株式会社システムインテグレータ
System Integrator Corp.
さいたま市中央区新都心11番地2
証券コード:38260
業界:情報・通信業
有価証券報告書の提出日:2023年5月25日

回次

第24期

第25期

第26期

第27期

第28期

決算年月

2019年2月

2020年2月

2021年2月

2022年2月

2023年2月

売上高

(千円)

4,066,040

4,554,211

4,258,759

4,817,559

4,486,027

経常利益

(千円)

557,656

664,678

423,784

588,964

416,189

当期純利益

(千円)

578,979

458,560

293,059

391,006

280,103

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

367,712

367,712

367,712

367,712

367,712

発行済株式総数

(株)

11,078,400

11,078,400

11,078,400

11,078,400

11,078,400

純資産額

(千円)

2,031,639

2,264,422

2,431,437

2,714,535

2,869,261

総資産額

(千円)

2,766,442

3,288,513

3,498,411

3,580,630

3,780,088

1株当たり純資産額

(円)

183.39

205.70

220.88

246.38

262.81

1株当たり配当額

(円)

16.00

13.00

8.00

11.00

8.00

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

52.26

41.62

26.62

35.50

25.62

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

73.4

68.9

69.5

75.8

75.9

自己資本利益率

(%)

32.2

21.3

12.5

15.2

10.0

株価収益率

(倍)

13.5

16.7

24.0

15.3

16.3

配当性向

(%)

30.6

31.2

30.1

31.0

31.2

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

717,280

450,890

683,559

406,453

625,565

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

211,162

246,551

363,693

160,306

123,683

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

104,621

227,102

142,788

88,445

168,944

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,319,274

1,296,511

1,473,588

1,631,290

1,964,228

従業員数

(名)

174

203

213

219

233

株主総利回り

(%)

132.9

133.6

124.6

109.1

87.2

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(92.9)

(89.5)

(113.2)

(117.0)

(127.0)

最高株価

(円)

2,780

1,098

1,090

737

585

 

 

□1,085

 

 

 

 

最低株価

(円)

951

605

488

490

410

 

 

□684

 

 

 

 

 

(注)1 当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2 持分法を適用した場合の投資利益については、非連結子会社は存在しますが、利益基準及び利益剰余金基準からみて重要性が乏しいため記載しておりません。

3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

4 当社は、2018年12月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第24期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益を算定しております。

また、株主総利回りについては、当該株式分割による影響を考慮して算定しております。

5 従業員数は就業人員を記載しております。

6 最高株価・最低株価は、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであり、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものです。

7 □印は、株式分割(2018年12月1日付で普通株式1株につき2株の割合)による権利落の最高・最低株価を示しております。

8 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

9 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第25期の期首から適用しており、第24期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。

 

2【沿革】

年月

概要

1995年3月

Oracleを中心としたデータベース技術と基幹業務ノウハウに強みを持ったシステムインテグレーション事業及びパッケージソフトウエアの開発販売事業を目的として、埼玉県浦和市に資本金10,000千円で株式会社システムインテグレータを設立

1996年3月

ECサイト構築パッケージソフトウエア「SI Web Shopping Ver1.0」を発売

1997年2月

新郵便番号変換パッケージソフトウエア「FAQ里恵の新郵便番号変換ソフト」を発売

1997年8月

Oracleデータベース用開発支援ツール「SI Object Browser Ver3.0」を発売

2001年2月

本社を埼玉県さいたま市南区南浦和二丁目39番16号に移転

2001年3月

Web教材作成ツール「SI 作って教材 Ver1.0」を発売

2002年6月

データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER Ver1.0」を発売

2002年11月

アンケート作成ソフト「SI 作ってアンケート Ver1.0」を発売

2004年5月

企画段階から参加してコンソーシアム方式で開発した次世代ERP「GRANDIT」を新規リリース

2005年3月

本社を埼玉県さいたま市南区沼影一丁目10番1号に移転

2006年7月

大阪市中央区に大阪支社を設置

2006年12月

東京証券取引所マザーズに上場

2007年3月

Web-ERP「GRANDIT」コンソーシアムに参画

2008年2月

「SI Object Browser 中国語版」、「SI Object Browser ER 中国語版」を中国市場にて発売

2008年11月

プロジェクト管理パッケージ「SI Object Browser PM Ver1.0」を発売

2008年12月

Microsoftデータベース用開発支援ツール「SI Object Browser for SQL Server Ver1.0」を発売

2009年6月

「SI Object Browser PM」を中国市場にて発売

2009年9月

2010年4月

「SI Web Shopping BtoC 多言語版 Ver1.0」を発売

「SI Object Browser PM」のクラウド提供を開始

2010年12月

IBM社データベースDB2対応版開発支援ツール「SI Object Browser for DB2」を発売

2011年12月

Web-ERP「GRANDIT」生産管理アドオンモジュールを発売

2012年4月

日立製作所製データベースHiRDB対応版開発支援ツール「SI Object Browser for HiRDB」を発売

2012年7月

Web-ERP「GRANDIT」継続取引管理アドオンモジュールを発売

2012年8月

富士通製データベースSymfoware対応版開発支援ツール「SI Object Browser for Symfoware」を発売

2013年6月

アプリケーション設計支援ツール「SI Object Browser Designer」をクラウドサービスで提供を開始

2013年6月

東京都渋谷区に東京営業所を設置

2014年1月

東京証券取引所第一部に上場

2014年5月

本社を埼玉県さいたま市中央区新都心11番地2に移転

2015年2月

IT企業向け統合システム「GRANDIT ITテンプレート」を発売

2016年4月

「SI Object Browser PM 中国語版」を発売

2016年6月

「SI Web Shopping CMS」を発売

2017年3月

「SI Object Browser PM ライト版」「SI Object Browser PM エンジニアリング版」を発売

2018年1月

プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」サービス開始

2018年3月

2018年10月

画面のデザインを認識するAIサービス「AISI∀ Design Recognition」を発売

ディープラーニングを使ったAI異常検知システム「AISI∀ Anomaly Detection」を発売

2019年3月

名古屋市中村区に名古屋営業所を設置

2020年3月

福岡市博多区に福岡支社準備室を設置

2021年2月

データベース言語SQLスキル判定サービス「TOPSIC-SQL」サービス開始

2021年3月

Web版プロジェクト管理システム「OBPM Neo」サービス開始

2021年10月

カスタマーサクセス支援サービス「VOICE TICKETS」サービス開始

2021年11月

アイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」サービス開始

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所第一部からスタンダード市場に移行

2022年5月

福岡市博多区に福岡支社を設置

2022年10月

ベトナム・ダナン市に海外子会社「KEYSTONE SOLUTIONS COMPANY LIMITED」を設立

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び非連結子会社1社で構成されており、「SI Object Browser」「SI Object Browser PM」「SI Web Shopping」及び「GRANDIT」の4つの主力製品を中心に、「Object Browser事業」「E-Commerce事業」「ERP事業」「AI事業」の4つの事業領域とその他の新規事業を行っております。

 なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」をご参照ください。

 報告セグメントと各製品との関係は次のとおりであります。

報告

セグメント

製 品

製 品 内 容

Object Browser

事業

データベース開発支援ツール

SI Object Browser V23

SI Object Browser ER V22

・「SI Object Browser」は、国内2万社累計48万ライセンスの出荷実績を持つデータベース開発支援ツールです。Oracle、SQL Serverなど主要なデータベースに対応しており、GUI操作でテーブルの閲覧、SQLの編集・実行やオブジェクトの生成を簡単に行うことができます。

・「SI Object Browser ER」は、データベース設計ツールです。GUI操作でER図を作成し、データベース連携によるテーブルの作成、ER図の逆生成などデータベース設計に必要な機能を提供します。Object Browser シリーズを利用することでデータベース開発の生産性が飛躍的に向上します。

プロジェクト管理ツール

OBPM Neo

・「OBPM Neo」はIT業界を中心に250社の企業に導入実績のあるプロジェクト管理ツールです。PMBOKに準拠した統合管理機能で、プロジェクト毎の品質(Q)、コスト(C)、進捗(D)を管理することができます。また、全てのプロジェクトの状況を俯瞰的に把握する機能によりプロジェクトの異常値を早期に発見し改善することができます。

・「OBPM Neo」は現場から経営層まで、プロジェクトに関わる全てのメンバーの生産性を高めることができます。

E-Commerce事業

ECサイト構築パッケージ

SI Web Shopping

・当社が開発・販売した国内初のECサイト構築パッケージソフトです。ECサイト運営に必要な機能がオールインワンでパッケージされています。

・高パフォーマンス、堅牢なセキュリティなど大規模ECサイトでご使用いただける製品です。顧客自身でECサイトの継続的改良が可能なようにソースプログラム公開でも販売しています。

・各種マーケティングソリューションとの標準連携機能を実装し、カスタマイズ費用を抑えながらEC事業者のマーケティング戦略を実現することができるようになっています。

 

 

報告

セグメント

製 品

製 品 内 容

(パッケージソフト)

ERP事業

Web-ERPパッケージ

GRANDIT

・コンソーシアム方式により開発した国内初の「完全Web-ERP」製品です。全操作がブラウザのみで利用可能となっています。ワークフロー、BI(ビジネスインテリジェンス)、EC等の拡張機能を標準搭載、内部統制対応や多通貨機能、マルチカンパニー、柔軟な組織変更への対応など、企業活動に必要な機能を豊富に盛り込んだERPパッケージです。当社は、製造業向け生産管理アドオンモジュールや建設・ソフトウエア業向け工事管理アドオンモジュールなど、次々と独自モジュールを開発し、コンソーシアムメンバーの中核として数多くの企業に導入を広げています。

AI事業

AI異常検知システム

AISI∀ Anomaly Detection

・「AISI∀ Anomaly Detection(アイシアAD)」は、ディープラーニングを使った異常検知システムで、工場内での人間による目視検査を、AIにより自動検知するシステムです。研究開発を継続しながら顧客と技術検証を行っています。

その他

(新規事業)

プログラミングスキル判定

サービス

TOPSIC-PG

SQLスキル判定サービスTOPSIC-SQL

 

アイデア創出プラットフォーム

IDEA GARDEN

・「TOPSIC」はプログラミング及びSQLのコーディングテスト問題と受験プラットフォームを提供するクラウドサービスです。実際にコードを書かせる方式で、真の実力を測ることができます。

・中途採用のスキルチェック(スクリーニング)、社員教育、委託者のスキル判定、海外エンジニアの能力判定等、幅広い利用シーンで活用されています。

・教育分野でのプログラミング教育に対応してアカデミックプランも提供しており、高等学校、大学等の教育現場にも拡大していきます。

 

・「IDEA GARDEN」は「全員で生み出す文化をつくる」をビジョンに掲げた全員参加型のアイデア創出プラットフォームです。アイデアを創る人、支える人、それぞれが強みを生かしてアイデアの発想や育成、企画化に貢献できる仕組みづくりを実現します。

・Open AI社のGPTを使った、AIによるアイデア発想支援機能により、誰でも簡単にアイデアを出すことができます。また、多様な知見や経験を持つ社員がコメントなどをとおしてアイデアの育成に貢献することができます。

・クラウドサービスとして提供しており、国内大手スポーツメーカーの新規事業アイデアコンテストに採用される等の事例があります。

 

a.パッケージソフトウエアの販売・保守

 当社は独創的なパッケージソフトウエアを企画・開発し、これを顧客に販売しております。パッケージソフトウエアの企画・開発には時間も費用もかかりますが、自社製品を中心とした事業なので高い利益率を確保できます。当社では顧客への直接販売と販売代理店を経由した間接販売とを併用して行っております。

 

b.パッケージソフトウエアのコンサルティング

 当社の製品は、企業の基幹業務にかかわるものが多いため、製品をどのように使いこなすかが重要になります。そのため業務フローや運用ルールの提案、既存業務の課題、売上向上策、運用フォローなど、長年のノウハウに基づくコンサルテーションも行っています。

 

c.パッケージソフトウエアのカスタマイズ

 カスタマイズとは、顧客の要望に合わせてパッケージソフトウエアを変更するものです。純粋なオーダーメイド開発(システムインテグレーション)に比べると、パッケージに関連するノウハウを幅広く再利用でき、提案、設計、開発から導入に至るまで、コストを抑えることが可能です。

 当社のパッケージソフトウエア製品は、いずれもカスタマイズがなくても利用可能であります。しかしながら、市場特性として、E-Commerce事業におけるECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、ERP事業のWeb-ERPパッケージ「GRANDIT」については、顧客の業務に合わせたカスタマイズ要望が発生します。よって上記2事業については、カスタマイズエンジニアを確保、組織化し、このニーズに応える体制を構築しております。さらに、こうした体制がパッケージソフトウエア本体の営業力強化にもつながり、シナジー効果を生んでおります。

 カスタマイズ開発の保守は、カスタマイズ開発をした顧客とソフトウエア保守契約を締結し、継続的な技術サポートを行っております。これにより、顧客との信頼関係を深め、新たな受注へとつなげており、パッケージソフトウエアの保守と合わせてストック型ビジネスの重要なファクタとなっております。

 

d.クラウドサービス(SaaS)

 当社のクラウドサービスは、パッケージソフトウエアをインターネットを通じて顧客が利用できるサービスで、SaaS(Software as a Service)に該当するものです。顧客にとっては従来の買取型販売に比べ、初期導入のコストがかからず、安価な月額利用料の支払いでソフトウエアの利用が可能であることから、パッケージソフトウエアの販売は急速にクラウドによるサービス提供の形態に変わってきています。当社ではObject Browser事業の「OBPM Neo」、新規事業の「TOPSIC」はクラウドサービスによる販売を行っています。当社の今後のストック型ビジネスの重要なファクタとなっております。

 

 当社がこれまでに開発及び販売している主なパッケージソフトウエアは次のとおりであります。市場ごとにニーズの変化をとらえ、製品ラインナップを充実させております。

セグ

メント

パッケージソフトウエア

の種別

製品名

用途

プラットフォーム開発言語

最新バージョン

発売開始時期

Object Browser

データベース開発支援

ツール

SI Object Browser

for Oracle

データベース開発支援

Windows

Delphi

Ver.21.2.1

2022年4月

SI Object Browser

中国語版

Ver.12.0.5

2014年10月

SI Object Browser

for SQL Server

Ver.18.0.1

2021年8月

SI Object Browser

for DB2

Ver.1.0.1

2015年6月

SI Object Browser

for HiRDB

Ver.20.0.0

2020年7月

SI Object Browser

for Symfoware Open版

Ver.2.1.0

2016年11月

SI Object Browser

for Symfoware Native版

Ver.1.1.0

2016年11月

SI Object Browser

for Postgres

Ver.21.0.0

2020年4月

SI Object Browser ER

データベース設計支援

Ver.22.0.0

2022年1月

SI Object Browser ER 中国語版

Ver.8.0.0

2014年2月

プロジェクト管理

パッケージ

OBPM Neo

スケジュール、原価管理等のプロジェクト管理全般

TypeScript、C#

Ver.6.6.7

2022年4月

E-Commerce

ECサイト構築

パッケージ

SI Web Shopping

BtoC 1店舗版

ショップ型 ネット通販サイト構築

Windows/Linux

Java

Ver.12.13

2022年9月

SI Web Shopping

BtoC モール版

モール型 ネット通販サイト構築

Ver.12.1

2016年6月

SI Web Shopping

CMS一店舗版

ショップ型 コンテンツマネジメントシステム

Ver.1.13

2022年9月

SI Web Shopping

BtoB 販売サイト版

販売型 企業間取引サイト構築

Ver.7.1

2012年10月

 

 

セグ

メント

パッケージソフトウエア

の種別

製品名

用途

プラットフォーム開発言語

最新バージョン

発売開始時期

ERP

Web-ERP

GRANDIT シリーズ

販売、調達、在庫、生産、経理、人事等の基幹業務全般

Windows

C#

Ver.3.2

2023年4月

生産・工事管理アドオンモジュール

Ver.3.1.1

2021年12月

コーディングレスツール

Ver.3.1.1

2022年1月

電子保存アドオンモジュール

Ver.1.0.0

2022年11月

AI

画像を用いた異常検知システム

AISI∀ Anomaly Detection

AI物体検知、AI異常検知

Windows、Linux

Python

Ver.2.0

2021年11月

その他

(新規

  事業)

プログラミングスキル判定サービス

TOPSIC

採用スクリーニングプログラミング教育

AWS/

Ruby on Rails

Ver.3.22.4

2018年1月

アイデア創出プラットフォーム

IDEA GARDEN

アイデア発想・管理・蓄積

AWS/

Ruby on Rails

Ver.2.12.1

2021年11月

 

 以上の内容を事業系統図に示しますと、次のようになります。

0101010_001.png

4【関係会社の状況】

当社は非連結子会社1社を有しておりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

2023年2月28日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

233

35.6

6.8

6,106

 

セグメントの名称

従業員数(名)

Object Browser事業

34

E-Commerce事業

41

ERP事業

119

AI事業

7

報告セグメント計

201

その他

14

全社

18

合計

233

(注)1 従業員数は就業人員であります。

   2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(2)労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社のスローガンは、「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」ことです。当社は、オリジナルのパッケージソフトウエアやサービスを自社で開発し販売していますが、常に世の中の変化やニーズを捉え、最新の技術を活用し社員発想の新しい製品やサービスも事業化しています。自社で製品を開発することにより、市場ニーズの変化にすばやく対応できるとともに、高度な独自技術を蓄積することで収益性の高い事業とすることができます。

 これまでは、パッケージソフトウエアの販売、保守及びそれらのカスタマイズ(顧客のニーズに合わせて仕様変更)を基幹事業としてまいりましたが、この数年はクラウドサービス事業の拡大を図っております。さらにこれら事業でのカスタマーサクセスを目的としたコンサルティング事業も強化しています。

 

 また、当社は以下の経営方針に基づき働きやすい環境作りを目指しています。

        「風通しの良い相互尊重の精神あふれる職場環境をみんなで作り、

         みんなが働きやすい雰囲気の中で創造力、技術力を常に磨き、

         品質の高いソリューションを提供し続ける。」

 

 当業界では「人」が唯一の資産です。昨今、ITエンジニアの採用は競争が激しく非常に困難な状況が続いていますが、入社後の人材育成と早期戦力化が最も重要な成功要因です。当社では、人材教育を積極的に行うとともに、社員が働きやすい環境作りに力を入れています。“風通しの良い、相互尊重の精神”という方針を掲げているのもそのためです。ヒトやコトに高い関心を持ち、いいものを評価し、尊重し、自身の創造力や技術力をさらに磨くことで、いい発想やアイデアを生むことができるのだと考えています。それには、自律・自立した社員がみんなで働きやすい職場環境を創り出していくことが理想と考えます。そのような仕組み作りが会社の責務だと認識し、これを経営方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、成長性と収益性を重視しており、売上高成長率及び売上高経常利益率を重要な経営指標と位置付けています。成長の指標として売上高を、収益の充実として利益率を指標とし、これらをバランスよく伸ばしていくことを経営課題としています。

 成長率と利益率をみる経営指標として、主に次のような指標を注視しています。

    ・事業分野別の売上高及び売上総利益の推移

    ・業態(フロー型、ストック型)別の売上高、売上総利益及び契約解約率の推移

    ・部門(事業、製造、販売)別従業員一人あたりの売上高及び売上総利益

 また、会社の健全性を表すものとして、次のような指標も重視しています。

    ・プロジェクト利益の計画・実績対比の推移

    ・プロジェクト失敗件数(含む赤字)の部門別、月別推移

    ・従業員別、部門別の稼働率の推移

    ・販売費率、管理費率の推移

    ・離職率、社員満足度、顧客満足度の推移

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社のパッケージソフトウエアビジネスの戦略は「Catch and Grow」です。単一のパッケージソフトに依存するのではなく、市場のニーズをいち早く捉え(Catch)、新製品を次々と企画・開発していきます。最近では、AI(人工知能)やプログラミング教育を新たな市場ニーズと捉え、異常検知AIサービス「AISI∀ Anomaly Detection(アイシアAD)」とプログラミングスキル判定サービス「TOPSIC(トップシック)」を新規ビジネスとして進めています。現在はE-Commerce、ERP、プロジェクト管理、データベース開発ツールの4製品を主要事業としています。これらをバージョンアップ及びラインナップ拡張することにより事業を拡大して安定した収益基盤を構築します(Grow)。このCatch and Grow戦略の利点は、事業のリスク分散を図ると同時に、複数の幹を太くしてトータル収益を拡大できる点にあります。

 これからの製品はクラウドサービスで提供することを基本ポリシーとしています。プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」のクラウドサービスや、主要製品のひとつであるプロジェクト管理システム「SI Object Browser PM」も2021年3月からWeb版のクラウドサービス「OBPM Neo」として生まれ変わりました。時代の変革に合わせてさらなる製品サービスを企画・開発していきます。

 

(4)経営環境

 国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり、経済活動は回復傾向にありますが、ロシアのウクライナ侵攻の影響による世界情勢不安や物価高によって先行き不透明な状況が続いております。一方、IT業界においてはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を背景に追い風が吹いています。当社は、この環境下で既存事業を拡大しつつ、新製品の開発投資やベトナムの開発拠点の設置を行い、2年計画及び5年後、10年後目標として掲げた数値目標の達成に向け取り組んでおります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 新規顧客開拓力の強化

 当社の主力事業であるE-Commerce事業及びERP事業についてはパートナー企業による間接販売や案件紹介の仕組みがすでに構築されております。そのため、これらの事業では「待ちの営業姿勢」となり、それが新規案件の受注遅れの一つの要因になっています。そのため各事業に分散していた新規顧客開拓担当者やマーケティング部門を新設の「事業戦略本部」に集約することで、チームでの活動を強化し、あらためて自社での新規顧客開拓営業スタイルを推進していきます。

 

② 開発エンジニアの確保と早期戦力化

 IT業界はここ数年好景気が続いています。DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れもあり、システム化投資を進める企業からの引き合いの増加が続いています。こうした市場環境のなか、IT業界ではエンジニア不足が深刻化しています。この課題に対処するため、ベトナム開発拠点の設立や積極的な新卒及び中途社員の採用を実施しておりますが、社員の育成に遅れが生じており早期の戦力化が新たな課題となっています。

 翌事業年度も積極的な採用を継続しつつ、社内教育を経て部分的な業務や小規模プロジェクトを経験するなど育成プログラムを強化し早期戦力化を図ってまいります。

 

③ インキュベーション事業の収益化

 当社には開始から5年の事業が2つと2年以内の事業が1つありますが、未だ黒字化できておりません。分散していたこれら事業を「インキュベーション事業部」として集約し、人的リソースやその活動量をバランスさせながら、最小の投資で最大成果が得られるよう早期の黒字化を目指してまいります。また、それぞれの事業には短い期間でのKPIを定め事業継続性の判断を定期的に行ってまいります。

 

④ 新規主力事業の創出

 当社の主力事業はE-Commerce事業、ERP事業、Object Browser事業の3つですが、時代の変化とともに、市場のニーズや技術も大きく変わっています。その変化をしっかりと捉えて、当社の強みを活かしたAI事業に次ぐ5番目の新規事業を早期に創出する必要があります。2023年度はそのための全社プロジェクトを立ち上げ早期製品化のための投資をしてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 以下に、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要と考えられる事項については、情報公開の観点から積極的に開示しております。なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項以外の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があると考えられます。

 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 失敗プロジェクトの発生

 当社は自社製品「OBPM Neo」を活用しプロジェクト管理を徹底していますが、何年かごとに大きな失敗プロジェクトが発生しております。一つのプロジェクトの失敗でも当社の事業に大きな損失を与えることとなります。表面化していないプロジェクトの潜在リスクを早期に発見し、対処できるようPMO機能の強化を行っていきます。

 

(2) ソフトウエアモデルからサービスモデルへの流れ

 IT業界は、ハードウエアからソフトウエアの時代に移り変わり、さらにサービスの時代となっています。パッケージソフトウエアを作成して販売するというモデルは、典型的なソフトウエア時代の収益モデルですが、クラウドサービスで収益を上げるモデルにパイを奪われつつあります。

 こうした時代変化の中、当社もソフトウエア製品の開発・販売のみならず、クラウドサービス事業を拡大しています。新規事業「TOPSIC」や、既存事業「SI Object Browser PM(2021年3月から「OBPM Neo」)」もクラウドサービスのビジネス形態としています。こうした新しい事業モデルへの変革が十分にできなかった場合、時代ニーズにマッチできなかった企業として成長できないリスクがあります。

 

(3) ECサイトのトラブルについて

 ECサイト上での企業と消費者間、または企業間の取引においては、違法な取引やセキュリティ問題などのトラブルが発生する可能性があります。たとえばハッカー攻撃など不測の事態により、個人情報が漏洩する危険性もないとは言い切れません。このようなトラブルが、当社のECサイト構築パッケージソフトである「SI Web Shopping」によって構築されたサイト上で行われる、または発生する可能性もあります。このような事態が生じた場合、問題行為を行った当事者だけではなく、当該サイトを構築・運用するためのソフトウエアを提供したとして、当社が販売機会損失や信用損失などによる損害賠償請求も含めて責任を追及され、問題解決にかかる費用が発生し、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(4) 製品の重大な不具合(バグ)による信用の低下について

 プログラムの不具合であるバグをなくすことは重要な課題ですが、ハードウエアや基本ソフトなどの環境との相性もあり、皆無にするのは難しいと一般的に言われています。当社は、このようなバグを発生させないよう、開発の最終段階で念入りなテストを行い、品質を確保するようにしています。製品の信頼性を高めることが、長期的なユーザーの獲得につながるものと考えております。

 しかし、念入りなテストを行ったとしても、予期しえない重大なバグを内在したまま販売する可能性がなくなるわけではありません。製品を販売した後に重大なバグが発生した場合、製品の信用が低下し、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(5) 新製品・新業態開発について

 当社のプロダクト戦略は、単一の製品に依存するのではなく、次々と新製品・新業態を企画・開発する方針です。これまでもAI製品やプログラミングスキル判定などの新サービスを次々とリリースしています。しかしながら、新しい分野に投入した製品が十分な収益を上げるまでにはある程度の期間がかかります。場合によっては、市場の見誤りや競合製品との競争の激化、社内体制の不備などにより、販売が低迷する可能性があります。かかる事態が生じた場合、当社はそれまで開発に要した投資を回収できず、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(6) 知的財産権について

 プロダクト事業では、開発した製品が他社の特許を含む知的財産権を侵害する可能性が無いとは言えません。知的財産権侵害により第三者から製品の販売中止などの提訴をされ敗訴した場合、製品の販売中止や回収を命じられることも考えられます。また、販売開始後、当社製品が他社の知的財産権に抵触することが発覚した場合、当社はロイヤルティの支払いが必要な使用権許諾を得なければなりません。かかる事態が生じた場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(7) 開発体制について

 自社プロダクトは、常に新技術を取り入れながら企画・開発されております。このため、社内のエンジニアは、高度な技術力が要求され、次々と新しい技術を習得し続ける必要があります。当社は、新規採用によるエンジニアの拡充、及び資格取得制度やチューター制度、社員研修制度、社内勉強会などによる社員教育を通じた育成に力を入れております。しかし、高い技術力や専門性を有する人材の確保が想定通りに進まない場合、技術の移り変わりが激しくエンジニアの育成が間に合わない場合、又は労働環境の悪化等によりエンジニアの社外流出が生じた場合は、開発作業に重大な影響を及ぼし、将来的に競争力のある製品をタイミング良くリリースできなくなる可能性があります。かかる事態が生じた場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

 

(8) 訴訟ないし法的権利行使の可能性について

 当社の製品やソフトウエアプログラムあるいはインターネット全般に関する技術等が、意図せず第三者の権利を侵害する可能性があります。かかる場合には、第三者より権利の侵害請求に関する訴訟を提訴される可能性があります。また、当社が請け負った開発プロジェクトが失敗して、契約通りに本番稼働できないような場合、顧客から債務不履行などにより訴訟を提訴される可能性もあります。

 このような事態に陥った場合、当社は当然に、法的手段により防衛・解決に努力いたしますが、敗訴等となった場合には当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、ハッカーやコンピュータウイルスなどによるシステム障害が生じた場合、当社製品の利用者に一定の損害を与えることから損害賠償等が提起される可能性もあります。このような事態に対応するため、法的防御の観点から、当社製品の使用許諾書に免責事項を入れておりますが、上記と同様に敗訴等となった場合には当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりであります。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用しております。収益認識会計基準等の適用による影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」の(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)をご参照ください。

 

①財政状態

 当事業年度における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりです。

 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、199,458千円増加し、3,780,088千円となりました。

 流動資産は、前事業年度末に比べ290,911千円増加し、3,092,768千円となりました。これは主として、現金及び預金の増加332,937千円、契約資産の増加417,435千円、売掛金の減少301,258千円、仕掛品の減少159,065千円等によるものであります。
 固定資産は、前事業年度末に比べ91,453千円減少し687,319千円となりました。これは主として、ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定を含む)の減少145,768千円、投資その他の資産の増加56,632千円等によるものであります。

なお、「第5経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」の(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)に記載のとおり、収益認識会計基準等を適用したため、前事業年度の貸借対照表において「流動資産」に表示していた「売掛金」は当事業年度より「売掛金」と「契約資産」に区分して表示しております。

 負債は、前事業年度末に比べ44,732千円増加し910,826千円となりました。これは主として、買掛金の増加30,243千円、前受金の減少340,312千円、未払法人税等の増加69,800千円、契約負債の増加318,702千円等によるものであります。

なお、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」の(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)に記載のとおり、収益認識会計基準等を適用したため、前事業年度の貸借対照表において「流動負債」に表示していた「前受金」は当事業年度より「契約負債」として表示しております。

 純資産は、前事業年度末に比べ154,725千円増加し2,869,261千円となりました。これは主に当期純利益の計上280,103千円、配当金の支払121,194千円等によるものであります。

 

②経営成績

 当事業年度の業績は、売上高4,486,027千円(前期比6.9%減)、売上総利益1,576,595千円(前期比6.4%減)、営業利益406,848千円(前期比30.7%減)、経常利益416,189千円(前期比29.3%減)、当期純利益280,103千円(前期比28.4%減)となりました。

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。なお、組織変更に伴い、当事業年度から、「ERP・AI事業」として区分していた報告セグメントを「ERP事業」と「AI事業」に区分変更しております。前年同期比較については、変更後の報告セグメントに組み替えた数値で比較・分析しております。

 Object Browser事業の売上高は695,322千円(前期比2.6%増)、営業利益は182,032千円(前期比20.1%増)となりました。

 E-Commerce事業の売上高は916,023千円(前期比24.2%減)、営業利益は207,019千円(前期比49.8%減)となりました。

 ERP事業の売上高は2,755,986千円(前期比3.9%減)、営業利益は152,353千円(前期比31.5%減)となりました。

 AI事業の売上高は67,366千円(前期比254.9%増)、営業損失は36,749千円(前期は98,030千円の営業損失)となりました。

 その他は、報告セグメントに該当しない新規事業を含んでおり、売上高51,328千円(前期比15.1%増)、営業損失97,808千円(前期は100,749千円の損失)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,964,228千円となりました。主な要因は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは625,565千円のプラス(前事業年度は406,453千円のプラス)となりました。これは主に税引前当期純利益の計上415,339千円、減価償却費の計上227,984千円、売上債権及び契約資産の減少62,550千円などの資金増加要因が、契約負債の減少34,781千円、法人税等の支払額74,548千円等の資金減少要因を上回ったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは123,683千円のマイナス(前事業年度は160,306千円のマイナス)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出14,575千円、無形固定資産の取得による支出70,053千円、関係会社への出資による支出24,737千円、敷金及び保証金の差入による支出15,336千円等によるものです。無形固定資産の取得による主な支出は、自社パッケージ開発に伴うソフトウエアの増加によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは168,944千円のマイナス(前事業年度は88,445千円のマイナス)となりました。これは配当金の支払額121,194千円、自己株式の取得による支出47,749千円によるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

Object Browser事業

180,656

100.9

E-Commerce事業

505,981

75.6

ERP事業

1,504,280

84.4

AI事業

31,808

93.6

報告セグメント計

2,222,727

83.4

その他

54,746

81.4

合計

2,277,473

83.4

(注)金額は、当期総制作費用であります。

 

b.受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

Object Browser 事業

690,942

100.9

13,482

75.5

E-Commerce事業

679,213

47.7

47,542

16.7

ERP事業

3,020,254

114.9

1,053,125

133.5

AI事業

58,712

143.4

13,319

60.6

報告セグメント計

4,449,124

93.1

1,127,468

101.3

その他

51,328

123.9

合計

4,500,452

93.4

1,127,468

101.3

 

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

Object Browser 事業

695,322

102.6

E-Commerce事業

916,023

75.8

ERP事業

2,755,986

96.1

AI事業

67,366

354.9

報告セグメント計

4,434,698

92.9

その他

51,328

115.1

合計

4,486,027

93.1

(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年5月25日)現在において当社が判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

②事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容

a.経営成績等

1)財政状態

 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、199,458千円増加し、3,780,088千円となっています。これは主に現金及び預金の増加332,937千円、売掛金の減少301,258千円、仕掛品の減少159,065千円、ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定を含む)の減少145,768千円等によるものです。自己資本比率は前事業年度末の75.8%から当事業年度末は75.9%と0.1ポイント上昇し、財務健全性は高い水準を維持しております。また、総資産経常利益率は前事業年度は16.6%でしたが、当事業年度は11.3%と5.3ポイントの減少となりました。

 

2)経営成績

 当事業年度は、中期経営計画「SDGs Mind 2021」の2年目であり、①「既存事業の拡大とブランド力向上」、②「海外展開」、③「新事業の収益化」、④「社員のスキル向上」、⑤「アジアTOPの合理化企業」という5つの目標に向けて取り組んでまいりました。E-Commerce事業及びERP事業ともに堅調な市場ニーズはあるものの、お客様における検討時間が長期化していること、見込案件の開発規模や開発時期に十分な開発リソースを用意できないことなどにより、案件の受注に進捗遅れが影響して減収減益となりました。また、このような事象を踏まえて当初の計画を若干見直し、より堅実な目標に修正をいたしました。

 

(売上高)

 当事業年度の売上高は、E-Commerce事業の前事業年度における特需の反動減に加え、E-Commerce事業とERP事業における新規受注の苦戦等により、前事業年度に比べ6.9%減少の4,486,027千円となりました。

 

(売上総利益)

 当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ108,207千円減少の1,576,595千円となりました。売上総利益率は、稼働率が上がらないなかでも開発効率を高めることで前事業年度に比べ0.1ポイント上昇し、35.1%となっています。

 

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、人員増強により前事業年度に比べ72,156千円増加の1,169,747千円となりました。

 

(営業利益・経常利益)

 当事業年度の営業利益は、E-Commerce事業とERP事業の苦戦と人員関連のコスト増により、前事業年度に比べ180,364千円減少の406,848千円となりました。

 当事業年度の経常利益は、営業外収益が7,217千円増加し、営業外費用が371千円減少しましたが、営業利益の減少により前事業年度に比べ172,775千円減少の416,189千円となりました。

 

(当期純利益)

 以上の結果、当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ110,902千円減少の280,103千円となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

 なお、当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

「a.経営成績等 2)経営成績」に記載のとおりであります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

資金需要

 資金については、現金及び預金が当事業年度末は1,964,228千円と前事業年度末に比べ332,937千円増加しております。これらの資金は、今後の事業拡大のため、既存製品の機能拡充のための製品開発投資、人工知能ビジネス拡大のための研究開発投資、社員教育及び人材採用等の人材開発投資として活用してまいります。

 

財務政策

 当社は、財務の基本方針として設備投資等の資金需要については、まずは自己資金を充当することとしており、一時的に多額の資金が必要となる場合には、必要に応じ金融機関からの借入れを行うこととしております。当事業年度末における手元資金は1,964,228千円と資産合計の52.0%を占めており、現時点では借入れを要する多額の投資等の予定はありません。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の経営方針は、「風通しの良い相互尊重の精神あふれる職場環境をみんなで作り、みんなが働きやすい雰囲気の中で創造力、技術力を常に磨き、品質の高いソリューションを提供し続ける。」というものです。

 ソフトウエア企業にとって人材こそが最も価値ある資産であり、ソフトウエア開発には、創造力や技術力が必要です。良い発想やアイデアは良い労働環境なくしては生まれてきません。そして、その環境は会社が一方的に与えるものではなく、社員全員で創り出していくものだと考えています。

 当社では、風通しの良さ、相互尊重の精神を実現するため、部下が管理職を評価する行動指針アンケート、働きやすい職場環境を実現するための社員満足度アンケートを毎年実施しています。アンケートの結果を踏まえて経営層が議論し対策を検討する場を設けており、常に改善及び改革を実施しております。

 また当社は働き方改革にも積極的に取り組んでいます。社員が心身ともに健康であることが良い仕事をするために重要であり、ワークライフバランスを保つことが必要です。そのためには生産性の向上が不可欠です。当社は中期経営計画「SDGs Mind 2021」の重点施策としてアジアトップの合理化企業を目指し、絶え間なく様々な業務改善、効率化に取り組んでいます。

 当社の経営戦略は、「Catch and Grow」です。時代のニーズをいち早くキャッチして新製品を企画・開発し、これをデファクトスタンダード製品に育てていきます。特定製品や特定分野に依存しないことで事業リスクを分散し、着実な成長を図っていくことができます。また、当社は「社員全員が一流の技術者」であることをVisionに掲げ、技術力で勝負をする会社でありたいと考えています。特定製品や特定分野に依存しない「Catch and Grow」戦略は、世の先端をいく新しい技術を事業に取り入れていく戦略でもあります。当社は時代ニーズに合わせ常に進化を続ける会社であり、社員もまた同様に日々研鑽を重ねて成長していくことができます。この「Catch and Grow」戦略で現在までに、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」、プロジェクト管理パッケージ「SI Object Browser PM(OBPM Neo)」の4製品を収益の柱に育て、次の製品として、プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」、AI(人工知能)を使った異常検知システム「AISI∀ Anomaly Detection」、アイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」を新たな柱へと成長させるべく取り組んでいます。新製品の研究開発や既存製品の機能拡張等を行いながら、2025年2月期の売上高55億円、さらに5年後(2028年2月期)の売上高71億円、10年後(2033年2月期)の売上高120億円を目標としています。

 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 組織変更に伴い、当事業年度から、「ERP・AI事業」として区分していた報告セグメントを「ERP事業」と「AI事業」に区分変更しております。前年同期比較については、変更後の報告セグメントに組み替えた数値で比較・分析しております。

 

<Object Browser事業>

Object Browser事業は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER」、統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」及びアプリケーション設計ツール「SI Object Browser Designer」の4製品から構成されています。

「SI Object Browser」と「SI Object Browser ER」は、ソフトウエア開発の生産性向上ツールとして業界で多く利用されており、安定した収益源となっています。「SI Object Browser」は「EDB(PostgreSQL)」や「Microsoft SQL Server 22」対応等の「Oracle」以外の最新のデータベース対応、「Amazon RDS for PostgreSQL」や「Aurora PostgreSQL」等の多様化するプラットフォームへの対応等、お客様の要望を積極的に取り入れ利便性を向上させることで長期的に売上を堅持しています。

統合型プロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM」は、プロジェクト管理を合理化するツールとしてIT業界を中心に着実にお客様を増やしています。2021年3月に従来の買取モデルからクラウドサービスモデル「OBPM Neo」へとリニューアルし、累計導入実績は約250社にのぼります。リニューアル当初は販売モデルが変わったことにより一時的に売上成長率が鈍化しましたが契約社数は順調に増加しており、安定的なストック収益を獲得しております。

2022年7月から「OBPM Neo」のお客様に対し、オンラインでPMO業務を支援する「リモートPMOサービス」の提供を開始しました。DXやビジネス変革等により、全社横断的にプロジェクトの状況を監視、支援するPMOのニーズの高まりを受けて、当社がこれまで培ってきたPMOに関するノウハウを活かし、お客様に代わってプロジェクト管理を支援するという画期的なサービスです。

アプリケーション設計ツール「SI Object Browser Designer」は、2019年6月からクラウドサービスとして販売しておりましたが、収益化の目途・市場性・事業拡大の難易度等の様々な指標をもとに検討した結果、事業撤退することを決定いたしました。なお、業績に与える影響は軽微です。

前述のとおり、「OBPM Neo」のストック収益が安定的に伸びており「リモートPMOサービス」や「導入支援サービス」などフロー収益も好調であるため、Object Browser事業の当事業年度の売上高は695,322千円(前期比2.6%増)、営業利益は182,032千円(前期比20.1%増)となりました。今後も安定的なストック収益を増加させて収益のベースを作り、フロー収益を積み上げて事業の成長を目指してまいります。

 

<E-Commerce事業>

E-Commerce事業は、日本初のECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」をベースに、消費者様向けネットショッピングに限定することなくWeb上での商取引全般を対象に、お客様のニーズに合わせたE-Commerceサイトを構築し販売しています。

昨今、大手企業がIT子会社を設立し、DX戦略のもと自社ECサイトの構築保守運用業務の内製化に取り組んでいます。このような背景から、当社が販売開始時から続けてきた「SI Web Shopping」プログラムソースコードをお客様に公開することに加えて、当事業年度からは新たに「SI Web Shopping」とクロスセルする以下の2つのビジネスを立ち上げています。

・内製化支援を強化する「EC&リテールDXサポート」

・多機能PaaS「Adobe Commerce」

「EC&リテールDXサポート」は、DXを推進したい企業に対して、継続的かつ持続的開発が可能となる体制作りをサポートするプログラムとなっています。「SI Web Shopping」により、高品質なECサイトを素早く立ち上げることができるだけでなく、その後の社内開発体制構築支援まで含まれていることが最大の特長となります。

「Adobe Commerce」は、越境ECや複数のサイト、ブランドを容易に展開できるソリューションです。「SI Web Shopping」とは異なる新たなターゲット層のお客様を獲得することを目指してまいります。

以上のように、新たな取り組みを積極的に行いましたが、お客様からの新規商取引サイト立上げニーズが多いにもかかわらず新規案件獲得活動による受注が遅れ、開発リソースに依存しないビジネスとして立ち上げた「Adobe Commerce」の案件化も遅れていることから、開発業務量が十分に確保できませんでした。その結果、E-Commerce事業の当事業年度の売上高は916,023千円(前期比24.2%減)、営業利益は207,019千円(前期比49.8%減)となりました。

 しかしながら、当事業年度末には大手メーカー向けの「Adobe Commerce」案件がスタートしており、内製化支援においてもお客様との共同開発案件が進んでおります。また、ECサイト構築ニーズについても、独自性あるビジネスモデルでお客様固有の要件を取り込む必要があるECサイトの開発や自社でECサイトの内製化を進めたいなど順調に増加しています。

 

<ERP事業>

ERP事業は、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」をベースに主に製造業、IT業、卸売業のお客様に各社の業務要件に基づく基幹業務システムを構築し販売しています。

「GRANDIT」はコンソーシアム方式をとっているため、同一製品を複数のコンソーシアム加盟企業が販売しています。当社はGRANDITコンソーシアム内で1年間に最も「GRANDIT」を販売した企業に与えられる「GRANDIT AWARD Prime Partner of the Year」を過去6回受賞するなど、名実ともにERP事業をリードしています。また、当社は「GRANDIT」の企画・開発から携わった開発力と業務知識を強みに、以下のアドオンモジュールを自社開発し、当社のお客様だけでなく他のコンソーシアム企業にも販売しています。

・生産管理アドオンモジュール

・工事管理アドオンモジュール

・原価管理アドオンモジュール

・プロジェクト管理アドオンモジュール

・電子保存アドオンモジュール

これら製品の販売効果により製造業、工事・エンジニアリング業及びプロジェクト管理を必要とする業種向けに販売数が増えています。

最近はクラウド上に基幹業務システムを構築するケースがほとんどです。当社でも中小企業向けクラウドERPサービス「GRANDIT miraimil」やそれを当社のアドオンモジュールでIT業向けに特化させた業種特化型クラウドERPサービス「GRANDIT SaaS」を提供しています。

2022年11月より、電子帳簿保存法に適応したオプションの提供を開始しました。法改正に速やかに対応した今回のオプションにより、ワンプラットフォームで帳簿類の一元管理が可能となるため、業務効率を落とさずに法定要件に適応することができます。

ERP事業では基幹業務システムの更改ニーズの高まりに対応するため、多数の新卒及び中途社員の採用を実施しましたが、企業内の幅広い業務領域での業務知識やお客様固有の業務要件を分析して製品に適合させるスキル等、その育成には時間を要します。新規案件の規模や内容がスキルレベルに適合せず計画どおりに受注できていないことや案件中断等が発生した影響から、ERP事業の当事業年度の売上高は2,755,986千円(前期比3.9%減)、営業利益は152,353千円(前期比31.5%減)となりました。なお、採用数が増加したことによって間接コストが増加したため、利益率を大きく低下させていますが事業拡大推進のための計画的な投資であり、中長期的には売上・利益ともに貢献するものと考えています。

翌事業年度は、既存のお客様に対するインボイス制度対応案件が数多く見込まれております。小中規模案件をとおして、新卒及び中途社員の早期戦力化を図ります。また、当事業年度に開設した福岡支社の地方採用が好調に推移しており、順調に成長しております。今後も社内開発体制の強化を図り、これまで以上に新規案件の獲得を目指してまいります。

 

<AI事業>

AI事業は、ディープラーニング異常検知システム「AISI∀ Anomaly Detection(アイシアAD)」をベースにAIの画像認識技術を使って製造ラインの検査作業自動化を実現しようというビジネスです。前事業年度までERP事業と同一セグメントで管理しておりましたが、当事業年度からAI事業を報告セグメントとして記載しております。

「AISI∀ Anomaly Detection(アイシアAD)」は、製造業の生産工程における目視検査を自動化したい、検査の精度を高めたいというニーズを受け開発した製品です。AI・ディープラーニング画像処理ソフト市場は今後急成長する市場といわれておりますが日本企業が求める高品質基準に対応することは非常に難しく、この市場で成功するためには外観検査の実績を増やしていき、より高度な実用化レベルに達することが重要だと考えています。当事業年度には実運用に向けて多くのPoC(概念実証)を実施し、最終検証まで進んだ案件が出てきました。引き続き、知識と経験を増やし続け、日本企業が求める高品質基準に対応しうる製品にアップデートし続けていきます。

前述のとおり、実運用に向けた案件が順調に進捗しているため、AI事業の当事業年度の売上高は67,366千円(前期比254.9%増)、営業損失は36,749千円(前期は98,030千円の営業損失)となりました。

翌事業年度中に実運用に進める見込みの案件が数件あるため、早期の収益化に向けて邁進してまいります。

 

<その他事業>

その他の事業には、プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」、カスタマーサクセス支援サービス「VOICE TICKETS」、アイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」の3つの新規事業が含まれています。

「TOPSIC」は、オンライン・リアルタイムで受験者のプログラミングスキルを判定できるクラウドサービスです。中途採用における受験者のスクリーニングや社員のプログラミング教育等のニーズをとらえて、契約社数は順調に増加しています。また、2021年2月より、TOPSICの新たなシリーズ製品として、データベース言語であるSQLのスキルを判定する「TOPSIC-SQL」をリリースしました。これにより、TOPSICは、アルゴリズム能力を問う「TOPSIC-PG」とSQLスキルを問う「TOPSIC-SQL」の2つのサービスとなりました。

イベント事業としては、2018年から毎年開催しているプログラミングコンテスト「PG Battle」に加え、2022年7月からSQLのコーディング力を競うイベント「TOPSIC SQL CONTEST」も開催しております。「PG Battle」は、年々知名度が高まり、2022年10月に開催した第5回大会では、378チーム1,134名が参加する大きなイベントに成長しました。「TOPSIC SQL CONTEST」はすでに第5回大会まで開催し、会員登録数は2023年2月末時点で1,314人にのぼる規模に成長しました。このような各種イベントを通じてIT業界全体の活性化にも貢献してまいります。

2022年11月より、IT人材育成を専門とした学校の授業に「TOPSIC」が導入されました。2022年4月から小・中学校だけでなく高校でもプログラミング教育が必修になる等、プログラミングスキルの可視化に対する需要が高まっているため、新たなお客様の獲得を目指してまいります。

「IDEA GARDEN」は2021年11月にアイデアの創出と育成を促すアイデア創出プラットフォームとして誕生しました。2023年2月には、今話題の「ChatGPT」にも利用されている自然言語処理モデル「GPT-3」を活用したアイデア発想支援機能を実装いたしました。これまで社員がゼロベースで行っていたアイデア発想について、AIのアシストを介することにより、短時間で効果的なアイデアを創出することが可能となりました。また、2023年3月にも「ChatGPT」を活用した新機能「AIブレスト機能(β)」を実装いたしました。チャット形式でAIとブレインストーミングが行えるため、誰でも簡単に短時間でアイデアをブラッシュアップすることが可能となりました。本サービスは国内企業におけるイノベーション文化を醸成するため使用価値及び製品の認知度向上を最重要課題として取り組んでまいります。

「VOICE TICKETS」は2021年10月にエンドユーザー様の声を蓄積・管理できるカスタマーサクセス支援サービスとしてリリースしましたが、収益化の目途・市場性・事業拡大の難易度等、様々な指標をもとに検討した結果、事業撤退することを決定いたしました。なお、業績に与える影響は軽微となります。

以上の結果、その他事業の当事業年度の売上高は51,328千円(前期比15.1%増)、営業損失は97,808千円(前期は100,749千円の営業損失)となりました。プログラミング教育は、今後も成長を続けるものと想定しておりますので、教育市場やITエンジニア採用のためのスキルチェックサービスとして認知度を向上してまいります。また、新規イノベーションへの関心は常に高く、お客様の声をもとに製品の強化を続け認知度向上を進めてまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

2【主要な設備の状況】

2023年2月28日現在

 

事業所名

(所在地)

セグメント

の名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業

員数

(名)

建物

工具、器具

及び備品

ソフト

ウエア

(ソフト

ウエア仮

勘定含む)

合計

本社

(さいたま市中央区)

Object Browser

E-Commerce

ERP

AI

その他

本社内部造作、情報機器及びソフトウエア等

19,977

13,087

316,940

350,005

152

大阪支社

(大阪市中央区)

Object Browser

ERP

事業所内部造作、情報機器

4,400

371

697

5,469

42

東京営業所

(東京都渋谷区)

Object Browser

E-Commerce

ERP

AI

事業所内部造作、情報機器

15,347

6,936

1,225

23,509

25

福岡支社

(福岡市博多区)

ERP

事業所内部造作、情報機器

5,394

2,490

7,884

14

(注)1 現在休止中の主要な設備はありません。

2 上記事務所等においては、他の者から建物の賃借を受けております。

 

事業所名(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

年間賃借料(千円)

面積

本社

(さいたま市中央区)

Object Browser

E-Commerce

ERP

AI

その他

本社建物

109,740

1,645.02㎡

大阪支社

(大阪市中央区)

Object Browser

ERP

事業所建物

26,503

455.53㎡

東京営業所

(東京都渋谷区)

Object Browser

E-Commerce

ERP

AI

事業所建物

25,700

307.48㎡

福岡支社

(福岡市博多区)

ERP

事業所建物

11,635

314.25㎡

 

①【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

31,232,000

31,232,000

②【発行済株式】

種類

事業年度末現在発行数(株)

(2023年2月28日)

提出日現在発行数(株)

(2023年5月25日)

上場金融商品取引所名

又は登録認可金融商品

取引業協会名

内容

普通株式

11,078,400

11,078,400

東京証券取引所

(スタンダード市場)

単元株式数

100株

11,078,400

11,078,400

 

①【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

②【ライツプランの内容】

 該当事項はありません。

 

(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式

総数増減数

(株)

発行済株式

総数残高

(株)

資本金

増減額

(千円)

資本金

残高

(千円)

資本準備金

増減額

(千円)

資本準備金

残高

(千円)

2018年12月1日

(注)

5,539,200

11,078,400

367,712

357,712

(注) 株式分割(1:2)によるものであります。

 

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2023年2月28日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数 100株)

単元未満株式の状況(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数

(人)

8

17

29

21

15

5,767

5,857

所有

株式数

(単元)

5,238

728

1,580

1,339

443

101,403

110,731

5,300

所有

株式数

の割合

(%)

4.73

0.66

1.43

1.21

0.40

91.57

100

 (注)自己株式160,681株は、「個人その他」に1,606単元、「単元未満株式の状況」に81株含まれております。

 

(6)【大株主の状況】

 

 

 

2023年2月28日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

碓井 満

東京都目黒区

2,161,600

19.80

梅田 弘之

埼玉県さいたま市中央区

1,506,200

13.80

梅田 和江

静岡県伊東市

1,084,000

9.93

システムインテグレータ従業員持株会

埼玉県さいたま市中央区新都心11-2 ランド・アクシス・タワー32階

449,900

4.12

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

435,200

3.99

清水 政彦

群馬県北群馬郡

201,500

1.85

小鹿 恭裕

東京都清瀬市

186,600

1.71

引屋敷 智

東京都渋谷区

151,035

1.38

光通信株式会社

東京都豊島区西池袋1丁目4-10

136,400

1.25

鈴木 達也

東京都世田谷区

122,200

1.12

6,434,635

58.94

 

 

①【貸借対照表】

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2022年2月28日)

当事業年度

(2023年2月28日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

1,631,290

1,964,228

売掛金

864,139

562,880

契約資産

417,435

仕掛品

169,566

10,501

貯蔵品

16

16

前渡金

79,102

84,480

前払費用

56,876

45,973

その他

※1 864

※1 7,250

流動資産合計

2,801,857

3,092,768

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物

90,483

96,237

工具、器具及び備品

95,532

103,371

減価償却累計額

115,693

131,602

有形固定資産合計

70,323

68,005

無形固定資産

 

 

ソフトウエア

424,325

287,268

ソフトウエア仮勘定

40,306

31,594

その他

170

170

無形固定資産合計

464,802

319,033

投資その他の資産

 

 

投資有価証券

73,012

98,222

繰延税金資産

53,065

54,285

関係会社出資金

24,737

その他

117,569

123,034

投資その他の資産合計

243,647

300,279

固定資産合計

778,772

687,319

資産合計

3,580,630

3,780,088

 

 

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2022年2月28日)

当事業年度

(2023年2月28日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

買掛金

※1 150,211

※1 180,454

未払金

30,008

28,625

未払費用

54,040

63,638

未払法人税等

39,273

109,073

未払消費税等

71,353

54,401

前受金

340,312

契約負債

318,702

預り金

28,971

10,462

賞与引当金

146,482

145,467

流動負債合計

860,654

910,826

固定負債

 

 

業績連動報酬引当金

5,440

固定負債合計

5,440

負債合計

866,094

910,826

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

367,712

367,712

資本剰余金

 

 

資本準備金

357,712

357,712

資本剰余金合計

357,712

357,712

利益剰余金

 

 

その他利益剰余金

 

 

別途積立金

26,000

26,000

繰越利益剰余金

1,962,704

2,147,160

利益剰余金合計

1,988,704

2,173,160

自己株式

42,817

90,566

株主資本合計

2,671,311

2,808,017

評価・換算差額等

 

 

その他有価証券評価差額金

43,224

61,243

評価・換算差額等合計

43,224

61,243

純資産合計

2,714,535

2,869,261

負債純資産合計

3,580,630

3,780,088

②【損益計算書】

 

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(自 2021年3月1日

 至 2022年2月28日)

当事業年度

(自 2022年3月1日

 至 2023年2月28日)

売上高

4,817,559

※1 4,486,027

売上原価

※2,※3,※4 3,132,757

※2,※3,※4 2,909,431

売上総利益

1,684,802

1,576,595

販売費及び一般管理費

 

 

役員報酬

120,882

105,608

給料及び手当

300,893

387,922

賞与引当金繰入額

43,691

47,812

業績連動報酬引当金繰入額

5,468

5,440

退職給付費用

11,695

14,881

支払手数料

43,998

51,161

減価償却費

10,676

14,230

研究開発費

※5 62,632

※5 28,691

その他

497,652

524,879

販売費及び一般管理費合計

1,097,590

1,169,747

営業利益

587,212

406,848

営業外収益

 

 

受取配当金

1,641

1,972

未払配当金除斥益

320

184

助成金収入

7,136

講演料等収入

167

50

その他

121

123

営業外収益合計

2,250

9,467

営業外費用

 

 

為替差損

498

126

営業外費用合計

498

126

経常利益

588,964

416,189

特別損失

 

 

固定資産除却損

※6 0

※6 0

投資有価証券評価損

702

減損損失

※7 35,803

※7 148

特別損失合計

35,803

850

税引前当期純利益

553,161

415,339

法人税、住民税及び事業税

96,164

144,348

法人税等調整額

65,991

9,113

法人税等合計

162,155

135,235

当期純利益

391,006

280,103

1.報告セグメントの概要

 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分を決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社は事業別のセグメントから構成されており、「Object Browser事業」、「E-Commerce事業」、「ERP事業」及び「AI事業」の4つを報告セグメントとしております。

報告セグメント

主要な製品

Object Browser 事業

ソフトウエア開発支援ツール「SI Object Browser」シリーズ

プロジェクト管理パッケージ「SI Object Browser PM(OBPM Neo)」

E-Commerce事業

ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」

ERP事業

Web-ERPパッケージ「GRANDIT」

AI事業

AI・ディープラーニング外観検査システム「AISI∀ Anomaly Detection」

 

 当事業年度より、新規事業であるAI事業の推進状況を明確化するため、「ERP・AI事業」からAI事業を分離して管理する体制に組織変更を行っております。当該組織変更に伴い、「ERP・AI事業」から、「ERP事業」と「AI事業」に区分して表示しております。

 なお、前事業年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。