株式会社ユニリタ
(注)潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
当社は、当社、株式会社ビジネスコンサルタント、株式会社リンクレア(旧社名ビーコンシステム株式会社)および株式会社ビーコン インフォメーション テクノロジー(旧社名株式会社ソフトウェア・エージー・オブ・ファーイースト)で構成される「ビーコングループ」に属しておりました。ビーコングループは、株式会社ビジネスコンサルタントが母体で、同社から独立した株式会社リンクレアとの2社で形成されております。
これらの各社は、相互に資本関係がありますが、取引、資金および人事の決定過程を通じて、他のビーコングループ各社からの影響は受けておりません。
当社は、1977年7月以後株式会社ソフトウェア・エージー・オブ・ファーイーストが国内で販売していた「A-AUTO」(コンピュータ・システムの複雑なジョブのスケジュールを自動化し、ITシステム運用管理の効率化を実現するツールである日本国産のソフトウェア・プロダクト)を米国市場で販売する目的で、1982年5月、東京都中央区に株式会社ビジネスコンサルタントの子会社(出資比率50.5%)としてスリービー株式会社の商号で設立されました。
1987年10月、スリービー株式会社の社名を「株式会社ビーエスピー」に変更し、「A-AUTO」を輸出するため事業を再開し、1993年7月、当社は株式会社ソフトウェア・エージー・オブ・ファーイーストのITシステム運用関連の事業を継承し、コンピュータ・システム運用管理ソフトウェア・プロダクトの専門会社として本格的な活動を開始いたしました。
その後、2014年1月に、当社は株式会社ビーコン インフォメーション テクノロジーを連結子会社化し、2015年4月には当社が株式会社ビーコン インフォメーション テクノロジーを吸収合併し、株式会社ユニリタに商号変更しました。
当社およびビーコングループ各社の設立年表は以下のとおりであります。

当社グループは、当社(株式会社ユニリタ)と以下、完全子会社である、株式会社ビーエスピーソリューションズ、備実必(上海)軟件科技有限公司(BSP上海)、株式会社ヒューアップテクノロジー、株式会社ビーティス、株式会社データ総研、株式会社ユニ・トランド、株式会社ユニリタプラス、株式会社無限、瀋陽無限軟件開発有限公司、株式会社ユニリタエスアールの11社及び持分法適用の関連会社であるNEVELL株式会社1社で構成されています。(2023年3月31日現在)
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
中期的な収益基盤としてグループの成長投資を支える源泉を担う位置付けです。これまで培ってきたシステム運用領域の事業の強みを進化させDX(デジタルトランスフォーメーション)の環境下における顧客ニーズへの対応力強化と事業効率の追求により、「安心して使い続けていただける」サービス提供と新規事業開発のリソースを創出するものです。
当社はこれまで、自社開発のオープン系パッケージソフトを中心に、システム運用領域では、基幹業務システムの運用を正確・効率的に稼働させるために必要なソフトウェア製品ならびにサービスを提供しています。中でも、メインフレーム事業では、金融機関や生損保、大手製造業のお客様を中心とした基幹業務システムの運用管理のためのメインフレーム(大型汎用機)コンピュータ向け自社ソフトウェア製品の販売・サポート事業を30余年にわたり行っており、業界での競争優位性の源泉となっています。
本事業においては、主に当社および株式会社ビーティスにおいて製品・サービス開発及び顧客への提供を行っており、株式会社ユニリタプラスでは西日本地区で、備実必(上海)軟件科技有限公司(BSP上海)では中国での製品販売と保守サービスを行っています。
当社グループでは、プロダクトの売り方の変化への対応と併せて、これまでの事業で培った知見をもとに顧客のDXを支援するためのクラウド環境でのサービス開発を進めています。
今日のデジタル技術の進化は、顧客ニーズや購買動向を「所有から利用」へと大きく転換させる誘因となっています。この潮流変化は、当社のプロダクトの提供方法についてもサービス化への対応を迫るものですが、同時にマーケットの拡大の機会にもつながります。当社グループにおけるマーケット開拓では、これまでの事業で比率の高かったIT課題解決領域から事業課題、社会課題解決へと領域を拡大することで、顧客がサービスとしての便益を求める新しい市場でスケールするビジネスモデルの構築を目指します。そして、将来の事業の柱として確立させるためにリソースを集中し、次なる収益基盤としての成長を目指します。
本事業においては、主に当社、株式会社ヒューアップテクノロジー、株式会社無限および株式会社ユニ・トランドにて製品開発及び販売、保守サービスを行っております。
当社グループのコアコンピタンスである「データ」「プロセス」「サービス」の3つのマネジメント領域における強みと専門性を持つ子会社群(株式会社ビーエスピーソリューションズ、株式会社データ総研、株式会社無限、株式会社ユニリタエスアール)で構成されています。
本セグメントは、プロダクトサービスやクラウドサービスの顧客価値を高める役割を果たし、グループ事業の第2の成長エンジンとして機能させる位置付けです。顧客がDXの成功体験を実現するためには、ITサービスベンダーとしてもサービス連携における幅広い対応力が求められます。当社グループとしては、業界内でも競争優位性のあるシステム運用やデータマネジメントのコンサルティングから、サービスの導入支援、システムインテグレーション、システム運用のアウトソーシングに至るサービスをワンストップで提供できる体制を構築します。
本事業においては、主に株式会社ビーエスピーソリューションズ、株式会社データ総研、株式会社無限および株式会社ユニリタエスアールにてサービス提供を行っております。
以上に述べた当社グループの事業内容、および関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
<事業系統図>

(注1) 2015年4月1日に株式会社ビーエスピーと株式会社ビーコン インフォメーション テクノロジーは合併し、株式会社ユニリタとなりました。
(注2) 株式会社ユニ・トランドは2016年5月11日に設立されました。
(注3) 株式会社ユニリタプラスは2017年4月3日に設立されました。
(注4) 株式会社無限は2018年2月15日に子会社となりました。
(注5) 株式会社アスペックスは、2018年11月5日に子会社化した株式会社ビジネスアプリケーションを2022年4月1日付にて吸収合併し、社名を株式会社ヒューアップテクノロジーとしました。
なお、関係会社各社の事業内容は、「4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
(注) 1.特定子会社であります。
2.有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。
3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
4.株式会社無限については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1)売上高 3,143百万円
(2)経常利益 177百万円
(3)当期純利益 96百万円
(4)純資産額 508百万円
(5)総資産額 1,497百万円
2023年3月31日現在
(注) 1.国内外の完全子会社のみの従業員を対象としております。
2.従業員数は就業人員であります。
3.全社(共通)は、セグメント共通の営業部門、研究開発部門、人事・総務及び経理等の管理部門
の従業員であります。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員を対象としております。
2.従業員数は就業人員であります。
3.全社(共通)は、セグメント共通の営業部門、研究開発部門、人事・総務及び経理等の管理部門の従
業員であります。
4.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(注) 1.従業員を対象としております。
2.従業員は就業人員であります。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
4.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社の基本方針は、「共感をカタチにし、ユニークを創造するITサービスカンパニーへ」です。当社では、実効性あるコーポレートガバナンスのもと、グループの経営資源とITソリューション力を活かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の両立を実現する経営を目指していきます。
■中期経営計画の進捗状況
2023年度は、当社グループが2021年度から推進している3か年の中期経営計画の最終年度になります。本中計のVISIONである「共感をカタチにし、ユニークを創造するITサービスカンパニーへ」の下、事業会社としての経済的価値と社会貢献による社会的価値の創出の双方を実現することで企業価値向上を図っています。
中計2か年を経過した現在、各セグメントの戦略的役割と事業に関する主な取り組み状況は次のようなものです。
「プロダクトサービス」
これまで培ってきたシステム運用の強みを深化させ持続的に価値を提供するとともに、顧客対応力を強化すべく製品のサービスシフトを行っています。
既存顧客のシステム更改やマイグレーションなどの再構築ニーズに対してクラウドシフトやクラウドリフトを提案し、新たな価値提供をすることで受注を拡大してきました。また、帳票プロダクト事業のサービスシフトとして、電子帳簿保存法やインボイス制度などの法制度改正に対応するニーズを捉え、パートナー企業のサービスと組み合わせた帳票の電子化サービスにより、新たな顧客層を開拓しています。
「クラウドサービス」
当社が主力マーケットとしてきた企業のIT課題の解決に加え、デジタルトランスフォーメーションや働き方改革などの事業課題そして社会課題解決へと領域を拡大することで、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいます。グループで提供するサービスは、マーケットごとに情報システム部門向けの「IT活用クラウド」、事業部門向けの「事業推進クラウド」、社会、公共分野向けの「ソーシャルクラウド」の3つのカテゴリに分類し、それぞれの特性に合わせた成長戦略を展開しています。
「IT活用クラウド」分野では、顧客に提供するサービスを適切に管理し、課題解決と継続的改善を実現するサービスマネジメントサービスがマーケットからの高い評価を受けています。また、ハイブリッド型の働き方が拡大する中、従業員やIT部門の生産性とセキュリティを向上するサービスや、組織間をつなぎ必要な情報を確実に伝えるエンゲージメント向上サービスも売上を拡大しています。
「事業推進クラウド」分野では、グループ内2社の統合により、人事管理と人材派遣業向けサービスの競争力を強化し、事業拡大に弾みをつけています。
「ソーシャルクラウド」分野では、ITを活用した社会課題解決として、農業経営支援クラウドサービスや、地方交通の活性化を支援するITサービスを本格化させています。
「プロフェッショナルサービス」
コンサルティングからサービスの導入支援、システムインテグレーション、アウトソーシングまで、当社グループによるワンストップ型のビジネスを展開し、プロダクトやクラウドサービスの提供価値を高める役割を果たしています。
コンサルティング事業ではデジタルトランスフォーメーションを追い風に、データドリブン経営を志向する企業のデータマネジメントニーズが拡大、また企業が顧客視点のビジネスモデルに転換するためのサービスマネジメントニーズが高まるなど、当社グループのノウハウと実績が、クローズアップされ、受注拡大につながっています。
システムインテグレーション事業では、グループの顧客基盤を活用した販売戦略により、システム開発工程の内製化が進み、顧客提供価値および組織生産性の向上につながっています。
アウトソーシング事業では、事業を分社化し、顧客が自らのコアコンピタンス強化を実現するためのアウトソーシングニーズを機動的に取り込む体制を整備しました。
■環境認識と対処すべき課題
<環境認識>
コロナ禍を契機に、産業界では業務のオンライン化やテレワークが急速に進展し、消費行動ではeコマースの利用が拡大するなど、社会生活、働き方、事業活動など多くの局面でデジタル化をキーワードとした大きな変化が生じました。
そうした中、企業のIT活用のあり方や、DX推進の成果として求めるものにも急速な変化が生じています。例えば、IT活用が管理や効率化といった従来の効率化投資(守り:デジタイゼーション)に留まっていた業界でも、インターネットを介した営業・販売活動や顧客接点のオンライン化など、ビジネスモデルの変革を目的としたバリューアップ投資(攻め:デジタライゼーション)が急速に拡大しています。
<対処すべき課題>
こうした変化は、IT投資に関する顧客層の拡がりとニーズの多様化をもたらし、その潮流は、ITビジネスのマーケットを変化させ、IT業界が提供する価値やサービスのあり方の変化へとつながっています。このような環境下、当社グループとしては、「環境変化に対応した顧客起点の発想と行動の変化」、「顧客の成功を実現するための事業プロセスの変革」、「経営戦略を実現するための人的資本の強化」が重要になるものと考えます。
■2023年度の取り組み
当社グループではお客様の課題を解決し、ビジネスの成功をより確実なものにするために、強みである、「データ」「サービス」「プロセス」の「3つのITマネジメント力」を最大化できる組織体制を敷いています。この体制の下、①顧客との新たなリレーションシップの構築、②サービスシフトに向けた事業プロセスの変革、③CSV経営を実現するための人的投資の強化、をテーマとした施策を推進する計画です。
<2023年度施策>
① 顧客との新たなリレーションシップの構築
●クラウドサービスの提供による新たなリレーションの創出
●パートナー企業との協業による新規顧客開拓
●グループ各社の強みを結集した提案力の強化
② サービスシフトに向けた事業プロセスの変革
●システム運用に関するサービスプロセスの標準化・最適化
●新規サービス開発の体制強化と新技術への対応
●サービスシフトに対応した品質マネジメントの継続的改善
③ CSV経営を実現するための人的投資の強化
●ユニリタグループの経営戦略を実現するための人材の育成
●個々の潜在能力を引き出して新しいビジネスを創造できる人材の育成
●個々の力を活かすことができる環境、働き方の変革
当社グループでは、上記の戦略と施策に基づき、ITを活用した社会課題の解決を通じ、経済的価値と社会的価値の両立を実現するべく、事業活動に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、これらは当連結会計年度末現在において判断したものです。
世界規模で加速するデジタルトランスフォーメーション(DX)の環境下では、今後、新たなデジタルビジネスの立ち上がりや、ゲームチェンジャーともいうべき企業の出現、さらには想定外の変化の発生も考えられます。デジタル技術の革新スピードは速く、その方向性を予測することは極めて難しいため、当社グループが先進技術に適合した魅力的な新サービスをタイムリーに開発できるとは限りません。当社グループは、サステナブルな社会基盤を支えるお客様のDXを支援するべく、当社の強みを深化させた高付加価値型のサービス事業を推進してまいりますが、加速化するデジタル技術の革新スピードやお客様ニーズに適応できない場合、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、中期経営計画の進捗管理やローリングを通じ、かかる環境変化によるリスクの低減を図っております。
当社グループのプロダクトサービス事業やクラウドサービス事業においては、お客様の高度なデータ活用を担うプロダクトやサービスならびにシステム運用の自動化や帳票管理など特定領域向けのプロダクトやサービスの提供を行っています。現在のデジタル技術の進化のスピードは極めて速く、競争環境の中で、当社グループの事業領域への参入を図るためのお客様の囲い込み、あるいはオープンソース方式による類似機能のソフトウエアの提供などにより、プロダクトやサービスの提供による収益が極端に減少し、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループの各事業において、完成責任を負う請負契約で受注した場合、契約内容の曖昧性等による当初想定していた見積りからの乖離や、開発段階に当初想定し得ない技術的な問題、プロジェクト管理等の問題が発生し、請負金額に対しコスト超過となることがあります。このような不採算案件が発生した場合、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのプロダクトサービス事業におけるメインフレーム事業は、現在、高い収益性を保持しています。本事業の製品は、お客様の基幹システムに多く組み込まれているため、オペレーティングシステム(OS)の変更等に伴う保守サービスが重要であり、本事業の安定的な収益源になっております。しかしながら、企業の統廃合、IT技術革新、クラウド化の進展等により従来のメインフレームコンピュータが使用されなくなったり、当社グループが適時適切に製品の改良版の提供ができず、保守サービスの解約が急激に増加したりした場合、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、競争力を維持し顧客の需要を喚起し、ユニークな製品やサービスを持続的に提供していくために研究開発投資を積極的に推進する計画です。当社グループは、「サービス提供型事業の創出」戦略の下、システム運用の強みを活かしたプロダクトのサービス化とクラウドサービスのカテゴリ別戦略でサービス提供型事業の売上を拡大させることを目標に、研究開発投資を継続的に行っています。しかしながら、絶えず変化する市場動向を適時的確に把握できない場合や技術開発で競合他社に先行されてしまう場合等、開発投資からの収益化に成功しない可能性があります。
当社グループは、業務遂行上、お客様が保有するさまざまな機密情報に接する機会が多いため、情報セキュリティに関する体制を強化し、必要な社員教育等を行うことでかかる事態を予防するとともに事態が発生した際の損失を最小化するための体制を構築しております。しかしながら、このような機密情報の取り扱いに関し、万一、何らかの理由で紛失、破壊、漏洩等が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下や失墜、損害賠償責任の発生等により、当社グループの業績および事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、グループ法務機能を強化し、必要な社員教育等を行うことで訴訟リスクを軽減するとともに訴訟等の事態が発生した際の損失を最小化するための体制を構築しております。
しかしながら、当社グループの製品やサービスが、他人の特許等の存在を知らずに使用したことによる知的財産権侵害などを理由とした訴訟その他の請求(以下「訴訟等」といいます)の対象とされる可能性があるほか、当社グループの製品やサービスに起因するシステム障害などによってお客様に損害を与え、このために訴訟等を提起される可能性もあり、その訴訟等の内容によっては、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、技術革新のスピードの速いIT業界にあってマーケットニーズに俊敏に対応し持続的成長を実現するために、M&Aおよび資本・業務提携を重要な成長戦略の要素と考えています。当社グループは、事業を補完し成長させるために、他企業の買収、他企業への出資、他企業との提携および協力体制構築等の検討を行い、その結果、当社グループの業績に貢献すると判断した場合には、これらを実行することがあり得ます。これらの実行にあたっては、対象となる企業の財務・税務・法務・事業内容等に関するデューデリジェンス(買収監査)を行い、意思決定のために必要な情報収集のもと各種リスクの低減を図りますが、実行後に次のような事項が発生することを完全に払拭することはできません。すなわち、市場および競争環境に著しい変化が生じた場合、事前に認識していなかった問題が顕在化した場合、買収した事業における優秀な人材を保持し又は従業員の士気を維持することができない場合、当初想定した計画との間に齟齬が生じ当社グループの期待する成果が得られない場合等には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
異常気象や地震等により突如引き起こされる大きな災害は、社会のライフラインを一瞬で破壊します。IT業界においても、電力供給の停止や制限下におけるデータ管理、システム運用を保持することの重要性がクローズアップされています。当社グループにおいても、提供する製品やサービスが社会インフラの維持に関わっているという認識を強く持ち、危機管理委員会によるBCP計画策定などを通じ、災害対策には十分配慮してまいりますが、想定を超えた災害等が発生した場合、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。
新型コロナ感染症拡大という未曾有の被害は、社会や経済、生活のあり方まで一変させました。コロナ禍のニューノーマルへの取り組みは、社会全体のデジタル変革をも加速させており、このような環境下、当社グループでは、強みとする「データマネジメント」「サービスマネジメント」「プロセスマネジメント」を基盤としたノウハウやソリューションをもとにウィズ・コロナ、アフター・コロナのマーケットニーズに対応する計画です。しかしながら、このようなパンデミックへの対応は、社会や産業界においても想定外の事項が多数発生するものであります。そのような状況下、企業の緊急対応によって通常のシステム投資が抑制されることにより、当社グループの推進する事業計画の進捗を阻害する場合があり、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、以上に述べた事項は当社グループの事業活動その他に係る全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外のリスクも存在しています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、上半期から下半期の移行とともに新型コロナ感染症に対する政府の対応が変化し、全国旅行支援の開始や海外からの入国制限の緩和などにより経済活動の再開につながりました。個人消費は物価高の影響を受けつつも、飲食・宿泊などのサービス消費を中心に回復が続き、訪日外国人数の急増に伴うインバウンド消費の回復も鮮明になりました。設備投資も回復基調は継続しており、なかでもDX推進を追い風にしたITおよびソフトウェア投資の堅調な状況は継続しています。
しかし、景況感全体としては、回復基調は維持されてはいるものの、海外経済の減速および国内の実質所得減少の影響もあり回復ペースは鈍いものとなりました。
そのような中、国内IT市場では、投資テーマとして、eコマースの強化、AIを活用したコールセンター向け投資、デジタルマーケティング関連への投資、競争力や顧客エンゲージメントを高めるための施策などへの投資が目立ってきました。また、2022年1月に施行された電子帳簿保存法、2023年10月に施行予定のインボイス制度などへの対応も市場を後押しし、企業のIT投資は堅調な成長が続いています。
企業のDXへの取り組みも模索段階を過ぎようとしている現在、企業が自社の価値を向上させるためのDX推進に取り組む姿勢や投資ニーズとしては、「クラウドファースト」から「最適なプラットフォーム選択」へと、自社の実情を踏まえた企業価値向上につなげる実践フェーズに移行してきています。
当社グループでは、このような企業のIT投資ニーズに対して、「データ」「サービス」「プロセス」の「3つのITマネジメント力※」に関する技術とノウハウの強みをもとにお客様の事業変革とIT課題解決を支援しています。
そして、当社グループでは、中期経営計画(2021年度から2023年度)の基本方針「共感をカタチにし、ユニークを創造するITサービスカンパニーへ」の下、いままでのIT課題に加え、事業課題、社会課題の解決までをカバーする事業を展開してきました。
現在、企業のDXへの取り組みは、デジタイゼーション(効率化投資)に加え、デジタルによる収益貢献を目指すデジタライゼーション(バリューアップ投資)領域へと本格的な投資が拡大しています。
効率化投資の領域では、業務効率化のためのシステム更改やマイグレーションニーズに加え、複雑化・多様化している企業のITリソースをDX推進にあたり最適な運用や管理体制として維持するためのサービスマネジメントへの対応ニーズが顕在化しています。
バリューアップ投資の領域では、DXを推進する際にカギとなるデータの価値化と活用にあたり、社内に蓄積、散在しているデータ統合と管理のあり方が経営課題となる中、データマネジメントの重要性が認識されています。また、組織間コミュニケーション基盤構築への対応ニーズも顕在化しています。
このような事業環境の中、当社グループでは、グループの強みである「3つのマネジメント力」に基づく顧客アプローチが奏功し、当連結会計年度の業績は、前期比増収増益となりました。
売上面では、プロダクトサービス、クラウドサービス、プロフェッショナルサービスの3セグメントともに期初計画を上回り、売上高115億49百万円(前期比10.6%増)となりました。
利益面では、増収効果による営業増益、持分法投資利益の増大や計画外の営業外収益の計上等による経常増益、親会社株主に帰属する当期純利益では固定資産の売却に伴う税効果の発生等も寄与し、営業利益9億15百万円(同32.1%増)、経常利益11億32百万円(同36.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7億52百万円(同44.1%増)となりました。
<セグメント業績>
セグメントごとの業績は次のとおりです。
プロダクトサービス
自動化・帳票プロダクト事業では、プロアクティブな営業活動により、システム更改や再構築によるクラウドリフトおよびマイグレーションに対する提案機会が増加し、堅調な受注につながりました。また、法改正に伴う電子化対応の動きを追い風に、電子配信に対応した新サービスが堅調な立ち上がりとなり、来期以降の引き合いも増加しています。
利益面では、メインフレーム事業において、金融業界で行われたシステム増強投資が一巡した影響を受けました。
クラウドサービス
IT活用クラウド事業では、サービスデスクの品質向上やDX推進にあたり必要性が増すITリソースの最適管理を実現するサービスマネジメント製品が好調に推移しました。また、コロナ禍でのリモートワークを支える基盤としての機能を持つサービスも好調に推移し、ハイブリッド型の働き方が拡大する中、引き合いが増加しています。
事業推進クラウド事業では、アフターコロナでのリアル勤務への回帰や景気回復に伴う企業の人材不足などを受け、企業の通勤費管理や人材ビジネス向けの人事管理クラウドサービスが伸長しました。
ソーシャルクラウド事業における、地方交通の活性化を移動体IoT技術で支援するサービスでは、アフターコロナの人流の復活やマーケットニーズの変化を捉え、交通に関する課題を抱える自治体向けへと販売戦略を転換したことが奏功し受注が増加しました。しかしながら損益面の回復では課題を残しました。
なお、損益面では、好調な主力サービス群の売上に支えられ、第4四半期の営業利益が53百万円となり、当連結会計年度では前期の△3億65百万円から1億68百万円改善しました。
プロフェッショナルサービス
データドリブン経営を志向する企業にデータからアプローチするデータマネジメントや、バリューアップ投資として顧客視点で事業を拡大するためのサービスマネジメントニーズが顕在化しています。それらの動向を受け、コンサルティング事業では、この分野における当社グループ企業の持つノウハウと実績が評価され、受注が増加しました。
システムインテグレーション事業では、DX推進ニーズの高まりを受けたパートナー企業からの案件増加に加え、グループの顧客基盤を活用した高付加価値案件受注への注力により収益性が向上しました。
アウトソーシング事業では、DX投資を背景としたシステム運用のアウトソーシング需要を捉え、システム運用代行サービスが堅調に推移しました。また、プロダクト・クラウド両セグメントの各種サービスにシステム運用サービスを加えた提案が、競争力の向上に寄与しました。
(脚注)
・サービスシフト
顧客の求める価値が商品そのものから、その商品を使うことで「どんな問題を解決できるか」や、さらには「どんな体験・感動を得られるか」へと移行する中、従来型のモノ自体の品質や機能の提供から、それを使用する局面、使用することで得られる価値をサービスとして提供することへと移行していくこと。
・マイグレーション
「移動、移住、移転」を意味する英語の「migration」が語源。IT分野では、ソフトウェアやハードウェア、システム、データ、開発言語などを別のプラットフォームに移行したり、新しいシステムに切り替えたりすることを意味する。たとえば、企業がコンピューターを買い替えたときや、合併するなどしてシステムを統合したときにマイグレーションが必要となる。
・カスタマーサクセス
「顧客が自社の課題を解決し、成功することを導く」サービスを指す。企業側から見たとき、“カスタマーサポート”がエンドユーザからの問い合わせに受動的に対応するサービスであるのに対し、“カスタマーサクセス”はエンドユーザのサービス利用状況に応じて能動的にアプローチする姿勢を指している。
資産、負債及び純資産の状況として、当期末における資産は、前期末と比較して7億71百万円増加し151億35百万円となりました。これは主に、現金及び預金が7億73百万円、売掛金が2億35百万円及び投資有価証券が1億9百万円増加した一方で、土地が57百万円、ソフトウエアが1億29百万円及びのれんが75百万円減少したことによるものであります。
負債は、前期末と比較して4億10百万円増加し38億5百万円となりました。これは主に、買掛金が1億27百万円、未払法人税等が55百万円及び前受収益が40百万円増加した一方で、役員賞与引当金が35百万円及び長期未払金が20百万円減少したことによるものであります。
純資産は、前期末と比較して3億60百万円増加し113億29百万円となりました。これは主に、利益剰余金が2億40百万円及びその他有価証券評価差額金が77百万円増加したのに加え、自己株式が34百万円減少したことによるものであります。利益剰余金については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により7億52百万円増加し、配当金の支払いにより5億12百万円減少しております。
この結果、当期末の自己資本比率は74.9%(前期末は76.4%)となりました。
当期末における現金及び現金同等物(以下、資金)は前期末と比較して7億73百万円増加し、80億53百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は14億86百万円となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上10億83百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は2億1百万円となりました。主な資金減少要因は、ソフトウェア開発に伴う無形固定資産の取得による支出2億37百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は5億13百万円となりました。支出の主な内容は、配当金の支払額5億12百万円であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.仕入高は主にロイヤリティであります。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.当連結会計年度において、受注実績および受注残高に著しい変動がありました。これは、プロフェッショナルサービス事業において、顧客企業におけるデジタルトランスフォーメーションの推進のためのコンサルティングや定型業務のアウトソーシングに対する需要拡大を受け、これらに関連するサービスの受注単価及び件数が増大したことによるものです。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(以下、「当期」)の損益の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当期末における資産、負債及び純資産に関する状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
当期のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
当社グループの第三者に対する保証は、ユニリタ共済会の金融機関からの借入金に対する債務保証であり、2023年3月31日現在の債務残高は、36,244千円であります。
当社グループは、運転資金および設備資金につきましては、自己資金により資金調達することとしております。
また、金融機関との間で10億円のコミットメントライン契約を締結しておりますが、当連結会計年度末において当契約に係る借入れは実行されておりません(借入未実行残高10億円)。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
(注) 1.当社の事業形態上、全ての設備をセグメント別に配分することは困難でありますが、ソフトウエアに含まれる市場販売目的のソフトウエアのうち、セグメント情報に明確に関連付けることが可能な資産は次のとおりであります。
クラウドサービス 74,541千円
プロダクトサービス 197,975千円
2.主要な賃借設備は、本社および各事業所事務所であり、賃借料の合計は99百万円(年間)であります。
(2) 国内子会社
(注) 1.㈱無限については、ソフトウエアのうち市場販売目的のソフトウエアは222,463千円であり、「クラウドサービス」及び「プロフェッショナルサービス」の両セグメントにおいて事業の用に供しておりますが、同社の事業形態により当該ソフトウエアを各セグメントに明確に関連付けることは困難であります。
2.主要な賃借設備は、各本社であり、賃借料の合計は57百万円(年間)であります。
主要な設備はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 自己株式を消却したものであります。
(注) 自己株式452,676株は、「個人その他」に4,526単元及び「単元未満株式の状況」に76株を含めて記載しております。
2023年3月31日現在
(注) 上記のほか当社所有の自己株式452,676株があります。
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別の事業会社及び事業部門を置き、各事業会社及び事業部門は、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、事業会社及び事業部門を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「プロダクトサービス」、「クラウドサービス」及び「プロフェッショナルサービス」の3つを報告セグメントとしております。
「プロダクトサービス」はITシステム運用領域を主とするメインフレームシステム及びオープン系システム向けの各種パッケージソフトウェアの開発・販売及び保守サービス等の提供を行う事業であり、「クラウドサービス」は、IT課題、事業課題および社会課題解決に向けた各種クラウドサービスの提供を主に行う事業であります。「プロフェッショナルサービス」は、データマネジメント、サービスマネジメント、プロセスマネジメントに関するノウハウを基に、「プロダクトサービス」及び「クラウドサービス」の両事業にて提供する製品やサービスの付加価値を高めるようなコンサルティングやシステムインテグレーション、各種技術支援の提供を行う事業であります。