日本通信株式会社
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回次 |
第23期 |
第24期 |
第25期 |
第26期 |
第27期 |
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決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
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売上高 |
(千円) |
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|
経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
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親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
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包括利益 |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△ |
△ |
△ |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(名) |
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〔ほか、平均臨時雇用者数〕 |
〔 |
〔 |
〔 |
〔 |
〔 |
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(注)1. 第25期以前の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載していません。
2. 第25期以前の自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載していません。
3. 第25期以前の株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載していません。
4. 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第26期の期首から適用しており、第26期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
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回次 |
第23期 |
第24期 |
第25期 |
第26期 |
第27期 |
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決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
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当期純利益又は当期純損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(内、1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△ |
△ |
△ |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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従業員数 |
(名) |
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〔ほか、平均臨時雇用者数〕 |
〔 |
〔 |
〔 |
〔 |
〔 |
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株主総利回り |
(%) |
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(比較指標:配当込みTOPIX) |
(%) |
( |
( |
( |
( |
( |
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最高株価 |
(円) |
249 |
273 |
287 |
276 |
254 |
|
最低株価 |
(円) |
98 |
103 |
150 |
160 |
172 |
(注)1. 1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載していません。
2. 第25期以前の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載していません。
3. 第25期以前の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載していません。
4. 第25期以前の株価収益率については、当期純損失であるため記載していません。
5. 最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものです。
6. 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第26期の期首から適用しており、第26期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
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年月 |
概要 |
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1996年5月 |
1996年5月24日、携帯電話の法人向けサービス・プロバイダーとして東京都千代田区に設立 |
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1996年10月 |
米国コロラド州に、技術開発のための子会社(Communication Computer Technologies Inc.(後にComputer and Communication Technologies Inc.に商号変更、以下、「CCT社」という))を設立(当社議決権比率100%、2019年6月にJCI US Inc.に統合) |
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1996年12月 |
電気通信事業法に基づく一般第二種電気通信事業者の届出(関電通第7504号) |
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1997年1月 |
法人向け携帯電話サービス(テレコム・サービス)を提供開始 |
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1997年9月 |
東京都品川区に本社移転 |
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2000年6月 |
「bモバイル(ビーモバイル)」の名称で、各種アプリケーションやコンテンツを携帯電話ブラウザで提供するアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)事業を開始 |
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2001年8月 |
DDIポケット株式会社(現 ソフトバンク株式会社、以下、「ソフトバンク」という)からPHSデータ通信のネットワークを調達し、世界初となるデータ通信MVNO(Mobile Virtual Network Operator)事業を開始 |
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2001年10月 |
「bモバイル・データ・サービス」の名称で法人向けモバイルデータ通信サービスを提供開始 |
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2001年12月 |
「bモバイル・プリペイド・サービス(現 bモバイル)」の名称でデータ通信カードと1年間のモバイルインターネット使用料をパッケージ化した商品をPC量販店等で提供開始 |
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2005年4月 |
大阪証券取引所ニッポン・ニュー・マーケット-「ヘラクレス」(現 東京証券取引所JASDAQ)(市場区分:グロース)に上場 |
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2006年3月 |
ネットワーク不正アクセス防御システムで優れた技術を持つArxceo Corporation(米国アラバマ州、以下、「Arxceo社」という)を買収(買収完了時当社議決権比率58%、2010年11月に同社を完全子会社化、2019年6月にJCI US Inc.に統合) |
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2006年4月 |
米国でMVNO事業を開始するため、子会社(Communications Security and Compliance Technologies Inc.(以下、「CSCT社」といい、2013年7月、Contour Networks Inc.(以下、「CNI社」という)に商号変更)を米国ジョージア州に設立(当社議決権比率100%、2019年6月にJCI US Inc.に統合) |
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2006年8月 |
ネットワーク・セキュリティに関するソリューションの開発・販売子会社(アレクセオ・ジャパン株式会社(現 コントゥアー・ネットワークス・ジャパン株式会社、以下、「CNJ社」という))を東京都品川区に設立(当社議決権比率100%) |
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2007年4月 |
CSCT社が、米国第6位(当時)の携帯電話事業者U.S. Cellular Corporation(米国イリノイ州)とMVNOサービスのための、第3世代携帯電話(以下、「3G」という)ネットワークとのレイヤー2による相互接続契約を締結 |
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2007年11月 |
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(現 株式会社NTTドコモ、以下、「ドコモ」という)との相互接続についての総務大臣裁定 |
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2008年6月 |
CSCT社(ブランド名:Contour Networks(コントゥアー・ネットワークス))がクレジットカード業界の情報セキュリティ基準「PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard、以下、「PCI DSS」という)(注1)」認定を取得 |
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2009年3月 |
ドコモとレイヤー2による3Gネットワークの相互接続に関する協定を締結 |
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2010年3月 |
CSCT社が、米国第3位(当時)の携帯電話事業者Sprint(米国カンザス州、現 T-Mobile)とMVNOサービスのための、3Gネットワークとのレイヤー2による相互接続契約を締結 |
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2010年4月 |
「b-mobile SIM(ビーモバイル・シム)」の名称でSIM製品(SIMカードによる3Gデータ通信サービス)の提供を開始 |
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2010年10月 |
大阪証券取引所「JASDAQ」市場(ヘラクレス、旧JASDAQ及びNEOの市場統合により新設)において、市場区分をスタンダードに移行 |
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2011年6月 |
イオンリテール株式会社との協業により、イオン限定のサービスとして、国内初の「月額定額980円」等のSIM製品の提供を開始(以降、他のイオングループ各社と協業を開始) |
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2012年2月 |
丸紅株式会社との合弁会社として、丸紅無線通信株式会社(現 丸紅ネットワークソリューションズ株式会社)を設立(法人直販データ通信サービス事業を同社に承継、2014年3月に当社が保有する同社の全株式を丸紅株式会社へ譲渡し、資本関係は解消) |
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2012年3月 |
ドコモとレイヤー2によるLTEネットワークの相互接続に関する協定を締結 |
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2012年7月 |
「VISITOR SIM」の名称で、訪日旅行者向けSIM製品の提供を開始 |
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2012年10月 |
東京都港区に本社移転 |
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2013年7月 |
無線専用線事業強化のため、CSCT社の商号を同社のブランド名に合わせてContour Networks Inc.に変更 CNI社が、日本においても無線専用線事業を展開するため、CNJ社を完全子会社とする |
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2013年7月 |
米国の事業統括会社として JCI US Inc.を米国コロラド州に設立(当社議決権比率100%) (CNI社、CCT社、Arxceo社は同社の完全子会社となる) |
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2014年5月 |
電気通信事業における受注・出荷・回線開通等のオペレーション業務を提供する子会社として、クルーシステム株式会社を東京都港区に設立(当社議決権比率100%) |
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2015年6月 |
東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から同取引所市場第一部へ市場変更 |
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2015年12月 |
ドコモ網を主回線、ソフトバンク網を副回線とすることで無線の信頼性を高めた「2SIMルータ」の提供を開始 |
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2016年1月 |
総務省によるMVNO規制緩和を受け、当社の役割をMSEnabler(モバイル・ソリューション・イネイブラー)として再定義する新事業戦略を発表 |
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2016年4月 |
ヨーロッパの携帯網を使用するMVNO事業を開始するため、JCI Europe Communications Limitedをアイルランドのダブリンに設立(当社議決権比率100%) |
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2017年1月 |
ソフトバンクと3G及びLTEネットワークの相互接続に関する協定を締結 |
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2018年1月 |
GMOペイメントゲートウェイ株式会社との協業により、タブレット端末を用いたクレジットカード情報非保持化支援サービスの提供を開始 |
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年月 |
概要 |
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2018年2月 |
株式会社エイチ・アイ・エスとの合弁会社として、H.I.S.Mobile株式会社を東京都新宿区に設立(当社議決権比率40%) |
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2018年5月 |
当社が開発したFinTechプラットフォーム「FPoS (FinTech Platform over SIM)」(以下、「FPoS」という)が、金融庁の「FinTech実証実験ハブ」の支援案件に決定(同年8月から10月までに当社を含む6社による実証実験を実施) |
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2018年11月 |
安全・安心なFinTechプラットフォームを運営する子会社として、my FinTech株式会社(以下、「my FinTech社」という)を東京都港区に設立(設立時当社議決権比率100%) |
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2018年12月 |
当社が「PCI DSS(注1)」認定を取得 |
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2018年12月 |
my FinTech社に日本エイ・ティー・エム株式会社(現 SocioFuture株式会社)が資本参加(当社議決権比率76.9%) |
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2019年1月 |
金融庁がFPoSの実証実験の結果を公表(当社のFPoSが金融庁の監督指針で求められているセキュリティ要件を充足することが認められる) |
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2019年3月 |
FPoSの基盤技術に関する特許(3件)を取得 |
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2019年4月 |
米国子会社の再編を行うため、JCI US Inc.の商号をContour Inc.に変更し、CNI社の商号をJCI US Inc.に変更 |
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2019年5月 |
JCI US Inc.(旧 CNI社)がFCC(米国連邦通信委員会)からCBRS(周波数免許不要の市民ブロードバンド無線サービス)の商用基地局に関する認可を取得 |
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2019年6月 |
米国子会社4社(JCI US Inc.(旧 CNI社)、Contour Inc.(旧 JCI US Inc.)、CCT社及びArxceo社)を1社(JCI US Inc.(旧 CNI社))に統合する子会社再編が完了 |
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2020年1月 |
FPoSが採用するサブSIM(貼るタイプのSIM)ソリューションの開発及び販売を推進する子会社としてセキュアID株式会社を東京都港区に設立(設立時当社議決権比率100%) |
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2020年6月 |
ドコモとの音声卸契約にかかる卸料金についての総務大臣裁定 |
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2020年7月 |
携帯電話サービス(音声及びデータ)を合理的な料金で提供する新ブランド「日本通信SIM」の第1弾として、「日本通信SIM 合理的かけほプラン」の名称で、通話定額とデータ通信をセットにしたSIM製品の提供を開始 |
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2020年7月 |
セキュアID株式会社にTaisys Technologies Co., Ltd.(台湾)が資本参加(当社議決権比率51%) |
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2021年5月 |
my FinTech社にデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社が資本参加(当社議決権比率74.6%) |
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2021年7月 |
群馬県北群馬郡吉岡町に吉岡オペレーションセンターを開設 |
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2021年7月 |
my FinTech社に株式会社クライムが資本参加(当社議決権比率71.1%) |
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2021年8月 |
my FinTech社が銀行法に基づく電子決済等代行業の登録(関東財務局長(電代)第88号) |
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2021年11月 |
my FinTech社がFPoSによる「my電子証明書」について電子署名法に基づく特定認証業務の認定を取得 |
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年月 |
概要 |
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2022年2月 |
ローカル5G向けSIMの提供を開始 |
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2022年4月 |
東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場へ移行 |
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2022年4月 |
日本通信SIMブランドにおいてeSIM(注2)の提供を開始 |
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2023年1月 |
「日本通信アプリ」をリリースし、日本通信SIMブランドにおいてマイナンバーカードを用いた公的個人認証サービスによる本人確認を開始 |
(注1)PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)とは、クレジットカード業界における情報保護の国際基準で、JCB、American Express、Discover、MasterCard及びVISAの世界大手カードブランド5社が共通して採用するグローバルセキュリティ基準です。
(注2)eSIMとは、通信サービスの利用に必要な加入者識別情報(プロファイル)を、スマートフォン等のeSIM対応端末にダウンロードして書き込むことができるSIMです。
*「bモバイル」、「無線専用線」、「VISITOR SIM」、「2SIMルータ」、「FPoS」及び「セキュアID」は当社の登録商標です。
当社グループ(当社並びに連結子会社6社及び持分法適用関連会社1社を指し、以下同様とする)は、携帯電話事業者のモバイル通信ネットワーク(注1)等を活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供する事業を営んでいます。
当社グループが提供しているモバイル・ソリューションには、モバイル専用線(注2)によるセキュアなネットワーク、マルチキャリアとの接続による冗長性を備えたデュアル・ネットワーク製品、ネットワークをEnd to Endで保守するための機器監視サービス、ローカル5G(注3)向けのSIMなどがあります。
(1) 当社グループが営む事業の種類及び概要(セグメント情報及び主要な関係会社との関連を含む)は、以下のとおりです。
① MVNO事業
携帯電話事業者のモバイル通信ネットワークを活用し、当社グループがMVNO(注4)としてモバイル通信サービスを提供する事業で、日本国内で展開しています。
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事業の種類 |
事業の概要 |
報告セグメント |
主要な関係会社 |
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SIM事業(MVNO) (販売ブランド:日本通信SIM、bモバイル等) |
日本国内において、主に個人(訪日旅行者や中小法人を含むものとし、以下同様とします)向けに、SIMを提供してモバイル通信サービスを提供する事業 (2001年12月個人向けサービスとして提供開始) |
日本事業 |
H.I.S.Mobile株式会社 |
② イネイブラー事業
携帯電話事業者のモバイル通信ネットワーク等を活用し、当社グループがイネイブラーとしてモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供する事業で、日本国内及び米国で展開しています。
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事業の種類 |
事業の概要 |
報告セグメント |
主要な関係会社 |
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(ⅰ)SIM事業 (MVNE(注5)) |
日本国内において、主に個人向けにMVNO事業を展開するパートナーに対して、各パートナーの要望に応じたモバイル通信サービスを提供する事業 (2014年11月サービス開始) |
日本事業 |
- |
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(ⅱ)MSP事業(日本) |
日本国内において、法人顧客またはMVNO、金融機関、決済代行業者、システムインテグレーター、メーカー等のパートナーに対して、各顧客またはパートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業 (2016年1月サービス開始) |
日本事業 |
- |
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(ⅲ)MSP事業(海外) |
米国において、金融機関等の法人顧客またはシステムインテグレーター等のパートナーに対して、各顧客またはパートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業 (2007年11月サービス開始) |
海外事業 |
JCI US Inc. |
(2) 当社グループの事業系統図(セグメント情報との関連を含む)は、以下のとおりです。
(3) 当社グループが営む事業の詳細は、以下のとおりです。
① MVNO事業
当社は日本国内において、携帯電話事業者(ドコモ及びソフトバンク)のモバイル通信ネットワーク(5G、4G及び3G通信網)を活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、MVNOとして、「日本通信SIM」及び「bモバイル(ビーモバイル)」のブランドで、主に個人向けにモバイル通信サービスを提供する事業を営んでいます。
MVNO事業は、SIMにインターネット接続サービス及び音声通話サービス等を組み合わせて提供する「SIM事業(MVNO)」として展開しており、顧客はSIMをスマートフォン等に搭載することで手軽にインターネットを利用することができます。
② イネイブラー事業
当社グループは日本国内及び米国において、携帯電話事業者(日本においてはドコモ及びソフトバンク、米国においてはVerizon Wireless及びT-Mobile(旧 Sprint Corporation))のモバイル通信ネットワーク(5G、4G及び3G通信網)等を活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、イネイブラーとして、主にパートナーや法人向けにモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供する事業を営んでいます。
当社グループが提供しているモバイル・ソリューションには、モバイル専用線によるセキュアなネットワーク、マルチキャリアとの接続による冗長性を備えたデュアル・ネットワーク製品、ネットワークをEnd to Endで保守するための機器監視サービス、ローカル5G向けのSIMなどがあります。
イネイブラー事業は、(ⅰ)日本国内において、主に個人向けにMVNO事業を展開するパートナー(MVNO)にモバイル通信サービスを提供する「SIM事業(MVNE)」、(ⅱ)日本国内において、法人顧客またはパートナー(MVNO、金融機関、決済代行業者、システムインテグレーター、メーカー等)にモバイル・ソリューションを提供する「MSP事業(日本)」及び(ⅲ)米国において、法人顧客(金融機関等)またはパートナー(システムインテグレーター等)にモバイル・ソリューションを提供する「MSP事業(海外)」として展開しています。
(ⅰ)SIM事業(MVNE)
主に個人向けにMVNO事業を展開するパートナーのイネイブラーとして、パートナーにモバイル通信サービスを提供するとともに、パートナーがMVNO事業を円滑に運用するためのソリューションを提供する事業です。
当社は、「SIM事業(MVNE)」において、パートナーであるMVNOの要望に応じてモバイル通信サービスを企画・開発し、モバイル通信ネットワーク、通信端末、端末用ソフトウェア、認証システム、課金・請求システム及び顧客管理システム等を提供するとともに、パートナーから、モバイル通信サービスの運用にかかるネットワーク・マネジメント、コールセンター及び物流等に関する業務を受託しています。当社は、これらの業務にかかるパートナープラットフォームをソリューションとして提供することで、MVNOの事業活動を後方から強力に支援しています。
(ⅱ)MSP事業(日本)
法人顧客またはMVNO、金融機関、決済代行業者、システムインテグレーター、メーカー等のパートナーに対して、イネイブラーとして、各顧客またはパートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業です。
当社は、「MSP事業(日本)」において、多くのモバイル・ソリューションを企画・開発していますが、代表例として、デュアル・ネットワーク製品による固定通信の無線通信への置き換えがあります。デュアル・ネットワーク製品は、複数の携帯電話事業者の回線によるモバイル専用線を冗長構成したもので、主回線に障害が発生した場合は自動的に副回線に切り替わり、常に通信を維持することができるものです。無線通信は、固定通信に比べて導入及び維持のためのコストを抑えることができますが、セキュリティ、エリアカバレッジ、安定した通信の確保等が課題となっていました。デュアル・ネットワーク製品は、無線通信によってコストを抑えつつ、専用線の冗長化により、安定した通信を確保することができます。
また、当社は、決済代行業を営むパートナー企業との協業により、当社のモバイル専用線と専用タブレット端末を組み合わせて、クレジットカードの非対面加盟店におけるクレジットカード情報の非保持化を支援するサービスを提供しています。このサービスは、2018年6月の割賦販売法の改正を受け、クレジットカードの非対面加盟店がクレジットカード情報の非保持化を実現するためのソリューションとしてご利用いただいています。
さらに、当社は、企業や教育機関等に対し、ローカル5G向けのSIMを提供しています。ローカル5Gは、通信事業者ではない企業や教育機関、自治体等が独自の5Gネットワークを構築して運用するものですが、ローカル5Gの運営者がSIMを用意するため、通信事業者のサポートが必要です。当社は、日本及び米国で培った技術及びノウハウを活用し、ローカル5Gを構築・運用する企業や教育機関等を支援しています。
(ⅲ)MSP事業(海外)
当社の連結子会社で主に米国においてMVNO事業を展開するJCI US Inc.が、Verizon Wireless及びT-Mobile(旧 Sprint Corporation)のモバイル通信ネットワークを活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、金融機関等の法人顧客またはシステムインテグレーター等のパートナーのイネイブラーとして、パートナーに対して、各パートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業です。
JCI US Inc.は、米国及びカナダで、金融情報やPOSデータなど、極めて重要な情報をやりとりする顧客に、VPNを使用しないモバイル専用線サービスを提供しています。このサービスの強みは、ATM(現金自動支払機)等の端末から決済センターまでのEnd to Endを無線の専用線で完結させることで、インターネットに出ることなく、強固なセキュリティを確保した通信サービスを提供することができることです。当社グループは、「MSP事業(海外)」において、ATMを中心に、POS(店頭端末)、自動販売機、KIOSK(設置型情報端末)、店舗内設置型銀行金庫など、モバイル専用線サービスの利用用途を拡大しています。
また、JCI US Inc.は、CBRS(市民ブロードバンド無線サービス)向けに「ハイブリッドSIM」(ローカル基地局及び携帯電話事業者の基地局の両方を使うことができるSIM)を提供しています。
(注)1.モバイル通信ネットワークとは、携帯電話等の移動体通信で使用される無線ネットワーク網をいいます。
2.モバイル専用線とは、当社が提供するサービスの名称で、モバイル通信ネットワークによる専用線サービスをいいます。
3.ローカル5Gとは、通信事業者が全国に展開する第5世代移動通信システム(5G)とは異なり、通信事業者ではない企業や自治体が、特定の建物、敷地、企業、工場、自治体等の限られた地域で独自の5Gネットワークを構築して運用するシステムをいいます。
4.MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)とは、MNO(Mobile Network Operator:移動体通信事業者)が保有する無線ネットワークを利用し、独自のサービスを企画・構築し、独自の販売ルートでサービスを提供する事業者をいいます。
5.MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)とは、MVNOとの契約に基づき、当該MVNOの事業の構築を支援する事業を営む企業をいいます。
MVNO/MVNE概念図

出典:MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン(総務省、2023年4月最終改定)に掲載されている図に基づく
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名称 |
住所 |
資本金 |
主要な事業の内容 |
議決権の所有 (被所有)割合 |
関係内容 |
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所有割合 (%) |
被所有割合(%) |
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(連結子会社) |
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JCI US Inc. |
米国コロラド州 |
(US$) 424.34 |
米国の携帯網を使用するMVNO事業 |
100.0 |
- |
モバイル通信サービスに関する提携、技術及びサービスの開発委託並びに当社サービスの一部の運用委託 役員の兼任あり 貸付金あり |
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コントゥアー・ |
東京都港区 |
(千円) 50,000 |
ネットワーク・セキュリティに関するソリューションの開発及び販売 |
100.0 (100.0) |
- |
モバイル通信サービス及びセキュリティ・ソリューションに関する提携 |
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クルーシステム |
東京都港区 |
(千円) 150,000 |
電気通信事業にかかるオペレーション業務の受託 |
100.0 |
- |
電気通信事業にかかるオペレーション業務の委託 借入金あり |
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JCI Europe Communications Limited |
アイルランド ダブリン |
(ユーロ) 500,000 |
欧州の携帯網を使用するMVNO事業 |
100.0 |
- |
モバイル通信サービスに関する提携 役員の兼任あり 借入金あり |
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my FinTech株式会社 |
東京都港区 |
(千円) 113,252 |
インターネット取引のための認証プラットフォームの構築及び運営 |
71.1 |
- |
FinTechプラットフォーム事業に関する提携 役員の兼任あり |
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セキュアID株式会社 |
東京都港区 |
(千円) 25,000 |
日本及び海外向けサブSIM及び関連ソリューションの開発及び販売 |
51.0 |
- |
セキュリティ・ソリューションに関する提携 |
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(持分法適用関連会社) |
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H.I.S.Mobile株式会社 |
東京都港区 |
(千円) 50,000 |
日本国内及び日本国外の携帯網を使用するMVNO事業 |
40.0 |
- |
モバイル通信サービスに関する提携 役員の兼任あり |
(注)1.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
2.特定子会社に該当します。
(1) 連結会社の状況
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2023年3月31日現在 |
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セ グ メ ン ト の 名 称 |
従 業 員 数 (名) |
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日本事業 |
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〔 |
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海外事業 |
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〔 |
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報告セグメント計 |
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〔 |
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全社(共通) |
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〔 |
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合計 |
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〔 |
(注) 1.従業員数は就業人員です。なお、臨時従業員数は年間の平均人員を〔 〕に外数で記載しています。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、経営管理部門及び研究開発部門に所属しているものです。
(2) 提出会社の状況
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2023年3月31日現在 |
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従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
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〔 |
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セ グ メ ン ト の 名 称 |
従 業 員 数 (名) |
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日本事業 |
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〔 |
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報告セグメント計 |
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〔 |
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全社(共通) |
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〔 |
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合計 |
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〔 |
(注) 1.従業員数は就業人員です。なお、臨時従業員数は年間の平均人員を〔 〕に外数で記載しています。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、経営管理部門に所属しているものです。
(3) 労働組合の状況
労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当社及び当社連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)によりこれらの項目の公表義務を負う事業主ではないため、記載を省略しています。
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営の基本方針
当社は1996年の創業時から、MVNO事業モデルという新たな通信事業の在り方を提唱・実践し、安全・安心・便利にデータを運ぶ(通信する)ことを自らの使命(ミッション)として事業を展開しています。
具体的には、携帯通信(SIM)事業、ローカル携帯網による通信(ローカル4G/5G)事業、及び、スマートフォンで利用するデジタルID(FPoS(Fintech Platform over SIM、エフポス))事業の3つの事業に取り組んでいます。
当社は、SIM事業の進化を継続することで安定的な収益基盤を確保し、ローカル4G/5G事業及びFPoS事業に投資することで、ローカル4G/5G事業及びFPoS事業を将来の収益の柱に育てる計画です。
(2)経営環境及び経営戦略
① 携帯通信(SIM)事業について
当社は、当社が生み出したMVNO事業モデルにおいて、公正な競争環境を確保するための取組みを継続し、度重なる規制緩和を通じて進化させてまいりました。特に、2020年6月の総務大臣裁定により、NTTドコモが当社に提供する音声通話サービスに係る卸電気通信役務の料金について、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた額を超えない額で設定するものとされたことは、引き続き、当社の収益に大きく貢献しています。当社は、2020年7月に、大手携帯電話事業者と同等の音声定額プランを提供する「日本通信SIM」を発売しましたが、以後、契約回線数及び四半期売上ともに成長を続け、前連結会計年度から2期連続で黒字決算となりました。
当社は、「日本通信SIM」の競争力を維持するため、適宜、商品仕様を拡充しており、2022年4月には、他のMVNOに先駆けて、スマートフォン等に内蔵されているeSIMへの対応を開始しました(2022年4月6日公表)。eSIMは、通信サービスの利用に必要な加入者識別情報(プロファイル)を、スマートフォン等のeSIM対応端末にダウンロードして書き込むことができるSIMであり、従来のようにSIMカードを差し替えなくても携帯電話事業者を変更することができるものです。これにより、1台のスマートフォンで、異なる携帯電話事業者の複数回線を利用することや、個人用と会社用の電話番号を使い分けることができるようになります。
また、当社は、2023年3月までに、携帯電話不正利用防止法に基づく本人確認において、マイナンバーカードに格納された電子証明書による方法を導入しました。この方法は、お客様から電子署名が行われた情報及び電子証明書を送信していただき、これらを検証することで本人確認が完了するため、eSIMを利用する場合は申込み当日から利用を開始することも可能となります。これにより、お客様の利便性が向上するほか、厳格な本人確認により、携帯電話の不正利用防止にも貢献します。
「日本通信SIM」の売上は個人・法人の契約回線数ともに順調に伸長し、大手携帯電話事業者や大手MVNOからのMNP転入も増加しております。また、パートナーブランドでの音声通信サービスの契約回線数も順調に伸長しており、結果として、SIM事業は、MVNO事業、イネイブラー事業ともに成長することができました。
なお、当社は、2022年6月に、NTTドコモに音声通信網の相互接続を申入れました(2022年6月10日公表)。これは、2021年12月に総務省の情報通信審議会において、MVNOに携帯電話番号(090番号等)を付与する方針が示されたことを受け、従前から検討していた申入れを行ったものです。当社は、データ通信網と音声通信網の両方を相互接続で調達することで安定した事業基盤を確保し、携帯基地局は保有しないものの、携帯電話事業者と同等のサービスを提供することのできる「ネオキャリア」を目指します。
② ローカル携帯網による通信(ローカル4G/5G)事業について
ローカル4G/5G事業は、先進的な事例の多い米国で実績を作り、その経験を生かして日本で展開することを目指しており、当社米国子会社は、米国市場で、ローカル携帯網との接続に使用するSIMを提供する事業を進めています。ローカル携帯網と接続するには、大量かつ高度に専門的なデータをSIMに書き込む必要がありますが、当社は、米国子会社を通じて当該分野における技術及びノウハウを蓄積し、これらを活用することで、パートナー企業や顧客企業が設置するローカル携帯網に接続することのできるSIMを提供しています。また、日本においても、2021年3月期にローカル5Gの実証プロジェクトに参画し、地域の中核病院でローカル5Gに求められている課題を体験することができました。当社は、引き続き、日本及び米国で知見を蓄積し、これらを活用して、ローカル4G/5G事業の導入事例を積み上げてまいります。
③ スマートフォンで利用するデジタルID(FPoS)事業について
2021年に政府が発表した「デジタル田園都市国家構想(デジタル実装を通じて地方が抱える課題を解決し、誰一人取り残されずすべての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現する構想)」において、2022年6月17日にプロジェクトの採択結果が公表され、前橋市、群馬県及び江別市(北海道)が申請したプロジェクトが採択されました。
このうち、前橋市が申請したプロジェクト「まえばし暮らしテック推進事業」では、群馬県の有力企業及び有力金融機関が出資して設立した事業会社(めぶくグラウンド株式会社)が、2022年10月に、デジタルID(「めぶくID」)を実装した「めぶくアプリ」をリリースしました。
「めぶくID」は、公的なサービス(行政手続きなど)と民間サービスの両方をスマートフォンで利用することができるもので、2023年3月までに、前橋市の「まえばし暮らしテック推進事業」において、「メブクラスまえばし」、「my Allergy alert」、「まえばし見守り情報通知+掲示板」、「グッドグロウまえばし」、「OYACO plus」、「共助ポイント」などのアプリケーションサービスをローンチしています。
一方、江別市は、2023年3月までに、市民の健康を維持・増進するためのサービスアプリケーションを提供する「江別市生涯健康プラットフォーム」の構築及び運用を開始しましたが、このプラットフォームでも、デジタルIDとして「めぶくID」を利用しています。
「めぶくID」のプラットフォームはFPoSを実装していますので、当社は、引き続き「めぶくID」をサポートすることで、FPoSの利用地域及び利用分野の拡大に向けて取り組んでまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、上記を踏まえ、以下の事項を優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として認識しています。
① 公正な競争環境の確保のための取組み
当社は、創業以来、利用者のニーズに合った多様なサービスの提供を可能とし電気通信事業を成長・発展させることのできる事業モデルとして、MVNO事業を提唱しており、MVNO事業の成立後は、MNOとMVNOとの間で公正な競争環境を確保するための取組みを進めています。
まず、当社は、2007年の総務大臣裁定により、MNOのデータ通信網との相互接続を実現することができました。
一方、MNOの音声通信網との相互接続は、携帯電話番号(090番号等)を付与する対象はMNOのみとするという規制等により、実現することができず、音声通信網については、引き続き、MNOから卸提供を受けてお客様に提供しております。
しかしながら、MNOがMVNOに提供する音声通話サービスに係る卸電気通信役務の料金は10年以上据え置かれた状態となっており、到底、MVNOがMNOと競争することのできる環境ではありませんでした。
そのため、当社は、2019年に再度総務大臣裁定を申し立て、2020年6月の裁定により、NTTドコモが当社に提供する音声通話サービスに係る卸電気通信役務の料金について、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた金額を超えない額で設定するものとされました。
これにより、ようやくMNOと競争することのできる環境が整いましたが、まだ十分ではなく、将来的には、MVNO自身でSIMを発行するなど、より自由度の高い環境が求められます。
そのため、当社は、2022年6月に、NTTドコモに音声通信網の相互接続を申入れました。これは、2021年12月に総務省の情報通信審議会において、携帯電話番号(090番号等)をMVNOに付与する方針が示されたことを受け、従前から検討していた申入れを行ったものです。当社は、データ通信網と音声通信網の両方を相互接続で調達することで安定した事業基盤を確保し、携帯基地局は保有しないものの、MNOと同等のサービスを提供することのできる「ネオキャリア」を目指します。
公正な競争環境の確保は、MVNOが本来の目的を果たして成長するための最大の課題であり、当社は、引き続き、MNOとMVNOとの間の公正な競争環境の確保に取り組んでまいります。
② MVNO事業モデルの進化による安定的な収益の確保
当社は、前連結会計年度から2期連続で黒字を達成することができましたが、今後も黒字を継続し、安定的な収益を確保することが課題となります。そのためには、公正な競争環境の確保のための取組みを進めつつ、MVNO事業モデルを進化させることが必要です。
まず、SIM事業の月額課金商品については、2020年7月に「日本通信SIM」という新たなブランドで発売した音声定額プランが多くのお客様の支持を獲得し、2021年3月期下半期以降の収益に大きく貢献しています。SIM事業は、MNO4社及び多数のMVNOにより今後も激しい価格競争が想定されますが、当社は2020年6月の総務大臣裁定により、NTTドコモが当社に提供する音声通話サービスに係る卸電気通信役務の料金について、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた金額を超えない額で設定するものとされているため、当面の間、MNO及び他のMVNOに対抗することのできる競争力を確保しています。
当社は、「日本通信SIM」ブランドの競争力を維持するため、適宜、商品を拡充しており、2022年4月には、他のMVNOに先駆けて、スマートフォン等に内蔵されているeSIMへの対応を開始しました。また、2023年1月からは、携帯電話不正利用防止法に基づく本人確認において、マイナンバーカードに格納された電子証明書による方法を導入しました。当社は、引き続き、利用者の利便性の向上に着目し、MNO及び他のMVNOとの差別化を図ることのできる商品の提供に取り組みます。
SIM事業のプリペイド商品については、新型コロナウイルスの影響下で訪日旅行者向けの商品の売上が見込めない状況が続いていましたが、今後、コロナ後の本格的な回復に備え、eSIMへの対応を開始するなど、需要の拡大を取り逃さないように注力します。
MSP事業については、決済代行業者向けのクレジットカード情報非保持化支援サービスやモバイル専用線を用いたソリューション・サービスの提供を推進していきます。デジタル化が社会の課題として認識される中、インターネットのセキュリティへの要請は高まっており、MSP事業の商機は拡大することが想定されるため、当社は、引き続き、この分野の開拓を進めます。
以上の取組みにより、当社は、引き続き、MVNO事業モデルを進化させ、安定的な収益を継続して確保することを目指します。
③ 中長期的な成長のための取組み
当社は、安定的な収益を継続して確保する一方で、中長期的に成長するための取組みとして、FPoS事業及びローカル4G/5G事業に注力しています。
まず、FPoS事業については、2018年11月に設立したmy FinTech株式会社において、スマートフォンに秘密鍵及び電子証明書を搭載する「my電子証明書」サービスについて、2021年11月10日に、電子署名法に基づく特定認証業務の認定を受けました。現在は、FPoS事業を実際のビジネスに落とし込んでいく段階となっていますが、当連結会計年度においては、2021年に政府が発表した「デジタル田園都市国家構想」で採択された前橋市及び江別市(北海道)のプロジェクトにおいて、FPoSを実装したサービスを導入することができました。なお、新型コロナウイルスの影響下においてデジタル化の機運が高まる中、FPoSが備えている高度な安全性は、当初想定していた金融取引に限らず、社会全体で利用されるデジタルIDとしての役割を期待されるようになっています。今後は、FPoSの利用地域及び利用分野の拡大に向けて取り組んでまいります。
また、ローカル4G/5G事業については、当社は2021年3月期において、ローカル5Gの実証プロジェクトに参画し、地域の中核病院でローカル5Gに求められている課題を体験することができました。また、米国においては、ローカル4G/5Gの先駆的な仕組みであるCBRS(市民ブロードバンド無線サービス)向けに、ハイブリッドSIM、すなわちローカル基地局と大手携帯電話事業者の基地局の両方を使うことができるSIMの提供を開始しています。当社は、これらの知見を活用して、ローカル4G/5G事業の導入事例を積み上げてまいります。
当社は、今般、2期連続で黒字を達成することができましたので、中長期的な成長のための取組みに機動的かつ戦略的にリソースを振り向けることで、中長期的な成長をより確実なものにすることを目指します。
④ 優秀な人材の確保及び育成
上記①から③のいずれの取組みにおいても、多種多様な調査や企画、さらに技術開発や事業開発が必要であり、これを担うことができる人材の確保及び育成が極めて重要となります。例えば、FPoS事業においては、金融業界に関する法律、制度、経営課題、技術課題等、顧客の事業領域に対する一定の知見が必要です。そのため、当社グループは、優秀な人材の採用を進めるとともに、採用した人材に会社の優先順位に応じた多様な業務を担当させることによって、様々なノウハウや技術を身に付けさせるとともに、必要な資格を取得させるなど、人材への投資を推進しています。当社が取り組んでいる課題はいずれも前例のないもので、手本となる企業が存在するものではありませんが、当社は、創業時からMVNO事業モデルを定着させる今日までの道のりにおいて、前例のない環境で培った経験及びノウハウがあるため、これらを活用して人材の育成を進めます。
⑤ 技術開発及び設備投資等の先行投資資金の確保
財務上の課題としては、安定的な収益を継続的に確保するための技術開発及び設備投資、並びに中長期的な成長を実現するための先行投資のため、資金の確保が必要となります。当社は、2016年1月に新事業戦略を策定した後、同戦略を実現するための資金を確保する手段として、2016年7月に日本通信株式会社第3回新株予約権(第三者割当て)を、2018年3月に日本通信株式会社第4回新株予約権(第三者割当て)を発行し、これらの新株予約権の行使により、3,704百万円の資金を調達しました。この資金調達手段は、新株予約権が行使される時期及び数量を当社がコントロールすることができ、当社の資金需要に応じた柔軟な資金調達を実現することができるものであるため、当社が2020年4月に発行した日本通信株式会社第5回新株予約権(第三者割当て)については、当該新株予約権の発行要項に基づき、当社が行使期間の末日に当該新株予約権の全部を発行価額で取得し、2023年4月7日に全部消滅しました。当社は、今般、2期連続で黒字を達成することができましたので、従来の方法を含めたより多くの資金調達手段から、当社の事業機会を拡大し、株式価値の希薄化に配慮した最適な方法を選択してまいります。
当社は、上記の課題に取組みながら、安全・安心・便利な通信及びプラットフォームを提供する事業者として成長していく計画です
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性のあると認識している主要なリスクとしては以下のようなものがあります。必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載していますが、当社株式への投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありません。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 市場について
① 技術の進歩及び制度の整備について
当社は創業以来、モバイル通信の市場で事業を展開しています。モバイル通信のうち、音声通話の市場は、携帯電話の普及が進み、飽和状態にあります。一方、データ通信の市場は、スマートフォンやタブレット端末が急速に普及したことで、セキュリティやプライバシーに関わる課題が広く認識されるようになっています。モバイル通信の活用範囲を広げて市場規模を拡大するには、これらの課題を技術及び制度の両面において適切に解決し、利便性を確保した安心・安全な通信を誰もが利用できるようにする必要があります。
無線通信やセキュリティ等の技術は日進月歩の発展を遂げているため、技術面の課題はいずれ克服されていくものと考えますが、技術の進歩が停滞または遅延した場合には、当社グループが事業を展開する市場規模の拡大も停滞または遅延する可能性があります。また、無線通信やセキュリティ等の制度面の課題については、行政及び各事業者が共通の問題意識を持って取り組むことで整備されていくものと考えますが、制度の整備が停滞または遅延した場合には、当社グループが事業を展開する市場規模の拡大も停滞または遅延する可能性があります。いずれの場合も、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 訪日旅行者向け商品の市場について
当社は、SIM事業のプリペイド商品において訪日旅行者向け商品を販売していますが、当該商品の販売は当該旅行者数の増減に左右されるため、国際的な社会経済の状況に大きく影響されます。国内外で大規模な自然災害が発生した場合、世界的な感染症が流行した場合、国際関係が悪化した場合、為替レートが急激に変化した場合、世界経済の後退が深刻化した場合などは、訪日旅行者数が減少し、当社の訪日旅行者向け商品の販売が低迷するため、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、2020年1月以降は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により訪日旅行者数が大幅に減少し、2020年3月期第4四半期以降、訪日旅行者向け商品の売上はほとんど見込めない状態となりました。当社グループは、2023年5月以降の社会経済活動の正常化を踏まえ、同商品をeSIMに対応させるなどにより競争力の維持・強化を図っていますが、同商品の売上が従前のレベルに回復するには、なお相当の時間を要する可能性があります。
(2) 当社サービスの仕組みについて
① モバイル通信網等について
当社は、携帯電話事業者から調達したモバイル通信サービスを活用して、音声通話サービス、セキュリティ技術、各種アプリケーションまたは通信端末等を組み合わせることで当社独自の通信サービスを設計し、一般消費者を含む様々な顧客層及びパートナー企業にモバイル通信のソリューションを提供しています。
当社サービスの基盤となっているのはモバイル通信サービスですが、現時点において、モバイル通信サービスを提供する仕組みは、下図のとおり、ドコモ及びソフトバンクのモバイル通信網等のネットワーク(以下、「モバイル通信網等」という)、専用線接続部分並びに当社グループの複数のデータセンター等から構成されています。なお、当社グループのデータセンターにおける主要なシステムは、株式会社インターネットイニシアティブ等が運営するデータセンター内に収容しています。
図1 モバイル通信サービスを提供する仕組み
モバイル通信サービスを提供する仕組みのうち最も主要な部分は、携帯電話事業者のモバイル通信網等ですが、これは、当社が携帯電話事業者と締結した契約に基づいて調達しています。
従って、当社が携帯電話事業者とモバイル通信網等を調達する契約を締結することができない場合は、当社はモバイル通信サービスを提供することができません。また、当社が携帯電話事業者とモバイル通信網等を調達する契約を締結した場合も、当社が当該契約を同様の条件で継続することができる保証はなく、当該契約が携帯電話事業者によって解除される等により終了した場合は、当社はモバイル通信サービスの提供を継続することができない事態に陥ります。
当社は、携帯電話事業者が積極的に訴求しない分野での潜在需要を喚起する等により、通信市場全体の拡大を図り、携帯電話事業者に対する交渉力の維持・増強に努めています。しかし、当社が将来にわたり携帯電話事業者との契約を更新することができるという保証、または、従前と同様の条件で調達を受けられるという保証はなく、今後、調達条件の改善に成功するという保証もありません。さらに、携帯電話事業者の事業方針の変更等により、当社が従前より不利な条件での調達を余儀なくされる可能性があるほか、携帯電話事業者自身が顧客にとってより魅力的な自社サービスを展開し、それを当社に対する提供条件には反映させないこと等により、当社と携帯電話事業者との契約が維持されたとしても、結果的に当社サービスの競争力が失われる事態となる可能性もあります。当社が携帯電話事業者からの調達条件を維持もしくは改善することができなかった場合、または携帯電話事業者からの調達条件が悪化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、上記のリスクを最小限に留めるため、携帯電話事業者からデータ通信のモバイル通信網等を調達するにあたっては、電気通信事業法上の制度である相互接続に基づく契約を締結し、安定した事業基盤を確保するために最大限の努力をしています。そのため、次世代のモバイル通信網等を調達する契約を締結することができない可能性、または、既存のモバイル通信網等の調達に関する契約を解除される可能性は、いずれも高くないものと認識しています。また、携帯電話事業者から音声通話サービスを調達するにあたっては、相互接続より携帯電話事業者の裁量の余地が大きい卸契約によっていますが、ドコモが当社に提供する音声通話サービスに係る卸電気通信役務の料金については、2020年6月の総務大臣裁定により、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた金額を超えない額で設定するものとされています。
なお、モバイル通信網等の調達にかかわらず、当社グループの今後の事業展開において、携帯電話事業者に依存する側面が大きいことは否定できません。すなわち、当社サービスの利用可能地域の拡大は、携帯電話事業者のモバイル通信網等における通信可能地域の拡大が前提となり、通信速度または通信容量の向上は、携帯電話事業者におけるモバイル通信網等の性能の向上が前提となります。
② モバイル通信網等のネットワーク設備の障害について
携帯電話事業者のモバイル通信網等の維持管理は携帯電話事業者において行われており、当社グループが顧客に当社サービスを確実に提供するためには、携帯電話事業者のモバイル通信網等が適切に機能していることが前提となります。携帯電話事業者のモバイル通信網等が適切に機能していないことにより、当社サービスの全部もしくは一部が停止し、または当社サービスの水準が低下する事態が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、携帯電話事業者においてモバイル通信網等の適切な維持・管理が行われていた場合でも、アクセスの集中等の一時的な過負荷、外部からの不正な手段による侵入、内部者の過誤、または大規模地震や火山の噴火を含む自然災害、停電もしくは事故等の原因により、携帯電話事業者のモバイル通信網等に障害が発生する可能性があります。このような障害により、当社サービスの全部もしくは一部が停止し、または当社サービスの水準が低下する事態が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、耐震構造または免震構造を有し停電対策を備えた施設にデータセンターを収容するとともに、複数の拠点(東日本及び西日本)にデータセンターを設置することでリスクの分散化を図っています。さらに、データセンター内のネットワークシステムについては、その通信状態を終日監視する体制を整備し、継続的に通信状態をテストすることにより、障害等の発生を早急に感知することに努めています。また、携帯電話事業者との障害連絡体制を整え、障害発生時にも極力短時間で復旧できる準備体制を整えています。
しかしながら、大規模地震や火山の噴火を含む自然災害、停電または事故等の原因による障害の発生を完全に防ぐことはできません。また、障害が発生した場合、迅速に対処するためには多大なコスト負担が必要となるため、発生した障害の規模等によっては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、自社開発を含め、多数のネットワーク機器及びコンピュータ・システム(ソフトウェアを含む)を使用しています。これらの機器及びシステムにおいて、過負荷による損耗、不適切な設定、バグ等の不具合(外部から調達する一般的なソフトウェアの不具合を含む)が顕在化した場合には、サービスの全部もしくは一部の停止、またはサービスの水準の低下が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ ネットワークシステムについて
当社グループが提供するモバイル通信サービスは、モバイル通信網を使用するため、利用場所、利用時間帯、利用時の電波の状況、及び基地局の混雑度等により、通信速度が異なります。また、インターネット接続を利用する場合には、インターネットの通信速度に依存します。さらに、携帯電話事業者から当社グループのデータセンターまでを接続する専用線の通信速度並びにデータセンター内のネットワーク設備及びコンピュータ・システムの処理速度にも依存します。加えて、当社グループのデータセンターから法人顧客までを専用線で接続している場合には、当該専用線の通信速度にも依存します。
当社グループは、現在の顧客数及びその利用実態を把握し、また今後の顧客数及び利用実態を予測することにより、必要かつ十分なネットワークシステムの容量を確保するよう努めています。しかしながら、当社グループが機動的にネットワークシステムの容量を確保することができず、当社グループが確保したネットワークシステムの容量が需要に対して不足した場合には、通信速度が低下する原因となる可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、このような事態を回避するために、需要に対して必要以上にネットワークシステムの容量を増強した場合にも、過大な費用が発生することで、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 技術革新について
当社グループが提供するモバイル通信サービスでは、3G・4G・5Gのモバイル通信技術、無線LAN技術、TCP/IPネットワーク技術、マイクロソフトWindowsオペレーティングシステム、認証技術において業界標準となっているRadius認証システム等を使用しています。これらの技術標準等が急激に大きく変化した場合、その変化に対応するための技術開発に多大な費用が生じ、当社グループの収益を圧迫し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、技術標準等の変化への対応が遅れた場合、または、当社サービスに使用している技術もしくはサービスが陳腐化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業の内容について
① 通信端末の調達について
当社グループは、モバイル通信サービスで使用する通信端末を複数の企業から調達していますが、調達条件はその時点の市場環境の影響を受けます。
当社グループは、通信端末の調達条件を改善するよう努めていますが、そのような努力にもかかわらず、調達条件が悪化した場合には、事業原価の上昇や通信端末を適時に顧客に供給できないことによる事業機会の逸失により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、通信端末に品質上の問題があった場合には、サービスを継続できない等の事態が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、経済のグローバル化により、世界的な感染症の拡大や国際情勢の変化も通信端末の調達に影響を及ぼします。2020年1月以降は、新型コロナウイルスの感染拡大により、通信端末は長期にわたり品薄状態となり、2022年2月以降は、ウクライナ情勢により、半導体の供給が不足する事態が懸念されています。このような事態が長期間継続する場合は、事業原価の上昇や通信端末を適時に顧客に供給できないことによる事業機会の逸失により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 通信端末の陳腐化リスク等について
モバイル通信サービスで使用する通信端末は、通信端末メーカーまたは代理店から調達しますが、最低発注量が大きく、需要に対し過大な発注をせざるを得ない場合もあり、このような場合、在庫の陳腐化リスクを負うことになります。当社グループでは、通信端末メーカーと緊密な情報交換を行い、販売状況を見極めながら必要数量の予測を的確に行うよう努めていますが、調達した通信端末が陳腐化した場合、または発注時期の遅延により適時に顧客に供給できず事業機会を逸失した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 通信端末の製造物責任等について
当社は、モバイル通信サービスで使用する通信端末を通信端末メーカーまたは代理店から調達して販売しています。当社は、通信端末を調達するにあたり、品質等の検査を行っていますが、それにもかかわらず、当該通信端末に検収時に判明しない欠陥があり、事故等の被害が生じた場合には、当社は、製造物責任法に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。また、製品事故に至らなくても、当該通信端末の技術基準等に問題があった場合は、製品の回収義務を負う可能性があります。これらの場合は、多額のコストが発生するだけでなく、当社グループの信用を大きく毀損し、売上の低下や収益の悪化など、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ マーケティング力及び技術開発力について
当社グループの業績は、顧客が求め、または顧客に受け入れられるサービスを的確に把握し、新たなサービスを提供していくこと、すなわち激変する業界にあって迅速に動向を把握し、あるいは予測しながら経営を行っていくためのマーケティング力及びそれを実現するための技術開発力に依拠すると考えています。当社グループが、かかる能力を適切に維持し、または向上できない場合には、事業機会を逸し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人材の確保について
当社グループの事業は、新たな領域で行っているため、少数の個人の経験、スキル及びノウハウに負うところが大きく、そのような人材を失うことによる事業への影響の可能性は否定できません。当社グループは、事業の拡大に伴い、適切な人材の確保や人材の育成に経営資源を投入するなど、体制の充実に努める方針ですが、優秀な人材を適時に採用することや短期間で育成することは容易ではありません。当社グループが、事業の拡大に必要な適切な人材を確保することができなかった場合、採用した従業員が短期間で退職した場合、または、限られた人材に依存している業務において従業員に業務遂行上の支障が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 事業活動に必要な認定について
当社連結子会社であるmy FinTech株式会社は、スマートフォンで利用するデジタルID(FPoS)事業を展開するにあたり、スマートフォンに秘密鍵及び電子証明書を搭載する「my電子証明書」サービスについて2021年11月10日に電子署名法に基づく特定認証業務の認定を受けました。これにより、同サービスの信頼性が向上し、2021年の「デジタル田園都市国家構想」における前橋市(群馬県)及び江別市(北海道)のプロジェクトで、めぶくグラウンド株式会社(前橋市及び当社を含む複数の事業者による官民共創会社)が発行する「めぶくID」のプラットフォームとして利用が開始され、今後、他の地域への展開が期待されています。しかしながら、この認定は、一定期間ごとに更新を受けなければ失効するものであり、また、業務等が基準に適合しない場合等は認定が取り消される場合があります。当社グループは、「my電子証明書」サービスについての特定認証業務の認定を維持するため、人材、設備及び監査体制の確保に努めていますが、この認定が失効しまたは取り消された場合は、当社グループの信用が毀損され、事業機会を逸することになり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 競合について
当社が提供するモバイル通信サービスは、その市場が成長期にあることから、現在の競合に加え、今後の更なる新規参入による競争激化が予想されます。特に、当該サービス分野は、通信事業者が提供する通信サービスの側面と、コンピュータ関連業者が提供するシステムサービスの側面とを併せ持つことから、以下のとおり、通信事業及びコンピュータ関連事業から、競合するサービスが現れる可能性があると考えています。
① 携帯電話事業者について
通信回線設備を有する携帯電話事業者は当社グループと比較して圧倒的に潤沢な経営資源を有し、それらを活用することで、より低価格・高機能な商品を単独で提供することが可能です。
従来、携帯電話事業者の収益源は音声通話によっていましたが、昨今のスマートフォン等の急速な普及からデータ通信による収益が音声通話を上回るようになっており、現在、データ通信市場では、携帯電話事業者を含めた競争が激化しています。
このような状況において、携帯電話事業者は、自社または自社と資本関係のあるグループ内のMVNOにより、当社グループと競合するサービスの展開を強化しています。また、2020年4月には、既存事業における安定的な顧客基盤及び事業基盤を活用してモバイル通信サービスに参入した事業者が新たな携帯電話事業者となり、従来の携帯電話事業者より低価格なサービスを展開しています。このような携帯電話事業者が、その強大な資本力を背景に、当社グループより商品力に優れたサービスを提供した場合、当社グループの競争力の低下または価格競争の激化による売上高の減少が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、携帯電話事業者は、当社グループにとってモバイル通信網等の調達先でもあります。携帯電話事業者が提供するサービスと当社グループが提供するサービスの競合が激化した場合、携帯電話事業者は、自己のサービスを拡大するため、当社との取引条件を変更する可能性があり、その場合、当社グループの価格設定や提供しうるサービスが制限されることにより、既存顧客を失う事態、または新規顧客の獲得が伸び悩む事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② MVNOについて
当社グループと競合するMVNOの多くは、固定回線系ネットワークサービスを提供する事業者、大規模小売店を展開する事業者等がモバイル通信サービスに新規参入したものです。これらの事業者は、既存事業において安定的な顧客基盤及び事業基盤を有しており、これらを活用して新規事業であるモバイル通信サービスを拡大する機会に恵まれています。これらの事業者が、既存事業の収益を源泉にモバイル通信サービスのシェア拡大を優先する場合、または、モバイル通信サービスを専ら既存事業を維持・拡大する手段として活用する場合は、モバイル通信サービスにおいて戦略的な価格政策を打ち出す可能性もあり、かかる事態が発生した場合には、既存顧客を失う事態、または新規顧客の獲得が伸び悩む事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ SI(システムインテグレーター)について
SIは、コンピュータ・システム領域において、顧客ごとに最適化したシステムのカスタマイズを事業としているため、システムの企画・立案からプログラムの開発、必要なハードウェア・ソフトウェアの選定・導入、及び完成したシステムの保守・管理までを総合的に行い、システム導入後においても保守業務が継続することから、顧客との結び付きは深いものになります。また、多種多様なシステムを統合するため、高いネットワークスキルを有しています。SIが携帯電話事業者と提携する等により、通信サービスの提供能力を獲得した場合には、当社グループにとって強力な競合相手となる可能性があり、そのような場合、既存顧客を失う事態、または新規顧客の獲得が伸び悩む事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、イネイブラー事業者として、SIを含むパートナー企業にモバイル・ソリューションを提供する戦略を推進しています。当社グループとSIがパートナーシップを構築することは、両者に利益をもたらし、結果的に、競合による上記のリスクの低減につながります。
(5) パートナービジネスへの依存について
当社グループは、イネイブラー事業者として、パートナー企業にモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供することを事業の中核に据えています。そのため、当社事業の中長期的な成長の成否は、パートナー企業との間で、取引関係・契約関係を含めた信頼関係を構築することができるか、また、構築した信頼関係を維持・拡大することができるか否かにかかっています。当社は、パートナー企業との協業を成功させるため、最大限の経営資源を投入して、競争力のあるモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションの開発に努めるとともに、パートナー企業のオペレーションを支援するためのパートナープラットフォームの開発を強化しています。しかしながら、パートナー企業との間で、取引関係・契約関係を含めた信頼関係を構築することができなかった場合、信頼関係の構築に当社が想定する以上の時間を要した場合、または構築した信頼関係を維持・拡大することができなかった場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 知的財産権及び法的規制等について
① 知的財産権の保護について
当社グループに帰属する知的財産の保護は、関連法規及び契約の規定に依存しています。当社グループは、知的財産を保護するため、他社の技術やノウハウの動向を把握し、必要に応じて特許出願等を行うよう努めていますが、出願した特許等が必ず権利登録されるという保証はありません。
また、当社グループが出願した特許等が権利登録された場合でも、取得した権利が十分なものではない可能性、または、第三者によって侵害される可能性があります。このような場合には、他社により、当社グループと同様の技術が開発され、または当社グループのサービスが模倣されることで、当社グループの事業の継続に支障を来す可能性があります。また、かかる侵害者に対する訴訟その他の防御策を講じるため、限られた経営資源を割くことを余儀なくされる事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 第三者からのライセンスについて
当社グループは、モバイル通信サービスの提供にあたり、複数の第三者から、技術またはブランド(商標)等のライセンスを受けています。将来において、当社グループが現在供与されているライセンスを更新することができない事態、新たなサービスや通信端末を提供するために必要なライセンスの供与を受けることができない事態、または適切な条件でライセンスの更新もしくは供与を受けることができない事態が生じる可能性があり、そのような事態が生じた場合には、当社サービスの優位性が失われ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制等について
当社グループの事業は、電気通信事業法をはじめとする各種法令に基づく規制を受けています。これらの規制が変更され、または新たな法令が適用されることにより事業に対する制約が強化された場合、事業活動が制限され、またはコストの増加につながる可能性があります。他方、事業に対する制約が緩和された場合、新規参入の増加により競争が激化し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 個人情報の保護について
当社グループは、電気通信事業、電子署名法に基づく特定認証業務及びその他の企業活動において、お客様の氏名、住所、生年月日、電話番号や当社サービスの利用状況等の個人情報を取得することがあり、個人情報保護法に基づき、個人情報取扱事業者としての義務を負っています(当社及び当社連結子会社であるmy FinTech株式会社は、個人情報の利用目的、及び、個人情報の第三者提供を行う場合の利用目的の範囲等について、個人情報保護方針(プライバシーポリシー)に定め、当社及びmy FinTech株式会社のウェブサイトに掲載しています。なお、当社グループは、現時点において、匿名加工情報や仮名加工情報を活用する計画はありません。)。
当社グループが取得した個人情報は、当社並びに当社連結子会社であるmy FinTech株式会社、クルーシステム株式会社及びJCI US Inc.において業務上取扱いますが、当社グループでは、取得した個人情報について、業務上必要な範囲内のみで利用し、適正な権限を持った者のみがアクセスできるようにしています。また、社員、契約社員及び派遣社員の全員が入社時及び毎年、秘密保持誓約書を提出するものとし、個人情報に接する機会の多いコールセンターの構成員は原則として正社員のみとしています。しかしながら、このような個人情報保護のための対策を施しているにもかかわらず、当社グループからの個人情報の漏洩を完全に防止できるという保証はありません。万一、当社グループが保有する個人情報が社外に漏洩した場合には、顧客からの信用を喪失することによる販売不振や、当該個人からの損害賠償請求等が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) その他
① 業績の予測について
当社グループが推進しているMVNO事業やFPoS事業の歴史はまだ浅く、新たな事業領域であることから、当社グループが今後の業績を予測するにあたり、過去の実績や、通信事業の業界一般の統計に必ずしも依拠することができません。また、今後のMVNO事業及びFPoS事業の業績に影響を与える可能性のあるこれらの事業の利用者数の推移、市場の反応等を正確に予測することも極めて困難です。従って、現時点において当社グループが想定する収益の見通しに重大な相違が生じる可能性があるほか、今後予想し得ない支出等が発生する可能性もあり、かかる事態が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 資金調達について
当社グループは、ネットワーク設備、ソフトウェア、システム等の開発及び調達等に投資し、当社サービスの更なる差別化を推進して事業拡大を図る計画ですが、計画を実行する上で必要な投資資金の確保が困難な場合、事業機会を逸し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、当連結会計年度末において現金及び預金1,580百万円を保有し、必要な運転資金を確保しています。
③ ストックオプションによる株式の希薄化について
当社グループは、当社グループに対する貢献意欲及び経営への参加意識を高めるため、ストックオプションによるインセンティブ・プランを採用しており、2020年3月19日開催の当社取締役会決議に基づき、当社並びに当社連結子会社の取締役、監査役、執行役員及び従業員に対し、2020年4月10日に第20回新株予約権(ストックオプション)33,522個(3,352,200株)を発行しており、当連結会計年度末現在の当該新株予約権の潜在株式数は3,245,800株となっています。当該新株予約権の行使期間は2027年4月10日までであり、当該新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当該新株予約権の行使価格は、同新株予約権の発行日前日の当社株式終値の2倍であるため、当該新株予約権が行使されることは、当社の株主価値が増大したことを意味します。そのため、当該新株予約権は、その行使による相応の希釈化を伴ったとしても、結果として中長期的な企業価値・株主価値の向上に寄与し、既存株主の利益にも貢献できるものと判断しています。
④ 譲渡制限付株式による株式の希薄化について
当社グループは、取締役等の報酬と株式価値との連動性をより一層強めることにより、取締役等に当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、取締役等と株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として譲渡制限付株式報酬制度を導入しており、2022年7月20日開催の取締役会決議に基づき、2022年8月15日に当社の取締役並びに当社の執行役員及び当社連結子会社の取締役に対し、譲渡制限付株式としての新株751,000株を発行しました。2022年6月28日開催の第26回定時株主総会において、譲渡制限付株式報酬制度において取締役に対して発行または処分される当社の普通株式の総数は、年間56万株以内、年額1億円以内と承認されており、今後、同制度に基づき、譲渡制限付株式としての新株が発行された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 世界的な感染症の拡大による影響について
新型コロナウイルス感染症については、2023年5月に感染症法上の位置づけが変更され、社会経済活動の正常化が進んでいるものの、現在も新規感染者数は一定数確認されており、収束に向かうかどうかは依然として不透明な状況です。当社グループにおいては、2021年7月には群馬県北群馬郡吉岡町に吉岡オペレーションセンターを開設し、本社及び吉岡オペレーションセンターの2か所でお客様へのSIMの出荷に対応することのできる体制を整備しました。しかしながら、今後、新型コロナウイルス感染症が再び拡大に転じる可能性、または新たに別の感染症が拡大する可能性があり、当社グループの役員または従業員が感染し、または隔離措置等によって業務からの離脱を余儀なくされた場合には、業務遂行上の支障が生じるほか、場合によっては当社グループの事業活動の一部が停止し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 首都直下型地震や富士山の噴火等の自然災害による影響について
当社は東京都港区に本社を置き、群馬県北群馬郡吉岡町に吉岡オペレーションセンターを置いています。そのため、首都直下型地震や富士山の噴火等の自然災害が発生した場合、建物の倒壊及び火災による焼失に加えて、停電、断水、通信及び交通の途絶等のインフラ、ライフラインの被害により、業務の継続が困難となる可能性があります。また、これらの自然災害により、当社の役員または従業員に人的被害が生じた場合は、業務の継続が長期にわたり困難となる可能性があります。
当社は、自然災害によるリスクを分散化するため、当社の拠点を関東以外の地域を含めて複数設置することを検討していますが、その場合、新たなコスト負担を要し、また、迅速な業務遂行が困難となる可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社並びに連結子会社及び持分法適用関連会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は6,074百万円となり、前連結会計年度(以下、「前年度」という)と比較して1,440百万円(31.1%)の増収となりました。これは、MVNO事業における「日本通信SIM」の音声定額・準定額サービスの成長(対前年度増減率23.1%増)、及びイネイブラー事業におけるパートナーブランドの音声サービスの成長(対前年度増減率40.3%増)によるものです。なお、イネイブラー事業の売上には、FPoS事業の売上(デジタル田園都市国家構想に基づく業務委託料)が含まれています。
売上原価は3,455百万円となり、前年度と比較して673百万円(24.2%)の増加となりました。これは、主に、「日本通信SIM」の成長に伴う携帯網の調達コストの増加によるものですが、当社がNTTドコモから調達する携帯網は、データ通信及び音声通話のいずれも、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた額を超えない額で設定するものとされているため、売上高の増加に比べて売上原価の増加を抑えることができるようになっています。なお、売上原価には、FPoS事業の売上原価(デジタル田園都市国家構想に基づく業務委託にかかる原価)が含まれています。
その結果、売上総利益は2,619百万円となり、前年度と比較して767百万円(41.4%)の増加となりました。
営業利益は740百万円(前年度は279百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は690百万円(前年度は294百万円)となりました。
各事業の状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)
|
売上高 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
対前期増減額 |
対前期増減率(%) |
|
MVNO事業 |
2,488 |
3,063 |
575 |
23.1 |
|
イネイブラー事業 |
2,146 |
3,011 |
865 |
40.3 |
|
計 |
4,634 |
6,074 |
1,440 |
31.1 |
(注)セグメント情報における海外事業の売上高122百万円(前年度は123百万円)はイネイブラー事業に含まれます。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,312百万円となり、前連結会計年度末に比べ902百万円増加しました。これは主に現金及び預金が651百万円、売掛金が197百万円増加したことによるものです。固定資産は728百万円となり、前連結会計年度末に比べ196百万円増加しました。これは主に無形固定資産が76百万円、投資その他の資産が97百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は3,040百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,096百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,426百万円となり、前連結会計年度末に比べ320百万円増加しました。これは主に買掛金が209百万円、未払法人税等が47百万円、預り金が38百万円増加したことによるものです。固定負債は79百万円となり、前連結会計年度末に比べ26百万円増加しました。これは主にリース債務が17百万円増加したことによるものです。
この結果、負債は1,506百万円となり、前連結会計年度末に比べ346百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,534百万円となり、前連結会計年度末に比べ749百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益690百万円を計上したことによるものです。なお、2022年8月10日に資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分を行い、資本金及び資本準備金をそれぞれ4,028百万円、2,789百万円減少させ、その減少額全額をその他資本剰余金に振替え、増加したその他資本剰余金を繰越利益剰余金に振替えることにより、欠損の填補に充当しましたが、これによる純資産に与える影響はありません。
この結果、自己資本比率は46.1%(前連結会計年度末は33.6%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は1,580百万円となり、前連結会計年度末に比べ651百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは851百万円の収入(前連結会計年度は21百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益780百万円を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは200百万円の支出(前連結会計年度は271百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出39百万円、無形固定資産の取得による支出110百万円、投資有価証券の取得による支出50百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1百万円の支出(前連結会計年度は150百万円の収入)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループのサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致していますので、生産実績に関しては(d) 販売実績の項をご参照ください。
(b) 仕入実績
当社グループの当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
なお、セグメントについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)セグメント情報」をご参照ください。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本事業(千円) |
2,586,618 |
124.9 |
|
海外事業(千円) |
43,268 |
88.3 |
|
合計(千円) |
2,629,886 |
124.0 |
(注)金額は仕入価額で表示しています。
(c) 受注実績
当社グループは 、受注から販売までの所要日数が短く常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しています。
(d) 販売実績
当社グループの販売実績は、出荷金額に基づいており、当連結会計年度販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本事業(千円) |
5,947,867 |
133.4 |
|
海外事業(千円) |
129,195 |
81.5 |
|
合計(千円) |
6,077,062 |
131.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上である相手先は次のとおりです。
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
H.I.S.Mobile株式会社 |
527,480 |
11.4 |
819,354 |
13.5 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は1996年の創業時から、MVNO事業モデルという新たな通信事業の在り方を提唱・実践し、安全・安心・便利にデータを運ぶ(通信する)ことを自らの使命(ミッション)として事業を展開しています。
具体的には、携帯通信(SIM)事業、ローカル携帯網による通信(ローカル4G/5G)事業、及び、スマートフォンで利用するデジタルID(FPoS(Fintech Platform over SIM、エフポス))事業の3つの事業に取り組んでいます。
当社は、SIM事業の進化を継続することで安定的な収益基盤を確保し、ローカル4G/5G事業及びFPoS事業に投資することで、ローカル4G/5G事業及びFPoS事業を将来の収益の柱に育てる計画です。
携帯通信(SIM)事業、ローカル携帯網による通信(ローカル4G/5G)事業、及び、スマートフォンで利用するデジタルID(FPoS(Fintech Platform over SIM、エフポス))事業に関する認識及び分析・検討内容は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び経営戦略」に記載しています。
②資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
運転資金は基本的に内部資金より充当しています。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に基づいて作成しています。その作成は経営者による会計方針の選択及び適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に次の会計方針に関する事項が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えます。
(ⅰ)収益の認識
当社グループは、次のサービスラインごとに売上の計上基準を分けています。
(a)プリペイド・サービス(bモバイル)及び機器向けサービス
当該期間の通信サービスを提供するもの(例:12ヶ月間使い放題のSIM)は当該期間にわたって売上高を按分して計上。
(b)月額課金サービス
移動体通信端末の売上は出荷基準
通話料及びその他付加価値サービスの売上は役務提供基準
(ⅱ)貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して、回収不能見込額を計上しています。販売先の財務状況及び支払能力に重要な変動が生じた場合、これらの貸倒引当金の見積に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅲ)棚卸資産の評価
当社グループは、総平均法に基づく原価法(貸借対照表価額については、収益性の低下による簿価切下げの方法)により評価しています。将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、これらの棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ⅳ)固定資産の減損
当社グループは、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産の帳簿価額を、回収可能価額まで減損する会計処理を適用しています。経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。
|
会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約名称 |
契約内容 |
契約期間 |
|
日本通信㈱ |
株式会社インターネットイニシアティブ |
日本 |
広域複合ネットワークサービス契約 |
データセンターの運営・管理 |
2002年2月4日から 2003年2月3日まで (1年単位の自動更新) |
|
日本通信㈱ |
株式会社NTTドコモ |
日本 |
相互接続協定書 |
レイヤー2による3Gネットワークの相互接続に関する協定 |
契約期間の定めなし (締結日:2009年3月13日) |
|
JCI US Inc. (旧 Contour Networks Inc.) |
Sprint Spectrum L.P. |
米国 |
Private Label PCS Services Agreement |
レイヤー2接続に関する契約 |
開始日:2010年3月17日 (その後は1年単位の自動更新) |
|
日本通信㈱ |
株式会社NTTドコモ |
日本 |
卸電気通信役務の提供に関する契約書 |
3G音声卸サービスに関する契約 |
2010年4月15日から 2013年4月30日まで (3年単位の自動更新) |
|
日本通信㈱ |
株式会社NTTドコモ |
日本 |
第3種Xiサービスの提供に関する契約書 |
LTE音声卸サービスに関する契約 |
2013年1月16日から 第3種Xiサービスの 廃止がなされるまで |
|
JCI US Inc. (旧 Contour Networks Inc.) |
Verizon Wireless LLC |
米国 |
Telematics Agreement |
無線による音声通話サービス及びデータ通信サービスの仕入れ |
2013年10月29日から 2014年12月31日まで (1年単位の自動更新) |
|
日本通信㈱ |
ソフトバンク株式会社 |
日本 |
相互接続協定書 |
レイヤー2による3G及びLTEネットワークの相互接続に関する協定 |
契約期間の定めなし (締結日:2017年1月31日) |
|
日本通信㈱ |
ソフトバンク株式会社 |
日本 |
L2接続に係る卸電気通信役務の基本契約 |
卸音声サービス及び卸SMSに関する契約 |
契約期間の定めなし (締結日:2017年8月16日) |
|
日本通信㈱ |
H.I.S.Mobile株式会社 |
日本 |
MVNE業務委託基本契約書 |
MVNE業務の受託契約 |
2018年2月15日から 2020年2月14日まで (1年単位の自動更新) |
|
日本通信㈱ |
株式会社NTTドコモ |
日本 |
第3種卸5Gサービス(卸タイプ5G)の提供に関する契約書 |
5G音声卸サービスに 関する契約 |
2022年5月30日から 卸5Gサービスの廃止 がなされるまで |
(注)1.上記契約の相手方名称は、すべて2023年3月31日現在の商号によります。
また、本書提出日現在、上記契約は有効に更新されています。
2.H.I.S.Mobile株式会社は、当社の持分法適用関連会社です。
2023年3月31日現在における当社グループにおける主要な設備は、次のとおりです。
(1) 提出会社
|
事業所名 (所在地) |
セグメントの名称 |
設備の 内容 |
帳簿価額(千円) |
従業員数 (人) |
|||||
|
建物 |
車両及び器具備品 |
リース資産 |
ソフト ウェア |
ソフト ウェア 仮勘定 |
合計 |
||||
|
本社 (東京都港区) |
日本事業及び全社(共通) |
サービス 設備 |
761 |
39,313 |
19,144 |
65,586 |
9,752 |
134,558 |
108 (2) |
(注)従業員数は就業人員です。なお、臨時従業員数は( )に平均人員を外数で記載しています。
(2) 国内子会社
|
会社名 |
事業所名 (所在地) |
セグメントの 名称 |
設備の |
帳簿価額(千円) |
従業員数 (人) |
|||
|
建物 |
器具 備品 |
ソフト ウェア |
合計 |
|||||
|
my FinTech株式会社 |
本社 (東京都港区) |
日本 事業 |
サービス設備 |
20,089 |
54,974 |
143,611 |
218,674 |
5 (-) |
(注)従業員数は就業人員です。なお、臨時従業員数は( )に平均人員を外数で記載しています。
(3) 在外子会社
|
会社名 |
事業所名 (所在地) |
セグメントの名称 |
設備の |
帳簿価額(千円) |
従業員数 (人) |
||
|
建物及び |
ソフト ウェア |
合計 |
|||||
|
JCI US Inc. |
本社 (米国コロラド州イングルウッド) |
海外事業 |
サービス |
10,082 |
55,099 |
65,182 |
11 (-) |
(注)従業員数は就業人員です。なお、臨時従業員数は( )に平均人員を外数で記載しています。
|
種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
435,000,000 |
|
計 |
435,000,000 |
|
種類 |
事業年度末現在 発行数(株) (2023年3月31日) |
提出日現在発行数(株) (2023年6月29日) |
上場金融商品取引所名または 登録認可金融商品取引業協会名 |
内容 |
|
|
|
|
東京証券取引所 プライム市場 |
単元株式数 100株 |
|
計 |
|
|
- |
- |
(注)1.「提出日現在発行数」欄には、2023年6月1日から本書提出日までの新株予約権の権利行使により発行された株式数は含まれていません。
2.発行済株式のうち471,000株は、譲渡制限付株式報酬として、会社法第202条の2に基づく無償交付により発行したものです。
3.発行済株式のうち280,000株は、譲渡制限付株式報酬として、現物出資(金銭報酬債権 58,520千円)により発行したものです。
第20回新株予約権(ストックオプション)
|
決議年月日 |
2020年3月19日(注1) |
|
付与対象者の区分及び人数(注2) |
当社取締役 7名 当社監査役 3名 当社執行役員 6名 当社従業員 86名 当社子会社従業員 13名 |
|
新株予約権の数(注3) |
32,458個 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類、 内容及び数(注3) |
普通株式 3,245,800株(注4)(注5) |
|
新株予約権の行使時の払込金額(注3) |
296円(注6) |
|
新株予約権の行使期間(注3) |
2020年4月10日から2027年4月10日まで |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の 株式の発行価格及び資本組入額(注3) |
発行価格 332円 資本組入額 (注7) |
|
新株予約権の行使の条件(注3) |
(注8) |
|
新株予約権の譲渡に関する事項(注3) |
譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会決議による承認を要する。 |
|
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 (注3) |
(注9) |
(注)1.当社は、退職等による付与対象者数の減少に伴い、2020年8月6日開催の取締役会において、付与対象者を減少させる決議を行っています。
2.2020年8月6日開催の取締役会決議後の内容を記載しています。
3.当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しています。なお、本書提出日の属する月の前月末現在(2023年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、本書提出日の属する月の前月末現在に係る記載を省略しています。
4.第20回新株予約権(ストックオプション)(以下、本項の注記において「本新株予約権」という)1個あたりの目的となる株式の数は100株とする。
5.本新株予約権の発行後、当社が株式分割または株式併合を行う場合、次の算式により本新株予約権の目的となる株式の数を調整するものとする。ただし、かかる調整は、本新株予約権のうち当該時点で権利行使していない新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする。
調整後株式数 = 調整前株式数 × 分割・併合の比率
6.本新株予約権の発行後、当社が株式分割または株式併合を行う場合は、次の算式により本新株予約権の行使時の払込金額(以下、「行使価額」という)を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
|
調整後行使価額 = 調整前行使価額 × |
1 |
|
分割・併合の比率 |
7.本新株予約権の行使により株式を発行する場合の増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。増加する資本準備金の額は、資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた金額とする。
8.(1)権利喪失事由
① 新株予約権者は、次の各号のいずれかに該当した場合は、権利行使可能となっているか否かを問わず、直ちに本新株予約権を全て喪失する。
(a) 禁錮以上の刑に処せられた場合
(b) 当社もしくは子会社の就業規則により解雇された場合、または、解雇に相当する事由があり、当社との信頼関係が毀損されたと認められる場合
(c) 当社または子会社に提出した秘密保持誓約書に規定する競業事業に自ら従事し、または、同競業事業を目的とする会社等の役職員に就任した場合(当社から事前に書面による承諾を得た場合を除く)
(d) 新株予約権者に不正行為、法令もしくは社内規程等の違反、または、職務上の義務違反もしくは懈怠があり、当社が新株予約権者に対して新株予約権の喪失を通知した場合
(e) 当社または当社の関連会社に対して損害またはそのおそれをもたらした場合、その他新株予約権を付与した趣旨に照らし権利行使を認めることが相当でないと当社が認めた場合
② 当社は、新株予約権者が前項の事由に該当するおそれがあると認められる場合、新株予約権者が前項の事由に該当するか否かを確定するために当社が必要と認める間、新株予約権者が本新株予約権を喪失するかどうかの判断を留保し、新株予約権者による権利行使を停止することができる。
(2)定年退職
新株予約権者が定年により当社または当社連結子会社の取締役、監査役、執行役員もしくは従業員の地位から退職した場合、退職日までに権利行使が可能となっていた新株予約権は、当社が定める所定の期間内に限り権利行使することができる。ただし、当社は、何らかの条件を付しまたは付さないで、その権利行使期間を「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の末日を限度として延長することができる。
(3)定年前退職
新株予約権者が当社または当社連結子会社の取締役、監査役、執行役員もしくは従業員の地位を喪失した場合(ただし、(1)及び(2)に定める場合を除く。以下、「定年前退職」という)、退職日までに権利行使が可能となっていた新株予約権は、当社が定める所定の期間内に限り権利行使することができる。ただし、当社は、何らかの条件を付しまたは付さないで、その権利行使期間を「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の末日を限度として延長することができる。
(4)相続人による権利行使
① 新株予約権者の相続人は、新株予約権を行使することができる。ただし、新株予約権者が、当社所定の書面により、相続人による権利行使を希望しない旨を申し出た場合は、この限りではない。
② 新株予約権者の相続人による権利行使方法については、当社所定の手続きに従うものとする。
(5)新株予約権の放棄
新株予約権者が(1)に該当し新株予約権を喪失した場合、及び、(2)または(3)に該当し権利行使可能となった新株予約権が各号所定の期間内に行使されない場合、新株予約権者またはその相続人は本新株予約権を放棄したものとみなす。
(6)新株予約権の行使に関するその他の制限
① 新株予約権の行使によって当社の発行済株式総数が当該時点における授権株式数を超過することとなるときは、本新株予約権の行使を行うことはできない。
② 各新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。
③ その他の権利行使の条件は、当社と新株予約権の割当を受ける者との間で締結する新株予約権割当契約に定めるところによる。
9.当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る)、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転(以上を総称して以下、「組織再編行為」という)を行う場合は、組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割契約、株式交換契約または株式移転計画において定めた場合に限る。
(1)交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
(2)新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3)新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件を勘案のうえ、株式分割または株式併合を行う場合に用いる、新株予約権の目的となる株式の数を調整する算式((注)5.)に準じて決定する。
(4)新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、株式分割または株式併合を行う場合に用いる、行使価額を調整する算式((注)6.)で定められる行使価額を調整して得られる再編後行使価額に、(3)に従って決定される当該新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。
(5)新株予約権を行使することができる期間
「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の末日までとする。
(6)新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
(注)7.に準じて決定する。
(7)譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会決議による承認を要するものとする。
(8)その他新株予約権の行使の条件
(注)8.に準じて決定する。
(9)新株予約権の取得に関する事項
下記に準じて決定する。
① 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる会社分割についての分割契約もしくは分割計画、または当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合は取締役会決議)がなされたとき、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を無償で取得することができる。
② 前項の株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合は取締役会決議)の前であっても、当社代表取締役社長が本新株予約権の全部をその決定する価額で取得する旨を決定したとき、当社は、当社代表取締役社長が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を取得することができる。
(10)その他の条件は、再編対象会社の条件に準じて決定する。
該当事項はありません。
|
年月日 |
発行済株式総 数増減数(株) |
発行済株式総数残高(株) |
資本金増減額(千円) |
資本金残高(千円) |
資本準備金増減額(千円) |
資本準備金残高(千円) |
|
2018年4月1日~ 2019年3月31日 (注1) |
2,100,000 |
160,428,239 |
123,066 |
4,157,896 |
123,066 |
2,498,086 |
|
2019年4月1日~ 2020年3月31日 (注1) |
3,830,000 |
164,258,239 |
370,544 |
4,528,440 |
370,544 |
2,868,630 |
|
2022年8月10日 (注2) |
- |
164,258,239 |
△4,028,440 |
500,000 |
△2,789,090 |
79,540 |
|
2022年8月15日 (注3) |
471,000 |
164,729,239 |
- |
500,000 |
- |
79,540 |
|
2022年8月15日 (注4) |
280,000 |
165,009,239 |
29,260 |
529,260 |
29,260 |
108,800 |
|
2023年3月31日 (注5) |
- |
165,009,239 |
6,562 |
535,822 |
6,562 |
115,362 |
(注)1.日本通信株式会社第4回新株予約権(第三者割当て)の行使による増加です。
2.欠損を解消して財務体質の健全化を図るため、会社法第447条第1項及び第448条第1項に基づき、資本金及び資本準備金の額を減少するとともに、これらをその他資本剰余金に振替え、会社法第452条に基づき、増加したその他資本剰余金を繰越利益剰余金に振替えたものです。なお、資本金の減資割合は88.95%、資本準備金の減資割合は97.22%です。
3.当社の取締役7名に対する譲渡制限付株式報酬としての募集株式の発行によるものです。
発行形態 第三者割当(会社法第202条の2に基づく無償交付)
発行価格 1株につき209円(当該株式の発行に係る当社普通株式の公正な評価額)
資本組入額 1株につき104.5円(当該譲渡制限付株式の譲渡制限期間が属する各事業年度の末日に、会社計算規則の規定に従って算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額を資本に組み入れるため、募集株式の発行日において資本への組入れはありません)
4.当社の執行役員等6名に対する譲渡制限付株式報酬としての募集株式の発行によるものです。
発行形態 第三者割当(金銭報酬債権(58,520千円)の現物出資による)
発行価格 1株につき209円(当該株式の発行に係る会社法上の払込金額)
資本組入額 1株につき104.5円
5.2022年8月15日に取締役に対する譲渡制限付株式報酬として無償交付した募集株式について、当該取締役がその職務の執行として当該募集株式を対価とする役務を提供したことによる増加です。
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2023年3月31日現在 |
||
|
区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満株式の状況(株) |
|||||||
|
政府及び地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
|||
|
個人以外 |
個人 |
||||||||
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株主数(人) |
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- |
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所有株式数 (単元) |
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所有株式数の割合(%) |
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100 |
- |
(注)1.自己株式15,004株は、「個人その他」に150単元、「単元未満株式の状況」に4株含まれています。
2.当社代表取締役会長三田聖二が外国法人である「MLPFS CUSTODY ACCOUNT」の名義で所有する株式126,228単元は、「個人その他」に含まれています。
3.所有株式数の割合は、小数点以下第3位を切り捨てています。
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2023年3月31日現在 |
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氏名または名称 |
住所 |
所有株式数 (株) |
発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する所有株式数の割合(%) (注1) |
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NATIONAL FINANCIAL SERVICES LLC (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) |
1209 ORANGE STREET, WILMINGTON, NEW CASTLE COUNTRY, DELAWARE 19801 USA (東京都新宿区新宿六丁目27番30号) |
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MLPFS CUSTODY ACCOUNT(注4) (常任代理人 BOFA証券株式会社) |
THE CORPORATION TRUST COMPANY CORPORATION TRUST CENTER 1209 ORANGE ST WILMINGTON, DE DE US (東京都中央区日本橋一丁目4番1号 日本橋一丁目三井ビルディング) |
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BNYMSANV RE BNYMSANVGC RE GCM CLIENT ACC GCS RD JP EQ (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) |
29 BLD HAUSSMANN 75009 PARIS FRANCE (東京都千代田区丸の内二丁目7番1号 決済事業部) |
|
|
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BNYMSANV RE BNYMSANVGC RE GCM CLIENT ACCOUNTS (E) SIXI (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) |
51 RUE DE LILLE 75007 PARIS FRANCE (東京都千代田区丸の内二丁目7番1号 決済事業部) |
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|
|
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JP JPMSE LUX RE SOCIETE GENERALE EQ CO (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) |
29 BOULEVARD HAUSSMANN PARIS FRANCE 75009 (東京都千代田区丸の内二丁目7番1号 決済事業部) |
|
|
|
BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNY GCM CLIENT ACCOUNTS M LSCB RD (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) |
ONE CHURCHILL PLACE, LONDON, E14 5HP UNITED KINGDOM (東京都千代田区丸の内二丁目7番1号 決済事業部) |
|
|
|
BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM CLIENT ACCTS M ILM FE (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) |
2 KING EDWARD STREET, LONDON EC1A 1HQ UNITED KINGDOM (東京都千代田区丸の内二丁目7番1号 決済事業部) |
|
|
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計 |
- |
|
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(注)1.発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を切り捨てています。
2.当該株主の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、当社において把握することができません。
3.前事業年度末において主要株主でなかった日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)は、当事業年度末現在では主要株主となっています。
4.当社代表取締役会長三田聖二が実質的に保有しています。なお、所有株式数には、同氏が個人名義で所有する株式数を含めて記載しています。
|
|
|
(単位:千円) |
|
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前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
資産の部 |
|
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|
流動資産 |
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|
現金及び預金 |
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売掛金 |
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|
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商品 |
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|
|
貯蔵品 |
|
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|
未収入金 |
|
|
|
その他 |
|
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|
貸倒引当金 |
△ |
△ |
|
流動資産合計 |
|
|
|
固定資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
|
|
|
建物 |
|
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減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
建物(純額) |
|
|
|
車両運搬具 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
車両運搬具(純額) |
|
|
|
工具、器具及び備品 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
工具、器具及び備品(純額) |
|
|
|
リース資産 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
リース資産(純額) |
|
|
|
建設仮勘定 |
|
|
|
有形固定資産合計 |
|
|
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無形固定資産 |
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特許権 |
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商標権 |
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|
|
ソフトウエア |
|
|
|
ソフトウエア仮勘定 |
|
|
|
無形固定資産合計 |
|
|
|
投資その他の資産 |
|
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|
投資有価証券 |
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|
|
敷金及び保証金 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
投資その他の資産合計 |
|
|
|
固定資産合計 |
|
|
|
繰延資産 |
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|
|
株式交付費 |
|
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社債発行費 |
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|
|
繰延資産合計 |
|
|
|
資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
負債の部 |
|
|
|
流動負債 |
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|
|
買掛金 |
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未払金 |
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未払法人税等 |
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前受収益 |
|
|
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預り金 |
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|
|
買付契約評価引当金 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
流動負債合計 |
|
|
|
固定負債 |
|
|
|
長期未払金 |
|
|
|
長期前受収益 |
|
|
|
リース債務 |
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|
|
固定負債合計 |
|
|
|
負債合計 |
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
株主資本 |
|
|
|
資本金 |
|
|
|
資本剰余金 |
|
|
|
利益剰余金 |
△ |
|
|
自己株式 |
△ |
△ |
|
株主資本合計 |
|
|
|
その他の包括利益累計額 |
|
|
|
為替換算調整勘定 |
|
|
|
その他の包括利益累計額合計 |
|
|
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新株予約権 |
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非支配株主持分 |
|
|
|
純資産合計 |
|
|
|
負債純資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
売上高 |
|
|
|
売上原価 |
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|
|
売上総利益 |
|
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|
販売費及び一般管理費 |
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営業利益 |
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営業外収益 |
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受取利息 |
|
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持分法による投資利益 |
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|
|
為替差益 |
|
|
|
雑収入 |
|
|
|
営業外収益合計 |
|
|
|
営業外費用 |
|
|
|
支払利息 |
|
|
|
株式交付費償却 |
|
|
|
社債発行費償却 |
|
|
|
雑損失 |
|
|
|
営業外費用合計 |
|
|
|
経常利益 |
|
|
|
特別利益 |
|
|
|
固定資産売却益 |
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特別利益合計 |
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税金等調整前当期純利益 |
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法人税、住民税及び事業税 |
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法人税等合計 |
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当期純利益 |
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非支配株主に帰属する当期純損失(△) |
△ |
△ |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
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1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、移動体通信分野の各種サービスを開発・運用し、顧客に販売・提供する事業を行っています。
当社並びに国内子会社4社及び持分法適用関連会社1社は、主として国内の顧客に対するサービス提供を行う事業 会社としての機能と、グループの戦略決定やグループ全体のバックオフィス業務の一部を担う機能を有しています。一方、海外では、米国子会社1社及びヨーロッパ子会社1社が当社の決定した戦略に基づき、主として米国の顧客に対してサービスを提供する機能及びグループ全体にかかわる研究開発活動などの本社機能の一部を有しています。
当社の報告セグメントは各社の事業拠点を基礎とし、当社及び国内子会社4社を「日本事業」、米国子会社1社及びヨーロッパ子会社1社を「海外事業」とした上で、当社及び米国子会社の一部費用を全社費用としています。
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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資産の部 |
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流動資産 |
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現金及び預金 |
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売掛金 |
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商品 |
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貯蔵品 |
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未収入金 |
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前払費用 |
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その他 |
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貸倒引当金 |
△ |
△ |
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流動資産合計 |
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固定資産 |
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有形固定資産 |
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建物 |
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車両運搬具 |
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工具、器具及び備品 |
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リース資産 |
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有形固定資産合計 |
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無形固定資産 |
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商標権 |
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ソフトウエア |
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ソフトウエア仮勘定 |
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無形固定資産合計 |
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投資その他の資産 |
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投資有価証券 |
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関係会社株式 |
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敷金及び保証金 |
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長期未収入金 |
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長期貸付金 |
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その他 |
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貸倒引当金 |
△ |
△ |
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投資その他の資産合計 |
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固定資産合計 |
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繰延資産 |
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株式交付費 |
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社債発行費 |
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繰延資産合計 |
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資産合計 |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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負債の部 |
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流動負債 |
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買掛金 |
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短期借入金 |
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未払金 |
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未払法人税等 |
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前受収益 |
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預り金 |
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買付契約評価引当金 |
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その他 |
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流動負債合計 |
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固定負債 |
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長期借入金 |
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長期未払金 |
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リース債務 |
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固定負債合計 |
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負債合計 |
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純資産の部 |
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株主資本 |
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資本金 |
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資本剰余金 |
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資本準備金 |
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資本剰余金合計 |
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利益剰余金 |
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その他利益剰余金 |
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繰越利益剰余金 |
△ |
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利益剰余金合計 |
△ |
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自己株式 |
△ |
△ |
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株主資本合計 |
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新株予約権 |
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純資産合計 |
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負債純資産合計 |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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売上高 |
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売上原価 |
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売上総利益 |
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販売費及び一般管理費 |
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営業利益 |
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営業外収益 |
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受取利息 |
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為替差益 |
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雑収入 |
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営業外収益合計 |
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営業外費用 |
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支払利息 |
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社債発行費償却 |
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株式交付費償却 |
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貸倒引当金繰入額 |
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雑損失 |
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営業外費用合計 |
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経常利益 |
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特別利益 |
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固定資産売却益 |
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特別利益合計 |
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税引前当期純利益 |
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法人税、住民税及び事業税 |
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法人税等合計 |
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当期純利益 |
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