日本調剤株式会社
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第42期の期首から適用しており、第42期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3.従業員数は、就業人員数を表示しております。
4.従業員数の外書きは、臨時雇員(準社員、契約社員、嘱託社員、パートタイマー、アルバイト)に関する8時間換算に基づく年間平均雇用人員数であります。
5.当社は2020年4月1日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。そのため、第39期の期首に株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益を算定しております。
6.役員報酬BIP信託が保有する当社株式を自己株式として計上しております。これに伴い、1株当たり純資産額の算定上、役員報酬BIP信託が保有する当社株式を、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。また、1株当たり当期純利益の算定上、役員報酬BIP信託が保有する当社株式を、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第42期の期首から適用しており、第42期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3.従業員数は、就業人員数を表示しております。
4.従業員数の外書きは、臨時雇員(準社員、契約社員、嘱託社員、パートタイマー、アルバイト)に関する8時間換算に基づく年間平均雇用人員数であります。
5.当社は2020年4月1日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。そのため、第39期の期首に株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益を算定しております。また、□印は、株式分割による権利落後の最高株価及び最低株価を示しております。
6.役員報酬BIP信託が保有する当社株式を自己株式として計上しております。これに伴い、1株当たり純資産額の算定上、役員報酬BIP信託が保有する当社株式を、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。また、1株当たり当期純利益の算定上、役員報酬BIP信託が保有する当社株式を、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
7.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
当連結会計年度末において当社グループは、当社及び当社の子会社8社により構成されており、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業、医療従事者派遣・紹介事業を、主たる事業としております。
<調剤薬局事業>
日本調剤株式会社及び連結子会社4社は、調剤薬局事業を展開しております。大型総合病院の門前・敷地内に位置する「門前・敷地内薬局」、及び面対応薬局とメディカルセンター(医療モール)型の薬局を展開する「ハイブリッド型薬局」を全都道府県に出店しております。また、同事業のなかで医療業界全般に関する研究調査、製薬企業・医療機関等に対する情報提供・コンサルティング事業を連結子会社である株式会社日本医薬総合研究所にて運営しております。
<医薬品製造販売事業>
連結子会社である日本ジェネリック株式会社と長生堂製薬株式会社によりジェネリック医薬品の開発・製造・販売を行っています。2018年3月には最新の製造設備を備えた「つくば第二工場」が完成、また2021年11月には長生堂製薬株式会社を日本ジェネリック株式会社の完全子会社とし、新たな体制のもと品質管理の徹底と生産能力の拡大を推し進めております。
<医療従事者派遣・紹介事業>
連結子会社である株式会社メディカルリソースにより、薬剤師を中心に医師・看護師などを含めた医療従事者を対象とした派遣・紹介事業を全国展開しております。2017年度からは医師の紹介事業への取組みを本格化、2020年11月には産業医業務提供事業を開始しており、企業経営において重要性を増す健康経営の要請に応えるヘルスケア領域での事業拡大を推進していきます。
当連結会計年度末における、当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。

(注) 1.主要な事業の内容の欄は、セグメントの名称を記載しております。
2.「議決権の所有・被所有割合」欄の(内書き)は間接所有であります。
3.特定子会社に該当しております。
4.上記各社の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超過していないため、主要な損益情報等の記載は省略しております。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、就業人員数であります。
2.従業員数欄の外書きは、臨時雇員(準社員、契約社員、嘱託社員、パートタイマー、アルバイト)に関する8時間換算に基づく年間平均雇用人員数であります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない本社部門の就業人員数であります。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、就業人員数であります。
2.従業員数の外書きは、臨時雇員(準社員、契約社員、嘱託社員、パートタイマー、アルバイト)に関する8時間換算に基づく年間平均雇用人員数であります。
3.平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は、正社員に関するものであります。
4.平均年間給与は、税込支払給与額であり、賞与及び基準外賃金を含め、通勤手当は含めておりません。
企業内労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、日本調剤グループ理念である「私たちの使命」として、「すべての人の『生きる』に向き合う」を掲げております。また、「グループの目指す姿2030」として、「誰もが一番に相談したくなるヘルスケアグループへ」を公表しています。このグループ理念のもと、当社グループは、生活の一番近くで医療を担う者として、一人ひとりの「生きる」に真摯に向き合い、全国で質の高い医療サービスを国民の皆さまに提供していきます。
2018年4月27日付にて、以下のとおり「日本調剤グループ 2030年に向けた長期ビジョン」を策定しております。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を境界線として医療・医薬品業界は大きな変化を迎えることとなります。“医療費の増加抑制”と“良質な医療サービスの提供”を同時に実現するために、さまざまな制度改革が進められ、業界経営者も柔軟かつ大胆な発想の転換が求められます。
調剤薬局業界では、2015年10月に厚生労働省より「患者のための薬局ビジョン」が公表され、薬剤師・薬局の将来像=必要とされる薬剤師像・薬局像が具体的かつ明確に示されました。同時に2025年までにすべての調剤薬局をかかりつけ薬剤師・薬局に再編するとの構想が打ち出され、それ以降の4回の調剤報酬改定では、同ビジョン・同構想の実現に向けた調剤報酬基準の改定(物から人への転換)が進められています。2019年11月には、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(改正薬機法)が可決・成立し(2019年12月4日公布)、機能別薬局の認定制度が開始されました。加えて、毎年薬価改定などの薬価制度の抜本的な改革、オンライン服薬指導及びリフィル処方箋の開始、電子処方箋の導入など制度改革が矢継ぎ早に実施されています。
日本調剤グループは、こうした大きな環境変化を乗り越え、さらなる飛躍に向けた強固な企業基盤を構築すべく、コア事業である調剤薬局事業と医薬品製造販売事業並びに医療従事者派遣・紹介事業とのシナジーを最大限発揮することに従来にも増して注力し業容拡大に努めてまいります。
私たちの使命
「すべての人の『生きる』に向き合う」
グループの目指す姿2030
「誰もが一番に相談したくなるヘルスケアグループへ」
当社グループでは、調剤薬局事業及び医薬品製造販売事業における積極的な成長投資により、収益性を維持しながら事業の継続的な拡大を図るため、収益性を表す指標である連結EBITDAを重要な指標と位置付けております。さらに継続的な事業拡大と安定的な配当実施に向けてキャッシュ・フローを重視し、資本生産性の向上を追求することにより、企業価値の最大化を図ってまいります。
我が国では2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるなど、加速度的に進行する超高齢社会に対して“医療費の増加抑制”と“良質な医療サービスの提供”を同時に実現するために、「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」をはじめとして、さまざまな制度改革などが進められています。このような状況を背景として、医療・医薬品業界を取り巻く環境は大きな変化を迎え、業界再編が加速することが想定されます。
調剤薬局業界では、2021年8月より、患者さまが自身に適した薬局を選択できるよう、特定の機能を有する薬局の都道府県知事による認定制度が開始されました。この制度により、在宅医療や、入退院時を含め他の医療機関との服薬情報の連携に対応できる「地域連携薬局」及び、がん等のより高度な薬学管理への対応や高い専門性が求められる「専門医療機関連携薬局」の認定が始まり、今後ますます患者さまのニーズに応えられる薬局づくりが求められております。また2022年4月の診療報酬改定では、医療の質と患者さまの利便性の向上を目的にオンライン診療・オンライン服薬指導のさらなる規制緩和が実施されております。
当社グループでは、このような環境変化に対応するために、「患者のための薬局ビジョン」などで示された国の施策の方向性を踏まえた社会から求められる薬局・薬剤師となるべく取組みを強化しております。
具体的な取組みとしては、すでに業界に先駆けて数多くの専門医療機関連携薬局・地域連携薬局としての認定を取得しておりますが、患者さまにさらなる良質な医療サービスを提供すべく、利便性の高い薬局店舗づくりや高い専門性を有する薬剤師の育成に注力してまいります。合わせて、医療版DXにおいても、2021年8月に公表したDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略に基づき、オンライン服薬指導や電子お薬手帳「お薬手帳プラス」の利用拡大を通じて、患者さまに便利で高品質・高付加価値な医療の提供を拡大させてまいります。
医薬品製造販売事業においては、2021年には、ジェネリック医薬品の数量ベース使用割合について「後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性確保を図りつつ、2023年度末までに全ての都道府県で80%以上」とする新たな目標が定められ、引き続きジェネリック医薬品の拡大が求められております。さらに、2021年度以降は、2年に1度の通常の薬価改定に加え中間年における薬価改定が実施され、毎年薬価が改定されるなど、ジェネリック医薬品業界は大きな変化の時期を迎えております。また、ジェネリック医薬品の普及に応じて、従来以上に安定供給体制、品質に対する信頼性の確保及び情報収集・提供体制の整備・強化等が求められており、「誰もが一番に相談したくなるヘルスケアグループ」を掲げる当社としては、これらの要請に応えていくことが果たすべき社会的責任であると認識しております。
医療従事者派遣・紹介事業においては、かかりつけ薬剤師制度の開始により薬剤師事業のマーケット需要が、派遣から紹介へと大きく変化しております。当社グループでは、いち早く需要の変化をとらえて派遣事業から紹介事業へのシフトを進めるとともに、メディカルリソースブランドの認知向上による薬剤師事業のシェア拡大を進めております。加えて、医師事業においても、2017年以降取組みを強化し全国展開を図ってまいりました。2020年11月からは、産業医業務の提供を開始し、企業経営において重要性を増す健康経営の要請に応える等、引き続き人材市場の需要に応えるべく更なる事業拡大に取り組んでまいります。
当社グループは、大きな事業環境の変化を乗り越え、業界再編を勝ち残る企業グループを指向し、グループ各社がそれぞれ経営の効率化を進め、生産性を向上してまいります。加えて、新グループ理念である私たちの使命「すべての人の『生きる』に向き合う」のもと、サステナビリティ経営を強化し、社会課題の解決を通じて持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。当社グループはこれらのリスクに対処するため、リスク管理体制を整備し、リスクの集約・選定及びリスクへの対応を行っておりますが、すべてのリスクを完全に回避するものではありません。また、以下に記載するリスクについては、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、重要性の観点から取上げたもので、すべてのリスクを網羅した訳ではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当年度末時点において当社グループが判断したものであります。
1. 当社グループにおけるリスクマネジメント体制
当社グループでは、グループにおけるリスクマネジメント及びコンプライアンスに関する取組みを統括する「リスク管理委員会・コンプライアンス推進委員会」を設置し、リスク管理担当取締役が委員長を務めております。同委員会は、リスクマネジメントやコンプライアンスの重要項目の立案、重要性の高いリスクの設定、リスクへの適切な対応、リスク顕在化時の情報共有や対策の実施といった役割を担っています。
当社グループにおける重要性の高いリスクの選定にあたっては、外部環境・内部環境・業務オペレーションといった複数の観点でリスクを抽出し、評価を行っています。リスクの選定は、各グループ会社、各部門にて行うと共に、グループ全体としての視点でも抽出・集約し、優先度の高いリスクを選定しています。リスク管理委員会では、選定されたリスクの状況及び対応状況をモニタリングすることで、グループ全体でのリスク管理を推進しています。また、サステナビリティ課題に関連したリスクをグループ全体のリスクマネジメントの対象として位置づけ、対応を推進するために、リスク管理委員会とサステナビリティ委員会の連携を図っています。
2. 当グループにおける重要性の高いリスク
(1)医療制度の変更に関するリスク
当社グループの主力事業である調剤薬局事業、医薬品製造販売事業は大きな変革期にあるものと認識しています。当社グループでは、経営目標の達成に向け、医療制度の方向性や社会環境の変化をふまえた事業戦略を策定、推進しております。今後の薬価基準や調剤報酬の改定内容等によっては、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。また、医療制度の大きな変更を受け、新たな競争の発生等により競争力を維持できない場合等には、当社グループの事業計画や業績等が影響を受ける可能性があります。
尚、調剤売上は消費税法により非課税となる一方で、医薬品等の仕入は同法により課税されております。調剤薬局事業において当社グループは消費税等の最終負担者となっており、当社グループが仕入先に支払った消費税等は、販売費及び一般管理費の区分に費用計上されております。今後、消費税率が改定され、薬価基準が消費税率の変動に連動しなかった場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
調剤薬局事業業界では、中小・中堅薬局における薬剤師不足、後継者不足、情報化への対応力不足などを背景としてM&Aが活発化しております。当社グループにおいてもM&Aの活用を調剤薬局事業の業容拡大の有効な手段の一つとして位置付け、案件毎に採算性等の十分な精査・検討を前提としたうえで、取り組んでおります。
M&Aにより取得したのれん・固定資産、及び出店により取得した固定資産は、対象となる店舗の業績悪化等により、回収可能性が低下し減損損失の計上対象となった場合には、親会社株主に帰属する当期純利益など当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、調剤薬局事業におけるのれん・固定資産の減損に関する重要な会計上の見積りの前提条件については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、医療制度や社会環境の変化に対応すべくデジタルトランスフォーメーション領域への投資を拡大・推進しておりますが、医療制度改革や社会ニーズの変化の方向性と当社の戦略との間に差異が生じることで、追加での投資が必要となる場合、または、投資の回収可能性が低下することにより減損計上の対象となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
調剤薬局事業では、調剤過誤の防止を図るため、さまざまな対策を講じております。医薬品安全使用のための業務手順書の遵守、医療安全研修の実施、高度な薬学知識に対応すべく専門性の高い薬剤師の育成、医薬品自動チェックシステムの導入や危険性の高い薬剤の重点的な鑑査の実施等に取り組んでおります。また、調剤業務での医療安全・品質管理向上に関する統括機能を設け、会社全体での過誤防止の取組みを推進しております。しかしながら、調剤過誤が発生し、多額の賠償金の支払いや、それに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等があった場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
医薬品製造販売事業では、GMPに基づいた生産・品管理体制の強化・拡充を進めております。製造販売を行うジェネリック医薬品は、先発医薬品でその有効性と安全性が長年にわたって確認されおり、再審査の後発売されるため、予期せぬ重篤な副作用が発生するリスクは小さいと考えられます。ただし、未知・重篤な副作用の発生や製品の品質上の重大な瑕疵により製品回収・販売中止等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業の推進に関連する法令は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「薬機法」といいます)、薬剤師法、労働者派遣法をはじめ、国内だけでなく、海外の法令・規制も含めて多岐にわたります。当社グループでは、法令及び関連する規制の遵守を極めて重要な企業の責務と認識し、経営の最優先事項の一つに位置付けて事業を推進しておりますが、法令改正や諸規制の変更に伴い、対応費用の発生、サービスの提供、製品の開発、製造、販売活動等に影響を与える可能性があります。
例えば、調剤薬局事業や医薬品製造販売事業においては、薬機法関連法規等の規制を受け、各都道府県知事等による許可・指定・登録・免許及び届出を必要としております。万一、違反等があった場合、監督官庁からの業務停止、許認可の取消等が行われ、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。また、当事業において開発・申請した製造販売品目ごとの承認は厚生労働大臣から取得しておりますが、これらの承認が計画どおりに得られない場合、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、重要な事業戦略としてDX戦略を策定・推進しており、事業運営における情報システムの重要性が増しています。また、調剤薬局事業及び医療従事者派遣・紹介事業において、患者さまの病歴及び薬歴、並びに派遣労働者の経歴などの個人情報を扱うととともに、全事業において営業上・技術上の機密情報を保有しています。これらの情報については厳重な管理を行っており、サイバー攻撃等による不正アクセス、改ざん、破壊、漏洩及び滅失等を防ぐため、情報セキュリティに関する規定等を整備、各種セキュリティ管理施策の実施と従業員への教育等によるサイバー攻撃や情報漏えい等の情報セキュリティインシデントの未然防止と共に、インシデント検知ならびに発生時の対応力強化に努めております。
しかしながら、サイバー攻撃等による機密情報や個人情報の漏洩、通信回線や機器のトラブル等による情報システムの停止等のリスクを完全に回避できるものではなく、被害の規模によっては、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。万一個人情報の漏洩があった場合には、多額の賠償金の支払いや行政処分、それらに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等により当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
当社グループの事業戦略の遂行や事業の拡大において、人材は最も重要な課題の一つであると認識しており、専門人材の確保や従業員の育成プログラムの整備を実施しています。例えば、薬剤師としてのスキル向上や幅広い業務経験のためのプログラム、専門資格習得に向けた支援制度、DX人材の拡大を目的とした教育プログラムを展開しています。また、経営目標や事業戦略の実現には、従業員の多様性を尊重することが不可欠であるとの認識のもと、各種の人事施策の実施・拡充に向けて取り組んでおります。しかしながら、人材獲得競争の激化や人材の社外流出に伴う人材確保・人材不足の状況によっては、事業戦略の達成が困難となり、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、調剤薬局事業においては、薬機法及び厚生労働省令によって、薬局における薬剤師の配置のみならず、その配置人数においても規制されており、1日当たり40枚の受取処方箋に対して1人の薬剤師を配置する必要があります。このため、薬剤師の必要人員数が確保されない場合には、当社の出店計画及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、医療を通じて社会に貢献する会社として人々の健康な生活を支える役割を担っており、人権の尊重は、当社グループの事業継続のための前提となる重要な基盤であると認識しています。また、事業を取り巻く環境の変化をふまえ、人権リスクが経営に及ぼす影響を適切に認識し、確実に対応していく必要があります。
当社グループでは、国際人権章典および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則および権利に関する宣言」に規定された基本的な人権を尊重し、ビジネスと人権に関する指導原則などの国際行動規範を支持し、これらの原則に基づく取組みを実施してまいります。「国連ビジネスと人権に関する指導原則」等をふまえ設定した「日本調剤グループ人権方針」に基づき、人権尊重への取組みを推進すると共に、当社グループの事業活動が直接的、間接的に及ぼす人権上の影響を評価し、具体的な対応を進めています。また、認識されたサプライチェーン上の課題については、日本調剤グループ調達基本方針に基づき、お取引先を始めとする関係先と協力して取組みを行っていきます。
医薬品製造販売事業においては、重要な原薬ソースの二重化や適正在庫の確保といった安定供給に向けた取組みを実施していますが、世界情勢の動向、感染症や自然災害、調達先での事故の発生、ジェネリック医薬品業界の要因等により、原材料及び商品の仕入の遅延・縮小、製品の製造及び供給が停止・縮小する可能性があります。
また、一部の医薬品製造販売において、外部委託する形式、あるいは製造販売元の医薬品を自社販売する形式にて市場への製品供給を行っておりますが、製造委託先の諸事情による該当製品の契約終了、契約内容変更等により製品供給が行われなくなる可能性があります。これらの場合、当社グループの業績等へ影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、主として借入金により資金を調達することで調剤薬局事業における新規出店やM&A及び医薬品製造販売事業における設備投資などを行っております。今後の経済状況に伴い、新規借入金利が大きく上昇し、支払利息が増加する場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、世界情勢や気候変動等により、原材料市況が大きく変化し、エネルギー関連費用、原材料及び資材価格の上昇が生じた場合には、ジェネリック医薬品の製造原価が増加する等、当社グループの事業計画や業績等が影響を受ける可能性があります。
(10)気候変動に関するリスク
当社グループでは、気候変動の関連課題を事業経営上の重要課題であると認識しており、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会を設置し、気候変動問題に対する取組みを協議しています。気候変動が事業経営に及ぼす影響を認識するにあたり、IPCCやIEAが発表している長期的な仮説やシナリオを参照し、物理的及び副次的なリスクと機会の特定、その影響度合いと対応策の評価・考察を行っています。将来的な気候変動を見据えた脱炭素社会への移行リスクとして、炭素税・排出権取引制度等の導入による事業運営コストの増加、プラスチックを使用するブリスター包装材などの原材料における規制や需給バランスの変化に伴う価格高騰、石油燃料の需給バランス変化に伴う輸送コストの高騰、再エネシフトをはじめとしたエネルギーミックス電力需給バランスの変化と、それによる電力価格の高騰を認識しています。また、将来的な気候変動が業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性がある物理リスクとして、気温上昇や大雨・洪水による動物媒介性感染症の増加などに起因した感染症の増加、それらに伴う受診控えに起因する損失の発生、異常気象災害の激甚化による拠点の被災や物流網の寸断による対応コストや営業停止による損失の発生が想定されます。こうした状況をふまえ、環境方針を定め、事業のサプライチェーンの各段階において対策を検討し、取組みを開始しています。
(11)大規模災害、感染症の拡大に関するリスク
当社グループでは、大規模な自然災害の発生、重篤な感染症の広域での流行などにより事業運営が影響を受ける可能性があります。そのため、事業拠点の分散、事業継続計画の策定などの対策を講じております。例えば、医薬品製造販売事業においては生産拠点を茨城県つくば市と徳島県徳島市に分散し、物流拠点も全国3拠点に分散するなど、災害等が発生した場合に備えた対応を行っております。ただし、当社グループの事業活動は広範な地域で行っており、事業のサプライチェーンも含めると、自然災害及び感染症の発生時には、その被害を完全に回避できるものではなく、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
例えば、新たな感染症の大規模な流行が発生した場合、患者さまによる医療機関受診回避や、医療機関による外来診療の抑制・処方日数の長期化・薬剤師の派遣紹介需要の減少等により、当社グループの事業活動へ影響が発生することが想定されます。そのため、オンライン服薬指導や電子お薬手帳の活用など医療版DXへの積極的な取組みを通じて、利便性と医療の品質を追求し、患者さまに安心してご利用いただける体制整備を行っております。
(12)技術革新によるビジネスモデルの変革に関するリスク
近年の新たな技術を用いたサービスや商品の新規展開、例えば、新型コロナウイルスの感染拡大を契機としたテレワークの急速な普及や新たなオンラインサービスの利用拡大といった継続的な変化により、社会全体での行動様式が変容しています。こうした環境変化を機会としてとらえ、新たな技術を活用して事業の拡大に向けた取組みを図っておりますが、当社グループの変化への対応が劣後する場合には、業界での競争力の低下につながり、当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13)訴訟等に関するリスク、並びに特許及び知的財産に関するリスク
医薬品製造販売事業では、知的財産権及び不正競争防止法に十分に留意した製品開発を行っておりますが、ジェネリック医薬品の商品としての特性上、先発医薬品メーカーから特許訴訟を提起される場合があります。この他にも、当社グループの事業に関連して、訴訟等の当事者となる可能性があります。これらの訴訟等において、当社グループに不利な判断がなされた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において判断したものであります。
当連結会計年度(2022年4月~2023年3月)においては、売上高313,318百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益7,586百万円(同15.1%増)、経常利益7,682百万円(同13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,458百万円(同20.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績の概要は次のとおりです。
・調剤薬局事業
売上高は280,164百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益14,666百万円(同12.7%増)となりました。
・医薬品製造販売事業
売上高は38,575百万円(前年同期比14.0%減)、営業損失1,392百万円(前年同期は53百万円の損失)となりました。
・医療従事者派遣・紹介事業
売上高は8,063百万円(前年同期比15.3%増)、営業利益は758百万円(同31.5%増)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが7,532百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△10,018百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが713百万円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,772百万円減少し、23,770百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、税金等調整前当期純利益7,843百万円であります。一方、主な支出項目は、法人税等の支払額3,286百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主な支出項目は、調剤薬局事業における新規出店及び医薬品製造販売事業における設備投資を主とした有形固定資産の取得による支出5,761百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主な収入項目は、長期借入れによる収入13,500百万円であります。一方、主な支出項目は、長期借入金の返済による支出12,366百万円であります。有利子負債の削減が進み、財務体質は着実に強化されてきています。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.金額は製造原価によっております。
2.日本ジェネリック株式会社及び長生堂製薬株式会社の工場における生産実績を示しております。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.一般薬等部門とは、一般大衆薬、衛生用品、健康食品、雑貨等の販売部門であります。
2.医薬品製造販売事業の仕入実績は、製造委託品等の仕入実績を示しております。
3.医療従事者派遣・紹介事業については、仕入はありません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引は相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
直近2連結会計年度の調剤薬局事業の処方箋枚数は以下のとおりであります。
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は185,297百万円となり、前連結会計年度末の178,753百万円に対し6,543百万円、3.7%増加いたしました。また、当連結会計年度末の負債合計は128,814百万円となり、前連結会計年度末の125,876百万円に対し2,937百万円、2.3%増加いたしました。
流動資産は、前連結会計年度末81,651百万円に対し4,069百万円、5.0%増加し、85,720百万円となりました。主に、現金及び預金の減少1,772百万円によるものです。
固定資産は、前連結会計年度末97,102百万円に対し2,474百万円、2.5%増加し、99,576百万円となりました。うち、有形固定資産は、前連結会計年度末64,025百万円に対し2,590百万円、4.0%減少し、61,435百万円となりました。無形固定資産は前連結会計年度末18,969百万円に対し603百万円、3.2%増加し、19,573百万円となりました。投資その他の資産は、前連結会計年度末14,107百万円に対し4,460百万円、31.6%増加し、18,568百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末78,931百万円に対し1,881百万円、2.4%減少し、77,050百万円となりました。1年内返済予定の長期借入金の減少1,975百万円が主な要因であります。
固定負債は、前連結会計年度末46,944百万円に対し4,819百万円、10.3%増加し、51,763百万円となりました。長期借入金の減少3,109百万円が主な要因であります。
純資産合計は、前連結会計年度末52,876百万円に対し3,606百万円、6.8%増加し、56,483百万円となりました。グループ各社が売上高の拡大と収益性の改善の取組みを強力に進めたことなどにより利益剰余金が前連結会計年度末比3,709百万円増加したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の29.6%から0.9%改善し30.5%となり、財務基盤が着実に強化されつつあります。
(経営成績)
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による影 響が続く中、行動制限の緩和等により景気は持ち直しの動きが見られました。しかしながら、海外景気の下振れや物価上昇等の影響に十分注意する必要があり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経済情勢のもと、当社グループでは、「すべての人の『生きる』に向き合う」を使命とするヘルスケアグループとして、感染防止対策を徹底し、良質な医療サービス及び医薬品の提供に取り組んでおります。また、同時に全社を挙げたコスト抑制にも継続して取り組んでおります。
加えて、当社グループは、「社員が安全に、健康な状態でいきいきと働くことができる職場づくり」を重要な経営のテーマと考え、社員・組織の健康度を高める活動を推進しております。2023年3月にはこれらの取組みが評価され、日本調剤株式会社は2022年に続いて2回目となる、経済産業省が定める「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」の認定を受けました。同時に、当社グループの株式会社メディカルリソースと株式会社日本医薬総合研究所も「健康経営優良法人2023」の認定を受けております。
調剤薬局事業においては、様々な企業とのアライアンスにより、当社のオンライン服薬指導をより多くの患者さまにご利用いただくための取組みを継続しており、オンライン医療のさらなる普及に努めております。2023年1月にはLINEヘルスケア株式会社との連携により、オンライン診療「LINEドクター」において初めてのオンライン服薬指導の提供を開始し、LINEアプリ内で診療、服薬指導から処方薬の受け取りまでがワンストップで行えるようになりました。また、JCOM株式会社が提供するオンライン診療サービス「J:COMオンライン診療」に対応し、テレビを使ったオンライン服薬指導の提供も開始しております。これにより、患者さまはテレビを使った診療から服薬指導、処方薬の受け取りまでをご自宅で完結することが可能となりました。さらに、全国で500ヵ所を超えるデイサービスを運営している株式会社ツクイと連携し、ツクイのデイサービスを利用するお客さまに対し、当社オンライン薬局サービス「NiCOMS(ニコムス)」を用いたオンライン服薬指導サービスを2023年3月より一部の店舗で提供開始いたしました。
医薬品製造販売事業においては、ジェネリック医薬品の品質管理と安定供給を最優先しつつ、研究開発投資に よる新規薬価収載品を含む自社製造品の拡大及び生産性の向上に取り組んでおります。安定供給に向けては、業界全体の供給不安や2021年の西日本物流センターの火災の影響等により、多くの販売品目について限定出荷を行っておりましたが、安定供給体制が整った製品から順次通常出荷に戻しております。2023年3月末時点での限定出荷品目数は164品目となっており、引き続き供給責任を果たすべく取組みを進めてまいります。
医療従事者派遣・紹介事業においては、医師紹介事業における新型コロナワクチン接種関連需要が一段落した一方、新型コロナウイルス感染症の影響により減少していた主力である薬剤師の派遣・紹介事業が引き続き回復傾向にあります。また産業医事業においても需要が拡大しており、企業の健康経営への貢献をさらに推し進めてまいります。
セグメント別の経営成績分析は以下のとおりです。
・調剤薬局事業
当連結会計年度の売上高は280,164百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益が14,666百万円(前年同期比12.7%増)となりました。3月末時点での総店舗数は、同期間に38店舗の新規出店、17店舗の閉店を行った結果、計718店舗となりました。売上高及び営業利益につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響があったものの、前年度の出店効果及び処方箋枚数の増加等により増収増益となりました。なお、国が2023年度末までにすべての都道府県で80%以上とすることを目標として掲げているジェネリック医薬品の数量ベース使用割合は、当社グループでは3 月末時点ですべての都道府県において80%を達成しており、全社平均では89.3%(供給停止品目などを算出対象 から除外して計算)に達しております。また、在宅医療実施店舗の割合は97.2%(年間12件以上実施の店舗割合)と順調に推移しております。
・医薬品製造販売事業
当連結会計年度の売上高は38,575百万円(前年同期比14.0%減)、営業損失1,392百万円(前年同期は53百万円の損失)となりました。売上高及び営業損失につきましては、2019年以降の新規薬価収載品は好調な販売を継続している一方、2022年4月の薬価改定に伴う既存製品の販売価格の下落、2021年の西日本物流センターの火災に起因する限定出荷品目の安定供給への対応及び研究開発に伴う費用増加等により減収減益となりました。なお、当連結会計年度末での販売品目数は、長生堂製薬を中心に販売品目の見直しを進めるとともに、2022年6月及び12月に新規薬価収載品合計8品目を発売したことなどにより584品目(一般用医薬品2品目を含む)となりました。
・医療従事者派遣・紹介事業
当連結会計年度の売上高は8,063百万円(前年同期比15.3%増)、営業利益は758百万円(前年同期比31.5%増)となりました。売上高及び営業利益につきましては、医師を中心とした新型コロナワクチン接種関連売上が減少する一 方、新型コロナウイルス感染症の影響により減少していた薬剤師の派遣・紹介実績が前年同期を上回ったこと等により増収増益となりました。
当社グループの調剤薬局事業、医薬品製造販売事業においては、3[事業等のリスク]に記載のとおり、薬価改定・調剤報酬改定の動向が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。国の医療費増加抑制方針を背景に、今後も実質マイナス傾向の改定が行われることが予想されるため、国の方針及び事業環境変化を注視しつつ事業を進めてまいります。
政府によるジェネリック医薬品使用促進政策も経営成績に重要な影響を与える要因となっております。医療費の増加抑制のための具体策として政府によるジェネリック医薬品の使用促進策が強力に進められており、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業の事業計画(損益計画・投資計画)は、政府の取組みが引き続き積極的に推進されることを前提として策定・実行されており、政府のジェネリック医薬品使用促進に関する方針等に変更が生じた場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
医薬品製造販売事業においては、製造販売を行う医薬品の品質や安定供給に関するリスクが経営成績に重要な影響を与える要因となっております。長生堂製薬株式会社においては、製造する医薬品について、承認書と異なる製造方法による製造を行ったこと、及び安定性モニタリングの試験結果について不適切な取り扱いを行ったこと等により、一部製品の自主回収を行った影響及び徳島県より業務改善命令及び業務停止命令を受けた結果、当社グループの業績に影響を与えております。すでに業務改善計画に則った改善施策を実施し、同様の問題を起こさない体制構築に向けた改善が進んでいます。
医療従事者派遣・紹介事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響により全国的に薬局薬剤師の派遣需要は大きく減少し、薬剤師の派遣事業に大きな影響がありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響の緩和に伴い需要は回復傾向にあります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業セグメントにおける仕入資金、営業費用等の運転資金、また調剤薬局事業における新規出店資金、医薬品製造販売事業における製造設備導入・更新等の設備資金等であります。調剤薬局事業においては、業容拡大の有効な手段の一つとしてM&Aにも積極的に取り組んでおり、良質なM&A案件が結実した場合には買収資金が必要となります。加えて調剤薬局事業では、策定したDX戦略に基づきDX投資を推し進めていく計画であり、システム関連投資等の資金が必要となります。これらの資金需要に対して、営業活動によるキャッシュ・フローにおける当期純利益と減価償却費及びのれん償却費の合計額は、安定した水準を維持しており、業容拡大に向けた資金需要を賄うとともに、長期借入金の返済による有利子負債の削減、財務体質の改善・強化を実現するための原資確保を可能としております。
当社グループは、事業運営上必要な流動性を安定的に確保するための源泉として、自己資金及び金融機関からの借入によることを基本方針とし、借り換え需要も含めて円滑に調達ができている状況にあります。現状では金利動向を踏まえ主として5年程度の固定金利での調達となっております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の12.8%を占める23,770百万円となっております。当該残高に加え、未使用の借入枠の状況等を勘案し現状の事業活動維持の観点から十分な財源が確保された状態にあるものと捉えております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、借地権、長期前払費用であります。
2.帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
3.従業員数は、就業人員数であります。
4.従業員数の外書きは、臨時雇員(準社員、契約社員、嘱託社員、パートタイマー、アルバイト)に関する8時間換算に基づく年間平均雇用人員数であります。
5.各エリアに分類される都道府県は以下のとおりであります。
北海道エリア 北海道
東北エリア 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
関東甲信越エリア 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、長野県、新潟県、
山梨県
東海エリア 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
関西北陸エリア 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、富山県、石川県、福井県
中国四国エリア 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州沖縄エリア 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、借地権、長期前払費用であります。
2.従業員数は、就業人員数であります。
3.従業員数の外書きは、臨時雇員(準社員、契約社員、嘱託社員、パートタイマー、アルバイト)に関する8時間換算に基づく年間平均雇用人員数であります。
(注) 完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 2020年2月17日開催の取締役会決議により、2020年4月1日付で株式分割に伴う定款の変更が行われ、発行済株式総数は16,024,000株増加し、32,048,000株となっております。
(注) 自己株式2,061,495株は、「個人その他」に20,614単元、「単元未満株式の状況」に95株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 上記日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式数のうち信託業務に係る株式数は1,360,300株であります。なお、それらの内訳は投資信託設定分332,600株、年金信託設定分40,100株、その他信託設定分987,600株であります。
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象になっているものであります。
当社グループは、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業及び医療従事者派遣・紹介事業の三つの事業ユニットにより組織が構成されており、各ユニット単位で包括的な戦略の立案及び事業活動を展開しております。従いまして当社グループは、「調剤薬局事業」、「医薬品製造販売事業」及び「医療従事者派遣・紹介事業」の三つを報告セグメントとしております。
「調剤薬局事業」は調剤薬局の経営を、「医薬品製造販売事業」はジェネリック医薬品を主とした医薬品の製造販売を、また「医療従事者派遣・紹介事業」では薬剤師、医師、看護師などの医療関係者を対象とした人材の派遣紹介事業を行っております。