株式会社日新
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.第113期においては国内子会社2社、国外子会社1社を新たに連結の範囲に含めております。また、第110期においては国外子会社1社、第112期においては国外子会社1社、第114期においては国内子会社1社を連結の範囲から除外しております。
3.第112期以降の1株当たり純資産額の算定において、従業員持株会信託が保有する当社株式を自己株式として処理していることから、期末の普通株式の数から当該株式数を控除しております。また、1株当たり当期純利益の算定においても、期中平均株式数から当該株式数を控除しております。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第113期の期首から適用しており、第113期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.従業員数は、就業人員数を記載しております。
3. 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
4.第112期以降の1株当たり純資産額の算定において、従業員持株会信託が保有する当社株式を自己株式として処理していることから、期末の普通株式の数から当該株式数を控除しております。また、1株当たり当期純利益の算定においても、期中平均株式数から当該株式数を控除しております。
5.「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第113期の期首から適用しており、第113期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社グループは、当社と子会社・関連会社76社で構成され、国内外にわたる物流事業をはじめとして、旅行事業及び不動産事業を運営しております。
当社につきましては物流事業及び不動産事業、子会社・関連会社につきましては、物流事業(米州地域4社、欧州地域7社、東南アジア・インド地域17社、中国8社、国内30社の66社)及び旅行事業(9社)、ならびに不動産事業(不動産事業専業1社を含む4社)を営んでおります。
なお、当社グループの連結範囲及び持分法の適用については、連結子会社55社、持分法適用会社4社となっております。
また、当社グループの事業に係る主な位置付け及び報告セグメントとの関連は次のとおりであります。
当社グループの事業の系統図を報告セグメントとの関連で図示すれば次のとおりであります。

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、報告セグメントの事業の名称を記載しております。
2.特定子会社に該当しております。
3.持分は、100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。
4.「議決権の所有又は被所有割合」欄の(内書)は間接所有であります。
(2023年3月31日現在)
(注) 1.従業員数は就業人員であります。
2.従業員数欄(外書)は、臨時従業員(派遣社員を含む。)の当連結会計年度の平均雇用人員であります。
(2023年3月31日現在)
(注) 1.従業員数は就業人員であります。
2.従業員数欄(外書)は、臨時従業員(派遣社員を含む。)の当事業年度の平均雇用人員であります。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
提出会社の労働組合は全日本運輸産業労働組合連合会に属し、組合員は1,041名(出向の組合員79名を含む)でユニオンショップ制であります。
連結会社の中には労働組合を有するものがあり、それらは全日本運輸産業労働組合連合会に属しております。
なお、労使関係については概ね良好であります。
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2022年4月1日時点における数値となります。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2022年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における数値となります。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2022年4月1日時点における数値となります。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2022年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における数値となります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社名の由来である「日々新たに、また、日に新たなり」の精神を基本に、自己革新を続けながら、安全・迅速・低コストに高品質な物流・旅行サービスを提供することで、豊かな社会の実現に貢献するとともに、お客様との間に信頼を築き上げながら企業価値を高め、株主をはじめとする全てのステークホルダーのご期待に応えることを経営の基本方針としています。
この基本方針を実現するために、当社グループは、経済・社会の発展に不可欠である物流事業をはじめ旅行業などの関連事業を、企業倫理・法令遵守の徹底及び地球環境保全への積極的な取り組みなど企業の社会的責任(CSR)をはたしながら、グローバルに展開していくことを目指しています。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2022年3月22日に2023年3月期から2027年3月期までの5年間を対象とする第7次中期経営計画「Nissin Next 7th」を策定しております。
第7次中期経営計画における数値目標、経営指標、資本政策に関する方針につきましては、以下のとおりです。
①数値目標
②資本政策
(ⅰ)株主還元方針
安定配当の継続を基本に、新たに下限配当として、株主資本配当率(DOE)2.0%以上の設定と機動的
な自己株式取得の実施により、株主還元の一層の充実化を図ることと致します。
・配当指標 DOE:2.0%以上(下限配当)
・自己株式取得 株価動向等を総合的に勘案し、2026年度までに100億円程度の自己株式の取得
(ⅱ)政策保有株式の縮減
2026年度までに政策保有株式約50億円(2023年3月末時価の約30%相当)の縮減を目指すこととし、売
却資金は成長投資及び株主還元に活用致します。
③経営指標
PBR1倍超えの実現
第7次中期経営計画における成長投資と新規事業の拡大、資本効率の向上により、PBR1倍超えの実現
を目指します。
(3)経営環境
世界経済の先行きは、世界的なインフレと、それに伴う欧米各国の金融引き締め政策の影響による景気の減速懸念や金融不安等、先行き不透明感が増すことが見込まれます。また、脱炭素社会実現に向けた社会の取り組みは今後ますます加速し、まさに産業構造が大きく変わる時代の転換期を迎えようとしています。
当社グループにおいては、物流事業では、高騰していた運賃価格は正常化し、取り扱い物量も減少することが見込まれます。旅行事業では、本格的回復にはなお時間を要するものの回復基調は継続するものと見込んでおります。
(4)中長期的な会社の経営戦略
2022年4月にスタートした第7次中期経営計画(2022年4月~2027年3月)では、次の新たな姿に変貌していくという観点から、計画を「Nissin Next 7th」(NN7)と名付け、グループ一丸となって、次のステージに進んでまいります。「NN7」は新たな試みとして5年間を二つの期間に分け、フェーズ1の2年間で、強固な経営基盤を確実に構築し、フェーズ2の3年間で大きな飛躍を実現、より高い企業価値の創造を目指してまいります。
第7次中期経営計画での主要な取り組みは以下のとおりです。
[フェーズ1]2022年4月~2024年3月
<次世代(Society5.0)に適応する事業基盤の構築>
1.事業ポートフォリオ戦略の推進
営業体制を産業別の体制に再編するとともに、3次元(事業別、産業別、地域別)での事業管理体制を整え、更なる事業拡大を目指します。
2.ESG経営の推進
特定したマテリアリティのリスクと機会への取り組みを「サステナビリティ委員会」とそれを実践する「サステナビリティ推進室」を設け対応、推進します。
3.DXの推進
営業、現業、管理の3つの領域でDXを加速、強化します。
[フェーズ2]2024年4月~2027年3月
<施策の確実な実行とさらなる成長の実現>
1.フェーズ1で構築した事業基盤・経営基盤を活用し、企業価値を高める新しい施策を実行していきます。
2.これまで培ってきたグローバル・ロジスティクス・プロバイダーとしてのサービス提供に加え、産業ごとの構造変化に合わせたサービスを提供します。
3.新領域事業として、従来とは異なる発想によって生み出す新たな物流関連事業にも挑戦し、企業価値を高めていきます。
(5)優先的に対処すべき課題
中長期的な視野で新しい社会に対応していくために、「事業ポートフォリオ戦略の推進」、「ESG経営の推進」、「新領域事業への挑戦」の3点に重点を置き、各施策を確実に実行することで、事業基盤の拡大、経営基盤の強化を進めてまいります。
①事業ポートフォリオ戦略の推進
産業別では、コア事業の深耕化や成長分野への投資を進めてまいります。また、地域別では成長性・収益性の観点のもと、各地域での事業戦略や営業力強化を進めてまいります。
②ESG経営の推進
サステナビリティに関わる重要課題(マテリアリティ)を特定し、気候変動への対応として、脱炭素の動きを着実に捉えた営業活動の推進とCO2排出量削減目標を設定し、再生可能エネルギーの利用促進や環境に配慮した設備の拡充等により、計画的な削減を進めてまいります。また、人的資本においては、ダイバーシティや女性の活躍推進により多様な人材の確保、育成にも努めてまいります。
③新領域事業への挑戦
従来とは異なる視点、発想により新たな物流関連事業を創出し企業価値を高めてまいります。また、最先端のデジタル技術を活用した物流商品の開発や環境負荷低減の独自サービスの提供等のDXを推進してまいります。
上記に加え、資本効率の向上のため、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、資本コストを上回る収益性の確保をはじめ、政策保有株式の縮減による資産効率の改善、自己資本と負債の適正なバランスの維持による資本構成の最適化に努めてまいります。
これらの取り組みを通じて、財務目標の達成と、株主価値・企業価値の向上に努めてまいります。
当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものを想定しています。
本項には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2023年6月26日)現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 感染症・伝染病によるリスク
当社グループは、世界24ヶ国/地域でグローバルな事業を展開しておりますが、新型ウイルス等感染症の拡大や新たな伝染病が発生した場合、従業員の健康と安全の確保を最優先とした感染防止のための営業活動の制限、顧客の事業活動の縮小・停止などによる物流需要の減少や、出張などの旅客需要の落ち込みによる売上高の減少等により、当社グループの財政状態や業績、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、危機管理規程に基づく事業継続計画(BCP)の整備をはじめ、テレワークやWEB会議の実施、ペーパーレスの推進による業務効率化、医薬品衛生用品の備蓄、及び感染症対策マニュアルに基づく有効な感染予防策を講じ、事業継続とサービス提供が可能な体制を構築しております。
(2) 気候変動等によるリスク
当社グループは、世界24ヶ国/地域でグローバルな事業を展開しておりますが、地球温暖化対策の国際的な枠組みを定めた協定の採択や各国でのSDGs達成に向けた取り組み等により、気候変動対策のための様々な環境規制が実施された場合、それに伴う顧客の事業活動の変化による物流需要の減少・受注機会の逸失、及び新たな設備投資等による費用負担増加が予想されます。また、地震、津波、高潮、洪水、台風、集中豪雨等の大規模自然災害による港湾施設や倉庫、事業所への甚大な被害により事業継続に影響が発生した場合、その機会喪失による売上高の減少や施設の損害額等により、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、サステナビリティに関わる重要課題として「脱炭素社会の実現と環境に配慮した循環型社会への貢献」を掲げており、具体的な施策として、再生可能エネルギーへの転換や、各施設におけるLED照明導入等の省エネ対策の強化、環境負荷の少ない車両・機器設備の導入等によりCO2排出量の削減に取り組むとともに、自然災害により指揮命令系統に支障が発生した場合には、早期復旧を可能とする危機管理規程に基づいたBCPの整備に努めております。
(3) 法的規制等によるリスク
①事業免許等について
当社グループでは、物流事業、旅行事業、不動産事業において国内外の各種法規制に基づく事業免許等を取得しております。万が一、法的要件不備のまま事業を行った場合、営業停止、免許の取消等の様々な行政罰や課徴金の発生等により、当社グループの社会的信用の低下、それに伴う売上高の減少や損害賠償費用等、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②輸出入業務関連法令について
当社グループでは、国内事業においては、通関業法をはじめ港湾運送事業法、貨物利用運送事業法等の物流及び輸出入業務に関係する様々な法規制の対象となっており、同様に海外事業においても進出先・輸出先国の法規制等の対象となっております。万が一、法令違反が発生した場合、営業停止等の制裁による日常業務の制限や課徴金の発生等により、当社グループの社会的信用の低下、それに伴う売上高の減少や損害賠償費用等、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③その他事業関連法令について
当社グループでは、前出の事業免許等や輸出入業務関連法令のみならず、国内外の各事業において様々な法規制を受けております。万が一、違反行為等による不祥事が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下、それに伴う売上高の減少や損害賠償費用等により、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、事業免許等の要件の維持、法令改正への対応、法令遵守のため、業務マニュアル・業務手順書等の作成・更新、報告管理体制の整備、企業倫理向上のための企業行動指針である「日新企業行動憲章」や「コンプライアンス・マニュアル」をはじめとする各種社内関連諸規程等を定め、研修等による定期的な教育を通じて従業員への周知徹底を図っております。また、コンプライアンス委員会によるコンプライアンス活動の実践に努めるとともに内部通報制度の整備等とあわせて、法令遵守を推進する体制を構築しております。
(4) 固定資産の減損リスク
当社グループでは、土地、建物等をはじめとする有形固定資産を保有し、また他社の買収や投資時にはのれん等の無形固定資産が発生することがあります。土地、建物等については時価下落や収益性低下等が生じた場合、のれんについては投資先の収益が買収時の想定を大幅に下回り、かつ将来の回復が見込めず投資額の回収可能性が低いと判断される場合には、固定資産の減損損失の計上が必要となり、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、新規投資の際には投資額の適正性や将来の収益性を十分に評価・検討した上で、経営会議、取締役会において厳正な投資判断を行っております。
(5) 人材確保のリスク
当社グループの主要事業である物流事業及び旅行事業は、質の高い人材の確保や適正な人員配置が重要であり、人材を継続的に採用し、労働環境の整備や教育体制の充実等を図っております。しかしながら、高齢化や労働力不足によりトラックドライバーを確保できない場合や、労働需給が逼迫し採用計画に基づく人材を複数年に渡り十分に確保できない場合、若しくは従業員の離職が著しく増加した場合、事業運営の遂行に困難が生じ、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、賃金制度や評価制度の拡充、採用計画に基づく新卒の定期採用、中途採用の適宜実施などにより、必要な人材の確保に努めております。また、サステナビリティに関わる重要課題として「一人ひとりの尊重と個の能力を最大限に発揮できる環境の整備」を掲げており、従業員エンゲージメント向上のための教育・研修制度、適切な人材配置、育児・介護休業規則の拡充及びテレワーク勤務規程の導入等の労働環境の整備により、必要な人材確保に努めています。
(6) 事故によるリスク
当社グループでは、日々の業務に対する「安全・安心への取り組み」への強い意識が事業の根幹を支えておりますが、それが遵守されず、労働災害、物損事故、火災等の不測の事故が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、それに伴う売上高の減少や損害賠償費用等により、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、未然に事故を防止するために、労働安全衛生法等に則った安全衛生管理体制の整備、安全パトロールの実施や従業員向けの安全啓発教育の実施及び事故情報の水平展開等を行い、事故発生ゼロを目指しております。更に、事故発生時の初期対応や迅速な報告体制の整備も進めるとともに、倉庫などの保有施設に対しては、各社が個別に付保する保険や、グループ会社を包括する包括賠償責任保険の付保を一部実施し、万が一事故が発生した場合においても、当社グループが被る影響が最小限になるように努めております。
(7) コンプライアンス・内部統制のリスク
当社グループの従業員及び取締役は、企業理念に掲げる「高い倫理観を堅持しつつ、グローバルに、自由で公正な企業活動を遂行する」精神のもと、法令遵守はもとより社会規範に則した公明正大な企業活動に取り組んでおります。しかしながら、万が一、従業員及び取締役による重大な法令違反や不正行為等が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下、それに伴う売上高の減少や損害賠償費用等により、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、法令遵守や企業倫理向上のため、企業行動指針である「日新企業行動憲章」をはじめ、「コンプライアンス・マニュアル」等の整備や従業員向けのコンプライアンス教育・研修の充実を図るとともに、コンプライアンス委員会の開催、内部通報制度の導入や、内部統制システムの整備、及び内部統制評価委員会の設置等、実効性の高いコンプライアンス体制の構築と内部統制機能の強化を図っております。
(8) 情報関連のリスク
当社グループでは、物流事業、旅行事業、不動産事業の業務受託に際し顧客情報をはじめとする重要情報を取り扱っております。万が一、情報の外部漏洩やデータ喪失などの事態が生じた場合や、コンピュータウイルスやサイバー攻撃等により長期間情報システムに重大な障害が発生するような事態が生じた場合、事業活動の停滞や顧客への損害を与えることとなり、当社グループの社会的信用の低下、それに伴う売上高の減少や損害賠償費用等により、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは、情報保護に関してはその重要性を十分認識しており「コンプライアンス・マニュアル」、「情報システム管理規程」、「情報セキュリティ規程」等に基づく情報管理を徹底し、また最新セキュリティソフトの導入や定期的なデータバックアップ、標的型攻撃に対する訓練など従業員への教育・啓蒙を定期的に実施し、リスクの低減化に努めております。
(9) 過重労働のリスク
当社グループにおいて、過重労働や不適切な労務管理、またそれらを主因とする労働災害等が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、それに伴う売上高の減少や損害賠償費用等により、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループにおいては、36協定をはじめとする労務管理関連法令の遵守のみならず、職場における労働時間の適正化、eラーニング等を利用した従業員への労務管理教育を図り、安全安心な労働環境の整備に努めております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、
売上高は、194,165百万円(前連結会計年度比100.8%)
営業利益は、12,643百万円(前連結会計年度比139.0%)
経常利益は、13,634百万円(前連結会計年度比138.3%)
親会社株主に帰属する当期純利益は10,528百万円(前連結会計年度比165.4%)となりました。
(単位:百万円)
セグメントごとの経営成績の概況は次のとおりです。
(ⅰ)物流事業
[日本]
航空輸出では、機械設備等の取り扱いが堅調に推移し、輸入では自動車関連貨物の取り扱いが収益に貢献しました。海上輸出では、機械設備や化学品の取り扱いが堅調に推移し、輸入では食品や雑貨等の取り扱いが好調となりました。倉庫事業において食品の取り扱いが堅調に推移しました。
[アジア]
タイでは、自動車関連貨物の取り扱いが、海上・航空ともに堅調に推移し、アジア域内物流が活発化しまし た。ベトナムでは、自動車関連貨物の他、家電製品や日本向け雑貨等の取り扱いが堅調に推移しました。インドでは、二輪車の取り扱いの他、自動車関連貨物の航空輸出の取り扱いが収益に寄与しました。
[中国]
香港では、上期においては北米向け家電製品の海上輸出の取り扱いが堅調に推移しましたが、下期に入り減少傾向となり、海上・航空運賃の下落により収益は低下しました。上海では、ロックダウンの影響等があったものの、家電製品や消費財の倉庫業務の取り扱いは堅調に推移しました。
[米州]
米国では、倉庫保管業務が堅調に推移し、上期においては自動車関連貨物の取り扱いや食品関連貨物の航空輸出の取り扱いが活発化、メキシコ、米国間のクロスボーダー輸送や港湾混雑による海上輸入貨物の国内代替輸送が収益に貢献しました。下期に入ると取り扱い貨物の物量は輸出入ともに減少傾向となりました。
[欧州]
ドイツでは、家電製品の取り扱いが堅調に推移し、自動車関連貨物の取り扱いが収益に貢献、ポーランドでは、倉庫業務や域内配送業務が堅調に推移しました。昨年4月、ドイツ、フランスにおいて医薬品の流通における品質管理基準を定めたGDP(※)認証を取得するなど医薬品物流にも注力しました。
※GDP:医薬品の流通における品質管理基準(Good Distribution Practice)
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ0.7%減の187,688百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度に比べ26.2%増の11,826百万円となりました。
(ⅱ)旅行事業
主力業務である業務渡航の取り扱いは回復基調で推移し、国内・海外団体関係の取り扱いが収益に寄与しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ111.7%増の5,366百万円、セグメント損失(営業損失)は14百万円(前連結会計年度 セグメント損失(営業損失)1,053百万円)となりました。
(ⅲ)不動産事業
京浜地区における工事関連の監理業務の減少等がありましたが、行動制限の解除に伴う大型観光バスの利用等による駐車場収入の増加等が収益に寄与しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ5.6%減の1,519百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度に比べ6.8%増の816百万円となりました。
当社グループは、第7次中期経営計画(2022年4月~2027年3月)において、「グローバル・ロジスティクス・プロバイダーとして、新領域事業への挑戦とコア事業の深耕化を図るとともに、ESG経営に取り組む。」の基本方針のもと、財務目標と新たに資本政策に関する方針を定め、事業基盤・経営基盤の強化を進めております。
第7次中期経営計画の1年目は、物流事業においては海上、航空貨物ともに取り扱いは総じて堅調に推移し、旅行事業においても業務渡航や団体旅行の取り扱いが回復基調で推移するなど収益は大幅に改善し、全体で増収増益となりました。物流事業における成長分野への投資計画や産業別営業組織、体制の確立を進めるなど、計画は予定通りに進捗しております。
フェーズ1の最終年度となる今年度においては、成長投資に加え新規事業の拡大や、株主還元の強化、資本効率の向上を進めることにより、新たに目標と定めた「PBR1倍超え」の早期実現を目指し、取り組みを進めてまいります。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8,365百万円増加の153,263百万円となりました。主な要因と致しましては、現金及び預金が6,089百万円増加したほか、米州子会社における新リース会計基準(ASC第842号)の適用等により建物及び構築物(純額)が4,962百万円増加しております。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,491百万円減少の68,000百万円となりました。主な要因と致しましては、ASC842号の適用等によりリース債務が5,546百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が3,906百万円、長期借入金が4,658百万円減少しております。
純資産は、前連結会計年度末に比べ10,856百万円増加の85,263百万円となりました。主な要因と致しましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が9,100百万円増加したほか、為替換算調整勘定が1,276百万円増加しております。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末より4.2ポイント増の53.6%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
<キャッシュ・フローの状況>
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は22,466百万円で、前連結会計年度末に比べ4,298百万円の資金の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは17,922百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ8,382百万円収入が増加しました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益が増加したことや、売上債権の増減額が減少したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは5,557百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ1,971百万円支出が増加しました。その主な要因は、定期預金の預入による支出が増加したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは8,615百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ3,177百万円支出が増加しました。その主な要因は、短期借入金の純増減額が減少したこと等によるものです。
(単位:百万円)
キャッシュ・フロー指標の状況
自己資本比率及び時価ベースの自己資本比率、債務償還年数、インタレスト・カバレッジ・レシオは次のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
<資金需要について>
当社グループの主な運転資金需要は、貨物輸送運賃や旅客運賃、倉庫や港湾施設等の賃借料、及び人件費経費等であります。主な設備投資資金需要は、新倉庫の建設や施設増強工事、車両及びシステム投資等に関するものであります。また、第7次中期経営計画における設備投資は、海外・国内の物流施設への拡充を中心に順調に推移し、当連結会計年度は総額14,139百万円の設備投資を実施しました。
<資金の流動性について>
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っております。
<資金の調達>
現在そして将来の営業活動及び債務の返済等の資金需要に備え十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めております。必要な資金は、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローの他、金融機関等からの借り入れ及び社債発行によって調達しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
(2023年3月31日現在)
(注) 1.投下資本額は帳簿価額により建設仮勘定は含んでおりません。
2.上記(外書)は、連結会社以外からの賃借設備であります。
3.上記<内書>は、連結会社以外への賃貸設備であります。
(2023年3月31日現在)
(注) 1.投下資本額は帳簿価額により建設仮勘定は含んでおりません。
2.上記(外書)は、連結会社以外からの賃借設備であります。
3.上記<内書>は、連結会社以外への賃貸設備であります。
(2023年3月31日現在)
(注) 1.投下資本額は帳簿価額により建設仮勘定は含んでおりません。
2.上記(外書)は、連結会社以外からの賃借設備であります。
3.リース契約による主な賃借設備は次のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 株式併合(5:1)によるものであります。
2023年3月31日現在
(注) 1.自己株式433,059株は、「個人その他」に4,330単元、「単元未満株式の状況」に59株含まれております。
2.上記「その他の法人」には、証券保管振替機構名義の株式が4単元含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1.上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。
2.上記のほか当社所有の自己株式433千株があります。
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、国際物流事業をはじめ旅行業などの関連サービスを提供しております。
従いまして、主力の国際物流事業を中心とする「物流事業」、その他関連事業である「旅行事業」及び「不動産事業」の3つを報告セグメントとしております。
「物流事業」は、国際物流を中心とした航空貨物事業や海上貨物事業などを行っております。「旅行事業」は、主力の業務渡航を中心とした旅行業を連結子会社にて行っております。「不動産事業」は、不動産売買・仲介等を専業とする連結子会社の他、物流を本業とする当社及び連結子会社において、保有資産の有効活用の観点から土地・建物等の賃貸を行っております。