ソフトバンク株式会社
(注) 1 第34期よりIFRS第16号「リース」を適用しています。IFRS第16号の経過措置に従い適用開始日による累積的影響を認識する方法を採用しているため、第33期については修正再表示していません。
2 第33期の連結経営指標等は、第34期に行われた共通支配下の取引(すべての結合企業または結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ親会社によって支配され、その支配が一時的でない企業結合)を親会社の帳簿価額に基づき遡及修正した数値を記載しています。
3 第36期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第35期の連結経営指標等については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映しています。
4 共通支配下の取引として取得した子会社については、第37期より、非支配株主が存在する中で行われた共通支配下の取引について、取得法に基づいて会計処理する方法に変更し、当該会針処理を遡及適用しています。そのため、第36期の連結経営指標は、遡及修正後の数値を記載しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.会計方針の変更(2)共通支配下の取引に関する会計方針の変更および過年度連結財務諸表の遡及適用に伴う影響」をご参照ください。
5 百万円未満を四捨五入して表示しています。
6 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
(注) 1 百万円未満を四捨五入して表示しています。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
3 当社株式は、2018年12月19日から東京証券取引所市場第一部に上場したため、第33期の株主総利回りおよび比較指標は記載していません。第34期から第37期の株主総利回りおよび比較指標は、2019年3月期末を基準として算定しています。
4 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部における株価を、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場における株価を記載しています。ただし、当社株式は、2018年12月19日から東京証券取引所市場第一部に上場されており、それ以前の株価については該当事項がありません。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)および「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を第36期の期首から適用しており、第36期以降に係る主要な経営指標等については、当会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1 鉄道通信㈱は同社を存続会社として、日本テレコム㈱を1989年5月1日付で吸収合併し、商号を「日本テレコム㈱」に変更しました。なお、合併前の「日本テレコム㈱」と合併後の「日本テレコム㈱」との区別を明確にするため、合併前の会社名は(旧)の文字を付しています。
(旧)日本テレコム㈱の沿革は次の通りです。
1984年10月 (旧)日本テレコム㈱を設立
1985年6月 第一種電気通信事業許可を取得
2 ジェイフォン東京㈱、ジェイフォン関西㈱、ジェイフォン東海㈱、ジェイフォン九州㈱、ジェイフォン中国㈱、ジェイフォン東北㈱、ジェイフォン北海道㈱、ジェイフォン北陸㈱、ジェイフォン四国㈱
3 日本テレコム㈱(子会社)は、2006年10月1日付で商号を「ソフトバンクテレコム㈱」に変更しました。また、同社は、2007年2月1日付でソフトバンクテレコム販売㈱との合併により消滅し、ソフトバンクテレコム販売㈱は、商号を「ソフトバンクテレコム㈱」に変更しています。
4 ボーダフォンホールディングス㈱は同社を存続会社として、ボーダフォン㈱を2004年10月1日付で吸収合併し、商号を「ボーダフォン㈱」に変更しました。なお、合併前の「ボーダフォン㈱」と合併後の「ボーダフォン㈱」との区別を明確にするため、合併前の会社名は(旧)の文字を付しています。
(旧)ボーダフォン㈱の沿革は次の通りです。
5 ソフトバンク㈱は、2015年7月1日付で商号を「ソフトバンクグループ㈱」に変更しています。
6 ソフトバンクグループインターナショナル合同会社は、2018年6月15日付で株式会社に組織変更し、「ソフトバンクグループジャパン㈱」に商号変更しています。
7 ソフトバンクコマース&サービス㈱は、2019年1月1日付で商号を「SB C&S㈱」に変更しています。
8 SB C&S ホールディングス合同会社は、2018年3月23日付でSB C&S ホールディングス㈱に組織変更しています。また、同社は、同社を存続会社として、SB C&S㈱を2020年4月1日付で吸収合併し、商号を「SB C&S㈱」に変更しました。
9 ソフトバンク・テクノロジー㈱は、2019年10月1日付で商号を「SBテクノロジー㈱」に変更しています。
10 FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報通信技術を結び付けた様々な革新的なサービスのことを意味します。
11 ヤフー㈱は、2019年10月1日付で商号を「Zホールディングス㈱」に変更しています。
12 LINE㈱は、旧LINE分割準備㈱であり、旧LINE㈱(現Aホールディングス㈱)の全事業(Zホールディングス㈱株式ならびにZホールディングス㈱および旧LINE㈱の対等な精神に基づく経営統合に関して旧LINE㈱が締結した契約に係る契約上の地位その他吸収分割契約において定める権利義務を除く。)を吸収分割により承継した法人です。
当企業集団は、2023年3月31日現在、当社と子会社239社(以下「当社グループ」)、関連会社56社および共同支配企業18社により構成されています。当社の親会社はソフトバンクグループ㈱です。以下、本書においては「ソフトバンクグループ㈱」はソフトバンクグループ㈱単体、「ソフトバンクグループ」はソフトバンクグループ㈱およびその子会社を含む企業集団、「Zホールディングスグループ」はZホールディングス㈱およびその子会社を含む企業集団とします。
ソフトバンクグループは、創業以来一貫して、情報革命を通じ人類と社会に貢献してきました。「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループとなることを目指すとともに、企業価値の最大化を図ってきました。
その中において、当社グループはソフトバンクグループの日本における中心的な事業会社として、ソフトウエアの卸販売、ブロードバンド、固定通信等の事業を受け継ぎつつ、最先端テクノロジーを用いて快適で利便性の高い通信サービスを競争力のある価格で提供し、日本における通信と社会の発展に貢献してきました。当社グループは、成長戦略「Beyond Carrier」を推進することにより、日本でも有数の通信ネットワーク、日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションサービス「LINE」、キャッシュレス決済サービス「PayPay」など日本最大級のユーザー基盤を有する通信・IT企業グループとなりました。今後も、成長戦略「Beyond Carrier」の下、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的にグループの事業を拡大することで、企業価値の最大化を目指します。また、通信事業とこれらのグループ事業との連携を強化することを通じて、通信事業の競争力を強化するとともに、グループ事業のサービス利用者数の拡大やユーザーエンゲージメントの向上などのシナジーの創出を推進します。
当社グループの主な事業は、「コンシューマ事業」、「法人事業」、「流通事業」、「ヤフー・LINE事業」、「金融事業」およびその他の事業から構成されています。2022年10月1日付でPayPay㈱を子会社化したことに伴い、2022年12月31日に終了した3カ月間より、セグメント区分に「金融事業」を追加し、「コンシューマ」、「法人」、「流通」、「ヤフー・LINE」、「金融」の5つを報告セグメントとしています。なお、前連結会計年度にも遡及して「金融」を追加しています。
主として、日本国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。
モバイルサービスでは、次の3つのブランドを展開しています。
「SoftBank」および「Y!mobile」のスマートフォンユーザーに対しては、追加料金を支払うことなく、ヤフー㈱提供の「Yahoo!プレミアム」(注1)をご利用いただけるサービスを提供しています。
これに加え、「SoftBank」スマートフォンユーザーは、PayPayポイントがたくさんもらえる「ソフトバンクプレミアム」の特典として、PayPayポイントが戻ってくる「スーパーPayPayクーポン」の提供を受けられます。また、長く対象プランに加入頂いているお客さまに対する長期継続特典として、PayPayポイントの付与等を実施しています。
ブロードバンドサービスでは、主として、個人のお客さま向けの高速・大容量通信回線サービスである「SoftBank 光」(注2)、「フレッツ光」とセットで提供するISPサービス(注3)である「Yahoo! BB 光 with フレッツ」、ADSL回線サービスとISPを統合した「Yahoo! BB ADSL」サービス(注4)を展開しています。
また、2015年より、「SoftBank 光」や「Yahoo! BB ADSL」等のブロードバンドサービスを移動通信サービスとセットで契約するお客さまに対し、移動通信サービスの通信料金を割り引くサービス「おうち割 光セット」を提供しています。
電力サービスでは、主として、個人のお客さま向けに「おうちでんき」、「自然でんき」などの電力供給サービスを提供しています。
(主要な関係会社)
当社、Wireless City Planning㈱、SBモバイルサービス㈱、SBパワー㈱
法人のお客さまに対し、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI(注5)、IoT(注6)、デジタルマーケティング等のソリューション等サービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。
(主要な関係会社)
当社、Wireless City Planning㈱、SBエンジニアリング㈱、㈱IDCフロンティア、㈱イーエムネットジャパン
流通事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用し商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。
(主要な関係会社)
SB C&S㈱
ヤフー・LINE事業は、メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、インターネット上や「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのeコマースサービスや「ヤフオク!」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTech(注7)サービス等の提供を行っています。
(主要な関係会社)
Zホールディングス㈱(注8)、ヤフー㈱、LINE㈱、アスクル㈱、㈱ZOZO、㈱一休、バリューコマース㈱、PayPay銀行㈱、LINE Pay㈱、LINE Financial㈱、LINE Financial Plus Corporation、LINE Plus Corporation、LINE SOUTHEAST ASIA CORP.PTE.LTD.
e. 金融事業
2022年10月1日付でPayPay㈱を子会社化したことに伴い、2022年12月31日に終了した3カ月間より、セグメント区分に「金融事業」を追加しました。
金融事業では、QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、あと払いや資産運用などの金融サービス、およびクレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービスなどを提供しています。
(主要な関係会社)(注9)
PayPay㈱(注8)、PayPayカード㈱、SBペイメントサービス㈱、PayPay証券㈱
f. その他の事業
その他の事業として、クラウドサービス、セキュリティ運用監視サービス、IoTソリューションの提供、IoTおよびLinux/OSS、認証・セキュリティサービス、デジタルメディア・デジタルコンテンツの企画・制作、Solar HAPS(注10)およびネットワーク機器の研究開発・製造・運用・管理・事業企画などを行っています。当社グループでは最先端の技術革新をビジネスチャンスとして常に追求しており、FinTech、IoT、クラウドなどの分野に積極的に投資を行い、事業展開を図っています。
(主要な関係会社)
当社、SBテクノロジー㈱、サイバートラスト㈱、アイティメディア㈱、HAPSモバイル㈱
(注1) 「Yahoo!プレミアム」(月額会員費508円(税込))は、「Yahoo!ショッピング」やLOHACO by ASKUL主催のキャンペーンでPayPayポイント(譲渡不可)が付与されるなど、様々なサービスで特典を受けられる会員サービスです。「SoftBank」ユーザーは「スマートログイン」設定により、また、「Y!mobile」ユーザーは初期登録により、追加料金の支払いなしに利用できます。
(注2) 「SoftBank Air」を含みます。
(注3) ISPサービスとは、ユーザーのコンピューターをインターネットに接続するための手段を提供するサービスを意味します。ISPはInternet Service Providerの略称です。
(注4) ADSLサービスは、2024年3月末をもってサービスの提供を終了します。
(注5) AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、人工知能のことです。
(注6) IoTとは、Internet of Thingsの略称で、モノがインターネット経由で通信することです。
(注7) FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報通信技術を結び付けた様々な革新的なサービスのことを意味します。
(注8) 2023年3月31日現在、Aホールディングス㈱の親会社である当社とNAVER Corporation(同社の完全子会社であるNAVER J.Hub㈱による持分を含む)は、Aホールディングス㈱の議決権をそれぞれ50%ずつ保有しています。また、Aホールディングス㈱は、Zホールディングス㈱の議決権を64.5%保有しています。なお、当社はAホールディングス㈱の取締役会構成員の過半数を選任する権利を有し、Aホールディングス㈱を通じてZホールディングス㈱の取締役会構成員の過半数を選任する権利を有していることから、両社を実質的に支配しています。
また、2022年7月27日に当社およびZホールディングス㈱が締結した取引契約に基づき、当社およびZホールディングス㈱の完全子会社であるZホールディングス中間㈱が保有するPayPay㈱のA種優先株式を普通株式へ転換したことにより、当社グループのPayPay㈱に対する議決権所有割合は69.8%(One 97 Communications Singapore Private Limitedが保有する新株予約権を除く)となり、PayPay㈱は2022年10月1日に当社の子会社となりました。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6.企業結合 PayPay㈱の子会社化」をご参照ください。
下図は、2023年3月31日現在における議決権所有割合を示しています。なお、Zホールディングス㈱は、2023年4月28日に開催された同社の取締役会において、同社ならびにLINE㈱およびヤフー㈱を中心としたグループ内再編に係る契約の締結時期(予定)および完了時期(効力発生日)(予定)について決議しました。グループ内再編の完了時期(効力発生日)は2023年10月1日を予定しており、また、同日をもって商号をLINEヤフー㈱に変更する予定です。

(注9) 金融事業のセグメント区分追加に伴い、各セグメントを構成する会社を見直し、前期まで「ヤフー・LINE事業」に含まれていたPayPayカード㈱、「その他の事業」に含まれていたSBペイメントサービス㈱およびPayPay証券㈱は「金融事業」に含まれます。
(注10) Solar HAPS(High Altitude Platform Station)とは、ソーラーエネルギーとバッテリーを動力源とする、成層圏に飛行させた航空機などの無人機体を通信基地局のように運用し、広域のエリアに通信サービスを提供できるシステムの総称です。
事業系統図は次の通りです。(2023年3月31日現在)

(2) 事業に係る法的規制
当社グループのうち、国内において電気通信サービスを提供する会社は電気通信事業に係る登録電気通信事業者および認定電気通信事業者であるため、電気通信事業を行うにあたり、電気通信事業法に基づく法的規制事項があります。
また、無線局に係る電気通信設備の設置にあたっては、電波法に基づく免許等を受ける必要があります。
事業に係る法的規制の概要は以下の通りです。
a. 電気通信事業法
(a) 登録電気通信事業に係る規制
ⅰ.電気通信事業の登録(第9条)
電気通信事業を営もうとする者は、総務大臣の登録を受けなければならない。
ⅱ.登録の拒否(第12条)
総務大臣は、第10条第1項(電気通信事業の登録)の申請書を提出した者が次の各号のいずれかに該当するとき、または当該申請書もしくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、もしくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
(ⅰ) 電気通信事業法、有線電気通信法もしくは電波法またはこれらに相当する外国の法令の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。
(ⅱ) 第14条第1項(登録の取消し)の規定により登録の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者または電気通信事業法に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。
(ⅲ) 法人または団体であって、その役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの。
(ⅳ) 外国法人等であって国内における代表者又は国内における代理人を定めていない者。
(ⅴ) その電気通信事業が電気通信の健全な発達のために適切でないと認められる者。
ⅲ.登録の更新(第12条の2)
第9条(電気通信事業の登録)の登録は、第12条の2第1項各号に掲げる事由が生じた場合において、当該事由が生じた日から起算して3箇月以内にその更新を受けなかったときは、その効力を失う。
ⅳ.変更登録等(第13条)
第9条(電気通信事業の登録)の登録を受けた者は、業務区域または電気通信設備の概要の事項を変更しようとするときは、総務大臣の変更登録を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
ⅴ.登録の取消し(第14条)
総務大臣は、第9条(電気通信事業の登録)の登録を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、同条の登録を取り消すことができる。
(ⅰ) 当該第9条の登録を受けた者が電気通信事業法または同法に基づく命令もしくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。
(ⅱ) 不正の手段により第9条の登録、第12条の2第1項の登録の更新または第13条第1項の変更登録を受けたとき。
(ⅲ) 第12条(登録の拒否)第1項第1号から第4号まで(第2号にあっては、電気通信事業法に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)のいずれかに該当するに至ったとき。
ⅵ.承継(第17条)
電気通信事業の全部の譲渡しがあったとき、または電気通信事業者について合併、分割(電気通信事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、当該電気通信事業の全部を譲り受けた者または合併後存続する法人もしくは合併により設立した法人、分割により当該電気通信事業の全部を承継した法人は、電気通信事業者の地位を承継し、電気通信事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
ⅶ.事業の休止および廃止ならびに法人の解散(第18条)
(ⅰ) 電気通信事業者は、電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
(ⅱ) 電気通信事業者は、電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、当該休止または廃止しようとする電気通信事業の利用者に対し、その旨を周知させなければならない。
ⅷ.基礎的電気通信役務の契約約款(第19条)
基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、その提供する基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、契約約款で定める料金その他の提供条件については、届け出た契約約款によらなければ基礎的電気通信役務を提供してはならない。
(ⅰ)災害時など総務省令で定める基準に従い、届出契約約款に定める当該基礎的電気通信役務の料金を減免する場合
(ⅱ)当該基礎的電気通信役務(第二号基礎的電気通信役務に限る。)の提供の相手方と料金その他の提供条件について別段の合意がある場合
(注) 基礎的電気通信役務とは、国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべきサービスとして、電気通信事業法施行規則において指定されています。第一号基礎的電気通信役務としては「アナログ電話の加入者回線」や「公衆電話」等が該当し、第二号基礎的電気通信役務としては「FTTHアクセスサービス」等が指定されています。
当社の主たるサービスで該当するものは、第一号基礎的電気通信役務としては「おとくライン」の基本料、第二号基礎的電気通信役務としては「SoftBank光」です。
ⅸ.電気通信回線設備との接続(第32条)
電気通信事業者は、他の電気通信事業者から当該他の電気通信事業者の電気通信設備をその設置する電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、これに応じなければならない。
(ⅰ) 電気通信役務の円滑な提供に支障が生ずるおそれがあるとき。
(ⅱ) 当該接続が当該電気通信事業者の利益を不当に害するおそれがあるとき。
(ⅲ) 前2号に掲げる場合のほか、総務省令で定める正当な理由があるとき。
ⅹ.第一種指定電気通信設備との接続(第33条)
第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第一種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関する接続料および接続条件について接続約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(注1) 第一種指定電気通信設備とは、加入者回線およびこれと一体として設置される設備であって、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便の向上および電気通信の総合的かつ合理的な発達に欠くことができない電気通信設備をいいます。現在、第一種指定電気通信設備には、東日本電信電話㈱(以下「NTT東日本」)と西日本電信電話㈱(以下「NTT西日本」)が設置するNGN、加入光ファイバ等が指定されています。
(注2) 当社は、当連結会計年度末現在、第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に該当していません。
ⅺ.外国政府等との協定等の認可(第40条)
電気通信事業者は、外国政府または外国人もしくは外国法人との間に、電気通信業務に関する協定または契約であって総務省令で定める重要な事項を内容とするものを締結し、変更し、または廃止しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。
(b) 認定電気通信事業に係る規制
ⅰ.事業の認定(第117条)
電気通信回線設備を設置して電気通信役務を提供する電気通信事業を営む電気通信事業者または当該電気通信事業を営もうとする者は、次節の規定(土地の使用)の適用を受けようとする場合には、申請により、その電気通信事業の全部または一部について、総務大臣の認定を受けることができる。
ⅱ.欠格事由(第118条)
次の各号のいずれかに該当する者は、前条の認定を受けることができない。
(ⅰ) 電気通信事業法または有線電気通信法もしくは電波法またはこれらに相当する外国の法令の規定により罰金以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。
(ⅱ) 第125条(認定の失効)第2号に該当することにより認定がその効力を失い、その効力を失った日から2年を経過しない者または第126条(認定の取消し)第1項の規定により認定の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。
(ⅲ) 法人または団体であって、その役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの。
(ⅳ) 外国法人等であって国内における代表者等又は国内における代理人を定めていない者。
ⅲ.変更の認定等(第122条)
(ⅰ) 認定電気通信事業者は、業務区域、電気通信設備の概要を変更しようとするときは、総務大臣の認定を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
(ⅱ) 認定電気通信事業者は、前項ただし書の総務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
ⅳ.承継(第123条)
(ⅰ) 認定電気通信事業者たる法人が合併または分割(認定電気通信事業の全部を承継させるものに限る。)をしたときは、合併後存続する法人もしくは合併により設立された法人または分割により当該認定電気通信事業の全部を承継した法人は、総務大臣の認可を受けて認定電気通信事業者の地位を承継することができる。
(ⅱ) 認定電気通信事業者が認定電気通信事業の全部の譲渡しをしたときは、当該認定電気通信事業の全部を譲り受けた者は、総務大臣の認可を受けて認定電気通信事業者の地位を承継することができる。
ⅴ.事業の休止および廃止(第124条)
認定電気通信事業者は、認定電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
ⅵ.認定の取消し(第126条)
総務大臣は、認定電気通信事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。
(ⅰ) 第118条(欠格事由)第1号、第3号または第4号に該当するに至ったとき。
(ⅱ) 第120条(事業の開始の義務)第1項の規定により指定した期間(同条第3項の規定による延長があったときは、延長後の期間)内に認定電気通信事業を開始しないとき。
(ⅲ) 前2号に規定する場合のほか、認定電気通信事業者が電気通信事業法または同法に基づく命令もしくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。
(c) 電気通信事業者の禁止行為
ⅰ.電気通信事業者の禁止行為(第27条の2)
(ⅰ) 電気通信事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 利用者に対し、第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約に関する事項であって、利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
(2) 第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘に先立って、その相手方(電気通信事業者である者を除く。)に対し、自己の氏名若しくは名称又は当該契約の締結の勧誘である旨を告げずに勧誘する行為(利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがないものとして総務省令で定めるものを除く。)
(3) 第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘を受けた者(電気通信事業者である者を除く。)が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続する行為(利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがないものとして総務省令で定めるものを除く。)
(4) 前3号に掲げるもののほか、利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがあるものとして総務省令で定める行為
(d) 移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為
ⅰ.移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為(第27条の3)
(ⅰ) 総務大臣は、総務省令で定めるところにより、電気通信役務の提供の状況その他の事情を勘案して電気通信事業者間の適正な競争関係を確保する必要があるものとして総務大臣が指定する移動電気通信役務を提供する電気通信事業者を(ⅱ)の規定の適用を受ける電気通信事業者として指定することができる。
(注) 当連結会計年度末現在、電気通信役務の提供の状況その他の事情を勘案して電気通信事業者間の適正な競争関係を確保する必要があるものとして総務大臣が指定する移動電気通信役務として、携帯電話端末サービスおよび無線インターネット専用サービス(一定の電気通信役務を除く。)が指定されています(2019年9月6日号外総務省告示第166号)。
(ⅱ) 指定された電気通信事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) その移動電気通信役務の提供を受けるために必要な移動端末設備となる電気通信設備の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。)に関する契約の締結に際し、当該契約に係る当該移動電気通信役務の利用者に対し、当該移動電気通信役務の料金を当該契約の締結をしない場合におけるものより有利なものとすることその他電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがある利益の提供として総務省令で定めるものを約し、または第三者に約させること。
(2) その移動電気通信役務の提供に関する契約の締結に際し、当該移動電気通信役務の利用者に対し、当該契約の解除を行うことを不当に妨げることにより電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがあるものとして総務省令で定める当該移動電気通信役務に関する料金その他の提供条件を約し、または届出媒介等業務受託者に約させること。
(e) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に係る規制
当連結会計年度末現在、当社の有する電気通信設備が第二種指定電気通信設備に指定されており、当社は、第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者として以下のような規制の適用を受けます。
(注) 第二種指定電気通信設備とは、電気通信事業法第34条第1項に基づき総務大臣が指定する電気通信設備をいいます。
ⅰ.第二種指定電気通信設備との接続(第34条)
(ⅰ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第二種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、当該第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得すべき金額および接続条件について接続約款を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(ⅱ) 総務大臣は、届け出た接続約款が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該接続約款を変更すべきことを命ずることができる。
(1) 次に掲げる事項が適正かつ明確に定められていないとき。
a.他の電気通信事業者の電気通信設備を接続することが技術的および経済的に可能な接続箇
所のうち標準的なものとして総務省令で定める箇所における技術的条件
b.総務省令で定める機能ごとの第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得す
べき金額
c.第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者およびこれとその電気通信設備を接続
する他の電気通信事業者の責任に関する事項
d.電気通信役務に関する料金を定める電気通信事業者の別
e.a.からd.までに掲げるもののほか、第二種指定電気通信設備との接続を円滑に行うために
必要なものとして総務省令で定める事項
(2) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得すべき金額が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを算定するものとして総務省令で定める方法により算定された金額を超えるものであるとき。
(3) 接続条件が、第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者がその第二種指定電気通信設備に自己の電気通信設備を接続することとした場合の条件に比して不利なものであるとき。
(4) 特定の電気通信事業者に対し不当な差別的な取扱いをするものであるとき。
(ⅲ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、届け出た接続約款によらなければ、他の電気通信事業者との間において、第二種指定電気通信設備との接続に関する協定を締結し、または変更してはならない。
(ⅳ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、届け出た接続約款を公表しなければならない。
(ⅴ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、第二種指定電気通信設備との接続に関する会計を整理し、およびこれに基づき当該接続に関する収支の状況その他総務省令で定める事項を公表しなければならない。
(ⅵ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、他の電気通信事業者がその電気通信設備と第二種指定電気通信設備との接続を円滑に行うために必要な情報の提供に努めなければならない。
ⅱ.第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供(第38条の2)
(ⅰ) 第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始したときは、総務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨、総務省令で定める区分ごとの卸電気通信役務の種類その他総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。届け出た事項を変更し、又は当該業務を廃止したときも、同様とする。
(ⅱ) 特定卸電気通信役務(第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が少ないものとして総務省令で定めるもの以外のものをいう。以下同じ。)を提供する電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における当該特定卸電気通信役務の提供を拒んではならない。
(ⅲ) 特定卸電気通信役務を提供する電気通信事業者は、当該特定卸電気通信役務の提供に関する契約の締結の申入れを受けた場合において、当該特定卸電気通信役務に関し、当該申入れをした電気通信事業者の負担すべき金額その他の提供の条件について提示をする時までに、当該申入れをした電気通信事業者から、当該提示と併せて当該金額の算定方法その他特定卸電気通信役務の提供に関する契約の締結に関する協議の円滑化に資する事項として総務省令で定める事項を提示するよう求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
(ⅳ) 総務大臣は、特定卸電気通信役務を提供する電気通信事業者が前項の規定に違反したときは、当該電気通信事業者に対し、公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
b. 電波法
ⅰ.無線局の開設(第4条)
無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。
ⅱ.欠格事由(第5条第3項)
次の各号のいずれかに該当する者には、無線局の免許を与えないことができる。
(ⅰ) 電波法または放送法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。
(ⅱ) 無線局の免許の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。
(ⅲ) 特定基地局の開設計画に係る認定の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。
(ⅳ) 無線局の登録の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。
ⅲ.免許の申請(第6条)
(ⅰ) 無線局の免許を受けようとする者は、申請書に、次に掲げる事項を記載した書類を添えて、総務大臣に提出しなければならない。
(1) 目的
(2) 開設を必要とする理由
(3) 通信の相手方および通信事項
(4) 無線設備の設置場所
(5) 電波の型式ならびに希望する周波数の範囲および空中線電力
(6) 希望する運用許容時間
(7) 無線設備の工事設計および工事落成の予定期日
(8) 運用開始の予定期日
(9) 他の無線局の免許人等との間で混信その他の妨害を防止するために必要な措置に関する契約を締結しているときは、その契約の内容
(ⅱ) 次に掲げる無線局であって総務大臣が公示する周波数を使用するものの免許の申請は、総務大臣が公示する期間内に行わなければならない。(第6条第8項)
(1) 電気通信業務を行うことを目的として陸上に開設する移動する無線局(1または2以上の都道府県の区域の全部を含む区域をその移動範囲とするものに限る。)。
(2) 電気通信業務を行うことを目的として陸上に開設する移動しない無線局であって、前号に掲げる無線局を通信の相手方とするもの。
(3) 電気通信業務を行うことを目的として開設する人工衛星局。
ⅳ.免許の有効期間(第13条)
免許の有効期間は、免許の日から起算して5年を超えない範囲内において総務省令で定める。ただし、再免許を妨げない。
ⅴ.変更等の許可(第17条)
免許人は、無線局の目的、通信の相手方、通信事項、無線設備の設置場所を変更し、または無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない。
ⅵ.免許の承継(第20条)
(ⅰ) 免許人たる法人が合併または分割(無線局をその用に供する事業の全部を承継させるものに限る。)をしたときは、合併後存続する法人もしくは合併により設立された法人または分割により当該事業の全部を承継した法人は、総務大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができる。
(ⅱ) 免許人が無線局をその用に供する事業の全部の譲渡しをしたときは、譲受人は、総務大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができる。
ⅶ.無線局の廃止(第22条)
免許人は、その無線局を廃止するときは、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
ⅷ.検査等事業者の登録(第24条の2)
無線設備等の検査または点検の事業を行う者は、総務大臣の登録を受けることができる。
ⅸ.登録の取消し等(第24条の10)
総務大臣は、登録検査等事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、または期間を定めてその登録に係る検査または点検の業務の全部もしくは一部の停止を命ずることができる。
(ⅰ) 電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられることに至ったとき(第24条の2第5項各号(第2号を除く。))。
(ⅱ) 登録検査等事業者の氏名、住所等の変更(第24条の5第1項)または登録検査等事業者の地位継承の届出(第24条の6第2項)の規定に違反したとき。
(ⅲ) 総務大臣による適合命令(第24条の7第1項または第2項)に違反したとき。
(ⅳ) 工事落成後の検査(第10条第1項)、無線局の変更検査(第18条第1項)もしくは定期検査(第73条第1項)を受けた者に対し、その登録に係る点検の結果を偽って通知したことまたは第73条第3項に規定する証明書に虚偽の記載をしたことが判明したとき。
(ⅴ) その登録に係る業務の実施の方法によらないでその登録に係る検査または点検の業務を行ったとき。
(ⅵ) 不正な手段により第24条の2第1項の登録(検査等事業者の登録)またはその更新を受けたとき。
ⅹ.特定基地局の開設指針(第27条の12)
(ⅰ) 総務大臣は、既に開設されている電気通信業務用基地局(以下「既設電気通信業務用基地局」という。)が現に使用している周波数を使用する電気通信業務用基地局については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものに限り、特定基地局とすることができる。
(1) 電波法第26条の3第4項の規定により有効利用評価の結果の報告を受けた場合において、既設電気通信業務用基地局(電波法第27条の15第3項に規定する認定計画に従って開設されているものであって、当該認定計画に係る認定の有効期間が満了していないものを除く。)が現に使用している周波数に係る当該結果が総務省令で定める基準を満たしていないと認めるとき
(2) 申出に係る開設指針を定める必要がある旨を決定したとき
(3) 電波に関する技術の発達、需要の動向その他の事情を勘案して、既設電気通信業務用基地局が現に使用している周波数の再編を行い、当該周波数の再編により新たに区分された周波数を使用する電気通信業務用基地局の開設を図ることが電波の公平かつ能率的な利用を確保するために必要であると認めるとき
ⅺ.開設指針の制定の申出(第27条の13)
既設電気通信業務用基地局が現に使用している周波数を使用する電気通信業務用基地局を特定基地局として開設することを希望する者(当該既設電気通信業務用基地局の免許人を除く。)は、総務省令で定めるところにより、当該特定基地局の開設指針について、制定すべきことを総務大臣に申し出ることができる。
ⅻ.開設計画の認定(第27条の14)
特定基地局を開設しようとする者は、通信系(通信の相手方を同じくする同一の者によって開設される特定基地局の総体をいう。)ごとに、特定基地局の開設に関する計画(以下「開設計画」)を作成し、これを総務大臣に提出して、その開設計画が適当である旨の認定を受けることができる。
xⅲ.認定の取消し等(第27条の16)
(ⅰ) 総務大臣は、認定開設者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消さなければならない。
(1) 電気通信業務を行うことを目的とする特定基地局に係る認定開設者が電気通信事業法第14条第1項の規定により同法第9条の登録を取り消されたとき。
(ⅱ) 総務大臣は、認定開設者が次に該当するときは、その認定を取り消すことができる。
(1) 正当な理由がないのに、認定計画に係る特定基地局を当該認定計画にしたがって開設せず、または認定計画に係る既に開設されている特定基地局であって、その無線設備に電波の有効利用に資すると認められる機能を付与した基地局を当該認定計画に従って運用していないと認めるとき。
(2) 正当な理由がないのに、認定計画に係る開設指針に定める納付の期限までに第27条の13の規定による認定を受けた者が納付すべき金銭を納付していないとき。
(3) 不正な手段により開設計画の認定を受け、または周波数指定の変更を行わせたとき。
(4) 認定開設者が電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられることに至ったとき。
(5) 電気通信業務を行うことを目的とする特定基地局に係る認定開設者が次のいずれかに該当するとき。
a.電気通信事業法第12条第1項の規定により同法第9条の登録を拒否されたとき
b.電気通信事業法第12条の2第1項の規定により同法第9条の登録がその効力を失ったとき
c.電気通信事業法第13条第4項において準用する同法第12条第1項の規定により同法第13条第1項の変更登録を拒否されたとき(当該変更登録が認定計画に係る特定基地局に関する事項の変更に係るものである場合に限る。)
xⅳ.無線局の免許の取消し等(第75条)
(ⅰ) 総務大臣は、免許人等が電波法、放送法もしくはこれらの法律に基づく命令またはこれらに基づく処分に違反したときは、3箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、または期間を定めて運用許容時間、周波数もしくは空中線電力を制限することができる。
(ⅱ) 総務大臣は、包括免許人または包括登録人が電波法、放送法もしくはこれらの法律に基づく命令またはこれらに基づく処分に違反したときは、3箇月以内の期間を定めて、包括免許または第27条の29第1項の規定による登録に係る無線局の新たな開設を禁止することができる。
(ⅲ) 総務大臣は、(ⅰ)および(ⅱ)の規定によるほか、登録人が電波法第3章に定める技術基準に適合しない無線設備を使用することにより他の登録局の運用に悪影響を及ぼすおそれがあるとき、その他登録局の運用が適正を欠くため電波の能率的な利用を阻害するおそれが著しいときは、3箇月以内の期間を定めて、その登録に係る無線局の運用の停止を命じ、運用許容時間、周波数もしくは空中線電力を制限し、または新たな開設を禁止することができる。
(ⅳ) 総務大臣は、免許人(包括免許人を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許を取り消すことができる。
(1) 正当な理由がないのに、無線局の運用を引き続き6箇月以上休止したとき。
(2) 不正な手段により無線局の免許もしくは変更の許可(第17条)を受け、または周波数の指定の変更(第19条)を行わせたとき。
(3) 第76条第1項の規定による命令または制限に従わないとき。
(4) 免許人が電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処されるに至ったとき。
(ⅴ) 総務大臣は、包括免許人が次の各号のいずれかに該当するときは、その包括免許を取り消すことができる。
(1) 第27条の5第1項第4号の期限(第27条の6第1項の規定による期限の延長があったときは、その期限)までに特定無線局の運用を全く開始しないとき。
(2) 正当な理由がないのに、その包括免許に係るすべての特定無線局の運用を引き続き6箇月以上休止したとき。
(3) 不正な手段により包括免許もしくは第27条の8第1項の許可を受け、または第27条の9の規定による指定の変更を行わせたとき。
(4) (ⅰ)の規定による命令もしくは制限または(ⅱ)の規定による禁止に従わないとき。
(5) 免許人が電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処されるに至ったとき。
(ⅵ) 総務大臣は、(ⅳ)および(ⅴ)の規定によるほか、電気通信業務を行うことを目的とする無線局の免許人等が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許等を取り消すことができる。
(1) 電気通信事業法第12条第1項の規定により同法第9条の登録を拒否されたとき。
(2) 電気通信事業法第13条第4項において準用する同法第12条第1項の規定により同法第13条第1項の変更登録を拒否されたとき(当該変更登録が無線局に関する事項の変更に係るものである場合に限る。)。
(3) 電気通信事業法第15条の規定により同法第9条の登録を抹消されたとき。
(ⅶ) 総務大臣は、(ⅳ)((4)を除く。)および(ⅴ)((5)を除く。)の規定により免許の取消しをしたときは、当該免許人等であった者が受けている他の無線局の免許等または第27条の14第1項の開設計画の認定を取り消すことができる。
(3) その他
ⅰ.NTT東日本およびNTT西日本と、当社をはじめとする他の電気通信事業者との接続条件等の改善については、公正競争条件を整備し利用者の利便性向上に資する観点から、電気通信事業法(1997年法律第97号、1997年11月17日改正施行)により、NTT東日本およびNTT西日本は指定電気通信設備を設置する第一種指定電気通信事業者として接続料金および接続条件を定めた接続約款の認可を受けることが必要とされています。
また、㈱NTTドコモ、KDDI㈱、沖縄セルラー電話㈱、Wireless City Planning㈱、UQコミュニケーションズ㈱および当社は、接続約款を届け出る義務等を負う第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に指定されています。
ⅱ.NTT東日本とNTT西日本の第一種指定電気通信設備と接続する際の接続料は、電気通信事業法第33条に基づく「接続料規則」に拠って算定されています。
2022年度に適用される音声通話等接続料につきましては、2022年3月22日にNTT東日本およびNTT西日本より接続約款変更の認可申請がなされ、2022年5月27日に認可されました。2023年度に適用される音声通話等接続料につきましては、2023年3月17日にNTT東日本およびNTT西日本より接続約款変更の認可申請がなされ、2023年5月26日に認可されました。
2022年度に適用される加入光ファイバ、ドライカッパ、接続専用線、公衆電話、番号案内等の接続料金の接続料金につきましては、2022年1月7日にNTT東日本およびNTT西日本より接続約款変更の認可申請がなされ、2022年3月28日に認可されました。なお、2023年度以降に適用されるドライカッパ、接続専用線、公衆電話、番号案内等の接続料金につきましては、2023年1月16日にNTT東日本およびNTT西日本より接続約款変更の認可申請がなされ、2023年3月24日に認可されました。2023年度に適用される加入光ファイバの接続料金につきましては、2023年5月22日にNTT東日本およびNTT西日本より接続約款変更の認可申請がなされています。
また、2021年度以降に適用されるイーサネットフレーム伝送機能、次世代ネットワークの接続料金につきましては、2021年3月22日にNTT東日本およびNTT西日本より接続約款変更の認可申請がなされ、2021年6月2日に認可されています。
(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、報告セグメントに属している子会社についてはセグメント情報に記載された名称を記載しています。また、親会社、その他の事業に属している子会社、関連会社および共同支配企業については事業の内容を記載しています。
2 「議決権の所有又は被所有割合」欄の(内書)は間接所有割合又は間接被所有割合です。また、合同会社については、「議決権の所有又は被所有割合」欄に当社の出資割合を記載しています。
3 特定子会社に該当します。
4 発行者情報または有価証券報告書の提出会社です。
5 ソフトバンクグループ㈱はソフトバンクグループジャパン㈱の議決権を100%所有しています。
6 議決権の所有割合は100分の50以下ですが、当社が支配していると判断し、子会社としました。
7 Zホールディングス㈱は、2023年4月28日に開催された同社の取締役会において、同社ならびにLINE㈱およびヤフー㈱を中心としたグループ内再編に係る契約の締結時期(予定)および完了時期(効力発生日)(予定)について決議しました。グループ内再編の完了時期(効力発生日)は2023年10月1日を予定しており、また、同日をもって商号をLINEヤフー㈱に変更する予定です。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数です。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
3 全社(共通)は、当社の技術部門および管理部門の従業員です。
4 前連結会計年度末に比べ従業員数が5,405名、臨時従業員数が858名それぞれ増加しております。主な理由は、2022年10月にPayPay㈱の優先株式の全てを普通株式に転換し、同社を子会社化したことによるものです。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数です。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
3 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。また、休職者・休業者は含みません。
4 全社(共通)は、当社の技術部門および管理部門の従業員です。
当社の労働組合には、ソフトバンク労働組合および国鉄労働組合があります。また、連結子会社の一部に労働組合が結成されています。労使関係は良好であり、特記する事項はありません。
当事業年度の多様性に関する指標は、以下のとおりです。
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した実績を記載しています。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出した実績を記載しています。
3 対象となる従業員がいないことを示しています。
4 管理職に占める女性労働者の割合は2023年4月1日時点の実績です。
5 管理職に占める女性労働者の割合は2022年5月20日時点、男性労働者の育児休業取得率は2021年5月21日~2022年5月20日の実績です。
6 管理職に占める女性労働者の割合は2022年12月31日時点の実績です。
7 管理職に占める女性労働者の割合は2022年4月1日時点、労働者の男女の賃金の差異は2021年12月1日~2022年11月30日の実績です。
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念のもと、創業以来一貫して情報革命を通じた人類と社会への貢献を推進してきました。情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業に取り組み、「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」を目指し、企業価値の最大化に取り組んでいます。
上記の経営理念に基づき、社会インフラを提供する当社グループは、本業を通じて、さまざまな社会課題の解決に貢献すべく、「すべてのモノ・情報・心がつながる世の中」の実現を通じて、持続可能な社会の維持に貢献し、中長期的な企業価値向上を達成すべく、当社グループが優先的に取り組むべき課題として、6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。各マテリアリティ(重要課題)の概要については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティ全般 c.戦略及び指標と目標 ⅱ.マテリアリティ(重要課題)」をご参照ください。
世の中を取り巻く環境は、かつてない変革期を迎えています。世界および日本の景況感は、インフレ懸念の拡大や緊迫した国際情勢も加わり、非常に不透明かつ不安定な状況が継続しています。一方で、2020年より世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症は、人々にテレワークやオンラインショッピング、非接触型決済などの利用を動機づけ、生活やビジネスのあらゆる場面がデジタル化されるきっかけとなりました。同年3月に商用サービスが開始された第5世代移動通信システム(5G)をはじめ、AI、IoT、ビッグデータ、ブロックチェーンなどの最先端テクノロジーにより今後も社会のデジタル化は一層進展し、産業そのものの構造が変わるデジタルトランスフォーメーション(「DX」)(注)が一段と加速していくとみられています。
加えて、対話型の人工知能「ChatGPT」に代表される生成AI(文章、画像、プログラムコードなどの様々なコンテンツを生成することのできる人工知能)の登場により、今後経営環境が大きく変化する可能性があると考えています。生成AIは、ビジネスの生産性向上などに大きく寄与することが期待される一方で、個人情報の保護や情報流出の懸念、データ処理に膨大な電力を要することによる環境負荷などのリスクが指摘されており、一部の国では規制を検討する動きもみられています。
(注) デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、企業が、データとデジタル技術を活用して、組織、プロセス、業務等を変革していくことです。
当社は長期的に「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を目指します。これは、AIの加速度的な進化により急増すると予見されるデータ処理や電力の需要に対応できる構造を持ったインフラを構築し、未来の多様なデジタルサービスを支える不可欠な存在となることを意図しています。当社は、この実現のために必要となるテクノロジーを特定し、これまで様々な準備を行ってきました。2023年度から2025年度における中期経営計画では、この実現に向けた事業基盤の再構築を目指します。
当社グループの掲げる成長戦略「Beyond Carrier」は、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的にグループの事業を拡大することで、企業価値の最大化を目指すものです。また、通信事業とそれらのグループ事業との連携を強化することで、通信事業の競争力を強化するとともに、グループ事業のサービス利用者数の拡大やユーザーエンゲージメントの向上といったシナジーを創出することを推進しています。

(a) 通信事業のさらなる成長
当社グループのビジネスの基盤となる通信事業では、5Gの展開やスマートフォン・ブロードバンドの契約数の拡大、モバイルサービスにおけるARPU(1契約当たりの月間平均収入)の向上を図ることで、さらなる成長を目指します。
ⅰ.スマートフォン契約数・ブロードバンド契約数の拡大
当社グループは特長の異なる3つのモバイルブランドを展開することで、大容量ユーザーから節約志向まで、幅広いユーザーのニーズに応えています。引き続き、ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」の各種サービスやコミュニケーションサービス「LINE」、キャッシュレス決済サービス「PayPay」といった、当社グループが提供するさまざまなサービスとの連携を強化することで、スマートフォン契約数の着実な拡大を図ります。また、「SoftBank 光」を中心とする家庭向け高速インターネットサービスについても、販売の拡大に注力します。
ⅱ.モバイルサービスにおけるARPUの向上
当社グループはモバイルサービスにおいて、セキュリティや端末保証、エンターテインメント、店舗でのサポートなどの領域で、ユーザーにとって魅力的な付加価値サービスを拡充することにより、ARPUの向上を図ります。
ⅲ.5Gの展開
当社グループが2020年3月に商用サービスの提供を開始した5Gは、人口カバー率90%を突破し、その後もエリアを拡大しています。これまではノンスタンドアローン方式と呼ばれる5Gサービスで、超高速・大容量の通信のみを実現していました。今後はスタンドアローン方式と呼ばれる5Gサービスの高度化を順次進めることにより、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続の通信を実現し、これらの特長を生かした5Gサービスの提供を目指しています。一方、設備投資については、既存の基地局サイトを最大限に活用するほか、他社との協業、通信設備の効率化などのさまざまな工夫を行うことで、コスト効率化を図ります。
当社グループは、法人顧客向けに通信サービスを提供することに加えて、急速に拡大する企業のデジタル化ニーズに応えたDX/ソリューション商材の販売に注力し、新規顧客の獲得および顧客1社当たりの取引額拡大を目指します。また、社員のリスキルや採用活動を通じてデジタル人材を確保し、企業の抱える課題を解決する高付加価値なソリューションの提案を行います。さらに最先端テクノロジーの知見を駆使し、社会課題の解決に繋がる新事業の創出を目指します。
当社グループはヤフー・LINE事業において、ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションサービス「LINE」など、日本最大級のユーザー基盤を有するインターネットサービスを提供しています。同事業では、検索やニュース、オンラインショッピングなど、多様なサービスを展開しています。
ⅰ.コマース領域の成長
オンラインショッピングなどを扱うコマース領域では、ユーザーのニーズが多様化する中、「Yahoo!ショッピング」や「ZOZOTOWN」など、特長の異なる複数のコマースサービスを展開することで幅広いユーザーの取り込みを図っています。今後は、オンラインとオフラインの融合や配送品質の向上、コミュニケーションを軸とした新たなショッピング体験の追求を通じて、eコマース取扱高の成長と収益性の両立を目指します。
ⅱ.メディア領域の拡大
インターネット広告などを扱うメディア領域では、広告の表示デザインの改善や配信精度の向上などにより広告単価を高めることで、既存広告の売上の最大化を図るとともに、新たなマーケットの開拓にも取り組みます。
当社は2022年度第3四半期より金融事業を新設しました。金融事業には、PayPay㈱とPayPayカード㈱に加えて、決済代行サービスを提供するSBペイメントサービス㈱やスマートフォン専業の証券サービスを提供するPayPay証券㈱などが含まれます。
ⅰ.「PayPay」のさらなる成長と周辺金融サービスの成長促進
2023年4月から解禁されたデジタル給与払いへの参入など新たな機会を捉えるとともに、グループシナジーで「PayPay」のさらなる成長を図ります。加えて、「PayPay」の決済プラットフォームとしての強みを生かし周辺金融サービスの成長を促進することにより、当社グループの金融事業の拡大を目指します。
ⅱ.決済代行サービスの決済取扱高の最大化
SBペイメントサービス㈱が提供する決済代行サービスにおいては、当社の通信料金などの決済以外の領域(非通信領域)における決済機会を積極的に取り込み、決済取扱高の最大化を図ります。
当社グループが有する通信、eコマース、決済、SNSといった異なる複数の分野における数千万人規模のユーザー基盤を強みに、AI、FinTech、モビリティ、ヘルスケア、再生可能エネルギーなどの領域で、最先端テクノロジーを活用した革新的な新規事業の創出・拡大を目指します。
(f) コスト効率化
当社グループは、事業投資を機動的に実施する一方で、コストの効率化に継続的に取り組みます。RPA/AI等を活用した業務の自動化や、在宅勤務・サテライトオフィスを活用したテレワークの推進により、社員一人当たりの生産性の向上を図ります。また、PHS・3GサービスやADSLサービスの終了などに合わせ、通信設備の最適化を実施します。加えて、グループ企業との共同購買や、グループ企業を活用した業務の内製化などを推進し、グループ全体のコスト効率化を図ります。
当社グループは、調整後フリー・キャッシュ・フロー(注)を重要な経営指標と考えています。高い株主還元を維持しながら、成長への投資を実施していくため、今後も安定的な調整後フリー・キャッシュ・フローの創出を図ります。また、健全な財務体質を維持しつつ、適切な財務レバレッジを伴った資本効率の高い経営を行っていきます。
(注) 調整後フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクならびにリスクの管理体制および管理手法を記載しています。なお、主要なリスクは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、文中における将来に関する事項は別段の記載のない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
1.リスク管理体制
当社では、さまざまな角度から全社的なリスクを特定し、リスクの顕在化を防止するための管理体制を整えています。本社各部門が現場で各種施策を立案する際にリスクを含めた検討を実施するとともに、事業部門から独立した組織であるリスク管理室が、全社的・網羅的にリスクの把握と対策状況を確認し(年2回実施)、リスク管理委員会に報告しています。社長、副社長、CFOなどを委員とし、監査役や関係部門長が参加するリスク管理委員会では、リスクの重要度や対応する責任者(リスクオーナー)を定め、対策指示などを行い、状況を取締役会に報告します。なお、リスク管理委員会では、情報セキュリティ経験を有する取締役(宮川 潤一 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO)が中心となり当社グループに重要な影響を与えるリスクを監督しています。
内部監査室はこれら全体のリスク管理体制・状況を独立した立場から監査しています。
社員に向けては取り組むべきリスクの社内周知や研修(eラーニングなど)の実施、社内からの相談窓口を設置しており、管理職を含めた従業員の能力評価に組み込まれています。
また、グループ全体のリスク管理の観点から、子会社・関連会社からの報告体制を整備するとともに、それぞれが洗い出した事業に関連するリスクとその対策状況の定期的なチェックを実施します。

※1 リスクトレンド分析:リスク管理者が事故や事業損失などの将来の事象を予測するために用いる手法
※2 KRI(Key Risk Indicators):重要リスク評価指標
※リスク管理と監査について、最高人事責任者であるCHRO(チーフ・ヒューマンリソース・オフィサー)と内部監査室長が、それぞれの職責に基づき独立して取締役会に報告しています。
※当社では、外部からのリスク管理に関する評価として、金融商品取引法で定められている内部統制報告制度及びSSAE18に準拠した第三者機関による内部統制の評価を受け、リスク体制の更なる精度向上に努めています。
2.リスク管理手法
一年を通して以下のような管理を行い、PDCAサイクルを構築しています。定期的にリスク管理のサイクルを回すことにより、複雑化・多様化するリスクの低減と未然防止に取り組んでいます。
(1) Plan:毎年リスクアセスメントを実施し、潜在リスクを網羅的に洗い出した上、リスク管理委員会において、取り組むべきリスクや管理方針を決定
(2) Do:管理方針に基づき対策を実施
(3) Check:リスク管理室が対策状況をモニタリングし、リスク管理委員会で報告を実施
(4) Action:改善策や追加対策を実施

本社各部門、子会社・関連会社によるリスクアセスメントや、リスクオーナーへのインタビューなどを通じて、リスクを抽出、選定、評価するとともに、見直しを行っています。具体的には、リスク管理委員会が決定した当社に重要な影響を与えるリスクや、リスクの見直し結果などに基づき、リスクオーナーがリスクの対策を検討し、実行します。リスク管理室はリスクオーナーによる対策状況をモニタリングし、リスク管理委員会にリスク対策状況などを報告しています。リスクオーナーはその結果を受けて、さらに対策の改善や追加対策を行っています。また、リスク管理室は、定期的に社外取締役にリスクの選定とその対策状況などのほか、リスクの見直し結果や、直近の技術動向などを含めた最新のリスク関連情報に関する報告を実施し、社外取締役からリスク管理に関する助言を得ています。

※「取締役会」には、社外取締役・監査役への事前説明会を含みます。
3.事業等のリスク
(1) 経営戦略上のリスク
当社グループは、スマートフォンやブロードバンド契約数の拡大、および5Gの取り組みを通じ、通信事業のさらなる成長を目指しています。そのため、安全性と信頼性の高い通信ネットワークを構築し、継続して安定的に運用していくことや、特長の異なる3つのブランドを提供するマルチブランド戦略の推進などが重要であると考えています。また、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」といったインターネットサービスや、キャッシュレス決済サービス「PayPay」などAI、IoT、FinTechなどの最先端テクノロジーを活用したビジネスの立ち上げを通じ、引き続き通信以外の領域の拡大を目指します。
係る戦略に関連して経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りです。
a. 経済情勢、規制環境および市場環境の変化、他社との競合について
日本の人口は高齢化と少子化が進むなか減少に向かっており、国内の移動体通信市場、ブロードバンド市場、インターネット関連市場およびキャッシュレス決済を含む金融事業の市場の拡大の継続性には、不透明な要素があります。
近年日本の移動体通信市場においては、競争促進政策の強化や異業種からの新規参入などによって経営環境が大きく変化し、利用者からはより低廉で多様なサービスを求める動きが高まっています。これらの市場環境に対応するため、当社グループは消費者の志向に合ったサービス・商品・販売方法を導入していますが、当社グループが料金プランや通話・データ通信の品質等の面で消費者の期待に沿えない場合や当社グループが提供するサービス・商品に重大な瑕疵が存在した場合、既存の契約者数を維持できる保証はありません。また、法令・規制・制度などの制定、改正または解釈・適用の変更等により、当社グループが顧客に提供できるサービス・商品・販売方法および料金プラン等が実質的な制約を受け、収入の減少や金銭的負担の発生・増加が起きることにより、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。その他にも、予期せぬ市場環境の変化によりコストが増大する、または想定しているコスト効率化が実現できない可能性があります。
日本のインターネット関連市場は、インターネット全体の利用規模、景気の動向、有料会員数、有料サービスの利用状況などに影響を受ける可能性があります。当社グループでは、利用者にとって正確で有益なサービスの提供、安心、安全な利用体験、広告媒体としての価値を向上させる活動、啓発、有料会員向けの魅力的な特典、コンテンツの提供などを通じ、利用者の維持拡大に努めていますが、これらの施策が十分に奏功せず、市場環境の変化等が当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
日本のキャッシュレス決済を含む金融事業の市場においては、政府や自治体の経済対策の進展や新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、キャッシュレス化が進んでいます。このような市場環境において、利用者にとって利便性の高いサービスを提供するために、当社グループは、キャッシュレス決済サービスの機能の見直し、拡充に取り組むとともに、当社グループのキャッシュレス決済サービスが利用可能な加盟店の拡大にも努めています。しかし、市場環境や規制の変化に当社グループが適時かつ適切に対応できず、または何らかの事由により当社グループの期待通りにサービスを提供できないもしくは顧客を維持・獲得できない状況が生じた場合、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの競合他社は、その資本力、サービス・商品、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度およびこれらの総合力などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、当社グループが価格競争を含む販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、顧客を維持・獲得できない、またはARPU(注)が低下することも考えられます。その結果として、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、通信、インターネット、キャッシュレス決済に係る市場では、設立間もない新興企業や新規参入者によるサービス・商品がユーザーの支持を集め急速に広まることがあります。当社グループでは、ユーザーの意見や動向を捉え、ユーザーの支持を集めることができるサービス・商品の提供を追求していきますが、新興企業や新規参入者のサービス・商品が当社グループのサービス・商品に対する競合となる可能性や、当社グループが競争優位性を発揮するための新規サービス・商品の開発に費用がかかり、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を与える可能性があります。
(注) ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入
b. 技術・ビジネスモデルへの対応について
当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業を主な事業領域としています。情報産業においては、近年、AI、IoT、ビッグデータの活用が急速に進展し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の動きがますます加速しており、業界を超えたより多様かつ高度なサービスの提供が求められるようになってきています。特に「ChatGPT(注)」に代表される生成AIの分野は急速な勢いで発展しており、既存のビジネスモデルに大きな影響を与える事も想定されます。当社グループは、常に、最新の技術動向や市場動向の調査、技術的優位性の高いサービスの導入に向けた実証実験、および他社とのアライアンスの検討などの施策を講じています。しかし、新たな技術への対応が想定通りの時間軸に沿って進むこと、想定通りの効果を上げること、共通の基準や仕様が確立すること、および商用性を持つようになることについては、何らの保証もなく、また、これらの施策を行ったとしても、新たな技術やビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化に当社グループが適時かつ適切に対応できず、または迅速かつ効率的に設備を配備できないことにより、市場変化に適した優れたサービス、技術やビジネスモデルを創出または導入できない場合、当社グループのサービスが市場での競争力を失い、当社グループが維持・獲得できる契約数が抑制される、またはARPUが低下することにより、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) OpenAIが提供する自動応答チャット生成AI
c. 情報の流出や不適切な取り扱いおよび当社グループの提供する商品やサービスの不適切な利用について
当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。当社グループは、チーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)および最高情報セキュリティ責任者であるチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)が主導し、顧客情報やその他の機密情報に関する作業場所を所定のエリアに限定し、当該エリア専用の入退室管理ルールを設けるなど徹底した物理的管理を行っています。技術的管理としても、当該エリア内にあるセキュリティ・オペレーション・センター(SOC)などにおいて、AIを活用した内部不正の予兆検知(ふるまい検知)を強化し、役職員による業務パソコンの使用状況、社内ネットワークの利用状況、社内の各サーバーへのアクセス状況等を監視するとともに、社外からのサイバー攻撃による不正アクセスを監視・防御することで、セキュリティレベルの維持・管理を行っています。また、情報のセキュリティレベルに応じて、当該情報に対するアクセス権限や使用するネットワークなどの分離・独立を実施しています。さらに、チーフ・データ・オフィサー(CDO)およびCDO室が主導し、社内外データの管理・戦略的利活用の方針およびルールを整備し、通信の秘密・個人情報等の取扱いに関する社内管理体制を強化しています。加えて、国内外で事業を展開する上で必要となる各国の個人情報保護等に関する法令への対応も行っています。対策の実施にあたり、役職員にセキュリティ教育・訓練を徹底し、当社の情報資産に関わる全員が、情報セキュリティリテラシーを持って業務を遂行できる体制の構築や、OA環境および業務用スマートフォン端末の管理の強化を行っています。これらの取組みにもかかわらず、当社グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者によるサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。
また、当社グループの提供する商品やサービスが詐欺等の犯罪等に不正に利用された場合、当社グループの信用および信頼の低下を招く可能性があります。
こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力の低下や、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2021年3月のZホールディングス㈱とLINE㈱の経営統合に伴い、当社グループが個人情報をはじめとするデータを取り扱う量も飛躍的に増大しました。個人情報の適切な取り扱いに関して当社グループ全体のガバナンスの強化に取り組んでおり、加えて、当社グループのヤフー㈱とLINE㈱とのデータ連携にあたっては、同意取得を前提とした分かりやすい説明に努めるほか、各種の国際基準への準拠を前提とするなど、適切性の確保に努めています。これらの取組みにもかかわらず、係る対策やガバナンス強化の施策が有効に機能しないことによる当局から当社グループへの行政処分、当社グループの信用の毀損、当社グループのサービスへの需要の減少、追加の対策の策定・実施、また、データの漏洩やその恐れとなる事象の発生等により、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
d. 国際情勢の不安定化について
当社グループは、通信機器・設備、顧客向け商品や開発資材などを国内外の取引先からも調達しています。また、通信サービスを提供する上では、基地局やネットワーク設備、データセンターなどで多くの電力を使用しています。当社グループは、サービス・商品の提供を安定的に行うため、国際情勢に関する情報収集やサプライヤーの分散化・多様化などによりサプライチェーンの強化に努めています。また、中長期的には環境負荷の少ない通信インフラや次世代電池の実用化に向けた研究開発のほか、政府や業界団体との連携により、電力価格の変動による事業運営への影響を最小限に抑えるよう取り組んでいます。これらの対策にも関わらず、国際社会における国家間の対立、地域紛争や武力行使等により、世界的な輸送遅延、半導体などの不足、サイバー攻撃などに起因する取引先の事業停滞・停止によるサプライチェーンの分断などが起こった場合には、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原油価格の高騰による輸送費等の増加や、国際情勢の変化による国家の政策や法規制などの変更により、基地局やネットワーク設備などに関する取引先の変更や設備の切り替えのための費用が発生する可能性があります。さらに、継続的に電力価格が上昇する場合や、エネルギー調達に支障が生じてサービス・商品の安定的な供給が困難となる場合には、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
e. 安定的なネットワークの提供について
(a) 通信ネットワークの増強について
当社グループは、競争力の維持および顧客基盤の維持・拡大を目的として通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていく方針ですが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強(例えば、必要な周波数の確保を含みますが、これに限りません。)を適時に行えなかった場合、サービスの品質および信頼性や企業イメージの低下を招き顧客の維持・獲得に影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの通信サービスの提供はネットワークシステムのパフォーマンスおよび十分な周波数帯の確保に依存しています。将来において、必要な周波数帯を確保できなかった場合、競合他社と比べてサービスの品質が低下し、または計画通りにネットワークを拡大することができなくなり、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。
さらに、周波数帯の割当てにオークション制度が導入されたり、割当ての要件として一定の費用負担を行うことが求められるようになったりするなど、多額の資金拠出が必要になる可能性があり、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があるとともに、新規事業者の参入が容易になる可能性があります。
(b) 自然災害など予測困難な事情について
当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。近年、南海トラフ地震や首都圏直下型地震の発生確率の高まりや気候変動の進行等から、地震や台風など大型の自然災害の被害を受けるリスクが増加しています。地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害および近年の気候変動に伴うこれら災害の大規模化、火災や停電・電力不足、テロ行為、新型コロナウイルスなどの感染症の流行などにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。当社グループは、こうした事態が発生した場合においても安定した通信環境を確保できるようにネットワークの冗長化、応急復旧体制の構築、ネットワークセンターおよび基地局での停電対策等を導入しているほか、ネットワークセンターやデータセンター等の重要拠点やIT監視体制の拠点を全国に分散することでサービス提供への影響の低減を図る対策を講じています。
もっとも、係る対策はあらゆる障害を回避できるものではなく、実際に各種サービスの提供に支障を来す場合、およびこれらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
f. 他社の買収、業務提携、合弁会社設立、グループ内組織再編等について
当社グループは、戦略を実行していく上で、合弁企業の設立や子会社化を行うなど、他社の買収やその他の株式投資を行う可能性があります。また、当社グループの事業、財務、業績にとって戦略的に重要と思われる他の資産を買収する可能性があります。加えて、当社グループの内部においても戦略上の必要に応じて株式や資産の移動を伴う再編を実施する可能性があります。
当社グループは、各投資の実行の検討に際し、必要十分なデュー・ディリジェンスを実施した上で、定められた承認プロセスを経て投資判断を行っていますが、当社グループの投資先会社が見込み通りの業績を上げることができない場合、当社グループが投資時の企業価値算定を過大に見積もっていた場合、または既存事業への新規事業の統合や統合後の内部管理体制の構築が奏功しない場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループが将来的な買収や投資のために資金を借り入れた場合、または買収した企業に未払いの負債があることが判明した場合、当社グループの債務負担が増加し、キャッシュ・フローを悪化させ、事業運営資金の不足に陥る可能性があります。これらのリスクの顕在化は当社グループの事業、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの業務提携先や合弁先と共同事業を行う場合には、一般的に当局の許認可の取得や、当該業務提携先や合弁先と共同事業の内容についての合意が前提となります。また、当社グループの業務提携先や合弁先に対して当社グループが支配権を有するとは限らず、これらの会社が、当社グループの意向にかかわらず、事業戦略を大幅に変更する可能性があります。さらに、第三者割当増資や当社グループ以外の株主がコールオプションを行使したことによる当社グループの持株比率の低下や、その経営成績や財政状態の大幅な悪化の可能性もあります。これらの場合、その業務提携、合弁事業などが期待通りの成果を生まない可能性や、継続が困難となる可能性があります。また、特定の第三者との業務提携や合弁事業などを実施したことにより、他の者との業務提携や合弁事業などが制約される可能性もあります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ内部における再編を行う場合には、重複する経営資源の効率化、意思決定の迅速化や事業間におけるより大きなシナジーの創出などを目的としています。しかし、期待した再編の効果を十分に発揮できない場合、展開するサービスの連携の不調・遅れ、戦略やシナジーへの悪影響、再編に伴う混乱などの問題の発生などにより、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
g. 他社経営資源への依存について
(a) 業務の委託
当社グループは、提供する各種サービス・商品に係る販売、顧客の維持・獲得、通信ネットワークの構築およびメンテナンス、ならびにそれらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しているほか、情報検索サービスにおいて他社の検索エンジンおよび検索連動型広告配信システムを利用しています。当社グループは、業務委託先を含むサプライヤーの選定時には購買規程にのっとった評価・選定を行うとともに、新規取引開始時には、当社の「サプライヤー倫理行動規範」を遵守することを盛り込んだ取引基本契約書を締結した上で、取引開始後もサステナビリティ調達調査を通じたリスクアセスメントの実施、サプライヤー評価および課題の抽出、サプライヤーへのヒアリング実施などPDCAサイクルの構築によって、サプライチェーン上のリスクの低減に努めています。しかし、これらの対策にも関わらず、業務委託先(役職員や関係者を含みます。)が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合や、当社グループおよび顧客に関する情報の不正取得または目的外使用等をした場合などの人権侵害等に関連する問題を起こした場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、上述のような事象により当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の維持・獲得に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(b) 他社設備などの利用
当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。当社グループでは、原則として、複数の事業者の通信回線設備などを利用していく方針を採用していますが、今後、複数の事業者の当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられるなど利用契約が当社グループにとって不利な内容に変更された場合、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(c) 各種機器の調達
当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機を含みますが、これらに限りません。)を調達しています。当社グループでは、原則として複数のサプライヤーから機器を調達してネットワークを構築していく方針を採用していますが、それでもなお特定のサプライヤーへの依存度が高い機器が残ることも予想されます。特定のサプライヤーへの依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生しサプライヤーや機器の切り替えが適時に多額のコストを要さずに行うことができない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性やサプライヤーの変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
h. 「ソフトバンク」ブランドの使用および侵害について
当社は、2017年度まで、親会社であるソフトバンクグループ㈱に対し、各会計年度における一定の算定基準に基づき、「ソフトバンク」ブランドのブランド使用料を負担していました。
その後、2018年3月に、当社はソフトバンクグループ㈱との間で、ライセンス料一括支払いにより、同年3月31日から原則無期限のブランド使用権および再許諾権が付与される旨の契約を締結しました。当該契約に基づき、当社は、社名、社標、商標およびドメインネームとして「ソフトバンク」ブランドを使用(移動体通信における通信サービスおよび携帯電話端末などに関する商標使用は専用的使用)することができ、また当社の子会社に対して当該使用を再許諾(サブライセンス)することができます。
しかし、当社または再許諾を受けた当社の子会社が、当該契約への違反を一定期間継続した場合やソフトバンクグループ㈱の信用または利益を害する行為をした場合などには、ソフトバンクグループ㈱は、当該契約を解約することができます。これにより当社は「ソフトバンク」ブランドの使用および再許諾を継続できなくなり、関連して資産計上している商標利用権の減損損失が発生する可能性があります。
ソフトバンクグループ㈱が保有している「ソフトバンク」ブランドなどの知的財産権が第三者により侵害された場合には、当社グループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があります。
i. 関連システムの障害などによるサービスの中断・品質低下について
当社グループが提供する通信ネットワークや顧客向けのシステム、キャッシュレス決済サービス「PayPay」をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題、または第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。当社グループは、CTO、チーフ・ネットワーク・オフィサー(CNO)、およびチーフ・インフォメーション・オフィサー(CIO)が主導し、ネットワークを冗長化するとともに、障害やその他事故が発生した場合に備え、復旧手順を明確にしています。また、障害やその他事故が発生した場合、規模に応じて事故対策本部を設置するなど、適切な体制を構築して復旧にあたっています。これらの対策にもかかわらず、サービスの中断や品質低下を回避できないおそれがあり、サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
j. 人材の育成・確保について
当社グループは、技術革新に即応すべく全社をあげて人材育成に注力していますが、期待通りの効果が出るまで一定の期間を要することがあります。また、将来的に人材投資コストが増加する可能性があります。
さらに、最高人事責任者であるチーフ・ヒューマン・リソーシズ・オフィサー(CHRO)および人事部門長が主導し、高市場価値の人材に対し、その専門性の高さを踏まえた報酬制度を導入することで人材の確保を図っています。加えて、各社員の職場への適応状況や今後のキャリアについての定期的な面談や調査等の実施により、事業の持続的な成長を支える優秀な人材の定着を図っています。これらの取り組みにもかかわらず、事業運営に必要な技術者等の人材を予定通り確保できない場合、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社はダイバーシティの推進に力を入れており、多様な人材が活躍できる環境整備や社内周知の徹底、研修実施等に取り組んでいますが、多様性を認め合い、生かすことに関する社会的要求に応えられなかった場合、当社グループの信頼性や企業イメージの低下、人材を予定通りに確保できないことなどにより、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
k. 気候変動について
当社グループは、基地局設備を始めとして多くの電力を使用する通信事業を行っており、気候変動により当社グループの事業、財政状態および業績が影響を受けると認識しています。当社では、温室効果ガス排出量をサプライチェーン全体で実質ゼロにする「ネットゼロ」の実現に向けて、当社の事業活動で使用する電力などによる温室効果ガスの排出量を2030年度までに実質ゼロにする(注1)「カーボンニュートラル2030宣言」に加え、2050年度までに取引先などで排出される温室効果ガスの排出量も含めた「サプライチェーン排出量」を実質ゼロ(注2)とすることに取り組んでいます(注3)。また、当社は、2020年4月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、TCFDの提言に基づきシナリオ分析など気候変動の影響の評価を実施しています。これら評価結果や温室効果ガス排出量等の環境負荷データについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 気候変動 c.戦略」および「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 気候変動 d.指標と目標」に記載しています。
しかし、これらの対策にもかかわらず、気候変動の進行に伴い、自然災害による甚大な被害が発生した場合や脱炭素化社会の実現に向けた新たな法令・規制の導入や強化がなされた場合等には、当社グループの所有する通信ネットワークや情報システム設備に係る費用の負担が増加するなど、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの気候変動に関する取り組みや開示が不十分と判断された場合や、顧客、従業員、サプライヤー、投資家、地域社会、国・行政機関等からの理解が十分に得られなかった場合、事業運営に支障を来す可能性があります。
(注1) ソフトバンク㈱単体のScope1(自らによる温室効果ガスの直接排出)とScope2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)が対象
(注2) Scope1、Scope2に加え、Scope3(事業者の活動に関連する他社の排出)が対象
(注3) 当社は、「カーボンニュートラル2030」および「ネットゼロ」の宣言対象範囲を、これまでのソフトバンク㈱単体から当社グループに拡大することを2023年6月に発表
(2) 法令・コンプライアンスに関するリスク
a. 法令・規制・制度などについて
当社グループは、電気通信事業法、電波法、金融、電力、デジタルプラットフォームなどの事業固有の法令はもとより、企業活動に関わる各種法令・規制・制度(環境、公正な競争・取引の透明性、消費者保護、個人情報・プライバシー保護、贈収賄禁止、労務、知的財産権、租税、為替、輸出入に関するものを含みますが、これらに限りません。)の規制を受けています。また、事業を営むために必要な許認可等の多くには、さまざまな条件が付されることがあり、その遵守が求められます。
当社グループ(役職員を含みます。)がこれらの法令・規制・制度などに違反する行為を行った場合、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政指導や行政処分(登録・免許の取消や罰金を含みますが、これらに限りません。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。当社グループは、法務部門主導で、各種法令および法令に基づくガイドラインの改正のモニタリングを行うとともに、改正がある場合には必要に応じて業務の運用方法の変更などの対策を講じているほか、必要に応じて弁護士等の外部専門家への相談を行っていますが、すべての違反行為を未然に防ぐことは困難な場合があります。その結果、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭を含む経営資源に係る負担の発生等により、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、当連結会計年度末現在において、これらの免許および登録の取消事由および更新拒否事由は存在していません。
また、当社グループは、各子会社・関連会社からの報告体制の整備やコミュニケーション強化、リスクアセスメント等による子会社・関連会社のリスク把握に努めていますが、不正等を未然に防止することができなかった場合には、当社グループの信用の毀損、当社グループのサービスへの需要の減少等により、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、将来、当社グループの事業に不利な影響を与え得る法令・規制・制度の導入や改正が実施される可能性があります。当社グループの展開する移動通信事業は、無線周波数の割当てを政府機関より受けており、政府の意向による直接的・間接的な影響を受けやすい事業です。今後、当社グループの事業に不利な影響を与え得る法令・規制・制度が導入されるかどうか、および、その導入による当社グループ事業への影響を正確に予測することは困難ですが、仮に導入された場合には、当社グループが顧客に提供できるサービス・商品および料金プラン等が実質的な制約を受け、収入の減少や金銭的負担の発生・増加が起きることにより、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
b. 訴訟などについて
当社グループは、事業活動を行うにあたり、適用のある法令・規則・制度や契約書等に記載されている契約条件を確認し、これに違反することのないよう十分留意していますが、顧客、取引先、株主(子会社・関連会社・投資先の株主を含みます。)および従業員等を含む第三者の権利(知的財産権を含みます。)および法的に保護されている利益を侵害した場合、権利侵害の差止め、損害賠償、対価等の請求を受け、または行政機関による調査等の対象となる可能性があります。その結果、当社グループの企業イメージが低下する可能性があるほか、サービス・商品および事業上の慣行について変更を余儀なくされたり、金銭を含む経営資源に係る負担の発生等により、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 財務・経理に関するリスク
a. 資金調達について
当社グループは、銀行借入や社債発行、債権流動化、リース等による資金調達を行っています。よって、金利が上昇した場合、または当社および子会社の信用力が低下した場合、これらの調達コストが増加し、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、財務部門長が主導し、資金調達手段(銀行借入や社債発行、債権流動化による借入、リースを含みますが、これらに限りません。)の多様化等を通じて十分な資金および融資枠を保持する財務基盤を構築するとともに、手元流動性を考慮しつつ、資金調達のコントロールを行っていますが、金融市場の環境によっては、資金調達が当社グループの想定通り行えず、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの金融機関からの借入に際しては財務制限条項が付帯されています。内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 23.有利子負債」をご参照ください。
当社グループでは、財務制限条項に抵触しないよう、財務部門において各事業部門の事業計画を横断的にモニタリングするとともに、債務保証や貸付等の財務制限条項に抵触する可能性のある取引の実行は、財務部門の事前の承認があることを前提条件としています。これらの対応策にもかかわらず、財務制限条項を遵守することができない場合、当社グループは期限の利益を失い、借入金の一部または全額の返済を求められ、または新規借入が制限される可能性があります。
b. 会計制度・税制の変更などについて
当社グループでは、研修などを通じて従業員に会計制度や税制の変更などについて周知徹底するとともに、必要に応じて顧問税理士等の外部専門家への相談を行っていますが、会計基準や税制が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
c. 減損損失について
当社グループは、事業を遂行する過程で、資金をさまざまな資産に投資します。その結果、例えば、通信ネットワークの構築に必要な無線設備、交換機、鉄塔、アンテナ、その他ネットワーク機器、建物、備品などの有形固定資産や、ソフトウエア、商標利用権、周波数関連費用、のれんなどの無形資産、他社との業務提携や合弁会社設立にあたり出資した関連会社株式等の金融資産を含む資産を保有しています。
当社グループではこれらの資産につき定期的にモニタリングする体制を構築し、IFRSに基づき、適切に減損の判定を実施していますが、その結果、投資金額を回収するのに十分な将来の経済的便益が見込めないと判断した場合には、減損損失が発生し、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を与える可能性があります。また、当該判断には当社グループによる見積りの要素が大きく、また減損損失の発生時期および金額を正確に予測することはできません。
(4) 上記以外に、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項
a. 経営陣について
当社グループの重要な経営陣に不測の事態が発生した場合に備え、他の役員による職務の代行が可能な体制を構築していますが、代行が十分に機能しない場合、当社グループの事業に支障が生じる可能性があります。
b. 親会社との関係について
(a) 親会社が株主総会の決議事項に関する支配権または重大な影響力を有することについて
当社の親会社であるソフトバンクグループ㈱は、当連結会計年度末において、当社の議決権のうち40.47%(注)をソフトバンクグループジャパン㈱およびムーンライトファイナンス合同会社を介して実質保有しています。ソフトバンクグループ㈱の当社株式の所有割合および当社に対する議決権保有割合は、当社による自己株式の取得や新株予約権の保有者による行使などの状況により変動しますが、ソフトバンクグループ㈱は、株主総会の特別決議を要する事項(例えば、吸収合併、事業譲渡、定款変更等を含みますが、これらに限りません。)および普通決議を必要とする事項(例えば、取締役の選解任、剰余金の処分や配当等を含みますが、これらに限りません。)に関して、その時々の議決権保有割合に応じて特別決議を要する事項についての拒否権を含む重大な影響力を有することになります。当社は、独立社外取締役のみで構成される特別委員会ならびに、独立社外取締役およびCEOで構成され独立社外取締役が議長を務める指名委員会および報酬委員会の3つの委員会を任意に設けることで独立性の担保を図っています。しかし、それでもなお株主総会の承認を必要とする事項に関し、ソフトバンクグループ㈱が影響を及ぼす可能性があります。なお、事前承認事項等はありません。
また、ソフトバンクグループ㈱との良好な関係は当社グループの事業の核であり、何らかの理由により関係が現実に悪化した場合または悪化したと受け取られた場合には、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社とソフトバンクグループ㈱との間の主な関係等についての詳細は、下記「(b) 役員の兼任について」から「(e) ソフトバンクグループとの取引関係について」に記載の通りです。
(注) 自己株式を控除して計算
(b) 役員の兼任について
当社の取締役のうち、孫正義氏、宮内謙氏の2名がソフトバンクグループ㈱の役員を兼任しています。孫氏は、親会社であるソフトバンクグループ㈱の代表取締役会長兼社長執行役員を兼任しています。これは、孫氏がソフトバンクグループを率いてきた豊富な実績と経験が、当社取締役会の機能強化に資すると考えているためです。宮内氏は、ソフトバンクグループ㈱の取締役を兼任しており、これは、当社の既存事業および新規事業と親和性が高い同社における知見を当社の経営に生かすことを目的としています。
また、当社の監査役のうち、君和田和子氏はソフトバンクグループ㈱の常務執行役員を兼任しています。これは当社の監査体制強化を目的とするものです。
(c) 従業員の出向および兼任について
ソフトバンクグループでは、業務の効率性、事業上の必要性、人材育成および各職員の将来像を踏まえたキャリアパス形成の観点から、積極的なグループ内での人材交流が行われており、当社においてもソフトバンクグループ㈱を含めたグループ内他社から出向社員を受け入れています。
ただし、この場合には業務分掌を受けた組織体の責任者であるライン長(各組織体における組織長)以上については、親会社からの独立性および経営の安定性の観点から、グループ内他社との兼務はしない方針です。また、ソフトバンクグループ㈱との間の出向については、当社の事業上必要と判断するものを除きライン長以外の社員の兼務も解消しています。
当社からソフトバンクグループ㈱を含めたグループ内他社への出向については、当社の事業上必要と判断するもののみ実施しており、その範囲において、今後も継続する方針です。
(d) ソフトバンクグループ内の他社との競合について
現在当社グループの方針決定および事業展開の決定については、当社グループ独自に決定しており、また、ソフトバンクグループ内の他社との競合関係はありません。しかし、ソフトバンクグループ㈱およびその子会社は世界中でさまざまな事業の運営に関わっており、また、新たな事業や投資の検討を日々行っていることから、今後、当社グループは投資機会の追求にあたりグループ内他社と競合する可能性があります。当社グループとしては、それらの会社との連携を検討するなどの対応を行っていきますが、当社グループの事業に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
(e) ソフトバンクグループとの取引関係について
当社グループは、ソフトバンクグループ内の各社と取引を行っています。
当社は、独立性の観点を踏まえ、ソフトバンクグループ㈱も含めた関連当事者との取引について「関連当事者規程」および「関連当事者取引管理マニュアル」を定めており、特に重要な取引については、これらの規程やマニュアルに基づき、その取引が当社グループの経営上合理的なものであるか、取引条件が外部取引と比較して適正であるかなどの観点から、都度取締役会の承認を得ることとしています。
当連結会計年度における経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りです。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
a.事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況
(a) 事業全体の状況
ⅰ.経営環境と当社グループの取り組み
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業を手がけ、「世界に最も必要とされる会社」になるというビジョンを掲げ企業価値の最大化に取り組んでいます。また、当社グループは、事業を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献すべく、取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)(注1)を特定しています。2023年3月期においては、新型コロナウイルスの感染拡大はようやく峠を越えましたが、国家間の対立に端を発する原油価格やさまざまな商品価格の高騰に不安定なサプライチェーンや円安が重なり、現実のものとなったインフレーションは景気の下押し圧力となりました。通信業界においては、加えて通信料の値下げの影響が本格化し、非常に厳しい事業環境となりました。しかしながら、コロナ禍に加速した社会のデジタル化の流れは途切れることなく、5G(第5世代移動通信システム)などの社会インフラを提供する当社グループの果たすべき役割はますます重要性を増したと認識しています。
2020年8月、新型コロナウイルス感染症の拡大により事業環境の大きな変化を迎えていたなか、当社グループは2023年3月期に営業利益1兆円を達成するという中期的な目標を発表しました。通信料の値下げによる影響はあったものの、PayPay㈱の子会社化に伴う段階取得に係る差益の計上もあり、この目標を達成することができました。
2023年5月、3ヵ年の中期経営計画とともに、長期的に「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を目指すことを発表しました。これは、AIの加速度的な進化により急増すると予見されるデータ処理や電力の需要に対応できる構造を持ったインフラを構築し、未来の多様なデジタルサービスを支える不可欠な存在となることを意図しています。中期経営計画では、この実現に向けた事業基盤の再構築を実行していきます。成長戦略「Beyond Carrier」を推進することにより、通信料の値下げの影響からの回復に取り組み、この中期経営計画期間の最終年度である2026年3月期に、親会社の所有者に帰属する純利益において過去最高益の達成を目指します。成長戦略「Beyond Carrier」は、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的にグループの事業を拡大することで、企業価値の最大化を目指すものです。また、通信事業とそれらのグループ事業との連携を強化することを通じて、通信事業の競争力を強化するとともに、グループ事業のサービス利用者数の拡大やユーザーエンゲージメントの向上などのシナジーの創出を推進します。

<通信>
国内の通信業界においては、競争促進政策の強化や異業種からの新規参入などによって経営環境が大きく変化し、消費者からはより低廉で多様な料金やサービスを求める動きが高まっています。当社グループは、異なる特長を持つ複数のブランドにより、お客さまの多様なニーズに対応するマルチブランド戦略を推進しています。具体的には、最新のスマートフォン・携帯端末や大容量データプランを求めるお客さまに高付加価値サービス等を提供する「SoftBank」ブランド、月々の通信料を抑えることを重視するお客さまにスマートフォン向けサービス等を提供する「Y!mobile」ブランド、生活シーンの変化などによりオンラインで完結するサービスへのニーズが高まったことに対応したオンライン専用の「LINEMO」ブランド等を提供しています。
当期においては、新料金プランを巡る競合他社との競争が続く中、特に「Y!mobile」ブランドが好調に推移し、当期末のスマートフォン契約数は前期末比で168万件増加しました。ブロードバンドサービスにおいても家庭向け高速インターネット接続サービスである「SoftBank 光」の契約数が堅調に伸びており、この「SoftBank 光」契約数は前期末比で26万件増加しました。また、2022年11月より、「SoftBank」ブランドの新料金プランとして、5~22歳で新たにスマートフォンを使用されるお客さまや、フィーチャーフォンからの機種変更またはのりかえ(携帯電話番号ポータビリティ(MNP)/番号移行)、「スマホデビュープラン」に加入中のお客さまを対象に、4GBと20GBの2つのデータ容量から選ぶことができる「スマホデビュープラン+(プラス)」の提供を開始しました。
企業および産業のデジタル化の需要の高まりを背景に法人向けビジネスは順調に推移し、当期のソリューション等売上は前期比325億円(15.0%)増加しました。2023年3月より、企業や自治体などのさまざまなニーズに合わせて、ネットワークスライシング(注2)を活用した5Gネットワークを提供する「プライベート5G(共有型)」を開始しました。「プライベート5G(共有型)」の提供を通じ、工場やビルなどの設備を制御するシステムと情報技術システムを連携させ1つのネットワークに集約させることで、産業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していきます。
<非通信の拡大>
当社グループは、基幹事業である通信事業の持続的な成長を図りながら、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」といったインターネットサービスや、キャッシュレス決済サービス「PayPay」などのAI・IoT・FinTechを含む最先端テクノロジーを活用したビジネスの展開を通じ、引き続き通信以外の領域の拡大を目指します。
また、先端技術を保有する企業やソリューションの提供を行う企業との連携にも取り組んでおり、具体的にはパートナーである各企業と合弁会社を設立し、非通信の拡大を推進しています。
Zホールディングスグループ
2023年2月、Zホールディングス㈱は、よりプロダクトファーストの組織体制とし、Zホールディングス㈱とLINE㈱の経営統合によるシナジーの拡大を加速させるため、Zホールディングス㈱、LINE㈱、ヤフー㈱の3社を中心としたグループ内再編を実施する方針を決議しました。グループ内再編の完了時期(効力発生日)は2023年10月1日(予定)です。これにより、プロダクトにおいてはより迅速な意思決定の下、各サービスの連携強化と統廃合を推進してZホールディングスグループの全サービスの付加価値の向上を目指します。
Zホールディングス㈱は代表取締役の異動について決議をし、2023年4月より、川邊健太郎が代表取締役会長、出澤剛が代表取締役社長 CEO、慎ジュンホが代表取締役 GCPO (グループ・チーフ・プロダクト・オフィサー)に就任しました。また、Zホールディングスグループにおけるシナジー創出、および経営戦略の策定・意思決定・実行の迅速化を図るべく、新たに「CGSO (チーフ・グループ・シナジー・オフィサー)」および「CSO (チーフ・ストラテジー・オフィサー)」を新設・任命しました。
シナジー創出を加速する取り組みの一例として、2023年3月から「LYP(エルワイピー)マイレージ」の提供を開始しました。ユーザーが対象商品を、オフラインでは対象店舗にて「PayPay」の決済で、オンラインでは「Yahoo!ショッピング」の対象ストアで購入し、商品ごとに設定された条件の購入金額を達成すると、PayPayポイント付与などの特典が受けられます。「LYPマイレージ」に参加するメーカーなどの企業は、ユーザーのオフラインとオンライン双方での購買データを活用した継続的かつ効果的な販促が可能となり、販促コストの低減、LTV(顧客生涯価値)の最大化や顧客ロイヤリティの向上につながります。
PayPay㈱
2022年10月1日付で当社およびZホールディングス㈱の子会社となったPayPay㈱が運営する「PayPay」の登録ユーザー数(注3)は、2018年10月にサービス提供を開始してから4年4カ月という短期間で5,500万人を突破し、2023年3月末では5,664万人となりました。当期における「PayPay」の決済回数(注4)は前期比約1.4倍となる51.4億回を超え、決済取扱高(注5)は前期比約1.5倍となる7.9兆円となり、いずれも順調に増加しました。また、PayPayカード㈱を含む連結ベースでの決済取扱高(注4,5)は前期比約1.3倍となる10.2兆円となりました。
PayPay㈱は2023年2月より「PayPay」アプリ上で「PayPay」の加盟店が発行するチラシを閲覧できるサービス「PayPayチラシ」の提供を開始しました。ユーザーは自宅や職場周辺など最大4つのエリアを登録することで、店舗から簡単に情報を取得できます。加盟店は、ユーザーに対し手軽に情報を訴求することができることに加え、チラシを配信した期間に「PayPay」決済がどれだけあったかなど、紙のチラシと比較して効果測定が行いやすくなり、マーケティングの効率化に向けたデータ分析が可能になります。
<経営環境に関する認識>
当社グループが認識している主な外部環境要因および対応は以下の通りです。
(注1) マテリアリティ(重要課題)の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティ全般 c.戦略及び指標及び目標 ⅱ.マテリアリティ(重要課題)」をご参照ください。
(注2) ネットワークスライシングとは、ネットワークを仮想化してリソースを分割し、用途や目的(高速大容量、低遅延など)に適合したサービスを提供する技術のことです。
(注3) PayPayのアカウント登録済みのユーザー数です。
(注4) ユーザー間での「PayPay残高」の「送る・受け取る」機能の利用は含みません。2022年3月期第4四半期以降は「Alipay」、「LINE Pay」等経由の決済を含みます。2022年2月より提供開始した「PayPayあと払い」による決済を含みます。
(注5) 2022年3月期に遡って、PayPay㈱とPayPayカード㈱の取扱高を合算し、両社の内部取引を消去した数値です。
(注6) 金利スワップ取引により、支払利息の固定化を行った一部の変動金利の借入金を含みます。
(注7) 当社および主な子会社における2022年3月期の電気使用量2,117,259MWhに基づいた試算です。
ⅱ.連結経営成績の概況
(注) 2022年12月31日に終了した3カ月間より、共通支配下の取引について、簿価引継法から取得法に基づいて会計処理する方法へと変更しました。これに伴い、2022年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。
(注1) 調整後EBITDAの算定方法は、「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
当期の連結経営成績の概況は、以下の通りです。
(ⅰ) 売上高
当期の売上高は全セグメントで増収となり、前期比2,214億円(3.9%)増の59,120億円となりました。流通事業はICT(情報通信技術)関連の商材およびサブスクリプションサービスの堅調な増加などにより895億円、金融事業はPayPay㈱の子会社化などにより748億円、ヤフー・LINE事業はコマース売上の増収に加えLINE㈱のアカウント広告やヤフー㈱の検索広告の売上の増加などにより402億円、法人事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより346億円、コンシューマ事業が4億円、それぞれ増収となりました。コンシューマ事業の増収は、物販等売上の減少や通信料の値下げの影響などによりモバイル売上が減少した一方で、電力市場での取引量の増加および価格の上昇などによりでんき売上が増加したことによるものです。
(ⅱ) 営業利益
当期の営業利益は、前期比946億円(9.8%)増の10,602億円となりました。これは主として、PayPay㈱の子会社化に伴い段階取得に係る差益2,948億円を計上したこと、および法人事業において66億円増益したことによるものです。一方で、コンシューマ事業は通信料の値下げの影響などにより1,770億円、金融事業はPayPay㈱の子会社化などにより268億円、それぞれ減益となりました。
(ⅲ) 純利益
当期の純利益は、前期比787億円(13.7%)増の6,541億円となりました。これは主として、金融費用が増加し、また持分法による投資の減損損失を計上したものの、PayPay㈱の子会社化に伴い段階取得に係る差益の計上などで営業利益および税引前利益が増加したこと、さらに通信料の値下げの影響などによる課税所得の減少に伴い法人所得税が減少したことによるものです。
(ⅳ) 親会社の所有者に帰属する純利益
当期の親会社の所有者に帰属する純利益は、前期比143億円(2.8%)増の5,314億円となりました。なお、非支配持分に帰属する純利益は、前期比644億円(110.4%)増の1,228億円となりました。これは主として、ZホールディングスグループにおいてもPayPay㈱の子会社化に伴う段階取得に係る差益1,474億円を計上したことによるものです。
(ⅴ) 調整後EBITDA
当期の調整後EBITDAは、前期比1,754億円(10.1%)減の15,664億円となりました。これは主として、PayPay㈱の子会社化に伴う段階取得に係る差益を除いた営業利益が前期比で減少したことによるものです。当社グループは、非現金取引の影響を除いた調整後EBITDAを、当社グループの業績を評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
ⅲ.主要事業データ
モバイルサービス
コンシューマ事業と法人事業において営んでいるモバイル契約の合計です。モバイルサービスの各事業データには、「SoftBank」ブランド、「Y!mobile」ブランド、「LINEMO」ブランド、「LINEモバイル」ブランドが含まれます。
(単位:千件)
(単位:千件)
(注) 主要回線の契約数に、2017年7月よりサービス開始した「おうちのでんわ」の契約数を含めて開示しています。
ARPUおよび解約率は、同サービスを除いて算出・開示しています。
ブロードバンドサービス
コンシューマ事業において提供している、家庭向けの高速インターネット接続サービスです。
(単位:千件)
<主要事業データの定義および算出方法>
モバイルサービス
主要回線:スマートフォン、従来型携帯電話、タブレット、モバイルデータ通信端末、「おうちのでん
わ」など
* 「LINEモバイル」は、2021年3月31日をもって、新規受付を終了しました。
通信モジュール等:通信モジュール、みまもりケータイ、プリペイド式携帯電話など
* PHS回線を利用した通信モジュールは、「PHS」に含まれます。
解約率:月間平均解約率(小数点第3位を四捨五入して開示)
(算出方法)
解約率=解約数÷稼働契約数
* 解約数:当該期間における解約総数。携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度を利用して
「SoftBank」、「Y!mobile」、「LINEMO」、「LINEモバイル」の間で乗り換えが行われ
る際の解約は含まれません。
* 解約率(スマートフォン):主要回線のうち、スマートフォンの解約率です。
* 稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数 ((月初累計契約数 + 月末累計契約数)÷2)の合計値
ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入(10円未満を四捨五入して開示)
(算出方法)
総合ARPU=(データ関連収入 + 基本料・音声関連収入 + 端末保証サービス収入、コンテンツ関連
収入、広告収入など)÷ 稼働契約数
* データ関連収入:パケット通信料・定額料、インターネット接続基本料など
* 基本料・音声関連収入:基本使用料、通話料、着信料収入など
割引ARPU=月月割ARPU+固定セット割ARPU(「おうち割 光セット」、「光おトク割」など)
ブロードバンドサービス
「SoftBank 光」:東日本電信電話㈱(以下「NTT東日本」)および西日本電信電話㈱(以下「NTT西日本」)の
光アクセス回線の卸売りを利用した光回線サービスとISP(Internet Service Provider)
サービスを統合したサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了してい
る回線数です。「SoftBank Air」契約数を含みます。
「Yahoo! BB 光 with フレッツ」:NTT東日本およびNTT西日本の光アクセス回線「フレッツ光シリーズ」
とセットで提供するISPサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了し、サ
ービスを提供しているユーザー数です。
「Yahoo! BB ADSL」:ADSL回線サービスとISPサービスを統合したサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において、ADSL回線の接続工事が完了し
ている回線数です。
なお、「ⅲ.主要事業データ」の「増減」の算定に際し、四捨五入前の数値をもとに算定しているた
め、「ⅲ.主要事業データ」記載の四捨五入後の数値の増減とは一致しないことがあります。
(b) セグメント情報に記載された区分ごとの状況
ⅰ.コンシューマ事業
<事業概要>
コンシューマ事業では、主として国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
コンシューマ事業の売上高は、前期比4億円(0.0%)増の28,831億円となりました。そのうち、サービス売上は、前期比515億円(2.3%)増加し23,033億円となり、物販等売上は、前期比511億円(8.1%)減少し5,798億円となりました。
サービス売上のうち、モバイルは前期比945億円(5.9%)減少しました。これは、スマートフォン契約数が「Y!mobile」ブランドを中心に伸びた一方で、通信料の値下げにより平均単価が減少したこと、および売上から控除される顧客獲得施策の影響などによるものです。通信料の値下げによる平均単価の減少は、主に「SoftBank」ブランド・「Y!mobile」ブランドにおける新料金プラン導入の影響、および「SoftBank」ブランドから「Y!mobile」ブランド・「LINEMO」ブランドへの移行が進んだことによるものです。
ブロードバンドは、前期比78億円(1.9%)減少しました。これは、光回線サービス「SoftBank 光」契約数が増加した一方で、キャンペーン施策により平均単価が減少したことなどによるものです。
でんきは、前期比1,539億円(64.4%)増加しました。これは主として、電力市場での取引量の増加および価格の上昇などによるものです。
物販等売上の減少は、機種変更数の減少に伴い端末販売台数が減少したことなどによるものです。
営業費用は24,207億円となり、前期比で1,774億円(7.9%)増加しました。これは主として、上記の端末販売台数の減少に伴い商品原価が減少した一方で、でんきに係る仕入原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前期比1,770億円(27.7%)減の4,624億円となりました。
ⅱ.法人事業
<事業概要>
法人事業では、法人のお客さまに対し、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等のソリューション等サービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
法人事業の売上高は、前期比346億円(4.8%)増の7,503億円となりました。そのうち、モバイルは前期比68億円(2.2%)増の3,200億円、固定は前期比46億円(2.5%)減の1,821億円、ソリューション等は前期比325億円(15.0%)増の2,482億円となりました。
モバイル売上の増加は、主として、通信売上の増加によるものです。
固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。
ソリューション等売上の増加は、企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドサービスおよびセキュリティソリューションの売上が増加したことなどによるものです。
営業費用は6,152億円となり、前期比で280億円(4.8%)増加しました。これは主として、ヘルスケアテクノロジーズ㈱の子会社化に伴い段階取得に係る差益を計上したことによる営業費用の減少があった一方で、上記ソリューション等の売上の増加に伴い原価が増加したこと、訴訟に係る引当金を計上したことや、前期において一時的な費用の戻し入れがあったことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前期比66億円(5.2%)増の1,351億円となりました。
ⅲ.流通事業
<事業概要>
流通事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
流通事業の売上高は、前期比895億円(17.9%)増の5,900億円となりました。これは主として、ICT(情報通信技術)関連の商材および注力しているクラウド、SaaSなどのサブスクリプションサービスが堅調に伸びたことによるものです。
営業費用は5,658億円となり、前期比で881億円(18.4%)増加しました。これは主として、売上高の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前期比14億円(6.0%)増の243億円となりました。
ⅳ.ヤフー・LINE事業
<事業概要>
ヤフー・LINE事業は、メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、インターネット上や「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのeコマースサービスや「ヤフオク!」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTechサービス等の提供を行っています。
<業績全般>
(注) 当社は、2022年12月31日に終了した3カ月間より、共通支配下の取引について、簿価引継法から取得法に基づいて会計処理する方法へと変更しました。また、当社は、2022年12月31日に終了した3カ月間より、報告セグメントに「金融」を追加したことに伴い、各報告セグメントを構成する会社を見直しました。これらに伴い、ヤフー・LINE事業の2022年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。
(注1) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(注1) 2023年3月31日に終了した1年間において、Zホールディングスグループでは、事業の管理区分を見直し、一部のサービスについて区分を移管しました。これに伴い、2022年3月31日に終了した1年間のヤフー・LINE事業の売上高のうち、「メディア」、「戦略」および「その他」の内訳を修正再表示しています。
(注2) 当社は、2022年12月31日に終了した3カ月間より、報告セグメントに「金融」を追加したことに伴い、各報告セグメントを構成する会社を見直しました。これに伴い、ヤフー・LINE事業の2022年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。
ヤフー・LINE事業の売上高は、前期比402億円(2.6%)増の15,617億円となりました。そのうち、メディアは前期比5億円(0.1%)減の6,339億円、コマースは前期比255億円(3.2%)増の8,346億円、戦略は前期比155億円(24.5%)増の785億円、その他は前期比2億円(1.5%)減の146億円となりました。
メディア売上は前期比で微減ですが、主として、「LINE公式アカウント」における大手顧客の配信メッセージ数増加や、中小加盟店の有償アカウント数増加によりアカウント広告の売上が増加したことや、ヤフー㈱の検索広告の売上が増加したものの、ディスプレイ広告が市況悪化の影響などを受け減収となったことによるものです。
コマース売上の増加は、主として、アスクルグループ(アスクル㈱および子会社)やZOZOグループ(㈱ZOZOおよび子会社)における取扱高の増加や、経済活動の再開に伴い旅行関連の売上が増加したことによるものです。
戦略売上の増加は、主として、FinTech領域の売上が増加したことによるものです。
営業費用は14,019億円となり、前期比で399億円(2.9%)増加しました。これは主として、アスクルグループおよびLINEグループ(LINE㈱および子会社)の売上原価の増加やLINEグループにおける人員増加に伴う人件費の増加などによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前期比3億円(0.2%)増の1,597億円となりました。
ⅴ.金融事業
<事業概要>
金融事業では、QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、あと払いや資産運用などの金融サービス、およびクレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービスなどを提供しています。
2022年10月1日付でPayPay㈱を子会社化したことに伴い、2022年12月31日に終了する3カ月間より報告セグメントに「金融」を追加しました。金融事業を構成する主な事業会社は、PayPay㈱、PayPayカード㈱、SBペイメントサービス㈱、PayPay証券㈱です。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
金融事業の売上高は、前期比748億円(110.8%)増の1,423億円となりました。これは主として、2022年10月1日付でPayPay㈱を子会社化したことによるものです。
営業費用は1,547億円となり、前期比で1,016億円(191.3%)増加しました。これは主として、上記PayPay㈱の子会社化の影響によるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前期比268億円減の△124億円となりました。
当社グループは、コンシューマ、法人、流通、ヤフー・LINE、金融の5つのセグメントと、それ以外の事業から構成されています。いずれも、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産の規模および受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。なお、当連結会計年度における販売の状況については以下の通りです。
(注) 1 金額は、外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高または振替高の合計です。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しています。
提出会社の第37期における基礎的電気通信役務損益明細表は以下の通りです。
基礎的電気通信役務損益明細表
(注)基礎的電気通信役務損益明細表は、電気通信事業会計規則第5条及び同附則第2項、第3項に基づき記載するものとなります。
(注) 2022年12月31日に終了した3カ月間より、共通支配下の取引について、簿価引継法から取得法に基づいて会計処理する方法へと変更しました。これに伴い、2022年3月31日時点の数値を遡及修正しています。
(注1) 設備投資は検収ベースでの記載です。
(注2) コンシューマ・法人事業の設備投資は、レンタル端末への投資額、他事業者との共用設備投資(他事業者負担額)およびIFRS第16号「リース」適用による影響は除きます。
(資産)
当期末の総資産は、前期末から15,847億円(12.1%)増加し、146,822億円となりました。これは主として、PayPay㈱等の子会社化に伴うのれんの増加5,697億円、現金及び現金同等物の増加5,124億円、その他の金融資産の増加2,933億円、営業債権及びその他の債権の増加2,608億円があったことによるものです。現金及び現金同等物の増加は、主として、PayPay㈱の子会社化によるものです。
(負債)
当期末の負債は、前期末から11,144億円(11.3%)増加し、109,991億円となりました。これは主として、PayPay㈱の子会社化に伴う営業債務及びその他の債務の増加8,548億円、有利子負債の増加1,350億円、銀行事業の預金の増加661億円があったことによるものです。有利子負債の増加は、主として、Zホールディングスグループにおいて各種の資金調達を実施したことによるものです。
(資本)
当期末の資本は、前期末から4,703億円(14.6%)増加し、36,831億円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は、2,643億円(13.5%)増加しました。これは主として、剰余金の配当による減少4,057億円があった一方、当期の純利益の計上による増加5,314億円、および主としてPayPay㈱の優先株式を公正価値で測定したことに伴うその他の包括利益累計額の増加1,231億円があったことによるものです。非支配持分は、2,060億円(16.5%)増加しました。これは主として、ZホールディングスグループにおいてPayPay㈱の子会社化に伴う段階取得に係る差益を計上したことなどによる純利益の増加1,228億円、および親会社の所有者に帰属する持分と同様の理由によるその他の包括利益累計額の増加670億円によるものです。
(設備投資)
当期の設備投資は、前期比1,413億円増の7,886億円となりました。これは主として、Zホールディングスグループの設備投資が増加したこと、および5Gへの投資が増加したことによるものです。
(注1) フリー・キャッシュ・フロー、割賦債権の流動化による影響、調整後フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
(注2) Zホールディングスグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フロー、役員への貸付などを除き、Aホールディングス㈱からの受取配当を含みます。なお、PayPay等にはAホールディングス㈱、Bホールディングス㈱、PayPay㈱、PayPayカード㈱を含みます。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、11,558億円の収入となりました。前期比では602億円収入が減少しており、これは主として、営業債権・債務などの必要運転資本、および法人所得税の支払額が減少したものの、調整後EBITDAや銀行事業の預金に係る収入が減少し、さらに銀行事業の貸付に係る支出が増加したことによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、1,548億円の支出となり、前期比では8,029億円支出が減少しました。これは主として、当期において、PayPay㈱を子会社化した際の現金及び現金同等物残高の受け入れに伴う収入が3,973億円あったこと、前期において、ヤフー㈱が締結したライセンス契約に伴い商標権などを1,785億円で取得したことや、LINE㈱(現Aホールディングス㈱)株式の併合による単元未満株式買い取り1,152億円などの支出があったことによるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、4,953億円の支出となりました。これは、銀行借入・リース・社債・債権流動化などの資金調達による収入が21,814億円あった一方で、借入金の約定弁済や配当金支払などの支出が26,767億円あったことによるものです。
d.現金及び現金同等物の期末残高
a.~c.の結果、当期における現金及び現金同等物の残高は、前期末比5,124億円増の20,592億円となりました。
e.調整後フリー・キャッシュ・フロー
当期の調整後フリー・キャッシュ・フローは、10,206億円の収入となりました。前期比では6,685億円増加しましたが、これは上記の通り、営業活動によるキャッシュ・フローおよび割賦債権の流動化による収入が減少した一方で、投資活動によるキャッシュ・フローの支出の減少があったことによるものです。
当社の財務戦略については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営方針 d.財務戦略」をご参照ください。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
<各指標の計算方法>
親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分合計/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(※1)/キャッシュ・フロー(※2)
インタレスト・カバレッジ・レシオ:調整後EBITDA(※3)/支払利息(※4)
(※1) 有利子負債は連結財政状態計算書の流動負債と非流動負債の中の有利子負債の合計値を使用しています。
(※2) キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。
(※3) 算出方法は、「(4)<財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標 a.調整後EBITDA」をご参照ください。
(※4) 支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
(注) 上表の2022年3月31日時点の数値は、非支配株主が存在する中で行われた共通支配下の取引について、取得法に基づいて会計処理する方法に変更したことに伴い遡及修正しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.会計方針の変更 (2) 共通支配下の取引に関する会計方針の変更および過年度連結財務諸表の遡及適用に伴う影響」をご参照ください。
当社グループは、IFRSで定義されていないか、IFRSに基づき認識されない財務指標を使用しています。経営者は、当社グループの業績に対する理解を高め、現在の業績を評価する上での重要な指標として用いることを目的として、当該指標を使用しています。当該指標はIFRSでは定義されていないため、他社において当社グループとは異なる計算方法または異なる目的で用いられる可能性があります。そのため、比較可能性を担保する観点から、その有用性を制限しています。
a.調整後EBITDA
調整後EBITDAは、営業利益に「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および通常の事業活動では発生しない費用・収益である「その他の調整項目」を加減算したものです。「その他の調整項目」には、連結損益計算書に記載されている「その他の営業収益」および「その他の営業費用」が含まれています。
当社グループは、非現金取引の影響を除いた業績評価のための指標として調整後EBITDAを使用しています。調整後EBITDAは、当社グループの業績をより適切に評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益と調整後EBITDAの調整は、以下の通りです。
(単位:億円)
(注1) 上表の「減価償却費及び償却費」には、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 d. 連結キャッシュ・フロー計算書」に記載されている減価償却費及び償却費(2022年3月31日に終了した1年間7,453億円 2023年3月31日に終了した1年間7,642億円)に加えて、同計算書に記載されている固定資産除却損(2022年3月31日に終了した1年間192億円 2023年3月31日に終了した1年間309億円)が含まれています。
b.営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージン
営業利益マージンは営業利益を売上高で除して計算しています。調整後EBITDAマージンは上記a.調整後EBITDAを売上高で除して計算しています。
当社グループは、以下の業績指標を使用しています。
(a) 営業利益マージン
当社グループは、営業利益に対する影響を管理する指標として営業利益マージンを使用しています。
(b) 調整後EBITDAマージン
調整後EBITDAは上記の営業利益から減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)、株式報酬費用および「その他の調整項目」を加減算して算出されており、調整後EBITDAマージンは本業の経常的な収益性を理解するのに適した指標であると考えます。
当社グループは、上記指標が、当社グループの業績評価をより適切に行うために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージンの算定は以下の通りです。
(単位:億円)
(注) 当期より、調整後EBITDAの定義を見直し、株式報酬費用を加味することにしました。これに伴い、前期の数値を修正再表示しています。
c.フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算して計算される指標です。
調整後フリー・キャッシュ・フローは、フリー・キャッシュ・フローから端末の割賦債権流動化による資金調達額を加算し、当該返済額を減算して計算される指標です。当社グループは、調整後フリー・キャッシュ・フローが、当社グループの実質的な資金創出能力を示し、債務返済能力や事業への追加投資能力の評価を行うために有用な指標であると考えています。
財務活動によるキャッシュ・フローには、割賦債権の流動化による資金調達額および返済額が含まれています。当社グループでは、割賦債権は営業活動の中で発生するものであることから、当該債権の流動化によるキャッシュ・フローを、営業活動によるキャッシュ・フローに加減算したものが、当社グループの経常的な資金創出能力をより適切に表すと考えています。したがって、割賦債権流動化の資金調達額および返済額をフリー・キャッシュ・フローの調整項目として加減算することにより、調整後フリー・キャッシュ・フローを計算しています。
フリー・キャッシュ・フローと調整後フリー・キャッシュ・フローの調整項目および調整額は以下の通りです。
(単位:億円)
(注1) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)に関連するキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「有形固定資産及び無形資産の取得による支出」および「有形固定資産及び無形資産の売却による収入」の純額です。
(注2) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)に関連するキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「投資の取得による支出」、「投資の売却または償還による収入」、「銀行事業の有価証券の取得による支出」、「銀行事業の有価証券の売却または償還による収入」、「子会社の支配獲得による収支(△は支出)」および「その他」の純額です。
(注3) 割賦債権流動化取引:調達額および割賦債権流動化取引:返済額に関連するキャッシュ・フローは、主として連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる財務活動によるキャッシュ・フローの「短期有利子負債の純増減額(△は減少額)」、「有利子負債の収入」および「有利子負債の支出」に含まれています。なお、割賦債権流動化取引のうち、短期間で調達および返済を行う取引については純額表示しています。
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、当社グループにとって最適な会計方針を採用し、一定の前提条件に基づく見積りを行う必要があります。連結財政状態計算書上の資産および負債、連結損益計算書上の収益および費用、または開示対象となる偶発負債および偶発資産などに重要な影響を与える可能性がある項目に関して、経営者は、過去の経験や決算日時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき見積りを行っています。
以下の各項目は、その認識および測定にあたり、経営者の重要な判断および会計上の見積りを必要とするものです。
a.企業結合により取得した無形資産およびのれんの公正価値測定ならびに減損に係る見積り
企業結合により取得した無形資産およびのれんは、支配獲得日における公正価値で認識しています。企業結合時の取得対価の配分に際しては、経営者の判断および見積りが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。企業結合により識別した無形資産(顧客基盤や商標権など)およびのれんは、見積将来キャッシュ・フローや割引率、既存顧客の逓減率、対象商標権から生み出される将来売上予想やロイヤルティレート等の仮定に基づいて測定しています。企業結合により取得した無形資産およびのれんの取得価額は、当連結会計年度は6,438億円(前連結会計年度は49億円)です。
また、無形資産およびのれんの減損を判断する際に、資金生成単位の回収可能価額の見積りが必要となりますが、減損テストで用いる回収可能価額は、資産の耐用年数、資金生成単位により生じることが予想される見積将来キャッシュ・フロー、市場成長率見込、市場占有率見込および割引率等の仮定に基づいて測定しています。
これらの仮定は、経営者の最善の見積りによって決定されますが、将来の不確実な経済条件の変動により影響を受ける可能性があり、仮定の見直しが必要となった場合には連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
企業結合により取得した無形資産およびのれんの公正価値に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 (2) 企業結合」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6.企業結合」をご参照ください。無形資産およびのれんの減損に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 (11) 有形固定資産、使用権資産、無形資産およびのれんの減損」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 14.のれんおよび無形資産」をご参照ください。
b.有形固定資産および無形資産の残存価額・耐用年数の見積り
有形固定資産および無形資産は、当社グループの総資産に対する重要な構成要素です。見積りおよび仮定は、資産の帳簿価額および減価償却費または償却費に重要な影響を及ぼす可能性があります。
資産の減価償却費は、耐用年数の見積りおよび残存価額(有形固定資産の場合)を用いて算出されます。資産の耐用年数および残存価額は、資産を取得または創出した時点で見積りを行い、その後、各連結会計年度末に見直しを行います。資産の耐用年数および残存価額の変更は、連結財務諸表に対して重要な調整を必要とする可能性があります。経営者は、資産を取得または創出した時点ならびに見直し時に、同種資産に対する経験に基づき、予想される技術上の変化、除却時の見積費用、当該資産の利用可能見込期間、既存顧客の逓減率、当該資産から得られると見込まれる生産高またはこれに類似する単位数および資産の耐用年数に制約を与える契約上の取決めなどの関連する要素を勘案して、当該資産の耐用年数および残存価額を決定しています。有形固定資産の減価償却費は、当連結会計年度は2,955億円(前連結会計年度は2,474億円)であり、無形資産の償却費は、当連結会計年度は2,562億円(前連結会計年度は2,415億円)です。
有形固定資産および無形資産の帳簿価額・減価償却費または償却費に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 13.有形固定資産」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 14.のれんおよび無形資産」をご参照ください。有形固定資産および無形資産の残存価額・耐用年数の見積りに関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 (7) 有形固定資産、(9) 無形資産」をご参照ください。
c.金融商品の公正価値の測定方法
当社グループは、特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いています。観察可能ではないインプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。市場で観察可能ではないインプットを用いた金融資産の公正価値は、当連結会計年度末は3,246億円(前連結会計年度末は5,517億円)です。
金融商品の公正価値に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 29.金融商品の公正価値 (1) 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類、(2) レベル3に分類した金融商品の公正価値測定」をご参照ください。
d.契約獲得コストの償却期間の見積り
当社グループは、契約獲得コストについて、契約獲得コストに直接関連する財またはサービスが提供されると予想される期間(すなわち、契約獲得コストの償却期間)にわたって、定額法により償却しています。契約獲得コストの償却期間は、契約条件および過去の実績データなどに基づいた解約率や機種変更までの予想期間などの関連する要素を勘案して決定しています。契約獲得コストの償却期間の変更は、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。契約獲得コストに係る償却費は、当連結会計年度は2,335億円(前連結会計年度は2,010億円)です。
契約獲得コストに関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 (15) 収益 b.契約コスト」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.契約コスト」をご参照ください。
該当事項はありません。
(注) 1 帳簿価額の金額は、有形固定資産および無形固定資産の帳簿価額であり、そのうち建設仮勘定、商標権は含んでいません。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
資産が少額であるため記載を省略しています。
資産が少額であるため記載を省略しています。
(注) 2023年6月20日開催の定時株主総会において定款の一部変更が決議され、同日付で新たな種類の株式として第1回社債型種類株式ないし第5回社債型種類株式(以下「社債型種類株式」)を追加し、以下のとおりそれらに係る発行可能種類株式総数を規定しています。なお、普通株式の発行可能種類株式総数に変更はありません。
(注) 各種類の株式の「発行可能株式総数」の欄には定款に規定されている各種類の株式の発行可能種類株式
総数を記載し、計の欄には定款に規定されている発行可能株式総数を記載しています。
(注) 1 発行済株式のうち、684,172,870株は、現物出資(株式 426,239,698,010円)によるものです。
なお、その内訳として、507,975,940株は、2018年3月31日付 Wireless City Planning㈱株式の現物出資、176,196,930株は、2018年4月1日付 SBプレイヤーズ㈱、ソフトバンク・テクノロジー㈱(現SBテクノロジー㈱)およびSBメディアホールディングス㈱等の株式の現物出資に係るものです。
2 提出日現在の発行数には、2023年6月1日から本書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれていません。
当社は、新株予約権方式によるストックオプション制度を採用しています。
当該制度の内容は、次の通りです。
・2018年3月新株予約権(2018年3月6日および2018年3月27日取締役会決議)
(注) 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株です。
当社が当社普通株式の株式の分割または併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整するものとし、本新株予約権全体の目的である株式の総数もそれに従って調整される。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率
また、上記のほか、本新株予約権の付与株式数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で付与株式数の調整を行うことができるものとする。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
当社が株式分割、株式併合をするときは、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、時価を下回る価額で当社普通株式の発行または自己株式の処分をするときは、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式に係る発行済株式総数から当社普通株式に係る自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式に係る自己株式の処分をする場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。上記のほか、本新株予約権の行使価額の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で、行使価額は適切に調整されるものとする。
・2020年7月新株予約権(2020年6月24日取締役会決議)
(注) 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株です。
当社が当社普通株式の株式の分割または併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整するものとし、本新株予約権全体の目的である株式の総数もそれに従って調整される。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率
また、上記のほか、本新株予約権の付与株式数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で付与株式数の調整を行うことができるものとする。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
・2021年1月新株予約権(2020年12月21日取締役会決議)
(注) 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株です。
当社が当社普通株式の株式の分割または併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整するものとし、本新株予約権全体の目的である株式の総数もそれに従って調整される。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率
また、上記のほか、本新株予約権の付与株式数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で付与株式数の調整を行うことができるものとする。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
当社が株式分割、株式併合をするときは、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、時価を下回る価額で当社普通株式の発行または自己株式の処分をするときは、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式に係る発行済株式総数から当社普通株式に係る自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式に係る自己株式の処分をする場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。上記のほか、本新株予約権の行使価額の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で、行使価額は適切に調整されるものとする。
・2021年7月新株予約権(2021年6月22日取締役会決議)
(注) 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株です。
当社が本新株予約権の割当日後に当社普通株式の株式の分割または併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整するものとし、本新株予約権全体の目的である株式の総数もそれに従って調整される。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率
また、上記のほか、本新株予約権の割当日後に本新株予約権の付与株式数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で付与株式数の調整を行うことができるものとする。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
当社が本新株予約権の割当日後に株式分割、株式併合をするときは、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、時価を下回る価額で当社普通株式の発行または自己株式の処分をするときは、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式に係る発行済株式総数から当社普通株式に係る自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式に係る自己株式の処分をする場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。上記のほか、本新株予約権の行使価額の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で、行使価額は適切に調整されるものとする。
・2021年7月新株予約権_1円(2021年6月22日取締役会決議)
(注) 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株です。
当社が本新株予約権の割当日後に当社普通株式の株式の分割または併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整するものとし、本新株予約権全体の目的である株式の総数もそれに従って調整される。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率
また、上記のほか、本新株予約権の割当日後に本新株予約権の付与株式数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で付与株式数の調整を行うことができるものとする。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
・2022年7月新株予約権_1円(2022年6月23日取締役会決議)
(注) 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株です。
当社が本新株予約権の割当日後に当社普通株式の株式分割または併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整するものとし、本新株予約権全体の目的である株式の総数もそれに従って調整される。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率
また、上記のほか、本新株予約権の割当日後に本新株予約権の付与株式数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で付与株式数の調整を行うことができるものとする。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
・2023年7月新株予約権_1円(2023年6月20日取締役会決議)
※ 2023年6月20日開催の取締役会において決議した内容を記載しています
(注) 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株です。
当社が本新株予約権の割当日後に当社普通株式の株式分割または併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整するものとし、本新株予約権全体の目的である株式の総数もそれに従って調整される。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率
また、上記のほか、本新株予約権の割当日後に本新株予約権の付与株式数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で付与株式数の調整を行うことができるものとする。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない本新株予約権の付与株式数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
該当事項はありません。
(注) 1 ソフトバンクグループインターナショナル合同会社(現ソフトバンクグループジャパン㈱)を割当先とした現物出資を通じた有償第三者割当による新株発行(発行価格623円 資本組入額37.55円)によるものです。なお、当社と当該現物出資財産の給付をする者は、会社計算規則第14条第1項第2号イに定める共通支配下関係にあるため、現物出資財産の価格と増加する資本金および資本準備金の合計額は一致しません。
2 2023年4月1日から2023年5月31日までの間に新株予約権の行使により、発行済株式総数が1,683,100株、資本金が1,214百万円、資本準備金が1,214百万円増加しています。
(注) 自己株式55,596,343株は、「個人その他」に555,963単元、「単元未満株式の状況」に43株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1 上記の所有株式数のうち、日本マスタートラスト信託銀行㈱および㈱日本カストディ銀行の所有株式数には、信託業務に係る株式が含まれています。
2 2021年12月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーおよびその共同保有者が2021年12月15日時点で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況では考慮していません。なお、当該報告書の内容は以下の通りです。
(注)「注記4.会計方針の変更 (2) 共通支配下の取引に関する会計方針の変更および過年度連結財務諸表の遡及適用に伴う影響」に記載の通り、非支配株主が存在する中で行われた共通支配下の取引について、取得法に基づいて会計処理する方法に変更しています。当該会計方針の変更に伴い、連結財務諸表の遡及修正を行っています。
(注1) 2022年3月31日に終了した1年間および2023年3月31日に終了した1年間のソフトバンク㈱およびその子会社の純利益は、いずれも継続事業によるものです。
(注2) 「注記4.会計方針の変更 (2) 共通支配下の取引に関する会計方針の変更および過年度連結財務諸表の遡及適用に伴う影響」に記載の通り、非支配株主が存在する中で行われた共通支配下の取引について、取得法に基づいて会計処理する方法に変更しています。当該会計方針の変更に伴い、連結財務諸表の遡及修正を行っています。