マイスター制度」という社内資格を導入し、整備、接客、ガイド(お客様参加型イベントの引率)の3分野において、一定基準を満たし、かつ社内試験に合格すると「マイスター」の資格を得ることができ、社員の自発的なレベルアップを支援しています。
さらに、技能経験を考慮し十分な資質があると判断したアルバイトの社員登用を行なうなど、即戦力となる人材確保に関して成果を挙げてきています。このように技術的、能力的に高い専門性を持つ社員を配置し、専門店チェーンとしての独自性と有用性を向上させるとともに人材の確保・育成に対応しています。
その他、社内技術講習会、展示会及びメーカー技術講習会等、さまざまな機会を積極的にとらえ、技術・商品知識の修得をはじめとする人材の育成にも継続的に取り組んでいます。
店舗においては、顧客より注文のあった自転車を組立・整備のうえ、引渡しを行ないます。当該組立・整備上の瑕疵が原因で、販売した自転車による事故、負傷等が発生した場合、その損害の賠償、又は補償を求められる可能性があります。
また、自社ブランド商品及び国内販売権利取得ブランド(ルイガノ) 商品においては、当社仕様による商品をメーカーに製造委託し、自社ブランド商品及びルイガノブランドとして販売しているため、製造物責任法(PL法)の適用を受けます。それらの企画発注に関しては、国内・海外のいずれにおいても日本工業規格(JIS規格)適合を最低条件とし、当社独自の品質基準を設定して、部品調達、メーカーの選定を行なっています。
製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、損害賠償額以外に、製品の回収、交換・補修、設計変更等のコスト発生や、当社の社会的評価の低下につながる恐れがあります。この結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
製造物責任賠償については生産物賠償責任保険(PL保険)に加入しています。
また、サンプル商品の仕様詳細のチェックをはじめ、完成品出荷時には仕様の最終点検及び全般にわたる品質機能検査を義務付け、必要に応じて自ら立会検査を行なうことによって品質管理を行なっています。
当社は、自転車を販売した顧客に対し、「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律(昭和55年11月25日法律第87号)」に基づく自転車防犯登録の勧奨や、サイクルメイト(任意で入会できる当社会員サービス制度)への入会による盗難補償、無料点検、各種割引等のサービスを提供しています。また、インターネットによる通信販売も行なっています。
顧客情報の管理には万全を期していますが、不正アクセス等により顧客情報が外部に流出した場合には、当社における直接的損害や当社に対する信用の低下等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
そのため、顧客情報を内規である「個人情報保護管理規程」に基づき厳重に管理し、インターネットによる通信販売においても、外部から不正アクセスができないようにファイアウォール等のセキュリティ手段を講じています。また、社内研修による人材の育成も行なっています。
当社は『私たちは、自転車を通じて世界の人々に貢献できる企業を目指します。その企業目的に賛同し、参画するすべての人々が、豊かな人生を送れることを目指します。』という経営理念の実現のため、海外事業を展開しています。2010年3月中国北京市に現地法人「愛三希(北京)自転車商貿有限公司」を設立し、2023年2月20日現在、卸供給、オンラインショップを中心に販売活動を行なっています。
なお、海外事業戦略には、現地において、政治、経済、社会の変化等の予期しない事象により、事業の継続が困難になる可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
このため、当社では現地の政治情勢・経済情勢等を適時調査するとともに、許容されるリスク内の投資を行なっています。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。そのため、当事業年度における経営成績に関する説明は、前事業年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、長期化する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、経済活動の抑制と緩和が繰り返されてきました。また、ウクライナ情勢を背景とするエネルギー価格の高騰や日米での金融政策の違いに伴う急速な円安、海外経済の減速懸念などの影響により不安定な状況で推移しました。
自転車業界の状況として、上半期には、世界的なエネルギー価格の高騰並びにあらゆる資材の価格上昇、海外の生産工場の人件費上昇、海上運賃の高騰などの影響で仕入れ価格が上昇し、メーカー各社で販売価格の引き上げが行なわれました。また、コロナ禍による中国のロックダウンにより、自転車の輸入量は前年比で大幅に減少する事態となりました。下半期に入ると、自転車の輸入量は回復しましたが、生活必需品をはじめとした諸物価上昇による消費の冷え込みで、新車販売の減少や低価格帯へのシフト、修理・メンテナンスが増加するなど、需要動向に変化が見られました。
当社におきましては、上半期には、全国の主要地域に配置している物流倉庫並びに店舗を活用した在庫確保に努めました。また、調達価格上昇により利益確保が困難になってきたため、2022年2月、8月の二度にわたり販売価格の引き上げを行ないました。販売面では、近年の高機能化、車種の拡充により幅広い世代から好評の電動アシスト自転車や、消費者の節約志向に伴い需要が増加傾向の一般用自転車を中心に商材確保に注力するとともに、全国に店舗展開している強みとネット販売による利便性を生かした「ネットで注文、お店で受取り」サービスによって、売上高を伸ばしました。また、修理・メンテナンスについても依頼件数が増加する中、全国の店舗に技能を有するスタッフを安定的に配置したことにより、需要増加に対応してまいりました。
売上総利益については、電動アシスト自転車や一般用自転車など売れ筋商材の確保や修理・メンテナンス需要への対応により売上高が前年を上回ったことで増加しましたが、調達価格上昇に対する販売価格の改定は、市場動向を慎重に見ながら段階的に価格へ転嫁したため、調達価格の上昇をカバーしきれず、売上総利益率の低下となりました。
なお、販売費及び一般管理費については、出店をはじめとした事業拡大に伴う計画的な人員補強や出店コストの増加、電気料金の値上がり、配送コストの上昇、キャッシュレス決済割合が増えたことによる手数料増加などで従来よりもやや高い水準となりました。
また、2022年2月期から始動しました中期経営計画「あさひVISION2025」の進捗として、当社のカルチャーモデルである「人間力」「商品力」「店舗力」の3分野を強化するとともに、「お客様との関係性強化(CRM強化)」「既存店の活性化」「新しい店舗スタイルの開発」「事業領域の拡大」の4つの重点戦略の実現及び展開に向け、「デジタル・IT」「物流」「ブランディング」の3つの成長基盤づくりに注力しました。具体的な取り組みとして、「デジタル・IT」「物流」では、新基幹システム導入プロジェクトの推進や、既存の物流施設の整備に加え将来にわたる物流基盤構想の企画・設計、倉庫マネジメントシステムの導入推進などを実施しました。「ブランディング」では、インナーブランディングの強化に向けた教育・研修や自社ブランドの商品体系の整備を進めるなど、企業価値の向上ならびに持続的な成長に向け取り組みました。
出店戦略では従来の郊外型店舗に加え、都市部への出店も進めてまいりました。都市部の店舗は、郊外型店舗と比較して売り場面積が小さいものの、ネット販売との親和性が高く「ネットで注文、お店で受取り」サービスの更なる活用を見据えた戦略として進めており、新たな店舗形態の確立に向けて前進しました。
出退店の状況につきましては、東北地域に1店舗、関東地域に9店舗、中部地域に4店舗、九州地域に1店舗を新規出店しました。また、近畿地域の1店舗を退店するとともに、同地域の1店舗がフランチャイズ契約を終了し直営店になりました。この結果、当事業年度末の店舗数は、直営店501店舗、FC店18店舗のあわせて519店舗となりました。
(48期業績概況)
このような活動の結果、当事業年度におきましては、以下のとおりとなりました。
売上高 74,712,107千円 (前年同期は 71,398,999千円)
営業利益 5,127,637千円 (前年同期は 5,221,419千円)
経常利益 5,316,037千円 (前年同期は 5,512,897千円)
当期純利益 3,366,076千円 (前年同期は 3,541,677千円)
なお、当社の事業は、単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,534,228千円(前年同期は1,585,662千円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税引前当期純利益5,125,946千円、減価償却費1,481,148千円、仕入債務の増加額511,446千円、建設協力金の家賃相殺額305,654千円等であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額3,496,703千円、法人税等の支払額1,560,373千円等であります。
投資活動の結果使用した資金は2,638,804千円(前年同期は2,414,315千円の使用)となりました。収入の主な内訳は、差入保証金の回収による収入87,713千円であり、支出の主な内訳は、新規出店に係る有形固定資産の取得による支出2,062,779千円、無形固定資産の取得による支出435,922千円等であります。
財務活動の結果使用した資金は734,956千円(前年同期は733,818千円の使用)となりました。これは、配当金の支払であります。
③仕入及び販売の実績
当社は、単一セグメントであるため、仕入及び販売の実績は品目別により記載しております。
当事業年度の仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、前年同期比率は記載しておりません。
2.総販売実績に対する販売割合で10%以上の相手先はありません。
当事業年度の地域別販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、前年同期比率は記載しておりません。
2.上記店舗数は、当事業年度末現在の直営店舗を記載しております。
3.ロイヤリティ・その他には、フランチャイズ契約締結先からのロイヤリティ収入、FC(フランチャイズ店)並びにGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)・HC(ホームセンター)等への商品売上、及び本社部門における外商売上を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
(a) 流動資産
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末と比較して2,691,521千円(10.8%)増加し、27,638,055千円となりました。これは主に、商品の増加2,966,667千円、未着商品の増加539,664千円、現金及び預金の減少646,309千円、為替予約の減少254,073千円等によるものであります。
(b) 固定資産
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末と比較して1,246,652千円(5.8%)増加し、22,773,434千円となりました。これは主に、無形固定資産のその他に含まれているソフトウエア仮勘定の増加350,807千円、繰延税金資産の増加221,501千円、工具、器具及び備品の増加199,908千円や、収益認識会計基準の適用に伴う繰延税金資産の増加497,920千円等によるものであります。
(c) 流動負債
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末と比較して4,250,020千円(42.2%)増加し、14,321,540千円となりました。これは主に、買掛金の増加511,446千円、未払法人税等の減少411,581千円や、収益認識会計基準の適用に伴う契約負債の増加4,296,017千円等によるものであります。
(d) 固定負債
当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末と比較して46,520千円(4.4%)増加し、1,102,065千円となりました。これは主に、資産除去債務の増加48,238千円、株式報酬引当金の増加12,750千円や、収益認識会計基準の適用に伴う商品保証引当金の減少13,932千円等によるものであります。
(e) 純資産
当事業年度末の純資産の残高は、前事業年度末と比較して358,366千円(1.0%)減少し、34,987,884千円となりました。これは主に、当期純利益による増加3,366,076千円、剰余金の配当による減少734,731千円、繰延ヘッジ損益による減少285,107千円や、収益認識会計基準の適用に伴う期首利益剰余金の減少2,704,604千円等によるものであります。
② 経営成績の分析
(a) 売上高の状況
当社の当事業年度の売上高は74,712,107千円(前年同期は71,398,999千円)となりました。売上高の内訳の詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」と「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③仕入及び販売の実績 (b)販売実績」をご参照ください。売上高が増加した主な要因は、調達価格上昇により2022年2月、8月の二度にわたり販売価格の引き上げを行なったことや、一般用自転車から電動アシスト自転車への乗り換え需要の増加に対し、売れ筋商材を確保したこと並びに新規出店による店舗数の増加となります。
(b) 売上総利益の状況
当社の当事業年度の売上総利益は36,195,852千円(前年同期は35,235,453千円)となりました。売上総利益が増加した主な要因は、調達価格上昇により2022年2月、8月の二度にわたり販売価格の引き上げを行なったことや、売れ筋の一般用自転車や電動アシスト自転車の商材を確保したこと並びに新規出店により売上高が増加したためです。
(c) 営業利益の状況
当社の当事業年度の販売費及び一般管理費は31,068,215千円(前年同期は30,014,033千円)となりました。主に当期の15店舗の新規出店に伴う出店費用及び地代家賃、人件費、水道光熱費等の増加によるものであります。これらの結果、営業利益は5,127,637千円(前年同期は5,221,419千円)となりました。
(d) 経常利益の状況
当社の当事業年度の営業外収益は受取補償金等の減少により377,337千円(前年同期は421,529千円)となりました。また、営業外費用は為替差損の増加等により188,937千円(前年同期は130,051千円)となりました。これらの結果、経常利益は5,316,037千円(前年同期は5,512,897千円)となりました。
(e) 当期純利益の状況
当社の当事業年度の特別損益については、特別損失が190,091千円(前年同期は144,393千円)発生しておりますが、内容は減損損失179,172千円等であります。法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)は1,759,870千円(前年同期は1,826,826千円)となりました。これらの結果、当期純利益は3,366,076千円(前年同期は3,541,677千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入を基本としています。
なお、当事業年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断して行なっておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりですが、特に以下の事項に関する会計上の見積りが当社の財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。割引前将来キャッシュ・フローは事業計画を基礎とし、将来の不確実性を考慮して見積っておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
なお、当事業年度においては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (損益計算書関係) ※5 減損損失」に記載のとおり、減損損失(179,172千円)を計上しております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
売上高については、世界的なエネルギー価格の高騰並びにあらゆる資材の価格上昇、海外の生産工場の人件費上昇、海上運賃の高騰などの影響で仕入れ価格が上昇し、メーカー各社で販売価格の引き上げが行なわれたことや、生活必需品をはじめとした諸物価上昇による消費の冷え込みで節約志向が強まり新車販売の減少や低価格帯へのシフトなど需要動向の大きな変化に伴い、計画比3,287,892千円減となりました。
営業利益については、上述したように当社を取り巻く経営環境に大きな変化があったため、新車販売台数が想定を下回ったことや低価格帯へのシフトなどで計画比472,362千円減となりました。
また、経常利益は計画比383,962千円減、当期純利益は計画比333,923千円減となりました。
なお、ROEは当期純利益の計画未達により、計画比0.5ポイント減の10.0%となりました。
当社は、店舗運営希望者に対して「サイクルベースあさひフランチャイズチェーン契約」を締結することでフランチャイズ権の付与を行なっております。なお、契約の要旨は次のとおりであります。
当社における主要な設備は、次のとおりであります。
事業所別設備の状況 2023年2月20日現在
(注) 1.その他の金額の内訳は、工具、器具及び備品711,704千円(一括償却資産除く)、ソフトウエア411,029千円であり、建設仮勘定は含んでおりません。
2.面積のうち( )内の数値は、賃借面積を外書きで表示しております。
3.都島本店は、本社と同一の土地にあるため、大阪府の土地の面積には、含んでおりません。
4.店舗及び寮の年間賃借料(地代家賃)は5,824,230千円であります。
5.従業員数は、就業人員数であります。
6.従業員数欄の人数のうち( )内は、外書きで臨時雇用者の年間の平均人員を記載しており、1人当たり1日8時間換算にて算出したものであります。
7.当社の事業は、単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
8.上記の他、賃貸用不動産(岐阜県各務原市他)として投資不動産(建物他99,555千円)があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 2009年8月17日開催の取締役会決議により、2009年10月1日付をもって1株を2株に分割しております。
2023年2月20日現在
(注) 1.自己株式386株は、「個人その他」に3単元、「単元未満株式の状況」に86株含まれており、「金融機関」 には、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(役員報酬BIP信託)が所有する当社株式1,260単元が含まれております。
2.上記「その他の法人」には、証券保管振替機構名義の失念株式14単元が含まれております。
2023年2月20日現在
(注) 1.上記所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は次のとおりであります。
2.2022年12月20日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、東京海上アセットマ
ネジメント株式会社が2022年12月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、2023年
2月20日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。
3.2023年1月11日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友DSアセットマネジメント株式会社及びその共同保有者であるSMBC日興証券株式会社が2022年12月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、2023年2月20日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。