株式会社ケアサービス
Care Service Co., Ltd.
大田区大森北一丁目2番3号
証券コード:24250
業界:サービス業
有価証券報告書の提出日:2023年6月29日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第28期

第29期

第30期

第31期

第32期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

8,906,493

9,055,582

8,686,688

8,965,751

9,237,179

経常利益

(千円)

230,975

124,655

319,539

327,327

475,633

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

94,843

242,206

190,776

192,169

323,778

包括利益

(千円)

90,686

242,110

187,196

193,258

336,016

純資産額

(千円)

1,480,068

1,696,524

1,857,126

2,018,108

2,316,192

総資産額

(千円)

3,108,220

3,213,298

3,220,554

3,239,733

3,510,537

1株当たり純資産額

(円)

390.17

447.24

489.58

532.03

610.61

1株当たり当期純利益

(円)

25.00

63.85

50.29

50.66

85.36

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

47.6

52.8

57.7

62.3

66.0

自己資本利益率

(%)

6.6

15.2

10.7

9.9

14.9

株価収益率

(倍)

23.80

6.84

16.80

13.15

9.01

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

301,980

126,549

340,835

338,115

443,205

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

130,689

165,542

48,942

184,416

36,077

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

139,122

104,222

274,763

191,596

151,867

現金及び現金同等物の
期末残高

(千円)

768,905

957,107

969,079

930,352

1,197,728

従業員数

(人)

949

973

998

1,014

1,039

(外、平均臨時雇用者数)

(440)

(506)

(478)

(468)

(452)

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )外数で記載しております。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第31期の期首から適用しており、第31期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第28期

第29期

第30期

第31期

第32期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

8,873,365

8,904,770

8,569,485

8,884,452

9,164,321

経常利益

(千円)

310,927

185,522

358,299

349,907

509,015

当期純利益

又は当期純損失(△)

(千円)

39,062

259,284

182,597

184,404

357,436

資本金

(千円)

205,125

205,125

205,125

205,125

205,125

発行済株式総数

(株)

4,200,000

4,200,000

4,200,000

4,200,000

4,200,000

純資産額

(千円)

1,479,690

1,713,321

1,869,323

2,021,451

2,340,955

総資産額

(千円)

3,096,177

3,208,026

3,228,064

3,239,265

3,531,372

1株当たり純資産額

(円)

390.07

451.67

492.80

532.91

617.14

1株当たり配当額

(円)

6.75

7.00

8.50

10.00

14.00

(うち1株当たり
中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

又は当期純損失(△)

(円)

10.30

68.35

48.14

48.61

94.23

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

47.8

53.4

57.9

62.4

66.3

自己資本利益率

(%)

2.6

16.2

10.2

9.5

16.4

株価収益率

(倍)

6.39

17.55

13.70

8.16

配当性向

(%)

10.2

17.7

20.6

14.9

従業員数

(人)

927

939

974

998

1,024

(外、平均臨時雇用者数)

(440)

(463)

(478)

(468)

(452)

株主総利回り

(%)

(%)

53.8

40.3

77.6

62.5

72.9

(比較指標:配当込み

 TOPIX)

(95.0)

(85.9)

(122.1)

(124.6)

(131.8)

 

最高株価

(円)

1,487

895

1,210

1,025

878

最低株価

(円)

458

387

400

593

575

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )外数で記載しております。

3.第28期の株価収益率及び配当性向については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。

4.最高株価及び最低株価は2022年1月4日以前は東京証券取引所JASDAQ(グロース)、2022年1月5日以降は東京証券取引所第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第31期の期首から適用しており、第31期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

2 【沿革】

 

年月

事項

1970年10月

寝たきり老人等の蒲団の消毒乾燥を目的としてサンセルフ福原を創業

1974年3月

事業拡大に伴いサンセルフ商事株式会社に組織変更

1983年10月

高齢者福祉における介護サービスの提供を目的として介護部門を創設

1990年6月

葬儀におけるエンゼルケアサービスの提供を目的として株式会社エヌ・シー・エスを設立

1991年5月

訪問介護サービス及び訪問入浴サービスの提供を目的として株式会社ケアサービスを資本金10,000千円で設立

1992年6月

東京都大田区大森北にケアセンターおおもりを開設

1997年4月

株式会社ケアサービスを存続会社としてサンセルフ商事株式会社及び株式会社エヌ・シー・エスを吸収合併

1999年12月

東京都大田区新蒲田三丁目15番7号に本店を移転

 

同所にエンゼルケア大田事業所を開設

 

同所にケアセンターかまたを開設

2000年4月

介護保険法施行により東京都及び神奈川県から指定居宅サービスの指定を受ける

2001年1月

東京都大田区にCDC東京事業所を開設

2001年2月

東京都大田区東雪谷にデイサービスセンター東雪谷及びケアセンター東雪谷を開設

 

デイサービス事業を開始

2001年10月

社名及びロゴマークの商標権を取得

2001年11月

東京都世田谷区代田に居宅支援下北沢を開設

2003年4月

東京都大田区新蒲田にレンタル大田を開設

2004年11月

大阪証券取引所ヘラクレスに株式を上場

2005年10月

東京都大田区北糀谷に複合事業所(訪問入浴、訪問介護、居宅介護支援)を開設

2007年10月

埼玉県さいたま市に高専賃大宮公園を開設

2010年6月

東京都大田区新蒲田にクリーンサービス事業所を開設

2013年7月

当社株式1株を200分割し、同時に100株を1単元とする単元株制度を導入

2014年6月

東京都大田区に配食池上センターを開設

2014年12月

東京都大田区大森北一丁目2番3号に本店を移転

2015年8月

中国上海市に上海福原護理服務有限公司を設立(現連結子会社 出資比率100%)

2016年7月

東京都大田区に訪問看護おおたを開設

2017年4月

東京都大田区に株式会社ケアサービスヒューマンキャピタルを設立(現連結子会社 出資比率100%)

2017年8月

中国北京市に北京福原順欣養老管理有限公司を設立

2017年10月

当社普通株式1株につき2株の割合で株式分割

2017年10月

東京都大田区に小規模多機能型居宅介護西蒲田を開設

2018年6月

株式会社やさしい手より訪問入浴事業を譲受し、埼玉県川口市に訪問入浴川口を開設

2019年7月

東京都江東区にて居宅介護支援事業及び訪問介護事業を展開する株式会社ひだまりの株式を取得し、完全子会社化

2019年9月

中国北京市の北京福原順欣養老管理有限公司を清算

2019年12月

サービス付き高齢者向け住宅事業を株式会社関東サンガへ譲渡

2020年2月

株式会社クレアバーグより訪問看護事業を譲受し、東京都江戸川区に訪問看護クレア、同墨田区に訪問看護クレア立花を開設

2020年10月

当社子会社の株式会社ひだまりを吸収合併

2020年11月

株式会社広域社会福祉会より訪問介護事業を譲受し、訪問介護蒲田に統合

2022年1月

東京証券取引所 市場第二部(現スタンダード市場)に市場を変更

 

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社(上海福原護理服務有限公司、株式会社ケアサービスヒューマンキャピタル)の計3社で構成されており、在宅介護サービス事業、シニア向け総合サービス事業を業務としております。

当社グループの事業内容は次のとおりであります。

(1) 在宅介護サービス事業

当社グループは、日本国内において、介護(医療)保険制度に基づく通所介護サービス、訪問入浴サービス、訪問介護サービス、訪問看護サービス、居宅介護支援サービス、小規模多機能型居宅介護サービス、福祉用具貸与及び特定福祉用具販売、また、介護(医療)保険外サービスとして、配食サービス、介護人材に係る人材紹介サービスを提供しております。

介護事業におけるそれぞれのサービスの概要は下記のとおりですが、当社グループは主として、通所介護サービスにおけるデイサービス施設の出店を積極的に行い、首都圏エリアを中心にデイサービス施設を主体とした介護部門の営業の基盤整備を行っております。多くの需要が見込まれる地域をドミナントエリアとし、当該地域にデイサービス施設を複数出店することによって、地域に密着した通所介護サービスが行えるよう心がけております。

 

1.通所介護サービスとは、居宅において介護を受けるご利用者が当社グループの送迎車によりデイサービス施設に来所していただき、入浴や食事の提供、生活等に関する相談・助言・健康状態の確認、その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うサービスであります。当社グループでは、通所介護サービスを介護事業の中心事業に位置付けております。また、通所介護サービスと他の介護サービスを併設した、利便性の高い複合型介護施設の開設も進めております。

2.訪問入浴サービスとは、一般家庭での入浴が困難なご利用者を対象に、特殊入浴車でご利用者のお宅へ訪問し、介護者の手を煩わせることなく、お部屋で入浴していただくサービスであります。当社グループでは通常、特殊入浴車1台に、オペレーター、看護師、ヘルパーの3名体制でサービスを提供しております。

3.訪問介護サービスとは、ご利用者のお宅を訪問して、入浴・排泄・食事等の介護、衣類の洗濯、住居等の掃除、生活必需品の買物、関係機関等との連絡、生活・身上・介護に関する相談・助言等を行うサービスであります。

4.訪問看護サービスとは、病気や障害を抱えながらご自宅で療養中の方に、看護師やセラピストなどが訪問して、療養生活のお世話や診療の補助、リハビリテーション等を行うサービスであります。

5.居宅介護支援サービスとは、介護支援専門員(ケアマネジャー)が、ご利用者(居宅要介護者)に対し介護保険の給付サービス等、居宅において日常生活を営むために必要な保健・医療・福祉サービスなどを適切に利用できるよう、高齢者本人やご家族の希望を勘案して居宅サービス計画(ケアプラン)(注)を作成するとともに、その計画に基づいて指定居宅サービス事業者などとの連絡調整等の支援を行うサービスであります。

6.小規模多機能型居宅介護サービスとは、ご利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、ご利用者の選択に応じて、施設への「通い」を中心に、短期間の「宿泊」やご利用者のお宅への「訪問」を組合せ、家庭的な環境と地域住民との交流の下で日常生活上の支援や機能訓練を行うサービスであります。

7.福祉用具貸与とは、ご利用者の身体状況に合わせた適切な福祉用具のレンタルを行うサービスであります。

8.特定福祉用具販売とは、ご利用者の身体状況に合わせた適切な福祉用具の販売を行うサービスであります。

9.配食サービスとは、当社グループで運営するデイサービスセンターを中心に、健康、栄養に配慮した食事を提供するサービスであります。

(注) 居宅サービス計画(ケアプラン)

介護保険における要介護状態には五つの区分(要支援を除く)があり、要介護1は最も軽く、要介護5は最も重い区分となっております。区分によって介護給付の限度額が定められています。

居宅サービス計画とは、介護支援専門員が個々の要支援・要介護状態に合わせた適切な保健・医療・福祉サービスが提供されるように作成したものをいい、①ご利用者のニーズの把握、②援助目的の明確化、③具体的なサービスの種類と役割分担の決定といった段階を経て作成されます。

なお、この居宅サービス計画は1ヶ月単位の計画であり、ご利用者の生活ニーズ等に変化がある場合には新たな援助目標を設定し、再度作成することになります。

 

 

在宅介護サービス事業提供サービス

 

在宅介護サービス事業

指定通所介護

通所介護サービス

指定訪問入浴

訪問入浴サービス

指定訪問介護

訪問介護サービス

指定訪問看護

訪問看護サービス

指定居宅介護支援

居宅介護支援サービス

指定小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護サービス

指定福祉用具貸与

福祉用具貸与

特定福祉用具販売

特定福祉用具販売

介護(医療)保険外

配食サービス

 

 

(2) シニア向け総合サービス事業

当社グループのシニア向け総合サービス事業では、主に日本国内及び中国において、発注者(日本においては冠婚葬祭業の互助会及び葬儀社、中国においては国営葬儀場)と契約を結び、湯灌サービス、CDCサービスを提供しており、さらに日本国内ではクリーンサービスも提供しております。また、これら以外のサービスとして、日本国内においては、介護人材に特化した人事業務代行業、人材紹介業及び人材派遣業等、介護事業者に向けたサービスを提供しており、中国においては、介護サービス及び介護関連サービスを提供しております。

① 湯灌サービス

湯灌サービスとは、故人の葬儀においてお通夜の前に故人の洗体を行い、お化粧をし、旅路の身支度を整えるサービスであります。

なお、当社グループでは、御葬家のご自宅又は葬祭場に湯灌車と呼ばれる特殊車両でお伺いし、サービスを提供しております。

② CDCサービス

CDCサービスとは、Cosmetic(化粧)、Dressing(装束)、Coffin(納棺)の略称であり、主に故人のお化粧と旅路の身支度を整えるサービスであります。

③ クリーンサービス

クリーンサービスとは、遺品整理、遺品供養を含めたハウスクリーニング等を行うサービスであります。

 

 

[事業系統図]

 


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は
出資金

主要な事業の内容

議決権の所有
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

上海福原護理服務有限公司(注)

中国上海市

1,365千USD

介護事業及び
エンゼルケア事業

100

役員の兼任5名

株式会社ケアサービス
ヒューマンキャピタル(注)

東京都大田区

30,000千円

人材事業

100

役員の兼任4名

 

(注) 特定子会社であります。

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

在宅介護サービス事業

720

(411)

シニア向け総合サービス事業

266

(35)

全社(共通)

53

(6)

合計

1,039

(452)

 

(注)  従業員数は、就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,024

(452)

40.6

6.8

4,161,713

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

在宅介護サービス事業

720

(411)

シニア向け総合サービス事業

257

(35)

全社(共通)

47

(6)

合計

1,024

(452)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(3) 労働組合の状況

2000年3月21日に当社労働組合が結成され、介護クラフトユニオンケアサービス分会と称し、ゼンセン同盟日本介護クラフトユニオン(現:UAゼンセン日本介護クラフトユニオン)に加盟しております。

なお、労使関係はきわめて良好であります。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の育児休業等取得率(%)(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

提出会社

17.2

66.7

95.0

91.8

120.9

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、お客様一人ひとりの尊厳に共感したサービスを提供し、全従業員とその家族の幸せを追求することを企業理念として掲げ、事業を展開しております。この企業理念のもと、高齢化社会が進むに伴い拡大が予想される介護業界において、東京23区を中心とした地域密着型企業としてブランドを確立するとともに、株主、地域社会、ご利用者及び従業員等すべてのステークホルダーにとって価値ある企業となることを目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは当面の間、経常利益率の向上を目指してまいります。さらに中長期的には収益性と資本効率をより高めて総合的な企業価値を増大させていく方針であります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、前述の「(1)会社の経営の基本方針」を具現化するために、以下を中長期的な経営戦略として位置づけております。

①介護事業における首都圏ドミナント戦略の推進

引き続き、東京23区を中心としたドミナントエリア拡充と事業内容の深化に取り組んでまいります。

②経営基盤の強化

長期的な成長に向けた強い組織を作り上げるために、質の高いサービスを提供できる体制を整備いたします。

③在宅介護事業への集中と選択

当社グループは、ドミナントエリアを活かし、地域の医療機関等と連携することにより、現在、厚生労働省が推し進める地域包括ケアシステム構築の中で、「通い」及び「訪問」を担う介護体制の構築を進めてまいります。

 

(4) 経営環境及び優先的に対処すべき課題

当社グループが所属する国内の介護サービス産業は高齢化がさらに進み、今後も拡大傾向が続くと予想されます。

このような経営環境に対応するために、当社グループの強みである東京23区を中心としたドミナント戦略の推進により生み出される、各サービス間のシナジー効果を十分に活用してまいります。人口密度が高く、移動効率性の良い東京23区は、介護報酬において全国で最も高い地域区分単価が適用されており、当社グループでは今後も引き続き東京23区を中心としたドミナントエリアでの拠点の展開を継続してまいります。しかしながら、新規出店においては、今後の介護保険法改正の動向に加えて、地域の顧客データやテナント賃料、建設コストなどを慎重に見極めて進めてまいります。

また、国内のあらゆる産業において、従事する人材の採用が年々難しくなっており、介護業界においても、サービスを提供するために必要な有資格者をはじめとした介護スタッフの確保と定着は、引き続き大きな経営課題となっております。当社グループでは、人材事業子会社である「株式会社ケアサービスヒューマンキャピタル」を通じて、介護業界全体の課題である介護人材の採用に向けて、当社グループ全体の採用力の向上を進めております。加えて、優秀な従業員の育成・定着のために職能や経験に応じたキャリアパスや、各種手当を拡充するほか、労働市場の変化にも適切に順応を図っております。また、2019年10月より特定処遇改善加算の取得を推進し、事業所従業員に手当を拡充することで、経験を持った優れた人材が引き続き当社グループで活躍できる環境を整備しております。

新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症拡大下での当社の基本方針としまして、当社グループが提供する在宅介護サービス事業、シニア向け総合サービス事業は、公共性の高いサービスであるため、行政機関と連携のうえ、可能な限りサービスの提供を維持、継続してまいります。ただし、お客様やそのご家族、従業員と家族の安全確保を第一に努め、行政や保健所等による要請、指示に従い、適宜各サービスの休止、規模の縮小、時間変更、代替サービスへの振替等の対応を講じてまいります。

 

また、中国では上海市に設立した関係会社を通じて、現在、日本式の在宅介護サービスとエンゼルケアサービスを展開しております。引き続き、経済の発展とともに高齢化の進行が予想される中国において、日本と同様のサービス品質を提供していくため、当社グループの企業理念である「お客様一人ひとりの尊厳に共感したサービスを提供する」を理解・実践できる現地スタッフの採用と人材育成を重要視し、体制の構築を図ってまいります。

今後、さらに高齢化が進行する中で、当社グループの「介護からエンゼルケアまで」の一貫したサービスを提供するための基盤構築を引き続き推し進めてまいります。

株主や投資家の皆様との対話や、IR・広報活動の充実、内部統制の整備を通じて、社会からさらに厚い信頼を得ることができるよう努めてまいります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。必ずしも事業展開上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

当社はこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資リスクをすべて網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。なお、以下の事項は、特に断りがない限り、当連結会計年度末現在の事項であり、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 介護保険制度について

当社グループの在宅介護サービス事業セグメントに属する各サービスは、主に介護保険法の適用を受けるサービスの提供を行うため、介護保険制度の改正及び介護報酬の改定の影響を強く受けることとなります。介護保険制度は5年を目途に見直しが行われ、3年毎に介護報酬の改定が行われることとされておりますが、後期高齢者の増加により当該制度の財政基盤は悪化しつつあり、今後、介護報酬の引き下げ、介護サービス料金の自己負担割合の引き上げ等、介護給付費の伸びを抑えるための制度改正や報酬改定が行われた場合、売上単価の減少等の採算性に問題が生じ、当社グループの主力である在宅介護サービス事業の収益に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するため、当社グループはシニア向け総合サービス事業をもう一つの柱として展開し、エンゼルケア事業のほかにも介護保険外サービスの新規事業開拓を積極的に進めております。

 

(2) 法的規制について

介護保険法に基づく介護サービスを行うには、事業所毎に指定事業者としての指定を都道府県知事(地域密着型サービスについては市区町村長)から受ける必要があります。指定を受けるには、「指定居宅サービス等の事業の人員、設置及び運営に関する基準」(介護保険法に基づく厚生労働省令)を満たしていなければなりませんが、従業員の退職等により当該基準を満たせなくなった場合には、事業の停止や介護報酬の減額等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当該リスクに対応するため、当社グループは事業所の運営体制を常時指導・監督するとともに、人材教育部門を中心として、各種マニュアルの整備及び研修を充実させることで管理体制の強化や教育の徹底をしております。

ドミナント展開している事業所間においては相互サポートができる体制を整備するなどして適切な事業運営に努める一方で、介護人材に特化した人材事業会社「株式会社ケアサービスヒューマンキャピタル」を設立し、採用力の向上を進めて、根本的な人材不足の解消に努めております。

また、その他の指定取消事由として、介護報酬の不正請求、帳簿書類等の虚偽報告等が定められております。現時点では当社グループでは指定の取消事由に該当する事実は発生しておりませんが、遵守できなかった場合に指定の取消や停止処分を受ける可能性があります。さらに、事業所の指定取消処分がなされ、その理由となった不正行為に対して当社グループの組織的関与(連座制)が認められた場合は、同一のサービス類型の事業所の新規指定及び6年毎の更新を受けることができなくなり、計画している収益を達成できない可能性があります。

当該リスクに対応するため、当社グループは介護保険の請求業務の専門部署を配置し、不正請求、帳簿書類等の虚偽報告等が起こらないように複数チェックの管理体制をとっております。

 

(3) 競合について

2000年4月の介護保険法施行を契機に介護保険制度に基づく地方自治体単位での介護サービスが開始され、医療法人等の公的非営利主体及び異業種を含めたさまざまな企業が参入しました。高齢化社会の進展に伴い要介護認定者数の増加基調が予想されるとともに、介護保険法の施行から20年以上が経過し、社会全般における介護保険制度に対する認識が着実に深まりつつあります。このため、介護関連ビジネスの市場は今後の拡大が予測され、既存事業者の活動の活発化に加え、新規参入が再び激しくなってきております。したがって、今後の競争の激化に伴い当社グループの事業所において、利用者の確保が困難になった場合等には、当社グループの在宅介護サービス事業の業績が影響を受ける可能性があります。

 当該リスクに対応するために一部デイサービス事業所では、日曜営業を実施するほかに、デイサービスへ通う利用者が、事業所で過ごす時間の中で、「やらされ感」を払拭し、「やってみたかった」「やりたい」という思いを実現することができるよう、プロの講師による各種の教室活動を開催しております。具体的には、陶芸教室、編み物教室、絵手紙教室、書道教室、水彩画教室、メディカルアロマ教室、フラワーアレンジメント教室、カルトナージュ、フラワーセラピー教室、手作りライト教室、ガラス工芸教室、折り紙教室、ヨーガ教室、フラダンス教室、音楽療法の開催実績があります。その他に自社配食センターによる食事の質の向上等に努めております。

シニア向け総合サービス事業においては、湯灌サービスの認知度が高まることにより、他の事業者の参入により、競争が激化する可能性があります。更に葬儀形態の多様化により、湯灌サービスの利用が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するため、当社グループは経済成長が著しく少子高齢化が進行する中国への進出、介護業界を対象とする人材紹介サービスの開始、介護サービス及び介護施設の紹介サービスの開始等、新たな市場開拓や新規事業への参入を進めております。

 

(4) 新規出店について

当社グループでは開設にあたり綿密なマーケットリサーチを行い、事業所等の新規開設を進めておりますが、地価の高騰等により好立地に物件を確保できない場合や、事業環境の変化及び経済的要因により開設事業計画に大幅な乖離が生じた場合には、当社グループの3ヵ年計画等に影響を与える可能性があります。

当該リスクに対応するため、当社グループでは、経済状況や各地域の人口動態等の市場分析を適時適切に行い、変化に対して迅速に対応できる店舗開発体制を整えております。

 

(5) 人材の確保について

当社グループが事業を拡大していくためには、人材の確保が必要となります。とりわけ介護事業においては、サービス提供にあたり介護支援専門員、看護師、介護福祉士など専門資格取得者の確保が必須であります。

景気の動向次第では、人材確保について同業他社だけでなく異業種を含めた競争となり、万一、十分な人材の確保が困難な場合には、「(2)法的規制について」のとおり、現在提供しているサービスを継続することができなくなる可能性があり、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、人件費が高騰した際にも当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

当該リスクに対応するため、当社グループは介護人材に特化した人材事業会社である「株式会社ケアサービスヒューマンキャピタル」を設立し、介護業界全体の課題であり差別化要因である介護人材の採用と育成に向けて、当社グループ全体の採用力の向上を進めております。

 

(6) 人材紹介事業について

連結子会社(株式会社ケアサービスヒューマンキャピタル)が行う人材紹介事業は、「職業安定法」第32条の4に基づく有料職業紹介事業許可を受けて行っている事業です。「職業安定法」では、人材紹介事業を行う者(法人である場合には、その役員を含む)が有料職業紹介事業者としての欠格事由(職業安定法 第32条)及び当該許可の取消事由(同 第32条の9)に該当した場合には、事業の許可を取り消し、または、期間を定めて当該事業の全部若しくは一部の停止を命じることができる旨を定めております。現時点において、上記に抵触する事実はないと認識しておりますが、今後何らかの理由により上記に抵触した場合には、認可取消や業務停止となる可能性があります。

当該リスクに対して、当社グループでは、関係法令の遵守及び改正に対応するため、マニュアルの整備、内部監査等を実施しております。

 

(7) 高齢者介護における安全管理及び健康管理について

当社グループが提供する介護サービスの利用者は、要支援又は要介護認定を受けている高齢者であり、転倒事故、食物誤嚥事故及び感染症の集団発生等、高齢者の特性に起因する事故等が発生する可能性があります。万一、事故や感染症等が発生した場合、当社グループの信用が低下するとともに訴訟等で損害賠償請求を受ける恐れがあり、過失責任が問われた場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するため、当社グループでは、サービス提供中の安全衛生管理には細心の注意を払い、研修・マニュアルの整備等により従業員の教育指導を徹底しております。

 

(8) 情報管理について

当社グループが提供するサービスは、業務上、利用者あるいはその家族の重要な個人情報を取扱います。万一、システム等から個人情報が外部に漏洩する等のトラブルが発生した場合、社会的信用の低下や損害賠償請求の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するため、当社グループは、個人情報をはじめとした情報の適正な取得及び厳重な管理のために、各種規程や研修等を通じて、情報漏洩の防止に取り組んでおります。

 

(9) 地域との関係について

当社グループの事業の性格上、地域のお客様、自治体はじめ関係各機関等との信頼関係が何よりも重要であると考えております。このため、良質かつ安定的なサービスの提供が必要であり、業績が改善されない事業所があった場合でも、収益性の観点だけで直ちに撤退することが困難な場合は、当社グループの財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、エリア毎に業績を管理しておりますので、業績不振事業所が撤退困難となった場合でも、同一エリア内の他事業所の業績を向上させることにより、当該エリア全体の業績が悪化しないように対応できる体制となっております。

 

(10) 長期賃貸借契約について

介護事業における事業所の開設にあたっては、土地及び建物等の設備投資が必要であることから、投資リスクが生じます。当該リスクを抑制するために、各事業所の展開は賃貸を基本とした設備投資戦略を採用しております。このため、投資リスクは抑制されるものの、一定期間は撤退の制約が課せられ、これに反した場合は中途解約による違約金などの支払が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに対応するため、長期間にわたり撤退の制約がかかる物件は極力避けるとともに、一定期間の制約が避けられない場合は、当該期間を極力短縮して契約するようにしております。

 

 

(11) 海外事業に関するリスクについて

当社グループは、中国において訪問入浴、エンゼルケア事業等を展開しております。海外における事業展開にあたり、以下のような事象が発生した場合には、当社グループの海外事業の推進に影響を及ぼす可能性があります。

・予期しえない法律・規制・租税制度の変更

・テロ、戦争、伝染病の流行等の社会的混乱

・事業展開上不利な政治的要因の発生

・予期しえない労働環境の急激な変化

・想定以上の経済動向及び為替レートの変動

当該リスクに対して、当社グループでは、政府動向や法改正、治安情勢等に関する情報収集を適時行い、当該情報に基づき関係部署が連携して対応することにより、海外展開におけるリスクを低減しております。

 

(12) エンゼルケアサービスの季節変動について

エンゼルケアサービスは、葬儀需要により業績が変動します。葬儀需要は月間の平均件数に対し、夏場が少なく、冬場が多くなる傾向があり、それに伴い当社グループの業績も冬季に偏重する可能性があります。参考として下記に月別推移を記載します。

                                        売上高単位:百万円

 

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

当年度売上高

170

172

160

166

183

177

191

192

204

226

205

204

前年度売上高

161

162

151

161

174

164

171

171

188

210

181

198

当年度件数

3,496

3,518

3,320

3,442

3,728

3,660

3,991

4,039

4,342

4,781

4,257

4,280

前年度件数

3,480

3,467

3,217

3,412

3,659

3,477

3,697

3,608

3,988

4,398

3,778

4,101

 

 

(13) 減損会計の適用について

当社グループの保有する建物等について、今後、収益性が著しく低下した場合には、減損損失の計上が必要となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するため、出店地域を選定する際には、綿密なマーケットリサーチを行い、資産収益性の高い立地条件を選定し、減損損失の発生を未然に防ぐようにしております。

 

(14) 風評等の影響について

当社グループの事業においては、お客様をはじめ関係者の信用、評判が大きな影響力を持つと認識しております。何らかの理由により当社グループの評判が損なわれた場合または当社グループに対する好ましくない風評が立った場合には、当社グループの業績及び人材採用等に影響を与える可能性があります。

当該リスクに対応するため、「企業理念」、「行動指針」、及びそれに基づく日々の行動目標を記した「ケアサービスフィロソフィ」を制定し、高い理念の下に細心の注意を払って事業を運営しております。

 

(15) 自然災害について

地震、台風、大雨、大雪等の自然災害が発生し、やむなく業務を停止せざるを得なくなる場合や、建物や設備が損傷し、その修復に多大な費用が必要になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の重要な事業拠点である首都圏において想定を上回る大規模な自然災害が発生した場合には、正常な事業運営が行われなくなる可能性があり、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があるばかりでなく、事業の継続が困難になる可能性もあります。

当該リスクに対応するため、緊急時対応マニュアルを作成し周知徹底するほか、各事業所において定期的に防災訓練を実施しております。

 

 

(16) 新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症流行時の対応について

新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症が拡大した場合には、当社グループのお客様の一時的な利用控え、また感染拡大の度合いにより行政の要請に基づいた事業所の一定期間のサービス停止など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対応するため感染拡大時には、全従業員に対し、感染予防及び感染拡大防止に向けた行動を促すとともに、以下のような対策を講じてまいります。

<対策>

「マスク着用」「消毒液や石鹸での手洗い、うがいの徹底」「入退室時の手指のアルコール消毒」「職場の換気」「WEB会議実施の推奨」「密閉、密集、密接の「三密」の状況の回避の励行」「時差出勤やテレワークの一部導入」「出社直後の検温の徹底、本人および同居家族の体調不良・発熱時の報告」「飛沫感染予防」

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、2022年3月にまん延防止等重点措置の全面解除により行動制限が緩和され、その後も感染者数の拡大と減少を繰り返しながらも経済活動は徐々に再開しつつあり、感染症法上の措置の緩和の見通しもあることから正常化へ向かっております。しかしながら、国際情勢の緊迫や世界的な資源価格の高騰、急激な為替変動を背景に、食料品やエネルギーを中心に物価の上昇が続いております。

介護業界におきましても、消耗品価格や光熱費等の高騰に加え、依然として人材を適時適切に確保することは非常に難しく、人件費及び採用コストの上昇が続いており、介護人材の採用と定着が大きな課題となっております。

このような状況の下、当社グループは「介護からエンゼルケアまで」の一貫したサービスを提供するための基盤強化を図り、各サービスの品質向上に繋がる投資を行うとともに、経費や業務の見直し、DXの推進による本社スリム化等のコスト削減を両輪で進めてまいりました。

消耗品価格や光熱費等燃料価格の高騰に伴う費用の上昇を、購買コストの見直しや内製化による外注費削減等で抑制するほか、DXの推進による事務効率の改善を進め労務費の圧縮に努めました。一方、サービス提供に関わる従業員の給与水準の引き上げや労働環境の改善に取り組み、従業員と株主への利益の還元と、成長・拡大への投資を継続しております。また、サステナブルの取り組みの一つとして、介護施設の新設やリノベーションにおいて壁材、床材にリサイクル品、廃番品を使用する等、環境に配慮した施設作りを行っております。

在宅介護サービス事業において、強固なドミナントエリア形成のため、2022年4月、東京都江東区に「デイサービスセンター亀戸」「訪問入浴亀戸」を開設いたしました。8月には「訪問看護クレア」と「訪問看護クレア立花」を統合のうえ「訪問看護亀戸」に名称変更しました。さらに、「居宅支援亀戸」を同事業所に移転し、東京都城東エリアのドミナント強化に取り組みました。

シニア向け総合サービス事業において、エンゼルケアサービスが九州地方へ初進出し、2022年11月、福岡県福岡市に「エンゼルケア福岡」を開設いたしました。

なお、国内既存事業所数は、通所介護1事業所,訪問入浴1事業所、エンゼルケア1事業所を開設、訪問看護2事業所を1事業所に統合、通所介護1事業所を閉鎖し、合計107事業所となりました。

海外事業におきましては、中国上海市の「上海福原護理服務有限公司」のエンゼルケア事業において、ロックダウン解除以降、徐々に受注件数が回復しつつあります。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は9,237百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は431百万円(前年同期比40.8%増)、経常利益は475百万円(前年同期比45.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は323百万円(前年同期比68.5%増)となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(在宅介護サービス事業)

当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症はあったものの、第3四半期以降から徐々に売上、件数ともに回復しました。訪問入浴サービスでは、第3四半期以降スタッフの採用増加による体制の強化を図り、売上、件数ともに前年同四半期を上回りました。デイサービスにおいては、第4四半期からお客様とスタッフの感染者数が大きく減少したことにより、売上、件数が回復したほか、購買の見直しや、修繕費の削減等、経費削減に努めました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,680百万円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益は530百万円(前年同期比5.2%増)となりました。

(シニア向け総合サービス事業)

当事業におきましては、エンゼルケアサービスにおいて、湯灌等の引き合いは引き続き強く、好調に推移しました。スタッフの採用を強化したほか、九州地方への出店を行うなど、事業拡大を推進しております。

中国子会社の上海福原護理服務有限公司においても、売上件数ともに回復傾向にあり、セグメント全体で前期比増収増益となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,556百万円(前年同期比6.4%増)、セグメント利益は610百万円(前年同期比10.1%増)となりました。

 

財政状態は、次のとおりであります。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より270百万円増加し、3,510百万円となりました。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、2,705百万円(前連結会計年度末2,354百万円)となり、350百万円増加しました。現金及び預金の増加267百万円、売掛金の増加73百万円、その他の増加9百万円が主な要因であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、805百万円(前連結会計年度末885百万円)となり、79百万円減少しました。建物の増加37百万円、有形リース資産の増加33百万円、有形固定資産その他の増加43百万円に対し、建設仮勘定の減少51百万円、無形リース資産の減少23百万円、のれんの減少16百万円、無形固定資産その他の減少14百万円が主な要因であります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、906百万円(前連結会計年度末926百万円)となり、19百万円減少しました。未払法人税等の増加68百万円、賞与引当金の増加30百万円に対し、1年内返済予定の長期借入金の減少49百万円、流動負債その他の減少97百万円が主な要因であります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、287百万円(前連結会計年度末295百万円)となり、7百万円減少しました。退職給付に係る負債が23百万円増加しましたが、長期借入金の減少12百万円、リース債務の減少19百万円が主な要因であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、2,316百万円(前連結会計年度末2,018百万円)となり、298百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加323百万円、配当金の支払いによる減少37百万円が主な要因であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して267百万円増加し、1,197百万円(前連結会計年度末比28.7%増)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は、443百万円(前年同期は338百万円の獲得)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益504百万円、減価償却費139百万円、減損損失31百万円、賞与引当金の増加30百万円、退職給付に係る負債の増加23百万円に対し、法人税等の支払額143百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は、36百万円(前年同期は184百万円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出38百万円敷金及び保証金の差入による支出9百万円、保険積立金の解約による収入13百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は、151百万円(前年同期は191百万円の使用)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出62百万円、リース債務の返済による支出51百万円、配当金の支払額37百万円によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績

該当事項はありません。

 

b. 受注実績

該当事項はありません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

在宅介護サービス事業(千円)

6,680,681

+1.8

シニア向け総合サービス事業(千円)

2,556,498

+6.4

合計(千円)

9,237,179

+3.0

 

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東京都国民健康保険団体連合会

5,267,105

58.7

5,380,587

58.3

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績)

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。

売上高は、9,237百万円と前連結会計年度から271百万円(3.0%)増加いたしました。これは、在宅介護サービス事業が主に訪問系サービスの増収により118百万円(1.8%)の増加、シニア向け総合サービス事業が主にエンゼルケアサービスの増収により152百万円(6.4%)の増加となったことによるものです。

利益面については、労務費を含めたコストの大幅な見直しにより、営業利益は431百万円と前連結会計年度から124百万円(40.8%)増加いたしました。また、経常利益は営業利益の増加に伴い、475百万円と前連結会計年度から148百万円(45.3%)増加いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は、323百万円と前連結会計年度より131百万円68.5%)増加いたしました。

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」 に記載のとおりであります。

 

なお、当社グループは、施設の出店に際しては賃借によることを原則としており、重要な資本的支出の予定はないため、当面の設備投資、成長分野への投資並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載の通りであります。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、一定の仮定を置き合理的な基準に基づいて実施しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。なお、会計上の見積りを行う上での考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】

当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。

(1) 提出会社

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額

従業員数
(人)

建物
(千円)

工具、
器具及び備品
(千円)

リース
資産
(有形)
(千円)

リース
資産
(無形)
(千円)

その他
(千円)

合計
(千円)

本社
(東京都大田区)

全社

事務所

6,628

2,469

3,119

41,079

53,296

47(6)

デイサービスセンター大森中
(東京都大田区)

他デイサービス   45事業所

 訪問入浴     15事業所

  居宅介護支援   12事業所

 訪問介護    2事業所

  訪問看護     2事業所

  その他介護事業 4事業所

在宅介護サービス事業

・事業所

・入浴設備

・デイサービス設備

・配食設備

155,810

19,974

92,023

19,214

24,717

311,739

720(411)

エンゼルケア東京事業所

(東京都大田区)

               他25事業所

シニア向け総合サービス事業

事業所

675

1,017

9,052

24,443

35,188

257(35)

合計

163,113

23,461

101,075

22,333

90,240

400,224

1,024(452)

 

(注) 1.建物はすべて賃借物件であります。記載している建物帳簿価額は、主に内装設備の金額であります。

2.帳簿価額のうち「その他」は、有形固定資産その他49,716千円、のれん22,099千円及び無形固定資産その他18,424千円の合計であります。

3.従業員数の( )は、年間平均の臨時雇用者数を外書しております。

4.上記の他、主要な賃借している設備として、以下のものがあります。

 

 

 

2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメントの
名称

設備の内容

年間リース料
(千円)

リース契約残高
(千円)

本社
(東京都大田区)

全社

車両運搬具
(所有権移転外
 ファイナンス・リース等)

1,128

2,914

デイサービスセンター大森中
(東京都大田区)

他デイサービス   45事業所

 訪問入浴     15事業所

  居宅介護支援   12事業所

 訪問介護     2事業所

  訪問看護     2事業所

  その他介護事業 4事業所

在宅介護サービス事業

車両運搬具
(所有権移転外
 ファイナンス・リース等)

85,232

288,742

エンゼルケア東京事業所
(東京都大田区)

               他25事業所

シニア向け総合サービス事業

車両運搬具
(所有権移転外
 ファイナンス・リース等)

33,235

61,354

 

 

(2) 子会社

   子会社については、主要な設備はありません。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

16,800,000

16,800,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月29日)

上場金融商品取引所名又は

登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

4,200,000

4,200,000

東京証券取引所
スタンダード市場

単元株式数は100株であります。

4,200,000

4,200,000

 

(注) 発行済株式の内40,000株は、現物出資(金銭消費貸借契約5百万円)によるものです。

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
(千円)

資本金残高
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2017年10月1日(注)

2,100,000

4,200,000

205,125

138,075

 

(注) 2017年9月30日の株主名簿に記載された株主に対し、1株につき2株をもって分割いたしました。

 

(5) 【所有者別状況】

 

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

3

16

21

15

4

2,189

2,248

所有株式数
(単元)

1,075

800

17,091

1,446

4

21,568

41,984

1,600

所有株式数
の割合(%)

2.56

1.91

40.71

3.44

0.01

51.37

100.00

 

(注) 1.自己株式 406,761株は、「個人その他」に4,067単元及び「単元未満株式」に61株含まれております。

2.上記「その他の法人」には証券保管振替機構名義の株式が16単元含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

有限会社友愛

東京都大田区山王3丁目37-6-311

1,662,800

43.83

福原 俊晴

東京都大田区

542,200

14.29

ケアサービス従業員持株会

東京都大田区大森北1丁目2-3

148,300

3.90

MSIP CLIENT SECURITIES
(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)

25 Cabot Square, Canary Wharf, London E14 4QA, U.K.
(千代田区大手町1丁目9-7 大手町フィナンシャルシティサウスタワー)

102,500

2.70

東京海上日動火災保険株式会社

東京都千代田区大手町2丁目6-4

96,000

2.53

楠田 卓

埼玉県川口市

45,000

1.18

JPモルガン証券株式会社

東京都千代田区丸の内2丁目7-3 東京ビルディング

34,100

0.89

宮 こずえ

愛知県豊橋市

25,100

0.66

ケアサービス役員持株会

東京都大田区大森北1丁目2-3

24,400

0.64

信崎 哲郎

島根県松江市

23,600

0.62

2,704,000

71.28

 

(注) 発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する所有株式数の割合については、小数点第二位未満を切捨てて表示しております。

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

930,352

1,197,728

 

 

売掛金

1,337,851

1,411,554

 

 

その他

86,673

96,178

 

 

貸倒引当金

220

347

 

 

流動資産合計

2,354,656

2,705,114

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

916,288

953,467

 

 

 

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

739,657

790,353

 

 

 

 

建物(純額)

176,630

163,113

 

 

 

工具、器具及び備品

192,850

179,481

 

 

 

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

158,708

155,649

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

34,141

23,831

 

 

 

リース資産

147,855

181,196

 

 

 

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

56,869

80,120

 

 

 

 

リース資産(純額)

90,986

101,075

 

 

 

建設仮勘定

51,879

-

 

 

 

その他

44,428

88,110

 

 

 

 

減価償却累計額

19,558

38,393

 

 

 

 

その他(純額)

24,869

49,716

 

 

 

有形固定資産合計

378,508

337,737

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

のれん

38,798

22,099

 

 

 

リース資産

46,252

22,333

 

 

 

その他

33,493

18,773

 

 

 

無形固定資産合計

118,544

63,206

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

敷金及び保証金

203,896

207,852

 

 

 

繰延税金資産

136,823

164,554

 

 

 

その他

48,658

32,260

 

 

 

貸倒引当金

1,355

187

 

 

 

投資その他の資産合計

388,023

404,479

 

 

固定資産合計

885,076

805,423

 

資産合計

3,239,733

3,510,537

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

133,133

132,703

 

 

1年内返済予定の長期借入金

62,522

12,530

 

 

リース債務

48,638

53,217

 

 

未払金

8,460

22,766

 

 

未払費用

273,829

285,764

 

 

未払法人税等

106,833

174,892

 

 

賞与引当金

124,033

154,241

 

 

その他

168,685

70,687

 

 

流動負債合計

926,137

906,804

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

12,530

-

 

 

リース債務

103,568

84,246

 

 

退職給付に係る負債

179,329

203,233

 

 

その他

60

60

 

 

固定負債合計

295,487

287,540

 

負債合計

1,221,624

1,194,344

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

205,125

205,125

 

 

資本剰余金

138,075

138,075

 

 

利益剰余金

1,833,190

2,119,036

 

 

自己株式

148,231

148,231

 

 

株主資本合計

2,028,158

2,314,005

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

為替換算調整勘定

10,050

2,187

 

 

その他の包括利益累計額合計

10,050

2,187

 

純資産合計

2,018,108

2,316,192

負債純資産合計

3,239,733

3,510,537

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 8,965,751

※1 9,237,179

売上原価

7,800,228

7,982,962

売上総利益

1,165,522

1,254,216

販売費及び一般管理費

※2 859,283

※2 823,102

営業利益

306,239

431,114

営業外収益

 

 

 

受取利息

312

124

 

受取保険金

5,011

15,382

 

助成金収入

7,756

12,336

 

受取和解金

10,000

-

 

補助金収入

4,195

28,938

 

為替差益

3,465

-

 

その他

6,642

3,385

 

営業外収益合計

37,382

60,167

営業外費用

 

 

 

支払利息

2,993

3,545

 

上場関連費用

11,000

-

 

為替差損

-

10,060

 

その他

2,300

2,042

 

営業外費用合計

16,294

15,648

経常利益

327,327

475,633

特別利益

 

 

 

受取和解金

-

※3 61,428

 

特別利益合計

-

61,428

特別損失

 

 

 

減損損失

226

※4 31,862

 

固定資産除却損

0

1,116

 

特別損失合計

226

32,979

税金等調整前当期純利益

327,101

504,083

法人税、住民税及び事業税

142,225

208,036

法人税等調整額

7,293

27,731

法人税等合計

134,931

180,304

当期純利益

192,169

323,778

親会社株主に帰属する当期純利益

192,169

323,778

 

1.報告セグメントの概要

報告セグメントの決定方法及び各報告セグメントに属するサービスの種類

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。当社グループは、サービス別の事業部署を置き、各事業部署は、取り扱うサービスについて包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。したがって、当社グループは、主に事業部署を基礎としたサービス別のセグメントから構成されており、「在宅介護サービス事業」及び「シニア向け総合サービス事業」の2つを報告セグメントとしております。

「在宅介護サービス事業」は、通所介護サービス、訪問入浴サービス、訪問介護サービス、居宅介護支援サービス、福祉用具貸与サービス、特定福祉用具販売、訪問看護サービス、小規模多機能型居宅介護サービス等を行っております。「シニア向け総合サービス事業」は、湯灌サービス、CDCサービス、クリーンサービス等を行っております。

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

898,640

1,175,121

 

 

売掛金

1,325,052

1,402,789

 

 

その他

※1 195,297

※1 212,217

 

 

貸倒引当金

71,456

71,583

 

 

流動資産合計

2,347,533

2,718,544

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

916,288

953,467

 

 

 

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

739,657

790,353

 

 

 

 

建物(純額)

176,630

163,113

 

 

 

工具、器具及び備品

190,669

177,287

 

 

 

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

157,119

153,826

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

33,550

23,461

 

 

 

リース資産

142,534

175,831

 

 

 

 

減価償却累計額

51,548

74,755

 

 

 

 

リース資産(純額)

90,986

101,075

 

 

 

建設仮勘定

51,879

-

 

 

 

その他

44,428

88,110

 

 

 

 

減価償却累計額

19,558

38,393

 

 

 

 

その他(純額)

24,869

49,716

 

 

 

有形固定資産合計

377,917

337,366

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

のれん

38,798

22,099

 

 

 

リース資産

46,252

22,333

 

 

 

その他

32,596

18,424

 

 

 

無形固定資産合計

117,647

62,857

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

長期貸付金

4,549

2,509

 

 

 

関係会社長期貸付金

※1 40,000

※1 40,000

 

 

 

敷金及び保証金

202,914

206,851

 

 

 

繰延税金資産

136,823

164,554

 

 

 

その他

※1 44,109

※1 29,750

 

 

 

貸倒引当金

32,230

31,062

 

 

 

投資その他の資産合計

396,166

412,603

 

 

固定資産合計

891,731

812,827

 

資産合計

3,239,265

3,531,372

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

※1 137,107

※1 132,708

 

 

1年内返済予定の長期借入金

62,522

12,530

 

 

リース債務

48,638

53,217

 

 

未払金

※1 7,177

※1 22,709

 

 

未払費用

272,519

285,083

 

 

未払法人税等

106,653

174,712

 

 

賞与引当金

122,965

152,867

 

 

その他

164,741

69,046

 

 

流動負債合計

922,326

902,876

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

12,530

-

 

 

リース債務

103,568

84,246

 

 

退職給付引当金

179,329

203,233

 

 

その他

60

60

 

 

固定負債合計

295,487

287,540

 

負債合計

1,217,813

1,190,416

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

205,125

205,125

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

138,075

138,075

 

 

 

資本剰余金合計

138,075

138,075

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

1,826,483

2,145,987

 

 

 

利益剰余金合計

1,826,483

2,145,987

 

 

自己株式

148,231

148,231

 

 

株主資本合計

2,021,451

2,340,955

 

純資産合計

2,021,451

2,340,955

負債純資産合計

3,239,265

3,531,372

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

8,884,452

9,164,321

売上原価

※1 7,739,969

※1 7,924,331

売上総利益

1,144,483

1,239,990

販売費及び一般管理費

※1,※2 826,515

※1,※2 797,563

営業利益

317,967

442,426

営業外収益

 

 

 

受取手数料

2,943

2,275

 

奨励金収入

3,715

-

 

受取利息

※1 1,940

※1 1,358

 

受取保険金

5,011

15,382

 

助成金収入

7,756

12,336

 

受取和解金

10,000

-

 

補助金収入

4,195

28,938

 

為替差益

10,267

8,607

 

その他

1,186

1,344

 

営業外収益合計

47,015

70,243

営業外費用

 

 

 

支払利息

1,978

1,682

 

上場関連費用

11,000

-

 

事業所閉鎖損失

-

1,259

 

その他

2,096

712

 

営業外費用合計

15,075

3,654

経常利益

349,907

509,015

特別利益

 

 

 

受取和解金

-

※3 61,428

 

特別利益合計

-

61,428

特別損失

 

 

 

関係会社貸倒引当金繰入額

※4 30,874

-

 

減損損失

※5 226

※5 31,862

 

固定資産除却損

0

1,116

 

特別損失合計

31,100

32,979

税引前当期純利益

318,806

537,465

法人税、住民税及び事業税

141,695

207,759

法人税等調整額

7,293

27,731

法人税等合計

134,401

180,028

当期純利益

184,404

357,436