株式会社オークファン
(注) 1.第14期の平均臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満のため、記載を省略しております。
2.過年度において不適切な会計処理が行われていたことが判明したため、第13期、第14期、第15期の数値は訂正後の決算数値を記載しております。また、過年度の決算訂正を行い、2023年1月31日に訂正報告書を提出しております。
(注) 1.第13期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益、株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー及びインターンのみ、人材会社からの派遣社員は除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。なお、第13期、第14期、第15期及び第16期の臨時従業員数は、その総数が従業員数の100分の10未満のため記載を省略しております。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所マザーズ市場におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであります。
4.過年度において不適切な会計処理が行われていたことが判明したため、第15期の数値は訂正後の決算数値を記載しております。また、過年度の決算訂正を行い、2023年1月31日に訂正報告書を提出しております。
当社代表取締役社長である武永修一は、大学時代から個人事業主としてインターネットオークション(以下、「オークション」といいます。)による商品の出品販売を行っておりましたが、売上高の拡大を機に、2004年4月、当社の前身となる株式会社デファクトスタンダード(以下、「同社」といいます。)を設立いたしました。同社では、オークション事業(オークションによる商品の出品販売)を主に行っておりましたが、2006年1月に、個人からオークション統計サイト(現「aucfan.com(オークファンドットコム)」)の営業を譲り受け、メディア事業としてオークションの価格比較・相場検索サイトの運営を開始いたしました。当社は、2007年6月に同社のメディア事業を新設分割することによって設立されております。
当社設立以降の主な沿革は以下のとおりであります。
近年における国内のBtoB卸売市場は300兆円規模と推定(※1)されており、非常に大きな市場にも関わらずEC化率は未だ32.3%(EDI(※2)による取引を含む)と、オンライン化されていないBtoB市場は200兆円以上あり、電話・FAX・展示会等による受発注取引が大半であるのが現状です。また、SDGs(※3)に始まり、世界中で廃棄ロス問題が大きくクローズアップされており、廃棄ロスは国内でも年間約22兆円規模(※4)に達すると試算しております。
この課題に対して、オークファングループは真正面から向き合い解決すべく、「RE-INFRA COMPANY」をコーポレートアイデンティティと定義しました。社会の様々な「RE」を統合した唯一無二のインフラを構築し、卸売市場におけるSMB(中小企業・個人事業主)を中心としたDX化・廃棄ロスの削減に取り組んでおります。
具体的には、創業来培った700億件を超える売買データとAI技術により商品の時価を可視化、価格と販路を最適化する在庫価値ソリューション、SMB(中小企業・個人事業主)を中心とした小売・流通業向けに流通を支援する商品流通プラットフォームを用いて、在庫流動化支援ソリューションを展開しております。
※1 経済産業省 2022年8月12日発表 電子商取引に関する市場調査、BtoB-EC市場規模の業種別内訳より推察
※2 電子的データ交換(Electronic Data Interchange)の略称。受注や発注、出荷や納品などの流通に関わる一連の取引を電子データでやりとりする仕組み
※3 Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。2015年に国連で採択された2030年までに達成すべき目標
※4 平成28年度法人企業統計(財務省)などを基に当社試算
これらに事業投資活動を行うインキュベーション事業を加え、当社グループでは「在庫価値ソリューション」、「商品流通プラットフォーム」、及び「インキュベーション」の大きく3つの区分で売上及び営業利益の計上を行っております。(※5)
※5 当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」をご参照ください。
「在庫価値ソリューション事業」は、データを基にAI技術を活用し在庫の価値を可視化することにより、企業が保有する在庫価値の可視化・最適化等を推進するソリューションを提供しております。主なサービスとしては当社が保有する流通相場データを活用した『aucfan.com(オークファンドットコム)』となり、主たる収益源は有料課金収入及びネット広告収入となります。その他、ネットショップ一元管理サービス『タテンポガイド』の提供、専門知識がなくても直感的に操作できるRPAツール『オークファンロボ』、副業・複業として物販ビジネスを行う事業主を対象とするスクール形式の副業支援サービス『good sellers(グッドセラーズ)』を提供しています。また、2022年8月からはAmazonセラー専用アプリ『Amacode(アマコード)』を事業譲受によりサービス提供を開始しています。
なお、在庫価値ソリューション事業における主要サービスの概要は以下の通りです。
在庫価値ソリューション事業の主要サービス一覧
aucfan.comの商品情報及び価格情報についてはサイト開設から2022年9月末時点で、約700億件を超えるデータを蓄積しており、一般会員(無料会員)数は1,000,592人、有料会員数は38,178人に至っております。また直近3年間の一般会員数(無料会員数)、有料会員数(※1)及び有料会員1人あたりの平均月額課金額の年次推移は以下のとおりとなります。
※1 オークファンプレミアム会員、オークファンプロPlus会員、オークファンライト会員の合計にて算出
『aucfan.com』関連の一般会員数(無料会員数)、有料会員数、有料会員1人あたりの平均月額課金額の推移
「商品流通プラットフォーム事業」は、企業の在庫・滞留商品等の流通を支援しており、オンライン及びオフラインにて複数のマーケットプレイスを運営しております。主なサービスとしては、BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』、滞留在庫・返品・型落ち品などの流動化支援を行う『NETSEAオークション(旧 ReValueBtoBモール)となります。主たる収益源は、NETSEAでは流通手数料収入及び有料課金収入、NETSEAオークションでは商品販売収入となります。
また、2022年4月より、大阪・船場を拠点とするオフラインの展示・商談会事業『OSR(オーエスアール)展示商談会』をM&Aにより提供を開始しています。OSR(オーエスアール)展示商談会の主たる収益源は、決済手数料収入及び出店料収入となります。
より具体的には『NETSEA』においては、在庫を保有するメーカー・卸(以下、「サプライヤー」といいます。)と幅広い商品の仕入れニーズを持つ小売店・卸(以下、「バイヤー」といいます。)をオンライン上でマッチングさせ、既存流通網ではアプローチできなかった新たな販路の提供を行っております。主な収益モデルは、流通金額の8~10%程度の流通手数料、及び本格的に販売強化を行うサプライヤーを対象とした有料課金メニューの提供であります。
『NETSEAオークション』においては、滞留在庫・返品・型落ち品等、サプライヤーの持つ在庫をインターネット上でのクローズドなオークションサイトにて、リユース事業者を中心とするバイヤーに販売を行っております。主な収益モデルは、商品売買における販売収益であります。
直近3年間の『NETSEA』及び『NETSEAオークション』の流通額(※1)は以下のとおりとなります。
※1 NETSEA流通額は注文後のキャンセルを勘案した流通額にて計算
「インキュベーション事業」は、事業投資及び投資先企業の支援を通じて、当社が中長期にわたり競合優位性を構築・維持していくための知見とネットワークを得ることを目的とした事業セグメントであります。主たる収益源は、営業投資有価証券の売却益、投資先企業へのコンサルティング収益となります。なお、当セグメントでは将来成長の基盤となる新規事業の開発等も実施しております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。



(注) 1.特定子会社に該当しております。
2.株式会社SynaBizについては、売上高(連結会社相互間の内部売上を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等は次の通りであります。
2022年9月30日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であります。
2.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(パートタイマー及びインターンのみ、人材会社からの派遣社員は除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2022年9月30日現在
(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であります。
2.臨時従業員数は、その総数が従業員数の100分の10未満のため記載を省略しております。
3.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。
4.従業員数が前事業年度末に比べ15名減少した要因は、主に自己都合退職と出向によるものであります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
近年における国内のBtoB卸売市場は300兆円規模と推定(※1)されており、非常に大きな市場にも関わらずEC化率は未だ32.3%(EDI(※2)による取引を含む)と、オンライン化されていないBtoB市場は200兆円以上あり、電話・FAX・展示会等による受発注取引が大半であるのが現状です。また、SDGs(※3)に始まり、世界中で廃棄ロス問題が大きくクローズアップされており、廃棄ロスは国内でも年間約22兆円規模(※4)に達すると試算しております。
この課題に対して、オークファングループは真正面から向き合い解決すべく、「RE-INFRA COMPANY」をコーポレートアイデンティティと定義しました。社会の様々な「RE」を統合した唯一無二のインフラを構築し、卸売市場におけるSMB(中小企業・個人事業主)を中心としたDX化・廃棄ロスの削減に取り組んでおります。
具体的には、創業来培った700億件を超える売買データとAI技術により商品の時価を可視化、価格と販路を最適化する在庫価値ソリューション、SMB(中小企業・個人事業主)を中心とした小売・流通業向けに流通を支援する商品流通プラットフォームを用いて、在庫流動化支援ソリューションを展開しております。
※1 経済産業省 2022年8月12日発表 電子商取引に関する市場調査より推察
※2 電子的データ交換(Electronic Data Interchange)の略称。受注や発注、出荷や納品などの流通に関わる一連の取引を電子データでやりとりする仕組み
※3 Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。2015年に国連で採択された2030年までに達成すべき目標
※4 平成28年度法人企業統計(財務省)などを基に当社試算
当社グループが対処すべき課題は、次のとおりです。
① 卸売市場のDX化
当社グループでは、オークション等価格比較メディア「オークファン(aucfan.com)」をはじめとする在庫価値ソリューション及びBtoBマーケットプレイス「NETSEA」をはじめとする商品流通プラットフォームの提供により、卸売市場におけるDX化を含む市場の発展を推進してまいりましたが、なお、卸売市場におけるDX化の遅れを再認しており、その推進が急務となっています。
そのため、当社グループでは、その強みがあるSMB(中小企業・個人事業主)向け事業への選択と集中を進め、更なるDX化の推進及び市場の発展のため、サービス及び利用者の拡大並びに利便性の向上を図ってまいります。
② システム技術・情報セキュリティの継続的な強化
当社グループの事業は、インターネット上でのサイト運営を中心としており、サービス提供に係るシステムを安全・安定に稼働させることが重要な課題であると認識しております。そのため、利用者数増加に伴う負荷分散や利用者満足度の向上を目的とした新規サービス・機能の開発等に備え、引き続き設備の先行投資を継続的に行ってまいります。
③ 多様な売買データの整備・拡充
当社グループが保有するネットオークション・ネットショッピングを中心とする約10年分の売買データは、分析・加工を経て当社グループユーザに利用されております。これらのデータは個人・法人を問わず、利用者の増加とともに、その利用方法も多岐にわたってきております。当社グループでは、これらのユーザニーズの多様化に応えられる分析ノウハウ・加工技術を加速度的に向上させるため、引き続き専門部署においてこれらのデータの整備を積極的に進めてまいります。
④ オフライン卸売市場への進出
当社は、2022年4月1日付で当社グループに加わったオーエスアールネット株式会社により、卸売市場におけるオンラインとオフラインの取引をシームレスにすることにより、当社グループでのGMV(流通額)の成長、並びにBtoB卸売市場におけるDX化を加速してまいります。
さらには当社の保有する売買データにオフラインの卸売データを取り込むことで、卸価格/小売価格、オンライン/オフラインの4象限において、最適な価格と販路の選択が可能になります。これにより、在庫流動化支援における流通インフラをデータ面でも強化することで、社会の課題である廃棄ロス削減に取り組んでまいります。
⑤ 内部管理統制機能の強化
当社は、2022年10月21日に適時開示しました「特別調査委員会の設置及び2022年9月期決算発表の延期に関するお知らせ」に記載しましたとおり、当社の連結完全子会社である株式会社SynaBizにおいて2022年9月期を含む複数事業年度に渡る取引等について、外部の専門家により構成される特別調査委員会による調査を実施し、2023年1月13日にその調査報告書を受領いたしました。調査の結果については、同日に公表しました「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」に記載のとおりでございます。
当社グループは、この調査の結果を真摯に受け止め、上場企業に相応しいコンプライアンス体制の構築を行ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループは、インターネットを活用したEC関連市場及びインターネットメディア事業を主たる事業領域としていることから、インターネットの急激な普及に伴う弊害の発生や利用に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因等によって、インターネット市場環境の変化があった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社はヤフー株式会社等が運営するインターネットオークション市場の商品情報及び価格情報の提供をユーザー向けに行っており、課金による収入を主たる事業としております。したがって、インターネットオークション市場運営者の動向により当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
インターネット業界は、技術革新や顧客ニーズの変化のサイクルが極めて早いことが特徴の一つであり、新たなテクノロジーを基盤としたサービスの新規参入が相次いで行われております。当社グループは、このような急速に変化する環境に柔軟に対応すべく、オープンソースを含む先端的なテクノロジーの知見やノウハウの蓄積、更には高度な技能を習得した優秀な技術者の採用を積極的に推進していく方針であります。
しかしながら、先端的なテクノロジーに関する知見やノウハウの蓄積、技術者の獲得に困難が生じる等、技術革新に関する適切な対応が遅れ、当社グループの技術的優位性やサービス競争力の低下を招いた場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、複数のマーケットプレイスの運営をしており、主たる収益はマーケットプレイスの収入であります。2022年9月期における売上高(6,256,378千円)に占める比率は47.2%(2,953,220千円)であり、マーケットプレイス収入への依存度が高い状況にあります。今後、新たな法的規制の導入や予期せぬ事象の発生等により、サイトの利便性の低下による利用者数の減少や、サイト運営が困難となった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、利用者のニーズに対応するため、当社グループが運営する各サイトの機能の拡充を進めております。
しかしながら、今後、有力コンテンツの導入や利用者のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充ができず利用者に対する訴求力が低下した場合には、サイト利用者数の減少により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが運営するサービスの利用者の多くは、特定の検索エンジンからの集客、又はインターネット広告からの訪問であり、今後も検索エンジンからの集客施策及びインターネット広告の配信を実施していく予定です。
しかしながら、検索結果を表示する検索エンジンのアルゴリズムが大幅に変更される等の事象が発生した場合、検索エンジンからのユーザー集客が減少すること及び適切なインターネット広告の配信が出来なくなる可能性が発生し、これらに対応するため追加的な費用等の発生や当社グループが運営する各サイトへの集客数が減少し、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの課金サービスについては、その利用料金の回収を回収代行業者に委託しております。当社は特定の回収代行業者に依存しているわけではありませんが、特にGMOペイメントゲートウェイ株式会社への委託が大きく、売上に占める割合も高くなっているため、今後取引条件等に変更があった場合、委託先のシステムトラブルにより決済に支障が生じた場合、委託先の経営状況や財政状態が悪化した場合、その他何らかの理由により委託先との取引関係が継続できない場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
『aucfan.com』において利用者に提供している価格等の商品情報及び価格情報は、各ECサイトから公開されている商品情報及び価格情報を整理統合し、統計学的補正を施したものです。当社では、各ECサイトとは良好な関係を築いており本書提出日現在当社との関係において問題はないと認識しておりますが、今後、各ECサイトの戦略方針の変更等何らかの理由により商品情報及び価格情報の取得が困難になる場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、インターネットメディア事業やEC事業を展開しておりますが、当該分野においては、大手企業を含む多くの企業が事業展開していることもあり、競合が現れる可能性があります。今後、十分な差別化や機能向上等が図られなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのサービス提供では、サーバーを経由して当社グループが運営するサイトの利用者にサイト機能やサービスを提供しております。また、サーバー運用に際しては、国内大手データセンターへホスティングを中心とした業務を外部に委託するとともに、クラウド上のサーバーを併用しております。
しかしながら、自然災害、火災、コンピュータウィルス、通信トラブル、第三者による不正行為、サーバーへの過剰負荷、人為的ミス等あらゆる原因によりサーバー及びシステムが正常に稼働できなくなった場合、あるいは当社グループが過去に蓄積してきた商品情報及び価格情報が消失した場合、当社グループのサービスが停止する可能性があります。
当社グループでは上記のような場合に備え、当社内においても商品情報及び価格情報を保存しており、当社及びデータセンターで保存することで対策を図っております。
当社グループでは上記のような対策を行っておりますが、それにもかかわらず何らかのシステム障害・通信トラブルにより当社グループのサービスが停止した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、今後の利用者数及びアクセス数の拡大に備え、継続的なサーバー等のシステムインフラへの設備投資が必要であると認識しております。設備投資によりシステムインフラを増加したものの、想定していた利用者数及びアクセス数を下回った場合には、稼働率の低下となり、減価償却費等の費用の増加を吸収できず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、インターネット上の事業展開において各種法的規制等を受けており、その主な内容は以下のとおりであります。
同法におけるアクセス管理者として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。
営利団体等が、個人(送信に同意した者等を除く。)に対し、広告・宣伝の手段として電子メールを送信する場合に、一定の事項を表示する義務等が課されております。当社グループは、会員向けメールマガジン等の配信においては、その送信につき事前に同意した会員等に対してのみ配信する方針を取っております。
当社グループの事業に関わる法的規制として、消費者保護に関して「特定商取引に関する法律」があり、規制を受けております。
同法における関係事業者の責務として、青少年有害情報の閲覧をする機会をできるだけ少なくするための措置を講ずるとともに、青少年のインターネットを適切に活用する能力の習得に資するための措置を講ずるよう努めることが課せられております。
上記以外にも、一般消費者を対象とした「消費者契約法」の適用を受けるほか、有料会員の募集及び広告の取扱いに際して「不当景品類及び不当表示防止法」の適用を受けております。
近年、インターネット上のトラブル等への対応として、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されている状況にあり、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等による規制や既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの事業が制約を受ける可能性があり、その場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業運営に際して、当社グループのサービスを利用する会員にIDの登録を依頼しており、当社グループのデータベースサーバーには、個人情報がデータとして蓄積されております。
これらの情報については、当社グループにおいて守秘義務があります。このため当社においては個人情報の保護の徹底を図るべく、個人情報に関する個人情報管理基本規程を作成し、当社が取得・保有する個人情報の取扱方法、個人情報データベースへのアクセス制限及びアクセスログの管理について定めるとともにISMSの取得を行うなど、個人情報の漏出を防止するための方策を実施しております。具体的には、当社が知り得た情報については、当社のシステム部門を中心に、データへアクセスできる人数の制限等の漏洩防止策が講じられております。
しかしながら、当社が実施している上記方策にもかかわらず、当社からの個人情報の漏出を永久かつ完全に防止できるという保証はありません。
今後、当社グループの保有する個人情報データベースへの不正侵入や人為的ミス等を原因として、当社グループが保有する個人情報が万が一社外に漏出した場合には、当社グループの風評の低下による当社グループを経由した売買件数及び会員数の減少、当該個人からの損害賠償請求等を招く可能性があり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、知的財産権の保護をコンプライアンスの観点から重要な課題であると認識しております。
当社では管理部門である経営管理部により、知的財産権の管理体制を強化しておりますが、当社グループの知的財産権が侵害された場合、解決までに多くの時間及び費用が発生する等、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの属する市場がさらに成長し、ITの進展とあいまって、事業活動が複雑多様化するにつれ、競合も進み、知的財産権をめぐる紛争件数が増加する可能性があります。このような場合、当社グループが第三者の知的財産権等を侵害したことによる損害賠償請求や差止請求、又は当社グループに対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは小規模組織であり、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制となっております。このため、業容拡大に応じた人員を確保できず役職員による業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいて優秀な人材の確保、育成及び定着は今後の業容拡大のための重要課題であります。新入社員及び中途入社社員に対する研修の実施をはじめ、リーダー層となる中堅社員への幹部教育を通じ、将来を担う優秀な人材の確保・育成に努め、社内研修等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、必要な人材を採用できない場合、また採用し育成した役職員が当社の事業に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が社外流出した場合には、優秀な人材の確保に支障をきたし、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は2007年6月に設立され、未だ業歴が浅く成長途上にあります。したがって過去の財務情報だけでは今後の事業及び業績を予測するうえで十分な判断を提供しているとは言えない可能性があります。
当社代表取締役である武永修一は、事業の立案や実行等会社運営において重要な役割を果たしております。当社グループといたしましては、同氏に過度に依存しない事業体制の構築を目指し、人材の育成及び強化に注力しておりますが、今後不慮の事故等何らかの理由により同氏が当社の業務を執行することが困難になった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが展開する事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の悪影響を即時かつ直接的に受けることは極めて限定的であり、本書提出日現在、事業及び業績に大きな影響を及ぼす事項はございません。しかしながら新型コロナウイルス感染症の終息時期は依然として不透明であり、最終的な影響については予測が非常に困難であること、世界経済がより深刻な状況へ悪化した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の調達資金の使途については、主に運営するBtoBサイトにおける仕入れ、プロモーション活動等による広告宣伝費、データ・ユーザー数増加のためのサーバー機器等の増設、サイト機能向上のためのソフトウエア開発、及び事業の拡大にかかる人材採用費等に充当する計画となっております。しかしながら、インターネット関連業界その他事業環境の変化に対応するために、調達した資金が計画どおり使用されない可能性があります。また、計画どおりに使用された場合でも、想定どおりの効果を得られず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、利益配分につきましては、経営成績及び財政状態を勘案して、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。しかしながら、当社は本書提出日現在、成長過程にあり、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先して、創業以来2022年9月期まで無配当としてまいりました。
現在は内部留保の充実に努めておりますが、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を実施する方針であります。ただし、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
当社グループは、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。
これらの新株予約権が行使された場合には、当社グループの1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは今後も新株予約権の付与を行う可能性があり、この場合、さらに1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
また、2019年11月28日開催の取締役会において、当社取締役(社外取締役を除く)、当社執行役員及び従業員並びに当社子会社の取締役、執行役員及び従業員に対して譲渡制限付株式報酬制度を導入することを決議いたしました。
譲渡制限付株式報酬制度は、現時点において株式を割当てておりませんが、これらの株式が新株式発行により付与された場合、ストックオプション制度と同様に当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日の前月末(2022年12月31日)現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、329,100株であり、発行済株式総数10,813,700株の3.0%に相当します。新株予約権の詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
近年における国内のBtoB卸売市場は300兆円規模と推定(※1)されており、非常に大きな市場にも関わらずEC化率は未だ32.3%(EDI(※2)による取引を含む)と、オンライン化されていないBtoB市場は200兆円以上あり、電話・FAX・展示会等による受発注取引が大半であるのが現状です。また、SDGs(※3)に始まり、世界中で廃棄ロス問題が大きくクローズアップされており、廃棄ロスは国内でも年間約22兆円規模(※4)に達すると試算しております。
この課題に対して、オークファングループは真正面から向き合い解決すべく、「RE-INFRA COMPANY」をコーポレートアイデンティティと定義しました。社会の様々な「RE」を統合した唯一無二のインフラを構築し、卸売市場におけるSMB(中小企業・個人事業主)を中心としたDX化・廃棄ロスの削減に取り組んでおります。
具体的には、創業来培った700億件を超える売買データとAI技術により商品の時価を可視化、価格と販路を最適化する在庫価値ソリューション、SMB(中小企業・個人事業主)を中心とした小売・流通業向けに流通を支援する商品流通プラットフォームを用いて、在庫流動化支援ソリューションを展開しております。
当連結会計年度では、商品流通プラットフォーム事業の中核であるNETSEA、NETSEオークションがコロナ特需後もGMV(流通額)の高成長を続け、今後も成長が見込まれることを考え、事業の選択と集中並びに注力事業への先行投資を実施いたしました。
「在庫価値ソリューション事業」は、データを基にAI技術を活用し在庫の価値を可視化することにより、企業が保有する在庫価値の可視化・最適化等を推進するソリューションを提供しております。主なサービスとしては当社が保有する流通相場データを活用した『aucfan.com(オークファンドットコム)』となり、主たる収益源は有料課金収入及びネット広告収入となります。その他、ネットショップ一元管理サービス『タテンポガイド』の提供、専門知識がなくても直感的に操作できるRPAツール『オークファンロボ』、副業・複業として物販ビジネスを行なう事業主を対象とするスクール形式の副業支援サービス『good sellers(グッドセラーズ)』を提供しています。また、2022年8月からはAmazonセラー専用アプリ『Amacode(アマコード)』を事業譲受によりサービス提供を開始しています。
これらの結果、売上高2,370,400千円(前年同期比2.5%増)、営業利益494,828千円(前年同期比33.9%増)となりました。
「商品流通プラットフォーム事業」は、企業の在庫・滞留商品等の流通を支援しており、オンライン及びオフラインにて複数のマーケットプレイスを運営しております。主なサービスとしては、BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』、滞留在庫・返品・型落ち品などの流動化支援を行う『NETSEAオークション(旧 ReValueBtoBモール)』がございます。主たる収益源は、NETSEAでは流通手数料収入及び有料課金収入、NETSEAオークションでは商品販売収入となります。
また、2022年4月より、大阪・船場を拠点とするオフラインの展示・商談会事業『OSR(オーエスアール)展示商談会』をM&Aにより提供を開始しています。OSR(オーエスアール)展示商談会の主たる収益源は、決済手数料収入及び出店料収入となります。
『NETSEA(ネッシー)』及び『NETSEAオークション(旧 ReValueBtoBモール)』を中心として、流通量・利用者の増加が好調に推移しており、さらなる流通額最大化を狙った営業・開発体制の強化及びプロモーションを継続的に実施しております。
また、非注力事業である法人向け卸販売取引における債権を保守的に再評価し、回収見込みが不確定な債権を貸倒引当金として繰入計上しております。
これらの結果、売上高2,953,220千円(前年同期比35.2%減)、営業損失521,320千円(前年同期は287,423千円の営業損失)となりました。
「インキュベーション事業」は、事業投資及び投資先企業の支援を通じて、当社が中長期にわたり競合優位性を構築・維持していくための知見とネットワークを得ることを目的とした事業セグメントであります。主たる収益源は、営業投資有価証券の売却益、投資先企業へのコンサルティング収益となります。なお、当セグメントでは将来成長の基盤となる新規事業の開発等も実施しております。営業投資有価証券の売却及び投資先企業へのコンサルティング等を実施した結果、売上高1,101,150千円(前年同期比35.1%減)、営業利益796,189千円(前年同期比8.7%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は6,256,378千円(前年同期比25.4%減)、営業利益は322,236千円(前年同期比44.3%減)、経常利益は312,394千円(前年同期比49.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は56,501千円(前年同期比68.2%減)となりました。当連結会計年度の自己資本当期純利益率に関しましては1.1%(前年同期比1.5ポイント減)となりました。
※1 経済産業省 2022年8月12日発表 電子商取引に関する市場調査、BtoB-EC市場規模の業種別内訳より推察
※2 電子的データ交換(Electronic Data Interchange)の略称。受注や発注、出荷や納品などの流通に関わる一連の取引を電子データでやりとりする仕組み
※3 Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。2015年に国連で採択された2030年までに達成すべき目標
※4 平成28年度法人企業統計(財務省)などを基に当社試算
※5 当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」をご参照ください。
資産の部
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、6,443,928千円(前連結会計年度末は7,638,182千円)となりました。主な要因といたしましては、現金及び預金が736,179千円増加、未収入金が322,588千円増加、貸倒引当金が238,845千円減少、売掛金が358,012千円減少、商品が201,108千円減少、投資先株式の時価評価等により営業投資有価証券が1,595,651千円減少、その他(流動資産)が337,381千円減少した結果であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、906,094千円(前連結会計年度末は849,102千円)となりました。主な要因といたしましては、ソフトウエアが40,395千円増加、ソフトウエア仮勘定が130,709千円増加、破産更生債権等が298,303千円増加、長期未収入金が378,647千円増加、貸倒引当金が657,942千円増加、のれんが101,168千円減少、繰延税金資産が33,315千円減少した結果であります。
負債の部
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、2,595,197千円(前連結会計年度末は2,241,972千円)となりました。主な要因といたしましては、未払金が214,930千円増加、未払法人税等が139,226千円増加、買掛金が41,720千円増加、短期借入金が100,000千円増加、1年内返済長期借入金が108,223千円減少した結果であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、197,739千円(前連結会計年度末は787,270千円)となりました。主な要因といたしましては、投資先株式の時価評価により繰延税金負債が404,657千円減少、長期借入金が211,753千円減少した結果であります。
純資産の部
当連結会計年度末における純資産は、4,557,085千円(前連結会計年度末は5,458,041千円)となりました。主な要因といたしましては、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が89,600千円増加、利益剰余金が56,501千円増加、投資先株式の時価評価によりその他有価証券評価差額金が1,132,600千円減少した結果であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より736,179千円増加し、3,833,053千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益401,908千円、減価償却費161,080千円、売上債権の減少額360,614千円、棚卸資産の減少額201,881千円、貸倒引当金の増加額418,631千円などの計上に対し、負ののれん発生益85,910千円、長期未収入金の増加額378,647千円、未払金の減少額88,952千円により営業活動の結果獲得した資金は1,079,054千円(前年同期は1,125,821千円の獲得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
貸付金の回収による収入9,965千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入21,213千円などの計上に対し、無形固定資産の取得による支出303,033千円、関係会社出資金の払込による支出13,400千円などにより、投資活動の結果使用した資金は263,404千円(前年同期は276,757千円の使用)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の返済による支出300,000千円、長期借入金の返済による支出319,976千円などの計上に対し、短期借入金による収入360,000千円、新株予約権の行使による株式発行による収入178,818千円などにより、財務活動の結果使用した資金は82,975千円(前年同期は456,389千円の使用)となりました。
なお、当社グループの運転資金及び設備投資資金は自己資金並びに借入金等により充当しております。当連結会計年度末の有利子負債残高は1,482,612千円となり、前連結会計年度末に比べ221,793千円減少しており、自己資本比率は62.0%と依然として高い水準を維持しております。
資金の流動性に関しましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は3,833,053千円と十分な流動性を確保しております。
当社グループの主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
当社グループでは概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
2.営業投資有価証券の売却による売上金額を記載しております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における売上高は6,256,378千円(前年同期比25.4%減)、営業利益は322,236千円(前年同期比44.3%減)、経常利益は312,394千円(前年同期比49.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は56,501千円(前年同期比68.2%減)となりました。
なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
当社グループにおける運転資金需要の主なものは、仕入費用、販売費及び一般管理費の営業費用による営業資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達となります。
当社グループの事業に関連するEC市場規模については、好調な拡大が今後も継続的に見込まれるものと思われます。近年における国内のBtoB卸売市場は300兆円規模と推定(※1)されており、非常に大きな市場にも関わらずEC化率は未だ32.3%(EDI(※2)による取引を含む)と、オンライン化されていないBtoB市場は200兆円以上あり、電話・FAX・展示会等による受発注取引が大半であるのが現状です。また、SDGs(※3)に始まり、世界中で廃棄ロス問題が大きくクローズアップされており、廃棄ロスは国内でも年間約22兆円規模(※4)に達すると試算しております。
2022年9月期においては、巨大な卸売市場において圧倒的な地位を確立するため、SMB(中小企業/個人事業主)をターゲットとする「NETSEA」、「NETSEAオークション」「aucfan」を注力事業とし、商品流通プラットフォーム事業ではGMV(流通額)及び売上総利益、在庫価値ソリューション事業ではARR(課金額)及び売上総利益を重要指標として定め、事業を推進してまいりました。
重要指標のさらなる成長に向け、商品流通プラットフォームでは2022年4月より新たに大阪・船場を拠点とするオフラインの展示・商談会事業『OSR(オーエスアール)展示商談会』、在庫価値ソリューション事業では2022年8月よりはAmazonセラー専用アプリ『Amacode(アマコード)』を事業譲受によりサービスの提供を開始しています。
今後もサプライヤー成長コンサルティング、海外バイヤーとの連携による新市場の開拓、物流や決済関連業務の提供、グループ間シナジーの強化及び在庫流動化ソリューションサービスの提供により、更なる成長を図ります。また、創業来オークファンが蓄積し続けてきた膨大な商品実売データも活用し、企業のもつ滞留在庫・余剰在庫の価値を可視化し、より積極的に市場再流通を促すことで、当社グループ経由の流通額の拡大を図ってまいります。
商品流通プラットフォームにおきましては各サービスにおける流通高の増加をKPIとしており、掲載商品数の増加(サプライヤーの開拓)を図るべく各種プロモーション強化施策を展開することにより、更なる成長を図ります。
在庫価値ソリューション領域におけるメディア『aucfan.com』においてはUV(ユニーク・ビジター)及び会員数がKPIであります。今後も引き続きプロモーション強化施策、SEO対策、ECサイト各社とのアライアンス強化などによるユーザー(オークファンプロPlus会員数含む)の拡大、運営ノウハウの提供により更なる成長を図ります。
各種商品関連データ蓄積においては、取得件数と対応マーケットプレイス数がKPIであります。今後も引き続きクローリング/スクレイピング技術、データマイニング技術、機械学習などを活かした分析ツールの提供により、更なる成長を図ります。
インキュベーション領域では投資利回り及び情報収集がKPIであります。今後もベンチャー企業を中心とした投資を進めるとともに、当社グループを取り巻く市場環境の最新テクノロジー等の情報を収集してまいります。
当社グループは「RE-INFRA COMPANY」をコーポレートアイデンティティとし、社会の様々な「RE」を統合した唯一無二のインフラを構築していくという考えのもと、事業を推進しております。「RE」とは、すでにあるものを捉え直し、より良く組み替え、再構成するという意味を含んでおり、当社グループは「RE」に関する様々な機能を繋げ統合することで、モノとそれに関わるヒトの価値を、再配分・最適配分し、廃棄ロスという深刻な社会問題を解決することにより、当社グループのサービス利用者及び顧客の満足度向上を図り、企業価値・株主価値の向上を目指しております。
※1 経済産業省 2022年8月12日発表 電子商取引に関する市場調査、BtoB-EC市場規模の業種別内訳より推察
※2 電子的データ交換(Electronic Data Interchange)の略称。受注や発注、出荷や納品などの流通に関わる一連の取引を電子データでやりとりする仕組み
※3 Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。2015年に国連で採択された2030年までに達成すべき目標
※4 平成28年度法人企業統計(財務省)などを基に当社試算
該当事項はありません。
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.本社及びデータセンターは全て賃借物件であり、賃借料 169,236千円であります。
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.㈱SynaBizの本社、データセンター及び倉庫は全て賃借物件であり、賃借料 64,218千円であります。
3.㈱オークファンパートナーズの事業所は全て賃借物件であり、賃借料 2,695千円であります。
4.大阪船場流通マート㈱の本社は全て賃借物件であり、賃借料 13,188千円であります。
(注) 「提出日現在発行数」欄には、2023年1月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
当社は、ストック・オプション制度を採用しております。当該制度は、会社法の規定に基づき新株予約権を発行する方法によるものであり、当該制度の内容は、以下のとおりであります。
※ 当事業年度の末日(2022年9月30日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2022年12月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注) 1.新株予約権の割当日以降に当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、株式分割又は株式併合の効力発生の時をもって次の算式により目的となる株式数(以下「付与株式数」という。)を調整し、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする。なお、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていないものについてのみ行われるものとする。
調整後株式数=調整前株式数×分割又は併合の比率
また、新株予約権割当日以降に当社が時価を下回る価額での新株の発行もしくは自己株式の処分(ただし、新株予約権の行使により新株を発行又は自己株式を処分する場合を除く。)、合併、会社分割又は株式無償割当を行う場合等、付与株式数の変更をすることが適切な場合は、当社は必要と認める調整を行うものとする。
2.新株予約権の数及び新株予約権の目的となる株式数は、取締役会決議における新株発行予定数から、退職等により権利を喪失した者の新株予約権の数を減じている。
3.新株予約権の割当日以降に下記の事由が生じた場合は、行使価額を調整するものとする。
① 当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、次の算式によりその時点における行使価額を調整し、調整の結果生じる1円未満の端数は切り上げるものとする。
② 当社がその時点における時価を下回る価額で新株の発行又は当社が保有する自己株式の処分(ただし、新株予約権の行使により新株を発行又は自己株式を処分する場合を除く。)を行う場合は、次の算式によりその時点における行使価額を調整し、調整の結果生じる1円未満の端数は切り上げるものとする。
上記算式において、「既発行株式数」とは当社の発行済普通株式総数から当社の自己株式数を控除した数とし、また、自己株式の処分を行う場合には「新発行株式数」を「処分する自己株式数」、「新株式発行前」を「自己株式処分前」と読み替えるものとする。さらに、当社が合併等を行う場合、株式の無償割当を行う場合、その他上記の行使価額の調整を必要とする場合には、合併等の条件、株式の無償割当の条件等を勘案のうえ、合理的な範囲内で行使価額を調整するものとする。
4.当社が、合併(合併により当社が消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以下総称して「組織再編行為」という。)をする場合、それぞれの場合につき、組織再編行為の効力発生の時点において残存する本新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、合併後存続する株式会社、合併により設立する株式会社、吸収分割をする株式会社がその事業に関して有する権利義務の全部もしくは一部を承継する株式会社、新設分割により設立する株式会社、株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する株式会社、又は、株式移転により設立する株式会社(以下総称して「再編対象会社」という。)の新株予約権を、次の条件にて交付するものとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅するものとする。ただし、次の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を定めた吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画が、当社株主総会において承認された場合に限るものとする。
① 交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
② 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
③ 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案のうえ、目的である株式数につき合理的な調整がなされた数(以下「承継後株式数」という。)とする。ただし、調整により生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
④ 新株予約権を行使することのできる期間
新株予約権を行使することのできる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から、新株予約権を行使することのできる期間の満了日までとする。
⑤ 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。また、この場合、増加する資本準備金の額は、上記の資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額とする。
⑥ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
上記「新株予約権の行使時の払込金額」及び(注)3に準じて決定する。
⑦ その他の新株予約権の行使条件並びに新株予約権の取得事由
上記「新株予約権の行使の条件」及び当社と新株予約権者との間で締結する新株予約権割当契約に定める条件に準じて決定する。
⑧ 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の承認を要する。
⑨ 新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に1株に満たない端数がある場合には、これを切り捨てるものとする。
該当事項はありません。
(注) 新株予約権の権利行使による増加であります。
(注) 自己株式216,990株は、「個人その他」に2,169単元、「単元未満株式の状況」に90株含めて記載しております。
2022年9月30日現在
(注) 1.上記のほか当社所有の自己株式216,990株があります。
2.上記大株主の状況に記載のS173株式会社は、当社代表取締役社長武永修一が全株式を保有する資産管理会社であります。
3.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、「在庫価値ソリューション事業」、「商品流通プラットフォーム事業」及び「インキュベーション事業」の3つを報告セグメントとしております。
なお、当連結会計年度より、事業の選択と集中を実施したことによる組織再編に伴って、商品流通プラットフォーム事業として区分しておりました当社のスクール形式の副業支援サービス『good sellers(グッドセラーズ)』は、主として在庫価値ソリューション事業の顧客に対するサービスを業績測定の要素として再構築したことから、区分を在庫価値ソリューション事業に変更しております。また、インキュベーション事業として区分しておりました株式会社承知しましたの提供するコンサルティングサービスは、株式会社承知しましたを前期末に当社に吸収合併したことにより、主に在庫価値ソリューション事業の顧客に対してサービスを提供することとしたため、区分を在庫価値ソリューション事業に変更しております。
そのため、前連結会計年度のセグメント情報については、報告セグメント変更後の数値に組み替えて比較を行っております。
各セグメントに属するサービスの内容は、以下のとおりであります。
当社が保有する流通相場データを活用した『aucfan.com(オークファンドットコム)』、ネットショップ一元管理サービス『タテンポガイド』、専門知識がなくても直感的に操作できるRPAツール『オークファンロボ』、副業・複業として物販ビジネスを行う事業主を対象とするスクール形式の副業支援サービス『good sellers(グッドセラーズ)』、Amazonセラー専用アプリ『Amacode(アマコード)』等
BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』、滞留在庫・返品・型落ち品などの流動化支援サービス『NETSEAオークション』、大阪・船場を拠点とするオフラインの展示・商談会事業『OSR(オーエスアール)展示商談会』等
上記事業と関連性の高い事業への投資実行(キャピタルゲイン)及び同事業へのコンサルティングサービスの提供等