株式会社クロス・マーケティンググループ
Cross Marketing Group Inc.
新宿区西新宿三丁目20番2号
証券コード:36750
業界:情報・通信業
有価証券報告書の提出日:2023年9月28日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第6期

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

売上高

(千円)

17,491,889

18,579,655

15,984,695

10,758,334

24,899,126

25,094,322

経常利益

(千円)

839,739

1,149,812

1,078,441

1,047,747

2,497,995

1,879,633

親会社株主に帰属する
当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

506,644

477,398

466,789

540,026

1,559,419

1,007,009

包括利益

(千円)

395,946

527,227

403,330

491,772

1,760,218

1,109,194

純資産額

(千円)

3,899,839

3,419,832

3,593,901

4,339,135

6,135,518

6,088,772

総資産額

(千円)

10,429,198

9,926,981

11,416,430

11,775,428

13,133,240

14,308,489

1株当たり純資産額

(円)

193.79

166.19

179.58

204.27

291.24

312.99

1株当たり当期純利益
金額又は1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

25.92

24.12

23.67

27.50

79.07

51.00

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益
金額

(円)

25.72

27.42

78.29

50.57

自己資本比率

(%)

36.3

33.4

30.9

34.0

43.9

42.0

自己資本利益率

(%)

14.0

13.6

14.3

31.9

17.1

株価収益率

(倍)

12.8

15.3

25.0

9.6

16.3

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

1,035,175

637,079

1,637,715

1,046,147

1,950,990

1,796,032

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

350,935

302,439

366,417

291,722

900,092

901,601

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

98,672

222,475

1,272,096

1,471,251

777,291

27,498

現金及び現金同等物の
期末残高

(千円)

2,604,594

2,713,732

5,218,493

5,139,697

5,503,808

6,477,820

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(人)

1,575

1,324

1,082

1,116

1,181

1,269

(470)

(542)

(184)

(238)

(260)

(261)

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、第7期については1株当たり当期純損失であり、また、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため、第8期については希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

2.第7期の自己資本利益率及び株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため記載しておりません。

3.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第7期の期首から適用しており、第6期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。

4.2021年3月25日開催の第8期定時株主総会決議により、決算期を12月31日から6月30日に変更しました。従って、第9期は2021年1月1日から2021年6月30日の6ケ月間となっております。

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第10期の期首から適用しており、第10期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第6期

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

営業収益

(千円)

2,478,054

3,788,109

1,993,466

1,094,856

2,686,968

2,857,639

経常利益

(千円)

836,977

2,260,795

265,704

107,385

587,737

645,739

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

663,427

377,261

60,841

158,915

304,039

379,810

資本金

(千円)

570,130

646,709

646,709

646,709

646,709

646,709

発行済株式総数

(千株)

19,562

19,970

19,970

19,970

19,970

19,970

純資産額

(千円)

3,831,039

3,489,678

3,322,211

3,095,885

3,424,389

3,150,867

総資産額

(千円)

7,024,268

6,362,603

7,925,918

6,373,278

6,223,309

7,210,856

1株当たり純資産額

(円)

195.33

174.47

169.07

157.97

172.94

164.21

1株当たり配当額
(うち1株当たり
中間配当額)

(円)

5.50

6.00

6.20

4.00

9.60

12.00

(2.50)

(3.00)

(3.10)

(―)

(4.30)

(6.00)

1株当たり当期純利益
金額又は1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

33.93

19.06

3.09

8.09

15.42

19.23

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益
金額

(円)

33.67

15.26

19.07

自己資本比率

(%)

54.4

54.7

41.9

48.6

55.0

43.7

自己資本利益率

(%)

18.8

1.8

9.3

11.6

株価収益率

(倍)

9.8

117.2

49.1

43.2

配当性向

(%)

16.2

200.6

62.3

62.4

従業員数

(外、平均臨時雇用者数)

(人)

84

81

85

90

94

100

(12)

(13)

(10)

(11)

(10)

( 6)

株主総利回り

(%)

60.5

69.9

67.8

126.7

140.8

156.0

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(84.0)

(99.3)

(106.6)

(116.1)

(114.4)

(143.8)

最高株価

(円)

763

452

439

773

1,330

983

最低株価

(円)

299

296

210

349

550

597

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、第7期については1株当たり当期純損失であり、また、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため、第8期については希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため、第9期については潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

2.第7期及び第9期の自己資本利益率、株価収益率及び配当性向については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。

3.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所(2022年4月1日までは市場第一部、2022年4月4日以降はプライム市場)におけるものであります。

4.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第7期の期首から適用しており、第6期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。

5.2021年3月25日開催の第8期定時株主総会決議により、決算期を12月31日から6月30日に変更しました。従って、第9期は2021年1月1日から2021年6月30日の6ケ月間となっており、期末配当のみ実施しております。

6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第10期の期首から適用しており、第10期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

2 【沿革】

単独株式移転により当社の子会社となった㈱クロス・マーケティングの沿革も含め、当社グループの沿革は次のとおりであります。

(参考:2013年6月までは㈱クロス・マーケティング(株式移転完全子会社)の沿革)

年月

事項

2003年4月

インターネットを用いたリサーチ事業を目的として、東京都渋谷区において会社設立(資本金1,000万円)

2003年10月

㈱アクシブドットコム(現:㈱CARTA HOLDINGS)と、アンケートモニター募集に関して業務提携

2004年1月

本社を東京都中央区銀座に移転

2004年9月

(財)日本情報処理開発協会が運用する「プライバシーマーク制度」に基づくプライバシーマーク認定事業者となる[認定番号]A820271(01)

2006年3月

簡易集計アプリケーション「REAL CROSS」を提供開始

2006年4月

ブランド名「research.jp」を冠してのネットリサーチサービス提供を開始

2006年5月

2003年10月の㈱アクシブドットコム(現:㈱CARTA HOLDINGS)との業務提携を発展的に解消し、新たに㈱ECナビ(現:㈱CARTA HOLDINGS)及びその子会社㈱リサーチパネル(現持分法適用関連会社)と資本提携、業務提携

2007年3月

㈱電通リサーチ(現:㈱電通マクロミルインサイト)及び㈱ビデオリサーチと資本提携

2008年1月

顧客が独自に調査結果のデータ集計、グラフ作成等を実行できる簡易集計アプリケーション「REAL CROSS 2」の提供開始

2008年10月

東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場

2009年10月

オンライン集計・分析ツール「research.jp」を提供開始

2010年9月

北海道岩見沢市にデータセンター開設

2011年1月

大阪市中央区に西日本営業所開設

2011年2月

楽天リサーチ㈱(現:楽天インサイト㈱)とモニターデータベースの共同開発に向け業務提携

2011年5月

新アンケートシステム「Pyxis2」運用開始

2011年8月

㈱インデックスよりモバイル向けソリューション事業の一部を譲受け、㈱クロス・コミュニケーション(現連結子会社)が営業開始

2012年2月

Cross Marketing China Inc.(現:Kadence International Inc.(China)、現連結子会社)を設立

2013年4月

㈱UNCOVER TRUTH(現持分法適用関連会社)を設立

2013年5月

TOMORROW COMPANY㈱を設立

2013年6月

株式移転の方法により㈱クロス・マーケティンググループを設立

㈱クロス・マーケティングが東京証券取引所マザーズ市場の上場廃止

㈱クロス・マーケティンググループの普通株式を東京証券取引所マザーズ市場に上場

2013年7月

Cross Marketing Asia Pte. Ltd.(現連結子会社)を設立

2013年8月

Markelytics Solutions India Private Limited及びMedePanel Online Inc.の株式を取得

2013年11月

当社を株式交換完全親会社とする株式交換により㈱ユーティルの株式を取得

2014年1月

Markelytics Solutions Asia Pte.Ltd.、MedePanel Online Asia Pte.Ltd.(現:Medical World Panel Asia Pte. Ltd.)、Union Panels Pte.Ltd.を設立

2014年5月

本社を東京都新宿区西新宿に移転

2014年11月

Kadence International Business Research Pte.Ltd.(現連結子会社)の株式を取得

2015年1月

㈱リサーチ・アンド・ディベロプメントの株式を追加取得

2015年4月

㈱メディリード(現連結子会社)及び㈱ディーアンドエム(現連結子会社)を設立

2015年9月

JIN SOFTWARE㈱(㈱クロス・ジェイ・テックに社名変更)の株式を取得

2015年10月

Cross Marketing(Thailand)co.,Ltd.(現:Kadence International Limited(Thailand)、現連結子会社)を設立

2015年11月

Jupiter MR Solutions Co.,Ltd.の株式を取得

 

 

年月

事項

2016年1月

Cross Marketing Group USA Inc.(現連結子会社)を設立し、Japan Publicity,Inc.よりマーケティング事業を譲受

2016年4月

㈱ミクシィ・リサーチ(㈱ショッパーズアイに社名変更)の株式を取得

2018年3月

東京証券取引所市場第一部に指定替え

2018年3月

からだラボラトリー㈱(現連結子会社)を設立

2018年3月

㈱クロスベンチャーズ(現連結子会社)を設立

2018年4月

㈱リサーチ・アンド・ディベロプメントが㈱ユーティルを吸収合併

2018年4月

Kadence International Inc.(Philippines)(現連結子会社)を設立

2018年4月

Kompanion Research Private Limited(現連結子会社)を設立

2018年11月

サポタント㈱の株式を取得

2019年9月

㈱ウィズワーク(現連結子会社)を設立

2019年11月

㈱クロス・ジェイ・テック(現:㈱Fittio、現連結子会社)がサポタント㈱を吸収合併

2020年10月

㈱クロス・マーケティング(現連結子会社)が㈱リサーチ・アンド・ディベロプメントを吸収合併

2021年1月

㈱ドゥ・ハウス(現連結子会社)の株式を取得

2021年7月

㈱メタサイト(現連結子会社)を設立

2022年1月

スキップ㈱(現連結子会社)の株式を取得

2022年3月

㈱クロス・マーケティング(現連結子会社)が㈱ショッパーズアイを吸収合併

2022年3月

㈱REECH(現連結子会社)の株式を取得

2022年3月

ノフレ食品㈱(現連結子会社)及び㈱ノフレコミュニケーションズの株式を取得

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行

2022年7月

㈱Infidex(現連結子会社)の株式を取得

2022年11月

㈱MDIU(現連結子会社)の株式を取得

2023年4月

㈱クロス・コミュニケーション(現連結子会社)が㈱ノフレコミュニケーションズを吸収合併

2023年5月

㈱トキオ・ゲッツ(現連結子会社)の株式を取得

 

 

 

3 【事業の内容】

当社は、グループ会社等の経営管理及びそれに付帯または関連する業務等を行っております。

なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

当社及び関係会社で構成される当社グループの主な事業内容は以下のとおりです。

事業内容

主な関係会社

デジタルマーケティング事業

主に国内のグループ各社が、デジタル領域に軸足を置き、販促支援メディアの運営、プロモーション・マーケティング支援、システムの受託開発及び保守・運用、人材供給等、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関わる総合的なITソリューションを提供

㈱クロス・コミュニケーション

㈱Fittio

㈱クロス・プロップワークス

㈱ドゥ・ハウス

㈱ディーアンドエム

データマーケティング事業

国内外のグループ各社において、マーケティングリサーチにおけるオンライン・オフラインでのデータ収集を中心にサービスを提供

㈱クロス・マーケティング

Kadence International Inc.(USA)

㈱リサーチパネル

インサイト事業

国内外のグループ各社において、各種マーケティングデータの複合的な分析、消費者インサイトの発掘、レポート作成などを通じ、お客様企業のマーケティング戦略における意思決定への支援

㈱クロス・マーケティング

㈱メディリード

Kadence International Business  Research Pte.Ltd.

 

 

 

事業の系統図は、次のとおりであります。


 

(1)デジタルマーケティング事業の内容について

〔メディア・プロモーションサービスの特徴及び内容〕

株式会社ドゥ・ハウスや株式会社ディーアンドエムを中心とした国内子会社が、メディア・プロモーション関連サービスを提供しております。

株式会社ドゥ・ハウスは、「モラタメ.net(https://www.moratame.net/)」というサンプリング・プロモーションメディアを運営しており、インターネット上にて商品のサンプリングを通じて、大量の商品テスト、口コミを発生させるサービスを提供しております。「モラタメ.net」は、200万人以上にリーチが可能となっており、本当に使って欲しいユーザーに対して、低価格でサンプリングを実施することで、良質な口コミを発生・波及させることが出来る日本最大級の口コミ&セールスプロモーションメディアとなります。

また、株式会社ディーアンドエムは、デジタルマーケティング、プロモーションサービスの販売・提供などのマーケティング支援に関する事業を行っております。

当社グループは808万人にのぼるアンケート由来のユーザ情報(属性情報、デモグラフィック情報に限らず、ユーザーの興味関心など)を保有し、独自のデータベースを構築しておりますが、メディア・プロモーションサービスにおいてこれらのデータをサービスインフラとし、外部パートナーデータとの連携や広告プラットフォームなどで配信が可能となっており、お客様の課題解決に最適な分析、施策に活用しております。

顧客分析サービスとしては、Webログデータ・位置情報データ・購買データ、またはお客様のCRMデータと当社グループが保有する属性データを組み合わせることで、より高度な顧客分析が可能となり、多様化するお客様企業ニーズにきめ細かく対応した見込み顧客の発掘・競合との比較分析が提供可能となります。

顧客獲得サービスとしては、上述の独自調査による顧客分析に基づき、運用型広告に加え、広告ランディングページ改善提案・コンバージョンの最適化、アフィリエイト運用サポートなど、費用効果の高いプロモーションサービスを提供しております。

 

〔ITソリューションサービスの特徴及び内容〕

株式会社クロス・コミュニケーションを中心にモバイルやスマートフォンを中心としたサービスにおいて、マーケティング、企画から、開発、運用、プロモーションに至るまで、サービスに必要なあらゆる機能をワンストップで提供しております。

金融機関向けアプリや決済システム・ポイント管理システムなど堅牢性が求められるシステムや会員数100万人規模のシステム構築・運用の実績があり、また、通信キャリアやプラットフォーマーと連携し、日々進化するモバイル機器に対し常に最新の機能に対応した開発が可能となっております。さらに、マーケティング・リサーチ会社をグループ会社に持っている強みを生かし、調査・分析をベースにした円滑なPDCAサイクルを実現し、「成果」を向上させるものづくりを提供しております。

 

主な提供サービスは以下のとおりです。

サービス名

内容

Web(PC・スマートフォン)サイト構築

サイト戦略の立案からシステムの開発、サイトデザイン、保守・運用

スマートフォンアプリ開発

エンタテインメントからビジネス用途まで、幅広く対応したiPhone・Androidのネイティブアプリの企画・開発

各種ツール・パッケージの提供

顧客のニーズに合わせたWeb戦略をサポートする様々なツール、パッケージの提供

調査・分析

顧客のKPI向上に貢献するためのWebサイトの「調査・分析」をベースにした「仮説検証・改善提案」

運用アウトソーシング

コンテンツ更新、メルマガ配信、ユーザーサポート、サイト検閲等、Webサイトの運用に伴う業務代行

インフラ・サーバ構築、運用

大規模・集中アクセスにも対応できるインフラ環境の構築、運用、ホスティング

Webプロモーション

目的(集客・会員獲得)やプラットフォームの特性に合わせた最適なプロモーション施策の提供

セキュリティ対策

個人情報保護やサイトの脆弱性チェックなどサイト運営をする上での総合セキュリティ対策

 

 

上記に加えて、株式会社Fittioを中心にエンジニアやプログラマ、検証コンサルティング等、主に構築や試験に携わる工程における人材支援とそれに紐づくサービス提供をしております。また、IT・Web業界の最新技術動向やデザインのトレンド情報、マーケティングの主要論点まで幅広くキャッチアップし、それら基幹事業でのノウハウを人材調達の支援に活かし、企業や事業のステージに合わせて柔軟な人材調達をサポートしております。

 

(2)データマーケティング事業及びインサイト事業(マーケティングリサーチサービス)の内容について

① 〔マーケティングリサーチの流れ〕

(1)課題整理

調査の背景・目的からヒアリングし、今回の調査目的を達成する手法を整理します。

(2)調査企画・設計

調査票の設計をサポートいたします。また、設計されている調査票が目的を果たせるか確認します。

(3)調査実施

各工程において品質を追求した実査を行います。

(4)集計・分析

的確な集計分析をプラン・実行します。

(5)レポート

調査結果を詳細に分析します。

(6)ディスカッション

レポート後、ディスカッションをすることで、解決のためのアクションを推進します。

 

 

② 主力サービスであるネットリサーチの特徴〔ネットリサーチの流れ〕

受注~調査企画・設計

顧客から調査依頼を受け、調査企画内容に沿ったアンケートプログラムを開発し、アンケートサーバー上に設置します。

アンケートの実施

スクリーニング調査

本調査に回答してもらいたい登録モニター(※1)を抽出するための事前調査を行ないます。

本調査

配信依頼~アンケート告知依頼~アンケート告知

アンケート回答者は、主に㈱リサーチパネルが組織化している登録モニターから募ります。そのため、当社から㈱リサーチパネルにアンケート告知のメール配信を依頼し、㈱リサーチパネルは登録モニターに対してメールでアンケートの実施を告知します。

アンケート回答~
謝礼支払~データ回収

アンケート参加に同意した登録モニターは、当社サーバーにアクセスしてアンケートに回答し、謝礼として㈱リサーチパネル経由で会員制サイト運営会社からポイント(※2)を受け取ります。アンケートサーバーには、順次、回答データが蓄積されていき、必要サンプル数が集まった段階でアンケートは締め切られます。

データクリーニング

論理矛盾や不正な回答を削除するため、システム・チェックや専任担当者による目視チェックを行います。

集計・分析~納品

回答データをもとに調査結果である集計表を作成し、顧客に納品します。また、顧客の依頼に応じて、コンジョイント分析、因子分析、コレスポンデンス分析等の各種統計分析レポートを作成します。

モニター募集委託手数料支払

当社は㈱リサーチパネルに対して、登録モニター利用の対価であるモニター募集委託手数料を支払います。

 

 

ネットリサーチは、以下の特徴を有しております。

サポート体制

セールス、リサーチャー、ディレクターなど顧客と接する全ての担当者が課題解決に向けてお手伝いする、充実したサポート体制を組んでいます。

クオリティ

「回答負荷軽減を意識した画面づくり」「的確なターゲット選定のための配信設定」「精度の高いデータクリーニング」を実施し、高いクオリティを維持しています。

スピード

高機能なアンケートシステムのため、画面作成・配信・データ納品までスピーディに対応。お急ぎのアンケートなど最短24時間で納品します。

モニター

808万人(提携パネルを含む)の国内最大規模のアンケートモニターが利用可能。モニターは、基本属性だけでなく、シニア/携帯電話利用/自動車保有/化粧品利用といった約20のカテゴリーに分類されています。対象者を限定した調査もスムーズに実施します。

③ 顧客について

調査結果の最終ユーザーは一般事業会社等ですが、その受注経路は、調査会社・コンサルティング会社・広告代理店を通じて受注する場合と、直接に一般事業会社等から受注する場合とがあります。

 

④ 登録モニターについて

モニター管理会社である㈱リサーチパネルは、当社グループからの依頼に基づいて登録モニターにアンケートへの参加を依頼し、回答者に対する謝礼の支払いや、登録モニターの基本属性のメンテナンスを行うなど、アンケート回答における登録モニターとの窓口業務を行います。当社グループはモニター管理会社に対して、登録モニター利用の対価であるモニター募集委託手数料を支払っております。

当社グループは、主に関連会社である㈱リサーチパネルの保有するアンケート専門データベースに登録されたモニターをアンケート回答者として利用しております。一般のインターネット利用者のモニター登録誘導は、会員制サイト運営会社により行われております。主な会員制サイト運営会社は、㈱リサーチパネルの親会社である㈱CARTA HOLDINGS(旧:㈱VOYAGE GROUP)と㈱クレディセゾンであります。㈱CARTA HOLDINGS(旧:㈱VOYAGE GROUP)は、インターネットで販売されているさまざまな商品の情報を提供する、総合オンラインショッピングサイト「ECナビ」を運営しており、自社の会員を㈱リサーチパネルに会員登録するよう勧誘を行っております。また、㈱クレディセゾンとは、同社の会員の中でアンケートへの参加を希望する会員を、㈱リサーチパネルが運営する「永久不滅リサーチ」登録モニターとして利用する契約を締結し運営を行っております。その他、海外調査を専業とするネットリサーチ企業の利用など登録モニターのネットワークを積極的に拡大しております。

㈱リサーチパネルでは、会員登録情報を毎年更新することで、登録モニターの基本属性を最新の状態にすることに努め、また、個々人の調査回答内容をチェックし、悪質な不正回答者を登録抹消するなど、登録モニターの品質管理を徹底しております。

さらに当社グループでは、所有する消費財や資産などで特定条件を有する登録モニターをあらかじめ抽出し、その条件によって「自動車保有モニター」(※3)、「資産保有モニター」(※4)などの「特別モニター」を分類・管理しております。顧客から調査対象者の条件として求められることの多い事項、最大2,500項目に及ぶ詳細なプロフィールをあらかじめ調査し、対象者をグルーピングしておくことで、似たような調査で対象者選定のための条件設定を都度行う必要がなくなります。この「特別モニター」の使用により、スピーディーな調査が可能となるほか、アンケートへの参加依頼メールを特定グループのみに効率よく配信でき、品質向上、業務効率改善の双方に貢献しております。

 

⑤ リサーチ事業のサービスについて

当社グループは、調査企画内容に沿ってアンケートプログラムを開発し、調査協力者(※5)からインターネット・サーバー上でアンケートを回収するインターネットリサーチや、会場に調査協力者を集めてアンケート回収やインタビューを行うCLT調査(※6)などの定量調査(※7)サービス、座談会形式で調査協力者にインタビューを行うフォーカスグループインタビューなどの定性調査(※8)サービスを提供しております。

また、既存の調査手法を単独で提供するだけでなく、インターネット技術とを組み合わせた調査サービスも各種提供しております。

 

〔データマーケティング事業及びインサイト事業(マーケティングリサーチ)の主なサービス〕

調査種類

調査手法

サービス内容

定量調査

インターネットリサーチ

顧客要件に応じてオリジナルのアンケートプログラムをWeb上で作成し、登録モニターに対してアンケートを行うサービスです。

郵送調査

調査協力者にアンケートを郵送し、アンケートの回収、集計及び分析を行うサービスです。

電話調査

調査員が調査協力者に電話によるインタビューを実施し、アンケートの集計及び分析を行うサービスです。

CLT調査

あらかじめ指定した会場に調査協力者を集め、アンケートやインタビューを実施し、集計及び分析を行うサービスです。会場付近の通行者を調査協力者とする場合もあります。

モバイル調査

顧客要件に応じてオリジナルのアンケートプログラムを携帯Web上で作成し、登録モニターに対してアンケートを行うサービスです。

ホームユーステスト

商品を調査協力者宅に届け、商品の試用や試飲をしてもらった上でその商品評価結果アンケートを実施します。商品の送付、アンケート回収、集計及び分析を行うサービスです。

定性調査

フォーカスグループ
インタビュー

調査協力者をグループ単位(5名~8名程度)で集め、モデレーター(※9)が座談会形式でインタビューを行うサービスです。

デプスインタビュー

調査協力者と1対1で、モデレーターがインタビューを行うサービスです。

ホームビジット

調査協力者の自宅または会社を訪問し、アンケートやインタビューを行うサービスです。

ショップアロング

調査協力者の買い物等に同行し、アンケートやインタビューを行うサービスです。

アイトラッキング調査

専用のアイトラッキングシステムを利用して、調査協力者の「視線の動き」の計測を行うサービスです。

その他

海外調査

欧米先進国、BRICS、東南アジア、オセアニアを中心に、世界85ヶ国で調査実施が可能なサービスです。

ID-POSデータ

スーパー、ドラッグストア、コンビニエンスストアのID付き購買(POS)データをベースに様々なリサーチが可能なサービスです。

 

 

 

※1.登録モニター

調査会社からの調査依頼に対して、事前に回答することを承諾した登録者のことです。

2.ポイント

会員制サイト運営会社が会員に提供しているポイントで、現金、電子マネー等への交換ができます。

3.自動車保有モニター

特殊条件の登録モニターを抽出・管理するための専用調査において、自動車を保有、または購入意向があると回答した登録モニター群です。

4.資産保有モニター

上記と同様の専用調査で、住居、有価証券、会員権などを保有すると回答した登録モニター群です。

5.調査協力者

登録モニター、提携モニター及び顧客側の会員等、様々な手段により募集したアンケートやインタビューの回答者です。

6.CLT調査

あらかじめ会場を設定し、そこに調査協力者を入室させ、製品、または情報等についての評価・感想等を集団、または個人に対し定量的にデータとして収集する調査手法です。

7.定量調査

消費者の行動パターン、意識や嗜好を数量的にとらえるための調査で、収集された回答を集計し分析します。商品の特性に合わせ、インターネット、郵送、電話、店頭・街頭インタビュー等の方法でデータを収集します。

8.定性調査

消費者・ユーザーとの対話を通じて、商品に対する踏み込んだ評価や意見を集める調査手法です。グループインタビュー、訪問インタビュー、電話インタビューなどがあります。仮説の検証、潜在意識の把握、新商品の評価などに向いています。

9.モデレーター

CLT調査やグループインタビュー等での司会進行役です。

 

 

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
(百万円)

主要な事業の内容

議決権の
所有割合
(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

㈱クロス・マーケティング

 (注)2、4

東京都
新宿区

100

データマーケティング事業

インサイト事業

100.0

経営指導

役員の兼任2名

㈱クロス・コミュニケーション (注)2

東京都
新宿区

90

デジタルマーケティング事業

100.0

経営指導

役員の兼任2名

㈱メディリード

東京都
新宿区

10

インサイト事業

100.0

経営指導

役員の兼任1名

㈱ディーアンドエム

東京都
新宿区

55

デジタルマーケティング事業

100.0

経営指導

役員の兼任1名

Kadence International Inc.(USA)(注)3、4

米国

マサチューセッツ

0

データマーケティング事業

100.0

(100.0)

役員の兼任1名

㈱ドゥ・ハウス

 (注)2、4

東京都

千代田区

494

デジタルマーケティング事業

92.0

役員の兼任1名

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

㈱リサーチパネル

東京都
渋谷区

75

データマーケティング事業

40.0

㈱クロス・マーケティングのデータマーケティング事業で利用するモニターの獲得・管理
役員の兼任1名

㈱UNCOVER TRUTH

東京都
港区

140

デジタルマーケティング事業

24.2

役員の兼任1名

 

(注) 1.上記のほか、連結子会社が26社ありますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。

2.特定子会社であります。

3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。

4.㈱クロス・マーケティング、㈱ドゥ・ハウス及びKadence International Inc.(USA)については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

 

 

(単位:千円)

 

㈱クロス・マーケティング

㈱ドゥ・ハウス

Kadence International Inc.(USA)

 ①  売上高

10,255,743

3,624,901

2,833,223

 ②  経常利益

1,434,636

112,493

126,214

 ③  当期純利益

937,557

82,082

50,371

 ④  純資産額

2,838,304

1,036,529

849,003

 ⑤  総資産額

4,203,407

1,732,087

1,239,359

 

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

2023年6月30日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

デジタルマーケティング事業

308

101)

データマーケティング事業

528

( 117)

インサイト事業

343

39)

全社(共通)

90

(   4)

合計

1,269

( 261)

 

(注) 1.従業員数は、就業人員数を表示しております。

2.従業員数欄の(  )内は外数であり、年間の臨時従業員平均人員数であります。

3.臨時従業員には、人材派遣会社からの派遣社員、アルバイトを含みます。

4.全社(共通)は、経理及び人事等管理部門の従業員であります。

 

(2) 提出会社の状況

2023年6月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

100

(   6)

39.7

5.2

6,405

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

データマーケティング事業

6

(  1)

インサイト事業

4

(  1)

全社(共通)

90

(  4)

合計

100

6)

 

(注) 1.従業員数は、就業人員数を表示しております。

2.従業員数欄の( )内は外数であり、年間の臨時従業員平均人員数であります。

3.臨時従業員には、人材派遣会社からの派遣社員、アルバイトを含みます。

4.平均勤続年数は、当社グループにおける在籍期間を通算しております。

5.平均年間給与は、臨時従業員を除く従業員の賞与及び基準外賃金を含んでおります。

6.全社(共通)は、経理及び人事等管理部門の従業員であります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

17.1

0.0

51.4

52.2

146.9

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 ② 主要な連結子会社(注1)

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注2)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注3)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

㈱クロス・マーケティング

26.1

83.3

70.3

77.3

83.3

㈱ドゥ・ハウス

39.4

0.0

80.9

83.3

-

 

(注) 1.当社グループの主要子会社を集計対象とした一部数値につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)指標及び目標」に記載しておりますので併せてご参照ください。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。また、当該将来に関する事項については、取締役会で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。なお、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループでは、当社グループのミッションとして「未来をつくろう / Discover Something New.」を掲げ、お客様の成功に向かい、事業・マーケティング上の課題の抽出、解決策の企画、実行案の提示等、ゴールに向かうための未来をつくるグループとして、事業運営しております。また、ビジョンとして「やればいいじゃん! / Just go for it!」を、グループとしてチャレンジをし続けるために目指すべき姿として掲げております。

その実行にあたり、社員には「Road of Growth」として、信念・考え方・行動指針を記し、その実現を目指して推進しております。

その上で、顧客、株主、従業員、社会などあらゆるステークホルダーから常に信頼される経営を行い、持続的な成長をし続けることによって、広く社会に貢献する事業やサービスを通して「未来をつくる」企業グループを目指します。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループでは、経営に委託された資本を最も効率よく活用すべく、適正資本構成を維持したうえでの収益力を図ることができるROE(自己資本当期純利益率)を、最も重要な経営指標として位置付けております。同時に、当社グループが成長段階であるとの認識に立ち、株主の収益成長期待に応えるべく、売上高成長率、営業利益率を意識した経営に取り組んでおります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2021年8月12日に公表いたしました中期経営計画「DX Action 2024」(以下、本中期経営計画)を中長期的な会社の経営戦略として事業を推進しております。

長期的に目指す姿として、「我々の強みである「生活者のWhy(なぜ)の解明」を通して、マーケティング領域において戦略立案からマーケティング施策の実践までを支援し、「パートナー」としてお客様のビジネスを成功に導くグループであること」と設定しております。

その上で、本中期経営計画におきましては「マーケティングDXパートナー」になることを指針として「我々は、デジタルの力を使い生活者に纏わるあらゆるデータの分析による“生活者理解”“Whyの解明”を通し、顧客のマーケティングソリューションの実践、及びマーケティングプロセス変革までを支援し、戦略立案から実行までワンストップサービスで顧客ビジネスを成功に導いていきます。」といたしました。

以上を踏まえて当社グループは、長期的に目指す姿、及び中期経営計画の達成に向け、保有する資産・インフラを有機的・効率的に活用する仕組みと体制構築を推進し、各種事業の強化、投資、M&Aを通じてグループ全体の成長の加速を目指すこととしており、パネルネットワークのグループ共有化、新ビジネスモデルの構築、顧客基盤の活用、データアナリスト組織の活用、DX化、AIのビジネス活用等を推進してまいります。

事業セグメント毎の施策としては、成長を継続しており、市場規模の拡大が見込める事業領域での積極的な事業展開を軸に、デジタルマーケティング事業においては、サービスと業務のDX化を推進するとともに、現在提供出来ていない領域へのサービス拡充等を適宜推進してまいります。データマーケティング事業においては、既存ビジネスモデルの高度化やクラウドBIツール提供のサービス標準化等、DXを軸にしたサービスの改善・強化を推進してまいります。インサイト事業においては、コンサル型リサーチサービスの提供、LTV(Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の略、日本語訳は「顧客生涯価値」。一人、あるいは一社の顧客が、特定の企業と取り引きを始めてから終わりまでの期間内にどれだけの利益をもたらすのかを算出したもの。)メソッドの開発への投資や官公庁、学校法人等への販売チャネルの拡大を進めてまいります。また、新規事業、M&Aの実施も想定しており、新規事業開発としては、小規模の新規事業を複数起ち上げながら、一定規模への拡大が見込めそうなタイミングで追加投資をし、グループ全体の成長につなげていく予定としております。M&Aについては、事業セグメント毎に目的・対象となる企業を想定しながら、積極的に投資の検討を実施してまいります。また、グローバル戦略としては、既存拠点の統廃合等を実施することで効率化を進めるとともに、最大市場であるアメリカ合衆国での成長投資を実施するとともに、現時点での未展開エリアについてもアジア、欧州を中心に展開可能性を模索してまいります。

本中期経営計画の数値目標として、2024年6月期終了時点において、時価総額300億円、連結売上高300億円、連結営業利益30億円を設定いたしました。上記記載の施策・取り組みを推進していくことで、数値目標の達成を目指してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、顧客、株主、従業員、社会などあらゆるステークホルダーとの良好な関係を維持するとともに、更なる成長に繋げるため、以下のとおりに重要な課題を認識し、優先的に取り組んでまいります。

 

(人材の確保、育成)

当社グループの手がけるデジタルマーケティング事業、データマーケティング事業、インサイト事業は、技術及び業界基準の急速な変化に左右される状況にあり、それに伴いユーザーニーズが変化、多様化することが予想され、適時適切に対応する必要があります。また、当社グループの事業については大きな参入障壁がないことから、類似する事業を提供している事業者の事業規模の拡大が進み、今後も激しい競争下におかれるものと考えております。

このため、当社グループが今後も更なる成長を遂げるためには、営業力、企画力、構想力、開発力、統計知識など様々な能力を有する優秀な人材を確保し、育成していくことが重要な課題であると考えております。

人材採用については、優秀な即戦力を確保するため、新卒採用、中途採用を積極的に行ってまいります。また、海外への進出にあたり、ビジネス開発や各エリアにおける事業開発・管理統括を担う人材の採用も進めております。

さらに人材育成については、スキルアップのための全社員に対するマーケティングに関する研修の実施や、各部門において必要な専門的な研修を引き続き実施していくとともに、人事評価制度や給与制度を当社グループの組織規模に合せて適宜見直しすることで、社員のモチベーションの向上を図ってまいります。

また、執行役員制度を導入し、責任と権限を委譲しながら次世代の経営層の育成を行っていくとともに、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を確保することを目的として、経営トップの後継者計画についても、取締役会を中心としながら、グループ全体として適切に計画を立案し、実行してまいります。

 

(コーポレートガバナンス、内部管理体制の強化について)

当社グループが継続的な成長を実現させるためには、海外の拠点、子会社を含むグループ全体におけるコーポレートガバナンス機能、内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。

当社のコーポレートガバナンスについては、内部監査による定期的なモニタリングの実施と監査等委員や監査法人との連携を図ることにより適切に実施しておりますが、各ステークホルダーに対して経営体制における適切性、健全性を確保しつつ、外部環境等の変化に適切に対応するため、意思決定の機動性確保や事業展開に応じた組織体制の整備を進めることにより、グループ全体として内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

(グループシナジーの発揮及びマネジメント体制の強化について)

当社グループは2023年6月30日時点で連結子会社32社、関連会社4社からなる企業集団として拡大してまいりました。これまでは全体の成長を推進していくために、グループ各社の部分最適を優先しながら各種施策の実施・強化を推進している面もありましたが、今後当社グループが成長をさらに加速させていくためには、グループシナジーを発揮し、全体最適を目指すために、マネジメントの意識の変化や体制・連携を強化・推進していくことが重要な課題であると認識しております。そのため、マネジメント人材の育成・強化やグループを横断したコミュニケーションの活性化等を通じて、当社グループの成長の加速、中長期的な企業価値の向上に向けて取り組んでまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの手がけるデジタルマーケティング事業、データマーケティング事業、インサイト事業の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、以下に記載しております。

 

a.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動

① システム開発について

当社グループは、システムに関わる投資を定期的に行っております。システム開発にかかわる他社の知的財産の侵害につきましては、事前調査の徹底、オープンソースの利用徹底など十分注意を払っており、業績に影響を与えるリスクはきわめて低いと考えておりますが、システム開発の遅延・トラブル等が発生した場合、開発コストが増大するなど、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② のれんの減損について

当社グループが実施しているM&A等においては、将来にわたり安定的な収益力を確保できることを十分に検討し買収しておりますが、将来、計画通りに収益を確保出来ない場合には、のれんに係る減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。

③ 為替レートの変動リスクについて

当社グループの海外子会社の財務諸表は現地通貨にて作成されるため、連結財務諸表作成時に円換算されることになり、為替相場の変動による円換算時の為替レートの変動が当社グループの財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。また今後、外貨建ての取引が増加し、当初想定した為替レートと実勢レートに著しい乖離が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

④ 自然災害、感染症等の発生について

当社グループは、自然災害や突発的な事故または新型コロナウイルス感染症など重篤な感染症が流行した場合には、本社、各グループ会社等の拠点の事業活動に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。また、国内・海外において渡航制限、行動制限が発生した場合には、営業活動、案件実査の実施等が困難な状況になること等により、業績に影響を与える可能性があります。

 

b.特定の取引先・製品・技術等への依存

⑤ サービスの陳腐化について

当社グループの手がける各事業は、商業活動に関連する技術及び業界基準の急速な変化に左右される状況にあります。また、それに伴いユーザーニーズが変化、多様化することが予想されます。これらの状況変化に対し、当社グループが適時適切に対応できなくなった場合、当社グループの業界における競争力が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑥ 競合について

当社グループの手がける各事業においては、当社グループと類似する事業を提供している事業者の事業拡大や参入が相次いでいる一方、データマーケティング事業、インサイト事業においては調査案件の大型化や価格競争に対応するため、M&Aを含めた事業者の統合が進行しています。かかる状況は、当社グループの事業につき、大きな参入障壁がないことが一因となっており、今後も激しい競争下におかれるものと予想されます。当社グループの目論見どおり業績が推移しない場合、かつ効率的に対応できない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑦ システム障害について

当社グループの事業はインターネットを利用しているため、自然災害、事故、不正アクセス等によって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能等のシステム障害が発生する可能性があります。その場合、当社グループの営業は不可能となります。これらの障害が発生した場合には、当社グループに直接的損害が生じるほか、当社グループのサーバーの作動不能や欠陥等に起因する取引の停止等については、当社グループのシステム自体への信頼性の低下を招きかねず、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 登録モニターの活用について

データマーケティング事業、インサイト事業において、関連会社である㈱リサーチパネルの登録モニターを主に利用しており、現時点におきましては、当社は当該登録モニターを独占的に利用しております。㈱リサーチパネル及びその親会社である㈱CARTA HOLDINGS(旧:㈱VOYAGE GROUP)とは、事業及び資本提携を通じて信頼関係を築いておりますが、何らかの事情により、㈱リサーチパネルの登録モニターの利用が困難な状態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.特有の法的規制・取引慣行・経営方針

⑨ 人材確保について

当社グループの人材採用にあたっては、各業務分野における専門能力、及び組織マネジメントの観点から、良好な対人関係を構築する能力を極めて重視しております。また、育成・評価制度の充実により、社員の能力向上とモチベーションの向上を重要施策として掲げております。経済環境好転に伴う人材獲得競争の激化や人材育成が順調に進まない等の理由により、当社グループの事業の成長が阻害される可能性があります。

⑩ 海外展開におけるリスクについて

当社グループは、積極的に海外市場における事業の拡大をはかっており、海外展開におきましては、各地域特性によるビジネスリスクに加え、知的財産権に関するリスク、為替リスクなど多岐にわたり存在します。これらのリスクを最小限にすべく充分な検証を行うとともに、組織体制を整え、対策を講じたうえで海外展開を進めておりますが、各国における政治的要因、経済的要因及び社会環境における予測し得ない事態が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

⑪ 個人情報の流出の可能性及び影響について

当社グループの手がけるデータマーケティング事業、インサイト事業においては、アンケート回答者の個人情報を取得することがあります。個人情報の適切な取得・管理・運用を行うため、㈱クロス・マーケティング、㈱リサーチパネル及び㈱メディリードは(財)日本情報処理開発協会が運営するプライバシーマーク制度の認定事業者となっております。

⑫ 配当政策について

当社グループは、株主に対する利益還元を経営上の重要な課題のひとつとして認識しております。配当による株主への利益還元を安定的に継続しながら、現在の旺盛な資金需要、今後の事業投資計画等に鑑み、「連結配当性向15%前後を目安に継続的な増配を実施」することとしております。

しかしながら、本リスク情報に記載のない事項を含め、事業環境の変化、キャッシュ・フローの状況等により、当社の業績が悪化した場合には、継続的に配当を行えない可能性があります。

 

d.重要な訴訟事件等の発生

⑬ 訴訟等に関するリスクについて

当社グループの手がけるデジタルマーケティング事業においては、顧客からシステム開発、ウェブサイトやモバイルサイトの制作を受託し、契約内容に従い定められた期日までにサービスを完了し納品する事業を行っております。

しかしながら、開発や制作の遅れによる納期の遅延や、納品後の瑕疵が生じた場合には、費用が増大する可能性や当社グループの責めに帰する場合には違約金等損害賠償が発生する可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

e.役員・大株主・関係会社等に関する重要事項

⑭ 事業拡大における重要な関係会社の異動について

当社グループは、持続的な成長を目指すに当たり、主に海外への事業展開をM&Aや新規子会社設立等により推進しております。M&A等における資金調達については、自己資金または金融機関からの借入金等を利用しており、借入金の残高が増加する可能性があります。また、M&A等により重要な関係会社の異動があった場合、当社グループの財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。

 

f.その他

該当事項はありません。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済及び日本経済は、新型コロナウイルス感染症対策をはじめとする各種政策の効果により経済活動の正常化が進展するなど、持ち直しの動きが見られました。一方で、混迷が長期化するウクライナ情勢のほか、世界的な金融引き締め等に起因する金融市場混乱や海外景気下振れ、物価上昇やサプライチェーン制約等の懸念が、多様な業種に広がる当社顧客企業の収益環境に影を落とすなど、依然として先行き不透明な状況が継続しました。

当社グループの事業領域であるデジタルマーケティング市場及びマーケティングリサーチ市場は、顧客企業によるDX(デジタルトランスフォーメーション)への旺盛な投資を背景に堅調となっており、今後も中期的な成長が予想されます。一方で、消費者の購買行動は多様化が加速しており、これに対応した消費者ニーズ調査手法の革新やプロモーション手段の進化が求められるなど、競争環境の激化が想定されます。

こうした経営環境の下、当社グループは持続的な成長を実現するため、中期経営計画「DX Action 2024」の指針である「マーケティングDXパートナー」の実践へ向けた様々な取り組みを通じて、ビジネスモデルの進化とサービス対応領域の拡大を推進しました。

この結果、当連結会計年度における売上高は25,094百万円(前年同期比0.8%増)営業利益は1,951百万円(同22.6%減)経常利益は1,880百万円(同24.8%減)親会社株主に帰属する当期純利益は1,007百万円(同35.4%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(デジタルマーケティング事業)

デジタルマーケティング事業では、国内のグループ各社がデジタル領域に軸足を置き、販促支援メディアの運営、プロモーション・マーケティング支援、システムの受託開発及び保守・運用、人材供給等、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関わる総合的なマーケティングソリューションを提供しております。

同事業の外部顧客に対する売上高は9,037百万円(前年同期比10.4%減)となりました。メディア・プロモーション分野において、原材料・資源高の影響を受けた日用雑貨・飲料メーカー等のマーケティング費用削減により、受注単価が低下したことが減収の主要因となりました。

同事業のセグメント利益(営業利益)は472百万円(同27.9%減)となりました。これは主に、減収に伴う売上総利益の減少に加え、新規連結子会社の販売費及び一般管理費の増加などによるものです。

 

(データマーケティング事業)

データマーケティング事業では、国内外のグループ各社において、マーケティングリサーチにおけるオンライン・オフラインでのデータ収集を中心にサービスを提供しております。

同事業の外部顧客に対する売上高は9,754百万円(前年同期比16.6%増)となりました。増収の主因として、1)Kadenceグループの海外拠点では、経済活動の回復に合わせた北米及びインドにおける収益が拡大、2)株式会社クロス・マーケティングを中心とする国内事業会社では、不透明な経済情勢の中でもお客様企業のリサーチ需要は底堅く、主力のオンライン実査件数が前年同期比で増加するなど堅調、等が挙げられます。

同事業のセグメント利益(営業利益)は2,545百万円(同2.9%増)となりました。増収効果に加え売上総利益率の改善により売上総利益が増加した一方、国内外の事業会社において、販売費及び一般管理費が増加したため、増益率は小幅にとどまりました。

 

(インサイト事業)

インサイト事業では、国内外のグループ各社において、各種マーケティングデータの複合的な分析、消費者インサイトの発掘、レポート作成などを通じ、お客様企業のマーケティング戦略における意思決定への支援を行っております。

同事業の外部顧客に対する売上高は6,303百万円(前年同期比2.3%減)となりました。これは、1)株式会社クロス・マーケティングを中心とする国内事業会社では、コロナ禍で影響を受けていたオフライン調査が増収に転換したものの、医療・ヘルスケア領域が減収となったこと、2)Kadenceグループの海外拠点では、インドネシアにおける収益拡大は継続したものの、英国の経済活動停滞による減収が足かせとなった、等によるものです。

同事業のセグメント利益(営業利益)は910百万円(同28.2%減)となりました。減収の影響により売上総利益が減少したほか、Kadenceグループの海外拠点において販売費及び一般管理費が増加したことが、減益の主因となりました。

 

当連結会計年度末の財政状態は、資産については、流動資産が11,292百万円(前連結会計年度末比577百万円増)となりました。主な項目としては、現金及び預金6,478百万円、売掛金3,004百万円となっております。固定資産は3,016百万円(同598百万円増)となりました。主な項目としては、ソフトウェア632百万円、のれん623百万円、投資有価証券323百万円となっております。その結果、総資産は14,308百万円(同1,175百万円増)となりました。

負債については、流動負債が5,147百万円(前連結会計年度末比111百万円増)となりました。主な項目としては、買掛金983百万円、1年内返済予定の長期借入金946百万円、短期借入金393百万円となっております。固定負債は3,072百万円(同1,111百万円増)となりました。主な項目としては、長期借入金2,759百万円となっております。その結果、負債は8,220百万円(同1,222百万円増)となりました。

純資産は6,089百万円(前連結会計年度末比47百万円減)となりました。主な項目としては利益剰余金が5,321百万円となっております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,478百万円(前連結会計年度末比974百万円増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果増加した資金は、1,796百万円となりました。主な要因は、法人税等の支払額648百万円、仕入債務の減少額473百万円などの減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益1,847百万円の計上、売上債権の減少額559百万円の計上、棚卸資産の減少額307百万円の計上などによる増加要因があったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、902百万円となりました。主な要因は、有形・無形固定資産の取得による支出550百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出304百万円などの減少要因があったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果増加した資金は、27百万円となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出839百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出501百万円、自己株式の取得による支出447百万円、配当金の支払額223百万円などの減少要因があった一方で、長期借入れによる収入2,100百万円の増加要因があったことによります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績

当社グループでは、販売実績のほとんどが生産実績であることから、記載を省略しております。

 

b. 受注実績

当社グループでは、概ね受注から納品までの期間が短く、受注管理を行う必要性が乏しいため記載を省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

デジタルマーケティング事業

9,037,202

△10.4

データマーケティング事業

9,754,274

16.6

インサイト事業

6,302,846

△2.3

合計

25,094,322

0.8

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

当社は前々連結会計年度において決算期変更を実施しており、前々連結会計年度は6ヶ月決算となっております。このため、前連結会計年度業績の伸び率等で使用する前々期業績については、便宜上、比較可能な同期間(2020年7月~2021年6月)の累計損益及び2021年6月末残高を使用しております。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループでは、経営に委託された資本を最も効率よく活用すべく、適正資本構成を維持したうえでの収益力を図ることができるROEを、最も重要な経営指標として位置付けております。同時に、当社グループが成長段階であるとの認識に立ち、株主の収益成長期待に応えるため、売上高成長率、営業利益率を重視した事業経営に取り組んでおります。

 〔売上高成長率について〕

当連結会計年度の売上高成長率は、0.8%(前連結会計年度は30.8%)となりました。売上高成長率が前期比で低下した主因は、デジタルマーケティング事業、とりわけメディア・プロモーション分野において、原材料・資源高の影響を受けた日用雑貨・飲料メーカー等のマーケティング費用削減により、受注単価が低下し、同事業の売上高が前期比10.4%減少したこと、等によるものです。

デジタルマーケティング事業における受注単価低下の影響は、当連結会計年度の第3四半期をボトムに緩和しつつあります。こうした中、同事業の中核子会社である株式会社ドゥ・ハウスのサービスとグループ各子会社の事業とのシナジー効果発現に取り組み、高い成長が期待できる事業領域においてM&Aを含む成長投資を適切に継続し、連結売上高全体として10%以上の売上高成長率を中期的に確保するための取り組みを実行してまいります。

 〔営業利益率について〕

当連結会計年度の売上高営業利益率は7.8%(前連結会計年度は10.1%)となりました。営業利益率が前年同期比で低下した主な要因は、中期的な事業成長に向けた人材基盤への投資や積極的なM&Aによる新規連結子会社の増加により販管費が増加し、売上高販管費比比率が33.6%(前連結会計年度は31.4%)に上昇したことによるものです。

今後は、売上高販管費比率を適切に保ちながら、営業利益率改善に取り組んでまいります。

〔ROEについて〕

当連結会計年度のROEは、17.1%(前連結会計年度は31.9%)となりました。ROEが前期比で低下した要因は、1)売上高当期純利益率、2)総資産回転率がそれぞれ低下し、3)財務レバレッジの上昇でカバーできなかったためです。以下、要素項目ごとに説明いたします。

1)売上高当期純利益率(親会社株主に帰属する当期純利益÷売上高)は4.0%となり、前期の6.3%から2.3%ポイント低下しました。これは主に、上述の理由により売上高営業利益率が前期比で2.4ポイント低下したことによるものです。

2)総資産回転率(売上高÷期首期末単純平均総資産)は1.8回となり、前年同期の2.0回から低下しました。要因として、上述のとおり主にデジタルマーケティング事業の売上高減少により総売上高が伸び悩んだことによるものであります。

3)財務レバレッジ(期末総資産÷期末自己資本)は2.4倍となり前連結会計年度末の2.3倍から小幅に上昇しました。これは、自己株式取得により自己資本の積み上がりが抑制された中、借入により適切な事業運営資金調達を実施した結果であります。

 

当連結会計年度末の財政状態は、資産については、流動資産が11,292百万円(前連結会計年度末比577百万円増)となりました。主な項目としては、現金及び預金6,478百万円、売掛金3,004百万円となっております。固定資産は3,016百万円(同598百万円増)となりました。主な項目としては、ソフトウェア632百万円、のれん623百万円、投資有価証券323百万円となっております。増加の主な要因は、新たに株式を取得した連結子会社ののれんの発生によるものであります。その結果、総資産は14,308百万円(同1,175百万円増)となりました。

負債については、流動負債が5,147百万円(前連結会計年度末比111百万円増)となりました。主な項目としては、買掛金983百万円、1年内返済予定の長期借入金946百万円、短期借入金393百万円となっております。固定負債は3,072百万円(同1,111百万円増)となりました。主な項目としては、長期借入金2,759百万円となっております。増加の主な要因は、新規借り入れによる長期借入金の増加によるものであります。その結果、負債は8,220百万円(同1,222百万円増)となりました。

純資産は6,089百万円(前連結会計年度末比47百万円減)となりました。主な項目としては利益剰余金が5,321百万円となっております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュフローの状況)

当連結会計年度においては、持続的な成長の実現のため、中期経営計画「DX Action 2024」の指針である「マーケティングDXパートナー」の実現へ向けた様々な取り組みを通じて、グループのビジネスモデルの進化と各事業における対応領域の拡大を推進しており、税金等調整前当期純利益を1,847百万円計上いたしましたことから、営業活動によるキャッシュ・フローは1,796百万円の資金の増加となりました。

また、下記「(資本の財源)」に記載のとおり、長期借入金について2,100百万円の借入をした一方で、838百万円の資金を返済しており、財務活動によるキャッシュ・フローは27百万円の資金の増加となりました。

その結果、現金及び現金同等物の期末残高が974百万円増加しております。

2023年度については、現段階の計画において大規模な資本的支出の予定は無く、今後の資金需要については、手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達を実施いたします。

その他については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(資本の財源)

当連結会計年度においては、デジタルマーケティング事業の拡大を目的として、また、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を実施し、株主還元を図るための資金として、長期借入金2,100百万円を調達いたしました。金融機関からの調達環境は安定しており、好条件での調達が実施できております。なお、当連結会計年度においては、長期借入金を839百万円返済しております。

(資金の流動性)

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は6,478百万円(前年同期比974百万円増)であり、有利子負債は主に金融機関からの借入金であります。なお、流動比率は219.4%であります。グループ全体として、一定の流動性は確保しており、現時点において懸念される点は無いと認識しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産及び負債、連結会計年度における収益及び費用に影響を及ぼすような仮定や見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、仮定あるいは条件の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

a. 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。

将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。

 

b. 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損の検討にあたり、管理会計上の区分を基礎として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

固定資産の回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しており、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、今後当社の連結業績に影響を与えるリスクとして特に注視すべき不透明な要因として、新型コロナウイルス感染症の再拡大のほか、緊迫状態が続くロシア・ウクライナの情勢、原材料価格の高騰や急激な為替レートの変動などが挙げられます。これらの要因が当社の顧客の企業活動に影響をもたらし、顧客企業の新商品・サービス開発投資、マーケティングDX投資、販売促進活動等が想定以上に急激に変更(加速または縮減)された場合、当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があるものと認識しております。

 

⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

経営上の重要な契約等は、以下のとおりであります。

契約会社名

相手先

契約の名称

契約内容

契約期間

㈱クロス・マーケティング

(連結子会社)

(注)1

㈱CARTA

HOLDINGS

(旧:㈱VOYAGE GROUP)
㈱リサーチパネル
(三者契約)

事業提携契約書

㈱CARTA HOLDINGS(旧:㈱VOYAGE GROUP)は自社会員を㈱リサーチパネルの運営するアンケートモニターサイトへ誘導を行い、㈱リサーチパネルは登録モニターの受付及びアンケートモニターサイトの運営を行う。当社はその登録モニターに対してアンケートを実施し、その対価として㈱リサーチパネルに対し当社の調査売上高に応じたモニター募集委託手数料を支払う契約

2006年12月1日から
2007年12月31日まで
(以降1年ごと自動更新)

㈱クロス・マーケティング

(連結子会社)

(注)2

㈱クレディセゾン
㈱リサーチパネル
(三者契約)

リサーチ事業
提携基本契約書

㈱クレディセゾンは自社カード会員を㈱リサーチパネルの運営するアンケートモニターサイトへ誘導を行い、㈱リサーチパネルは登録モニターの受付及びアンケートモニターサイトの運営を行う。当社はその登録モニターに対してアンケートを実施し、その対価として㈱リサーチパネルに対し当社の調査売上高に応じたモニター募集委託手数料を支払う契約

2008年5月23日から
2011年5月22日まで
(以降2年ごと自動更新)

 

(注)1.2021年9月6日付け契約上の地位の移転に関する覚書により、2021年10月1日より㈱CARTA HOLDINGS(旧:㈱VOYAGE GROUP)及び㈱リサーチパネルとの契約の契約当事者が㈱クロス・マーケティングから㈱メタサイトに移転しております。

  2.2022年7月1日付け契約上の地位の移転に関する覚書により、2021年10月1日より㈱クレディセゾン及び㈱リサーチパネルとの契約の契約当事者が㈱クロス・マーケティングから㈱メタサイトに移転しております。

 

(共通支配下の取引について)

当社は、当社の連結子会社である株式会社ドゥ・ハウスの株式を追加取得いたしました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(子会社株式の取得)

当社は、新たに株式会社トキオ・ゲッツの全株式を取得しました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

2 【主要な設備の状況】

当社グループにおける主要な設備の状況は、次のとおりであります。

(1) 提出会社

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額

従業
員数
(人)

建物
(千円)

工具器具
備品
(千円)

ソフト
ウェア
(千円)

合計
(千円)

㈱クロス・

マーケティンググループ

本社

(東京都新宿区)

全社

本社機能

サーバー設備等

自社利用ソフトウェア

102,807

24,557

186,353

313,717

90( 4)

 

(注) 1.本社建物は、賃借物件の内装工事等であります。

2.従業員数欄の( )内は外数であり、年間の臨時従業員平均人員数であります。

 

(2) 国内子会社

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額

従業
員数
(人)

建物
(千円)

工具器具
備品
(千円)

ソフト
ウェア
(千円)

合計
(千円)

㈱ドゥ・ハウス

本社

(東京都千代田区)

デジタルマーケティング事業

本社機能

自社利用ソフトウェア

23,544

5,138

154,991

183,673

110(10)

㈱メタサイト

本社

(東京都新宿区)

データマーケティング事業

自社利用ソフトウェア

173,003

173,003

9(-)

 

(注) 1.本社建物は、賃借物件の内装工事等であります。

2.従業員数欄の( )内は外数であり、年間の臨時従業員平均人員数であります。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

63,360,000

63,360,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年6月30日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年9月28日)

上場金融商品取引所
名又は登録認可金融
商品取引業協会名

内容

普通株式

19,970,464

19,970,464

東京証券取引所
(プライム市場)

単元株式数は100株であります。

19,970,464

19,970,464

 

(注) 提出日現在発行数には、2023年9月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。

 

① 【ストックオプション制度の内容】

当社は、新株予約権方式によるストックオプション制度を採用しております。

当該制度は、会社法に基づき、取締役会において決議されたものであります。

当該制度の内容は、次のとおりであります。

 

第2回新株予約権

決議年月日

2015年8月21日

付与対象者の区分及び人数

当社代表取締役     1名

新株予約権の数(個) ※

4,000(注)1

新株予約権の目的となる株式の種類 ※

普通株式

新株予約権の目的となる株式の数(株) ※

400,000(注)1

新株予約権の行使時の払込金額

439

新株予約権の行使期間

自 2015年9月16日
至 2025年9月15日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円) ※

発行価格    443(注)3
資本組入額 222

新株予約権の行使の条件 ※

(注)4

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

(注)5

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)7

 

 ※ 当事業年度の末日(2023年6月30日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年8月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

(注) 1.新株予約権1個当たりの目的である株式の数は、100株とする。

なお、付与株式数は、本新株予約権の割当日後、当社が株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)または株式併合を行う場合、次の算式により調整されるものとする。ただし、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。

調整後付与株式数

調整前付与株式数

×

分割(または併合)の比率

 

また、本新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割または資本金の額の減少を行う場合その他これらの場合に準じ付与株式数の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で、付与株式数は適切に調整されるものとする。

2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

調整後

行使価額

調整前

行使価額

×

分割(または併合)の比率

 

また、本新株予約権の割当日後、当社が当社普通株式につき時価を下回る価額で新株の発行または自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)、 次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げる。

 

調整後

行使価額

 

 

調整前

行使価額

 

×

既発行

株式数

新規発行株式数×1株当たり払込金額

新規発行前の1株当たりの時価

既発行株式数+新規発行株式数

 

なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式にかかる発行済株式総数から当社普通株式にかかる自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式にかかる自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。

さらに、上記のほか、本新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて行使価額の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に行使価額の調整を行うことができるものとする。

3.新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格

発行価格は、新株予約権の払込金額1株当たり4円と行使時の払込金額439円を合算している。

4.新株予約権の行使の条件

(1) 割当日から本新株予約権の行使期間の終期に至るまでの間に金融商品取引所における当社普通株式の普通取引終値が一度でも189円(但し、上記2により行使価額の調整が行われた場合には、合理的な範囲内で同様の調整を行うものとする。)を下回った場合、新株予約権者は残存するすべての本新株予約権を行使期間の満期日までに行使しなければならないものとする。但し、次に掲げる場合に該当するときはこの限りではない。

(a)当社の開示情報に重大な虚偽が含まれることが判明した場合

(b)当社が法令や金融商品取引所の規則に従って開示すべき重要な事実を適正に開示していなかったことが判明した場合

(c)当社が上場廃止となったり、倒産したり、その他本新株予約権発行日において前提とされていた事情に大きな変更が生じた場合

(d)その他、当社が新株予約権者の信頼を著しく害すると客観的に認められる行為をなした場合

(2) 新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

(3) 本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における授権株式数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。

(4) 各本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。

5.譲渡による新株予約権の取得の制限

譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の決議による承認を要するものとする。

6.新株予約権の取得に関する事項

当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる会社分割についての分割契約もしくは分割計画、または当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合は、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を無償で取得することができる。

7.組織再編行為の際の新株予約権の取扱い

当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画において定めた場合に限るものとする。

(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数

新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。

(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類

再編対象会社の普通株式とする。

(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数

組織再編行為の条件を勘案のうえ、上記1に準じて決定する。

(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、上記2で定められる行使価額を調整して得られる再編後行使価額に、上記1に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。

(5) 新株予約権を行使することができる期間

新株予約権の行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から新株予約権の行使期間の末日までとする。

(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項

上記2に準じて決定する。

(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限

譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。

(8) その他新株予約権の行使の条件

上記4に準じて決定する。

(9) 新株予約権の取得事由及び条件

上記6に準じて決定する。

(10) その他の条件については、再編対象会社の条件に準じて決定する。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
(千円)

資本金残高
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2018年1月1日~
2018年12月31日
(注) 1

31,100

19,562,264

7,277

570,130

7,277

605,130

2019年1月1日~
2019年12月31日
(注) 1

900

19,563,164

211

570,340

211

605,340

2019年6月6日

(注) 2

407,300

19,970,464

76,369

646,709

76,369

681,709

 

(注) 1.新株予約権(ストックオプション)の権利行使による増加であります。

2.譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行によるものであります。

割当先   当社取締役(※)

    4名

     当社執行役員

    6名

     (※)監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。

発行価格

  375 円

資本組入額

187.5 円

 

 

(5) 【所有者別状況】

2023年6月30日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

8

26

29

29

14

5,387

5,493

所有株式数
(単元)

42,813

8,218

25,204

9,394

242

113,776

199,647

5,764

所有株式数の割合(%)

21.4

4.1

12.6

4.7

0.1

57.0

100.0

 

(注)  自己株式 792,498株は、「個人その他」に792,400株(7,924単元)、「単元未満株式の状況」に98株含まれております。

 

 

(6) 【大株主の状況】

2023年6月30日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

五 十 嵐  幹

東京都港区

4,724,586

24.6

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1-8-12

3,201,500

16.7

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2-11-3

983,900

5.1

合同会社general investment

東京都新宿区西新宿3-20-2

900,000

4.7

株式会社CARTA HOLDINGS

東京都渋谷区道玄坂1-21-1

650,000

3.4

株式会社ビデオリサーチ

東京都千代田区三番町6-17

480,000

2.5

上田八木短資株式会社

大阪府大阪市中央区高麗橋2-4-2

400,000

2.1

五 十 嵐 史 子

東京都港区

390,000

2.0

株式会社SBI証券

東京都港区六本木1-6-1

288,715

1.5

岩﨑 泰次

静岡県静岡市駿河区

281,700

1.5

12,300,401

64.1

 

 

(注)1.上記のほか当社所有の自己株式792,498株があります。

  2.2023年2月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三井住友DSアセットマネジメント株式会社及びその共同保有者である株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社が2023年1月31日現在でそれぞれ以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年6月30日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。

なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等
の数(株)

株券等
保有割合(%)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

東京都港区虎ノ門一丁目17番1号

937,900

4.70

株式会社三井住友銀行

東京都千代田区丸の内一丁目1番2号

116,478

0.58

SMBC日興証券株式会社

東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

51,500

0.26

 

 

①【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年6月30日)

当連結会計年度

(2023年6月30日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

5,541,627

6,477,820

 

 

受取手形

170,483

120,890

 

 

売掛金

3,202,907

3,004,063

 

 

契約資産

47,695

12,945

 

 

仕掛品

990,431

714,047

 

 

その他

784,708

999,511

 

 

貸倒引当金

22,573

37,149

 

 

流動資産合計

10,715,279

11,292,126

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物(純額)

230,794

206,764

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

57,892

64,406

 

 

 

その他(純額)

4,280

7,092

 

 

 

有形固定資産合計

※1 292,965

※1 278,262

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

498,024

631,508

 

 

 

のれん

381,254

622,633

 

 

 

その他

99,805

207,534

 

 

 

無形固定資産合計

979,083

1,461,675

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

212,756

323,375

 

 

 

関係会社株式

37,480

73,516

 

 

 

繰延税金資産

277,199

324,650

 

 

 

その他

618,480

554,885

 

 

 

投資その他の資産合計

1,145,914

1,276,426

 

 

固定資産合計

2,417,962

3,016,363

 

資産合計

13,133,240

14,308,489

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年6月30日)

当連結会計年度

(2023年6月30日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

1,325,167

983,469

 

 

短期借入金

※2 443,596

※2 393,258

 

 

1年内返済予定の長期借入金

702,963

945,801

 

 

未払法人税等

322,354

546,368

 

 

賞与引当金

344,359

514,234

 

 

その他

※3 1,897,873

※3 1,764,349

 

 

流動負債合計

5,036,312

5,147,479

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

1,674,373

2,758,918

 

 

役員退職慰労引当金

109,111

105,569

 

 

繰延税金負債

1,217

 

 

資産除去債務

127,912

129,122

 

 

その他

48,797

78,629

 

 

固定負債合計

1,961,411

3,072,238

 

負債合計

6,997,723

8,219,717

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

646,709

646,709

 

 

資本剰余金

757,769

569,203

 

 

利益剰余金

4,537,338

5,320,692

 

 

自己株式

40,344

482,763

 

 

株主資本合計

5,901,472

6,053,841

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

1,146

3,281

 

 

為替換算調整勘定

136,151

54,636

 

 

その他の包括利益累計額合計

137,297

51,355

 

新株予約権

1,600

1,600

 

非支配株主持分

369,743

84,686

 

純資産合計

6,135,518

6,088,772

負債純資産合計

13,133,240

14,308,489

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年7月1日

 至 2022年6月30日)

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

 至 2023年6月30日)

売上高

※1 24,899,126

※1 25,094,322

売上原価

14,561,937

14,700,195

売上総利益

10,337,189

10,394,127

販売費及び一般管理費

※2 7,815,310

※2 8,443,165

営業利益

2,521,879

1,950,962

営業外収益

 

 

 

受取利息及び配当金

3,710

4,349

 

持分法による投資利益

28,425

 

補助金収入

19,686

8,000

 

投資有価証券売却益

15,709

 

為替差益

63,341

4,314

 

その他

6,721

12,257

 

営業外収益合計

93,458

73,054

営業外費用

 

 

 

支払利息

45,373

50,806

 

持分法による投資損失

20,624

 

和解金

70,249

 

投資有価証券評価損

24,546

 

その他

26,800

23,329

 

営業外費用合計

117,342

144,384

経常利益

2,497,995

1,879,633

特別利益

 

 

 

関係会社株式売却益

87,466

 

持分変動利益

7,612

 

特別利益合計

87,466

7,612

特別損失

 

 

 

減損損失

※3 32,288

 

固定資産除却損

※4 19,560

※4 7,746

 

投資有価証券売却損

174,363

 

事業譲渡損

73,243

 

特別損失合計

267,166

40,034

税金等調整前当期純利益

2,318,295

1,847,210

法人税、住民税及び事業税

684,975

865,100

法人税等調整額

3,396

43,466

法人税等合計

681,579

821,634

当期純利益

1,636,716

1,025,576

非支配株主に帰属する当期純利益

77,297

18,567

親会社株主に帰属する当期純利益

1,559,419

1,007,009

 

1  報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、「データマーケティング事業」によるあらゆるデータの分析、並びに「インサイト事業」による“生活者理解”、“WHYの解明”を通じて、「デジタルマーケティング事業」による顧客のマーケティングソリューションの実践を支援及びデジタル化によるマーケティングプロセスの変革を支援し、顧客のビジネスを成功に導くパートナーとして事業を行っております。

従いまして、当社グループはそれぞれの事業規模を勘案し「デジタルマーケティング事業」、「データマーケティング事業」及び「インサイト事業」の3つを報告セグメントとしております。「デジタルマーケティング事業」は、主に国内のグループ各社が、デジタル領域に軸足を置き、販促支援メディアの運営、プロモーション・マーケティング支援、システムの受託開発及び保守・運用、人材供給等、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関わる総合的なITソリューションを提供しております。「データマーケティング事業」は、国内外のグループ各社において、マーケティングリサーチにおけるオンライン・オフラインでのデータ収集を中心にサービスを提供しております。「インサイト事業」は、国内外のグループ各社において、各種マーケティングデータの複合的な分析、消費者インサイトの発掘、レポート作成などを通じ、お客様企業のマーケティング戦略における意思決定への支援を行っております。

 

①【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年6月30日)

当事業年度

(2023年6月30日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

544,569

483,792

 

 

営業未収入金

※1 308,741

※1 352,550

 

 

前払費用

171,107

222,570

 

 

短期貸付金

※1 296,399

※1 258,706

 

 

その他

※1 193,067

※1 189,846

 

 

貸倒引当金

290,543

343,210

 

 

流動資産合計

1,223,340

1,164,254

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物(純額)

176,498

162,358

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

46,772

39,682

 

 

 

その他

1,065

 

 

 

有形固定資産合計

224,334

202,040

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

205,213

186,353

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

79,626

107,529

 

 

 

その他

322

 

 

 

無形固定資産合計

285,161

293,881

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

144,937

168,582

 

 

 

関係会社株式

3,771,197

4,720,899

 

 

 

長期貸付金

※1 50,000

※1 165,000

 

 

 

繰延税金資産

58,072

58,976

 

 

 

その他

488,260

437,224

 

 

 

貸倒引当金

21,992

 

 

 

投資その他の資産合計

4,490,474

5,550,681

 

 

固定資産合計

4,999,969

6,046,602

 

資産合計

6,223,309

7,210,856

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年6月30日)

当事業年度

(2023年6月30日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

短期借入金

※2 50,000

※2 50,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

617,336

849,564

 

 

未払金

※1 273,100

※1 177,975

 

 

未払費用

41,016

26,001

 

 

預り金

7,132

27,229

 

 

未払法人税等

25,419

11,217

 

 

賞与引当金

39,566

48,468

 

 

その他

85,633

52,967

 

 

流動負債合計

1,139,202

1,243,420

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

1,514,628

2,636,493

 

 

役員退職慰労引当金

54,240

47,250

 

 

関係会社事業損失引当金

40,883

 

 

資産除去債務

90,850

91,943

 

 

固定負債合計

1,659,718

2,816,569

 

負債合計

2,798,920

4,059,990

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

646,709

646,709

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

681,709

681,709

 

 

 

その他資本剰余金

1,527,029

1,538,474

 

 

 

資本剰余金合計

2,208,738

2,220,183

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

607,275

763,431

 

 

 

利益剰余金合計

607,275

763,431

 

 

自己株式

40,344

482,763

 

 

株主資本合計

3,422,378

3,147,560

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

411

1,707

 

 

評価・換算差額等合計

411

1,707

 

新株予約権

1,600

1,600

 

純資産合計

3,424,389

3,150,867

負債純資産合計

6,223,309

7,210,856

 

②【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年7月1日

 至 2022年6月30日)

当事業年度

(自 2022年7月1日

 至 2023年6月30日)

営業収益

※1 2,686,968

※1 2,857,639

営業費用

※1,2 2,095,706

※1,2 2,234,806

営業利益

591,262

622,833

営業外収益

 

 

 

受取利息及び受取配当金

※1 3,554

※1 2,898

 

貸倒引当金戻入額

9,019

 

その他

64,103

38,712

 

営業外収益合計

67,657

50,629

営業外費用

 

 

 

支払利息

13,639

12,972

 

貸倒引当金繰入額

45,830

 

その他

11,712

14,750

 

営業外費用合計

71,181

27,722

経常利益

587,737

645,739

特別利益

 

 

 

関係会社株式売却益

802

 

特別利益合計

802

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

2,166

921

 

関係会社株式評価損

3,225

172,425

 

投資有価証券売却損

174,363

 

関係会社事業損失引当金繰入額

40,883

 

特別損失合計

179,754

214,229

税引前当期純利益

408,786

431,510

法人税、住民税及び事業税

108,410

53,153

法人税等調整額

3,663

1,453

法人税等合計

104,746

51,700

当期純利益

304,039

379,810