楽天グループ株式会社
(注) 1 国際会計基準(以下「IFRS」)により連結財務諸表を作成しています。
2 期中の平均株式数については日割りにより算出しています。
3 第23期、第24期、第25期及び第26期の株価収益率については、当期損失が計上されているため記載していません。
4 従業員数には、使用人兼務取締役、派遣社員及びアルバイトは含んでいません。
(注) 1 期中の平均株式数については日割りにより算出しています。
2 第26期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載していません。
3 第26期の株価収益率及び配当性向については、1株当たり当期純損失であるため記載していません。
4 従業員数には、使用人兼務取締役、他社への出向者、派遣社員及びアルバイトは含んでいません。
5 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
6 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を第26期の期首から適用しており、第26期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
当社グループ(当社及び関係会社)は、インターネットサービス、フィンテック及びモバイルという3つの事業を基軸としたグローバル イノベーション カンパニーであることから、「インターネットサービス」、「フィンテック」及び「モバイル」の3つを報告セグメントとしています。
これらのセグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっています。
「インターネットサービス」セグメントは、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』をはじめとする各種ECサイト、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト、北米地域でのデジタルコンテンツサイト等の運営、メッセージングサービスの提供や、これらのサイトにおける広告等の販売、プロスポーツの運営等を行う事業により構成されています。
「フィンテック」セグメントは、クレジットカード関連サービス、インターネットを介した銀行及び証券サービス、暗号資産(仮想通貨)の媒介、生命保険サービス、損害保険サービス、電子マネーサービスの提供等を行う事業により構成されています。
「モバイル」セグメントは、通信サービス及び通信技術の提供、電力供給サービスの運営並びに北米地域以外でデジタルコンテンツサイト等の運営等を行う事業により構成されています。
また、次のセグメントは、連結財務諸表の注記に掲げる「セグメント情報」の区分と同一です。
当社グループの提供する主なサービス及びサービス主体は次のとおりです。
インターネットサービス
フィンテック
モバイル
[事業系統図]
以上に述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりです。

(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメント情報の名称を記載しています。
2 上記以外の連結子会社数は196社です。
3 上記以外の持分法適用関連会社数は61社です。
4 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
5 特定子会社です。
6 有価証券報告書の提出会社です。
7 売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えていますが、当該連結子会社は有価証券報告書の提出会社であるため、主要な損益情報等の記載を省略しています。
8 楽天モバイル株式会社が有する通信料債権の流動化による資金調達を行うにあたり、以下の措置を行っています。
楽天モバイル株式会社の株式は全て当社から楽天信託株式会社に信託されています。これは、楽天モバイル株式会社の通信料債権を流動化するにあたり、投資家の保護を企図した仕組みになります。本仕組みにおいて、当社の信用格付が一定以下になる等の要件に該当した場合には、議決権の行使に係る指図権は独立の第三者である一般社団法人アールエムトラストに移転し、楽天モバイル株式会社は信用力の低下した当社からの影響を回避することができます。
なお、現在当社は議決権全てに対する指図権を含めた受益権を有していることから、議決権の所有割合に含めて記載しています。
2022年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、使用人兼務取締役、派遣社員及びアルバイトを含んでいません。
2 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない開発部門及び管理部門の従業員数です。
2022年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、使用人兼務取締役、他社への出向者、派遣社員及びアルバイトを含んでいません。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない開発部門及び管理部門の従業員数です。
当社に労働組合は結成されていませんが、連結子会社の一部に労働組合が結成されています。
なお、労使関係は良好で、特記すべき事項はありません。
当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会に力を与えること(エンパワーメント)を経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていくことに寄与していきます。グローバル イノベーション カンパニーであり続けるというビジョンのもと、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を目指します。
主な経営指標として、全社及び各事業の売上収益、Non-GAAP営業利益、流通総額(商品・サービスの取扱高)、会員数及びクロスユース率等のKPIs(Key Performance Indicators)を重視し、成長性や収益性を向上させることを目指します。
インターネットをはじめとする情報通信技術(ICT)の発展・普及がもたらした新しい経済、そして社会の姿は「デジタル経済」と呼ばれるようになってきており、政府は、その進化の先にある社会として「Society 5.0」を掲げています。「Society 5.0」においては、IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術があらゆる産業や社会生活に取り入れられ、経済発展と社会的課題の解決が両立されることが期待されています。こうした中で、これらの先端技術を利活用し、変革をもたらす企業が社会から求められていると当社は考えています。
経済産業省の調査によれば、2021年における日本のBtoC-EC市場規模は20.7兆円に達しました。また、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が収束した後もECの利用が消費者の間で定着しつつあること等から、BtoC市場における物販系EC化率は8.78%となる等、商取引の電子化が進展し続けています。更に、日本の同比率は諸外国のそれに比して未だ低いことから、弊社グループが推進するEC事業の拡大余地は引き続き大きいと考えています。
キャッシュレス決済においては、2018年4月に経済産業省により策定された「キャッシュレス・ビジョン」で、2025年までに我が国におけるキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げることが目標とされています。更に、将来的には左記比率を世界最高水準の80%まで引き上げることを目指すとされており、クレジットカード決済、QRコード・バーコード決済等の様々な決済手段によるキャッシュレス決済規模の一層の拡大が見込まれます。
移動通信においては、ネットワークの高度化の進展と共に、スマートフォンの普及、それと並行してSNS、ゲーム、動画・音楽配信、地図、検索等のエンドユーザー向けのコンテンツ・アプリケーション市場が急拡大する中、モバイル端末の利用シーンが大きく広がっています。総務省の報告によれば、2022年6月末時点における日本の携帯電話の契約数は2億334万件に達する等、国内移動通信市場の拡大が継続しています。
このように当社グループをとりまく経営環境はデジタル・トランスフォーメーションが加速する社会の中で、絶えず変化を続けており、当社グループにおいては恒常的な技術革新への対応や事業ポートフォリオの最適化等により、これらの変化に柔軟に対応していく必要があります。
(新型コロナウイルス等感染症の影響)
新型コロナウイルス等感染症については、ワクチンや感染対策により影響が落ち着いてきているものの、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、重大なリスクと考えています。当社グループは、新型コロナウイルス等感染症の流行動向による人々の行動様式の変化と、それに伴う経済活動への影響を注視し、ユーザーが安心して利用できるよう感染対策に努めながら、サービスの提供を行っていきます。
② 経営戦略
当社グループは、楽天グループ会員を中心としたユーザーに対し、様々なサービスを提供するビジネスモデル「楽天エコシステム」を構築し、拡大することを基本的事業戦略としています。当社グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネス展開による「楽天エコシステム」の拡大により、国内外の会員がEC、フィンテック、デジタルコンテンツ、携帯キャリア事業等の複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果を創出し、グループ収益の最大化を目指します。
加えて、コンプライアンスの遵守や情報セキュリティ管理を徹底し、コーポレート・ガバナンスを率先して強化していきます。法令・社会規範の遵守、汚職・賄賂等の禁止、公平・公正な取引の推進、環境への配慮等を最重要課題として認識しています。具体的には「サプライヤー様向け楽天グループサステナブル調達行動規範」を制定し、公平・公正かつ透明性の高い取引に基づく、取引先及び業務提携先や委託先等との良好な関係の構築と関係強化に取り組んでいます。また、ダイバーシティ(多様性)の尊重や人材の育成に継続的に取り組むことで、一人ひとりが活躍できる社会の形成にも寄与していきます。
更に、サステナビリティへの取組の重要性が世界的に一層高まる中、当社グループにおいても、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにする「RE100」の取組に注力し、グリーン社会の実現に向けて、2023年事業年度中のカーボンニュートラル達成を目指していきます。
こうした取組を通じ、国内及び進出先国・地域の活性化、日本及び世界経済の発展に貢献し、ステークホルダーの皆様から信頼され続ける企業を目指します。
「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」企業グループとして、事業環境の変化に柔軟に対応し、持続可能な成長に向けた仕組を構築することが、当社グループの対処すべき課題です。長期にわたる持続的な成長により、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を図るとともに、社会全体に便益をもたらすグローバル イノベーション カンパニーであり続けることを目指します。
当社グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを核とする「楽天エコシステム」において、国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出、グループ全体の価値最大化を目指し、また、メンバーシップ及び共通ポイントプログラムを基盤にしたオンライン・オフライン双方のデータ、AI等の先進的技術を活用したサービスの開発及び展開を進めています。
EC及び旅行予約をはじめとしたインターネットサービスにおいては、ロイヤルカスタマーの醸成、新規顧客の獲得、クロスユースの促進、ECプラットフォーム拡大にむけた楽天エコシステムのオープン化戦略等に取り組むことで、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指します。
クレジットカード関連サービス、銀行サービス、証券サービス、保険サービス、電子マネーサービス等を提供するフィンテックにおいては、事業間の相乗効果の創出、クロスユースの促進等を通じた一層の成長を目指します。また、キャッシュレス決済においては、政府によるキャッシュレス化が促進されており、決済サービス導入箇所の拡大や、QRコード・バーコード決済、電子マネー、ポイントを含む総合的なキャッシュレス決済の推進に取り組むとともに、決済サービスプラットフォーム構想の実現に向け、これらの決済手段を統合したペイメントアプリの機能拡充に引き続き注力します。
モバイルにおいては、世界初(注)となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークの構築を行っており、2022年12月末時点において人口カバー率98%を達成しています。更に、ネットワーククオリティを高めるための屋内外の基地局の設置を進めており、信頼性の高い通信サービスの提供を行うとともに顧客基盤の拡大に取り組みます。また、5Gにおいては、あらゆるモノがインターネットに繋がるIoTの進展に伴い、その基盤となる通信ネットワークの重要性が飛躍的に増大することが予想される中で、「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」といった5Gの特性を生かした社会課題の解決が期待されています。当社グループにおいては、5Gを2020年代の社会インフラとして、消費者の利便性の向上のみならず、様々な分野における活用や新ビジネスの創出を通して、社会的諸課題の解決、地方創生等に貢献していくことを目指します。クラウドネイティブなOpen RANインフラストラクチャに関連するプロダクトやサービス等を集約し、コスト効率の高い、通信用のクラウドプラットフォームの提供を目指す『楽天シンフォニー』においては、通信事業者におけるネットワーク機器の構成を刷新する取組が進む中、『楽天モバイル』で実装したオープンで完全仮想化されたアーキテクチャを世界の通信各社に提案しています。
こうした個々のビジネスの成長や事業間シナジーの最大限の追求に加え、当社グループが持つメンバーシップやデータ、『楽天ポイント』等の活用による革新的なマーケティング手法の確立、グループシナジーを生かした広告事業の活用、世界共通の会員IDやロイヤルティプログラムを提供するグローバルIDプラットフォームの構築、サービスブランド統合、パートナーシップを通じたブランド価値向上等により、今後も「楽天エコシステム」を国内のみならずグローバルでも拡大していきたいと考えています。このためにはグローバル経営を一層強化する必要があり、経営資源配分の最適化を図るための事業ポートフォリオの見直しをはじめ、技術開発のグローバルでの最適化等に向けた体制強化へも力を入れていきます。
(注) 大規模商用モバイルネットワークとして(2019年10月1日時点)/ステラアソシエ調べ
当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントすることを経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていきます。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題の一つと位置づけ、様々な施策を講じています。
当社は、経営の透明性を高め、適正性・効率性・公正性・健全性を実現するため、独立性の高い監査役が監査機能を担う監査役会設置会社の形態を採用しており、経営の監査を行う監査役会は、社外監査役が過半数を占める構成となっています。また、当社は、経営の監督と業務執行の分離を図るため執行役員制を導入しており、取締役会は経営の意思決定及び監督機能を担い、執行役員が業務執行機能を担うこととしています。
当社の取締役会においては、独立性が高く多様な分野の専門家である社外取締役を中心として客観的な視点から業務執行の監督を行うとともに、経営に関する多角的な議論を自由闊達に行っています。更に、取締役会とは別にグループ経営戦略等に関する会議を開催し、短期的な課題や取締役会審議事項に捉われない中長期的視野に立った議論も行うことで、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めています。
加えて、業務執行における機動性の確保、アカウンタビリティ(説明責任)の明確化を実現するために社内カンパニー制を導入しています。
当社グループでは、今後もこうした取組を通じて、迅速な経営判断を可能にし、より実効性の高いガバナンス機能を有する経営体制を構築していきます。
当社グループは、国内外において多岐にわたる事業展開をしており、これらの企業活動の遂行には様々なリスクが伴います。本項では当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると認識している主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。ただし、当社グループで発生しうる全てのリスクを網羅しているものではありません。当社グループの経営陣は、これらリスクの発生可能性の程度及び時期を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。しかしながら、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に与える影響並びにその対応策を合理的に予見することが困難である事項もあります。したがって、当社の有価証券に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も合わせて、総合的かつ慎重に検討した上で行う必要があると考えています。
なお、以下の記載事項のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
1 当社グループの経営陣が考えるリスクとは
当社グループは、リスクを「経営目標の達成に影響を及ぼしうる不確実性」と定義しており、経営目標達成の確度を向上させるために、定期的なリスクの洗い出しを行った上で、当該リスクが当社グループの将来の経営成績等に与える影響の程度や発生可能性に応じた重要性(マテリアリティ)の評価を行い、当該評価に応じた対応策を策定し実行しています。
2 当社グループのリスク管理体制
当社グループは、リスク管理に関するグループ規程に従い、リスクの適切な把握、重要性に応じた対応策の策定と実行、その結果のモニタリングのサイクルを確立しリスク管理体制を整備しています。リスク管理上重要事項を含むグループ横断的なリスクは、その対策状況を年4回開催されるグループリスク・コンプライアンス委員会にて協議し、本委員会の主な協議事項は重要会議体を通じて経営陣に報告しています。また特に重要なリスクは、その対応状況を取締役会等にて経営陣に報告し、協議しています。
更に、重要リスクの一つである情報及びパーソナルデータの管理については、楽天グループ情報セキュリティ&プライバシー委員会を毎月開催し、情報セキュリティ及びプライバシーの要求事項等に準拠した体制を整えています。本委員会での主な協議事項は、コーポレート経営会議にて経営陣に報告しています。今後も、現在の活動を継続しつつ、経営判断や事業運営に貢献するリスク管理体制の高度化を推進していきます。
3 経営環境・戦略に関するリスク
(1) マクロ経済環境に関するリスク
当社グループは、国内外において多岐にわたる事業展開をしており、当社グループの業績は国内の景気動向とともに、海外諸国の経済動向、社会情勢、地政学的リスク等に影響されます。マクロ経済環境について注視しながら、事業展開等を進めていく方針ですが、今後の内外経済環境の先行きについては引き続き不透明な状況にあり、世界経済の低迷、社会情勢の混乱、国際社会における国家間の対立、地域紛争や武力行使、国家間の経済制裁等による輸出入・外資規制、諸規制変更や規制動向の変化等により、当社グループの事業活動に支障が生じ、サービス・商品の安定的な供給や経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
今般のウクライナ情勢については、各国の経済制裁等による営業活動への影響はあるものの、当社グループの連結売上収益に対するウクライナ及びロシア関連の売上の割合は僅少であるため、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に与える影響は限定的と見込んでいます。当社グループは、社員の安全確保に加えて、サプライチェーンの混乱、原油価格高騰による物流費や電力調達価格等の増加、サイバー攻撃等の想定されるリスクに対して必要な対策を講じています。しかしながら、ウクライナ情勢の悪化に伴う世界的な社会・経済の不確実性は高く、現時点でその影響を完全に予測することは困難な状況です。当社グループは、情勢を注視し、適時適切な対策を講じリスクの低減に努めますが、かかるリスクが想定を超える場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 新型コロナウイルス等感染症の影響
新型コロナウイルス感染症については、ワクチンや感染対策により影響が落ち着いてきているものの、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、重大なリスクと考えています。
当連結会計年度においては感染症拡大防止を目的とした外出制限や自粛要請、渡航制限等が緩和されたことにより、対面サービスについては回復基調となっています。前連結会計年度同様、経済・社会のデジタル化が加速したことにより、オンラインでの映像提供サービス、インターネット・バンキング・サービスに加え楽天トラベルのような旅行業の需要も増加傾向が見受けられました。
また、定期的に実施している新型コロナウイルス感染症対策会議には経営陣も参加し、グループ内の感染状況等の共有・対策を検討のうえ、機動的に対処しています。
当社グループは、新型コロナウイルス等感染症の流行動向による人々の行動様式の変化と、それに伴う経済活動への影響を注視し、ユーザーが安心して利用できるよう感染対策に努めながら、サービスの提供を行っていきます。しかしながら、感染対策が期待した効果を発揮しなかった場合や新たな変異株の強毒化等により、再び社会経済活動に強い制限がなされるような事態となった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 競合環境
当社グループが展開するいずれの事業においても多数の競合事業者が存在しており、激しい競争関係にあると考えています。また、他業種の事業者等を含む新規参入者が新たな競合事業者となった場合には、より一層競争が熾烈化する可能性があります。
当社グループは、競合事業者の動向を注視しつつ、引き続き顧客ニーズ等への対応を図り、サービス拡大に結び付けていく方針ですが、これらの取組が期待どおりの効果を上げられず、サービスの競争力を失った場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 業界における技術変化等
当社グループが展開するいずれの事業においても技術分野における進歩及び変化が著しく、新しいサービス及び商品が頻繁に導入されています。
当社グループは、常に最新の技術動向及び市場動向の調査、技術的優位性の高いサービスの導入に向けた実証実験並びに他社との提携等を通して競争力を維持するための施策を講じています。しかしながら、何らかの要因により、当社グループにおいて当該変化等への対応が遅れた場合には、サービスの陳腐化及び競争力低下等が生じる可能性があります。また、対応可能な場合であったとしても、既存システム等の改良、新たなシステム等の開発による費用の増加が発生する可能性があり、これらの動向及び対応の巧拙によっては当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業運営の障害となりうる技術が開発される可能性もあり、このような技術が広く一般に普及した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 経営体制・事業戦略に関するリスク
① 経営体制(コーポレート・ガバナンス)に関するリスク
当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントすることを経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていきます。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題の一つと位置づけ、様々な施策を講じています。
当社は、経営の透明性を高め、適正性・効率性・公正性・健全性を実現するため、独立性の高い監査役が監査機能を担う監査役会設置会社の形態を採用しており、経営の監査を行う監査役会は社外監査役が過半数を占める構成となっています。また、当社は、経営の監督と業務執行の分離を図るため執行役員制を導入しており、取締役会は経営の意思決定及び監督機能を担い、執行役員が業務執行機能を担うこととしています。
当社の取締役会においては、独立性が高く多様な分野の専門家である社外取締役を中心として客観的な視点から業務執行の監督を行うとともに、経営に関する多角的な議論を自由闊達に行っています。更に、取締役会とは別にグループ経営戦略等に関する会議を開催し、短期的な課題や取締役会審議事項に捉われない中長期的視野に立った議論も行うことで、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めています。
加えて、業務執行における機動性の確保及びアカウンタビリティ(説明責任)の明確化を実現するために社内カンパニー制を導入しています。しかしながら、これらの経営体制を含む各施策から期待どおりの効果を得られずに、適時適切な経営の意思決定が行われなかったり、コンプライアンス違反が生じたりした場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 事業戦略に関するリスク
当社グループは、保有するメンバーシップ、サービス利用に係る各種データ、「Rakuten」ブランドを核とする「楽天エコシステム」において、国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出、ひいては当社グループ利益の最大化を目指すという事業戦略を掲げています。この事業戦略のもと、個々のビジネスの成長及び事業間シナジーの最大限の追求に加え、当社グループが持つメンバーシップ、データ及び「楽天ポイント」を使用したリワードプログラム等の活用を行っています。具体的には、1億以上の会員IDに基づくオンラインとオフライン双方のデータを活用することにより、それぞれの事業におけるサービスの向上を図りつつ、これに加えオンラインとオフラインの垣根を超えるサービスの相互利用を促進しています。しかしながら、それら施策から期待どおりの効果を得られなかった場合、当社グループの展開するサービスの一部あるいは複数が停止し相互利用の促進に障壁が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、デジタルプラットフォーム・メンバーシップデータの利用方法・リワードプログラムに関する法令等が当社グループにとって不利益な内容に改正された場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業の拡大・展開に関するリスク
1) 投資及び買収
当社グループは、国外市場への進出、新規ユーザーの獲得、新規サービスの展開、既存サービスの拡充、関連技術の獲得等を目的として、国内外を問わず買収(M&A)や合弁事業の展開を行っており、これらを経営の重要戦略として位置づけています。
買収を行う際には、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するように努めていますが、案件の性質、時間的な制約等から十分なデューデリジェンスが実施できない場合もあり、買収後に偶発債務が発生する可能性及び未認識債務が判明する可能性があります。また、新規サービスの展開に当たってはその性質上、当該新規サービスが当社グループの事業、経営成績及び財政状態へ与える影響を正確に予測することは困難であり、事業環境の変化等により計画どおりにサービスが進展せず、投下資本の回収に想定以上の期間を要する又はその回収ができない可能性やのれんの減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に、被買収企業と情報システムの統合、内部統制システム等の統一及び被買収企業の役職員及び顧客の維持・承継等が計画どおりに進まない可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
合弁事業及び業務提携の展開においても、パートナーとなる事業者の経営成績及び財政状態について詳細な調査を行うとともに、将来の事業計画及びシナジー効果について事前に十分に議論することによって極力リスクを回避するように努めていますが、サービス開始後に双方の経営方針に相違が生じ、期待どおりのシナジー効果が得られない可能性もあります。かかる場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性や、投下資本の回収に計画以上の期間を要する又はその回収ができない可能性があります。
その他、ベンチャー企業への投資等、様々な企業に対する投資活動を行っていますが、このような投資活動においても、経営環境の変化、投資先の業績停滞等に伴い期待どおりの収益が上げられず、投下資本の回収可能性が低下する場合には、投資の一部又は全部が損失となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) 海外への事業展開
当社グループは、収益機会の拡大に向けてグローバル展開を主要な経営戦略の一つとして掲げ、米州、欧州、アジア等の多くの地域でECを含む各種サービスを展開しています。また、国内外のユーザーが国境を越えて日本又は海外の商品及びサービスを購入するためのクロスボーダーサービス等も順次拡大しています。今後とも在外サービス拠点及び研究開発拠点を拡大していくとともに、各国サービス間の連携強化等に取り組みながら、海外でのサービスの充実を図っていく予定です。
一方、グローバルにサービスを展開していく上では、言語、地理的要因、法令・税制を含む各種規制、自主規制機関を含む当局による監督、経済的・政治的不安定性、通信環境や商慣習の違い等の様々な要因によって種々のリスクが生じる可能性があります。グローバルに事業を展開する競合他社との競争熾烈化のリスク、外国政府及び国際機関により関係する諸規制が予告なく変更されるリスク、当社グループ方針の浸透不足等により各種コンプライアンスに違反するリスクも存在します。更に、サービスの国際展開では、サービス立上げ時に、現地における法人設立、人材の採用、システム開発、現地事業の適切な管理のための体制構築等に係る経費が発生するほか、既存サービスにおいても、法令の改正に対応するための継続的な支出が見込まれ、戦略的にビジネスモデルを変更する場合には、追加的な支出が見込まれることから、これらの費用が一定期間当社グループの収益を圧迫する可能性があります。また、新たなサービスが安定的な収益を生み出すためには、一定の期間が必要なことも予想されます。
これらのリスクに対応するため、当社グループは、各国情勢を注視し、現地法令等へ適正に対応するとともに、各現地グループ会社でコンプライアンス体制を適切に構築し、法令遵守に努めています。また、サービスの展開においては、KPIを用いた常時業績管理、「楽天エコシステム」を活用した収益構造の効率化等による迅速な事業の立ち上げ、柔軟なビジネスモデルの変更を行うとともに、適時適切なコストコントロールを行い、当社グループの収益を圧迫するリスクの低減に努めています。しかしながら、ビジネスモデルに影響を及ぼす法規制・制度の変更、市場競争環境の変化等によりかかるリスクが現実化した場合には、対応に想定外の費用を要する可能性又は事業継続が困難となりサービス停止や事業撤退を余儀なくされる可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3) サービス領域の拡大
当社グループは、技術及びビジネスモデルの移り変わりが速いインターネットを軸とした多岐にわたる事業をサービス領域としています。その中で、新規サービスの創出及び時代の流れに即したビジネスモデルの構築を目的とし、新規サービス領域に参入しています。新規サービスを開始するに当たって、相応の先行投資を必要とする場合があるほか、当該サービス固有のリスク要因が加わることとなり、本項に記載されていないリスクでも、当社グループのリスク要因となる可能性があります。
また、新規に参入した市場の拡大スピード及び成長規模によっては、当初想定していた成果を上げることができない可能性があります。加えて、サービスの停止、撤退等においては、当該事業用資産の処分及び償却を行うことにより損失が生じる可能性があります。当社グループは、サービス領域の拡大の場面において適時適切な対応を講じ、リスク低減に努めていますが、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4) サプライチェーンに係るリスク
当社グループでは、製品調達及び供給を適時に行うことが求められます。製品の調達・供給において、地政学的リスク、自然災害、疫病、戦争、内戦、暴動、テロ、サイバー攻撃、港湾労働者によるストライキ、あるいは輸送事故等の理由により生産・物流が停滞する場合、供給不可や配送遅延による売上機会の損失、復旧対応のコスト増加により当社の収益確保に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは顧客の維持・獲得、ネットワークの構築及びメンテナンス等のほか、それらに付随する業務の一部又は全部について、他社に委託しています。そのため、取引先及び業務提携先や委託先に関しては選定時に「楽天グループにおける購買委託管理に関するインストラクション」やそれに基づく各社購買規程にのっとった評価・選定を行うとともに、「楽天グループサステナブル調達インストラクション」に基づく調達調査を通じ、リスクアセスメント、取引先審査及び課題の抽出、ヒアリング実施等PDCAサイクルの構築によって、取引上のリスクの低減に努めています。
また、「サプライヤー様向け楽天グループサステナブル調達行動規範」を制定し、取引先及び業務提携先や委託先に向けては、法令・社会規範の遵守、汚職・賄賂等の禁止、公平・公正な取引の推進、環境への配慮等、具体的な行動指針を定めています。これらをもとに、取引先及び業務提携先や委託先と公平・公正かつ透明性の高い取引に基づく良好な関係の構築と関係強化に取り組んでいます。
しかしながら、これらの対策にも関わらず、業務委託先(役職員や関係者を含む)と当社グループとの業務の中で故意又は過失による法令違反や、不正行為、人権侵害等が発生した場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、上述のような事象により当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4 ビジネスセグメント固有の事業運営に関するリスク
(1) インターネットサービスセグメント
① マーケットプレイス型のサービス
『楽天市場』のようなオンライン・ショッピングモール・サービス、『楽天トラベル』のような宿泊予約サービス、『Rakuten Rewards』のようなオンライン・キャッシュバック・サービス等においては、取引の場を提供することをその基本的形態としています。
当社グループは売買契約等の当事者とはならず、規約においても、販売者又は役務提供者と購入者又は役務利用者との間で生じたトラブルについて、当社グループはその責任を負わず、当事者間で解決すべきことを定めていますが、他方で、マーケットプレイス型サービスにおける取引の場の健全性確保のため、偽造品その他の権利侵害品の排除等に自主的に努めています。具体的には、出品商品に関するガイドラインによるルールの明文化や、事前の商材審査、定期モニタリングの実施、社外からの通報窓口設置等を行っています。しかしながら、マーケットプレイス型のサービスにおいて、第三者の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等を侵害する行為、詐欺その他の法令違反行為等が行われた場合には、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社グループも取引の場を提供する者として責任を問われ、更には、当社グループのブランドイメージが毀損される可能性もあります。
また、近時、マーケットプレイス型サービスを含むプラットフォームビジネスについては、ネットワーク効果や規模の利益が働きやすいことから、優越的地位の濫用を含む不公正な取引方法に該当する事例その他の独占禁止法上の問題が生じやすいことが指摘されています。当社グループは、前述のように販売者又は役務提供者と購入者又は役務利用者に健全で信頼される取引の場を提供するとともに、これらの者との健全な関係の維持に努めています。また、当社グループは「5 事業運営に伴うその他リスク (3)法規制等に関するリスク ①法令・コンプライアンスに関するリスク」にも記載しているように、法令遵守を重要な企業の責務と位置づけ、コンプライアンス体制を構築し、必要に応じて弁護士その他の専門家への相談、監督官庁との協議等を行い、法令遵守の徹底を図っています。しかしながら、当社グループのかかる施策にも関わらず、公正取引委員会の見解と当社グループの見解が異なること等により、独占禁止法への抵触の問題が発生する可能性は完全には否定できません。公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令等を受けた場合には、企図していた施策が実現できなくなることに加えて、当社グループの社会的信用が毀損され、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、利便性及び信頼性の高いシステムに加え、集客力に優れた取引の場を継続的に提供することに努めていますが、それらの取組が期待どおりの効果を上げられなかった場合には、販売者・役務提供者が減少し、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 宿泊予約サービス
『楽天トラベル』のような宿泊予約サービスは、パンデミックや自然災害によって大きな影響を受けます。当連結会計年度においては、旅行業全体では回復基調にはありますが、今後も新型コロナウイルス感染症の流行の先行きは不透明であり、また、異常気象、自然災害その他の要因による旅行需要の減少の可能性も否定することはできません。当社グループでは、新型コロナウイルス等感染症の流行の動向を注視しつつ宿泊施設と連携して感染予防に努め、また、自然災害については想定される被害に備えて準備を行い、当社グループへの影響を低減するように努めています。しかしながら、かかる取組にも関わらず、パンデミックや自然災害等の理由で旅行需要の減少等が起きた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 直販型のサービス
当社グループが一般消費者に対して商品・役務を直接提供する『Rakuten 24』、『楽天ブックス』、『Rakuten Fashion』等のサービスにおいては、当社グループは売買契約等の当事者となり、商品・役務の品質及び内容に責任を負っています。商品の販売及び役務の提供に際しては、関係法令を遵守し、品質管理に万全を期していますが、欠陥のある商品を販売又は欠陥のあるサービスを提供した場合には、監督官庁による処分を受ける可能性があるとともに、商品回収、損害賠償責任等の費用の発生、顧客からの信用低下による売上高の減少等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、商品については、一部でデータ活用を用いて予測した需要に従って、仕入及び在庫水準の管理等を行っていますが、想定した需要が得られない場合並びに技術革新及び他社商品との競争の結果、商品価格が大きく下落する場合には、棚卸資産として計上されている商品の評価損処理等を行う可能性があり、その結果、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 物流事業
当社グループは、『楽天市場』等におけるユーザー、販売者又は役務提供者である出店企業の利用満足度を一層高めるべく、出店企業の物流業務の受託サービスの拡大等を通じた配送品質の向上に注力しています。
物流事業においては、何らかのシステム障害が発生して物流業務の遂行が不可能になること、物流拠点内の事故、自社物流網における新型コロナウイルス感染症を含む感染症の流行及び自然災害による物流拠点の稼働停止等のリスクがあります。当社グループは、システム障害発生の未然防止、障害発生原因に対する恒久対応策の実施、庫内・配送における安全業務遂行のための安全衛生委員会の設置及び自然災害を想定したリスク管理体制の構築を行っています。しかしながら、これらの施策が不十分であった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、物流拠点の拡大にあたり、設備として賃貸物件等を活用し、倉庫内設備投資等は将来見込まれる受注量を予測して実施していますが、当該設備の構築及び稼動開始までには一定の時間を要するため、かかる支出は先行的な投資負担になる場合があるほか、燃料費、資材、労働力等の調達コスト増加や、当初見込んだ受注量の未達により受託業務での収益が予測を下回る場合には先行費用を補えず、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に、設備の移転、廃止等が決定された場合には、当該資産の処分及び償却を行うことにより、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 広告ビジネス
当社グループでは、デジタル広告等に関する広告ビジネスの売上高がグループ全体の売上に対して一定の比率を占めていますが、広告市場は特に景気動向の影響を受けやすい傾向があり、景気が後退した場合には、広告主による予算減少の影響を受ける可能性があります。また、デジタル広告の分野においては技術の進展によって多様な広告手法が生み出されており、新規の参入者も多いことから、特に激しい競争にさらされています。
更に、広告配信プラットフォーム等の技術的な手法に、各種法令やプライバシーに配慮した制約や変更が生じ、従来可能であった広告手法の変更や更なる技術開発が必要となる可能性があります。かかる事業環境において、当社グループはこれらの競争や環境変化に対応するため、独自プラットフォーム上での広告の拡大やデジタル広告の技術開発を含む様々な施策を講じていますが、これらの施策が十分でない場合には、サービスの競争力を失い、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ コンテンツ関連事業
1) デジタルコンテンツサービス
当社グループでは、電子書籍サービス、ビデオストリーミングサービス、ミュージックストリーミングサービス等のデジタルコンテンツの提供をインターネットサービスセグメント及び後述のモバイルセグメントにおいて行っています。デジタルコンテンツは多彩であるため、映像等の使用許諾に加え、ライセンサー等に対し、事前に最低保証料等の支払を求められることがあり、かかる先行的な対応や支払のため、コンテンツ調達のための支出が一時的に発生するほか、コンテンツ収入が当該調達費用を下回る場合や、海外コンテンツに関する使用権取得に際し、為替変動により使用権取得費用が上振れしてしまう場合には、当事業の収益に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、ライセンサー等と契約交渉するにあたり、ライセンサーへの費用の支払を最低保証金等ではなく可能な限り売上分配型の形態を採るよう交渉に努めています。また、新型コロナウイルス感染症対策により興行・イベント自体が自粛又は開催の規模を縮小して実施することになった影響を加味し、デジタルコンテンツ事業に関するイベントを従来のオフライン型に加えてオンライン型についても並行して実施することにより収益源の確保に引き続き努めるとともに、オンラインライブ視聴者数の増加に伴うトラフィックの増加やサーバーへの高負荷によるシステム障害に対する予防及び対策を行います。更に、「楽天エコシステム」を生かし、楽天モバイル株式会社が販売する携帯端末から当社グループが提供するデジタルコンテンツへのアクセスを容易にすることや、販売窓口におけるデジタルコンテンツサービスの紹介及び各種割引サービスを実施することによりモバイル事業とのシナジーを生かした事業展開を行っています。しかしながら、かかる施策を講じても必ずしも期待どおりの効果が生じる保証はなく、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) メッセージングサービス
当社子会社のViber Media S.a.r.l.及びその子会社が提供するモバイルメッセージング及びVoIPサービスは、日本及びヨーロッパをはじめとする海外で広く事業展開を行っています。当サービスにおける通信内容等の情報の取扱いは、日本及び各国の個人情報保護に関する法令に則り適切な取扱いを行っています。しかしながら、後述の「5 事業運営に伴うその他リスク (1) 情報セキュリティに関するリスク、(2) 情報システムに関するリスク」に記載のとおり、サービスを提供するシステムの不具合やマルウエア等の影響、外部からの不正な手段による侵入等の犯罪行為等により情報システムの可用性又は情報の機密性及び完全性を確保できない可能性があります。また、前述の「3 経営環境・戦略に関するリスク (1) マクロ経済環境に関するリスク」に記載のとおり、ウクライナ・ロシアにおける政治的リスク顕在化による影響を完全に予測することは困難な状況で、収益低下、従業員安全確保ができない可能性があります。当社グループではこれらのリスク発生の回避又は低減のため、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種対応策を講じ、政治情勢のフォローに加え、タスクフォースの設置により従業員の安全と収益への影響を引き続き注視いたします。しかしながら、これらの施策が不十分であった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) フィンテックセグメント
① フィンテックグループ共通リスク
1) 法的規則
楽天カード株式会社、楽天銀行株式会社、楽天証券株式会社、楽天損害保険株式会社、楽天生命保険株式会社、楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社等の金融サービスを提供するグループ会社(以下「当社金融グループ会社」)においては、各種業法、金融関連諸法令、監督官庁の指針(ガイドライン)、金融商品取引所及び業界団体等の自主規制機関による諸規則等の適用を受け、これらを遵守しています。しかしながら、当社金融グループ会社において、サービスを提供するために必要な許認可につき、将来、何らかの事由により免許等の取消等がなされ、又は業務停止が求められた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に、関連法令諸規則の新設、改正等により、他社の新規参入が容易になる場合や提供するサービスに関する規制が強化された場合には、競争の激化、規制強化に対応するための想定外の追加コストの発生及びビジネスモデルの見直し等が必要になる可能性があります。一方、当該関連法令諸規則等の変更や緩和により当該サービスの提供にあたり有利に影響する場合には事業展開に追い風となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2021年8月には、FATF(金融活動作業部会)による第4次対日相互審査報告書が公表されています。日本当局を含めた各国当局は、マネーローンダリング及びテロ資金供与防止に関連し、FATF等の要請に基づいた各種施策を強化しており、当社グループは、国内外で業務を行うにあたり、各種規制の適用を受けています。当社グループは、関係法令諸規則等を遵守すべく、当社グループ全体の基本方針としてAML/CFTに関する関連規程を定め、同規程に基づいた運営及び管理を行っています。
しかしながら、当社グループにおいて、関係法令諸規則等を遵守できなかった場合、法規制に対する検討が不十分であった場合には、行政処分や罰則を受けたり、業務に制限を付されたりするおそれがあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社金融グループ会社は、監督官庁の指針(ガイドライン)に基づき、内部統制基本方針、リスク管理細則等の社内規程に加え、金融商品取引法の財務報告に係る内部統制等を参考にした内部統制の整備によるグループガバナンス体制を構築し、業務の健全性、適切性を確保しています。しかしながら、何らかの理由によりグループガバナンス体制に不備があり監督官庁から行政処分等を受けた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) マーケット
当社金融グループ会社の各事業は、資産負債の時価変動についてリスクを負っています。当社金融グループ会社は、資産負債管理(ALM)を適切に対応していますが、市場動向等により金利が大幅に変動した場合には当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社金融グループ会社は、個人・法人向けの貸付債権を保有しているほか、国債・社債等の債券を保有しています。経済状況が悪化した場合及び債務者・債券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合には、当該貸付債権・保有債券の信用力が低下し、元利金の支払が不履行となる可能性があるとともに、当該貸付債権への引当金計上及び保有債券の市場価格の下落により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、市場リスクをヘッジするために行っている金利スワップ、通貨スワップ、為替予約、オプション等のデリバティブ取引についても、カウンターパーティーリスク(取引の相手方が破綻して約定どおりの支払が受けられないリスク)があります。当社金融グループ会社は、これらのリスクに対し、当該貸付債権、保有債券及びデリバティブ取引の相手方の信用状況について、適宜精査をしており、早期の対応を図っていますが、当該対応が間に合わず、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このほか、当社金融グループ会社を含む当社グループ全体に関わるマーケットリスクについては、「5 事業運営に伴うその他リスク (6) マーケットに関するリスク」をご参照ください。
② フィンテックグループ個別リスク
当社金融グループ会社は、各事業において固有のリスクを有しています。特に投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については以下のとおりです。これらのリスクは互いに独立したものではなく、ある事象の発生により複数のリスクが同時に発生する可能性があります。
1) 楽天カード株式会社
楽天カード株式会社は、クレジットカード決済等における加盟店契約業務を提供しており、加盟店からの手数料を収入源としています。加盟店手数料率の低下、競合他社との競争激化等による加盟店流出が生じる可能性があります。また、2022年11月末より加盟店手数料の一部を構成するインターチェンジフィーが国際ブランドから公表され、現在のところ、同社における影響は軽微とみていますが、引き続き状況を注視していきます。同社は引き続き、業務改善を通じたコスト削減及び、お客様のニーズに合わせたサービス展開に取り組み対応します。しかしながら、その取組が期待どおりの成果を発揮しなかった場合、加盟店数の減少や手数料ビジネスの利益率の悪化により当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、経済環境の悪化に伴い、自己破産及び多重債務者の増加、消費の落ち込みによるサービス需要の低下並びに求償債権の増加による引受信用保証の収益性の悪化の可能性があります。これらのリスクに対して与信管理を適切に行っていますが、想定を超え経済環境が悪化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更にクレジットカードをはじめとしたキャッシュレス決済手段の拡充による取扱高の増加に伴い、クレジットカードの不正利用等が年々増加しています。同社においてはカード情報を裏面に記載した新デザインカードの発行及び、24時間体制でのモニタリング等にて不正利用の防止体制を強化していますが、想定を超える不正利用が発生した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) 楽天銀行株式会社
楽天銀行株式会社は、銀行法及び金融商品取引法等に基づく監督を受けています。同社は、法令等により一定の自己資本比率の維持を求められており、財政状態を健全に保ち、最低自己資本比率を下回ることがないように留意していますが、財政状態の悪化により定められた自己資本比率が下回る場合には、金融庁から営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があります。更に同社は、登録金融機関として外国為替証拠金取引を取り扱っており、金融商品取引法その他の関係法令及び一般社団法人金融先物取引業協会の規則を遵守するとともに、各種禁止行為を行うことがないよう留意し事業を行っています。しかしながら、かかる取組や対応策が不十分であった場合には、同社は行政処分等を受ける可能性、顧客からの信頼を失う可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、同社では、インターネット・バンキング・サービスを提供しており、普通預金の引き出し、定期預金の解約、他の金融機関への送金又は振込がインターネット上で行えます。そのため、経済環境の悪化や同社及び当社グループのレピュテーションに悪影響を及ぼす不測の事態が発生した場合には、他の金融機関と比較して速いペースで想定を超えた資金流出が著しく発生する可能性があります。かかるリスクに対して、インシデント発生の未然防止又は早期発見のための定期的なモニタリング及び内部監査を内部統制の取組として実施しています。しかしながら、それらの取組の結果が期待どおりの効果を得られなかった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更に、同社においては、適切な収益確保とマーケティングコストの管理を行っていますが、競争環境の激化により、ローン金利の引き下げ、預金調達コストの増加及び多額のマーケティングコストが発生した場合や、日本銀行による想定外の政策金利の変更が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、同社は、独自のATMネットワークを有していないため、ATMの利用に関わる契約を締結している他の金融機関との関係が悪化した場合又はこれらの業務若しくは関連するシステムに障害が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3) 楽天証券株式会社、楽天ウォレット株式会社
楽天証券株式会社は、金融商品取引法に基づく金融商品取引業の登録等を行っており、金融商品取引法及び同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を、楽天ウォレット株式会社は、資金決済法に基づく暗号資産交換業者の登録等及び金融商品取引法に基づく金融商品取引業の登録等を行っており、同法及び同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を受けています。これに対し各社は、定期的なモニタリング、内部監査等の内部統制の取組を実施しており、法令等を遵守しています。また、法令等により一定の自己資本規制比率を保つよう義務付けられており、一定の財政状態を健全に保つように努めています。しかしながら、同社の取組が期待どおりの成果を発揮しなかった場合、及び最低自己資本規制比率を下回る場合には、金融庁から営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があります。
また、各社は、適切な収益確保のため、競合他社の動向調査を行い、収益の維持に努めています。しかしながら、更に競争環境が激化した場合には、新たな収益源となりうる商品やサービスの拡充が求められます。これらの取組の結果が期待どおりの効果を得られなかった場合には、同社の収益性が悪化し、また、各国の金融政策の変更等がきっかけとなり、金融市場の混乱・低迷による投資家心理の悪化等が生じた場合には、同社の手数料収益が大幅に減少する可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4) 楽天損害保険株式会社、楽天生命保険株式会社
楽天損害保険株式会社、楽天生命保険株式会社は、保険業法その他関連法令諸規則等に基づく金融庁の監督を受けています。主として契約者保護を目的とした保険業法その他関連法令により、業務範囲及び資産運用方法の制限を受け、また、準備金の積み立て、ソルベンシー・マージン比率の維持等に関する規定が定められています。また、両社は、財務の健全性をより正確に把握するための指標として、経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR: Economic Solvency Ratio)を導入しています。両社は、社内規程等を整備し、ソルベンシー・マージン比率及び経済価値ベースのソルベンシー比率についてのリスク許容度の設定やモニタリング管理を行っており、適宜対応できる体制を整備しています。しかしながら、何らかの要因により、業務運営、資産運用上の諸前提に大きな乖離が生じる等して、当該比率を適切に維持できず金融庁からの行政処分等が行われた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天損害保険株式会社は、自動車保険、火災保険等、楽天生命保険株式会社は、定期保険や医療保険等を販売し、保険契約者からの保険料収入及びそれを原資とした資産運用による収益を主な収入源としており、商品の拡販のため各種施策等の実施や保有契約の継続率向上に努めています。しかしながら、経済環境の悪化等の原因により、新規契約の減少、想定を超えた中途解約の増加等により、保有契約の著しい減少が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、資産運用に関しては、リスク許容度に応じたリスクの限度額管理を行うことで適切なリスク管理に努めていますが、保有する国内外の有価証券等について想定を超える価格変動等が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更に、大規模な自然災害の発生やパンデミックに備え、再保険の活用、異常危険準備金の積み立て等を行っていますが、想定を超える頻度及び規模の保険金支払が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5) 楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社
楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社は、QRコード決済、電子マネー決済、ポイント決済等のキャッシュレス決済サービスを提供しています。また、楽天Edy株式会社は資金決済法に基づく前払式支払手段発行者及び資金移動業者の登録等を行っており、同法及び同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を受けています。これらに対し各社では、リスク管理のための定期的なモニタリング、内部監査等の内部統制の取組、顧客資産の保全を法令やガイドラインに定められた内容に沿って実施しており、法令等を遵守しています。しかしながら、何らかの理由で関連業法等に違反した場合には、金融庁から営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
キャッシュレス決済サービスに関連するシステムに障害や不正アクセス等が発生した場合には、楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社ひいては当社グループのセキュリティに対する信頼性及びレピュテーションが低下し、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があります。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、日本国内における、キャッシュレス決済の認知、利用頻度は高まり、クレジットカード同様、社会インフラの一つとして認識されているため、より一層高い信頼性が求められます。両社は、キャッシュレス決済関連システムの障害発生及び不正アクセスを防ぐため、システムの冗長構成(バックアップ体制の構築)、セキュリティの強化等に努めていますが、かかる取組が期待どおりの効果を得られなかった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) モバイルセグメント
① モバイル事業
1) 法的規制等
楽天モバイル株式会社が提供する通信サービスは、日本及び今後事業展開を予定する各国において、通信事業に関する法令、安全保障に関する制約、事業・投資に係る許認可等、規制の改廃、政策決定等により、直接又は間接の影響を受ける可能性があります。また、同社は、電気通信役務の円滑な提供のために他の電気通信事業者の通信設備と同社の通信設備を相互接続するため相互接続協定を結んでいます。現在、電気通信設備を有する者は他事業者に対して原則として接続義務を有していますが、電気通信事業法等の改正等により、接続義務の撤廃や緩和等の措置が取られ、同社の負担すべき使用料、相互接続料等が増加する等、同社にとって不利な形で条件変更がなされる可能性があります。
同社は当社グループと協働し、日本及び今後事業展開を予定する各国の通信事業に関する法令諸規則等の改廃、政策決定等の動向を注視し、適宜、弁護士等をはじめとする外部専門家及び当局に事前相談すること等により、必要な情報を早期収集するとともに当該動向に適合するようすみやかに運用方法を変える等しかるべき対応策を講じ、またそれら対応策の実施状況をモニタリングしています。このように必要な対応策を講じ、リスクの軽減に努めていますが、これらのリスクが現実化する時期を完全に予測することは困難であり、また完全に回避できる保証はなく、これらの法令等の改廃、政策決定等の動向により、同社のサービスの提供に制約等を受け又は不測の費用が発生する可能性があります。また、同社がこれらの法令等に違反する行為を行った場合には、行政機関から行政処分等を受ける可能性があります。かかる場合、当社グループの信頼性の低下、事業展開の制約等が生じ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、事業の拡大に伴い、取引先によるものを含め、法令違反や不正行為等のリスクも高まり、2022年には、同社の元従業員及び複数の取引先が共謀し、過去複数年にわたり、同社に対する費用の水増しや虚偽報告等により多額の不正な利益を得ていたことが社内調査により判明しました。同社及び当社グループでは社内調査、内部管理体制の強化、利益相反・接待贈答を含む社内規程の整備と周知及びコンプライアンス教育を徹底し、グループ全体でかかる事案を含む重大な法令違反や不正行為等の未然防止及び再発防止に努めています。しかしながら、同社及び当社グループのみならず取引先に起因するものも含むコンプライアンスに関するリスクは完全に排除できるものではなく、同社及び当社グループがこれらのリスクに対処できない場合には、行政機関からの行政処分や金銭的な損失及び損害の発生により、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) 他事業者との競争、市場及び事業環境
本事業の市場は、強固な顧客基盤を有する他の移動体通信事業者(MNO)及び仮想移動体通信事業者(MVNO)との価格競争等が生じています。また、各社が提供するサービスの同質化が進み、通信事業者が新たな収益の確保に向けて通信以外のサービスへ事業領域を拡大する等、事業環境は大きく変化しています。そのような事業環境の中、同社は独自の革新的な技術を用いた仮想無線ネットワークの実現により、安価で高速な通信環境を生かし通信サービスをユーザーに提供しています。また、当社グループの「楽天エコシステム」を生かし、当社グループのほかの魅力的なサービスへアクセスを容易にすることにより、競合他社と差別化を図り、ユーザーの獲得を図っています。しかしながら、かかる施策を推進しても、当社グループが提供する優位性を生かせず、逆に競合他社が既存の優位性に加え、安価な通信サービス等を展開することにより、同社において新規ユーザーの獲得及び維持が困難になり、同社及び当社グループが、期待どおりにサービス及び関連商品を提供できない可能性があります。
かかる状況の下、前述の施策によっても他通信事業者との競争に対抗しきれない場合には、計画どおり収益を獲得できず、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3) 設備・機器
同社による移動体通信事業者(MNO)サービスの拡大及び品質向上に向けて、基地局及び伝送・交換等を行う通信設備を設置するための地権者との協議、通信ネットワークを構築するための他通信事業者が保有する通信回線設備との連携、通信機器やネットワーク機器、携帯端末の調達等を行っていますが、これらの協議等が計画どおりに進まない場合には、同社及び当社グループにおいて当該サービスを計画どおりに拡大できず、追加費用が発生するほか、通信機器の売上が減少する等、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4) 安定的な通信サービスの提供
同社は、通信という社会インフラを提供する社会的使命を認識し、安定的な通信サービスの提供に努めています。また、危機管理基本方針を定め、それに基づき事業継続計画(BCP)を策定し、危機発生時の初動対応、重要業務の継続及び早期復旧に対応できるよう努めるとともに、地方自治体等と協定を締結し、大規模災害に備えた連携体制を構築しています。同時に、ネットワークの品質とセキュリティ向上に努め、外部からの攻撃への対応策を実施しています。しかしながら、同社の想定を大きく上回るサイバー攻撃等の外部からの攻撃、自然災害・事故等による通信障害等の不測の事態が発生する可能性を否定することはできず、万が一、これらが発生した場合には、サービス提供の制約又は一時的な停止を余儀なくされ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、同社は参入当初より「携帯市場の民主化」を掲げ、つながりやすいモバイル通信サービスを実現する上で欠かせない周波数であるプラチナバンドの早期割当てに向け、総務省内の電波政策に関する各種議論に参加しています。プラチナバンドの再割当てが実現した場合には、同社のネットワーク技術及び既存の当社基地局サイトを活用し、柔軟かつコストを抑えた効率的な基地局設置を行い、安定的かつ高品質なサービスの提供が可能になります。しかしながら、新規参入事業者への再割当てには競合他社からの反対も根強く、同社の期待どおりに実現できない場合には、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更に同社は、低軌道衛星を活用したモバイル通信の実現に向け、通信試験・事前検証用の実験試験局予備免許を取得し、実験試験局免許の付与を受け次第、日本国内における低軌道衛星を活用したモバイル通信試験及び事前検証を実施します。今後も、楽天回線エリアの拡大や通信品質の向上に努め、顧客にどこでも快適で利便性の高い通信サービスをご利用いただけるよう取り組んでいますが、事前検証の結果次第では、当初の予定どおりのスケジュールでのサービス提供ができず、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5) 第三者との提携等
同社では、自社の基地局及び伝送・交換等を行う通信設備の拡充を行っていますが、地域によっては、同社が他の電気通信事業者(ローミング事業者)の回線を使用して、そのサービス(ローミングサービス)を提供しています。同社は現在、ローミングへの依存度を低減する過程にありますが、自社の基地局及び通信設備の拡充の状況を地域ごとに勘案し、ローミング事業者との提携の継続要否に関する協議を行い、安定的なサービス提供に努めています。しかしながら、何らかの理由により、提携するローミング事業者が回線の利用料を引き上げた場合、同提携が終了するに至った場合又は当該ローミング事業者の通信設備が自然災害等により利用が困難になった場合には、同社が提供するサービスの変更を余儀なくされる又はサービス提供に支障をきたす可能性が否定できません。かかる場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
6) グローバル事業
当社グループは、楽天シンフォニー株式会社を通じ、4G及び5G用のインフラ並びにプラットフォームソリューションを世界市場に提供しています。1&1 AG(本社:ドイツ)と締結した長期的なパートナーシップのもと、両社は、革新的なOpen RAN技術に基づく、欧州初となる完全仮想化モバイルネットワークを構築します。しかしながら、同社のビジネスモデルは収益化まで時間を要し、また複数国間の企業を結合した組織となるため、カントリーリスクの発現等予期しえない事象により、取組が遅延し、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天シンフォニー株式会社は、政府機関、通信事業者や企業向けにグローバル展開することを目指し、コスト管理を行いつつ期待される製品の性能を満たすよう開発に努めています。しかしながら、技術上又は顧客のニーズの変化等の理由により、同社が開発計画を変更する必要が生じ、開発工数が増加した結果、開発遅延を引き起こす可能性があります。また、顧客に保証したサービス品質を達成できないことで損害賠償請求がなされたり、知的財産等に関する訴訟等の法的紛争が発生する可能性があります。加えて、第三者から知的財産権のライセンス等を取得する必要が生じる可能性もあります。これらの事情により、当初計画より多額の費用が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、同社においては戦略的パートナーとのビジネス上のパートナーシップに加え、資本等の受け入れの検討も進めていますが、事業環境等の変化によりそれらが予定どおり進捗しない場合には、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② エネルギー関連事業
楽天エナジー株式会社が行う電力小売事業は、卸電力取引市場で電力を調達しているため、電力調達価格の価格変動リスクを負っています。
同社は、卸電力取引市場での電力調達価格の変動に備えるため、電力調達の一部を固定価格で契約するとともに、卸電力取引価格に連動した小売料金を導入しています。しかしながら、電力調達価格の価格変動リスクを完全に回避できる保証はなく、卸電力取引市場における電力取引価格の変動により同社の電力仕入価格が高騰する等の事態が発生した場合には、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ チケット事業
当社グループでは、コンテンツ関連事業として前述のインターネットサービスセグメント及びモバイル事業で展開するデジタルコンテンツサービスに加えて、チケット事業を行っています。
新型コロナウイルス感染症の流行により、政府からのイベント自粛要請等に従って、全国規模で興行・イベントの中止・延期が相次ぎ、多くのチケットの払い戻し費用が発生しました。復調の兆しはあるものの、今後の興行・イベントの開催可否はいまだ不透明です。対応策として、無観客又は動員数を制限したライブのオンラインチケット販売等、オンライン型への対応や、グループ収益を最大化するべく他事業と連携した包括提案による案件獲得を実行しています。また、新たな収益源として、スマートゲート等のオンラインチケット販売と入場時の自動認証機を連携させた完全非接触型のワンストップ・チェックイン・ソリューションの提供を通じて、業界におけるアフターコロナ時代への対応もサポートしています。しかしながら、今後も新型コロナウイルス感染症の流行動向により興行・イベントの企画自体が減少し、計画された興行・イベントの中止・延期が発生する事態となった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
5 事業運営に伴うその他リスク
(1) 情報セキュリティに関するリスク
① 個人情報に関するリスク
当社グループは、『楽天市場』に代表される、当社グループが提供する全てのサービスの利用にあたり、ユーザーに「楽天ID」を付与し、当社グループがそのデータを保有して、国内外において多岐にわたる事業展開をしています。当社グループは、「楽天ID」をユーザーの氏名及び住所と結びつけられた個人情報として取り扱っており、当社グループの各種ハードウエア、ソフトウエア等の情報システムからなる情報資産とともに、事業展開をする上で不可欠な資産であると認識しています。したがって、当社グループでは、全てのユーザーが安心して当社グループのサービスを利用できることを最優先とし、情報セキュリティ体制及び個人情報の保護の観点から、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の確立及びクレジットカードを含むペイメントカードを取り扱うビジネスにおいては、カード会員データのセキュリティに関する国際標準であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)への準拠を徹底しています。
また、当社グループでは、各国で展開するビジネスにおいて、その国の個人情報保護に関する法令に準拠することを徹底しています。特に、GDPR(General Data Protection Regulation)への準拠を図るべく、拘束的企業準則(Binding Corporate Rules:BCR)と呼ばれる世界水準のプライバシー保護基準を導入し、欧州のデータ保護機関の正式な承認を受けています。
国内においては、当連結会計年度に、令和2年改正個人情報保護法への対応を行いました。加えて、一部の当社グループ会社は、日本工業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」に適合し、個人情報について適切な保護措置を講じる体制を整備している事業者として、外部機関から認定され、プライバシーマークの付与を受けています。
しかしながら、各国の個人情報管理に関する法令、グローバルなデータの移管に関する法令、情報セキュリティに関する法令等、プライバシー関連法令等は、ますます高度で複雑になっています。これらに適時適切に対応できず、当該法令等に違反した場合には、レピュテーションリスクの発生、業務停止命令、訴訟等を含む紛争に発展する可能性があります。また、プライバシー関連法令及び企業の自主的な規制強化への対応が円滑に行えない場合には、当社グループのデータ活用ビジネス及び収益に影響する可能性があります。
これらのリスク発生回避のため、当社グループでは前述の取組のほか、社内規程の整備、プライバシー関連法令の周知及び社内教育を行っています。また、連絡、相談体制の整備により、違反リスクの早期発見等に努めるとともに、関係部署とプライバシー担当部門との緊密な連携を図ることで法令等の内容を情報システム及び業務に迅速、的確に適用するように努めています。しかしながら、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反、補償費用の発生等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② サイバーセキュリティに関するリスク
当社グループのサービスの多くはコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されています。そのためネットワーク若しくはコンピュータシステム上のハードウエア又はソフトウエアの不具合、欠陥、コンピュータウイルス・フィッシングメール等によるマルウエア、外部からの不正な手段による当社グループのコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為等により情報システムの可用性又は情報の機密性及び完全性を確保できず、サービスの不正な利用、重要なデータの消失及び不正取得等が発生する可能性もあります。
これらのリスク発生の回避又は低減のため、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種対応策を講じていますが、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招くのみならず、損害賠償請求等がなされる可能性のほか、監督官庁から行政処分等を受ける可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 営業秘密等の情報漏洩に関するリスク
当社グループは、役職員や業務委託先等の業務遂行上の不備、アクセス権等の悪用等により当社グループにおける営業秘密等の情報が漏洩するリスクがあります。それにより漏洩した営業秘密等が外部の第三者に悪用される又は競合他社に利用された場合には、当社グループの収益機会が喪失する可能性があります。かかるリスク発生の回避又は低減のため、役職員や業務委託先等への教育、啓発活動を行うほか、管理体制を定め、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種対策を講じています。しかしながら、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招くのみならず、損害賠償請求等がなされる可能性のほか、監督官庁から行政処分等を受ける可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 情報システムに関するリスク
当社グループのサービスの多くは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されています。当社グループは、適用できうる限りの最新の技術と対応を行い通信ネットワークが正常に機能し、サービスの提供に支障がないよう努めています。しかしながら、かかる対応策によっても通信ネットワーク若しくはコンピュータシステム上のハードウエア又はソフトウエアの不具合、欠陥といった当社グループの情報システムに脆弱性又は不備が生じる可能性があります。加えて、人的な業務過誤により正常なサービスの提供に支障が生じる可能性があるほか、当社サービスの不正な利用、重要なデータの消失、機密情報の不正取得、改ざん及び漏洩等が発生する可能性もあります。
これらのリスク発生の回避又は軽減のため、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種の対応策を講じていますが、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループのシステムが一時的に停止する等の事態が発生し、ユーザー及び取引先の信頼低下及び離反を招くのみならず、システム停止によってユーザー及び取引先が被った損失に対する損害賠償請求等がなされる可能性もあります。また、監督官庁からの行政処分等を受ける可能性もあり、かかる場合、当社グループに対する社会的信用が毀損され、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法規制等に関するリスク
① 法令・コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、国内外において多岐にわたる事業展開をしています。各国、地域において、各種事業活動に関連する法令諸規制等があり、前述のフィンテックセグメント及びモバイルセグメントの各項目に記載した法令諸規制等のほか、電気通信事業、運送業、資金移動業を含む各種業法令はもちろん、個人情報・プライバシー保護、消費者保護、公正競争、汚職禁止、マネーローンダリング及びテロ資金供与並びに経済制裁、自然環境、労働環境、犯罪防止、開示、納税の適正、人権、輸出入、投資、為替に関する国内外の各種法令諸規制等が広く適用されます。中でも、「デジタルプラットフォーム事業者に対する規制」、各国の個人情報管理に関する法規制、グローバルなデータの移転に関する法規制及び情報セキュリティに関する法規制等は、特に当社グループの事業運営に影響を及ぼす最も重要な法令諸規制等と認識しています。
こうした関連諸法令の制定及び改正、新たなガイドラインや自主的ルールの策定又は改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受けた場合又は既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは法令遵守を重要な企業の責務と位置づけ、COO(Chief Operating Officer)、CCO(Chief Compliance Officer)及び社内カンパニー制に基づくCompany Compliance Officerによりコンプライアンスに対するグループ横断的な取組を進め、グループリスク・コンプライアンス委員会及び取締役会へその取組状況を報告し、適正な職務執行を徹底するとともに、代表取締役社長直轄の独立組織である内部監査部及び子会社の内部監査部門による内部監査を実施し、コンプライアンス体制を強化して法令遵守の徹底を図っています。また、急激に事業拡大している分野においては、故意又は過失による法令違反や、不正行為等のリスクも高まりますが、規程・マニュアル類の整備、教育、その遵守状況のモニタリング等により、コンプライアンス遵守を図っています。
しかしながら、コンプライアンスに関するリスク(監督官庁の見解と当社グループの見解が異なるリスクを含む)及びそれに付随して当社グループの社会的信用が毀損されるリスクは完全に排除できるものではなく、当社グループのみならず取引先に起因するものを含め、当社グループがこれらのリスクに対処できない場合には、行政機関からの行政処分や、金銭的な損失及び損害の発生により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 訴訟等に関するリスク
当社グループは、各種サービスの展開を図る上で、販売者、役務提供者、購入者、役務利用者・ユーザー、その他の関係者による違法行為及びトラブルに巻き込まれた場合、システム障害等によってこれらの関係者に対し損害を与えた場合又は、当局による諸規制等に違反した場合には、当社グループに対して訴訟を提起される可能性及びその他の請求や行政処分や高額な課徴金の支払命令を受ける可能性があります。楽天モバイル株式会社、Rakuten Kobo Inc.が販売する携帯端末、電子書籍端末等については、それらグループ会社がメーカーの立場及び第三者に製造を委託している立場として製造物の欠陥等に伴う製造物責任等を負う可能性があります。また、新たに発生した、若しくは今まで現実化しなかったビジネスリスクによって、現時点では予測できない訴訟等が提起され、その結果、高額な損害賠償金の支払義務を負う可能性があります。一方、当社グループが第三者に何らかの権利を侵害される又は第三者の行為により損害を被った場合には、当社グループの権利が保護されない可能性及び当社グループの権利保護のための訴訟等の遂行に多大な費用を要する可能性もあります。
当社グループでは、適宜、弁護士等をはじめとする外部専門家及び当局に事前相談すること等により、適切かつ適法なサービスの提供に努めていますが、全ての訴訟等の可能性を排除することは困難であり、かかるリスクが現実化した場合には、その訴訟等の内容又は請求額によっては特別損害が発生し、また、当社グループの社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があり、ひいては当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 有形固定資産に関するリスク
当社グループは、モバイル事業の通信ネットワークの構築に必要な設備等をはじめとする有形固定資産を保有しています。これらの資産については、四半期ごとに減損の兆候の有無を判断し、減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っています。回収可能価額の見積りは、将来キャッシュ・フロー予測等を使用しており、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識しています。将来の事業環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの低下が見込まれる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 無形資産に関するリスク
① 「Rakuten」ブランドの保全と推進に関するリスク
当社グループは、多様なサービス展開、広告宣伝活動等を通じて「Rakuten」ブランドの確立を図っており、そのユーザー等に対して一定の認知が得られているものと認識しています。事業規模の更なる拡大等に伴い、各サービスブランドの「Rakuten」ブランドへの統合推進、会員データベースの一元化、リワードプログラムの共通化を媒介とした会員IDの統合等を推進しています。ブランドの強化による認知度、又はロイヤリティ向上のための施策並びに費用については事前に十分な計画を立てていますが、思うような成果が現れず計画比で費用が超過する可能性もあります。また、これらの施策の過程においてブランド名称やロゴ、会員IDの変更により既存会員のロイヤリティの低下及び会員組織からの離脱を招く可能性もあります。更に、「Rakuten」ブランド傘下のブランド統合により、各サービスブランドの施策が当社グループ全体に影響を与えるため、一つのサービスブランドにおいて、当社グループのブランドの信頼性及びブランド価値を毀損するような事案等が発生した場合には、当社グループ全体に影響を及ぼし、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権に関するリスク
当社グループが展開するいずれの事業においても技術分野における進歩及び変化が著しいため事業展開を行う各国において自社グループの技術、ブランド、コンテンツ等を保護することが継続的な事業運営に必要不可欠であると考えています。そのため、特許権、商標権、著作権、ドメインネーム及びその他の知的財産権を取得するよう努めるとともに、必要に応じて第三者から知的財産権のライセンスを受けています。
しかしながら、想定どおりに知的財産権を取得できないことで、当社グループが使用する技術、ブランド及びコンテンツ等を保護できない可能性があります。また、第三者から知的財産権等の侵害を主張されることで、当該主張に対する防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生する可能性、知的財産権のライセンスの取得等のために多額の費用が発生する可能性及び当社グループの事業が差し止められ、多額の損害賠償金が課せられる可能性等があります。
これらのリスクの発生を回避するため、当社グループにおいては、特許権、商標権、著作権、ドメインネームその他の知的財産権の積極的な取得及び第三者の権利侵害を回避するための対応策の実施を進めています。しかしながら、かかる対応策にもかかわらず、リスクが現実化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人的資源に関するリスク
当社グループでは、各サービス分野において専門性及び多様性(ダイバーシティ)を有する人材が必要であり、今後とも事業拡大及び国際展開に応じて、継続してグローバルに人材を確保、育成すること及びダイバーシティを実現することが必要です。更に、日本においては少子高齢化や労働人口の減少が進行していることを踏まえ、市場ニーズの変化による採用、生産性の向上や採用した人材の定着(リテンション)及びマネジメント層の育成も継続した課題と認識しています。
当社グループでは、月次の人員計画の更新、運用を実施し、その変動を注視しつつ採用チャネルの多様化、リクルーターの増員等を行い、採用活動を行っています。加えて、採用した人材に対する職階に応じた教育・研修の実施等を通じて、人材育成や当社グループへのエンゲージメントの強化に取り組んでいます。マネジメント層の育成では、当社グループ内で実施するリーダーシップサミット等で当社グループのマネジメント層同士が議論する機会を設け、グループ横断的な連携及びリーダーシップの強化を図っています。しかしながら、かかる施策にもかかわらず、競合他社との人材獲得競争の激化により採用が計画どおりに進まなかった場合、並びに人材の育成及び多種多様な人材が活躍できる就労環境の整備が順調に進まず、在職する人材の社外流出が生じた場合には、労働力が不足し、労働生産性が低下する恐れがあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社代表取締役会長兼社長である三木谷浩史氏は、当社グループの創業者であり、創業以来CEOとして当社グループの経営に携わり、重要な役割を果たしているため、同氏の離職又は業務執行が困難となる不測の事態が生じた場合には、当社グループに影響を与える可能性があります。当社グループは社内カンパニー制を敷き、職務権限表に基づき各カンパニーごとにカンパニープレジデントを設置し、また執行役員制度を採用して適切に業務遂行の権限委譲を行っています。更に、グローバルで多岐に渡る当社グループの事業展開を担うことができる人材の育成も行い、同氏が離職又は業務執行が困難となった場合のリスクを低減しています。しかしながら、かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) マーケットに関するリスク
① 金利変動及び有価証券、金銭信託等の価格変動に関するリスク
当社、楽天カード株式会社、楽天銀行株式会社、楽天証券株式会社等では、必要な事業資金について銀行等からの借入等を行っていますが、当該事業資金の調達が金利変動の影響を受ける可能性があります。
また、当社グループは有価証券、金銭信託等の金融商品を多く保有しており、これらの有価証券等は金融商品市場の動向等により価格が変動する可能性があります。一部の有価証券等は、価格変動のリスクを低減するためデリバティブ取引等を活用していますが、完全にリスクを回避及び低減できる保証はなく、金融商品市場における価格変動により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 為替変動に関するリスク
当社グループが行う外貨建投資及び外貨建取引においては、経済動向を注視しつつ、為替変動リスクを極力回避する方針としています。しかしながら、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債は、現地通貨で発生したものを円換算し、連結財務諸表を作成しているため、為替変動による影響を完全に排除することは困難であり、外国為替相場の変動により当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 財務・資金に関するリスク
① 資金調達に関するリスク
当社グループが、金融機関等と締結しているローン契約、コミットメントライン契約等の借入に係る契約に、財務制限条項が規定されている場合があり、当社グループの経営成績、財政状態又は信用力が悪化した場合には、これらの条項に基づき金融機関等から既存借入金の一括返済、金利及び手数料率の引上げ、担保権の設定等を迫られる可能性があります。また、当社グループの信用力の悪化により格付機関による信用格付が引き下げられた場合及び金融市場の状況等に起因して金融機関等における調達環境が悪化し、当社グループに対する貸出条件、社債発行条件等に影響する場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループのサービス展開の制約要因となる可能性があります。当社グループは金融機関、格付機関、資本市場等との良好な取引関係の維持、調達先の分散、調達手段の多様化等により、かかるリスクを極力低減するように努めますが、かかるリスクが顕在化した場合及び金融市場が不安定な場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産に関するリスク
当社及び一部の連結子会社においては、IFRSに基づき、将来における税金負担額の軽減効果を繰延税金資産として計上しています。当社グループは、将来の課税所得と実行可能なタックス・プランニングをし、回収可能な繰延税金資産を計上していますが、将来課税所得の見積りが下方修正されたことに伴い当社及び連結子会社における繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合若しくは税制及び会計基準の変更が行われた場合には、当該繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 自然災害等の危機的な事象発生に関するリスク
地震、台風、津波等の自然災害、パンデミック、大規模事故、テロ・暴動その他予期せぬ危機的な事象が発生した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらの災害及び危機的な事象が発生した場合には、社会全体の経済活動が停滞し、当社グループの提供するサービスへの需要が著しく減少する可能性があります。一方、災害等の態様によっては急激にその需要が増加することも想定され、それが当社グループの業務対応能力を超えた場合には、サービスの提供等が遅延又は一時停止する可能性があります。また、当社グループの営業及び物流拠点、データセンターをはじめとする主要な拠点が、これらの災害及び危機的な事象により直接的又は間接的に被害を受けた場合には、物理的、人的被害による影響により、通信ネットワークや情報システム等が正常に稼働せず、当社グループの事業活動に制約が生じ、やむを得ずサービスの一時停止を余儀なくされる可能性があります。加えて役職員の安全確保のため、役職員の出勤制限又は停止等、業務の運営形態を変更せざるを得ない状況に陥ることにより、業務生産性が低下し、情報セキュリティ及びプライバシー保護に関するリスクが、一時的に上昇する可能性があります。
当社グループにおいては、これらの災害及び危機的な事象が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、訓練等を通じ役職員の安全性の確保や情報システムのバックアップシステムの立ち上げを想定する等、かかるリスクによる影響を最小限に留めるよう努めていますが、災害及び危機的な事象の発生規模がその想定を超える場合には、当該リスクが現実化し、事業の継続自体が困難又は不可能となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 気候変動に関するリスク
異常気象の発生や気候パターンの変化等、気候変動は地球環境や人類、企業活動に影響を与えるとともに、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。気候変動に関するリスクは、物理的リスクと低炭素社会への移行に伴う各種規制拡大等の移行リスクに大別されます。
物理的リスクの一つとして、特定非常災害発生による事業への影響があります。例えば、自然災害等による損害を補償する各種保険商品を提供している楽天損害保険株式会社では、地球温暖化と密接な関係があると考えられる大規模自然災害等に関する保険金支払実績が増加していることから、気候変動による影響が高まっています。同社では、かかるリスクを最小化するために、保有する商品ポートフォリオに関して自然災害を含めたリスクを統合的に評価し、リスクの保有・移転等の意思決定を行います。大規模自然災害リスクについては、前述の「(8) 自然災害等の危機的な事象発生に関するリスク」に記載のとおり、異常危険準備金の積立を行うとともに、再保険スキームを年次で策定・更改してリスク移転を行っています。
一方、低炭素社会への移行リスクについて、法規制・テクノロジー・マーケット・レピュテーションそれぞれのリスクに対応する必要があります。その中でもマーケットに係るリスクについては、事業展開をする日本及び各国において資源価格が高騰することにより、電力調達コストが増加し財政状態に影響する可能性があります。当社グループの事業活動やインフラは大量の電力を消費しており、事業活動に伴い排出するCO2の90%以上が電力消費によるものであるため、当社グループにおいて特に重要と捉えています。グループ横断で省エネ活動を活発化させ、電力市場価格の変動に耐えうるエネルギーポートフォリオを構築することで、マーケットリスクに対するレジリエンスを高めていきます。これらのリスクに対し、当社は気候変動への対応の一環として、2023年までに連結子会社を含めた当社グループ全体の事業活動における温室効果ガス排出量を実質ゼロにする、カーボンニュートラルの達成を目指す宣言を2022年9月に行いました。これまでも当社は再生可能エネルギーの導入及び利用拡大に取り組んでおり、2019年に国際イニシアチブ「RE100(Renewable Electricity 100%)」に加盟し、2021年の進捗として、再生可能エネルギー由来電力の割合は、当社で100%を達成し、連結子会社を含むグループ全体でも20.6%に達しました。今後もグループ全体で再生可能エネルギー由来電力への転換を推進し、2023年グループ全体での「RE100」達成を目指すことにより、低炭素社会への移行を促進し、移行リスクの低減を図ります。
また、2021年、グループ全体での気候変動に関する取組を含めたサステナビリティ推進体制を強化するため、CWO(Chief Well-being Officer)を委員長とし、国内外の経営陣で構成されるグループ横断的な「サステナビリティ委員会」を設置しました。同委員会では、紐づく分科会からの報告・決議事項を中心に、目標と進捗の管理、国際的なガイドラインや法令の遵守等について協議を行い、定期的にコーポレート経営会議にて報告します。また、2022年1月より実務推進部署「環境部」を、サステナビリティ委員会下に公式会議体「環境分科会」をそれぞれ設置しました。月次で社内各組織向けに気候変動対策戦略の展開、具体的なアクションへの落とし込みを行っています。上記のとおり、気候変動リスクによる物理的リスク及び移行リスクの低減に努めていますが、想定を超える気候変動リスクが現実化し目標とする再生可能エネルギーへの転換の遅延や気候変動に対する社会からの要請が急速に進展しその対応が遅れた場合には、当社グループに対する社会的信用の毀損、ユーザー及び取引先の離反、収益機会の損失等につながり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 事務・オペレーションリスク
① 財務報告に関するリスク
当社グループは、信頼性の高い財務報告を作成するため、金融商品取引法が定める内部統制報告制度に基づき、財務報告に係る内部統制を整備し、その評価を実施しています。しかしながら、当社グループの内部統制が適切に機能しない又は内部不正を阻止できない等、重要な不備が生じた場合には、当社グループの社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 業務効率に関するリスク
当社グループは、業務の正確性、効率性を高めるために、様々な取組を実施しています。具体的には、全従業員参加型の改善活動の実施、業務遂行過程における各種情報システムの活用、担当者以外の第三者が業務内容を二重に確認する再鑑制度の実施、社内規程及び事務手続きの標準化並びに文書化等に取り組んでいます。しかしながら、一部において専用の情報システムが導入されておらず、人的な対応に委ねられている業務もあり、役職員の誤認識、誤操作等により事務手続きの不備が発生する可能性があります。また当社グループの急速な拡大に伴う事務量の増加、新サービスの展開等により、業務遂行に必要な知識の共有及び継承が不十分になる可能性があります。それらの結果、事務手続きの不備の増加や生産性の低下により安定的なサービスの供給の妨げ、経済的な損失及び個人情報等の流出等に繋がる可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 風評に関するリスク
各種報道機関並びにSNS等を通じ、当社グループの事業及び役職員に関する様々な内容の報道及び情報の流布がされています。これらの報道及び情報の流布は、正確な情報に基づいていないもの及び憶測に基づいたものが含まれている場合があり、それらの内容の正確性や当社グループへの該当の有無に関わらず、当社サービスのユーザーや投資者等の認識又は行動に影響を及ぼす可能性があります。
当社の株価に重大な影響を与える可能性のある不明確な情報が発生した場合、東京証券取引所の注意喚起に応じ、これらの不明確な情報に対する当社グループの見解を直ちに開示する等、投資者が正しい情報に則って当社株式の評価ができるよう資本市場に適切な情報を開示します。また同時に、当社グループのコーポレートサイトを通じて適切な情報発信に努めています。しかしながら、かかる報道及び情報の流布により結果的に当社グループの社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP指標」)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。
Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下「IFRS営業利益」)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する会計基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産の償却費等を指します。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照していますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
① 当期の経営成績(Non-GAAPベース)
当連結会計年度における世界経済は、一部の地域において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが続いていますが、その先行きについては、世界的な金融引締めに伴う影響、中国における感染拡大、物価上昇等による下振れリスクの高まりに留意する必要があります。日本経済については、一部に弱さがみられるものの、個人消費を含め緩やかに持ち直しており、先行きについても、各種政策の効果もあって景気が持ち直していくことが期待されています。
ウィズコロナ下での世界では、非接触・非対面により、商品及びサービスを購入することができるデジタルサービスの社会的需要が一層増していると当社は考えています。また、今般のウクライナ情勢については、当社グループの営業活動への影響は一定程度あるものの、ウクライナ及びロシア関連の売上収益の割合は僅少であるため、当社グループの経営成績及び財政状態に与える影響は限定的であると見込んでいます。
このような環境下、当社グループは、メンバーシップ及び共通ポイントプログラムを基盤にしたオンライン・オフライン双方のデータ、AI等の先進的技術を活用したサービスの開発及び展開を進めています。楽天モバイルにおいては、携帯電話基地局等を含む無線アクセスネットワークのマルチベンダー化を実現するOpen RANや仮想化技術によるvRAN等を、世界に先駆けて商用ネットワーク全体に導入し、また、楽天シンフォニーにおいては、通信事業者におけるネットワーク機器の構成を刷新する取組が進む中、『楽天モバイル』で実装したオープンで完全仮想化されたアーキテクチャを世界の通信各社に提案しています。今後も楽天エコシステムを更に進化させ、楽天グループの競争力を高めていきます。
インターネットサービスにおいては、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』における共通の送料無料ライン導入等の顧客利便性向上の施策等の奏功により、コロナ禍における「巣ごもり消費」等を背景に増加した顧客の定着が進んだほか、国内旅行に対する需要が堅調に回復したこと等により、国内EC取扱高が伸長しました。フィンテックにおいては、各サービスにおける顧客基盤の拡大が続き、クレジットカード関連サービス、銀行サービス等において増収増益を達成しました。また、モバイルにおいては、通信料金収入の増加等により、前連結会計年度と比較して売上収益が拡大しました。
この結果、当社グループの当連結会計年度における売上収益は1,927,878百万円(前連結会計年度比14.6%増)となりました。モバイルにおいては、第1四半期連結会計期間をピークにセグメント損失は縮小していますが、自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、Non-GAAP営業損失は325,645百万円(前連結会計年度は224,999百万円の損失)となりました。
(Non-GAAPベース)
(単位:百万円)
当連結会計年度において、Non-GAAP営業利益にて控除される無形資産の償却費は10,484百万円、株式報酬費用は12,587百万円となりました。なお、前連結会計年度に計上された非経常的な項目には、Altiostar Networks, Inc.の完全子会社化に伴う段階取得に係る差益59,496百万円及び楽天ポイントの規約等の変更によるポイント引当金の増加に伴う費用8,789百万円等が含まれています。また、当連結会計年度に計上された非経常的な項目には、楽天ポイントの規約等の変更によるポイント引当金の増加に伴う費用、子会社の元従業員及び取引先の共謀による不正行為に関連する費用の見積額が含まれています(なお、後者は連結損益計算書においてその他の費用に含まれています)。
(単位:百万円)
当連結会計年度における売上収益は1,927,878百万円(前連結会計年度比14.6%増)、IFRS営業損失は363,892百万円(前連結会計年度は194,726百万円の損失)、当期損失(親会社の所有者帰属)は372,884百万円(前連結会計年度は133,828百万円の損失)となりました。
(IFRSベース)
(単位:百万円)
各セグメントにおける業績は次のとおりです。IFRS上のマネジメントアプローチの観点から、セグメント損益をNon-GAAP営業利益ベースで表示しています。
第2四半期連結会計期間より、本社管理部門と事業部門におけるポイント費用の集計方法を変更し、遡及適用しています。この変更に伴い、遡及適用前と比較して前連結会計年度のインターネットサービスセグメントにおける売上収益及びセグメント損益がそれぞれ4,197百万円減少しています。なお、連結上の売上収益、Non-GAAP営業損失、営業損失に与える影響はありません。
主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進、共通の送料無料ラインの導入促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しました。インターネット・ショッピングモール『楽天市場』や食品・日用品の宅配サービスを行う『楽天西友ネットスーパー』等においては、こうした施策の結果、コロナ禍における「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりを背景に増加した顧客の定着が進み、取扱高はコロナ禍における業績の押し上げの影響を受けた前連結会計年度と比較しても伸長しました。
インターネット旅行予約サービス『楽天トラベル』においては、政府による支援施策等の後押しや国内旅行の需要回復に合わせた販促施策等が奏功し、前連結会計年度と比較して取扱高が大幅に拡大しました。
海外インターネットサービスを含むその他インターネットサービスにおいては、米国のオンライン・キャッシュバック・サービス『Rakuten Rewards』を中心に売上収益が伸長しました。
なお、前連結会計年度に投資事業においてフィンテック関連企業への株式投資の評価益を27,827百万円計上しており、セグメント利益は前連結会計年度と比較して減少しています。
この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は1,085,872百万円(前連結会計年度比8.7%増)、セグメント利益は78,203百万円(前連結会計年度比24.3%減)となりました。
(単位:百万円)
(フィンテック)
クレジットカード関連サービスにおいては、2022年12月に『楽天カード』の累計発行枚数が2,800万枚を突破しました。2022年3月に、まん延防止等重点措置が解除されたこと等を背景に、オフライン消費の回復が見られたことに加え、コロナ禍における「巣ごもり需要」で定着したオンライン消費もニーズが継続し、ショッピング取扱高が伸長しました。銀行サービスにおいては、2022年9月に預金口座数が1,300万口座を突破した後も引き続き顧客基盤が拡大しました。証券サービスにおいては、国内株式取扱高は過去最高を更新し、顧客の更なる定着が進みました。
この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は663,393百万円(前連結会計年度比7.2%増)、セグメント利益は98,704百万円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。
(単位:百万円)
モバイルにおいては、計画の前倒しによる自社基地局の整備に注力することでネットワーク品質の向上に努めました。また、通信料金を1年間無料とするキャンペーン期間終了に伴い、通信料金の支払を開始したユーザーが増えたほか、端末販売の増加も売上収益の増加に貢献しました。他方で、減価償却費等のネットワーク関連費用も増加しました。
この結果、モバイルセグメントにおいて、通信料収入の増加等の要因により、売上収益は368,669百万円(前連結会計年度比62.0%増)となりました。自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、セグメント損失は492,830百万円(前連結会計年度は421,172百万円の損失)となりましたが、第1四半期連結会計期間をピークに損失は縮小しています。
(単位:百万円)
当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしていません。
当社グループは、Open RANベースの通信インフラプラットフォーム及びサービスの提供等を除き、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としています。よって、受注実績について特筆すべき事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は1,927,878百万円となり、前連結会計年度の1,681,757百万円から246,121百万円(14.6%)増加しました。これは、インターネットサービスにおける、『楽天市場』に代表される国内既存事業の成長が売上収益に貢献したこと、フィンテックにおける、『楽天カード』の会員基盤拡大に伴う手数料収入等の増加、銀行サービスの顧客基盤拡大に伴う役務取引等収益等の増加、証券サービスのFX取引高の伸長に伴う手数料収入等の増加、モバイルにおける、通信料金を1年間無料とするキャンペーン期間終了に伴う通信料金収入の増加及び端末販売の増加等が売上収益に貢献したこと等によるものです。
(営業費用)
当連結会計年度における営業費用は2,254,118百万円となり、前連結会計年度の1,966,419百万円から287,699百万円(14.6%)増加しました。これは、従業員給付費用が増加したこと、モバイルにおける基地局建設に関わる費用が増加したこと等によるものです。
(その他の収益)
当連結会計年度におけるその他の収益は8,383百万円となり、前連結会計年度の108,037百万円から99,654百万円(92.2%)減少しました。これは、前連結会計年度にAltiostar Networks, Inc.の完全子会社化に伴う段階取得に係る差益を59,496百万円計上したこと等によるものです。
(その他の費用)
当連結会計年度におけるその他の費用は46,035百万円となり、前連結会計年度の18,101百万円から27,934百万円(154.3%)増加しました。これは、子会社の元従業員及び取引先の共謀による不正行為に関連する費用について見積りを行い、11,996百万円計上したこと等によるものです。
(営業損失)
当連結会計年度における営業損失は363,892百万円となりました(前連結会計年度は、194,726百万円の損失)。これは、インターネットサービスやフィンテックにおいて、事業が堅調に推移し、売上収益が増加した一方で、モバイルにおいて、第1四半期連結会計期間をピークに損失は縮小しているものの、自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、基地局建設に関わる費用を計上し、営業費用が増加したこと等によるものです。
(持分法による投資損益)
当連結会計年度における持分法による投資損失は2,548百万円となりました(前連結会計年度は、1,834百万円の利益)。これは、前連結会計年度に当社グループの保有する持分に応じた株式会社西友ホールディングスの割安購入益を含む利益8,307百万円を持分法による投資利益に計上したこと等によるものです。
(税引前当期損失)
当連結会計年度は407,894百万円の税引前当期損失となりました(前連結会計年度は、212,630百万円の損失)。これは、営業損失で説明した要因等により利益が減少したことによるものです。
(法人所得税費用)
当連結会計年度における法人所得税費用は31,983百万円のマイナスとなりました(前連結会計年度は76,804百万円のマイナス)。これは主に、当連結会計年度において税引前当期損失を計上したことによるものです。
(当期損失)
以上の結果、当期損失は375,911百万円となりました(前連結会計年度は、135,826百万円の損失)。
(親会社の所有者に帰属する当期損失)
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期損失は372,884百万円となりました(前連結会計年度は、133,828百万円の損失)。
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は20,437,298百万円となり、前連結会計年度末の資産合計16,831,221百万円と比べ、3,606,077百万円増加しました。これは主に、銀行事業の貸付金が978,764百万円増加、その他の金融資産が571,287百万円増加、銀行事業の有価証券が457,547百万円増加、カード事業の貸付金が387,596百万円増加、証券事業の金融資産が342,232百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は19,566,208百万円となり、前連結会計年度末の負債合計15,713,931百万円と比べ、3,852,277百万円増加しました。これは主に、銀行事業の預金が1,570,727百万円増加、銀行事業の借入金が1,075,389百万円増加、証券事業の金融負債が461,471百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末の資本合計は871,090百万円となり、前連結会計年度末の資本合計1,117,290百万円と比べ、246,200百万円減少しました。これは主に、円安等によりその他の資本の構成要素が70,440百万円増加した一方で、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期損失を372,884百万円計上したこと等により、利益剰余金が396,632百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ284,059百万円増加し、4,694,360百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、257,947百万円の資金流出(前連結会計年度は582,707百万円の資金流入)となりました。これは主に、銀行事業の預金の増加による資金流入が1,571,129百万円となった一方で、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が978,855百万円、債券貸借取引支払保証金の増加による資金流出が390,380百万円となったことによるものです。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、952,408百万円の資金流出(前連結会計年度は611,830百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が477,777百万円(取得による資金流出が1,393,732百万円、売却及び償還による資金流入が915,955百万円)、有形固定資産の取得による資金流出が298,666百万円となったことによるものです。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,486,684百万円の資金流入(前連結会計年度は1,402,265百万円の資金流入)となりました。これは主に、銀行事業の短期借入金の減少による資金流出が480,110百万円となった一方で、銀行事業の長期借入れによる資金流入が1,823,800百万円となったことによるものです。
収益の認識及び表示方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 32. 売上収益 (1)収益の分解」をご参照ください。
繰延税金資産は、それらが利用される将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異及び全ての未使用の繰越欠損金及び税額控除について認識しています。当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しています。ただし、これらの見積りは当社グループとしても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社グループが繰延税金資産を減額する可能性もあります。
公正価値で測定する金融資産については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 44. 金融商品の公正価値」をご参照ください。
① 財務運営の基本方針
当社は、グループの持続的成長の実現を可能とするための資金ニーズに対し、安定的かつ多様な資金調達手段の確保を行うこと、また、金融事業に従事する子会社の財務健全性を堅持するため、十分な流動性の確保を図ることを財務運営の基本方針としています。
経営の独立性が求められるフィンテックセグメントに属する子会社及び外部金融機関からのリース調達をしている楽天モバイル株式会社を除く子会社においては、原則として銀行等の外部金融機関からの資金調達を行わず、グループ内のキャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、当社が資金調達、グループ資金効率の向上、流動性の確保等を行っています。
また、成長が続くインターネットサービスセグメントにおける増加運転資金等については、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金や、コマーシャル・ペーパー等の短期借入金を充当することを基本方針としています。また、投資フェーズにあるモバイルセグメントでの設備投資資金への資金充当については、下記「③ 今後の資金調達のニーズ及び資金調達の見通し」をご参照ください。
なお、投資等の新規に資金投下を要する案件等については、外部有識者を含むメンバーで構成される投融資委員会において、案件の取り進めの可否を事前審議しており、その審議結果については、取締役会に報告することに加え、一定額以上の案件につき当社の取締役会の承認決議を要件とすることとしています。更に、投資後のモニタリングを継続的に実施し、必要に応じて機動的にポートフォリオの見直しを実施しています。これらを通じて、グループ全体でのリスク管理及び最適な経営資源の配分を実現することを目標としています。
以上を踏まえ、具体的な資金調達手法及び資金調達のタイミングに関しては、グループ全体の事業計画に基づくキャッシュ・フロー、手元流動性の状況等を踏まえて判断しています。資金調達に関するリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
② 現状
当社グループは、当連結会計年度末時点において、総額4,912,750百万円の社債及び借入金を有しており、前連結会計年度比1,509,838百万円増となりました。このうち、短期の社債及び借入金は前連結会計年度比313,558百万円減の748,287百万円で、内訳は、短期借入金344,387百万円、コマーシャル・ペーパー403,900百万円となっています。
なお、当社の長期及び短期の信用格付け(2023年3月16日時点)は、日本格付研究所(JCR)でA/J-1、格付投資情報センター(R&I)でBBB+/a-2、S&Pグローバル・レーティングでBB(長期)となっています。
③ 今後の資金調達のニーズ及び資金調達の見通し
当社連結子会社の楽天モバイル株式会社は、2018年4月に「第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画」、2019年4月に「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画」の認定をそれぞれ受け、2020年4月に4Gサービスを本格的に開始し、同年9月には5Gサービスを開始しました。当該認定された計画における設備投資額は2026年3月末までに最大800,000百万円程度となる見通しです。また、2021年4月には「第5世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画」の認定を受け、当該認定された計画における設備投資額は2029年3月末までに約118,600百万円程度となる見通しです。その後、4Gに係る設備投資額については、基地局の高密度化による通信品質の向上、今後見込まれる利用者の増加等に対応するため、基地局数を当初計画より増やして設置を進めており、それに伴い基地局向け設備投資額も増加しています。なお、2018年度から当連結会計年度末までにおける、使用権資産及び特定基地局開設料を除いた設備投資の累計額は約1,070,000百万円です。これらを含むモバイル事業における必要資金額については、当社から楽天モバイル株式会社への投融資、楽天モバイル株式会社における、リース、流動化ファイナンス等を活用して調達する予定です。当該投融資については、当社が2018年12月に発行した利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)により調達した182,000百万円(そのうち、75,000百万円については2021年7月に買入消却を実施)、2020年11月に発行した利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)により調達した120,000百万円、2021年3月に実行した第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分により調達した242,347百万円、同年4月に発行した米ドル及びユーロ建て永久劣後特約付社債により調達したそれぞれ1,750百万米ドル、1,000百万ユーロ及び同年12月に発行した無担保社債により調達した300,000百万円、2022年6月に発行した無担保社債により調達した150,000百万円、同年11月に発行したドル建て無担保社債により調達した500百万米ドル、2023年1月に発行したドル建て無担保社債により調達した450百万米ドル及び同年2月に発行した無担保社債により調達した250,000百万円等の全部又は一部を充当しています。なお、2023年12月期の楽天モバイル株式会社における設備投資額は、約300,000百万円を予定しています。
また、今後、5Gサービス等における設備投資の前倒し等により、当社から楽天モバイル株式会社への更なる出資等が求められる可能性もあります。その場合においては、上記の「① 財務運営の基本方針」も踏まえ、最適な資金調達手段を検討していきます。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
当連結会計年度における、経営上の重要な契約等は以下のとおりです。
(1) Robin Systems, Inc.との企業結合
当社は、2022年2月25日に開催の取締役会において、当社の完全子会社であるRakuten Mobile USA LLCを通じて、Robin Systems, Inc.の株式を追加取得し、完全子会社化することについて決議し、同日付で当該追加取得に係る契約を締結しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 50. 企業結合」をご参照ください。
(2) 楽天証券株式会社の株式の一部譲渡
当社は、2022年10月7日の取締役会において、当社の連結子会社である楽天証券ホールディングス株式会社(以下「楽天証券HD」)が保有する楽天証券株式会社(以下「楽天証券」)の普通株式19.99%をみずほフィナンシャルグループの連結子会社であるみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」)に譲渡(以下「本株式譲渡」)することを決議し、2022年11月1日に譲渡が完了しました。
本株式譲渡の概要は、次のとおりです。
① 本株式譲渡の背景と目的
楽天証券の楽天経済圏とのシナジーに基づく幅広い世代の顧客集客力やUI/UXに優れたオンライン証券取引プラットフォームといった強みと、みずほ証券の商品力や銀・信・証連携を活用した総合資産コンサルティング力といった強みを持ち寄ることにより、「あらゆる個人のお客さまのニーズに応える、本格的なハイブリッド型の総合資産コンサルティングサービス」を共同で実現するため、戦略的な提携に合意しました。
② 株式を譲渡する子会社の概要
1) 名称 楽天証券株式会社
2) 本店所在地 東京都港区南青山二丁目6番21号
3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 楠 雄治
4) 事業内容 金融商品取引業
5) 資本金 19,495百万円
6) 設立年月日 1999年3月24日
7) 大株主及び持株比率 楽天証券ホールディングス株式会社 100%保有
③ 株式を譲渡する相手先の概要
1) 名称 みずほ証券株式会社
2) 本店所在地 東京都千代田区大手町一丁目5番1号
3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 浜本 吉郎
4) 事業内容 金融商品取引業
④ 株式の譲渡価額及び株式譲渡前後の保有割合の状況
1) 譲渡価額 80,000百万円
2) 譲渡前の議決権保有割合 100%
3) 譲渡後の議決権保有割合 80.01%(注)
(注) 本株式譲渡後も楽天証券は当社及び楽天証券HDの連結子会社となります。
当該株式売却に伴う非支配持分との取引の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 51. 主要な子会社」をご参照ください。
2022年12月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数です。
2022年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数です。
2 帳簿価額のうち「その他」は、主にソフトウエア仮勘定です。
2022年12月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数です。
(注) 提出日現在の発行数には、2023年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれていません。
1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載している。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2023年2月28日)にかけて変更された事項については提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はない。
(注) 1 新株予約権の目的たる株式の種類及び数
当社が、株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)又は株式併合を行う場合、次の算式により上記目的たる株式の数を調整するものとする。なお、かかる調整は新株予約権のうち、当該時点で権利行使又は消却されていない新株予約権の目的たる株式の数についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする。
調整後発行株式数=調整前発行株式数×分割・併合の比率
また、当社が合併、会社分割、株式交換又は株式移転を行う場合等、株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、合併、会社分割、株式交換又は株式移転の条件等を勘案の上、合理的な範囲で株式数を調整するものとする。
2 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
新株予約権1個当たり1円とする。
3 新株予約権の行使の条件
1) 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」)は、権利行使時においても、当社、当社子会社又は当社関連会社の取締役、執行役員、監査役又は従業員の地位にあることを要する。ただし、諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
2) 新株予約権の相続は認められないものとする。ただし、諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
3) 新株予約権の質入その他一切の処分は認められないものとする。
4 新株予約権の行使により株式を発行(発行に代わる自己株式の移転を含む。以下同じ。)する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
1) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項の規定に従い算出される資本金等増加限度額に2分の1を乗じて得た額とし、計算の結果生じる1円未満の端数は、これを切り上げるものとする。
2) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記1)記載の資本金等増加限度額から上記1)に定める増加する資本金の額を減じて得た額とする。
5 新株予約権の取得事由及び条件
1) 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる吸収分割契約もしくは新設分割計画、又は当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画が株主総会で承認されたときは、当社は、当社取締役会が別途定める日に、新株予約権を無償で取得することができる。
2) 新株予約権者が権利行使をする前に、3 1)に規定する条件に該当しなくなった場合、当社は、当社取締役会が別途定める日に、当該新株予約権を無償で取得することができる。
6 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要するものとする。
7 組織再編行為の際の新株予約権の取扱い
当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以下これらを総称して「組織再編行為」)をする場合において、組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
2) 新株予約権の目的たる再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
3) 新株予約権の目的たる再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、前記1及び発行する新株予約権の総数に準じて決定する。
4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、前記2に準じて決定する。
5) 新株予約権を行使できる期間
本件新株予約権の行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から、行使期間の末日までとする。
6) 新株予約権の行使により再編対象会社が株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
前記4に準じて決定する。
7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会(再編対象会社が取締役会設置会社でない場合には取締役の過半数)の承認を要するものとする。
8) 新株予約権の取得事由及び条件
前記5に準じて決定する。
8 新株予約権の行使により生ずる1株に満たない端数の取扱い
新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に1株に満たない端数がある場合には、これを切り捨てるものとする。
3) 4) 2013年3月28日第16回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
5) 2013年3月28日第16回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 新株予約権の行使の条件
1)~3) 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3 1)~3)に同じ。
4) 新株予約権者は、新株予約権又は株式に関連する法令で定められる、いかなる税金等(日本国内で定められているか否かを問わず、所得税等の税金、社会保障拠出金、年金、雇用保険料等を含むがこれに限らない。)についてもこれを納める責任を負い、当社、当社子会社又は当社関連会社が税金等の徴収義務を負う場合には、当該徴収義務を負う会社は、次の各号に掲げる方法により、新株予約権者から税金等を徴収することができるものとする。
ⅰ) 現金による受領
ⅱ) 新株予約権者が保有する株式による充当
ⅲ) 新株予約権者の給与、賞与等からの控除
ⅳ) その他当社が定める方法
8) 9) 2014年3月28日第17回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
10) 11) 2014年3月28日第17回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
12) 2014年3月28日第17回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 新株予約権の行使の条件
1)~3) 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3 1)~3)に同じ。
4) 新株予約権者は、新株予約権の行使期間に記載された区分に従って、新株予約権の全部又は一部を行使することができる。行使期間に記載されたA~Dの内訳は下記のとおり。
A. 割り当てられた新株予約権の15%
B. 割り当てられた新株予約権の20%
C. 割り当てられた新株予約権の30%
D. 割り当てられた新株予約権の35%
5) 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3 4)に同じ。
15) 16) 2015年3月27日第18回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
9 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
17) 18) 2015年3月27日第18回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
19) 20) 2015年3月27日第18回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
9 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
21) 22) 2015年3月27日第18回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
9 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
23) 24) 2016年3月30日第19回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
25) 26) 2016年3月30日第19回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
9 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
27) 28) 2016年3月30日第19回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
9 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
29) 30) 2016年3月30日第19回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
9 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
31) 2016年3月30日第19回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
32) 33) 2017年3月30日第20回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
9 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
34) 35) 2017年3月30日第20回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
36) 37) 2017年3月30日第20回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
9 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
38) 39) 2017年3月30日第20回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
40) 41) 2017年3月30日第20回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
9 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
42) 43) 2018年3月29日第21回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
44) 45) 2018年3月29日第21回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
46) 47) 2018年3月29日第21回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ
48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 新株予約権の行使の条件等
1) 新株予約権者は、権利行使時においても、当社、当社子会社又は当社関連会社の取締役(社外取締役を除く。)、執行役員、監査役又は従業員の地位にあることを要する。ただし、新株予約権者が退職時(退職時までに申込ができない正当な事由が認められる場合は、退職後直近の申込期日)までに、当社所定の手続きに従い新株予約権行使の申込を行った場合及び諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
2)~5) 13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3 2)~5)に同じ。
9 新株予約権の行使の条件等
1) 新株予約権者は、権利行使時において、当社、当社子会社及び当社関連会社の取締役、執行役員、監査役及び従業員の地位のいずれもが終了した日の翌日から、10日以内に限り、新株予約権を行使できるものとする。
2)~4) 6) 7) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3 2)~4)に同じ。
50) 51) 2019年3月28日第22回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
52) 2019年3月28日第22回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
53) 54) 2019年3月28日第22回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
55) 56) 2020年4月16日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
57) 2020年7月16日取締役会、58) 2020年10月7日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
59) 2021年1月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
60) 61) 2021年2月12日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
62) 63) 2021年4月15日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
64) 2021年7月15日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
65) 2021年9月29日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
66) 2022年1月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
67) 68) 2022年2月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ
69) 70) 2022年4月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
71) 2022年7月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
72) 2022年10月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
73) 2023年1月16日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
10 新株予約権の割当日(2023年2月1日)における内容を記載している。
74) 75) 2023年2月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2013年3月28日第16回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 48) 49) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
10 新株予約権の割当日(2023年3月1日)における内容を記載している。
該当事項はありません。
(注) 1 新株予約権の権利行使によります。
2 2021年3月29日に払込が完了した日本郵政株式会社、有限会社三木谷興産及び有限会社スピリットへの第三者割当による新株発行により増加しています。当該募集における発行価格は1,145円、資本組入額は573円です。
3 2023年1月1日から2023年2月28日までに新株予約権の行使により、発行済株式総数が959,000株、資本金が472百万円及び資本準備金が472百万円増加しています。
2022年12月31日現在
(注) 自己株式244株は、「個人その他」に2単元、「単元未満株式の状況」に44株含めて記載しています。
2022年12月31日現在