日産証券グループ株式会社
(1) 連結経営指標等
(注)1 当社は、2020年10月1日付で当社を株式交換完全親会社、日産証券株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換を実施いたしました。本株式交換は企業結合会計上の逆取得に該当し、当社が被取得企業、日産証券株式会社が取得企業となるため、第16期の連結財務諸表については、当社の株式交換直前の連結財務諸表上の資産・負債を時価評価した上で、日産証券株式会社の連結貸借対照表に引き継いでおります。また、第16期(2020年4月1日~2021年3月31日)の連結業績は、日産証券株式会社の上期6カ月(2020年4月1日~2020年9月30日)分の連結業績に、株式交換後の当社の下期6カ月(2020年10月1日~2021年3月31日)分の連結業績を合算した金額となっております。このため、当社の第15期の連結財務諸表と第16期の連結財務諸表との間には連続性がなくなっております。この影響で第16期の主要な経営指標等の各計数は、第15期と比較して大幅に変動しております。
なお、比較情報については、株式交換前の当社の表示方法により表示しておりますが、第16期より、営業収益に係る表示方法の変更を行っております。第14期及び第15期の主要な連結経営指標についても、当該表示方法の変更を反映した組替後の数値を記載しております。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第17期の期首から適用しており、第17期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3 第17期第2四半期連結会計期間より、「純金&プラチナ積立」の会計処理について、保管預り商品及び預り商品等についてそれぞれ相殺して純額表示する方法により処理していたものを、個別に総額で表示する処理方法に変更しております。また、第17期より、連結貸借対照表に係る表示方法の変更を行っております。第16期の主要な連結経営指標についても、遡及適用及び組替後の数値を記載しております。
4 第18期より、「取締役等向け株式交付信託」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式を1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式数に含めており、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式数に含めております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注)1 第15期及び第17期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
2 第15期及び第17期の株価収益率については、1株当たり当期純損失が計上されているため記載しておりません。
3 第15期の配当性向については、無配のため記載しておりません。また、第17期の配当性向については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第17期の期首から適用しており、第17期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
6 第17期の1株当たり配当額には、特別配当2.00円が含まれております。
7 第18期の1株当たり配当額には、特別配当0.50円が含まれております。
8 第18期より、「取締役等向け株式交付信託」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式を1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式数に含めており、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式数に含めております。
(注)当社は2023年4月14日付の取締役会において、2023年9月中(予定)に「東京都中央区銀座六丁目10番1号(ビル名:GINZA SIX)」への本社移転を決議しております。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(日産証券グループ株式会社)、当社の親会社であるユニコムグループホールディングス株式会社及び連結子会社5社並びに非連結子会社1社により構成されております。主として金融商品取引及び商品先物取引の受託及び自己売買を行う「金融商品取引業等」に係る事業を行っております。
なお、ユニコムグループホールディングス株式会社は資産管理会社であります。
連結子会社は金融商品取引業・商品先物取引業を主力事業とする「日産証券株式会社」、金融商品取引・商品先物取引の自己売買・ディーリング業務を行う「NSトレーディング株式会社」及び法人顧客へのマージンファイナンス(貸金業)を主力事業とする「日産証券ファイナンス株式会社」並びに当社グループのシステムの運用保守等を主な事業とする「NSシステムズ株式会社」及び「岡藤商事株式会社」の5社となります。
当社は純粋持株会社として、グループ会社の経営指導及び管理を行っております。
当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。
(事業系統図)

(注)1 岡藤商事株式会社は2022年9月30日開催の臨時株主総会にて解散決議を行い、現在、清算手続を行っております。
(注)2 上記の他に親会社1社(ユニコムグループホールディングス株式会社)があります。同社は資産管理会社であります。
(注)3 上記の他に非連結子会社1社(日産管理顧問股份有限公司)があります。また、主要な連結子会社である「日産証券株式会社」では、株式・投資信託の売買、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)・取引所為替証拠金取引(くりっく365)、先物・オプション等のデリバティブ取引、商品先物取引などを個人のお客様及び国内外の法人顧客を対象にご提供するほか、貴金属販売事業として、金地金等の販売・買取や純金積立などを行っております。
主要な連結子会社である日産証券株式会社の事業系統図は以下のとおりであります。
(日産証券株式会社の事業系統図)

なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
(注)1 特定子会社に該当しております。
2 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
3 日産証券株式会社につきましては、営業収益(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結営業収益に占める割合が10%を超えております。
4 岡藤商事株式会社は、2022年9月30日付で解散し、当連結会計年度末現在、清算手続き中であります。
2023年3月31日現在
(注)1 当社グループは、「金融商品取引業等」の単一セグメントであるため、全連結会社の従業員数を記載しております。
2 従業員数は就業人員数であります。
3 従業員数減少の主な理由は、通常の自己都合退職並びにグループ会社の組織再編に伴う減員によるものであります。
2023年3月31日現在
(注)1 従業員数は就業人員数であります。
2 当社は持株会社であり、「金融商品取引業等」の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数は記載しておりません。
当社の連結子会社である日産証券株式会社において従業員の過半数を代表する組織として労使協議会が設置されております。また、過去に労働組合が組織されていたことを認識しておりますが、直近では組合活動が確認されておらず、団体交渉等の実績もございません。その他、当社及びその他の連結子会社においては労働組合は結成されておりません。いずれも労使関係は円満に推移しております。
当社グループの管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異は以下のとおりです。
(注)1 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としております。
2 女性管理職比率については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもので2023年4月1日現在の比率となります。
3 男性育児休業取得率については「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4 日産証券株式会社から連結子会社への出向者は出向先の従業員として集計しております。
5 提出会社の従業員のうち、日産証券株式会社との兼務出向者は出向元の従業員として集計しております。
6 提出会社の各指標については対象となる社員がいないため、算出しておりません。
7 男性育児休業取得率の集計対象期間は2022年4月1日から2023年3月31日までとなります。
8 男女間賃金格差の集計対象期間は2022年4月1日から2023年3月31日までとなります。
女性管理職比率については、低い水準にとどまっておりますが、総合職における女性比率が低いことが主な理由としてあげられます。今後は採用した労働者に占める女性労働者の割合の向上に取り組むとともに、女性の一般職から総合職への職制転換を促進することで当該比率の向上に努めてまいります。
男性の育児休業取得率については0.0%となっておりますが、男性社員の育児休業取得に対する意識向上が不十分であることや出産に伴う休暇を有給休暇等の取得で代替していること(参考:2023年3月期における男性育児休業取得率の対象となる社員のうち、出産月に有給休暇もしくは配偶者の出産に伴う特別有給休暇を取得した社員の割合は87.5%)などが主な理由としてあげられます。今後は育児休業を取得しやすい職場環境の整備、育児休業に対する給与補償制度の導入などにより、取得率の向上に努めてまいります。
男女間賃金格差については、当社グループの賃金体系では年齢、性別等に関係なく、同一の役職、職責、職務に対しては同一の賃金を支払うこととなっておりますが、現状、女性については一般職(事務職)が多く、一般社員などの低位役職者が多いことや総合職における女性比率が低く高位役職者が少ないことから、相対的に女性の給与水準が低くなっております。今後は総合職における女性比率の向上や女性の高位役職者の増加を図ることで、賃金格差の解消に努めてまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の基本方針・経営戦略等
当社は、持株会社として限られた経営資源をグループ傘下の各企業へ効率的に投入することで、利益の最大化・株主価値の極大化を図ることを経営目標として掲げております。
この経営目標を実現するため、以下の経営方針を定め、グループ各社への浸透を図っております。
(経営方針)
① お客様との強固な信頼関係の構築により、長期にわたりお客様と共に持続的な成長をする。
② 健全な市場仲介機能の役割を果たすことで、市場・社会の発展に貢献する。
③ 時代・環境変化に即し、常に進化・成長する企業体を目指す。
(2) 目標とする経営指標
① 株主還元
株主への利益還元にあたっては、経営環境及び経営成績と、安定的な配当実施と内部留保による財務体質強化を総合的に勘案し、自己株式取得を含めた連結ベースでの配当性向(総還元性向)20%以上を目標としてまいります。
② 株主資本の有効活用
当社グループは、経営の効率化と機動性を発揮し、経営体質を強化するために持株会社体制を採用しております。グループ経営にあたっては、株主資本の有効活用を意識し、グループ会社間における経営資源の効率的配分や事業ポートフォリオの最適化を通じて事業基盤のさらなる強化を図ってまいります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループは金融商品取引業及び商品先物取引業を中核事業とし、国内外の証券、商品、為替、金利等の金融マーケットにおける市場仲介機能を担う投資・金融サービス企業であります。金融マーケットは政治、経済、社会情勢を受けて常に変動するものであり、当社グループを取巻く経営環境は、その動向に大きな影響を受ける傾向にあると言えます。
アフターコロナの中で日常生活は従前に戻りつつありますが、コロナ禍による経済活動や生活習慣の変化は、今後も政治、経済、社会に対して様々に影響を与えていくものと思われます。また、欧州やアジア地域における大国同士の軍事的衝突懸念や後進国地域における政治不安や紛争の長期化等、世界中で地政学的リスクが高まりを見せ、かつてないほどの緊張感につつまれている中、資源やエネルギー価格の高騰による物価上昇が消費生活にまで顕著な影響を与え始めております。
当社グループはいかなる経営環境の変化にも迅速かつ柔軟に対応すべく、お客様との信頼関係を構築し、健全な市場仲介機能を果たすことで、市場・社会の発展に貢献しつつ、持続的な成長を図っていくことを経営の基本方針としております。この経営方針の下、以下を対処すべき課題として認識し、企業価値のさらなる向上に取り組んでまいります。
① 顧客本位の業務運営の推進
金融商品取引業者及び商品先物取引業者として、お客様との信頼関係を構築するため顧客本位の業務運営をより一層推進し、お客様の資産運用ニーズに適う質の高い金融サービスを提供してまいります。
② サステナビリティ経営の遂行
経営資本の中核たる人的資本の充実化を通じて、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長を両立させるためのサステナビリティ経営を遂行いたします。
③ コーポレートガバナンスの維持及び強化
金融機関として求められるコンプライアンスはもちろんの事、サイバーセキュリティ対策や情報セキュリティ対策にも万全を期し、企業の信頼性向上のためのコーポレートガバナンスの維持及び強化に努めてまいります。
④ 経営基盤・事業基盤の拡充
相場動向に左右されない企業体質を構築するため、顧客基盤の拡大、業務の集約と効率化、M&Aによる事業拡大等により、経営基盤・事業基盤の拡充を図ってまいります。
⑤ 金融サービスの付加価値向上
マルチチャネル、マルチプロダクト、金関連商品の優位性等による他社との差別化、ITを駆使した法人ビジネスの展開等により、金融サービスの付加価値向上に努めてまいります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のとおりであります。これらは投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループはこれらのリスクの発生要因を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。
なお、文中において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、全てのリスク要因を網羅したものではありません。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため、記載しておりません。
(1) 市場の変動
当社グループの事業は、国内に加え世界のあらゆる金融・商品市場の動向や経済情勢の影響を大きく受けています。取引の停滞や減少は、純粋な経済的要因だけではなく、戦争、テロ、自然災害などによっても引き起こされます。取引の停滞や減少が長引くと、経営予測を超えて収益に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 自己売買業務
当社グループでは、自己売買業務を行っております。当該業務に関しては、ディーリング業務規程等と日々のモニタリングによる十分なリスク管理体制をとっております。しかしながら、急激な相場変動等によっては当初想定していないリスクが顕在化する可能性があり、そのような場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法的規制に係るリスクについて
当社グループの日産証券株式会社では金融商品取引法に定める金融商品取引業、商品先物取引法に定める商品先物取引業及びそれらに付帯又は関連する業務を営んでおり、金融商品取引法及び商品先物取引法を始めとする法令・諸規則を遵守する必要があります。
また日産証券株式会社では主要な事業活動において、以下の許認可及び登録(以下、「許認可等」という。)を受けており、現時点で許認可等が取消となるような事由は発生しておりませんが、将来何らかの理由により、許認可等の取消等があった場合には事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(登録・許可の状況)
(4) システムに関して
当社グループでは、インターネット取引をはじめ、業務上さまざまなコンピュータシステムを使用しております。当社グループでは、費用対効果を考慮し、新たなシステム投資を行っております。そのため、当初の見込みに反し、投資コストに対する効果が思わしくなかった場合、あるいは不具合、その他自然災害などにより障害を起こした場合、その規模によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 個人情報漏洩に関して
当社グループは顧客の電話番号、住所、銀行口座などの個人情報をコンピュータシステムなどによって管理しております。これらの個人情報につきましては、厳重に社内管理を行っておりますが、外部からの不正アクセスや内部管理体制の不備などにより、個人情報が漏洩した場合には、当社グループはその責任を問われると同時に社会的信用を失う恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 訴訟に関して
2023年3月31日現在、当社グループでは金融商品取引において9件、商品先物取引において2件の訴訟(訴額合計391,844千円)が係争中であります。そのうち、金融商品取引に係る訴訟についてはすべて三京証券株式会社(現JIA証券株式会社、2021年9月に全株式を譲渡)及び日本フィナンシャルセキュリティーズ株式会社(2022年1月に岡藤商事株式会社との吸収合併により消滅)にて行われたくりっく365及びくりっく株365の取引に関するものであり、商品先物取引に係る訴訟については2020年7月の総合取引所化(貴金属等の先物・オプション取引の大阪取引所への移管)以前の商品先物取引法下での取引に関わるもので、うち1件については当社グループが継承していない取引に関わる訴訟となっております。
これらの訴訟は顧客が当社グループ企業に委託した金融商品取引や商品先物取引の売買等において、違法行為があったなどとして損害賠償を求めるものであり、これに対して当社グループはすべての取引は法令を遵守して行われたことを主張して争っております。
いずれの訴訟も係争中のため、現時点で結果を予想するのは困難ですが、今後の訴訟の進展によっては、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
(7) 新型コロナウイルス感染症の影響に関して
新型コロナウイルス感染症の拡大に対し、当社グループの役員・従業員の感染防止策として、リモートワーク及び時差出勤等を行い、感染防止に備えております。それにもかかわらず、当社グループの役員・従業員に新型コロナウイルス感染症の感染者が出た場合、事業所の閉鎖やそれに伴う事業停止等の対応を余儀なくされ、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。
(8) 親会社との関係について
当社の親会社であるユニコムグループホールディングス株式会社は、2023年3月末現在、当社発行済株式総数の68.46%(40,116千株)を保有する筆頭株主であります。同社は当社発行済株式総数の過半数以上を保有しているため、議決権行使等により当社の経営に影響を及ぼし得る立場にあり、当社の意思決定に対して影響を与える可能性があります。なお、同社は当社の代表取締役社長である二家英彰、当社子会社の代表取締役会長である二家勝明及びその親族の実質的な資産管理会社であり、当社株式の所有のほか、不動産の所有・賃貸・管理等を事業内容としております。
① 親会社との取引関係について
当社及び当社の連結子会社は親会社との間で本社ビル及び独身寮に係る賃借取引等を行っておりますが、関連当事者取引に該当する親会社との取引については、取締役会にて取引の合理性及び取引条件の妥当性を検討の上、承認を行っており、一般株主の利益に配慮した対応を行っております。
なお上記取引の内、独身寮の賃借取引等については2023年5月に契約を解消しており、本社ビルの賃借取引等についても、2023年9月予定の本社の移転に際して契約を解消することとなっております。
また、当事業年度の当社及び当社子会社と親会社との取引内容の詳細は以下の通りです。
(a) 当社と親会社との取引
(b) 当社の連結子会社と親会社との取引
(注)不動産の賃借料等については近隣の取引価格を参考にし、同等の価格に寄っております。
② 親会社との役員の兼務関係について
当社役員7名(うち監査等委員3名)のうち、親会社の役員を兼務する者はおりません。
③ 親会社からの独立性の確保について
当社の経営判断については、親会社の事前承認を必要とする事項はなく、独立社外取締役4名を含む当社経営陣が独自に検討した上で意思決定しており、経営の独立性は確保しているものと認識しております。
また、親会社の企業グループ内には当社のグループ会社と類似する事業を営む会社はなく、事業における競合関係も存在しないため、当社の事業活動に影響を与えるものはありません。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
また、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として金融商品取引並びに商品デリバティブ取引の受託及び自己売買を行う「金融商品取引業等」の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ.経済環境
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限が緩和されたことから経済活動の正常化が進み、景況感は緩やかな回復基調を辿りました。新型コロナウイルスは感染拡大と収束を繰り返し、感染が拡大する度に個人消費は減速したものの、10月から全国旅行支援が実施されたことで旅行や外食などのサービス消費が増加しました。また、10月から訪日外国人に対する水際対策が緩和されたことから、インバウンド需要が大幅に回復しました。ただし、中国に対しては水際対策が継続したことから、同国からのインバウンド需要は低調な状況が続きました。
金融市場では、NYダウは8月のジャクソンホール会議でFRBのパウエル議長が金融引き締め方針を明確に示したことから大きく下落し、9月には29,000ドルを割り込みました。その後、米消費者物価指数が低下基調となったことから、12月にかけて上昇しました。3月にはシリコンバレー銀行の破綻をきっかけとした米欧の銀行に対する信用不安の高まりから一時的に下落する場面もありましたが、米欧金融当局の対策が奏功し、世界的な金融不安に発展することはなかったことから値を戻しました。日経平均株価は年度を通して概ね26,000円~28,000円を中心としたレンジで上下動する展開が続きました。10月までは米欧の利上げによる景気減速懸念が弱材料となる一方、日銀の金融緩和政策による円安が強材料となりました。10月以降は米国株の上昇が支援材料となりましたが、日銀の金融緩和政策の修正などによる円高が上値抑制要因となりました。
商品市場では、NY金先物はロシアによるウクライナへの軍事侵攻が長期化するとの警戒感から安全資産としての買いが入り、4月に2,000ドル超まで上昇しました。その後、米長期金利の上昇とドル高により10月まで下落基調が続きました。11月以降はFRBが利上げペースを減速させるとの見方から上昇基調となり、3月には米欧の銀行に対する信用不安を背景に安全資産としての買いが入り、再び2,000ドルを突破しました。NY原油先物は、米国やEUが経済制裁の一環としてロシア産原油の輸入禁止を決定したことから6月には120ドルを突破しました。その後、中国での新型コロナウイルス感染再拡大や米欧の利上げによる景気減速懸念を背景にエネルギー需要が減退するとの見方から12月にかけて下落傾向が続きました。12月以降は方向感なく横ばいでの推移となりました。
ロ.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて7,471百万円減少し、88,363百万円となりました。これは、長期差入保証金1,681百万円、貸付商品783百万円等の増加があったものの、差入保証金4,538百万円、顧客分別金信託1,950百万円、支払差金勘定685百万円等の減少があったこと等によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて6,835百万円減少し、76,133百万円となりました。これは、預り商品619百万円、預り証拠金代用有価証券524百万円等の増加があったものの、委託者先物取引差金6,647百万円、預り金1,626百万円等の減少があったこと等によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて636百万円減少し、12,229百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益258百万円の計上、配当金の支払320百万円、株式交付信託による自己株式の取得289百万円、その他有価証券評価差額金330百万円の減少等によるものであります。
ハ.経営成績
当連結会計年度における当社グループの金融商品取引(株券等)の受入手数料は2,583百万円(前年同期比113.8%)、金融商品取引法に定める商品関連市場デリバティブ取引の受入手数料は2,966百万円(同80.2%)となり、受入手数料の合計は5,769百万円(同93.7%)となりました。
また、トレーディング損益は704百万円の利益(同77.3%)、金融収益は87百万円(同111.5%)を計上しております。
これらの結果、営業収益は6,605百万円(同91.8%)となり、営業収益から金融費用を控除した純営業収益は6,557百万円(同91.7%)となりました。
また、販売費・一般管理費につきましては、人件費が3,138百万円(同85.9%)、不動産関係費が508百万円(同62.6%)となるなど、前連結会計年度において行ったビジネスモデルの見直しに伴う事業再編による施策が功を奏し、コスト削減に大きく寄与したことから、6,283百万円(同85.9%)となり、営業利益は274百万円(前年同期は163百万円の営業損失)となりました。
また、受取配当金で93百万円を計上したこと等もあり、経常利益は364百万円(前年同期は6百万円の経常利益)となりました。
これに加えて、特別利益として投資有価証券売却益159百万円を計上したほか、特別損失として特別退職金104百万円を計上したこと及び法人税等調整額78百万円を計上したことなどから親会社株主に帰属する当期純利益は258百万円(前年同期比48.3%)となりました。
当社グループの当連結会計年度における営業収益の状況は次のとおりであります。
A.受入手数料
(注) 商品関連市場デリバティブ取引は金融商品取引法に定めるものであります。
B.トレーディング損益
(注) 商品関連市場デリバティブ取引は金融商品取引法に定めるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動による資金の獲得33百万円があったものの、営業活動による資金の使用520百万円及び財務活動による資金の使用84百万円があり、これらにより当連結会計年度末における資金は2,371百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果使用した資金は520百万円(前連結会計年度は5,790百万円の使用)となりました。これは、税金等調整前当期純利益364百万円を計上したほか、差入保証金の減少4,538百万円、顧客分別金信託の減少1,950百万円等の資金増加要因があった一方で、委託者先物取引差金(貸方)の減少6,647百万円、長期差入保証金の増加1,681百万円、預り金の減少1,626百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果獲得した資金は33百万円(前連結会計年度は1,448百万円の獲得)となりました。これは、定期預金の払戻による収入830百万円、投資有価証券の売却による収入160百万円等があった一方で、定期預金の預入による支出830百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は84百万円(前連結会計年度は699百万円の獲得)となりました。これは、短期借入金の純増による収入480百万円等があった一方で、配当金の支払による支出320百万円、自己株式の取得による支出289百万円等があったことによるものであります。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、88,363百万円となりました。資産の主な内訳は差入保証金45,869百万円で、総資産の51.9%を占めております。
(負債の部)
当連結会計年度の負債合計は、76,133百万円となりました。負債の主な内訳は預り証拠金44,709百万円で、負債合計の58.7%を占めております。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、12,229百万円となりました。
ロ.経営成績の分析
(営業収益)
当連結会計年度における当社グループの金融商品取引の受入手数料は2,583百万円(前年同期比13.8%増)、商品関連市場デリバティブ取引を含む商品関連取引の受入手数料は3,185百万円(同18.1%減)となり、受入手数料の合計は5,769百万円(同6.3%減)となりました。
また、トレーディング損益は704百万円の利益(同22.7%減)、金融収益は87百万円(同11.5%増)を計上しております。
これらの結果、当連結会計年度の営業収益は、6,605百万円(同8.2%減)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における金融費用は47百万円(同7.7%増)となり、営業収益から金融費用を控除した純営業収益は6,557百万円(同8.3%減)となりました。また、販売費・一般管理費につきましては6,283百万円(同14.1%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は274百万円(前年同期は163百万円の営業損失)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金93百万円等を計上したことにより、165百万円(前年同期比23.9%減)となりました。
営業外費用は、コンサルティング費用33百万円等を計上したことにより、75百万円(同63.2%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は364百万円(前年同期は6百万円の経常利益)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益159百万円等を計上したことにより、219百万円(前年同期比82.7%減)となりました。
特別損失は、特別退職金104百万円等を計上したことにより、219百万円(同73.1%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は258百万円(同51.7%減)となりました。
当社グループは、より強固な経営基盤を築き上げるべく、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしましたそれぞれの課題を一つ一つ着実にクリアしてまいります。
また、当社グループの経営成績に重大な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
ハ.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は、短期借入金1,630百万円であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,371百万円であります。
② 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づくとともに、「金融商品取引業等に関する内閣府令」(平成19年内閣府令第52号)及び「有価証券関連業経理の統一に関する規則」(昭和49年11月14日付日本証券業協会自主規制規則)に準拠して作成しております。また、商品先物取引業固有の事項については「商品先物取引業統一経理基準」(平成23年3月2日改正日本商品先物取引協会)及び「商品先物取引業における金融商品取引法に基づく開示の内容について」(令和2年5月28日改正日本商品先物取引協会)に準拠して作成しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成にあたって用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社は、2023年4月14日開催の取締役会において当社グループの本社移転を決議し、同決議に基づき、同日付で森ビル株式会社及び住友商事株式会社との間で定期建物賃貸借契約を締結いたしました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。
当社グループにおける主要な設備の状況は、次のとおりであります。
(1) 提出会社
特に記載すべき主要な設備はありません。
(2) 国内子会社
2023年3月31日現在
(注) 提出日現在の発行数には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使等により発行された株式数は、含まれておりません。
ストックオプション制度の内容は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(ストック・オプション等関係)に記載しております。
該当事項はありません。
(注) 1 2018年6月7日を払込期日とする第三者割当による増資により、発行済株式総数が1,000,000株、資本金及び資本準備金がそれぞれ7,483千円増加したものであります。
(注) 2 当社を株式交換完全親会社、日産証券株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換による増加であります。
(注) 3 新株予約権の行使による増加であります。なお、2023年4月1日から2023年5月31日までの間に、新株予約権の行使により、発行済株式総数が264,420株、資本金及び資本準備金がそれぞれ18,811千円増加しております。
(注) 4 資本準備金の減少は、会社法第448条第1項の規定に基づき、その他資本剰余金へ振り替えたものであります。
(注) 5 資本金の減少は、会社法第447条第1項の規定に基づき、その他資本剰余金へ振り替えたものであります。(減資割合58.2%)
(注) 6 「発行済株式総数残高」欄の株式数には、「取締役等向け株式交付信託」により、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式1,905,600株が含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1 自己株式4,768株は、「個人その他」に47単元、「単元未満株式の状況」に68株を含めて記載しております。
2 「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式32単元を含めて記載しております。
2023年3月31日現在
(注)1 上記のほか、当社保有の自己株式が4千株あります。
2 2022年8月17日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書No.3)において、株式会社岡三証券グループ及びその共同保有者5社が、報告義務発生日である2022年8月10日現在で以下の株式を所有している旨が記載されております。株式会社岡三証券グループが保有する934千株につきましては、上記「大株主の状況」に記載しておりますが、他の共同保有者については、2023年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができていませんので、上記「大株主の状況」では考慮しておりません。
なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。