電源開発株式会社
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、新株予約権付社債等潜在株式がないため、記載しておりません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第70期の期首から適用しており、第70期より主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3 従業員数については、就業人員数を表示しております。
4 当社は、役員に対する株式報酬制度を導入しており、役員向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式を連結財務諸表において自己株式として計上しております。これに伴い、第71期に係る1株当たり純資産額の算定上、当該信託口が保有する当社株式を期末発行済株式総数の計算において控除する自己株式に含めております。また、第71期に係る1株当たり当期純利益の算定上、当該信託口が保有する当社株式を期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。当該制度の概要については、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、新株予約権付社債等潜在株式がないため、記載しておりません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第70期の期首から適用しており、第70期より主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3 従業員数については、就業人員数を表示しております。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
5 当社は、役員に対する株式報酬制度を導入しており、役員向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式を財務諸表において自己株式として計上しております。これに伴い、第71期に係る1株当たり純資産額の算定上、当該信託口が保有する当社株式を期末発行済株式総数の計算において控除する自己株式に含めております。また、第71期に係る1株当たり当期純利益の算定上、当該信託口が保有する当社株式を期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。当該制度の概要については、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(注) 出力は2023年3月末現在のものです。
当社グループは、当社、子会社72社及び関連会社107社(2023年3月31日現在)によって構成されており、主に、水力、火力、風力など当社又は関係会社で保有する発電所による発電事業及び卸電力取引市場等から調達した電力の販売事業を行っているほか、送電事業として子会社で保有する送・変電設備により、沖縄電力㈱を除く一般送配電事業者9社の電力託送を行っております。
当社グループの事業の内容としては、当社及び関係会社が行う「電気事業」、電気事業を補完し電気事業の円滑かつ効率的な遂行に資する「電力周辺関連事業」、海外における発電事業及びその関連事業を行う「海外事業」並びに当社グループの保有する経営資源、ノウハウを活用して行う石炭販売事業等の「その他の事業」があります。
なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。
[電気事業]
当社は、水力、火力など当社で保有する発電所により電力の供給をする発電事業及び卸電力取引市場等から調達した電力の販売事業を行っているほか、送電事業として子会社で保有する送・変電設備により、沖縄電力㈱を除く一般送配電事業者9社の電力託送を行っております。設備毎の特徴は以下のとおりです(2023年3月31日現在)。
(水力発電) 当社設立以降、規模の大きな水力発電所を数多く開発し、合計出力857万kWの水力発電設備を保有しております。これらの設備は電力需要の変動に素早く対応できるため、電力需要が高まる昼間帯を中心に利用されております。
(火力発電) 石炭火力に特化しており、合計出力841万kWの石炭火力発電設備を保有しております。主に電力需要のベース部分を担う電源として利用されていることから設備の利用率が高く、電力安定供給に貢献している電源と言えます。
(託送) 北海道・本州間、本州・四国間、本州・九州間等、一般送配電事業者の供給地域を繋ぐ基幹送電線等(総亘長2,410km)及び周波数の異なる東西日本を繋ぐ周波数変換所を保有しております。
また、当社の子会社及び関連会社は風力発電事業及び火力発電事業等を行っております。
[電力周辺関連事業]
電気事業を補完し、その円滑、効率的な遂行に資する事業を行っております。
発電所の受託運営、電力設備の設計・施工・点検保守・補修、燃料や石炭灰に関する港湾運用、炭鉱開発、石炭の輸入・輸送、バイオマス燃料の調達・製造、厚生施設等の運営、電算サービス等
[海外事業]
海外における発電事業及びその関連事業、海外におけるエンジニアリング・コンサルティング事業等を行っております。
[その他の事業]
保有する経営資源、ノウハウを活用し、国内での廃棄物発電等の新たな電力事業、環境関連事業、情報通信事業、国内におけるエンジニアリング・コンサルティング事業、石炭等販売事業等を行っております。
当社グループを事業系統図によって示すと次頁のとおりです。
[事業系統図]

当連結会計年度の主な関係会社の異動等は次のとおりです。
[電気事業]
当連結会計年度において、糸魚川発電㈱は2022年8月に全保有株式を譲渡したことにより、また、美浜シーサイドパワー㈱は2022年11月に清算したことにより、連結子会社に該当しなくなりました。また、あきたみらいエネルギー(同)及び由利本荘みらいエネルギー(同)は2022年8月に清算したことにより、持分法適用の範囲から除外しております。
[電力周辺関連事業]
当連結会計年度において、2022年12月に連結子会社のJ-POWERテレコミュニケーションサービス㈱は連結子会社であった日本ネットワーク・エンジニアリング㈱を吸収合併しております。
[海外事業]
当連結会計年度より、2022年7月に設立したJ-POWER Alaska Development, LLC、2023年2月に設立したJ-Power Generation Philippines Inc.及びJ-POWER VIETNAM Co., Ltd.を新たに連結の範囲に含めております。また、2023年2月に株式を取得したLake Mainit Hydro Holdings Corp.及びAgusan Power Corp.を新たに持分法適用の範囲に含めております。
[その他の事業]
主要な関係会社の異動等はありません。
(注) 1 議決権の所有割合の( )内は間接所有割合で内数、[ ]内は緊密な者又は同意している者の所有割合で外数です。
2 特定子会社に該当します。
3 役員の兼任等の欄における( )内は、当社従業員が当該子会社及び関連会社の役員を兼任している者の人数です。
4 米国法上のLimited Liability Company(LLC)及びLimited Partnership(L.P.)については、資本金の概念と正確に一致するものがないことから、資本金の額は記載しておりません。
5 Jackson Generation, LLCは、2022年12月末日時点の情報を記載しておりますが、2023年2月27日に権益を一部譲渡したことにより議決権の所有割合は51%に減少しております。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、就業人員です。
2 臨時従業員の総数は、従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、出向人員等1,178人は含まれておりません。
2 臨時従業員の総数は、従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
3 平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。なお、管理職等は算定対象に含まれておりません。
当社グループには、電源開発関連労働組合総連合が組織(組合員数3,910人)されており、全国電力関連産業労働組合総連合に属しております。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
①提出会社
2023年3月31日現在
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
3 ( )内は、当社グループにて管理している、労働者の子の誕生年度毎に育児休業及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
②連結子会社
2023年3月31日現在
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
3 ( )内は、当社グループにて管理している、労働者の子の誕生年度毎に育児休業及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
③補足説明
a.提出会社
○対象期間:当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
○賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当等を除く。
○社員:社員の他、常勤嘱託及び建設職員のうち無期雇用転換した者を含み、休職者、他社から当社への出向者、当社からの給与支給を停止する出向者を除く。
○有期雇用者:継続社員、常勤嘱託及び建設職員(無期雇用転換した者を除く)、非常勤嘱託。休職者、他社から当社への出向者を除く。
○差異についての補足説明
・グローバル社員(総合職)の基本給における男女賃金比率は以下のとおりです(報酬制度は性別に関係なく、同一の基準を適用)。
・女性活躍推進の観点から、以下のとおり女性の新卒採用を強化しております。その結果、社員の男女別平均年齢に差が出ており、男女の賃金の差異にも繋がっております。
b.J-POWERジェネレーションサービス㈱
○対象期間:当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
○賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当等を除く。
○社員:社員、有期雇用を除く常勤嘱託。休職者、他社から当該子会社への出向者を除く。
○有期雇用者:継続社員、常勤嘱託(無期雇用転換した者を除く)。休職者、他社から当該子会社への出向者を除く。
○人員の算定においては、毎月1日時点の在籍情報より集計。
○差異についての補足説明
社員
・給与制度については性別による賃金差異はありません。
・2023年3月31日現在の管理職に占める女性労働者の割合は3.5%となっており、一般事業主行動計画に記載のとおり、女性管理職登用率の増加に向けた取り組みを進めてまいります。
有期雇用者
・継続雇用における管理職処遇者及び船舶業務従事者といった専門職種が男性に集中していることが要因となっております。
c.㈱J-POWERハイテック
○対象期間:当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
○賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当等を除く。
○社員:社員、常勤嘱託及び建設職員のうち無期雇用転換した者。休職者、他社から当該子会社への出向者を除く。
○有期雇用者:継続社員、常勤嘱託(無期雇用転換した者を除く)、非常勤嘱託、パート職員。休職者、他社から当該子会社への出向者を除く。
○差異についての補足説明
・制度上、性別による賃金差異はありません。
・勤務地限定職並びにパート職員に占める女性割合が多いことが主な要因となっております。
・引き続き性別に関わらず、様々な場面で女性の登用を行い、多様性の確保を図ってまいります。
d.㈱J-POWERビジネスサービス
○対象期間:当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
○賃金:基本給、賞与、各種手当(通勤手当・退職手当を除く)
○社員:社員、常勤嘱託・契約社員・職員のうち無期雇用転換した者を含む。他社から当該子会社への出向者・給与支給を停止している者を除く。
○有期雇用者:継続雇用者、非常勤嘱託・常勤嘱託・契約社員・職員のうち有期雇用者、パートタイマーを含む。給与支給を停止している者を除く。
○差異についての補足説明
・社員について、女性総合職の定期採用が直近10年程で定着したため、男性と比較し若年層が多く、2023年3月31日現在での賃金差異につながっております。給与水準が高くなる傾向にある特定業務従事者が男性に偏っているため、賃金差異につながっております。
※報酬制度は性別に関係なく、同一基準を適用
・有期雇用者の女性のうち、9割がパートタイマーであり賃金総額が低くなり、賃金差異につながっております(男性は5割がパートタイマー)。
※参考情報:パートを除く有期雇用者の賃金差異 70.8%、パートの賃金差異 71.2%
e.J-POWERテレコミュニケーションサービス㈱
○対象期間:当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
○賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当等を除く。
○社員:社員の他、常勤嘱託のうち無期雇用転換した者を含み、休職者、他社から当該子会社への出向者を除く。
○有期雇用者:継続社員、常勤嘱託(無期雇用転換した者を除く)、非常勤嘱託。休職者、他社から当該子会社への出向者を除く。
○差異についての補足説明
・制度上、性別による賃金差異はありません。
・勤務地限定職に占める女性割合が多いことが主な要因となっております。
・引き続き性別にかかわらず、様々な場面での女性の登用を行い、多様性の確保を図ってまいります。
以下には、当社の財政状態、経営成績並びに現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2023年6月29日)において当社が入手可能な情報等に基づいて判断したものです。また、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社が必ずしも重要なリスクとは考えていない事項であっても、事業等のリスクを理解する上で投資家にとって参考となる情報は記載しております。また、以下の記述は、別段の意味に解される場合を除き、連結ベースでなされており、「当社」には当社並びに当社の連結子会社及び持分法適用会社(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和51年大蔵省令第28号)の定義に従います。)が含まれております。
(1) 気候変動問題について
当社は、LNG等他の化石燃料を使用する発電所と比較して、発電量当たりのCO2排出量が相対的に多い石炭火力発電所を多数有しておりますが、化石電源のゼロエミッション化を2050年に向けた目標として掲げ、その実現に向けて石炭火力の高効率化・低炭素化等に取り組んでおります。
また、CO2フリー電源である再生可能エネルギーの導入拡大、原子力発電の開発などにも取り組んでおります。さらに、2015年7月に当社を含む電気事業者により策定された「電気事業における低炭素社会実行計画」に基づき、電気事業全体での目標の達成に向けて最大限努力しております。
日本国内では、2030年のエネルギーミックスにおいて石炭火力発電が電力供給の一定比率を担うとされているものの、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すという政府目標が示され、電力部門においては、再生可能エネルギーの最大限の導入や安全最優先で原子力政策を進めるとされている一方、非効率石炭火力のフェードアウトの検討も進められています。
また、カーボンニュートラル目標と安定供給の両立に資する電源を対象に、新規の設備投資に対して長期予見性を付与する仕組みである「長期脱炭素電源オークション」の導入が予定されております。
当社としてもこれらの動向を注視しつつ、カーボンニュートラル目標に貢献する電源の開発や、気候変動問題の解決に資する事業の運営に取り組んでまいります。
一方で、2030年度の温室効果ガスの削減目標を2013年度比46%とするという政府の方針も示される中、今後、気候変動問題への対応に関する新たな法的規制等が導入されること等により、事業計画・事業運営に大幅な変更や制約等が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 電気事業制度改革の進展等による当社の料金収入等への影響について
2013年4月に閣議決定された「電力システムに関する改革方針」に基づく電気事業制度改革によって、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しております。電気事業法改正により、2016年4月には電力小売参入が全面自由化されるとともに、卸電気事業者に関する規制(事業許可制や料金規制)が撤廃されました。また、2020年4月には当社及び旧一般電気事業者は送配電部門の法的分離を実施しました。今後さらに、旧一般電気事業者に対する電気小売料金規制(経過措置)の見直しが行われる予定です。
制度改革における電気事業類型の見直しに伴い、2016年4月より当社は改正前の電気事業法で規定されていた卸電気事業者から、発電事業及び送電事業を営む電気事業者となりました。発電事業に関する料金は、原価主義に基づく料金規制等が撤廃され、市場競争環境下で販売先との協議により決定されることになります。また、送電事業に関する料金は、健全な送配電ネットワーク維持のため引き続き規制分野として原価主義に基づく料金制度となっております(当社の電気料金については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照)。
当社の営業収益の大半は、国内における旧一般電気事業者への販売による料金収入であるため、当社は、市場競争が進んでいく発電事業分野で、持続的に当社の発電事業が価値を発揮できるような取組みを進めております。具体的には、旧一般電気事業者を主とする販売先との適切な料金協議や電力販売の多様化による収益基盤の安定化の取組みに加えて、発電設備の保守高度化による競争力の強化等の取組みも進めております。
しかしながら、かかる取組みにもかかわらず、今後の長期的な電力需要の推移、更なる市場競争の進展、販売先との協議、法的規制等によって事業計画・事業運営に大幅な変更等が生じ、又は予期せぬ設備トラブル等により発電コストに見合った収益を確保できない場合、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 大間原子力発電所建設計画について
大間原子力発電所計画は、1995年8月の原子力委員会決定によって、国及び電気事業者の支援の下、当社が責任を持って取り組むべきとされた全炉心でのMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料利用を目指した改良型沸騰水型軽水炉(フルMOX-ABWR)であり、軽水炉でのMOX燃料利用計画の柔軟性を広げるという政策的な位置付けを持つものとされております。このため、全炉心でのMOX燃料利用に関する技術開発部分について、「全炉心混合酸化物燃料原子炉施設技術開発費補助金交付要綱」に基づき、政府から補助金の交付を受けております。また、既に沖縄電力㈱を除く旧一般電気事業者9社と基本協定を締結しており、その中で旧一般電気事業者9社による適正原価等での全量受電が約されております。加えて、計画の現況についても旧一般電気事業者9社と定期的に確認しております。
大間原子力発電所計画は、全炉心でのMOX燃料利用の原子力発電所として、地元大間町、青森県の同意を得て、1999年8月に電源開発調整審議会により電源開発促進法で定める国の電源開発基本計画に組み入れられ、2008年4月には「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基づく原子炉設置許可、5月には電気事業法に基づく工事計画認可(第1回)を経済産業大臣から受け、着工に至っております。この時点で予定していた建設費は4,690億円でした。その後、2011年3月に発生した東日本大震災直後より工事を休止しておりましたが、2012年10月より工事を再開しております。
当社は、2013年7月に施行された原子力発電所に係る新規制基準への適合性審査を受けるため、2014年12月16日に原子力規制委員会に対し、原子炉設置変更許可申請書及び工事計画認可申請書を提出しました。具体的な取組みは多岐にわたりますが、シビアアクシデントを防止するために、設計基準事故対策の強化及び地震・津波等への想定や対応策の強化を行うとともに、新規制基準において新設された重大事故等対策として、炉心損傷の防止及び格納容器の破損防止のための対策を行っております。さらに、航空機衝突等のテロ対策として、原子炉格納容器の破損による外部への放射性物質の異常な放出を抑制するため原子炉の減圧等の遠隔操作を可能とする特定重大事故等対処施設を設置することとしています。
事業者として適合性審査の進展に予断を持つことはできませんが、上記申請の中でとりまとめた追加の安全強化対策工事を、2024年後半に開始し、2029年後半に終了することを目指しております。
しかしながら、原子力事業を取り巻く状況の変化、原子力規制委員会の審査の状況、新規制基準への追加の対応等により、工程が延伸する可能性があります。これらの場合には、建設費の増加や関連費用が更に発生する可能性があります。なお、安全強化対策工事については、先行して適合性審査に合格した同型炉の安全強化対策の内容や規模も参考に更なる対策の実施を検討しており、2014年12月16日の上記申請書に記載した工事費見通し約1,300億円についても、それに伴う相応の増額を見込んでおります。加えて、原子力発電においては、国の原子力政策の見直しなど原子力事業を取り巻く状況の大幅な変化や更なる市場競争の進展、予期せぬ事態の発生等による計画変更等のリスク、また、運転開始後には、放射性物質の貯蔵と取扱いに関するリスク、他の発電設備と同様、自然災害、不測の事故等のリスクも存在します(「(7) 自然災害、疫病の流行等について」を参照)。
一方で、全炉心でMOX燃料の利用が可能な大間原子力発電所は、国がエネルギー基本計画において基本的方針としている原子燃料サイクルに大きく貢献できる発電所です。電気事業連合会から2020年12月にプルサーマル計画が、2023年2月にプルトニウム利用計画がそれぞれ公表されておりますが、2022年度末のプルサーマルの実施状況を踏まえれば、年間最大6.6tPutのプルトニウムを回収可能な六ヶ所再処理工場が安定的に稼働するためには、フルMOX運転時に年間約1.7tPutのプルトニウムを消費できる大間原子力発電所は必要不可欠と考えております。
当社は、これらの大間原子力の重要性を踏まえ、原子力規制委員会の適合性審査に真摯かつ適切に対応し、必要な安全対策等を着実に実施して全社を挙げて安全な発電所づくりに取り組むとともに、ここに記載した原子力発電事業の様々なリスクに対しても可能な限り対策を講じ、事業者として関係者とも協力しながら経済性を確認しつつ事業を推進していく所存ですが、仮にリスクが顕在化した場合、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 海外発電事業をはじめとする国内外での新たな事業への取組みについて
当社は、収益基盤の強化を目指して、海外発電事業をはじめとする国内外での新たな取組みを進めております。
具体的には、海外発電事業については、海外諸国でのコンサルティング事業の経験を活かしてIPP(独立系発電事業者)プロジェクトへの取組み等を進めております。
また、国内電気事業については、高効率石炭火力発電所等の新規開発や、風力・地熱・廃棄物等の再生可能エネルギーを利用した発電事業等に加えて、電力小売販売等にも取り組んでおります。
しかしながら、これらの事業は、状況の大幅な変化、需要や市場環境の変化、規制の変更等の予期せぬ事態の発生等により、当社が期待したほどの収益を生まない可能性があり、これらの事情により事業計画の変更、事業・建設の取り止め等があれば、これに伴う関連費用の発生、追加資金拠出等により、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、これらの事業の中には第三者との合弁形態で運営されているものがあり、事業環境の変化に伴う合弁形態の見直しや、当社が少数持分保有者に留まる合弁形態のために経営統制等に関与できない事態等が生じた場合、合弁事業の結果が、必ずしも当社の業績に有益な貢献をもたらさない可能性があります。さらに、海外での事業については、為替リスクに加え当該国の政情不安等によるリスク(カントリーリスク)が存在します。
(5) 資金調達について
当社は、これまで発電所等への多額の設備投資を行っており、そのための設備資金を主として借入れ及び社債発行によって調達してきました。今後も、再生可能エネルギー発電設備や大間原子力発電所の新規開発をはじめとする国内外での新たな事業等への投資、既存の債務の償還等のための資金調達を必要とする見通しです。今後の資金調達にあたり、その時点における金融情勢、当社の信用状態又はその他の要因のために当社が必要資金を適時に適正な条件で調達することができなければ、当社の事業展開並びに財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 石炭火力発電用燃料について
当社の石炭火力発電所は海外炭を主たる燃料としております。当社は、海外炭の調達にあたっては、供給の安定性と経済性を同時に追求するため、オーストラリア、インドネシア、北米などに調達地域を多様化しております。また、石炭の安定確保のために、一部の炭鉱においては権益を保有しております。なお、当社による海外炭の調達は、主として長期契約又は期間1年程度の契約により行われており、補完的にスポットでの購入も行っております。長期契約に基づく石炭の購入価格は、通常、1年に1回市場価格を踏まえて調整されます。
当社の燃料費は、海外炭の価格変動、輸送船舶の需給状況、燃料調達先の設備・操業トラブル等により影響を受けますが、主要な石炭火力発電所の電力料金の燃料費相当部分については、販売先との間で燃料調達に係る市況の変動を適宜反映することとしているため、当社の業績への影響は限定的です。ただし、石炭価格の急激な上昇等があった場合、これに伴う燃料費の上昇分を料金に反映させるまでにタイムラグがあるため、一時的に業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、石炭価格が大幅に下落し、当社が権益を保有している炭鉱の業績に影響が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 自然災害、疫病の流行等について
自然災害、人為的なミス、テロ、燃料供給の中断又はその他の不測の事態により、当社の発電設備若しくは送・変電設備等又はこれらの設備を運転制御する情報システム等に重大な事故等があった場合、当社の事業運営に支障を来たし、ひいては周辺環境に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、当社が事業を実施している国及び地域における重要なインフラストラクチャーである発電設備及び送・変電設備の事故等の防止、関係者の安全確保並びに周辺環境の保全のため、保安・防災体制の確立、事故・災害の予防対策及び応急・復旧対策並びに環境モニタリング等に全社をあげて取り組んでおります。
しかしながら、事故等のために当社の発電設備又は送・変電設備等が操業を停止した場合、さらには事故等のため周辺環境に悪影響を及ぼした場合には、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は発電設備又は送・変電設備等の維持・運営等にあたり、電力安定供給のための対策を実施していますが、疫病の流行その他の不測の事態により、設備の運営、建設・補修工事又は大規模な点検等に必要な人員、原材料及び資機材等の確保が困難となる場合には、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制について
当社事業の大半を占める電気事業については、電気事業法による規制を受けております。
2014年6月の電気事業法改正により、2016年4月以降、改正前の電気事業法で定められていた卸電気事業者に関する規制(事業許可制や料金規制)は撤廃されましたが、当社は、引き続き同法に規定される発電事業及び送電事業を営む電気事業者として、事業規制及び保安規制、並びにこれらの規制に伴う変更・中止命令及び送電事業については許可の取消しに関する規定の適用を受けております。この他、当社の事業運営は様々な法令の適用を受けております。このため、当社がこれらの法令・規制を遵守できなかった場合、又はこれらの法令・規制の改正があった場合には、当社の事業運営や財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、原子力事業者による相互扶助の考え方に基づいて、将来にわたって原子力損害賠償の支払等に対応できる支援組織を中心とした仕組みを構築することを目的とする「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法」により、原子力事業者は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構の業務に要する費用に充てるための負担金を納付することを義務付けられております。当社は、現在進めている大間原子力発電所計画について、同発電所が「原子力損害の賠償に関する法律」に定める原子炉の運転等を開始した後に、負担金を納付することとなりますが、かかる負担金の額によっては当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 業務情報の管理
当社は、個人情報をはじめ機密を要する多くの重要な情報を保有しています。これらの情報については情報セキュリティ対策の推進、従業員教育等の実施により厳重に管理しておりますが、外部に流出した場合、当社のレピュテーションや業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(主たる事業に係る契約等)
当社グループの主たる事業は発電事業及び送電事業です。発電事業では旧一般電気事業者10社や新電力といった小売電気事業者等に対して、各社との出力・電力量、料金等を定めた契約に基づき、当社が所有する発電設備で発電した電力又は卸電力取引市場等から調達した電力を供給しております。また、送電事業では子会社が所有する送・変電設備により、沖縄電力㈱を除く一般送配電事業者9社の電力託送を、各社との契約に基づき行っております。
なお、発電事業に関する料金は、電気事業法の改正に伴い、2016年4月より卸規制等が撤廃され、販売先との協議により決定しております。一方、送電事業に関する料金は、健全な送配電ネットワーク維持のため、引き続き規制部門として送電事業で必要と想定される適正な原価に適正な利潤を加えて算定しております。
当社グループが保有する設備のうち、電気事業設備、海外事業設備の概況及び主要な設備について記載しております。
(1) 電気事業設備の概況
① 提出会社
2023年3月31日現在
(注) 1 土地の欄の( )内は、面積(㎡)を示しております。
2 上記の他借地面積は1,893,281㎡です。
② 国内子会社
2023年3月31日現在
(注) 1 土地の欄の( )内は、面積(㎡)を示しております。
2 上記の他借地面積は26,477,049㎡です。そのうち主なものは送電設備用借地24,951,713㎡です。
(2) 海外事業設備の概況
2023年3月31日現在
(注)海外事業設備にはガス火力発電設備の他、太陽光発電設備が含まれております。
(3) 主要な設備
① 提出会社
水力発電設備
2023年3月31日現在
(注) 1 最大出力100,000kW以上を記載しております。
2 下郷、奥清津、奥清津第二、沼原、新豊根は揚水発電所であるため、常時の出力はありません。
汽力発電設備
2023年3月31日現在
通信設備
2023年3月31日現在
(注)基幹系統マイクロ回線を記載しております。
業務設備
2023年3月31日現在
② 国内子会社
送電設備
2023年3月31日現在
(注)亘長100km以上を記載しております。
変電設備
2023年3月31日現在
新エネルギー等発電設備
2023年3月31日現在
(注) 上記の他借地面積は1,515,558㎡です。
③ 海外子会社
2023年3月31日現在
(注)海外子会社の主要な設備にはガス火力発電設備の他、太陽光発電設備が含まれております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
2023年3月31日現在
(注)1 当社は、2023年3月31日現在自己株式3,331株を保有しており、このうち「個人その他」の欄に33単元、
「単元未満株式の状況」の欄に31株含まれております。
2 「単元未満株式の状況」欄には、証券保管振替機構名義の株式が80株含まれております。
3 「金融機関」欄には、当社の役員向け株式交付信託の信託財産として所有する株式が1,858単元含まれております。
2023年3月31日現在
(注)1 富国生命保険相互会社の所有株式には、退職給付信託への拠出分(600千株)、特別勘定口(3.4千株)を含みます。
2 株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数には、当社の役員向け株式交付信託の信託財産と
して所有する株式(185.8千株)を含みます。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、当社、子会社72社及び関連会社107社(2023年3月31日現在)によって構成されており、主に、水力、火力、風力など当社又は関係会社で保有する発電所による発電事業及び卸電力取引市場等から調達した電力の販売事業を行っているほか、送電事業として子会社で保有する送・変電設備により、沖縄電力㈱を除く一般送配電事業者9社の電力託送を行っております。
当社グループの事業の内容としては、当社及び関係会社が行う「電気事業」、電気事業を補完し電気事業の円滑かつ効率的な遂行に資する「電力周辺関連事業」、海外における発電事業及びその関連事業を行う「海外事業」並びに当社グループの保有する経営資源、ノウハウを活用して行う石炭販売事業等の「その他の事業」の4つを報告セグメントとしております。