株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所

D.Western Therapeutics Institute, Inc.
名古屋市中区錦一丁目18番11号
証券コード:45760
業界:医薬品
有価証券報告書の提出日:2023年3月30日

(1)連結経営指標等

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

売上高

(千円)

292,924

580,527

355,586

414,424

448,100

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

796,906

109,578

289,527

159,711

295,806

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

748,966

133,203

276,104

148,995

429,685

包括利益

(千円)

803,636

107,982

291,123

161,306

442,085

純資産額

(千円)

1,300,101

1,408,083

2,163,905

2,035,138

1,873,475

総資産額

(千円)

2,073,753

1,981,349

2,737,711

2,462,860

2,956,376

1株当たり純資産額

(円)

47.95

53.02

73.88

68.27

60.14

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

28.51

5.07

10.16

5.08

14.50

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

60.8

70.3

78.9

81.4

62.8

自己資本利益率

(%)

10.0

株価収益率

(倍)

128.0

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

540,333

175,651

216,284

176,306

354,770

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

7,775

100,000

13,465

111,150

139,890

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

120,000

1,004,126

104,459

867,297

現金及び現金同等物

の期末残高

(千円)

1,584,282

1,540,784

2,308,210

1,933,743

2,334,668

従業員数

(名)

17

17

15

19

20

〔外、平均臨時雇用者数〕

-〕

-〕

-〕

-〕

-〕

(注)1 第23期から第25期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。第22期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

2 第21期、第23期から第25期の自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため、記載しておりません。

3 第21期、第23期から第25期の株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため、記載しておりません。

4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

売上高

(千円)

289,431

549,024

334,522

412,121

411,586

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

666,281

172,648

200,950

39,043

241,322

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

970,380

171,671

201,927

240,741

386,760

資本金

(千円)

34,762

34,762

556,856

573,159

714,244

発行済株式総数

(株)

26,275,200

26,275,200

29,251,100

29,358,600

30,871,138

純資産額

(千円)

1,198,486

1,370,158

2,215,176

2,006,974

1,900,413

総資産額

(千円)

1,965,276

1,932,252

2,780,756

2,427,279

2,973,159

1株当たり純資産額

(円)

45.61

52.15

75.64

68.27

61.53

1株当たり配当額

(円)

(内、1株当たり中間配当額)

-)

-)

-)

-)

-)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

36.94

6.53

7.43

8.21

13.05

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

61.0

70.9

79.6

82.6

63.9

自己資本利益率

(%)

13.4

株価収益率

(倍)

99.4

配当性向

(%)

従業員数

(名)

14

14

13

16

17

〔外、平均臨時雇用者数〕

-〕

-〕

-〕

-〕

-〕

株主総利回り

(%)

112.1

126.8

56.4

42.2

51.2

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(84.0)

(99.3)

(106.6)

(120.2)

(117.2)

最高株価

(円)

747

725

642

350

357

最低株価

(円)

382

311

268

200

183

(注)1 第23期から第25期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。第22期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

2 第21期、第23期から第25期の自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため、記載しておりません。

3 第21期、第23期から第25期の株価収益率については、当期純損失を計上しているため、記載しておりません。

4 最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(グロース市場)におけるものであり、それ以前は東京証券取引所JASDAQ(グロース)におけるものであります。

5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2【沿革】

年月

概要

1999年2月

医薬品研究開発を目的とした、有限会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所を愛知県名古屋市に設立(資本金5,000千円)

2002年9月

興和株式会社とK-134(閉塞性動脈硬化症)の開発及び実施契約、K-115(緑内障・高眼圧症)の開発及び実施契約を締結

2004年11月

有限会社より株式会社へ組織変更(資本金10,000千円)

2006年12月

国立大学法人三重大学と産学官連携講座共同研究契約を締結し、同大学内に「臨床創薬研究学講座」を開設

2009年10月

ジャスダック証券取引所NEO(現 東京証券取引所 グロース市場)に株式上場

2013年3月

わかもと製薬株式会社と日本におけるH-1129(緑内障・高眼圧症)の独占的実施権を許諾するライセンス契約を締結

2013年10月

K-115(緑内障・高眼圧症)の国内製造販売承認申請

2014年12月

グラナテック®点眼液0.4%(開発コード:K-115、一般名:リパスジル塩酸塩水和物)(緑内障・高眼圧症)の国内上市

2015年6月

眼科用治療剤の日本における独占的実施権を取得する導入契約を締結(開発コード:DW-1001)

2015年11月

日本革新創薬株式会社を連結子会社化

2017年4月

BBG250を含有する眼科手術補助剤にかかる事業の譲受(開発コード:DW-1002)

2018年3月

H-1337(緑内障・高眼圧症)の米国第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験開始

2019年8月

リパスジル塩酸塩水和物(フックス角膜内皮変性症)の米国第Ⅱ相臨床試験のIND申請(治験許可申請)(開発コード:K-321)

2019年9月

H-1129(緑内障・高眼圧症)の開発中止

2019年12月

ロート製薬株式会社とDW-1001の日本における独占的実施権を許諾するライセンス契約を締結

2020年2月

緑内障治療剤の配合剤(リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩)の国内第Ⅲ相臨床試験開始(開発コード:K-232)

2020年4月

DW-1002(製品名:TissueBlue™)(内境界膜染色)の米国上市

 

株式会社メドレックスと神経疼痛治療薬 DW-5LBT の共同開発契約締結

2020年8月

DW-5LBT(帯状疱疹後の神経疼痛)の米国承認申請

2021年11月

K-232(緑内障・高眼圧症)の国内製造販売承認申請

2022年3月

DW-1001の国内第Ⅰ相臨床試験開始

2022年6月

アクチュアライズ株式会社と再生医療用細胞製品DWR-2206(水疱性角膜症)の共同開発契約締結

2022年8月

K-321(フックス角膜内皮変性症)の米国第Ⅲ相臨床試験開始

2022年12月

 

グラアルファ®配合点眼液(開発コード:K-232)(緑内障・高眼圧症)の国内上市

H-1337(緑内障・高眼圧症)の米国後期第Ⅱ相臨床試験開始

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結子会社日本革新創薬株式会社(以下、「JIT」)の2社で構成されており、プロテインキナーゼ(*)阻害剤(*)を中心とした医薬品の研究開発を行い、開発品を製薬会社等にライセンスアウトすることによって収益を獲得する創薬事業を展開しております。

 

 当社グループ事業の系統図は以下のとおりです。

 

0101010_001.png

 

(1)創薬事業について

① 新薬開発の流れ

 一般的に新薬の開発に際しては、基礎研究、非臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいはアメリカ食品医薬品局(FDA)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造(輸入)承認申請、医薬品としての承認取得、薬価申請・収載を経て販売が開始され、患者様へ提供することが可能となります。このうち基礎研究活動は、新薬候補化合物の合成、スクリーニング(*)、スクリーニング毒性(*)の手続により実施されます。前述の基礎研究活動が終了した後、人に対する臨床試験の前に医薬品として満たすべき条件を、実験動物を用いて副作用及び安全性、安定性の検証を行う非臨床試験によって検証します。その後の臨床試験は、第Ⅰ相臨床試験、第Ⅱ相臨床試験、第Ⅲ相臨床試験の段階をもって実施されます。(下図参照)

 

0101010_002.png

 

② 創薬事業の概要

 通常、新薬の研究開発過程において、非臨床試験から臨床試験へと開発が進捗するにしたがって、開発コストは大幅に増加し、また一定規模以上の自社臨床開発体制が必要となります。

 当社グループは、研究開発活動の結果として、比較的早期の開発段階において開発品を製薬会社等へライセンスアウトしておりますが、これにより、臨床開発の推進に強みを持つ製薬会社等が開発を行うこととなり、自社での開発を継続する場合に比べて、低コストでの開発体制を維持できます。

 このように、当社グループの創薬事業の特徴は、一般的な医薬候補品を開発するベンチャー企業に比べ、比較的早期の研究開発段階においてライセンスアウトが達成される点にありますが、これは、当社グループが基礎研究推進における独自の技術力を有していることと、その技術を基礎研究段階において十分に活用することにより効率的な研究開発が行われていることが要因と考えております。

 当社グループの売上高は、主にライセンスアウト時に受領するフロントマネー収入、臨床開発進行に伴いその節目毎に受領するマイルストーン収入、製品上市(*)後販売額の一定比率を受領するロイヤリティ収入等によるものです。既に「リパスジル塩酸塩水和物(グラナテック®点眼液0.4%(以下、「グラナテック」)、グラアルファ®配合点眼液(以下、「グラアルファ」)及び「K-321」)」、「K-134」、「DW-1002」及び「DW-1001」はいずれも製薬会社にライセンスアウト済みであり、「グラナテック」、「グラアルファ」及び「DW-1002(欧州・米国等)」については、上市されロイヤリティ収入を得ております。これらのフロントマネー収入、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入等を新規開発プロジェクトに投入することによって、次なる新規開発品の開発を進めております。

 

0101010_003.png

当社グループの主な売上高は、以下のもので構成されております。

売上高

内容

フロントマネー収入

ライセンスアウト時に受領する収入。契約締結時に発生するため、契約一時金とも言う。

マイルストーン収入

臨床開発進行に伴いその節目毎に受領する収入。

ロイヤリティ収入

製品上市後販売額の一定比率を受領する収入。特許を実施する際に得られる収入のため実施料、ライセンス料とも言う。

 

③ 開発パイプラインについて

 現在、当社グループが保有する開発パイプラインは以下のとおりです。

開発コード等

対象疾患

開発段階

地域

ライセンスアウト先

リパスジル

塩酸塩水和物

グラナテック

緑内障・高眼圧症(*)

上市

日本、アジア(注1)

興和

K-321

フックス角膜内皮変性症(*)

第Ⅲ相臨床試験

米国

リパスジル塩酸塩水和物/ブリモニジン酒石酸塩

グラアルファ

緑内障・高眼圧症

上市

日本

DW-1002

内境界膜染色

上市

欧州・米国等

DORC

第Ⅲ相臨床試験

日本

わかもと製薬

(WP-1108)

水晶体前嚢染色(*)

第Ⅲ相臨床試験

日本

DW-1001

眼科用治療剤

(非開示)

第Ⅰ相臨床試験

日本

ロート製薬

K-134(注2)

日本

興和

H-1337

緑内障・高眼圧症

後期第Ⅱ相臨床試験

米国

自社開発

DW-5LBT

帯状疱疹後の神経疼痛

申請

米国

メドレックスと共同開発(MRX-5LBT)

DWR-2206

水疱性角膜症

非臨床試験

日本

アクチュアライズと共同開発(AE101)

未熟児網膜症(*)治療薬

(注3)

未熟児網膜症

臨床試験準備中

日本

子会社JIT開発

(注1)アジア一部地域において上市されております。

(注2)ライセンスアウト先の興和により、閉塞性動脈硬化症(*)以外の適応症への応用を検討されているため、対象疾患と開発段階は記載しておりません。

(注3)JITは未熟児網膜症等診断薬について、アジア一部地域における独占的実施権をSplendor Health International Limitedに再許諾するライセンス契約を締結しております。

 

各開発パイプラインの詳細は以下のとおりです。

(イ)リパスジル塩酸塩水和物

(a)グラナテック点眼液0.4%(対象疾患:緑内障・高眼圧症)

 本開発品は、プロテインキナーゼ(*)の一種であるRhoキナーゼ(*)を選択的に阻害するイソキノリンスルホンアミド化合物(*)であり、眼圧下降作用により緑内障・高眼圧症を治療する点眼剤です。緑内障治療剤における世界初の作用機序(*)を有しており、Rhoキナーゼを阻害することにより、線維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出を促進することで眼圧を下降させます。

 当社は、2002年に本開発品の全世界の権利を興和株式会社(以下、「興和」)にライセンスアウトいたしました。その後は興和により臨床試験が進められ、2014年に緑内障・高眼圧症を適応症として国内上市されました。さらに、海外展開も進められ、アジア一部地域において承認取得、販売開始されております。

(b)K-321(対象疾患:フックス角膜内皮変性症)

 Rhoキナーゼ阻害剤(*)であるグラナテックは、眼内にあるキナーゼに作用する可能性があることが示唆されており、他眼科疾患への適応可能性が検討されておりました。適応拡大に向けた取り組みとして、2019年に米国第Ⅱ相臨床試験のIND申請(治験許可申請)がなされ、興和にてフックス角膜内皮変性症を適応症とした試験が進められ、その後、2022年8月に米国第Ⅲ相臨床試験が開始されました。フックス角膜内皮変性症の治療法は角膜移植しか存在しないのが現状であり、有効な治療薬の開発が望まれています。

(c)グラアルファ配合点眼液(対象疾患:緑内障・高眼圧症)

 本開発品は、リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩を含有する世界で初めての組み合わせの配合点眼剤です。2020年より、興和にて緑内障・高眼圧症を適応症として国内第Ⅲ相臨床試験が行われ、2022年12月に国内上市されました。緑内障の治療は、多剤併用が標準的な治療法となりつつあります。本開発品により、アドヒアランスの向上が期待され、緑内障患者様の治療に貢献できるものと考えております。

 

(ロ)DW-1002(対象疾患:内境界膜染色、水晶体前嚢染色)

 本開発品は、国立大学法人九州大学の研究グループが発見したBBG250(Brilliant Blue G-250)という染色性の高い色素を主成分とした眼科手術補助剤について、独占的ライセンスに基づき開発している開発品で、眼内にある内境界膜又は水晶体を保護するカプセルを一時的に安全に染色し、硝子体・白内障(*)の手術を行いやすくするものです。当社は、2017年に本事業を譲受いたしました。

 日本以外の全世界向けの独占的なサブライセンスをDutch Ophthalmic Research Center International B.V.(以下、「DORC」)に付与しており、DORCは硝子体手術時の内境界膜染色を対象として、2010年から欧州等において、この眼科手術補助剤を製造・販売しております。2020年には米国においても販売開始し、現在は、欧州・米国を含む世界76の国と地域で販売されております。

 国内については、わかもと製薬株式会社(以下、「わかもと製薬」)に独占的サブライセンスを付与しており、わかもと製薬は硝子体手術時の内境界膜染色、白内障手術時の水晶体前嚢染色を対象として、製造販売承認取得に向けて開発を進めております。

 

(ハ)DW-1001(対象疾患:非開示)

 本開発品は、2015年に英国企業から導入した眼科用治療剤です。

 他の疾患を適応症として既に市販されている化合物を眼科適応への適応拡大を目指す、いわゆるリポジショニングの手法での開発を目指しており、開発のコスト並びにリスクは相対的に低くなることが期待されます。

 2019年に日本における独占的実施権をロート製薬株式会社(以下、「ロート製薬」)にライセンスアウトいたしました。ロート製薬では、非臨床試験を進め、2022年3月に国内第Ⅰ相臨床試験を開始し、12月に良好な結果で終了いたしました。現在、国内第Ⅱ相臨床試験の準備が進められております。

 

(ニ)K-134(対象疾患:検討中)

 本開発品は、1993年より当社創業者と大塚製薬株式会社(以下、「大塚製薬」)の共同研究により、血管内膜肥厚抑制作用(*)を併せ持つ抗血小板剤(*)として開発が開始されました。

 本開発品の全世界での権利は、2002年に大塚製薬より当社へ全て譲渡され、当社は同年に全世界の権利を興和にライセンスアウトしました。その後は興和により、閉塞性動脈硬化症に伴う間歇性跛行(*)症状を対象疾患として開発が行われておりましたが、2014年に終了した国内後期第Ⅱ相臨床試験の結果を総合的に検討した結果、閉塞性動脈硬化症を適応症とした開発は中止されました。他適応症への応用につきましては、興和にて検討されております。

 

(ホ)H-1337(対象疾患:緑内障・高眼圧症)

 本開発品は、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とする当社化合物ライブラリー(*)のシード化合物を基にして最適化された、緑内障・高眼圧症を対象疾患とする開発品です。当社初となる自社臨床開発を行っており、2018年に米国第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験を終了いたしました。試験結果は良好で、有効性の主要評価項目で本開発品の有効性が確認され、安全性に関して重篤な有害事象は認められませんでした。2022年12月に、米国後期第Ⅱ相臨床試験の治験届を提出いたしました。

 また、適応拡大の研究を進めており、滲出型加齢黄斑変性に対する治療効果、並びに肺高血圧に対する治療効果も動物試験において確認されております。

 

(ヘ)DW-5LBT(対象疾患:帯状疱疹後の神経疼痛)

 本開発品は、イオン液体を利用した株式会社メドレックス(以下、「メドレックス」)の独自技術ILTS(Ionic Liquid Transdermal System)を用いた新規のリドカイン(*)テープ剤であり、リドカインパップ剤Lidodermの市場をターゲットとして開発が進められております。メドレックスが帯状疱疹後の神経疼痛治療薬として開発を進めており、当社は2020年に共同開発を開始いたしました。2020年に米国FDA(米国食品医薬品局)に承認申請いたしましたが、2021年に審査完了報告通知を受領いたしました。承認取得のために必要であると指摘を受けた追加試験は良好な結果で終了しており、2023年前半に再申請する予定です。

 

(ト)DWR-2206(対象疾患:水疱性角膜症)

 本開発品は、水疱性角膜症を適応症とした再生医療用細胞製品で、培養ヒト角膜内皮細胞とROCK阻害剤を含有した懸濁液を前房内に注入し、角膜内皮の再生の治療に用いられます。アクチュアライズ株式会社が開発を進めており、当社は2022年に共同開発を開始いたしました。当社初となる再生医療品であり、現在、国内臨床試験に向けた準備を進めております。

 

(チ)未熟児網膜症治療薬(対象疾患:未熟児網膜症)

 本開発品は、国立大学法人東京農工大学及び東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合により見出され、未熟児網膜症発症の重要な原因であることが患者様で確認されている蛋白質を阻害する化合物です。他の疾患を適応症として既に市販されている化合物を本適応症への適応拡大を目指す、いわゆるリポジショニングの手法での開発を目指しており、開発のコスト並びにリスクは相対的に低くなることが期待されます。

 子会社JITが未熟児網膜症の診断薬に関する特許も含めて権利を有しており、2020年には、未熟児網膜症等診断薬に関する特許について、アジア一部地域(中華人民共和国、香港行政特別エリア、台湾地域)における独占的実施権を、Splendor Health International Limitedに再許諾するライセンス契約を締結いたしました。

 

④ 研究プロジェクトについて

 当社グループは、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の創出を行っております。プロテインキナーゼを対象とする疾患は様々ですが、特に眼科関連疾患に注力した研究を推進しております。また、自社の創薬基盤技術を活かし、他社との提携を積極的に推進しております。

主なプロジェクトとしては、眼科関連疾患や神経系、呼吸器系疾患等を対象としたシグナル伝達阻害剤開発プロジェクトを当社開発研究所(国立大学法人三重大学の研究施設)において行っております。また、共同研究として、ユビエンス株式会社との標的タンパク質(*)分解誘導薬プロジェクト、SyntheticGestaltとの炎症系・中枢系疾患を対象にしたキナーゼ阻害剤のAI創薬プロジェクト等、複数のプロジェクトを進めております。

 

⑤ 創薬事業における当社グループ技術と研究開発の特徴について

 創薬事業における当社グループ技術と研究開発の特徴は以下のとおりです。

 

(イ)プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の創製

 当社グループは主にプロテインキナーゼ阻害剤を中心とした研究開発を進めております。

 プロテインキナーゼは、細胞の分化、増殖等の細胞内情報伝達(*)機能を担っている重要な酵素であるとされており、そのプロテインキナーゼに対し、有望な新薬候補品である阻害剤を投与することによって治療効果を高めるのが当社グループの開発の特徴であります。

 当社は、有望な新薬候補品を創製するために、独自に開発した化合物ライブラリーを保有しており、これらの開発過程で蓄積したデータやノウハウを活用して、新薬候補化合物を合成しておりますが、これらの技術力が高いことから有効な新薬候補化合物が見つかる可能性が高いと考えております。

 

(ロ)当社独自の標的タンパク質の同定(*)方法であるドラッグ・ウエスタン法(*)の活用

 当社は、ドラッグ・ウエスタン法という独自に開発した方法を使って、新薬候補化合物の標的タンパク質を同定しております。生物学の分野では、標的タンパク質を同定するために様々な方法が利用されてきましたが、当社は、それらを踏まえて医薬品開発への応用を図り、ドラッグ・ウエスタン法を完成させました。

 この方法の活用により、他の手法を活用した際に困難である新薬候補化合物の標的タンパク質の特定が容易になるほか、1回のスクリーニングで多数の標的タンパク質を同定することが可能です。既存の方法に対して、生物材料や化合物の消費量が少ないこと、スクリーニングの操作が単純であり短時間で完了すること等の長所を持ちます。

 ドラッグ・ウエスタン法を活用した際の効果は、以下のとおりと考えられます。

 

a. 有効性:高い有効性を持つ新薬候補化合物の開発の可能性が高まります。新薬候補化合物の標的タンパク質を早期に同定することによって、その新薬候補化合物の作用機序が明らかになり、その結果から、有効な新薬候補化合物の開発へとつなげていくことが可能になると考えております。

 

b. 安全性:副作用や他の医薬品との相互作用の予測により、高い安全性を持つ新薬候補化合物の開発の可能性が高まります。早期に標的タンパク質を同定することによって、副作用が起こるメカニズムの推測もしやすくなり、それにより、安全性の高い新薬候補化合物の開発が可能となります。また、作用メカニズムが明らかになることにより、他の薬剤との併用の可能性の分析がしやすくなり、薬としての利用機会の拡大とリスクの低減につながりやすいと考えます。

 

 既にこの方法を用いて、当社グループのパイプラインの「K-134」についても標的タンパク質が同定されました。

 

(ハ)細胞内情報伝達研究に由来する分子薬理学(*)に関する経験及びノウハウの活用

 当社グループの創業者は、長年にわたって細胞内情報伝達の研究活動及び創薬活動に従事してきており、その研究・創薬活動の中で、これまでに製薬会社と共同で2つの上市薬の誕生に貢献しております。当社グループは、こうした活動において獲得した経験とノウハウを基盤に、研究開発活動を行い、2014年には当社設立以来初の上市薬が誕生いたしました。

 当社グループの新薬の開発は、この分子薬理学に関する経験及びノウハウを駆使し、新薬候補化合物を設計し、合成することによって開始されております。ここで合成された新薬候補化合物の薬理学的傾向は、過去の分子薬理学に関する経験及びノウハウからある程度予測することが可能であるため、その予測を基に効率的な研究開発が可能になると考えております。

 

(ニ)提携関係を活用した研究開発体制

 当社グループは、国立大学法人三重大学との産学官連携講座(後述「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」参照)による共同研究等の提携関係を構築し、技術の取り込みを図り研究活動を進めております。また、研究開発の推進に向けては、業務受託企業等外部の企業を積極的に活用しております。こうした企業外部との提携関係を活用することによって、効率的な研究開発体制を構築することが可能となっております。

 

当社グループと外部機関との関係図(研究開発体制)

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<用語解説>(アルファベット、あいうえお順)

 

* Rhoキナーゼ

 タンパク質リン酸化(*)酵素(プロテインキナーゼ)の1つであり、Rho-ROCK経路を介する多彩な細胞応答の制御機構に関与する酵素です。

 

* イソキノリンスルホンアミド化合物

 当社が開発している化合物の有する骨格(形)の名称です。

 

* 化合物ライブラリー

 当社が長年にわたり蓄積してきた新薬候補化合物のタネとなる化合物群です。これらの化合物の一つ一つが特徴的な性質を有しており、基礎研究や新薬候補化合物発見に利用されます。

 

* 間歇性跛行

 閉塞性動脈硬化症により引き起こされる典型的な症状です。一般に下肢筋肉への動脈血供給を妨げる閉塞性病変が原因となって血流障害が引き起こされ、歩行運動に伴って虚血性の疼痛を発生させます。この疼痛は一定の運動負荷で引き起こされ、安静により数分以内に緩和される特徴があります。跛行症状の治療には、下肢血行動態の改善を目的とした監視下運動療法、薬物療法及び血行再建術があります。

 

* 血管内膜肥厚抑制作用

 血管内膜肥厚とは、血管壁の損傷により血管壁が厚くなることであり、その結果血液の流路が細くなり、血行障害が生じやすくなります。この血管内膜肥厚を抑制することは動脈硬化を防ぐためには重要であると考えられており、その抑制作用を血管内膜肥厚抑制作用と言います。

 

* 抗血小板剤

 血小板(血液の成分の1つで血液の凝固や止血に重要な役割を果たしている成分)が有する機能の1つである凝集機能を阻害(抑制)する薬です。

 

* 細胞内情報伝達

 神経刺激やホルモン等の細胞外からのシグナル(信号)を細胞内の必要な箇所へ伝えるシステムのことを言います。細胞内シグナル伝達とも言います。

 

* 作用機序

 薬物が作用する仕組みのことを言います。近年では薬物作用の明確化の重要性が高まっており、この作用機序の解明が新薬開発において注目されております。

 

* 上市(じょうし)

 新薬が承認され、実際に市場に出る(市販される)ことを言います。

 

* 水疱性角膜症

 角膜内皮細胞が障害を受け、角膜浮腫が起こり、角膜が白く濁って視力が著しく低下する病気。フックス角膜内皮ジストロフィ、白内障や緑内障等の眼科手術により角膜内皮細胞が減少することが原因にあげられます。治療法は角膜移植手術になります。

 

* スクリーニング

 新薬を開発するには、多数の候補化合物の中から、効果があり安全性が高いものを選び出すことが必要となります。このような多数の化合物から新薬の候補を探す一連の流れをスクリーニングと言います。

 

* スクリーニング毒性

 細菌を用いる復帰突然変異試験(化学物質による、発癌性を含めた遺伝子に与える変化である変異原性を、細菌を用いてテストする試験)、ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験(明確な染色体構造を持たない細菌においては、染色体異常を検出できないため、人為的に生体外で培養したほ乳動物の細胞を用いて、染色体に対する遺伝毒性がないかをテストする試験)及びほ乳類を用いる28日間の反復毒性試験(ラット等の動物に一定期間毎日反復投与したときに現れる生体機能及び形態の変化を観察する試験)によって検出される毒性を指します。

 

* 阻害剤

 生体内の様々な酵素分子に結合して、その酵素の活性を低下もしくは消失させる物質を指します。化学物質が特定の酵素の活性を低下もしくは消失させることにより、病気の治療薬として利用されることがあります。

 

* タンパク質リン酸化

 タンパク質にリン酸基を移転する化学反応であり、タンパク質の働きを調節すると考えられております。

 

* 同定

 単離した化学物質等の標的が何であるかを決定することを指します。

 

* ドラッグ・ウエスタン法

 薬物の標的タンパク質の同定に用いられる手法で、当社がバイオテクノロジーを応用して発明し、特許を有しておりました。煩雑なタンパク質精製プロセスを介さずに、薬物が結合する少量のタンパク質を検出し、その遺伝子を特定することにより標的タンパク質を同定することができる方法です。

 

* 白内障

 水晶体が白く濁り、視力障害を引き起こす病気です。主な原因は加齢によるもので、症状が進行している場合には、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術が行われます。日本では年間およそ120万件の手術が行われています。

 

* 標的タンパク質

 薬物が作用する対象となるタンパク質を標的タンパク質と呼びます。生体においては多くのタンパク質が相互に作用することによって様々な機能を果たしており、多くの病気が特定のタンパク質の異常な働きによって引き起こされております。これらの病気には、これらのタンパク質を標的タンパク質として、その異常な動きを抑制する薬剤が有効となりうると考えられております。

 

* フックス角膜内皮変性症

 角膜内皮細胞に障害がおき、角膜浮腫・混濁が生じ、視力が低下していく疾患です。欧米で多くみられ、日本では患者数が少ないとされています。現在の治療法は角膜移植しか存在せず、有効な治療薬の開発が望まれています。

 

* プロテインキナーゼ

 ATP(アデノシン三リン酸と言われ、体内で作られる高エネルギー化合物)等、生体においてエネルギーの元となる低分子物質等のリン酸基を、タンパク質分子に転移する(リン酸化)酵素です。一般にリン酸化を触媒する酵素をキナーゼと呼び、特にタンパク質をリン酸化するキナーゼをプロテインキナーゼと言います。

 

* 分子薬理学

 薬理学とは、薬物が生体に対してどのような作用により、影響・効果を発揮しているかを調べたり、薬物を用いて生体の機能を明らかにしたりする学問のことです。分子薬理学とは、その薬理学の調査の対象を生物の化学的性質を失わない最小の構成単位、つまり遺伝子のレベルで調べる学問です。

 

* 閉塞性動脈硬化症

 動脈硬化(動脈壁が肥厚し硬化した状態)により、主として下肢の大血管が慢性的に閉塞することによって、軽い場合には冷感、重症の場合には下肢の壊死にまで至ることがある病気を言います。軽度の場合には抗血小板剤が処方されることが多く、症状が悪化するにつれて他の薬剤を使用します。

 

* 未熟児網膜症

 低出生体重児(未熟児)は、出生後保育器で高酸素下の環境におかれますが、その後通常の環境に戻された際、その環境に適応するため、急激に血管を産生しようと努めます。それは網膜においても起こり、急激な血管産生の結果、脆い異常な血管が形成されることで網膜剥離につながり、最終的には失明に至ることがある疾患です。現在は、レーザー照射による治療が行われていますが、必ずしも視力が戻るわけではなく、満足されている治療というわけではありません。

 

 

* リドカイン

 神経末端において痛みの信号を遮断することにより痛みを軽減させる、局所麻酔薬の一種です。

 

* 緑内障・高眼圧症

 緑内障とは、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患です。適切に治療されずに放置すると視野狭窄から失明に至る疾患であり、日本の中途失明原因の第一位(2005年)となっております。また、高眼圧症とは、視野狭窄が無いものの、眼圧が正常値を超えている病態です。

 現在、緑内障のエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は、「眼圧を下降すること」とされており、原発開放隅角緑内障(広義)に対する治療では、薬物治療が第1選択とされております。

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業の

内容

議決権の所有割合又は被所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

名古屋市中区

100,000

創薬事業

77.89

業務委受託

資金の貸付

役員の兼任あり

日本革新創薬株式会社

(注)1、2

(注)1 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

2 特定子会社に該当しております。

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

2022年12月31日現在

従業員数(名)

20

(注)1 従業員数は就業人員であります。

2 当社グループの事業は創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2022年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

17

46.4

10.4

6,098

(注)1 従業員数は就業人員であります。

2 平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。

3 当社の事業は創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(3)労働組合の状況

 当社グループには労働組合は組成されておりませんが、労使関係は良好であります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。

 なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項記載以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。対応策については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」も併せてご参照ください。

 また、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業の内容について

① 当社グループの医薬品の研究開発に関する事項

(イ)研究開発の不確実性に関する事項

 当社グループは医薬品開発を主業務としております。一般的に、医薬品の研究開発期間は、基礎研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、相当規模の研究開発投資が必要と考えられております。さらに、その成功の可能性は、他産業に比して極めて低いものとされております。従って、当社グループのライセンスアウト済パイプライン及び新規開発品にも、かかるリスクは付随しており、医薬品としての安全性・有効性が確認され上市に至るかどうかは不確定であり、新規開発品についても想定通りに開発が進められるとは限りません。これらのライセンスアウト済パイプライン及び新規開発品の不確実性は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ロ)医薬品業界の競合関係に関する事項

 当社グループが参画する医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による競争が激しい状態にあります。また、その技術革新は急速に進んでいる状態にあります。従って、これら競合相手との、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ハ)副作用に関する事項

 医薬品は、臨床試験段階から上市後に至るまで、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、信用力の失墜、訴訟の提起等により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ニ)医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「薬機法」)その他の規制に関する事項

 当社グループが参画する医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬機法及び薬事行政指導、その他関係法令等により、様々な規制を受けております。

 医薬品は基礎研究から製造販売承認等を取得するに至るまでには、多大な開発コストと長い年月を必要としますが、品質、有効性及び安全性に関する十分なデータが得られず、医薬品としての有用性を示すことができない場合には、承認が計画通り取得できず、上市が困難になる可能性があります。これは新規開発品を他社にライセンスアウトする場合も同様であり、薬機法その他の規制により、当初計画した条件でのライセンスアウトもしくはライセンスアウトそのものが困難になる可能性があります。

 このような事象が生じた場合、また、将来各国の薬機法等の諸規制に大きな変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ホ)製造物責任に関する事項

 医薬品事業においては、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において製造物責任を負う可能性があり、製造物責任にかかる多額の負担金の支払い等により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

② 当社グループの事業活動に関する事項

(イ)提携関係に関する事項

 当社グループは研究開発の各段階において広範な提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ専門性の高い技術の取込みを図っております。当社グループは自社の研究開発人員とこれらの提携関係により、戦略的かつ柔軟な研究開発体制を構築しており、さらにその他の事業活動においても様々な提携関係等を構築しております。これらの提携関係に変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 当社グループでは、今後も事業基盤の強化、効率的な新薬開発の実現に向けて、広範な提携関係の構築を検討してまいります。しかしながら、期待通りに提携関係が構築できない可能性があります。

 

(ロ)大学との共同研究実施に関する事項

 当社グループは、国立大学法人三重大学(以下、「三重大学」)との間で産学官連携講座共同研究契約に基づく共同研究を実施しております。

 当該共同研究にかかる当社グループの費用負担については、三重大学との協議により、当社グループが共同研究に派遣する民間等共同研究員の人数に応じた研究料及び当該共同研究において必要と見込まれる直接経費について、共同研究費として三重大学に支払っております。当該費用については、契約期間内に支払うことになっており、契約期間に対応して費用計上しております。なお、共同研究における活動状況に応じて生じる追加費用等については、相互協議による契約変更の手続きにより追加支払いを行う場合もあります。

 当社グループは、今後においても当社グループの事業基盤である共同研究を継続していく方針であり、相応の共同研究費を負担することになりますが、医薬品の研究開発活動は既述の通り不確実性が高い性質を有しており、現時点では収益基盤も不安定であるため、当該研究費を吸収するだけの収益が継続的に発生しなかった場合、もしくは予期せぬ研究開発活動中の事故、外的要因や自然災害による事故が発生し、当該共同研究実施が困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ハ)ライセンスアウトに関する事項

 当社グループは、中期事業計画に基づき、開発品のライセンスアウトに伴うフロントマネー収入及びライセンスアウトした薬剤の開発工程で計上するマイルストーン収入、製品上市後販売額の一定比率を受領するロイヤリティ収入を収益基盤としております。

(a)ライセンスアウトに伴う収益計上時期にかかわるリスク

 ライセンスアウト後に当該開発品の開発スケジュールが変更となる等により、ライセンスアウトによる収入を受領する事業年度が当社グループ予想と異なる場合、又は、ライセンスアウトを予定している開発品に関して、ライセンスアウトを達成する時期が変更となったり、ライセンスアウトそのものが困難になった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

(b)開発品の開発中断及び中止にかかわるリスク

 ライセンスアウト後に当該開発品の開発が中断及び中止等になり、それ以降のライセンスアウトによる収入が得られなくなる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

(c)開発品の販売開始後の売上変動リスク

 製造販売承認後の販売計画はライセンスアウト先に依存しており、ライセンスアウト先において、販売計画の変更や経営環境の悪化等により販売計画を達成できない等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ニ)特定の契約先からの収入への依存に関する事項

 当社グループのライセンス契約に基づく収入は、ライセンスアウト先への依存度が高いビジネスモデルとなっております。

 ライセンスアウト先との契約は、「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載した契約期間において有効であります。しかしながら、今後、当社グループがライセンスアウトした開発品をライセンスアウト先が当初計画通りに開発推進する保証はありません。従いまして、当社グループがライセンスアウトした開発品について、ライセンスアウト先の研究開発活動に計画変更や停止が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ホ)契約に基づく支払義務の負担に関する事項

 当社グループは開発パイプラインに関する提携企業等との契約において、販売に至る前の開発段階及び販売開始後に提携先等に対する支払義務を負っている場合があります。これらの対価の支払形態は、創薬バイオベンチャー企業の事業の性質上当然のものと認識しておりますが、この結果として、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ヘ)子会社に関する事項

 当社は、2015年より子会社を有しておりますが、子会社における事業活動が計画通りに進展しない場合、また事業展開に伴う開発費用の増加等が発生する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 また、子会社に関して提携企業等と共同出資等の資本関係を有していることがありますが、提携企業等との関係に変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ト)小規模組織であることについての事項

 当社グループは、当連結会計年度末において、従業員20名の小規模な組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっております。今後においては、組織規模に応じた適切な水準を維持、強化するとともに、内部管理体制の一層の充実を図る方針であります。

 

(チ)人材の確保及び育成に関する事項

 当社グループの事業活動は、経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員等に強く依存しております。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、このような人材確保又は育成が順調に進展しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(リ)資金調達に関する事項

 当社グループは、医薬品開発のための継続した研究開発活動の実施に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく方針であります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、資金調達の機動的な実施が困難な場合、当社グループの資金繰りや事業活動等に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ヌ)配当政策に関する事項

 当社は創業以来配当を実施しておらず、また、当事業年度末においては、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。当面は内部留保に努め、研究開発活動の継続的実施に備えることを優先していく方針ですが、株主への利益還元を重要な経営課題として、その時点における経営成績及び財政状態を勘案しつつ利益配当を検討する所存であります。しかしながら、今後も利益を安定的に計上できない場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。

 

(ル)為替変動リスクに関する事項

 当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動や海外企業とのライセンス等において外貨建取引が存在しますが、特段の為替リスクヘッジは行っておりません。そのため、大幅な為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ヲ)医療費抑制について

 日本では医療費抑制策として、医療用医薬品の薬価引き下げや、ジェネリック医薬品の使用促進等の施策が行われております。海外においても、先進国を中心として薬剤費の引き下げの圧力が高まっています。今後の医療費政策の動向が当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(ワ)重要な契約に関する事項

 「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しております契約のうち、特に当社グループの研究開発体制の維持のためには三重大学との契約が重要であり、現パイプラインについては各ライセンスアウト先との契約が重要でありますが、三重大学及び各ライセンスアウト先とは契約の継続性に支障がない関係にあるものの、将来、契約内容の変更、期間満了、解除その他何らかの理由により契約の終了が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(カ)知的財産権に関する事項

 当社グループは研究開発活動等において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社グループ所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しております。

 なお、当連結会計年度末において当社グループが保有している特許権及び特許出願は全部で11種類あります。

 しかしながら、当社グループが保有している出願中の特許が全て成立する保証はありません。また、特許が成立した場合でも、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により、当社グループの特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しております。当社グループの特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社グループ事業の継続、財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 また、当連結会計年度末において、当社グループの開発に関する特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生した事実はありません。当社グループは、他者の特許権の侵害を未然に防止するため特許調査を実施しておりますが、当社グループのような研究開発型企業にとって知的財産権の問題を完全に回避するのは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社グループ事業の継続、財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(ヨ)訴訟等に関する事項

 当社グループは当連結会計年度末において訴訟は提起されておりませんが、将来何らかの事由の発生により、訴訟等による請求を受ける可能性を完全に回避することは困難であり、この結果、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(タ)情報管理に関する事項

 当社グループは、事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また一定の個人情報を有しています。これらの情報の流出リスクを低減するために、当社グループは、役職員、取引先等との間で、守秘義務等を定めた契約を締結する等、厳重な情報管理に努めております。しかしながら、万一これらの情報が外部に漏えいした場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(レ)災害・感染症等に関する事項

 当社グループの各事業所又は当社グループの取引先、関係する医療機関並びにその地域等について、地震や台風等の自然災害や火災等の事故の発生、感染症の蔓延等により、事業活動の停止・制約等が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 なお、新型コロナウイルス感染症については、当社グループの事業への大きな影響はなく、現時点で顕在化している重大なリスクはありません。しかし、今後も新型コロナウイルス感染拡大が継続し、当社グループの研究所及び外部委託先従業員等の罹患や移動制限等により研究開発活動が遅延、停滞した結果、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、感染症対策としてマスク着用・消毒等衛生対策のほか、WEB会議の活用・不要不急の出張の自粛等の対策を実施しております。

 

(2)業績等に関する事項

① 経営成績について

 当社グループの売上高は、ライセンスアウト時に受領するフロントマネー収入、ライセンスアウトされた開発品の一定の進捗により受領するマイルストーン収入、上市によってもたらされるロイヤリティ収入等により得られます。当社グループは現在上市された薬剤を2つ保有しているため、毎期継続的な収入が計上されると見込んでおりますが、ロイヤリティ収入はライセンスアウト先の売上高に依存するため、将来に期待していた収入が見込めない可能性があります。また、フロントマネー収入、マイルストーン収入は、ライセンスアウト及び開発品の一定の進捗の有無により、毎期経常的に計上されているものではなく、不安定に推移しております。従いまして、過年度の経営指標及び今後開示される業績は、期間業績比較を行うための材料として、さらに今後の当社グループ業績を予測する材料としては不十分な面があります。

 当社グループは、医薬品の研究開発とライセンスアウトを推進することによって、将来の継続的な黒字化を目指しておりますが、保有する開発パイプラインの価値を向上させるため積極的な先行投資を実施することにより、業績は赤字の傾向があります。従いまして、2019年12月期を除き、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスであり、将来において親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。

 

② マイナスの利益剰余金が計上されていることについて

 当社グループは創薬バイオベンチャー企業であり、ライセンスアウト済パイプラインが上市し、ロイヤリティ収入等の安定的な収入を確保し、その収入が研究開発費等の費用の合計を上回るまでは、連続して親会社株主に帰属する当期純損失を計上することになります。

 当社グループは開発パイプラインの拡充、ライセンスアウトの実施、ライセンスアウトが完了した開発品の上市に向けた臨床開発支援活動を行うことにより、早期の利益確保を目指しておりますが、将来において計画通りに親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、当社グループの事業が計画通りに進展せず、親会社株主に帰属する当期純利益を獲得できない場合には、マイナスの利益剰余金がプラスとなる時期が遅れる可能性があります。

 

③ 業績予想に関する事項

 当社グループは、連結会計年度毎に業績予想を公表しています。しかし、事業や経済環境の変化及び不確実性等の予測不可能な要因により、これら業績予想や目標を期限内に達成することや、目標を維持することが困難になる可能性があります。

 

④ 資金繰りについて

 当社グループの事業計画が計画通りに進展しない等の理由から、想定したタイミングで資金を確保できなかった場合には資金不足となり、当社グループの資金繰りの状況によっては、事業存続に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑤ 税務上の繰越欠損金について

 当連結会計年度末において、当社グループは税務上の繰越欠損金を有しております。そのため、当社グループの業績が順調に推移する等、繰越欠損金による課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることになり、親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(3)その他

① 調達資金の使途に関する事項

 増資を中心とした調達資金の使途については、開発パイプラインの拡充をしていくための研究開発資金及び事業運転資金に充当する予定です。

 但し、新薬開発に関わる研究開発活動の成果が当社グループの収益に結び付くには長期間を要する一方で、研究開発にかかる成果が得られない場合もあるため、調達した資金が投資家の期待している収益に結び付かない可能性があります。

 

② 新株予約権に関する事項

 当社は2022年7月19日付で、ウィズ AIoT エボリューション ファンド投資事業有限責任組合を割当先とする第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第11回新株予約権の発行を行いました。これらの新株予約権の目的となる株式数は当連結会計年度末において新株予約権付社債3,971,326株、新株予約権1,887,600株の合計5,858,926株となり、発行済株式総数の19.0%に相当します。当該新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 また、新株予約権の行使は、原則として新株予約権者の判断によるため、市場における当社株価の動向によりましては、当該新株予約権の全部又は一部が行使されない可能性があります。そのため、予定された資金が調達されるまでに一定の時間を要する可能性や、予定された資金が調達できない可能性があります。さらに、新株予約権付社債は、株式への転換が進まなかった場合には、償還期日(2027年12月27日)において残存する新株予約権付社債につき額面での一括償還が必要となります。当該新株予約権の行使が進まず、当該新株予約権による資金調達が困難になった場合は、事業計画の見直しを行うとともに、別途資金調達方法の検討を進める可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)当社が締結する契約

① ライセンス契約及び共同開発契約

開発コード

契約先

契約締結日

契約期間

主な契約内容

リパスジル塩酸塩水和物(グラナテック、K-321、

グラアルファ)

興和株式会社

2002年9月11日

契約締結日から実施料の支払が満了する日まで

① 全世界における開発、製造、使用及び販売の再実施許諾権付き独占的実施権を許諾する。

② 実施権の対価として、フロントマネー、マイルストーン及びロイヤリティを受領する。

K-134

(注)

興和株式会社

2002年9月11日

契約締結日から実施料の支払が満了する日まで

① 全世界における開発、製造、使用及び販売の再実施許諾権付き独占的実施権を許諾する。

② 実施権の対価として、フロントマネー、マイルストーン及びロイヤリティを受領する。

DW-1001

英国企業

2015年6月2日

契約締結日から製品販売後10年、もしくは全ての特許満了のいずれか遅い時点まで

① 日本における眼科領域の開発、製造、使用及び販売の再実施許諾権付き独占的実施権を取得する。

② 実施権の対価として、フロントマネー、マイルストーン及びロイヤリティ等を支払う。

ロート製薬株式会社

2019年12月12日

契約締結日から製品販売後10年、もしくは全ての特許満了のいずれか遅い時点まで

① 日本における眼科領域の開発、製造、使用及び販売の再実施許諾権付き独占的実施権を許諾する。

② 実施権の対価として、フロントマネー、マイルストーン及びロイヤリティを受領する。

DW-1002

株式会社ヘリオス

2017年1月31日

契約の期間の定めなし

① 当社は、株式会社ヘリオスよりBBG250を含有する眼科手術補助剤にかかる事業を譲り受ける。

② 本事業譲受の対価として、一時金のほか、開発や導出の進展等に伴い、マイルストーンの支払いが発生する可能性がある。

国立大学法人九州大学、株式会社ヘリオス

2017年4月28日

2017年4月30日から特許権の存続期間の満了日まで

① 国立大学法人九州大学と株式会社ヘリオス間で締結していた包括実施許諾契約書における株式会社ヘリオスの地位を当社が承継し、国立大学法人九州大学からBBG250に関する特許権の再実施許諾権付独占的通常実施権を当社が許諾を受ける。

② 許諾の対価として、当社は、国立大学法人九州大学に対して一定の実施料を支払う。

(注)本開発品の特許は当社が保有しておりますが、過去に大塚製薬株式会社が開発していたものであり、同社が負担した本開発品にかかる諸費用の清算金として、パイプラインの開発の進捗等に応じた金額を当社が支払う旨、2001年2月22日付で当社と大塚製薬株式会社との間で合意しております。但し、支払額の上限は5億円になります。

 

 

開発コード

契約先

契約締結日

契約期間

主な契約内容

DW-1002

わかもと製薬株式会社

2014年12月3日

契約締結日から特許権の存続期間の満了日まで、以降一方当事者による終了の通知がなければ2年間毎の自動継続

① 日本における内境界膜染色及び水晶体前嚢染色についてのBBG250を含有する医薬品の開発、使用、販売に関する独占的通常実施権を許諾する。

② 許諾の対価として、一時金のほか、一定の実施料の支払いを受ける。

Dutch Ophthalmic Research Center International B.V.

2009年9月9日

2009年9月4日から2025年12月6日まで

① 日本以外の全世界におけるBBG250を含有する医薬品の開発、製造、製造委託、輸入、使用、市場取引、販売、流通に関する独占的実施権を許諾する。

② 許諾の対価として、一定の実施料の支払いを受ける。

DW-5LBT

株式会社メドレックス

2020年4月16日

契約締結日から成果分配金の支払が満了する日まで

① 株式会社メドレックスと「DW-5LBT」の米国における開発を共同で行う。

② 当社は、本契約締結後の事業化の進捗状況に応じて、マイルストーンを支払う。

③ 製品の上市後、株式会社メドレックスは、当社に対し一定の成果分配金を支払う。

DWR-2206

アクチュアライズ株式会社

2022年6月30日

契約締結日から全ての収益の分配が完了する日まで

① アクチュアライズ株式会社と「DWR-2206」の日本における開発を共同で行う。

② 当社は、日本における開発費用を負担する。

③ 全世界における本製品に関連して得られる収益は、一定の割合で分配される。

 

② 共同研究

契約先

契約締結日

契約期間

主な契約内容

国立大学法人三重大学

2009年12月25日

2010年1月1日から2023年12月31日

教育研究活動の活性化、当社の研究開発業務の支援を目的として、産学官連携講座を設置する。当該講座における共同研究により得られる知的財産権の帰属は、本契約に従い、当社、国立大学法人三重大学の各研究者が単独で発明したものはそれぞれの単独所有となり、両者共同で発明したものは協議の上貢献度を踏まえて両者間の共有となる。

 

③ その他の契約

契約書名

契約先

契約締結日

契約期間

主な契約内容

株主間契約書

ロート製薬株式会社

2015年11月13日

2015年11月13日から契約当事者いずれか一方が日本革新創薬株式会社の株式を保有しなくなるか契約当事者同士が契約書の終了を合意するまで

① 当社とロート製薬株式会社は、日本革新創薬株式会社に共同で出資し、新たに発行する株式の60%を当社、40%をロート製薬株式会社が引き受けする。

② ロート製薬株式会社は、一定の条件のもと保有する株式について当社に買取りを請求することができる。

 

 

契約書名

契約先

契約締結日

契約期間

主な契約内容

金銭消費貸借契約証書

株式会社みずほ銀行

2017年2月16日

返済期日:

2023年12月31日

① 無担保・無保証

② 借入金額600百万円

③ 本借入においては、遵守事項や期限の利益の喪失事項が定められております。

限度貸付契約書

株式会社みずほ銀行

2020年4月16日

返済期日:

2029年9月30日

① コミットメント期間付タームローン

② 借入限度額200百万円

③ 無担保・無保証

④ 本借入においては、遵守事項や期限の利益の喪失事項が定められております。

限度貸付契約書

株式会社みずほ銀行

2022年6月30日

返済期日:

2030年6月30日

① コミットメント期間付タームローン

② 借入限度額440百万円

③ 無担保・無保証

④ 本借入においては、遵守事項や期限の利益の喪失事項が定められております。

 

(2)連結子会社である日本革新創薬株式会社が締結する契約

① ライセンス契約

開発コード

契約先

契約締結日

契約期間

主な契約内容

未熟児網膜症治療薬・診断薬

国立大学法人東京農工大学

2015年4月27日

2015年4月27日から特許期間満了日まで

① 国立大学法人東京農工大学の特許出願した「未熟児網膜症の治療又は予防剤、未熟児網膜症の検査方法及び未熟児網膜症の治療又は予防物質のスクリーニング方法」の持分の半分を日本革新創薬株式会社に譲渡する。

② 日本革新創薬株式会社は、当該特許の再実施許諾権付き独占的実施権を取得する。

③ 日本革新創薬株式会社は、実施権の対価として、ロイヤリティ収入等を支払う。

 

 

2【主要な設備の状況】

(1)提出会社

2022年12月31日現在

 

事業所名

(所在地)

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数

(名)

建物

工具、器具

及び備品

ソフトウエア

合計

本社

(名古屋市中区)

本社業務

3,758

2,376

940

7,075

6

開発研究所

(三重県津市)

研究用施設

0

3,077

46

3,123

11

(注)1 本社は賃借しており、年間賃借料は7,143千円であります。

2 従業員数は、就業人員であります。

3 開発研究所は国立大学法人三重大学医学部内に設置しております。

 

(2)国内子会社

2022年12月31日現在

 

会社名

事業所名

(所在地)

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数

(名)

建物

工具、器具

及び備品

ソフトウエア

合計

日本革新創薬株式会社

開発研究所他

(京都府木津川市他)

研究用施設

892

42

934

3

(注)1 各事業所は賃借しており、年間賃借料は1,800千円であります。

2 従業員数は、就業人員であります。

 

①【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

48,442,000

48,442,000

①【ストックオプション制度の内容】

 該当事項はありません。

 

②【ライツプランの内容】

 該当事項はありません。

 

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数 100株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び

地方公共

団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数

(人)

1

27

60

18

48

13,425

13,579

所有株式数

(単元)

828

33,067

2,054

1,690

661

270,363

308,663

4,838

所有株式数

の割合(%)

0.27

10.71

0.67

0.55

0.21

87.59

100.0

(注) 自己株式100株は、「個人その他」に1単元含まれております。

 

(6)【大株主の状況】

 

 

2022年12月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

日高 弘義

愛知県名古屋市千種区

3,128,800

10.13

日高 有一

愛知県名古屋市千種区

2,863,600

9.27

株式会社SBI証券

東京都港区六本木一丁目6番1号

932,064

3.01

楽天証券株式会社

東京都港区南青山二丁目6番21号

704,300

2.28

auカブコム証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目3番2号

596,100

1.93

松井証券株式会社

東京都千代田区麹町一丁目4番地

437,000

1.41

日高 邦江

愛知県名古屋市千種区

300,000

0.97

五十畑 輝夫

栃木県栃木市

260,200

0.84

木村 重二郎

静岡県浜松市西区

166,700

0.53

渡辺 淳

静岡県浜松市北区

161,700

0.52

9,550,464

30.93

(注) 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点第3位以下を切り捨てて表示しております。

 

①【連結貸借対照表】

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(2021年12月31日)

当連結会計年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

1,933,743

2,334,668

売掛金

101,674

170,755

貯蔵品

88,399

79,211

その他

38,365

74,436

流動資産合計

2,162,183

2,659,072

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物

5,653

8,727

減価償却累計額

4,763

4,968

建物(純額)

889

3,758

工具、器具及び備品

90,687

97,052

減価償却累計額

87,008

90,706

工具、器具及び備品(純額)

3,678

6,346

有形固定資産合計

4,567

10,105

無形固定資産

 

 

契約関連無形資産

164,571

123,428

その他

2,047

1,101

無形固定資産合計

166,619

124,529

投資その他の資産

 

 

投資有価証券

122,513

153,551

その他

6,975

9,117

投資その他の資産合計

129,489

162,668

固定資産合計

300,676

297,303

資産合計

2,462,860

2,956,376

負債の部

 

 

流動負債

 

 

1年内返済予定の長期借入金

129,524

120,000

未払金

41,759

64,210

未払法人税等

9,889

11,234

その他

12,072

15,762

流動負債合計

193,245

211,207

固定負債

 

 

転換社債型新株予約権付社債

734,693

長期借入金

210,476

113,000

その他

24,000

24,000

固定負債合計

234,476

871,693

負債合計

427,721

1,082,900

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

573,159

714,244

資本剰余金

2,631,398

2,772,484

利益剰余金

1,200,276

1,629,961

株主資本合計

2,004,281

1,856,767

その他の包括利益累計額

 

 

その他有価証券評価差額金

222

その他の包括利益累計額合計

222

新株予約権

2,692

943

非支配株主持分

28,164

15,987

純資産合計

2,035,138

1,873,475

負債純資産合計

2,462,860

2,956,376

【連結損益計算書】

 

 

(単位:千円)

 

 前連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

売上高

414,424

※1 448,100

売上原価

20,099

27,566

売上総利益

394,324

420,533

販売費及び一般管理費

 

 

研究開発費

※2 316,161

※2 469,564

その他

※3 249,812

※3 256,881

販売費及び一般管理費合計

565,974

726,446

営業損失(△)

171,649

305,912

営業外収益

 

 

受取利息

21

25

為替差益

17,382

33,278

消費税差額

0

4,177

その他

397

1,008

営業外収益合計

17,801

38,489

営業外費用

 

 

支払利息

4,424

3,147

支払手数料

13,521

株式交付費

1,168

889

新株発行費

10,825

その他

270

営業外費用合計

5,863

28,384

経常損失(△)

159,711

295,806

特別損失

 

 

投資有価証券評価損

※4 100,319

解決金

※5 44,140

特別損失合計

144,460

税金等調整前当期純損失(△)

159,711

440,267

法人税、住民税及び事業税

1,595

1,595

法人税等合計

1,595

1,595

当期純損失(△)

161,306

441,863

非支配株主に帰属する当期純損失(△)

12,311

12,177

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

148,995

429,685

①【貸借対照表】

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

1,709,207

2,159,720

売掛金

100,989

170,167

貯蔵品

85,551

76,458

前渡金

7,670

48,565

前払費用

21,741

9,610

関係会社短期貸付金

※1 100,000

※1 100,000

その他

※1 2,247

※1 12,988

流動資産合計

2,027,407

2,577,511

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物

889

3,758

工具、器具及び備品

3,678

5,453

有形固定資産合計

4,567

9,212

無形固定資産

 

 

ソフトウエア

1,891

986

契約関連無形資産

164,571

123,428

その他

72

72

無形固定資産合計

166,535

124,487

投資その他の資産

 

 

投資有価証券

122,513

153,551

関係会社株式

99,279

99,279

その他

6,975

9,117

投資その他の資産合計

228,768

261,947

固定資産合計

399,871

395,648

資産合計

2,427,279

2,973,159

負債の部

 

 

流動負債

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※2 129,524

※2 120,000

未払金

※1 38,577

※1 62,632

未払費用

4,449

4,741

未払法人税等

9,271

10,616

預り金

3,022

3,061

その他

984

流動負債合計

185,829

201,051

固定負債

 

 

転換社債型新株予約権付社債

734,693

長期借入金

※2 210,476

※2 113,000

その他

24,000

24,000

固定負債合計

234,476

871,693

負債合計

420,305

1,072,745

 

 

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

573,159

714,244

資本剰余金

 

 

資本準備金

2,672,501

2,813,586

資本剰余金合計

2,672,501

2,813,586

利益剰余金

 

 

その他利益剰余金

 

 

繰越利益剰余金

1,241,378

1,628,138

利益剰余金合計

1,241,378

1,628,138

株主資本合計

2,004,282

1,899,692

評価・換算差額等

 

 

その他有価証券評価差額金

222

評価・換算差額等合計

222

新株予約権

2,692

943

純資産合計

2,006,974

1,900,413

負債純資産合計

2,427,279

2,973,159

②【損益計算書】

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

当事業年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

売上高

※1 412,121

※1 411,586

売上原価

20,099

27,145

売上総利益

392,021

384,440

販売費及び一般管理費

 

 

研究開発費

※1,※2 228,493

※1,※2 411,250

その他

※3 220,469

※3 228,207

販売費及び一般管理費合計

448,962

639,458

営業損失(△)

56,941

255,017

営業外収益

 

 

受取利息

※1 1,302

※1 1,023

為替差益

17,382

33,278

その他

※1 3,995

※1 7,777

営業外収益合計

22,680

42,078

営業外費用

 

 

支払利息

4,424

3,147

支払手数料

13,521

新株発行費

10,825

その他

358

889

営業外費用合計

4,783

28,384

経常損失(△)

39,043

241,322

特別損失

 

 

投資有価証券評価損

100,319

解決金

44,140

関係会社株式評価損

※4 200,721

特別損失合計

200,721

144,460

税引前当期純損失(△)

239,764

385,783

法人税、住民税及び事業税

977

977

法人税等合計

977

977

当期純損失(△)

240,741

386,760