株式会社セブン銀行
(1) 当連結会計年度の前4連結会計年度及び当連結会計年度に係る次に掲げる主要な経営指標等の推移
(注)1.役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託を導入し、当該信託が保有する当社株式を連結財務諸表において自己株式として計上しております。これに伴い、当該信託が保有する当社株式を1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式数に含めており、また、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式数に含めております。
2.自己資本比率は、(期末純資産の部合計-期末新株予約権-期末非支配株主持分)を期末資産の部の合計で除して算出しております。
3.2021年度以降の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.従業員数は、役員、執行役員、連結会社外への出向者、パート社員、派遣スタッフを除き、連結会社外からの出向者を含めた就業人員であります。
5.従業員数の〔外書〕は、1日8時間、月間163時間換算による臨時従業員の月平均人員を概数で記載しております。
(2) 当社の当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に係る主要な経営指標等の推移
(注)1.第22期(2023年3月期)中間配当についての取締役会決議は2022年11月4日に行いました。
2.役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託を導入し、当該信託が保有する当社株式を財務諸表において自己株式として計上しております。これに伴い、当該信託が保有する当社株式を1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式数に含めており、また、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式数に含めております。
3.自己資本比率は、(期末純資産の部合計-期末新株予約権)を期末資産の部の合計で除して算出しております。
4.第21期以降の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
5.従業員数は、役員、執行役員、当社から社外への出向者、パート社員、派遣スタッフを除き、社外から当社への出向者を含めた就業人員であります。
6.従業員数の〔外書〕は、1日8時間、月間163時間換算による臨時従業員の月平均人員を概数で記載しております。
7.最高株価及び最低株価は、第22期より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものであります。
当社グループは、当社、連結子会社9社(FCTI, Inc.、PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL、株式会社バンク・ビジネスファクトリー、株式会社セブン・ペイメントサービス、Pito AxM Platform, Inc.、株式会社セブン・グローバルレミット、株式会社ACSiON、株式会社Credd Finance、株式会社ビバビーダメディカルライフ)及び関連会社4社(株式会社セブン・ペイ、TORANOTEC株式会社、TORANOTEC投信投資顧問株式会社、株式会社メタップスペイメント)の計14社で構成され、国内外における各事業を推進しております。
国内事業においては、ATMサービス及び金融サービス等の提供を行っております。また、海外事業においては米国、インドネシア、フィリピンでATMサービスの提供を行っております。
当社及び当社の関係会社の事業に係わる位置づけは次のとおりであります。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表」の「注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
ATMサービスの提供については、セブン&アイHLDGS.グループ各社(以下、「グループ」という。)のセブン‐イレブン、イトーヨーカドー等の店舗をはじめ、空港や駅、金融機関店舗等にATMを設置し、多くの国内金融機関等と提携することで、原則24時間365日稼働する利便性の高いATMネットワークを介して、多くのお客さまにATMサービスを展開しております。
金融サービス等の提供については、当社に口座をお持ちのお客さまを対象に、普通預金や定期預金、ローンサービス、海外送金サービス、デビットサービス等の身近で便利な口座サービスに加え、当社グループの知見活用や外部企業との連携により、様々なお客さまのニーズに応えた金融サービスを展開しております。
当社連結子会社のFCTI, Inc.は米国において、セブン‐イレブン店舗へATMを設置し、ATMサービスを展開しております。
インドネシアにおける当社連結子会社のPT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONALは現地でのATMサービスを展開しております。また、フィリピンにおける当社連結子会社のPito AxM Platform, Inc.は、セブン‐イレブン店舗へATMを設置し、ATMサービスを展開しております。
以上のように、多様化する社会の変化を大きなビジネス機会と捉え、社会価値・企業価値双方の持続的な創出を目指し、事業・サービスの多角化に向けた取組みを推進しております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

(注)各社との重要な契約内容については「第2 事業の状況」中、「5 経営上の重要な契約等」を参照
(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.上記関係会社のうち、特定子会社に該当する会社は、PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL及びPito AxM Platform, Inc.であります。
3.「議決権の所有又は被所有割合」欄の( )内は、間接所有の割合(内書)であります。なお、議決権の所有又は被所有割合は、小数点第3位以下を切捨て表示しております(株式の所有割合を含め、以下、同じ)。
4.株式会社セブン&アイ・ホールディングスは有価証券報告書を提出しております。
5.「当社との関係内容」の「役員の兼任等」欄の( )内は、当社の役員(内書)であります。
6.FCTI, Inc.については、経常収益(連結会社相互間の内部経常収益を除く)の連結経常収益に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 経常収益 24,531百万円
② 経常損失(△) △438 〃
③ 当期純利益 2 〃
④ 純資産額 15,956 〃
⑤ 総資産額 18,814 〃
2023年3月31日現在
(注)1.従業員数は、役員、執行役員、連結会社外への出向者、パート社員、派遣スタッフを除き、連結会社外からの出向者を含めた就業人員であります。
2.従業員数の〔外書〕は、1日8時間、月間163時間換算による臨時従業員の月平均人員を概数で記載しております。
3.前連結会計年度末に比べ従業員数が国内事業で83名、海外事業で22名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。
2023年3月31日現在
(注)1.従業員数は、役員、執行役員、当社から社外への出向者、パート社員、派遣スタッフを除き、社外から当社への出向者を含めた就業人員であります。
2.当社の従業員はすべて国内事業のセグメントに属しております。
3.従業員数の〔外書〕は、1日8時間、月間163時間換算による臨時従業員の月平均人員を概数で記載しております。
4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5.平均年間給与は、社外から当社への出向者を含んでおりません。
6.当社では労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3)女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金格差
①当社
(注)1.女性管理職比率と男女間賃金格差は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.男性の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.女性管理職比率は、当社から社外への出向者を除き、管理職である参事・副参事・主任調査役で算出しております。
4.男性の育児休業取得率は、社外から当社への出向者を除いております。
5.男女間賃金格差の対象社員に関して、役員、執行役員、社外から当社への出向者を除いております。非正規雇用労働者は、契約社員(有期雇用労働者)・アソシエイト社員(無期契約転換者)・嘱託社員(60歳以上の有期雇用労働者)・マスターズ社員(65歳以上のパートタイム労働者)としております。
6.男女間賃金格差の賃金に関しては、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
男女間賃金格差の補足説明
・役割に基づいた同一社員等級における男女間賃金格差はないものの、女性で育児等に伴う短時間勤務社員が多いこと等で、格差が生じています。
・非正規雇用労働者の格差に関しては、上記の通り異なる区分を一括りに算出していますが、区分毎に役割が異なり、それに応じた処遇・賃金となっていますので、正規雇用労働者と比較し格差が大きくなっています。
②連結子会社:株式会社バンク・ビジネスファクトリー
(注)1.女性管理職比率と男女間賃金格差は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.男性の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.女性管理職比率は、自社から社外への出向者を除いています。自社に関しては管理職であるフェロー以上の職群職責ランクとし、セブン銀行からの出向者は参事・副参事・主任調査役で算出しております。
4.男性の育児休業取得率に関しては、当該年度内において、配偶者が出産した男性労働者がいませんでした。
5.男女間賃金格差の対象社員に関して、役員、執行役員、社外から自社への出向者を除いています。非正規雇用労働者は、嘱託社員(有期雇用フルタイム社員)・パートナー社員(有期雇用パート社員)・マスターズ社員(有期雇用パート社員)としております。
6.男女間賃金格差の賃金に関しては、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
男女間賃金格差の補足説明
・正規雇用労働者に関しては、女性社員の多くは、パート社員/派遣社員からの正社員登用によるため、割合として非管理職層が多くなっており、支給額差異に影響を及ぼしています。
・非正規雇用労働者に関しては、女性社員の半数程度が扶養の範囲で就業しているパート社員であること、男性社員の中に元管理職の社員が複数名いることが支給額差異に影響を及ぼしています。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末において判断したものであります。
お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。
1.お客さまのニーズに的確に応え、信頼される銀行を目指します。
2.社員一人一人が、技術革新の成果をスピーディーに取り入れ、自己変革に取り組んでいきます。
3.安全かつ効率的な決済インフラの提供を通じて、我が国の金融システムの安定と発展に貢献します。
当社は、セブン‐イレブンをはじめとするグループの2万店以上の店舗インフラを活用し、原則24時間365日利用できるATMネットワークを構築することで、お客さまの暮らしに密着した「おサイフ」代わりの銀行サービスを「安全、確実、迅速」に提供することに努めます。
また、利便性の高い当社ATMネットワークを他の金融機関等に活用いただくことでお客さまサービスの向上や事業効率化に繋げていただく等、共存共栄の理念に基づいたサービスの実現を図ります。
さらに、グループのお客さまが求める金融に関するサービスを積極的に提供することにより、幅広いお客さまにより多くご来店いただくように努力するとともに、結果としてグループの収益力を向上させるという相乗効果を追求してまいります。
当社は、取巻く事業環境の大きな変化に対応し持続的に企業価値を向上させるため、収益構造に厚みを持たすべく事業の多角化を推進しております。当社グループの長期的な持続可能性・成長性を最大化すべく2021年5月に策定した中期経営計画では、連結経常収益拡大を最重視した施策を推進しております。なお、中期経営計画の実行度合いを評価する指標として、計画最終年度の連結KPIを以下のとおり設定しておりましたが、足元の業績進捗を踏まえ、2023年5月12日にこのKPIをアップデートすることを発表いたしました。
(3)経営環境
当社グループを取巻く事業環境は国内外における物価上昇や金利上昇、デジタル技術進展に伴う決済手段の多様化や異業種の金融事業への新規参入、環境・社会課題への意識の高まり等、急速に変化しております。これまで以上に社会の変化、お客さまのニーズの多様化を敏感に捉え、技術革新の成果をスピーディーに取り入れた柔軟な経営が求められていると認識しております。
加えて格差拡大、気候変動等の社会課題が顕在化・深刻化しており、企業も社会を構成する一員として、その解決に対し、これまで以上に真摯に向き合う時代を迎えております。
当社グループは、「お客さまの『あったらいいな』を超えて、日常の未来を生みだし続ける。」ために存在します。この存在意義に基づきセブン銀行はお客さまの生活に寄り添い「近くて便利」、「信頼と安心」を実現するユニークな銀行として、持続的な成長を目指してまいります。
2025年までの5カ年を当社が持続的に成長し、「第二の成長を具体化していく」期間と位置づけ、中期経営計画(2021年度~2025年度)を策定しております。本中期経営計画では、以下の3つの基本施策を推進してまいります。
<基本施策>
①基幹事業であるATMプラットフォーム事業の変革と積極的な投資を通じた戦略事業分野での事業多角化
②サステナビリティを長期的な経営戦略の根幹と位置づけ、深刻化・顕在化する社会課題に対し事業活動を通じて貢献し、社会・企業双方における新たな価値創造を持続的に推進
③持続的成長の原動力となる事業・運営の両面における企業変革(コーポレート・トランスフォーメーション)の推進
(5)対処すべき課題
当社グループは、経営環境の変化を更なる変革と飛躍のチャンスと捉えており、以下の課題に対処することにより、当社グループの持続的成長を実現し、お客さまや社会に必要とされる企業であり続けたいと考えております。
<国内事業セグメント>
■ATMプラットフォーム戦略
・これまで当社が中核事業としてきたATMの現金プラットフォーム事業は、キャッシュレス化の進展などにより、大きな転換点を迎えておりますが、従来から取り扱ってきた金融機関の現金入出金取引に加え、コード決済等事業会社の現金チャージ取引が大きく増加したことなどにより、当社のATM年間総利用件数は創業以来、過去最高となりました。当社は、決済環境の変化は新しいATMサービスが生まれるチャンスであるとの認識のもと、デジタル化、キャッシュレス化の流れの中でも、リアルとバーチャルの貴重な接点として、引続きATMを通じて、お客さまに安心で便利なサービスを提供する取組みを続けてまいります。
・2019年9月に設置を開始し、入替を進めてきた第4世代ATMは全台数のおよそ5割に達しております。第4世代ATMで新たに実装した機能(本人認証機能、スキャニング機能等)を活用し、金融機関などの諸手続をATMで受け付けるサービスを本格的に展開してまいります。今後も、こうした諸手続受付サービスが可能な対象エリアの拡大及びサービスの拡充を図り、セブン銀行ATMがサービスプラットフォームとして、あらゆる手続き・認証の窓口となる世界の実現を目指してまいります。
■リテール戦略
・金融リテール分野では従来の金融機関等に加え、Fintech企業等様々な企業がひしめき合い、金融サービスのアンバンドリング化・多様化が進んでいます。このような中、当社は、約2,800万人の会員数を誇る「7iD」との連携を始めとした、セブン&アイHLDGS.グループとの連携強化を図るとともに、流通グループ発祥の銀行ならではのユニークな金融商品を開発・提供する取組みを拡大してまいります。
・日本に居住する外国人居住者が増加する中、当社グループは、外国人居住者向けに、海外送金、クレジットカードや保険商品など、複数の金融サービスを提供してまいりました。今後も、外国人居住者向け金融サービスを一貫して提供することで、誰もが暮らしやすい社会を目指し、多文化共生の実現に貢献してまいります。
■法人戦略
・当社が創業来蓄積し、強みとしている銀行品質の事務処理能力や安心・安全な資金管理・資金移動の仕組み、認証などのセキュリティの高いテクノロジーについて、金融機関や一般事業者に提供するサービスの拡大を図ってまいりました。昨今、進化するDXの技術をいち早く取り入れ、外部事業者とも協力しながら事業規模の拡大に努めてまいります。
<海外事業セグメント>
■海外戦略
・米国では、米国金利の上昇により資金調達コストが増加しておりますが、ATM機内現金の圧縮対策などにより金利市場の影響を最小化する手段を講じてまいります。同時に米国セブン‐イレブンに設置している約8,700台のATMネットワークを活用し、新たな金融サービスの提供と高品質な顧客体験を通じて、ATMや設置先店舗の利用機会の拡大を図るとともに、消費者ニーズに合致した金融サービスを提供することで、米国市場での顧客基盤の強化と事業の多角化を目指してまいります。
・アジアでは、インドネシア・フィリピンの2カ国でATMサービスを展開し、ATM設置台数拡大を加速しております。両国では、利用者にとって日常生活に必要なATMが十分に設置されていないため、引続き高い需要が見込まれます。両国におけるATMネットワーク網の整備を進め、その後、ATMを入り口とした多層的な金融サービスの実現に取組んでまいります。
当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。当社グループが創業から大事にしてきた常にお客さまの想いに寄り添い、お応えする姿勢はこれからも変わることはありません。
「近くて便利」、「信頼と安心」を実現するユニークな銀行グループとして、独創的で新しい価値を創造するため挑戦を続けてまいります。
以下において、当社の事業その他に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社の事業その他に関するリスクは、これらのものに限られるものではなく、当社の認識していないリスクを含め、これら以外のリスクが無いという保証はありません。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末において判断したものであります。
なお、経営に係る各種リスクを適切に認識・管理するための枠組みとして、当社は取締役会により決定される「リスク管理基本方針」のもと、全社的なリスク管理方針、各種リスク管理方針及びリスク管理組織・体制を定めております。また、リスクに関する経営会議の諮問機関として「リスク管理委員会」、「ALM委員会」及び「セキュリティ委員会」を設置し、全社的なリスク管理統括部署としてリスク統括部を設置するとともに各種リスクの管理統括部署を設置し、適切なリスク管理を実践しております。
1.事業戦略上のリスク
当社の収入は、ATMプラットフォーム事業に大きく依存しております。お客さまの利便性、安心感の向上を実現するために、堅実なATM台数の増加及び独自の新ATMサービスの開発・提供、セキュリティの強化等を推進しておりますが、ATMプラットフォーム事業のビジネスモデルを脅かす以下のような変化があった場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
将来、キャッシュレス化が更に進んだ場合は、ATM利用件数が減少し、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
このような環境下においても利用件数向上を目指し、従来の概念にない新たなATMサービス(交通系電子マネー、コード決済等へのチャージ取引やATM受取(現金受取サービス)、マイナンバーを活用した取引等)を創造し、社会的価値を拡大することを目指してまいります。
当社は、グループ外のコンビニエンスストア等に対してATMを設置する会社等との間では競合関係にあります。また、ATMネットワークを有する金融機関等がATM展開を積極化する場合には、当社との競合関係が拡大するおそれがあります。
将来、これらの会社等との競争が激化し、当社ATM利用者又はATM受入手数料の減少等が生じる場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
当社が提携先から受取るATM受入手数料は、双方の事業にとって合理的と判断される水準に定めておりますが、ATM受入手数料の水準が引下げられた場合、またはATM受入手数料の水準が折合わず提携関係が解消された場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
当社はグループ内の各店舗を始め、商業施設等のグループ外にもATM設置を拡大し、安定的にATM設置場所を確保、拡大しておりますが、将来、ATM設置場所の確保、拡大に支障を来す場合、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
提携先のビジネスに関連する法令・規則等の改正により、提携先のお客さまの当社ATM利用が大幅に減少した場合には、ATM受入手数料収入の減少等により、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、ATMプラットフォーム事業を行うために必要な現金を、預金や社債等により調達しておりますが、これらの資金調達コストは市場の金利動向に影響を受けております。
当社では、金利変動の影響を小さくするため長期固定金利での調達を行う等、相応の対策を講じておりますが、大幅な金利変動により予期せぬ資金調達コストの上昇が生じた場合には、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
また、当社は、普通預金や定期預金、個人向けローンサービス、海外送金サービス、デビットサービス等の提供を行っているほか、国内の連結子会社を通じて他金融機関等からの事務受託事業等に取組んでおります。しかし、これらのサービスが順調に拡大する保証はありません。
事業領域拡大のために、現在取扱っていない他の金融サービスの提供等、新事業を開始する可能性がありますが、これらが成功する保証はありません。新事業の展開に際し、連結子会社設立やM&A及び他社との資本提携を実施する可能性があります。しかし、これらの戦略的投資について、当初期待した効果が得られず戦略目的が達成できない場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
当社は、米国、インドネシア及びフィリピンにATM運営の連結子会社を有しております。今後、これら連結子会社を取巻く政治・経済環境に大きな変化、あるいは自然災害等の不測の事態が生じた場合や、これら連結子会社の業績が不振に陥った場合は、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
海外事業では、ATM事業を行うために必要な現金を金融機関等から調達しておりますが、市場金利が上昇した場合には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。加えて、為替レートの変動により、当社の利益が減少する可能性があります。
上記連結子会社ではATM設置への強い需要に対応して設置台数を拡大しておりますが、設置場所は国内と比べ治安が不安定な地域も含まれております。さまざまな犯罪を想定のうえ、十分な安全対策を講じておりますが、ATMへの物理的な攻撃その他想定外の犯罪に遭遇し、ATM損傷又はATM機内現金を盗取された場合、損失が生じるおそれがあります。
当社は、有形固定資産やのれん等の無形固定資産を保有しております。保有資産・連結子会社等の収益性悪化やその他資産価値の毀損等により減損処理が必要になった場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、システムリスク管理についての基本的な考え方を「システムリスク管理規程」に定め、規程に基づきシステム開発・運用を行うことで、効率的な開発・品質向上及び安定運用を実現できるよう努めております。また、常時2センターが稼働するシステム構成の採用、サーバ・ネットワーク機器の冗長化、24時間365日の運用監視等、システム障害への対策を実施するとともに、重要度に応じたファイル・プログラム等のバックアップを行い、不測の事態に備え隔地保管を実施しております。
しかし、大地震、台風等の自然災害、停電、ネットワーク障害、コンピュータウィルス等による障害又は人為的なミスによるシステム機能停止等の危険性を完全に排除することはできず、その場合には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
当社は、ATM装填用現金の交換や各種システムの開発・運用のほか、ATMの保守・管理、コールセンター業務等の重要な業務を外部委託しております。また、預金口座開設に係る業務のうち、キャッシュカード発行・郵送業務等も外部委託しております。
現在、これらの外部委託先との関係は良好ですが、外部委託先の事業環境悪化等により委託手数料が高騰した場合や何らかの事情により外部委託先のサービス提供が困難になった場合等には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
当社の事業戦略、人事政策、資本政策等は、全て当社が独立して主体的に検討の上、決定しておりますが、当社は、グループ内の店舗を中心にATMを設置することでATMプラットフォーム事業を展開しております。
当社は株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東証プライム上場)の連結子会社であり、当連結会計年度末現在において、同社は当社議決権の46.28%を所有しております。同社は、今後も引続き大株主であり続けるものと想定され、当社の方針決定に何らかの影響を与えないという保証はありません。
当社の2023年3月末時点のATM設置台数は、グループ内においては23,285台(内訳は、セブン‐イレブン店舗内22,619台、イトーヨーカドー店舗内263台、その他403台)となっております。また、グループ外においては3,628台となっております。このように、当社ATMの約90%はグループ内に設置されていることから、グループ内にATMを設置し続けることが困難になった場合やグループの店舗の来客数が著しく減少した場合には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
また、当社は、グループに対してATM設置手数料を支払っておりますが、条件の大幅な変動により当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
グループ各社に関連する重要な取引は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載しております。
当社は、ATMを中心とした非対面取引を基本とした銀行としての特殊性を認識し、口座開設時の取引時確認を厳正に行っております。また、ATM利用状況、口座利用状況を随時監視し、ATMや当社口座の金融犯罪利用を未然に防止するよう努めるとともに、お客さまの保護に注力しております。しかし、犯罪手口の急激な高度化・巧妙化により一時的に対策が追いつかない場合には、風評の悪化等により社会的評価や損益に影響が及ぶおそれがあります。
現在までのところ、重大な訴訟は発生しておりません。また、主に予防法務に重点を置き、弁護士等の専門家等と連携を取りながら、リスクの極小化に努めております。しかし、将来に亘って法令違反や不完全な契約締結等の法律上の問題を原因として、当社の損益及び財務状況に影響を及ぼす訴訟や係争が発生しない保証はありません。
当社は、現行の法令・規則等に従い業務を遂行しておりますが、将来の法令改正等の内容及びその影響を予測しコントロールすることは困難であり、将来に亘り当社の想定どおりに事業を遂行できる保証はありません。
当社は、銀行法第4条第1項の規定に基づき、銀行業を営むことについての免許(免許書番号金監第1812号)の交付を受け、預金、為替、貸付業務をはじめとした種々の業務を営んでおります。ただし、銀行法第4条第4項の規定(注)に基づき当社の免許には一定の条件が付されており、今後、外貨預金等の新たな業務を行う場合には、改めて、監督官庁の長たる金融庁長官の承認が必要となります。
したがって、承認申請の進捗状況によっては、当社の事業計画どおりに新事業を展開できないおそれがあり、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
また、銀行業については、銀行法第26条において業務の停止等及び同第27条において免許の取消し等の要件が定められており、当該要件に該当した場合、業務の停止及び免許の取消しを命じられるおそれがあります。
現時点で、当社はこれらの事由に該当する事実はないと認識しておりますが、将来、何らかの事由により業務の停止及び免許の取消し等があった場合には、当社の事業活動に支障を来し、会社の損益に重大な影響を与えるおそれがあります。
(注)銀行法第4条第4項:内閣総理大臣は、前二項の規定による審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。
9.自己資本比率
当社は、海外営業拠点を有していないため、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)」に定められた国内基準である自己資本比率4%以上を維持する必要があります。
現状、当社の自己資本比率はこの水準を大幅に上回っております。しかし、本項に示した事業等に係る各種リスクが顕在化した場合、もしくは将来的に当該規制等が変更された場合に、その結果として要求される自己資本比率の水準を充足できなくなる可能性があります。
当社は、銀行業務を行うに際して、多数の個人情報をはじめとするお客さまの情報を保有しております。当社は、「個人情報の保護に関する法律」に定められる個人情報取扱事業者として同法に基づき個人情報の利用目的の公表または通知、個人データの安全管理、本人からの保有個人データの開示請求等には十分留意し、その旨を「個人情報管理規程」に定め社内に周知徹底しております。さらに外部委託先との間で個人情報の取扱いに関する覚書を締結し、厳格な管理を徹底しておりますが、大規模な情報漏洩等により、お客さま等に甚大な被害を及ぼす事態が生じた場合には、監督官庁からの命令、罰則等の適用を受けるほか、当社への損害賠償請求や風評の悪化等により、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。
現在、当社は、S&Pグローバル・レーティングから発行体格付けとして、長期「A」(アウトルック「安定的」)及び短期「A-1」を得ているほか、株式会社格付投資情報センターから発行体格付け「AA-」(格付けの方向性は「安定的」)を得ております。
しかし、この格付けが将来に亘って維持できる保証はなく、引下げがあった場合には、当社の資本・資金調達に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、ATMプラットフォーム事業を中心とした業容の継続的な拡大に加え、新たな事業開拓のために必要とされる人材を確保することが、事業戦略上必要であると考えております。
当社は、人材採用に関して、他の金融機関のみならず、インターネットサービス関連企業やシステム関連企業と競合関係にあるために、必要とされる人材を採用・育成し定着を図ることができない場合には、当社の損益や今後の事業展開に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、「風評リスク管理規程」を定め、当該規程において、認識すべき風評リスクの範囲を以下のとおり定めております。
・お客さまやマーケット、インターネット、ソーシャル・ネットワーキング・サービスや電子メール等における風評、風説(以下、「風評等」という。)
・マスコミの不正確又は不十分な報道等によって発生する風評等
・システム障害、個人情報漏洩、事務ミス等の当社で発生した事故もしくは経営の根幹に関わる問題等に対する
当社の不適切な対応に起因する外部からのネガティブな評価
・ATM提携金融機関等、外部委託先及びその他の取引先等に関する風評等
これらの風評リスクに対し、事実に基づき的確かつ緊急に対応することを基本方針とし、当社に損害をもたらし得る風評等を発生させないように留意し、上記事象が発生した場合には社内外への適切な対応を実施することで損害発生を最小限にとどめることができるよう体制を整備しております。
しかし、当社は、提携先や外部委託先も多く、必ずしも当社に責めがない場合においても様々なトラブルに巻込まれるおそれがあり、その結果として風評等の悪化により社会的評価や損益に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、感染症の発生及び拡大時の対応として、在宅勤務・時差出勤の推進、出社前の検温実施、社内外を問わずオンライン会議の実施等により当社及び外部委託先の従業員の感染を防止する体制を整備していますが、感染が拡大することで事業運営に支障を来し、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
ウクライナ情勢等を背景とした資源価格上昇等や構造的な人手不足等に起因する人件費上昇により、ATM運営費用や部材調達コスト等が上昇した場合、事業運営に支障を来すほか、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
気候変動により大雨・台風・洪水といった自然災害の頻度が増加した場合、ATMをはじめとする当社設備が損傷することで営業活動に支障を来すほか、影響が長引けば経済活動が制限されATMの利用低下等を招くなど、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。
当社では、気候変動は経営上重要な課題の一つと位置付け、2021年12月にTCFD提言に賛同しました。TCFDの枠組みに準拠し、事業活動に与える影響を検証するとともに、順次開示をすすめてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大への警戒が続く中、感染防止と経済活動の両立を目指し、まん延防止等重点措置等の行動制限が無かったことから個人消費を中心に持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢等による不透明感に加え、為替相場の変動もあり、エネルギーコストや原材料価格の高騰による物価上昇の家計への影響や供給面での制約に注意が必要な状況で推移いたしました。
このような環境の中、当社グループは、お客さま、お取引先さま、従業員の安全確保を最優先に、「安心・安全」なATMサービス等を提供し続ける社会インフラとしての使命を果たすことに努めてまいりました。人流回帰による資金需要が引続き堅調であったことに伴うATM総利用件数の増加に加え、海外子会社の為替影響を主因に増収となり、当連結会計年度の当社連結業績は、経常収益154,984百万円(前連結会計年度比13.4%増)、経常利益28,924百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益18,854百万円(同9.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
国内事業セグメントにおきましては、経常収益123,337百万円(前連結会計年度比10.1%増)、経常利益29,879百万円(同10.5%増)となりました。ATM総利用件数は980百万件(同7.7%増)となりました。
海外事業セグメントにおきましては、経常収益31,826百万円(同28.8%増)、経常損失949百万円(前年同期は経常利益1,282百万円)となりました。
当連結会計年度の当社財政状態は、総資産1,312,273百万円(前連結会計年度末比90,650百万円増)、負債1,058,031百万円(同80,521百万円増)、純資産254,242百万円(同10,128百万円増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、950,256百万円(前連結会計年度末比18,852百万円増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、コールマネー等の純増減50,000百万円、預金の純増減30,820百万円等の増加要因が、コールローン等の純増減△28,000百万円、普通社債発行及び償還による増減△20,000百万円等の減少要因を上回ったことにより、66,577百万円の収入(前連結会計年度比25,266百万円増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出△48,079百万円、有形固定資産の取得による支出△13,328百万円等の減少要因が、有価証券の償還による収入35,713百万円等の増加要因を上回ったことにより36,191百万円の支出(同77百万円減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額△12,973百万円等の減少要因により、12,973百万円の支出(同245百万円減)となりました。
銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたっての重要な事項は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表」の「注記事項」に記載のとおりであります。
当連結会計年度は、預貯金金融機関の取引件数の増加に加え、当社ATMを利用した各種キャッシュレス決済への現金でのチャージ取引件数が引続き順調に増加したことにより、ATM総利用件数は前年度を大きく上回る水準で推移いたしました。
また、ATMの共同運営やグループ外への積極的な設置を通じ、いつでもどこでもサービスが受けられる環境づくりに加え、ATMによるマイナンバーカードの健康保険証利用申込みや、マイナポータル情報連携サービスの開始、さらには、金融機関などの諸手続をATMで受け付けるサービスの本格展開など、ATMの可能性を広げる「ATM+(プラス)」への進化を着実に進めております。
2023年3月末現在のATM設置台数は26,913台(2022年3月末比2.5%増)、当連結会計年度のATM1日1台当たり平均利用件数は101.5件(前連結会計年度比5.1%増)、ATM総利用件数は980百万件(同7.7%増)となりました。
なお、2023年3月末現在の提携金融機関等は640社(注)、第4世代ATMの2023年3月末時点での設置台数は13,419台(2022年3月末比31.8%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響に加え、為替相場の変動及びそれに伴う原材料価格の動向等により、依然として先行き不透明な事業環境が予想されますが、ATMの社会的価値を現金プラットフォームからサービスプラットフォームへと進化させ、社会の変化・お客さまニーズの変化に柔軟に対応したATMプラットフォーム戦略を今後も推進してまいります。
(注)JAバンク及びJFマリンバンクについては、業態としてそれぞれ1つとしております。
2023年3月末現在、個人のお客さまの預金口座数は2,755千口座(2022年3月末比8.9%増)と順調に増加し、個人向け預金残高は5,756億円(同4.5%増)となりました。また、個人向けローンサービスの残高は、2023年3月末現在で351億円(同25.1%増)となりました。
なお、「セブン銀行後払いサービス」の当連結会計年度における累計取扱高は459億円(前連結会計年度比118.7%増)となりました。
また、2022年11月より、株式会社スマートプラスと共同で、「Myセブン銀行」アプリを通じてセブン銀行口座保有者へ証券取引サービスを提供する「お買い物投資コレカブ」を開始いたしました。
当社は社会の変化をビジネス機会と捉え、これまで培ったノウハウに加え、外部企業とも連携し、さまざまなお客さまのニーズに応じた新たな金融サービスを提供することを目指してまいります。
当社連結子会社のFCTI, Inc.は、前連結会計年度において米国政府による給付金支給等の景気刺激策によるATM利用件数の押上効果があった反動もあり、前年同期を下回るATM利用件数となりました。米国セブン‐イレブン店舗以外に設置している低採算ATMの整理は2022年2月に完了いたしました。2022年12月末時点では、米国セブン‐イレブン店舗内設置ATMのみであり、ATM設置台数は8,643台(2021年12月末比4.0%減)となりました。
なお、FCTI, Inc.の連結対象期間(2022年1~12月)の業績は、米国セブン‐イレブン店舗以外に設置している低採算ATMの整理による費用削減があったものの、政策金利の上昇に伴う資金調達費用の上昇等により、経常収益186.3百万米ドル(前年同期間比9.6%減)、経常損失3.3百万米ドル(前年同期間は16.4百万米ドルの経常利益)、当期純利益0.0百万米ドル(前年同期間比99.9%減)となりました。
インドネシアにおける当社連結子会社PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONALは、コロナ禍においても堅調に事業を推進し、2022年12月末時点のATM設置台数は5,557台(2021年12月末比117.8%増)となっております。
また、フィリピンにおける当社連結子会社Pito AxM Platform, Inc.は、フィリピン国内のセブン‐イレブン店舗へのATM設置が堅調に推移し、2022年12月末時点のATM設置台数は2,344台(2021年12月末比87.6%増)となっております。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金・設備資金については、預金を主とする負債及び自己資本により充当しております。
当社グループの資金調達は、ATM装填用現金等の運転資金及びATM・システム関連投資等の設備投資資金の調達に大別され、金利動向等を踏まえてベースとなる資金を預金、長期借入や社債発行等により確保した上で、日々の調達額の変動をコール市場からの調達により賄っております。
当連結会計年度末における現金預け金は952,027百万円であり、上記運転資金・設備資金を十分な水準にて確保しており、また、資金流動性確保に懸念はないものと考えております。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、上記「(1)② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社は、取巻く事業環境の大きな変化に対応し持続的に企業価値を向上させるため、収益構造に厚みを持たすべく事業の多角化を推進しております。2021年5月に長期的な当社グループの持続成長を果たすための戦略や目標を示す為に策定した中期経営計画では、連結経常収益拡大を最重視した施策を推進しており、2023年5月12日には中期経営計画の中で掲げた2025年度までの目標値をアップデートすることを発表いたしました。次期の連結業績については、経常収益166,500百万円(前年同期間比7.4%増)、経常利益24,500百万円(同15.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16,500百万円(同12.4%減)を予想しております。
また、セブン銀行単体では、経常収益123,000百万円(同2.0%増)、経常利益26,000百万円(同17.4%減)、当期純利益18,000百万円(同7.7%減)を予想しております。
当連結会計年度の資金運用収支は前連結会計年度比687百万円増加し4,116百万円、役務取引等収支は同9,830百万円増加し105,459百万円、その他業務収支は同97百万円増加し488百万円となりました。
(注)1.「国内」とは、当社及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)でありま
す。
2.「海外」とは、海外に本店を有する連結子会社(以下、「海外連結子会社」という。)であります。
3.特定取引収支はありません。
4.「相殺消去額」には、「国内」、「海外」間の内部取引の相殺消去額等を記載しております。
5.当連結会計年度より、一部の海外連結子会社において従来役務取引等費用に計上しておりました費用を営業経費に計上しております。これは、当該海外連結子会社の事業規模の拡大に伴い、より取引を適切に反映した連結財務諸表の開示を行うために表示方法の変更を行ったものであります。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度については計数の組替えを行っております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は前連結会計年度比41,113百万円増加し220,716百万円、利息は同899百万円増加し4,932百万円、利回りは同0.01%減少し2.23%となりました。また、資金調達勘定平均残高は同85,027百万円増加し1,022,233百万円、利息は同212百万円増加し815百万円、利回りは0.07%となりました。
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。
(注)1.一部の海外連結子会社については、原則として月末毎の残高に基づく平均残高等を利用しております。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
(注)「相殺消去額」とは、連結会社間に係る相殺消去額であります。
当連結会計年度の役務取引等収益は、ATM関連業務135,122百万円及び為替業務3,312百万円等により合計で前連結会計年度比16,398百万円増加し147,718百万円となりました。役務取引等費用は、ATM関連業務36,880百万円及び為替業務1,508百万円等により合計で同6,567百万円増加し42,258百万円となりました。
(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
3.当連結会計年度より、一部の海外連結子会社において従来役務取引等費用に計上しておりました費用を営業経費に計上しております。また、役務取引等費用のうちその他の役務費用に計上していた費用を、ATM関連業務に区分掲記しております。これは、当該海外連結子会社の事業規模の拡大に伴い、より取引を適切に反映した連結財務諸表の開示を行うために表示方法の変更を行ったものであります。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度については計数の組替えを行っております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
3.流動性預金=普通預金
4.定期性預金=定期預金
(注)「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。また、海外の貸出金期末残高はありません。
(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
3.「その他の証券」には、外国株式を含んでおります。
4.「相殺消去額」には、当社及び海外連結子会社の資本連結に伴い相殺消去した金額を記載しております。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当社の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
当社は、ATM業務提携先の金融機関等と提携契約を締結しております。当該契約に基づき、当社は、提携金融機関等に代わって、提携金融機関等のお客さまに、当社ATMを介した出金、入金及び残高照会等のサービスを提供しております。
当社は、ATMを利用した本サービスの対価として、提携金融機関等からATM受入手数料を受取っており、当社の主要な収益源となっております。なお、提携金融機関のうち、当社が各地域で現金準備等を依頼している提携先には、ATM支払手数料を支払っております。
当社連結子会社のFCTI, Inc.は、7-Eleven, Inc.との間で、米国内のセブン‐イレブン店舗を対象とするATM設置契約、また、当社連結子会社のPito AxM Platform, Inc.は、Philippine Seven Corporationとの間でATM設置契約を締結しております。
なお、FCTI, Inc.と7-Eleven, Inc.とのATM設置契約の更新は交渉段階にあり一定程度の不確実性が伴います。当該契約の更新がなされなかった場合、翌連結会計年度の損益に影響を与える可能性があります。
(4)株式譲渡契約
2023年4月6日開催の取締役会において、株式会社セブン・フィナンシャルサービス(以下、「7FI」)が所有する株式会社セブン・カードサービス(以下、「7CE」)の発行済株式870,000株(総株主等の議決権に対する割合:98.86%。小数点以下第三位を四捨五入しております。)を取得し7CEを連結子会社とすることを決議し、同日付で、7FIとの間で株式譲渡契約を締結いたしました。詳細については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 」の「注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。
当連結会計年度末における主要な設備の状況は次のとおりであります。
(2023年3月31日現在)
(注)1.金額には消費税等を含んでおりません。
2.当社グループにおける建物(建物附属設備を除く)は全て賃借であり、年間賃借料は1,772百万円であります。
3.帳簿価額には、建設仮勘定及びソフトウェア仮勘定の金額を含んでおりません。
4.連結子会社の各数値は連結決算数値であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1.新株予約権の行使による増加であります。
2.自己株式の消却による減少であります。
2023年3月31日現在
(注)1.自己株式139株は「個人その他」に 1単元、「単元未満株式の状況」に39株含まれております。
2.「金融機関」の欄には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式30,979単元が含まれております。
2023年3月31日現在
(注)1.上記の信託銀行所有株式数のうち、当該銀行の信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 94,470千株
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 54,992千株
2.上記の発行済株式より除く自己株式には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社 株式は含まれておりません。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定や業績評価のために、定期的に経営成績等の報告を受ける対象となっているものであります。
当社グループは、国内で事業活動を行う「国内事業セグメント」、及び海外で事業活動を行う「海外事業セグメント」の2つを報告セグメントとしております。「国内事業セグメント」では、日本国内においてATMプラットフォーム事業を中心とする銀行業等を展開しており、「海外事業セグメント」では、米国、インドネシア、フィリピンでATMサービスの提供を行っております。