株式会社帝国ホテル
Imperial Hotel, Ltd.
千代田区内幸町一丁目1番1号
証券コード:97080
業界:サービス業
有価証券報告書の提出日:2023年6月28日

(1) 連結経営指標等

回次

第178期

第179期

第180期

第181期

第182期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

58,426

54,558

22,051

28,617

43,772

経常利益又は

経常損失(△)

(百万円)

5,314

3,495

7,901

7,827

1,652

親会社株主に帰属する
当期純利益

又は親会社株主に帰属

する当期純損失(△)

(百万円)

3,686

2,404

14,363

7,886

1,951

包括利益

(百万円)

3,648

2,300

14,079

7,865

2,267

純資産額

(百万円)

59,335

60,627

46,073

37,970

40,000

総資産額

(百万円)

81,067

79,572

65,420

59,111

61,743

1株当たり純資産額

(円)

1,000.20

1,021.97

776.64

640.05

674.26

1株当たり当期純利益

又は1株当たり

当期純損失(△)

(円)

62.14

40.53

242.13

132.93

32.89

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

73.2

76.2

70.4

64.2

64.8

自己資本利益率

(%)

6.4

4.0

26.9

18.8

5.0

株価収益率

(倍)

32.5

37.6

8.2

13.5

58.3

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

6,073

4,748

8,321

1,723

3,938

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

844

723

217

1,430

1,584

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

889

1,008

474

282

240

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

32,768

37,231

28,651

25,215

27,329

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(名)

1,940

1,960

1,986

1,824

1,680

(998)

(953)

(711)

(660)

(741)

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第181期の期首から適用しており、第181期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第178期

第179期

第180期

第181期

第182期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

57,973

54,041

21,783

28,317

43,368

経常利益又は

経常損失(△)

(百万円)

5,160

3,394

7,972

7,945

1,497

当期純利益又は

当期純損失(△)

(百万円)

3,576

2,336

14,402

7,957

1,835

資本金

(百万円)

1,485

1,485

1,485

1,485

1,485

発行済株式総数

(千株)

59,400

59,400

59,400

59,400

59,400

純資産額

(百万円)

58,521

59,581

44,912

36,681

38,365

総資産額

(百万円)

78,940

77,435

63,934

57,152

59,647

1株当たり純資産額

(円)

986.26

1,004.12

756.91

618.18

646.57

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

16

16

4

4

8

(7)

(8)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

又は1株当たり

当期純損失(△)

(円)

60.27

39.37

242.73

134.11

30.93

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

74.1

76.9

70.2

64.2

64.3

自己資本利益率

(%)

6.2

4.0

27.6

19.5

4.9

株価収益率

(倍)

33.5

38.7

8.2

13.4

62.0

配当性向

(%)

26.5

40.6

1.6

3.0

25.9

従業員数

(外、平均臨時雇用者数)

(名)

1,853

1,882

1,908

1,749

1,607

(646)

(642)

(428)

(396)

(447)

 

株主総利回り

(比較指標:配当込み TOPIX) 

(%)

94.6

72.1

94.2

85.2

91.2

(%)

(95.0)

(85.9)

(122.1)

(124.6)

(131.8)

最高株価

(円)

2,300

2,100

2,200

2,019

2,001

最低株価

(円)

1,726

1,076

1,455

1,750

1,736

 

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。

3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第181期の期首から適用しており、第181期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

2 【沿革】

 

1887年12月

時の財界有力者渋沢栄一、大倉喜八郎両氏等の発起に依り資本金26万円の有限会社帝国ホテル
を設立

 1890年11月

帝国ホテル落成、開業

 1893年7月

帝国ホテル株式会社と改称

 1907年1月

株式会社メトロポールホテルを合併し社名を株式会社帝国ホテルと変更、資本金120万円

1933年5月

上高地帝国ホテル起工、スイス式山小屋風の木造4階建で10月完成

 1945年9月

連合軍総司令部直属の将官宿舎として接収される。

 1952年3月

接収を解除される。

 1961年10月

東京証券取引所市場第二部に上場

 1970年1月

帝国商事株式会社(商号変更 現 ㈱帝国ホテルサービス)に営業の一部を譲渡
(現・連結子会社)

 1970年3月

本館落成

 1973年2月

帝国ホテルハイヤー株式会社(現 ㈱帝国ホテルハイヤー)設立(現・連結子会社)

 1977年8月

上高地帝国ホテル改築落成、9月営業再開

 1983年3月

インペリアルタワー落成

 1990年3月

株式会社アイ・エイチ・エス(商号変更 現 ㈱帝国ホテルエンタープライズ)設立
(現・連結子会社)

 1990年11月

開業100周年

 1996年3月

帝国ホテル大阪開業

 1997年1月

東京国際フォーラムのケータリングサービス事業を運営受託

 2000年11月

ザ・クレストホテル柏を開業し、その運営を㈱帝国ホテルエンタープライズに委託

2022年4月

京都新規ホテル起工

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第二部からスタンダード市場へ移行

 

 

3 【事業の内容】

当社の企業集団は、当社、子会社5社及び関連会社2社で構成されており、ホテル及び料飲施設の運営・不動産賃貸事業並びにそれらに付帯するサービス事業活動を展開しております。

当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
 なお、セグメントと同一の区分であります。

  ホテル事業  ……当社、子会社5社及び関連会社2社で事業を営んでおります。

  不動産賃貸事業……当社が営んでおります。

 

子会社、関連会社及びその他の関係会社の主な事業内容

子会社

㈱帝国ホテルエンタープライズ

 

コミュニティホテル並びにレストラン等の運営及び
ホテル付帯サービス

 

㈱帝国ホテルサービス

ホテル付帯サービス及び不動産の管理

㈱帝国ホテルハイヤー
 

一般乗用旅客自動車運送及び駐車場管理

 

IMPERIAL HOTEL AMERICA, LTD.

北米地区における販売及びマーケティング活動

IMPERIAL HOTEL ASIA PTE. LTD.

アジア地区における販売及びマーケティング活動

 

 

関連会社

㈱帝国ホテルキッチン

調理食品の製造及び売買

㈱ニューサービスシステム

バンケットサービス及び不動産の管理・清掃

 

その他の関係会社

三井不動産㈱

不動産業

 

 

事業の系統図

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の
所有(被所有)割合

関係内容

所有割合(%)

被所有割合(%)

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 

㈱帝国ホテルエンタープライズ

東京都
千代田区

100

コミュニティホテル及びホテル付帯サービス

100

コミュニティホテル等の運営受託
役員の兼任等 有

㈱帝国ホテルサービス

東京都
千代田区

10

ホテル付帯サービス及び不動産の管理

100

清掃、警備及び不動産管理業務の受託
役員の兼任等 有

㈱帝国ホテルハイヤー

東京都
千代田区

10

一般乗用旅客自動車運送及び駐車場管理

100

駐車場管理業務の受託
役員の兼任等 有

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

 

㈱帝国ホテルキッチン

東京都
千代田区

100

調理食品の製造及び売買

50

当社商品の製造販売
役員の兼任等 有

㈱ニューサービスシステム

東京都
港区

40

バンケットサービス及び不動産の管理・清掃

50

バンケットサービス及び清掃業務の受託
役員の兼任等 有

(その他の関係会社)

 

 

 

 

 

 

三井不動産㈱
(注)

東京都
中央区

340,552

不動産業

33.22

役員の兼任等 有

 

(注)有価証券報告書の提出会社であります。

 

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

ホテル事業

1,593

(741)

不動産賃貸事業

15

 

全社(共通)

72

 

合計

1,680

(741)

 

(注)従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,607

(447)

40.1

16.5

5,031

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

ホテル事業

1,531

(447)

不動産賃貸事業

15

 

全社(共通)

61

 

合計

1,607

(447)

 

(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

 

(3) 労働組合の状況

当社及び子会社の従業員の組織する労働組合は、帝国ホテル労働組合と称し、サービス・ツーリズム産業労働組合連合会に所属しております。

なお、労使の関係は円満で、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休暇取得率及び労働者の男女の賃金の差異

2023年3月31日現在

 提出会社及び
連結子会社

 管理職に占める
女性労働者の割合

(注1)

男性の育児

休業取得率

(注2)

男女の賃金格差(注1)

全労働者

 うち正規雇用
労働者

 うちパート・有期労働者

㈱帝国ホテル

15.4%

48.3%

64.8%

71.9%

61.7%

㈱帝国ホテル
エンタープライズ

14.7%

50.0%

96.4%

95.2%

116.1%

 

人事制度上の男女間賃金格差はありませんが、男女の年齢構成・管理職比率・短時間勤務者数などを要因として、男女間で差異が生じています。

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)企業理念

帝国ホテルは、創業の精神を継ぐ日本の代表ホテルであり国際的ベストホテルを目指す企業として、最も優れたサービスと商品を提供することにより、国際社会の発展と人々の豊かでゆとりのある生活と文化の向上に貢献する。

 

(2)経営方針・経営戦略

当社グループは、東京事業所建て替え後を見据えた『中長期経営計画2036』を策定しております。

 

私たちは私たちの誇る誠実で人間味あふれる従業員の存在が企業価値を高める上で何よりも大切な、企業としての原点だと考えています。

ホテル業として従業員の満足度を高めながらサービスレベルを向上させれば、お客様の満足度が上がり、その結果として収益が向上し、その収益をハードウェアの改善や人材投資につなげることで従業員満足度とサービスレベルが更に高まるという理想的なサイクルが出来上がります。そのサイクルを発展的に循環させることであらゆるステークホルダーの期待に応えていくことが我々の使命であると考えています。

しかし、昨今、競合する新規ホテルの相次ぐ開業によりハードウェアにおける差は拡大し、従業員の努力だけではお客様に十分にご満足いただくことが難しくなってきました。

また、コロナ禍によりホテル事業のボラティリティの高さをあらためて思い知るところとなりました。

当社はこのコロナ禍を新たな取り組みで乗り越え、地域一帯の再開発により新たなハードを手に入れ、当社の誇る従業員がその力を最大限に生かせる環境を整えるとともに、不動産事業の拡充により収益を安定させます。

また、視野が広く、語学、ICTなどに長けた顧客対応力の高い従業員を育成することでお客様の満足度を更に高めると共に、新たなハードや新規事業を通じて更に幅広い顧客を獲得し、日本の迎賓館としての役割を継続して担っていきます。

 

目指すべき姿

創業の精神を継ぐ「日本を代表するホテル」として、人を原点とする帝国ホテルブランドをより進化させる。また、いかなる経営環境下においても企業継続できる体制を構築し、来る2040年の開業150周年を目指す。

 

基本戦略

①グランドホテルの進化

日比谷本館建て替えによるハードウェア刷新と人材育成強化によるヒューマンウェアの充実をもって当社ブランド力を高める。

②企業としての安定的成長

今後のホテル事業を盤石の体制とするため、不動産事業等の拡充により、収益力・財務基盤の強化を図る。

③社会的課題の解決

当社企業活動の全てについてSDGs貢献度を最大限向上させる。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題

今後も原材料や燃料価格の高騰、台湾有事など不安定な国際情勢に対する懸念は続くものと予想されますが、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが、2023年5月に5類になったなど社会活動の正常化はさらに進み、国内外の宿泊需要の回復、サービス消費の拡大が続くものと期待されます。

このような状況のもと、当社グループにおきましては『中長期経営計画2036』のフェーズⅠの最終年として、コロナ禍後の消費動向を注視し、期待される国内の反動消費や回復途上にある訪日外国人需要を取り込み、2024年度から始まるフェーズⅡ(現本館単独営業期間)に繋げてまいります。同計画のフェーズⅡに向けては、現本館におけるリソースを最適化することで利益の最大化に努めるとともに、京都新規ホテル、新タワー館を想定した最新のオペレーションを構築していきます。

また、『中長期経営計画2036』では人材を当社の原点と位置付け、従業員の満足度を高めることでサービスレベルを向上させ、その結果としてお客様の満足度が上がり収益力が向上することで、その収益を人材や施設への投資に充てるという理想的なサイクルの循環を目指しております。今後相次ぐ高級ホテルの新規開業による販売競争の激化を乗り越え、2026年の京都新規ホテル、2036年の帝国ホテル東京の建て替え計画を成功へ導くためにもより一層の人的資本への投資強化に努めてまいります。

SDGsへの取り組みにつきましては、2023年度下期には上高地帝国ホテルに続き、帝国ホテル東京及び帝国ホテル大阪においてもカーボンニュートラルに向けてCOフリー電力を導入する予定です。また2023年3月に策定いたしました「帝国ホテルグループ サステナビリティ調達方針」に沿って、取引先と共に環境や人権に配慮した責任ある調達を推進してまいります。今後もSDGsへの取り組みを深化し、より付加価値の高い商品やサービスの提供に努めてまいります。

今後も当社の企業理念である「国際的ベストホテル」を目指し、全力で取り組んでまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループは事業等のリスクに関し、諸規程を整備し、各種リスクに対する予防および発生時の対処等について研修、訓練を実施し、リスク管理の実効性を向上させております。また定期的に「リスク管理委員会」を開催し、事業運営に伴う各種リスクの適正な分析・評価、リスクの予防措置、発生時の対応等を検討し、総合的なリスク管理体制を整備しております。
 これらの体制を踏まえ、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

(1)自然災害の発生

大規模な地震や台風等の自然災害の発生は、当社グループの所有する建物、施設等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生する可能性があります。
 また、特に近年頻発する台風・集中豪雨の規模・範囲によっては、当社グループに直接的な損害が無い場合でも、消費マインドの減退や、国内交通機関への影響による来客数の減少等が予想され、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。

これらのリスクに対し、事業継続計画(BCP)、各種災害対策マニュアルに基づき、備蓄資材・食料等の管理、全事業所での年間約80回の総合・部分訓練等により、対応力を強化するとともに、定期的なマニュアル見直しによりその実効性を高め、災害時のお客様・従業員の安全を守り、速やかに事業再開に向けた活動に移行できるよう、体制を整備しております。

 

(2)感染症の発生、まん延

新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症の発生やまん延は、海外からの入国規制や渡航自粛による訪日外国人利用客の減少、国内での不要不急の外出自粛要請や消費マインドの減退などによる経済活動の減速、停滞が引続き予想されます。
 当社グループにおいては、全事業所の宿泊需要の低下に伴う売上げの減少に加え、会食や宴会利用が低調となり、当社グループの収益確保に大きく影響する可能性があります。
 これらのリスクに対し、マスク、消毒液の備蓄やサーマルカメラの常備、従業員等への各種ワクチン接種、在宅勤務体制の整備などを推進し、お客様・従業員の安全・安心を守るべく防疫体制を整備しております。

 

(3)テロ、戦争の勃発

テロ行為や戦争、紛争等の勃発による世界情勢の変化により、海外渡航制限や自粛による外国人利用客の減少、観光、レジャーや慶事に対する消費マインドの減退、加えて原材料・建築資材等の調達コスト上昇の長期化が予想されます。
 当社グループにおいては、平常時の宿泊客外国人比率が約5割の東京本社、大阪事業所の売上げ回復の遅れに加え、自粛要請等による宿泊、各種会議・宴会の取り消しなどにより当社グループの収益確保に影響するとともに、調達コスト上昇により利益確保に影響する可能性があります。
 これらのリスクに対し、テロ対策マニュアルを整備し、行政の指導に基づく訓練等による対応力と実効性を高め、お客様・従業員の安全を確保する取り組みを推進しております。
 また、宿泊者構成の多様性にも留意し、国内外の均衡のとれた営業活動を展開し、業績への影響を最小限に留めるよう努めております。 

 

 

(4)食の安全に関わる問題

当社グループは、食に関わる全社横断的な組織として「食の安全と信頼委員会」を設置し、食中毒対策、食品衛生、食品表示、アレルギー対策、防除等に取り組むなど、食の安全管理には細心の注意を払っておりますが、ノロウイルス等による食中毒やアレルギー事故の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、当社グループ全体への信用の失墜とブランドの低下ならびに損害賠償等の費用負担に加え、各種宴会の取消しならびに受注減、レストランの来客数減等により、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。
 これらのリスクに対し、食品安全管理運用書を整備し、全事業所の飲食関連施設・従業者に対する定期的な衛生管理点検、腸内検査、アレルギー対応シミュレーション、メニュー表示チェック等を実施し、定期的な運用書の見直しによりその実効性を高め、食に対するお客様の安心・安全の確保に努めております。

 

 (5)個人情報や営業上の機密情報の漏洩

顧客の個人情報や営業上の機密情報の管理は、社内の情報管理、監視部門が中心になり、外部への流出防止を行っておりますが、情報の漏洩が発生した場合、当社グループ全体への信用の失墜とブランドの低下ならびに損害賠償等の費用負担により、当社グループの収益確保に影響する可能性があります。

これらのリスクに対し、各種規程に基づき、定期的な個人情報保護状況の確認、サイバー攻撃対策、SNSモニタリング等を実施し、漏洩の防止に努めております。

 

(6)労務関連

当社グループは、接客業を主としており、人材育成の強化を通じてさらなるサービスの向上に努めるとともに、人材の確保ならびに従業員満足の向上にも努めております。
 今後、関係法令・社会保険や労働条件・処遇等の労務環境の変化に対応する場合、人件費や業務委託費の増加となり、また人手不足の深刻化により商品提供が滞る場合、当社グループの収益確保に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対し、ハラスメント対策、メンタル疾患防止および時間外就労の管理の徹底等、従業員のケアに重点を置いた取り組みを進め、また雇用においては、正社員の計画的な採用、中途採用の通年実施に加え、非正規雇用市場の動向も注視し、適正な要員確保に努めております。

 

(7)その他の包括的なリスク

当社グループの売上高の約8割が東京本社であり、特に上記事項が東京本社にて発生した場合、当社グループ全体の収益確保に大きく影響する可能性があります。 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(経営成績等の状況の概要)
(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウクライナ危機による不安定な国際情勢を背景とした原材料や燃料価格の高騰などが景気の下押し要因となったものの、期後半には新型コロナウイルスによる行動制限が緩和されたことなどから個人消費が緩やかに回復し、企業収益も改善するなど、景気は持ち直しの動きを見せてまいりました。

ホテル・観光業界におきましては、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響もありましたが、10月の水際対策の緩和に伴う訪日外国人客の増加や行政の観光需要喚起策の実施などにより、宿泊、レストラン、宴会需要の回復傾向が続きました。

このような状況のもと、当社グループにおきましては『中長期経営計画2036』のフェーズⅠとしてコロナ禍からの早期回復を目指すべく、国内顧客や訪日外国人客の利用拡大に向けた効果的な販売促進策や的確な価格政策の推進に努めるとともに、安全・安心面での提供価値向上に繋がる投資を図りサービス料率を改定するなど、売上伸長に取り組んでまいりました。

また、国葬儀においては各国賓客を万全の体制で受け入れ高品質なサービスの提供に努めることで、社会的責任を全ういたしました。

SDGsへの対応としては、2050年度のカーボンニュートラルの実現に向けたロードマップを策定し、先行して上高地帝国ホテルのCO排出量を実質ゼロ化したことに加え、食品ロス削減や脱プラスチックを進めてまいりましたが、これらの取り組みが外部にも評価されSDGsを実践する宿泊施設の国際認証において最高評価を獲得いたしました。

経費面におきましては、原材料や燃料価格の高騰が大きく影響いたしましたが、今年度黒字化必達を目標にゼロベースでコスト見直しを行い経費執行を最小限に抑えることで利益確保に努めてまいりました。

以上の結果、当期における当社グループの売上高は前期比53.0%増の43,772百万円、EBITDAは4,365百万円、営業利益は348百万円、経常利益は1,652百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,951百万円となりました。

 

※ EBITDAとは、経常利益に支払利息及び減価償却費を加えた利益指標であり、当社は『中長期経営計画2036』において同指標を定量目標として掲げております。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①ホテル事業

イ 帝国ホテル本社

宿泊につきましては、期初はレジャー需要が低調でしたが、期後半は行政による観光需要喚起策や水際対策の緩和により稼働率は前期比29.7ポイント増の56.2%となり、高単価販売により一室単価も前期比9.3%増の47,989円となったことから売上増となりました。サービスアパートメントは、長期の宿泊需要に加え、短期滞在商品の販売も好調だったことから稼働率は67.1%となりました。その結果、売上高は前期比89.9%増の6,802百万円となりました。
 食堂につきましては、行動制限の緩和に伴う外来客の増加に加え、的確な価格政策が奏功したこともあり、売上高は前期比68.2%増の5,751百万円となりました。

宴会につきましては、一般宴会は立食宴会などの飲食を伴う宴会が低調でしたが会議需要の回復に加え大型宴会の件数も増加しました。婚礼は販売促進活動に努め件数が増加したことに加え、行政の指針緩和に伴い人数が伸長し、また、ディナーショーなどのホテル主催イベントも再開した結果、売上高は前期比70.4%増の9,252百万円となりました。

外販につきましては、ホテルショップ『ガルガンチュワ』は来客数の回復や価格改定の効果に加え、オンラインショップや卸部門も好調だったことから、売上高は前期比15.6%増の3,320百万円となりました。

 

 

ロ 帝国ホテル大阪

宿泊につきましては、観光需要喚起策や訪日外国人客数増加により稼働率は前期比15.1ポイント増の31.4%となり、高単価販売に努めたことや特別フロア及びスイート宿泊者専用の『インペリアルフロア ラウンジ』の効果もあり一室単価も10.4%増の25,809円となったことから、売上高は前期比112.6%増の1,117百万円となりました。

食堂につきましては、法人利用が伸び悩みましたが商品価格の見直しと企画商品の積極的な販売が奏功し、売上高は前期比44.5%増の1,022百万円となりました。

宴会につきましては、一般宴会は周年記念等の大型宴会を受注したことや、婚礼も行動制限の緩和により人数が増加した結果、売上高は前期比48.0%増の2,868百万円となりました。

 

以上のことなどから、ホテル事業の売上高は前期比60.0%増の40,581百万円となり、セグメント利益は904百万円となりました。

 

②不動産賃貸事業

新規テナントの誘致に注力したものの建て替えを控えるタワー館のテナント退去の影響もあり、売上高は前期比2.1%減の3,200百万円となりましたが、経費執行を最小限に抑えるなど利益確保に努めた結果、セグメント利益は前期比1.2%増の1,360百万円となりました。

 
  財政状態の概要は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて2,631百万円増加し61,743百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べて602百万円増加し21,743百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末と比べて2,029百万円増加し40,000百万円となりました。
 
(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、27,329百万円となり、前期と比べ2,113百万円(8.4%)増加いたしました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を計上していることなどから、3,938百万円の収入(前期は税金等調整前当期純損失の計上などにより1,723百万円の支出)となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,584百万円の支出(前期は1,430百万円の支出)となりました。有形固定資産や投資有価証券の取得による支出が前期に比べて増加したことなどにより、使用した資金は153百万円増加いたしました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、240百万円の支出(前期は282百万円の支出)となりました。シンジケートローン手数料の支払額が前期に比べて減少したことなどにより、使用した資金は、前期と比べ41百万円減少いたしました。

 

(生産、受注及び販売の実績)
(1) セグメント売上高

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

金額(百万円)

ホテル事業

25,359

40,581

帝国ホテル本社

19,651

32,029

帝国ホテル大阪

4,352

6,645

その他

1,355

1,906

不動産賃貸事業

3,258

3,190

合計

28,617

43,772

 

(注) 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。

 

 

(2) 主要な事業所の収容能力及び収容実績
① 帝国ホテル本社

項目

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

客室

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホテル

246,912室

65,344室

26.5%

179室

208,050室

116,907室

56.2%

320室

 サービス

 アパートメント

90,053室

61,477室

68.3%

168室

127,385室

85,444室

67.1%

234室

食堂

435,054名

589,644名

1.4回転

1,615名

440,190名

843,445名

1.9回転

2,311名

宴会

1,387,000名

130,473名

0.1回転

357名

1,387,000名

269,211名

0.2回転

738名

委託食堂

174,470名

102,442名

0.6回転

281名

174,470名

145,097名

0.8回転

398名

 

(注) 1 客室の収容能力は客室数により算出しております。

2 食堂及び宴会の収容能力は着席数により算出しております(宴会についてはディナー形式の着席数としております)。

3 食堂、宴会、委託食堂は、緊急事態宣言等に応じた休業ならびに営業時間短縮など感染拡大防止の為の席数削減等を行っており、収容実績はその影響を大きく受けております。

4 ホテル客室の改修によって、2022年2月よりサービスアパートメントを拡張している為、ホテル及びサービスアパートメントの収容能力が変動しております。

 

当連結会計年度及び前連結会計年度の宿泊客、食事客及び宴会客の利用割合は次のとおりであります。

項目

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

比率(%)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

比率(%)

利用客数(名)

宿泊

利用客数(名)

宿泊

宿泊客

 

 

 

 

 

 

外国人客

7,523

3.7


 

69,610

21.7


 

邦人客

196,189

96.3


 

250,680

78.3


 

小計

203,712

100.0

22.1

320,290

100.0

22.4

食事客

589,644

 

63.8

843,445

 

58.9

宴会客

130,473

 

14.1

269,211

 

18.8

合計

923,829

100.0

1,432,946

100.0

 

 

② 帝国ホテル大阪

項目

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

収容能力

収容実績

利用率

一日平均

客室

138,519室

22,482室

16.2%

62室

137,970室

43,285室

31.4%

119室

食堂

190,165名

123,605名

0.6回転

339名

190,165名

171,016名

0.9回転

469名

宴会

963,600名

54,414名

0.1回転

149名

963,600名

104,786名

0.1回転

287名

委託食堂

38,325名

23,932名

0.6回転

66名

38,325名

32,519名

0.8回転

89名

 

(注) 1 客室の収容能力は客室数により算出しております。

2 食堂及び宴会の収容能力は着席数により算出しております(宴会についてはディナー形式の着席数としております)。

3 食堂、宴会、委託食堂は、緊急事態宣言等に応じた休業ならびに営業時間短縮など感染拡大防止の為の席数削減等を行っており、収容実績はその影響を大きく受けております。

 

 

当連結会計年度及び前連結会計年度の宿泊客、食事客及び宴会客の利用割合は次のとおりであります。

項目

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

比率(%)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

比率(%)

利用客数(名)

宿泊

利用客数(名)

宿泊

宿泊客

 

 

 

 

 

 

外国人客

311

0.9

 

17,110

24.0

 

邦人客

33,772

99.1

 

54,068

76.0

 

小計

34,083

100.0

16.1

71,178

100.0

20.5

食事客

123,605

 

58.3

171,016

 

49.3

宴会客

54,414

 

25.7

104,786

 

30.2

合計

212,102

100.0

346,980

100.0

 

 

(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。

(1) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における資産の合計は61,743百万円(前連結会計年度末59,111百万円)となり、2,631百万円増加いたしました。うち流動資産は34,807百万円(同31,201百万円)と、3,606百万円増加いたしました。これは有価証券が増加したことなどによるものであります。固定資産は26,935百万円(同27,910百万円)と、974百万円減少いたしました。これは有形固定資産が減少したことなどによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債の合計は21,743百万円(同21,141百万円)となり、602百万円増加いたしました。うち流動負債は10,628百万円(同6,813百万円)と、3,815百万円増加いたしました。これは預り金の増加などによるものであります。固定負債は11,114百万円(同14,327百万円)と、3,213百万円減少いたしました。これは長期預り金の減少などによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の合計は40,000百万円(同37,970百万円)と、2,029百万円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによるものであります。この結果、自己資本比率は64.8%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は43,772百万円(前年同期比53.0%増)、材料費・販売費及び一般管理費の合計額は43,424百万円(同9.3%増)、営業利益は348百万円、経常利益は1,652百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,951百万円となりました。

売上高の主な増加要因は、水際対策や行動制限の緩和、行政の観光需要喚起策の実施により、宿泊、レストラン、宴会需要の回復傾向が続いたことなどであります。

一方、燃料費の高騰による水道光熱費の増加や賃借料などの固定費の増加などありましたが、ゼロベースでのコスト見直しを行ったこともあり、営業利益を計上することができました。また、雇用調整助成金や新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金などの助成金収入もあり、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も計上することができました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は、前期と比べ5,661百万円増加し、3,938百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,991百万円、減価償却費2,712百万円の計上などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は、1,584百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,812百万円、投資有価証券の取得による支出810百万円、投資有価証券の償還による収入1,105百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は、240百万円となりました。これは主に、配当金の支払いによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は27,329百万円となり、前連結会計年度末より2,113百万円増加いたしました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要のうち主なものは、材料費、販売費及び一般管理費などの運転資金及び設備投資資金であり、全て自己資金を充当しております。なお、資金調達につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(金融商品関係)1.金融商品の状況に関する事項 (1)金融商品に対する取組方針」に記載のとおり、必要に応じて金融機関からの借入をする方針であります。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】
提出会社

① 帝国ホテル本社の土地のうち12,807㎡は国有地であり、賃借期間は1997年12月1日から2027年11月30日までの30年間であります。

② 財団法人東京国際交流財団(現 ㈱東京国際フォーラム)が運営する東京国際フォーラムのケータリングサービス事業を受託しております。契約期間は2016年4月1日から2022年3月31日までの6年間の後、契約を延長し、2024年3月31日までであります。

③ 帝国ホテル大阪の建物を所有者(三菱マテリアル㈱・三菱地所㈱)から賃借しております。当初の賃借期間は2016年2月1日から2026年1月31日までの10年間でありましたが、契約を延長し、2028年1月31日までとなっております。

  なお、2023年4月1日より契約内容を変更して、所有者(三菱マテリアル㈱・三菱地所㈱)から三菱地所㈱が賃借し、当社は三菱地所㈱から転貸借しております。

④ ザ・クレストホテル柏の建物を所有者(三菱UFJ信託銀行㈱)から賃借し、その運営を㈱帝国ホテルエンタープライズに委託しております。契約期間は2000年10月1日から2020年9月30日までの20年間の後、契約を延長し、2027年9月30日までとなっております。

⑤ 京都での新規ホテル計画実施にあたり、計画地の所有者である学校法人八坂女紅場学園と一般定期借地権設定契約及び事業協定書等を締結しております。計画地の賃貸借期間は2022年4月1日からホテル開業日(2026年春開業予定)の50年後の応当日までであります。

⑥ 京都新規事業計画における建築資金等に充当することを目的として、取引金融機関2行との間にシンジケーション方式によるコミットメント期間付タームローン契約を締結いたしました。

なお、当連結会計年度における借入実行残高はありません。

貸付極度額

90億円

契約締結日

2022年3月31日

コミット期間

2022年7月1日~2026年10月30日まで

アレンジャー

㈱みずほ銀行

参加金融機関

㈱みずほ銀行、㈱京都銀行

 

⑦ 帝国ホテル東京の建て替え等を三井不動産㈱との共同事業として行うため、現タワー館を解体後、敷地を分筆した上で、その土地の共有持分の一部を同社に譲渡し、共同で新タワー館を建設すること等を合意した基本合意書を締結しております。

⑧ 内幸町一丁目街区再開発における中地区セントラルタワーのスモールラグジュアリーホテルを運営するにあたり、セントラルタワーの事業者であるエヌ・ティ・ティ都市開発㈱とホテル運営方針等について協議すること等を合意した合意書を締結しております。

 

2 【主要な設備の状況】
(1) ホテル事業

2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

摘要

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積千㎡)

工具、器具
及び備品

合計

提出会社
帝国ホテル本社
東京都千代田区

ホテル事業

ホテル設備

5,559

101

2

(11)

457

6,121

1,253

(447)

※1

提出会社
帝国ホテル大阪
大阪府大阪市北区

34

1

(―)

70

107

290

(123)

※2

提出会社
上高地帝国ホテル
長野県松本市

1,098

5

(―)

12

1,116

※3

 

 

(2) 不動産賃貸事業

2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

摘要

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積千㎡)

工具、器具
及び備品

合計

提出会社
帝国ホテル本社
東京都千代田区

不動産賃貸
事業

賃貸設備

623

8

(―)

5

637

15

(―)

※1

 

 

(注) 1 ※1の事業所においては上記の土地のほか12千㎡を賃借しております。

2 ※2の事業所は建物88千㎡を賃借しております。

3 ※2の事業所は減損損失計上後の帳簿価額を記載しております。

4 ※3の事業所は土地15千㎡を賃借しております。

5 従業員数の( )は臨時従業員数を外書きしております。

6 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

192,000,000

192,000,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月28日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

59,400,000

59,400,000

東京証券取引所
 スタンダード市場

単元株式数は100株であります。

59,400,000

59,400,000

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数

発行済株式
総数残高

資本金増減額

資本金残高

資本準備金
増減額

資本準備金
残高

 

(株)

(株)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

2013年10月1日(注)

29,700,000

59,400,000

1,485

1,378

 

(注)2013年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割いたしました。これに伴い、発行済株式総数は29,700,000株増加し、59,400,000株となっております。

 

(5) 【所有者別状況】

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

8

20

251

31

10

4,421

4,741

所有株式数
(単元)

111,388

1,680

427,148

17,441

19

36,231

593,907

9,300

所有株式数
の割合(%)

18.76

0.28

71.92

2.94

0.00

6.10

100.0

 

 

(注) 自己株式62,956株は、「個人その他」に629単元、「単元未満株式の状況」に56株含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

三井不動産株式会社

東京都中央区日本橋室町2-1-1

19,700

33.20

アサヒビール株式会社

東京都墨田区吾妻橋1-23-1

3,408

5.74

株式会社大和証券グループ本社

東京都千代田区丸の内1-9-1

3,045

5.13

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町1-5-5

2,952

4.97

日本生命保険相互会社

東京都千代田区丸の内1-6-6

2,918

4.91

富国生命保険相互会社

東京都千代田区内幸町2-2-2

2,654

4.47

サッポロビール株式会社

東京都渋谷区恵比寿4-20-1

2,500

4.21

清水建設株式会社

東京都中央区京橋2-16-1

2,500

4.21

第一生命保険株式会社

東京都千代田区有楽町1-13-1

2,338

3.94

鹿島建設株式会社

東京都港区元赤坂1-3-1

2,300

3.87

44,315

74.68

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

12,216

11,329

 

 

売掛金

1,666

3,022

 

 

有価証券

※2 15,905

※2 18,908

 

 

貯蔵品

619

778

 

 

その他

801

773

 

 

貸倒引当金

7

5

 

 

流動資産合計

31,201

34,807

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物

108,662

108,774

 

 

 

 

減価償却累計額

99,011

101,226

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

9,651

7,547

 

 

 

機械装置及び運搬具

3,595

3,552

 

 

 

 

減価償却累計額

3,355

3,419

 

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

239

133

 

 

 

工具、器具及び備品

8,740

8,571

 

 

 

 

減価償却累計額

7,963

8,023

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

777

548

 

 

 

土地

2,783

2,783

 

 

 

建設仮勘定

1,561

3,228

 

 

 

有形固定資産合計

15,012

14,241

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

借地権

853

853

 

 

 

その他

288

202

 

 

 

無形固定資産合計

1,142

1,056

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※1,※2 6,134

※1,※2 6,011

 

 

 

敷金及び保証金

4,298

4,298

 

 

 

繰延税金資産

117

120

 

 

 

その他

1,204

1,205

 

 

 

投資その他の資産合計

11,755

11,637

 

 

固定資産合計

27,910

26,935

 

資産合計

59,111

61,743

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

832

1,106

 

 

未払法人税等

51

159

 

 

未払費用

1,934

1,645

 

 

前受金

812

875

 

 

預り金

270

2,703

 

 

賞与引当金

654

885

 

 

その他

※3 2,256

※3 3,253

 

 

流動負債合計

6,813

10,628

 

固定負債

 

 

 

 

退職給付に係る負債

6,907

6,806

 

 

資産除去債務

1,010

1,017

 

 

長期預り金

3,997

1,510

 

 

繰延税金負債

380

413

 

 

建替関連損失引当金

1,993

1,326

 

 

その他

37

40

 

 

固定負債合計

14,327

11,114

 

負債合計

21,141

21,743

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

1,485

1,485

 

 

資本剰余金

1,378

1,378

 

 

利益剰余金

34,639

36,353

 

 

自己株式

89

89

 

 

株主資本合計

37,413

39,127

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

844

937

 

 

退職給付に係る調整累計額

288

64

 

 

その他の包括利益累計額合計

556

872

 

純資産合計

37,970

40,000

負債純資産合計

59,111

61,743

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 28,617

※1 43,772

材料費

6,472

9,552

販売費及び一般管理費

※2 33,266

※2 33,871

営業利益又は営業損失(△)

11,121

348

営業外収益

 

 

 

受取利息

27

23

 

受取配当金

54

85

 

受取手数料

184

221

 

持分法による投資利益

32

92

 

雇用調整助成金

1,719

426

 

新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金

1,048

284

 

その他

270

172

 

営業外収益合計

3,337

1,307

営業外費用

 

 

 

支払手数料

44

2

 

営業外費用合計

44

2

経常利益又は経常損失(△)

7,827

1,652

特別利益

 

 

 

建替関連損失引当金戻入額

-

337

 

その他

-

2

 

特別利益合計

-

339

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

46

1

 

特別損失合計

46

1

税金等調整前当期純利益又は
税金等調整前当期純損失(△)

7,874

1,991

法人税、住民税及び事業税

35

49

法人税等調整額

23

9

法人税等合計

11

39

当期純利益又は当期純損失(△)

7,886

1,951

親会社株主に帰属する当期純利益又は
親会社株主に帰属する当期純損失(△)

7,886

1,951

 

1.報告セグメントの概要

  当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。 

  当社グループは、「ホテル事業」及び「不動産賃貸事業」の事業を営んでおります。

「ホテル事業」は、ホテル事業及びこれに付帯する業務(委託食堂等を含む)をしており、
「不動産賃貸事業」は、事業所及び店舗の賃貸管理業務をしております。

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

10,826

9,853

 

 

売掛金

※1 1,636

※1 2,985

 

 

有価証券

※2 15,905

※2 18,908

 

 

貯蔵品

625

785

 

 

前払費用

146

141

 

 

未収入金

※1 498

※1 482

 

 

その他

155

152

 

 

貸倒引当金

7

5

 

 

流動資産合計

29,786

33,303

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

9,554

7,467

 

 

 

構築物

96

80

 

 

 

機械及び装置

211

113

 

 

 

車両運搬具

7

4

 

 

 

工具、器具及び備品

775

546

 

 

 

土地

2,783

2,783

 

 

 

建設仮勘定

1,561

3,228

 

 

 

有形固定資産合計

14,989

14,224

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

借地権

853

853

 

 

 

その他

285

201

 

 

 

無形固定資産合計

1,139

1,055

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※2 5,342

※2 5,168

 

 

 

関係会社株式

391

391

 

 

 

長期貸付金

8

16

 

 

 

長期前払費用

77

70

 

 

 

敷金及び保証金

4,298

4,298

 

 

 

その他

1,118

1,119

 

 

 

投資その他の資産合計

11,236

11,064

 

 

固定資産合計

27,366

26,343

 

資産合計

57,152

59,647

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

※1 830

※1 1,098

 

 

未払金

1,106

1,091

 

 

未払法人税等

30

131

 

 

未払消費税等

362

1,333

 

 

未払費用

※1 2,022

※1 1,753

 

 

前受金

812

875

 

 

預り金

247

※1 2,686

 

 

前受収益

※1 402

※1 354

 

 

賞与引当金

628

847

 

 

その他

338

383

 

 

流動負債合計

6,781

10,556

 

固定負債

 

 

 

 

退職給付引当金

6,324

6,476

 

 

資産除去債務

1,010

1,017

 

 

長期預り金

※1 3,942

※1 1,451

 

 

繰延税金負債

380

413

 

 

建替関連損失引当金

1,993

1,326

 

 

その他

37

40

 

 

固定負債合計

13,690

10,725

 

負債合計

20,471

21,282

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

1,485

1,485

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

1,378

1,378

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

371

371

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

別途積立金

30,141

30,141

 

 

 

 

繰越利益剰余金

2,548

4,146

 

 

 

利益剰余金合計

33,061

34,658

 

 

自己株式

75

75

 

 

株主資本合計

35,848

37,446

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

832

919

 

純資産合計

36,681

38,365

負債純資産合計

57,152

59,647

 

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 28,317

※1 43,368

材料費

※1 6,452

※1 9,497

販売費及び一般管理費

※1,※2 32,817

※1,※2 33,507

営業利益又は営業損失(△)

10,951

362

営業外収益

 

 

 

受取利息

※1 27

※1 23

 

受取配当金

※1 100

※1 133

 

受取手数料

183

221

 

雇用調整助成金

1,421

306

 

新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金

1,048

284

 

その他

268

168

 

営業外収益合計

3,050

1,137

営業外費用

 

 

 

支払手数料

44

2

 

営業外費用合計

44

2

経常利益又は経常損失(△)

7,945

1,497

特別利益

 

 

 

建替関連損失引当金戻入額

-

337

 

その他

-

2

 

特別利益合計

-

339

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

46

0

 

特別損失合計

46

0

税引前当期純利益又は
税引前当期純損失(△)

7,991

1,837

法人税、住民税及び事業税

8

8

法人税等調整額

42

6

法人税等合計

34

2

当期純利益又は当期純損失(△)

7,957

1,835