株式会社買取王国
(注) 1. 当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については、記載しておりません。
2. 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3. 持分法を適用した場合の投資利益は、重要性の乏しい非連結子会社のみのため、記載しておりません。
4. 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
5.当社は、2023年3月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しております。第20期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益及び1株当たり純資産額を算定しております。
また、1株当たり当期純利益は自己株式を控除した期中平均発行済株式総数に基づき、1株当たり純資産額は自己株式を控除した期末発行済株式総数に基づき、算出しております。
6.1株当たり配当額は、当該株式分割前の株式数を基準としております。
7.2022年4月3日以前の最高・最低株価は、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであります。2022年4月4日以降の最高・最低株価は、東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。 株価は、当該株式分割前の株価になります。
当社は、1961年3月設立の共和商事株式会社から、1999年10月に独立して古物、書籍等、CD、ビデオ及びゲームソフト販売等を目的とする会社として設立いたしました。
設立以後の主な経緯は、次のとおりであります。
当社は、事業ドメインを価値再生感動追求業(注)と定義し、「夢ある商品とサービスを通して、喜びと心の満足を創りだしていきます。」という経営理念のもと、総合リユース小売業として、買取王国、マイシュウサガール、工具買取王国、おたから買取王国及びその他業態を運営しております。
当社事業における店舗の形態は、次のとおりであります。
(注)価値再生感動追求業:「もったいない」の精神に基づき地球に優しい循環型社会づくりに貢献するため、不要と必要の懸け橋となり、変化し続ける品揃えや世界観の提案を通じ、お客様が新しいライフスタイルや商品との出会いに感動いただけるような業界です。
(1)買取王国
衣料品・服飾雑貨・ホビー・雑貨・工具・トレーディングカード・高級ブランド品等を取り扱う当社の主力業態であります。各売場ごとに様々な顧客ターゲットを設定しておりますが、20~50代の男女が中心であります。
特に趣味性やコレクション性の高い商品の品揃えに特徴があり、単に価格が安い中古品を販売するのではなく、「わくわく・ドキドキ・大発見!」を店舗コンセプトとし、「わくわく」の来店動機・「ドキドキ」の店内探索・ライフスタイルの「大発見」を提供しております。そのため、専門的な商品知識を持った担当者を各店に配置し、店頭販売価格や買取価格(一部商品を除く)、陳列、演出方法などを権限委譲する形で店舗展開を行っております。
権限委譲するにあたり、人財(注)育成に注力し、当社の理念やビジョン、戦略などを社内研修等において従業員全員が共有する環境を整えております。また、当社独自の店舗管理システムに蓄積されるデータから様々な情報をフィードバックすることにより、担当者毎に効果的な商品構成や人員配置、価格帯ごとの販売・在庫構成・原価率などの指導と教育を行っております。
現在、東海地方(愛知県、岐阜県)と大阪府に直営24店舗を展開しております。
(注)人財:当社では、「人を育成し会社の宝と成す」意味として、人財という用語を用いております。
(2)マイシュウサガール
買取王国業態において、一定期間以上売れ残った商品を移動し販売するアウトレット業態であります。
8種類の絵札が価格と対応し、毎週一段階安い価格に変わることが特徴で、ファッションへのこだわりより、低価格志向のお客様に支持をいただいております。
また、買取王国業態において、流行遅れなどの理由から買取をお断りをしていた低単価の衣料品等についても、マイシュウサガール業態があることで買取(または引き取り)をすることが可能となり、お客様の「買取王国は敷居が高い」というイメージを払拭し、低単価衣料品等の買取の間口(客層)を広げることが可能となりました。
現在、愛知県に直営店2店舗を展開しております。
(3)工具買取王国
取扱商材を工具(電動工具、エア工具、油圧工具、ハンドツール、電材、建材、農機具)に絞った工具買取王国業態であります。
『職人さんにとっていちばんへ』を事業部ビジョンとしてかがげており、工具で困ったときは工具買取王国と言って頂けるために、中古だけどきれいで安心して使えることを目指して運営しております。
当たり前のサービスを一つずつ積み上げていくことに努め、多くのお客様から支持を頂いております。
現在、東海地方(愛知県、岐阜県、三重県)に直営店12店舗(うち買取専門店1店舗)、関西地方(大阪府、京都府)に直営店舗4店舗、FC店舗として4店舗(岐阜県、奈良県にそれぞれ1店舗、大阪府に2店舗)を展開しております。
(4)おたから買取王国
前期にスタートした郊外に展開する買取専門店業態であります。自社内の遠隔査定技術を用いて運営しております。貴金属、ブランド、高級時計、金券、骨董品、切手、お酒などを中心に取扱い、店頭持ち込みだけでなく、 お客様のご要望に応じてご自宅へ伺い、地域のお客様にとって身近の相談相手になることをめざしております。遺品整理や生前整理のご相談も承っております。現在、愛知県に1店舗、岐阜県に1店舗、静岡県に3店舗の直営店を展開しております。
(5)その他
① WHY NOT(ホワイノット)
今までのイメージを一新するファッション、ブランド品を主な取扱品とする業態です。現在、名古屋市に直営店2店舗運営しております。
② ネット寄付事業(モノドネ)
品物で寄付できるサービスを提供する事業です。2021年10月にモノドネサイトをリリースと同時に本格的にスタートしました。当社の提携先となる大学や非営利団体から、お客様が自由に寄付先を選べます。お客様が寄付を通じて社会貢献やSDGsに参加できることをお手伝いしております。
2023年2月28日現在における店舗の状況は次のとおりであります。
※ 事業系統図は、次のとおりです。

当社の関係会社は、子会社2社となっております。
(注)重要性に乏しいため、社数のみ記載しております。
2023年2月28日現在
(注) 1. 従業員数は就業人員数であります。
2. 当社は、総合リユース小売業単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
3. 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。なお、勤続期間が1年未満の従業員に関しては、計算対象に含まれておりません。
4. 従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
当社には労働組合はありませんが、労使関係は円満に推移しております。
文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、創業以来「夢ある商品とサービスを通して、喜びと心の満足を創りだしていきます。」という経営理念の下、「すべての行動はお客様の「また来るね」の一言のために」すなわちお客様の期待を超え続ける商品とサービスを通して、顧客の感動を追求し続けることを経営方針としております。
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は、売上高、営業利益、経常利益、売上高経常利益率であります。当該KPIを採用した理由は、投資家が当社の経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、また、当社は企業の継続的成長を実現していくために、会社全体の経営状況を判断できる売上高経常利益率を重要経営指標として位置付け、将来、継続的に売上高経常利益率10%を達成できることを長期的目標としております。営業収益の拡大に加えて、財務体質の強化を図り、早期の目標達成に努めてまいります。2024年2月期の目標値は売上高61.59億円、営業利益4.17億円、経常利益は4.39億円、売上高経常利益率は7.1%であります。
今後の経済環境の見通しにつきましては、コロナ禍の収束にともない、人流回復により経済環境の上向きが期待できるものの、地球温暖化・資源浪費による危機をはじめ、地政学リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続くと予想されます。
リユース小売業におきましては、人件費上昇、人手不足などが厳しい状況にある一方、円安・物価上昇という観点においての生活防衛、またSDGsがクローズアップされたことによって、循環経済の必要性に関する認識が高まり、フォローの風が吹いております。
当社は、「夢ある商品とサービスを通して、喜びと心の満足を創りだしていきます。」という経営理念の下、世の中に溢れかえって、不要だと思われているものの価値を再生することにより、「REUSE IS GOOD ~リユースを日常に~」というコーポレートメッセージを発信し、SDGsへの取組みを力を入れ、持続可能な環境・社会づくりに邁進してまいりました。今後もお客様が当社の商品やサービスを通して、夢・希望・勇気・満足・感動・楽しさ・癒される・元気を感じていただくことを目指してまいります。
(1)及び(4)に記載の、経営方針及び中長期的経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
店頭買取システムの見直しに引き続き注力し、効率アップを目指すとともに、買取専門店・宅配買取・法人仕入・海外買付を強化して多様な調達ルートを確保してまいります。
多ルート商品調達力を推進すると同時に、お客様に「鮮度の高い売場」を提供するために、商品回転率を高めてまいります。
取扱商品につきましては、成長性の高い工具を始め、ファッション・ホビー・ブランドを攻めるものとして力を入れ、スマートフォン・生活用品を守り、トレーディングカード・家電を育てていきます。
総合リユースショップ買取王国業態に関して、業務の単純化・標準化・専門化を推進してまいります。お客様が再来店したくなる売場づくりに関しては、見やすい・探しやすい・手に取りやすいという標準化を推進する一方、独自の魅力を伝えるために、狭属性一番化を追求いたします。
老朽化した店舗の内外装をはじめ地域に合った商品構成を見直し、今期も2店舗~4店舗のリニューアルを進めてまいります。お客様が入りやすい店舗づくりを推進いたします。
ロ.工具専門店業態
工具専門店業態に関して、誰でも買取・販売・マネジメントができる標準化システムの構築及び人材育成に注力し、直営及びフランチャイズ形式で多店舗展開を加速していくためのデータベースづくりやオペレーションの深化をしてまいります。
2024年2月期においては、工具買取王国2店舗の出店、フランチャイズ加盟店4店舗の開発を計画しております。
ハ.おたから買取王国買取専門店業態
おたから買取王国買取専門店業態に関して、岐阜県本巣市に2021年6月に第1号店(おたから買取王国イオンタウン本巣店)を出店して以来、地域密着型をスタンスにお客様が利用しやすい立地を厳選して、展開してまいりました。2024年2月期に、遠隔査定手法を活用して、5店舗の出店計画を進め、業態として10店舗体制の確立を目指しております。
会社が永続していくために、時流に合わせて変化することが必須だと考えております。今後、寄付事業、新宅配買取事業を推進し、海外との関わりを模索してまいります。
品物で大学・非営利団体等へ寄付を行える寄付事業、SDGsに関する活動に大きな役割をもつと考えております。さらに提携先を広げ、モノドネサイトでの受付だけではなく、各店舗の店頭でも受付できる仕組みを導入し、より利用しやすいように改善してまいります。これらの活動を通して、日本の寄付活動の文化を根付かせて社会貢献を図ってまいります。
マイシュウサガール事業では、衣料品をメインに取扱っておりましたが、取扱商材の種類等を拡充し、国内三次流通事業として強化してまいります。
新宅配買取事業では、計画的なウェブサイト制作及び新手法の広告をセットで活かし、新たな販売手法を構築し、インターネットを介してより広い範囲のお客様のニーズを満たし、より多くのお客様の喜びと満足を創り出してまいります。
「人を育成する前に店を作るな」とあるように、当社の事業の多くは多店舗展開で成り立っております。中古品の買取価格については、真贋を行った上で適正な買取価格を提示できる店舗スタッフの存在が欠かせません。また、買取価格(一部商品を除く)以外に店頭販売価格、陳列、演出方法、店舗スタッフのマネジメントなどを権限委譲する形で店舗展開を行っております。従いまして、各種人財の確保育成は、当社の優先的に対処する課題であると認識しております。
当社の人事理念「人の役に立つ人間になる」に基づき、当社独自の人材育成制度として、GUTs(Grow Up Together System)『仲間と共に学び成長する制度』を確立しております。
GUTs(Grow Up Together System)は、等級や機能に応じて社員育成ステージをつくり、職場内の関係性を通じて、知識や技術、人間的成長をお互いに促す人材育成制度で、しっかり浸透・運用を取組んで、店舗経営を任せれる人財育成を図ってまいります。
当社事業を更なる発展ステージに上がっていけるために、全事業に関係する3S+1Cの仕組みを構築する必要性があると認識しております。3Sとは、標準化(Standardization)、単純化(simplification)、専門化(specialization)で、1Cとは集中化(centralization)を意味しております。もっと詳しく説明すると、単純化は誰もが簡単に出来るようにすること、標準化は誰もが同じ結果を出せる状態をつくること、専門化は各種専門部署で専門的なこと及び他社と違う専門的な強みあること、集中化は集中して効率良くできる業務は集中化することです。
現在、総合リユースショップ買取王国業態で、業務の単純化・標準化・専門化を推進しております。その取り組みの経験や教訓をもとに、全社に通用する3S+1C仕組みを模索してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)買取仕入について
社名が示すとおり、当社にとって中古品の買取仕入は売上を安定的に計上するための生命線であります。
よって、一般顧客からの店頭においての買取、インターネット上の告知による宅配買取、協力先で行う催事買取、顧客宅や中古取扱業者等への直接訪問による出張買取等により、買取仕入の安定的な商品確保に努めております。
しかし、今後の景気動向や競合する買取業者の増加、フリマアプリの急成長、顧客心理の変化、貴金属等一部の商品については貴金属・地金相場の変動等により、安定的な商品確保に支障をきたした場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、中古品は新品に比較して売上総利益率が高くなる傾向があり、当社利益の源泉となっておりますが、積極的な事業展開に伴い、中古品の不足分を新品仕入により補うことも考えられ、この場合、当社の売上総利益率は低下する可能性があります。
(2) 人財の確保育成について
中古品の買取価格については、貴金属等の相場がある場合を除き、あらかじめ流通価格が決まっておりません。また、ブランドも含め嗜好性の多様化や近年における中古品流通量の増大により、商品仕入においては、真贋チェックを行った上で適正な買取価格を提示できる店舗スタッフの存在が欠かせません。従いまして、それぞれの商品についての専門知識を有する人財の確保育成は、当社の重要な経営課題であると認識しております。
仮に、店舗スタッフの確保育成が計画どおりに進まない場合、当社の出店計画は制約を受けることとなります。また、経験豊富な店舗スタッフの退職は、当社の重要な経営資源の流出であり、短期間に多数の店舗スタッフが退職した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) コピー商品の仕入販売によるリスクについて
衣料・アクセサリー・時計・バッグ・フィギュア等の商品について、著名ブランドのコピー商品が全世界で流通しており、これらコピー商品に関するトラブルは社会的な問題となっております。当社においては、日ごろから店舗スタッフの真贋チェック能力を養い、商品知識が豊富な店舗スタッフを育成することにより、コピー商品の仕入防止に努めております。また、店頭に出す前に再度チェックを行い、誤って仕入れたコピー商品については、すべて廃棄処分としコピー商品の陳列防止に努めております。
今後も、お客様からの信頼を維持していくため、当社はコピー商品の排除を徹底してまいります。
しかしながら、中古品を取り扱う以上、常にコピー商品に関するトラブル発生のリスクが潜んでおり、大きなトラブルが発生した場合には、当社に対する信頼性が低下することにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)盗品の買取リスクについて
古物営業法に関する規制により、買い受けた商品が盗品であると発覚した場合、1年以内であれば被害者はこれを無償で回復することを求めることができるとされております。
当社においては、法令遵守の観点から古物台帳(古物の買い受けを記載した台帳)を整備し、盗品買取が発覚した場合には、被害者への回復に適切に対応できる体制を整えており、盗品買取発覚時の被害者への返還に適切に対応してまいります。
また、盗品の買取防止策として、大量の同一商品の持ち込みについては必ず入手経路を確認する等の買取防止策を講じております。
しかしながら、事業の性格上、完全には盗品の買取を防止することは出来ないことから、盗難品の被害者への返還に伴い、仕入ロスが発生する可能性があります。
(5)新規出店について
当社は、郊外型店舗展開を東海地方(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)、大阪府、京都府で行っております。今後は地域情勢等を勘案して、地域の絞り込みによる新規出店をしてまいります。また、新規出店から初期投資額を早期に回収する収支モデルを構築し、その確かな実現を目指してまいります。
ただし、当社が新規出店を決定する際の条件を満たす物件がない場合には、新規出店計画どおりに経営資源を投下できず、当社の業績が影響を受ける可能性があります。また、東海地方以外への出店の場合、認知度が低いこと等から買取仕入が想定どおりに進まないこと、また現地において十分な人員を確保できず買取販売が計画どおりに進まない可能性があります。
最近5年間の店舗数の推移は次のとおりであります。
(注) 本社及びECと、FCは店舗数に含まれておりません。
なお、ECとはイー・コマースの略で、商品を自社ホームページ等へインターネットを通じて出品し、一般顧客と直接売買業務を行っております。
(6)減損損失について
当社は、減損会計を適用することによって、各店舗において減損兆候の判定を行っております。店舗の営業損益に悪化が見られ短期的には回復が見込まれない場合、減損損失が計上され、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)天候及び世界的感染症の影響
当社の主力品目は一般衣料、靴、服飾雑貨品、腕時計等のファッション(当事業年度売上高構成比40.3%)であり、当該品目では季節性の高い商品を取り扱っております。そのため、ファッション品目の販売動向は、冷夏や暖冬などといった天候の影響を受ける可能性があります。
また、世界的感染症の流行は、世界経済に大きな影響を与え、企業の経済活動を縮小させます。その場合には、当社の業績にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8)当社の営業エリアについて
当社は、全49拠点中44拠点が、東海地方(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)で営業しており、当該地域の急激な経済的衰退が生じた場合における売上高の伸び悩みや、大地震をはじめとした大規模災害による販売活動への影響等、販売店舗の地域集中に伴うリスクが存在しております。
(9)商品の価値下落について
当社は多種多様な商品を取り扱っており、また、これらを時代環境に応じて変化させることにより、特定の商品に依存しない安定した営業体制を構築してまいりました。しかしながら、一部商品は、流行による陳腐化や牽引役となる人気商品の有無により価値が急激に変動する場合があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)業界の状況について
従来、リユース小売業においては、骨董品、古書、古道具等、希少価値の高い商品の取り扱いを事業の特徴とする業態が大半を占めておりました。しかしながら、最近では幅広い分野において中古品の流通量が増大しており、ブランド衣料、アメリカンカジュアル衣料、ジャパントイ、トレーディングカード、中古ゲーム等、当社が取り扱っている商品においても新規参入が目立ってきております。
今後、この傾向がさらに強まり、競合店の増加やインターネットを介した売買の普及等による中古品の買取競争が激化した場合は、人気商品の確保が難しくなること、買取価格の相場が変動すること等から、当社業績が影響を受ける可能性があります。また、当社業態を模した総合リユース小売業の出現が想定されますが、この場合は当社の希少性が損なわれる可能性があります。
(11)有利子負債への依存について
当社は、新規出店に必要な資金を金融機関からの借入金で調達しております。当事業年度末における有利子負債の額は957百万円であり、総資産額に占める割合は24.2%であります。現在は、当該資金を主に固定金利に基づく長期借入金により調達しているため、一定期間においては金利変動の影響を受けないこととなりますが、予期せぬ外的要因により資金調達が困難となり、借入金利が上昇した場合には、金融費用が増加する等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)古物営業法に関する規制について
当社は、「古物営業法」を遵守する営業を行っております。都道府県公安委員会からの営業許可をいただいております。新規出店においては新規届出を、既存店舗においては事項変更が生じた場合には、都度手続きをしております。古物台帳の管理・保管の徹底、古物営業法に係る社内マニュアルの整備及び社内教育を実施しております。本書提出日現在において、許可の取消し事由は発生しておりませんが、万が一同法に定める規則に違反した場合には、営業許可の取消し、または営業停止等の処分を受ける可能性があり、その場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)個人情報の管理について
当社は、古物営業法等に基づき商品を買取仕入する際に個人情報を取得することがあります。また、会員入会申込書に記載された個人情報を取得することがあります。このため、当社は社内マニュアルの整備及び社内教育を実施し、個人情報管理の強化を図っております。
現在のところ個人情報の漏洩と思われる事例は発生しておりませんが、個人情報が漏洩した場合には、社会的信用の失墜、事後対応による多額の経費等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)敷金及び保証金について
当社が賃貸借契約により差入れている敷金及び保証金の残高は当事業年度末において254百万円であります。万一、賃貸人の財政状況が悪化し、敷金及び保証金の回収が不能となった場合、賃料との相殺等による回収ができない範囲で貸倒損失が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度におけるわが国経済は、コロナ禍終息に向かい、行動制限の解除等により経済活動が徐々に正常化している一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や各種原材料の価格高騰、また急速な円安が進行するなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、物価上昇、人件費上昇、人手不足並びに個人消費の長期低迷など、厳しい経営環境が続いております。
このような外部環境に対応するために、当社はさまざまな取組みを進めてまいりました。
商品政策におきましては、全体の商品調達力を高める取組みをしております。引き続き店頭買取システムの見直しに注力し、効率アップを目指してまいりました。その一環として、株式会社テイツーのトレーディングカードAI読取システム「TAYS(テイズ)」を順次導入し、2023年2月末時点において、21店舗の導入が完了いたしました。その他に、買取予約システムを導入・一括買取を取り入れ・買取品目の幅を広げるなどの施策を実施し、待ち時間の短縮・持ち込みやすさのアップを通してお客様の利便性改善に努めてまいりました。
店舗政策においては、お客様が再来店したくなる売場づくりに関しては、量感を大切にした上に見やすい・探しやすい・手に取りやすい売場を推進しております。また、お客様のニーズに合わせて業態・店舗整理しながら出退店を行ってまいりました。
2023年1月10日Reco黒川店(名古屋市西区)を閉店し、Reco業態を撤退いたしました。2023年1月22日に工具買取王国買取専門店の工具買取王国バロープロサイト各務原店(岐阜県各務原市)を閉店いたしました。一方、総合リユースショップ買取王国業態では、2023年2月21日にフランチャイズ店舗買取王国多治見店を直営化いたしました。
総合リユースショップ買取王国業態の店舗の老朽化を改善するため、内外装を修理・改装を順次進めてまいました。合わせて売場も一新し、リニューアルオープンを果たした店舗は以下になります。
(注)買取王国植田店の一部にふるいち植田店(株式会社テイツー)が出店しました。
工具買取王国業態に関しては、2022年10月15日に、名古屋市内に初の直営店工具買取王国守山大森インター店(名古屋市守山区)をオープンいたしました。フランチャイズ加盟店募集については、2022年6月21日に工具買取王国東大阪308号店、2022年8月2日に工具買取王国天理店がオープンいたしました。
おたから買取王国業態に関しては、お客様に認知されまして、買取量を順調に伸ばしております。2022年9月22日に、5店舗目のおたから買取王国バロー城山店(愛知県尾張旭市)をオープンいたしました。
他の取り組みとして、全社的に営業力の強化を推進しておりました。宅配買取・法人買取の強化などを通して、多様な調達ルートを確保してまいりました。寄付事業では、専属の人員を配置し、新規開拓営業を継続して行い、寄付サイトモノドネの提携先を増やしてまいりました。
また、総合リユース業態の第1号店である買取王国一宮店がオープンして20周年を迎えたため、買取王国20周年イベントを2022年9月から2023年2月末までに実施いたしました。20年間の感謝を込めてお客様が楽しめる様々なイベントを開催してまいりました。
以上の結果、当事業年度は過去最高の売上高を達成しました。売上高は5,865百万円(前年同期比18.5%増)、営業利益は387百万円(前年同期比98.5%増)、経常利益は420百万円(前年同期比92.1%増)、当期純利益は273百万円(前年同期比123.1%増)となりました。
財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ443百万円増加し、2,640百万円となりました。これは、商品が271百万円、現金及び預金が109百万円、売掛金が69百万円増加した一方、未収法人税等が11百万円減少したことなどによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ63百万円増加し、1,313百万円となりました。これは、有形固定資産が54百万円、投資その他の資産が29百万円増加した一方、無形固定資産が20百万円減少したことなどによるものです。
この結果、総資産は前事業年度末に比べ507百万円増加し、3,954百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前事業年度末と比べ184百万円増加し、792百万円となりました。これは、買掛金が10百万円、未払法人税等が89百万円、未払消費税等が33百万円増加したことなどによるものです。
固定負債は、前事業年度末と比べ45百万円増加し、764百万円となりました。これは、退職給付引当金4百万円、資産除去債務2百万円、長期借入金が34百万円増加したことなどによるものです。
この結果、負債合計は前事業年度末と比べ230百万円増加し、1,556百万円となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べて277百万円増加し、2,397百万円となりました。これは、譲渡制限付株式報酬としての新株発行により資本金が7百万円、資本剰余金が7百万円、当期純利益により利益剰余金が273百万円増加した一方、配当金の支払により利益剰余金が12百万円減少したことによるものです。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ109百万円増加し、1,019百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は191百万円(前事業年度は54百万円の資金減)となりました。これは主に、税引前当期純利益420百万円などにより資金が増加した一方、棚卸資産の増加額271百万円、法人税等の支払額73百万円により資金が減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は103百万円(前事業年度は188百万円の資金減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出90百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は21百万円(前事業年度は63百万円の資金増)となりました。これは、長期借入れによる収入400百万円により資金が増加した一方で、長期借入金の返済による支出365百万円、配当金の支払額が12百万円により資金が減少したことによるものであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の主要な運転資金需要は、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、主要な設備投資資金需要は、店舗の新規出店及び老朽化した店舗の改装であります。
これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、銀行借入による資金調達にて対応していくこととしております。
なお、当事業年度末における借入金の残高は957百万円、現金及び現金同等物の残高は1,019百万円となっております。
③仕入及び販売の状況
当社は、総合リユース小売業の単一セグメントであり、当事業年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
当社は、総合リユース小売業の単一セグメントであり、当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
各品目の主な内容は以下のとおりです。なお、前事業年度にホビーに含まれていたトレカについては、当事業年度より別掲しております。
(注) ジャパントイとは、日本のアニメキャラクター玩具や特撮ヒーロー玩具等、日本企画のおもちゃを総称したものであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高については、主力商材のファッション・工具・ホビーをはじめ、ほとんどの商材が順調に推移しました。また、トレカ、ブランド(貴金属含む)に関しては、市場が活発になったことに合わせて強化した結果、大きく成長しました。そのため、売上高が5,865百万円(前事業年度4,950百万円)となり、前年同期を18.5%上回りました。
粗利率について、商品回転率を重視し、早期現金化などに努めました。ただし、トレカ・貴金属等の成長などによる売上構成の変化により、前事業年度の55.2%から若干下がりまして、52.5%になりました。
販売費及び一般管理費の売上比率は前事業年度より5.4%下回り、45.9%となりました。これらの結果事業年度の営業利益は387百万円(前事業年度195百万円)、経常利益は420百万円(前事業年度219百万円)となり、前年同期を上回ることとなりました。
法人税等を計上した結果、当期純利益273百万円(前事業年度122百万円)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。インターネットの普及が人々の生活様式に根本的な変化を引き起こしています。当社は、常に顧客の感動を追求し、環境の変化や顧客のニーズに適応していく必要があると認識しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
(キャッシュ・フロー)
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社の主要な運転資金需要は、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、主要な設備投資資金需要は、店舗の新規出店であります。
これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、銀行借入による資金調達にて対応していくこととしております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の財務諸表の作成にあたっては、事業年度末における資産、負債の報告数値及び収益、費用の報告数値に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としております。当社は財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じて、合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があり、この差異は、財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度末現在において、見積り、判断及び仮定により当社の財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は、次のとおりであります。
商品
商品は、主として個別法による原価法(貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。また、販売可能性の低い長期滞留品については、必要な評価減並びに廃棄処分等を行っております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等について
当社は、継続的な事業拡大のため、「売上高経常利益率」を重要な指標として位置づけております。当事業年度における売上高経常利益率は7.2%(前事業年度4.4%)となりました。
該当事項はありません。
当社は、総合リユース小売業の単一セグメントであるため、セグメントの名称は記載しておりません。
2023年2月28日現在
(注)1. 現在休止中の設備はありません。
2. 従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員数の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3. 上記の他、他の者から賃借している設備の内容は、下記のとおりであります。
注)当社は、2023年3月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、同日付で発行可能株式総数が5,940,000株から11,880,000株になっております。
注)当社は、2023年3月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1.2018年7月13日付の譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行による増加であります。
2.2021年7月14日付の譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行による増加であります。
3.自己株式の消却による減少であります。
4.会社法第447条第1項の規定に基づき、資本金を減少し、その他資本剰余金へ振り替えたものであります。この結果、資本金が312,587千円減少(減資割合91.2%)しております。
5.2022年7月14日付の譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行による増加であります。
2023年2月28日現在
(注)1.自己株式 2,101株は、「個人その他」に21単元、「単元未満株式の状況」に1株含まれております。
2.当社は、2023年3月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しております。
2023年2月28日現在
(注)1.所有株式数の割合は、小数点第3位以下を切り捨てて表示しております。
2.当社は、2023年3月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しておりますが、上記の大株主の状況は分割前の株式数で表示・計算しております。
3.前事業年度末現在主要株主であった長谷川和夫は、当事業年度末では主要株主ではなくなりました。