株式会社アバントグループ
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.従業員数は就業人数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であります。
3.2019年12月1日付けで普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。第23期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第26期の期首から適用しており、第26期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.従業員数は就業人数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であります。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであります。なお、第24期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。
4.2019年12月1日付けで普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。第23期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。なお、1株当たり配当額において、第23期配当については当該株式分割前の実際の配当金の額を記載しております。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第26期の期首から適用しており、第26期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
6.第26期の1株当たり配当額には、創立25周年記念配当1円を含んでおります。
当社グループは当社、子会社5社及び関連会社1社で構成され、「企業価値向上に役立つソフトウエア会社になる」とのマテリアリティの実現に向けて、企業価値向上を目指すお客様が財務・非財務を問わず様々な情報をもとに適時・適切な経営判断を行い、経営改革を推進するためのソフトウエア・システムの開発・販売・保守や、ソフトウエアベースのコンサルティング・BPOサービスの提供を通じて、経営のデジタルトランスフォーメーションに貢献しています。
なお、当社は特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、以下の通りであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
連結子会社及び持分法適用関連会社については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」をご参照ください。
(1) グループ・ガバナンス事業
連結経営及び連結会計向け自社開発パッケージ・ソフトウエアであるDivaSystemのライセンス販売と、その導入コンサルティング・サービスの提供を行っております。また、稼働開始後には、バージョンアップへの対応を含めた持続的なメンテナンス・サービスも行っております。
この他、IFRS対応や経営管理の高度化、予算管理・管理会計などに係るコンサルティング・サービス、ソリューションの提供も行っております。
また、主に監査法人などに提供している株式会社インターネットディスクロージャーによる開示書類の情報検索サービスもグループ・ガバナンス事業に含まれます。
(2) デジタルトランスフォーメーション推進事業
BI(ビジネス・インテリジェンス)と呼ばれる情報の活用のためのシステムインテグレーション・サービスやクラウド・データ・プラットフォームの導入支援を展開しております。これは、業務システムなどに蓄積される企業内の膨大なデータを統合・整理することで、レポートやグラフで分析し、企業の意思決定に活用できるようにするためのシステム開発サービスであり、顧客の「情報活用力」向上の実現を支援しております。
(3) アウトソーシング事業
連結決算及び連結納税などの業務をアウトソーシングで受託するサービスを行っております。顧客の業務の一部を代行し、業務の属人化やボトルネックを解消する一方、顧客の管理部門の人材が各種情報の分析や活用など、より経営や事業に価値を提供できる業務に注力するための環境作りに寄与しております。
[事業系統図]
以上、述べた事項を事業系統図によって示すと、次の通りであります。

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
なお、「その他」は各セグメントに含まれない事業セグメントであり、ITプロダクト・サービスの調査等で
あります。
2.特定子会社に該当しております。
3.当社グループは2022年10月1日に連結子会社間の会社分割を伴う組織再編を実施しました。それにより、当社及び当社の連結子会社の商号を以下の通り変更いたしました。
4.売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)が連結売上高の10%を超える連結子会社の「主要な損益情報等」は、次の通りであります。
(注)各社売上高につき組織再編前、組織再編後の値は以下のようになっております。
2023年6月30日現在
(注) 1.従業員数は就業人数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であります。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員であります。
4.前連結会計年度末に比べ従業員数が163名増加しておりますが、これは主に業務拡大に伴う新規採用によるものです。
また、四半期毎の従業員数の推移は次の通りであります。

2023年6月30日現在
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であります。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.当社は持株会社であるため、セグメント別の従業員数は記載しておりません。
(3) 労働組合の状況
当社グループにおいては、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.算定に該当する従業員が在籍していない場合、「-」と記載しております。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.算定に該当する従業員が在籍していない場合、「-」と記載しております。
③ 当社グループ
(注) 1.「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結子会社を対象としております。
2.海外子会社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、集計を省略しております。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
4.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが合理的であると判断又は一定の前提に基づき予測したものであり、その達成及び将来の業績を保証するものではありません。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、「売上高」「純利益」「1人当たりの営業利益」「ソフトウエア粗利益」「ROE」「DOE」の6項目を主要な経営指標として位置付けています。これらの具体的な目標については、2028年6月期までの5年間の新中期経営計画「BE GLOBAL 2028」において明示しています。
新中期経営計画において、ソフトウエア中心の戦略を通じて「1人当たりの営業利益」を通じた価値創造生産性の向上を目指しています。この取り組みは、人材の価値と企業価値の向上を目的とした「価値創造スパイラル」を実現するものです。具体的には、戦略の進捗度を示す「ソフトウエア粗利益」と、価値創造生産性を示す「1人当たりの営業利益」を主要な戦略指標として考えています。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
① 持続的な収益成長と事業拡大
当社グループは「世界に通用するソフトウエア企業となる」ことを目標とした当中期経営計画「BE GLOBAL 2023」に基づいて事業活動を展開してきました。その経験に基づき、2023年8月に事業戦略とグループ戦略を一致させた新中期経営計画「BE GLOBAL 2028」を公表しました。
「BE GLOBAL 2028」の目指す方向は、「企業価値の向上に役立つソフトウエア会社になる」です。ソフトウエアを活用して、お客様への価値提供と生産性向上を追求し、その結果向上した利益でR&Dや報酬の再投資を行うことで、自社の企業価値も向上させるという価値創造スパイラルを実現することを目指しています。私たちが最も効果を発揮できる市場として、経営のデジタルトランスフォーメーションを求める企業に貢献する市場に注力しております。
サブカテゴリーとして、ディーバ社及びインターネットディスクロージャー社は連結決算開示市場、ジール社はBI・データ基盤・デジタルトランスフォーメーション市場、アバント社は投資家視点の次世代経営情報基盤市場として、それぞれ年間15%~30%の成長ポテンシャルを持つ市場での展開を進めています。
3つの事業セグメントとして、新たに2024年6月期から「連結決算開示事業」、「デジタルトランスフォーメーション推進事業」、「経営管理ソリューション事業」に変更し、持続的な収益成長と事業拡大を目指します。
② ソフトウエアドリブン戦略
当社グループでは、戦略マテリアリティの実現手段として「ソフトウエアドリブン戦略」を採用しています。各ソフトウエアの成長性や収益性を明確にし、実際のお客様貢献度を測定し、継続的に最適化を図ります。「ソフトウエア粗利益」を計測指標として、戦略の進捗度合いを確認します。
③ 価値創造生産性の向上
新中期経営計画の期間中に売上高を約2倍、純利益を約3倍にすることを目指しています。これを実現するための要因として「価値創造生産性」を位置付けております。「価値創造生産性」とは、同じ投入コストでの売上高の増加や、同じ売上高に対する投入コストの削減、いずれも重視する考え方です。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、事業戦略とグループ戦略をシンクロさせた次の5年のアクションプランを明らかにした新中期経営計画「BE GLOBAL 2028」を2023年8月に公表しました。
この「BE GLOBAL 2028」を実現するにあたって、当社が対処すべき課題は以下の通りです。
1.経営のデジタルトランスフォーメーション市場という成長市場での需要の顕在化
当社グループは現在の私たちが最も役に立つことが出来る領域として、グループ全体としては、企業価値の向上を求められている企業の、経営のデジタルトランスフォーメーション市場にポジションしています。そのサブカテゴリーとしてディーバ社及びインターネットディスクロージャー社は連結決算開示市場、ジール社はBI・データ基盤・デジタルトランスフォーメーション市場、アバント社は投資家視点の次世代経営情報基盤市場と、それぞれ年間15%~30%の成長ポテンシャルがある市場にポジションしています。
それぞれの市場において、お客様の求めるものを的確にとらえ、成長市場のポテンシャルを顕在化させていくことが必要となります。
2.お客様への貢献を実現するソフトウエアドリブン戦略の推進
当社グループでは戦略マテリアリティを「企業価値の向上に役立つソフトウエア会社になる」と定めており、お客様への貢献の手段をソフトウエア中心とします。このため、ソフトウエアごとに成長性や収益性を可視化し、どのソフトウエアが実際のお客様貢献にどの程度役立っているのか測定し、最適化を図っていきます。これをソフトウエアドリブン戦略と呼びます。
既存のソフトウエアの最適化にとどまらず、自社開発、他社からの調達を含めてソフトウエアのラインナップを拡充していきます。このために、グローバル視点でマテリアリティ実現に役立ちそうなソフトウエアの取り扱いを強化します。具体的には海外のSaaSベンダーやソフトウエア開発会社等へのマイノリティ出資を通して通常の代理店とは異なる協業関係を築き、自社取り扱いソフトウエアを増やすと同時に自社開発力向上にもつながるネットワークの拡大を行います。
3.価値創造生産性の向上
当社グループでは売上成長を上回る利益成長を目標としており、この利益成長を実現するには、同じ投下コスト(原価及び販管費)で一人あたりの売上高を増やす「売上高生産性」の向上、もしくは同じ売上高に対して投下コストを下げる「投下コスト生産性」の向上が必要となり、この2つの観点を合わせ持つ「価値創造生産性」の向上が求められます。
その実現手段の大きな柱として、ソフトウエアの調達や生成AI等を活用するためのR&Dなどを想定しており、これに関してグループ全体をけん引する役割を担う「マテリアリティ実現室」を新設し、価値創造生産性の向上を促進します。
4.人財価値向上環境整備
上記の1.~3.によって目指すべきことが明確になりますが、その実現には人財価値向上が前提となります。目指すべきことを実現するために必要な人財要件を明確にし、成長環境を用意してそのギャップを埋めていきます。
既存従業員の成長を中心にしつつ、内部だけでは難しい点は外部の優秀人財の招聘も行っていきます。通常の採用にとどまらず、ソフトウエアの調達に関連したネットワーク構築のなかでも人財発掘を模索します。
5.従業員の働きがいの向上
当社グループの大きな財産は高度な技術・専門性とチャレンジ精神を持った優れた従業員です。当社グループでは「良質な雇用を増やす」ことを経営の重要な役割として捉えており、毎期従業員数を逓増させつつも、従業員の生活・人生を豊かにし、業務においては成果の創出に集中できるような働きがいのある環境づくりに取り組んでおります。当社グループでは、働きがいのある環境づくりに向けて「Great Place to Work ®(GPTW)」を使った従業員へのアンケート調査を行い、働きがいやエンゲージメントを可視化して改善アクションを実施しており、このGPTWスコアをグループ各社70ポイントにすることを目指して取り組んでおります。
6.コンプライアンス
当社グループでは創業以来、コンプライアンスを企業統治の基本原理として重視してまいりました。一方で、昨今のコンプライアンスに対する社会的要請は一層高まっており、違反があった場合の社会的信頼の失墜は従来よりもさらに大きく、また、信頼回復に要する期間も長くなっていると捉えております。労働法規を中心とした各種関連法規はもちろん、企業倫理にも反することがないよう、従来以上に徹底しながら事業活動を推進しております。
7.サステナビリティ
グループ経営理念「100年企業の創造」とは、企業を社会の公器と見做し、社会のために存在する組織として持続的に発展することです。当社グループはお客様が経営情報を未来の創造に役立てることにおいて価値を提供することを使命とし、社会に貢献することをミッションとしていますが、その実現の過程ではさまざまなステークホルダーと関わることになるため、グループの一人一人が経済活動・環境保全・社会的公正のバランスを保つことに十分配慮して行動しなければ、持続的発展にはつながりません。このため、当社グループは2020年7月22日、グループ人権方針・グループ環境方針を定め、同年8月25日に国連グローバル・コンパクトに署名し、「人権」、「労働」、「環境」、「腐敗防止」の4分野における本質的な価値観に賛同し、支持し、実行に移すことを宣言しました。2021年7月1日には、当社グループが年間で使用する全ての電力を「グリーン電力化」し、温室効果ガス排出量をゼロとするなど、持続可能な社会の実現に向けて第一歩を踏み出すこととしました。その他に当社グループは、自治体や業界団体が主催するスポーツイベントや文化活動の支援活動を行ってまいりました。
当社グループは、コンプライアンス及びリスクマネジメントの状況を把握し、リスク管理を適切に行うとともにコンプライアンスの迅速な対応を進めるため、代表取締役を委員長とするコンプライアンス・リスクマネジメント委員会(以下、CRM委員会という)を設置し全社的なリスクマネジメント体制を整えています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの事業計画の達成、存立基盤に重大な影響を与える可能性のあるリスクには以下の11のリスクがあります。このうちの1つを「特に重要なリスク」と定め重点対応を進めています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断によるものです。
(1) 特に重要なリスク
・サイバー攻撃によるリスク
当社グループが提供するクラウドサービスには、制度会計、管理会計、事業管理などお客様の重要なデータを取り扱うサービスを提供するものがあります。それらのサービスでサイバー攻撃を原因とするサービスの停止やお客様データの喪失等が発生した場合は、お客様業務に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、それらが当社の責めに帰すべき事由により発生した場合には、損害賠償の支払いなどにより当社グループの業績及び財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があるほか、当社グループへの信頼性やブランドイメージの低下に繋がることから、特に重要なリスクであると認識しています。
当社グループではリスク低減のためにセキュリティ対策組織を設置し、リスクの識別・改善活動を継続して行い多重データバックアップ等のシステム障害対策や多要素認証等のセキュリティ対策を進めています。またそのほか、一部クラウドサービスでは米国保証業務基準書第18号(SSAE18)に準拠した「SOC1 Type2報告書」を取得するなど、第三者の立場による客観的評価を活用しシステム運用品質向上に努めています。
次に、非常に重要度が高いリスクと認識していますが、リスク顕在化時の影響が甚大とまではならないリスク項目、又はリスクが顕在化するまでに当社グループが十分対策をすることが可能であると考えるリスクについて、重要なリスクとして以下に示します。
(2) 重要なリスク
① 出資・M&Aに関するリスク
当社グループは新中期経営計画「BE GLOBAL 2028」で持続的な収益成長と事業拡大を目指しています。そのために業績及び財政状態の状況を勘案しつつ、必要に応じて企業買収や資本提携を行う方針としています。しかしながら、M&Aを進めるにあたっては、適切な候補が見つからない場合や取引条件が合意に至らないなどの理由により、当社グループの想定通りに取引が進まない可能性があるほか、出資・M&A後に偶発債務の発生や未認識債務の判明など事前の調査で把握できない問題が生じた場合はのれん等の減損に繋がるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
本リスクに対しては、M&A管掌組織が事前に候補企業の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行い、識別された各リスクの検証、対応策を踏まえて意思決定を実施するほか、各事業にて関わる出資先の経営状況等を定量的・定性的に把握することにより、当該リスクの低減に努めています。
② 事業投資・設備投資に関するリスク
当社グループは新中期経営計画の達成に向け、人財・研究開発への投資をはじめ、製品競争力の強化に向けた製品開発投資、事業基盤の整備・拡充を進めています。しかしながらこれらの事業投資は、市場環境の変化や開発製品と市場ニーズのギャップなどにより期待していた投資成果を創出できない可能性も想定されます。投資が期待される効果を発揮しない場合、中長期的に当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
本リスクに対して当社グループでは、事業投資の検討段階では投資効果とリスクを評価のうえ予め「権限規程」に定めた権限に従い慎重に決定を行い、実行段階においては計画に対する進捗状況を継続的にモニタリングし、必要な施策を適時に実施することでリスクの顕在化防止と影響低減に努めています。
③ 人財確保・育成に関するリスク
当社グループの事業推進と成長を達成するために必要となる専門的知識を有する優秀な人財の確保と育成が中期的に計画通りに進まない場合、当社グループの将来の成長性と業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記リスクに対し、採用体制の強化、市場の適正報酬水準の把握による採用競争力の確保に努めるとともに、人財教育においては新入社員のトレーニングメニューを増強するなど、入社した人財が早期に活躍貢献いただけるような施策も併せて推進しています。
④ 経営者への依存に関するリスク
当社グループの組織は現在、人財の育成と組織体制の確立を課題として取り組んでいますが、代表取締役社長である森川徹治氏への経営依存度が高いと認識しており、代表取締役社長に万が一の状況が起こった場合、事業活動の推進と業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。次世代のリーダーを事業会社の取締役に任命し経営を任せ、持株会社から監督・指導することを通じて後継者の育成に努めるとともに、採用活動も積極的に推進するなど、サクセッション・プランの策定とその遂行に取り組んでいます。
⑤ クラウドサービスデータのシステム運用停止に関するリスク
当社グループが提供するクラウドサービスに障害が発生しシステムやサービスの運用停止が発生すると、お客様業務に多大な影響を及ぼすことがあります。また、お客様データの喪失等の問題が発生した場合にはさらに影響は大きくなり、場合によっては発生した損害に対する賠償金の支払等により当社グループの業績及び財務状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。加えて、サービスの運用が滞ることは、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下にもつながります。
当社グループではシステムを安定運用しサービスを継続提供できるように、障害発生の未然防止と障害発生時の影響極小化の両面から様々な強化施策を推進しています。
⑥ 法令違反によるリスク
当社グループでは、企業として社会的責任を果たしていく上でコンプライアンス体制を有効に機能させることが不可欠であると考えています。
コンプライアンス体制を有効に機能させるため、当社グループではコンプライアンス・リスクマネジメント規程を始めとしたコンプライアンス関連規定の策定及び教育を通し全役職員への周知徹底を図るとともに、CRM委員会では、コンプライアンスにおける定量確認項目を定めコンプライアンス活動を推進しています。
⑦ サービス品質に関するリスク
当社グループでは自社開発のソフトウエアもしくは第三者のソフトウエアをお客様のニーズに応じてシステム化する導入支援や受託開発、及び決算業務を請け負うBPOサービスを提供しています。サービス提供にあたっては、契約内容あるいは要件の曖昧性等によって当初想定していた見積りからの乖離が発生する場合や、当初想定し得ない技術的な問題、プロジェクト管理等の問題が生じ原価の増加やスケジュールの遅延を招く可能性があります。このような問題が発生した場合、想定を上回る原価の発生や納期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績及び財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
サービス品質については、品質管理部門の設置によるプロジェクト品質の向上を基本としつつ、万が一の場合に備えた保険の加入などにより業績及び財務状況等への影響を低減するための対策を行っています。
⑧ 製品開発品質に伴うリスク
当社グループでは制度会計、管理会計、事業管理、データ活用基盤等の領域において複数の自社ソフトウエア製品を開発しています。新製品の開発及び既存製品への追加開発においては開発管理プロセスに基づき開発を行い品質向上及び不具合の発生防止に継続的に努めていますが、製品の不具合が発生する可能性は否定できません。当社グループ製品に不具合が発生することにより、お客様業務に影響を及ぼしてしまう可能性があるほか、その不具合を解決できない場合には、当社グループへの信用が低下する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは製品開発時の品質リスク低減を目的に品質管理部門を設置し、製品開発品質の向上に努めています。
⑨ データ消失・情報漏えい等の情報セキュリティリスク
当社グループは業務遂行の一環として、当社グループ関係者及びお客様の個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。これらの情報については外部からの当社グループインフラへの不正アクセス、当社グループ役職員や業務委託先の過誤等による情報の漏えいのほか、予期せぬ事態により流出する可能性は皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社グループ及びお客様の社会的信用に重大な影響を及ぼすとともに、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではセキュリティリスクへの対応のため、情報セキュリティ方針や個人情報保護方針を定め、情報通信技術の進歩や社会情勢、規制環境の変化に応じてこれらを見直しています。情報セキュリティ対策に関しては代表取締役社長を最高責任者とし、情報セキュリティ責任者(CISO)を中心とした情報セキュリティ委員会を設置し、方針の策定・対策の実施・教育と啓蒙・監査と評価等を行っています。また、これらの運用に関する客観的評価並びに継続的な改善活動のため国際規格であるISMS認証(ISO/IEC27001:2013)を取得しています。また四半期に一度、情報セキュリティ教育を実施して、全役職員・派遣社員・業務委託社員のセキュリティ意識向上も図っています。
⑩ 自然災害リスク
当社の役職員、事務所、設備は首都圏に集中しており、首都圏直下型地震や富士山の噴火、台風・高潮等による浸水被害により重要な情報資産の喪失、就業可能な要員の不足、インフラの崩壊等により、迅速な事業再開ができない状況となる事態が発生する可能性があります。また、当社グループの事業所が地震等の自然災害や火災の被害を受け、事業遂行及び知的財産等に関する重要な書類・データが喪失した場合、事業活動に支障をきたし業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり重要なリスクであると認識しています。
リスク低減策として、重要書類及びデータを遠隔地にバックアップするとともに、緊急対策本部の立ち上げなど初動体制の整備のほか、事業再開に向けてBCP( Business continuity plan )の策定を進めています。また、オンラインでの業務インフラの増強を図ることにより、通常時よりリモートワークを活用するなど役職員やビジネスパートナーの安全の確保と事業継続性の両立に向けた備えに努めています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の概況
当中期経営計画「BE GLOBAL 2023」の主要定量目標と達成状況
当社グループは2018年9月に「世界に通用するソフトウエア企業となる」ことを目標とする2023年6月期までの5ヶ年の当中期経営計画「BE GLOBAL 2023」を策定し、その中で「売上」「ストック売上比率」「営業利益」「売上成長率+営業利益率(GPP)」「ROE」「配当」の6項目について目標を公表いたしました。
それぞれの項目の目標及び最終年度となる当連結会計年度における達成状況は以下の通りです。

一方、ストック売上の総額は前連結会計年度比16.9%増の成長となっており、目標設定の妥当性に反省点はありますが、これはむしろ当中期計画期間に加速したデジタルトランスフォーメーションなどに代表される経営の合理化及びシステムインフラへの投資ニーズの高まりを背景として、当社グループの各事業セグメントが成長機会を逃さずお客様のニーズに適切に応えた結果でもあり、必ずしも悪い結果ではないと認識しております。
前連結会計年度より2.7ポイントの悪化となり、当中期計画期間で目標としてきた水準からも乖離がある結果となりました。さらなる売上成長の加速化又は収益性の向上に向けて取り組む必要があるものと認識しております。
一方で、最終年度を除き、計画期間において20%の水準を安定的に維持した結果、5年間の平均値は20%の水準を上回りました。
新中期経営戦略について
当社グループは2018年9月に「世界に通用するソフトウエア企業となる」ことを目標とする2023年6月期までの5ヶ年の当中期経営計画「BE GLOBAL 2023」を策定しました。
オペレーショナルKPI、財務KPIともに達成し、当中期経営計画期間において売上高・営業利益を2倍近い水準に成長させることができました。唯一、ビジネスモデルの転換の目標であった戦略KPIは達成できませんでしたが、ストック売上高は2018年6月期の40億円から2023年6月期には76億円まで増加させることができました。
戦略KPIにおける課題に対しても、当中期経営計画の3年目には方針転換を行い、それを踏まえた活動を実施してきました。
戦略KPIによって進捗を計測しようとしていたビジネスモデルの転換について、当初はM&Aを用いることを想定していましたが、案件の価格高騰、マネジメント能力不足等で許容できるリスクを超える案件を複数経験し、M&Aに依存するのではなく、オーガニック成長を前提とした計画へ方針転換をしました。
この方針転換の中で戦略マテリアリティを「企業価値の向上に役立つソフトウエア会社になる」に言語化し、組織再編も行いました。
組織再編では戦略マテリアリティ実現のためにどの市場に各事業会社を配置するかについて最適化し、この事業会社の新しい役割分担に基づいて中期経営計画策定をし、そのアウトプットが新中期経営計画「BE GLOBAL 2028」です。
新中期経営計画「BE GLOBAL 2028」では、ソフトウエアドリブン戦略によってもたらされる価値創造生産性の向上を起点とした価値創造スパイラルの実現を目指しています。
1人当たり営業利益にて計測される価値創造生産性の向上により、報酬還元や人的投資を行い、これにより人財価値創造を実現します。サービス提供だけにとどまらず、ソフトウエアを生み出すのも人財であるため、人財価値創造により事業成長が持続可能なものとなります。これにより企業価値創造という結果が生まれます。企業価値があがれば資金調達力もあがり、事業投資を行う余力も増え、これにより価値創造生産性の向上がもたらされます。
このような価値創造スパイラルの目指すベクトルは、戦略マテリアリティ「企業価値の向上に役立つソフトウエア会社になる」であり、これを実現します。
B2Bソフトウエア成長企業として純利益成長率CAGR25%以上を基準とし、売上高2倍に対して純利益3倍という利益成長を目指します。この利益成長には、同じ投下コスト(原価及び販管費)で一人あたりの売上高を増やす「売上高生産性」の向上、もしくは同じ売上高に対して投下コストを下げる「投下コスト生産性」の向上が必要になります。これらの生産性を総合的に「価値創造生産性」と呼びます。
価値創造生産性の向上を図る指標である一人当たり営業利益は5年で1.5倍に、また、ソフトウエアドリブン戦略の進捗を図るソフトウエア粗利額は5年で3倍にする計画にしています。
アグレッシブグロース株ではなくグロース株である当社グループは財務KPIとしてROEを掲げ、平均20%を維持します。また、安定的に株主還元を行うため、DOE(純資産配当率)平均7%を規律とします。
なお、経営成績等の状況に関する詳細な分析は以下の通りです。
(2) 経営成績の状況
当連結会計年度における連結業績は以下の通りです。
連結売上高に関しては、お客様である日本企業の間で中長期的なトレンドとなりつつある「データ及びデジタル技術を活用した企業経営・企業活動の高度化」を通じた競争力維持・強化のための投資ニーズの高まりを積極的に捉え、グループ・ガバナンス事業、デジタルトランスフォーメーション推進事業、アウトソーシング事業の3事業全てが順調に伸長した結果、当連結会計年度の連結売上高は21,424百万円(前年同期比14.5%増)となりました。
当中期経営計画において、経営目標の一つとして掲げているストック売上(例えばソフトウエアの保守料など、継続的に発生する売上)比率の向上については、恒常的に90%前後のストック売上比率を維持しているアウトソーシング事業が高い成長率を示し、グループ全体における売上構成割合が増加するとともに、残り2つの事業でもストック売上比率が向上した結果、35.3%と前年同期よりも0.7ポイント増加しました。一方、ストック売上総額においても前年同期比16.9%増と安定的な成長を継続しております。
利益に関しては、当期はグループ全体として新中期経営計画のスタートに向けた体制整備を推進してきたことにより、人材確保を目的とした競争力強化に伴う待遇向上・採用補充による人員増を背景とする固定的人件費や、組織再編に伴うリブランディングや事業会社におけるプロダクトの整理及び開発環境の整備による費用増、また顧客からの需要増に対応する外注加工費の増加といった影響により、営業利益3,289百万円(前年同期比1.3%増)、経常利益3,265百万円(前年同期比9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,094百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
各報告セグメントの状況は以下の通りです。
グループ・ガバナンス事業については、売上高10,033百万円(前年同期比7.0%増)と増収となりました。グループ経営管理に資するソリューションの成長が増収の要因となった一方で、組織再編に伴い営業活動に制約が生じたことにより増収は限定的な水準となりました。需要増に対応するための外注加工費の増加に加え、再編に並行してプロダクトの整理及び開発環境の整備を行い、その費用が増加したため、利益率が前年同四半期水準を下回り、利益額も減少しました。その結果、営業利益は1,709百万円(前年同期比17.0%減)と減益になりました。
デジタルトランスフォーメーション推進事業については、経営や事業推進に関わる意思決定にデータを活用するニーズが引き続き加速しており、「クラウド・データ・プラットフォームの構築」を中心とするものへと案件が移行し大型化している一方で、従来の主力領域である「ビジネス・インテリジェンスに関連した開発」も好調に推移した結果、売上高は8,381百万円(前年同期比19.5%増)と増収となりました。人員確保のため競争力強化を意図した報酬水準の引き上げによる人件費増加はあるものの、増収効果で吸収し、営業利益も1,521百万円(前年同期比22.3%増)と、前連結会計年度を大きく上回りました。
アウトソーシング事業については、引き続き高い売上成長率を維持するとともに、堅調にストック売上を積み上げた結果、売上高3,755百万円(前年同期比23.4%増)と増収となりました。収益性の面では、将来の持続的な成長を実現するための人員採用の推進及びオフィス増床等のコスト増要因はあるものの、増収効果により利益額は増加しました。その結果、営業利益824百万円(前年同期比24.7%増)と増益となりました。
該当事項はありません。
当連結会計年度の受注実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の主要な相手先がいないため記載しておりません。
(3) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、18,705百万円(前連結会計年度末比2,088百万円増)となりました。これは主に、現金及び預金の増加873百万円、前払費用の増加285百万円、その他流動資産の増加577百万円、投資有価証券の増加260百万円などによるものです。
一方、負債合計は6,377百万円(前連結会計年度末比357百万円増)となりました。これは主に、契約負債の増加440百万円、未払金及び未払費用の増加120百万円、未払法人税等の減少232百万円、などによるものです。
また、純資産合計は親会社株主に帰属する当期純利益2,094百万円の計上、剰余金の配当489百万円の支払いにより、12,328百万円(前連結会計年度末比1,730百万円増)となりました。この結果、自己資本比率は65.9%(前連結会計年度末は63.8%)と、前連結会計年度に比べ2.1ポイント向上し、有利子負債も少なく安定性の高い財務バランスを保っていると考えております。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ878百万円増加し、10,881百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、2,175百万円となりました。(前連結会計年度は3,026百万円の獲得)
増加要因の主な内訳は、税金等調整前当期純利益3,079百万円、減価償却費449百万円、減損損失186百万円、契約負債の増減額440百万円、減少要因の主な内訳は、前払費用の増減額279百万円、法人税等の支払額1,560百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、795百万円となりました。(前連結会計年度は398百万円の使用)
支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出225百万円、無形固定資産の取得による支出521百万円、投資有価証券の取得による支出152百万円、敷金及び保証金の差入による支出120百万円などであり、収入の主な内訳は、有価証券の償還による収入90百万円、敷金及び保証金の回収による収入139百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、507百万円となりました。(前連結会計年度は433百万円の使用)
支出の主な内訳は、配当金の支払額489百万円であります。
グループ・ガバナンス事業における保守料やアウトソーシング事業の支払手数料については、役務の提供前に年間分が前払いされることから、元より運転資金が殆ど必要のないビジネスモデルとなっています。反面、デジタルトランスフォーメーション推進事業は外注費等の支払いが先行するため、売上が伸びるに従って増加運転資金需要が発生することになりますが、グループ全体の余剰資金を持株会社へ集中することにより、グループ間での円滑な資金融通を可能としている他、グループ全体としては、現金総保有高に加え、取引各行と総額35億円のコミットメントラインを設定しているところから、現状、資金繰りに懸念はありません。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループでは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された最適な資本構成を維持・追求することを基本方針としております。
当社グループの主な所要資金は、オフィス及びIT関連の設備投資や、経常の運転資金であり、これら所要資金については、適宜、自己資金及び銀行からの借入により調達しております。
なお、当連結会計年度末において借入金の残高はありません。また、現金及び預金10,317百万円を保有しており、必要な資金は確保されていると認識しております。
資金の流動性については、グループ間の資金管理契約によりグループ各社における余剰資金の有効活用に努め、さらに金融機関との間にコミットメントライン契約を締結していることにより、急な資金需要や不測の事態にも備えております。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、当連結会計年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績やその他のさまざまな要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りであります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
①繰延税金資産
当社グループでは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。将来の課税所得に関する予測は、過去の実績や一定の仮定のもとに行っているため、経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②賞与引当金
賞与引当金は、従業員に対する翌連結会計年度賞与支給見込額のうち当期間対応額を計上しておりますが、実際の支給額は支給時点における外部環境及び当社グループの状況を勘案のうえ決定されるため、実際の支給額が見積りと異なる場合には追加の費用計上が必要となる可能性があります。
③受注損失引当金
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、翌連結会計年度以降の損失発生見込額を計上しております。実際の発生原価が見積りと異なる場合、追加の引当金計上が必要となる可能性があります。
当社は、2022年6月22日開催の取締役会において、2022年10月1日を効力発生日として、当社グループの組織再編(連結子会社間の会社分割)を行う方針について決議し、2022年7月15日付けで、当社の連結子会社間の吸収分割契約をそれぞれ締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(企業結合等関係)をご参照ください。
当社グループにおける主要な設備は以下の通りであります。
2023年6月30日現在
(注) 1.有形固定資産のほか、ソフトウエア(市場販売目的のソフトウエアを除く)を含めて記載しております。
2.本社については、事業所とともに設備の一部を連結子会社から賃借しております。
3.帳簿価額のうち「その他」は、電話加入権、商標権であります。
2023年6月30日現在
(注) 1.有形固定資産のほか、ソフトウエア(市場販売目的のソフトウエアを除く)を含めて記載しております。
2.建物は全て間仕切等の建物附属設備であります。なお、本社事務所及び他の事務所はいずれも賃借しております。
3.帳簿価額のうち「その他」は、車両運搬具であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1.譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行によるものであります。
発行価格 1,567円
資本組入額 783.5円
割当先 当社の執行役員及び当社子会社の取締役の合計10名
2.譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行によるものであります。
発行価格 1,845円
資本組入額 922.5円
割当先 当社の執行役員及び当社子会社の取締役の合計10名
3.株式分割(1:2)によるものであります。
4.譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行によるものであります。
発行価格 1,023円
資本組入額 511.5円
割当先 当社の執行役員及び当社子会社の取締役の合計11名
5.業績連動型株式報酬としての新株式の発行によるものであります。
発行価格 1,575円
資本組入額 787.5円
割当先 当社の取締役1名
6.譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行によるものであります。
発行価格 1,575円
資本組入額 787.5円
割当先 当社の執行役員及び当社子会社の取締役の合計13名
7.譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行によるものであります。
発行価格 1,571円
資本組入額 785.5円
割当先 当社の執行役員及び当社子会社の取締役の合計15名
8.業績連動型株式報酬としての新株式の発行によるものであります。
発行価格 1,571円
資本組入額 785.5円
割当先 当社の取締役1名
2023年6月30日現在
(注) 自己株式2,998株は、「個人その他」に29単元、「単元未満株式の状況」に98株含まれております。
2023年6月30日現在
(注) 上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次の通りであります。
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 3,197,300株
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 1,801,800株
1.報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、経営情報の「使える化(グループ・ガバナンス事業)」、「見える化(デジタルトランスフォーメーション推進事業)」、「任せる化(アウトソーシング事業)」に取り組んでおり、三つの領域の事業ポートフォリオでの業績管理を行っていることから、「グループ・ガバナンス事業」、「デジタルトランスフォーメーション推進事業」及び「アウトソーシング事業」の3つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「グループ・ガバナンス事業」では、連結経営及び連結会計向け自社開発パッケージソフトウエアであるDivaSystemのライセンス販売と、その導入コンサルティング・サービスの提供を行っております。また、稼働開始後には、バージョンアップへの対応を含めた持続的なメンテナンス・サービスも行っております。
この他、IFRS対応や経営管理の高度化、予算管理・管理会計などに係るコンサルティング・サービス・ソリューションの提供も行っております。
また、主に監査法人などに提供している開示書類の情報検索サービスもグループ・ガバナンス事業に含まれます。
「デジタルトランスフォーメーション推進事業」では、BI(ビジネス・インテリジェンス)と呼ばれる情報の活用のためのシステムインテグレーション・サービスを展開しております。これは、業務システムなどに蓄積される企業内の膨大なデータを統合・整理することで、レポートやグラフで分析し、企業の意思決定に活用できるようにするためのシステム開発サービスであり、顧客の「情報活用力」向上の実現を支援しております。
「アウトソーシング事業」では、連結決算及び連結納税などの業務をアウトソーシングで受託するサービスを行っております。顧客の業務の一部を代行し、業務の属人化やボトルネックを解消する一方、顧客の管理部門の人材が各種情報の分析や活用など、より経営や事業に価値を提供できる業務に注力するための環境作りに寄与しております。





