株式会社百十四銀行
(注) 1.自己資本比率は、(期末純資産の部合計-期末新株予約権-期末非支配株主持分)を期末資産の部の合計で除して算出しております。
2.信託財産額は、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務に係る信託財産額を記載しております。なお、連結会社のうち、該当する信託業務を営む会社は当行1社です。
3.2018年10月1日付で、普通株式10株につき1株の割合で株式併合を実施いたしました。1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、2018年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定して算出しております。
(注)1.2018年10月1日付で普通株式10株につき1株とする株式併合を実施いたしました。1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、第150期(2019年3月)の期首に当該株式併合が行われたと仮定して算出しております。
2.第154期(2023年3月)中間配当についての取締役会決議は2022年11月14日に行いました。
3.第150期(2019年3月)の1株当たり配当額49.50円は、中間配当額4.50円と期末配当額45.00円の合計であり、中間配当額4.50円は上記(注)1の株式併合前の配当額、期末配当額45.00円は株式併合後の配当額であります。また、中間配当額4.50円のうち0.50円、及び期末配当額45.00円のうち5.00円は創業140周年記念配当であります。
4.自己資本比率は、(期末純資産の部合計-期末新株予約権)を期末資産の部の合計で除して算出しております。
5.最高・最低株価は第154期より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものであります。
6.第150期の株価については、株式併合後の最高・最低株価を記載し、株式併合前の最高・最低株価は( )にて記載しております。
当行及び当行の関係会社は、当行、連結子会社8社及び持分法非適用の関連会社2社で構成され、銀行業務を中心に、リース業務をはじめとする金融サービスに係わる事業を行っております。
当行及び当行の関係会社の事業に係わる位置づけは次のとおりであります。なお、事業の区分は第5「経理の状況」 1(1)「連結財務諸表」「注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
〔銀行業〕
当行の本店ほか支店、出張所等におきまして、当行グループの主力業務であります預金業務、貸出業務、内国為替業務、外国為替業務などを行っております。
〔リース業〕
金融関連業務として、百十四リース株式会社がリース業務を行っております。
〔その他事業〕
金融関連業務として、百十四総合保証株式会社が信用保証業務を、株式会社百十四ディーシーカード及び株式会社百十四ジェーシービーカードがクレジットカード業務などを行っております。また、百十四ビジネスサービス株式会社が当行からの事務受託業務などを行っております。
非金融業務として、株式会社百十四システムサービスがICTソリューションを、株式会社百十四人材センターが人材紹介ソリューションを提供し、日本橋不動産株式会社が不動産の賃貸・管理業務を行っております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(いずれも連結子会社)

(注)持分法非適用の関連会社2社(四国アライアンスキャピタル株式会社、Shikokuブランド株式会社)は上記事業系統図には含めておりません。
また、連結子会社であった百十四財田代理店株式会社は、2022年6月24日に清算結了いたしました。
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.「議決権の所有(又は被所有)割合」欄の( )内は子会社による間接所有の割合(内書き)であります。
3.「当行との関係内容」の「役員の兼任等」欄の( )内は、当行の役員(内書き)であります。
4. 百十四財田代理店株式会社は、2022年6月24日に清算結了いたしました。
2023年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員であります。なお、銀行業には、執行役員(取締役を兼務する執行役員を除く)13人を含んでおります。また、当連結会計年度の平均臨時従業員数を( )内に外書きで記載しております。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であり、執行役員(取締役を兼務する執行役員を除く)13人を含んでおります。また、当期の平均臨時従業員数を( )内に外書きで記載しております。
2.当行の従業員はすべて銀行業のセグメントに属しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.当行の従業員組合は、百十四銀行職員組合と称し、組合員数は1,497人であります。労使間においては特記すべき事項はありません。
(3) 当行の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の格差
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3.男性の平均年間賃金を100とした場合の比較
4.補足説明
労働者の男女の賃金の格差
〈正規雇用労働者〉
・人事制度上は同一の職種及び役職であれば賃金格差は発生いたしません。賃金格差の発生は、女性は一般職での採用が多かったことに加え、男女間の勤続年数の差(4年9ヶ月)などから、男性の役職登用が女性に比べて多いことが主な要因であります。
・2021年度に実施した人事制度改定以降、勤務地域を限定したエリア総合職へ職種転換をする女性行員が増加しているほか、能力や意欲のある女性の積極的な登用を進めております。
・2022年4月以降、新卒採用は原則総合職としたほか、女性行員のキャリア意識向上やD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を進める施策を整備・強化しております。
〈パート・有期労働者〉
・当該労働者はパート職員及び嘱託職員で構成されており、パート職員の大半が女性であるのに対して、男性は相対的に賃金の高い嘱託職員が多いことが、男女間の賃金格差の主な要因であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
①経営理念
当行グループは、「お客さま・地域社会との共存共栄」「活気ある企業風土の醸成」「健全性の確保と企業価値の創造」をめざすとの経営理念のもと、お客さま、地域社会、株主さま、役職員すべてにとって価値のある企業であり続けるため、健全性と収益性のバランスのとれた発展の実現につとめるとともに、真に信頼される銀行づくりを進めてまいります。
②行動指針
当行グループは、上記「経営理念」の実現に向け、役職員がステークホルダーの皆さま方とともに大切にしたい価値観や考え方を「百十四銀行 行動指針」として以下のとおり定めております。
・対話を密にし、相互の信頼を深めます
・プロフェッショナルとして成長するための努力を惜しみません
・多様性(ダイバーシティー)を理解し、人権を尊重します
・環境の負荷軽減に努め、地域の活性化に貢献します
・ステークホルダーの期待を超える行動を実践します
当行グループは、地元香川県においては、預金で約5割、貸出で約4割の高いシェアを獲得しております。また、香川県以外にも1950年代に開設した大阪支店及び東京支店をはじめ、全国10都府県に店舗網を展開しております。近年では、県外のお客さまに香川県のお客さまを紹介する取引も増える等、この広域店舗網は当行グループの大きな強みとなっております。
その他にも、当行グループは、国際業務と船舶関連融資を強みとしております。国際業務については、お客さまの海外進出支援や外貨資金調達に加えて、デリバティブを用いたリスクヘッジ等手厚いサポート体制を構築しております。また、船舶関連融資は、審査や融資の手法が特殊であるため金融機関の参入は容易ではありませんが、当行グループは、こうした融資を古くから手掛けてきた関係で、船を造る造船会社さま、船を所有するオーナーさま、船を運航する運航会社さま等、川上から川下に至るまで幅広い取引を実現しております。今後も、このような得意分野を伸ばすとともに、新たな事業領域を開拓していくことで、当行グループの競争優位性を高めていきたいと考えております。
一方で、人口減少・超高齢化の進展に加え、脱炭素・循環型社会への移行やデジタルシフトの加速により地域のサステナビリティに関わる課題が多様化・複雑化するなど、地域金融機関を取り巻く環境は大きく変化しており、当行グループが地域とともに持続的に成長するためには、長期的な視点で地域のサステナビリティに関する課題に積極的に取り組むことで、経営の持続可能性を高めていく必要があります。また、地域経済にコロナ禍からの持ち直しの動きがみられる一方、原材料・資源価格の高騰や、日米金利差拡大に伴う急激な円安進行、さらには長引くウクライナ情勢の影響等、企業にとって収益下押しあるいはコストアップにつながる要因も多く見受けられました。お客さまの事業活動や地域の経済活動は多大な影響を受けており、幅広い業種で不透明な状況が続くと思われます。このような経営環境や課題に対応するため、当行グループは新たに2030年度を見据えた「長期ビジョン2030」及び新中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」(2023年度~2025年度)を策定いたしました。伝統的な預貸金中心のビジネスモデルから脱却すべく、「総合コンサルティング・グループの進化」に向けた取組みを加速させてまいります。物価高騰等の影響を受けているお客さまに対する資金繰り支援はもちろんのこと、低迷する事業の正常化に向けた経営改善及び事業再生のご支援、加速する様々な環境変化に対応するための業態転換や販路開拓支援等、お客さまの成長・発展に資する取組みに注力してまいります。
また、2015年度の国連サミットにおいて社会課題を解決し持続可能(サステナブル)な世界を実現するための開発目標(SDGs)が採択され、SDGsを達成するための取組みが世界中で広がっております。当行も、これまで「SDGs宣言」、「環境方針」、「人権方針」、及び「環境・社会に配慮した投融資方針」を制定し、地域を取り巻く様々な課題の解決に取り組んでまいりました。サステナビリティに係る社会的要請の一層の高まりを踏まえ、高度な水準で課題解決に取り組む「サステナビリティ経営」を実践すべく態勢整備を図っております。
■「長期ビジョン2030」
[百十四グループマテリアリティ]
地域社会と百十四グループ双方のサステナビリティに対する影響度から、優先度の高い重要課題を抽出して下表のとおり「百十四グループマテリアリティ」を設定しました。これらのマテリアリティに取り組む先に見える方向性として「長期ビジョン」を描いております。
[長期ビジョン2030]
「総合コンサルティング・グループの進化により、地域のみんなとウェルビーイングな社会を創造する」というビジョン実現により、地域の環境・社会価値と百十四グループの経済価値の両立をめざしてまいります。

■中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」(2023年度~2025年度)
[基本方針]
長期ビジョンの第1フェーズとして、3つの成長エンジン(SX・HRX・DX)による変革※を進め、総合コンサルティング・グループの進化に向けた取組みを加速させてまいります。
① 職員のウェルビーイング向上と生産性の飛躍的向上により個々の職員が能力を発揮できる環境を整備するとともに、コンサルティング機能の強化と新事業領域の探索により課題解決力の強化を図ります。
② コンサルティングとファイナンスを相互に組み合わせながらお客さま・地域が抱える課題解決に伴走し、各ステークホルダーのウェルビーイング実感と百十四グループのサステナビリティ向上の両立をめざします。
※以下の3つの変革(Transformation)を、戦略を支える成長エンジンとします。
[重点戦略]
① 総合コンサルティング・グループの進化
② 職員のウェルビーイング向上
③ 生産性の飛躍的向上
④ 持続可能な経営基盤の構築
[目標とする経営指標]
中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」で目標とする経営指標は下表のとおりであります。
① 連結当期純利益は「親会社株主に帰属する当期純利益」
② 連結自己資本比率は経過措置を考慮したバーゼルⅢベースの連結コア資本比率
③ OHR=経費÷業務粗利益
(注)前中期経営計画「トライ☆ミライ!」の達成状況及び経営指標の2022年度実績については、第2「事業の状況」 4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。
当行グループでは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応につとめており、リスク管理体制を整備し、その業務やリスクの特性に応じた管理を行っております。中でも、当行グループの主要な収益源である貸出や有価証券運用に係る重要なリスクである (2) 信用リスク及び (3) 市場リスクについては、統計的手法であるVaRを用いて一定の確率で将来被る可能性のある最大損失額(リスク量)の計測※を行い、リスク量を自己資本の範囲内にコントロールすることで、経営体力に比してリスクが過大とならないように管理を行っております。また、定期的にストレステストを実施し、経済環境や市場環境の大幅な変化が当行グループに与える影響の把握と評価を行い、必要に応じて対応策を検討しております。
※信用リスク(信頼区間:99.9%、保有期間:1年)、市場リスク(信頼区間:99%、保有期間:120営業日)
インフレーション対策を背景とした欧米金利の引き上げ、日本銀行によるYCC(イールドカーブコントロール)政策の修正等により金融市場におけるボラティリティが上昇しており、当行グループが保有する資産の市場リスクが顕在化しております。また、長引くウクライナ情勢等の地政学リスクに加え、原材料及び資源価格の高騰等がお客さまの経営状況に悪影響を及ぼし、それが当行グループに財務上の影響を及ぼす可能性があります。このため、リスクへの感応度を一層高め、経営体力に比して過剰なリスクテイクを行わないよう慎重に投資等を行うとともに、お客さまに対しては資金繰り支援と低迷する事業の正常化に向けた経営改善及び事業再生の支援に最優先で取り組むことで信用リスクのコントロールにつとめております。
また、近年世界各地で発生する猛暑や豪雨、干ばつ等の異常気象は、温室効果ガス排出量の増加に伴う地球温暖化が原因のひとつと考えられております。当行グループの主要な営業地域である瀬戸内圏域においても集中豪雨が発生し、お客さまが被害に遭われ、当行グループへの直接的・間接的な影響も大きくなっていることから、政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みを、お客さま・地域社会と一体となって進めております。
当行グループは、気候に起因するリスクには物理的リスクと移行リスクがあると認識しております。物理的リスクは、異常気象に伴うお客さまの資産の毀損による信用リスク及び当行の営業店舗等の損壊等によるオペレーショナルリスクを、移行リスクは、気候関連の規制強化や脱炭素に向けた技術革新の進展等の影響を受けるお客さまに対する信用リスクの増大等を想定しており、これらのリスクが当行の事業運営及び戦略、あるいは財務計画に影響を与える可能性があります。
このため、当行グループでは、気候変動リスクに対応するためのガバナンス及びリスク管理態勢の整備を進めております。また、自らの事業活動で生じるCO2の削減を図るとともに、脱炭素社会に向けたお客さまのトランジション(移行、変化)支援に取り組んでおります。なお、これらの取組みの詳細は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿って当行ホームページ(URL:https://www.114bank.co.jp/company/policy/tcfd.html )にて開示しております。
当行グループは、一般事業法人、地方公共団体、及び個人等に対して融資及び保証業務、市場性取引等を行っております。これらの業務については、信用リスク管理を適切に行っておりますが、国内外の景気動向に加え、原材料及び資源価格高騰による取引先の経営悪化、担保不動産価格や株価の変動等によって、不良債権及び与信関係費用が想定以上に増加し、その結果、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症特別融資の返済開始の影響については、第5「経理の状況」における「注記事項」(重要な会計上の見積り)(貸倒引当金)に記載の仮定を置き貸倒引当金を計上しておりますが、今後のお客さまへの影響の状況により当該リスクが顕在化するおそれがあります。
このため、当行グループでは、大口与信先の管理強化や小口化によるリスク分散を進めるとともに、本部と営業店が一体となり、お客さまの経営改善支援に取り組むことで、与信関係費用の抑制につとめております。
当行グループは、お客さまとの関係強化等を目的として政策保有株式を、また、資金運用の一環として債券、投資信託及びJ-REIT等を保有しております。これら有価証券は、企業業績や景気・金利などの経済的要因、政治動向、需給動向等により価格が下落し、評価損が発生するおそれがあります。また、評価損を抱える銘柄を売却した場合や時価額が著しく下落し回復可能性が見込まれない銘柄を償却(減損処理)した場合、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
このため、当行グループでは、有価証券のリスクの状況や相関等を分析し、分散投資を進めることで有価証券ポートフォリオ全体での評価損発生の抑制や財務上の影響の軽減につとめております。また、政策保有株式については、お客さまと十分な対話を経た上で削減を進めております。
当行グループの主な収益源は、預金で調達した資金を貸出金や有価証券で運用して得る資金利益であります。この資金利益は、景気動向や競合環境、規制当局の方針、日本及び海外の金融政策等により金利が変動することで減少するおそれがあります。金利が低下した場合は貸出金・有価証券の利回りが低下して資金利益が減少するほか、金利が上昇した場合でも預金利回りの上昇に比べ貸出や有価証券の利回りの上昇が緩やかとなれば資金利益が減少するおそれがあります。このような場合、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
このため、当行グループでは、金融の枠を超えた様々な課題解決を通じてお客さまの信頼を得るとともに、金利競争や市場環境に左右されない関係を構築することで、貸出金利回りの改善につとめております。また、手数料ビジネスや有価証券運用の強化、経費削減や事務効率化によるローコスト経営等の推進により利益水準の向上を図っております。
当行グループは、資金の運用と調達の期間における大きなミスマッチの発生、風評リスクの発生等を起因とする資金流出、あるいは市場の混乱により外貨資金調達をはじめとした市場取引ができなくなった場合に、必要な資金を確保できなくなったり、通常よりも著しく不利な取引条件での資金調達を余儀なくされる場合があります。また、格付機関が当行の格付を引き下げた場合等においても、不利な取引条件での資金調達を余儀なくされる場合があり、その結果、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
このため、当行グループでは、日次・月次で資金繰り予想を行うとともに、資金調達先及び手法の多様化や潤沢な流動性準備を保有するなど安定的な資金繰りにつとめております。また、資金繰りに影響を及ぼすような不測の事態が発生した場合を想定し、「平常時」「警戒時」「流動性危機時」に分けた適切な対応がとれる態勢を整備しております。
当行グループは主たる業務である、貸出、預金等の銀行業務に加えて、リース業務、信用保証業務、クレジットカード業務等幅広い金融サービスに係る業務を行っております。これらの多様な業務の遂行におきまして、不正確・不適切な事務が行われた場合、当行グループの信用・評価に影響を及ぼすとともに金融資産の喪失や損害賠償に係る費用が発生し、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
このため、当行グループでは、RCSA(Risk and Control Self-Assessment)を用いたリスクの洗い出し、リスク顕在化事象の分析、リスク顕在化の未然防止及び発生時の影響極小化策の実施等を行っております。
当行グループでは、業務の多様化、高度化に対応するため、勘定系オンラインシステムをはじめとする各種システムを用いております。これらのシステムは、コンピュータ等のハードウェア、ソフトウェア及び通信回線等のネットワークから構成されており、システムのダウンや誤作動、通信回線の障害やコンピュータの不正使用が発生した場合は、業務の遂行や当行グループの信用・評価に影響を及ぼすとともに、金融資産の喪失や損害賠償に係る費用が発生し、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
このため、当行グループでは、データのバックアップの取得や通信回線の二重化等の措置を講じ、大規模災害等に備えた基幹システムのバックアップシステムを構築しております。また、「セキュリティスタンダード」を策定し、具体的安全対策基準を定めることにより、近年増加しているサイバー攻撃への対策も含めシステムの安全性確保につとめております。さらには、障害等が発生した場合に備えた行動計画を策定し、定期的に訓練を実施しており、障害時におけるお客さまへの対応力の強化に取り組んでおります。
当行グループは、業務を遂行する上で様々な法令諸規則の適用を受けており、これらの法令諸規則が遵守されなかった場合、又は法的に問題なくとも社会的な期待に応えることができなかった場合、当行グループの信用・評価に影響を及ぼすとともに財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
このため、当行グループでは、法令遵守だけでなく、高い倫理観に支えられた行動をとるため、研修の実施、内部通報制度の充実、反社会的勢力の排除、マネー・ローンダリング等の防止策等の態勢整備に取り組んでおります。
当行グループは、多くの従業員等を雇用しており、多様な人材の確保や育成につとめております。しかし、十分な人材の確保・育成ができない場合、当行の競争力や効率性が低下する可能性があります。また、安全衛生上の問題、差別的行為、行員による不正行為等の発生により、当行グループの信用・評価に影響を及ぼすとともに、損害賠償などの損失発生により財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
このため、当行グループでは、安全衛生管理や不正防止の態勢整備を強化するとともに、人権尊重の企業風土醸成につとめております。また、人材育成の強化、従業員満足度の向上、多様な勤務形態の推進、人事制度の見直し等にも取り組んでおります。
(6) 自己資本比率に係るリスク
当行グループは、海外営業拠点を有していないため「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)」に定められた国内基準における所要水準(4%)以上の自己資本比率を維持することが求められております。所要自己資本比率を下回った場合は、金融庁長官から早期是正措置が発動され、銀行業務の健全かつ適切な運営を確保するために、業務の全部若しくは一部の停止などの命令を受けることとなります。
現時点での当行グループの自己資本比率は所要自己資本比率を大幅に上回っており、業務の停止などの命令を受ける可能性は低いと思われます。しかし、例え所要自己資本比率を上回っていたとしても、自己資本の毀損やリスクの増加により自己資本比率が大幅に低下した場合、早期是正措置の発動につながる可能性があります。
このため、当行グループは、信用リスクアセットの状況や損益予想に基づき、必要に応じリスクアセットのコントロールを行うなど、予期せぬ自己資本比率の低下を回避するための体制を整備しております。
(7) 災害及び感染症拡大に係るリスク
集中豪雨・南海トラフ地震等の自然災害や、停電等の社会インフラの障害等が発生し、店舗等の施設や役職員が被害を受けること等で、業務継続に支障が生じたり、多額の損失が発生したりすることで、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
このため、当行グループでは、業務継続計画において緊急時は頭取を本部長とする総合対策本部を設置する等緊急時の役割や対応を定めるとともに、訓練の実施、施設の改修、備蓄品の確保等により、人的・物的被害の回避・軽減及び業務継続体制の実効性向上に取り組んでおります。
①年金債務に係るリスク
当行グループの年金資産の時価が下落した場合、年金資産の運用利回りが低下した場合、又は予定給付債務を計算する前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があり退職給付債務が増加する場合、将来期間において認識される費用及び計上される債務が変動し、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
当行グループは、会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来解消すると見込まれる会計上の利益と税法上の課税所得との差異を繰延税金資産として貸借対照表に計上しております。しかし、将来の課税所得の予測に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断される場合や会計基準等の変更により繰延税金資産の計上額が制限される場合には、繰延税金資産は減額され、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
③固定資産の減損に係るリスク
当行グループは、営業拠点等の固定資産を保有しておりますが、今後の経済環境や不動産価格、その他地域銀行を取り巻く環境の変動によって、当該固定資産の収益性の低下又は損失が発生した場合、多額の償却(減損処理)が発生し、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
当行グループは、金利や為替相場等の変動リスクのヘッジ目的やお客さまに対する各種リスクヘッジ手段の提供のほか、一定の限度額の範囲で収益獲得等を目的にデリバティブ取引を行っておりますが、相場環境や取引相手の信用状況が大きく変動した場合、又は契約不履行が発生した場合、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
当行グループは、業務の遂行上、顧客情報及び経営情報を大量に保有しておりますが、これらの情報の漏えい、紛失、改ざん、不正使用等が発生した場合、当行グループの信用・評価に影響を及ぼすとともに損害賠償に係る費用が発生し、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(預金業務)
当連結会計年度末の総預金残高は、前連結会計年度末比1,478億円増加して4兆7,806億円となりました。
(貸出業務)
当連結会計年度末の貸出金残高は、前連結会計年度末比2,023億円増加して3兆3,622億円となりました。
(有価証券)
当連結会計年度末の有価証券残高は、前連結会計年度末比2,302億円減少して1兆446億円となりました。
(損益)
当連結会計年度の経常収益は、前連結会計年度比117億96百万円増加して848億88百万円となりました。一方、経常費用は、前連結会計年度比136億88百万円増加して715億92百万円となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比18億92百万円減少して132億95百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比25億30百万円減少して91億72百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるセグメントごとの業績は次のとおりであります。また、当行グループは、経常利益をセグメント利益としております。
① 銀行業セグメント
経常収益は前連結会計年度比120億50百万円増加して759億98百万円となりましたが、セグメント利益は前連結会計年度比19億10百万円減少して118億71百万円となりました。
② リース業セグメント
経常収益は前連結会計年度比4億10百万円減少して79億45百万円となりましたが、セグメント利益は前連結会計年度比1億62百万円増加して4億89百万円となりました。
③ その他事業セグメント
経常収益は前連結会計年度比94百万円増加して55億6百万円となりましたが、セグメント利益は前連結会計年度比50百万円減少して15億93百万円となりました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、前連結会計年度比4,060億74百万円減少し、1,521億53百万円のマイナスとなりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、前連結会計年度比2,561億15百万円増加し、2,270億10百万円のプラスとなりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、前連結会計年度比14億19百万円減少し、31億91百万円のマイナスとなりました。
これらの結果、「現金及び現金同等物」は前連結会計年度末比716億69百万円増加し、当連結会計年度末残高は1兆1,583億91百万円となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
資金運用収支は、効率的な資金の運用・調達につとめました結果、「国内業務部門」で343億25百万円、「国際業務部門」で56億33百万円となり、「合計」は前連結会計年度比3億32百万円増加し、399億59百万円となりました。
また、役務取引等収支の「合計」は、前連結会計年度比1億7百万円減少し、その他業務収支の「合計」は、前連結会計年度比44億25百万円の減少となりました。
(注) 1.「国内」、「海外」の区分に替えて、「国内業務部門」、「国際業務部門」で区分しております。
2.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は「国際業務部門」に含めております。
3.相殺消去額は、「国内業務部門」と「国際業務部門」の間の資金貸借に係る利息であります。
資金運用勘定においては、貸出金の増加などにより、平均残高は前連結会計年度比1,621億70百万円増加し、利回りは前連結会計年度比0.11ポイント上昇しました。
資金調達勘定においては、預金の増加などにより、平均残高は前連結会計年度比1,062億32百万円増加し、利回りは前連結会計年度比0.12ポイント上昇しました。
(注) 1.「国内業務部門」は円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等を除いた円建取引であります。
2.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、銀行業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度277,614百万円、当連結会計年度230,311百万円)を控除して表示しております。
(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は「国際業務部門」に含めております。
2.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度250百万円、当連結会計年度332百万円)を控除して表示しております。
(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度277,865百万円、当連結会計年度230,643百万円)を控除して表示しております。
2.相殺消去額は、「国内業務部門」と「国際業務部門」の間の資金貸借に係る平均残高及び利息であります。
役務取引等収益は、前連結会計年度比15百万円減少して121億75百万円となりました。このうち、預金・貸出業務に係る収益は28億78百万円と全体の23.6%を占めております。
また、役務取引等費用は、前連結会計年度比92百万円増加して31億44百万円となりました。このうち、為替業務に係る費用は3億82百万円と全体の12.1%を占めております。
(注) 「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は「国際業務部門」に含めております。
(注) 1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2.定期性預金=定期預金
3.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は「国際業務部門」に含めております。
(注)1.「国内」には、特別国際金融取引勘定分以外の「国際業務部門」を含めております。
2.中央政府向け貸出金(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度57,031百万円)については、「国内(除く特別国際金融取引勘定分)」から除いております。
該当事項はありません。
(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は「国際業務部門」に含めております。
2.「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。
連結会社のうち「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当行1社です。
(注) 1.共同信託他社管理財産 前連結会計年度末 ―百万円、当連結会計年度末 ―百万円
2.元本補てん契約のある信託については、前連結会計年度末及び当連結会計年度末の取扱残高はありません。
(参考)
連結自己資本比率(国内基準)は、前連結会計年度末比0.24ポイント低下して9.10%となりました。
自己資本比率につきましては、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:百万円、%)
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:百万円、%)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
なお、区分対象となる社債のうち、「その他有価証券」目的で保有しているものは、時価(貸借対照表計上額)で区分されております。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討結果は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度末の預金残高は、公共預金が減少しましたが、法人及び個人預金が増加したことにより、前連結会計年度末比1,381億円増加して4兆6,964億円となり、譲渡性預金を含めた総預金では、前連結会計年度末比1,478億円増加して4兆7,806億円となりました。
当連結会計年度末の預り資産残高は、投資信託は減少しましたが、一時払保険及び金融商品仲介が増加したことにより、前連結会計年度末比100億円増加して3,301億円となりました。
当連結会計年度末の貸出金残高は、法人向け、公共向け及び個人向け貸出金がいずれも増加したことにより、前連結会計年度末比2,023億円増加して3兆3,622億円となりました。
○金融再生法開示債権及びリスク管理債権の状況
当連結会計年度末の正常債権を除く金融再生法開示債権及びリスク管理債権は、前連結会計年度末比11億円減少して612億円となりました。不良債権に対しては、お取引先の経営支援に積極的に取り組みつつ、担保及び貸倒引当金により適正かつ十分な対応を行っております。
(注)上表の金額、比率は、部分直接償却後の計数であります。
当連結会計年度末の有価証券残高は、主に債券が減少したことにより、前連結会計年度末比2,302億円減少して1兆446億円となりました。なお、当連結会計年度末の「その他有価証券」の差引評価益は、前連結会計年度末比161億円減少して208億円となりました。
(注)「その他」は投資信託・外国証券等であります。
イ.経常収益
当連結会計年度の経常収益は、海外金利の上昇を主因とした貸出金利息の増加による資金運用収益の増加や、金融派生商品収益及び外国為替売買益の増加等によるその他業務収益の増加などにより、前連結会計年度比117億96百万円増加して848億88百万円となりました。
ロ.連結粗利益
当連結会計年度の連結粗利益は、資金利益は増加しましたが、その他業務利益及び役務取引等利益の減少などにより、前連結会計年度比42億1百万円減少して439億95百万円となりました。
ハ.経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の経常利益は、株式関係損益が増加しましたが、連結粗利益の減少などにより前連結会計年度比18億92百万円減少して132億95百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比25億30百万円減少して91億72百万円となりました。
(注)連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+信託報酬+(役務取引等収益-役務取引等費用)
+(その他業務収益-その他業務費用)
また、当連結会計年度におけるセグメントごとの分析は次のとおりであります。
このうち、「銀行業」は、当連結会計年度において、当行グループの経常収益合計(セグメント間内部経常収益控除前)の84%を占めており、最も重要なセグメントであると認識しております。
(ⅰ)銀行業セグメント
経常収益は資金運用収益やその他業務収益の増加などにより、前連結会計年度比120億50百万円増加して759億98百万円となりました。また、経常費用は、営業経費及びその他経常費用は減少しましたが、その他業務費用や資金調達費用の増加などにより、前連結会計年度比139億61百万円増加して641億27百万円となりました。この結果、セグメント利益は前連結会計年度比19億10百万円減少して118億71百万円となりました。
(ⅱ)リース業セグメント
経常収益はリース料収入の減少などにより、前連結会計年度比4億10百万円減少して79億45百万円となりましたが、セグメント利益はリース原価の減少などにより、前連結会計年度比1億62百万円増加して4億89百万円となりました。
(ⅲ)その他事業セグメント
経常収益はクレジットカード業務及び保証業務などで増加したことなどにより、前連結会計年度比94百万円増加して55億6百万円となりましたが、セグメント利益は営業経費が増加したことなどにより、前連結会計年度比50百万円減少して15億93百万円となりました。
前中期経営計画「トライ☆ミライ!」(2020年度~2022年度)の達成状況及び経営目標に対する実績は下記のとおりであります。
[前中期経営計画の達成状況]
めざすべき姿として掲げた「当行ならではの新たな価値提供を通じて、お客さま・地域の未来を共創する総合コンサルティング・グループ」に向けた体制整備が以下のとおり進みました。
・法人のお客さまの事業性を評価する取組みの高度化を図り課題解決力が向上したことで、お客さまからも一定の評価が得られました。
・また、様々な課題を抱えるお客さまにトータルなコンサルティングサービスを提供できるよう、各部に分散していた法人コンサルティング機能を集約した「コンサルティング部」を新設し、「人事制度コンサルティングサービス」や「経営コンサルティングサービス」等の有償コンサルティングサービスを開始するなど、コンサルティング分野の拡充を図りました。
・個人のお客さまに適時のタイミングで適切な商品・サービスを提供するためのデータ分析・マーケティングを担う「デジタル戦略室」や、法人・個人一体で資産運用や財産承継、事業承継等に専門的に対応する「PB(プライベート・バンキング)・事業承継チーム」を新設しました。また、個人ローンの非対面完結機能の導入等により、お客さまの利便性向上につとめました。
・瀬戸内の地場産業である海事産業の発展に貢献するため、新船・中古船の導入及び保有船のリプレース需要がある船主さまへの資金面のサポートに積極的に取り組みました。
・各種資格の取得、外部専門機関へのトレーニー派遣、行内資格制度の積極的な活用、中途退職者の再雇用制度である「キャリアリターン制度」の導入等による中途採用の強化を進め、コンサルティング業務のベースとなる各種専門人材の拡充につとめました。
・職員の業務に対する意欲や成長を促すための「1on1ミーティング」の試行拡大、及び多様な働き方や主体的なキャリア形成、能力開発を支援するための「副業制度」を導入する等、職場環境の改善に取り組みました。
・幅広い産業分野や事業者への資金供給を通じて成長を支援する「ストラクチャードファイナンス」への取組み強化等、本部で稼ぐ力を向上させました。
・地域のお客さまの利便性向上及び接点強化を目的に、「114バンキングアプリ」を導入いたしました。
・ローコスト経営の実践のために、店舗統合及び主に個人のお客さまにご利用いただける「クイックスクエア」の設置等店舗網の再編を進めました。コストマネジメントの徹底にもつとめ、経費は計画以上の削減を図りました。
[経営目標の達成状況]
金利上昇等の影響から効率性にかかる経営指標は中期経営計画の最終年度目標を下回ったものの、適切なリスク管理のもと収益の増強を図るとともに、経費削減及び業務効率化を進めた結果、収益性及び健全性にかかる経営指標は中期経営計画の最終年度目標を上回りました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、貸出金の増加等により、1,521億53百万円のマイナスとなり、前連結会計年度比では4,060億74百万円減少しました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、有価証券の売却及び償還等により、2,270億10百万円のプラスとなり、前連結会計年度比では2,561億15百万円増加しました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、自己株式の取得及び配当金の支払い等により、31億91百万円のマイナスとなり、前連結会計年度比では14億19百万円減少しました。
これらの結果、「現金及び現金同等物」は1兆1,583億91百万円となり、前連結会計年度末比716億69百万円増加しました。
当行グループは、地域の皆さまよりお預け入れいただいた預金を資金調達の原資とし、貸出金や有価証券等にて資金運用を行っております。また、外貨資金等については、必要に応じて市場等から調達しております。資金調達・運用の状況については、定期的にモニタリングし、必要に応じて対応を検討するALM態勢を整備しております。
重要な資本的支出は、第3「設備の状況」3「設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。主なものとして電子計算機等の設備投資47億87百万円を予定しており、うち30億73百万円を翌連結会計年度以降に自己資金での支払を予定しております。
また今後の経営戦略として、非対面チャネルの充実や店舗・業務のデジタル化などによるDX推進への投資のほか、EV車導入や事業用不動産のLED化など脱炭素・循環型社会の実現に向けた省エネ関連への投資も積極的に行っていく方針であります。
株主還元につきましては、安定的な利益還元に配慮しつつ、内部留保の充実度合い、利益の状況及び経営環境等を総合的に判断したうえで、配当を実施していく予定であります。
今後予定している資本的支出及び株主還元は、主に自己資金にて対応する予定であります。
当行グループは、銀行業を中心に事業展開しており、主要業務は貸出業務であります。融資契約により発生した貸出金が総資産に占める割合は概ね6割であり、この貸出金を基準に算定される「貸倒引当金」は、当行の損益に与える影響が大きいため、重要な会計上の見積りとしております。
貸倒引当金の算定方法等につきましては、第5「経理の状況」における「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる事項)4.会計方針に関する事項(5)貸倒引当金の計上基準」、及び「注記事項(重要な会計上の見積り)」「(貸倒引当金)」に記載のとおりであります。
<損益に与える影響>
(注)貸倒引当金算定において、影響額が大きい正常先について記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度末における主要な設備の状況は次のとおりであります。
(2023年3月31日現在)
(注) 1.土地の面積欄の( )内は、借地の面積(うち書き)であり、その年間賃借料は建物も含め994百万円であります。
2.銀行業の動産は、事務機械478百万円、その他898百万円であります。
3.当行の海外駐在員事務所1か所、店舗外現金自動設備145か所は銀行業に含めて記載しております。
4.銀行業には、連結会社以外に貸与している土地2,834百万円(7,775㎡)が含まれております。
イ.2014年6月27日開催の取締役会において決議されたもの
ロ.2015年6月26日開催の取締役会において決議されたもの
ハ.2016年6月29日開催の取締役会において決議されたもの
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末現在(2023年5月31日)においてこれらの事項に変更はありません。
(注)1.2018年10月1日付株式併合(10株につき1株の割合)により、株式数及び価格を調整しております。
2.新株予約権1個につき目的となる株式数 10株
3.新株予約権の目的となる株式の数
当行が株式分割(株式無償割当を含む。以下同じ。)または株式併合を行う場合は、新株予約権のうち、当該株式分割または株式併合の時点で行使されていない新株予約権について、次の算式により新株予約権1個当たりの目的である株式の数(以下「付与株式数」という。)の調整を行い、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割または併合の比率
また、割当日後に当行が合併、会社分割を行う場合その他これに準じ付与株式数の調整を必要とする場合には、合理的な範囲内で付与株式数は適切に調整されるものとする。
4.新株予約権の行使の条件
①新株予約権者は、当行の取締役の地位を喪失した日の翌日以降10日間に限り、新株予約権を一括して行使することができる。
②上記①の規定にかかわらず、新株予約権者が当行の取締役の地位にある場合にあっても、割り当てられた新株予約権の権利を行使することができる期間満了の日から数えて365日に満たなくなった日以降においては一括して行使することができる。
5.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当行が、合併(当行が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)については、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づき、新株予約権者に交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社の新株予約権を新たに交付するものとする。
ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
①交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数を交付するものとする。
②新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の種類及び数
新株予約権の目的となる株式の種類は再編対象会社普通株式とし、新株予約権の行使により交付する再編対象会社普通株式の数は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、前記(注)2に準じて決定する。
③新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、以下に定める再編後行使価額に当該各新株予約権の目的となる株式数を乗じて得られる金額とする。再編後行使価額は、交付される新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編対象会社の株式1株当たりの金額を1円とする。
④新株予約権を行使することができる期間
前記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、前記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権の行使期間の満了日までとする。
⑤新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
前記「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」に準じて決定する。
⑥新株予約権の譲渡制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の承認を要するものとする。
⑦新株予約権の取得に関する事項
イ.新株予約権者が権利を行使する前に、前記(注)3の定めまたは新株予約権割当契約の定めにより新株予約権を行使できなくなった場合、当行は当行の取締役会が別途定める日をもって当該新株予約権を無償で取得することができる。
ロ.当行が消滅会社となる合併契約、当行が分割会社となる吸収分割契約もしくは新設分割計画または当行が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画の承認の議案が当行の株主総会(株主総会が不要な場合は当行の取締役会)において承認された場合は、当行は当行の取締役会が別途定める日をもって、同日時点で権利行使されていない新株予約権を無償で取得することができる。
該当事項はありません。
(注)1.2018年10月1日付で普通株式10株を1株とする株式併合を実施しました。これにより、発行済株式総数は270,000千株減少し、30,000千株となっております。
2.発行済株式総数の減少は、自己株式の消却によるものであります。
2023年3月31日現在
(注) 1.自己株式103,887株は、「個人その他」に1,038単元、「単元未満株式の状況」に87株含まれております。
2.「金融機関」の欄には、役員報酬BIP信託が保有する当行株式が767単元含まれております。
3.「その他の法人」には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が14単元含まれております。
2023年3月31日現在
(注)1.発行済株式から除いた自己株式は、当行所有の103千株であります。
2.「太平洋セメント株式会社」の所有株式数のうち、595千株は退職給付信託に拠出しておりますが、議決権の指図権は同社が留保しております。
3.「日本ハム株式会社」の所有株式数のうち、373千株は退職給付信託に拠出しておりますが、議決権の指図権は同社が留保しております。
1.報告セグメントの概要
当行グループの報告セグメントは、当行グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当行グループは、銀行業務を中心に、連結子会社においてリース業務をはじめとする金融サービスに係わる事業を行っており、当行及び企業集団を構成する個々の連結子会社がそれぞれ事業計画等を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当行グループは、当行及び個々の連結子会社を基礎とした業務別のセグメントから構成されており、「銀行業」及び「リース業」の2つを報告セグメントとしております。なお、「銀行業」は、預金業務、貸出業務、有価証券投資業務、為替業務等を行い、「リース業」は、連結子会社の百十四リース株式会社において、リース業務等を行っております。