ダイキョーニシカワ株式会社
(注) 1 第14期、第15期及び第16期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第15期の期首から適用しており、第15期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であり、[ ]内に年間の平均臨時雇用者数を外数で記載しております。
(注) 1 第14期、第15期及び第16期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第15期の期首から適用しており、第15期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であり、[ ]内に年間の平均臨時雇用者数を外数で記載しております。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
5 第16期の配当性向については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。
当社は、2007年4月1日を合併期日として、西川化成株式会社(吸収合併存続会社)、ジー・ピー・ダイキョー株式会社(吸収合併消滅会社)並びに両社が50%ずつ出資し、全体統合を視野に設立された(旧)ダイキョーニシカワ株式会社(吸収合併消滅会社)との3社合併により発足いたしました。
合併後の当社の沿革は以下のとおりであります。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、国内外に当社、連結子会社14社及び関連会社2社で構成され、自動車樹脂部品の製造、販売を主な事業としております。
当社グループは、商社、メーカーから原材料を仕入れ、インストルメントパネル、バンパー等の自動車部品及びバスユニット部材等の住宅設備機器を製造し、自動車メーカー、住宅機器メーカーに販売しております。
当社グループのセグメントは日本、中国・韓国、アセアン、中米・北米であり、日本は自動車樹脂部品の設計開発、製造販売を行う自動車部品製造部門と住宅設備機器の設計開発、製造販売等を行うその他の部門に分かれております。
1 当社グループの概要
当社グループは、開発から品質保証まで手がける提案型の総合プラスチックメーカー(フルサービスサプライヤー)であります。
当社での材料開発、新工法、新設備開発が可能にする新製品の開発提案と多彩な生産技術を有することが強みであり、長年培ってきた生産管理の仕組みと製造工程の技術力により、得意先からの多品種変量かつ厳しい納期管理についても対応できる体制が整っております。
また、常に新しい発見と可能性を追い求め、軽くて加工自由度が高いというプラスチックの特性をさらに高めつつ、機能性・安全性・強度・耐久性・環境配慮など、より付加価値の高い製品の提供を目指し、開発と提案を行っております。
2 当社グループ企業の位置づけと役割
(注) 1 上記会社は当社及び当社連結子会社であります。
2 上記の他に、持分法適用関連会社2社があります。
3 事業系統図

4 主要な製品と各事業の特徴
(1) 自動車部品製造部門
当社グループの主要な顧客は自動車メーカーでありますが、その中でも、マツダ株式会社(以下、「同社」という。)に対しては、主要な樹脂部品供給サプライヤーとなっており、同社の樹脂部品の多くを当社グループで取り扱い、特にインストルメントパネルにおいては全車種に供給しております。
バンパー、インストルメントパネル等の大物部品については、同社の順序指示(例:生産ライン別の車種の製造順序を指示すること)に従って計画順序搬入する生産形態を採用することで最小のリードタイムで納入対応ができるとともに、当社グループにおいても各工程を効率化することにより生産リードタイムを短縮することができ、コスト削減に寄与しております。
また、自動車メーカーにおいて、環境対策の一環としての車の軽量化による燃費向上や車のコストダウンが求められており、それらに対応して従来の金属部品から樹脂部品が採用されている外部環境に対し、当社グループの持つ技術力で、エンジンカバー、インテークマニホールド、オイルストレーナー等の耐熱性、耐振性能など過酷な条件が求められるエンジンルーム内の部品及びシュラウドパネル、フューエルリッド等の自動車ボディ部品の樹脂化についても成功し、当社の主力製品となっております。
① インストルメントパネル(Instrument Panel)
インストルメントパネルの主な工法として、パウダースラッシュ表皮法と発泡ウレタン注入法を使用してソフトタッチのインストルメントパネルを生産しております。パウダースラッシュ表皮法におきましては、成形工程との同時トリム法を開発し工程削減も行っております。また、ステッチ技術も取入れ、インストルメントパネルの質感向上も行っております。
② バンパー(Bumper)
低温衝撃にも強い樹脂材を使用した軽量バンパーフェースにおいては、トリクロロエタンを使用しない脱脂レス工法をいち早く開発し、環境に優しい塗装方法で生産を行っております。開発領域においては、レインホースメントを含めた衝突エネルギー吸収開発も実施可能であります。また、当社は樹脂材料を内製化するため、タルクマスターバッチ製法も開発し、価格競争力のある効率的な生産を実現しました。このバンパーは、マツダ株式会社及びダイハツ工業株式会社に採用されております。
③ サイドステップモール(Side Step Molding)
車体ドア下部に装着される空力性向上とボディの保護を目的とした樹脂でしか実現できないデザインの自由度を可能にした部品です。当社は生産コスト低減のため、大型部品の塗装ラインを開発し、効率的な生産を行って、主にマツダ株式会社やダイハツ工業株式会社等に採用されております。
④ テールゲート(Lift Gate Module)
鋼板から樹脂製に変更することで、内装トリム、スポイラー、ガーニッシュ等の一体化で軽量化、部品点数の削減による製造工程の簡略化を実現しました。軽量化による燃費の向上や、開閉のしやすさの利点に加え樹脂化による設計の自由度が向上し、斬新なデザインも可能となり、空力性能の向上にもつながっております。この樹脂製テールゲートは初めてマツダ株式会社に採用され、現在ではダイハツ工業株式会社、本田技研工業株式会社に採用されております。
⑤ 給電・給油口(Charger Receives Electric Power,Fuel Lid)
ボックスを高強度樹脂と開閉構造の検討により、従来の鉄製構造と比較して、軽量で高外観な樹脂構造を国内でいち早く確立しました。この給電・給油口はダイハツ工業株式会社、株式会社SUBARU、マツダ株式会社、三菱自動車工業株式会社等のメーカーに採用されております。
⑥ インテークマニホールド(Intake Manifold)
樹脂の持つ特長を生かし、軽量で各配管の流路抵抗等を低減した低価格な吸気多岐管の生産を実現しました。当社独自のDRI工法の開発によって三次元に湾曲した等長の樹脂管を安価に作ることが可能となり、初代トヨタヴィッツに採用されました。これを足がかりに国内の多くの自動車メーカーへの拡販に繋がっております。このインテークマニホールドは、ダイハツ工業株式会社、トヨタ自動車株式会社、マツダ株式会社、その他多くの顧客に採用されております。
⑦ バッテリーカバー(Battery Cover)
電気自動車のバッテリーにおいて水・異物の侵入を防止し、ショートを防ぐことと、車両火災時のバッテリーへの燃焼を防ぐための大型のカバー。難燃性を有した熱可塑もしくは熱硬化材料を使用することで、耐熱焼性、シール性を確保しております。また、樹脂の形状自由度を活かし、電気自動車の限られたスペースにレイアウトも可能になり、車体の軽量化にも貢献しております。このバッテリーカバーは、マツダ株式会社、トヨタ自動車株式会社、本田技研工業株式会社に採用されております。
⑧ オイルストレーナー(Oil Strainer)
当社独自の樹脂技術と溶着技術の開発による極小の樹脂メッシュを含む樹脂製オイルストレーナーは、従来の金属製オイルストレーナーに対し、軽量、安価、高性能に加えて、設計の自由度が大幅に向上しております。現在、樹脂製オイルストレーナーでは世界一のシェアを誇っており、あらゆる形状にも対応しております。このオイルストレーナーはマツダ株式会社、ダイハツ工業株式会社、トヨタ自動車株式会社、本田技研工業株式会社、日産自動車株式会社、スズキ株式会社及び株式会社SUBARUに採用され、現在は日本、中国、タイ、インドネシア、メキシコにて生産し、顧客に供給しております。
(2) その他の部門(住宅設備機器)
住宅設備機器部門では、自動車部品製造で培った設計・開発・成形・塗装技術、そして品質管理力を活かし、SMC浴槽、塗装浴槽、塗装エプロン、樹脂便座を主にTOTOグループ向けに生産しております。
① 人造大理石
当社独自のBMC材料開発により、大理石調の色・柄の配合調整を行い、従来の注型工法でしか表現出来なかった「マーブル模様」を可能にし、洗面カウンターのコスト低減と抗菌性能の付加も実現しました。
② 塗装浴槽
当社は、自動車の大型部品の塗装技術を活かして浴槽の質感を向上させております。塗装技術開発により従来のSMC浴槽に比べ、深み感と色彩感を大幅に向上させ、TOTOグループの主力浴槽に採用されております。
(注) 1 議決権の所有割合の(内書)は、間接所有議決権割合であります。
2 特定子会社であります。
3 DaikyoNishikawa USA Inc.は債務超過会社であり、2022年12月末時点で債務超過額は4,997百万円であります。
4 2023年5月22日にDaikyoNishikawa USA Inc.は20,000千USD増資し、資本金は80,268千USDに増加しております。
(注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの 出向者を含む就業人員数であります。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3 臨時従業員には、派遣社員を含めております。
2023年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
3 臨時従業員には、派遣社員を含めております。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含めております。
5 提出会社の従業員は、「日本」セグメントに所属しております。
当社グループには、ダイキョーニシカワ労働組合(2023年3月31日現在2,113名)、エイエフティ―労働組合(2023年3月31日現在214名)があり、全国マツダ労働組合連合会に加盟しております。
なお、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。
① 提出会社
(注) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
<男女の賃金の差異についての補足説明>
①対象期間は当事業年度(2022年4月1日~2023年3月31日)です。
②正規雇用労働者に出向者は含んでおりません。
③パート・有期労働者は定年後の再雇用者、嘱託、準社員、臨時社員、外国人技能実習生を集計しております。内訳については、女性の8割以上が外国人技能実習生であるのに対し、男性は6割以上が定年後の再雇用者となっております。
④平均年齢・平均勤続年数において男女間に差があることで、賃金に差異が生じておりますが、賃金制度において性別による差は一切ありません。
⑤男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。
② 連結子会社
公表義務の対象となる連結子会社が無いため、記載を省略しております。
(1)会社の経営の基本方針
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、高機能樹脂部品でクルマの軽量化をリードするとともに、新しい価値の創造へのチャレンジ
を積極的に行い、お客様の期待と要望の一歩先を行く、提案型企業を目指します。
また、安全と環境にやさしいものづくりも追求し続け、真に社会に貢献できる企業を目指しております。
基本方針として、次のとおり企業理念を掲げて企業活動を行っております。
・社員の幸福と繁栄を願い、人・社会・地球を大切にする企業を実現します。
・感動創造企業を目指し、技術開発と革新的なものづくりにチャレンジします。
・企業倫理の徹底を図り、地域から信頼される企業を築きます。
(2)目標とする経営指標
当社グループは2019年度から2023年度までの5年間を対象とする「中期経営計画」を掲げ、計画最終年度となる2023年度に連結売上高1,500億円、売上高営業利益率9%以上、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上を経営目標として公表しておりましたが、主要顧客の生産台数において、新型コロナウイルス感染症の影響や半導体供給不足の影響は回復基調にあるものの、中期経営計画立案時の台数に対しては減少となる想定とする一方で、新規部品の受注や部品構成の変化等が主な要因となり、最終年度の売上高は1,630億円となる見込みです。営業利益は、米国工場の2直化のタイミング遅れによる費用負担と、想定した生産台数の減少に加え、原材料及びエネルギー価格の上昇、またCSR経営の強化に伴う費用増加等により、減益となる見込みですが、最適生産の追求と業務効率の改善等により売上高営業利益率5%の確保を目標としております。自己資本当期純利益率(ROE)は、営業利益の減益要因等もあり6%の確保を目標として事業運営を推進してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題
当社グループは従来からの国内の売上高比率および特定取引先の売上依存度の高さ、計画的な人材育成、働き方改革(業務の変革と効率化)の実現に加え、SDGsやカーボンニュートラルなどのサステナビリティに関する活動の推進、地政学リスクやパンデミック等の緊急事態におけるBCP(事業継続計画)への対応等が経営課題であると認識しており、これらの経営課題に対処すべく、施策に取り組んでおります。
なお、その戦略は以下のとおりであります。
① 顧客戦略
1)顧客ニーズ把握の強化、開発提案活動の推進、戦略商品の拡販により安定受注を獲得する。
2)事業拠点をフルに活用し、グローバルでの顧客対応を充実する。
3)顧客の多様化、新規領域への対応検討を推進する。
② 商品戦略
1)保有技術の更なる進化で、インパネ、外装外板部品および機能部品を軸とした、商品の価値向上を
実現する。
2)樹脂による新たな価値創造で、市場ニーズの変化に応える新規商品を開発する。
3)車両レベルの開発をIT革新(IoT、AI)、MBD(モデルベース開発)および共創活動で推進し、
開発プロセスを革新する。
③ ものづくり戦略
1)品質保証のしくみ運用を強化、推進し、市場や顧客の期待を上回る品質を実現する。
2)究極の無駄を排除したものづくりに向け、部材入荷から顧客までの全体最適のものづくりを構築する。
3)MBDプロセスを定着しQCDを追求した製品設計、工程設計を実践する事により、ものづくり革新を推進
する。
4)事業拠点で情報共有をタイムリーに行い、グローバルでの最適生産と最適調達を推進する。
④ 拠点戦略
1)拠点ごとの安定収益確保を継続できる基盤を構築し、グループ内連携を強化する。
2)BCPに基づき早期回復のために各セグメント内の連携を強化する。
⑤ 経営基盤戦略
1)CSR経営の強化、環境対応、地域貢献を推進し、DNCブランドを確立する。
2)あらゆる経営プロセスで先行管理へシフトする。
3)グループメンバーひとりひとりの働きがい向上を目指し、ヒトを支える仕組みを強化する。
4)新たな発想、視点、ツールを活用し働き方改革を実現する。
以上の戦略を通じて、経営課題に対処するとともに、市場ニーズを先取りする独創的、革新的な樹脂製品や技術開発への積極的なチャレンジにより、事業拡大を図ってまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、記載内容及び将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在していること、並びに投資に関連するリスク全てを網羅するものではないことにご留意下さい。
当社グループの製品の需要は、主要得意先であるマツダ株式会社をはじめとする自動車関連メーカーの販売状況の影響を受けます。
自動車関連メーカーの販売状況は製品販売先の国または地域の経済状況の影響を受ける可能性があるため、主要市場(日本、北米、欧州、アジア)における景気動向、金利動向、為替動向等が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、自動車業界では、部品量産を開始した以降は継続した原価低減活動の実施により、顧客から製品価格の引き下げの要請を受ける商慣行があります。当社グループは計画的な合理化・原価低減活動を実施し、製品価格の引き下げがなされても、収益性が低下しないようコスト管理に取り組んでおりますが、顧客からの要請の内容によっては、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要な得意先はマツダ株式会社(以下、「同社」という。)であり、当連結会計年度の売上高に占める割合は52.4%(前連結会計年度53.8%)となっており、同社の売上高に占める割合が高いため、同社の自動車生産及び販売動向が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グループの持続的な成長基盤を築くため、東アジア(中国、韓国)、アセアン地域(タイ、インドネシア)、中米・北米(メキシコ、米国)においても事業展開を行っております。
グローバル展開を行う上では、当該進出国での以下に掲げるリスクに直面する可能性があります。
a 予期しない法律または規制の変更
b 人材の採用と確保の難しさ
c ストライキ等の労働争議
d テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
これらリスクを最小限に抑えるため、現地に精通した弁護士、監査法人等からも迅速に情報を入手し、いち早く対策が打てるよう努めておりますが、リスクの顕在化により、材料調達や生産が困難になることや販売の中止等の困難が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
自動車業界の価格競争の激化を受け、部品メーカーにおいても他社との競合による価格競争が激化しております。当社グループは、環境への配慮、軽量化、低価格等の市場のニーズに応えながら、技術開発等で付加価値を高め価格維持に努めておりますが、競合先の低販売価格に対して、販売の維持・拡大、収益性の確保ができなくなる可能性があります。この場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達し製品を生産しております。安定した調達を行うため、原材料や部品等の市場動向を注視するとともに、取引先の経営状況確認や品質管理を徹底しながら発注を行っておりますが、原材料やエネルギーの供給不安、原油価格の高騰や需要状況の逼迫による、原材料費・エネルギー費・物流費等の高騰、供給元での不慮の事故等による供給の中断等により、安定したコスト・納期で原材料及び部品等を調達できない場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、市場・顧客からの軽量化・低価格等のニーズに応えるため、金属やガラスから樹脂への代替製品の開発を積極的に行い、軽量化、低コスト化等に向けて製品開発を実施・提案しております。
例えば、樹脂製テールゲートにおいては、当社の材料開発技術と生産技術を活かした軽量化製品を開発するなど、常に顧客の求める製品を提供するため、世界に誇れる技術開発力を活かし、コスト競争力向上、商品性向上、軽量化・新規アイテム提案等に向け、さらなる製品開発力・技術力の強化に注力しております。
しかしながら、市場・顧客ニーズの変化に対応できず、魅力ある新製品を開発できない場合やタイムリーに提供できない場合、将来の成長と収益性を悪化させ、また投下資金の負担により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、他社製品との差別化のため、製品・製造技術等に関連する特許等の知的財産権を取得しております。また、第三者の知的財産権侵害防止のため、随時特許調査を行っております。
知的財産権による完全な保護が困難であるか、限定的にしか保護されない国または地域で自社特許の製品を生産された場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
一方、当社グループの製品または製造技術が、将来的に第三者の知的財産権を侵害していると判断される場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
製品品質については、国際的な品質管理基準であるISO9001をはじめ、当社グループでの開発から生産までの品質保証体系に基づいて日常管理を行っています。しかしながら、当社グループの製品すべてについて欠陥がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。欠陥の内容によっては多額の追加コストが発生する可能性があります。
また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険によりカバーできないリスクもあります。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコスト負担につながり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
為替レートの変動については、以下の内容等により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
a 当社グループの取引の内、外貨建て取引分。
b 海外事業の売上高。
c 当社保有の債権の中にある、回収の期間が長期予定の外貨建債権。
当社グループでは、情報セキュリティのリスクに対して、セキュリティ対策を講じ、社員に対する啓発活動・教育等のセキュリティ強化に努めておりますが、サイバー攻撃やコンピュータウイルスによる、外部への機密情報漏洩や情報の喪失、情報システム等に障害が生じる可能性があります。このような状況が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、自然災害等偶然な事由によりネットワーク機能が停止した場合に備え、サーバー機の設置を分散することによりネットワーク機能の停止による復旧対策にも努めておりますが、被害の規模により製品の受注・発注が滞り生産不能に陥る可能性があります。このような状況が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グローバルな事業展開のため、社内外での積極的な語学研修への参加、経験豊かな中途採用などにより有能な人材の確保・育成に努めておりますが、転職・不慮の事故・休職により、人材の流失、ノウハウの逸失が発生する可能性があります。このような状況が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した退職給付債務の割引率及び年金資産の期待運用収益率といった前提条件に基づいて算出しております。
しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来に亘って当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日本をはじめ事業を展開する各国において地球環境保護や製品の安全性に関連する規制等、様々な法規制の適用を受けており、当社グループはコンプライアンスを重要な経営課題と認識し、役員、従業員に対してコンプライアンス教育を実施するなど、管理体制の強化に努めております。
しかし、急な法改正・強化がされる場合、新たな規制遵守のために発生する追加費用によって、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、生産設備の定期的な保守、耐震工事等の災害対策整備等を行っております。
しかし、予期しない自然災害、感染症の流行、不慮の事故等に起因する生産設備の火災・故障、停電等により、生産や納品等に関し、遅延や停止が生じる可能性があります。特に、当社グループの国内工場や仕入先などの取引先の多くは、中国地方に所在しており、この地域で大規模な災害が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 新型コロナウイルス感染症による影響
新型コロナウイルス感染症の影響により、当社の主要販売先をはじめとする日系自動車メーカー各社における販売台数の減少に伴う生産の減少による売上の減少や感染症拡大防止の対応によって、収益悪化の可能性があります。また、感染症による影響が長期に亘る場合、更なるコスト増加による収益悪化が発生する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績は、世界的な半導体不足の影響等はありましたが、顧客生産台数が回復傾向になったことと、原材料・エネルギー費高騰分の価格への転嫁等により、売上高は前連結会計年度と比べ29,075百万円(24.9%)増加の145,744百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は、顧客の2直化のタイミング遅れによる米国新工場の費用負担と、全拠点における原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありますが、増収影響と投資の抑制や見直し等あらゆる経費の削減とコスト改善活動実施により、3,453百万円(前連結会計年度は2,632百万円の営業損失)となりました。
当連結会計年度の経常利益は、2,864百万円(前連結会計年度は985百万円の経常損失)となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、518百万円(前連結会計年度は2,085百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ6,736百万円(4.3%)増加し、162,899百万円となりました。主な要因は、売掛金及び投資その他の資産のその他並びに原材料及び貯蔵品が増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度に比べ5,233百万円(6.6%)増加し、84,477百万円となりました。主な要因は、長期借入金が減少した一方で、支払手形及び買掛金並びに流動負債のその他並びに未払金が増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度に比べ1,503百万円(2.0%)増加し、78,422百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が増加した一方で、利益剰余金が減少したことによるものであります。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ18円50銭増加の1,063円76銭に、自己資本比率は、前連結会計年度の47.5%から1.1ポイント低下の46.4%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して1,923百万円(9.2%)減少し、18,944百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、14,048百万円の収入(前連結会計年度は3,705百万円の収入)となりました。主な要因は、減価償却費11,895百万円の計上によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,991百万円の支出(前連結会計年度は20,107百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出7,432百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,618百万円の支出(前連結会計年度は3,579百万円の収入)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出5,254百万円であります。
当社は取引先の生産順序どおりに生産納入する方式を採用しており、確定受注は主に納期直前であることから、生産実績及び受注実績は、販売実績と重要な相違はないため記載は省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の自動車業界を取り巻く環境は、カーボンニュートラルやSDGsをはじめとする持続可能な社会の実現に向けた取り組みや次世代の自動車開発がより一層加速するなか、世界で長期化していた新型コロナウイルス感染症の影響や半導体供給不足等による生産数の下振れは回復傾向にあるものの、ロシア・ウクライナ情勢等により、原材料及びエネルギー価格が高い水準で推移しており、これらは当社の事業活動にも大きな影響を及ぼすこととなりました。
このような環境の中、当社はCSR経営の強化を前面に、事業活動を通じた社会貢献活動を利益創出と双璧をなすものとして推進し、2023年度を最終年度とする中期経営計画に掲げる経営指標達成に向けた諸施策を実施してまいりました。
具体的な取り組みとしまして、研究開発領域においては、内装・外装部品でのリサイクル技術の開発や内装部品における自動車内の快適性向上、熱マネージメント技術の開発、樹脂と電装の融合による先進的な操作デバイスの開発等を推進してまいりました。
ものづくり領域においては、2019年に稼働を開始した本社工場の機能を活用した全自働化ラインのノウハウを水平展開するべく活動を推進してまいりました。より一段と進化した生産プロセスの拡充による省資源、省エネルギー化を目指し活動を進めてまいります。
商品領域としましては、インストルメントパネルの新しい価値の追求、次世代光透過表皮の技術開発や電動車にも対応可能なバスバーの量産等を推進してまいりました。
経営基盤領域においては、新型コロナウイルス感染防止策の一環として、テレワーク勤務やWEB会議等の活用や、女性活躍推進制度拡充プロジェクトによる、制度の見直し等の働き方改革を実施してまいりました。今後も多様性を意識した活動を推進してまいります。
当連結会計年度の連結業績は、世界的な半導体不足の影響等はありましたが、顧客生産台数が回復傾向になったことと、原材料・エネルギー費高騰分の価格への転嫁等により、売上高は前連結会計年度と比べ29,075百万円(24.9%)増加の145,744百万円となりました。営業利益は、顧客の2直化のタイミング遅れによる米国新工場の費用負担と、全拠点における原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありますが、増収影響と投資の抑制や見直し等あらゆる経費の削減とコスト改善活動実施により、3,453百万円(前連結会計年度は2,632百万円の営業損失)となりました。経常利益は、2,864百万円(前連結会計年度は985百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、518百万円(前連結会計年度は2,085百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(日本)
日本では、世界的な半導体不足の影響等はありましたが、主要顧客の生産台数増加と車種構成の変化に加え、販路拡大に向けた戦略OEMへの売上増加と、原材料・エネルギー費高騰分の価格への転嫁等により、売上高は前連結会計年度と比べ14,808百万円(16.2%)増加の105,956百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありますが、増収影響と投資の抑制や見直し等あらゆる経費の削減とコスト改善活動実施により、前連結会計年度と比べ3,292百万円(408.4%)増加の4,098百万円となりました。
(中国・韓国)
中国・韓国では、邦貨換算影響による増収要因もありましたが、中国でのロックダウンによる自動車部品調達支障の影響により、売上高は前連結会計年度と比べ1,282百万円(16.7%)減少の6,384百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、生産工程の見直しによるコスト改善等はありましたが、減産影響と原材料及びエネルギー価格高騰の影響等により、81百万円の損失(前連結会計年度は283百万円のセグメント利益)となりました。
(アセアン)
アセアンでは、顧客生産台数の回復と邦貨換算影響により、売上高は前連結会計年度と比べ3,300百万円(35.5%)増加の12,585百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありましたが、増収影響と生産工程の見直しによるコスト改善等により、前連結会計年度と比べ857百万円(482.6%)増加の1,034百万円となりました。
(中米・北米)
中米・北米では、米国新工場の本格的な稼働開始と金型売上の増加に加え、邦貨換算影響により、売上高は前連結会計年度と比べ11,522百万円(78.8%)増加の26,145百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、顧客の2直化のタイミング遅れに対する米国新工場の生産体制の見直し等による改善を行いましたが、開発費の一括計上と邦貨換算影響により、2,750百万円の損失(前連結会計年度は2,871百万円のセグメント損失)となりました。
当社グループの資金需要につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により賄っておりますが、一部の設備投資についてはリースにより調達しております。今後の重要な資本的支出の予定及びその調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度と比較して1,923百万円(9.2%)減少し、18,944百万円となりました。これは当社グループの支払債務及び投資活動を勘案しつつ、適正な流動性を確保するために資金の調達・運用を行ったものであります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(4) 経営者の問題意識と今後の方針
当社グループは、対処すべき課題に記載する経営課題に対処すべく、「中期経営計画」において、顧客戦略、商品戦略、ものづくり戦略、拠点戦略、経営基盤戦略の5つを柱とする経営戦略を掲げ諸施策を推進しております。
ものづくり戦略においては、カーボンニュートラル実現に向け省エネ、再エネ、リサイクル等の活動を強化し、推進しております。
なお、今後の事業環境の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大からの経済回復はありますが、ロシア・ウクライナ情勢等により、原材料及びエネルギー価格が高い水準で推移しており、当社においても、先行きの見通しは不透明な状況であります。
このような状況の中、当社では世界4地域に展開した事業拠点での安定した事業の展開による成長、市場ニーズを先取りした独創的、革新的な樹脂製品や技術開発への積極的なチャレンジ、ものづくりのあるべき姿の追求、働き方改革の実現等、企業の継続的発展のための取り組みを推進してまいります。
該当事項はありません。
2023年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品並びにソフトウエア等であります。
2 帳簿価額には建設仮勘定及びソフトウェア仮勘定の金額を含んでおりません。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
4 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
5 関係会社への貸与資産は、連結子会社である関東大協株式会社に対するものであります。
6 上記の他、連結会社以外から賃借している主な内容は、下記のとおりであります。
2023年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品並びにソフトウエア等であります。
2 帳簿価額には建設仮勘定及びソフトウェア仮勘定の金額を含んでおりません。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
4 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
5 上記の他、連結会社以外から賃借している主な内容は、下記のとおりであります。
2023年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品並びにソフトウエア等であります。
2 帳簿価額には建設仮勘定及びソフトウェア仮勘定の金額を含んでおりません。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
4 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
(注) 完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式で、単元株式数は100株であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1 有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 1,370.04円 資本組入額 685.02円 割当先 野村證券株式会社
2023年3月31日現在
(注) 自己株式2,824,305株は、「個人その他」に28,243単元及び「単元未満株式の状況」に5株含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2023年3月31日現在
(注) 1 上記のほか当社所有の自己株式2,824,305株があります。
2 2022年5月11日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、エフエムアール エルエルシーが2022年4月29日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは主に自動車部品を製造・販売しており、国内においては当社及び国内子会社が、海外においては中国・韓国、アセアン(タイ、インドネシア)、中米・北米(メキシコ、アメリカ)の各地域を海外子会社が担当しております。各海外子会社はそれぞれ独立した経営単位であり、取り扱う製品について各地域の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社は製造・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本」、「中国・韓国」、「アセアン」及び「中米・北米」の4つを報告セグメントとしております。