株式会社メディカル一光グループ
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第38期の期首から適用しており、第38期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3 第37期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第36期の関連する主要な経営指標等について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
4 当社は、2021年3月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。当該株式分割が、第34期の期首に行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。
5 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員を記載しており、( )内に臨時雇用者数(契約社員、パート社員、派遣社員を含む)(1日8時間換算)を外数で記載しております。
(注) 1 第35期の1株当たり配当額には創立35周年記念配当5.00円を含んでおります。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第38期の期首から適用しており、第38期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
4 2019年9月1日付で事業会社から持株会社へ移行したため、第35期以降の経営指標等は、第34期以前と比較して大きく変動しております。
5 当社は、2021年3月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。当該株式分割が、第34期の期首に行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。なお、1株当たり配当額については、当該株式分割前の実際の配当金の額を記載しております。
6 従業員数は、当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む就業人員を記載しており、( )内に臨時雇用者数(契約社員、パート社員、派遣社員を含む)(1日8時間換算)を外数で記載しております。
7 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。なお、第36期は株式分割による権利落後の金額を括弧内に記載しております。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社10社、及びその他の関係会社1社により構成されており、医療機関の発行する処方箋に基づき、医薬品の調剤を行う調剤薬局の経営を主たる事業としております。
当社グループの事業内容は次のとおりであります。なお、次の4区分は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載したセグメントの区分と同一であります。
(調剤薬局事業)
子会社である株式会社メディカル一光、株式会社エファー、株式会社ヘルシー薬局は、処方箋に基づき医薬品の調剤を行う調剤薬局を経営しております。
(ヘルスケア事業)
子会社である株式会社ハピネライフ一光、有限会社三重高齢者福祉会、ウェルフェアー株式会社、株式会社ハピネライフケア鳥取、株式会社ライフケアは、介護施設の運営、医療及び介護に付随する業務を行っております。
(医薬品卸事業)
子会社である株式会社メディカル一光は、医療機関等へ医薬品の販売を行っております。
(不動産事業)
当社は、一般不動産を所有し賃貸業務を行っております。
当社グループにおける事業の系統図は次のとおりであります。(2023年2月28日現在)

関係会社の状況は、次のとおりであります。
2023年2月28日現在
(注) 1 「議決権の所有[被所有]割合」欄の(内書)は間接所有であります。
2 特定子会社であります。
3 有価証券報告書の提出会社であります。
4 株式会社メディカル一光及び株式会社ハピネライフ一光については、売上高(連結会社相互間の売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等
2023年2月28日現在
(注) 1 従業員数は、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であり、( )内に臨時雇用者数(契約社員、パート社員、派遣社員を含む)(1日8時間換算)を外数で記載しております。
2 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない総務及び経理等の管理部門に所属している従業員であります。
2023年2月28日現在
(注) 1 従業員数は、( )内に臨時雇用者数(契約社員、パート社員、派遣社員を含む)(1日8時間換算)を外数で記載しております。
2 平均年間給与(2022年3月から2023年2月まで)は賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない総務及び経理等の管理部門に所属している従業員であります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(1) 経営の基本方針及び経営戦略
当社グループは、「良質の医療・介護サービスをより多くの人に提供する」ことを基本方針とし、医療および介護に特化したビジネスモデルを展開する中、調剤薬局事業、ヘルスケア事業、医薬品卸事業、不動産事業を行っております。2024年2月期に売上高350億円、経常利益15億円を目標とした中期経営計画を2021年3月に策定しました。長期的かつ持続的に成長できる組織と体制を再構築し、各事業を推進してまいります。
当社グループ各事業の中長期的な経営戦略は、以下のとおりです。
当社グループの主力事業である調剤薬局事業は、医療費の抑制を目的とした医療制度改革が進められており、「医療サービスの質的向上」と「経営の効率化」が求められております。当社は収益性を考慮した新規出店やM&Aに取り組み、事業規模の拡大を図ってまいります。
また、安全性を最優先するとともに、地域社会から信頼される「かかりつけ薬剤師・薬局」の機能を一層高め、顧客満足度の向上を図り、競合に強い薬局づくりを推進いたします。
ヘルスケア事業は、高齢化社会の進展による社会構造の変化を捉え、社会的ニーズに応えるため、入居者および利用者の皆さまが安心で快適に過ごせる介護サービスの提供と収益基盤の構築を推進してまいります。
医薬品卸事業は、医療制度改革の一つとしてジェネリック医薬品の使用促進策に沿って市場が拡大する環境下、きめ細かな営業活動を行い、三重県下の医療機関を中心に販路の拡大を図るとともに、岐阜県、滋賀県および愛知県での開拓を進めてまいります。
不動産事業は、保有不動産から安定した賃料収入を確保してまいります。
(2) 現状の認識について
わが国は、国民皆保険制度の下で、誰もが安心して医療サービスを受けることができる体制が整備されており、世界最高水準の平均寿命や高度な医療水準を維持してきました。しかし、超高齢社会の進展や少子化、人口減少などにより年齢別人口構成は大きく変化し、財政的視点からは医療費抑制が大きな課題となり医療サービスの効率経営が求められることになります。
このような状況を背景に、医療・介護サービスの需要が拡大していくなか、薬局、介護サービスに求められる役割についても、今後、さらに変化していくと予想しております。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題の内容
これらの社会変化に対応した事業展開をするため、当社は「良質な医療・介護サービスをより多くの人に提供する」という理念の下、以下の3項目を対処すべき課題として取り組んでまいります。
調剤薬局事業を収益基盤として、新規開発による自己出店とともに、良質なM&Aに取り組むことにより、一層の事業規模の拡大を図ります。また、ヘルスケア事業、医薬品卸事業におきましても、同様に事業規模の拡大を推進してまいります。
組織再編で強化されるグループ力により、さらなる経営の効率化を推進し、薬局店舗のシステム化と業務の平準化を図り、間接部門の経費比率低下に注力してまいります。
社内研修体制の下、良質な医療・介護サービスの提供のため社員一人ひとりの資質向上を図ってまいります。
当社は、こうした施策を中心に、「患者様第一主義」「ホスピタリティーの精神」をモットーとして、患者様・医療機関双方から信頼される企業グループの形成を目指し、医療・介護に特化した事業展開により、持続的かつ安定的な業務の拡大を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
・調剤薬局事業について
(1) 調剤薬局事業の法的規制について
調剤薬局事業の運営には、医薬品医療機器等法や健康保険法による法的規制があり、遵守事項が厳格に定められております。主なものは「薬局開設許可」「保険薬局指定」であり、その他都道府県知事等から許可・指定を受ける必要があります。
当社グループは、調剤薬局事業を行うために必要な許認可等を受けておりますが、関連する法令に違反した場合、またはこれらの法令が改正された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。その主な内容は下表のとおりであります。
(2) 薬価基準及び調剤報酬の改定について
調剤薬局事業の売上高は、薬剤に係る収入と調剤技術に係る収入から成り立っております。薬剤に係る収入は、健康保険法で定められた薬価基準により公定価格が定められており、また、調剤技術に係る収入も同様に調剤報酬点数に定められております。
今後、薬価基準及び調剤報酬の改定が行われ、点数等が変更になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 薬剤師の確保について
調剤薬局の開設及び運営においては、医薬品医療機器等法により各店舗に薬剤師の配置が義務づけられ、処方箋の応需枚数に応じて必要な薬剤師の人数が定められております。当社グループは店舗数の増加に対応した薬剤師の確保ができておりますが、必要時に薬剤師の確保ができない場合には、当社グループの調剤薬局事業に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 調剤業務について
当社グループでは、調剤過誤の防止のため、薬剤師の調剤技術の向上や鑑査体制の強化を図っており、万全の管理のもとに細心の注意を払い調剤業務を行っております。また、全店舗において「薬剤師賠償責任保険」に加入しております。しかしながら、将来において調剤過誤により訴訟を受けるようなことがあった場合には、社会的信用を損なうなどの理由により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 出店政策について
調剤薬局事業の増収には、店舗数の増加が寄与いたしますが、医薬分業の伸び率が穏やかな状況へと変化してきており、出店競争は激化しております。当社グループでは、出店後の採算を重視した新規出店方針を立てておりますが、計画どおりの出店ができない場合や新たに開設した店舗の売上高が計画を下回る場合には、業績に影響を与える可能性があります。
なお、最近3年間の新規出店数、閉鎖店舗数及び期末店舗数の推移は次のとおりであります。
(6) 消費税等の影響について
調剤薬局事業における売上高については、消費税法において大部分が非課税売上となっております。一方で医薬品の仕入に関しては、消費税法上は課税仕入となっております。そのため仕入に際して支払った仮払消費税等の大部分が、売上に際して受取った仮受消費税等と相殺することができない控除対象外消費税等となっております。控除対象外消費税等については、当期商品仕入高に含めて調剤薬局事業売上原価に費用計上しております。
今後、消費税率が改定された場合、控除対象外消費税等が増加し、調剤薬局事業の業績に影響を与える可能性があります。
(7) 売上高の変動要因について
調剤薬局事業は、気候の変化により医療機関への受診機会が増減した場合は、処方箋枚数が変動するため、業績に影響を受ける可能性があります。
・ヘルスケア事業について
(1) ヘルスケア事業の法的規制について
ヘルスケア事業では介護保険法の適用を受けるサービスを提供しております。介護保険法(1997年12月7日 法律第123号)は、施行後5年ごとに制度全般の見直しが行われ(介護保険法附則第2条)、介護報酬は3年ごとに改定されることが定められております。介護保険制度や介護報酬の見直しが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
介護保険法に定める居宅サービスを行うには、サービスの種類及び事業所毎に都道府県知事(又は市町村長)に申請し、「指定居宅サービス事業者」として指定を受けることが必要です。指定を受けるには、「指定居宅サービス等の事業の人員、設置及び運営に関する基準」を満たしていなければなりません。この「指定居宅サービス等の事業の人員、設置及び運営に関する基準」に達しないことで、監督官庁より行政処分を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。当社グループのヘルスケア事業における必要な許認可の内容は下表のとおりであります。法令違反が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。
(2) 競合について
介護関連事業の市場は今後も拡大が予測されることや、高齢者等居住安定化推進事業(「サービス付き高齢者向け住宅」登録制度)による建築・改修費に対する補助金制度や固定資産税等の軽減等の税制優遇措置など、供給促進の政策がとられることもあり、異業種を含めた様々な企業が参入しております。今後の競合激化により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
(3) 入居者の安全管理について
ヘルスケア事業は高齢者を対象としているため、転倒事故や感染症の集団発生等、施設内の安全衛生管理には細心の注意を払っております。しかしながら、万一事故等が発生した場合には、当社の信用が低下するとともに訴訟等で損害賠償請求を受ける恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。また、入居者が健康上の理由等により入院を余儀なくされたような場合にも、稼働率が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・当社グループについて
(1) 有利子負債について
当社グループでは調剤薬局の新規出店や有料老人ホームの開設、M&A等に資金を投入しております。今後も金融機関からの借入金等により投資を継続して実施していく方針であります。金融機関からの借入金の大半は長期の固定金利となっておりますが、今後の金利動向によっては当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、最近3年間の有利子負債残高、総資産、総資産に占める有利子負債の構成比の推移は次のとおりであります。
(2) 個人情報管理について
当社グループは、業務上多くの個人情報を保有しておりますが、その管理は適切に行っております。当社では2005年4月の個人情報保護法の施行にあわせて、個人情報保護に関する当社の基本方針を明確化した「個人情報保護に関する基本方針」及び個人情報取扱いに関する基本事項を定めた「個人情報保護基本規程」を制定して、個人情報の保護について十分注意し漏洩防止に努めております。万一個人情報が漏洩した場合、当社の社会的信用は低下し、損害賠償責任が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 感染症の影響について
当社グループは、感染症への感染防止策として感染拡大状況に応じた対応策を徹底しております。感染症の感染拡大が長期化した場合、調剤薬局事業では医療機関への受診抑制等の影響で処方箋枚数が減少し、ヘルスケア事業では訪問介護や通所介護において感染リスクを懸念した利用控えが発生し、医薬品卸事業では営業活動が制限され、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) イオン株式会社との関係について
当社とイオン株式会社(本社所在地 千葉市美浜区)とは、1997年11月5日に調剤薬局事業の重要性と事業機会の有望性という共通認識に立って、資本提携を行うことで合意し、覚書を締結いたしました。資本提携により、当社はイオン株式会社を中核とする「イオングループ」に参加し、グループ企業の一員として事業活動を行い、生活者のニーズに密着した調剤薬局チェーンの構築を目指しております。2023年2月末日現在において、イオン株式会社の当社への出資比率は、25.06%(1,020,000株)であり、同社の顧問が当社の監査役に就任しております。なお、イオン株式会社は当社が増資をした場合、イオン株式会社の持株割合が増資後発行済株式総数の25%を下回らない出資のオプションを有しております。また、当社はイオン株式会社の子会社が経営するショッピングセンター内へ2店舗の調剤薬局を出店し、賃借料を支払っております。なお、2023年2月期に支払った賃借料は14,624千円であります。
(5) 投資有価証券の価格変動について
当社グループが保有する投資有価証券については、長期的な観点から保有及び売却の判断をしております。しかしながら、投資先の業績不振や証券市場における市況の悪化等により想定以上に株価が下落した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
2023年2月末日現在、当社グループが保有する投資有価証券は1,320,428千円であります。
当連結会計年度(2022年3月1日~2023年2月28日)における我が国の経済は、新型コロナウイルスの感染動向に左右されつつも、経済活動の正常化に向けた動きが浸透し、サービスを中心とした個人消費の回復やインバウンドの持ち直しが徐々に見られる状況にありました。一方、海外では、インフレ圧力の長期化に伴う金融引き締めの継続から、景気減速懸念が台頭しております。こうしたなか、国内景気回復への影響も懸念される状況にあります。
このような環境のもと、当社グループはコロナ後を見据えた事業環境の変化に臨機応変に対応すべく、必要に応じて感染防止対策にも留意しながら、患者さま、利用者さまの安全確保に注力し、事業活動の継続に努めてまいりました。
調剤薬局事業におきましては、2022年3月に孫会社2社を中核子会社である株式会社メディカル一光へ集約し、事業運営の一体化、経営の効率化を促進しました。また、質を重視した新規出店を進めるとともに、既存店舗の改装・強化も図りながら、地域連携薬局や専門医療機関連携薬局の拡大に注力いたしました。
薬局へのご来店が困難な患者さまのニーズに対応していく在宅市場への取り組みについては、子会社(株式会社ヘルシー薬局)を主体に、需要拡大に対応しております。また、既存店舗においてもこうした取り組みは着実に浸透しつつあります。当社グループとしましては、このような活動を通して患者さま一人ひとりの満足度を高め、地域の皆さまに選ばれる薬局づくりを行っております。
ヘルスケア事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への変更後の環境変化も見据え、介護サービス利用者さまが安心して施設を利用できる体制を整えるべく、介護人材の安定的な確保を優先し、介護サービスの質の向上に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高33,897百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益935百万円(前年同期比26.7%減)、経常利益1,227百万円(前年同期比9.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は759百万円(前年同期比10.9%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(調剤薬局事業)
調剤薬局事業におきましては、当連結会計年度上期における既存店の応需処方箋枚数は前年同期比微減となりましたが、下期はやや持ち直し、年度を通しては微増となりました。調剤薬局事業全体の売上高は子会社の店舗を主体に浸透しつつある在宅市場への取り組み効果や、2022年7月に開局したフラワー薬局名張東店等の新規出店売上が寄与し増収を確保しました。しかしながら労務費を主体に費用が増加し、収益面では前年同期比減益を余儀なくされました。
この結果、売上高23,094百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益1,490百万円(前年同期比3.8%減)となりました。なお、当連結会計年度末における当社グループの調剤薬局は合計95店舗となっております。
(ヘルスケア事業)
ヘルスケア事業におきましては、通所介護事業所および施設において、当連結会計年度を通して、新型コロナウイルス感染症のクラスターが断続的に複数発生いたしました。このため、デイサービスを主体に新規利用者さまのご利用を控えたこともあり稼働率が低下しました。
また、施設スタッフの処遇改善等に伴う労務費増加に加え、施設運営に不可欠な光熱費の高止まりも続き、こうした費用が前期比大幅に増加しました。このような環境下、当社グループとしましては、施設をご利用頂く皆さまが安心で快適に過ごせる介護サービスの実現に努めております。
この結果、売上高7,671百万円(前年同期比1.8%減)、営業損失28百万円(前年同期は営業利益218百万円)となりました。なお、当連結会計年度末における当社グループの居住系介護サービスは、合計42施設(居室数1,417室)、在宅系介護サービスにおいては、通所介護事業所22ヶ所、居宅介護支援事業所18ヶ所、小規模多機能ホーム10施設、福祉用具レンタル・販売5拠点、訪問介護事業所9ヶ所、訪問看護事業所3ヶ所、ショートステイ1施設と、幅広く介護サービスを提供しております。
(医薬品卸事業)
医薬品卸事業におきましては、ジェネリック医薬品の安定供給が課題となる中、2022年3月に当社孫会社を中核子会社に統合し、営業体制の強化と経費抑制に努めてまいりました。しかしながら、薬価改定の影響から収益環境は従来以上に厳しさを増しております。
この結果、売上高2,944百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益57百万円(前年同期比49.6%減)となりました。(内部売上を含む売上高は3,942百万円となり、前年同期比で1.3%増加しました。)
(不動産事業)
不動産事業におきましては、賃貸不動産からの収入によって、売上高187百万円(前年同期比19.2%減)、営業利益124百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
また、投資事業におきましては、投資有価証券売却損益35百万円を計上しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して1,536百万円減少し6,253百万円となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローで1,307百万円増加したこと、投資活動によるキャッシュ・フローで477百万円減少したこと、財務活動によるキャッシュ・フローで2,366百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、1,307百万円(前年同期比172百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,313百万円、減価償却費・のれん償却額841百万円などの増加要因と、法人税等の支払567百万円、売上債権の増加118百万円などの減少要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、477百万円(前年同期比262百万円の支出増加)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入306百万円などの増加要因と、投資有価証券の取得による支出407百万円、差入保証金の差入による支出234百万円などの減少要因によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、2,366百万円(前年同期比2,431百万円の支出増加)となりました。これは主に、長期借入金の純減少2,177百万円、配当金の支払150百万円などによるものです。
(1) 調剤実績
当連結会計年度の処方箋応需枚数の地区別実績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(3) 調剤薬局事業の地区別販売実績
当連結会計年度の調剤薬局事業の地区別販売実績を示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 貸借対照表に基づく財政状態の分析
当社グループは、事業活動に必要な資金の安定確保と、貸借対照表における財務体質の健全性の維持を財務方針としております。
この結果、当連結会計年度末の資産合計は27,505百万円(前連結会計年度末比(以下「前期末比」という。)5.5%減)となり、負債合計は14,897百万円(前期末比13.2%減)となりました。
流動資産の残高は13,239百万円となり、前期末比1,337百万円減少いたしました。これは主に、売掛金が118百万円増加し、現金及び預金が1,549百万円減少したこと等によるものです。
固定資産の残高は14,266百万円となり、前期末比250百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券が215百万円、敷金及び保証金が141百万円それぞれ増加し、建物及び構築物が319百万円、のれんが239百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
流動負債の残高は7,454百万円となり、前期末比961百万円減少いたしました。また、固定負債の残高は7,443百万円となり、前期末比1,307百万円減少いたしました。負債合計で2,268百万円の減少となった主な要因は、長期借入金(1年内返済予定を含む)が2,177百万円減少したこと等によるものです。
純資産の残高は12,607百万円となり、前期末比679百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が609百万円増加したこと等によるものです。
② 損益計算書に基づく経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループは、「良質の医療・介護サービスをより多くの人に提供する」という理念の下で事業を展開、推進してまいりました。主力事業である調剤薬局事業におきましては、新たに3店舗を開局した一方で、閉局により1店舗減少し、当社グループの調剤薬局は95店舗となっております。子会社の合併により経営の効率化を推進し、地域連携薬局や専門医療機関連携薬局の拡大および在宅医療への対応に注力いたしました。ヘルスケア事業におきましては、行動制限のないアフターコロナを展望し、介護サービスの質の向上に取り組んでまいりました。医薬品卸事業におきましては、子会社の合併により営業体制の強化と経費抑制に努めてまいりました。不動産事業におきましては継続的に賃貸物件から収入を得ております。この結果、売上高は前年同期比(以下「前期比」という。)301百万円(0.9%)増加して33,897百万円となりました。
売上高から売上原価を控除した売上総利益は、前期比432百万円(12.0%)減少して3,182百万円となりました。
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益につきましては、前期比340百万円(26.7%)減少して935百万円となりました。
営業利益から営業外収益と営業外費用を差引きした経常利益につきましては、前期比130百万円(9.6%)減少して1,227百万円となりました。
経常利益から特別利益と特別損失を差引きした税金等調整前当期純利益につきましては、前期比162百万円(11.0%)減少して1,313百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益から法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額と非支配株主持分を差引きした親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期比92百万円(10.9%)減少して759百万円となっております。なお、期中平均発行済株式総数に基づく、1株当たり当期純利益は、前期の226.92円から202.20円となっております。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー計算書に基づく資金の流動性の分析
当社グループのキャッシュ・フローにつきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ1,536百万円減少して6,253百万円となりました。当連結会計年度における状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資本の財源
当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部留保金を超える資金を金融機関からの借入れにより調達しております。金融機関からの資金調達に関しましては、基本的に固定金利による長期借入金によって調達しております。長期借入金以外の資金調達につきましては、金融機関の借入枠の実行、ファイナンス・リースの使用等によるものがあります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載したとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載したとおりであります。
(1) イオン株式会社との資本提携
当社とイオン株式会社(契約締結時はジャスコ株式会社)とは、1997年11月5日に調剤薬局事業の重要性と事業機会の有望性という共通認識に立って、資本提携を行うことで合意し、覚書を締結しております。その内容は次のとおりです。
① イオングループへの参加に関する事項
当社はイオン株式会社を中核とする「イオングループ」に参加し、グループ企業の一員として、他のイオングループ内企業との営業上の連携についても積極的に協力する。
② 経営指導に関する事項
イオン株式会社は、当社から要請があれば広範囲な経営指導を実施する。
③ 増資に関する事項
イオン株式会社は、当社が増資を実施した場合、イオン株式会社の持株割合が増資後発行済株式総数(転換社債等の転換後潜在株式数を含む)の25%を下回らない出資のオプションを有する。
④ 人材派遣に関する事項
イオン株式会社は、当社に非常勤監査役を派遣することができる。
(1) 提出会社
2023年2月28日現在
(2) 国内子会社
2023年2月28日現在
(注) 1 帳簿価額の「その他」は車両運搬具、工具、器具及び備品、のれん、敷金及び保証金等であります。
2 従業員数は、就業人員であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 株式分割(1:2)によるものであります。
2023年2月28日現在
(注) 自己株式312,973株は、「個人その他」に3,129単元、「単元未満株式の状況」に73株含まれております。
2023年2月28日現在
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、調剤薬局を経営する「調剤薬局事業」、介護施設の運営、医療施設等の賃貸業務及び医療・介護に付随する業務を行う「ヘルスケア事業」、医療機関等への医薬品の販売を行う「医薬品卸事業」、一般不動産の賃貸業務を行う「不動産事業」について、包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、事業形態を基礎とした、「調剤薬局事業」、「ヘルスケア事業」、「医薬品卸事業」、「不動産事業」の4つを報告セグメントとしております。