株式会社エムティーアイ
(1) 連結経営指標等
(注) 1 第26期および第27期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載していません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第27期の期首から適用しており、第27期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
2 第27期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載していません。
3 第27期の配当性向については、当期純損失であるため記載していません。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第27期の期首から適用しており、第27期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
2022年9月30日現在、当社グループ(当社および当社の関係会社)は当社(株式会社エムティーアイ)、連結子会社28社および関連会社8社の計36社により構成されています。
報告セグメントについては、「コンテンツ事業」、「ヘルスケア事業」、「その他事業」に区分しています。各報告セグメントを構成する主な事業および主な会社は、以下のとおりです。
各報告セグメントに含まれる主な事業の内容は、以下のとおりです。
<コンテンツ事業>
コンテンツ事業では、スマートフォン等のモバイル端末上でご利用いただけるコンテンツサービスをエンドユーザーの皆さまに提供しています。具体的には、動画・音楽・書籍・コミックの『music.jp』をはじめとするエンターテインメント系コンテンツや、セキュリティ関連アプリ『AdGuard』等ライフ系コンテンツ等のBtoC型月額課金サービスのほか、コミック配信事業者向けにオリジナルコミック作品を提供するBtoB型のオリジナルコミック事業等が属しています。
※女性向けヘルスケアサービス『ルナルナ』および医師相談サービス『カラダメディカ』のBtoC型月額課金サービスはヘルスケア事業に属しています。
<ヘルスケア事業>
ヘルスケア事業では、ヘルスケアに役立つ情報の配信のみならず、利用者一人ひとりがスマートフォン等を介して個々のヘルスデータをさまざまな生活シーンで利活用し、より便利で快適な日常を送れるよう、「世の中を、一歩先へ」を推し進めるためのさまざまなサービスを展開しています。
具体的には、『ルナルナ』および『カラダメディカ』のヘルスケアサービスのBtoC型月額課金サービスのほか、各医療機関や自治体向けに展開しているBtoB型およびBtoBtoC型のヘルスケアサービス(自治体向け母子手帳アプリ、婦人向けオンライン診療「ルナルナメディコ」、オンライン診療・オンライン服薬指導、クラウド薬歴等)が属しています。
当社グループのヘルスケアサービスを利用することを通じて、各医療機関や自治体で個々に蓄積されたヘルスデータをより有効的に利活用することができるよう、それぞれの機関に存在する複数の異なるシステム上のデータを連携する新たなシステムの構築に向け取り組んでいます。
<その他事業>
その他事業では、法人顧客に対しシステムの開発・運用を行っています。具体的には、BtoB型の連結子会社であるAutomagi株式会社のAI事業、当社の大手法人向けDX支援やソリューション事業、および連結子会社であるモチベーションワークス株式会社の学校DX事業等が属しています。
当社グループの主要な事業を纏めた事業系統図は、以下のとおりです。

ヘルスケア事業
・BtoC型コンテンツ(ヘルスケア)サービスの提供

・BtoBtoC型ヘルスケアサービスの提供

その他事業
・学校DX事業

・その他事業

(注) 1 「議決権の所有又は被所有割合」の( )内は、間接所有割合または、間接被所有割合で内数です。
2 特定子会社です。
3 有価証券報告書を提出しています。
2022年9月30日現在
(注) 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2022年9月30日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
3 前連結会計年度末に比べヘルスケア事業の従業員数が22名減少したのは、母子モ株式会社への会社分割によるものと、ヘルスケア事業関連子会社への出向者増によるものです。
労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループでは、世の中が日々変化していく中でその時々に求められるサービスを生み出し世界中に届けていくことが、お客様がより自由に自分らしく生きられる社会を実現する上で大切なことであると考えています。ビジョンとして「世の中を、一歩先へ。」を掲げ、お客様にとって日々の生活を共に歩むパートナーの存在であり続け、生活をより便利に、より豊かにするサービスの提供を通じて、よりよい未来社会の実現に取り組んでいきます。
当社グループでは、「売上高の成長率」と「営業利益率の改善度」を重要な経営指標としています。これらの経営指標を持続的に向上させることにより、企業価値の継続的向上を実現していきます。また、「総還元性向」については、中期的に35%を目安に株主還元を行う方針です。
当社グループでは、コンテンツ事業から生み出す安定的な収益の一部を今後の成長性ポテンシャルが高いと見込まれるヘルスケア事業への投資に振り向け、新たに安定的な収益を生み出せる複数の分野を育成するとともに、市場規模が大きく、中長期的に成長性の高いと見込まれる事業領域に対しても投資を行っています。
また、スマートフォン向けサービス市場が成熟する中、サービスの付加価値を高めるとともに、新たなサービス開発による事業機会の創出にも積極的に取り組み、売上高の持続的成長と継続的な利益の積み上げの実現を図っていきます。
中長期的な経営戦略は以下のとおりです。
コンテンツ事業では有料会員数の低減傾向が続いていますが、安定的な収益の一部を今後の成長性ポテンシャルが高いと見込まれるヘルスケア事業に積極投資しているため、有料会員数の減少を抑制することとともに、成長が見込める事業の育成に取り組んでいきます。
セキュリティ系の有料会員数の拡大については今後の拡大余地があるため、引き続き有料会員数の拡大に注力していきます。また、コミック配信事業者向けにオリジナルコミック作品を提供する事業についても、オリジナルコミックの作品数を拡大することを通じて、その事業拡大に繋げていきます。
ヘルスケア事業では、将来の成長ポテンシャルが大きく、医療機関(病院・調剤薬局・健診機関)や健保組合、自治体等のお客様を長期間にわたりサポートするサービスを構築することにより、コンテンツ事業に比べて安定的なストック型ビジネスになり得ることが見込まれるため、中期的に取り組んでいく方針です。
医療・ヘルスケア領域に関わるさまざまな事業を展開していますが、それぞれの事業の収益化の早期実現に取り組むとともに、医療機関や健保組合、自治体等向けのサービスを浸透させるとともに、それらの複数の団体がそれぞれに連携できるサービスの統合を通じてエンドユーザーの利便性の高いサービスとして確立することも推進していきます。
当社を取り巻く環境は変化を続けており、IoTやAI(人工知能)、5G(第5世代移動通信システム)、eKYC(オンライン本人確認)等の高度な技術の社会への浸透は進み、またデジタル庁設立に見られるように行政も巻き込むデジタルトランスフォーメーション(DX)の需要が高まっています。
当社グループは、今後も変化し続ける環境にいち早く適応しながら、付加価値の高いサービスを継続的にお客様へ提供できるよう取り組んでいきます。
DXを構成するテクノロジーとして、クラウド・AI・IoT等を活用した高度なデジタルサービスの普及やシステム間連携技術などの発展により、あらゆる産業そして社会全体を支えるシステム基盤の在り方が大きく変化してきています。同時にシステムに求められるセキュリティ対策のニーズも高まっています。
そのため当社グループでは、最新技術およびセキュリティに対応するために組織の強化、高度な専門スキルを持った人材の育成と採用に力を入れています。また、世界各国から優秀な人材の確保を積極的に進めつつ、より付加価値の高いサービス提供に努めています。
デジタル技術が高度化し、また広く社会に浸透してきたことにより、インターネットサービスの利用世代が広がっています。その結果、お客様のニーズも多様化し、さらに変化し続けています。新型コロナウイルス感染症に対する様々な拡大防止策の推進とともに、高度なデジタルサービスは速いスピードで普及し、DXの浸透も急速に進みましたが、今後もこうした動きは続くものと考えています。当社グループでは、こうした環境の大きな変化やニーズの多様化をいち早く捉え、お客様にご満足いただけるサービスを提供するため、これまで以上にマーケティング力の強化が重要であると認識しています。
そのため、テレワーク環境下でも積極的にお客様のニーズを把握し、データの利活用を推進し戦略を立案・実行できる体制を構築することで当社の強みであるマーケティング力のさらなる強化を図っています。
高度なデジタル技術による先進的なサービスを、多種多様な人々が使いこなすためには、誰にとっても見やすく、わかりやすい直感的なUI(ユーザーインターフェース)を備える必要があります。当社グループにおいても、優れたUX(ユーザーエクスペリエンス)実現には高度なUI/VD(VD:ヴィジュアルデザイン)が必須と考えており、それらを設計段階から十分に考慮したデザインは、お客様にとって多くのサービスの中から当社サービスをお選びいただく際の重要なファクターであると認識しています。
そのため、専門部署による継続した優れたデザインの研究とともに、UI/UXデザイナーの育成にも力を入れ、お客様に選ばれ続けるデザインを追求していきます。
新型コロナウイルス感染症拡大が長期化する中、当社は早期にテレワークへと移行し、現在はテレワークスタンダード制を導入しています。
オフィスへの出社率は5%となりましたが、これまでと同様の事業運営を続けており、テレワークスタンダード制となったことで、通勤圏外に転居して働くこと、また通勤圏外の地方在住者が転居せずに本社で働くことが可能となりました。
また、テレワークの働き方に併せて、コアタイムがなく、より自由度の高いスーパーフレックス制度を導入しています。従業員一人ひとりのライフスタイルに合わせて個々人が働く時間や場所を自由に選択することにより、生産性の向上を図ります。
さらには、全従業員が安心して働き続けられるための環境づくりとして、「妊娠・出産・育児・介護」などライフステージに合わせた制度整備を進め、長期的な活躍を後押ししています。
以上のような変化に伴う新たな課題への対応を今後も継続すべく、柔軟な組織体制の構築や業務プロセスの改善を実施していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。また、必ずしも事業展開上のリスク要因に該当しない事項であっても、投資を判断する上で重要または有益、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家への情報開示の観点から積極的に開示しています。
当社グループでは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避そして発生した場合には迅速な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項および有価証券報告書中の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、以下の記載は、当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているわけではないことをご留意ください。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、ITを活用した様々なサービスを、利用者であるエンドユーザーや自治体、病院、調剤薬局、法人等に提供しています。技術革新が急速に進展し、事業環境が大きく変化し続けている中で、先進技術へのキャッチアップが遅れ、ユーザーニーズに適した新サービスへの刷新や新機能の追加提供が困難となることでサービスの陳腐化を招く事態となり、当社グループのサービス利用者が想定を下回り収益が確保できない場合や、新たな技術をサービスに採用するための開発コストが想定を上回り効率的な開発体制を維持できない場合、あるいは、計画策定時の想定を超える不確定要素が顕在化した場合には、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの提供するサービスの内容・品質・価格等の面において、競合企業との差別化を図ることができず、各サービスにおける収益を計画通りに確保できない場合、または、競合企業との顧客獲得競争が熾烈なものになり、無料サービスを含む価格面での競争が激化する中で、他社サービスへの流出やコスト競争力を維持できずに当社サービス利用者や取引先との関係を維持できない場合には、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報ネットワークにおけるリスク
当社グループは通信回線や情報システム等を活用した事業を展開しています。そのため、自然災害や事故等による通信回線切断や、予想を超える急激なアクセス数増加によるシステムダウンまたはウイルスや外部からのコンピュータ内への不正侵入等により、通信回線や情報システム等が長期間にわたり不稼働になった場合には、事業を中断せざるをえず、当社グループの事業および業績、社会的な信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのクラウドサービスは、主にAWS(Amason Web Services)およびMicrosoft Azureをデータセンターとして利用しています。万が一障害等のトラブルが発生し代替手段の構築ができず、サービスが長時間にわたって中断する事態が発生した場合や、当社グループのサービス品質に影響を与えうる不具合が発生した場合には、当社グループの事業および経営成績および財政状態、社会的な信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。
これらの情報ネットワーク特有のリスクに対応するために、サービスに関するデータのバックアップやシステムトラブルに備えた対応策の構築および不正アクセス対策等、情報セキュリティに関する対策を強化しています。
当社グループが提供するサービスの一部には、不特定多数のユーザー同士がサービス内でメッセージ機能を利用してコミュニケーションを図っています。そのため、利用規約等に反した大規模なトラブルが発生した場合には、当社が責任を問われる可能性や当社サービスの信用力やイメージ悪化を招き、当社グループの経営に影響を与える可能性があります。
当社グループにおいて、コンテンツ事業から生み出す利益の比重が非常に高い状況にあります。当該事業は、コンテンツホルダーからの配信許諾を受けていること、また、主要販売チャネルが全国の携帯ショップであり、携帯キャリアに対する依存度が高いこと等から、これらの関係者の事業戦略の変更等により契約の継続が困難になった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、今後市場規模が大きく、成長性が高い分野と期待されるヘルスケア事業に中長期的に取り組んでいますが、当該事業に与える影響を確実に予測することは困難であり、予期せぬ変化が発生したことにより当初予定していた事業計画を達成できず、あるいは期待どおりの効果を生まず先行投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合、当社グループの経営成績および財政状況に影響を与える可能性があります。
ヘルスケア事業における主要な顧客は、自治体、病院、調剤薬局、健診機関等多岐に及んでいます。これらの顧客が制約を受ける各種規制について、当社グループにおいて特段の注意を払っていますが、顧客の業界に対して法令や政府・業界団体等による規制等の改廃、新設が行われた場合には、当社グループの経営に影響を受ける可能性があります。
当社グループの事業に関連する可能性がある規制・法令等が改定・新設され、当該規制に対応していくためのサービス内容の変更やサービスを運営・維持するためのコストの増加、事業展開の制限や事業を中断せざるをえない事態等が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社事業に関連する可能性がある規制・法令として、「医療法」、「医薬品医療機器等法」、「資金決済法」、「個人情報保護法」、「消費者契約法」、「特定商取引法」、「独占禁止法」、「景品表示法」、「下請法」、「不正競争防止法」、「出会い系サイト規制法」等が挙げられます。
当社グループは、取り扱う個人情報について厳格な管理体制を構築し、情報セキュリティを確保するとともに、情報の取り扱いに関する規程類の整備・充実や従業員・取引先等への教育・研修・啓蒙を図り個人情報の保護を徹底していますが、個人情報が漏洩したことにより問題が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有する知的財産権が違法に侵害されることによって、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。また、当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害しないよう常に注意を払って事業展開していますが、当社の認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性があり、その第三者より損害賠償請求および差止め請求等の訴訟を起こされることにより賠償金の支払い等が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社の代表取締役社長である前多俊宏は、当社における新たな事業モデルの創出において中心的な役割を担い、また、当社および当社グループの様々な事業推進においても重要な役割を果たしています。当社は、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、人材の育成・強化に注力していますが、同氏が何らかの理由により業務執行できない事態となった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、今後のさらなる業容拡大および持続的成長の実現に向けて、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 会社の対処すべき課題」に記載のとおり、①開発体制の整備と情報セキュリティの強化、②マーケティング力の強化、③デザイン力の強化、および④働き方改革の推進についての取り組みを継続的に行っています。これらの取り組みを行う上で、企業の優位性を確保すべく優秀な人材の維持や育成、および人材の獲得が重要であると認識していますが、国内外問わず労働力不足やIT人材の不足が続く中、十分な人材の確保ができなくなった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実に向け社内体制を定期的に見直し、整備しています。また、業務の適正および財務報告の信頼性を確保するために、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を整備し運用しています。しかしながら、事業環境の変化に対応しながら事業拡大に取り組む中で、内部体制の整備が追い付かない状況が発生した場合には、適切な業務管理体制が維持できず、その結果、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、新規事業への挑戦や、他社との業務提携や企業買収等が、さまざまな相乗効果をもたらす可能性があることから、持続的な成長のために重要な要素であると認識しています。そのためこうした取り組みを遂行する過程で様々な投資を行っていますが、ソフトウエアやのれんなどの無形資産、他社との業務提携、会社設立や合弁会社設立にあたり出資した関連会社株式等の金融資産を含む資産を保有しています。当社グループでは、これらの資産についても適切に減損の判定を行っていますが、事業環境の変化等により、当初予定していた成果を計画通りの時期に得ることが出来ず、また、投資金額を回収するのに十分な将来の経済的便益が見込めないと判断した場合には、減損損失の発生または事業再編等における事業売却損、およびこれらに伴う費用が発生した場合、当社グループの事業、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、当該判断には、当社グループによる見積もりの要素が大きく、また、減損損失の発生時期および金額を正確に予測することはできません。
地震・台風・豪雨等の自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、ウイルスや外部からのコンピュータ内への不正侵入等による想定外のシステム障害や不正アクセス等の要因により、当社の社内システムおよびサービスシステムに何らかの問題が生じた場合、エンドユーザー等への安全かつ安定的なサービス提供が出来なくなる可能性があり、当社グループの事業および経営成績および財政状態、社会的な信用に重大な影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの主力事業はコンテンツ事業であり、エンドユーザーから得る月額利用料を主な収入源とするBtoCサービスを展開しています。この事業から得られる知見とノウハウを活かし次なる主力事業とするために成長ポテンシャルが高いヘルスケア事業の立ち上げに注力しています。
当社グループの当期において、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化により日本経済に大きな影響を及ぼしている状況にありますが、同感染症拡大の当社グループの連結業績への影響は軽微なものとなりました。
コンテンツ事業では、携帯ショップ経由の新規入会者数が低調に推移する中、需要の高いセキュリティ関連アプリ『AdGuard』の新規入会者数を拡大させるとともに、コミック配信事業者向けへのオリジナルコミック作品の月間提供数を拡大させました。
ヘルスケア事業では、調剤薬局での導入意欲が高まっている「クラウド薬歴」の導入店舗数の拡大を図るべく、また自治体向けに母子手帳アプリ等の子育て関連ソリューションの積極拡販を行うべく、協業先の株式会社メディパルホールディングスとの連携を行いました。
他方では、ポイント付与型月額コンテンツサービスにおける失効ポイントに関する消費税の取り扱いを整理し、失効ポイントに対応する売上高を不課税取引とした結果、従来に比べて売上高が717百万円加算されることとなりました。
これらのことにより、売上高は26,479百万円(前年同期比2.9%増)となりました。
売上総利益は、売上高が微増収であるものの、売上原価率の高いその他事業の増収により構成比が拡大したこと、また同事業において低採算案件が増えたことに伴い売上原価が増加したことにより、18,691百万円(同0.3%減)となりました。
営業利益および経常利益については、テレワーク体制への移行に伴う家賃の減少がありましたが、当社子会社のモチベーションワークス株式会社にて積極展開する学校DX事業を含む開発強化のための人件費、外注費および減価償却費が増加したことを主因として、販売費及び一般管理費が増加し、それぞれ870百万円(同54.9%減)、485百万円(同64.5%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純損失については、経常利益が減益となり、また減損損失(特別損失)の増加もありましたが、法人税、住民税及び事業税の計上額が大幅に減少したことにより△930百万円(前年同期は1,164百万円の損失)となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりです。
コンテンツ事業の有料会員数は320万人(2021年9月末比32万人減)となりました。携帯キャリアのフィーチャーフォンサービスの終了に伴い一時的に純減幅は大きくなりましたが、この要因を除けばセキュリティ関連アプリ『AdGuard』の有料会員数拡大が続いていることにより、同事業の有料会員数の純減幅は縮小傾向にあります。
売上高は、前年同期比で有料会員が減少した一方、ポイント付与型月額コンテンツサービスにおける失効ポイントに関する消費税の取り扱いを整理し、失効ポイントに対応する売上高を不課税取引とした結果、従来に比べて売上高が717百万円加算されること等により、18,518百万円(前年同期比1.8%減)となりました。営業利益については、上記の売上高増加効果等により、6,200百万円(同4.4%増)と増益となりました。
ヘルスケア事業の有料会員数は59万人(2021年9月末比5万人減)となりました。また、調剤薬局での導入意欲が高まっている「クラウド薬歴」の導入店舗数の拡大に最注力した結果、2022年9月末の同店舗数は1,264(2021年9月末比499増)となり、直近の第4四半期では過去最高の導入となりました。
売上高は、前年同期比で有料会員数が減少しましたが、「クラウド薬歴」の導入店舗数拡大による初期導入売上高が拡大したことにより4,030百万円(前年同期比6.3%増)となりました。営業損失については、先行投資費用負担が続いていることから1,108百万円の損失(前年同期は1,267百万円の損失)となりました。
当社の大手法人向けDX支援事業およびモチベーションワークス株式会社の学校DX事業の売上高が拡大したことにより、売上高は5,262百万円(前年同期比21.0%増)となりました。営業損失については、大手法人向けDX支援事業で低採算案件が増えたことに伴い売上原価が増加したこと、学校DX事業における体制強化のための人件費の増加、開発強化による外注費および減価償却費の増加等により1,667百万円の損失(前年同期は105百万円の損失)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は29,265百万円となり、2021年9月末対比2,643百万円の減少となりました。
資産の部については、流動資産では現金及び預金の減少を主因に2,484百万円減少し、固定資産ではソフトウエアが増加した一方、投資有価証券が減少したことを主因に158百万円減少しました。
負債の部については、流動負債では「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い契約負債が増加しましたが、未払法人税等が減少したことを主因に269百万円減少し、固定負債では主に長期借入金が増加したことにより992百万円増加しました。
純資産の部については、親会社株主に帰属する当期純損失として930百万円を計上し、配当金の支払いおよび「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴う影響もあり3,365百万円減少しました。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は48.1%(前年同期比6.5ポイント減)、ROE(自己資本当期純利益率は△5.9%(同0.5ポイント増)となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は12,097百万円となり、2021年9月末対比3,442百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況および要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費や減損損失等がありましたが、主に法人税等の支払いにより1,393百万円の資金流出(前年同期は3,516百万円の資金流入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産(主にソフトウエア)の取得による支出等により2,460百万円の資金流出(前年同期は1,996百万円の資金流出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等がありましたが、主に長期借入れによる収入により343百万円の資金流入(前年同期は649百万円の資金流入)となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績は次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項」に記載のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に関する会計上の見積りへの反映については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、および②財政状態の状況」に記載のとおりです。
なお、当社グループの2022年9月期計画の達成状況については、以下のとおりです。
ポイント付与型月額コンテンツサービスにおける失効ポイントに関する消費税の取り扱いを整理し、失効ポイントに対応する売上高を不課税取引とした結果、従来に比べて売上高が717百万円加算されることを主因に、計画比において売上高は2.6%増、営業利益は190.2%増、経常利益は585百万円の増加(計画値は190百万円の経常損失)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、上記のとおり経常利益のプラス要因がありましたが、事業用固定資産(主にソフトウエア)等の減損損失(特別損失)として897百万円を計上したことを主因に、計画比740百万円の減少となりました。
2022年9月期の連結業績(計画)との比較
(単位:百万円)
※2022年9月期の計画は、2022年8月5日に修正した計画を記載しています。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
④ 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と今後の見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
当社グループが重要な経営指標として位置付けている「売上高の成長率」については、前年同期比で2.9%の増加となりました。コンテンツ事業における有料会員数が前年同期比では減少となりましたが、ポイント付与型月額コンテンツサービスにおける失効ポイントに対応する売上高を不課税取引とした結果、従来に比べて売上高が717百万円加算したことや大手法人向けDX支援事業の売上高拡大によるものです。
「営業利益率の改善度」については、前年同期比で4.2ポイント減少の3.3%となりました。売上原価率の高いその他事業の増収により構成比が拡大したこと、また同事業において低採算案件が増えたことに伴い売上原価が増加したこと、および学校DX事業を含む開発強化のための人件費、外注費および減価償却費が増加したことを主因として販売費及び一般管理費が増加したことによるものです。
また、株主還元策については、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しましたが、安定配当を継続する観点から前年と同水準である1株当たり年間配当金を16円としました。
なお、当社グループの2023年9月期の計画は以下のとおりです。
今後の業績拡大の牽引役として期待できるヘルスケア事業の売上拡大および赤字縮小に注力するとともに、コンテンツ事業ではセキュリティ関連アプリ『AdGuard』の有料会員数のさらなる拡大およびオリジナルコミック事業の拡大に取り組んでいきます。
また、当社子会社のモチベーションワークス株式会社にて積極展開する学校DX事業の拡大にも注力していきます。同社が提供するクラウド型校務支援システム『BLEND』に対する受注の引き合いが強いことから、体制強化のための人員増強や導入拡大に対応した外注先の活用、導入コストに寄与する『BLEND』のバージョンアップに向けた開発等で先行投資は当面続きますが、さらなる売上成長に繋げていきます。
中長期的に取り組んでいるヘルスケア事業は、将来の成長ポテンシャルが大きく、BtoC型に比べてお客様と長期間にわたり取引関係を構築することにより安定的なストック型ビジネスになり得るため、売上成長を実現できるよう様々な展開を実施していきます。
特に調剤薬局での導入意欲が高まっている「クラウド薬歴」については、ヘルスケア事業の持続的な売上成長に寄与できることから、協業先である株式会社メディパルホールディングスとの連携強化を行うとともに、調剤薬局向け大手システム会社との販売協業を進め、導入店舗数をさらに拡大させていきます。
また、母子手帳アプリ『母子モ』が導入されている自治体を中心に子育て関連サービスを拡充することにより、そして自治体、病院、住民のデジタル連携の実現を通じた子育てDX『母子モ』プラットフォーム戦略の推進を行うことにより、中期的に利益貢献できるように取り組んでいきます。
2022年9月期連結業績(実績)との比較
(単位:百万円)
⑤ 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、コンテンツの調達のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。投資を目的にした資金需要は主にM&Aによるものです。これらの資金需要については、手元現金で賄うことを基本としていますが、必要に応じて銀行からの借入金調達により対応する予定です。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は12,097百万円となりました。当社グループでは、この資金を有効活用することにより、新たな事業展開に備えるための新規投資や出資等による支出案件に対して、機動的に対応していきます。
(注) 詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)および(重要な後発事象)」に記載のとおりです。
当社は、2022年9月16日開催の取締役会決議に基づき、各借入先との間で金銭貸借契約書を締結しています。
① 借入先、借入額、契約日
株式会社三井住友銀行 8億円 2020年3月25日
株式会社りそな銀行 7億円 2020年3月27日
② 借入期間
2022年9月30日から2027年9月30日までの5年間
③ 利率
変動金利
(注) 1 上記の他、主要な賃借およびリース設備として、以下のものがあります。
2 当社は、セグメントに資産を配分していないため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しています。
(注) 当社グループは、セグメントに資産を配分していないため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しています。
(注) 提出日の発行数には、2022年12月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式は含まれていません。
ストックオプション制度の内容は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(ストック・オプション等関係)に記載しております。
該当事項はありません。
(注) 1 新株予約権の権利行使による増加です。
2 譲渡制限付株式付与のための新株発行
発行価額 1株につき 815円
資本組入額 1株につき 407.5円
割当先 取締役(社外取締役を除く)4名
執行役員 21名
3 2021年1月19日開催の取締役会決議による自己株式の消却
4 譲渡制限付株式付与のための新株発行
発行価額 1株につき 579円
資本組入額 1株につき 289.5円
割当先 取締役(社外取締役を除く)4名
執行役員 22名
5 2022年1月18日開催の取締役会決議による自己株式の消却
2022年9月30日現在
(注) 1 上記「その他の法人」には、証券保管振替機構名義の株式の20単元が含まれています。
2 自己株式6,251,034株は、「個人その他」に62,510単元、「単元未満株式の状況」に34株含まれています。
2022年9月30日現在
(注) 1 上記のほか、自己株式6,251,034株があります。
2 信託銀行等の信託業務に係る株式数については、当社として網羅的に把握することができないため、株主名簿上の名義での所有株式数を記載しています。
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、事業部・サービス区分別のセグメントから構成されており、「コンテンツ事業」、「ヘルスケア事業」、および「その他事業」の3つを報告セグメントとしています。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「コンテンツ事業」には、女性向けヘルスケアサービス『ルナルナ』および医師相談サービス『カラダメディカ』以外のBtoC型の月額課金サービスのほか、BtoB型のコミック配信事業者向けにオリジナルコミック作品を提供しているオリジナルコミック事業等が属しています。
「ヘルスケア事業」には、『ルナルナ』および『カラダメディカ』のBtoC型の月額課金サービスのほか、各医療機関や自治体向けに展開しているBtoB型およびBtoBtoC型のヘルスケアサービス(クラウド薬歴、オンライン診療・オンライン服薬指導、母子手帳アプリ等)が属しています。
「その他事業」には、BtoB型の連結子会社のAutomagi株式会社で展開するAI事業、当社における大手法人向けDX支援事業やソリューション事業、連結子会社のモチベーションワークス株式会社で展開する学校DX事業等が属しています。