日本テレビホールディングス株式会社
(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第89期の期首から適用しており、第89期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2.第90期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第89期の関連する経営指標等については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第86期、第87期、第89期及び第90期は潜在株式が存在しないため記載しておりません。第88期におきましては、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.第88期の当期純損失の原因は、関係会社株式評価損の計上等によるものであります。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第89期の期首から適用しており、第89期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社は、1952年7月31日、我が国初の民間テレビ放送免許を獲得し、同年10月28日会社設立、翌年8月28日、本放送を開始しました。開局当時の日本は、戦後の復興間もない時期で、テレビ放送は時期尚早との意見が大勢を占めましたが、当社の創業者正力松太郎は、「テレビの発展なくして、戦後日本の再建はありえない。」との強い信念から、我が国初のテレビ放送実現へ邁進しました。
主な変遷は次の通りです。
(注) 2023年5月19日付で、la belle vie㈱の株式を取得し連結子会社としました。
当社及び当社のその他の関係会社である㈱読売新聞グループ本社は、それぞれに子会社・関連会社から構成される企業集団を有し広範囲に事業を行っております。このうち、当社グループは、認定放送持株会社である当社と子会社55社及び関連会社34社から構成されており、セグメント区分ごとの事業内容は以下のとおりです。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
日本テレビ放送網㈱及び㈱BS日本は、テレビ番組を企画制作し、無料放送を行うことによるテレビ広告枠の販売、番組などのコンテンツの配信及びライセンス、映画の製作・公開、イベント・美術展の開催並びに通信販売を行っております。㈱CS日本は、110度CS衛星基幹放送事業及び番組供給事業を行っております。㈱日テレ・テクニカル・リソーシズ、㈱日テレ アックスオン、㈱日本テレビアート及びNTV International Corporationは映像コンテンツの制作関連業務を行っております。日本テレビ音楽㈱は音楽著作権の管理及びレコード原盤の企画制作、商品化権事業を行い、㈱バップはパッケージメディアの企画制作及び販売を行っております。また、HJホールディングス㈱は動画配信事業を、㈱日テレWandsは、ITサービス事業、インターネット配信及びWebソリューション事業等を行っております。㈱PLAYは動画ソリューション事業を、㈱タツノコプロはアニメーション映画等の企画制作及びライセンスを、㈱日テレイベンツはイベントの企画運営を、㈱ACMはアンパンマンこどもミュージアムの企画運営を、㈱ムラヤマはイベントや展示物等の企画及び制作を、㈱日テレ7は番組と連携したオリジナル商品の企画及び広告・マーケティング事業を、㈱日本テレビサービスは、番組キャラクターグッズ等の店舗運営を行っております。その他、非連結子会社29社、関連会社26社は、テレビ放送、ラジオ放送、アニメーション制作、映画製作、インターネット広告事業等を行っております。なお、日本テレビ放送網㈱は関連当事者である㈱読売新聞東京本社よりプロ野球のテレビ放映権の購入等を行っております。
㈱ティップネス及び関連会社4社は、総合スポーツクラブ等の運営事業を行っております。
当社及び日本テレビ放送網㈱は、オフィス・商業テナント及び土地の賃貸を行っております。㈱日本テレビワーク24はビルマネジメント、建物の設備・警備・清掃及び太陽光発電事業等を行っております。その他、非連結子会社4社及び関連会社1社は資産管理及び太陽光発電事業等を行っております。
その他、非連結子会社2社及び関連会社3社は人材派遣、エネルギー供給、人材育成事業等を行っております。
企業集団の状況を事業系統図によって示すと次のとおりです。

(注) 1.連結子会社及び持分法適用関連会社の「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
※2.特定子会社に該当しております。
※3.持分は100分の20未満ですが、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第6項第2号の規定に従い、関連会社とした
ものです。
※4.有価証券報告書を提出しております。
5.議決権の所有・被所有割合の( )内は、間接所有・被所有割合で内数です。
※6.議決権の所有・被所有割合につきましては、小数第一位未満を切捨てて表示しております。
※7.債務超過会社であり、2023年3月末時点で債務超過額は16,506百万円です。
※8.日本テレビ放送網㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1) 売上高 290,838百万円
(2) 経常利益 41,132百万円
(3) 当期純利益 29,855百万円
(4) 純資産額 604,728百万円
(5) 総資産額 713,993百万円
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外部への出向者を除き、グループ外部から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数(派遣社員及び常駐している業務委託人員を含む。)は[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は管理部門のものであり、これらの従業員は他のセグメントと兼務しております。
3.当連結会計年度より、セグメントの区分について「その他」を廃止し、「メディア・コンテンツ事業」「生活・健康関連事業」「不動産関連事業」「全社(共通)」に変更しております
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、子会社から当社への兼務出向者の就業人員です。
2.臨時従業員数は、当事業年度末従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
3.当社は、当社に出向している従業員の給与のうち、出向元と当社での業務割合に応じて当社が負担する金額を、出向元に対し支払っております。なお、平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門のものです。
当社グループの連結会社には、民放労連日本テレビ労働組合、民放労連日テレ制作グループ労働組合、民放労連日本テレビサービス労働組合、民放労連バップ労働組合、BS日本労働組合、ムラヤマ労働組合があります。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づく公表を行っていない
ため、記載を省略しております。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、男性労働者の育児休業取得率につきましては、正規雇用労働者の実績を開示しております。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したもので、全労働者の実績を開示しております。
3.㈱ティップネスにつきまして、特別休暇(配偶者出産)取得率64.3%(男性)となっております。
4.日本テレビ放送網㈱、㈱日テレ・テクニカル・リソーシズ、㈱日テレ アックスオン、日本テレビ音楽㈱及び㈱ムラヤマにつきまして、女性労働者の割合は若年層で高い一方、男性労働者の割合は中高年層で高いこと等から、全労働者の男女の賃金の差異が生じております。
5.㈱ティップネス及び㈱ACMにつきまして、主に店舗のパート・有期労働者における女性の割合が高い一方、正規雇用労働者は男性の割合が高いこと等から、全労働者の男女の賃金の差異が生じております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、メディア・コンテンツ事業においては、地上波テレビ放送で長年培ってきたコンテンツ制作力と媒体力をコアコンピタンスとし、事業を拡大し成長させてまいりました。しかし、インターネットメディアの普及等に伴うコンテンツ視聴環境の変化や、それに伴う広告手法の進化によって、インターネット広告へのシフト、動画配信市場の拡大等が進み、テレビが持つメディアとしてのパワーの維持が大きな課題となっています。また、オリンピック等の大型スポーツイベントを中心に放送権料が高騰しているほか、5Gなどの新技術対応のためのコストも必要となり、収益の確保が難しくなってきていると認識しています。一方で、インターネットを通じた動画配信事業は、社会のデジタルシフトを受け、市場全体が右肩上がりに成長していくことが見込まれているものの、豊富な資金力を有する外資系企業が日本に進出しているほか、国内配信事業の統合もあり、会員獲得に多額の投資が必要なビジネスモデルとなっていることから厳しい競争環境に晒されています。
生活・健康関連事業においては、総合型スポーツクラブから特化型スポーツクラブへの利用者ニーズの移行に伴い、小規模事業者の新規参入が容易な状況となっており、24時間営業のトレーニングジム、ホットヨガ、ストレッチ専門店等に加え、アプリ等を利用した自主トレーニングなど多様化が進んでおります。また、コロナ禍において減少した会員数の回復に時間を要しているほか、光熱費の高騰など、厳しい状況が継続しています。
これらに加えて、急激な社会のデジタル化へのシフト、ロシアによるウクライナ侵攻などの世界情勢不安、気候変動による集中豪雨や大型台風の発生をはじめとする甚大な被害を伴う自然災害といった外的要因による大きな経営環境の変化が生じております。当社グループはこのような経営環境の変化に適切に対処し、進化していくことが重要な課題であると認識しております。
当社グループは2022年5月、経営方針を新しく定めるとともに、2022年度から2024年度を計画期間とする中期経営計画を策定いたしました。中期経営計画2022-2024は、「総合コンテンツ企業」への進化を目指した前中期経営計画をさらに深化・拡張させ、あらゆる感動を創造し、生活者に信頼されるNo.1企業となるための取り組みと目標を示すものです。
当社グループは、すべてのステークホルダーから信頼されるコンテンツ・サービスを提供し、報道機関として迅速・正確な報道の強化に努めます。また、サステナビリティポリシーに則り、多様な人材の活躍と共生を支援し、社会的責任を果たしていきます。
■報道の信頼性向上
▶報道機関として公平・公正さを保ち、迅速・正確な情報を発信し、信頼性を高めます。
▶言論および表現の自由を確保し、健全な民主主義の発展に尽くすことで社会の信頼に応えます。
▶放送とインターネットの両輪による安心・安全な情報の発信に努めます。
■サステナビリティへの恒常的な取り組み
▶サステナビリティポリシーに則り、あらゆる活動をクリエイティブに発想し、持続可能な未来に向けて積極果敢に取り組みます。
・Good For the Planet(※1)の地上波にとどまらない通年発信
・健康経営の推進、DXによるワークライフバランスの実現 など
中期経営計画2022-2024重点目標
コンテンツの価値最大化
新規ビジネス創出の加速
ウェルネス経済圏の構築
「売上高5,400億円」、「営業利益700億円」へ
①中期経営計画2022-2024目標数値
最終年度(2024年度)に、過去最高となる連結売上高5,400億円(うちM&A加算額400億円)、連結営業利益700億円(うちM&A加算額20億円)を目指します。
当連結会計年度は中期経営計画2022-2024の1年目として、最終年度の目標数値を達成するために、放送外事業の伸長と放送事業の価値向上の両立を図るべく、先行投資や更なるコンテンツへの戦略的投資を加速させるための足掛かりとなった1年となりました。
なお、当連結会計年度における財政状態、経営成績につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](2)経営成績の概要・分析(3)財政状態の概要・分析」に記載しております。
(単位:億円)
※2022年度の「コンテンツ事業収入他」には2022年3月31日付で連結子会社となった㈱ムラヤマの売上高120億円を、また「連結営業利
益」には同社の営業損失16億円(のれん償却費含む)を含んでおります。
②中期経営計画2022-2024の取り組み
メディア・コンテンツ事業領域においては「コンテンツ中心主義」を改めて掲げ、あらゆるプラットフォーム、デバイスに向けて生活者に最適なコンテンツを制作します。また、外部パートナーとの協業・共創を推進し、国内外に向けて発信していきます。
さらに、VTuber事業を始めとした社内インキュベーション事業の強化・拡充を図るとともに、新たな領域への投資機会を追求し、新規ビジネスの創出を加速させます。また、ティップネスを始めとしたウェルネス経済圏を構築し、国民の健康寿命の伸長に貢献します。
当社グループは、あらゆるボーダーを超えた「感動×信頼のNo.1企業」として、生活者に新たな価値を提供し、企業価値のさらなる向上に取り組んでまいります。
A コンテンツの価値最大化
コンテンツ戦略本部の設立
▶顧客体験価値(カスタマーエクスペリエンス)を重視し、これまで以上にメディア横断的に生活者が見たいコンテンツを届けるためのコンテンツ制作・指揮組織を作ります。
▶戦略的パートナー ウォルト・ディズニー・ジャパンなどとのコンテンツ共同開発により、世界配信強化を図ります。
▶海外展開を軸としたアニメ事業の強化を行い、利益最大化での配信を目指します。
(当連結会計年度の取り組み)
▶2022年6月にコンテンツ戦略本部を設立し、コンテンツのPF最適化、生活者接点の最大化に向けたコンテンツ制作の指揮コントロールに努めています。引き続き、「生活者接点No.1」の実現を目指してまいります。
▶ウォルト・ディズニー・ジャパン㈱との戦略的協業の取り組みの一環として、日本テレビ系2022年4月期ドラマ「金田一少年の事件簿」をディズニー公式動画配信サービス「ディズニープラス」にて国内及び世界配信いたしました。日本テレビ系地上波連続ドラマとしては、初の世界配信となりました。また、バラエティにおいては、Netflix,Inc.に「名アシスト有吉」を制作し、世界配信を開始しました。今後も、世界市場に向けたコンテンツの共同開発を目指してまいります。
▶日本テレビアニメ枠「AnichU」にて「トモダチゲーム」、「シャインポスト」を放送した他、2022年11月には日本テレビが出資したアニメ映画「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」が公開されました。今後は、全世界同時配信の強化、編成戦略の拡充と系列局との連携強化、原作元との関係強化及びグループ会社である㈱マッドハウスや㈱タツノコプロの活用を図ってまいります。
知的財産(IP)コンテンツの開発
▶Nizi Project、THE FIRSTに次ぐ大型IP開発を推進します。
▶ビーグリーとの共創、メディアミックス展開により原作クリエイターの発掘・育成を行い、世界でヒットする新規IPを開発します。
(当連結会計年度の取り組み)
▶YOSHIKIと日本テレビが強力タッグを組むボーイズグループオーディションプロジェクト「YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X」が進捗し、今春デビューメンバーが決定し、グループ「XY」が誕生いたしました。また、㈱スターダストプロモーション、㈱ソニー・ミュージックレーベルズと日本テレビがタッグを組み、女王蜂のヴォーカル・アヴちゃんがプロデュースする “スクール型”オーディション企画「0年0組 – アヴちゃんの教室」を実施いたしました。今後は、更なるIP開発の進化、自社が関与したIPを活かしたデジタル展開の拡大及び海外進出の強化を図ってまいります。
▶㈱ビーグリーと「クリエイターの発掘・育成・支援」共創プロジェクトとして、漫画家発掘を目的としたオーディション企画「THE TOKIWA」を「シューイチ」で放送いたしました。優勝した漫画家による作品は㈱ビーグリーが運営する「まんが王国」にて配信しております。2023年度以降も様々な形の共創プロジェクトを企画中です。
新たな共創体制の構築
▶ムラヤマ、ビーグリー、ディズニーに続く共創体制の構築機会を追求します。
▶アフターコロナ時代に向けた、共創によるリアルイベント制作体制強化を図ります。
(当連結会計年度の取り組み)
▶出資先である㈱絵本ナビと「絵本コンテンツの開発・制作」共創プロジェクトを実行し、アナウンサー考案の滑舌をテーマにしたデジタル絵本4作をリリースした他、㈱タツノコプロが絵本ナビとライセンス契約を結び、ハクション大魔王「アクビ」絵本シリーズ3作をリリースいたしました。今後はさらなる共創体制の構築機会を追求してまいります。
▶エグゼクティブ・プロデューサー久石譲氏のもと、イギリスの名門演劇カンパニー、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーと日本テレビが共同製作した舞台「となりのトトロ」が、英国演劇界で最も権威のある「ローレンス・オリビエ賞」で最多6部門を受賞しました。
また、国内では㈱ムラヤマとの協業によりBiSHのヒストリーを集めた「美醜秘宝館」を開催した他、㈱アールビーズとの共創による「カラダWEEK47都道府県対抗ウォーキングバトル」の開催やSKY-HIと実施したダンス&ボーカルイベント「D.U.N.K」など、当社グループの共創によるリアルイベント制作体制強化を着実に推進しております。
B 新規ビジネス創出の加速
社内インキュベーションからの新規事業確立
▶ VTuber事業はClaN Entertainmentへの分社化と人材採用強化でインフルエンサーに特化したエンターテイメント企業へと進化させます。
▶HR事業(※2)・XR事業(※3)について、独立した事業として体制を構築します。
▶上記に続く新規事業を社内インキュベーションから立ち上げます。
(当連結会計年度の取り組み)
▶2022年4月1日付で㈱ClaN Entertainmentを分社化し、クリエイターネットワーク事業、メタバースコンテンツ事業及びメタバースソリューション事業を展開し、地上波番組「プロジェクトV」の放送や、バーチャルイベント「Summer Voyage!!」の開催等を実施いたしました。
▶人材育成事業を行うアチーブメント㈱との資本業務提携を実施し、教育事業「日テレHR」との相互シナジーにより更なる成長を目指しています。
また、2022年4月より、XR分野のコンテンツ制作をワンストップで提供するサービス「日テレXR」をスタートいたしました。日本テレビグループならではの放送クオリティの企画演出・コンテンツ制作でB2B・B2C双方の課題解決のサポートを、「XRコンテンツ制作」サービス、「XRプロトタイプ開発」サービス及び「XRオリジナルプロダクト」サービスの3つのサービスで提供いたします。
▶社内インキュベーション事業として、映像編集の自動モザイク入れAIソフトウェア「BlurOn(ブラーオン)」、アナウンサーの声から生まれたブランド「Audire(アウディーレ)」をローンチいたしました。
新規事業領域への投資機会の追求
▶当社グループならではの価値を創造できる領域の探索・進出を行い、M&Aを含め、収益の柱となる事業領域への投資機会を追求します。
(当連結会計年度の取り組み)
▶新規事業創出及び戦略的投資に際しては、当社グループならではの価値を創造できる領域の探索・進出を行っています。
C ウェルネス経済圏の構築
CDP(顧客情報システム)によるウェルネス経済圏構想
▶ティップネスの顧客情報を、当社グループが持つ他の顧客情報と併せて活用することにより、生活者個々に寄り添った生活満足度の向上に寄与します。
▶CDPの活用を検討する委員会を発足、ウェルネス事業者CDPとの連携を行い、サービスの付加価値をさらに向上させていきます。
(当連結会計年度の取り組み)
▶ティップネスをご利用の皆様への満足度を高めるべく、CDPのシステム開発のプロジェクトチームを立ち上げました。今後システム構築に向けて、概念実証や社会実装の実現に向けて努めてまいります。
ティップネスの再成長
▶ティップネスはコロナ禍からの早期回復を図り、CDP活用により健康ニーズに迅速・的確に応える「コンテンツ・サービス企業」へと進化します。
(当連結会計年度の取り組み)
▶カラダWEEKのキャンペーンでは情報番組と㈱ティップネスの連動企画の放送やオンラインフィットネス「torcia(トルチャ)」とのコラボ展開、更に日テレ・東京ヴェルディベレーザと試合会場でのフィットネスイベントおよびティップネスユーザーを試合会場にご招待するなど協業施策を実行しました。
健康事業部の設置
▶生活・健康関連事業をさらに強力に推進するために、当社グループに統括する部門を設置します。
(当連結会計年度の取り組み)
▶2022年6月に健康事業部を設立。日本テレビの目指すウェルネス経済圏のビジョンを明確化。生活・健康関連事業を担うグループ会社との連携を強化し、ウェルネス経済圏構築に向けた施策を提案およびその実現に向けた取り組みを加速させています。
③戦略的投資方針
投資枠1,000億円を継続し、メディア・コンテンツ事業と生活・健康関連事業の強化と領域の拡張、さらに新規領域への挑戦に向けて投資を実行し、企業価値の持続的な向上を目指します。
メディア・コンテンツ事業領域
・知的財産(IP)開発
・コンテンツ制作体制の強化
新規事業領域
・XR領域、メタバース領域をはじめとする成長テクノロジー投資
・HR事業の拡大
生活・健康関連事業領域
・CDP構築のためのデータ保有企業との連携
・ウェルネス経済圏構想の具体化
サステナブル投資
・社会に貢献する事業への積極的な投資の実行
(当連結会計年度の取り組み)
▶当連結会計年度においては、複数の事業領域において投資を実行いたしました。具体的には、HR事業領域において、目標達成を支援する人材教育コンサルティング会社アチーブメント㈱を中核としたアチーブメントグループの株式を取得し、持分法適用関連会社化した他、生活・健康関連事業領域においては、スポーツメディア事業、スポーツイベントの企画・運営事業などを展開する㈱アールビーズの株式を取得し、持分法適用関連会社化いたしました。
▶また、サステナブル投資として、絵本の情報・通販サイト、デジタル絵本コンテンツのサブスクリプション事業などを運営する㈱絵本ナビへの出資を実施した他、先進的な有機栽培によって、安全で地球環境に優しく、おいしい野菜づくりに取り組む農業法人㈱いかすへの出資を実施いたしました。今後も引き続き積極的に投資を実行し、企業価値の向上に努めてまいります。
④財務方針
A 重要な経営指標
事業の規模と成長の尺度である「売上高」と、事業の収益性の尺度である「営業利益」とします。また、事業資産の効率的な利用と金融資産を活用した積極的な投資により「ROE(自己資本利益率)」の向上にも努めてまいります。なお、政策保有株については保有の合理性について随時見直しており、2022年度は純資産に対する比率が20%未満となりました。
B 株主還元政策
事業環境の変化への対応や収益基盤の強化、成長領域への投資の調和を図りながら、持続的な収益の拡大・成長に努め、業績動向など諸要素を勘案しながら継続的で安定的な株主還元を行うことを基本方針とします。
(※1)Good For the Planet グップラ …2020年からスタートした日本テレビ系SDGsキャンペーン。「地球のため、未来のため、
より良い暮らしのために今できること」を情報・バラエティ・スポーツ・報道番組が「オール日テレ系」で一丸となって取り組み
ます。
(※2)HR事業…Human Resources(人的資源)。育成・研修等を含む人事支援サービス。
(※3)XR事業…Extended Reality。VR(仮想現実)・AR(現実拡張)・MR(複合現実)などの先端技術を活用した事業。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。当社グループは、これらのリスクの存在を認識した上で、その回避及び顕在化した場合の対応に努める方針です。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを網羅するものではありませんのでご留意下さい。
(地上波テレビ放送の媒体価値と収益性)
当社グループの主たる事業であるメディア・コンテンツ事業は、地上波テレビ広告枠の販売による地上波テレビ広告収入に依存しており、当連結会計年度における地上波テレビ広告収入は総売上高の56.0%を占めています。一般に、広告市況は経済のマクロ動向と連動する傾向があり、日本国内においては、少子高齢化と人口減少により大きな市場の伸びが期待できない状況です。また、長引くロシアによるウクライナ侵攻や海外景気の下振れ等の外的環境の変化により広告市況が影響を受ける可能性があります。これらに加え、メディアの多様化やインターネット広告市場拡大等の変化により、地上波テレビ放送事業は厳しい状況に晒されています。2022年の日本の総広告費(暦年、㈱電通調べ)は過去最高の7兆1,021億円(前年比104.4%)となったものの、地上波テレビ広告は「東京2020オリンピック・パラリンピック」などによる反動減を打ち消す需要増には至りませんでした(前年比97.6%)。インターネット広告費はこのような状況下においてさらなる成長(前年比114.3%)を見せており、広告価値における地上波テレビ放送が有してきた絶対的優位性の維持・確保が課題であると認識しております。
当社グループとしましては、視聴者から支持される番組を作り続けることにより、視聴率・視聴質の維持・向上に努め、今後厳しさが増すと予想される市場環境の中でも、地上波テレビ広告市場におけるシェアを圧倒的に拡大することで地上波テレビ広告収入の確保に努めております。これに加え、開発したSAS(スマート・アド・セールス)の活用や、新たなクライアントニーズを取り込むことで、地上波テレビ広告の高度化と価値の維持、広告体験の向上に努めております。近年高まっている、広告の効果分析に対するニーズに対しては、DMP(顧客情報システム)構築や獲得した大量のデータの有効な処理・活用のためのデータサイエンティストの確保などを推進し、視聴データの整備を進めると同時に、さらに広告価値を高める方法についても引き続き研究を行っております。これに加え、AIを活用した新セールス方法の開発を目指す(株)松尾研究所との共同研究や、放送/配信を統合しあらゆる動画広告を在庫化する研究など、広告商品の高度化を推進しています。
また、2022年5月に策定した中期経営計画において「テレビを超えろ、ボーダーを超えろ。」をスローガンに掲げており、コンテンツ戦略本部の設立、知的財産(IP)コンテンツの開発、新たな共創体制の構築などを実行し、コンテンツの価値最大化を目指してまいります。
しかしながら、今後の日本経済のマクロ動向や広告市場の動向により、地上波テレビ広告収入が大幅に縮小し、かつ、地上波テレビ広告収入の落ち込みを補う非放送広告収入を創出できなかった場合は、当社グループの存続に関わる、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(メディアの多様化)
通信環境の進化とともにスマートフォンやタブレット等の端末が広く普及する中、インターネットメディアをはじめ、視聴スタイルが多様化しております。当社グループは、地上波・BS・CSの3波協業を皮切りに、2014年4月にアメリカの動画配信会社 Hulu,LLC の日本市場向け事業(定額制動画配信サービス「Hulu」の運営)を承継し、SVOD(Subscription Video On Demand:定額動画配信)事業に参入し、現在ではTVOD(Transactional Video On Demand:都度課金型動画配信)事業も開始しております。また、「日テレ無料!(TADA)by日テレオンデマンド」において、2014年度より放送事業者として初めて、一部放送コンテンツで広告付き無料見逃し配信(キャッチアップ)のサービスを開始し、インターネット環境下での放送コンテンツ視聴のBtoB事業化に着手、2015年には民放公式テレビポータル「TVer」をスタートし、AVOD(Advertising Video On Demand:広告付き無料動画配信)事業も順調に成長しております。
SVOD事業及びTVOD事業は、今後の動画配信市場の拡大と、それに伴う会員数の拡大という目標に向け、連続ドラマからHuluオリジナルストーリーへの展開や、スポーツコンテンツについてテレビ放送との工夫のあるライブ配信を行うなど、当社グループが展開しているコンテンツ・サービスとの連携を強め、注目を集めています。AVOD事業はドラマの見逃し配信を中心に着実に利用者を拡大しております。さらに2021年10月より「日テレ系ライブ配信」として一部番組の無料ライブ配信を民放で初めて実施いたしました。2022年4月からは在京民放キー局全てが一部番組のリアルタイム配信を開始しております。当社グループといたしましては、今後も地上波テレビ放送にとどまらず多様化するメディアに積極的に参入してまいります。
しかしながら、これらの事業は成長分野であるとともに、豊富な資金力を有する外資系企業が参入するほか、国内配信事業の統合など競争環境は年々厳しくなっております。事業が想定通りに伸長しない場合や、ネットワークインフラと端末の高機能化等により、市場を取り巻く環境が大きく変容する可能性もあります。このような場合には、投下資本の回収が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
映画・イベント等への展開に関しては、慎重にシミュレーションを行った上で、投資判断を行っております。しかしながら、実際の映画の興行収入や劇場公開後の二次利用収入・イベントチケット販売収入や関連グッズなどの物品販売収入等がシミュレーション通りの収益を確保する保証はなく、当初計画した収益を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(地上波テレビ放送の視聴動向)
テレビ広告収入に大きな影響を及ぼすのが視聴率動向です。当社グループは、国民の皆さまの視聴ニーズを的確に捉え、最も視聴され共感されるコンテンツの制作を目指しており、地上波での2022年の年間個人平均視聴率は、全日帯、ゴールデン帯、プライム帯の3部門全てでトップとなり、年間「個人視聴率三冠王」を継続することができました。
コンテンツ制作においては、新たなデジタルテクノロジーの導入を進めるなどして制作体制を強化するとともに効率化を進めております。当社グループが有するコンテンツ制作力を結集し、引き続き、視聴者の皆さまから支持される良質なコンテンツを開発してまいります。
しかしながら、日本国内の人口減少やコンテンツの視聴環境の多種多様化により、地上波のタイムテーブル全般で視聴率の大幅な低下があった場合には、地上波テレビ広告収入の大幅な減少等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(放送権・配信許諾等ライセンスの高騰)
メディア・コンテンツ事業を主たる事業とする当社グループは、オリンピックやFIFAワールドカップ等、全国民が注目するスポーツイベントの放送をテレビ放送事業者の使命として行ってまいりました。しかしながら、近年これらのスポーツイベントの放映権料が高騰する一方で、高額なテレビ放映権料に見合う広告収入の確保は年々困難になっており、その採算性は悪化する傾向にあります。当社グループといたしましては、今後も、国民の皆さまに娯楽を提供するという放送事業者としての使命を全うすべく、スポーツイベントのテレビ放送に携わっていく所存ですが、テレビ放映権料のさらなる高騰は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
動画配信事業においては豊富なコンテンツを安価で提供することが、サービスが顧客から選ばれる要因となっていることから、近年、コンテンツホルダーの交渉力が高まっており、配信許諾等ライセンスが高騰する傾向にあります。当社グループといたしましては、コンテンツの選別を精緻に行い、慎重に収支のシミュレーションを行った上で、ライセンスを購入しております。また、購入したライセンスは効果的に利用すべく、マルチプラットフォーム戦略の下、当社グループが有する地上波テレビ放送をはじめとする各メディアとの連携を図り、収益の最大化を進めております。しかしながら、配信許諾ライセンスのさらなる高騰により、投下資本の回収が困難なケースが増えた場合は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(コンテンツ制作の取り組み)
当社グループでは、今後、多様化するメディアの中で、制作したコンテンツのテレビ放送での利用は、ゲーム・商品化・映画・舞台等様々な利用方法と並列と捉えてマネタイズを組み立てる必要があり、IP(知的財産)の構築及び確保が重要であると考えております。当初より様々な利用を前提とし、権利処理関係においてより上流に位置することになるIPの構築には、これまでのテレビ放送を前提としたコンテンツ制作とは異なるケースも多々発生し、構築までに時間と費用がかかる場合があります。今後、当社グループの収入源の多様化を図るためにもIPを構築し確保することは重要でありますが、想定した通りのIPの構築が進まない場合、あるいはIPの構築に想定以上のコストが必要となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
番組制作においては、働き方改革の促進に伴い、クラウド上での編集システムの検討など効率化に取り組んでおります。しかしながら、現状の番組クオリティを維持するためには、スタッフの人員増や編集システムへの投資など、費用が増加する傾向にあります。
また近年、SNS等のインターネットメディアの拡大に伴い、テレビ番組以外の制作物も増加しております。その対応のための人材確保や外部リソースの活用などを推進しておりますが、業種を問わずニーズが高い分野のため、優秀な人材を確保できない場合や確保できたとしても高コストになってしまうことも想定されます。計画的な設備投資、人材の採用を行い、コスト抑制に努めてまいりますが、想定を超える技術革新、人件費の高騰が進んだ場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(著作権等の知的所有権)
当社グループの制作するテレビ番組は、原作者、脚本家、音楽の作詞・作曲者、レコード製作者、実演家等多くの人々(以下、「著作者等」という。)の知的・文化的な創作活動の成果としての著作権や著作隣接権(以下、「著作権等」という。)が密接に組み合わされた創作物です。著作権法は、その第1条においてこれらの創作活動を行う著作者等の権利を定め、その公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、文化の発展に寄与することを目的としています。
当社グループは制作したテレビ番組を、地上波テレビ放送や動画配信、BS・CS等の衛星放送、ケーブルテレビへの配信、DVD / Blu-ray Disc等によるパッケージメディア化、海外への番組販売等によるグローバル展開、番組キャラクター等のマーチャンダイジングや出版化等によりマルチユース利用することで収益を獲得しております。この際、様々な著作者等が保有する著作権等に十分配慮しつつ展開することが求められます。
しかしながら、当社グループの制作するテレビ番組は、原則として日本国内における地上波放送や衛星放送を前提として著作者等から著作権等の利用を許諾されており、これら以外への利用を目的とした権利取得が十分に行われていないテレビ番組が存在します。このため、テレビ番組をインターネット等の新たなメディアでマルチユース利用する場合や、海外展開をしていく上で、予め著作者等の許諾を得るか、放送と並行して、あるいは放送後に著作者等の許諾を再度取得することが必要不可欠となります。これらの権利処理には多くの時間と費用が必要となる可能性があります。当社グループでは、新たに番組を制作する際には予めマルチユース利用を前提とした著作権等の許諾を得て制作を進めていくほか、これまでに制作した番組については、必要に応じて適切に著作者等から著作権等の許諾を取得する作業を行い、コンテンツのマルチユースがスムーズに進められるよう心掛けております。
万が一、当社グループが著作者等に対し、不適切な対応を行った場合には、放送等の差し止め要請や損害賠償請求を受ける可能性があります。このような場合には、収益の大幅な減少・訴訟等に伴う費用の大幅な増加等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、2014年12月に総合スポーツクラブ事業を営む㈱ティップネスを連結子会社化し、生活・健康関連事業を展開しています。生活・健康関連の市場規模は拡大傾向にあるものの、新規事業者の参入などにより事業の競争環境は厳しさを増しております。㈱ティップネスは従来の総合型スポーツクラブ「ティップネス」や24時間営業のトレーニングジム「FASTGYM24」を展開し、顧客層の獲得へ取り組んでおります。また、2020年3月には水泳スクールを営む㈱ジェイエスエスを関連会社とし、㈱ティップネスとのシナジーも含め、本セグメントにおけるスクール事業の強化に努めております。
しかしながら、スポーツ施設の運営において、同業他社や他のスポーツ関連サービス等との競合により会員を計画通りに確保できない場合や、価格競争により平均単価が低下した場合、あるいは賃貸契約を更新できずに店舗を閉鎖せざるを得ない場合には、安定的な収益が得られない可能性があります。また、新規出店やリニューアルなどには、規模に応じた投資を要するため、会員の確保が計画通り進まない場合には投下資本の回収が困難になる可能性があります。特に昨今では、コロナ禍において減少した会員数の回復に時間を要しております。当社グループといたしましては、不採算店舗の閉鎖も実施しつつ、コスト構造の見直しを通じて収益性の回復を図るほか、デジタル化を通じた新規事業の創出やデータの活用を通じ、健康ニーズに迅速・的確に応えるコンテンツ・サービスの開発に取り組んでまいります。しかし、引き続き会員数の回復が見込めない場合や想定外の多額の費用投下が必要になった場合などには、収益の大幅な減少やさらなる不採算店舗の閉鎖コストの発生、固定資産のさらなる減損リスクが発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、汐留及び番町地区等において不動産賃貸事業を計画、実施しており、保有地の活用検討を進めております。
当社グループといたしましては、建設費の高騰等を想定し、できる限りコストコントロールに努めた上で事業を進めてまいりますが、予期せぬ事情により今後の計画に何らかの影響が及んだ場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、2014年に岩手県九戸発電所と胆沢発電所を稼働させ、2018年5月には、大規模営農型の熊本県小国発電所を稼働させました。当社グループではクリーンエネルギーの創生は、環境に配慮した発電事業として社会的に意義のあるものと考えており、電力会社と固定価格買取保証の契約を締結することなどにより、長期安定的に収益を計上できるよう取り組んでおります。
しかしながら、合理的な理由を前提とした電力会社から事業者への出力抑制の要請等で、計画通りに買い取りが行われないような状況が発生した場合や、設備トラブルや天候不順・天変地異等により発電量が大幅に低下した場合、営農型発電所において営農の継続性に疑義が生じた場合、稼働済みの発電所から撤退する場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、2022年度から2024年度を計画期間とする日本テレビグループの中期経営計画「日本テレビグループ 中期経営計画2022-2024」において投資枠を1,000億円とし、M&A等による事業セグメントの拡大をグループ全体で進めております。しかしながら、M&Aについては、適切な候補先が見つからない場合や、条件に合致しないなどの理由により、当社グループの想定通りに取引が進まない可能性があります。
M&Aを行うにあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行い、十分にリスクを回避するように努めていますが、対象企業に偶発債務の発生や未認識債務の判明など事前の調査で把握できない問題が生じる可能性も否定できません。
また、M&Aにおいては、対象企業とのシナジー効果を含んだ金額での合併・買収価額となることが通常であるため、事前段階から綿密な統合計画を作成し、合併・買収後において、速やかに統合計画を実行することにより、早期のシナジー発現を目指しております。しかしながら、合併・買収後に重要な役員・従業員の退職や取引先との関係悪化といった躓きが生じた場合や、事業環境の変化その他の理由により統合後の事業展開が計画通りに進まず、シナジー効果が発現できない場合には、のれん等の減損リスクが発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループが事業活動を行う上で、人材の確保は重要な課題と捉えています。現在遂行中の事業をさらに拡大させていく場合や新たなサービスを開発し対応する場合、特に放送・配信等に対応したコンテンツを制作するにはそれぞれ必要なスキルを有した人材が新たに必要となります。しかしながら、昨今、労働需要がひっ迫し、労働力及び人材の確保が難しくなってきております。また、今後、AI化がますます重要となる社会が予想されることから、獲得した大量のデータを適切に処理・活用することができるデータサイエンティストに対するニーズが一段と高まってきております。当社グループにおきましても、このような人材を獲得することが非常に重要と考えておりますが、様々な業界・企業から必要とされている人材であるため、優秀な人材の確保は容易ではありません。
当社グループでは、テレワークの活用などをはじめとして働き方改革に全社を挙げて取り組み、社員や協力スタッフにとって働きやすい労働環境の整備に努め、人材の確保に注力しております。さらに、キャリア採用の強化等で多彩な人材を迎え入れ、当社グループの一番の強みであるコンテンツ制作力を強化するとともに新規事業へも積極的にチャレンジしております。このほか、経理部門等の重要な管理部門においても専門スキルを有する人材を継続して採用するなどし、ガバナンス機能の強化に努めております。
これらに加え、人材の永続的な確保という観点から、入社した人材の流出を防ぐことも重要であると考えております。働きやすい環境を作り上げるために、絶えず制度を改善することを続けており、離職率は1%程度と極めて低い水準を維持しております。特に女性が働きやすい環境作りに注力しており、出産後の女性の復職率も非常に高く、出産を経た女性もキャリアを積み上げていくことが可能な環境を整えております。
また、人材の確保のみならず、人材の育成も重要な要素であると考えております。当社グループでは部署の横断プロジェクトの立上げや社内あるいはグループ内外の人事交流を深めること等を通じて優秀な人材の育成に努めております。報酬については、人材評価制度を充実させ、成果・業績に基づく賃金体系を導入しており、優秀な人材のモチベーション及びパフォーマンス向上に取組んでおります。
しかしながら、労働力・人材を十分に確保できなかった場合、また労働関係の法令や制度の改正等により人材にかかわる費用が増加する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、人的資本を活かすには適切な組織の存在と適材適所の人材の配置が重要であると考えております。組織においては、当社グループが創り出すコンテンツの価値最大化を実現するための組織改編の実施や生活・健康関連事業をさらに強力に推進するための統括となる部署の創設、あるいはさらなる発展を目指し、社内ベンチャーで育ったVTuber事業の分社化など、中期経営計画の達成に向けて、適切な組織の構築に努めております。また、会計システムにおける伝票の申請・承認・保管及び受取請求書の電子化、クラウドサービスの導入等ITテクノロジーの活用や、社内横断プロジェクトを発足し、ボトルネックとなっている業務改善の実施等、業務の効率化を図り、余裕が生じた労働力を新規事業に充当することにより、事業の拡大に努めております。
しかしながら、人的資本が有機的に機能しない事態に陥った場合、企業活動が停滞する等、当社グループの存続に関わる状況となり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、2[サステナビリティに関する考え方及び取組]において「(3) 人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標」に関する記載がありますので併せてご覧ください。
当社グループは、事業の用に供する様々な不動産を保有しております。このうち、汐留地区にある本社ビル「日本テレビタワー」及び番町地区に保有する不動産は、メディア・コンテンツ事業及び不動産関連事業に供している資産で、当連結会計年度末における汐留地区の「日本テレビタワー」及び番町地区の保有不動産の帳簿価額は合わせて、2,135億4千2百万円(建物及び構築物と土地の合計額)であり、当社グループの総資産の20.6%を占めております。
当連結会計年度末現在、汐留地区の「日本テレビタワー」及び番町地区の保有不動産に関して減損の兆候は認識しておらず、将来における回収可能性はあるものと認識しており、当面、減損の兆候を認識するような事態にはならないと考えております。しかしながら、将来において、経営環境の著しい悪化等により当社グループの収益性や営業キャッシュ・フローの大幅な悪化が見込まれた場合や、地価が著しく下落した場合、保有する不動産に対して減損損失を計上する必要があるため、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、放送事業における基幹システムの更新・改修に加え、動画配信事業におけるシステムの開発、さらにはクラウドを利用する番組制作システムやインカメラVFXといった新技術への対応を行うなど、次世代技術を含めた開発・新規投資を行っております。加えて、新規に事業を開始する際には新たに対応するシステムの構築が必要となる場合もあります。事業の効率性を高め、競争力のあるサービスを提供するためには、これら様々なシステムの重要性はますます高まっています。
必要と認められるシステムは、初期費用、ランニング費用、その後の必要な改修費用等を慎重にシミュレーションし、外部ベンダーへの依頼やグループでの内製及びクラウドサービス等の利用により、システム開発及び改修の必要性を精査することでコストコントロールに努めて構築しております。
しかしながら、近年の技術革新のスピードや消費者ニーズの変化はとても速く、当初の予想を超えて開発・投資した技術やシステムが陳腐化する等、当初計画値以上の再投資が必要になる場合、さらに投資額に見合った収入の確保あるいは業務の効率化が見込めない場合には、固定資産の減損及び減価償却費の増加等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、近年ではサイバー攻撃の手口が高度化・巧妙化していることから、各種システムのセキュリティリスクは年々高まっています。当社グループとしても様々な高度なセキュリティ対策を講じていますが、これらを超える新たなセキュリティ上の脅威が発覚し、その対策として多額の投資が発生した場合、あるいは個人情報や営業上の機密の漏洩をはじめとするリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業上の結びつきまたは資金運用を目的とし、複数の会社・組合等に投資を行っています。一方で、当社グループは、保有有価証券等の評価に当たり、会計基準に則した社内ルールを設定し、減損処理等の必要な措置を適宜施し、投資先企業の業績や市場での取引価額が当社グループの業績に適切に反映されるよう厳格に運用しています。
新規の投資案件に関しては、リスク及びリターンを充分に考慮し、投資判断を行っています。また、保有している有価証券等につきましても、投資先との関係、取引状況、協業機会、シナジー効果及び市場の動向や投資先企業の業績を定期的にチェックし、最大限の収益獲得に努めています。しかしながら、これらの投資先企業の業績や市場動向を確実に予想することは困難であり、将来的に当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
認定放送持株会社は、放送法による認定を受けることで、複数の地上波放送局とBS放送局及びCS放送局を子会社として保有することが認められています。当社は日本テレビ放送網㈱、㈱BS日本、㈱CS日本を子会社とする認定放送持株会社として認定を受けています。今後、認定放送持株会社の資産に関する基準等、放送法で定める基準を満たさなくなった場合には、認定の取り消し(放送法第166条)を受ける可能性があります。仮に認定の取り消しを受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
また、放送法で定める外国人等が直接及び間接に占める議決権の割合が、当社の議決権の20%以上となる場合には、認定放送持株会社としての認定が取り消されることになります。このため、このような事態に至る場合は、放送法に基づき、外国人等が取得した当社株式につき、株主名簿への記載または記録を拒むことができ、その議決権は制限されることとなります。
当社グループの主たる事業であるメディア・コンテンツ事業におけるテレビ放送は、「放送法」及び「電波法」等の法令による規制を受けています。
このうち、放送法は放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議機関の設置、BS・CS放送等の衛星基幹放送の業務の認定に関する基準等を定めています。また、電波法は電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的としています。電波法第4条は電波を送信する「無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。」、電波法第13条では「免許の有効期間は、免許の日から起算して五年を超えない範囲内において総務省令で定める。」など、地上基幹放送の免許を定めています。当社グループのテレビ放送事業については、当社が1952年7月31日に我が国初のテレビ放送免許を取得し、それ以来、放送局の再免許を受けてきました。2012年10月1日には認定放送持株会社化した当社に代わって、子会社の日本テレビ放送網㈱が同日免許を承継し、現在に至っております。また、㈱BS日本、㈱CS日本につきましてはそれぞれ衛星基幹放送の業務の認定を受けており、放送法等の法令による規制を受けています。
所定の事態が生じた場合における総務大臣の権限として、衛星基幹放送に関しては放送法の「業務の停止」(第174条)や「認定の取り消し等」(第103条、第104条)、地上基幹放送に関しては電波法の「電波の発射の停止」(第72条)や「無線局の免許の取り消し等」(第75条、第76条)を定めております。将来にわたるテレビ放送事業の継続は、当社グループの存立をも左右する問題であり、当社グループといたしましては、そのような事態が生じることのないよう常に公平・公正さを保ち、信頼される番組作りを心掛け、放送の社会的使命を果たしていく所存です。具体的には視聴者センターを設け、視聴者の皆様の声を伺い番組作りに役立てるほか、考査部や番組審議会を組織し、定期的に放送番組をチェックすることで放送倫理を保つことを心掛けます。しかしながら、仮に放送法や電波法に反するような状態が生じ、放送事業の免許や認定の取り消し等を受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、動画配信サービスや通信販売事業、スポーツクラブ事業等のサービスを展開するにあたり、会員及びユーザーの氏名、住所、電話番号、口座情報などのほか、番組の観覧者や出演者などの個人情報も取り扱っております。当社グループは、これらの個人情報は当社グループの事業の運営に際し必要不可欠な資産であると認識しております。従って、当社グループは、全ての会員及びユーザー並びに番組関係者等が安心して当社グループのサービスの利用若しくは番組等と関係を築くことができることが重要であると捉え、個人情報保護の観点から、従業員等に対する研修を行い、社内ルールの徹底を図ることで情報セキュリティの確立に注力しております。
しかしながら、昨今のサイバー攻撃の手口は高度化・巧妙化していると同時に個人情報の保護に関する法令等もますます複雑化しております。不正アクセス・不正利用などにより、当社グループの有する個人情報が漏洩した場合、あるいは複雑化する個人情報の保護に関する法令等に適切に対応できなかった場合、当社グループのデータ管理への信頼性の低下による各事業への影響並びに損害賠償等の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
我が国は元来、地殻変動や火山活動が発生しやすい地理特性にあり、地震・津波や噴火及びそれに伴う事故といった大きな被害が度々発生しております。これに加え、近年、地球温暖化に伴う異常気象の影響もあり、大型台風や局所的な集中豪雨といった風水害の危険性も高まってきております。
日本テレビ放送網㈱等は放送法により「暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、その発生を予防し、又はその被害を軽減するために役立つ放送をするようにしなければならない」と災害時の放送を義務付けられております。当社グループは、報道機関としてこのような有事の際に、携わる社員・スタッフの安全を確保しつつ、国民の皆さまにいち早く正確な情報を伝達する使命を有しております。大規模災害が発生し、報道特別番組等を放送する場合には、事前に予定されていたCM放送を休止することがあるほか、被害状況によっては、当社グループの放送設備が被災し、テレビ放送自体に支障が生じる可能性があります。
当社グループではこのような大規模災害時でもテレビ放送を続けられるよう、番町地区に耐震性が高くBCPに対応したスタジオ棟を建設する等の対策を講じております。また、首都圏が甚大な被害に見舞われ、東京地区からのテレビ放送が困難な事態に陥った場合には関西地区からの放送が実施できる仕組みを整えることで放送の継続を可能とする体制を築いております。
このほか、テレビ放送以外の事業におきましても、保有または利用する設備等が被災した場合、あるいは携わる社員・スタッフが何らかの被害にあった場合でも事業への影響を最小限に抑えられるよう、様々なケースを想定してシミュレーションを行ない、対策を講じております。
しかしながら、想定以上の事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
なお、気候変動に関しましては、2〔サステナビリティに関する考え方及び取組〕「(1) ガバナンス及びリスク管理 ②リスク管理」及び「(2)重要な戦略並びに指標及び目標 ①戦略」に記載しております。
2023年5月8日より新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更され、感染対策が、現在の「法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組み」から、「個人の選択を尊重し、国民の皆様の自主的な取組をベースとしたもの」に変更されました。
こうした状況下で、当社グループにおきましても各対策を原則新型コロナウイルス感染症の感染前に戻し、各自の判断を尊重することとしています。一方で、コロナ禍において、社会の急激なデジタル化が進み、この社会の変革を好機とすべく動画配信サービス「Hulu」をはじめとしたデジタル領域での更なる事業の拡大に引き続き努めております。
しかしながら、新型コロナウイルスは今後も変異を繰り返し、収束までにはさらに大規模な感染拡大が生じることも懸念されます。この結果、テレビ広告収入への影響や公開映画・イベント等の延期・中止、スポーツクラブの時短営業やテーマパークの入場制限など広範囲に影響が及ぶことが想定されます。これらにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要、及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成には、予想される将来のキャッシュ・フローや経営者の定めた会計方針に従って財務諸表に報告されている数値に影響を与える項目について、経営者が見積りを行うことが要求されます。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」にて記載しておりますが、経営者による見積りを要する主な会計方針及びそれらに内在する見積り要素は下記のとおりです。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは第5「経理の状況」の連結財務諸表の「重要な会計上の見積り」に記載しております。会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響についても同記載をご参照ください。
売上債権等の貸倒損失に備えるため回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、債務者の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
棚卸資産、番組勘定は、評価基準として原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しております。市場の需給動向や回収可能額を超える番組制作費の発生等により、棚卸資産、番組勘定の収益性が低下した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算定されております。これらの前提条件には、長期的な金利水準、将来の給付水準、退職率等が含まれますが、実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
固定資産については、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失として計上しております。回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか大きい方としていることから、不動産取引相場や賃料相場が変動した場合や固定資産の収益性が低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
所有する有価証券、投資有価証券及び出資金の投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化や投資先の業績不振など、現在の投資簿価に反映されていない損失が発生するなどにより投資簿価の回収が困難となった場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
(2) 経営成績の概要・分析
当連結会計年度の我が国の経済は、一部に弱さが見られるものの、景気は緩やかに持ち直しました。先行きとしては、ウィズコロナの下で各種政策の効果もあって、さらに持ち直していくことが期待されています。一方、ウクライナ情勢等による不透明感が見られる中で、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクもあります。物価上昇や供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響にも十分注意する必要がある状況です。
こうした経済環境の中、2022年の日本の総広告費(暦年、㈱電通調べ)は、過去最高の7兆1,021億円(前年比104.4%)と伸長しました。このうち地上波テレビの広告費は1兆6,768億円(同97.6%)となりました。インターネット広告費は引き続き高い成長率を維持し、3兆912億円(同114.3%)となったほか、テレビ番組の見逃し配信やリアルタイム配信サービスなど、テレビメディア放送事業者が主体となったインターネット動画配信の広告費である「テレビメディア関連動画広告費」も、350億円(同140.6%)と高い伸びを見せています。
テレビメディア広告費(関連動画広告費含む)とインターネット広告費(暦年)
(単位:億円)
(㈱電通調べ「2021年/2022年 日本の広告費」)
このような状況の下、当社グループは、在京キー局間の2022年度平均個人視聴率において、全日帯(6~24時)、ゴールデン帯(19~22時)でトップとなりました。また、2022年の年間平均個人視聴率では、プライム帯(19~23時)を含む「個人視聴率三冠王」を12年連続で獲得しています。当社グループは、地上波視聴率No.1という確固たる経営基盤の下、日本テレビ系地上波連続ドラマの初の世界配信を行った(2022年4月期「金田一少年の事件簿」)ほか、VTuber事業では仮想空間「メタバース」を活用したコンテンツ制作やVTuberを活用した動画タイアップ展開、またイギリスの名門演劇カンパニーと共同制作した舞台「となりのトトロ」が、英国演劇界で最も権威のある「ローレンス・オリビエ賞」を最多6部門で受賞するなど、テレビの枠を超えた“国民の生活を豊かにする”コンテンツ・サービスの提供に取り組んでおります。
日本テレビの年度平均個人視聴率と在京キー局間の順位(関東地区個人視聴率)
(㈱ビデオリサーチ調べ)
当連結会計年度における当社グループの売上高は、主たる事業であるメディア・コンテンツ事業においてはスポット広告費の地区投下量が前連結会計年度を下回るなど、地上波テレビ広告収入が落ち込んだものの、㈱ムラヤマの連結子会社化等により、セグメント全体としては増収になったことに加え、生活・健康関連事業において、前連結会計年度の緊急事態宣言下におけるスポーツクラブ休館影響の反動等により、前連結会計年度に比べ75億8千3百万円(+1.9%)増収の4,139億7千9百万円となりました。
売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、前連結会計年度に開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック」による番組制作費負担が無くなったものの、緊急事態宣言下における番組制作やイベントへの制約が緩和されたことによる費用増や、㈱ムラヤマの連結子会社化による費用増等により、前連結会計年度に比べ196億7千1百万円(+5.7%)増加の3,673億8千5百万円となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ120億8千8百万円(△20.6%)減益の465億9千3百万円、経常利益は130億6千3百万円(△20.1%)減益の517億7千5百万円となりました。また、特別利益における投資有価証券売却益の減少等により、親会社株主に帰属する当期純利益は133億5千万円(△28.1%)減益の340億8千1百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度の期首から、報告セグメントに含まれない事業セグメントである「その他」の区分を廃止し、従来「その他」区分に含まれていたITサービス及び店舗運営等の事業を「メディア・コンテンツ事業」に移管しております。この変更は、IT関連子会社を中心とするグループ会社再編に伴うものであります。
前連結会計年度の記載については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で記載しております。
また、当連結会計年度の期首から、「その他広告収入」としていた収益の名称を「デジタル広告収入」に変更しております。これはデジタル広告収入の重要性が高まってきたことに伴う名称変更であります。
(メディア・コンテンツ事業)
地上波テレビ広告収入のうちタイム収入は、前連結会計年度に開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック」等大型スポーツ中継番組がなくなったことにより、96億7千4百万円(△8.0%)減収の1,113億9千2百万円となりました。スポット収入は、在京キー局の中で高いシェアを維持できたものの、地区投下量が前連結会計年度を下回ったことから、41億9千1百万円(△3.4%)減収の1,203億4千3百万円となりました。この結果、地上波テレビ広告収入は前連結会計年度に比べ138億6千5百万円(△5.6%)減収の2,317億3千5百万円となりました。
BS・CS広告収入は、前連結会計年度に比べ2億8百万円(△1.4%)減収の151億8千4百万円となりました。
デジタル広告収入は、民放公式テレビポータル「TVer」等による動画広告の伸長により、前連結会計年度に比べ5億8千万円(+12.7%)増収の51億5千5百万円となりました。
コンテンツ販売収入は、新型コロナウイルス感染症の影響が沈静化したことにより、国内及び海外販売が好調に推移したことに加え、動画配信サービス「Hulu」のTVOD収入が好調に推移したこと等により、前連結会計年度に比べ25億8千3百万円(+3.6%)増収の737億1千6百万円となりました。
物品販売収入は、通信販売の減収等により、前連結会計年度に比べ13億4千8百万円(△6.9%)減収の180億9千5百万円となりました。
興行収入は、緊急事態宣言発出による制限が緩和され、テーマパーク入場者数が大幅に回復したことや、展覧会・音楽公演・舞台公演の開催が増えたこと等により、前連結会計年度に比べ40億9千9百万円(+70.9%)増収の98億7千9百万円となりました。
その他の収入は、㈱ムラヤマの連結子会社化による影響、動画ソリューション事業における受託収入の増収等により、前連結会計年度に比べ126億2千万円(+72.7%)増収の299億8千2百万円となりました。
この結果、メディア・コンテンツ事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ51億1百万円(+1.3%)増収の3,849億7千6百万円、営業利益は前連結会計年度に比べ146億4千3百万円(△24.9%)減益の441億5千2百万円となりました。
メディア・コンテンツ事業の外部顧客への売上高の内訳は次ページの表のとおりです。新型コロナウイルス感染症の影響は少なくなったものの、地上波テレビ広告収入は漸減傾向にあります。そのため地上波テレビ広告収入の在京キー局間トップを継続しながら、媒体力を明確に示す為のデータ活用や、クライアントのニーズに即したセールス改革を通じて、テレビ広告の価値向上に努めております。また、インターネット広告へのシフト、動画配信事業の拡大が進む中、当社グループでは動画配信サービス「Hulu」によるコンテンツ販売収入と、広告付き無料動画配信を営む民放公式テレビポータル「TVer」によるデジタル広告収入の伸長を継続しております。加えて、豊富なコンテンツと映画・イベントなどの事業を有機的に連動させることによって、収入の拡大に努めております。
外部顧客への売上高(メディア・コンテンツ事業)
(単位:百万円)
(生活・健康関連事業)
スポーツクラブ運営による施設利用料収入を主とする生活・健康関連事業の売上高は、前連結会計年度の緊急事態宣言発出によるスポーツクラブ休館(東京都及び関西圏の一部の店舗)からの回復により、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ28億5千7百万円(+12.3%)増収の260億5千2百万円となり、4億3千8百万円の営業損失となりました(前連結会計年度は30億6千6百万円の営業損失のため、26億2千7百万円の損失縮小)。
当社グループは、デジタル化を通じた新規事業の創出やデータ活用を通じ、健康ニーズに迅速・的確に応えるコンテンツ・サービスの開発に取り組み、減少した会員数の回復を図ると共に、CDP(顧客情報システム)によるウェルネス経済圏の構築に向けて取り組んでおります。
(不動産関連事業)
汐留及び番町地区を主とする不動産関連事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ2億2千2百万円(+2.2%)増収の105億7千1百万円となりました。営業利益は、前連結会計年度に比べ9千6百万円(△2.5%)減益の37億4千4百万円となりました。
当社グループは、不動産賃貸事業を実施しており、保有地の活用検討を進めております。
(資産)
流動資産は、1年内償還予定の公社債が償還となったことによる有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べ385億2千7百万円減少し、2,372億8千5百万円となりました。
固定資産は、投資有価証券の時価下落があったものの、公社債を購入したことなどにより、前連結会計年度末に比べ124億5千7百万円増加し、7,982億1千5百万円となりました。
この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ260億6千9百万円減少し、1兆355億1百万円となりました。
(負債)
流動負債は、支払手形及び買掛金や未払費用の増加があったものの、未払法人税等やその他の流動負債が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ23億1百万円減少し、1,055億1千4百万円となりました。
固定負債は、投資有価証券の時価下落に伴う繰延税金負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ165億2千7百万円減少し、864億2百万円となりました。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ188億2千9百万円減少し、1,919億1千6百万円となりました。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによる利益剰余金の増加があったものの、投資有価証券の時価下落に伴いその他有価証券評価差額金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ72億4千万円減少し、8,435億8千5百万円となりました。
なお、主要な自己資本比率の推移は下記のとおりです。
2023年3月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2022年3月期の関連する比率について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は下記の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、454億6千1百万円となりました(前連結会計年度は585億3百万円の資金の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益490億8千2百万円や減価償却費の計上140億9千3百万円による増加、法人税等の支払い206億7千8百万円による減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、237億2千4百万円となりました(前連結会計年度は705億3千4百万円の資金の減少)。これは主に、有価証券の取得による支出180億円や、有形固定資産の取得による支出81億8千8百万円、投資有価証券の取得による支出656億7百万円があった一方で、有価証券の償還による収入215億円や投資有価証券の償還による収入469億8千7百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、配当金の支払い等により94億5千2百万円となりました(前連結会計年度は93億8千4百万円の資金の減少)。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より125億2百万円増加し、749億1千5百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報は下記の通りです。
(基本的な考え方)
当社グループは2022年5月、経営方針を新しく定めるとともに、2022年度から2024年度を計画期間とする中期経営計画を策定いたしました。中期経営計画2022-2024は、「総合コンテンツ企業」への進化を目指した前中期経営計画をさらに深化・拡張させ、あらゆる感動を創造し、生活者に信頼されるNo.1企業となるための取り組みと目標を示すものです。
メディア・コンテンツ事業領域においては「コンテンツ中心主義」を改めて掲げ、あらゆるプラットフォーム、デバイスに向けて生活者に最適なコンテンツを制作します。また、外部パートナーとの協業・共創を推進し、国内外に向けて発信していきます。
さらに、VTuber事業を始めとした社内インキュベーション事業の強化・拡充を図るとともに、新たな領域への投資機会を追求し、新規ビジネスの創出を加速させます。また、㈱ティップネスを始めとしたウェルネス経済圏を構築し、国民の健康寿命の伸長に貢献します。
当社グループは、あらゆるボーダーを超えた「感動×信頼のNo.1企業」として、生活者に新たな価値を提供し、企業価値のさらなる向上に取り組んでまいります。
・中期経営計画における戦略的投資方針
当社グループは、メディア・コンテンツ事業と生活・健康関連事業の強化と領域の拡張、さらに新規領域への挑戦に向けて投資を実行し、企業価値の持続的な向上を目指し、戦略的投資枠1,000億円を継続します。
・重要な経営指標として「売上高」、「営業利益」及び「ROE(自己資本利益率)」を設定
当社グループは、事業の規模と成長の尺度である「売上高」と、事業の収益性の尺度である「営業利益」を重要な経営指標とします。また、事業資産の効率的な利用と金融資産を活用した積極的な投資により「ROE(自己資本利益率)」の向上にも努めてまいります。
・安定的・継続的な株主還元政策
当社グループは、事業環境の変化への対応や収益基盤の強化、成長領域への投資の調和を図りながら、持続的な収益の拡大・成長に努め、業績動向など諸要素を勘案しながら継続的で安定的な株主還元を行うことを基本方針とします。 株主還元の詳細につきましては、「第4[提出会社の状況]3[配当政策]」をご参照ください。
(経営資源の配分に関する考え方)
当社グループは、上記財務方針に従い企業価値向上に資する経営資源の配分に努めてまいります。また、安定的な経営及び事業展開に伴う資金需要等に対して機動的に対応するため、十分な現金及び現金同等物を保有しております。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準は定めておりませんが、事業活動等の資金需要を越える余剰資金に関しましては金融情勢等を勘案しつつ、安全性並びに流動性の高い金融商品で運用しております。
(資金需要の主な内容と資金調達)
当社グループにおける主な資金需要は、当社及び子会社が事業活動を行っていく上で必要な運転資金、設備投資、戦略的なM&A及び有利子負債の返済等です。
また、予定される主な投資実行は以下のとおりです。
・メディア・コンテンツ事業:知的財産(IP)開発、コンテンツ制作体制の強化
・新規事業:XR領域、メタバース領域をはじめとする成長テクノロジー投資、HR事業の拡大
・生活・健康関連事業:CDP構築のためのデータ保有企業との連携、ウェルネス経済圏構想の具体化
・サステナブル投資:社会に貢献する事業への積極的な投資の実行
これらの資金需要につきましては、主に自己資金によって賄う予定ですが、それを超える資金需要が発生する場合には当社グループ及びメディア・コンテンツビジネス業界を取り巻く諸環境や金融情勢等を総合的に勘案し、それぞれの時点において最も有利で最適と考えられる資金調達を行う方針です。
また、当社グループは、CMS(キャッシュマネージメントサービス)を導入し、グループ内資金を一元的に管理しております。
なお、2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりです。
このほか、オペレーティング・リース取引を行っており、解約不能のものに係る未経過リース料は116億6千6百万円(1年内:29億8百万円、1年超:87億5千8百万円)です。
また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の建物賃貸借契約における連帯保証債務と従業員の住宅資金銀行借入に関する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2023年3月31日現在の債務保証額は、9億2千6百万円です。
当社グループの主たる事業であるメディア・コンテンツ事業の大きな柱は地上波テレビ放送事業であり、下記に記載のプライム帯(19~23時)などの番組を中心にタイムテーブルを編成し、広告枠の販売を行いました。
当連結会計年度における番組制作費は、「東京2020オリンピック・パラリンピック」等による番組制作費の負担がなくなったものの、緊急事態宣言下における番組制作やイベントへの制約が緩和されたことにより、前期比29億8千2百万円(+3.5%)の増加の875億2千6百万円(日本テレビ放送網㈱の数値)となりました。
(主な地上波レギュラー番組)
[プライム帯(19~23時)]
(注) 当連結会計年度内に改編を行っております。
(主な地上波単発番組)
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1. 前連結会計年度より、㈱ムラヤマを連結子会社化したこと等に伴い受注実績を記載しておりますが、前連結会計年度は㈱ムラヤマを連結子会社化した時期の都合上、受注残高のみの記載となりました。従って、受注高の前年同期比は当連結会計年度には記載しておりません。なお、当初に予想される契約期間が1年以内の契約については受注実績に含めておりません。
2. 当連結会計年度から、報告セグメントに含まれない事業セグメントである「その他」の区分を廃止し、従来「その他」区分に含まれていたITサービス及び店舗運営等の事業を「メディア・コンテンツ事業」に移管しております。なお、前連結会計年度との比較については、変更後の報告セグメントの区分に基づき組替えた数値で比較しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2. 当連結会計年度から、報告セグメントに含まれない事業セグメントである「その他」の区分を廃止し、従来「その他」区分に含まれていたITサービス及び店舗運営等の事業を「メディア・コンテンツ事業」に移管しております。なお、前連結会計年度との比較については、変更後の報告セグメントの区分に基づき組替えた数値で比較しております。
3.当社グループは、主要な顧客である広告主に対し、広告代理店を通じてテレビ広告枠の販売などを行っております。最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合を広告代理店別に示すと次のとおりです。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおりです。
「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (3) 中期経営計画 2022-2024 ④財務方針」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
(注) 1.上記金額は帳簿価額によっており、建設仮勘定及びソフトウェア仮勘定は含まれておりません。
2.保有する土地の全てを賃貸しております。賃貸している土地の面積については[ ]内に記載しております。
3.現在休止中の主要な設備はありません。
4.従業員数は全て連結子会社からの兼務出向者です。
5.臨時従業員数は当連結会計年度末従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(注) 1.上記金額は帳簿価額によっており、建設仮勘定及びソフトウェア仮勘定は含まれておりません。
2.帳簿価額は、減損損失計上後の金額であります。
3.日本テレビ放送網㈱において、保有する土地及び建物の一部を賃貸しております。賃貸している土地の面積については[ ]内に記載しております。
4.㈱ティップネスは、土地及び建物を連結会社以外からオペレーティング・リースにより賃借しております。なお、同社のオペレーティング・リース取引のうち解約不能なものに係る未経過リース料は、90億8千9百万円であります。
5.現在休止中の主要な設備はありません。
6.従業員数は当社への兼務出向者を含んでおります。
7.従業員数の[ ]内は、平均臨時従業員数を外書しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 2012年10月1日付をもって、普通株式1株を10株に株式分割するとともに、当社を株式交換完全親会社とし、㈱BS日本及び㈱CS日本をそれぞれ株式交換完全子会社とする株式交換を行いました。発行済株式総数の増加は、株式分割による増加228,280,932株及び株式交換に伴う新株発行による増加10,176,600株です。また、資本金及び資本準備金の増加は、株式交換に伴う新株発行による増加です。
(注) 1.自己株式 3,316,395株は、「個人その他」の欄に33,163単元及び「単元未満株式の状況」に95株を含めて記載しております。
なお、自己株式 3,316,395株は株主名簿記載上の株式数であり、2023年3月31日現在の実保有株式数です。
2.「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が、255単元含まれております。
3.「個人その他」の欄の「所有株式数」及び「所有株式数の割合」には、放送法第161条の規定に従い、株主名簿に記載し、又は記録することを拒否した株式(外国人持株調整株式) 17,621単元が含まれております。
4.単元未満株式のみを有する株主数は、8,296人です。
2023年3月31日現在
(注) 1.日本マスタートラスト信託銀行株式会社及び株式会社日本カストディ銀行の所有株式数は、信託業務に係るものです。
2.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合については、小数第二位未満を切捨てて表示しております。
3.当社が放送法第161条の規定に従い、株主名簿に記載し、又は記録することを拒否した株式(外国人持株調整株式)は、1,762,100株です。
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
「メディア・コンテンツ事業」は、テレビ広告枠の販売を中心に、動画配信事業、有料放送事業、番組販売・商品化等のロイヤリティ収入、パッケージメディア等の物品販売、映画・イベントの興行などあらゆる媒体・手段を活用して、投下したコンテンツ制作費を回収し、利益を上げる事業であり、コンテンツごとの開発意思決定及び損益把握を行っております。「生活・健康関連事業」は、総合スポーツクラブを運営する事業であります。「不動産関連事業」は、自社保有不動産からの賃貸収入などにより利益を上げる事業であります。
各セグメントの主な事業内容は、以下のとおりです。









