中日本興業株式会社
Nakanihon KOGYO CO.,Ltd.
名古屋市中村区名駅四丁目5番28号
証券コード:96430
業界:サービス業
有価証券報告書の提出日:2023年6月29日

 提出会社の経営指標等

 

回次

第86期

第87期

第88期

第89期

第90期

決算年月

平成31年3月

令和2年3月

令和3年3月

令和4年3月

令和5年3月

売上高

(千円)

3,854,213

3,809,428

1,961,789

2,758,040

3,335,459

経常利益又は

経常損失(△)

(千円)

164,061

158,931

311,827

118,700

50,207

当期純利益又は

当期純損失(△)

(千円)

104,911

105,687

326,346

202,081

53,225

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

270,000

270,000

270,000

270,000

270,000

発行済株式総数

(株)

540,000

540,000

540,000

540,000

540,000

純資産額

(千円)

3,769,928

3,782,885

3,525,966

3,247,954

3,168,500

総資産額

(千円)

5,094,852

4,715,745

4,349,145

4,341,349

4,398,324

1株当たり純資産額

(円)

7,101.60

7,127.11

6,643.06

6,119.52

5,971.13

1株当たり配当額
(内1株当たり
中間配当額)

(円)

(円)

60.00

60.00

50.00

60.00

60.00

(30.00)

(30.00)

(20.00)

(30.00)

(30.00)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

197.63

199.10

614.85

380.74

100.29

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

74.0

80.2

81.1

74.8

72.0

自己資本利益率

(%)

2.8

2.8

9.3

6.2

1.7

株価収益率

(倍)

51.3

50.2

配当性向

(%)

30.4

30.1

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

663,026

171,919

411,663

262,872

190,034

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

196,842

290,339

8,172

8,246

68,145

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

145,891

97,038

80,784

81,220

94,716

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

1,477,982

1,262,524

761,904

935,309

962,481

従業員数
(ほか、平均臨時
雇用者数)

(名)

54

55

55

52

53

(72)

(83)

(83)

(85)

(92)

株主総利回り

(%)

101.0

100.1

96.0

98.3

100.4

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(95.0)

(85.9)

(122.1)

(124.6)

(131.8)

最高株価

(円)

10,500

10,520

10,080

10,000

10,800

最低株価

(円)

10,000

9,800

9,410

9,610

9,650

 

 

(注) 1 第86期及び87期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載しておりません。また、第88期、第89期及び第90期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、潜在株式もないため記載しておりません。

2 持分法を適用した場合の投資利益については、損益等からみて重要性が乏しいと判断し記載しておりません。

3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第89期の期首から適用しており、第89期、第90期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

4 最高・最低株価は、令和4年4月3日以前は名古屋証券取引所(市場第二部)におけるものであり、令和4年4月4日以降は名古屋証券取引所(メイン市場)におけるものであります。

 

2 【沿革】

昭和29年7月

東和不動産㈱の建設する豊田ビル(名古屋市中村区)内劇場賃借の内約を得て資本金22,500千円を以って設立。

昭和29年11月

資本金45,000千円に増資(1:1)。

昭和30年5月

資本金67,500千円に増資(2:1)。

昭和30年10月

資本金90,000千円に増資(3:1)。

昭和30年11月

豊田ビル内に3劇場を開館営業開始。

昭和32年6月

資本金180,000千円に増資(1:1)。

昭和32年7月

三井ビル北館(名古屋市中村区)内に2劇場を開館。

昭和33年4月

㈱ホテルみゆき(名古屋市千種区)を買収 ㈱東山会館と改称。

昭和33年11月

毎日ビル(名古屋市中村区)内に1劇場を開館。

昭和34年9月

子会社㈱東山会館結婚式場として営業開始。

昭和34年12月

資本金270,000千円に増資(2:1)。

昭和36年10月

当社株式名古屋証券取引所第二部に上場。

昭和43年8月

中日本商事株式会社(名古屋市中村区)設立。

平成7年11月

三井ビル北館(名古屋市中村区)内に1劇場を開館。

平成8年7月

三井ビル北館(名古屋市中村区)内に1劇場を開館。

平成9年6月

豊田ビル内地下1階の劇場を3分割し2館増の10館となる。

平成12年10月

連結子会社㈱東山会館を㈱ラフィネ東山と社名変更する。

平成14年1月

豊田ビル2階のグランド1閉館。

平成14年3月

連結子会社㈱ラフィネ東山を清算。

平成14年11月

株式会社Ji.Coo.(名古屋市中村区)設立。

平成15年1月

豊田ビル地下のグランド2、3、4、5と毎日ビル地下のグランド6を閉館。

平成15年1月

センチュリー豊田ビル2階にピカデリー5、6を開館。

平成16年4月

 株式会社Ji.Coo.が運営するスーパー銭湯「天風の湯」が営業開始。

平成17年4月

中日本商事株式会社が運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社のフランチャイズ店である「TSUTAYAミユキモール庄内通り店」が営業開始。

平成19年3月

「ミッドランド スクエア」商業棟5階に、松竹㈱と共同で運営する7スクリーンのシネマコンプレックス「ミッドランド スクエア シネマ」が営業開始。

平成19年3月

株式会社Ji.Coo.が運営するスーパー銭湯2号店「松竹温泉 天風の湯」が営業開始。

平成20年3月

株式会社Ji.Coo.と中日本商事株式会社が合併し、存続会社は株式会社Ji.Coo.となる(名称を中日本商事株式会社に変更)。

平成20年10月

愛知県西春日井郡豊山町に12スクリーンのシネマコンプレックス「ミッドランドシネマ 名古屋空港」が営業開始。

平成22年3月

中日本商事株式会社が運営する「TSUTAYAミユキモール庄内通り店」を事業譲渡。
三井ビル北館のピカデリー1、2、3、4を閉館。

平成26年9月

連結子会社である中日本商事株式会社を吸収合併。

平成28年6月

センチュリー豊田ビル2階のピカデリーを閉館。

平成28年7月

シンフォーニー豊田ビル(名古屋市中村区)に㈱松竹マルチプレックスシアターズと共同で運営する「ミッドランドスクエアシネマ2」が営業開始。

平成28年9月

シンフォーニー豊田ビル(名古屋市中村区)に㈱松竹マルチプレックスシアターズと共同で運営する「ラ・ボビン ガレットカフェ」が営業開始。

平成29年1月

スーパー銭湯「松竹温泉 天風の湯」を事業譲渡。

平成29年12月

スーパー銭湯「太平温泉 天風の湯」を閉店。

平成30年8月

東京都千代田区に中日本エージェンシー「東京営業室」を開設。

令和3年10月

シンフォーニー豊田ビル(名古屋市中村区)に㈱松竹マルチプレックスシアターズと共同で運営する「ラ・ボビン ガレットカフェ」の営業が終了し、同店舗を「ミッドランドシネマ ドーナツ ファクトリー」として新たに営業開始。

令和4年4月

名古屋証券取引所の市場区分の見直しにより市場二部からメイン市場へ移行。

 

 

3 【事業の内容】

 

当社は、当社及び任意組合によって構成されております。

当社及び任意組合の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。なお、セグメントと同一の区分です。

 

 シネマ      映画興行、飲食店等

         中日本興業株式会社 ミッドランドスクエアシネマ共同事業体

 アド       看板の製作、広告代理店等
           中日本興業株式会社

 不動産賃貸    不動産賃貸


(注) 1 (  )書きは主たる事業の内容であります。

2 ミッドランドスクエアシネマ共同事業体は、任意組合であり、株式会社松竹マルチプレックスシアターズと共同でシネマコンプレックスを営業しております。組合財産のうち、当社の持分割合は64%です。

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
割合(%)

関係内容

(関連会社)

 

 

 

 

 

(株)エンプレックス

名古屋市東区

50

イベント企画制作、運営管理

20.0

営業取引・役員の兼任

 

 

 

5 【従業員の状況】
(1)提出会社の状況

令和5年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

53

(92)

43.8

12.8

4,971

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

シネマ

38

(92)

アド

13

(0)

不動産賃貸

2

(0)

合計

53

(92)

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 従業員数欄の(外書)は臨時従業員の年間平均雇用人員です。

 

(2)労働組合の状況

労働組合は組成されておりませんが、労使間に紛争を起こしたことはありません。

 

 

(3)管理者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金差異

当事業年度

補足説明

労働者の男女の賃金の差異(%)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

69.7

64.3

102.8

正規労働者における賃金差異の要因は、高年齢層に男性が多いこと及び管理職の女性比率が11.5%に留まっていることによります。

パート・有期労働者における賃金差異の要因は男性より女性の方がが相対的に長く勤めており、その分賃金が高いためです。

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 管理者に占める女性労働者の割合及び男性労働者の育児休業取得率については、女性活躍推進法の公表項目として選択しなかったため、記載を省略しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものです。

当社は、サービス業を通じて地域社会に貢献するとともに、お客様に感動のあるサービスを提供することを経営の基本方針としております。

また、当社の中核事業であるシネマ事業は、作品により予想と実績の乖離が大きいため、特定の経営指標をもって経営目標とすることはせず、安定した収益基盤の強化に努めていく方針です。

 

今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が収束に向かうことに伴い、消費動向の上向くことが期待されるものの、不安定な国際情勢や物価上昇等による節約志向の高まりから、消費マインドの低下が懸念されます。

このような状況のもと当社では、コロナ前の状況を取り戻すべく、サービスの一層の向上を心掛け、お客様が安心してご利用いただける環境創りに努めてまいります。

シネマ部門では、名古屋地区の映画・映像の情報発信基地として、映画、ライブビューイング、舞台挨拶、ライブイベント等を積極的に実施し、エンターテイメント性の高いシネコン創りに努めてまいります。

今後上映予定の主な作品としまして、邦画では、7月公開「キングダム 運命の炎」、8月公開「リボルバー・リリー」、9月公開「ミステリと言う勿れ」、11月公開の「法廷遊戯」、洋画では、6月公開「リトル・マーメイド」、7月公開「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」、12月公開「トランスフォーマー/ビースト覚醒」、冬公開の「ウォンカ」、アニメでは、現在大ヒット公開中の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」、7月公開「君たちはどう生きるか」、12月公開の「ウィッシュ」、「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」、ODSでは、「シネマ歌舞伎」や「METライブビューイング」など、幅広いジャンルの良質な作品を取り揃えております。

さらに、上質なアート作品をお届けする「アートレーベル」、コアなアニメ作品をお届けする「アニメレーベル」においても、より充実した番組編成をしてまいります。

その他、若手映像作家を支援する企画(パイロットフィルム・フェスティバル)を立ち上げ、映画文化発展のためにも尽力してまいります。

飲食部門は、低糖質スイーツをはじめ、体に優しい食材の提供・商品開発に臨むとともに、お客様に満足いただける店舗創りに努めてまいります。また、イベントにおきましても、積極的に実施してまいります。

アド事業では、行動規制の緩和に伴い、イベント・展示会も活気が戻ってきており、ポスター・大型バナーなどのセールスプロモーションツールの作成など、お客様のニーズをしっかりと捉えた営業活動を継続し、顧客満足度を上げるよう努めてまいります。

不動産賃貸事業では、業績は当面安定推移の見込みであり、所有不動産の有効活用につきましては、引き続き積極的に検討していきたいと考えております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する内容については、当事業年度末現在において判断したものです。

(1)感染症拡大に関するリスク

感染症の拡大により政府・自治体からの要請による休業、営業時間短縮、座席数の制限、劇場内飲食の禁止等の措置が取られた場合、また、感染症拡大の影響による映画、アニメ等の公開予定作品について中止又は公開延期になった場合には当社の経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、映画館及び各事業所において感染拡大を予防するための各種ガイドラインに基づき、適切な感染防止対策を実施し、お客様や従業員等に対する感染リスクを低減することで、事業継続に向けた対応策を徹底してまいります。

 

(2)劇場用映画の興行成績に関するリスク

劇場用映画作品の興行成績は、作品による差異が大きく不安定であり、各作品の興行成績を予想することは常に困難です。仮に、一定の成績に達しない作品が長期間にわたり継続した場合には、当社の経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)多数の顧客を収容可能な営業施設における災害等の発生に関するリスク

当社は、映画館、飲食店等の多数の顧客を収容可能な施設において営業をおこなっており、それらの施設において、災害、衛生上の問題など顧客の安全にかかわる予期せぬ事態が発生しないという保証は存在しません。万一、そのような事態が発生した場合には、その規模によっては、当社の経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の事業拠点は、名古屋市及びその近郊に集中しているため、当該地域において大規模地震等の災害が発生した場合、その規模と被災状況によっては、当社の経営成績、財政状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)不動産賃貸に関するリスク

当社は、賃貸不動産を保有しておりますが、不動産市況によっては賃貸物件の入居者や賃料が計画通り確保できなくなる可能性があります。各テナントとは綿密なコミュニケーションを取りながら賃料交渉等にも誠実に対応しておりますが、既存テナントが退去し、空室期間が長期化した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、行動制限の緩和等はさらに進み、経済活動の正常化に向けた動きが見られました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の悪化など不安定な国際情勢によるエネルギー価格・原材料価格の高騰による物価高など景気の先行きは依然として不透明な状況が続いておりました。

このような状況のもと当社では、同感染症の感染予防対策を継続しながら、より一層のサービスの充実を図ってまいりました。また、原材料等の高騰にも対応しつつ、利益の確保に努めてまいりました。

この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.経営成績

売上高は33億35百万円(前年同期比20.9%増)、営業損失は67百万円(前年同期は営業損失2億43百万円)、経常損失は50百万円(前年同期は経常損失1億18百万円)、当期純損失は53百万円(前年同期は当期純損失2億2百万円)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

シネマ事業

映画業界では、若年層のコアなファンやリピーターに人気のアニメ作品が、業界を支えました。また、洋画は、公開が延期されていた大作が大ヒットし、洋画回復を印象づけました。

しかしながら、中高年層・シニア層の動員数は、やや低調な状況でした。

そのような中、令和4年の全国入場人員は前年比32.4%増の1億52百万人、興行収入は同31.6%増の2,131億11百万円となりました。

全国のスクリーン数は、前年より14スクリーン減少の3,634スクリーンとなりました。

当社シネマ部門では、映画館のファンを増やすため上映作品数を増やし、魅力的なイベントを開催しました。また、シネマ会員の利用率の向上についても取り組んでまいりました。

前年3月には、「ミッドランドスクエア シネマ」オープン15周年を迎え、一部設備のリニューアル、各種記念イベントを実施し、お客様に感動の提供を行ってまいりました。

当事業年度の公開作品数は、邦画171作品、洋画161作品、アニメ88作品、ODS(映画以外のデジタルコンテンツ)307作品の合わせて、727作品(前期末比210作品増)を上映いたしました。

主な上映作品としまして、邦画では、5月公開「シン・ウルトラマン」、7月公開「キングダム2 遥かなる大地へ」、9月公開「沈黙のパレード」、1月公開の「THE LEGEND & BUTTERFLY」、洋画では、4月公開「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」、5月公開「トップガン マーヴェリック」、7月公開「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」、12月公開の「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」、アニメでは、4月公開「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」、8月公開「ONE PIECE FILM RED」、11月公開「すずめの戸締まり」、12月公開の「THE FIRST SLAM DUNK」、ODSでは、4月公開「シネマ歌舞伎桜 姫東文章 上の巻」、6月公開「ゲキ×シネ『狐晴明九尾狩』」、12月公開の「INSIDE GRAMPUS THE DEEP -未来への覚悟-」などの番組を編成いたしました。

また、お客様参加型のトークイベント付上映会の実施や、映画の予告編・宣伝にスポットを当てたイベントの企画・運営など、映画文化の活性化を進めるための活動も行ってまいりました。

飲食部門の名古屋市千種区の「覚王山カフェJi.Coo.」では、商品にこだわり、より安全で健康にも配慮した食材を使用した商品の提供するとともに、イベント等も積極的に実施しながら、お寛ぎいただける空間の創造に努めてまいりました。

 

名古屋市中村区の「ミッドランドシネマ ドーナツ ファクトリー」では、映画とのコラボレーション企画の実施や、各種イベントにて出張販売するなど、売上向上に努めてまいりました。

この結果、当事業では売上高は30億21百万円(前年同期比22.2%増)、セグメント損失は58百万円(前年同期はセグメント損失2億37百万円)となりました。

 

アド事業

当事業は、お客様をサポートする積極的な提案営業を図り、売上の回復および向上に努めてまいりました。しかしながら、行動規制の影響もあり、イベント・展示会等の受注で苦戦を強いられたことや資材の高騰による影響から、厳しい状況で推移いたしました。

この結果、当事業では売上高は2億32百万円(前年同期比12.6%増)、セグメント損失は40百万円(前年同期はセグメント損失36百万円)となりました。

 

不動産賃貸事業

当事業は、商業施設賃貸を中心に事業を行っており、賃貸物件の稼働率は安定し、堅調に推移いたしました。

この結果、当事業では売上高は81百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益は30百万円(前年同期比2.4%増)となりました。

 

b.財政状態

当事業年度末の総資産は、43億98百万円(前事業年度比1.3%増)となりました。

流動資産は14億16百万円(前事業年度比6.0%増)となり、固定資産は29億81百万円(前事業年度比0.8%減)となりました。

負債は、12億29百万円(前事業年度比12.5%増)となりました。

流動負債は、7億12百万円(前事業年度比14.0%増)となり、固定負債は、5億17百万円(前事業年度比10.4%増)となりました。

純資産は、31億68百万円(前事業年度比2.4%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、9億62百万円と前事業年度末と比べ27百万円の増加となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、1億90百万円(前年同期は2億62百万円)となりました。これは主に、減価償却費1億91百万円等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、△68百万円(前年同期は△8百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出31百万円、無形固定資産の取得による支出36百万円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、△94百万円(前年同期は△81百万円)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出61百万円等によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 売上実績

当事業年度における売上実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

シネマ

3,021,226

122.2

アド

232,700

112.6

不動産賃貸

81,533

102.2

合計

3,335,459

120.9

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計方針について重要な判断や見積りをおこなっております。その主なものは賞与引当金等であり、その概要については「財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

新型コロナウィルス感染症の影響については、現時点で入手可能な情報や予測等に基づき、収束が見込まれるものと仮定し、繰延税金資産の回収可能性の会計上の見積りを行っております。新型コロナウィルス感染症による経済活動への影響は不確実性が高いため、今後の実際の推移がこの過程と乖離する場合には、翌事業年度の繰延税金資産計上額に影響を与える可能性があります。

なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいておこなっていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績

(売上高)

当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ、5億77百万円増加し、33億35百万円となりました。

(営業損益)

売上総利益は15億57百万円(前事業年度比2億69百万円増)となり、売上総利益率は46.7%となりました。また、販売費及び一般管理費は16億25百万円(前事業年度比94百万円増)となりました。この結果、営業損失は67百万円(前事業年度は営業損失2億43百万円)となりました。

(経常損益)

経常損失は50百万円(前事業年度は経常損失1億18百万円)となりました。

(当期純損益)

当期純損失は53百万円(前事業年度は当期純損失2億2百万円)となりました。

 

 

b.財政状態

当事業年度の総資産は43億98百万円(前事業年度比1.3%増)となりました。

流動資産は14億16百万円(前事業年度比6.0%増)となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の37百万円の増加等によるものであります。

固定資産は29億81百万円(前事業年度比0.8%減)となりました。これは主に、建物の96百万円の減少等によるものであります。

負債は、12億29百万円(前事業年度比12.5%増)となりました。

流動負債は7億12百万円(前事業年度比14.0%増)となりました。これは主に、買掛金の35百万円の増加等によるものであります。

固定負債は5億17百万円(前事業年度比10.4%増)となりました。これは主に、リース債務の57百万円の増加等によるものであります。

純資産は31億68百万円(前事業年度比2.4%減)となりました。これは主に、当期純損失53百万円の計上により繰越利益剰余金が53百万円減少したことによるものであります。なお、当事業年度末の自己資本比率は、前事業年度末の74.8%から72.0%となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社の資金需要としては、設備投資、運転資金、配当金の支払い等であり、主に営業活動によるキャッシュ・フロー等により資金を調達しております。

 

当社は、サービス業を通じて地域社会に貢献するとともに、「感動の創造」をキーワードに、お客様に感動のあるサービスを提供することを重点項目として取り組んでおります。

なお、中期的な経営戦略については「第2事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】

令和5年3月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数
(名)

建物
及び構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積㎡)

器具及び
備品

ソフトウ
エア

合計

劇場
(名古屋市
中村区)

シネマ

賃借建物

(6,007.93㎡)

442,008

24,286

137,494

39,768

643,557

13

劇場
(愛知県西春日井郡豊山町)

 〃

賃借建物

(5,528.11㎡)

208,910

9,613

89,642

20,863

329,029

7

本社事務所
(名古屋市
中村区)

  〃

賃借事務所

(206.41㎡)

9,752

10,590

3,249

23,591

14

飲食店
(名古屋市千種区)

  〃

賃借店舗

(276.18㎡)

714

398

1,112

4

事務所
(名古屋市中村区)

アド

賃借事務所

(377.89㎡)

560

1,009

2,289

225

4,084

13

賃貸不動産
(名古屋市
千種区)

不動産

賃貸

土地建物

174,983

695,913

(5,280.92)

870,896

2

合計

 

(12,396.52㎡)

836,929

34,909

695,913

(5,280.92)

240,414

64,106

1,872,272

53

 

(注) 1 現在休止中の主要な設備はありません。

2 建物の一部を賃借しております。(年間賃借料405,881千円)

 

 

① 【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

2,000,000

2,000,000

 

 

② 【発行済株式】

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(令和5年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(令和5年6月29日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

540,000

540,000

名古屋証券取引所
メイン市場

株主としての権利内容に制限のない、標準となる株式
単元株式数は100株です

540,000

540,000

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
 
(千円)

資本金残高
 
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

昭和34年12月1日

180,000

540,000

90,000

270,000

13

13

 

(注) 有償株主割当     1:0.5

1株の発行価格     500円

1株当たりの資本組入額   500円

 

 

(5) 【所有者別状況】

令和5年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

1

3

52

2,868

2,924

所有株式数
(単元)

54

1

877

4,444

5,376

2,400

所有株式数
の割合(%)

1.00

0.01

16.31

82.66

100.00

 

(注) 自己株式9,363株は、「個人その他」に93単元、「単元未満株式の状況」に63株含まれております。

 

 

(6) 【大株主の状況】

令和5年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(千株)

発行済株式(自己株式を
除く。)の総数に対する
所有株式数の割合(%)

トヨタ不動産株式会社

名古屋市中村区名駅4丁目7番1号

40

7.53

松竹株式会社

東京都中央区築地4丁目1番1号

20

3.76

トヨタ自動車株式会社

豊田市トヨタ町1番地

15

2.82

服 部 徹

名古屋市天白区

6

1.13

株式会社三菱UFJ銀行

東京都千代田区丸の内2丁目7番1号

5

1.01

服 部 敬 徳

名古屋市天白区

4

0.84

服 部 美 朗

名古屋市昭和区

4

0.82

廣 野 純 弘

名古屋市昭和区

4

0.82

濱 谷 亘 匠

名古屋市名東区

4

0.81

岡 本 藤 太

名古屋市千種区

3

0.69

107

20.29

 

(注)上記のほか当社所有の自己株式9,363株があります。

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(令和4年3月31日)

当事業年度

(令和5年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

※1 740,309

※1 767,481

 

 

受取手形及び売掛金

※3 196,760

※3 234,217

 

 

有価証券

300,000

300,000

 

 

商品及び製品

5,020

9,655

 

 

原材料及び貯蔵品

2,017

2,243

 

 

前払費用

30,084

29,999

 

 

預け金

39,791

47,032

 

 

未収還付法人税等

1,762

1,919

 

 

その他

21,080

23,944

 

 

流動資産合計

1,336,825

1,416,493

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物(純額)

※1 932,831

※1 836,463

 

 

 

構築物(純額)

765

466

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

54,168

34,909

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

160,033

240,414

 

 

 

土地

※1 695,913

※1 695,913

 

 

 

有形固定資産合計

※2 1,843,711

※2 1,808,166

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

電話加入権

1,147

1,147

 

 

 

ソフトウエア

41,283

64,106

 

 

 

無形固定資産合計

42,430

65,254

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

544,123

553,102

 

 

 

関係会社株式

10,000

10,000

 

 

 

差入保証金

535,000

516,026

 

 

 

長期前払費用

29,257

29,281

 

 

 

投資その他の資産合計

1,118,381

1,108,410

 

 

固定資産合計

3,004,524

2,981,830

 

資産合計

4,341,349

4,398,324

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(令和4年3月31日)

当事業年度

(令和5年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

※1 335,537

※1 371,008

 

 

リース債務

58,165

60,981

 

 

未払金

2,530

33,350

 

 

未払法人税等

9,047

7,244

 

 

未払消費税等

18,540

29,212

 

 

未払費用

93,330

99,851

 

 

契約負債

36,341

45,957

 

 

従業員預り金

4,195

4,304

 

 

賞与引当金

16,480

17,750

 

 

その他

51,016

43,092

 

 

流動負債合計

625,185

712,754

 

固定負債

 

 

 

 

リース債務

120,501

177,819

 

 

退職給付引当金

72,833

75,330

 

 

長期未払金

21,500

21,500

 

 

資産除去債務

87,039

88,515

 

 

受入保証金

※1 104,244

※1 88,152

 

 

繰延税金負債

62,091

65,752

 

 

固定負債合計

468,209

517,070

 

負債合計

1,093,394

1,229,824

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

270,000

270,000

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

13

13

 

 

 

資本剰余金合計

13

13

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

67,500

67,500

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

配当準備積立金

160,170

128,327

 

 

 

 

別途積立金

2,380,000

2,380,000

 

 

 

 

繰越利益剰余金

259,062

205,836

 

 

 

利益剰余金合計

2,866,733

2,781,663

 

 

自己株式

70,616

71,755

 

 

株主資本合計

3,066,130

2,979,921

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

181,824

188,578

 

 

評価・換算差額等合計

181,824

188,578

 

純資産合計

3,247,954

3,168,500

負債純資産合計

4,341,349

4,398,324

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 令和3年4月1日

 至 令和4年3月31日)

当事業年度

(自 令和4年4月1日

 至 令和5年3月31日)

売上高

※1 2,758,040

※1 3,335,459

売上原価

1,470,387

1,778,035

売上総利益

1,287,653

1,557,424

販売費及び一般管理費

 

 

 

広告宣伝費

30,016

33,646

 

役員報酬

65,430

77,100

 

給料及び手当

427,506

454,149

 

賞与引当金繰入額

16,480

17,750

 

退職給付費用

5,901

8,990

 

法定福利及び厚生費

54,086

58,166

 

減価償却費

173,190

182,070

 

地代家賃

405,255

405,881

 

水道光熱費

61,724

85,726

 

修繕費

5,090

3,748

 

租税公課

13,050

12,480

 

賃借料

10,082

12,025

 

その他

263,095

273,446

 

販売費及び一般管理費合計

1,530,912

1,625,182

営業損失(△)

243,259

67,758

営業外収益

 

 

 

受取利息

2

2

 

有価証券利息

3,430

2,532

 

受取配当金

8,074

9,883

 

協賛金収入

9,345

198

 

助成金収入

※2 105,288

※2 9,748

 

出資分配金

2,408

2,270

 

雑収入

1,843

3,341

 

営業外収益合計

130,392

27,977

営業外費用

 

 

 

支払利息

41

-

 

長期前払費用償却

3,034

6,068

 

雑損失

2,757

4,357

 

営業外費用合計

5,833

10,426

経常損失(△)

118,700

50,207

特別利益

 

 

 

投資有価証券売却益

53,752

-

 

特別利益合計

53,752

-

特別損失

 

 

 

固定資産売却損

※3 84

-

 

固定資産除却損

※4 400

※4 1,177

 

減損損失

※5 1,431

-

 

特別損失合計

1,916

1,177

税引前当期純損失(△)

66,863

51,385

法人税、住民税及び事業税

1,146

1,146

法人税等調整額

134,071

694

法人税等合計

135,217

1,840

当期純損失(△)

202,081

53,225

 

1.報告セグメントの概要

(1)報告セグメントの決定方法

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、取り扱う製品・サービス別に部門を分け、それぞれが包括的な総合戦略を立案し、事業活動を展開しております。

従って、当社は部門を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「シネマ事業」「アド事業」「不動産賃貸」の3つを報告セグメントとしております。

 

(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

「シネマ事業」は、主に映画館及び飲食店の運営をしております。

「アド事業」は、主に看板の製作と広告代理店等を行っております。

「不動産賃貸事業」は主に不動産の賃貸をしております。