株式会社日本M&Aセンターホールディングス
(注) 1 2021年4月1日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。第28期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第31期の期首から適用しており、第31期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3 第30期における数値は、過年度の決算訂正を反映した数値となっております。なお、同期間の訂正後の有価証券報告書については、2022年2月14日に提出しております。
(注) 1 2021年4月1日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。第28期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。
2 第31期の1株当たり配当額18円には、設立30周年記念配当3円を含んでおります。
3 提出会社は第31期より純粋持株会社となっており、従業員はおりません。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。2021年4月1日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っており、※印は株式分割による権利落後の株価であります。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第31期の期首から適用しており、第31期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
6 第30期における数値は、過年度の決算訂正を反映した数値となっております。なお、同期間の訂正後の有価証券報告書については、2022年2月14日に提出しております。
※1 2023年3月31日現在、地域M&Aセンターは1,033拠点となっています。
※2 現在では、信金キャピタル株式会社(信金中央金庫の100%子会社)及び全国の信用金庫と業務提携契約を締結しており、212の信用金庫と業務提携をしています(2023年3月31日現在)。
当社グループは、当社、連結子会社10社及び持分法適用関連会社7社で構成されております。
当社グループはM&A(企業の合併・買収)の仲介業務を主たる事業としており、M&Aにおけるすべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるM&A総合企業を標榜しています。
国内の中堅中小企業の案件を中心に業務を行っており、M&A業務を通じて企業の存続と発展に貢献することを企業理念として掲げております。
企業は社会の公器であります。その公器たる企業の深刻な後継者問題・先行き不安問題を解決し、事業を存続させること、そしてさらに、相乗効果の発揮によりその事業を発展させ、譲渡側・譲受側の両当事者はもとより、従業員、取引先等のステークホルダー全員が幸福になる友好的M&Aを実践すること、これらのことが、当社グループの社会的ミッションであり、当社グループは構築した全国的情報ネットワークを基盤にM&Aのプラットフォームの役割を担うべきものと考えております。
なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
当社グループの事業は、M&Aの仲介事業という単一の事業セグメントであります。当社グループの売上分類といたしましては、(1)M&A仲介事業、(2)その他の事業に区分されております。
(当社グループのM&A仲介業務について)
M&Aの仲介業務を遂行するためには優良な案件情報が最も大切ですが、当社グループでは案件情報に下記のとおり多面的にアプローチすることにより、それらを効率的に取得しています。
・金融機関、会計事務所等を中心とした当社の情報ネットワークを通じてのアプローチ
・上場企業を含む一般事業法人、ファンド等に直接コンタクトし、また、各種ダイレクトマーケティングの手法により潜在的顧客に直接コンタクトするアプローチ
・特定の業種に専門特化し、専門的知見に基づくコンサルテーションによるアプローチ
これらを効率よくかつ専門的にサポートするためのそれぞれの部署を設置し営業活動をしています。
当社グループは、2008年7月に、株式会社矢野経済研究所を持分法適用関連会社としました。当社グループと市場調査のパイオニア企業である株式会社矢野経済研究所が協業することにより、市場動向等のより的確な把握に基づく効果的なM&Aマッチングを推進しております。
M&A周辺分野といたしましては、日本プライベートエクイティ株式会社を2000年10月に設立して以来、同社を通じて事業承継をテーマとするファンド運営事業を行っております。また、2018年1月には、株式会社日本政策投資銀行と合弁で株式会社日本投資ファンドを設立し、成長戦略をテーマしたファンド運営事業も開始いたしました。
加えて、2020年10月には、伊藤公健氏、キャリアインキュベーション株式会社、株式会社日本政策投資銀行と合弁で株式会社サーチファンド・ジャパンを設立し、個人によるM&A支援をテーマとしたファンド運営事業も開始いたしました。
なお、2016年1月に設立した当社の連結子会社である株式会社企業評価総合研究所は、企業評価に係る業務を行っております。
2018年4月には、株式会社バトンズ及び株式会社日本PMIコンサルティングを新設いたしました。株式会社バトンズは、小規模事業者が活用できるインターネットによるM&Aマッチングサービス事業を行っております。株式会社日本PMIコンサルティングは、M&Aを成約した後に、速やかかつ円滑に事業統合するためのコンサルティング事業を行っております。
今後、中長期的には、多様な対象会社に対し、M&Aにおけるすべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるM&A総合企業へと飛躍することを目指しています。
(当社グループのM&A仲介業務の流れ)
当社グループのM&A仲介業務の流れは以下のとおりです。

1 マーケティング
M&A仲介業務において、優良な譲渡企業の開発が最重要テーマです。これらの会社に関する信頼性の高い情報を数多く入手するために、当社グループでは多面的なアプローチによる案件カバー率の向上に取組んでおります。
譲渡企業から個別相談がありましたら、譲渡の可能性、譲渡理由、案件の信頼性、概算価格などを検討し、受託審査を実施します。受託審査は当社のリスク管理上重要な役割を果たすのみならず、当社の案件の信頼性向上に寄与しております。
受託審査を通過した譲渡企業と「提携仲介契約」を締結し、「着手金」を受領いたします。
着手金は会社規模に応じて通常100万円~300万円程となっております。
次のステップとして、譲渡企業の内容を正確に把握し、譲受企業への提案目的の資料を作成します。このステップを当社グループでは案件化と呼びます。案件化では以下の事を行います。
① 企業情報資料の収集(会社案内、登記事項証明書、決算書などの資料の収集)
② 当社所定のインタビューシートの完成(各種定性情報のインタビュー)
③ 企業評価(企業価値参考価格の算定)
④ 譲受企業への提案書(企業概要書など)の作成
当社グループでは特にこの案件化のステップを重視してノウハウを構築しています。
譲渡企業の特徴、業界の特性、価格等が調査できましたら、譲受企業候補をリストアップし、譲渡企業の経営者と共に最適な譲受企業を選定します。
選定された譲受企業に対して、譲渡企業を提案します。秘密保持の観点から最初の打診は企業名を伏せたA4で1枚程度の「ノンネーム企業情報資料」により行います。譲受企業が、さらなる検討を希望した場合は「秘密保持契約」を締結し、企業名・業績・業界特性などが記載された「企業概要書」を提出いたします。
企業概要書により譲受企業が本格的にM&Aの検討の開始を希望すれば、譲受企業と「提携仲介契約」を締結し、「着手金」を受領いたします。着手金は会社規模に応じて通常100万円~500万円程となっております。「提携仲介契約」の締結先は、上記プロセスと並行して実施される受託審査通過企業に限られます。
ここでは、譲渡企業と譲受企業の交渉及び契約内容の調整と進捗管理を行います。
まず、譲渡企業と譲受企業の面談、現場見学などにより企業文化や経営者の人間性などの相互確認を促進しつつ、買収条件の交渉の調整を行います。
両者で一定の合意ができた場合、今までの条件交渉の結果を確認する「基本合意契約」を締結していただきます。
次に、譲受企業は「買収した後のリスクの確認」「譲渡企業の企業価値の確認」等を目的として、譲渡企業の内容確認を行うために買収監査(デューデリジェンス)を実施します。通常は公認会計士が決算書に関して「資産の実在性」、「負債の網羅性」等を譲渡企業へ出向いて調査します。近年では会計監査のみならず、弁護士による法務監査や土壌汚染調査等、監査の範囲が広がりつつあります。当社はこの買収監査の範囲の調整や買収監査がスムースに行えるような準備の支援について助言します。
買収監査の結果に基づき、譲渡企業と譲受企業の最終的な条件交渉が行われ、譲渡企業の社長や従業員の処遇などの細目の決定において当社グループは調整を行います。そして全ての条件項目が決定した段階で当事者間は最終契約を締結します。通常は、最終契約締結時に譲渡企業の株式を譲受企業が取得し、経営権が譲受企業に移行します。
当社グループは、これらの一連の作業が終了した時点で「成功報酬」を受領いたします。成功報酬は時価総資産に料率を乗じて算出します。料率は企業規模が大きくなるにつれて逓減するレーマン方式のテーブルを用います。成功報酬受領後、案件の紹介者に対して一定の紹介料をお支払いいたします。
(2) その他の事業
その他の事業としては、前記のとおり各地域の会計事務所が運営する地域M&Aセンター(2023年3月31日現在1,033拠点)の会員組織の運営(会費収入)等があります。
また、当社グループは、新たなる事業展開として、東京証券取引所が運営するプロ投資家向けの株式市場であるTOKYO PRO Marketへの上場を支援すべく、2019年7月にJ-Adviser資格を取得いたしました。
TOKYO PRO Marketへの上場支援を通じて、中堅中小企業の事業承継と成長戦略を促進させるとともに、日本全国の地方創生に貢献してまいります。
事業の系統図

(注) 1 有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。
2 特定子会社であります。
3 連結財務諸表に重要な影響を与えている債務超過の会社はありません。
4 株式会社日本M&Aセンターについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上高 39,811,945千円
② 経常利益 14,556,266千円
③ 当期純利益 9,324,625千円
④ 純資産額 22,925,035千円
⑤ 総資産額 33,284,949千円
5 「議決権の所有割合(%)」欄の〔外書〕は緊密な者等の所有割合であります。
6 「議決権の所有割合(%)」欄には、当該投資事業有限責任組合に対する出資割合を記載しております。
また、日本投資ファンド第1号投資事業有限責任組合の持分は、20%未満でありますが、実質的な影響力を持っているため関連会社としております。
2023年3月31日現在
(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3 臨時従業員には、パートタイマー、派遣社員を含んでおります。
4 上記の他、受入出向者が90名おります。
5 前連結会計年度末に比べ従業員数が111名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。
提出会社は純粋持株会社であるため従業員はおりません。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.男女ともにコンサルタント職の平均給与が高いことに加え、女性コンサルタントに比べて男性コンサルタントの比率が高いことから、男女の賃金差異が生じております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「M&A業務を通じて企業の存続と発展に貢献する」ことを企業理念として掲げております。企業は社会の公器であります。その公器たる企業の深刻な後継者問題・先行き不安問題を解決し事業を存続させること、そしてさらに相乗効果の発揮によりその事業を発展させ譲渡側・譲受側の両当事者はもとより、従業員、取引先等のステークホルダー全員が幸福になる友好的M&Aを実践すること、このことが当社グループの社会的ミッションであり、当社は構築した全国的情報ネットワークを基盤にM&Aのプラットフォームの役割を担うべきものと考えております。
以上の企業理念に基づき、企業の存続と発展のためのM&A仲介業務を通じて顧客に対して常に付加価値の高い役務を提供することにより積極的な成長カーブでの業績アップを図り、配当も確実に実行していくことを通じて株主の皆様方をはじめとするステークホルダーの方々に報いることを経営方針としております。
国内M&Aマーケットの中でも当社グループがメインターゲットとしている後継者問題解決のための中堅中小企業のM&Aマーケットは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境等を背景に今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは現時点では考えにくいものと当社グループでは考えております。
当社グループでは、企業理念の実現を通じて企業価値の向上を図るため、以下のテーマを自らに課して業務を推進しております。
①コンプライアンス重視の経営
前連結会計年度において当社の連結子会社である株式会社日本M&Aセンターの売上の期間帰属等に関して不適切な報告が発見されたことから、本件事案を厳粛に受け止めるとともに、以下の再発防止策を着実に実行することにより、ステークホルダーの皆様からの信頼回復に努めてまいる所存です。
・経営陣によるコンプライアンス重視の経営理念の策定と経営方針の明確化
当社代表取締役社長三宅卓が2022年4月9日開催の「経営方針発表会」において、コンプライアンスを基礎とした経営を行っていく旨の声明を行い、2022年度の経営方針とともにグループ全社員に向けて発表いたしました。また、2022年10月にはパーパスを策定し、全社員に対しパーパス実現のための研修を行いました。加えて、2023年1月にはそのパーパスを日常の行動指針に落とし込んだフィロソフィーを策定し、同様に全社員に対しフィロソフィー研修を行う等、コンプライアンス意識の醸成・組織文化への定着を図っております。
さらには来客用ペットボトルへのパーパス印刷、社内ポスター等により、内外共にパーパスやフィロソフィーが当社の文化として浸透するよう努めております。
・コンプライアンス所管部署及びチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)の創設によるリスクマネジメントの強化
2022年7月1日付で当社及び株式会社日本M&Aセンターにおいてコンプライアンス統括部の責任者であるチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)が就任し、コンプライアンス関連のルールの見直しやグループコンプライアンス体制の構築準備を行う等、コンプライアンス体制の充実を図りました。また、CCOがリスクマネジメント委員会委員長を兼任することでリスクマネジメントの強化を図っております。
・実効性のあるコンプライアンス研修・教育の実施
本件不適切報告の再発防止のためには、管理職以上の意識改革が急務との認識のもと、2022年3月に外部講師による株式会社日本M&Aセンターの管理職向けのコンプライアンス研修を実施するとともに、当連結会計年度においてもコンプライアンス教育体制を整備し、役員・全社員を対象として定期的にコンプライアンス研修を実施いたしました。
また、当社グループ役員・全社員が遵守すべき「コンプライアンス行動指針10か条」を新パーパス、フィロソフィーの制定に伴い、「グループコンプライアンス基本指針」に改定し、周知徹底を行うことで継続的にコンプライアンス意識の醸成を図っております。
・総合的な人事評価の採用及び四半期業績達成に関する経営管理手法の見直し
株式会社日本M&Aセンターの人事評価につきましては、昇給要件に「倫理観」の項目を盛り込み、多面的かつ定性的な評価を実現する新人事制度を策定し、当連結会計年度の評価から新制度での運用を開始しております。
・通報窓口の充実強化、営業部門のキーパーソンとの定期的な面談の実施
2022年3月に当社グループの内部通報窓口をより分かりやすくするため、社内ポータルサイトのトップページに設置し、全社員に周知しております。また、CCO就任後はコンプライアンス統括部により内部通報制度を再整備いたしました。
加えて当連結会計年度より株式会社日本M&Aセンターの営業部門のグループリーダー職以上のキーパーソンとCCO又は当社の社外取締役との定期的な面談を実施し、営業部門とコンプライアンス部門等との間に定期的にコミュニケーションの機会を設けることで、信頼関係を涵養し、不正の未然防止・早期発見に役立ててまいります。
・監査・監督部門の体制強化
監査体制強化の柱として、2022年7月1日から内部監査経験の豊富な「内部監査部門の専担者」が入社しており、監査・監督体制の強化に努めております。
・本件不適切報告に係る責任の明確化と営業組織の見直し
本件不適切報告を受け、社内規程に則り厳正な処分を実施いたしました。
加えて株式会社日本M&Aセンターの営業組織につきましても2022年4月1日より営業部門のトップ及び傘下の事業部長・部長陣を再編成し、組織の見直しを行いました。
・売上報告及び売上計上に関する業務フローの再構築
従来のフローでは案件担当者が株式譲渡契約書・基本合意書のコピーを入手し、それを証憑として売上を計上していたため、そのコピーを改竄することで不適切な報告をする余地がありました。
このフローを変更し、譲渡企業と譲受企業それぞれから株式譲渡契約書・基本合意書のコピーを入手し、かつ双方から当該契約が締結されたこと等を明記した確認書の原本を入手することにより、各契約を締結した事実を確認するフローを構築いたしました。これらフローの改定により、営業担当者による不適切な報告を排除するフローに変更し、2022年3月より実施しております。
・契約文書等ドキュメント管理の徹底
2022年3月1日付で文書管理課を新設し、当連結会計年度より新業務フローに基づき、文書管理ルールの策定、システム改修を順次行ってまいります。
・業務管理部、プロセス管理部の新設
業務や業務プロセスを正確に正しく行うことが不正防止と顧客満足に繋がり、結果として生産性の向上に直結するとの考えから、業務管理部、プロセス管理部を新設し、業務管理部はドキュメント管理部と、プロセス管理部は品質本部とそれぞれ連携して業務の健全化と品質向上を目指しています。
②生産性の向上(「成約単価」及び「コンサルタント1人当たり売上高」の改善)
当連結会計年度は、過去最多の成約件数(1,050件、譲渡・譲受は別カウント)を記録したものの、成約単価の低下により売上高は微増に留まり、コンサルタント1人当たりの売上高の低下により、前年比で増収減益となりました。
当連結会計年度の上記の状況に対し、当社グループは次連結会計年度以降、下記の改善策を実行してまいります。
・マネジメント体制の適正化
営業本部において1部署がマネジメントする人数は合計15名程度が最適であると判断しております。当連結会計年度においては中堅層の退職により適切なチーム編成によるマネジメントができなかった面がありました。次連結会計年度以降、成長した中堅層を部長、チームリーダーに登用し、1部署のマネジメント人数を合計15名程度とすることで、継続的に組織の最適化を図ってまいります。
・人材育成制度の強化、充実
当連結会計年度においては上記の中堅層の退職等も起因し、コンサルタント1人当たりの成約件数が低下いたしました。次連結会計年度以降、下記の施策により人材育成制度の強化、充実を図ってまいります。
(1)社歴1年未満のコンサルタントに対しては、先輩社員とペアを組んで、案件成約まで一体となり案件遂行するOJT制度(2in1制度)を再開いたしました。
(2)社歴3年以下の新人層、社歴4年目からの中堅層、グループリーダーたるベテラン層と階層別の育成制度を更に充実させ、当社グループで成功しているコンサルタントのノウハウを共有し、当社グループのコンサルタントとしての基本理念・基本行動を伝承する研修を継続して実施いたします。
(3)各地域拠点に拠点責任者、副責任者制度を導入し、現地でのきめ細かな指導を可能とする体制を構築いたします。
(4)離職率の改善も大きなテーマです。不祥事に関係する離職は減少して落ち着いていますが、さらに定着率を良くすることで生産性の向上が見込めます。上記の施策が定着率の向上に寄与すると期待しています。
・ミッドキャップ案件への取組の強化
当連結会計年度においては、ミッドキャップ企業(売上高10億円以上または利益5千万以上の企業)向けの企画を中断しておりました。当連結会計年度第3四半期以降はこれを再開し、さらにバージョンアップしたうえで専門の担当部署による取組を行ってまいりました。次連結会計年度はこれをさらに強化してまいります。
・新規の譲渡受託件数の増加のための取組
当連結会計年度においては2022年11月まで大規模セミナーを中断し、また、ダイレクトメールの発送も制限しておりました。次連結会計年度以降、大規模セミナーを本格再開するとともに、地域特化戦略を新潟県において実験的に実施する等、ダイレクト戦略を見直し、強化いたします。
③コンサルタントの積極的採用と研修制度のさらなる充実等による人材の育成
中堅中小企業のM&Aの潜在的全需要からすれば当社グループのシェアは数パーセントに過ぎないものと考えております。
今後、より多くの経営者の方々にM&Aによるソリューションを提供し、業績拡大を実現するために、当社グループでは、引き続きコンサルタントの採用を推進し毎年着実な増員を図っていく予定であります。
併せて、前項に記載の研修と現場でのOJTを充実することにより、今後もコンサルタントを着実に育成し、採用した人材の早期戦力化を図ってまいります。
④M&A総合企業への取組
近年、当社グループは、従前の中堅中小企業のM&A仲介事業にとどまらず、上場企業から小規模事業者までの多様な対象企業に対し、M&Aにおける全てのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう、M&A総合企業への取組を段階的に進めてまいりました。
そこで当社グループはその取組をより一層発展させるべく、2021年10月1日をもって純粋持株会社体制に移行いたしました。当体制移行に伴い、グループ各社に権限を委譲することで優秀な経営者人材を育成し、グループ各社がさらなる発展を遂げることで企業価値の最大化につながると考えております。
今後とも当社及びグループ各社を通して国内はもとよりASEAN諸国を中心とする海外を含むあらゆる地域の多様な対象企業に対し、経営戦略、マーケティング、PMI(M&A成立後の統合)等のコンサルティング分野、あるいは、バリュエーション、デュー・ディリジェンスを中心とするエグゼキューション分野等、全てのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう、“世界No.1のM&A総合企業”を目指してまいります。
これを永続的に実現できるように経営体制の整備も行っています。
具体的には、当社の取締役会の下に経営会議を設け、重要な経営課題は毎週の経営会議で活発な議論を経てタイムリーに解決策を提示しています。
加えて、経営会議の下部組織として「M&Aストラテジック会議」及び「フィナンシャルストラテジック会議」を設けました。「M&Aストラテジック会議」では、M&A関係の事業を行う関係会社の戦略やアクションプランの決定を行い、「フィナンシャルストラテジック会議」では、ファンド関係の事業を行う関係会社の戦略やアクションプランの決定を行っています。
目標とする経営指標と達成状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 役員・従業員の不正によるリスク
当社グループは、コンプライアンス重視を経営上の重要な課題と位置付けており、内部統制システム整備の基本方針を定め、同システムの継続的な充実・強化を図っております。業務執行においては役員・従業員の不正及び不正行為の防止に万全を期しておりますが、万一不正及び不法行為が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 情報セキュリティについて
当社グループは、顧客の機密情報について、秘密保持契約等により守秘義務を負っています。そのため、就業規則等にて機密情報の社員の守秘義務について明確に規定し、かつ全社員から秘密保持に関する誓約書を提出させる等、当該義務の周知徹底を図っています。また、当社が保有する情報及び情報システムを保護・管理することを目的として、「情報セキュリティマネジメントシステム」を構築し、情報セキュリティ方針を定めております。2016年5月には、一定の業務範囲において国際規格ISO27001の認証を取得し、現在も更新し、継続しております。
このように、当社グループでは情報セキュリティの確保が最も重要であるとの認識から、「システム面」「運用面」の双方における強化を継続して取組んでおります。
しかしながら、何らかの理由で機密情報が外部に漏洩した場合において、それが当社グループの責に帰すべきものであるときは、当社グループの信用失墜等につながりそれが当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 訴訟等に係る事項
当社グループは、有効なコンプライアンス体制の確立に努めておりますが、事業遂行にあたり、当社グループの法令違反の有無に拘わらず何らかの原因で当社グループが訴訟等を提起される可能性があります。
これらの訴訟が提起されること及びその結果によっては、当社グループの社会的な信頼性に影響が及ぶ可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制等にかかる事項
M&A仲介業務を遂行するに際しては、現在のところ、特に関係省庁の許認可等の制限を受けることはありませんが、今後、法令等の制定改廃により何らかの制限を受けることとなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年の法整備に伴い、M&A取引の形態が多様化しており、これが当社グループのビジネスチャンスの拡大につながっていますが、今後、M&Aの取引に関連する税法、会社法等の制定改廃があった場合において、それがM&A取引の促進に負の影響を及ぼすものであったときは、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) M&A仲介事業が経営成績上大きなウエイトを占めることについて
当社グループは、国内の中堅中小企業のM&Aの仲介事業を中心に専門的な役務提供を行っています。
国内M&Aマーケットの中でも当社グループがメインターゲットとしている後継者問題解決のための中堅中小企業のM&Aマーケットは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境等を背景に今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは現時点では考えにくいものと当社グループでは分析しています。
しかしながら、将来的に中堅中小企業のM&Aマーケットが逆に縮小に転じるようなことがあった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、M&A仲介事業は、基本的には成功報酬型のビジネスであり、今後、案件完了が長期化した場合や成約率が低下した場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 競合について
当M&A業界は、仲介業務を遂行するために必要な許認可等が存在するわけでもなく、基本的に参入障壁が低い業界といえます。
当社グループが、優良な案件情報を全国から継続的、安定的に入手するために構築した全国規模の情報ネットワークやこれまでの仲介実務の中で培ってきた当業界の固有のノウハウは、短期間には模倣できるものではなく、当社グループが他社との差別化を図り競争優位を確保できる重要な要因であると認識しています。
また、新規参入者の増加等による当業界の拡大は、当社グループが主に取扱っている国内の中堅中小企業のM&Aマーケットの底辺の需給拡大に直接的につながり、当業界の先駆者である当社グループにとっては逆にそれが有利に働くのではないかとも考えております。
しかしながら、今後、競合他社と多くの案件でバッティングし受託価額が下落するようなことがあれば当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 代表取締役社長への依存について
当社の創業期からの取締役でかつ事業の推進者である代表取締役社長 三宅卓は、経営方針や経営戦略の決定をはじめとして当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。
現時点において、同代表取締役社長が当社グループの事業から離脱することは想定されておりませんが、退任その他の理由により当社グループの経営から外れるような事態が発生した場合は、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
(8) 新型感染症等の異常事態リスク
世界的に新たな感染症等が発生した場合、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じる可能性があります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて3,023百万円(6.0%)増加し、52,998百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,728百万円減少し、その他が3,165百万円増加し、売掛金が1,538百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,822百万円(42.7%)増加し、12,766百万円となりました。これは主に、投資有価証券が2,411百万円、その他が1,181百万円増加したことなどによります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて6,845百万円(11.6%)増加し、65,765百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて3,146百万円(41.8%)増加し、10,678百万円となりました。これは主に、未払法人税等が2,513百万円、その他が724百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて4百万円(1.2%)増加し、366百万円となりました。これは、長期未払金が4百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて3,151百万円(39.9%)増加し、11,044百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,694百万円(7.2%)増加し、54,720百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ260百万円増加、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益による増加額9,842百万円及び配当金の支払による減少額6,613百万円により3,229百万円増加したことなどによります。
当連結会計年度の売上高は41,315百万円と、前連結会計年度に比べて2.3%増加し、914百万円の増加となりました。
売上内訳といたしましては、M&A仲介事業が39,785百万円、その他の事業が1,530百万円であり、前連結会計年度と比べて、M&A仲介事業は977百万円の増加、その他の事業は63百万円の減少となりました。
当連結会計年度の経常利益は15,472百万円と、前連結会計年度に比べて8.2%減少し、1,391百万円の減少となりました。
売上原価は17,803百万円で、前連結会計年度に比べて1,545百万円の増加となりました。
販売費及び一般管理費は8,213百万円で、前連結会計年度に比べて500百万円の増加となりました。
営業利益は15,298百万円で、前連結会計年度に比べて1,131百万円の減少となりました。
営業外収益は222百万円で、主なものは持分法による投資利益87百万円であります。
営業外費用は48百万円で、主なものは雑損失34百万円であります。
この結果、経常利益は15,472百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は45,400百万円と、前連結会計年度末に比べて1,900百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は8,153百万円と前年同期に比べ2,946百万円(26.5%)の減少となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益15,472百万円となったこと及び法人税等の支払額5,614百万円があったこと等を反映したものであります。
投資活動の結果使用した資金は3,999百万円(前年同期は270百万円の収入)となりました。
これは主に投資有価証券の取得による支出が2,674百万円あったこと、有形固定資産の取得による支出が178百万円あったこと及び無形固定資産の取得による支出が139百万円あったこと等を反映したものであります。
財務活動の結果使用した資金は6,093百万円と前年同期と比べ150百万円(2.5%)の増加となりました。
これは主に株式の発行による収入が518百万円あったことや、配当金の支払額が6,613百万円あったこと等を反映したものであります。
③生産、受注及び販売の状況
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定は次のとおりであります。
A. 繰延税金資産の回収可能性
(a) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
繰延税金資産の金額は、連結財務諸表「注記事項(税効果会計関係)」の1.に記載の金額と同一であります。
(b) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、業績が著しく悪化する等して、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A. 当連結会計年度の経過と経営成績
当連結会計年度において当社グループは2022年2月14日付のプレスリリース「調査委員会の調査報告書の受領及び公表に関するお知らせ」を受け、コンプライアンス重視の経営に大きく舵を切り、実効性のある再発防止策と内部統制の強化に向けた各種取組を実施いたしました。
その一環として、当社グループではさらなる成長に向けた「最高のM&A」の実現のため、新たにパーパスを制定し、次いでパーパスの実現に向けた行動規範であるフィロソフィーを定義いたしました。
上記の経過を経て、再発防止に向けた取組を全力で実施しつつ、「最高のM&A」を実現すべく懸命な営業活動を行っており、当社グループの営業活動は再興に向けて加速しております。
具体的には当第4四半期(2023年1月~3月)における成約件数は四半期ベースで過去最多の296件となりました。これは前年同四半期(2022年1月~3月)と比べても120件増と大幅に増加しております。また、通期の成約件数も第1四半期の落ち込みを充分にカバーし、過去最多の1,050件(前年同期と比べ54件増)となりました。
以上の結果、連結経営成績は下表のとおり、連結売上高41,315百万円(前年同期比+2.3%)となったものの、成約単価の下落や人員増に伴う人件費、旅費交通費、情報システム費用等の上昇等の要因により連結経常利益は15,472百万円(前年同期比△8.2%)となりました。これらの減益要因については、次期以降適切に改善策を実行してまいります。
また、当第4四半期における譲渡案件の新規受託件数は301件(前年同期273件)となり、前年同期と比べて28件増加しております。その結果、当連結会計年度末における累計受託件数1,184件(前年同期1,225件)とほぼ例年並みの受託残となっております。これらの豊富な受託残を次年度以降も着実に成約すべく、尽力してまいります。
B. 当連結会計年度の営業の取組
(a)M&A成約件数のギネス世界記録に2年連続で認定
前連結会計年度に続き、M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業としてギネス世界記録に2年連続で認定されました。2020年度(2020年1月~2020年12月)取扱件数783件、2021年度(2021年1月~2021年12月)取扱件数1,013件となり、M&A仲介業界におけるM&A支援実績No.1を継続することができました。
(b)提携先営業の活性化
当連結会計年度においては不祥事の影響で譲渡案件受託のためのセミナー等の活動ができない状況が続いておりました。
そこで会計事務所、地方銀行、大手金融機関などの提携先からの情報開発に注力し、譲渡案件の受託を維持活性化いたしました。一例としては、企業評価システムであるV-Compassの金融機関への導入を加速いたしました。各金融機関が保有する財務データを元に、自行において短時間で顧客の企業評価を算定することが可能となることから、さらなる連携の強化とM&A需要の取込みを行っております。
このように提携先とは新しい次元での取組やイノベーションを実現することができました。
(c)譲渡企業受託セミナーの再開
不祥事により長らく譲渡企業受託のためのセミナーを開催できておりませんでしたが、当連結会計年度第3四半期から全国で再開いたしました。次連結会計年度においてはさらにダイナミックな展開を予定しております。
(d)マッチング活動の強化による成約件数の増加
不祥事により一時的に停滞していた成約に向けてのマッチング活動を強化いたしました。また、マッチング活動が促進されるよう、社内ルール等を変更した結果、マッチング活動の精度が向上し、譲受企業からの提携仲介契約数を飛躍的に伸ばすことができ、成約件数の増加に繋がりました。
引き続きマッチング活動のリードタイムの短縮化、活性化に注力してまいります。
(e)DXへの取組
アウターDX、インナーDXの両面を強化いたしました。アウターDXにおいてはメールマガジンの配信、オンライン広告、SNS、オウンドメディア等の活用により大小500以上の施策を実施することで収益機会の最大化を図ってまいりました。インナーDXにおいては生産性向上を図るべくSalesforceの活用を行うことでデータ活用の最大化を行いました。第10回Salesforce全国活用チャンピオン大会大企業部門において、当社グループにおけるSalesforce導入から社内浸透までの歴史、定着化メソッド、社内IT人材育成ノウハウを発表し、快挙となる優勝を果たしました。引き続きDX活用を加速するとともに、社内IT人材育成による業務効率改善を実施してまいります。
(f)ミッドキャップ案件受託のためのセミナー、企画の再開
不祥事によりミッドキャップ(売上高10億円以上または利益5千万円以上の企業)案件の受託に向けたセミナーや企画が滞っておりました。当連結会計年度第3四半期から本格的に活動を開始し、成果が出始めています。次連結会計年度においてはこれをさらに進化させた企画によってミッドキャップ案件を受託し、成約単価の維持向上を目指してまいります。
(g)オンラインM&Aマッチングサイト「BATONZ」
全企業の85%を占める年商1億円未満の小規模事業者のM&Aニーズに対応するべく、子会社の株式会社バトンズにてオンラインマッチングサイト「BATONZ」を展開しております。BATONZでは、オンラインならではの「安価な利用料」「迅速性」を実現した上で、当社グループのノウハウを活用し、安心・安全なM&A取引が進められるよう下記のようなサポート体制を整えております。
Ⅰ.提携する専門家(BATONZパートナープログラム登録者)の中から最適な専門家を紹介
Ⅱ.BATONZが認定した調査人による、小規模企業に特化した企業調査「バトンズDD」のサービスの用意
Ⅲ.「バトンズDD」の実施を前提とし、買収後に発覚したリスクに対応するM&A保険「M&A Batonz」を自
動付帯
このような取組により、BATONZは累計ユーザー数及び累計成約件数において、日本No.1の件数※となることができました。
※日本マーケティングリサーチ機構調べ集計期間:2022年1月25日~2022年3月11日_指定領域における市場調査(推計も含む)
(h)海外事業の強化
2016年にシンガポールを皮切りに、ASEANに5拠点体制を確立、堅調な成長を遂げております。前連結会計年度においては中小企業白書に当社関与事例が掲載されるなど、中小企業のクロスボーダーM&Aのパイオニアとして躍進を遂げております。また、World M&A Allianceに加盟しており、欧米進出の足掛かりとして、進めてまいります。
(i)TOKYO PRO Market上場支援サービスを通じた地方創生
東京証券取引所が運営するプロ投資家向けの株式市場であるTOKYO PRO Marketへの上場を支援すべく、当社グループは2019年7月にJ-Adviser資格を取得しており、これまで100社を超えるJ-Adviser契約先を担当しております。
当連結会計年度におけるTOKYO PRO Market全上場会社22社のうち、当社グループが上場支援を行った9社が同市場への上場を果たしました。今後も、本質的な地方創生の実現のために、後継者問題をM&Aによって解決することにとどまらず、M&Aのリーディングカンパニーとして、一般市場への市場変更や海外進出、新規事業の創出等、TOKYO PRO Market上場のさらに先を見据えた成長支援サービスを提供していく所存です。
金融機関、会計事務所等との連携もより一層強固にしながら、全国に“スター企業”を創出することで、地域経済の活性化や雇用創出といった真の地方創生の実現に貢献してまいります。
(j)PMI(ポスト・マージャ―・インテグレーション)
当社の連結子会社である株式会社日本PMIコンサルティングは、日本で唯一のPMIに特化したコンサルティング会社でございます。PMIとは、当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合プロセスですが、同社はM&Aを“成約”から“成功”へ導く大切なプロセスを支援していくコンサルティング会社であります。当連結会計年度においても過去最高のPMI受注件数を実行しており、引き続き最高品質のサービスを提供してまいります。
(k)ダイバーシティ&インクルージョンへの取組
当社グループでは、当連結会計年度より女性活躍推進プロジェクトを発足させ、多様な人材を受け入れその能力を最大限発揮させるべく、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。現場のリーダークラスの女性社員が主導し、全社員アンケートから改善すべき課題を抽出したうえで当社グループならではの女性活躍の理想像について議論しつつ、複数プロジェクトを進めています。
2022年8月には女性管理職向けのキャリアミーティング、2023年2月にはダイバーシティ&インクルージョンイベントを開催する等、積極的にイベントを実施いたしました。また、女性管理職向けの研修を実施し、女性リーダーの育成にも注力いたしました。
(l)産学連携に向けた取組
当社は中小M&A研究・教育の促進を目的として、国立大学法人神戸大学大学院経営学研究科と「中小M&Aに関する包括的な産学連携推進に関する協定」を締結しております。
本協定は神戸大学大学院経営学研究科内の複数の研究室が取り組む中小企業・小規模事業者を対象とする研究シーズと、当社グループが取り組む「中小M&A仲介・同プラットフォーム」「マッチング」「株価算定」「PMI」や「ファンド」を中心とした事業ニーズを組み合わせ、両者の総力を結集した国内唯一の包括的な産学連携となっています。
この連携を強化する施策として「中小M&A研究教育センター」を経営学研究科内に設置し、トップマネジメント講座「中小企業のM&A」を開設し、M&Aによる中小企業・小規模事業者の事業集約化とイノベーションによる生産性の向上に関する共同研究や中小M&Aに関わる研究者への支援を行う等、中小企業・小規模事業者が研究成果をいち早く享受できるような取組を行っております。
C.当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
資本政策については、財務体質と経営基盤の強化を図るとともに、株主に対する長期的な利益還元を経営の最重要課題と認識しております。内部留保については、財務体質の強化、将来にわたる安定した株主利益の確保、事業の拡大のために有効活用してまいります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は45,400百万円となっております。キャッシュ・フローの状況は、前記「(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
日本M&Aセンターグループ加盟契約書
当社グループは、各地域の会計事務所が運営する地域M&Aセンター(2023年3月31日現在1,033拠点)と全国的な情報ネットワークを構築しています。
当社グループは、地域M&Aセンターとして当社グループに加盟する会計事務所と「日本M&Aセンターグループ加盟契約書」を締結しています。
当該契約の概要は次のとおりであります。
・ 当社グループと当社グループに加盟する会計事務所(以下、「加盟会計事務所」という。)とは、顧客の存続と発展に寄与することを目的としてM&A等に関する仲介業務を相互に協力して行う。
・ 加盟会計事務所は、本加盟契約締結後当社グループに会費等を支払うものとする。
・ 加盟会計事務所は、M&A等に関する仲介業務の遂行に必要なノウハウ等を習得するために、当社グループの各種研修に参加できる。
・ 当社グループ及び加盟会計事務所は、相互の情報交換により知り得た秘密情報を上記の業務目的以外に使用してはならず、また、相手方の事前の書面による同意なしに第三者へ漏洩または開示してはならない。
・ 案件の仲介手数料等の配分等については案件毎に当社グループと加盟会計事務所とが別途協議のうえ決定する。
・ 加盟会計事務所が当社グループを退会する場合には、退会の1か月前までに当社グループに書面で通知する。
該当事項はありません。
(注) 1 現在休止中の主要な設備はありません。
2 帳簿価額のうち「その他」は、土地、ソフトウエア、及びのれんの合計であります
3 上記の他、連結会社以外から賃借している設備の内容は、下記のとおりであります。
2023年3月31日現在
該当事項はありません。
(注) 提出日現在発行数には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注) 1 新株予約権の割当後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は次の式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、本新株予約権の割当日後、当社が当社普通株式につき時価を下回る価額で新株の発行または自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)、次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式にかかる発行済株式総数から当社普通株式にかかる自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式にかかる自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。
さらに、上記のほか、本新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて行使価額の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に行使価額の調整を行うことができるものとする。
2 (1)交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
(2)新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3)新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件を勘案のうえ、上記新株予約権の内容に準じて決定する。
(4)新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案のう
え、(注)1で定められる行使価額を調整して得られる再編後行使価額に、(注)2(3)に従って決定
される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。
(5)新株予約権を行使することができる期間
新株予約権の行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から新株予約権の
行使期間の末日までとする。
(6)新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
上記「新株予約権の行使により株式を発行する場合の発行価格及び資本組入額」に準じて決定する。
(7)譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
(8)その他新株予約権の行使の条件
上記新株予約権の内容に準じて決定する。
(9)新株予約権の取得事由及び条件
上記新株予約権の内容に準じて決定する。
(10)その他の条件については、再編対象会社の条件に準じて決定する。
該当事項はありません。
(注)1 2018年4月1日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行ったことによる増加であります。
2 新株予約権(ストック・オプション)の権利行使による増加であります。
3 2021年4月1日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行ったことによる増加であります。
2023年3月31日現在
(注) 自己株式6,005,099株は、「個人その他」に60,050単元、「単元未満株式の状況」に99株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 1 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株数のうち59,041,600株、株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株数のうち22,348,600株は信託業務に係るものであります。
2 上記のほか当社所有の自己株式6,005,099株(1.78%)があります。
3 所有株式数には、当社役員持株会における持分を含めた2023年3月31日現在の実質持株数を記載しております。
4 2022年4月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、野村證券株式会社及びその共同保有者であるノムラ インターナショナル ピーエルシー(NOMURA INTERNATIONAL PLC)、野村アセットマネジメント株式会社が2022年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。