株式会社エムケイシステム
(1) 連結経営指標等
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第34期の期首から適用しており、第34期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(臨時従業員)は、最近1年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
(注) 1.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため、記載しておりません。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(臨時従業員)は、最近1年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
4.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものです。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第34期の期首から適用しており、第34期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) SaaS(Software as a Service)とは、ソフトウエアの機能のうち、ユーザーが必要とするものだけをサービスとして配布し、利用できるようにしたソフトウエアの配布形態のことであります。
当社グループは、当社(株式会社エムケイシステム)、株式会社ビジネスネットコーポレーションの2社で構成され、社労夢事業とCuBe事業の2事業を営んでおります。
各事業の内容は次のとおりであります。なお、セグメント情報の区分と同一であります。
社労夢事業では、社会保険労務士事務所、労働保険事務組合(注1)及び一般法人における、社会保険(注2)、労働保険(注3)、給与計算等の手続きをサポートする業務支援ソフトウエアをASP方式により提供するサービスを行っています。
社労夢事業の販売区分は大きく「クラウドサービス(注4)」、「システム商品販売」、「その他サービス」に区分できます。
「クラウドサービス」は、ASPサービスの利用や各種サポート費用などの月額料金である「ASPサービス」と、サービス導入に至るまでの初期設定費用、カスタマイズ作業費、操作指導料などが含まれる「システム構築サービス」で構成されます。
また、システムに付随した商品や端末機器の販売、サプライ商品の販売を行う「システム商品販売」、これらに該当しない社会保険労務士や一般法人の人事総務部門に対して提供するサービスの「その他サービス」の3つに区分されます。
それぞれの販売区分におけるサービスの内容、主要なサービス及び商品は以下のとおりです。
(注) 1.労働保険事務組合とは、中小事業主の委託を受けて、事業主が行うべき労働保険の事務を処理することについて、厚生労働大臣の認可を受けた団体であります。
2.社会保険とは、健康保険などの医療保険、厚生年金保険などの年金保険及び介護保険の総称であります。
3.労働保険とは、雇用保険及び労災保険の総称であります。
4.クラウドサービスとは、ネットワーク上にあるアプリケーションやサーバーなどのリソースをネットワーク経由で提供するサービスであります。
① ASPサービス
a. 社労夢ベーシックプラン
社会保険労務士事務所の主要業務の一つである、官公庁に申請を行う社会保険・労働保険等に関する業務支援システムであり、ASP方式によりサービスを提供しております。「社労夢ベーシックプラン」を利用することで、社会保険の資格取得・喪失届、月額算定基礎届、保険料変更通知等の機能を利用することが可能であり、労働保険では、保険関係成立届、概算・確定申告書、一括有期事業報告書、雇用保険関連の資格取得・喪失届等の機能を利用することが可能です。
また、社会保険労務士事務所と顧問先をインターネットで繋ぐ「ネットde顧問」をオプション機能として利用することが可能であり、利用人数に応じた従量制の課金としております。「ネットde顧問」は、人事・総務に関する複数の機能からなる総合システムであります。例えば、システムで打刻された顧問先社員のタイムカードデータを、インターネット経由で社会保険労務士事務所が取り込み、給与計算を行うなどの機能があります。
b. 社労夢ハウスプラン
「社労夢ベーシックプラン」の上位サービスとして社会保険労務士事務所と顧問先を結ぶ総合的な人事・労務業務支援ネットワークサービスであります。
サービス機能は「社労夢ベーシックプラン」の機能に加え、申請手続の進捗管理機能、「社労夢ベーシックプラン」でオプション機能である「ネットde顧問」が、「社労夢ハウスプラン」では一定の利用人数までは基本料金内で利用することが可能な点で相違しております。
c. 社労夢ライトプラン
「社労夢ベーシックプラン」の機能のうち、社会保険労務士事務所に必要な最小限の機能だけを抽出したサービスです。「社労夢ベーシックプラン」の機能性・使いやすさを維持しながら、低価格で同様のサービスを利用できることが特徴であり、比較的小規模な社会保険労務士事務所に適したサービスであります。
d. ネットde事務組合
労働保険事務組合向けのASPサービスであり、労働保険の年度更新、電子申請、雇用保険関連の手続き等を支援するシステムであります。
e. 社労夢CompanyEdition
一般事業会社の人事総務部門向けのASPサービスであり、「社労夢ベーシックプラン」の機能に加え、一般法人で必要性の高い、申請手続の進捗管理機能を追加したシステムであります。
f. その他
マイナボックス、DirectHR、eNEN、ShaRobo、CloudPocketなどのサテライト製品があります。
② システム構築サービス
a. 初期設定サービス
システムを導入する際に必要となるユーザーごとのアプリケーション、データエリア、セキュリティ等の設定、ID・パスワードの発行等の初期設定を行うサービスであります。
③ システム商品販売
a. 端末機器
システム利用時に使用するカードリーダーなどのソフト及び端末機器であります。
b. サプライ商品
システム利用時に使用する給与明細書などの帳票を販売しております。
④ その他サービス
a. 派遣
当社システムを利用した手続きに係る運用を一括で請け負うサービスを行っております。
CuBe事業では、大手企業の人事総務部門向けに業務プロセスの効率化を目的として個社毎にカスタマイズしたフロントシステムの「受託開発パターンメイド」と、大手企業向け受託開発を通じて蓄積したノウハウを活かし、中小企業での利便性を実現した「クラウドサービス」があります。
製品として受託開発パターンメイドには、「人財CuBe」、「就業CuBe」、「申請CuBe」、「精算CuBe」があり、クラウドサービスには、「GooooN」があります。
各製品の概要は以下のとおりです。
① 受託開発パターンメイド
a. 人財CuBe
企業などの人事総務部門などでは、人材の採用・育成の場面において、個々の従業員の目標管理や人事考課、キャリア形成過程でのキャリアプランの自己申告や研修などを通じたキャリア形成支援などを行っております。これら業務においては、従業員とその上長の間や従業員と人事総務部門との間などで、様々な情報がやり取りされるため、煩雑な業務となっており、ミスが生じたり、非効率であったりしております。人財CuBeでは、こうした業務プロセスをシステムにより効率化することを目的としております。加えて、個々の従業員に関するデータを一元化して、必要な情報を必要な時に必要な人が見やすく提供できる人材プロフィールにまとめることで、従業員間や従業員と会社とのコミュニケーションツールとしても活用できるようにしております。
b. 就業CuBe
企業などの人事総務部門では、適切な労務管理や行政手続のため、従業員の日々の勤怠管理や休日管理を行う必要があります。また、引越や扶養家族の増加など人事に関連する届出を従業員から受け付けたり、給与や賞与の明細を従業員に交付したりしております。これらの業務においては、従業員とその上長の間や従業員と人事総務部門との間などで、様々な情報がやり取りされるため、煩雑な業務となっており、ミスが生じたり、非効率であったりしております。就業CuBeでは、こうした業務をシステムによって効率化することを目的としていると共に、労務管理、内部統制などの視点でコンプライアンスを意識した情報提供ができるようにしております。
c. 申請CuBe
企業などでは、社内ルールに則した様々な稟議決裁や、部門間での報告書のやりとりなどを行っております。これらの業務では、従業員とその上長の間などで、様々な情報がやり取りされるため、煩雑な業務となっており、ミスが生じたり、非効率であったりしております。申請CuBeでは、こうした業務をシステムによって効率化することを目的としていると共に、内部統制への対応も実現しております。
d. 精算CuBe
企業などでは、従業員などが立て替えて支払った外出時の交通費、出張時の旅費、交際費、会議費などを精算したり、取引先への支払について上長の承認を得るなどのやり取りを行っております。これらの業務では、従業員とその上長の間や従業員と経理部門との間などで、様々な情報がやり取りされるため、煩雑な業務となっており、ミスが生じたり、非効率であったりしております。精算CuBeでは、こうした業務をシステムによって効率化することを目的とすると共に、内部統制への対応も実現しております。
② クラウドサービス
a. GooooN
大企業で20年以上使われてきたノウハウを凝縮し、中小企業においても日々現場で活用できる人事評価・人財育成クラウドシステムであります。機能は、人材育成のための社員・評価者・人事部門のコミュニケーションツールとなる「目標管理・人事考課」、個々のキャリア形成をサポートする目的とした従業員と人事部門を直接つなぐツールである「自己申告・キャリアプラン」、タレントマネジメントとして必要な時に必要な情報を容易に参照できるツールである「人財プロフィール照会」の3モジュールから構成され、これらが有機的に連携し人材育成をサポートします。
当社グループの事業を事業系統図に示すと、以下のとおりです。
[事業系統図]

(注) OEM供給は、相手先のブランド名で、当社がシステムを構築し、提供しているサービスであります。
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.記載の連結子会社は、特定子会社に該当しています。
3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4.株式会社ビジネスネットコーポレーションについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上高 561,317千円
② 経常利益 19,298〃
③ 当期純利益 13,592〃
④ 純資産額 353,497〃
⑤ 総資産額 460,123〃
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(臨時従業員)は、最近1年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
2.臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
2023年3月31日現在
(注) 1.提出会社は、「社労夢事業」以外営んでいないため、セグメントに分類せず記載しております。
2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(臨時従業員)は、最近1年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
3.平均年齢及び平均勤続年数は、小数第1位未満を切り捨てて表示しております。
4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4) 提出会社及び連結子会社における管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「人にやさしいシステムの提供で社会に貢献する」を経営理念として掲げております。「人」は当社サービスの利用者(社労士様、人事担当者様)のみでなくその先に居る関係者(企業従業員様やその家族の方々)を含み、「やさしいシステム」は、利用者が使いやすいシステムであることはもちろん、社会保障や人材育成に貢献することで社会基盤を支えるシステムを指します。また「人事労務領域総合サービスの提供」をグループの経営方針として掲げ、人事労務領域における手続き業務のみならず年末調整、経費精算、人材育成分野へとサービスの対応領域を拡げることにより、顧客となる社労士事務所や企業にお勤めの方々の業務を効率化し、生産性及び付加価値を上げることを目指しています。
国内の情報サービス業界及び当社グループの関連する人事労務領域においては、ウィズコロナに向けた環境変化や働き方改革への取り組みなどを背景に、これらの解決に向けた企業のIT投資への関心はますます高まっております。また大企業のみならず中小企業でもクラウドの導入が拡がっており、オンプレミスからクラウドへの転換は企業にとってセキュリティ面やコスト面、業務効率化の観点からメリットがあることから、今後も拡大が見込まれます。
当社グループでは、安定的成長モデルの構築を実現することを中長期のビジョンとし、各事業において提供している各種製品、サービスをより多くの方々に、より長期間にわたって提供することを目指し、安定的に事業を推進するために、事業規模の拡大と収益性の向上が当面の重要な課題と認識しております。従いまして、連結売上高と連結売上高営業利益率を重要な経営指標として位置付け、当該指標の向上に努めたいと考えております。また、企業価値と株主価値のバランスを図る観点から自己資本利益率(ROE)も重要な経営指標として位置付けております。
(主な取り組み)
・ソフトウエアへの投資を拡大し、製品の安定供給を図ります。
・ロイヤルカスタマー戦略の推進と共に法人市場のシェア拡大を図り、サービスビジネスの成長を実現します。
・資本収益効率の向上のためにコスト競争力と利益成長力の強化を図ります。
・人的資本強化のための投資を拡大し、生産性向上を実現します。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
また、必ずしもこのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、当社グループの事業に関連するリスクを全て網羅するものではありません。
① 社会保険労務士の動向
当社グループの主要顧客である社会保険労務士事務所は、社会保険労務士法に基づき専業業務として社会保険及び労働保険の手続き代行が認められておりますが、今後、この専業業務に規制緩和等が行われ、他士業が参入し、競合により社会保険労務士の業務量に変化が生じる場合や、情報技術の進展によって社会保険労務士の業務量に変化が生じる場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 労働保険事務組合の動向
当社グループの主要顧客である労働保険事務組合は、厚生労働大臣の認可を受け、労災保険と雇用保険に関し、事業主から委託を受け、これらの事務手続き及び保険料の納付を行っておりますが、今後、何らかの理由で政府からの認可数が減少する場合、労働保険事務組合向けサービスを提供する当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 社会保険及び労働保険関連法令の改正
当社グループがユーザーに提供しているシステムは、社会保険及び労働保険関連法令の改正の都度、タイムリーにシステム変更を行っていく必要があります。そのため、今後、大きな改正が行われる場合は、大規模なシステム変更を行う必要があり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 電子申請の動向
当社グループの社会保険、労働保険システムは、2004年8月から開始された厚生労働省と社会保険庁の電子申請届出システムに対応する電子申請機能を加え、サービス提供を行っております。また、2006年4月に電子政府の一環として新たに開始されたe-Gov電子申請システムに対して、当社グループでは、運用開始時から電子申請機能が利用可能となるよう対応を図ってまいりました。現時点までは、e-Gov電子申請システムの機能改変について情報収集と調査を継続することで、途切れることなく最新の申請方式を取り入れてまいりました。
しかしながら、今後、e-Gov電子申請システムの改訂内容や仕様について正確な情報を収集し、迅速に電子申請機能への対応を行うことができない場合、競合他社に遅れを取り、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
① 外部からのインターネットデータセンターへの攻撃
当社グループはインターネットを活用したサービス提供を行っておりますが、インターネット上のサーバー攻撃は高度化かつ日常化しており、当社グループの事業の遂行において大きな脅威となっており、当社グループのサーバーが外部からのDoS攻撃(注1)の対象となった際は、当社グループのサービス提供へ影響が及ぶことがあります。
2023年6月6日提出の適時開示のとおり、当社グループ内で発生しましたデータセンター内のサーバーに対するランサムウェアによる第三者からの不正アクセスに対しては、原因究明のための徹底した事実調査を実施し、被害の拡散防止に努めるとともに、再発防止策を実施するなど必要な措置を継続しております。
しかしながら、デジタル技術の浸透や、情報セキュリティシステムへの攻撃の高度化かつ巧妙化により、当社グループの対策が十分に機能せず外部からの不正アクセスを防止できなかった場合、当社グループの主力製品であるインターネット・サービスが提供できなくなる可能性があります。
② 情報システムの故障・不具合
当社グループでは、ハードウエアは故障するものとの前提に立ったインフラ構築の方針のもと、積極的に冗長化(注3)システムを採用するなどし、ハードウエアの故障が直ちにサービス停止に結び付かないよう設備を整えております。しかしながら、冗長化システムには、「実際の障害検知に遅れが生ずる」、「想定したとおりの待機系への切替えに失敗する」、「複雑さが増したがため、障害箇所の特定が困難になる」という不確実性もあり、完璧なシステムはありえないのが現実であります。
また、オペレーティングシステムなどの基本ソフトウエアにも多くの不具合が内包されており、セキュリティに直結するものについてはパッチ(注4)の適用をせざるを得ない状況にあります。ベンダーから提供されるネットワーク機器、ストレージ機器、サーバー機器等のファームウエア(注5)についても、ベンダーから推奨されるパッチ適用に対して、想定される様々なリスク等を勘案し、適用の要否を慎重に判断しておりますが、それでも不具合が生じた場合、当社グループの主力製品であるASPサービスが提供できなくなる可能性があります。
③ 個人情報管理
当社グループのサービスでは、人事情報、社会保険、労働保険、給与計算等において多くの個人情報が受託管理されております。また、マイナンバー制度の開始と共にそれらの個人情報の中には、特定個人情報も含まれております。これらの個人情報の流出が発生した場合には、当社グループ及び当社グループの提供するサービスの信頼性の失墜に繋がり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、外部からの攻撃対策、提供システムでの不具合対策、社内からのアクセス制限など、システム的に最大限の努力を重ねても、個人情報流出を完璧に抑止することは困難であります。特に当社グループの従業員及び開発協力会社による多量のデータ流失は、当社グループの事業遂行上の危険性もあるため、当該対策として当社及び株式会社ビジネスネットコーポレーションではプライバシーマークを取得し個人情報管理を徹底しておりますが、万一、情報の漏洩があった場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 自然災害の影響
当社グループのサービスを提供するサーバーは、東日本と西日本にそれぞれ1か所、インターネットデータセンターを運営する会社に設置しております。当該インターネットデータセンターには、インターネットデータセンターの運営会社自身のサーバーも設置されており、耐震構造、複数変電所からの電力供給、1日以上の自家発電装置など、災害対策への信頼性は高いと判断しております。
しかしながら、東日本大震災を経て見直された巨大地震の最大被害想定は、従来の被害想定を超えた甚大なものとなっており、インターネットデータセンターも被災しないとは断言できないものとなっております。また、インターネットデータセンター自体の被災は免れた場合でも、通信回線や電話局に大きな被害が発生すると、復旧には相当な日数を要する可能性があり、このような不測の事態が発生した場合、当社グループの業績や財政状態、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 知的財産権について
当社グループは、ソフトウエアの開発を自社で行っております。当社で開発されたソフトウエアにかかる知的財産権について、これまで、第三者より侵害訴訟等を提起されたことはありませんが、ソフトウエアに関する技術革新の顕著な進展により、当社グループのソフトウエアが第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確に想定、判断できない可能性があります。また、当社グループの業務分野において認識していない特許等が成立している場合、当該第三者より損害賠償及び使用差し止めの訴えや、当該訴えに対する法的手続き諸費用の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ ライセンス契約について
当社グループでは、一部サービス提供にあたり他社ソフトウエアを利用しており、提供元とライセンスに関する契約を締結しております。本ライセンスについて契約内容の変更が発生した場合や、提供停止により代替ソフトウエアが必要となるような場合には、代替手段の入手や自社開発などに相応の期間や費用が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
① クラウドサービスにて提供するシステムの開発投資について
当社グループのクラウドサービスにて提供するシステムの開発コストは、ソフトウエアとして資産化され、リリース後にソフトウエア償却費として複数年に亘り計上される予定ですが、開発投資が想定より多額となる場合、また、対応するシステム利用料が計画通り増加しない場合は、当社グループの業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
② 受託開発にて提供するシステムの開発投資について
当社グループは顧客企業の各種情報システムに関する受託開発業務を行っております。開発の大型化、短納期化するシステム開発においては、計画通りの品質を確保できない場合や開発期間内に完了しないことにより、費用が想定以上に増大化する可能性があります。また、システム開発にあたっては、生産能力の確保、生産効率化、技術力活用等のために業務の一部を外部に委託しておりますが、生産性や品質が期待に満たないおそれがあります。これらにより、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 技術革新に関するリスク
当社グループが属する情報サービス業界は技術革新が激しいことから、当社グループが現在保有する技術・技能・ノウハウなどが陳腐化する可能性があります。また、当社グループの提供する製品やサービスが業界の技術標準の急速な変化に対応することができないことにより、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。当社グループが業界の技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、予測しえても適切に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
① 代表取締役社長 三宅 登への依存について
当社及び当社の連結子会社の代表取締役である三宅 登は、社会保険及び労働保険に関する豊富な知識と経験、同業界において豊富な人脈を有しており、当社グループの事業運営にあたって重要な役割を果たしております。
現在、権限委譲を進め組織的な経営体制の構築途上ではありますが、何らかの理由により同氏の業務執行が困難となった場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の確保・育成について
当社グループは、従業員数が134名(2023年3月末現在)と小規模な組織で運営しております。当社グループの事業の継続的な発展及び急速な技術革新への対応には、優秀な技術者の確保が不可欠であります。現時点では、中途採用と計画的な新卒採用により、必要な人員は確保されておりますが、更なる今後の事業拡大に伴い、システム開発技術者を中心に優秀な人材の採用と育成の強化を進める方針であります。
しかしながら、人材獲得が計画どおりに進まなかった場合、また、重要な人材が社外流出した場合は、事業運営への障害、事業拡大への制約要因となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
① M&Aに伴うのれんについて
当社グループは事業規模の拡大や営業基盤の拡大に伴い、収益性や競争力の向上を図るための資本提携を行っており、資本提携による連結子会社化の際の株式取得に伴って支払った対価と純資産価額との差額については、のれんとして資産に計上しております。のれんはその超過収益力の効果の発現する期間に渡って均等償却を実施しております。
しかしながら、のれん計上後の事業環境の変化により、のれんの超過収益力が著しく低下した場合には、減損損失が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症について
現在、新型コロナウイルス感染症の状況は、収束に向かいつつありますが、当社グループは、今後の経過を注視しながら、ステークホルダーへの安全対策の充実を継続して図るとともに、不測の事態への備えを行ってまいります。ただし、再び同感染症が猛威を振るうような事態が発生し、市場の停滞等が起きた場合は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります
(注) 1.DoS攻撃とは、相手のコンピュータやルータなどに大量のデータを送信して使用不能に陥らせたり、トラフィックを増大させて相手のネットワークを妨害したり、停止させる攻撃のことであります。
2.UTM(統合脅威管理アプライアンス)製品は、コンピュータウィルスやハッキングなどの脅威から、ネットワークを効率的かつ包括的に保護するものであります。
3.冗長化とは、システムの一部に何らかの障害が発生した場合に備えて、障害発生後でもシステム全体の機能を維持し続けられるように予備装置を平常時からバックアップとして配置し運用しておくことであります。
4.パッチとは、コンピュータにおいてプログラムの一部分を更新してバグ修正や機能変更を行なうためのデータのことであります。
5.ファームウエアとは、ハードウエアの基本的な制御を行うために機器に組み込まれたソフトウエアのことであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染者数増加の影響を受けつつも各種制限の緩和等により景気は持ち直しの動きがみられました。一方で資源価格の高騰や物価の上昇、世界的な金融引き締めによる急激な為替変動など、内外経済に与える影響は依然として不透明な状況です。
国内の情報サービス業界及び当社グループの関連する人事労務領域においては、政府が推進する働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークへの急速な取り組み、業務効率化対応に伴うDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などを背景に、企業の投資需要は引き続き増加しているものの、内外経済に対する影響への懸念から、新規の投資に対する先送りなど、投資に対する動きには慎重さが見られました。
このような状況の中、当社グループは、オンラインセミナーやリモート会議などを積極的に活用し顧客の業務効率化並びに付加価値創造を支援し、顧客満足度をより一層高めるべく努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、1,232,530千円(前期比16.6%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金609,336千円及び売掛金507,988千円となっております。
また、固定資産の残高は1,327,414千円(前期比13.0%増)となりました。主な内訳は、ソフトウエア485,234千円、ソフトウエア仮勘定249,092千円、差入保証金163,022千円となっております。
以上の結果、総資産は2,559,945千円(前期比14.7%増)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、831,733千円(前期比10.6%増)となりました。主な内訳は、短期借入金200,000千円、未払金125,321千円、1年内返済予定の長期借入金115,592千円となっております。
また、固定負債の残高は201,010千円(前期比261.6%増)となりました。主な内訳は、長期借入金195,000千円となっております。
以上の結果、負債合計は1,032,743千円(前期比27.9%増)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における株主資本は、1,519,653千円(前期比7.2%増)となりました。主な内訳は、資本金219,110千円及び資本剰余金202,122千円、利益剰余金1,098,920千円となっております。
以上の結果、純資産は1,527,201千円(前期比7.2%増)となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における業績は売上高2,867,469千円(前期比4.5%増)、売上総利益1,349,465千円(前期比5.9%増)、営業利益219,675千円(前期比51.1%増)、経常利益227,650千円(前期比75.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益145,580千円(前期比59.3%増)となりました。また、当社グループが重要な経営指標と考える自己資本利益率(ROE)は、連結ベースで9.9%(前期比3.3ポイント増加)、当社単体では10.5%(前期比5.0ポイント増加)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較し148,283千円増加し、609,336千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、617,250千円となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益227,650千円、減価償却費352,724千円、のれん償却額38,861千円、主な減少要因は、売上債権の増加32,931千円、棚卸資産の増加17,043千円、法人税等の支払額15,524千円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、557,416千円となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入7,094千円、主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出443,745千円、有形固定資産の取得による支出119,622千円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、88,450千円となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入300,000千円、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出242,259千円、配当金の支払額43,290千円などであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、記載を省略しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.社労夢事業では、受注から販売までの期間が短期間であり、期中の受注高と販売高がほぼ同一となるため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
社労夢事業では、社労夢(Shalom)シリーズをはじめ、WEB年末調整システム「eNEN」、顧問先アプリケーション「ネットde顧問」などの各製品群の品質向上と機能拡充などを図るとともに、「社労夢(Shalom)V5.0」の次期バージョンとなるシステム、「FOREVER」の開発を進めております。
このような中、WEB年末調整システム「eNEN」の新規受注及び利用従業員数の増加、2022年7月に実施した一部製品についての月額利用料の価格改定、毎年多くの引き合いにつながっているIT導入補助金の採択によりハウスプランの契約件数を伸ばしたことなどで、社労夢(Shalom)シリーズをはじめとするクラウドサービスの月額課金の積み上げが順調に推移しました。また、日本最大級の管理部門向け展示会「第10回 HR EXPO人事労務・教育・採用」への出展や社労士向けのイベントを主催し、新規ユーザーの獲得及び既存ユーザーのアップセルに努めました。
売上高の内訳としましては、クラウドサービス売上高が2,206,586千円(前期比8.9%増)となり、その内、ストック収益であるASPサービス売上高が2,026,214千円(前期比11.4%増)、システム構築サービス売上高が180,372千円(前期比13.1%減)となりました。システム商品販売売上高は91,547千円(前期比7.9%減)となりました。
一方で、一部製品の償却が終了したことなどによりソフトウエア償却費が減少したことや、積極的な採用を控えたことで、全体的にコストが抑えられることとなりました。
以上の結果、社労夢事業の売上高は2,324,232千円(前期比7.8%増)となり、売上総利益は1,184,216千円(前期比9.3%増)、営業利益は221,105千円(前期比77.0%増)となりました。当社グループで重要な経営指標としている売上高に対する営業利益の比率は9.5%(前期比3.7ポイント増加)となりました。
(CuBe事業)
CuBe事業では、大手企業の人事総務部門向けに業務プロセスの効率化を目的として個社毎にカスタマイズしたフロントシステムの受託開発と、大手企業向け受託開発を通じて蓄積したノウハウを活かし、中小企業での利便性を実現したクラウドサービス「GooooN」の提供を行っております。
フロントシステムの受託開発においては、顧客となる大企業や自治体などからの保守売上が順調に積み上がった一方、企業内部の制度改正や投資需要のタイミングに左右される新規開発案件については、例年ほど積み上がらない結果となりました。クラウドサービス「GooooN」においては、機能強化及び販売ルートの開拓に努めました。
コスト面においては、開発活動における競争力強化や営業活動における販促投資に向けるコストが先行する状況となりました。
以上の結果、CuBe事業の売上高は561,317千円(前期比8.8%減)、売上総利益は166,907千円(前期比14.2%減)、営業損失は19,588千円(前期は9,538千円の営業利益)となりました。なお、CuBe事業の営業損失については、のれん償却額38,861千円を反映しております。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資産の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価や販売費及び一般管理費に計上される対価や納税資金等であります。設備投資資金には、サーバー増設等の大規模な設備投資があります。また、株主還元については、財務の健全性に留意しつつ、配当政策に基づき実施しております。
運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金及び金融機関からの借入を基本としております。
当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業キャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は510百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は609百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社における事業所別設備及び従業員配置の状況は、次のとおりであります。
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち、「その他」は車両運搬具、電話加入権、商標権であります。
3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(臨時従業員)は、最近1年の平均人員を( )内に外数で記載しております。
4.上記の他、他の者から賃借している主要な設備の内容及び年間賃借料(共益費を含む)は下記のとおりであります。
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち、「その他」は無形固定資産(商標権、電話加入権)であります。
3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(臨時従業員)は、最近1年の平均人員を( )内に外数で記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 株式分割(1:2)による増加であります。
2023年3月31日現在
(注) 自己株式506株は、「個人その他」に5単元、「単元未満株式の状況」に6株含まれております。
2023年3月31日現在
1.報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、当社及び連結子会社を基礎とした商品・製品、サービス別セグメントから構成されており、「社労夢事業」及び「CuBe事業」の2つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「社労夢事業」は、主に社会保険、労働保険等に関する業務を支援するソフトウエアのASPサービスを提供しております。
「CuBe事業」は、主に企業の人事総務部門に対し、業務プロセスに着目したコンサルテーションを行い、業務の効率化に資するフロントシステムを、顧客ごとにカスタマイズし開発、提供しております。
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】