タマホーム株式会社
(1) 連結経営指標等
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 平均臨時雇用人員数は、臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 平均臨時雇用人員数は、臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
4 最高株価及び最低株価は、東京証券取引所(市場第一部)における株価を記載しております。なお、2022年4月4日以降の最高株価および最低株価は、東京証券取引所(プライム市場)におけるものです。
1998年当時は、まだバブル経済崩壊の影響が色濃く残り日本経済全般が不況の中にあり、住宅業界も新設住宅着工件数が下降傾向にある状況でした。この経済情勢のもとではマイホームを手に入れることは難しいことでありました。しかし、衣食と同じように私たちが生きていく上で必要不可欠な要素の「住」が手の届かない存在であってはならないという考えから、多くの人に「高品質住宅を低価格で提供する」という業界の常識を打ち破る理念を掲げ、当社は、現代表取締役会長玉木康裕が1998年6月3日に福岡県筑後市に注文住宅建設会社としてタマホーム㈱(資本金10百万円)を設立いたしました。
主な変遷は以下のとおりであります。
当社グループは、当社および当社の関係会社(子会社13社および関連会社2社(2023年5月31日現在))で構成されております。
セグメントは「住宅事業」「不動産事業」「金融事業」「エネルギー事業」の4つに分類し、それらセグメントに含まれない事業を「その他事業」に分類しており、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一であります。
事業内容と当社グループの当該事業における位置づけは、次のとおりであります。
(住宅事業)
・住宅建築
(住宅建築事業の特徴)
住宅建築事業は、注文住宅の建築請負を行う事業であります。注文住宅の建築は、当社が顧客との間で戸建住宅の工事請負契約を締結し、設計及び施工(工事管理)を行う業務であり、当事業の特徴は、ロードサイド型の独立型店舗展開と広告宣伝活動にあります。
当社グループは、ロードサイド型の独立型店舗での出店を中心に全国展開を行ってきました。ロードサイド型の独立型店舗は全国47都道府県への出店を2011年1月にタマホーム沖縄㈱(2018年10月吸収合併)が新都心展示場を出店することによって達成し、2023年5月31日現在183店を展開しております。独立型店舗は基本的にモデルハウス、事務所、ショールームを設置し、店舗内にてモデル内覧から仕様決めなどの総合的な営業を可能としております。
また、空白エリア縮小のため、住宅総合展示場への出店も行っており、2023年5月31日現在住宅総合展示場63箇所へ出店しております。今後もロードサイド型独立店舗、住宅総合展示場を問わず効率的な出店をしてまいります。
また、店舗への集客についてはテレビCM、WEB動画CM、チラシ及びWEB広告等による広告宣伝活動を行うことにより確保しております。当社における広告宣伝活動の目的は、近郊店舗への集客のほかに、当社ブランドイメージの確立があります。当社ではタマホームの社名を認知していただくことを目的とし、そのために効率的と考えるテレビ及びWEBによるCM訴求や競技場での看板設置等を広告宣伝活動の一つとして実施しております。
(商品の特徴)
当社グループは、「より良いものをより安く 提供することにより 社会に奉仕する」という経営方針のもと、設立当初から「自由設計・オール電化・豊富な設備仕様」の住宅(大安心の家)を当時としては画期的な坪単価で提供することで、急速に業容を拡大してまいりました。
設立当初は、九州地区でのみ営業展開を行っておりましたので、断熱地域区分(注1)5、6、7地域対応の商品である「大安心の家」のみを提供しておりましたが、営業エリアを拡大するに伴い北関東、北陸、南東北地区(4地域)対応商品である「大安心の家〔愛〕」、北東北地区(3地域)対応商品である「大安心の家〔暖〕」、北海道(1、2地域)対応商品である「大地の家」、沖縄(8地域)対応商品である「大安心の家〔沖縄〕」などの商品を随時投入いたしました。
また、地域特性によるお客様のニーズを各販売エリアごとに反映させた「地域限定商品」、都市部の狭小地向け3階建て住宅である「木望の家」、都市部の狭小地でも緑とふれあえる屋上緑化タイプ住宅「グリーンエコの家」、「大安心の家」の外観意匠を向上させた「大安心の家PREMIUM」、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に対応した「大安心の家ZERO」「木麗な家ZEH」、安心の品質を低コストで実現した「シフクノいえ」など、営業展開に合わせた商品の拡充も行ってまいりました。
さらに、2023年4月には、25年後の当たり前の基準「HEAT20 G3」相当、UA値0.23w(㎡/K)を実現した高耐候、高耐久で高断熱、高気密住宅「笑顔の家」を全国で発売開始しました。
なお、「大安心の家」シリーズにつきましては、2009年6月から「長期優良住宅」認定制度(注2)が開始されたことに伴い、同制度へ適合するよう大幅な改良が施されました。また2022年5月からは、住宅性能表示制度の改定により新設された最上位等級「断熱等性能等級5」に対応しました。「自由設計・オール電化・豊富な設備仕様」はそのままに、何世代にもわたって安心して暮らせる住まいとなるよう、高耐久、高断熱、高耐震の3要素が強化された商品となっております。
当社グループの販売する商品の主なラインナップは以下のとおりです。
(注1) 断熱地域区分
断熱地域区分とは、「省エネ法」において、全国の気候条件に応じて地域区分されたものです。適合する地域区分に応じて断熱性能基準が設けられ、断熱材の厚み・開口部の断熱性・気密性能などが規定されています。
断熱地域区分ごとの主な対応地域は以下のとおりであります。(山間部等一部例外もあります。)
1、2地域・・・北海道
3地域・・・青森県、岩手県、秋田県
4地域・・・宮城県、山形県、福島県、栃木県、新潟県、長野県
5、6地域・・・茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、富山県、石川県、福井県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県
7地域・・・宮崎県、鹿児島県
8地域・・・沖縄県
(注2) 「長期優良住宅」認定制度
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(2009年6月4日施行)」が施行されたことにより、長期優良住宅としての性能(劣化対策、耐震性、維持管理の容易性等の基準)が定められ、同制度に適合している住宅を購入し、認定を受けることで税制の特例措置(住宅ローン減税、登録免許税、固定資産税等の減免等)を受けることができる制度であります。
(注3) ピロティ式カーポート
ピロティとは建物の一階部分にあって壁のない、柱だけで囲われた空間のことです。この空間を利用した駐車場をピロティ式カーポートといいます。
・リフォーム
当社は、設立後25年が経過し、初期に建築した住宅のメンテナンスおよび増改築の要望が増えてきております。引渡しからの経年数に応じた商品を展開し、リフォーム事業を展開しております。
・住宅関連紹介
住宅建築に付随する各種工事(解体、外構等)や引っ越し、インターネット回線等を提携業者へ紹介することで紹介手数料を受け取っております。
・プレカット
CAD入力、図面作成等設計支援業務を行っております。
(不動産事業)
・戸建分譲
当社グループでは、これまで住宅建築事業にて数多くの注文住宅を提供してきましたが、展示場へ来場いただくお客様のうち約6割が土地を持たないお客様でした。このようなお客様にも当社の住宅をより身近に感じていただくことを目的として開始したのが戸建分譲事業です。
これまで培ってきた住宅建築のノウハウを活かして、戸建分譲事業を手掛けることで、経営方針である「より良いものをより安く」提供することが可能となっております。
事業開始当初は5区画程度のミニ開発案件を中心に事業展開を行っておりましたが、事業ノウハウの蓄積にあわせて30区画を超える大規模プロジェクトも手掛けることが可能となりました。現在は資金回転率の高い、10区画以下の案件について強化しており、住宅の提供だけでなく、街並みや景観、環境にも充分配慮した総合的な住環境を提供する事業へと成長しております。
・マンション販売
マンション事業では、自社企画マンションの企画・開発・販売及び中古マンションのリノベ再販を主な業務としております。
・サブリース
サブリース事業は、ビルを1棟もしくはフロアー単位で借り受けて、転貸する事業であります。オーナー様(所有者)に賃料保証し、テナントから受け取る賃料を収益に計上する事業であります。また、ビルの価値向上(改修工事等)を行い、当社が直接営業することで積極的なリーシングを行っております。
・オフィス区分所有権販売
オフィス区分所有権販売事業は、サブリース事業で培った経営資源を活用した事業であります。都心商業地の地価上昇率は引き続き高い水準を維持しており、今後も高いオフィス需要が見込まれる状態に変化はないと考えております。オフィス区分所有権販売事業においては都心商業地の小・中規模オフィスビルを1棟単位で仕入れ、リノベーション等によるバリューアップでオフィス用物件としての魅力を高め、テナント賃料及び入居率の改善を図り、最終的にはハイグレードのオフィスビルとして1棟単位またはフロアー単位で販売します。
(金融事業)
・保険代理業
当社グループでは、保険代理業として火災保険、地震保険、自動車保険等の取次及び生命保険の取次業務を行っております。保険代理業の業務は多岐にわたっており、契約の取次だけにとどまらず、事故が発生した際の窓口業務、保険会社との折衝業務なども行っております。また、最近では取扱商品の拡充を目的とした生命保険の販売にも力を入れており、社内ファイナンシャル・プランナーを活用したライフプランの提案にも力を入れております。
・ファイナンス
タマファイナンス㈱にて本融資実行までの代金立替サービスであるつなぎ融資サービスを、当社の新築住宅購入者向けに提供しております。
(エネルギー事業)
・メガソーラー事業
当社グループでは、大規模太陽光発電所の運営を行っております。
福岡県大牟田市において、「タマホーム有明メガソーラー発電所」を2015年1月に竣工し、2015年2月より商業運転を開始しました。固定価格買取制度に基づき、発電した全量を九州電力㈱に売電しております。
(その他事業)
・広告代理業
タマ・アド㈱は、総合広告会社として広告代理業を行っております。事業領域は広告媒体の広告の仕入販売だけにとどまらず、それらで提供する広告コンテンツの制作、イベント等の企画等と幅広くなっております。
・家具販売・インテリア工事の請負
タマリビング㈱は、家具の販売(卸売及び直販)、オプション工事(カーテン、照明工事等)の請負を行っております。
・地盤保証
在住ビジネス㈱は、地盤調査、地盤改良工事、地盤保証に関する事業を行っております。
・農業
タマアグリ㈱は、農業への進出及び障がい者雇用機会の創出を目的とし、福岡県筑後市で農作物等の生産・加工・販売を行っております。
・車両リース
THオートリース㈱は、当社グループ内の社用車を中心としたリース、中古車販売、メンテナンス、修理、損害保険の管理を行っております。
・海外
シンガポール、アメリカに設置したグループ会社を通じて、海外の住宅関連企業および不動産への投資等を行っております。
<事業系統図>
以上述べた事項を事業の系統図によって示すと、次のとおりであります。

(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2 特定子会社であります。
3 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4 議決権の所有割合欄の( )書は内書きで、間接所有割合であります。
5 議決権の所有割合欄の[ ]書は、緊密な者または同意している者の所有割合で外数となっております。
6 持分は100分の50以下でありますが、実質的な支配を行っているため子会社としております。
7 上記以外に持分法非適用関連会社が2社あります。
2023年5月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であります。
2 臨時従業員数は、臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
2023年5月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であります。
2 臨時従業員数は、臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しています。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
現在、当社グループにおいて、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。
①提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
②連結子会社
連結子会社は「管理職に占める女性労働者の割合」、「男性労働者の育児休業取得率」及び「労働者の男女の賃金の差異」について、女性活躍推進法等の規定による公表を行わないため、記載を省略いたします。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは、2022年5月期より5ヶ年の中期経営計画「タマステップ2026」を進めています。「新築住宅着工棟数№1を目指し、4つの事業(注文住宅事業・戸建分譲事業・リフォーム事業・不動産事業)の柱を中心に成長する」という基本方針を着実に実行し、引き続き持続的な成長へ向けた強固な経営基盤の形成を促進していきます。
(2) 経営戦略等
当社グループは、中期経営計画において、「注文住宅事業で都道府県別シェア№1を目指す」「戸建分譲事業で販売棟数1,700棟を目指しシェア拡大を図る」「リフォーム事業で売上高120億円を目指し事業成長を図る」「不動産事業で売上高500億円を目指し事業成長を図る」を基本戦略に掲げております。
中期経営計画において、「受注棟数」「販売棟数」「売上高」「営業利益」「営業利益率」「当期純利益」をグループの成長を示す経営指標と位置づけており、最終年度となる2026年5月期における目標数値を、以下のように設定しております。
連結経営目標数値
(3) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社を取り巻く経営環境においては、短期的には長引くウクライナ情勢によって、円安の進行、資源・原材料価格の上昇傾向が継続、中長期的には人口減少による国内住宅市場の縮小およびそれに伴う住宅着工戸数の減少並びに高齢化による職人不足といった懸念があります。
このような状況の中、当社グループは2022年5月期より中期経営計画「タマステップ2026」がスタートし、順調に推移しております。引き続き当社グループの中核事業である住宅部門を中心に、継続的な成長と強固な経営基盤の形成に向け取組みを推進していきます。住宅事業においてはより高い付加価値の商品展開を推進し、さらなるシェアの拡大に努め、非住宅事業においては事業機会を適切に捉え収益性を高めることにより、売上高の伸長を目指します。
以上に鑑み、当社グループの2024年5月期の連結業績予想は、売上高257,000百万円(前連結会計年度比0.4%増)、営業利益14,100百万円(同6.3%増)、経常利益14,100百万円(同4.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,200百万円(同5.6%増)を見込んでおります。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 業績の季節変動について
当社グループでは、戸建住宅の建築請負を主な事業としていることから、新年度を控えた引越シーズンである3月から5月までの間に引渡しが集中する傾向にあります。そのため、当社グループでは、引渡時期が第4四半期に収益が偏重する傾向にあります。
従って、景気動向、自然災害等の要因により、第4四半期の引渡しに支障が生じた場合は、当該期間の売上高が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるため、その対策として当社グループでは着工時期の平準化を図ることにより、引渡棟数の季節波動を抑え、四半期毎にリスクの分散化を図っております。
② 個人消費動向等の住宅受注棟数への影響について
当社グループの主たるお客様は個人のお客様であることから、景気や金利の変動、消費税率の改定、住宅ローン減税政策等の税制の変更などによる個人消費動向の変化の影響を受けやすく、個人消費動向に何らかの理由で住宅業界に不利な変化が生じた場合、これにより受注・売上が減少し当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その対策として当社グループでは、市場環境の変化を的確に捉え、そうした環境変化に対応した商品開発をスピーディに行うことにより、受注減少への影響を低減する対策を取っております。
③ 法的規制について
当社グループは、住宅建築事業のほかにも積極的に事業を展開していることから、遵守すべき法令・規則は多岐にわたっております。特に建設業法に基づく建築工事業許可については、許認可の取消や更新が行えなくなった場合、住宅建築事業における営業活動に重大な支障を及ぼす可能性があります。
これらの法令等の規制についてやむを得ず遵守できなかった場合及びこれらの規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があるため、当社グループではこれらの法令等を遵守し、許認可等の更新に支障が出ないよう、従業員に対するコンプライアンスに関する教育指導を継続的に実施しております。
④ 原価の高騰について
当社グループでは、木造注文住宅の建築請負を主要な事業としていることから、住宅を構成する木材等の主要部材の急激な高騰等の局面においては材料の仕入価格が上昇することや、また、請負業務の遂行にあたっては一部外注先等の従業員が担っていることから労働力不足等の影響が想定よりも大きい場合、工事原価が上昇することが考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
その対策として当社グループは、原価変動の動向を事前にモニタリングすることにより、事前の調達対応や代替策を行う体制を整え、原価の高騰が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性を低減しております。
⑤ 自然災害等について
地震や台風などの大規模な自然災害の発生時には被災した自社保有設備や建築現場の修復に加え、建物の点検や応急措置などの初動活動や支援活動等により、多額の費用が発生する可能性があるため、当社ではこうした保有資産や管理物件ごとにそれぞれのリスク・運用形態に応じた損害保険を付保しております。
また、社会インフラの大規模な損壊で建築現場の資材・部材の供給が一時的に途絶えた場合等には、完成引渡しの遅延等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その対策として当社グループは、人的な応援や代替調達ルートへの切替といった対応策を取る体制を整え、自然災害等に伴う社会インフラの大規模な損壊により当社グループの業績に及ぼす悪影響を最小化するための取組みを行っております。
⑥ 不動産等の保有資産の評価損について
当社グループでは、不動産事業に係る分譲・マンション事業用地およびオフィスビルの仕入に際して、立地条件、競合物件の動向、地中埋設物の有無、仕入価格変動等について十分な調査を行いその結果を踏まえて仕入を行っております。
しかしながら、不動産価格の急激な変動による販売価格の引き下げ、近隣の開発計画の遅れ、土壌汚染や地中埋設物の瑕疵が発見されることによる事業中止、延期が発生した場合には、事業計画の遂行に重大な問題が生じ、販売用不動産の評価損が発生する虞があります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが保有する販売用不動産以外の、その他有形固定資産、投資有価証券等の投資その他の資産についても、市場環境や経営環境等の変化により減損処理の必要が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 個人情報等の漏洩等のリスクについて
当社グループは、多数のお客様の個人情報をお預かりしております。個人情報保護につきましては「個人情報保護規程」を制定し全社的な対策を継続的に実施しておりますが、万一個人情報の漏洩等が発生した場合には、信用を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ カントリーリスクについて
当社グループでは、現在シンガポール、アメリカ、ベトナム等に子会社を設置し、一部海外エリアでの事業展開を行っております。当社グループは当社本社に海外事業室を設置し、事業展開を行う各国の経済・社会・政治情勢および法規制の動向について情報収集と対応の統括を行っておりますが、これらの国々でテロ活動、軍事クーデター、大規模な騒乱、法制度の大幅な変化等が生じた場合、業務執行に影響が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑨ 訴訟に関するリスクについて
当社グループでは、現段階において業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社グループの販売する住宅、不動産において、契約不適合(瑕疵)等の発生、または工事期間中における近隣からの様々なクレーム等が発生した場合、これらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。当社グループでは、施工に関したお客様の満足度を高めるために徹底した品質管理に努めておりますが、重大な訴訟等が発生した場合には、当該状況に対応するために多額の費用が発生するとともに、当社グループの信用を大きく毀損する虞もあり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 大規模感染症等が及ぼす影響について
2019年から世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症のように、当社グループのステークホルダーの健康が同時多発的に脅かされる事態が生じた場合、事業所の閉鎖やサプライチェーンの停止等、当社グループの企業活動が制限され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症への対策としては、当社グループは当社本社に対策本部を設置し、新型コロナウイルス感染症に関する情報収集並びに、同感染症の拡大および感染拡大に伴う影響を最小限に止めるための対応等に当たっております。
(1)経営成績等の状況の概要
1.財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響の緩和と社会経済活動の正常化が進む中、ゆるやかな持ち直しの動きがみられました。しかしながら、円安や物価高、長引くウクライナ情勢、海外における金融不安の台頭等、多くの懸念材料により先行き不透明な状況が続いています。
当社グループの属する住宅業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による戸建志向への高まりは落ち着いたものの、住宅税制優遇制度の継続や省エネ住宅への補助金制度等が追い風となり、需要は堅調に推移いたしました。一方、世界的なインフレによる原材料価格の上昇や調達難により、建築コストの上昇が続いております。
こうした事業環境のなか、当社グループにおきましては、引き続き、早期受注・早期着工・早期売上を目標に掲げ、地域特性に合わせた販売戦略を策定・実施するとともに、変化するお客様の価値観・行動様式に柔軟に対応していくことで、中核事業である注文住宅事業の収益基盤をより一層強化するとともに、各事業において収益力の向上に努めました。
その結果、当社グループの連結経営成績は、売上高256,065百万円(前年同期比6.4%増)となりました。利益につきましては営業利益13,264百万円(同11.5%増)、経常利益13,477百万円(同9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,715百万円(同5.2%増)となりました。
また、当社グループの当連結会計年度末における資産総額は、111,508百万円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。流動資産は、未成工事支出金の減少4,063百万円等があったものの、現金及び預金の増加852百万円、販売用不動産の増加7,376百万円、仕掛販売用不動産の増加1,818百万円などにより84,482百万円(同6.6%増)となりました。なお、現金及び現金同等物は「2.キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、34,323百万円(同2.5%増)となりました。また、固定資産は機械装置及び運搬具の増加などにより27,026百万円(同4.5%増)となりました。
負債総額は、76,593百万円(同3.3%増)となりました。流動負債は、未成工事受入金等の減少7,191百万円があったものの、支払手形・工事未払金等の増加1,929百万円、短期借入金の増加1,513百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加1,457百万円、未払費用の増加3,117百万円、未払法人税等の増加1,210百万円などにより69,023百万円(同5.5%増)となりました。固定負債は、長期借入金の減少などにより7,570百万(同13.1%減)となりました。
純資産は、配当金の支払3,663百万円、自己株式の取得1,000百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益8,715百万円の計上等により3,998百万円増加し、34,915百万円(同12.9%増)となりました。
2.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ852百万円増加し、当連結会計年度末には34,323百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、6,385百万円(前連結会計年度は4,580百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13,149百万円(同12,163百万円)、減価償却費1,993百万円(同1,615百万円)、未払費用の増加3,117百万円(同37百万円)、棚卸資産の増加4,753百万円(同8,472百万円)、仕入債務の増加1,929百万円(同1,219百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、2,626百万円(同1,992百万円)となりました。これは、新規支店の開設等の有形固定資産の取得による支出2,718百万円(同1,850百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、2,992百万円(同1,824百万円)となりました。これは、長期借入金の返済による支出2,401百万円(同837百万円)、自己株式の取得による支出1,000百万円(同450百万円)、配当金の支払額3,660百万円(同2,943百万円)等によるものであります。
3.生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)が営む住宅事業、不動産事業、金融事業、エネルギー事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 不動産事業、金融事業、エネルギー事業、その他事業では、受注活動を行っていないため記載しておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当連結会計年度の経営成績等)
当社グループの売上高は、注文住宅事業において、過年度から実施してきた価格改定による販売単価の上昇、戸建分譲事業における販売棟数の増加等により、256,065百万円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。利益面では、注文住宅事業における売上高増に加え、価格改定による利益率の改善効果等により、営業利益は13,264百万円(同11.5%増)、経常利益は13,477百万円(同9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、8,715百万円(同5.2%増)となりました。1株当たり当期純利益は298円41銭(前連結会計年度は282円25銭)となりました。
当社グループの中核をなす注文住宅事業は、受注棟数、販売棟数共に前期比で減少となったものの、従前からの価格改定効果の浸透により増収増益となりました。今後も価格改定効果に加え、引渡棟数の増加等に伴い増収増益が見込まれます。また、事業全体としても、増収増益となり最高収益を達成しました。注文住宅事業を中心に戸建分譲事業及びリフォーム事業の収益基盤の強化を図ってきたことによる収益力向上の成果が十分に表れたものと捉えています。
セグメントごとの経営成績等の詳細は、「(3)セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析」に記載しているとおりであります。
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、不動産事業における販売用不動産取得があります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、注文住宅事業における展示場の新設および移転があります。当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入等を行っており、自己資本比率等の財務健全性指標を注視しながら、最適な選択を実施していきます。
なお、当連結会計年度における借入金及びリース債務等を含む有利子負債の残高は18,467百万円(前連結会計年度は16,765百万円)となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、34,323百万円となっております。
(3)セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析
(住宅事業)
住宅事業においては、注文住宅事業において、6ヶ所(うち移転5ヶ所)の出店を行い、営業拠点は245ヶ所になりました。また、モデルハウス、ショールームのリニューアルを38ヶ所において実施しました。過年度より続くコロナ禍における戸建住宅再評価の傾向は落ち着いたものの、当社の展開する戦略商品である地域限定商品及び期間限定商品を中心に受注は堅調に推移、1棟当たり販売単価については上昇傾向を維持し、利益率が改善したことにより増収増益となりました。
リフォーム事業においては、引き続き、入居後10年を経過したお客様を中心に、保証延長を目的とした保証延長工事及び入居後15年以上を経過したお客様への継続的な保証延長工事のご提案を行いました。また、住宅設備の経年劣化による交換需要の取り込み等のリフォーム受注活動を積極的に展開した結果、増収増益となりました。今後も、累計で16万棟を超える豊富なストック情報をもとにお客様との関係深化を図りつつ、築年数やお客様のニーズに応じた最適なリフォーム商品の提案と販売を進めてまいります。
以上の結果、当事業の売上高は201,708百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は8,935百万円(同69.5%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業においては、戸建分譲事業において、引き続き、資金回転率を重視した10区画以下の小規模分譲地を中心とした仕入、販売に取り組みました。土地情報を収集・厳選する専任組織の能力増強に努め、仕入強化の取り組みを進めた結果、受注・引渡とも好調に推移し、引渡棟数については1,247棟と前期比31.1%増加しました。しかしながら、原価・販売管理費等も増加したことにより増収減益となりました。今後とも戸建住宅の需要動向を注視しつつ、マーケットニーズに対応した良質な住宅の供給及び土地の仕入を一層強化することで、戸建分譲事業の確実な伸長を図っていく方針です。
マンション事業においては、マンションの販売及び中古マンションのリノベーション販売に取り組みました。当期は新規分譲プロジェクトの販売案件がなかったため、売上高、利益とも前期比で減少しました。
サブリース事業においては、東京23区内に所在する新規受託物件の獲得及び管理物件(期末管理物件数25棟)の稼働率の向上に注力しました。
オフィス区分所有権販売事業においては、保有物件の販売を進めるとともに、確実なオフィス需要の見込まれる東京主要5区を対象として仕入に取り組みました。
以上の結果、当事業の売上高は45,404百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益は2,637百万円(同43.9%減)となりました。
(金融事業)
金融事業においては、引き続き、当社で住宅を購入されるお客様への保険販売及びフラット35の利用促進に取り組みました。当社の住宅引渡棟数は堅調に推移しましたが、保険販売については、2022年10月からの火災保険制度改定による保険期間の短縮により、火災保険の手数料収入が減少しました。生命保険の販売については、一時払い保険商品の販売に意欲的に取り組みました。また、フラット35については、フラット35全体の利用率の低下傾向が続いており、当社においても利用が減少しました。
つなぎ融資については、その活動を消極化し、つなぎ資金の紹介による手数料ビジネスへのシフトの積極化を図りました。
以上の結果、当事業の売上高は1,144百万円(前年同期比22.9%減)、営業利益は232百万円(同62.7%減)となりました。
(エネルギー事業)
エネルギー事業においては、福岡県大牟田市で商業運転するメガソーラー発電施設の売電実績について、電力会社からの出力制御指示による出力制御は前年並みでしたが、天候の影響及び販売管理費増により、当事業の売上高は837百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は270百万円(同3.4%減)となりました。
(その他事業)
その他事業においては、住宅周辺事業を中心に増収増益となり、当事業の売上高は6,970百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益は1,126百万円(同17.1%増)となりました。
以上の結果、当社グループの連結経営成績は、売上高256,065百万円(前年同期比6.4%増)となりました。利益につきましては営業利益13,264百万円(同11.5%増)、経常利益13,477百万円(同9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,715百万円(同5.2%増)となりました。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
(1) 提出会社
2023年5月31日現在
(注) 1 「帳簿価額」は、建設仮勘定を除く有形固定資産の帳簿価額であります。
2 提出会社は住宅事業の他に不動産事業、金融事業及びその他事業を営んでいますが、大半の設備は住宅事業又は共通的に使用されていますので、セグメントごとに分類せず、主要な事業所ごとに一括して記載しております。
3 上記金額には、資産除去債務に対応する除去費用の資産計上額は含まれておりません。
4 一部の店舗における事務所用地および建物等について連結会社以外の者から賃借しており、当期の年間賃借料は3,443百万円であります。
5 建物のうち賃貸中の主なもの
2023年5月31日現在
(2) 国内子会社
2023年5月31日現在
(注) 1 「帳簿価額」は、建設仮勘定を除く有形固定資産の帳簿価額であります。
2 上記金額には、資産除去債務に対応する除去費用の資産計上額は含まれておりません。
3 タマリビング株式会社およびタマホーム有明メガソーラー合同会社は、事業用土地および事業用倉庫について連結会社以外の者から賃借しており、当期の年間賃借料は68百万円であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 自己株式の消却による減少
2023年5月31日現在
(注)自己株式467,446株は「個人その他」に4,674単元、「単元未満株式の状況」に46株含まれております。
2023年5月31日現在
(注) 1 上記のほか、自己株式が467,446株あります。
2 日本マスタートラスト信託銀行株式会社および株式会社日本カストディ銀行の信託業務に係る株式数は、当社として把握することができないため記載しておりません。
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、住宅の建築請負をはじめとして多分野にわたる総合的な事業展開を行っており、その報告セグメントは、事業領域を基礎とした製品・サービス別に「その他」の事業領域を除いた「住宅事業」「不動産事業」「金融事業」「エネルギー事業」の4つで構成しております。
「住宅事業」は、戸建住宅、集合住宅の建築請負、リフォームを行っております。「不動産事業」は、戸建分譲・マンションの開発・分譲、賃貸ビルのサブリース、オフィス区分所有権の販売等を行っております。「金融事業」は、火災保険、生命保険等の保険代理業、住宅購入者向けつなぎ融資を行っております。「エネルギー事業」は、メガソーラー発電施設の運営、経営を行っております。