株式会社テレビ東京ホールディングス
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額につきましては、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第12期の期首から適用しており、第12期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1 第13期の1株当たり配当額80円には、記念配当10円を含んでおります。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額につきましては、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第12期の期首から適用しており、第12期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
当社は、株式会社テレビ東京、株式会社BSジャパン(現 株式会社BSテレビ東京)及びテレビ東京ブロードバンド株式会社(現 株式会社テレビ東京コミュニケーションズ)を完全子会社とする株式移転により経営統合し、認定放送持株会社として設立されました。当社の会社設立以前、以後の企業集団に係る沿革は以下のとおりであります。
なお、当社の会社設立以前の、株式会社テレビ東京、株式会社BSジャパン(現 株式会社BSテレビ東京)及びテレビ東京ブロードバンド株式会社(現 株式会社テレビ東京コミュニケーションズ)の沿革については、それぞれ以下のとおりです。
株式会社テレビ東京
株式会社BSテレビ東京
株式会社テレビ東京コミュニケーションズ
当社の企業集団(以下、「当社グループ」という。)は当社、連結子会社15社及び関連会社4社で構成されており、主として㈱テレビ東京を中心とした地上波放送及び放送番組等を二次的に利用する権利その他放送番組等から派生する権利を利用した事業を行う地上波放送事業、放送事業等を機能的に補完する役割を担う子会社を中心とした放送周辺事業、㈱BSテレビ東京を中心としたBS放送事業ならびに㈱テレビ東京コミュニケーションズを中心としたコミュニケーション事業を行っております。
また、当社は、その他の関係会社である㈱日本経済新聞社とも継続的な事業上の関係を有しております。
なお、次の4事業は「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
(1) 地上波放送事業
[地上波放送]
教育、教養、娯楽及び報道の各ジャンルの調和を基本としてテレビ番組を企画編成し、健全なエンターテインメント番組や経済情報を中心にした客観的かつ公正な報道番組等を視聴者に提供する一方で、広告主に対して広告枠の販売を行っております。
広告枠の販売形態
タイムセールス……1つの番組の放送時間の途中で放送する広告枠を販売する形態。広告主は原則として当該番組の制作費を負担し、又は他の広告主と分担します。
スポットセールス…前の番組と次の番組が始まる間や特定の番組と関係なく広告枠を販売する形態。広告主は広告放送の時間帯や期間、地域等を選択しつつ広告依頼することとなります。
[国内番組販売]
当社グループが自社での放送用または系列ネットワーク局への同時放送向けに制作した番組等を他の国内地上波放送、BS放送、CS放送、CATV向け等に販売しております。
[ライツ部門]
放送した、または放送される番組などのコンテンツにかかる周辺権利(インターネットによる動画配信、ビデオグラム化、出版化、ゲーム化、玩具その他の商品化等の権利等)を利用するビジネス部門です。この中でもインターネット配信のプラットフォーム向けにコンテンツを供給する「配信ビジネス事業」と、国内放送以外に海外向けのコンテンツ供給や商品化ビジネスを展開する「アニメ事業」をテレビ東京グループの成長エンジンと位置づけ、放送収入だけに頼らない収益構造の改革を進めます。
「配信ビジネス事業」では、2022年4月にTVerを使って放送と同時に配信する「リアルタイム配信」を、他のキー局と歩調を合わせて始めました。
また、映画への出資を通じて、興行権のみならず、テレビ放送権、ビデオグラム化の権利、その他商品化等の映画に関わる周辺権利を取得し、事業展開を行うことによって収益を上げる「映画出資事業」も行っております。
さらに、ゴルフ、スケート、eスポーツ等のスポーツ競技、オペラ、バレエ、ミュージカル等の舞台、クラシックコンサート、美術展等のイベントを主催、共催、後援又は協賛する「イベント事業」でも入場料収入等を得ております。
(2) 放送周辺事業
番組の制作をはじめ、放送事業を機能的に補完する役割を担う事業を行っております。
[番組制作]
地上波やBS放送での番組の企画・制作を㈱テレビ東京制作が行っているほか、㈱テレビ東京アートはスタジオの美術セット制作や照明技術を、また中継を含めた各種技術業務や編集スタジオの運営を㈱テクノマックスが担うなど番組制作を中心とした事業を展開しております。
[通信販売]
通信販売業務では㈱テレビ東京ダイレクトが当社グループの核となりテレビ通販を展開しているほか、パソコンやモバイル端末を利用したインターネット通販事業も運営しております。またテレビ東京ダイレクトの子会社である㈱リアルマックスが、ゴルフ関連商品のインターネット通販事業を展開しております。
[CS放送]
当社グループの強みでもあるアニメ分野においては、㈱エー・ティー・エックスが、CS有料チャンネルにアニメ番組を提供、また番組の企画・制作も行っております。
[音楽出版]
番組の主題歌やエンディング曲などの著作権管理は㈱テレビ東京ミュージックが担っており、また音楽番組やコンサート・イベント等の企画・制作、音楽原盤への出資などの音楽関連事業にも取り組んでおります。
このほか、番組販売については㈱テレビ東京メディアネットが㈱テレビ東京及び㈱BSテレビ東京と連携をとりながら、番組を販売しております。
(3) BS放送事業
㈱BSテレビ東京が主としてBSデジタル放送の放送事業を行っております。2018年12月には新たにBS4K放送も始まりました。
[BSデジタル放送]
教育、教養、娯楽及び報道の各ジャンルの調和を基本としてテレビ番組を企画編成し、健全なエンターテインメント番組や経済情報を中心にした客観的かつ公正な報道番組等を視聴者に提供する一方で、広告主に対して広告枠の販売を行っております。
[ライツ事業]
「放送番組の周辺権利を利用した事業」「映画出資事業」「イベント事業」等で構成されております。
(4)コミュニケーション事業
㈱テレビ東京コミュニケーションズがデジタル媒体の開発と運営を通じた動画配信関連事業、クロスメディア広告事業、EC事業、デジタル課金事業を展開しております。
この結果、当社グループの事業系統図は以下のとおりとなります。
事業系統図

(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。なお、その他の関係会社につきましては、主要な事業の内容を記載しております。
2 「議決権の所有又は被所有割合」欄の(内書)は間接所有です。
3 有価証券報告書の提出会社であります。
4 特定子会社であります。
5 ㈱テレビ東京及び㈱BSテレビ東京については売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、就業人員であります。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3 全社(共通)として記載している従業員は、特定のセグメントに区分できない管理部門のものであります。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、㈱テレビ東京、㈱BSテレビ東京及び㈱テレビ東京コミュニケーションズとの兼務者を含む就業人員であります。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4 全社(共通)として記載している従業員は、特定のセグメントに区分できない管理部門のものであります。
当社グループには、テレビ東京労働組合(組合員241名)とテクノマックス労働組合(組合員116名)が組織されており、いずれも日本民間放送労働組合連合会に所属しております(員数は2023年3月31日現在)。なお、労使関係につきましては特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合
テレビ東京グループの中核企業である㈱テレビ東京の2022年度末女性管理職比率は21.5%でした。2017年度末の11.2%から順調に比率を上げており、2025年度末には20%台半ばにすることを目指します。
(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
(5) 男性労働者の育児休業取得率
㈱テレビ東京の2022年度男性社員の育児休業取得率は41.2%で、前年度の20.0%から大幅に上がりました。また、平均育児休業取得日数は141日となり、取得者全員が1か月以上取得しました。
(注)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
(6) 労働者の男女の賃金格差
㈱テレビ東京で働く従業員の男女の賃金格差は、男性の平均賃金を100とした場合、女性の平均賃金は、2022年度で正社員80.5、パート・有期雇用社員56.6でした。全女性従業員でみると77.0でした。入社時の賃金に男女差はありませんが、管理職など高賃金の従業員で男性比率が高い(男:女=4:1)ことが全体の格差につながっています。現在の管理職は、入社時の人数に大きな男女差があり、女性の中途退職も多かった世代ですが、2018年度から2023年度入社の正社員は男女ほぼ同数となっています。今後、女性管理職比率も上昇させる方針で、格差も現在より縮小していくと考えています。有期雇用社員は、専門的知識を有する賃金の高い男性嘱託社員が一定数在籍するため、男女差が大きくなっています。アルバイトに限定すると男女の賃金差異は女性が105で、男性より高くなっています。
(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、㈱テレビ東京による地上波放送事業を中核として、BS放送(㈱BSテレビ東京)、CS放送(AT-X)、そしてインターネットによる配信事業を総合的に運用してコンテンツの制作とメディアビジネス展開の戦略機能を担う認定放送持株会社です。
番組やコンテンツの視聴方法は、テレビだけではなくパソコン、スマートフォンなど多くのデバイス(端末)へと急速に広がっています。こうした中、テレビ東京グループでは、放送・配信・アニメの3つの事業・コンテンツを柱にして、相乗効果を発揮させてコンテンツの価値を最大化する「トライブリッド」と名付けた戦略を中心に据えました。「トライ」には放送・配信・アニメの3つを意味する「TRI」に加え、挑戦する「TRY」の意味も込めました。激変期に勝ち残るためにも、「テレビ東京グループにしか作れない」ものを追求し、テレビ東京グループの存在感を一段と高めていきます。
2022年の日本の広告費(電通調べ)は4.4%増の7兆1,021億円と過去最高となりました。テレビ広告(地上波・衛星メディア関連の合計)は東京2020オリンピック・パラリンピックの反動減などにより、1兆8,019億円と前年より2.0%減少しました。一方、ネット広告は2019年にテレビ広告を抜き、2022年も前年比14.3%増の3兆912億円となりました。
当社は各ステークホルダー(視聴者、社会全般、株主、取引先、社員)への責任をバランスよく果たし、企業価値の向上を通じて満足の総和を高めていくことを基本方針としております。20年代後半にROE(自己資本利益率)8%の達成を目指すとともに、中長期的には配当性向35%を目途とすることにします。当社は資本コストを含む様々な経営指標を適切に認識しつつ、コーポレートガバナンス・コードを着実に実行してまいります。
地上波放送事業を中核として、BS放送、CS放送、配信事業を一体的に運用し、さらに、放送・配信・アニメを三本柱として、相乗効果を発揮させて、コンテンツの価値を最大化する「トライブリッド」戦略を実施していきます。様々なデバイスでコンテンツを提供し、下記の経営戦略を着実に実施することで、放送と配信との相乗効果によりコンテンツの価値を高めていきます。
① 配信事業の拡大
当社は「全コンテンツ・全配信」方針のもと、配信分野での収益を最大化するために、SVOD(定額制動画配信)とAVOD(広告付動画配信)の事業について、一体的に戦略を立案しています。配信のために必要な権利処理や収益管理などの実務を一括して効率化しているほか、放送からのデータ、AVOD、SVODなど配信からのデータをできる限り活用して、番組・コンテンツ制作に生かし、放送と配信双方の営業強化につなげています。
配信ビジネスでは、弊社が㈱TBSホールディングスや㈱日本経済新聞社、㈱WOWOWなどと手掛ける動画配信サービス「Paravi(パラビ)」と動画配信大手「U-NEXT(ユーネクスト)」の合併により、国内勢首位の有料動画配信サービスが誕生しました。また「U-NEXT」を運営する㈱U-NEXTと包括的な戦略的業務提携を結び、マーケティングからクリエイティブまで幅広い分野で協力を進めることで、売上・利益の最大化を目指します。
さらに東南アジアで、映像配信事業を手掛けるPOPS Worldwide(以下、POPS社)に300万米ドルを出資し、資本業務提携しました。経済成長が著しい東南アジア市場において、東南アジア各国のそれぞれ異なる状況に合わせた現地語吹き替え版による映像展開の拡大を目指します。
引き続きTVerなどのAVOD事業も拡大します。
② アニメビジネス販路拡大と多角化
アニメ事業はテレビ東京グループの強みであり、「配信」と並ぶ「成長エンジン」と位置づけています。グローバルなコンテンツとして主に海外で大きな収益をあげてきました。今後は欧米市場を重点的に開拓し中国市場を超える収益の柱となることを目指します。欧米市場へのアニメ作品の販売強化のほか、高級ブランドとの提携やライセンス先拡大によるアニメの商品化ビジネスも伸ばします。有力ゲーム会社向けのゲーム供給にも力を入れていきます。一方、中国以外のアジア、中東地域でもアニメ作品の吹き替え版を製作してセールスを強化します。さらに、ゲーム製作にも参画して事業領域を広げていきます。
③ データに基づくコンテンツ戦略の強化
広告主やユーザーのニーズを汲み取り、その戦略に沿った新指標を作成し、社内外に効果的に発信することを目指します。同時にAVOD市場や放送事業への利活用に加え、ECやイベント等の個社事業に活用できるデータ基盤を構築し、全体(ポートフォリオ)最適化に向けデータに基づくコンテンツ戦略策定を実現します。ECについては、グループのテレビ東京ダイレクトがゴルフ用品ECサイト「アトミックゴルフ」を運営する㈱リアルマックスを子会社化し、事業拡大の体制を整えました。
④ 放送事業の収益力強化について
放送広告収入はテレビ東京グループの最大の収益の柱です。放送を取り巻く環境は厳しくなると予想されますが、2023年4月に立ち上げた「制作力強化プロジェクト」や、「トライブリッド」戦略による配信やアニメとの相乗効果により収益の確保を目指します。さらに、収益バランス重視の編成方針と新番組の開発、グループ会社も含めた組織再編による新規スポンサーの獲得、営業力強化により、地上波、BSともに放送収入を伸ばしていきます。
⑤ 成長のための投資戦略
テレビ東京グループが新たな分野の収益を強固なものとしていくため、成長への投資として200億円の「成長投資枠」を設定しました。向こう3年間を目途にアニメ・配信をはじめ、「WEB3」など新技術を活用したビジネスや通販・ECなどの事業領域への資金投入により企業価値の向上につなげます。アニメや通信販売、コンテンツ制作をはじめ、グループの成長力強化に資するような企業との資本提携やM&Aも検討していきます。また、デジタル投資も不可欠と考えており、基幹システムの刷新などDXを積極的に進めます。
2022年度からは、テレビ東京グループの基幹システムの全面刷新に本格的に着手しています。約30年ぶりの基幹システムの変更であり、新システムへの移行に伴う人員再配置と業務改革により、投資効果は2027年度以降、60億円を超えると見込んでいます。新システムへの移行により、編成、営業、コンテンツ制作を支援する新たなソフトの導入や開発も柔軟で迅速な対応が可能になり、配信の収支、配信を含むコンテンツ別の総合収支など経営指標を機動的に算出できることになります。
さらに、テック戦略局に設置している「テックラボ」を中心に、新時代のコンテンツ制作を技術面からけん引する体制を整えます。AI、メタバースなどのXR(クロスリアリティ=新技術を活用した映像やイベント)、コンピュータグラフィックスを生かしてコンテンツDXを推進していきます。
(5) 会社が対処すべき課題
① コーポレート・ガバナンス強化
コーポレートガバナンス(企業統治)の強化は社会の要請であり、テレビ東京グループにとっても重要な課題です。
当社は取締役の3分の1を独立社外取締役にしており、取締役会の諮問機関として独立社外取締役と代表取締役社長により構成する「人事諮問委員会」「報酬諮問委員会」を設置しております。両委員会とも独立社外取締役が委員の過半数を占め、独立社外取締役を委員長に選任しています。委員会はテレビ東京ホールディングスの取締役の人事案や報酬の方針などについて議論し、取締役会に答申しています。
また、代表取締役社長の助言機関として、社外取締役と代表取締役が出席する「経営懇談会」を設けております。「人事諮問委員会」「報酬諮問委員会」「経営懇談会」があわせて機能することでコーポレート・ガバナンスを強化し、経営の透明度を高めてまいります。
② 気候変動リスクへの対応
気候変動の影響は年々深刻さを増しており、経済・社会・環境に大きな影響を及ぼしています。国際社会は低炭素・脱炭素社会の構築に向けた動きを加速しており、企業が果たすべき役割はますます重くなっています。
当社グループは、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置して、地球環境問題をはじめ、人権の尊重、従業員の健康、労働環境への配慮や公正・適切な処遇を実現するための啓蒙活動などサステナビリティを巡るあらゆる課題に対してグループ全体で取り組んでいます。2024年度末までに、消費電力の削減と再生可能エネルギー等の導入を組み合わせてグループ全体のCO2排出量の実質ゼロ達成を目指しています。
「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」へ賛同し、TCFDが提言するフレームワークを活用して定期的に情報開示をしています。複数の将来シナリオを用いて気候変動が事業に与えるリスクと機会を評価し、気温上昇に伴う事業活動への恒常的な悪化と、緊急的かつ頻発の恐れのある自然災害の影響を分析してBCP(事業継続計画)体制をグループ全体で構築しています。
世界的な課題となっている気候変動リスクへの対応はメディアグループとしても、企業としても重要な課題の1つと認識しています。当社グループではSDGs(持続可能な開発目標)に本格的に取り組むため、国連が報道機関に協力を呼び掛ける「SDGメディア・コンパクト」に署名・加盟しております。報道機関だからこそ出来る取り組みとして、放送や配信、イベントなどを通じてサステナビリティを巡る課題などについて伝えています。
③ アフターコロナと効率的な働き方の追求
新型コロナウイルス感染拡大時に積極的に活用した在宅勤務制度をアフターコロナの働き方「新リモート50」でも継続活用し、出社率50%を目標とします。在宅勤務は育児や介護の時間、またリスキリングなど自己啓発に充てる社員の時間を増加させる効果が期待されています。働き方に柔軟性を持たせることでワークライフバランスを尊重し、かつ生産性向上に資する職場環境を整えていきます。
④ 人材の多様化への対応
㈱テレビ東京の女性社員比率は2022年度末時点で27.7%ですが、最近の新卒採用における男女比はおおむね同数となっており、今後も女性社員の採用に積極的に取り組んでまいります。女性管理職の比率は2022年度末時点で21.5%となっており、2017年度末の11.2%から2025年度末には20%台半ばにすることを目指します。
外国籍をもつ社員は2023年4月現在で9名ですが、今後も事業展開に合わせて採用増に取り組みます。さらにコンテンツ制作力を一層強化するため、マーケティング、デジタルなど新規領域の即戦力となる社員を中途採用して外部の知見と経験を取り込み、組織の活性化を促すとともに高齢化を含めた年齢構成のゆがみも是正していきます。
⑤ 人権尊重への対応
国内外でのサービス調達・提供をめぐって人権に対する意識を高めるよう社会的要請があり、テレビ東京グループとしても要請に沿うよう努力を続けていきます。
⑥ 激動する国際情勢への対応
金利上昇や原材料高による世界景気の減速懸念は強まっています。ロシアによるウクライナ侵攻は長期化し、世界経済に暗い影を落としています。米中間の緊張が高まり、中国や台湾のビジネス環境の変化を注視する必要もあります。テレビ東京グループは基本的人権を尊重しつつ、公平・公正な報道姿勢を貫くことにより、自由で豊かな社会の実現を目指します。
⑦ 景気の下振れリスク
新型コロナウイルスの蔓延やロシアによるウクライナへの侵攻などにより、世界では景気の減速やインフレ長期化、サプライチェーン(供給網)混乱への懸念が強まっています。国内では、物価高による消費マインドの低迷、資源高による企業業績への圧迫などにより、景気の下振れリスクが指摘されています。経済の不透明感が増すなかでも、テレビ東京グループは着実な利益の計上に努めます。
当社グループの事業その他に関するリスクとして、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針です。なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅したものではありませんのでご留意ください。
(1) テレビ放送事業に関するリスクについて
① テレビ広告収入について
当社グループの地上波放送事業およびBS放送事業における広告収入は、総売上高の約6割を占めています。
広告市況は、2021年に2020年の反動で前年より増加したものの、2022年は国内における少子高齢化に伴う低成長という要因に加えて、メディアの多様化やインターネット広告の拡大等により、漸減傾向となっています。
当社グループは、こうした広告市場の動向を注視しながら、マーケティング機能の強化に加えて広告主ニーズへの対応や新たな営業手法の開発等により、テレビ放送による広告収入の向上を目指してまいりますが、今後の日本経済のマクロ動向や広告市況の動向によりテレビ広告収入が大幅に縮小した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
② 視聴環境の変化について
通信環境の進化、スマートフォンやタブレットそしてコネクテッドテレビの普及により、定額制及び無料広告付き動画配信サービスが身近なものとなり、視聴スタイルの多様化が進むとともに、放送番組のインターネット視聴やタイムシフト視聴も加速しています。ユーザーの可処分時間の奪い合いが激化する中で、放送事業においては、リアルタイム視聴率の獲得は引き続き重要な課題です。
当社グループは、テレビ放送を軸とし、視聴者に受け入れられ、当社グループのブランドイメージ向上につながるコンテンツの創出に努めてまいりますが、今後の視聴動向に想定外の変化が生じた場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) テレビ放送事業以外に関するリスクについて
① アニメビジネスにおける海外展開について
当社グループはアニメビジネスを重要な収益の柱と位置付けており、海外への配信・商品化等でのライセンス展開も積極的に行っています。中国では2017年にアニメグッズの企画およびライセンス事業を行う現地法人「杭州都愛漫貿易有限公司」を設立したことに加え、2020年には現地資本とコンテンツを共同制作する現地法人「杭州都之漫文化創意有限公司」を設立しました。さらに2022年、東南アジアで映像配信事業を手掛けるPOPS社と資本業務提携しました。
海外展開に当たっては、現地取引先との連絡を密にし、コンテンツ産業政策に関する現地の最新情報を収集して、可能な限り万全な契約締結等によるリスクの最小化をすすめるとともに、ビジネス展開をはかる地域が偏らないように努めてまいりますが、ウクライナ情勢の先行きが不透明なことに加え、進出先の法制度やコンテンツ産業政策の変更等によるリスクがあり、計画通りにコンテンツの制作や販売等ができない場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
② インターネット動画配信事業について
多くの家庭で高速通信回線の普及が進み、ケーブルテレビ、インターネットを通じた映像視聴環境が整ってきたほか、スマートフォン、タブレットといった携帯型高機能端末の普及に伴い、通信を利用した映像コンテンツへの接触頻度はますます拡大しています。
当社グループは広告付き動画配信として、2015年から「ネットもテレ東」を開始し、同年10月には民放公式のテレビポータルサービス「TVer」によるサービスにも着手しております。他の放送事業者等との共同事業として、2018年4月にサービスを開始した「Paravi(パラビ)」については、動画配信大手「U-NEXT(ユーネクスト)」との合併により、国内勢首位の有料動画配信サービスに発展しました。また、2021年4月に「テレビ東京ビジネスオンデマンド」及びニュースサイト「テレ東NEWS」を統合し、経済動画配信サービス「テレ東BIZ」をスタートさせました。そして2022年4月からは在京他局と並んで「テレ東系リアルタイム配信」を開始し、日本全国でプライムタイムのほとんどの番組をインターネットで視聴できるようになりました。
当社グループは今後も、映像メディアの多様化に対応したコンテンツの開発やビジネスモデルの構築に取り組んでまいりますが、これら事業は成長分野であると同時に競争環境も厳しく、事業が想定通りに進捗しない場合や動画配信事業の市場環境が大きく変動する場合には投下資本の回収が困難になり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
③ イベント事業について
当社グループは、展覧会、スポーツ・演劇・音楽のライブのほか、オンラインとリアルを組み合わせたイベント事業などに積極的に取り組んでいます。これらイベント事業については、過去の実績や他社事例を踏まえた慎重な収支計画のもと出資判断を行っていますが、不測の事態によりイベント自体が開催できなくなる場合や大幅な計画変更を余儀なくされる場合、イベントのチケット収入や関連グッズの販売収入等が、当初計画した収益を確保できないような場合には、当社グループの経営成績および財政状況に影響を与える可能性があります。
また、イベントの実施にあたっては、準備段階から事故等のないよう細心の注意を払うとともにイベント保険を付保するなどの危機管理を行っていますが、万が一、事故等が発生した場合には損害賠償責任を負う場合があり、また、社会的な信用の低下を招く可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 通信販売事業について
当社グループは、放送およびインターネットを通じ様々な通信販売事業に積極的に取り組んでおります。販売する商品の選定および品質管理については細心の注意を払っており、商品に関する表示についても適正な表示に努めております。
しかしながら、当社グループが販売した商品に何らかの不具合や欠陥があった場合、返品や商品の交換、損害賠償等の責任を負う可能性があります。また、販売において不適切な表示があった場合には法令上の処分を受ける可能性があります。このような場合には、当社グループの社会的信用が低下するとともに、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 著作権等の知的財産権について
当社グループが制作するテレビ番組等の映像コンテンツは、原作者、脚本家、音楽の作詞家・作曲家、実演家、レコード製作者など(以下「著作権者等」といいます)多くの人々の知的創造の結果としてそれらの人々に生じた著作権や著作隣接権などが組み合わされた創造物になります。
当社グループは、こうした映像コンテンツを、地上波やBS、CSでの放送だけでなく、インターネットによる配信、DVDやBlu-ray Discでのパッケージ化、コンテンツから派生するキャラクターの商品化、出版化、またはイベント事業の実施などにより、国内および海外において多岐に展開しています。
しかしながら、これにはテレビ番組の制作とは別途に多くの著作権者等の許諾を得ることが必要な場合があり、その権利処理のために多くの時間と費用が必要となる可能性があります。また、結果として権利者等の理解を得られず、円滑に映像コンテンツの利用ができない場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) 設備・保有財産に関するリスクについて
① 設備について
当社グループは、放送事業の基幹システムの更新、コンテンツ制作力向上のための放送設備の更新に加え、動画配信事業に伴う新たなシステム開発を行うなど、メディアの多様化に対応するための設備投資や投融資を計画的に実施してまいります。
これらのシステムの導入にあたっては初期費用、運用費用、改修費用等を慎重に精査し、事業における優先順位を勘案して「グループ設備投資委員会」による審議を踏まえて最終的に取締役会の決議により設備投資判断を行います。しかしながら、技術革新などにより投資したシステムが陳腐化することにより追加的な投資が必要となる場合や、投資計画に見合うだけの十分な利益が確保できない場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
また、近年サイバー攻撃の手口が高度化・巧妙化しており、各種システムのセキュリティリスクは高まっています。当社グループではサイバーセキュリティ推進会議を設置して様々な対策を講じておりますが、これを超える新たな脅威が発覚し、対策のための費用が高額になった場合、あるいは個人情報、機密情報の漏洩リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を与える可能性があります。
② 投資有価証券の時価評価について
当社グループは、取引先との関係促進を主な目的として、投資有価証券を保有しております。
新規の投資案件はリスクとリターンを勘案し投資判断を行うとともに、既に保有している投資有価証券についても、投資先との取引や協業の状況および企業業績を精査し、継続保有の是非を定期的に判断することとし、「出資委員会」においてこれらを審議のうえ、最終的に取締役会で決議しています。
しかしながら、これらの投資先の業績や市場評価を正確に予測することは困難であり、投資有価証券の時価評価額の増減に大きな変動があった場合には減損処理等の措置が必要となる可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 資本提携・M&Aについて
当社グループは、将来の成長力強化に資するような企業との資本・業務提携やM&Aを積極的に進めてまいります。新規の資本出資やM&Aに関しては、当社グループの事業との親和性、シナジー効果等を十分に考慮し、投資リスクと効果を慎重に見極めたうえで「出資委員会」による審議を踏まえて最終的に取締役会の決議により投資判断を行います。
M&Aを行うに当たっては、対象企業の財務状況や事業の成長性についてデューデリジェンスを行い、十分なリスク対策を行うよう努めていますが、対象企業における偶発債務の発生や未認識債務の判明など事前の調査では把握できない問題が生じる可能性もあります。また、事業環境の変化その他の理由により、対象者の事業展開が計画通りに進捗しない場合には、減損リスクが発生するなど、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(4) 災害および感染症等に関するリスクについて
① 災害に関するリスクについて
当社グループは、災害発生時において報道メディアに求められる役割を踏まえ、携わる社員・スタッフの安全を確保しつつ放送の継続が重要であると考えています。また、放送事業者は放送法により、災害が発生した場合またはそのおそれがある場合に、その予防または被害軽減のための放送を義務付けられており、大規模な災害が発生した場合は、予定されていた番組の放送を取り止め、緊急に報道特別番組を放送することがあります。
このような場合、CM放送やテレビ通販番組の休止に伴い、放送事業や通信販売事業の収入が減少する場合があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
② 感染症のリスクについて
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大は、当社グループの事業活動に大きな影響を及ぼしました。2022年度は、社会生活と感染対策のバランスを取るとの社会情勢に沿って、事前PCR検査や三密(密集、密接、密閉)回避の感染対策を実行しながら、番組のロケ撮影、スタジオ収録、スポーツイベント、映画やイベントを実施しましたが、収録やイベントは一定程度の規模に縮小せざるを得ない状況となりました。
当社グループでは、社員・スタッフやその家族及び出演者等関係者の感染防止を最優先とし、感染防止対策として「グループ大規模感染症対策ガイドライン」のほか、最低人数での業務遂行を想定した部署別のBCP(事業継続計画)対策を策定し、感染拡大に備えた体制を整備、実施してきました。全グループ社員を対象に毎日健康状態を確認することや、社長を含めた各局室長およびグループ会社役員が出席する「コロナ対策会議」を通じて全社的な感染状況や感染対策を共有し、大規模感染を発生させることなく第8波までを乗り切ることができました。番組制作部門においては感染状況に応じた独自の感染防止ガイドラインを作成し、必要に応じて事前PCR検査でスタッフの陰性を確認した上でロケ撮影や収録に臨むなど現在も日々感染防止に努めております。
新型コロナウイルス感染症については5月から感染症法上5類に移行しましたが、引き続き一定の警戒が必要です。万が一感染者数が再拡大した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
(5) 法的規制等に関するリスクについて
① コンプライアンスについて
コンプライアンスの観点から当社グループが対処すべき分野は、当社グループの役職員および派遣社員・スタッフによる放送事故や不祥事、不適切な内容の放送、コンテンツの制作過程における他者の権利侵害を含むトラブルや事故、また、個人情報に関する事故や下請代金支払遅延等防止法への抵触、さらにインサイダー取引の禁止など、多岐に及んでいます。
当社グループでは、「テレビ東京グループ行動規範」をはじめとし「個人情報保護基本規程」「下請法対応マニュアル」「インサイダー取引防止に関する規程」等のルールを定め、定期的な研修等でその周知・徹底を行っています。また、当社の「リスク管理・コンプライアンス委員会」において当社グループ内のさまざまなコンプライアンスリスク低減のための検討をしています。
当社グループは、このように不祥事やトラブル、法令違反等への対策を講じていますが、万が一、コンプライアンスに抵触する事態が生じた場合には、当社グループの社会的信用が低下し、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
② テレビ放送事業に関する法的規制について
当社グループの主たる事業であるテレビ放送事業は、放送法、電波法等の法令に規制されています。
このうち放送法は、放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議機関の設置などを定めています。また電波法は、無線局に対する免許制度をはじめ、電波を利用するための基本が定められています。
当連結会計年度末において、免許の取消し等の処分を受けることを予測すべき事実はありません。しかしながら、仮に法令で定める免許要件に適合しなくなった場合には、再免許が取り消される可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 認定放送持株会社に対する法的規制について
認定放送持株会社は、放送法による認定を受けることにより、複数の地上放送局とBS・CS放送局を子会社として保有することが認められており、当社は、㈱テレビ東京、㈱BSテレビ東京を子会社とする認定放送持株会社として認定を受けています。
これにより、当社は、グループとしての経営の効率化や財務基盤の強化を進めてまいりますが、今後、当社が放送法で定める認定放送持株会社の基準を満たさなくなった場合には、認定を取り消される可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 外国人が取得した株式の取扱いについて
放送法により、外国人等が直接間接に占める議決権の合計が、当社の議決権の5分の1以上を占めることとなる場合は、認定放送持株会社としての認定が取り消されることになります。このため放送法では、このような状態に至る場合、当社は、外国人等が取得した当社株式について、株主名簿に記載・記録することを拒むことができ、その議決権は制限されることとされています。
なお、外国人等の有する議決権の割合が100分の15に達した場合は、放送法に基づきその割合を公告しますが、当連結会計年度末において、当社は公告をすべき状況にはありません。
⑤ 個人情報の取り扱いについて
当社グループは、番組出演者、番組観覧者、視聴者の他、インターネット事業の会員や通信販売事業の顧客、イベント参加者などに関する個人情報を保有しています。これらの個人情報の取扱いについては、社内ルールに基づいた安全管理を徹底し、十分な注意を払っています。
しかしながら、昨今のサイバー攻撃の手口は高度化・巧妙化しており、不正アクセスや不正利用などにより情報の外部流出が発生した場合には、社会的信用が低下し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度(2022年4月~2023年3月)における日本経済は、コロナ禍からの経済回復が徐々に進み、個人消費に持ち直しの動きが見られました。しかし、物価上昇や人手不足の懸念など、経済の先行きに対する不安要素は残っています。
こうした状況のなかで、当社グループの売上高は前年同期比2.0%増の150,963百万円、営業費用は、配信コストや人件費の増加などにより1.6%増の141,733百万円となりました。売上高の伸びが大きかったことが寄与し、営業利益は7.5%増の9,229百万円、経常利益も2.4%増の9,378百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は11.6%増の6,724百万円となりました。売上高と営業利益をはじめとする全ての利益は過去最高を記録しました。
(単位:百万円)
(資産)
流動資産は85,704百万円、前連結会計年度末に比べて5,479百万円増加しております。現金及び預金、未収還付法人税等がそれぞれ3,649百万円、1,817百万円増加したことが主な要因です。
固定資産は54,229百万円、前連結会計年度末に比べて376百万円増加しております。無形固定資産、投資その他の資産の投資有価証券がそれぞれ1,868百万円、229百万円増加した一方で、有形固定資産が1,607百万円減少したことによるものです。
(負債)
流動負債は41,841百万円、前連結会計年度末に比べて2,005百万円増加しております。支払手形及び買掛金,未払費用がそれぞれ1,055百万円、3,039百万円増加した一方、その他が1,787百万円減少したことによるものです。
固定負債は4,740百万円、前連結会計年度末に比べて336百万円増加しております。長期借入金、リース債務がそれぞれ655百万円、504百万円増加した一方で、長期未払金、繰延税金負債がそれぞれ602百万円、177百万円減少したことが主な要因です。
(純資産)
純資産は93,351百万円、前連結会計年度末に比べて3,514百万円増加しております。利益剰余金が5,062百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が608百万円減少したことが主な要因です。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 ③連結株主資本等変動計算書」をご参照ください。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、290百万円減少となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は37,787百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は11,135百万円、前年同期比17.5%減少となりました。
これは主に、売上債権の増減額が6,738百万円の収入増加となったものの、棚卸資産の増減額、契約負債の増減額がそれぞれ3,100百万円、2,644百万円の支出増加、法人税等の支払額が2,510百万円の増加となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は8,334百万円、前年同期比517.5%増加となりました。
これは主に、定期預金の預入による支出、無形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出がそれぞれ1,953百万円、1,381百万円、1,057百万円の増加、定期預金の払戻による収入が2,480百万円の減少となったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3,139百万円、前年同期比34.5%減少となりました。
これは主に、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が2,603百万円の減少となったこと等によるものです。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注1)自己資本比率 : 自己資本 ÷ 総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額 ÷ 総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債 ÷ キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー ÷ 利払い
(注2)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注3)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出して
おります。
(注4)キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フ
ローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち
利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結
キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(a) 生産実績及び受注実績
当社グループの取引形態は一般的な製造業等における「生産」や「受注」といった概念が存在しないため記載しておりません。
(b) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等
当社グループは、放送を軸に配信とアニメの3事業の相乗効果を発揮させてコンテンツの価値を最大化する「トライブリッド」を戦略の中心に据え、「全コンテンツ・全配信」を実施しています。当連結会計年度においては、テレビ広告市場の低迷が影響し、放送事業から得られる収益は前年度に僅かに及ばなかったものの、海外向けの番組販売や動画配信を積極的に行うことで、コンテンツの2次利用から得られるライツ事業の収益を大きく伸ばすことが出来ました。
その結果、売上高は前年同期比2.0%増の150,963百万円、営業費用は、配信コストや人件費の増加などにより1.6%増の141,733百万円となりました。売上高の伸びが大きかったことが寄与し、営業利益は7.5%増の9,229百万円、経常利益も2.4%増の9,378百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は11.6%増の6,724百万円となりました。売上高と営業利益をはじめとする全ての利益は過去最高を記録しました。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。
(地上波放送事業)
(単位:百万円)
地上波放送事業は㈱テレビ東京単体の事業となっております。
①放送事業(地上波放送、番組販売)
放送事業収入(売上高)の合計は4.8%減の79,257百万円となりました。
このうち、番組提供のスポンサーから得られるタイム収入のうち、系列局を通じた全国放送(ネット部門)は、コロナ禍に出稿が集中していた飲料各社のPTセールスと呼ばれる単発型広告が減少したことなどにより減収となりましたが、首都圏放送(ローカル部門)でミニ番組のセールスが好調に推移するなどベースアップに成功しました。これによりネットとローカルを合わせたレギュラー部門全体では、前年を上回る結果となりました。また、特別番組(特番)部門は、「世界卓球」や「テレ東音楽祭」などの看板特番に加え、年末年始のセールスが歴代最高売上を記録するなど好調に推移したものの、前年度に開催された「東京オリンピック」「北京オリンピック」の影響が大きく、減収となりました。この結果、タイム収入全体では6.9%減の44,050百万円となりました。
スポット収入は、円安や原材料高騰などの影響を受け『自動車・関連品』『食品』『化粧品・トイレタリー』などの広告主からの出稿が不調でした。さらに、個人視聴率の低下傾向が重しとなり、東京地区のテレビ広告市場は前年同期比4.3%減と全体的に厳しい状況でした。プラス要因としては、好調なヒューマンリソース系やスタートアップ企業への営業活動による出稿増加や、コロナによる行動制限もなくなったことから『交通・レジャー』に動きがみられたことなどがありました。この結果、スポット収入は2.2%減の28,934百万円となりました。
地方放送局などへの番組販売では、コンテンツの再評価と積極的なプロモーションが奏功し、当社のレギュラー番組売上のベースアップに成功しました。また、前年同期に「東京オリンピック」を編成した地方放送局が今期は通常編成に戻したことで高まった当社番組へのニーズを的確にとらえることが出来ました。番組別では「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」「タクシー運転手さん 一番うまい店に連れてって!」などが売上を伸ばし、特番セールスも好調に推移しました。この結果、番組販売収入は2.6%増の4,397百万円となりました。
コストの面では、番組制作費を中心に費用が減少しました。前年度に開催された「東京オリンピック」「北京オリンピック」制作費の反動減が主な要因です。この結果、放送事業の費用は5.5%減の63,525百万円となりました。
放送事業全体では、コロナの鎮静化によって事業活動が正常化しつつある中、コンテンツ制作への投資を先行して実施したことで、売上高の減少ほど費用を抑えることができませんでした。この結果、放送事業の利益は1.9%減の15,731百万円となりました。
②ライツ事業(アニメ、配信ビジネス、イベントなど)
㈱テレビ東京が持つコンテンツを活用し、放送による広告以外に収入を上げている事業を「ライツ事業」と呼んでいます。海外向けの番組販売、ゲーム化による権利、インターネットを通じた課金型配信プラットフォーム、広告付き動画配信プラットフォーム向けのコンテンツ供給、イベントなどから得られる収入を指しています。
当連結会計年度のライツ事業収入(売上高)の合計は23.4%増の34,209百万円となりました。
この主軸であるアニメ部門は、BLEACHの新シリーズが、中国や欧米での配信が好調となったほか、全世界でのゲーム化権や欧米での商品化により売上を伸ばしました。また、北米におけるNARUTOの商品化権許諾、中国企業に対する配信など海外展開が好調に推移したことに加え、遊戯王シリーズのSNSゲームが国内、海外とも好調となりました。今年度より放送を開始したSPY×FAMILYも、国内、海外ともに商品化や配信において売上を伸ばしました。この結果、アニメ部門全体の収入は23.0%増の22,196百万円になりました。
ドラマやドキュメンタリーなどの放送番組や放送以外の独自コンテンツを課金プラットフォームなどに販売する配信ビジネス部門は、国内配信権販売において、「みなと商事コインランドリー」などの新作ドラマや「孤独のグルメ」シリーズなどのアーカイブドラマが好調でした。さらにテレ東BIZの会員数も順調に伸びて売上に貢献しました。映画は、国内で「劇場版 きのう何食べた?」や「おそ松さん」、海外で「チェリまほ THE MOVIE」が好調だったことにより増収となりました。この結果、配信ビジネス収入は22.1%増の10,421百万円となりました。
イベント部門については、有観客イベントに制限がある中で、放送と配信との融合を積極的に図り、放送15周年を記念した「モヤさまドイヒー展」や「あちこちオードリーオンラインイベント」などに加え、新規イベントとして「Mr.都市伝説・関暁夫ライブin 武道館」や「テレ東卓球塾」を開催し、オンラインとオフラインの両面から売上を獲得しました。この結果、イベント収入は39.4%増の1,591百万円となりました。
コストの面では、配信オリジナル費やアニメ制作費を中心に増加しました。配信オリジナル番組の積極的な制作やアニメ作品数の増加が主な要因です。この結果、19.9%増の20,406百万円となりました。
以上の結果、ライツ事業の利益は29.0%増の13,802百万円となりました。
③その他費用(共通・間接費)
放送事業、ライツ事業に共通する人件費や販管費などの共通・間接費は、全社を挙げて「全コンテンツ・全配信」を推し進めたことや、事業活動がコロナ禍以前にもどりつつあることなどから、9.8%増の21,983百万円となりました。
以上の結果、放送事業とライツ事業を併せた地上波放送事業(㈱テレビ東京単体)の決算は、売上高で2.3%増の113,466百万円となりました。また、両事業の利益合計から共通・間接費を差し引いた営業利益は12.4%増の7,551百万円、経常利益は26.1%増の10,673百万円、税引前当期純利益は29.0%増の10,881百万円となっております。

※前期まで「共通・間接費」に含まれていた費用の一部を、当期より実態に合わせて事業別の費用に振り分けて計上しており、前年同期についても組み替えております。
(放送周辺事業)
(単位:百万円)
放送周辺事業は㈱テレビ東京ホールディングス及び㈱テレビ東京の子会社のうち、テレビ通販やEC事業、音楽出版、CS有料放送チャンネル、番組制作・販売や放送運営などを手掛ける会社で構成されております。
通信販売関連は、主力の「テレビ東京ショッピング」、「虎ノ門市場」で減収となりました。行動制限解除に伴うコロナ特需の反動減が顕著になりました。また、天候不順の影響もあり季節商品の売上も不調でした。これにより㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は前年同期比7.4%減の11,117百万円となりました。
音楽出版関連は、「新世紀エヴァンゲリオン」「牙狼〈GARO〉」「SPY×FAMILY」のテーマ曲などの国内印税収入が売上に貢献するとともに、ヨーロッパ地域、北米地域での「NARUTO」「FAIRY TAIL」「ワンパンマン」等のアニメ関連のBGMや一般楽曲等の海外印税収入が好調に推移しました。これにより㈱テレビ東京ミュージックの売上高は前年同期比14.8%増の3,796百万円となりました。
CS放送アニメ専門チャンネル「AT-X」を手掛ける㈱エー・ティー・エックスでは、前年好調だったライツ売上は、引き続き「東京リベンジャーズ」「Re:ゼロから始める異世界生活」「オーバーロード」などが好調に推移しました。放送売上に関しては「AT-X」の加入者数は減少傾向は緩やかでありますが依然として前年と比較すると減少しているため、減収となりました。これにより同社の売上高は前年同期比3.7%減の3,452百万円となりました。
番組制作関連は、新規の番組制作の受注、配信の拡大や新規イベントの受注、スタジオの効率的な運用により増収となりました。
以上の結果、放送周辺事業全体の売上高は5.2%増の38,542百万円、営業利益は24.7%減の2,394百万円となりました。
(BS放送事業)
(単位:百万円)
BS放送事業は㈱BSテレビ東京が手掛ける事業を指しております。
①放送事業(BS放送)
放送収入のうちタイム収入は、単発通販のセールスが年間を通じて好調となり、年末年始や世界卓球、「猫の日」などの特番セールスでも売上を伸ばしましたが、好調だった前年同期を超えることは出来ませんでした。スポット収入に関しても、下期は通販スポンサーだけではなく一般スポンサーのセールスが好調となるなど、良い兆候も見られましたが、上期までの減収をカバーすることは出来ませんでした。以上の結果、放送収入は前年同期を下回りました。
②ライツ事業(配信ビジネス、イベント他)
ライツ事業では、ドラマ等オリジナル番組の配信プラットフォームなどへの番組販売や映画事業が堅調でした。
③営業費用
営業費用は、放送収入の減少に伴う代理店手数料の減少や番組制作費の削減により、前年同期比2.6%減の14,550百万円となりました。
以上の結果、BS放送事業(㈱BSテレビ東京)の売上高は1.8%減の16,864百万円となりました。また、営業利益は3.7%増の2,313百万円と過去最高額となりました。
(コミュニケーション事業)
(単位:百万円)
コミュニケーション事業とは、㈱テレビ東京コミュニケーションズが手掛ける事業を指しております。
YouTubeなどの動画広告収入が好調に推移したことに加え、経済コンテンツの配分収入の増加、動画配信運用におけるリアルタイム配信対応によりシステム開発の受託収入が増加したことなどにより、売上高は前年同期を上回りました。
利益率の高い動画広告事業や、LINE等でコンテンツ販売を行うIP事業を積極的に推進したことで、全体として利益率も上昇し増益となりました。
以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は3.2%増の5,181百万円、営業利益は20.3%増の472百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
資本の財源
当社グループの自己資本比率は66.6%であり、安定した財務体質となっております。借入金など有利子負債は総資産に対し4.7%と低い比率になっております。今後も企業価値向上のための成長投資を継続的に行うために財務体質の健全化に努めてまいります。
資金の源泉と配分
当社グループの短期的な資金調達の源泉は、主に営業活動によるキャッシュフローです。設備投資など事業への資源配分や株主還元は、営業活動によるキャッシュ・フローや営業利益との適正なバランスを考慮しつつ判断しております。多額の設備投資・出資については、効果の及ぶ期間を見積もり、当該期間の利益計画などとの検討の上、設備投資委員会・出資委員会で決定しております。
設備投資に関しては、基幹システム刷新や全配信時代のための戦略的投資と事業を維持するためのインフラ投資を中心にDX関連設備、番組制作関連設備、配信・データ関連設備への投資を積極的に実施してまいりました。
戦略的な出資についても、動画配信を手掛ける㈱USEN―NEXT HOLDINGS、東南アジアで映像配信を手掛けるPOPS Worldwide、シンガポールを拠点に、NFTを用いたゲームプラットフォームを運営するDigital Entertainment Asset Pte.Ltdなど当社の最大の経営資源である番組・コンテンツの有効活用を図るべく行ってきました。今後も採算性を吟味し、財務規律を守ったうえで成長のための投資を積極的に推進してまいります。
資金需要の主な内容と資金の流動性
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、放送・配信等のための番組コンテンツ制作費、コンテンツ購入費用、放送・配信のための業務委託費用、広告代理店手数料、賃借料、人件費などがあります。売上債権と棚卸資産から営業前受金と仕入債務を引いた運転資金は、今年度末で95億円です。
また、投資活動に係る資金支出は、番組コンテンツ制作のための設備、放送・配信のための設備、放送やマーケティングのためのIT投資などがあります。
当社グループの現金及び現金同等物の残高は、前年度末に比べ2億9千万円減の377億円となりました。売上高の3.0か月分の手元流動性となっており、短期的な資金の安全性は十分であると認識しております。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
重要な会計方針及び見積りに関しましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 重要な会計上の見積り」に記載しております。
当社は、2010年10月1日付で、㈱テレビ東京、㈱BSジャパン(現㈱BSテレビ東京)及びテレビ東京ブロードバンド㈱(現㈱テレビ東京コミュニケーションズ)との間において、それぞれの経営状況を管理・指導するための経営管理契約を締結しております。
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
2 帳簿価額のうちその他は主に、工具、器具及び備品であります。
3 上記の他、主要な賃借及びリース設備として、以下のものがあります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 自己株式の消却による減少であります。
2023年3月31日現在
(注) 自己株式292,770株は、「個人その他」に2,927単元含めて記載しております。
2023年3月31日現在
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、コンテンツの有効利用という観点から、地上波放送やBS放送を中心とした一次利用と、それ以外での収益確保という二次利用とを包括的に捉えて事業活動を展開しております。また放送を中心とした当社の事業を機能的に補完するという役割を担っている子会社もあります。
したがって、当社グループは㈱テレビ東京を基礎とした「地上波放送事業」、その子会社を基礎とした「放送周辺事業」、㈱BSテレビ東京を基礎とした「BS放送事業」、㈱テレビ東京コミュニケーションズを基礎とした「コミュニケーション事業」の4つを報告セグメントとしております。
報告セグメントごとの事業の内容は以下のとおりであります。