株式会社パソナグループ
Pasona Group Inc.
千代田区丸の内一丁目5番1号
証券コード:21680
業界:サービス業
有価証券報告書の提出日:2023年8月25日

(1) 連結経営指標等

回次

第12期

第13期

第14期

第15期

第16期

決算年月

2019年5月

2020年5月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

売上高

(百万円)

326,984

324,984

334,540

366,096

372,579

経常利益

(百万円)

9,237

10,236

20,379

22,496

15,366

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

1,975

594

6,784

8,621

6,099

包括利益

(百万円)

4,616

3,369

10,251

14,433

10,468

純資産

(百万円)

40,253

42,316

49,779

67,146

71,624

総資産

(百万円)

119,459

140,441

151,641

203,746

275,504

1株当たり純資産額

(円)

724.91

813.28

974.85

1,276.00

1,378.40

1株当たり当期純利益

(円)

50.52

15.21

173.36

220.19

155.70

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

219.41

155.22

自己資本比率

(%)

23.7

22.7

25.2

24.5

19.6

自己資本利益率

(%)

7.6

2.0

19.4

19.6

11.7

株価収益率

(倍)

33.1

84.2

10.9

9.5

11.2

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

9,186

11,424

18,868

10,115

5,961

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

6,519

6,964

9,665

29,624

12,502

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

3,962

12,102

5,147

23,543

2,292

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

31,793

48,147

52,298

56,578

47,919

従業員数

(名)

7,855

(1,462)

9,657

(9,931)

9,498

(12,291)

10,364

(13,124)

9,786

(15,132)

(外、平均臨時雇用者数)

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であり、期間契約従業員は含まれておりません。第15期に比べ従業員数が578名減少し、臨時従業員数が2,008名増加しております。これらの増減は主に、期間限定の案件拡大に伴う人員増と、「従業員数」及び「平均臨時従業員数」の集計範囲の変更を行った結果によるものであります。

2 第12期から第14期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3 当社は株式給付信託(BBT)及び株式給付信託(J-ESOP)を導入しており、株主資本において自己株式として計上されている株式給付信託(BBT)及び株式給付信託(J-ESOP)に残存する自社の株式は、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益の算定上、期末発行済株式総数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。

4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第15期の期首より適用しており、第15期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(参考)上記の経営指標の資産及び負債には、当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」が含まれております。

これらの資産及び負債を控除した総資産及び自己資本比率は、以下のとおりです。

 

回次

第14期

第15期

第16期

決算年月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

総資産

(百万円)

149,652

193,622

200,634

自己資本比率

(%)

25.5

25.8

26.9

 

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第12期

第13期

第14期

第15期

第16期

決算年月

2019年5月

2020年5月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

売上高

(百万円)

8,751

9,497

14,477

10,060

15,646

経常利益

又は経常損失(△)

(百万円)

2,139

2,664

2,846

4,231

691

当期純利益

(百万円)

681

1,569

1,295

1,338

2,033

資本金

(百万円)

5,000

5,000

5,000

5,000

5,000

発行済株式総数

(株)

41,690,300

41,690,300

41,690,300

41,690,300

41,690,300

純資産

(百万円)

19,292

20,148

18,578

18,758

19,396

総資産

(百万円)

59,306

78,213

80,170

89,955

97,963

1株当たり純資産額

(円)

493.21

515.10

474.67

478.85

495.11

1株当たり配当額

(円)

18.00

19.00

30.00

35.00

35.00

(内1株当たり中間配当額)

(円)

-)

-)

-)

-)

-)

1株当たり当期純利益

(円)

17.42

40.12

33.10

34.18

51.90

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

32.5

25.8

23.2

20.9

19.8

自己資本利益率

(%)

3.5

8.0

6.7

7.2

10.7

株価収益率

(倍)

96.0

31.9

57.3

61.3

33.5

配当性向

(%)

103.3

47.4

90.6

102.4

67.4

従業員数

(名)

538

661

645

674

731

(外、平均臨時雇用者数)

(37)

(334)

(324)

(296)

(370)

株主総利回り

(%)

100.0

78.0

116.0

130.0

111.0

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(88.6)

(94.1)

(118.2)

(120.3)

(137.8)

最高株価

(円)

1,995

1,776

2,283

3,860

2,215

最低株価

(円)

1,008

680

1,117

1,847

1,707

 

(注) 1 第15期の1株当たり配当額35円は、特別配当5円を含んでおります。

2 従業員数は就業人員数であり、期間契約従業員は含まれておりません。前事業年度末に比べ臨時従業員数が74名増加しておりますが、これは主に「従業員数」及び「臨時従業員数」の集計範囲の変更を行った結果によるものであります。

3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

4 株主資本において自己株式として計上されている株式給付信託(BBT)及び株式給付信託(J-ESOP)に残存する自社の株式は、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益の算定上、期末発行済株式総数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。

5 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

 

 

2 【沿革】

 主婦の方々の就労機会創出を主たる目的に、1976年2月に株式会社パソナの前身は設立されました。

 その後、人材派遣・請負、人材紹介、アウトソーシング、人材コンサルティング、教育・研修などの事業(以下、「人材関連事業」)と、その他事業を分離したうえで、経営資源を人材関連事業に集約すべく、2000年6月1日に旧株式会社パソナから国内の人材関連事業の営業を譲り受け、また、商号についても、同日に旧株式会社パソナが株式会社南部エンタープライズに商号を変更するのと同時に、株式会社パソナサンライズから株式会社パソナへと商号を変更いたしました。

 株式会社パソナは、2007年12月3日付で株式移転により完全親会社となる株式会社パソナグループ(当社)を設立し、当社の完全子会社となりました。また当社は、2008年3月1日に当社を承継会社とする吸収分割により株式会社パソナより関係会社管理機能及び一部の事業を承継いたしました。

 

沿革                                       (2023年5月31日現在)

年月

事項

1976年2月

大阪市北区に人材派遣事業を主業務として、(株)テンポラリーセンターの前身を設立

1993年6月

(株)テンポラリーセンターの商号を(株)パソナに変更

2000年6月

旧(株)パソナ(現(株)南部エンタープライズ)より人材関連事業に関する営業を譲受け、商号を

(株)パソナに変更

2001年12月

大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場に上場

2003年10月

東京証券取引所市場第一部に上場

2004年3月

(株)パソナテックが同社株式を日本証券業協会(ジャスダック)に店頭登録

9月

(株)ベネフィット・ワンが同社株式を日本証券業協会(ジャスダック)に店頭登録

2006年3月

(株)ベネフィット・ワンが同社株式を東京証券取引所市場第二部に上場

2007年12月

 

株式移転により純粋持株会社として(株)パソナグループを設立
東京証券取引所市場第一部、大阪証券取引所ヘラクレスに上場

2008年12月

大阪証券取引所ヘラクレスの上場を廃止

2009年7月

(株)パソナが(株)三井物産ヒューマンリソースを吸収合併

11月

(株)パソナテックの株式を公開買付により追加取得し完全子会社化

2010年2月

エイアイジースタッフ(株)(現(株)パソナ)の全株式を取得し完全子会社化

3月

(株)パソナキャリアが(株)パソナと合併し、商号を(株)パソナに変更

2011年3月

(株)ケーアイエス(現(株)パソナ)の株式を取得し子会社化

6月

(株)パソナがリコー・ヒューマン・クリエイツ(株)、リコー三愛ライフ(株)の人材派遣事業に関する

権利義務を吸収分割により承継

12月

(株)国際交流センター(現(株)パソナ)の株式を取得し完全子会社化

(株)パソナ農援隊を完全子会社として設立

2012年3月

キャプラン(株)の株式を取得し完全子会社化

 

(株)ベネフィット・ワンが(株)ユニマットソリューションズ(現(株)ベネフィット・ワン)の株式を取得し

完全子会社化

4月

(株)安川ビジネススタッフ(現(株)パソナ安川ビジネススタッフ)の株式を取得し子会社化 ※

5月

ビーウィズ(株)の株式を取得し子会社化

(株)ベネフィット・ワンが(株)保健教育センター(現(株)ベネフィット・ワン)の株式を取得し完全子会社化

9月

(株)パソナふるさとインキュベーションを(株)ベネフィット・ワンとの合弁会社として設立

11月

(株)パソナテキーラ(現サークレイス(株))を子会社として設立

2013年1月

キャプラン(株)が(株)アサヒビールコミュニケーションズの株式を取得し子会社化

2月

(株)パソナライフケアを完全子会社として設立

3月

(株)パソナテキーラ(現サークレイス(株))をTquila International PTE Ltd.、salesforce.com, inc.と合弁会社化

12月

(株)エコLOVE(現(株)Pasona art now)の株式を取得し完全子会社化

2014年4月

(株)メディカルアソシア(現(株)パソナ)の株式を取得し子会社化

2015年1月

(株)丹後王国を子会社として設立

4月

(株)パソナ東北創生を子会社として設立

 

パナソニック ビジネスサービス(株)(現パソナ・パナソニック ビジネスサービス(株))の株式を取得、

同社ならびに同社子会社の新日本工業(株)(現(株)ゴートップ)を子会社化

 

 

 

年月

事項

2015年8月

(株)ベネフィットワン・ペイロール(現(株)パソナHRソリューション)を(株)ベネフィット・ワンとの合弁

会社として設立

10月

インドネシアのPT. Dutagriya Saranaの株式を取得し子会社化

2016年4月

(株)パソナが大阪ガスエクセレントエージェンシー(株)(現(株)パソナ)の株式を取得して子会社化

 

(株)パソナナレッジパートナーをパナソニックIPマネジメント(株)、(株)日本雇用創出機構(現(株)

パソナマスターズ)との合弁会社として設立

12月

(株)ニジゲンノモリを子会社として設立

(株)ベネフィット・ワンがREWARDZ PRIVATE LIMITEDの株式を取得し子会社化

2017年8月

(株)パソナがNTTヒューマンソリューションズ(株)(現(株)パソナHS)及び
テルウェル・ジョブサポート(株)(現(株)パソナHS)の株式を取得し子会社化、
(株)エヌ・ティ・ティ エムイーサービス、NTTソルコ&北海道テレマート(株)、
テルウェル西日本(株)、ドコモ・データコム(株)の人材派遣事業を譲受け

9月

(株)パソナが(株)ドロップシステム(現(株)パソナ)の株式を取得し子会社化

2018年2月

マレーシアのAgensi Pekerjaan Pasona Sdn. Bhd.の株式を取得し子会社化

4月

三菱重工業(株)子会社のMHIダイヤモンドスタッフ(株)(現長崎ダイヤモンドスタッフ(株))の株式を

取得し子会社化

(株)Job-Hub(現(株)パソナJOB HUB)を子会社として設立

11月

(株)ベネフィット・ワンが同社株式を東京証券取引所市場第一部に指定替え

2019年6月

(株)パソナ顧問ネットワーク(現(株)パソナJOB HUB)を子会社として設立

2020年1月

Pasona HR Consulting (Thailand) Co., Ltd.を子会社として設立

3月

(株)丹後王国ブルワリーが(株)丹後王国の事業譲受け

 

(株)丹後王国ブルワリーの全株式を取得し完全子会社化

4月

(株)パソナスマイルを子会社として設立

9月

(株)パソナナレッジパートナーが(株)パソナ知財信託を設立

12月

Pasona Oversea Recruitment (Thailand) Co., Ltd. を子会社として設立

2021年7月

(株)パソナHR HUBを子会社として設立

8月

(株)古酒の舎を子会社として設立

9月

(株)awajishima resortを子会社として設立

10月

(株)ベネフィット・ワンが(株)JTBベネフィットの全株式を取得し完全子会社化

12月

(株)All Japan Tourism Allianceを子会社として設立

2022年3月

子会社であるビーウィズ(株)が東京証券取引所市場第一部に上場

4月

(株)ベネフィット・ワンが(株)JTBベネフィットを合併

 

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、当社及び(株)ベネフィット・ワン、ビーウィズ(株)が東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行

6月

(株)パソナ農援隊が(株)Awaji Nature Farmを完全子会社として設立

9月

(株)パソナふるさとインキュベーション及び(株)ニジゲンノモリを完全子会社化

10月

(株)ビーウィズが(株)ドゥアイネットの株式を取得し子会社化

2023年1月

(株)かんでんジョイナス(現(株)パソナジョイナス) の株式を取得し子会社化

4月

(株)かんでんジョイナスの商号を(株)パソナジョイナスに変更

 

※ (株)パソナ安川ビジネススタッフは2023年8月1日より、(株)パソナYBSに商号を変更しております。

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、持株会社である当社と連結子会社69社及び持分法適用関連会社5社で構成されており、エキスパートサービス(人材派遣)、BPOサービス(委託・請負)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、福利厚生アウトソーシング等の8セグメントに分類し、人材関連事業や地方創生事業等を行っております。

 2023年5月31日現在の事業セグメントと主なグループ各社の位置付けは以下のとおりです。

 なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

(1) 事業のセグメントと主なグループ会社 

 

セグメント

主なグループ会社

 HRソリューション 

 

エキスパートサービス(人材派遣)

 

BPOサービス(委託・請負)

 

HRコンサルティング、教育・研修、
その他

 

グローバルソーシング
(海外人材サービス)

エキスパートサービス(人材派遣)、BPOサービス(委託・請負)、

HRコンサルティング、教育・研修、その他

(株)パソナ

(株)パソナHS
(株)パソナJOB HUB 
(株)パソナロジコム
(株)Pasona art now
(株)パソナHRソリューション

(株)パソナHR HUB

(株)パソナマスターズ

(株)パソナナレッジパートナー

(株)パソナ知財信託
(株)パソナハートフル

(株)パソナジョイナス

ビーウィズ(株)
パソナ・パナソニック ビジネスサービス(株)

(株)パソナ安川ビジネススタッフ ※

キャプラン(株)
(株)アサヒビールコミュニケーションズ

長崎ダイヤモンドスタッフ(株) 

(株)ゴートップ
(株)スマートスタイル

(株)アイブリット

(株)プロフェリエ

(株)ドゥアイネット

グローバルソーシング(海外人材サービス)

 Pasona N A, Inc.
 PASONA CANADA, INC.
 PT. Dutagriya Sarana
 Pasona Taiwan Co., Ltd.
 MGR Consulting Co., Ltd.
 Pasona Asia Co., Limited
 Pasona Korea Co., Ltd.

Pasona India Private Limited
Pasona Tech Vietnam Co., Ltd.
PT Pasona HR Indonesia
Pasona Singapore Pte. Ltd.
Pasona Education Co. Limited
Pasona HR Malaysia Sdn. Bhd.
Agensi Pekerjaan Pasona Sdn. Bhd.

 Pasona Human Resources (Shanghai) Co., Ltd.
 Pasona Recruitment (Thailand) Co., Ltd.
 Pasona HR Consulting (Thailand) Co., Ltd.

 Pasona Oversea Recruitment (Thailand) Co., Ltd.

キャリアソリューション
(人材紹介、再就職支援)

(株)パソナ

 

 

アウトソーシング

(株)ベネフィット・ワン

BENEFIT ONE USA, INC.

貝那商務諮詢(上海)有限公司

PT. BENEFIT ONE INDONESIA

 BENEFIT ONE INTERNATIONAL PTE. LTD.

 BENEFIT ONE (THAILAND) COMPANY LIMITED

 REWARDZ PRIVATE LIMITED

REWARDZ BENEFITS SDN. BHD.

ライフソリューション

(株)パソナフォスター

(株)パソナライフケア

地方創生ソリューション

 

(株)パソナふるさとインキュベーション

(株)ニジゲンノモリ

(株)丹後王国ブルワリー

(株)パソナ東北創生

(株)古酒の舎

(株)All Japan Tourism Alliance

(株)パソナ農援隊

(株)パソナスマイル

(株)地方創生

(株)匠創生

(株)awajishima resort

(株)Awaji Nature Farm

 

※ (株)パソナ安川ビジネススタッフは2023年8月1日より、(株)パソナYBSに商号を変更しております。

 

 

(2) 主要なセグメントの内容

 

HRソリューション

①エキスパートサービス(人材派遣)

 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「労働者派遣法」という)」の規定に従い、厚生労働大臣の許可を受けて派遣スタッフを募集・登録し、企業等へ派遣する「労働者派遣事業」を行っております。当社グループが労働者を派遣するに際しては、予め派遣スタッフを募集・登録し、派遣スタッフの希望と派遣先の条件を合致させたうえで、派遣スタッフと当社グループとの間に雇用契約を締結し、派遣先へ派遣しております。

 

②BPOサービス(委託・請負)

 顧客から業務を受託または請け負い、当社グループの社員、その業務遂行のため雇用契約を締結した労働者等の体制で、当社グループが業務処理するものです。業務委託・請負契約による取引には、オンサイト(顧客内)において受託業務を行う形態と、当社グループが自ら設備・システム等を有して、顧客の業務プロセスを受託するBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)やコンタクトセンター運営等の形態がありますが、双方をBPOサービスに含めております。

 人材派遣契約では派遣スタッフへの指揮命令は派遣先が行うのに対し、業務委託・請負契約では当社グループが労働者に指揮命令を行います。

 

③HRコンサルティング、教育・研修、その他

 株式会社パソナJOB HUBでは、豊富なノウハウ・人脈を持つ役員経験者や高度専門領域人材をご紹介し、経営課題を解決するサービスを提供しております

 キャプラン株式会社では、企業や官公庁・自治体から受託している教育・研修、人材を一元管理するタレントマネジメントシステムの販売及び導入・活用に関するコンサルティングなどの他、人材育成や人事管理等に関するコンサルティングを行っております。

 また特例子会社の株式会社パソナハートフルでは、障害者が才能・能力を活かして働ける環境の整備や、障害者の雇用支援コンサルティングなどの社会福祉関連事業を行っています。

 

④グローバルソーシング(海外人材サービス)

 海外において、人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修等のアウトソーシングなどフルラインの人材関連サービスを提供しております。

 

⑤キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)

 「人材紹介」は、「職業安定法」に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて、転職・就職の希望者を募集・登録し、同時に求人情報を収集して相互のニーズをマッチングする有料職業紹介事業です。

 また「再就職支援」は、会社都合による企業の退職者または退職予定者等(以下、サービス利用者)に対して、次の再就職先が決定するまで、職務経歴書作成や面接対策、求人情報の提供、独立支援などを行う事業です。企業が早期退職制度の実施や外部への出向など社員の転進支援を行う場合において、こうした企業と基本契約を締結し、その企業から対価を受けて、サービス利用者のキャリア構築を支援しております。

 

⑥アウトソーシング

 企業や官公庁・自治体等が、株式会社ベネフィット・ワンの運営する会員組織の法人会員となり、法人会員の従業員(個人会員)が宿泊施設、スポーツクラブ、各種学校等の福利厚生メニューを利用できる福利厚生代行事業を主軸に、パーソナル事業(主に協業先企業の個人顧客に向けたサービス)、インセンティブ事業(多彩なポイント交換アイテムを通じたロイヤリティ・モチベーション向上支援サービス)、ヘルスケア事業(健診サービスや特定保健指導、ストレスチェック等の疾病予防のための健康支援)、購買・精算代行事業などを行っております。

 

ライフソリューション

 認可・認証保育所、企業内保育施設、学童保育の運営などを行う保育事業、デイサービス、訪問介護などを行う介護事業、家事代行事業などを行っております。

 

 

地方創生ソリューション

 地域住民や地域企業、地方自治体と協力、連携しながら、地方が持続的に発展する新しい産業の創造と雇用機会の創出を目的に地方創生事業を行っています。地域の特産品を活用した飲食事業やアミューズメント事業、宿泊事業のほか、地域活性化のための観光促進や企業誘致に関する事業を行っています。

 

 

(事業系統図)


 

 

4 【関係会社の状況】

当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、保育・介護、地方創生などの事業を行っており、連結子会社69社及び持分法適用会社5社(2023年5月31日現在)は次のとおりであります。

名称

 

住所

資本金又は
出資金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の

所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

株式会社パソナ

(注)1,5

 

東京都港区

100

人材派遣、BPO(委託・請負)、人材紹介、再就職支援

100.00

経営管理
商標の許諾
業務委託先
役員の兼任2名
資金の預り
債務の被保証

株式会社ベネフィット・ワン

(注)1,2,3,6

東京都新宿区

1,527

福利厚生代行サービス

51.16

福利厚生業務の委託先
役員の兼任1名

ビーウィズ株式会社

(注)1,2,3

東京都新宿区

794

コンタクトセンター、BPO(委託・請負)

56.45

業務委託先
役員の兼任1名

パソナ・パナソニック

ビジネスサービス株式会社

大阪府大阪市

20

総務・オフィスサポート、マニュアル・販促物制作、デジタルコンテンツ制作、ドキュメントサービス等

66.50

商標の許諾
業務委託先
役員の兼任1名
資金の預り

株式会社ニジゲンノモリ

(注) 4

 

兵庫県淡路市

100

アニメパーク「ニジゲンノモリ」の運営、地方創生事業等

100.00

(0.10)

経営管理
役員の兼任1名
資金の預け
債務の保証

株式会社パソナHS

(注) 4

 

東京都港区

100

人材派遣、BPO(委託・請負)、人材紹介、再就職支援

100.00

(100.00)

経営管理
商標の許諾
資金の預り

株式会社パソナJOB HUB

 

東京都港区

50

人材派遣、BPO(委託・請負)、人材紹介

100.00

経営管理
商標の許諾
資金の預り

株式会社パソナスマイル

兵庫県淡路市

30

アミューズメント施設の運営、文化創造事業、地方創生事業等

100.00

経営管理
商標の許諾
担保の受入
役員の兼任1名
資金の預け

株式会社パソナジョイナス

(注) 4,7

大阪府大阪市

70

人材派遣、BPO(委託・請負)、人材紹介

100.00

(0.25)

経営管理
商標の許諾
資金の預け

株式会社パソナライフケア

東京都港区

100

福祉介護サービス等

100.00

経営管理
商標の許諾
役員の兼任1名
資金の預り

その他59社

 

 

 

 

 

 

(持分法適用会社)

 

 

 

 

 

5社

 

 

 

 

 

 

 

(注) 1 特定子会社であります。

2 有価証券報告書の提出会社であります。

3 当社グループの連結子会社の中で、国内の証券市場に公開している会社は次のとおりであります。

  東京証券取引所プライム市場:株式会社ベネフィット・ワン、ビーウィズ株式会社 

4 「議決権の所有割合」欄の(内書)は間接所有であります。

5 株式会社パソナについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

  主要な損益情報等 ① 売上高           214,778百万円

           ② 経常利益         11,885百万円

           ③ 当期純利益         7,939百万円

           ④ 純資産            32,237百万円

           ⑤ 総資産           136,308百万円

6 株式会社ベネフィット・ワンについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えておりますが、当該連結子会社は、有価証券報告書の提出会社であるため、主要な損益情報等の記載を省略しております。

7 株式会社かんでんジョイナスより商号変更しております。

 

5 【従業員の状況】
(1)  連結会社の状況

2023年5月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

エキスパートサービス(人材派遣)、
BPOサービス(委託・請負)他

6,905

( 13,952  )

 

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)

358

(     147  )

 

アウトソーシング

1,242

(     253  )

 

ライフソリューション

514

(     407  )

 

地方創生ソリューション

106

(     185  )

 

全社

661

(     188  )

 

合計

9,786

15,132  )

 

 

(注) 1  従業員数は全連結会社の就業人員の合計であり、臨時従業員数は年間の平均人員を括弧内に外数で記載しております。

2  前連結会計年度末に比べ従業員数が578名減少し、臨時従業員数が2,008名増加しております。これらの増減は主に、期間限定の案件拡大に伴う人員増と、「従業員数」及び「臨時従業員数」の集計範囲の変更を行った結果によるものであります。

 

(2)  提出会社の状況

2023年5月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

731

370  )

36.3

7.9

6,226

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

エキスパートサービス(人材派遣)、
BPOサービス(委託・請負)他

70

(    182   )

 

全社

661

(    188   )

 

合計

731

(    370   )

 

 

(注) 1  従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を括弧内に外数で記載しております。

2  平均勤続年数の算定にあたっては、当社連結子会社からの転籍者については当該会社の勤続年数を通算しております。

3  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4  前事業年度末に比べ臨時従業員数が74名増加しておりますが、これは主に「従業員数」及び「臨時従業員数」の集計範囲の変更を行った結果によるものであります。

 

(3)  労働組合の状況

特記すべき事項はありません。

 

 

(4)  管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当社グループは1976年の創業以来、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが夢や誇りをもって、自由に才能を生かして活躍できる社会の実現に向けて取り組んでまいりました。社内においても、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮できる多様な働き方の提案やキャリア構築の支援をはじめ、安心して働くことのできる職場環境づくりを推進しております。

そのため、性別に関わらず同一の人事制度を適用しており、評価や昇格及び給与水準において共通の制度としております。賃金に関しても、給与規程や賃金項目において性差はなく、同等の資格レベルであれば、人事制度上、男女で賃金差異が生じることはありません。

 

提出会社及び連結子会社 (注)1

名称

管理職に占める
女性労働者の割合
(%)(注)2

男性労働者の
育児休業取得率
(%)(注)3

労働者の男女の賃金の差異(%)
(注)2、4

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

㈱パソナグループ

44.7

50.0

89.5

87.4

94.0

㈱パソナ

55.9

58.1

78.4

84.2

57.8

㈱ベネフィット・ワン (注)5

39.3

40.0

61.3

66.2

61.5

ビーウィズ㈱ (注)5

23.8

22.5

79.6

85.6

89.0

パソナ・パナソニック ビジネス
サービス㈱

25.4

0

67.1

73.6

46.0

㈱パソナライフケア

52.6

65.9

82.4

77.4

㈱パソナフォスター

42.9

99.7

81.6

109.5

㈱パソナハートフル

50.0

92.1

91.8

92.7

㈱パソナロジコム

100.0

67.9

67.1

 

(注) 1 ・それぞれの対象期間は、以下の通りです。

     管理職に占める女性労働者の割合
  対象期間:2023年5月31日時点 
  ※㈱ベネフィット・ワン、パソナ・パナソニック ビジネスサービス㈱は、2023年3月31日時点

     男性労働者の育児休業取得率、男女の賃金差異
  対象期間:2022年6月1日~2023年5月31日 
  ※㈱ベネフィット・ワン、パソナ・パナソニック ビジネスサービス㈱は、
     2022年4月1日~2023年3月31日

     ・算定に該当する従業員が在籍していない場合、「―」と記載しております。

2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

4 男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を算出しております。
・賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当等を除く
・正規雇用労働者:執行役員、正社員(時短勤務者、週3日以上の勤務者を含む)
・パート・有期労働者:有期契約社員、嘱託社員、パートタイム等、派遣スタッフ
短時間勤務制度を利用する女性比率が高いこと、管理職を含む上位の等級における男性の比率が高いこと等により、男女一人当たりの賃金に差が生じております。
またパート・有期労働者においても、男女間における給与制度上の差はありませんが、職種や職務内容等が異なるため、平均給与に差が生じております。

5 ㈱ベネフィット・ワン、ビーウィズ㈱ は、東京証券取引所プライム市場の上場会社であるため、詳細は同社提出の有価証券報告書をご参照ください。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 (1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、1976年の創業以来「社会の問題点を解決する」という不変の企業理念のもと、パソナグループの「使命」、「行動指針」に基づいて、人々の心豊かな生活を創造する「Smart Life Initiative」の実現を目指し、持続可能な社会の発展に貢献すべく様々な事業活動に取り組んでおります。


 

 

 

 

企業理念

 

 「社会の問題点を解決する」

 

 

私たちパソナグループの仕事は、『人を活かす』こと、
人々の心豊かな生活の創造、すなわち『ライフプロデュース』です。
私たちは、この役割を果たすため、
常に高い志と使命感をもち、新たな社会インフラを構築し、
果敢に挑戦し続けることを使命とします。

 

一、 誰もが自由に好きな仕事を選択し、一人ひとりの人生設計に あわせた働き方ができる社会を築く

一、 会社と個人がお互いに対等な関係で結ばれ、 自由に才能を活かせる社会を目指す

一、 ダイバーシティを推進し、一人ひとりが 夢と誇りを持って活躍できる機会を創造し続ける

 

 

 

 

 

 

 

 「使命」

 

 

 

 

パソナグループは、創業以来変わらぬ「社会の問題点を解決する」という企業理念のもと、ソーシャルソリューションカンパニーとして、私たちに関わるすべての方々に対して、人生のあらゆる場面をプロデュースするとともに、持続可能な社会に貢献することを使命とし、人々の心豊かな生活を創造する『Smart Life Initiative』を実現できる社会を目指します。

 

 

 

働くを創る

 

 

働きたいと願う誰もが、才能・能力を最大限に発揮し、それぞれのライフスタイルにあわせた働き方で活躍することができるよう、多様な社会インフラを構築し続ける

 

 

 

人生を楽しむ

 

 

働くを楽しみ、豊かな人生を送り、社会に貢献することで、誰もが生きがいや喜びを感じ、“ソーシャルワークライフバランス”を実現できる社会を築く

 

 

 

人材を育む

 

 

高い志をもって果敢にチャレンジする人たちの夢を応援し、キャリア構築の機会を創造する

 

 

 

文化を創る

 

 

人々が心豊かな人生を送るために、健康、音楽、芸術、食を通じて新たな文化を創造し、夢のある産業を創ることで、“Smart Life Initiative”を実現する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「Pasona Way 私たちの行動指針」

 

 

 

 

「企業理念/Corporate Philosophy」、「使命/Corporate Mission」のもと、社員一人ひとりがどのように行動すべきか 「パソナグループの“芯”」を示したものが『Pasona Way』です。創業の精神を継承し、常にぶれない判断の軸として、  全役員・従業員が、これを共有しています。

 

 

 

社会のために For Society

 

 

一人ひとりが社会のためにできることは何かを考え、高い志と使命感、ベンチャー精神をもって果敢に挑戦する

 

 

 

 

 

働きたいと願う誰もが安心して働き、自ら創る明るい未来に思いをはせることのできる社会を実現する

 

 

 

 

 

社会に必要とされ、影響を与えるロングセラーカンパニーであり続ける

 

 

 

 

 

ソーシャルアクティビスト集団として、社会に呼びかけ変革を起こし、社会に貢献する

 

 

働く人々のために For Working People

 

 

ライフプロデューサーとして、人に寄り添い、一人ひとりの豊かな人生設計を描くお手伝いをする

 

 

 

 

『夢は人に帰属する』 夢の先にある豊かな未来を実現するために、共に歩む

 

 

 

 

一人ひとりの才・能力、秘められた可能性を引き出し、エンカレッジする

 

 

 

 

私たちを頼ってくださるすべての方々に対して、真心と思いやりをもって接する

 

 

 

お客様のために For Clients and Customers

 

 

『パソナの強みは私です』 自信と誇りをもって行動し、信頼感と安心感をもたれるプロとしてのサービスを提供する

 

 

 

 

 

『心が心を打つ、心が心を動かす』 常に相手の立場にたって真心をこめて接する

 

 

 

 

『シンクタンクではなくドゥタンク』 お客様のために何ができるか、頭で考えず、まず行動する

 

 

 

 

『足の裏が光る』 お客様のために労を惜しまず足を運び、真摯に取り組む

 

 

 

共に働く仲間のために For Colleagues

 

 

いつもニコニコ明るい笑顔、いつもハキハキ優しい言葉、いつもイソイソ働く手足を実践する

 

 

 

 

職場の仲間、先輩、上司、後輩、身近な人にこそ感謝の気持ちを伝える

 

 

 

 

働く豊かさ、楽しさを分かち合い、イキイキと健康に働くことのできる環境を育む

 

 

 

 

パソナグループの挑戦の歴史とパソナらしさを守り、あるべき未来の姿の実現に向けて仲間と共に挑戦する

 

 

 

株主の皆様のために For Shareholders

 

 

私たちの企業理念に共感いただける株主に対して質の高い経営を行い、企業の社会的責任を果たす事業活動を推進する

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループの仕事は「人を活かす」こと、人々の心豊かな生活の創造、すなわち「ライフプロデュース」です。「ソーシャルソリューションカンパニー」として、多様化するニーズに対応し、社会から必要とされる会社であり続けるとともに、グループ連携とシナジー創出によって企業価値を高め、持続的な成長と収益性の向上に努めてまいります。

 

(3)経営戦略

①X-TECH BPOへの進化

 生産年齢人口が減少する我が国において、企業は業務の生産性向上や効率化推進を重要な経営戦略として位置付けています。また経済状況の変動に応じて、迅速かつ効果的な対応が求められる環境下では、定められた期間に外部人材や外部リソースを有効活用するプロジェクト型の業務領域も拡大しています。

 当社グループは、多様化する経営課題に対して、グループ連携を強化することでBPOサービスの領域を広げるとともに、提供するBPOサービスにはRPAやAI、アバターなどの最先端のデジタルツールを活用することで、より付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。

 また、企業の事務業務の集約化や給与計算、受付業務などの労働集約型のBPOサービスに留まらず、従業員の健康増進を支援するサービスや女性の活躍推進を促進させるプログラムの提供など、時代の流れに沿った新しいBPOサービスを開発し、サービス領域を広げてまいります。

 

②多様な働き方とキャリア形成支援の拡充

 現在国内では、リスキリングによる能力向上の支援など「三位一体の労働市場改革」の実行が議論されています。また、労働力人口に占める45歳以上の割合が年々増加し、定年後の65歳以降も継続的に働き続けるシニア人材も増加しています。

 「人生100年時代」を迎えた我が国において、当社グループは個々人の自律的なキャリア形成を支援する様々なサービスを提供しています。シニアやベテラン層の人材が、これまでの経験を活かして企業の顧問や社外役員として活躍する「プロフェッショナル・顧問人材のマッチングサービス」は年々拡大を続けています。また、企業に対して従業員の多様なキャリア形成を支援する「セーフプレースメント・トータルサービス」はリカレント教育や人的資本経営を推進する企業を中心に導入企業が増加しています。そして、女性の活躍推進が多くの企業で急務となる中、女性管理職層を対象にした人材紹介事業を更に拡大させるとともに、女性幹部候補育成プログラム「Women’s Advanced Program」を通じて、企業における女性管理職の育成および活躍推進を支援してまいります。

 

③淡路島を中心とした地方創生事業の収益拡大

 当社グループは、地域の住民や企業、地方自治体と協力・連携しながら、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生事業に取り組んでいます。兵庫県淡路島では、2008年に独立就農者を育成する「パソナチャレンジファーム」をスタートさせて以来、廃校を活用した観光拠点「のじまスコーラ」や、兵庫県立淡路島公園におけるアミューズメントパーク「ニジゲンノモリ」の運営など、地域の特産品を活用した地域活性化に取り組んでいます。現在では、地元食材を活かしたレストランや宿泊施設のほか、雄大な自然を楽しめる体験型施設など多くの施設を運営し、観光客を中心に交流人口の拡大による地方創生の実現を目指しています。

 新型コロナウイルス感染症が収束し、国内観光地にはインバウンドを含む観光客が急速に戻ってきています。当社グループの地方創生事業においては、兵庫県淡路島での事業を中心に、幅広い世代に楽しんでいただける施設やアトラクションを新規開設するとともに、インバウンドに対応した多言語化やオリジナル商品の開発、リピーター客の獲得など顧客ニーズに応じたサービス開発を進めることで、収益拡大に取り組んでまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスク毎に担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、CIU室及びグループ内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。
 このようなリスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しています。
 なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連するすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)景気動向等のマクロ環境の影響

当社グループの事業は、企業や組織の人材活用に関わる様々なソリューションサービスと生産性の向上に貢献するアウトソーシングサービスを提供するとともに、個人に対してはそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方を支援する就労インフラを提供しています。こうしたサービスは、国内外の景気変動や技術革新等のビジネス環境の変化、労働関連法令における規制等の影響を受けます。
 当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、保育・介護、地方創生などの事業を総合的に展開し特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を行っているほか、常に新しい働き方やワークライフバランスに関する情報発信や提案、啓蒙活動にも積極的に取り組んでおります。しかし今後様々な要因により、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合、各事業の業績や当社グループの収益構造に影響を受ける可能性があります。
 また今後、長期的には国内の人口推移により更なる人手不足あるいは市場縮小等が起きることも想定されます。当社グループは持続的成長に向けた取組みとして、常に社会の変化の兆しを捉え、コントロールし得るリスクテイクもしたうえ、引き続き、企業理念である「社会の問題点を解決する」ことをテーマとした様々な新規事業・サービスを開発・拡充することでリスク分散を図ってまいります。

 

(2)法的規制について

政府が推進する働き方改革により、2019年4月施行の改正労働基準法に定められた時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化、2020年4月施行の同一労働同一賃金制度における雇用区分別の均等・均衡待遇の明確化と不合理な待遇差が存在する場合はその格差是正の義務化など、無期・有期双方の従業員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化が起こっております。人材サービス事業を展開する当社グループには多数の有期・無期雇用労働者が就労しており、こうした労働関連法改正への対応や労働環境の変化により、原価率や販管費率が上昇したり、当社グループが必要な人材を十分に維持・確保できなくなる可能性があります。
 具体的には、エキスパートサービス事業において、当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努め、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおりますが、労働関係諸法令の改正に伴う対応によるスタッフ給与等の上昇や待期期間の発生、さらには有給休暇取得費用、健康診断費用等の福利厚生関連コストの負担増があるなか、派遣給与と派遣料金の値上げが必ずしも同期しない可能性があります。このような案件の急激な増加や同期しない期間の長期化による、原価率の上昇、あるいは派遣料金のコスト増を敬遠した企業の派遣利用の減少といった影響を受ける可能性があります。
 こうした状況への対応として、雇用形態の異なる労働者それぞれの職務内容を明確にするとともに、派遣スタッフについては派遣先企業に対して丁寧な説明を行い料金改定等の取組みを進めており、また事業全体の生産性ならびに効率性の向上等によるコスト増の吸収にも引き続き努めてまいります。
 また、労働者派遣法及び関係諸法令については、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容と法律で求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの事業運営、業績が少なからず影響を受ける可能性があります。

 

(3)事業の許認可及び継続について

当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。
 また人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。人材紹介事業についても、人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。
 再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。 

そして、BPOサービス事業においては、当社グループは、民間企業のほか官公庁や地方自治体、各種団体など様々な取引先から、総務・庶務、経理・財務、受付、営業事務・受発注、人事・労務などの業務を受託しサービスを提供しています。特に官公庁・地方自治体から受託した事業の遂行にあたっては、委託先の指示に沿って適正な業務運営を行う必要がありますが、近年これら事業が大型化かつ複雑化しており、当社グループのみならず再委託先と共同で取り組む事業も増加しております。当社グループにおいては関連法規の遵守や社員教育の徹底、また再委託先選定に関わる調査の実施などのガイドラインに則り、適正な業務運営に努めておりますが、重大なミスが生じた場合は当社グループの信頼性の低下や社会的な信用が毀損されるほか、委託先の規程により入札停止などの処分を受けることで業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)個人情報及び機密情報の管理について

当社グループは各事業の運営に際し、派遣登録者、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。
 当社グループではGDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。

また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。

こうした当社グループの取組みにもかかわらず、従業員等の故意または過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(5)システム障害及びサイバー攻撃に対するリスク

当社グループの事業は、国内外を問わず、コンピュータシステム及びその通信ネットワークに多くを依存していることに加え、近年の当社グループにおけるリモートワーク拡大により、当該リスクの重要性は一段と高いものとして認識しております。またシステムインフラ及びそのメンテナンス等の一部は、クラウドシステム業者を含む外部業者に委託しております。こういったシステムの利用範囲の拡大や運用形態の多様化に伴い、不測の事態への備えとして、障害発生時の体制整備、システムセキュリティの強化、通信回線やハードウェアの増強等、様々な対策を講じております。特に、近年より高度かつ複雑化するサイバー攻撃への対応については、より一層の全社的な情報セキュリティ体制の強化を目的に、経済産業省が定めるサイバーセキュリティガイドラインに沿ってPASONA-CSIRT(パソナ シーサート)を策定し、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、及び社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。これらの対策にも関わらず、人為的過誤、サイバー攻撃、広範な自然災害や外部業者のトラブル等により、コンピュータシステムや通信ネットワークが利用できなくなることにより、当社グループの業務や提供するサービスが停止する可能性があり、かかる状況が長期にわたる場合、当社グループに対する信頼性の低下を招く等の重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)事業投資について

①子会社・関連会社への投資

当社グループは今後も、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また社会的課題の解決につながる事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
 また当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境によっては評価替えなどにより当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。

 

②地方創生事業に係る商業施設について

当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、以下のような固有のリスクが想定されます。現在、地方創生ソリューションセグメントでは営業損失が継続しております。

・商業施設の新規開設については、施設規模の大きいものは多額の資金負担が生じます。人件費等の固定的な費用も多く、開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間において費用負担が先行する傾向があり、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。

・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求力増加施策が不十分であったり利用者の高い満足度を得られず利用者数が計画に届かない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。

・施設におけるアトラクション等の安全管理、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生する可能性があります。

 

③企業買収について

当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

④減損会計について

当社グループは、地方創生事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産やのれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損会計の適用を受ける場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)資金調達について

当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)によりグループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。資金需要に対する機動的な対応と、当社の考える資本コストのバランスからある程度の現金及び現金同等物を保有するとともに、資金需要の規模に応じた個別借入れや社債等により資金を確保していますが、今後の経営状況や信用収縮、金融情勢の変化などにより、必要な資金調達ができない場合は、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)自然災害及びパンデミック等による事業継続リスク

当社グループは全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。また、また2020年9月からは感染症への対策に加え、自然災害等のリスクにも対応するBCP対策の一環として、当社グループは本社・本部機能の分散と兵庫県淡路島への移転を段階的に開始しています。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)気候変動リスク

 世界規模で気候変動をはじめとする環境問題が深刻化しています。当社グループは、2005年にグループ各社の役職員で構成する「環境委員会」を設置し、次世代に健全で美しい地球を残すため、役職員への環境教育はもとより、一人ひとりが「ソーシャルアクティビスト」として活動する機会の創出に取り組んでおります。2021年には当社グループが目指すサステナブル経営のあり方を発信し、社会から信頼されるロングセラーカンパニーであり続けるために「パソナグループ環境イノベーション戦略」を策定し、同年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明いたしました。さらに「環境マネジメント推進会議」を発足し、気候変動シナリオ分析及び気候変動によるリスクと機会における事業インパクトの明確化を実施いたしました。また、2023年には「環境経営戦略会議」を発足し、環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。

  気候変動に伴う事業等のリスクについては、15ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営」をご参照ください。

 

(10)保育・介護事業におけるリスク
 当社グループは地域での保育施設や企業内保育施設、学童クラブの運営など子育てに関する施設の運営と居宅介護(デイサービス)や訪問介護などの介護事業を行っています。施設及び事業の運営にあたっては安全管理に万全の配慮をしておりますが、事業特有の予期しない事故が発生する可能性があります。万が一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

(11)訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク

当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少等、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績
①当期の経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う厳しい行動制限が年度末にかけて緩和され、景気は緩やかな持ち直しが継続しました。一方、世界的な金融引締めや物価上昇等によって景気の先行きが不透明な状態が続きました。

アフターコロナへと社会環境が変化する中で、当社グループにおいては、BPOサービスやアウトソーシング事業が拡大したほか、新型コロナウイルス感染症の収束により観光客が増加し、地方創生ソリューションの売上も伸長しました。また、海外(グローバルソーシング)においては人材需要の回復に加えて、為替影響による押し上げ効果もあり2桁の成長となりました。一方、エキスパートサービスは、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、感染対策に係る業務が想定よりも早期で終了したほか、キャリアソリューションの再就職支援事業においても企業の大規模な構造改革の動きが乏しかったことから前年度を下回って推移しました。

 これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は372,579百万円(前期比1.8%増)となり、売上総利益は91,525百万円(前期比2.1%増)となりました。販管費は77,148百万円(前期比14.1%増)と前年同期から増加しましたが、これは主にアウトソーシングの旧JTBベネフィットのサービス統合過程における重複コストや大型プロモーションに係る費用、加えて第1四半期に実施した東京オフィスの移転に伴う一時費用が影響しています。結果、営業利益は14,377百万円(前期比34.9%減)、経常利益は15,366百万円(前期比31.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6,099百万円(前期比29.3%減)となりました。

 

■連結業績

 

2022年5月

2023年5月

増減率

売上高

366,096

百万円

372,579

百万円

+1.8

営業利益

22,083

百万円

14,377

百万円

△34.9

経常利益

22,496

百万円

15,366

百万円

△31.7

親会社株主に帰属する当期純利益

8,621

百万円

6,099

百万円

△29.3

 

 

 

②事業別の状況(セグメント間取引消去前)

HRソリューション

エキスパートサービス(人材派遣)、BPOサービス(委託・請負)他

 売上高 307,687百万円 営業利益 15,132百万円

〔エキスパートサービス〕  売上高 147,188百万円

 当該事業では、オフィスワークを中心に事務職から高度な専門スキルを備えた人材やエンジニア、営業・販売職、また若年層からシニアまで幅広い世代、職種のエキスパートサービス(人材派遣)を展開しています。

 緩やかな景気回復が続く中で人材派遣の受注は堅調に推移しましたが、一方で、前期に大幅に拡大した新型コロナウイルス対応の関連業務が同感染症の収束に伴い減少したことに加え、第3四半期以降は業務が想定よりも早期に終了した結果、売上高は147,188百万円(前期比3.2%減)となりました。

 

〔BPOサービス〕  売上高 141,906百万円

当該事業では、顧客から煩雑な事務作業を集約し効率化する総務・庶務や繁閑に応じた経費精算等に対応する経理・財務をはじめ、受付、営業事務・受発注、人事・労務・給与計算などの業務を当社グループが受託しBPOサービスを提供しているほか、連結子会社であるビーウィズ株式会社が自社開発のデジタル技術を活用したコンタクトセンター・BPOサービスを提供しています。

BPOサービスにおいては新規案件が積み上がったことに加えて、既存取引先へのクロスセルによるサービス領域拡大も進みました。新型コロナウイルス感染症の感染対策に係る業務など前期の一時的な特需案件のマイナスを、パブリックセクターからは就職支援や人材育成などの事業を新たに獲得し、民間企業からは生産性向上を目的とした業務のアウトソーシングやDX推進など新たな需要を獲得することで補った結果、売上高は141,906百万円(前期比1.9%増)となりました。

 

〔HRコンサルティング、教育・研修、その他〕  売上高 8,761百万円

 当該事業では、フリーランスや上場企業の元役員などのプロフェッショナル人材によるコンサルティングや経営支援を行う顧問コンサルティング事業のほか、企業やパブリックセクターから受託している教育・研修事業、タレントマネジメントなどのHRテック導入支援事業を行っています。

 顧問コンサルティング事業においては、企業の人手不足に対応した採用コンサルティングの需要が拡大しました。また、教育・研修事業では、経営に直結する次世代リーダーの育成や女性管理職研修などの人的資本経営の実現に向けたサービスが拡大しました。

 これらの結果、売上高は8,761百万円(前期比4.1%増)となりました。

 

〔グローバルソーシング〕  売上高 9,831百万円 営業利益 617百万円

 当該事業では、海外において、人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修などのフルラインの人材関連サービスを提供しています。

 北米地域では、人材紹介手数料の単価上昇やエグゼクティブ層の成約が伸長したことに加え、BPOでもペイロールや経理などの分野で業務受託が拡大しました。アジア地域では、特に台湾において半導体製造業及びその周辺事業で人材需要が高く増収となりました。さらにインドやタイ、マレーシアでも日系企業を中心に需要が回復し、いずれの拠点も人材紹介などが増収となりました。

 これらの結果、円安進行による為替影響もあり、売上高は9,831百万円(前期比17.9%増)、営業利益は617百万円(前期比38.0%増)となりました。

 

 以上の事業から構成されるセグメントの売上高は307,687百万円(前期比0.1%減)となりました。利益面では、主にエキスパートサービスにおいて、稼働スタッフの有給休暇取得や社会保険料の増加に伴い、粗利率が低下したことに加えて、BPOやHRコンサル、グローバル事業の人件費等の販管費も増加したことから、営業利益は15,132百万円(前期比19.5%減)となりました。

 

 

 

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)  売上高 13,923百万円 営業利益 4,089百万円

 当該事業は、企業の中途採用活動を支援し、転職希望者とのマッチングを行う人材紹介事業と、企業の人事戦略に基づいて転身を支援する再就職支援事業を提供しています。

 人材紹介事業では、企業の人材採用の需要は活発な状態で推移し、当社が注力している管理部門や専門職種領域においても高い採用意欲が継続しました。当社グループにおいてはハイキャリア領域を中心に成約数が増加し、成約単価も上昇しました。また、ダイバーシティや多様性の確保といった人的資本経営を推進する企業が増えていることから、特に女性管理職の採用ニーズが高まっており、当社グループの実績とコーポレートブランドを活かしながら事業拡大を推進しました。

 再就職支援事業では、企業の事業構造の見直しが落ち着いたことにより需要の減少が続きました。一方で、改正高齢者雇用安定法の施行や人的資本経営への意識の高まりから、従業員に対してのキャリアカウンセリングやリスキリングなどを組み合わせた「セーフプレースメント・トータルサービス」の需要が順調に拡大しました。

 これらの結果、人材紹介事業は拡大しているものの、再就職支援事業の減少を補うまでには至らず、売上高は13,923百万円(前期比5.3%減)、営業利益は4,089百万円(前期比8.5%減)となりました。

 

アウトソーシング  売上高 42,376百万円 営業利益 10,487百万円

 当該事業では、当社連結子会社である株式会社ベネフィット・ワンが、企業や官公庁・自治体の福利厚生業務の代行を中心にサービス提供を行っています。

 福利厚生事業では、前年度に実施したM&Aによる外部成長効果に加え、期中における公務員共済組合の非常勤職員加入拡大等により増収となりました。また、会員のサービス利用は想定より緩やかながら回復基調となり、これに係る補助金支出が前年度から増加しました。

 ヘルスケア事業においては、アフターコロナの健康経営ニーズの拡大を見越した事業計画を立て、CM等のマーケティングも実施しました。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種支援事業の受託が想定を上回った一方、保健指導事業では新規受注及び指導実施の進捗が想定を下回る結果となりました。

 また当期は、CM等のマーケティング投資に加えて、本店移転に伴う一時費用、M&A後のサービス統合過程における重複コスト、システムリプレイス等によるIT費用を販管費で計上しています。

 これらの結果、売上高は42,376百万円(前期比10.5%増)、営業利益は10,487百万円(前期比17.8%減)となりました。

 

ライフソリューション  売上高 8,200百万円 営業利益 364百万円

 当該事業では、認可・認証保育所、企業内保育施設、学童保育の運営などを行う保育事業、デイサービス、訪問介護などを行う介護事業、家事代行などのライフサポート事業を行っています。

 介護事業では、新型コロナウイルス感染症の宿泊療養施設への介護派遣が第3四半期までは拡大したものの、同感染症の収束に伴い第4四半期からは需要が減少に転じました。家事代行などのライフサポート事業では、自治体から受託している子育て家庭への家事代行サービスが広がっており、新規の自治体からの案件獲得も進みました。

 保育事業では、在宅ワークの定着により、企業内保育所は縮小傾向にあるものの、認可保育施設での受入れ児童数が順調に増加したほか、学童クラブの運営施設数の増加に伴い利用者数も伸長しました。 

 これらの結果、売上高は8,200百万円(前期比14.6%増)、営業利益は364百万円(前期比57.0%増)となりました。

 

 

地方創生ソリューション  売上高 6,931百万円 営業利益 △2,877百万円

 当該事業では、地域住民や地域企業、地方自治体と協力、連携しながら、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生事業に取り組んでいます。

 新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、インバウンドを含む観光客が増加した兵庫県淡路島では、アトラクションや飲食施設への人流が回復しました。昨年4月にオープンした全長100mのウッドデッキで禅やヨガなどのアクティビティが体験できる「禅坊靖寧」や地域の食材を使った地産地消の料理を提供する畑の中のレストラン「陽・燦燦(はる・さんさん)」は、大自然の魅力を存分に楽しむことができる施設として注目を集め、メディアにも多く取り上げられました。また、兵庫県立淡路島公園アニメパーク「ニジゲンノモリ」では、大人気アトラクション「ドラゴンクエスト アイランド」を今年3月にリニューアルし、新作「ドラゴンクエスト アイランド いにしえの魔神と導かれし冒険者たち」をオープンいたしました。ニジゲンノモリでは、広大な公園敷地内に国内外で人気の高いアニメやキャラクターを用いた複数のアトラクションが楽しめることから、インバウンドはもとより団体観光客の利用が増加しました。

 新規施設もオープンしたことにより、売上高は6,931百万円(前期比56.6%増と増加しました。同時に新規施設の初期費用も増え、営業利益は△2,877百万円(前期は営業利益△2,612百万円)となりました。また、当連結会計年度において一部子会社の決算期を3月から5月に変更し、14ヶ月決算となったことを受けて、当期は2ヶ月分の業績が上乗せされています。

 

消去又は全社  売上高 △6,539百万円 営業利益 △12,819百万円

 グループ間取引消去とグループシナジーの最大化のためのコストや新規事業のインキュベーションコスト、持株会社としての管理コストが含まれています。

 当連結会計年度においては、第1四半期に実施した東京・南青山「PASONA SQUARE」へのオフィス移転に伴う引越し等の一時的な費用及び移転期間の二重家賃が生じているほか、段階的に進めている兵庫県淡路島への本社・本部機能の一部移転に係る費用が増加しました。

 これらの結果、グループ間取引消去の売上高は△6,539百万円(前期は△6,642百万円)、営業利益は△12,819百万円(前期は△11,566百万円)となりました。

 

 

■セグメント別業績

売上高

2022年5月

2023年5月

増減率

HRソリューション

361,154

百万円

363,987

百万円

+0.8

 

エキスパートサービス(人材派遣)

BPOサービス(委託・請負)他

308,093

百万円

307,687

百万円

△0.1

 

 

 

エキスパートサービス(人材派遣)

152,067

百万円

147,188

百万円

△3.2

 

 

BPOサービス(委託・請負)

139,272

百万円

141,906

百万円

+1.9

 

 

HRコンサルティング、教育・研修、その他

8,418

百万円

8,761

百万円

+4.1

 

 

グローバルソーシング(海外人材サービス)

8,335

百万円

9,831

百万円

+17.9

 

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)

14,700

百万円

13,923

百万円

△5.3

 

アウトソーシング

38,359

百万円

42,376

百万円

+10.5

ライフソリューション

7,158

百万円

8,200

百万円

+14.6

地方創生ソリューション

4,426

百万円

6,931

百万円

+56.6

消去又は全社

△6,642

百万円

△6,539

百万円

 

合計

366,096

百万円

372,579

百万円

+1.8

 

 

営業利益

2022年5月

2023年5月

増減率

HRソリューション

36,030

百万円

29,709

百万円

△17.5

 

エキスパートサービス(人材派遣)
BPOサービス(委託・請負)他

18,793

百万円

15,132

百万円

△19.5

 

 

 

エキスパートサービス(人材派遣)

18,345

百万円

14,515

百万円

△20.9

 

 

BPOサービス(委託・請負)

 

 

HRコンサルティング、教育・研修、その他

 

 

グローバルソーシング(海外人材サービス)

447

百万円

617

百万円

+38.0

 

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)

4,470

百万円

4,089

百万円

△8.5

 

アウトソーシング

12,765

百万円

10,487

百万円

△17.8

ライフソリューション

232

百万円

364

百万円

+57.0

地方創生ソリューション

△2,612

百万円

△2,877

百万円

 

消去又は全社

△11,566

百万円

△12,819

百万円

 

合計

22,083

百万円

14,377

百万円

△34.9

 

 

 

(2)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、保育・介護、地方創生などの事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。

 

②受注実績

生産実績と同様の理由により、記載しておりません。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。

セグメントの名称

2023年5月

売上高(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

HRソリューション

358,837

96.3

100.9

 

エキスパートサービス(人材派遣)、
BPOサービス(委託・請負)他 

303,164

81.4

99.7

 

 

エキスパートサービス(人材派遣)

146,655

39.4

96.8

 

BPOサービス(委託・請負)

139,290

37.4

101.4

 

HRコンサルティング、教育・研修、その他

7,563

2.0

105.3

 

グローバルソーシング(海外人材サービス)

9,654

2.6

120.0

 

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)

13,893

3.7

94.7

 

アウトソーシング

41,779

11.2

112.8

ライフソリューション

7,686

2.1

115.0

地方創生ソリューション

6,055

1.6

166.4

合計

372,579

100.0

101.8

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

上記に記載した当連結会計年度における売上高を地域別に示すと、次のとおりとなります。

区分

2023年5月

売上高(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

北海道・東北

14,063

3.8

94.9

関東(東京以外)

41,257

11.1

102.9

東京

177,992

47.8

103.9

東海・北信越

20,324

5.5

95.5

関西

70,145

18.8

95.0

中国・四国・九州

38,528

10.3

106.8

海外

10,265

2.7

118.1

合計

372,579

100.0

101.8

 

 

 

(3)財政状態

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の資産及び負債には、当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」が74,869百万円(前連結会計年度末10,123百万円)計上されております。

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて71,758百万円増加35.2%増)し、275,504百万円となりました。上記の「預り金」影響もあり、現金及び預金が56,116百万円増加、未収還付法人税等が2,623百万円増加、淡路島の地方創生事業や本社・本部機能等に係る有形固定資産が6,389百万円増加、システム設備投資等によりソフトウェアが2,382百万円増加したことなどによるものであります。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて67,281百万円増加49.3%増)し、203,880百万円となりました。上記の受託案件等により預り金が65,638百万円増加、資金調達により長期借入金が4,725百万円増加した一方で、支払が進んだことにより買掛金が1,308百万円減少、法人税等の支払いなどにより未払法人税等が2,815百万円減少したことなどによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて4,477百万円増加(6.7%増)し、71,624百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益が6,099百万円となった一方で、配当金の支払が1,396百万円あったことにより利益剰余金が4,703百万円増加、当社の連結子会社である株式会社ベネフィット・ワンが自己株式の取得を行ったこと等により資本剰余金が692百万円減少したことなどによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、19.6%(前連結会計年度末24.5%)となりました。なお、受託案件に係る「預り金」に伴う「現金及び預金」を控除した総資産は、200,634百万円(同193,622百万円)であり、自己資本比率は26.9%(同25.8%)となります。

 

(4)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて、8,658百万円減少し、47,919百万円となりました。なお、「資金」には、受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」に見合う「現金及び預金」は含まれておりません。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、5,961百万円前連結会計年度10,115百万円の増加)となり、前連結会計年度より4,153百万円の減少となりました。

 資金増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益16,766百万円(同22,290百万円)、減価償却費5,126百万円(同4,419百万円)等によるものであります。

 資金減少の主な内訳は、売上債権及び契約資産の増加1,188百万円(同6,112百万円の増加)、その他資産の増減額に含まれる未収入金の増加2,093百万円(同1,243百万円の増加)、法人税等の支払額12,932百万円(同8,084百万円)等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、12,502百万円前連結会計年度29,624百万円の減少)となり、前連結会計年度より17,122百万円の減少となりました。

 資金増加の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入1,790百万円(同95百万円)、敷金及び保証金の回収による収入1,962百万円(同256百万円)等によるものであります。

 資金減少の主な内訳は、淡路島の地方創生事業や本社・本部機能等に係る有形固定資産の取得による支出9,029百万円(同11,632百万円)、システム設備投資に伴う無形固定資産の取得による支出4,591百万円(同4,683百万円)、株式会社パソナジョイナスの株式取得による、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,268百万円(同10,451百万円)等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、2,292百万円前連結会計年度23,543百万円の増加)となり、前連結会計年度より25,835百万円の減少となりました。

 資金増加の主な内訳は、長期運転資金の確保を目的とした、長期借入れによる収入15,727百万円(同29,129百万円)等によるものであります。

 資金減少の主な内訳は、長期借入金の返済による支出10,339百万円(同11,098百万円)、子会社の自己株式の取得による支出1,506百万円(同0百万円)、配当金の支払5,169百万円(同3,584百万円)等によるものであります。

 

 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

項目

2019年

5月期

2020年

5月期

2021年

5月期

2022年

5月期

2023年

5月期

自己資本比率

23.7%

22.7%

25.2%

24.5%

19.6%

時価ベースの自己資本比率

54.8%

35.7%

49.0%

40.3%

24.7%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

2.7年

3.2年

1.8年

5.3年

9.9年

インタレスト・カバレッジ・レシオ

41.9

57.9

64.5

35.4

15.9

 

(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

5 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

6 当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」を控除した自己資本比率は、前項「(3)財政状態 資産、負債及び純資産の状況」に記載のとおりであり、また、時価ベースの自己資本比率は、33.9%(前連結会計年度末42.4%)となります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

①財務戦略の考え方

 当社グループは、財務体質の強化と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値の向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としております。当社グループの重点戦略として掲げている地方創生事業に対する設備投資や、HRソリューション領域におけるデジタル化推進のためのIT関連投資、拠点関連投資など、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。

 

②資金調達の基本方針
 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的、かつ機動的に確保するため、内部資金及び外部資金の有効活用に努めております。月中の短期運転資金需要に対しては、金融機関との間に設定しているコミットメントラインや当座借越枠を機動的に活用しています。長期借入については、約定返済額や投資計画等を勘案しながら、年度の資金調達計画を策定し、取引金融機関からの調達を実施しています。資金調達にあたっては、財務体質や資本コストにも留意しながら、その可否を判断しています。自己資本比率やEBITDA有利子負債倍率等を見据えつつ、銀行借入、社債をはじめとした負債を有効に活用することで、資本コストの低減及び資本効率の向上に努めております。

 
③資金配分についての考え方
 当社グループ全体として得られた資金は、成長投資、株主還元、手元資金に振り分けています。成長投資については、経営戦略を踏まえたグループとしての投資意義や、投資資金の回収可能性や期待されるリターン等を吟味し、投資の可否を判断しています。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、連結配当性向30%を目途とするとともに、継続的かつ安定的な配当の維持にも努めてまいります。手元資金については、金融機関との間に設定しているコミットメントライン等を活用し、適切な水準に抑えることで、グループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。

 

(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、78ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、81ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】

2023年5月31日現在における当社グループの主要な設備及び従業員の配置状況は次のとおりであります。

(1) 提出会社

事業所名
(所在地)

セグメント

設備の内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物

土地

リース
資産

ソフト
ウエア

その他

合計

PASONA SQUARE

(東京都港区)

ほか3事業所

全社

事業所設備

154

-

2

474

53

684

314

( 120)

GLOBAL HUB SQUARE

(兵庫県淡路市)

ほか9事業所

全社

事業所設備

3,996

133

-

6

407

4,543

348

( 92)

禅坊靖寧

(兵庫県淡路市)

ほか9事業所

地方創生ソリューション

商業用設備

4,758

149

-

4

937

5,849

-

 

(注) 1 帳簿価額のうち、「その他」は、構築物、工具器具備品等であります。

2 帳簿価額の金額には、消費税等を含んでおりません。

3 現在休止中の主要な設備はありません。

4 従業員数の括弧内は、臨時従業員の雇用人員数であり、年間の平均人員を外数で記載しております。

5 上表のほか、敷金及び保証金2,636百万円があります。

 

 

(2) 国内子会社

会社名
(所在地)

セグメント

設備の

内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物

土地

リース資産

ソフト
ウエア

その他

合計

株式会社ベネフィット・ワン
(東京都新宿区)

アウトソーシング

業務系システム等

654

602

144

7,176

173

8,751

1,173

(251)

株式会社ニジゲンノモリ
(兵庫県淡路市)

地方創生ソリューション

商業用設備等

2,062

155

360

3,405

5,983

14

(19)

株式会社パソナ
(東京都港区)

エキスパートサービス、BPOサービス他、キャリアソリューション

業務系システム等

234

1

2

1,176

102

1,517

3,607

(6,852)

株式会社パソナスマイル
(兵庫県淡路市)

地方創生ソリューション

商業用設備等

999

28

7

33

101

1,170

7

(9)

ビーウィズ株式会社
(東京都新宿区) 

エキスパートサービス、BPOサービス他

事業所設備等

644

211

276

1,132

756

(5,158)

パソナ・パナソニック

ビジネスサービス株式会社
(大阪府大阪市)

BPOサービス

事業所設備等

275

65

51

85

59

536

893

(679)

株式会社パソナフォスター
(東京都港区)

ライフソリューション

事業所設備等

306

12

23

342

425

(316)

株式会社ゴートップ
(三重県松阪市)

BPOサービス

事業所設備等

3

217

5

28

254

170

(20)

株式会社パソナ農援隊
(東京都港区)

地方創生ソリューション

商業用設備等

166

1

32

200

14

(20)

株式会社パソナJOB HUB
(東京都港区)

エキスパートサービス、BPOサービス他

業務系システム等

12

159

0

172

146

(30)

株式会社アイブリット
(東京都渋谷区)

エキスパートサービス、BPOサービス他

業務系システム等

3

93

4

101

10

(-)

 

(注) 1 帳簿価額のうち、「その他」は、構築物、車両運搬具、工具器具備品、電話加入権及び建設仮勘定等であります。

2 株式会社パソナの帳簿価額のうち、3百万円は当社及び連結子会社に賃貸している事業所設備に係るものであります。

3 上表のほかに、敷金及び保証金合計4,878百万円があります。

4 帳簿価額の金額には消費税等を含んでおりません。

5 現在休止中の主要な設備はありません。

6 従業員数の括弧内は、臨時従業員の雇用人員数であり、年間の平均人員を外数で記載しております。

 

(3) 在外子会社

会社名
(所在地)

セグメント

設備の

内容

帳簿価額(百万円)

従業員数
(名)

建物

土地

リース
資産

ソフト
ウエア

その他

合計

Pasona N A, Inc

(New York,U.S.A)

グローバルソーシング

事業所設備等

0

286

1

9

298

113

(1)

REWARDZ PRIVATE LIMITED

(Vertex,Singapore)

アウトソーシング

業務系システム等

0

200

1

202

8

(-)

PT. Dutagriya Sarana
(Jakarta,Indonesia)

グローバルソーシング

事業所設備等

14

91

21

7

135

39

(31)

 

(注) 1 帳簿価額のうち、「その他」は、車両運搬具、工具器具備品及びその他の無形固定資産であります。

2 帳簿価額の金額には消費税等を含んでおりません。

3 現在休止中の主要な設備はありません。

4 従業員数の括弧内は、臨時従業員の雇用人員数であり、年間の平均人員を外数で記載しております。

 

①  【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

150,000,000

150,000,000

 

 

②  【発行済株式】

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年5月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年8月25日)

上場金融商品取引所名
又は登録認可金融商品
取引業協会名

内容

普通株式

41,690,300

41,690,300

東京証券取引所
 プライム市場

単元株式数は
100株であります

41,690,300

41,690,300

 

 

①  【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

②  【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
(百万円)

資本金残高
(百万円)

資本準備金
増減額
(百万円)

資本準備金
残高
(百万円)

2013年12月1日

41,273,397

41,690,300

5,000

5,000

 

(注) 2013年12月1日をもって、当社株式を1株につき100株の割合で分割しております。

 

(5) 【所有者別状況】

2023年5月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
    (人)

21

22

108

154

13

11,123

11,441

所有株式数
   (単元)

53,030

3,961

47,842

90,971

71

220,748

416,623

28,000

所有株式数の割合 (%)

12.73

0.95

11.48

21.83

0.02

52.99

100.00

 

(注)1 自己株式1,793,144株は、「個人その他」には17,931単元、「単元未満株式の状況」には44株が含まれております。

   2 株式給付信託(BBT)が保有する当社株式424,862株のうち424,800株(4,248単元)は「金融機関」、62株は「単元未満株式の状況」に含まれており、株式給付信託(J-ESOP)が保有する当社株式 297,514株のうち297,500株(2,975単元)は「金融機関」、14株は「単元未満株式の状況」に含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2023年5月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

南部 靖之

兵庫県淡路市

14,763,200

37.00

株式会社南部エンタープライズ

東京都港区南青山三丁目1番30号

3,738,500

9.37

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町二丁目11番3号

3,012,900

7.55

THE BANK OF NEW YORK MELLON 140040
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

240 GREENWICH STREET, NEW YORK, NY 10286, U.S.A.
(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)

2,278,500

5.71

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海一丁目8番12号

876,500

2.20

AVI GLOBAL TRUST PLC
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

51 NEW NORTH ROAD EXETER DEVON EX4 4EP UNITED KINGDOM
(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)

837,700

2.10

CREDIT SUISSE AG HONG KONG TRUST A/C CLIENT
(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)

LEVEL 88, INTERNATIONAL COMMERCE CENTRE, 1 AUSTIN ROAD WEST, KOWLOON, HONG KONG
(東京都千代田区丸の内二丁目7番1号)

782,800

1.96

 INDUS SELECT MASTER FUND, LTD.
 (常任代理人 香港上海銀行東京支店カストディ業務部)

94 SOLARIS AVENUE,CAMANA BAY,PO BOX 1348,GRAND CAYMAN,KY1-1108,CAYMAN ISLAND
 (東京都中央区日本橋三丁目11番1号) 

737,100

1.85

株式会社日本カストディ銀行(信託E口)

東京都中央区晴海一丁目8番12号

722,376

1.81

JP MORGAN CHASE BANK 385632
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP,UNITED KINGDOM
(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)

618,601

1.55

28,368,177

71.10

 

 

(注)1 上記のほか、提出会社名義の自己株式1,793,144株がありますが、会社法第308条第2項の規定により議決権を有しておりません。

2 当社は株式給付信託(BBT)及び株式給付信託(J-ESOP)を導入しており、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)(以下「信託E口」という。)が当社株式722,376株を保有しております。信託E口が保有する当社株式については、自己株式に含めておりません。

3 2022年1月18日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、Tempered Investment Management LTD.が2022年1月11日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年5月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等
の数(株)

株券等
保有割合(%)

Tempered Investment Management LTD.

Chadwick Court, North Vancouver, BC Canada 220-145

2,406,300

5.77

 

 

①【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年5月31日)

当連結会計年度

(2023年5月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

※1 66,951

※1 123,067

 

 

受取手形

※2 101

※2 73

 

 

売掛金

※2 40,872

※2 40,973

 

 

契約資産

10,008

11,577

 

 

棚卸資産

※3 3,560

※3 3,365

 

 

未収還付法人税等

70

2,693

 

 

その他

9,648

12,643

 

 

貸倒引当金

89

121

 

 

流動資産合計

131,123

194,275

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

※4 19,410

※4 23,179

 

 

 

 

減価償却累計額

7,201

7,798

 

 

 

 

建物(純額)

12,208

15,381

 

 

 

構築物

4,431

4,894

 

 

 

 

減価償却累計額

791

1,083

 

 

 

 

構築物(純額)

3,639

3,810

 

 

 

土地

※5 7,308

※5 8,063

 

 

 

リース資産

3,256

2,306

 

 

 

 

減価償却累計額

2,505

1,171

 

 

 

 

リース資産(純額)

751

1,134

 

 

 

建設仮勘定

1,605

3,353

 

 

 

その他

※4 7,982

※4 8,109

 

 

 

 

減価償却累計額

6,160

6,127

 

 

 

 

その他(純額)

1,821

1,981

 

 

 

有形固定資産合計

27,336

33,725

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

のれん

6,833

7,353

 

 

 

ソフトウエア

※4 7,644

※4 10,027

 

 

 

リース資産

18

7

 

 

 

顧客関係資産

8,581

9,067

 

 

 

その他

116

126

 

 

 

無形固定資産合計

23,195

26,582

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※6 6,938

※6 6,586

 

 

 

長期貸付金

39

34

 

 

 

退職給付に係る資産

1,942

2,245

 

 

 

繰延税金資産

2,720

2,909

 

 

 

敷金及び保証金

9,063

7,773

 

 

 

その他

1,247

1,248

 

 

 

貸倒引当金

10

7

 

 

 

投資その他の資産合計

21,941

20,791

 

 

固定資産合計

72,473

81,099

 

繰延資産

 

 

 

 

社債発行費

149

130

 

 

繰延資産合計

149

130

 

資産合計

203,746

275,504

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年5月31日)

当連結会計年度

(2023年5月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

8,735

7,427

 

 

短期借入金

※5 9,611

※5 10,296

 

 

リース債務

411

383

 

 

未払金

10,523

10,334

 

 

未払費用

16,016

17,009

 

 

未払法人税等

5,877

3,061

 

 

未払消費税等

5,250

4,482

 

 

契約負債

8,453

7,488

 

 

預り金

※1 13,051

※1 78,690

 

 

賞与引当金

4,741

4,667

 

 

役員賞与引当金

19

26

 

 

資産除去債務

43

17

 

 

その他

819

897

 

 

流動負債合計

83,555

144,783

 

固定負債

 

 

 

 

社債

3,810

3,224

 

 

長期借入金

※5 38,779

※5 43,505

 

 

リース債務

554

924

 

 

役員株式給付引当金

598

600

 

 

従業員株式給付引当金

571

566

 

 

退職給付に係る負債

2,300

2,409

 

 

繰延税金負債

3,506

2,366

 

 

資産除去債務

2,280

2,554

 

 

その他

643

2,945

 

 

固定負債合計

53,044

59,096

 

負債合計

136,599

203,880

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

5,000

5,000

 

 

資本剰余金

17,786

17,094

 

 

利益剰余金

28,238

32,941

 

 

自己株式

2,378

2,378

 

 

株主資本合計

48,646

52,658

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

1,131

853

 

 

為替換算調整勘定

197

348

 

 

退職給付に係る調整累計額

10

138

 

 

その他の包括利益累計額合計

1,339

1,340

 

新株予約権

4

2

 

非支配株主持分

17,155

17,622

 

純資産合計

67,146

71,624

負債純資産合計

203,746

275,504

 

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年6月1日

 至 2022年5月31日)

当連結会計年度

(自 2022年6月1日

 至 2023年5月31日)

売上高

※1 366,096

※1 372,579

売上原価

276,424

281,053

売上総利益

89,671

91,525

販売費及び一般管理費

※2 67,588

※2 77,148

営業利益

22,083

14,377

営業外収益

 

 

 

受取利息

28

41

 

持分法による投資利益

142

153

 

補助金収入

720

968

 

不動産賃貸料

735

185

 

その他

363

440

 

営業外収益合計

1,991

1,788

営業外費用

 

 

 

支払利息

293

393

 

コミットメントフィー

460

60

 

不動産賃貸費用

611

141

 

その他

212

203

 

営業外費用合計

1,578

798

経常利益

22,496

15,366

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※3 4

※3 33

 

投資有価証券売却益

-

1,267

 

関係会社株式売却益

24

17

 

持分変動利益

-

213

 

特別利益合計

28

1,530

特別損失

 

 

 

固定資産除売却損

※4 80

※4 131

 

減損損失

※5 132

-

 

投資有価証券売却損

2

-

 

投資有価証券評価損

19

-

 

関係会社株式評価損

0

-

 

特別損失合計

234

131

税金等調整前当期純利益

22,290

16,766

法人税、住民税及び事業税

8,826

7,508

法人税等調整額

69

1,450

法人税等合計

8,895

6,058

当期純利益

13,394

10,707

非支配株主に帰属する当期純利益

4,773

4,608

親会社株主に帰属する当期純利益

8,621

6,099

 

 

1.報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、総合的な人材関連事業を展開しており、提供するサービスの特性から、報告セグメントを「エキスパートサービス(人材派遣)、BPOサービス(委託・請負)他」、「キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)」、「アウトソーシング」、「ライフソリューション」、「地方創生ソリューション」の5つとしております。また、当社は持株会社としてグループ経営戦略の策定と業務遂行支援、経営管理と経営資源の最適配分の実施、雇用創造に係わる新規事業開発等を行っております。

 

①【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年5月31日)

当事業年度

(2023年5月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

24,143

22,942

 

 

売掛金

※1 484

※1 582

 

 

原材料及び貯蔵品

32

17

 

 

前払費用

※1 622

※1 451

 

 

短期貸付金

※1 501

※1 70

 

 

未収入金

※1 4,638

※1 3,089

 

 

CMS預け金

※1 2,860

※1 3,937

 

 

その他

※1 706

※1 2,493

 

 

貸倒引当金

163

154

 

 

流動資産合計

33,827

33,430

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

6,869

9,983

 

 

 

構築物

525

796

 

 

 

機械及び装置

0

0

 

 

 

車両運搬具

54

69

 

 

 

工具、器具及び備品

598

805

 

 

 

土地

6,221

7,017

 

 

 

リース資産

218

402

 

 

 

建設仮勘定

1,583

3,261

 

 

 

有形固定資産合計

16,071

22,336

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

568

557

 

 

 

その他

10

14

 

 

 

無形固定資産合計

578

572

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

1,167

1,250

 

 

 

関係会社株式

33,596

35,880

 

 

 

長期貸付金

※1 13

※1 6

 

 

 

前払年金費用

117

165

 

 

 

繰延税金資産

89

1,004

 

 

 

敷金及び保証金

※1 3,824

※1 2,636

 

 

 

その他

※1 519

※1 549

 

 

 

投資その他の資産合計

39,328

41,492

 

 

固定資産合計

55,978

64,401

 

繰延資産

 

 

 

 

社債発行費

149

130

 

 

繰延資産合計

149

130

 

資産合計

89,955

97,963

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年5月31日)

当事業年度

(2023年5月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

短期借入金

8,360

9,046

 

 

1年内償還予定の社債

586

586

 

 

CMS預り金

※1 24,247

※1 24,375

 

 

リース債務

150

70

 

 

未払金

※1 1,960

※1 1,917

 

 

未払費用

162

531

 

 

未払法人税等

1,616

29

 

 

賞与引当金

173

110

 

 

資産除去債務

-

16

 

 

その他

※1 294

※1 354

 

 

流動負債合計

37,551

37,038

 

固定負債

 

 

 

 

社債

3,810

3,224

 

 

長期借入金

28,910

34,777

 

 

リース債務

98

357

 

 

長期預り保証金

13

1

 

 

役員株式給付引当金

418

418

 

 

従業員株式給付引当金

172

176

 

 

資産除去債務

176

225

 

 

その他

44

2,347

 

 

固定負債合計

33,644

41,528

 

負債合計

71,196

78,567

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

5,000

5,000

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

5,000

5,000

 

 

 

その他資本剰余金

7,653

7,653

 

 

 

資本剰余金合計

12,653

12,653

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

3,443

4,080

 

 

 

利益剰余金合計

3,443

4,080

 

 

自己株式

2,338

2,338

 

 

株主資本合計

18,757

19,394

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

1

1

 

 

評価・換算差額等合計

1

1

 

純資産合計

18,758

19,396

負債純資産合計

89,955

97,963

 

 

②【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年6月1日

 至 2022年5月31日)

当事業年度

(自 2022年6月1日

 至 2023年5月31日)

売上高

※1 10,060

※1 15,646

売上原価

※1 1,837

※1 1,418

売上総利益

8,223

14,228

販売費及び一般管理費

※1 11,879

※1 13,230

営業利益又は営業損失(△)

3,655

997

営業外収益

 

 

 

受取利息

※1 41

※1 32

 

補助金収入

37

64

 

不動産賃貸料

※1 871

※1 438

 

協賛金収入

※1 0

※1 114

 

その他

※1 196

※1 155

 

営業外収益合計

1,147

806

営業外費用

 

 

 

支払利息

※1 258

※1 330

 

コミットメントフィー

394

48

 

貸倒引当金繰入額

1

24

 

不動産賃貸費用

※1 954

※1 639

 

その他

※1 112

※1 69

 

営業外費用合計

1,723

1,112

経常利益又は経常損失(△)

4,231

691

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

8

-

 

関係会社株式売却益

※3 5,491

-

 

特別利益合計

5,500

-

特別損失

 

 

 

固定資産除売却損

40

67

 

減損損失

132

-

 

投資有価証券評価損

19

-

 

関係会社株式評価損

※4 748

※4 983

 

特別損失合計

941

1,051

税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△)

327

359

法人税、住民税及び事業税

940

1,478

法人税等調整額

69

914

法人税等合計

1,010

2,392

当期純利益

1,338

2,033