株式会社SBI新生銀行
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2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
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(自2018年 4月1日 至2019年 3月31日) |
(自2019年 4月1日 至2020年 3月31日) |
(自2020年 4月1日 至2021年 3月31日) |
(自2021年 4月1日 至2022年 3月31日) |
(自2022年 4月1日 至2023年 3月31日) |
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連結経常収益 |
百万円 |
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連結経常利益 |
百万円 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
百万円 |
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連結包括利益 |
百万円 |
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連結純資産額 |
百万円 |
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連結総資産額 |
百万円 |
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1株当たり純資産額 |
円 |
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|
1株当たり当期純利益 |
円 |
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|
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|
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
円 |
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|
自己資本比率 |
% |
|
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|
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|
連結自己資本利益率 |
% |
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|
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|
連結株価収益率 |
倍 |
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|
|
|
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
百万円 |
|
|
|
△ |
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
百万円 |
△ |
|
|
|
△ |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
百万円 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
百万円 |
|
|
|
|
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|
従業員数 |
人 |
|
|
|
|
|
|
[外、平均臨時従業員数] |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
|
(注)1.自己資本比率は、(期末純資産の部合計-期末株式引受権-期末新株予約権-期末非支配株主持分)を期末資産の部合計で除して算出しております。
2.従業員数は、無期転換制度に基づく業務限定社員、嘱託及び臨時従業員の平均雇用人員を[ ]内に外書きで記載しております。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等及び「時価の算定に関する会計基準(企業会計基準第30号 2019年7月4日)等を2021年度の期首から適用しており、2021年度以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
4.2022年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
|
回次 |
第19期 |
第20期 |
第21期 |
第22期 |
第23期 |
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決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
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経常収益 |
百万円 |
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|
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|
経常利益 |
百万円 |
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|
当期純利益 |
百万円 |
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|
|
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|
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資本金 |
百万円 |
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発行済株式総数 |
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普通株式 |
千株 |
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純資産額 |
百万円 |
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|
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|
総資産額 |
百万円 |
|
|
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|
預金残高 |
百万円 |
|
|
|
|
|
|
貸出金残高 |
百万円 |
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|
|
|
有価証券残高 |
百万円 |
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|
|
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|
1株当たり純資産額 |
円 |
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1株当たり配当額 |
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|
|
普通株式 |
円 |
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|
|
|
|
(内1株当たり中間配当額) |
(円) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益 |
円 |
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|
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|
|
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
円 |
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|
自己資本比率 |
% |
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|
|
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|
自己資本利益率 |
% |
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|
株価収益率 |
倍 |
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|
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|
配当性向 |
% |
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|
|
従業員数 |
人 |
|
|
|
|
|
|
[外、平均臨時従業員数] |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
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|
株主総利回り |
% |
|
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|
|
|
|
(比較指標:配当込みTOPIX) |
( |
( |
( |
( |
( |
|
|
(比較指標:配当込みTOPIX銀行業) |
( |
( |
( |
( |
( |
|
|
(比較指標:配当込みTOPIXその他金融業) |
( |
( |
( |
( |
( |
|
|
最高株価 |
円 |
1,880 |
1,803 |
1,993 |
2,399 |
2,585 |
|
最低株価 |
円 |
1,238 |
1,079 |
1,108 |
1,341 |
1,867 |
(注)1.自己資本比率は、(期末純資産の部合計-期末株式引受権-期末新株予約権)を期末資産の部合計で除して算出しております。
2.従業員数は、無期転換制度に基づく業務限定社員、嘱託及び臨時従業員の平均雇用人員を[ ]内に外書きで記載しております。
3.当行グループには、銀行単体に加え、無担保ローン、クレジットカード・信販、リース等の業務を展開するグループ会社があり、それらのグループ会社からの収益の全体収益に占める割合が高いことから、TOPIX、TOPIX銀行業及びTOPIXその他金融業の3指標を当行株主総利回りに対する比較指標として併記しております。
4.最高株価及び最低株価は、第23期より東京証券取引所スタンダード市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものであります。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等及び「時価の算定に関する会計基準(企業会計基準第30号 2019年7月4日)等を第22期の期首から適用しており、第22期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
6.第23期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
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1952年12月 |
長期信用銀行法に基づき株式会社日本長期信用銀行を設立(資本金15億円) |
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1953年3月 |
外国為替業務認可 |
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1970年4月 |
東京証券取引所及び大阪証券取引所に株式上場 |
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1996年11月 |
長銀信託銀行株式会社(現新生信託銀行株式会社、現連結子会社)を設立 |
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1998年10月 |
金融再生法に基づき特別公的管理の開始 東京証券取引所及び大阪証券取引所の株式上場廃止 |
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1999年9月 |
ニュー・エルティーシービー・パートナーズ・シー・ヴィ(パートナーズ社)が当行の普通株式の一括譲渡に係わる最優先交渉先に決定 |
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1999年12月 |
当行・預金保険機構・パートナーズ社間で当行の普通株式の一括譲渡に係わる基本合意書締結 |
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2000年2月 |
当行・預金保険機構・パートナーズ社間で株式売買契約締結 |
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2000年3月 |
特別公的管理終了し、パートナーズ社が当行の経営権を取得 |
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2000年4月 |
証券投資信託の窓口販売業務開始 |
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2000年6月 |
行名を「株式会社日本長期信用銀行」から「株式会社新生銀行」に変更 |
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2000年10月 |
郵便貯金との提携開始(ATM、相互送金提携) |
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2001年5月 |
証券子会社として新生証券株式会社(現連結子会社)を開業 |
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2001年6月 |
新生総合口座「PowerFlex」取り扱い、インターネットバンキング、ATM24時間365日稼動開始 |
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2001年12月 |
株式会社アイワイバンク銀行(現商号:株式会社セブン銀行)とのATM提携開始 |
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2004年2月 |
東京証券取引所市場第一部に株式上場 |
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2004年4月 |
長期信用銀行から普通銀行へ転換 |
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2004年9月 |
株式会社アプラスを連結子会社化 |
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2005年3月 |
昭和リース株式会社を連結子会社化 |
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2007年12月 |
シンキ株式会社(現商号:新生パーソナルローン株式会社)を連結子会社化 |
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2008年2月 |
総額500億円の第三者割当増資を実施 |
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2008年9月 |
GEコンシューマー・ファイナンス株式会社(現商号:新生フィナンシャル株式会社)を連結子会社化 |
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2009年3月 |
シンキ株式会社(現商号:新生パーソナルローン株式会社)に対する株式公開買付け実施 |
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2011年1月 |
当行本店を東京都千代田区内幸町から中央区日本橋室町へ移転 |
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2011年3月 |
海外募集による普通株式690百万株(2017年10月1日付の株式併合後の株式数に換算すると69百万株)を新規発行 |
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2011年10月 |
銀行本体での個人向け無担保カードローンサービス「新生銀行カードローン レイク」(現名称:「SBI新生銀行カードローン エル」)を開始 |
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2017年4月
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当行及びグループ各社の間接機能を実質的に統合した「新生銀行グループ本社」(現名称:「SBI新生銀行グループ本社」)を設置 |
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2018年4月 |
新生フィナンシャル株式会社での個人向け無担保カードローンサービス「レイクALSA(アルサ)」(現名称:「レイク」)を開始 |
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2019年8月 |
主要株主(J.C.Flowers & Co.LLCの関係者を含む投資家)による株式売出 |
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2020年9月 2021年12月 2022年4月 2023年1月 |
UDC Finance Limitedを連結子会社化 SBIホールディングス株式会社による株式公開買付けにより、同社が当行の親会社へ異動 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からスタンダード市場に移行 行名を「株式会社新生銀行」から「株式会社SBI新生銀行」に変更 |
(2023年3月31日現在 国内本支店23)
当行グループ(2023年3月31日現在、当行、子会社135社(うち株式会社アプラス(以下「アプラス」)、昭和リース株式会社(以下「昭和リース」)、新生フィナンシャル株式会社(以下「新生フィナンシャル」)、新生信託銀行株式会社及びUDC Finance Limited等の連結子会社84社、非連結子会社51社)、及び関連会社43社(MB Shinsei Finance Limited Liability Company等の持分法適用会社43社)により構成)は、『法人業務』、『個人業務』及び「海外事業」を通じて、お客さまへの幅広い金融商品・サービスを提供しています。『法人業務』、『個人業務』及び「海外事業」は、それぞれが提供する金融商品・サービス別のセグメントから構成されており、各セグメントにおける当行及び関係会社の位置付け等は次のとおりとなっております。
なお、次の区分は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
また、当連結会計年度において報告セグメントの区分方法を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
『法人業務』の「法人営業」セグメントは事業法人、公共法人、金融法人向けの金融商品・サービス、アドバイザリー業務、ウェルスマネージメント業務等を、「ストラクチャードファイナンス」セグメントはノンリコースローン等の不動産金融業務、プロジェクトファイナンスやスペシャルティファイナンス(M&Aファイナンス等)に関する金融商品・サービス、ヘルスケア施設及びヘルスケア事業者を対象とする金融商品・サービス、信託業務を、「プリンシパルトランザクションズ」セグメントはプライベートエクイティ業務や事業承継業務、クレジットトレーディングに関連する金融商品・サービス等を、「昭和リース」セグメントはリースを中心とする金融商品・サービスを提供しております。「市場営業」セグメントは、外国為替、デリバティブ、その他のキャピタルマーケッツ業務を、「その他金融市場」セグメントは、新生証券株式会社による証券業務等を提供しております。
『個人業務』の「リテールバンキング」セグメントは個人向けの金融取引・サービスを、「新生フィナンシャル」セグメントは無担保カードローン及び信用保証業務(新生フィナンシャル、SBI新生銀行カードローン エル、レイク)を提供しております。「アプラス」セグメントはショッピングクレジット、カード、ローン、ペイメント業務を提供しております。また、『個人業務』の「その他個人」には、その他子会社の損益が含まれております。
『海外事業/トレジャリー/その他』の「海外事業」セグメントには当行グループの海外連結子会社・海外関連会社の大宗が含まれ、これらを通じて主に小口ファイナンスの提供を行っております。「トレジャリー」セグメントにはALM業務、資本性を含む資金調達業務、債券等による市場性運用に係る損益が含まれております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
|
2023年3月31日現在 |
|||||||||
|
名称 |
住所 |
資本金又は出資金 (百万円) |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合 (%) (注)3 |
当行との関係内容 |
||||
|
役員の兼任等(人) |
資金援助 |
営業上の取引 |
設備の |
業務提携 |
|||||
|
(親会社) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
SBIホールディングス株式会社 (注)2 |
東京都港区 |
139,272 |
金融業務 |
被所有 50.04 (50.04) |
- (-) |
- |
預金取引関係 金銭貸借関係 |
- |
- |
|
SBI地銀ホールディングス株式会社 |
東京都港区 |
30,100 |
金融業務 |
被所有 50.04 |
- (-) |
- |
- |
- |
- |
|
名称 |
住所 |
資本金又は出資金 (百万円) |
主要な事業の内容 (注)1 |
議決権の所有割合 (%) (注)3 |
当行との関係内容 |
||||
|
役員の兼任等(人) (注)4 |
資金援助 |
営業上の取引 |
設備の |
業務提携 |
|||||
|
(連結子会社) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
新生信託銀行株式会社 |
東京都中央区 |
5,000 |
法人業務 |
100.0 |
5 (-) |
- |
預金取引関係 |
- |
- |
|
新生インベストメント& ファイナンス株式会社 |
東京都中央区 |
100 |
法人業務 |
100.0 |
3 (-) |
- |
預金取引関係 金銭貸借関係 |
- |
- |
|
新生企業投資株式会社 |
東京都中央区 |
50 |
法人業務 |
100.0 |
4 (-) |
- |
預金取引関係 |
- |
- |
|
昭和リース株式会社 (注)2,5 |
東京都中央区 |
29,360 |
法人業務 |
100.0 |
5 (-) |
- |
預金取引関係 金銭貸借関係 |
- |
- |
|
新生コベルコリース株式会社 |
神戸市中央区 |
3,243 |
法人業務 |
80.0 (80.0) |
1 (-) |
- |
預金取引関係 金銭貸借関係 |
- |
- |
|
新生証券株式会社 |
東京都中央区 |
100 |
法人業務 |
100.0 |
5 (-) |
- |
預金取引関係 |
- |
- |
|
Shinsei International Limited |
英国ロンドン市 |
千英ポンド 3,000 |
法人業務 |
100.0 |
2 (-) |
- |
預金取引関係 |
- |
欧州における投資情報の紹介 |
|
ファイナンシャル・ジャパン 株式会社 |
東京都中央区 |
30 |
個人業務 |
100.0 |
6 (-) |
- |
預金取引関係 |
- |
保険商品の共同募集 |
|
新生フィナンシャル株式会社 |
東京都千代田区 |
100 |
個人業務 |
100.0 |
7 (-) |
- |
預金取引関係 金銭貸借関係 保証取引関係 |
- |
- |
|
新生パーソナルローン株式会社 |
東京都千代田区 |
100 |
個人業務 |
100.0 (100.0) |
1 (-) |
- |
預金取引関係 金銭貸借関係 |
- |
- |
|
株式会社アプラス (注)2,5 |
大阪市浪速区 |
100 |
個人業務 |
100.0 |
6 (-) |
- |
預金取引関係 金銭貸借関係 保証取引関係 |
- |
- |
|
アルファ債権回収株式会社 |
東京都中央区 |
500 |
個人業務 |
100.0 |
3 (-) |
- |
預金取引関係 |
- |
- |
|
新生ビジネスサービス株式会社 |
東京都中央区 |
54 |
海外事業 /トレジャリー /その他 |
60.0 |
2 (-) |
- |
預金取引関係 |
- |
- |
|
SBI新生ヒューマン・リソーシズ株式会社 |
東京都中央区 |
40 |
海外事業 /トレジャリー /その他 |
60.0 |
2 (-) |
- |
預金取引関係 |
- |
- |
|
UDC Finance Limited |
ニュージーランド オークランド市 |
千ニュージーランドドル 52,352 |
海外事業 /トレジャリー /その他 |
100.0 |
3 (-)
|
- |
金銭貸借関係 |
- |
- |
|
EasyLend Finance Company Limited |
中華人民共和国 香港 |
百万香港ドル 130 |
海外事業 /トレジャリー /その他 |
100.0 |
3 (-) |
- |
預金取引関係 金銭貸借関係 |
- |
- |
|
その他68社 (注)6 |
―― |
―― |
―― |
―― |
―― |
―― |
―― |
―― |
―― |
|
名称 |
住所 |
資本金又は出資金 (百万円) |
主要な事業の内容 (注)1 |
議決権の所有割合 (%) |
当行との関係内容 |
||||
|
役員の兼任等(人) (注)4 |
資金援助 |
営業上の取引 |
設備の |
業務提携 |
|||||
|
(持分法適用関連会社) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ニッセン・クレジットサービス 株式会社 |
京都市南区 |
100 |
個人業務 |
50.0 |
2 (-) |
- |
預金取引関係 金銭貸借関係 |
- |
- |
|
MB Shinsei Finance Limited Liability Company |
ベトナム 社会主義共和国 ハノイ市 |
百万ベトナムドン 1,600,000 |
海外事業 /トレジャリー /その他 |
49.0 |
3 (-) |
- |
金銭貸借関係 |
- |
- |
|
その他41社 (注)6 |
―― |
―― |
―― |
―― |
―― |
―― |
―― |
―― |
―― |
(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.上記関係会社のうち、有価証券報告書を提出している会社は、SBIホールディングス株式会社、昭和リース株式会社及び株式会社アプラスであります。
3.「議決権の所有割合」欄の( )内は、子会社による間接所有の割合(内書き)であります。
4.「当行との関係内容」の「役員の兼任等」欄の( )内は、当行の役員(内書き)であります。
5.上記関係会社のうち、昭和リース株式会社及び株式会社アプラスについては、経常収益(連結会社相互間取引を除く)の連結経常収益に占める割合が10%を超えております。
なお、昭和リース株式会社及び株式会社アプラスは有価証券報告書を提出しており、主要な損益情報等は記載を省略しております。
6.重要性の乏しい関係会社については、その社数のみを記載しております。
(1)連結会社における従業員数
|
2023年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
法人業務 |
|||||
|
法人営業 |
ストラクチャードファイナンス |
プリンシパルトランザクションズ |
昭和リース |
市場営業 |
その他金融市場 |
|
|
従業員数(人) |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
|
セグメントの名称 |
個人業務 |
海外事業/トレジャリー/その他 |
合計 |
|||||
|
リテールバンキング |
コンシューマーファイナンス |
海外事業 |
トレジャリー |
その他 |
||||
|
新生フィナン シャル |
アプラス |
その他個人 |
||||||
|
従業員数(人) |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
(注)1.従業員数は、海外の現地採用者を含んでおります。
2.無期転換制度に基づく業務限定社員、嘱託及び臨時従業員数は、[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外書きで記載しております。
(2)当行の従業員数
|
|
|
|
2023年3月31日現在 |
|
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
|
|
|
|
|
|
[ |
|
2023年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
法人業務 |
|||||
|
法人営業 |
ストラクチャード ファイナンス |
プリンシパルトランザクションズ |
昭和リース |
市場営業 |
その他金融市場 |
|
|
従業員数(人) |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
|
セグメントの名称 |
個人業務 |
海外事業/トレジャリー/その他 |
合計 |
|||||
|
リテールバンキング |
コンシューマーファイナンス |
海外事業 |
トレジャリー |
その他 |
||||
|
新生フィナン シャル |
アプラス |
その他個人 |
||||||
|
従業員数(人) |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
[ |
(注)1.無期転換制度に基づく業務限定社員、嘱託及び臨時従業員数は、[ ]内に当事業年度の平均人員を外書きで記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.平均年間給与は、出向者を含んでおりません。
4.当行の従業員組合は、SBI新生銀行従業員組合と称し、組合員数は1,372人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。
|
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当行及び連結子会社 |
|
当事業年度 |
||||||
|
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1、2 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)1、4 |
労働者の男女の賃金の差異 |
|||
|
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
||||
|
当 行 |
21.5 |
85 |
71.4 |
72.3 |
53.3 |
|
|
連結 |
株式会社アプラス |
20.0 |
90 |
51.0 |
62.8 |
38.1 |
|
新生フィナンシャル株式会社 |
17.8 |
114 |
63.5 |
68.3 |
62.3 |
|
|
昭和リース株式会社 |
9.5 |
140 |
67.4 |
67.0 |
56.5 |
|
|
新生インベストメント&ファイナンス株式会社 |
16.7 |
133 |
80.1 |
75.0 |
78.1 |
|
|
ファイナンシャル・ジャパン株式会社 |
9.7 |
0 |
57.2 |
34.7 |
62.4 |
|
(注)1.集計の前提となる人員数については、他社への出向者を含み、他社からの出向者を含んでおりません。
正規雇用労働者は、無期雇用社員である従業員(執行役員、社員、業務限定社員、契約社員)を、パート・有期労働者には、有期雇用社員である従業員(契約社員、嘱託社員)を含んでおります。なお、管理職に占める女性労働者の割合については、株式会社アプラスおよび昭和リース株式会社においては、執行役員を除外して算出しております。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。
3.社員においては、「管理職に占める女性労働者の割合」に示した通り、男女で管理職の比率が異なることが、男女の賃金の格差の要因となっております。提出会社、株式会社アプラス、新生フィナンシャル株式会社、昭和リース株式会社、新生インベストメント&ファイナンス株式会社においては、次世代育成支援対策推進法および女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画において、女性管理職比率を引き上げする目標を定めて公表しております。
また、社員・嘱託社員・契約社員等の雇用形態の区別による賃金の差異がありますが、男女では、特にコールセンターや事務センターにおいて、契約社員・パートタイマーの女性比率が高いため、男女の賃金差異が正規従業員よりも大きくなっております。
4.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児休暇目的の取得割合を算出しております。育児休業については、対象の子が2歳となる前日までの間の休業を当連結会計年度に開始した者の数を、育児目的休暇については、配偶者の妊娠時から子が満2歳となるまでの間に取得することができる休暇(「はぐくみ休暇」)について、当連結会計年度に初めて取得した者の数を、当連結会計年度において配偶者が出産した男性労働者数で除することによって算出しているため、100%超となることがあります。
当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当行が属するSBIグループは、下記5つを共通の経営理念として掲げています。
・正しい倫理的価値観を持つ
・金融イノベーターたれ
・新産業クリエイターを目指す
・セルフエボリューションの継続
・社会的責任を全うする
上記の下で、当行グループにおいては、下記3つを経営理念として掲げ、お客さまとともにさらなる成長を目指しております。この経営理念は、当行グループの目指すべき姿を示したものであり、重要な指針としてグループ内で共有されています。
・安定した収益力を持ち、国内外産業経済の発展に貢献し、お客さまに求められる銀行グループ
・経験・歴史を踏まえた上で、多様な才能・文化を評価し、新たな変化に挑戦し続ける銀行グループ
・透明性の高い経営を志向し、お客さま、投資家の皆様、従業員などすべてのステークホルダーを大切にし、また信頼される銀行グループ
(2)経営環境
当行グループは、中長期的な環境変化を下記のように認識しております。
(中長期的な環境変化)
・情報技術の高度化による市場構造の変化を伴うデジタル化の加速
・生産年齢人口の減少による労働力不足や長寿化による消費者ニーズの変化を伴う社会の高齢化
・価値観の多様化による働き方や消費スタイルの多様化
・老朽化対応によるインフラ開発や海外からの資本流入による投資機会の広がり
・ITリテラシーの格差や都市部への人口集中による地域間格差の深化等の格差社会・分断の深化
(3)当行グループの経営戦略
当行グループは、今後の目指すべき方向として、2022年度から2024年度を対象期間とする中期経営計画「SBI新生銀行グループの中期ビジョン」を策定しております。「SBI新生銀行グループの中期ビジョン」は、2021年12月にSBIグループ入りした当行グループが、その一員として実現を志向する、3つの「2024年度に目指す姿」と、その達成のための3つの「基本戦略」で構成されています。
①.中期ビジョン(2024年度に目指す姿)
(ⅰ)連結純利益700億円の達成と更なる成長への基盤の確立
SBIグループ入りしたことにより、新たなステージに入った当行グループの収益力向上を図り、2024年度には連結当期純利益700億円の達成を目指します。この目標を達成するために、顧客中心主義を徹底し、グループ内外の価値共創機会の追求、SBI新生銀行グループが持つ強みの深化・フルラインナップ化などを通じた顧客基盤の拡大を図り、それを商品・サービスの質の向上に転化することで、成長の基盤を確立してまいります。
(ⅱ)先駆的・先進的金融を提供するリーディングバンキンググループ
他者に先駆けるスピード感と起業家精神を持って、先進的技術を取り入れながら商品・サービス・機能を提供するリーディングバンキンググループを目指してまいります。そのために、今後は、SBIグループの金融生態系が有する顧客基盤、知見・ノウハウを、SBI新生銀行グループのビジネスに徹底的に取り込むことで、目指す姿の実現に向けた礎を構築してまいります。
(ⅲ)公的資金返済に向けた道筋を示す
公的資金の返済は、SBI新生銀行グループにおける最重要課題の一つであり、2024年度までに返済に向けた道筋や方向性を示すことができるよう、少数株主保護を前提に、政府・その他関係者の理解を得るべく、SBIグループと連携してこれに取り組んでまいります。公的資金返済に向けた道筋を示すには、返済原資や企業価値の源泉である収益力の向上が不可欠であると認識しております。事業戦略の観点からは、SBIグループ入りを通じて得られたSBIグループの機能や顧客基盤を活用しつつ、中期ビジョンで示す各種戦略を着実に遂行することで、顧客基盤の拡大や収益力の大幅かつ持続的な向上を実現してまいります。株主還元の観点からは、事業戦略の実践による収益力の向上を最優先するため、従前の株主還元方針は見直して、事業基盤拡充と収益力強化のための資本活用や利益の内部留保をより重視した運用としてまいります。
②.中期ビジョン実現のための戦略
(基本戦略)
3つの基本戦略の詳細については、後述の「(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題」に記載しております。
(個別戦略)
個人・法人・海外の各ビジネスおよび経営基盤に関連する分野の個別戦略を以下のとおり策定しています。
(a)個人ビジネス
(b)法人ビジネス
(c) 海外ビジネス
(d) 経営基盤
③.財務目標
中期ビジョンに掲げた財務目標(連結)は以下の通りです。
(注)1 「営業性資産」は貸出金、有価証券、金銭の信託、買入金銭債権、リース債権及びリース投資資産、有形リース資産、無形リース資産、支払承諾見返、割賦売掛金等の残高の合計です。
2 「CET1比率」は普通株式等Tier Ⅰ比率(バーゼルⅢ 国際基準/完全施行ベース)です。
(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
①.SBI新生銀行グループ経営の全体戦略
SBI新生銀行グループは、今後の目指すべき方向として、2022年度から2024年度を対象期間とする中期経営計画「SBI新生銀行グループの中期ビジョン」を策定しております。
SBI新生銀行グループの中期ビジョン(以下、「中期ビジョン」)は、2021年12月にSBIグループ入りした当行グループが、その一員として、SBIグループの事業構築の普遍的な基本観をベースとして、実現を志向する3つの「2024年度末に目指す姿」と、その達成のための3つの「基本戦略」で構成されております。
中期ビジョンの3つの基本戦略
(基本戦略1:グループ内外の価値共創の追求)
「価値共創」(オープン・アライアンス)という概念を、「SBIグループ各社との価値共創」、「SBI新生銀行グループ内での価値共創」、「グループ外との価値共創」、更に「ノンオーガニックな出資・買収」も含めた広義の連携と再定義いたしました。その上で、これらの価値共創によりシナジーを創出し、顧客基盤拡大と収益力向上を通じて躍進的な成長を実現してまいります。
SBIグループ各社との価値共創
・SBIグループ各社との相互送客、機能補完、リソースの共有
・SBIグループの地域金融機関ネットワークを活用した商品・サービス・機能の提供
・共通するビジネス・間接機能のSBIグループとの統合・一本化
SBI新生銀行グループ内での価値共創
・徹底的に顧客の立場に立った商品・サービス・機能の提供、顧客利便性を向上する為のグループ内の連携強化
・顧客接点の刷新やチャネルの拡大等、顧客基盤を拡大する為のグループ内の連携強化
グループ外との価値共創、ノンオーガニックな出資・買収
・非金融領域を含めたパートナーとの機能連携による顧客利便性の向上、顧客基盤の拡大およびノウハウと経験の蓄積
・既存のグループ外との連携案件の本格化・収益化による成長ドライバーへの進化
・国内にとどまらず成長著しいアジア・パシフィック地域をメインターゲットとするノンバンク領域を中心とした出資・買収
(基本戦略2:強みの深化とフルラインナップ化)
小口ファイナンス、機関投資家向けビジネス、海外ビジネスといった、これまで培ってきた強みを深化すると同時に、フルラインナップの商品・サービス・機能の提供により、顧客中心主義を徹底してまいります。そのために、テクノロジーの活用を徹底し、人材、ガバナンス、財務に関する組織的能力を強化してまいります。なお、フルラインナップ化に際しては、自前主義にとらわれず、SBIグループ内外のリソースやノウハウを活用してまいります。
小口ファイナンス、機関投資家向けビジネス、海外ビジネスの強化
・多様な小口ファイナンスを一気通貫で提供できる強みを更に磨くと共に、外部パートナーに最適な形で提供
・再生可能エネルギー等、環境・社会課題の解決に資する分野において、機関投資家に共感される、先駆的なプレイヤー
・海外ノンバンクビジネスについて、アジア・パシフィック地域を中心に事業基盤を拡大
顧客中心主義徹底のためのフルラインナップ化と体制整備
・SBIグループや外部パートナーの商品・サービス・機能をSBI新生銀行グループのプラットフォームに取り込み、フルラインナップ化を図ることで顧客の選択肢を拡充
・顧客中心主義の徹底の観点から組織体制および業務プロセスを最適化
最新テクノロジーの徹底的な活用
・デジタル技術やAI・ビッグデータの活用による顧客利便性の高いサービスの提供(例:スーパーアプリ・BANKIT®)
・人的資源を高付加価値業務に集中させるための業務プロセスのデジタル化
・SBIグループのフィンテック分野の知見を最大限活用
成長と変革のための組織的能力(人材・ガバナンス・財務)の強化
・働き方 改革を通じた多様な人材確保、高度な人材の育成を通じた高付加価値の創出、SBIグループとの人材交流
・価値共創の拡大に対応するガバナンスの強化・高度化(コーポレート・ガバナンス、リスクガバナンス)
・新たな挑戦を可能にする健全かつ適切な自己資本の確保と、聖域なきコスト削減を含む戦略的な経営資源の投入
(基本戦略3:事業を通じたサステナビリティの実現)
グループ内外の力を徹底活用し、顧客やSBI新生銀行グループのみならず、環境や社会全体の持続可能な発展を実現することを目指してまいります。具体的には、地方創生への取り組み、環境・社会課題解決へ向けた金融機能提供を行うと同時に、顧客に信頼されるサービスを提供することにより金融機関としての社会的責任を果たしてまいります。
地域金融機関や企業、住民、自治体の支援を通じた地方創生への取り組み
・地域金融機関支援プラットフォーマーとなり、地域金融機関の課題解決を支援
・地域金融機関と連携して地域の企業・住民・自治体等に金融機能を提供し、地域経済を活性化
環境・社会課題解決へ向けた金融機能提供
・顧客やパートナーが取り組む、環境・社会課題の解決を支援(サステナブルファイナンスなど)
・グループ内外の価値共創により商品・サービス・機能を提供し、顧客や社会が抱える課題を解決
顧客に信頼される金融サービスの提供
・顧客中心主義に根差した商品・サービス・機能を提供し、顧客と持続的な信頼関係を構築
・高度化・多様化する脅威からお客さまを防衛し、堅牢で安定的な金融インフラを提供
②.新型コロナウイルス感染症への対応
新型コロナウイルス感染症の流行収束後の世界にあっても、SBI新生銀行グループが中期経営計画で示した方向性は変わらず、むしろさまざまな取り組みをより加速していく必要があると考えます。リスクに対するディフェンスとして、ステークホルダーすべての命を守ることを優先しつつ、同時に社会的インフラである金融機関としての責任を担い、顧客と社会に貢献します。
③.リスク管理、コーポレート・ガバナンスの強化と透明性の高い経営
当行は、グループ会社を含めた、「バーゼルⅢ」(銀行法に基づく自己資本比率規制で、当行は基礎的内部格付手法を採用)のスムーズな運用とリスク管理の高度化およびリスク・リターンの的確な把握を経営資源の最適な配分に活用する等、バランスのとれた業務運営により一層努めてまいります。バーゼルⅢに対しては、規制上は国内基準行ではありますが、国際統一基準も意識した運営を行っております。
また、当行ではリスク選好と財務計画の整合性を基礎とする経営管理フレームワークの考え方を整備しております。2020年度からは「リスク選好方針」を定めることによりグループのリスク選好を文書化するとともに、リスク文化、リスク選好に基づく適切な業務執行、リスク管理を基本的な要素として捉え、それらに関する基本的な考え方と基本方針を「グループリスクガバナンスポリシー」として定めております。
当行は、監査役会設置会社を選択しております。このガバナンス体制のもと、(ⅰ)経営の最高意思決定機関である取締役会が中期経営計画や年次計画等経営の基本方針をはじめとする会社の重要な業務執行を決定することで、当行の向かう大きな方向性を示すとともに、経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備などを実施し、(ⅱ)業務執行および取締役会から独立した監査役および監査役会が取締役会に対する監査機能を担うことで、適切な経営の意思決定と業務執行を実現するとともに、組織的に十分牽制の効くガバナンス体制を確立しております。
取締役会においては、一貫して社外取締役の監督機能を重視しており、SBIグループ傘下となり経営陣が交代した2022年2月8日以降においても日常の業務執行を担う社内取締役4名と、国内外の金融業務や法務・ガバナンス、リスク管理、IT・デジタル、不動産事業、及びマスメディアの分野等について豊富な経験と高い専門知識を有した社外取締役5名を配置し、社外取締役が過半数を占める取締役会の構成をとっております。さらに、社外監査役2名を含め、合計7名を独立役員として東京証券取引所に届け出ております。かかる構成のもと、メンバーは、自由に発言し、活発な議論を行うことを通じて会社の方針を決定することにより、「コーポレートガバナンス・コード」が求めるグループの持続的な企業価値の向上や株主の皆さまやお客さまをはじめとする様々なステークホルダーの利益の確保に努めております。2019年3月には、取締役候補の指名および取締役の報酬の決定に係る取締役会機能の客観性と透明性の更なる向上を目的として、任意の「指名・報酬委員会」を設置しました。また、親会社グループとの間の利益相反取引について、少数株主の利益保護の観点から、より慎重な管理体制を構築するため、取締役会の諮問機関として「親法人取引諮問委員会」を2022年3月に設置し、事前の審査及び事後のモニタリングを行う仕組みを導入しました。さらに、取締役会の実効性について毎年評価・分析を行い、洗い出された課題に対する改善案を検討・実施することで、継続的な機能の向上を図っています。なお、2019年度より、コーポレートガバナンス・コードに関して、コーポレート・ガバナンス報告書における任意開示事項についても、その取組方針の全文開示を実施しています。当行の「コーポレートガバナンス・コードに関する取組方針」については、以下のリンク先をご参照ください。
https://corp.sbishinseibank.co.jp/ja/about/governance/governance_report/main/0/teaserItems1/00/linkList/0/link/report_j.pdf
また、日常の業務執行の機動性を確保するため執行役員制度を導入するとともに、代表取締役社長による指揮のもと、取締役会から委任された執行役員がそれぞれ管掌する業務を効率的に遂行する体制を確保しております。さらに、取締役会の承認に基づき、業務執行取締役および執行役員(総括担当役員およびグループ本社の担当役員レベル)等からなる経営会議を設置し、迅速かつ効率的な業務運営を行っております。また、グループ会社に対する内部統制については、グループの経営全般に関する重要事項を決定する場として、主要なグループ会社の業務執行取締役なども参加するグループ経営会議およびグループ重要委員会を設置するとともに、グループ本社で遂行する各間接機能の統括責任者(担当役員)を任命し、権限集約を図り、グループ全体で最適かつ効率的な意思決定を行う体制を整えております。これにより、グループベースのリソース最適化及び意思決定の全体最適化の実現と、グループ本社を通じたより高度なグループガバナンスの実現を一層推進してまいります。
SBI新生銀行グループは、「財務報告に係る内部統制の評価および監査の基準」(いわゆる“J-SOX”)への対応体制を確立し、内部統制システムの運用強化とともに、上場企業として、投資家の目線に立った適時、適切かつ透明性の高い情報開示に取り組んでおります。金融商品取引法等の規定に沿い、お客さま保護や適切な業務運営を念頭にコンプライアンス体制の強化による法令遵守の一層の徹底に引き続き努めてまいります。
中期経営計画の実行を支える経営インフラの整備のうち、システムの安定稼動に努めることは社会基盤の一端を担う金融機関として果たすべき当然の使命であり、重要な経営課題のひとつとして継続して取り組んでおります。また、深刻化・巧妙化するサイバー攻撃に対処するため、専担組織として「SBI新生銀行グループC-SIRT(Computer Security Incident Response Team)」を設置し、2021年度より運用を開始しております。
④.経営健全化計画の達成
当行は、2022年6月に「経営の健全化のための計画」(以下「経営健全化計画」)を金融庁に提出いたしました。
当事業年度においては、単体実質業務純益は456億円と経営健全化計画の目標値400億円を上回りました。また、単体当期純利益は489億円と、経営健全化計画の目標値360億円を上回りました。
当行といたしましては、引き続き公的資金を受けている金融機関としての役割・期待を認識し、その社会的責任を全うするとともに、経営健全化計画の達成に向けて、全社員が一丸となって業務に取り組んでまいります。
今後とも、皆さまには、なお一層のご支援・ご指導を賜りますようお願い申しあげます。
(注記)④.については、子会社等を含まない記述となっております。
以下において、当行及び当行グループ(当行並びにその連結子会社及び関連会社)の事業その他に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営戦略に関するリスク
①.当行の経営戦略について
当行グループのビジネスモデルは、当行グループが提供する商品・サービスに強みがあり、成長性・収益性が見込まれる分野を、小口ファイナンス及び機関投資家向けビジネス、海外ビジネスと位置づけ、積極的に経営資源配分を行うことを企図しております。こうしたビジネスモデルの実践は、当行グループが長期的・継続的に利益を上げるために有効であると考えておりますが、その理解が正しいという保証はありません。また、「SBI新生銀行グループの中期ビジョン」では、中期ビジョン実現のための基本戦略の1つとして「グループ内外の価値共創の追求」を掲げ、SBIグループ及び当行グループの各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供することに取り組んでまいりますが、これが持続可能となるためには、提供される当行グループの商品・サービスがお客さまに受け入れられ支持されることが前提となります。さらには、今後、経営環境、顧客ニーズ、SBIグループ及び当行グループの財務状況等が当初想定と異なる状況となった場合には、中期ビジョンの達成が困難となり、見直しが必要となる可能性があります。
②.法人向け銀行業務の戦略的拡充について
当行の法人向け銀行業務の拡充に当たっては、わが国経済全体の景気動向に加えて、以下のようなリスク及び課題があります。
・当行の法人顧客基盤の規模は国内大手銀行グループより小さいことから、既存の顧客に対する法人向け貸出拡大には限界がある可能性があります。
・わが国の銀行業界における過当競争により、他行の貸出利率が当行が考えるリスク見合いより低い水準となった場合、新規融資獲得における競争力に欠ける可能性があります。
・わが国の銀行業界における競争が厳しいことから、貸出利率における利幅の拡大や債務者のリスクに応じた適切な貸出金利設定が困難となる場合があり、全体としての取引関係の維持及び関連業務の獲得のため、当該顧客の信用格付に鑑みて適切と判断される利率より低い貸出利率で貸付を実行する可能性があります。
・当行が注力しているプロジェクトファイナンス、ノンリコースファイナンスやLBOファイナンス等の新しい貸出形態を含む融資は、更なる成長やその収益性の維持・拡大が保証されているわけではありません。
・貸出以外の業務の一部で、国内大手銀行グループや証券会社、外資系金融機関との競争激化により、想定した収益の獲得が困難となる可能性があります。
・株式市場等の市場環境の悪化により、注力分野の一つであるベンチャー企業や企業オーナー向け融資の機会等が縮小することで、収益性が低下する可能性があります。
・その他、当行が重点的に取り組もうとしている特定の業種・分野について、今後の社会環境の変化や経済動向等に伴って当初想定していた成長が見込めなくなる等といった事態が発生することにより、業務戦略の一部見直しが必要となる可能性があります。
③.リテールバンキング業務の戦略的拡充について
当行は、リテールバンキング業務において、SBIグループ内/当行グループ内での相互送客による規模(口座数、預金量)の拡大、SBIグループとの連携による商品ラインナップの拡充、リアルチャネルの最適化(SBIグループとの共同店舗他)とネットチャネル(アプリなど)の高度化に取り組んでおります。当行のリテールバンキング業務を将来に亘って拡大していくに際しては、以下のようなリスク及び課題があります。
・当行は、メガバンクと呼ばれる他の大手銀行と比較した場合、相対的に店舗数や口座数、預金量といった規模が小さいため、当行が企図する顧客基盤の拡大が容易でない可能性があります。
・当行が提供する資産運用やローン等の商品・サービスについては、他の金融機関との競争の激化やお客さまの嗜好の変化等によって受け入れられなくなるなど、預り資産や収益の拡大に結びつかない可能性があります。
・リテールバンキング業務の提供には、人員の確保や情報システムの安定が不可欠であり、多大な経営資源の投入が必要となる可能性があります。
・将来の法令及び規制等や行政処分が当行のリテールバンキング業務の成長を阻害する可能性があります。
④.コンシューマーファイナンス業務の経営環境について
当行は、2004年度以降事業会社の買収(子会社化)や事業譲受を通じて、中小企業向け融資、消費者金融(個人向け無担保ローン)及び個品割賦市場等に参入し、これらの業務を拡大してきました。
当行及び当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務において我々が直面している課題には、関連する法改正等により大きく変化した事業環境下、いくつかの商品の市場規模がピーク時から比べ縮小するとともに、異業種・業態の参入もしくはボーダーレス化により更に競争が激化している中で取扱量を維持・向上させること、成長市場においては新たな商品・スキーム・IT化促進への取り組みが不可欠なこと、引き続き取引先との緊密な関係を維持する必要があること、並びに当行及びグループ各社の業務の効率性を向上させるために、各社が保有する機能や業務ノウハウの連携や統合をより一層進める必要があること等が含まれます。
当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務については、上限金利及びいわゆる「グレーゾーン金利」の取扱いに関する法令及び規制等の変更により影響を受け、当行は2007年3月期以降、必要に応じて株式会社アプラス(「事業等のリスク」においては、同社、傘下の子会社及び株式会社アプラスインベストメントを包括して「アプラス」という。)及び新生パーソナルローン株式会社(旧商号:シンキ株式会社、2016年8月社名変更。以下「新生パーソナルローン」という。)についてのれん及び無形資産の減損並びに投資損失の計上を実施いたしました。アプラスはこれまで一連の経営変革を行い着実に収益を伸長してまいりましたが、コンシューマーファイナンス業界の経営環境の悪化等により、十分な収益を確保することが出来なくなった場合、または、新生パーソナルローンがコンシューマーファイナンス業界の経営環境の変化に対応するために採る方策が十分でない場合、コンシューマーファイナンス業務が当行グループの経営成績に将来に亘って悪影響を与え続ける可能性があります。(法令及び規制等の変更については下記(7)③.をご参照ください。)
また、債務者一人当たりに対する全貸金業者からの貸付可能総額についての上限を定める総量規制も、貸金業者一般にとって業務上大きな制約となっております。返済期限を迎えた個人向け無担保ローンの債務者は、借り換えが不可能な場合、かかる返済金の支払いができなくなる可能性があります。こうした債務者は複数の貸主から借入れを行っておりますが、法改正が行われて以降、新生フィナンシャル株式会社(旧商号:GEコンシューマー・ファイナンス株式会社。以下「新生フィナンシャル」という。)を含む多くの貸金業者は、厳格化された信用査定基準に従って、これらの債務者に対する追加貸付を制限しております。現時点では顕著な影響を与える現象は生じていないと認識しておりますが、こうした債務者が貸金業者から借入れを続けることができなくなると、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルからのローンも含め、既存のローンについて債務不履行となる可能性があります。
これらの法令等の変更を受けて、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルは必要に応じて過払金返還及び貸倒損失に関する追加の引当て(詳細は下記(6)①.をご参照ください。)を実施しておりますが、今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。
⑤.当行グループの無担保カードローン事業の展開について
当行グループでは、銀行カードローンのニーズがあるお客さまに対しては当行の「SBI新生銀行カードローン」を、消費者金融商品のニーズがあるお客さまに対しては新生フィナンシャルの「レイク」(以下「レイク」という。)を提供しております。(なお、当行で扱っていた「SBI新生銀行カードローン エル」は2018年3月末に、NTTドコモ回線ご契約者向けの「スマートマネーレンディング」は2023年1月4日に、新生パーソナルローンで扱っていた「ノーローン」は2020年6月末に、それぞれを以って新規申込の受付を停止しており、そのときまでにご契約いただいたお客さまに対してのみ、引き続き各々でサービスを提供しております。)
レイクでは、従来の消費者金融商品の顧客層に加えて、デジタルリテラシーの高い、若年層のお客さまに向けた商品開発やマーケティングに力を入れております。加えて、SBIグループの顧客基盤を活用し、グループ協働でのカードローン事業を推進する等、従来手法に限らない獲得方法を模索しております。
貸金業法改正による規制の強化等により、2006年以降、貸金業者による消費者向け貸付残高は大幅に減少した一方、当該規制等の対象外である銀行カードローン残高が増加し過剰な貸付け等が問題視されたことを背景に、銀行による消費者向け貸付けについて、貸金業法の趣旨を踏まえた態勢整備の一層の徹底が求められています。当行グループでは、無担保カードローン事業を注力分野の一つと位置づけ、お客さまのニーズに基づく商品の再構築を行い、貸金業法の趣旨に則った運営を行うとともに、新生フィナンシャル及び新生パーソナルローンでは貸金業法に基づく厳格な運営を行うことで、社会的に責任ある貸し手として、無担保カードローンの健全な市場形成に寄与してまいります。また、2022年4月からの成人年齢引き下げに関しましても貸金リテラシーを重視した対応を行っております。
新生フィナンシャルは、新たな商品の取り扱いに加え、当行本体による個人向け無担保ローンについての保証サービスを継続するとともに、SBIグループのネットワーク等を起点とした他の金融機関向けの保証提携の拡大並びに非金融領域での新たな提携先の開拓に注力し、今後とも安定的な収益を上げ、さらなる成長を図っていく方針です。
当行グループは、上記事業を展開することにより、収益力の向上とコンシューマーファイナンス業界での確固たる地位の構築を目指してまいりますが、個人のお客さまのニーズの変化、法令等の規制動向、同業他社との競合状況等により、当初目標を達成することが困難となり、または事業展開の再検討が必要となる可能性があります。
⑥.金融商品及びサービスの範囲の拡大について
当行の主要な事業戦略は、アプラス、昭和リース株式会社、新生フィナンシャル等のグループ会社とともに、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造にあります。その過程で金融商品、サービス及び投資活動の範囲を拡大したり、引き続き適正なリスク管理の下、様々な資産への投資を検討したりする可能性があります。それら事業活動拡充を行う場合には、以下を含むリスク及び課題があります。
・新規の業務活動は、見込みどおりとは限らず、また、収益を生むものとなる保証もありません。
・当行は、新規事業活動を監督し、指導することのできる人材を獲得し、継続的に雇用することが必要となります。
・情報システム、特に顧客が直接にアクセスできるサービスをさらに拡充する必要があります。
⑦.海外業務の拡大によるリスクについて
当行の業務の大部分は日本国内におけるものですが、その他の市場における事業・投資の可能性について選別的に検討しております。
例えば、ユーロ債の引受け及び資本市場のアドバイザリー業務を行うShinsei International Limited(在英国子会社)の設立、海外での不良債権の買取・再編並びに処理を専門に行う合弁会社の設立や、台湾の金融持株会社である日盛金融控股股份有限公司に対する戦略的投資を行い(2021年3月にエグジット)、さらに、自己勘定によるトレーディング・投資業務を拡大し、米国住宅ローン市場関連、その他の米国・欧州向けを中心としたアセットバック投資等の海外投融資を増加させてまいりました。しかしながら、サブプライム・ローン問題等による世界的な金融市場の混乱の中、海外投融資に係る損失の計上を余儀なくされたことから、当行としては、海外業務の見直しを含む経営資源の戦略的な再配分を行っており、これらリスクの高い海外投融資を縮小してまいりました。
一方で、近時は、アジア・オセアニア地域を中心とした優良案件に対する買収を含めた取り組み強化や地場の金融機関との提携等、限定的ながら海外での業務展開を推進しているところであります。例えば、ニュージーランド最大手のノンバンクであるUDC Finance Limitedを買収(完全子会社化)し、オーストラリアのコンシューマーファイナンスのリーディングカンパニーであるLatitudeグループと資本業務提携しました。
当行が海外において行う業務活動は、以下のような一般的に国際的な業務及び投資に関連するリスク及び課題に直面する可能性があります。
・外貨建資産及び負債に関連する金利及び為替リスク
・外貨資金調達が困難になった場合、外貨資金繰りが不安定化するリスク
・法制度・取引慣行等の相違や事前調査の制約に起因する想定外の事象が事後的に判明・発生することによる、対応費用や課徴金等の発生及び与信関連費用が増加するリスク
・紛争や経済制裁措置の発動等に伴う、当該国でのビジネス機会の縮小・喪失及び対応費用が発生するリスク
・金融サービスの提供及び直接投資に関連する税務及び規制環境の相違
・社会的、政治的及び経済的な状況の変化
・専門人材の不足や確保の困難化により競争力が低下するリスク
・能力があり、地域市場の知識の豊富な従業員の雇用の必要性
このようなリスクは、当行グループとしての投資経験の浅い資産及び地域に投資する場合に高まる可能性があります。
(2)信用リスク
①.貸倒引当金の十分性について
当行グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、貸倒引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当行が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、またはその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒引当金を増やす可能性があります。
例えば、利上げによる長期金利の急上昇を通じた不動産価格の下落に伴う不動産ノンリコースローンの信用リスクの増加や、ロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスクの発現、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響や昨今の物価・為替・金利等の変動を含む企業内外の経済環境等の変化、大規模自然災害・パンデミックの発生による経済活動の停滞、さらには景気後退により、株安、業績不振や雇用悪化が生じ、企業倒産件数や失業者数の増加に伴う貸出金の信用リスクの増加等は、貸倒引当金を増やす可能性があります。これらのリスクに関して、当行はシナリオ分析による想定損失額や自己資本(比率)への影響を把握しており、事象発生時に想定される財務上の影響が、危機的な規模には達せず、自己資本・資金流動性等について一定水準を確保できることを確認しております。不動産市況の悪化のリスクに関しては、国内外の市況・ビジネス動向を定期的に把握し、取組方針レビューを行う取り組みに加え、マクロ経済指標や市場・規制動向等の変化に基づくリスクヒートマップや影響度分析等の予兆管理を実施するとともに、与信制御手段の適切な発動や機動的見直しを行う態勢整備を行っております。
また、当行グループの大口投融資先や与信集中業種については、上記のようなマクロ経済環境以外による信用力悪化にも留意し管理体制の強化を行っております。
当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、今後、これら以外に信用リスクからの損失が発生しない保証はありません。
②.ローン・ポートフォリオにおける与信集中について
2023年3月末現在、連結ベースで当行グループの上位10位までの貸出先は、当行グループの有する貸出金の約10%を占めており、かかる主要な取引先の業績悪化または当行との関係の著しい変化により、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。
2023年3月末現在、当行グループの有する貸出金残高のうち、連結ベースで最も高い集中度を示しているのが約18%を占めている金融・保険業分野でありますが、そのうち消費者金融会社向けの貸出金は、金融・保険業分野に対する貸出金の約10%、当行グループの有する貸出金の約2%をそれぞれ占めています。また、不動産業分野の占める割合は約13%でありますが、そのうち約2割はノンリコースローンであります。これらの分野において、業界全体の低迷や不動産市況の悪化等が生じた場合には、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。
③.自己資本比率規制について
当行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、2023年3月末における連結自己資本比率10.24%(バーゼルⅢ(国内基準)ベース。詳細は後述。)となっております。当行は、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、「事業等のリスク」に記載する各種リスクの顕在化等により、自己資本比率は低下する可能性があります。この最低比率を維持できない場合には、当行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当行の業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。当行が将来追加的な資本を必要とする要因としては、以下のようなものがあります。
・将来における重要な事業または資産の取得:当行は、コンシューマーファイナンス業務等を買収によって拡大してきました。また、不良債権やその他の金融資産の市場にも積極的に参加してきました。当行が将来、魅力的な機会を見出した場合、当行はこれらの機会を追求するために必要な追加的な資本を必要とする可能性があります。
・政府の保有する当行株式の取得:政府は、2023年3月末現在、当行の普通株式46,912,888株を保有しております。当行は、政府が保有する株式を買い取る義務を負っていませんが、かかる買取り(自己株式の取得)を行えば、当行が現在負っている金融庁への健全化計画の提出及び履行状況の報告の義務がなくなります。かかる買取りを行おうとする場合、当行は追加的な資本を必要とする可能性があります。当行及びSBIホールディングス株式会社(以下「SBIHD」という。)は、預金保険機構及び整理回収機構との間で、2023年5月12日付で「公的資金の取扱いに関する契約書」を締結しており、同日時点の公的資金の残額が合計で349,374,894,942円であることを確認するとともに、SBIHD及び当行は、公的資金について、会社法その他の法令を遵守し、当行の財務の健全性並びに事業上の必要性及び成長性を害することのない範囲で、可能な限り早期に要回収額を返済するよう努めること、SBIHD及び当行は、かかる早期の公的資金の返済に向けて当行の収益及び企業価値の更なる向上に取り組むとともに、2025年3月末日までに、その返済に関する具体的仕組み(返済に関して想定されるスケジュールを含みます。以下同じです。)につき預金保険機構及び整理回収機構に提案し、かかる提案の後、SBIHD、預金保険機構、整理回収機構及び当行は、公的資金の返済に向けた具体的仕組みについて誠実に協議の上、2025年6月末日までに、具体的仕組みについて合意すること(但し、合意される返済スキーム及びこれに基づく返済は、公的資金の早期返済、株主平等原則を含む法令の遵守、当行の財務の健全性並びに事業上の必要性及び成長性、並びに当行の各株主の権利を勘案したものでなければならないものとすること)等を合意しております。この契約書は、公的資金の残額を確認する部分を除いて、本スクイーズアウト手続(詳細は下記(8)⑥.をご参照ください。)における株式併合の効力が発生することを条件として初めて効力を生ずるものとされています。
・バーゼル銀行監督委員会による自己資本に関するバーゼル合意(バーゼルⅢ)に沿った自己資本比率規制では、当行は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において基礎的内部格付手法を採用しておりますが、内部格付手法においては債務者の信用状況の悪化等により所要規制資本が増大する可能性があります。
・かかるバーゼルⅢにおける国内基準は2014年3月末から適用が開始されておりますが、バーゼルⅢ規制最終化に関し2024年3月末までに対応完了することが求められております。当行は、継続的にビジネスを安定的かつ円滑に展開していくため、バーゼルⅢの規制枠組みの達成を念頭に置いた自己資本の量・質の向上を図っていく所存であります。
・上記の自己資本比率規制のさらなる高度化や見直しに加えて、レバレッジ比率規制や流動性規制をはじめ、新たな規制強化策の導入が決定または議論されていますが、かかる規制強化策が将来適用された場合、規制の内容によっては、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、当行が、かかる状況に対処するため、またはその他の理由によりさらなる追加的な資本増強を必要とした場合に、適切な時期にそれを行えず、または資本増強が困難な状況に直面した場合、当行によるビジネスチャンスの追求や事業戦略の遂行は制約される可能性があります。
(3)市場リスク
①.マーケットの変動及び不安定要因による影響について
当行は、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動します。例えば、金利の上昇は、一般的に、債券ポートフォリオに悪影響を与えます。さらに、当行のポートフォリオ中の債券に対する信用格付の低下またはデフォルトは、当行業績に悪影響を与える可能性があります。当行が当行の取引・投資に関連して、将来において投資による損失を計上しない保証はありません。
また、近時では、2007年以降のサブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融・資本市場の混乱、2011年3月に発生した東日本大震災による日本経済の一時的な落ち込み、さらには2010年の欧州債務危機をはじめとした、いわゆるソブリンリスクの高まり、マイナス金利を含む金融政策の変更や2020年年初に顕在化した新型コロナウイルス感染症の影響の長期化、2022年2月の地政学リスクの高まり等、実体経済や金融市場の動揺を引き起こす事態が連続して発生しております。このような事態が発生した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下による信用リスク・アセットの増加、急激な株式相場の下落や長期金利の上昇に伴う債券価格の下落等による資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、利鞘の縮小等が予想され、これらが当行グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②.ローン及びその他の資産への投資に関するリスクについて
当行は、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却または証券化することを目的としております。そのため、特定の資産または特定の格付もしくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当行の収益が予想より少ない場合(当行により証券化された資産のプールにおいて、当行グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当行及び当行グループの損益及び財政面が悪影響を受ける可能性があります。また、こうした当行が取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当行が魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。
(4)流動性リスク
①.資金調達について
近年、安定的な資金繰り運営を継続することを目的として、資金調達方法の多様化や、調達環境の状況に応じた流動性リスク指標のモニタリングを通じ、適切な流動性リスク管理に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。
・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。
・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債またはその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。
・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当行の資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。
・地政学リスクの発現や大規模自然災害・パンデミックの発生を端緒とした金融市場の混乱や金融経済環境の悪化等により、資金調達の条件悪化を含め、外貨資金調達が不安定化、非効率化する可能性があります。
・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、または十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。
②.信用格付の影響について
格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、または一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当行の資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当行及び当行グループの損益・財務面が悪影響を受ける可能性があります。
(5)オペレーショナル・リスク
①.事務事故・不正等について
当行グループでは、幅広い金融業務において大量の事務処理を行っております。当行では、事務フローの改善、事務指導、研修等の実施や、表記方法の見直し等による手続内容の明確化等事務水準の向上にも努めており、具体的な事務管理策としては、事務処理状況の定期的な点検等により事務レベルをチェックする体制等を整えております。また、お客さま本位の業務運営に反した行為等のコンダクトリスクに対して、ミスコンダクト事案の広範な捕捉やリスク軽減策の実施等の管理体制の高度化にも努めております。しかしながら、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。当行グループや外部委託先の役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こした場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
2020年1月に、アプラスで取り扱う「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」において、審査書類の改ざんや不自然な不動産評価があった等の一部報道がなされたことを受け、社外の弁護士を委員長とする特別調査委員会(以下「本委員会」という。)をアプラス内に設置し調査を進めた結果、収入証明書の改ざんが行われたと認定された案件が確認されました。アプラスの役職員の関与や、第三者評価機関の不動産評価がアプラス社内で改ざんされるなどの不正は認められず、第三者評価機関によって不当な不動産評価がなされたといった事実も認められませんでしたが、本委員会より、収入証明書の改ざんを生じさせた背景として、投資用マンションローンの商品設計・審査体制上の問題や、アプラスのガバナンス・内部統制の体制に関する問題が指摘されました。
アプラスでは、既に「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」の取扱を停止しており、これまでもリスクコントロールの観点から、段階的に手続きや審査基準の厳格化を行っており、これが結果的には収入証明書の改ざん等の不正防止に一定の効果があったと考えられる旨を公表しておりますが、本委員会より再発防止策として、(ⅰ)今後の新規商品導入における商品特性の重視、(ⅱ)事業運営における審査機能の独立性確保、(ⅲ)事業者管理の再確認、(ⅳ)効率性とリスク管理のバランス、について提言を受けており、アプラスはこれをビジネス遂行全般の問題として真摯に受け止め、お客さまの保護、営業・審査等の体制面の強化、ガバナンス体制の見直しを重点に、再発防止に取り組んでいます。この「投資用マンションローン」及び「提携型サポートクレジット」の収入証明書の改ざんが、当行グループに及ぼした影響は限定的ですが、今後アプラスの再発防止策が有効に機能しなかった場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
2022年3月から4月にかけて、当行で2013年12月31日までに投資信託特定口座の取引を開始したお客さまの口座に関し、保有されていた投資信託の取得価額及び取得単価(以下「取得価額情報」という。)に誤りがあった口座が存在することが判明いたしました。対象特定口座の一部において、取得価額情報に誤りが存在する結果、投資信託の売却に伴う譲渡所得金額、国税・地方税等の金額及び源泉徴収後の入金額に誤りが生じていたことが判明しました。今後同様の事務処理の誤りが判明した場合、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②.情報システムへの依存について
当行の業務の中でも、とりわけリテールバンキング業務においては、その業務戦略の一つとして、当行の情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しております。この方法は費用効率がよいものではありますが、当行の業務はシステムの容量及び信頼性に大きく依存しております。過去に、ATMやインターネットバンキング・サービス、あるいは他行宛送金取引における不具合が発生しました。これらについては原因の究明及び十分な再発防止策を講じており、今後同様の不具合を繰り返すことのないよう万全を期してまいりますが、顧客数及び取引数の増加またはその他の理由により、今後とも不具合やサービスの停止が生じない保証はありません。
当行のハードウェア及びソフトウェアは、人為的なミス、地震等の自然災害、停電、妨害・不正行為、コンピューターウイルス等によるサイバー攻撃またはインターネットプロバイダー、クラウドサービス事業者等の第三者からのサポートサービスの中断等により、損害を受け、または機能しなくなる、または機密情報漏洩や、ハッキング・フィッシングを通じた銀行口座やウォレット等での不正利用や不正送金が増加する可能性があります。
当行の情報システムは、緊急性・重要性の高い業務についてのバックアップ機能を備えておりますが、これらの機能が十分である保証はありません。さらに、当行のバックアップ・プランは、サービスの大規模な中断時に生じるおそれのあるあらゆる偶発事象に対処できない可能性があり、レピュテーションや営業基盤の棄損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③.個人情報等の保護について
近年、企業や金融機関等が保有する個人に関する情報や記録の漏洩または不正アクセスに関する事件が多発しています。2005年4月より「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が全面的に施行されたことに伴い、当行としても、個人情報を保有する金融機関として、個人情報保護法に従い個人情報の保護に努めております。しかしながら、万一事故があった場合、それによる損害に対し賠償を行わなければならない事態が発生し、または監督機関の処分を受ける可能性があります。さらに、そうした事故が発生することにより、当行の営業やブランドに対する一般の認識に悪影響が及ぶおそれがあり、その結果として顧客や市場の当行に対する信用が低下する可能性があります。
④.訴訟について
当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心にコンシューマーファイナンス業務(消費者金融業務、信販業務)、リース業務等の各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤.有能な従業員の雇用について
既存の市場における当行の地位及び顧客基盤を最大限活かすために、卓越した商品知識・技術及び専門的で豊富な経験や実績を有した従業員を採用し、活用することが事業戦略上重要であります。当行は、投資銀行業務、リテールバンキング業務、海外事業の戦略分野、デジタル・トランスフォーメーション分野や財務会計等のさまざまな分野において、豊富な実績と経験、専門性を有する従業員を必要としております。さらに、情報システムにおけるインフラを維持し、向上させるためには、熟練した技術者を雇用し、訓練し、かつ定着させる必要があります。これらに対して、雇用経路の拡大、多様な人材が能力を発揮できる柔軟な働き方の整備、育成強化実践等の施策を打ち出しております。例えば、従業員に対する定期的なエンゲージメントサーベイ結果を踏まえ、各種人事施策の見直しを行い、SBIグループ各社への公募異動制度により従業員の自律的なキャリア形成の支援を行っております。しかしながら、当行は、他の銀行のみならず、金融業以外の業種との間で、このような従業員の採用において競合関係にあり、中堅及びベテラン層の退職者増加により人材流動化が加速しているなかで、当行が業務戦略分野及び基幹分野遂行のための有能な人材を採用し、定着させられる保証はなく、当行グループの競争力低下、業績・財務状況への悪影響を及ぼす可能性があります。また、中堅・ベテラン層の退職者の増加に起因した、内部管理やリスク管理水準の低下により問題事案が顕在化し、業務運営に及ぼす制約が強まる可能性があります。
⑥.重要な経営陣の退社による事業への影響について
事業を引き続き成功させることは、当行の業務執行取締役や執行役員等、上級経営陣の業務能力にかかっています。上級経営陣の誰かの将来における退社が、当行の業務遂行に悪影響を与える可能性があります。
(6)財務面に関するリスク
①.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について
「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という。)の上限金利を年20%に引き下げる改正(2006年12月成立、2010年6月施行)以前から、「利息制限法」は貸付金額に応じて年15%から年20%を、貸付債権に適用できる上限金利として定めていました。そして、「出資法」の上限金利と「利息制限法」の上限金利との差額は一般に「グレーゾーン金利」、超過利息あるいは過払金と呼ばれていました。「利息制限法」の下では、超過利息の支払いを定める契約は、かかる超過部分に関して無効であるとされます。しかし、かかる利息制限にかかわらず、「貸金業法」では、超過利息の支払いが任意になされ、かつ貸金業者が貸付実行及び返済に関する各種書面交付義務を遵守している限りは、「出資法」の上限金利以下であれば、超過利息の支払いは有効であるとされておりました。
しかし、2006年1月の最高裁判所の判決では、超過利息の支払いは原則として任意になされたものとはみなされないものとされました。(詳細は下記(7)③.をご参照ください。)
アプラス及び新生パーソナルローンは過払金返還及びそれに関連する貸倒損失について引当金を計上しておりますが、過払金返還のための引当てに関する2006年10月の日本公認会計士協会公表の監査委員会報告を適用した影響もあり、2006年9月中間期に、両社は引当金を増額しました。さらに、上限金利を引き下げる改正法が2006年12月に最終的に成立したことを受けて、アプラスは、大手貸金業者が高リスク債務者への貸付を制限することやそれによって生じる債務不履行の増加及び過払金返還請求の最新の動向を含む、マーケットの変化を考慮して、改めて引当金計上の前提を検討し、現在に至るまで、必要に応じて相当額の追加引当てを行ってきております。また、新生パーソナルローンは適切に引当てを行ってきております。
新生フィナンシャルについては、同社は、2008年9月にGEジャパン・ホールディングス株式会社(買収当時。以下「日本GE」という。)よりその子会社を含めて取得したものですが、買収に際して相当額の利息返還損失引当金を計上したほか、日本GEとの取り決めに従って一定額を超える部分の過払金返還等損失について日本GEから補償金を受領していました。2014年3月末、同時点以降の将来に発生が見込まれる過払金返還等損失の額の現金一括払いを日本GEから新生フィナンシャルが受けることにより、日本GEによる損失補償は終了し、新生フィナンシャルは同金額を利息返還損失引当金として追加計上いたしました。
近時では過払利息返還の対象となる母集団の口座数の減少や債務者等の代理人となる弁護士事務所及び司法書士事務所の広報活動の減少を背景として、「グレーゾーン金利」に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回って推移しており、当行といたしましては、上記の措置を講じたことにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、引当金額は過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、将来的に発生する過払金返還請求を考慮するために適切ではない可能性があるため、現在の引当金額が過払金返還請求によって生じる損失に対処するために十分であるという保証はありません。現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当行グループの損益状況や財務状況に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。
②.年金制度及び年金資産に関するリスクについて
当行の年金資産の時価が下落した場合や、将来の退職給付債務の予測計算の基礎に関する事項が変動した場合(年金資産の期待運用収益率が低下する等)、さらに、退職給付制度が変更された場合、年金費用計上額が増加する可能性があります。また、利子率を巡る環境の変化や他の要因が未積立退職給付債務額や毎年の費用処理額に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)金融諸環境等に関するリスク
①.金融サービス市場における競合について
規制緩和、当行を含む国内銀行による収益源の多様化に対する取り組み並びに外国企業及び外国人投資家の参入により、わが国の金融サービス市場は極めて競争の激しいものとなっております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行より優位に立つ企業もあります。当行の主要な競争相手は以下のとおりです。
・大手銀行:わが国における大手銀行グループは、資産、顧客ベース、支店数及び従業員数の観点から見ても、当行より規模が大きく、また、これらの銀行グループは、様々な投資銀行業務を行っており、かつ、子会社または関係会社として証券会社を有しているうえ、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。さらに、大手銀行グループ同士の経営統合が成功した場合には、日本の金融市場における競争がより激しくなる可能性があります。また、当行は下記(8)②.に記載のとおり金融庁への経営健全化計画の提出・定期的な見直しの義務を負っていますが、上記の大手銀行グループは、既に政府が保有していた株式を消却するとともに金融庁への健全化計画の提出義務から解放されており、より柔軟な経営を行える可能性があります。
・証券会社/投資銀行:国内の証券会社及び主要な外国投資銀行の日本における関係会社を含み、当行は、コーポレート・アドバイザリー及び投資活動を含む様々な事業領域において、このような企業と競争関係にあります。
・その他の銀行:信託銀行、地方銀行、一部の海外商業銀行の日本支店及びリテール専門のインターネット専業銀行等とは、これらのその他の銀行が営むそれぞれの分野において競争関係にあります。
・政府系金融機関:日本のリテールバンキング部門においては、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)が依然として最大の預貯金総額を有しております。2012年4月に成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」では、政府が大部分の株式を保有する日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によるゆうちょ銀行等の株式処分が期限のない努力義務とされた一方、ゆうちょ銀行等に対する新規業務規制については日本郵政がゆうちょ銀行等の株式の二分の一以上を処分した後は認可制から届出制に移行するとされております。また、2016年4月にはゆうちょ銀行の預入限度額規制が1,000万円から1,300万円に、2019年4月には1,300万円から2,600万円(通常貯金と定期性貯金についてそれぞれ1,300万円)に引き上げられました。2015年11月にはゆうちょ銀行等は東京証券取引所に上場され、2017年9月には政府による日本郵政の株式の第2次売出しが実施され、2019年4月には日本郵政による株式会社かんぽ生命保険の第2次売出しが実施され、2021年10月には政府による日本郵政の株式の第3次売出しが実施され、2023年3月には日本郵政によるゆうちょ銀行の第2次売出しが実施されましたが、依然として、ゆうちょ銀行等の完全民営化に向けた具体的な道筋は示されておらず、引き続き政府がゆうちょ銀行等の相当部分の株式を実質的に保有しています。このように政府関与が残されたまま届出制に移行する場合や業務規制が緩和される場合には、ゆうちょ銀行等の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、当行を含む民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。また、政府系金融機関については、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫について完全民営化への動きが進捗した時期もありましたが、2015年5月に「株式会社日本政策投資銀行法」及び「株式会社商工組合中央金庫法」において、完全民営化の時期を「できる限り早期に」とする、具体的な年限を示さない法改正が成立しました。なお、商工組合中央金庫については、成立(公布日)から2年以内に業務範囲の見直し・政府保有株式の全部売却等を含む「中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律」が211回国会において可決されております。今後、完全民営化等が実現されなかった場合や、新たな形での政府の金融市場への参画が行われた場合、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
・消費者金融会社及びノンバンク:当行が自ら及び子会社を通じて行っている業務において競争関係にあります。
・その他の金融サービス提供者:当行または当行の子会社、関連会社は、債権回収会社及びプライベート・エクイティ・ファンド並びに他の投資家と競争関係にあります。
さらに、金融サービス市場には、特に個人・中小企業向けローン市場を中心に、当行や当行の子会社を含む既存の金融サービス企業及び新規参入企業により、手軽で安価な手数料で行うことを可能とする決済サービス、クラウドファンディング、仮想通貨や人工知能(AI)の活用等、お客さまのニーズと金融技術(以下「FinTech」という。)を融合させた新しい金融サービスが導入されており、当行の貸出金残高の縮小及び金利競争による利鞘縮小の可能性があります。このリスクに対しては、FinTech企業への出資及び提携を通じて、異業種の持つサービス、データやノウハウ等の共有、融合による価値共創ビジネスを主な戦略に掲げておりますが、FinTechへの対応が遅れた場合、当行や当行の子会社が提供するサービスが陳腐化し競争力を失う可能性があります。また、FinTech等スタートアップ企業と大手金融機関の連携の流れが加速し、連携について競争が激化することで当行グループの価値共創戦略の優位性が低下する可能性があります。さらには、デジタル・トランスフォーメーション分野における戦略策定・業務推進において、必要なスキルを有した専門人材の不足や確保の困難化に起因して競争力が低下する可能性があります。
当行の業務にかかる競争は今後も激化を続けることが見込まれ、当行が現在及び将来の競争相手と効果的に競争できない可能性があります。
②.金融機関に対する監督官庁による広範な規制等について
当行グループは業務を行うにあたり、会社法、銀行法、独占禁止法、金融商品取引法、貸金業法、外国為替及び外国貿易法、犯罪による収益の移転防止に関する法律等並びに外国における同様の法律等の広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。当行及び当行の関係会社は、金融当局による自己資本規制その他の銀行業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けており、これによって、ビジネスチャンスを追求できないことがあります。当行及び当行のいくつかの関係会社は、業務全般及び貸出資産分類に関して、金融庁またはその他の政府機関によりモニタリングを受けております。加えて、金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、重大なレピュテーショナルリスクに晒されるほか、当行または当行のそれらの関係会社が銀行法第26条その他の法令の規定に基づく「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分やその他の制裁・罰則・損害賠償請求を受けること等により、当行または当行のそれらの関係会社の業務に制限を受け、評価が悪化し、または経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及び当行の関係会社は、これらの命令が発せられた際には、これを厳粛に受け止め、再発防止に向けた抜本的な措置を講じるとともに、全行・全社が一丸となってその履行に努めてまいります。
当行並びにその子会社及び関連会社は、コンシューマーファイナンス業務に関する規制、とりわけ貸金業法(並びに出資法及び利息制限法)の規制に服しています。これらの法令に係る裁判所や金融庁による解釈及び2006年12月に成立した改正法により、コンシューマーファイナンス業務は影響を受けてきました。金融庁や他の政府機関によるコンシューマーファイナンス業務に対する規制上の監視強化によって、かかる業務に従事する当行の子会社や関連会社が適用法令の遵守を怠ったことが判明した場合、これらに対する行政措置がとられる可能性があります。
当行を含む銀行がお客さまに対して販売する仕組預金は通常の預金と異なる投資リスクを内包しているため、銀行は各顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に応じて仕組預金の性質や詳細について適切な説明をすることを求められます。金融商品取引法には、仕組債やその他の投資商品についての説明義務を強化する規定が盛り込まれており、これに伴って、銀行法上も、デリバティブ預金、外貨預金及び通貨オプション組入型預金等の投資性の強い預金について、広告等に関する規制や契約締結前の書面交付義務、適合性原則等、金融商品取引法上の行為規制が準用されることになっております。例えば、円建て仕組預金にお預け入れいただく際には、利息等の一部が預金保険の対象外となっているため、お客さまに対して、その旨周知徹底を図っております。これらの新たな規制の導入に伴い、当行は、内部コンプライアンス体制のより一層の強化を図っておりますが、これらの遵守を怠った場合は、民事責任を負いまたは行政上の措置を受ける可能性があります。
③.コンシューマーファイナンス業務にかかる法令及び規制等について
当行のコンシューマーファイナンス業務を行う子会社におけるカードローン等の融資業務事業(以下「貸金業事業」という。)は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資法」並びに外国における同様の法律等の適用を受けております。また、2011年10月より事業を開始した当行本体における個人向け無担保ローン事業については、「出資法」、「利息制限法」の適用を受けており、さらに貸金業者の適正な運営確保と借り手の利益保護という「貸金業法」の趣旨を踏まえつつ、銀行法の下において適切に運営していくことが求められているものと認識しております。2010年6月に施行された改正「出資法」の貸付上限金利は年20%であり、また、利息制限法では、元本金額に応じて利息の最高限度を定めており、これらを超える金利で貸付を行うことはできません。
また、「利息制限法」第1条で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、利息の最高限度(元本金額により年利15%乃至20%)の超過部分について無効とするとされております。2010年6月施行にかかる改正前の「貸金業法」第43条では、同法所定の書面が金銭貸付時及び弁済時に債務者等に交付され、かつ、当該超過部分について債務者が利息として任意に支払った場合において、その支払いが同法に規定する書面が交付された契約に基づく支払いに該当するときは、「利息制限法」第1条第1項(当時)の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすとされておりました。
しかし、貸金業業界において、「貸金業法」に定める契約書記載事項等の不備を理由に、「利息制限法」に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について返還を求める訴訟が多数提起され、これを認める判決も多数下されております。最高裁判所は、2006年1月、貸付けに関する契約書に、債務者が超過利息を含む約定利息の支払いを遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする判断を下しました。金融庁も、かかる最高裁判所の判断に従った貸金業法の施行規則の改正を行いました。当行の貸金業事業も含め、多くの貸金業者が用いる貸付けに関する契約書には、このような期限の利益喪失特約条項が設けられていたことから、最高裁判所の判断及び金融庁による貸金業法の施行規則改正は、超過利息について支払いを拒む債務者や、既に支払った超過利息の返還を求める債務者の増加等により、当行の貸金業事業を含む貸金業一般に対して重大な悪影響を与えております。さらに、2010年6月に施行された改正貸金業法では、一人の顧客が貸金業者から借り入れることのできる総額についても、原則として年収の3分の1を上限とする新たな規制(総量規制)を課しており、このことも貸金業者にとって業務上大きな制約となっております。
一方で、銀行による個人向け無担保ローンについては、借入人の年収確認義務や年収に対する貸付限度等の規制は、現状、対象外となっており、一部では、行き過ぎた広告や過剰融資が問題として指摘される動きが出てきたことにより、業界の自主規制というかたちで、適正化が図られておりますが、更に今後の動向次第では、当行本体における個人向け無担保ローン事業や新生フィナンシャルが行う金融機関向けの信用保証業務に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。
アプラスの消費者金融、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルについては、2007年度より新規顧客及び既存顧客の一部については既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行ってきましたが、2010年6月の完全施行により、新規貸付は全て利息制限法の範囲内で実施しております。今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。
当行グループのコンシューマーファイナンス業務における包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業は「割賦販売法」の適用を受けており、これにより各種の事業規制(取引条件の表示、書面の交付・情報の提供等、契約解除等に伴う損害賠償等の額の制限、信用購入あっせん業者に対する抗弁、支払能力を超える購入の防止、継続的役務に関する消費者トラブルの防止等)を受けております。2018年6月の同法改正施行では、新たな事業規制として「カード加盟店調査等の義務」等が加わり、クレジットカード番号を取り扱うことを認める契約を締結する事業者に対して「加盟店管理」の一層の強化を図る旨の規定が導入され、また、2021年4月の同法改正施行では、近年のクレジットカードのセキュリティリスクの高まりを踏まえ、監督官庁による包括信用購入あっせん業者の監督手段を強化するため、業務の全部または一部の停止を命ずることができる旨の規定が導入されました。当行グループのコンシューマーファイナンス業務は、法令等を厳格に遵守する体制にありますが、今後万一、意図せずに同法に抵触する行為等が生じた場合、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が直接適用を受けるものではありませんが、当行グループのコンシューマーファイナンス業務の提携先の中に「特定商取引に関する法律」(以下「特定商取引法」という。)の適用を受ける提携先があります。「特定商取引法」は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)に関する法令ですが、これまでにクーリングオフの延長、役務取引、電話勧誘販売や訪問購入取引の規制、特定継続的役務における指定役務の追加、訪問販売等における指定商品・指定役務制の廃止等の改正が実施されてまいりました。同法の適用を受ける提携先の動向によっては、包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業に影響を及ぼす可能性があります。
④.法令及び規制等の変更等の影響について
当行は現時点の規制に従って業務を遂行していますが、法律、規則、税制、実務慣行、法解釈、財政及び金融その他の政策の変更または当局との見解の相違並びにそれらによって発生する事態が、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。
⑤.わが国の金融システム全般の不振に伴うリスクについて
わが国の金融システムの健全性に懸念が持たれた場合、当行を含む銀行の業務及び財政状態に、以下のような影響を与える可能性があります。
・わが国の金融市場に関する否定的な報道により、預金者からの信頼が損なわれ、当行の企業イメージまたは当行の株価が悪影響を受ける可能性があります。
・国際金融市場において、当行を含む国内金融機関がリスク・プレミアムの要求または信用規制を受ける可能性があり、それにより、当行の海外での資金運用・調達が影響を受ける可能性があります。
・政府は、社会経済全体の利益を保護する政策を導入する可能性があり、それは個々の銀行の株主の利益とは反する可能性があります。
・金融庁は、当行を含む銀行に対する定期検査または特別検査の結果、規制、会計等についての政策を変更する可能性があります。
⑥.災害等の発生による悪影響について
当行グループは、国内外において店舗、事務所やデータセンター等の施設等を保有しておりますが、このような施設等は常に地震や台風等の大規模自然災害やテロ・犯罪等の発生による被害を受ける可能性があります。また、地政学リスクの発現やパンデミックの発生により、当行グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。当行グループは、各種緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、緊急時における態勢整備を行っておりますが、被害の程度によっては、当行グループの業務の一部が停止する等、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、地政学リスクの発現や大規模自然災害・パンデミックの発生を端緒とした景気の悪化、多数の企業の経営状態の悪化、株価の下落等が生じる可能性があります。その結果、当行グループの不良債権及び与信関連費用が増加したり、保有している金融商品等において売却損や評価損が生じること等により、当行グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦.環境・社会に配慮しない投融資等について
近年、気候変動などの環境課題及び社会課題の顕在化に伴い、国内外での法令及び規制等の対応が厳格化され、金融機関に対しては、資金提供者として、環境・社会のサステナビリティに一層配慮することが期待されています。かかる背景から、環境・社会課題に適切な対応を行わない事業への投融資や関連取引を経営リスクと捉えています。
当行グループにおいては、統合的なリスク管理のフレームワークにおいて、環境・社会課題等のサステナビリティに関するリスクを重要なリスクとして特定し、これらのリスクに対する予兆管理や対応力の強化を継続的に進めています。
しかしながら、ステークホルダーからの期待・目線は日増しに高まっており、当行グループの取り組み、リスク管理態勢の整備、それらの情報開示が期待から大きく乖離した場合等には、当行グループの競争力の低下及びレピュテーションの毀損等により、当行グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(当行グループのサステナビリティについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」も合わせてご覧ください。)
(8)その他
①.リスクマネジメントポリシーの有効性について
当行は、金融機関として健全性・収益性の高い業務運営を確保するために当行グループの抱える様々なリスクをコントロールする必要があるとの認識のもと、そのリスクの総和を把握し、能動的な管理を行うため、リスクについての基本的認識及びリスク管理の基本方針を、リスクマネジメントポリシーとして制定しております。このポリシーのもとで、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、法務・事務・システム等のオペレーショナル・リスク等、各種のリスクの内容に応じて特定の委員会を設置し、リスクを管理する体制を構築しております。
当行は、リスクマネジメントポリシー及びそのための手続に則り、リスク管理の強化に注力しておりますが、急速な業務展開に伴い、かかるポリシー及び手続が、リスクの認識及び管理に際して充分に機能しない可能性があります。当行のリスク管理方法には、過去の市場動向の観測を基準にしているものがあるため、将来のリスク・エクスポージャーを必ずしも正確に予測できない可能性があります。業務上の諸リスク並びに法令及び規制等に対応するためには、多くの取引及び事象の検証に基づいて、ポリシー及び手続を適切に制定、改廃する必要があり、そうした調整が充分に行われるまではこのようなポリシー及び手続は、効果が十分でない可能性があります。また、当行が買収する可能性のある事業については、より広範な統合手続の中の一環として行わなければならないため、リスクマネジメントポリシーの実施及び管理が特に困難なものとなる可能性があります。これらの結果、当行の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②.当行の経営に対する政府の影響力について
当行の普通株式の保有者である政府(預金保険機構及び整理回収機構)は、当行の経営に影響力を有します。政府は、2023年3月末現在、合計で当行の普通株式を46,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約23.0%)を保有しています(預金保険機構保有分26,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約13.2%)、整理回収機構保有分20,000,000株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約9.8%))。
整理回収機構から公的資金を受ける際に、当行は、法律に基づき経営健全化計画を作成し、これを定期的に見直しするよう義務づけられております。当行は、経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合には、金融庁より、業務改善命令を受ける可能性があります。さらに、その際には業務改善命令に基づく業務改善計画を提出した後、その内容を反映した経営健全化計画の修正計画を提出いたしますが、同計画が達成されないときはさらなる行政処分を受ける可能性があります。また、同計画については、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等には、金融庁から業務改善命令を受け、業務改善計画の提出・履行等を求められる可能性があります。
当行及びSBIHDは、預金保険機構及び整理回収機構との間で、2023年5月12日付で「公的資金の取扱いに関する契約書」を締結し、公的資金の返済に関する今後の取扱い等について一定の合意をしております。(詳細は上記(2)③.をご参照ください。)
しかし、政府が当行の普通株式をいつまで保有するかは明らかではありません。政府がこれらの株式を保有する限り、当行が政府から公的資金の注入を受けている状態が継続します。
金融庁は、2005年10月28日に、「公的資金(優先株式等)の処分の考え方について」を公表し、公的資本増強により取得した優先株式等の処分について、「納税者の利益」の立場により重きを置いた財産管理という観点を踏まえ、公的資本増強行の経営の健全性の維持及び市場への悪影響の回避を前提としつつ、金融システム安定化の果実として公的資金から生じる利益を確実に回収することを基本とするとの方針を確立しました。また、預金保険機構に対し、公的資本増強行を巡る局面の変化に応じ、今後とも、公的資本増強行自らの資本政策に基づく申出による処分を基本としつつ、あわせて、優先株式の商品性やその時点での株価の状況等を踏まえ、適切かつ柔軟な対応を行いうるようにしておくよう求めました。預金保険機構は、これを踏まえ、同日、「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応について」を公表し、金融機関からの申出があった場合の対応に加え、新たに、申出がなくても処分を検討する場合の考え方・判断基準を示しました。この考え方・判断基準は引き続き当行にも適用されることが、「公的資金の取扱いに関する契約書」(詳細は上記(2)③.をご参照ください。)において確認されています。
したがって、今後も、政府が当行経営に必要に応じて影響を与える可能性があります。政府は、株主及び監督当局の両方の立場から、当行の経営陣が当行の戦略全般に沿っていないと考える活動を求める可能性があります。
③.普通株式の配当に関する制約について
当行の普通株式の配当につきましては、経営健全化計画等に基づき、原則として、経営健全化計画に記載された普通株式配当金の数値が当該年度の配当金の上限であると考えられております。
かかる制約により、当該年度の当行の利益に照らして十分な配当が行われないおそれがあります。
なお、後述の本公開買付け及び本スクイーズアウト手続(詳細は下記(8)⑥.をご参照ください。)を経て、当行の株主は、SBI地銀ホールディングス株式会社、預金保険機構及び整理回収機構のみとなることが予定されています。
④.当行による募集株式の発行・自己株式の処分による影響について
当行の取締役会は、通常は株主総会決議を経ずに、発行可能株式総数の範囲内で募集株式を発行することができます。
将来当行が新規に募集株式を発行し、または自己株式を処分した場合、株式が希薄化するおそれがあります。募集株式の発行等及びその可能性があることが、当行の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
なお、後述の本公開買付け及び本スクイーズアウト手続(詳細は下記(8)⑥.をご参照ください。)を経て、当行の株主は、SBI地銀ホールディングス株式会社、預金保険機構及び整理回収機構のみとなることが予定されており、その過程で当行株式は東京証券取引所スタンダード市場から上場廃止される予定です。
⑤.当行の親会社について
SBIホールディングス株式会社(以下「SBIHD」という。)の完全子会社であるSBI地銀ホールディングス株式会社(以下「SBI地銀ホールディングス」という。)が、2021年9月10日から2021年12月10日までを公開買付期間として行った当行の普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)により、本公開買付けの決済の開始日である2021年12月17日をもって、SBI地銀ホールディングスは当行の普通株式56,922,199株を取得するとともに、SBIHDはSBI地銀ホールディングスを通じて間接的に保有する部分を含め当行の議決権の47.77%(2021年9月30日現在の当行の発行済株式数及び自己株式の数を基準としています。)に相当する99,659,999株を保有することとなりました。これにより、SBIHDは当行の親会社かつ銀行主要株主に、SBI地銀ホールディングスは当行の銀行主要株主かつ筆頭株主となるとともに当行のその他の関係会社に、それぞれ該当することとなりました。
その後、当行の親会社であるSBIHDは、同社が所有する当行株式(42,737,700株)について、SBI地銀ホールディングスに2022年2月1日付で譲渡しました。
さらに、SBI地銀ホールディングスは2022年10月11日に銀行持株会社の認可を取得し、同年同月14日から21日までの間に当行株式を2,500,000株追加取得し、当行の議決権の50.04%(2022年9月30日現在の当行の発行済株式数および自己株式の数を基準としています。)に相当する102,159,999株を保有するに至り、2022年10月21日付で当行を子会社とする銀行持株会社となりました。
SBI地銀ホールディングスは、当行の親会社であり銀行持株会社であり、また、SBIHDはSBI地銀ホールディングスの完全親会社であることから当行の親会社であり銀行主要株主であります。
これまで、当行では取締役、銀行主要株主等関連当事者との間の利益相反取引について社内規程を制定し、適切な管理を行う体制となっておりましたが、SBIHDグループとの間の重要な取引の決定に際しては、当該取引が当行の少数株主にとって不利益をもたらさないかについて、より慎重な管理体制を構築するため、独立社外取締役全員で構成される「親法人取引諮問委員会」を設け、同委員会において事前の審査及び事後のモニタリングを行うことで、利益相反管理体制に遺漏無きことを期してまいります。
⑥.当行の親会社による公開買付け及びスクイーズアウトについて
SBI地銀ホールディングスは、2023年5月15日から同年6月23日までを公開買付期間として、当行株式の全て(但し、当行が保有する自己株式、並びに預金保険機構及び整理回収機構が保有する当行株式を除きます。以下同じです。)を取得することにより、当行の株主をSBI地銀ホールディングス、預金保険機構及び整理回収機構のみとする非公開化を目的とした、当行株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を開始するとともに、本公開買付けの結果当行株式の全てを取得するに至らなかった場合は、当行の株主をSBI地銀ホールディングス、預金保険機構及び整理回収機構のみとするための、当行株式に関する株式併合を含む一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」という。)を実施する予定であると公表しています。本公開買付け及び本スクイーズアウト手続の過程で当行株式は東京証券取引所スタンダード市場から上場廃止となり、当行の株主はSBI地銀ホールディングス、預金保険機構及び整理回収機構のみとなることが予定されています。
当行取締役会は、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、当行の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しております。
本公開買付けは予定どおり2023年6月23日をもって終了し、7,547,389株の応募があったとのことです。応募株式に関する決済が完了すると、SBI地銀ホールディングスは合計109,707,388株(議決権割合約53.73%(2023年3月31日現在の当行の発行済株式数および自己株式の数を基準としています。))の当行株式を保有することとなります。また、SBI地銀ホールディングスは本公開買付けによって当行株式の全てを取得するには至らなかったため、今後本スクイーズアウト手続の実施が予定されます。具体的な日程は本書提出時点で未定ですが、本スクイーズアウト手続の過程で、一定の予告期間を経て当行株式は東京証券取引所スタンダード市場から上場廃止となる予定です。上場廃止されると、当行株式を東京証券取引所スタンダード市場で取引することはできなくなります。株主の皆様が本公開買付けに応募せず、上場廃止までに売却もしなかった当行株式については、本スクイーズアウト手続を経て、本公開買付けの買付価格と実質的に同一の単価で金銭交付がなされる予定です。
重要なリスク
SBI新生銀行グループでは、経営上重大な影響を及ぼす可能性の高いリスクを「重要なリスク」(トップリスク)とし、定量化が困難な非財務リスクも含めて、グループリスクポリシー委員会等での議論を踏まえて選定しています。現在、長期金利の上昇や地政学リスクの発現を端緒とした与信関連費用の増加及び保有有価証券の価値下落のほか、人材リスクの顕在化、ITリスクなどを重要なリスクとして選定しています。これらの重要なリスクに対しては、予兆管理の高度化や対応力の強化を重点的に取り組んでいます。
2023年3月現在、以下を重要なリスクとして選定しております。
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リスクシナリオ |
内容・影響 |
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1.与信関連費用の増加 |
●長期金利の上昇や地政学リスクの発現、大規模自然災害・パンデミックの発生を端緒とした世界的な景気後退や不動産担保価格の下落に伴う、与信関連費用の増加。 ●大口投融資先や与信集中業種の信用力悪化に伴う、与信関連費用の増加。 |
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2.金利上昇リスク |
●各国中央銀行の金融政策の変更や更なる政策金利の引上げを端緒とした金利上昇に伴う、保有有価証券の価値下落及び調達コストの増加。 |
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3.外貨流動性に関するリスク |
●地政学リスクの発現や大規模自然災害・パンデミックの発生を端緒とした金融市場の混乱に伴う、外貨流動性の低下及び外貨調達コストの増加。 |
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4.人材リスクの顕在化 (新規採用の困難化・退職者の増加) |
●人材獲得競争の激化を背景とする新卒・中途採用の困難化に起因した、戦略分野及び基幹分野における競争力の低下。 ●人材流動化の加速を背景とする中堅・ベテラン層の退職者の増加に起因した、内部管理上の問題の顕在化及び業務運営上の制約の強まり。 |
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5.ITリスク (サイバー攻撃・システム障害) |
●サイバー攻撃による顧客情報の流出・決済機能等の停止や、サイバー金融犯罪による不正利用・不正送金の発生に伴う、直接的な損失の発生及び評判の悪化。 ●システム障害の発生による顧客情報の流出や決済機能等の停止に伴う、直接的な損失の発生及び評判の悪化。 |
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6.法令違反や役職員等による不適切な行為 |
●役職員等による法令違反や社会的規範から逸脱した不適切な行為・不作為に起因した、直接的な損失の発生及び評判の悪化。 ●マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策等の不備に起因した、行政処分及び直接的な損失、評判の悪化。 |
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7.海外事業推進に関するリスク |
●海外事業の企画・推進・管理に必要な専門人材の不足に伴う、競争力の低下。 ●海外における法制度・取引慣行等の相違や事前調査の制約に伴う、想定外の事象に対する対応費用・課徴金等の発生及び与信関連費用の増加。 |
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8.環境問題や社会問題への対応に関するリスク |
●環境問題(気候関連問題を含む)や社会問題への対応に関する法規制等の厳格化。 ●当行グループの環境・社会問題への対応が不十分と看做されることに起因した、競争力の低下及び評判の悪化。 ●環境・社会問題に対する対応が不十分な投融資先の業況悪化に伴う、与信関連費用の増加。 |
なお、「事業等のリスク」は、重要なリスクも踏まえて選定しています。
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
〔金融経済環境〕
当連結会計年度における世界経済は、世界的な物価上昇圧力の高まりや、高進する物価を抑制するための急速な金融引き締めの進展等により、成長ペースが鈍化したとみられます。日本経済は、物価上昇が消費の回復の重石となった一方で、インバウンド需要の回復や、社会・経済活動の正常化に向けた動きが進展したこと等により、緩やかな成長が続いたとみられます。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、2022年3月に利上げを開始して以降、政策金利を急速なペースで引き上げました。2023年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、米国銀行の経営破綻に伴う不確実性の高まりのもとでも、0.25%の利上げを継続し、フェデラルファンド金利の誘導目標は4.75%~5.00%となりました。一方、日本銀行は、大規模な金融緩和政策を維持していましたが、2022年12月の金融政策決定会合において、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の運用見直しを決定し、長期金利(10年国債利回り)の変動幅を、従来の±0.25%程度から±0.5%程度に拡大しました。
金融市場を概観しますと、債券市場では、2022年3月末時点で2.3%程度であった米国の長期金利(10年債利回り)は、米国内の根強いインフレの抑制に向けて、FRBが急速な金融引き締めを進めるもと、2022年10月にかけては上昇基調で推移し、一時4.2%を上回りました。その後は、米国の雇用・物価情勢や米欧の金融システム不安の台頭、それを受けた金融政策の先行きに対する見方の変化に伴って、米国の長期金利は上下に変動し、2023年3月末には3.5%程度となりました。一方、国内の長期金利は、0.25%程度を上限とした推移が続きましたが、2022年12月の日本銀行の長短金利操作の運用見直しを受けて、0.5%程度まで上昇しました。2023年3月には、米欧の金融システム不安の台頭により、国内の長期金利も低下し、2023年3月末には0.3%台となりました。
為替市場では、対米ドルの円相場は、FRBによる政策金利の大幅な引き上げ等を背景に、急速な円安・米ドル高が進行し、2022年10月には一時150円超となりました。その後は、米国の長期金利低下や日本銀行による長短金利操作の運用見直し等を背景に、円高・米ドル安基調に転じ、2023年以降、円は一時120円台まで増価しました。2023年3月にかけては、やや円安・米ドル高方向に戻して、2023年3月末には133円台(2022年3月末比約11円の円安・米ドル高)となりました。対ユーロでは、欧州経済の悪化懸念がユーロ安要因となったものの、欧州中央銀行による大幅な利上げの実施や、金融引き締めの長期化観測がユーロ高要因となり、概ね円安・ユーロ高方向の推移となりました。ユーロ・円は2023年3月末には144円台(同比約9円の円安・ユーロ高)となりました。
株式市場では、世界的な金融引き締めに伴い、米国を中心に概ね弱含みで推移しましたが、日本の株式相場は、企業業績の改善等もあり、一進一退ながら底堅く推移しました。
〔事業の経過及び成果〕
SBI新生銀行グループは、2022年度から2024年度を対象期間とする中期経営計画「SBI新生銀行グループの中期ビジョン」を策定しており、以下3つの基本戦略を掲げております。
基本戦略1:グループ内外の価値共創の追求
基本戦略2:強みの深化とフルラインナップ化
基本戦略3:事業を通じたサステナビリティの実現
中期経営計画の初年度における各ビジネス分野の取り組み状況は以下のとおりです。
(法人業務)
《個別戦略》
法人ビジネスは、次の4点の目標を実現するため、事業法人向け、機関投資家向け、金融法人向けに以下に掲げる取り組みを実行しております。中期ビジョンの初年度となる当年度は、法人ビジネス全体において経営トップをはじめ役職員による営業活動量を大幅に増加させております。
・ 顧客中心主義の徹底による顧客基盤の拡大
・ SBIグループとの連携によるフルラインナップの商品提供
・ 機関投資家向けビジネスにおける強みの一層の強化
・ 地域金融機関のプラットフォーマーとして地域経済・企業の活性化に貢献
1.事業法人向けビジネス
経営陣が主導する積極的な営業をはじめとした、顧客接点の増大による新規顧客の開拓と既往先との取引深耕により、営業資産および収益は大きく拡大いたしました。
SBIグループとの連携を強化し、ベンチャー企業及びその企業オーナーのお客さまに対するファイナンスに注力しております。この分野は特にSBIグループとのシナジー効果が望める分野と考えており、引き続き連携を深化・加速して相互のお客さまの紹介や良質な顧客基盤の拡大につなげてまいります。
また、お客さまが成長ステージにおいて抱える様々な経営課題の解決のため、SBIグループと一体となって最適なソリューションの提供に取り組んでおります。SBIグループの出資先に対して当行がローンを実行する等のグループ一体となった支援が複数実現しております。
ビジネス活動を通じたサステナビリティを実現するべく、様々なタイプのサステナブルファイナンスに取り組んでおります。当年度には、法人ビジネス全体で従来から取り組んでいるグリーンローン、ソーシャルローン、サステナビリティ・リンク・ローンに加えて、新たにトランジション・リンク・ローン、ポジティブ・インパクト・ファイナンスも案件が成約しており、合計で4,513億円のファイナンスを実行いたしました(お客さまのフレームワークに準拠したファイナンスを含む)。引き続き、脱炭素に向けたプロセスとして注目の高まっているトランジションファイナンスについては、営業部内に設置した専門部署が中心となって取り組みを加速させてまいります。
2.機関投資家向けビジネス
再生可能エネルギー領域を中心とするプロジェクトファイナンスへの取組みを引き続き強化しており、従来の太陽光発電プロジェクトに加えて、陸上風力やバイオマス発電についても注力しております。ファイナンスの組成に際しては地元金融機関の他、多くの地域金融機関との協働を推進することで、機関投資家向けビジネスの拡大および金融分野における地域経済の活性化への貢献を進めております。また、地方創生の視点も踏まえ、グリーン(再生可能エネルギー)、ソーシャル(ヘルスケア等)の両面において地域金融機関と連携してのサステナブルファイナンスの提供にも取り組んでおります。SBIグループとの連携による投融資機会の拡大も推進しており、当年度にはLBOファイナンスの分野において複数のLP(リミテッド・パートナー)出資へのコミットを行っており、出資を契機としたSBIグループと共同での投融資機会についても追求してまいります。
3.金融法人向けビジネス
地域金融機関のプラットフォーマーを目指し、当行グループの強みであるストラクチャードファイナンス、サステナブルファイナンス、ローンシンジケーション等の積極的な推進を通じて、地域金融機関との連携を強化しております。連携の効果として新たに複数の融資協調案件が成約・実行されている他、ストラクチャードファイナンス分野でのトレーニー受入等を通じて相互のノウハウを共有し、連携の深化に向けて案件協調を活性化しております。また、SBIグループとの協業を通じて、当行グループのみならずSBIグループも含めた機能提供に関する協議を進めております。
地域金融機関が抱える経営課題へのソリューション提供、商品性の高度化のサポートの一つとして、当行グループのアプラスが提供する金融プラットフォーム機能「BANKIT®(バンキット)」、同じく新生フィナンシャルによる信用保証提携を推進し、複数の地域金融機関において導入決定に至っております。引き続き、地域金融機関、SBIグループ、当行グループが三位一体となって地方創生の具現化を推進する「トライアングル戦略」構想に基づき、これらの投融資における連携、グループ機能提供等においてより一層の協業を推進してまいります。
(個人業務)
《個別戦略》
個人ビジネスは、個別戦略として「顧客中心主義の徹底による、顧客の立場に立ったサービスの提供」「SBIグループとの連携によるフルラインナップの商品提供」「テクノロジーの活用による顧客利便性の高いサービスの提供」の3つを掲げており、以下に掲げる取り組みを実行しております。
1.小口ファイナンス
小口ファイナンスは、子会社である新生フィナンシャル、アプラスを中心としてビジネスを推進しております。
新生フィナンシャルを中心として提供する無担保ローンは、SBIグループの顧客基盤の活用、UI/UXの改善、ブランド認知の強化による無担保ローン顧客拡大、地域金融機関への信用保証事業の拡大、および事業法人との連携強化に取り組んでおります。主力商品である「レイクALSA」についてはブランド名を「レイク」に変更するとともにブランドロゴを刷新し、Webサイトや公式アプリ「レイクアプリ」についてもデザインの刷新や新機能の追加など、リニューアルを実施しました。また、プロゲーミングチーム「SBI e-Sports」を運営する SBI e-Sports株式会社との提携や新タレントの起用によるクリエイティブの刷新など、SBIグループとしてのシナジーの追求やブランドの認知強化に向けた取り組みを実施しました。地域金融機関との連携については、既存の提携先との連携を強化したほか、SBIグループが持つネットワークを活用した新たな地域金融機関との連携に向けて取り組んでおります。
アプラスにおいては、ショッピングクレジット、クレジットカード、ペイメントなどを提供しており、グループ機能・提携先を有効活用したクレジットカードの会員獲得、ショッピングクレジット顧客の拡大に取り組んでおります。新たな提携先とのショッピングクレジットの提供やクレジットカードの発行のほか、株式会社SBI証券と連携し、アプラスが発行する所定のクレジットカードを使って投資信託の積み立てができる「クレカ積立」のサービスも開始しました。また、ネオバンク・プラットフォーム「BANKIT®」においては、サービスを強化するため、これまでの「エンベデッド・プラン」に加えて新たに「ホワイトラベル・プラン」の提供を開始し、お客さまがBANKIT®をより低コスト・短期でご利用できる環境を整えました。さらに、顧客基盤の拡大や新たな事業展開による成長を目指して、関西電力グループでリフォームローンなどを手掛けてきた株式会社クリアパスの株式を取得し子会社としました。
2.リテールバンキング
リテールバンキングは、SBIグループ内/当行グループ内での相互送客による規模(口座数、預金量)の拡大、SBIグループとの連携による商品ラインナップの拡充、リアルチャネルの最適化(SBIグループとの共同店舗他)とネットチャネル(アプリなど)の高度化による顧客満足度の向上に取り組んでおります。また、アプラス、新生フィナンシャルなどの当行グループ各社、SBIグループ各社、さらには外部との価値共創を推進しております。
当行は、マネックス証券株式会社との金融商品仲介業務、株式会社SBI証券との金融商品仲介業務及び銀行代理業のサービスを提供し、お客さまが当行のWebサイトや店舗でマネックス証券株式会社もしくは株式会社SBI証券の証券総合口座を開設することで、各社が取り扱うさまざまな金融商品・サービスの利用を可能としました。また、株式・投資信託・保険・住宅ローンなどの多種多様な金融商品と専門的なアドバイスをワンストップで提供するSBIマネープラザ株式会社と共同店舗「SBI新生銀行マネープラザ」を池袋、梅田、銀座に開設し、当行とSBIマネープラザ株式会社が協働して行う対面コンサルティング営業による質の高いアドバイスを通じて、株式会社SBI証券が提供する多様な金融商品・サービスの利用を可能としました。その他にも、口座をお持ちのお客さま向け優遇サービス「ステップアッププログラム」のリニューアルや定期預金金利の大幅な引き上げ、ATM手数料の全面無料化、SBI新生銀行アプリのリニューアルなど、お客さまの利便性と満足度の向上に資する取組みを通じて、口座数や預金量を大きく拡大しました。
3.住関連ローン
住関連ローンは、競争力のある商品提供による顧客基盤の拡大、SBIグループとの連携によるオペレーション効率化に取り組んでおります。また、当行グループ各社、SBIグループ各社および外部との相互送客、他社比競争力のある商品設計、債権管理や業務運営のノウハウをグループ内で共有することによる効率的かつ効果的な業務フローやサービスの向上を目指しております。
当行の住宅ローンは、これまでも事務取扱手数料定額型の商品や保証料が原則不要といったサービス等を提供しておりますが、昨今の海外各国の政策金利の利上げ、円安の進行、それらを背景とした物価高など環境の変化によって、毎月の生活費を少しでも抑えたいというお客さまのニーズの高まりにお応えするため、新規借入や借換のお客さまを対象として金利・事務手数料優遇キャンペーンを実施しました。また、新たにSBIマネープラザ株式会社への銀行代理業の委託を開始するなど、お客さまのさまざまなニーズにお応えするべく、商品・サービスを拡充しました。
(海外業務)
《個別戦略》
海外ビジネスは、個別戦略として「アジア・パシフィック等の地域において、フィンテックを駆使した金融サービスの提供により、ノンバンクに強みを有する銀行グループとしての存在感を確立」「SBIグループとの連携により、ノンオーガニックの成長機会を拡大し、海外ビジネスをSBI新生銀行グループの主要ビジネスの一つにする」の2つを掲げております。
当年度はニュージーランド所在のUDC Finance Limitedの業績が堅調に推移したほか、同社が現地のディーラーグループのファイナンス事業を買収するなど、収益基盤の強化も図っております。また新たな事業基盤拡大を獲得すべく、SBIグループ及びその出資先等の組織的能力を活用する等連携も進め、成長著しいアジア・パシフィック地域を主なターゲットとして、小口ファイナンスビジネスを中心に企業買収や事業機会の発掘に引き続き取り組んでおります。また、海外人材育成のため、海外出資先やSBIグループへの若手トレーニーや出向者派遣、新生フィナンシャルなど国内子会社との人材交流等を推進しております。
(財務基盤)
当連結会計年度末には、バーゼルⅢ(国内基準)ベースでの連結自己資本比率は10.24%となり、引き続き十分な水準を確保しております。
当行では、中期ビジョン(2024年度末に目指す姿)の一つとして、「公的資金返済に向けた道筋を示す」という目標を掲げております。その実現のため、中期ビジョンでは株主還元方針について、「事業戦略の実践による収益力の向上を最優先する」としております。また、2023年3月30日には、当行株式の希薄化懸念の低減および流通株式比率向上のために、保有する自己株式54百万株の消却を実施しております。
今後の株主還元政策については、収益動向等の経営成績やその将来の見通し、安全性や内部留保とのバランス、各種規制等に留意して運営してまいります。
(業績)
以上のような事業経過のもと、当連結会計年度において、経常収益は4,218億円(前連結会計年度比485億円増加)、経常費用は3,697億円(同比246億円増加)、経常利益は521億円(同比238億円増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は427億円(同比223億円増加)となりました。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
連結損益の状況
|
|
前連結会計年度 (億円) |
当連結会計年度 (億円) |
増減 (億円) |
|
|
業務粗利益 |
2,175 |
2,402 |
227 |
|
|
|
資金利益 |
1,256 |
1,387 |
130 |
|
|
非資金利益 |
918 |
1,015 |
96 |
|
経費 |
1,554 |
1,616 |
62 |
|
|
実質業務純益 |
621 |
786 |
164 |
|
|
与信関連費用 |
311 |
220 |
△90 |
|
|
与信関連費用加算後実質業務純益 |
310 |
565 |
255 |
|
|
のれん・無形資産償却額 |
32 |
35 |
2 |
|
|
その他利益 |
7 |
△12 |
△19 |
|
|
税金等調整前当期純利益 |
284 |
517 |
232 |
|
|
法人税等合計 |
81 |
90 |
8 |
|
|
非支配株主に帰属する当期純利益 |
△0 |
0 |
0 |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
203 |
427 |
223 |
|
(注)1.上記の区分表記は経営管理上のものであり、基本的に単体(経営健全化ベース)と同様の基準で作成しておりますが、開示の適切性の観点から必要な組み替えを行っております。
2.連結損益計算書においては、のれん償却額及び無形資産償却額は経費の中に含まれております。
3.与信関連費用加算後実質業務純益(セグメント利益の合計)=業務粗利益-経費-与信関連費用
上表にある非資金利益は、役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益から構成されています。
役務取引等利益は、主に、不動産ファイナンスやプロジェクトファイナンスなどの貸出業務にかかる手数料収益、リテールバンキング業務での投資信託や保険商品の販売などにかかる手数料収益、コンシューマーファイナンス業務での保証業務関連収益、ペイメント業務にかかる手数料収益などにより構成されます。
特定取引利益は、お客さまとの取引に伴うデリバティブ収益のほか、当行の自己勘定で実行された取引からの収益で構成されます。
その他業務利益は、リース収益・割賦収益、金銭の信託運用損益、トレジャリー業務による有価証券売却損益などにより構成されます。
1.経営成績の分析
当行グループの当連結会計年度の業績は、SBIグループとの連携強化と顧客基盤の拡大などを通じ、預金量は9.9兆円、営業性資産は10.3兆円、また、親会社株主に帰属する当期純利益は427億円となり、収益力の強化が着実に進展しております。預金量と営業性資産については、中期経営計画の2024年度目標を達成しました。
今後も、財務目標の達成に向け、SBIグループとのシナジー創出施策の深化や各ビジネスにおける営業性資産の伸長と機動的なアセットコントロールなどにより、顧客基盤および財務基盤の「量」と「質」を両立させ、更なる収益力の強化を目指してまいります。
<中期経営計画の財務目標に対する達成状況>
|
財務目標(連結) |
|
2021年度 |
2022年度 |
|
|
顧客基盤 |
顧客数 |
380万 |
305万 |
316万 |
|
財務基盤 |
預金量(注)1 |
8.0兆円 |
6.3兆円 |
9.9兆円 |
|
営業性資産(注)1、2 |
10.0兆円 |
8.1兆円 |
10.3兆円 |
|
|
収益力 |
連結純利益 |
700億円 |
203億円 |
427億円 |
|
健全性 |
CET1比率(注)3 |
10%以上を目途とする |
11.6% |
10.0% |
(注)1.「預金量」および「営業性資産」に記載の金額は、0.1兆円未満を切捨て表示しています。
2.「営業性資産」は貸出金、有価証券、金銭の信託、買入金銭債権、リース債権及びリース投資資産、有形リース資産、無形リース資産、支払承諾見返、割賦売掛金等の残高の合計です。
3.「CET1比率」は普通株式等Tier Ⅰ比率(バーゼルⅢ 国際基準/完全施行ベース)です。
当連結会計年度における主な項目の分析は、以下のとおりであります。
(1)業務粗利益
資金利益については、貸出残高増加に伴う利息収入や、トレジャリーにおける配当収益の増加等により、前連結会計年度に比べて増加しました。
非資金利益(役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益等の合計)については、融資手数料の増加や法人業務でのデリバティブ関連収益の増加に加えて、アプラスでのショッピングクレジットの取り扱いの増加等により、前連結会計年度に比べて増加しました。
業務粗利益
|
|
前連結会計年度 (億円) |
当連結会計年度 (億円) |
増減 (億円) |
|||
|
業務粗利益 |
2,175 |
2,402 |
227 |
|||
|
|
資金利益 |
1,256 |
1,387 |
130 |
||
|
|
非資金利益 |
918 |
1,015 |
96 |
||
|
|
|
役務取引等利益 |
340 |
391 |
50 |
|
|
|
|
特定取引利益 |
66 |
37 |
△28 |
|
|
|
|
その他業務利益 |
512 |
585 |
73 |
|
|
|
|
|
うちリース収益・割賦収益 |
499 |
543 |
43 |
(2)経費
経費については、広告費等の営業推進にかかる費用の増加、商号変更やSBIグループとのシナジー創出に向けた費用の発生等により、前連結会計年度に比べ増加しました。
経費
|
|
前連結会計年度 (億円) |
当連結会計年度 (億円) |
増減 (億円) |
|
|
経費 |
1,554 |
1,616 |
62 |
|
|
|
人件費 |
625 |
646 |
20 |
|
|
物件費 |
928 |
970 |
41 |
(注)経費は、財務会計上の営業経費から、のれん償却額、無形資産償却額及び臨時的な費用を控除したものであります。なお、臨時的な費用は、財務会計上の人件費に含まれる退職給付費用の数理計算上の差異の償却及びその他臨時費用等により構成されております。
(3)与信関連費用
与信関連費用については、法人業務での大口案件の回収等により、前連結会計年度に比べて減少しました。
与信関連費用
|
|
前連結会計年度 (億円) |
当連結会計年度 (億円) |
増減 (億円) |
||
|
与信関連費用 |
311 |
220 |
△90 |
||
|
|
貸出金償却・債権処分損 |
27 |
11 |
△16 |
|
|
|
貸倒引当金繰入額 |
372 |
305 |
△66 |
|
|
|
|
一般貸倒引当金繰入額 |
199 |
245 |
45 |
|
|
|
個別貸倒引当金繰入額 |
172 |
60 |
△111 |
|
|
|
特定海外債権引当勘定繰入額 |
- |
- |
- |
|
|
リース原価に含まれる不良債権処理額 |
2 |
1 |
△0 |
|
|
|
償却債権取立益(△) |
△91 |
△98 |
△6 |
|
(4)その他利益及び法人税等合計
その他利益については、前連結会計年度に比べて減少し、法人税等合計は、前連結会計年度に比べて増加しました。
その他利益及び法人税等合計
|
|
前連結会計年度 (億円) |
当連結会計年度 (億円) |
増減 (億円) |
|
|
その他利益 |
7 |
△12 |
△19 |
|
|
|
うち利息返還損失引当金繰入額 (△戻入益) |
11 |
11 |
△0 |
|
|
うち特別損益 |
1 |
△3 |
△5 |
|
法人税等合計 |
81 |
90 |
8 |
|
(5)セグメント別の業績
(法人業務)
業務粗利益は、貸出残高増加に伴う利息収入の増加に加えて、法人営業やストラクチャードファイナンスでの融資手数料の増加や、デリバティブ関連収益の増加等もあり、前連結会計年度に比べて増加しました。与信関連費用は、主にストラクチャードファイナンスで大口案件の貸倒引当金繰入が生じず、貸倒引当金戻入益の計上があったことから、前連結会計年度に比べて減少しました。その結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。
(個人業務)
「リテールバンキング」
セグメント損益は、預金利息の増加や、資産運用商品の販売関連収益の減少等により、前連結会計年度に比べて減少となりました。
「コンシューマーファイナンス」
業務粗利益は、レイク事業の利回り低下による利息収入の減少等があったものの、アプラスのショッピングクレジットの取り扱いの増加等により、前連結会計年度に比べてほぼ横ばいとなりました。与信関連費用は、無担保カードローン事業において、前連結会計年度は新型コロナウイルス感染症関連の給付金による償却減少があった一方で、当連結会計年度は貸出残高の増加やカードローン市場の信用状況の悪化がみられたこと、及びアプラスにおいて、営業債権残高が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて増加しました。その結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて減少しました。
(海外事業/トレジャリー/その他)
業務粗利益は、市場性運用業務での配当収益の増加や、前連結会計年度に計上した国債等債券売却損の反動等により、前連結会計年度に比べて増加しました。与信関連費用は、前連結会計年度に計上した貸倒引当金戻入益の反動等があり、前連結会計年度に比べて増加しました。その結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。
セグメント別の業績
|
|
前連結会計年度 (億円) |
当連結会計年度 (億円) |
増減 (億円) |
||||
|
|
業務粗利益 |
セグメント 利益 |
業務粗利益 |
セグメント 利益 |
業務粗利益 |
セグメント 利益 |
|
|
法人業務 |
671 |
111 |
757 |
384 |
86 |
273 |
|
|
個人業務 |
1,511 |
301 |
1,493 |
141 |
△18 |
△160 |
|
|
|
リテールバンキング |
258 |
19 |
238 |
△28 |
△19 |
△48 |
|
|
コンシューマーファイナンス |
1,253 |
282 |
1,254 |
169 |
1 |
△112 |
|
海外事業/トレジャリー/その他 |
△7 |
△103 |
151 |
39 |
158 |
143 |
|
|
合計 |
2,175 |
310 |
2,402 |
565 |
227 |
255 |
|
詳細は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」(セグメント情報等)をご覧ください。
2.財政状態の分析
当連結会計年度末において、総資産は13兆6,948億円(前連結会計年度末比3兆3,833億円増加)となりました。主要な勘定残高の推移は、以下のとおりであります。
主要勘定残高
|
|
前連結会計年度 (億円) |
当連結会計年度 (億円) |
増減 (億円) |
|
資産の部合計 |
103,114 |
136,948 |
33,833 |
|
うち有価証券 |
6,746 |
15,727 |
8,981 |
|
うち貸出金 |
52,418 |
68,888 |
16,469 |
|
うちのれん・無形資産 |
148 |
148 |
△0 |
|
うち繰延税金資産 |
107 |
95 |
△11 |
|
うち支払承諾見返 |
5,847 |
8,427 |
2,580 |
|
うち貸倒引当金 |
△1,194 |
△1,184 |
10 |
|
負債の部合計 |
93,871 |
127,283 |
33,411 |
|
うち預金・譲渡性預金 |
63,980 |
99,822 |
35,842 |
|
うち借用金 |
9,784 |
6,070 |
△3,713 |
|
うち社債 |
3,801 |
3,670 |
△130 |
|
うち支払承諾 |
5,847 |
8,427 |
2,580 |
|
純資産の部合計 |
9,243 |
9,665 |
421 |
(1)貸出金
貸出金は、法人向け貸出残高の増加を主因に、全体では6兆8,888億円(前連結会計年度末比1兆6,469億円増加)となりました。
① 国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
|
業種別 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金 額 (百万円) |
構成比(%) |
金 額 (百万円) |
構成比(%) |
|
|
国内(除く特別国際金融取引勘定分) |
4,791,670 |
100.00 |
6,460,879 |
100.00 |
|
製造業 |
207,088 |
4.32 |
338,845 |
5.24 |
|
農業,林業 |
- |
- |
- |
- |
|
漁業 |
- |
- |
- |
- |
|
鉱業,採石業,砂利採取業 |
397 |
0.01 |
305 |
0.00 |
|
建設業 |
13,881 |
0.29 |
20,190 |
0.31 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
397,271 |
8.29 |
497,807 |
7.71 |
|
情報通信業 |
48,614 |
1.02 |
53,935 |
0.84 |
|
運輸業,郵便業 |
170,524 |
3.56 |
215,219 |
3.33 |
|
卸売業,小売業 |
95,612 |
2.00 |
138,929 |
2.15 |
|
金融業,保険業 |
465,450 |
9.71 |
1,132,241 |
17.52 |
|
不動産業 |
702,177 |
14.65 |
820,269 |
12.70 |
|
各種サービス業 |
388,278 |
8.10 |
515,546 |
7.98 |
|
地方公共団体 |
52,316 |
1.09 |
259,474 |
4.02 |
|
その他 |
2,250,057 |
46.96 |
2,468,115 |
38.20 |
|
海外及び特別国際金融取引勘定分 |
450,147 |
100.00 |
427,923 |
100.00 |
|
政府等 |
- |
- |
- |
- |
|
金融機関 |
22,823 |
5.07 |
15,587 |
3.64 |
|
その他 |
427,323 |
94.93 |
412,336 |
96.36 |
|
合計 |
5,241,817 |
- |
6,888,803 |
- |
(注)1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
② 貸出金の残存期間別残高(単体)
|
|
前事業年度 (億円) |
当事業年度 (億円) |
増減 (億円) |
|
貸出金合計 |
52,796 |
72,556 |
19,759 |
|
1年以下 |
13,186 |
22,411 |
9,225 |
|
1年超3年以下 |
8,560 |
11,212 |
2,652 |
|
3年超5年以下 |
8,100 |
9,626 |
1,526 |
|
5年超7年以下 |
4,096 |
6,683 |
2,586 |
|
7年超 |
16,832 |
20,715 |
3,883 |
|
期間の定めの無いもの |
2,020 |
1,906 |
△114 |
|
うち固定金利 |
─── |
─── |
─── |
|
1年以下 |
─── |
─── |
─── |
|
1年超3年以下 |
291 |
875 |
583 |
|
3年超5年以下 |
408 |
385 |
△22 |
|
5年超7年以下 |
275 |
854 |
579 |
|
7年超 |
7,192 |
6,567 |
△625 |
|
期間の定めの無いもの |
1,935 |
1,800 |
△134 |
|
うち変動金利 |
─── |
─── |
─── |
|
1年以下 |
─── |
─── |
─── |
|
1年超3年以下 |
8,268 |
10,337 |
2,068 |
|
3年超5年以下 |
7,692 |
9,240 |
1,548 |
|
5年超7年以下 |
3,821 |
5,829 |
2,007 |
|
7年超 |
9,639 |
14,148 |
4,509 |
|
期間の定めの無いもの |
85 |
105 |
20 |
(注)残存期間1年以下の貸出金については、固定金利、変動金利の区別をしておりません。
③ 資産の査定
不良債権については、金融再生法ベースの開示債権(単体)において、当事業年度末は215億円(前事業年度末は361億円)、不良債権比率は0.28%(前事業年度末は0.66%)となり、引き続き低水準を維持しております。
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
銀行法及び金融再生法の開示基準に基づく債権(連結)
|
債権の区分 |
2022年3月31日 |
2023年3月31日 |
増減 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
241 |
249 |
8 |
|
危険債権 |
445 |
251 |
△194 |
|
要管理債権 |
632 |
719 |
86 |
|
うち、三月以上延滞債権 |
11 |
6 |
△4 |
|
うち、貸出条件緩和債権 |
622 |
713 |
91 |
|
合計 (A) |
1,319 |
1,220 |
△98 |
|
正常債権 |
58,194 |
77,538 |
19,344 |
|
総与信残高(末残) |
59,512 |
78,758 |
19,245 |
|
総与信残高比(%) |
2.21 |
1.54 |
△0.66 |
|
貸倒引当金 (B) |
1,194 |
1,184 |
△10 |
|
引当率(B/A×100)(%) |
90.61 |
97.10 |
6.49 |
(注)連結貸借対照表の「割賦売掛金」のうち、2022年3月末現在で、破産更生債権及びこれらに準ずる債権額は49億円、危険債権額は15億円、要管理債権額は34億円、2023年3月末現在で、破産更生債権及びこれらに準ずる債権額は56億円、危険債権額は14億円、要管理債権額は37億円。なお、これらは、上表の各債権額には含まれておりません。
銀行法及び金融再生法の開示基準に基づく債権(単体)
|
債権の区分 |
2022年3月31日 |
2023年3月31日 |
増減 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
金額(億円) |
|
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
16 |
15 |
△1 |
|
危険債権 |
302 |
123 |
△178 |
|
要管理債権 |
43 |
78 |
34 |
|
うち、三月以上延滞債権 |
7 |
4 |
△3 |
|
うち、貸出条件緩和債権 |
36 |
74 |
38 |
|
合計 (A) |
361 |
215 |
△145 |
|
正常債権 |
53,518 |
75,705 |
22,186 |
|
(参考)要注意債権以下 |
1,337 |
1,693 |
356 |
|
総与信残高(末残) |
53,878 |
75,920 |
22,041 |
|
総与信残高比(%) |
0.66 |
0.28 |
△0.38 |
|
保全額 (B) 貸倒引当金 担保保証等 |
317 148 168 |
139 70 69 |
△177 △78 △99 |
|
保全率(B/A×100)(%) |
87.80 |
64.58 |
△23.22 |
なお、正常先を含めた債務者区分毎の引当率は以下のとおりであります。
|
|
|
前事業年度 (%) |
当事業年度 (%) |
増減 (%) |
|
実質破綻・破綻先 |
(無担保部分) |
100.00 |
100.00 |
- |
|
破綻懸念先 |
(無担保部分) |
84.28 |
58.59 |
△25.69 |
|
要管理先 |
(無担保部分) |
35.14 |
29.43 |
△5.71 |
|
その他要注意先
|
(債権額) (無担保部分) |
5.34 20.97 |
3.02 17.49 |
△2.32 △3.48 |
|
正常先 |
(債権額) |
0.30 |
0.22 |
△0.08 |
(2)有価証券
有価証券は1兆5,727億円(前連結会計年度末比8,981億円増加)となりました。
有価証券
|
|
前連結会計年度 (億円) |
当連結会計年度 (億円) |
増減 (億円) |
|
株式 |
292 |
448 |
155 |
|
債券 |
3,607 |
8,188 |
4,581 |
|
国債 |
2,134 |
6,622 |
4,487 |
|
地方債 |
21 |
21 |
△0 |
|
社債 |
1,450 |
1,543 |
93 |
|
その他 |
2,846 |
7,091 |
4,245 |
|
合計 |
6,746 |
15,727 |
8,981 |
また、「その他有価証券」で時価をもって貸借対照表価額とするものの評価差額は以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 評価差額(億円) |
当連結会計年度 評価差額(億円) |
|
株式 |
36 |
54 |
|
債券 |
△26 |
△26 |
|
国債 |
△1 |
△4 |
|
地方債 |
△0 |
△0 |
|
社債 |
△24 |
△21 |
|
その他(注)1 |
△104 |
△228 |
|
合計 |
△94 |
△201 |
(注)1.連結貸借対照表の「有価証券」のほか、「買入金銭債権」中の有価証券として会計処理している信託受益権を含めて記載しております。
2.上記評価差額のほか、投資事業有限責任組合等の構成資産であるその他有価証券に係る評価差額等の金額を加えた後、実効税率や非支配株主持分相当額等を勘案後の金額(2022年3月末△116億円、2023年3月末△208億円)を、連結貸借対照表の純資産の部にその他有価証券評価差額金として計上しております。
(3)のれん・無形資産
昭和リース、UDC Finance、新生パーソナルローン及びその他連結子会社の取得時、並びに各社における事業譲受時の全面時価評価法の適用により、各社及び対象事業の資産・負債の時価評価を行った結果、当連結会計年度末(2023年3月末)現在で、以下のとおりのれん及び無形資産を連結貸借対照表に計上しております。
|
|
償却方法・期間 |
2023年3月末残高 (億円) |
2022年度償却額 (億円) |
|
昭和リース |
|
|
|
|
のれん |
定額法(20年) |
42 |
21 |
|
|
定額法(4年) |
- |
0 |
|
無形資産 |
|
|
|
|
商権価値(顧客関係) |
級数法(20年) |
0 |
0 |
|
契約価値(サブリース契約関係) |
定額法(契約残存年数による) |
0 |
0 |
|
UDC Finance |
|
|
|
|
のれん |
定額法(10年) |
45 |
5 |
|
無形資産 |
|
|
|
|
商標価値 |
定額法(20年) |
14 |
0 |
|
商権価値(顧客関係) |
定額法(9年) |
5 |
0 |
|
新生パーソナルローン |
|
|
|
|
負ののれん(△) |
定額法(20年) |
△16 |
△3 |
|
その他 |
|
|
|
|
のれん |
定額法(5年から11年) |
35 |
6 |
|
無形資産 |
|
|
|
|
商権価値(顧客関係) |
定額法(8年から13年) |
20 |
1 |
|
合計 |
|
|
|
|
のれん(負ののれん相殺後) |
|
107 |
30 |
|
無形資産 |
|
40 |
4 |
(4)繰延税金資産
繰延税金資産は95億円(前連結会計年度末比11億円減少)となりました。税効果会計に基づく繰延税金資産の計上については、引き続き1年分の収益計画に基づき算出しております。
(5)支払承諾見返、支払承諾
主として、アプラスの信用保証業に係る保証残高や当行の債務保証残高を当行連結貸借対照表上の支払承諾・同見返に計上しているものであり、前連結会計年度末比2,580億円増となりました。
(6)預金・譲渡性預金
預金・譲渡性預金は9兆9,822億円(前連結会計年度末比3兆5,842億円増加)となりました。
預金・譲渡性預金期末残高
|
|
前連結会計年度 (億円) |
当連結会計年度 (億円) |
増減 (億円) |
|
預金 |
57,710 |
78,534 |
20,824 |
|
流動性預金 |
28,242 |
33,037 |
4,794 |
|
定期性預金 |
24,509 |
37,583 |
13,073 |
|
その他 |
4,958 |
7,914 |
2,955 |
|
譲渡性預金 |
6,270 |
21,288 |
15,018 |
|
預金および譲渡性預金合計 |
63,980 |
99,822 |
35,842 |
(注)「流動性預金」=通知預金+普通預金+当座預金、「定期性預金」=定期預金
なお、定期預金(除く、非居住者円預金・外貨預金)の残存期間別残高は以下のとおりであります。
定期預金の残存期間別残高
|
|
前連結会計年度 (億円) |
当連結会計年度 (億円) |
増減 (億円) |
|
定期預金合計 |
24,509 |
37,583 |
13,073 |
|
3カ月未満 |
14,120 |
16,159 |
2,038 |
|
3カ月以上6カ月未満 |
1,622 |
5,958 |
4,335 |
|
6カ月以上1年未満 |
2,584 |
9,873 |
7,288 |
|
1年以上2年未満 |
2,121 |
1,409 |
△712 |
|
2年以上3年未満 |
765 |
1,487 |
721 |
|
3年以上 |
3,295 |
2,695 |
△599 |
(注)「3カ月未満」には、期間が到来したものの払い出しがなされていない定期預金を含みます。
(7)社債、借用金
社債は、3,670億円(前連結会計年度末比130億円減少)となりました。借用金は、当行、アプラス及び昭和リース等の当行子会社の、当行以外の第三者からの借入金が含まれており、前連結会計年度末比3,713億円減となりました。
(8)純資産の部
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、9,665億円(前連結会計年度末比421億円増加)となりました。
3.キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、預金及び譲渡性預金の増加による収入等と、貸出金の増加による支出等により1兆3,069億円の収入(前連結会計年度は4,706億円の支出)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得による支出が、売却・償還による収入を上回ったこと等により9,555億円の支出(同2,509億円の収入)、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得、配当金の支払等により46億円の支出(同198億円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比3,465億円増加し、1兆9,136億円となりました。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、当連結会計年度末において、銀行法に基づく連結自己資本比率(バーゼルⅢ、国内基準)は10.24%となり、引き続き十分な水準を確保しております。
当行グループは、銀行業務を中心に、証券業務、信託業務のほかコンシューマーファイナンス業務及びコマーシャルファイナンス業務など総合的な金融サービスに係る事業を行っており、これらの事業を行うにあたり、長期的かつ安定的な調達として、リテール顧客の預金による調達に重点をおくとともに、貸出金その他の資産の流動化等による調達の分散化も図っております。子会社及び関連会社においては、他の金融機関からの間接金融による調達も行っております。
なお、当行グループの主要な設備投資等の資本的支出の内容については、「第3 設備の状況」に記載しております。今後の配当を含む株主還元については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては基礎的手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
基礎的内部格付手法の採用については、当行自身の内部格付制度とパラメータ推計値に基づき信用リスクを計測することが認められたものであり、当行の高度なリスク管理能力を規制資本の計算に活用することが可能になると共に、実際のリスクに見合ったより合理的な所要規制資本が算出されることを意味しております。
連結自己資本比率(国内基準)
|
(単位:億円) |
|
|
2022年3月31日 |
2023年3月31日 |
増減 |
|
1.連結自己資本比率(2/3) |
11.72% |
10.24% |
△1.48% |
|
2.連結における自己資本の額 |
8,513 |
8,893 |
380 |
|
3.リスク・アセットの額 |
72,626 |
86,777 |
14,151 |
|
4.連結総所要自己資本額 |
6,739 |
7,900 |
1,161 |
単体自己資本比率(国内基準)
|
(単位:億円) |
|
|
2022年3月31日 |
2023年3月31日 |
増減 |
|
1.自己資本比率(2/3) |
13.79% |
12.12% |
△1.67% |
|
2.単体における自己資本の額 |
8,559 |
8,901 |
341 |
|
3.リスク・アセットの額 |
62,046 |
73,430 |
11,384 |
|
4.単体総所要自己資本額 |
5,299 |
6,308 |
1,009 |
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表作成に当たっては、連結財務諸表に含まれる金額が、将来事象の結果に依存するために確定できない場合又は既に発生している事象に関する情報を適時に入手できないために確定できない場合等に、会計上の見積りを行わなければなりません。当行グループは、過去の実績や状況を分析し合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りや判断を行い、その結果が、連結財務諸表における資産・負債及び収益・費用の計上金額の基礎となります。当行グループは、連結財務諸表に含まれる会計上の見積り及び判断の適切性、必要性に対して、継続して評価を行っておりますが、実際の結果は、見積りに特有の不確実性があるために、これら見積り時の計上金額と大幅に異なる結果となる可能性があることから、特に慎重な判断が求められます。
当行グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
貸倒引当金
貸倒引当金の計上基準及びその見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (7) 貸倒引当金の計上基準」及び「(重要な会計上の見積り)1.貸倒引当金」に記載のとおりであります。
また、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(2)信用リスク ①.貸倒引当金の十分性について」において、貸倒引当金の見積りにかかるリスクについて記載しております。
有価証券の減損
当行グループでは、売買目的有価証券以外の有価証券(市場価格のない株式等及び組合出資金等を除く)のうち、当該有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落したものについては、原則として時価が取得原価まで回復する見込みがないものとみなして、当該時価をもって連結貸借対照表計上額とし、評価差額を当該連結会計年度の損失として減損処理しております。
時価が「著しく下落した」と判断するための基準は、資産の自己査定基準における有価証券発行会社の債務者区分毎に次のとおり定めております。なお、債務者区分の定義は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (7) 貸倒引当金の計上基準」に記載のとおりであります。
破綻先、実質破綻先、破綻懸念先 時価が取得原価に比べて下落
要注意先 時価が取得原価に比べて30%以上下落
正常先 時価が取得原価に比べて50%以上下落
市場価格のない有価証券については、当該有価証券の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額を行い、評価差額を当該連結会計年度の損失として減損処理しております。
有価証券の減損判断には、資産の自己査定基準における有価証券発行会社等の債務者区分判定の他、実質価額の算定などの見積りが含まれています。
将来の市況悪化や発行会社の業績不振等により、現在の時価又は実質価額がさらに低下した場合には、追加で減損処理を計上する可能性があります。
のれん・無形資産の減損
当行は、のれん(以下、持分法投資に含まれるのれん相当額を含む。)及び無形資産についてその効果が及ぶ期間(20年以内)での償却を行い、四半期毎に減損の兆候の有無を確認しております。
減損の兆候が認められた場合、減損損失の認識の判定は、原則としてのれん及び無形資産の帰属する会社又は事業の単位でグルーピングし、その事業から生じる割引前の将来のキャッシュ・フローを見積り、その総額がのれん及び無形資産を含む当該事業に係る連結簿価より低い場合に、減損損失が生じているものとしております。このとき、将来キャッシュ・フローを見積る期間はのれん及び無形資産の残存償却年数か20年のいずれか短い方を採用しております。
そして、減損損失が生じていると認識された場合には、当該事業から生じる将来のキャッシュ・フローを一定の割引率で割り引いた使用価値を算定し、当該事業に係る連結簿価との差額を減損損失として計上します。
のれん及び無形資産の減損の判定においては、判定単位の将来見積りキャッシュ・フロー、個別のリスクを反映した割引率、成長率など多くの見積りや前提を使用しています。
経済情勢や判定単位独自のリスクにより、実際の将来キャッシュ・フローに影響を与える各項目が減損判定時の予測よりも悪化した場合、追加で減損損失を計上する可能性があります。
利息返還損失引当金
利息返還損失引当金の計上基準及びその見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (13) 利息返還損失引当金の計上基準」及び「(重要な会計上の見積り)2.利息返還損失引当金」に記載のとおりであります。
また、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(6)財務面に関するリスク ①.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について」において、利息返還損失引当金の見積りにかかるリスクについて記載しております。
繰延税金資産
当行グループはグループ通算制度を採用しており、過去の不良債権処理に伴う有価証券の減損処理及び貸倒損失並びに利息返還損失引当金等により、多額の将来減算一時差異と税務上の繰越欠損金を有しております。繰延税金資産の回収可能性の判断基準については、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の会社分類4に該当し、翌1年間の一時差異等加減算前課税所得に関する見通しをはじめとする様々な予測・前提に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金について、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の計上に関する判断は、中間連結会計期間及び連結会計年度の期末時点において実施しておりますが、翌1年間の一時差異等加減算前課税所得の見積りの変更等により、前連結会計年度に計上した繰延税金資産の一部、又は全額の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産を取り崩しております。翌1年間の一時差異等加減算前課税所得は十分見込めるとしても、期末時点において、将来の一定の事実の発生が見込めないこと又は当行グループによる将来の一定の行為の実施についての意思決定又は実施計画等が存在しないことにより、将来の税金負担額の軽減の要件を充足することが見込めない場合には、同様に繰延税金資産を取り崩しております。
該当ありません。
当連結会計年度末における主要な設備の状況は次のとおりであります。
(1)提出会社
|
2023年3月31日現在 |
|
|
会社名 |
店舗名その他 |
所在地 |
土地 |
建物 |
動産 |
リース 資産 |
合計 |
従業 員数 (人) |
|
|
面積 (㎡) |
帳簿価額(百万円) |
|||||||||
|
当行 |
- |
本店(注)2 |
東京都中央区ほか |
- |
- |
2,392 |
804 |
- |
3,196 |
1,365 |
|
- |
札幌支店 |
札幌市中央区 |
- |
- |
69 |
12 |
- |
82 |
19 |
|
|
- |
大宮支店 |
さいたま市大宮区 |
- |
- |
23 |
12 |
- |
36 |
12 |
|
|
- |
柏支店 |
千葉県柏市 |
- |
- |
60 |
3 |
- |
63 |
9 |
|
|
- |
津田沼支店 |
千葉県船橋市 |
- |
- |
23 |
9 |
- |
32 |
9 |
|
|
- |
銀座支店 |
東京都中央区 |
- |
- |
142 |
12 |
- |
154 |
21 |
|
|
- |
池袋支店 |
東京都豊島区 |
- |
- |
48 |
10 |
- |
59 |
22 |
|
|
- |
上野支店 |
東京都台東区 |
- |
- |
80 |
11 |
- |
92 |
12 |
|
|
- |
吉祥寺支店 |
東京都武蔵野市 |
- |
- |
53 |
12 |
- |
66 |
12 |
|
|
- |
新宿支店 |
東京都新宿区 |
- |
- |
32 |
12 |
- |
45 |
21 |
|
|
- |
渋谷支店 |
東京都渋谷区 |
- |
- |
54 |
4 |
- |
59 |
8 |
|
|
- |
二子玉川支店 |
東京都世田谷区 |
- |
- |
26 |
8 |
- |
35 |
16 |
|
|
- |
八王子支店 |
東京都八王子市 |
- |
- |
25 |
13 |
- |
38 |
6 |
|
|
- |
町田支店 |
東京都町田市 |
- |
- |
52 |
4 |
- |
57 |
8 |
|
|
- |
横浜支店 |
横浜市西区 |
- |
- |
214 |
43 |
- |
257 |
26 |
|
|
- |
藤沢支店 |
神奈川県藤沢市 |
- |
- |
24 |
13 |
- |
37 |
10 |
|
|
- |
名古屋支店 |
名古屋市中村区ほか |
- |
- |
141 |
25 |
- |
167 |
33 |
|
|
- |
京都支店 |
京都市下京区 |
- |
- |
53 |
5 |
- |
59 |
14 |
|
|
- |
大阪支店 |
大阪市北区 |
- |
- |
112 |
28 |
- |
140 |
41 |
|
|
- |
梅田支店 |
大阪市北区ほか |
- |
- |
169 |
26 |
- |
195 |
37 |
|
|
- |
難波支店 |
大阪市中央区 |
- |
- |
60 |
7 |
- |
68 |
17 |
|
|
- |
神戸支店 |
神戸市中央区 |
- |
- |
95 |
35 |
- |
130 |
14 |
|
|
- |
福岡支店 |
福岡市中央区 |
- |
- |
42 |
7 |
- |
50 |
26 |
|
|
- |
新川 |
東京都中央区 |
- |
- |
864 |
177 |
- |
1,041 |
470 |
|
|
- |
データセンターほか |
福岡市ほか |
- |
- |
125 |
1,187 |
- |
1,313 |
- |
|
(注)1.当行の主要な設備の大部分は、店舗、データセンターであります。当行は、その業務全般を、これらの設備各々の機能を活かしつつ推進しております。
2.当行が新生フィナンシャルから譲り受けた「新生銀行カードローン レイク」(現名称:「SBI新生銀行
カードローン エル」)事業に係る建物・動産については、「本店」に含めております。
3.資産除去債務に対応する費用分1,877百万円は含めておりません。
4.当行の連結子会社からの賃借分を除いた本表記載の建物の年間ネット賃借料は4,489百万円であります。
5.動産は、事務機械621百万円、その他1,869百万円であります。
6.上記にはソフトウェア資産20,106百万円及びソフトウェアにかかるリース資産1,341百万円は含まれており
ません。
(2)連結子会社
|
2023年3月31日現在 |
|
|
会社名 |
セグメントの名称 |
店舗名 その他 |
所在地 |
設備の 内容 |
土地 |
建物 |
動産 |
リース資産 |
合計 |
従業 員数 (人) |
|
|
|
面積 (㎡) |
帳簿価額(百万円) |
||||||||||
|
国内連結 子会社 |
新生フィナンシャル株式会社 |
個人 業務 |
LIセンタービル |
大阪府 東大阪市 |
事務所 |
4,482 |
610 |
1,362 |
42 |
- |
2,015 |
123 |
|
新生フィナンシャル大阪ビル |
大阪市 中央区 |
事務所 |
892 |
959 |
173 |
19 |
- |
1,152 |
101 |
|||
|
種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
400,000,000 |
|
計 |
400,000,000 |
|
種類 |
事業年度末現在発行数(株) (2023年3月31日) |
提出日現在発行数(株) (2023年6月29日) |
上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 |
内容 |
|
|
|
|
東京証券取引所 (スタンダード市場) |
|
|
計 |
|
|
―― |
―― |
該当事項はありません。
該当事項はありません。
|
年月日 |
発行済株式総数増減数(千株) |
発行済株式総数残高(千株) |
資本金増減額(百万円) |
資本金残高(百万円) |
資本準備金 増減額 (百万円) |
資本準備金 (百万円) |
|
2018年5月18日 (注)1 |
△16,000 |
259,034 |
- |
512,204 |
- |
79,465 |
|
2023年3月30日 (注)2 |
△54,000 |
205,034 |
- |
512,204 |
- |
79,465 |
(注)1.2018年5月11日開催の取締役会決議により、同年5月18日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が16,000千株減少しております。
2.2023年2月24日開催の取締役会決議により、同年3月30日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が54,000千株減少しております。
|
|
|
|
|
|
|
|
2023年3月31日現在 |
||
|
区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満株式の状況 (株) |
|||||||
|
政府及び地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の 法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
|||
|
個人以外 |
個人 |
||||||||
|
株主数(人) |
|
|
|
|
|
|
|
|
- |
|
所有株式数(単元) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
所有株式数の割合(%) |
|
|
|
|
|
|
|
100.00 |
- |
(注)1.当行の知り得る範囲で、実質所有により記載しております。
2.自己株式889,718株は「個人その他」に8,897単元、「単元未満株式の状況」に18株含まれております。
3.「その他の法人」欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が8単元含まれております。
|
|
|
2023年3月31日現在 |
|
|
氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (千株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
JPLLC CLIENT ASSETS-SK J (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) |
FOUR CHASE METROTECH CENTER BROOKLYN, NY 11245 (東京都新宿区新宿6丁目27番30号) |
|
|
|
GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL (常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社) |
PLUMTREE COURT, 25 SHOE LANE, LONDON EC4A 4AU, U.K. (東京都港区六本木6丁目10-1 六本木ヒルズ森タワー) |
|
|
|
|
|
|
|
|
ML PRO SEGREGATION ACCOUNT (常任代理人 BOFA証券株式会社) |
THE CORPORATION TRUST COMPANY CORPORATION TRUST CENTER 1209 ORANGE ST WILMINGTON, DE US (東京都中央区日本橋1丁目4-1 日本橋一丁目三井ビルディング) |
|
|
|
MSIP CLIENT SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社) |
25 CABOT SQUARE, CANARY WHARF, LONDON E14 4QA, U.K. (東京都千代田区大手町1丁目9-7 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー) |
|
|
|
|
|
|
|
|
計 |
―― |
|
|
(注)当行の知り得る範囲で、実質所有により記載しております。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
資産の部 |
|
|
|
現金預け金 |
|
|
|
コールローン及び買入手形 |
|
|
|
買入金銭債権 |
|
|
|
特定取引資産 |
|
|
|
金銭の信託 |
|
|
|
有価証券 |
|
|
|
貸出金 |
|
|
|
外国為替 |
|
|
|
割賦売掛金 |
|
|
|
リース債権及びリース投資資産 |
|
|
|
その他資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
|
|
|
建物 |
|
|
|
土地 |
|
|
|
有形リース資産 |
|
|
|
建設仮勘定 |
|
|
|
その他の有形固定資産 |
|
|
|
無形固定資産 |
|
|
|
ソフトウエア |
|
|
|
のれん |
|
|
|
無形リース資産 |
|
|
|
無形資産 |
|
|
|
その他の無形固定資産 |
|
|
|
退職給付に係る資産 |
|
|
|
繰延税金資産 |
|
|
|
支払承諾見返 |
|
|
|
貸倒引当金 |
△ |
△ |
|
資産の部合計 |
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
負債の部 |
|
|
|
預金 |
|
|
|
譲渡性預金 |
|
|
|
コールマネー及び売渡手形 |
|
|
|
売現先勘定 |
|
|
|
債券貸借取引受入担保金 |
|
|
|
特定取引負債 |
|
|
|
借用金 |
|
|
|
外国為替 |
|
|
|
短期社債 |
|
|
|
社債 |
|
|
|
その他負債 |
|
|
|
賞与引当金 |
|
|
|
役員賞与引当金 |
|
|
|
退職給付に係る負債 |
|
|
|
役員退職慰労引当金 |
|
|
|
睡眠預金払戻損失引当金 |
|
|
|
睡眠債券払戻損失引当金 |
|
|
|
利息返還損失引当金 |
|
|
|
繰延税金負債 |
|
|
|
支払承諾 |
|
|
|
負債の部合計 |
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
資本金 |
|
|
|
資本剰余金 |
|
|
|
利益剰余金 |
|
|
|
自己株式 |
△ |
△ |
|
株主資本合計 |
|
|
|
その他有価証券評価差額金 |
△ |
△ |
|
繰延ヘッジ損益 |
△ |
△ |
|
為替換算調整勘定 |
|
|
|
退職給付に係る調整累計額 |
|
|
|
その他の包括利益累計額合計 |
△ |
△ |
|
新株予約権 |
|
|
|
非支配株主持分 |
|
|
|
純資産の部合計 |
|
|
|
負債及び純資産の部合計 |
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
経常収益 |
|
|
|
資金運用収益 |
|
|
|
貸出金利息 |
|
|
|
有価証券利息配当金 |
|
|
|
コールローン利息及び買入手形利息 |
|
|
|
債券貸借取引受入利息 |
|
|
|
預け金利息 |
|
|
|
その他の受入利息 |
|
|
|
役務取引等収益 |
|
|
|
特定取引収益 |
|
|
|
その他業務収益 |
|
|
|
その他経常収益 |
|
|
|
償却債権取立益 |
|
|
|
その他の経常収益 |
|
|
|
経常費用 |
|
|
|
資金調達費用 |
|
|
|
預金利息 |
|
|
|
譲渡性預金利息 |
|
|
|
コールマネー利息及び売渡手形利息 |
|
|
|
売現先利息 |
△ |
|
|
債券貸借取引支払利息 |
|
|
|
借用金利息 |
|
|
|
短期社債利息 |
|
|
|
社債利息 |
|
|
|
その他の支払利息 |
|
|
|
役務取引等費用 |
|
|
|
特定取引費用 |
|
|
|
その他業務費用 |
|
|
|
営業経費 |
|
|
|
のれん償却額 |
|
|
|
無形資産償却額 |
|
|
|
その他の営業経費 |
|
|
|
その他経常費用 |
|
|
|
貸倒引当金繰入額 |
|
|
|
その他の経常費用 |
|
|
|
経常利益 |
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
特別利益 |
|
|
|
固定資産処分益 |
|
|
|
負ののれん発生益 |
|
|
|
その他の特別利益 |
|
|
|
特別損失 |
|
|
|
固定資産処分損 |
|
|
|
のれん減損損失 |
|
|
|
その他の減損損失 |
|
|
|
その他の特別損失 |
|
|
|
税金等調整前当期純利益 |
|
|
|
法人税、住民税及び事業税 |
|
|
|
法人税等調整額 |
△ |
|
|
法人税等合計 |
|
|
|
当期純利益 |
|
|
|
非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△) |
△ |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
|
|
1.報告セグメントの概要
当行グループの報告セグメントは、当行グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、グループ経営会議が、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当行グループは、『法人業務』、『個人業務』及び「海外事業」を通じ、お客様へ幅広い金融商品・サービスを提供しています。『法人業務』、『個人業務』及び「海外事業」は、それぞれが提供する金融商品・サービス別のセグメントから構成されており、『法人業務』は「法人営業」、「ストラクチャードファイナンス」、「プリンシパルトランザクションズ」、「昭和リース」、「市場営業」、「その他金融市場」を報告セグメントに、『個人業務』は「リテールバンキング」、「新生フィナンシャル」、「アプラス」を報告セグメントとしております。また、『法人業務』及び『個人業務』のいずれにも属さない業務を『海外事業/トレジャリー/その他』と位置づけ、「海外事業」及び「トレジャリー」を報告セグメントとしております。
『法人業務』の「法人営業」セグメントは事業法人、公共法人、金融法人向けの金融商品・サービス、アドバイザリー業務、ウェルスマネージメント業務等を、「ストラクチャードファイナンス」セグメントはノンリコースローン等の不動産金融業務、プロジェクトファイナンスやスペシャルティファイナンス(M&Aファイナンス等)に関する金融商品・サービス、ヘルスケア施設及びヘルスケア事業者を対象とする金融商品・サービス、信託業務を、「プリンシパルトランザクションズ」セグメントはプライベートエクイティ業務や事業承継業務、クレジットトレーディングに関連する金融商品・サービス等を、「昭和リース」セグメントはリースを中心とする金融商品・サービスを提供しております。「市場営業」セグメントは、外国為替、デリバティブ、その他のキャピタルマーケッツ業務を、「その他金融市場」セグメントは、新生証券株式会社による証券業務等を提供しております。
『個人業務』の「リテールバンキング」セグメントは個人向けの金融取引・サービスを、「新生フィナンシャル」セグメントは無担保カードローン及び信用保証業務(新生フィナンシャル、SBI新生銀行カードローン エル、レイク)を提供しております。「アプラス」セグメントはショッピングクレジット、カード、ローン、ペイメント業務を提供しております。また、『個人業務』の「その他個人」には、その他子会社の損益が含まれております。
『海外事業/トレジャリー/その他』の「海外事業」セグメントには当行グループの海外連結子会社・海外関連会社の大宗が含まれ、これらを通じて主に小口ファイナンスの提供を行っております。「トレジャリー」セグメントにはALM業務、資本性を含む資金調達業務、債券等による市場性運用に係る損益が含まれております。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
|
資産の部 |
|
|
|
現金預け金 |
|
|
|
現金 |
|
|
|
預け金 |
|
|
|
コールローン |
|
|
|
買入金銭債権 |
|
|
|
特定取引資産 |
|
|
|
特定取引有価証券派生商品 |
|
|
|
特定金融派生商品 |
|
|
|
金銭の信託 |
|
|
|
有価証券 |
|
|
|
国債 |
|
|
|
地方債 |
|
|
|
社債 |
|
|
|
株式 |
|
|
|
その他の証券 |
|
|
|
貸出金 |
|
|
|
手形貸付 |
|
|
|
証書貸付 |
|
|
|
当座貸越 |
|
|
|
外国為替 |
|
|
|
外国他店預け |
|
|
|
その他資産 |
|
|
|
未収還付法人税等 |
|
|
|
前払費用 |
|
|
|
未収収益 |
|
|
|
先物取引差入証拠金 |
|
|
|
先物取引差金勘定 |
|
|
|
金融派生商品 |
|
|
|
金融商品等差入担保金 |
|
|
|
社債発行費 |
|
|
|
未収金 |
|
|
|
その他の資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
|
|
|
建物 |
|
|
|
リース資産 |
|
|
|
建設仮勘定 |
|
|
|
その他の有形固定資産 |
|
|
|
無形固定資産 |
|
|
|
ソフトウエア |
|
|
|
のれん |
|
|
|
リース資産 |
|
|
|
その他の無形固定資産 |
|
|
|
前払年金費用 |
|
|
|
繰延税金資産 |
|
|
|
支払承諾見返 |
|
|
|
貸倒引当金 |
△ |
△ |
|
資産の部合計 |
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
|
負債の部 |
|
|
|
預金 |
|
|
|
当座預金 |
|
|
|
普通預金 |
|
|
|
通知預金 |
|
|
|
定期預金 |
|
|
|
その他の預金 |
|
|
|
譲渡性預金 |
|
|
|
コールマネー |
|
|
|
売現先勘定 |
|
|
|
債券貸借取引受入担保金 |
|
|
|
特定取引負債 |
|
|
|
特定取引有価証券派生商品 |
|
|
|
特定金融派生商品 |
|
|
|
借用金 |
|
|
|
借入金 |
|
|
|
外国為替 |
|
|
|
未払外国為替 |
|
|
|
社債 |
|
|
|
その他負債 |
|
|
|
未払法人税等 |
|
|
|
未払費用 |
|
|
|
前受収益 |
|
|
|
先物取引差金勘定 |
|
|
|
金融派生商品 |
|
|
|
金融商品等受入担保金 |
|
|
|
資産除去債務 |
|
|
|
その他の負債 |
|
|
|
賞与引当金 |
|
|
|
睡眠預金払戻損失引当金 |
|
|
|
睡眠債券払戻損失引当金 |
|
|
|
支払承諾 |
|
|
|
負債の部合計 |
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
資本金 |
|
|
|
資本剰余金 |
|
|
|
資本準備金 |
|
|
|
利益剰余金 |
|
|
|
利益準備金 |
|
|
|
その他利益剰余金 |
|
|
|
繰越利益剰余金 |
|
|
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自己株式 |
△ |
△ |
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株主資本合計 |
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その他有価証券評価差額金 |
△ |
△ |
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繰延ヘッジ損益 |
△ |
△ |
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評価・換算差額等合計 |
△ |
△ |
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純資産の部合計 |
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負債及び純資産の部合計 |
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(単位:百万円) |
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前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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経常収益 |
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資金運用収益 |
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貸出金利息 |
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有価証券利息配当金 |
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コールローン利息 |
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債券貸借取引受入利息 |
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預け金利息 |
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その他の受入利息 |
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役務取引等収益 |
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受入為替手数料 |
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その他の役務収益 |
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特定取引収益 |
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特定取引有価証券収益 |
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特定金融派生商品収益 |
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その他業務収益 |
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外国為替売買益 |
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国債等債券売却益 |
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国債等債券償還益 |
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金融派生商品収益 |
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その他の業務収益 |
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その他経常収益 |
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貸倒引当金戻入益 |
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償却債権取立益 |
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株式等売却益 |
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金銭の信託運用益 |
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その他の経常収益 |
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経常費用 |
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資金調達費用 |
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預金利息 |
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譲渡性預金利息 |
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コールマネー利息 |
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売現先利息 |
△ |
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債券貸借取引支払利息 |
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借用金利息 |
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社債利息 |
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金利スワップ支払利息 |
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その他の支払利息 |
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役務取引等費用 |
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支払為替手数料 |
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その他の役務費用 |
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(単位:百万円) |
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前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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特定取引費用 |
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特定取引有価証券費用 |
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その他業務費用 |
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国債等債券売却損 |
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社債発行費償却 |
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金融派生商品費用 |
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その他の業務費用 |
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営業経費 |
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その他経常費用 |
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貸倒引当金繰入額 |
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貸出金償却 |
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株式等売却損 |
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株式等償却 |
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金銭の信託運用損 |
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その他の経常費用 |
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経常利益 |
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特別利益 |
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固定資産処分益 |
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その他の特別利益 |
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特別損失 |
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固定資産処分損 |
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減損損失 |
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その他の特別損失 |
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税引前当期純利益 |
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法人税、住民税及び事業税 |
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法人税等調整額 |
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△ |
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法人税等合計 |
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△ |
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当期純利益 |
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