KeePer技研株式会社
(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、重要性の乏しい非連結子会社のみのため、記載しておりません。
3.従業員数は就業人員であります。なお、平均臨時雇用人員数は年間平均雇用人員数(1日8時間換算)を〔 〕内に外数で記載しております。
4.当社は、2020年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第27期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額を算定しております。
5. 第29期、第30期、第31期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
6. 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所第一部市場におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
7. ※印は、株式分割(2020年10月1日、1株→2株)による権利落後の最高・最低株価を示しております。
8.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第30期の期首から適用しており、第30期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社は、現代表取締役会長の谷 好通が、1985年8月にガソリンの販売を目的として、愛知県刈谷市に現在のKeePer技研株式会社の前身である「株式会社タニ」を設立いたしました。
その後の主な変遷は、次のとおりであります。
当社は、企業理念「日本に新しい洗車文化を」のもと、企業ビジョン「日本人独特の高い美的感覚に訴える高品質な洗車やカーコーティングなど、車の美的事業を日本国中に広げ、日本国中の車をより美しくする事でお客様に喜びを提供し、みんなと共に喜ぶ。車の美的事業に係る日本国中の店舗を、誇りを持って従事できる喜びの職場にし、日本独特の洗車文化を作り上げる。」を掲げております。
かつては車を頻繁に買い換え、新車に乗っていることがステータスでしたが、今では、たとえ年数が経った車でも、それを大切にキレイに乗り続けていることが一つのライフスタイルの表現になってきております。加えて、世界規模でコロナ禍が続く中、「車を清潔にキレイに長く乗ろう」という風潮がさらに強くなっております。
そんな車文化の価値観の変化の中で、かつてカーコーティングとは「新車を買った時に施工するもの」という性格が強かったのですが、今では、ある程度の年月を乗ってからもカーコーティングを施工して「大切な愛車を、キレイに長く乗る」ニーズが高まっております。つまり、カーコーティングは、新車販売時=カーディーラーだけの商品から、アフターマーケットとして「専門店」「ガソリンスタンド」「カーショップ」等での施工も当たり前の商品になってきております。
そのような中、当社は全国のガソリンスタンドを中心としたカーアフターマーケットに、キーパーコーティング(注1)のためのケミカルをはじめ、道具、機械類の開発・製造委託、販売を行うキーパー製品等関連事業により、キーパーコーティング施工技術を各種の研修会を通じて普及してまいりました。また近年では、KeePerの認知度が上がってきた事や、KeePerが圧倒的に効くカーコーティングとして消費者から支持されている事で、新車マーケットでも注目をされており、カーメーカーやカーディーラーなどにも新車時のコーティングとして導入が急ピッチで進んでおります。
また直営店として一般の消費者にキーパーコーティング等のサービスを直接提供する「カーコーティングと洗車の専門店」のキーパーLABOを運営しております。
これらの活動によって、新車マーケットやカーアフターマーケットでキーパーコーティングの施工技術を上げ、技術力の向上=カーコーティングの高品質化を果たして、消費者に安心してキーパーコーティングを受けていただける土壌を作っております。また同時に、全国へのテレビCMやYouTube、そして日本最高峰のカーレースへのスポンサード等の宣伝活動が、キーパーのブランディングに寄与しております。
当社事業の最大の特長は、お客様が驚くほどの「キレイ」を、プロの技術を持ったスタッフがキーパーブランドケミカルを使って、お客様の車に実現すると、顧客満足(CS)と従業員満足(ES)が同時に実現されることです。
「キチンとお車をキレイにして、それを見たお客様が大喜びをすると(CS)、すごく嬉しい(ES)」といった構造です。この好循環の源泉は、お客様が驚くほどのキレイを実現する材料のキーパーブランドケミカルと、それぞれのスタッフの高い施工技術の維持と誇りであり、これが当社の最大の特長であります。
(注1)キーパーコーティングとは
キーパー製品とキーパーの施工技術に基づいたカーコーティングの総称です。塗装を磨き削ることなく塗装本来の艶を引き出し、紫外線、酸性雨、走行中の摩擦などの外的な攻撃から塗装を守り続けることを目的としています。
(1)キーパー製品等関連事業
当社認定のコーティング技術一級資格者が在籍の技術認定店「キーパープロショップ」等のキーパー施工店(注2)向けと、車を販売する新車カーディーラーや中古車販売会社などのキーパー施工店向けに、自社開発のカーコーティング用ケミカル製をはじめとしたプロユース向けの道具や機械類の開発・製造委託、販売を行っております。
カーアフターマーケットの中心であり一般消費者の来店頻度が最も高い店舗であるガソリンスタンドでは、キーパーコーティングの技術を習得し、店頭でのカーコーティングの販売に力を入れており、カーコーティングの市場を自らの店舗で実現しようとしています。同業界においては、地球温暖化対策=低燃費車の普及等でガソリンなどの燃料油販売数量が漸減しつつあり、移動距離が大幅に減り、更にその傾向が強くなってきております。
そのような厳しい業界環境の中で「自動車を美しくする事業」は、電気自動車時代が到来しても自動車がある限り存在し続ける事業であろうと考えられ、来店頻度の高いガソリンスタンドがその需要を引き受けるもっとも有力かつ便利なチャンネルと考えられます。当社は石油元売り大手企業及びその関連会社等に「キーパープロショップ」として正式に採用いただいております。
また同時に当社は「キーパープロショップ」の認定及びケミカル製品等の開発・製造委託、販売に留まらず、キーパーコーティング施工店向けに、カーコーティングの知識及び施工技術の習得のためのサポート事業に注力をしております。年間延べ5万人以上の研修生を迎えている通常の技術研修に加え、当社トレーニングセンターでの研修を受けた後に、ある程度の経験を積んでいただいた上で、当社インストラクターがキーパー施工店に出向いて行う「上達会」など実践的かつ効果的な研修として高い評価をいただいております。
2007年に1号店がスタートしたコーティング技術一級資格者が在籍の技術認定店「キーパープロショップ」は、2023年6月期末には6,414店舗にまで増加しました。それぞれの店舗においての技術レベルの向上と共にサービス商品の品質が向上して、リピートのお客様が増加しております。
そして、カーメーカーやカーディーラーなどの新車への施工が中心である自動車業界においても、新車に施工しても、新車以上にキレイになる事と、リピート率の高いKeePerが注目をされております。
特に、KeePer初の”新車用”コーティングとして販売した、高価格帯である「EXキーパー」(注3)が圧倒的な商品力で、一度体感すれば、その効果を感じる事が出来、KeePerの導入が堅調に進んでおります。
複数のカーメーカーから「新車」や「既販車」へのコーティングとして当社ケミカル製品を純正品として採用いただいております。
車以外へのコーティングも注目され始めており、スマートフォン用のコーティングとして携帯販売店舗にて販売をしはじめ、ツルツルになり傷が付きづらく好評です。今後は更に販路の拡大と共に、車以外へのサービスとしても、KeePerコーティングを広げる活動をしております。
(注2)キーパー施工店とキーパープロショップとは
キーパーの理論と、当社技術開発部で開発されたキーパーの施工技術の技術研修を、全国16箇所のトレーニングセンターで受講し、KeePerブランドの製品で、キーパーコーティング等のサービス商品を施工し、販売できる店舗を「キーパー施工店」と言います。また、その中でも当社が独自に設定した技術レベル「キーパーコーティング技術一級資格」の検定に合格した認定者が在籍していて、その環境と設備がキーパーコーティングの施工に適していると判定された店舗が「キーパープロショップ」として認定され登録される「サービスブランド」です。
(注3)EXキーパーとは(キーパーコーティングの新車用の代表的な商品)
KeePer は、W ダイヤモンドキーパーを最高峰のカーコーティングとして役割を担ってきました。ところが、SONAX(ドイツ) のマンフレッド・ピッチ博士が彼のチームと共に不思議な分子構造を持つ被膜を作り出しました。これをKeePer の技術チームが実用性を持たせるべく二年がかりで開発して完成。元々の車の塗装が持っている美しさを引き立てるだけでなく、その塗装本来の美しさに加え、被膜自体が存在感を持った明らかに新たな類の美しさを創り出し、車の存在に加えているのです。これを、KeePer ではあえて「EXCESS BEAUTY=過剰なまでの美しさ」と表現。
「3年間耐久(ノーメンテナンス)」あるいは「6年耐久(2年又は1年)に1回のメンテナンス」のボディガラスコーティングです。
(2)キーパーLABO運営事業
一般のカー・ユーザー向けに自動車のコーティングを中心とした「車の美装を提供する店舗」をコンセプトとしてキーパーLABO店舗を運営しております。
キーパーLABOでは高い施工技術や知識を兼ね備えたスタッフが、当社開発の専用ケミカルで「キーパーコーティング」の施工を行っております。その他、仕上げに純水を使用した高品質な手洗い洗車、車内清掃等も行っております。
なお、当社においてキーパーLABO店舗は、直接一般のカー・ユーザーと接することにより、嗜好動向についての情報を収集することで、製品開発のための情報提供や店舗販売の仕組みを構築する役割もあります。
キーパーLABO運営事業は、2023年6月期末には全体で直営106店舗の体制となりました。
(注4)ダイヤモンドキーパーとは(キーパーコーティングの代表的商品)
ガラス質の被膜とレジンから成る被膜の二重の被膜から出来ているハイブリッド構造のカーコーティングです。一層目のガラス被膜は、ナノレベルで分子結合をコントロールされていることで柔軟かつ強靭なガラス被膜を形成していて、ガラス被膜としては異例のミクロン単位の厚みをもっています。これが塗装を保護する高い能力と共に、「艶の深み」にも直結しています。この技術は、日本のKeePerとドイツのSONAXとの共同開発の成果です。
加えて、二層目のレジン被膜は、ボディガラスコーティングにつきもので弱点であった「水シミ」「ウォータースポット」をシャットアウトする画期的な技術により作られています(特許5203679)。このレジン被膜がガラス被膜と相まって「深い艶」を実現し、お客様の満足につながっています。
「3年耐久(ノーメンテナンス)」あるいは、「5年耐久(年1度のメンテナンス)」のボディガラスコーティングです。
(注5)クリスタルキーパーとは(キーパーコーティングの代表的商品)
クリスタルキーパーは、ダイヤモンドキーパーと同じケミカルを使い、同じようなガラス被膜とレジン被膜の二重構造を造りますが、その施工手法が「水」を上手に使ったクリスタルキーパー独自の方法(特許5350507)で、ダイヤモンドキーパーに比べ、3分の1の量の原料と、3分の1の時間ででき、価格も2.5分の1程度とリーズナブルな設定になっています。
「1年耐久(ノーメンテナンス)」のボディガラスコーティングです。
新車以外の多少傷んだような塗装の中古車でも、塗装を削る「研磨」なしで、お客様に満足していただける「艶」と「色の深み」を実現することが出来ます。従来のカーコーティングが「5年耐久(メンテナンスあり)」がほとんどであったが、クリスタルキーパー「1年耐久(ノーメンテナンス)」の新しいコンセプトが多くの一般消費者に受け、その高性能と高品質が評判を呼んでおります。
事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

(注)上記の他に非連結子会社1社を有しておりますが重要性が乏しいため記載を省略しております。
2023年6月30日現在
セグメント別従業員数
(注)1.従業員数は、就業人数であります。なお、臨時従業員数(パートタイマー及び派遣社員を含む。)は、年間平均雇用人員数(1日8時間換算)を〔 〕内に外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)は、出荷・購買部門、営業企画部門、経理・総務等の従業員であります。
4. 前会計年度末に比べ従業員数が232名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い採用が増加したことによるものであります。
当社には労働組合がありません。なお、労使関係は円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。
(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を出したものであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
KeePerブランドの確立と普及を目指し、さらに積極的な営業展開を進めていきます。
<キーパーラボ運営事業>
キーパーラボ運営事業においては、新規出店を15店舗の出店を計画している事に加え、KeePerの需要拡大と共に全国各地に広がっている、キーパープロショップ、カーディ―ラーへのサポート強化も考え、全国47都道府県に出店し、くまなくキーパーラボを広げて行きます。
(今後の新規出店予定)
現在決定している新規出店は下記のとおりです。
引き続き、「ブース増設」や「作業効率向上を目的とした改装」など、既存店舗の拡大やリプレイスなど設備の充実を継続しておこなっていきます。
店舗運営では、既に定着しつつある『予約システム』のさらに利便性の向上を図るため新機能の追加と共に、最終の動作確認、セキュリティ面のチェック中である「新POSシステム」の導入が控えております。
店舗が拡大していくうえで、組織体制も重要であり、複数の店舗を担当するマネージャー・課長職を中心とした体制作りを構築し、これにより更なる店舗拡大が見込めます。店舗スタッフとのコミュニケーションを密にとり、お客様ニーズの発掘と人材育成にも力を入れ、技術・知識を軸としたサービスの向上を図っていきます。加えて、150店舗体制を見据えて『副部長』という役職を新設し、複数の店舗を担当する各地のマネージャー・課長との緊密なコミュニケーションを通じて、運営力の強化も同時に図っていきます。
<キーパー製品等関連事業>
従来からのガソリンスタンド業界など車のアフターマーケットでの売上に加えて、カーメーカーやカーディ―ラーなどの新車マーケットである自動車業界の拡大、そして、中古車販売店、カーショップ、自動車整備業、板金業など、あらゆる自動車関連企業へのコーティングビジネスの拡大を図っていきます。
まず、すでにキーパープロショップ、キーパー施工店で好調であるフレッシュキーパーをさらに拡大させるべく、営業活動が大きな軸になります。フレッシュキーパーの技術研修は、非常に人気があり開催数を増設し、多くの技術者を育成していきます。また、KeePerコーティングの品質の維持・向上を目的に年2回実施している「キーパープロショップの全店チェック」において、フレッシュキーパーの技術力向上は当然のことながら、正しく施工が行われているかの徹底も強化していきます。
そして、KeePer施工者の技術力向上を目的に開催されている「キーパー技術コンテスト」は、9月からは「県チャンピオン決定戦」、10月には「全日本チャンピオン決定戦の開催」が控えております。加えて、12月にはキーパーの施工台数をポイント換算して競い合う「キーパー選手権」など、最需要期である12月の年末に向け、企画が目白押しで予定されております。
(新車マーケット)
新車マーケットにおいては、既に純正採用になっている「スバル」「トヨタ」「ホンダ」の販売店に向けて、KeePerのボディコーティング拡大が営業活動の大きな軸となってきます。
まず、「トヨタ」においては、ケミカル販売のみの営業を進めていく訳ではなく、既に実証済みである「キーパーラボ有明店のモデルのような」、KeePer技研の強みである「KeePer LABO」を新車販売店舗内にオープンさせ、新車コーティング増大だけではなく、定期的な来店とメンテナンス収益が見込めるよう、両社にとってWIN-WINになれるようなビジネスモデルを構築していきます。
「ホンダ」においては、早いペースでの導入が進んでいる事もあり、今後は、店舗での商品説明会の強化、販促ツールの強化をおこなっていき、今期スタート1年目で、新車販売台数の10%をKeePerコーティングにすべく活動をおこなっていきます。
「スバル」においては、引き続き店舗向けのサポート強化と同時に、新たに追加された3つのラインアップの更なる拡大に向け最新のコーティング提案を図っていきます。
KeePerの新車マーケット拡大に向け、それ以外の新車自動車メーカーへの営業活動も引き続き強力に進めてまいります。
(海外事業)
海外事業については、今までの向こうから来た話を進めていただけですが、今後は、国内カーメーカーの海外ディストリビューターが運営するカーディーラーにターゲットを合わせ、積極的にルート拡大を図っていきます。
そのために、上層幹部を軸とした体制を整え、今年1年間を準備期間として海外事業への活動を開始いたします。営業費用としての人件費や海外渡航費も予算計上しております。
(自動車向けコーティング以外の事業)
自動車向けコーティング以外の展開については、大手ホームセンターとの親密な関係により、今後は家庭用品周りのラインアップが進んでいきます。
モバイル向けのコーティングは「KeePerコーティング for docomo select」のみならず通信事業者への拡大と共に、家電量販店への活動も進めていきます。
ゴルフなどのスポーツ用品、自動販売機などの需要も高まっており、今までの成功体験に固守せず、色々なものをキレイに守るために外販営業を進めていきます。
また、2023年9月には「KeePer公式ECサイト」を立ち上げました。「シャンプー」「虫取り」や「洗車道具」などを掲載販売しております。サイト上で決済が可能な利便性を考え、コーティングチケットなども販売していきたいと考えております。ユーザーもサイト内で決済が出来、かつコーティングをプレゼントが出来るようになるはずです。
(環境対策)
環境対策として、コーティング製品の機能・性能を落とすことなく、「VOC(有機溶剤)」を除いた製品開発に成功しました。今後は順次全てのエアゾールからVOCを除いた、環境や人体にやさしい製品を提供してまいります。
2024年6月期の見通し
以上を踏まえ、翌事業年度の見通しを、売上高211億37百万円(当事業年度比24.0%増加)、営業利益66億2百万円(当事業年度比20.6%増加)、経常利益66億2百万円(当事業年度比20.7%増加)、当期純利益は45億95百万円(当事業年度比16.1%増加)の増収増益を見込んでおります。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営戦略リスク
① 政治・経済状況の変動にかかわるリスク
当社の製品・サービスは主に日本で消費、利用されており、予期せぬ景気変動、政治・政策の動向は、当社の製品・サービス需要に悪影響を及ぼす可能性があります。当社製品・サービスは日用品としての役割が浸透しつつありますが、嗜好品として需要に影響を与える可能性があります。
② 技術環境・産業構造の変化にかかわるリスク
当社のキーパー製品等関連事業における販売先の多くは、ガソリンスタンド向けとなっております。そのため、同業界の再編成、事業戦略の転換並びに動向等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合にかかわるリスク
当社は製品の「開発」「卸販売」事業、サービスを展開する「直営店運営」事業、また「技術・ノウハウの研修」事業、それぞれが相関性を持ったすべてを網羅しているところに強みを持ったビジネスモデルです。現在のところ、このようなビジネスモデルを持った競合は存在しません。しかし、その一部の部門において当社の製品・サービスを上回る付加価値を生み出す競合先が出現する可能性があります。市場で競争力を高めるため、研究開発の増強、販売・マーケティング・サービスの一層の強化をしていく必要があると考えております。
(2) 事業運営リスク
① 人材の採用・保持にかかわるリスク
当社のビジネスモデルは、キーパーLABO運営事業で人材を確保し、実際の店舗運営の中で施工技術と接客術、マネジメント力を習得します。そこで得られた技術とノウハウを、キーパーLABO店舗の責任者への配置又は、キーパー製品等関連事業に配置した社員が研修活動をしていく形を、人材教育のステップとしております。そのため、キーパーLABO運営事業の新規出店のスピードが上がってきた場合、技術及びノウハウを習熟した社員に育成するためには、時間を必要とするため、当社の成長スピードの足かせになる可能性があります。
② 特定取引先への依存にかかわるリスク
当社の主要な取引先であるSONAX社は、ドイツに本社を置くホフマン企業グループの中核をなす同国内で約50%のシェアを持つドイツ最大の自動車ケミカルメーカーであります。当社とは2001年からボディガラスコーティング製品において共同開発を行っております。
当社は設立後、間もなく独自でケミカル製品の開発を行っておりましたが、すべての製品を自主開発するには膨大な開発費が必要であったため、SONAX社と共同で開発を行ってきた経緯があります。
当社の主力商品の一つであるキーパーコーティングのうち、ボディガラスコーティングの材料であるKeePerブランドのケミカル製品(DKC、レジン2)をSONAX社と共同開発し、その製造をSONAX社に製造委託しております。
当社のボディガラスコーティングのほとんどに、SONAX社が製造するケミカル製品が使用されており、当該製品の仕入高は2023年6月期の当社全体の年間仕入高の約43%であります。
現在、SONAX社との取引関係は良好かつ安定的に推移しておりますが、同社の事業政策や事業再編等により取引関係の継続が困難となった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 研究開発にかかわるリスク
顧客の要求・期待を上回るような製品を開発し続けられなければ、キーパーの製品は陳腐化し、市場シェアが縮小すると同時に、新製品の事業及び市場の拡大が妨げられます。また(2)②の通り、SONAX社の研究者と、当社の製品開発部隊と日々綿密な共同開発を行っておりますが、同社の開発リソースの配分変更が起こった場合、一時的に開発スピードに影響を及ぼす可能性があります。
④ 原材料・部品調達にかかわるリスク
SONAX社はドイツを拠点にしており、欧州を取り巻く地政学的なリスクが発現した際にSONAX社の開発、製造に影響を及ぼし、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 事実と異なる風説が流布するリスク
当社のホームページは、当社のサービス・店舗を利用しようとするお客様にとって重要な判断材料となります。実際に来店動機の最上位にインターネットでの情報が上げられており、インターネットなくして効果的な集客は考えられない状況です。他方、インターネット等を通じて当社の製品・店舗・役職員に対する事実と異なる悪評・誹謗・中傷等の風説が流布される可能性もあり、この場合、当社への信頼及び企業イメージが低下し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 店舗の賃貸物件への依存にかかわるリスク
当社の直営店は原則として土地を購入せず、土地の有効活用を考える地主等から賃借しています。契約に際しては相手先の信用状態を判断したうえで出店を行いますが、賃借期間が長期にわたる場合が多く、当該長期の契約期間中に倒産その他賃貸人の信用状態の予期せぬ悪化等の事由により、契約解除せざるを得ない事態になった場合には、直営店の営業継続が困難になることが想定され、当社の業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
⑦ 固定資産の減損にかかわるリスク
当社は、「固定資産の減損会計に関する基準」及び「固定資産の減損会計に関する手続」を定め、それを厳格に適用することとしております。そのため、当社の店舗において営業活動から生ずる損益またはキャッシュ・フロー等を算定し、減損の測定等を実施しております。今後、同店舗から得られる損益またはキャッシュ・フローの状況等によっては、減損処理に伴い、当社の業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
⑧ 知的財産権にかかわる訴訟リスク
当社は、特許権をはじめとする知的財産権の重要性を認識しております。しかし、出願する特許権・商標権等の知的財産権の登録査定を得られない場合、または当社の認識していない知的財産権が成立し、第三者からの侵害を主張され裁判などの紛争に至った場合には、当社の業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
⑨ 個人情報管理及びシステム管理にかかわるリスク
当社では、さまざまな情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やセキュリティ対策を行っていますが、停電、災害、不正アクセス等の要因により、情報システムの障害や個人情報の漏えい、改ざん等の事態が起こる可能性があります。
また、当社が保有・管理する情報は、販売業、サービス業として多数のお客様の個人情報をはじめとする重要なものが多く存在します。これらの情報の保護・管理につきましては、「個人情報保護規程」「情報セキュリティ管理規程」を定め、従業員への教育、セキュリティ対策などの社内管理体制を整備し、情報保護の徹底を図っています。しかし、万一不測の事態が発生し、重要な情報が外部に流出・漏えいした場合は、損害賠償によるコストの発生、社会的信用の低下による営業活動への悪影響など、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 為替にかかわるリスク
当社は、海外から製品の輸入が、2023年6月期全体の仕入高の50.7%となっております。急激な為替の変動に対処できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) ガバナンスリスク
① 代表取締役会長である谷 好通氏の依存にかかわるリスク
当社は創業以来、谷 好通氏のスピード感ある経営判断、製品開発能力と強いリーダーシップにより業容を拡大してまいりました。持続的な成長を実現するため、2019年2月12日に賀来 聡介氏を代表取締役社長兼COOに任命し、鈴置 力親氏を専務取締役として、谷 好通氏を支える経営体制を構築しました。この流れを継続する形で高い成長率を維持しながら、事業承継を通じて、完全な依存脱却が出来るように、新たな経営陣を追加配置してまいります。そして、個による強力な指導体制から、集団による集団指導体制を実現していきます。今後とも人材育成、人材獲得を積極的に進めてまいります。
② 内部統制にかかわるリスク
当社は、企業価値の持続的な増大を図るため、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 偶発的リスク
自然災害・人的災害にかかわるリスク
当社が店舗を展開する、または、事業関連施設を所有する地域において、地震、洪水、台風その他の大規模な自然災害が発生し、店舗等が被災した場合には、営業継続が困難になることが想定され、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度(2022年7月1日から2023年6月30日)における我が国の経済は、資源高の影響などによるコスト上昇が継続するなか、個人消費や設備投資の拡大が持続するなど総じて緩やかな回復基調を辿っているものの、続く円安や長引くウクライナ情勢など、景気の先行きは依然として不透明な状態が続いております。
このような環境の中、当社では、ユーザーに提供されるKeePerコーティングの品質の維持・向上を従来以上に実現していくことが、当面の業績を向上させるだけでなく、将来に向けての発展を目指したKeePerのブランディングを確実にしていくために最も重要であると考えています。
2023年6月期 実績
当事業年度(2022年7月から2023年6月)における売上高は170億42百万円(前年同期比18.7%増加)、営業利益は54億75百万円(同26.5%増加)、経常利益は54億70百万円(同26.5%増加)、当期純利益は39億57百万円(同27.9%増加)と過去最高益を更新する事が出来ました。
尚、中期経営計画の初年度にあたる2023年6月期の会社計画比では、キーパーラボ新店オープン時期が遅れた事により、売上が若干足りず計画比98.9%となりましたが、経常利益は新店オープン時期が遅れた事で、広告費などの一般販売管理費が抑えられ、計画比100.1%となりました。
「嗜好品のコーティングから、日用品のKeePerへ」
2023年6月期はKeePerを車好きの嗜好品としてだけではなく、女性を中心としたユーザーにKeePerを幅広く広め、「日常的に使う、当たり前な日用品に」を大きな目標として1年がスタートしました。
そのために、まず新しい商品として「勝手にキレイ」を商品コンセプトとした「フレッシュキーパー」の販売開始いたしました。
今までのKeePerの性能はもちろん維持し、「雨が降れば、まるで洗車をしたようにキレイに」なる性能も加えて、洗車の手間を省き、節約にもなる実用的な機能を持ち合わせています。この機能は誰にとっても便利で楽になるものなので、フレッシュキーパーは嗜好品ではなく、実用的な便宣性を持った実用品、日用品といえるはずです。さらに価格帯もSサイズでお求めやすく2万円台に設定しました。
まず初めに、9月からキーパーラボで先行発売として開始し、お客様の反応と施工方法の確認をし、万全の態勢でキーパープロショップやキーパー施工店に10月から展開を開始しました。
販売早々から手応えがあり、大々的なプロモーションなどはおこなっておりませんでしたが、キーパープロショップ店頭での声掛けやお客様に口コミが広がり、発売から3か月で約10万台の施工になるなど好調なスタートを切りました。
そして、2023年に入り「フレッシュキーパー」のプロモーションをスタートさせました。プロモーション第一弾として、キーパープロショップをはじめとするキーパー施工店にて、KeePerの新コンセプトである「勝手にキレイになる」のチラシ、約100万枚配布しました。
第二弾は、女性を中心としたユーザーに幅広く広めるために、4月から女性の視聴率が抜群に高い番組を選定し、「マツコの知らない世界」「家事ヤロウ‼」「ZIP!」の3番組で全国ネットのCM放映が始まりました。
加えて、フレッシュキーパーの専用 Web ページも立ち上げ、SNS を活用した本格的なプロモーションをスタートさせました。
このようなプロモーションの効果は早速表れ、「店頭でチラシを見て」「CMのコーティングを買いに来た」「SNSの口コミを見て」など「フレッシュキーパー」のサービスを買いに来られるお客様が多くなり、販売1年も経たずして、販売台数は30万台以上となりました。
この結果、フレッシュキーパーというサービスが、新しい顧客層を開拓でき、日常的に使うのが当たり前な「日用品のKeePerへ」が広がる手応えを十分感じさせる1年となりました。
<キーパーラボ運営事業>
キーパーラボ運営事業において、上期は車の製造の遅れから、今お乗りの車へのリフレッシュ施工や中古車を購入された方の施工が増加しました。下期においては、新車納車が始まり新車施工が俄然増加しました。
このように、業界がどのような状況においてもKeePerコーティングの需要があり、キーパーラボ運営事業の強さを再確認する事が出来ました。
2023年6月期の1年間のコーティングの施工台数を見てみると、EXキーパーは、施工台数が11,483台、売上として約18億14百万円、前年比22.5%増となり、高付加価値コーティングの伸びが一番の進捗率となりました。
ECOダイヤが加わったダイヤモンドキーパーシリーズは、施工台数が44,615台の前年比17.1%増、売上33億43百万円と大きく伸びております。また、クリスタルキーパーは60,093台(5.1%減)と新サービス「フレッシュキーパー」への移行がありますが、同じ耐久期間のタイプであるフレッシュキーパーと合わせると74,860台 (18.2%増)となりました。各キーパーコーティングのメンテナンス需要も高まりをみせ27.9%増となりました。
加えて、洗車需要も向上し、総来店台数も11.7%増となりました。そして、平均単価も前期14,597円/台から今期15,980円/台と9.5%上昇しています。
(キーパーラボ新店開発)
新店開発においては、当初の計画通り12店舗の新規出店となりました。
しかし、新店オープンが12店舗といっても、期末の5、6月の2ヶ月間で9店舗オープンしており、計画的な出店が出来ておらず、現場に負担をかけてしまった事が反省すべき点です。今後は店舗部強化の課題も明確になり、改善が急務となっております。
また、新店トピックでは、5月にオープンしたキーパーラボ有明店が、「トヨタ」と「レクサス」の併設店舗「トヨタモビリティ東京(株) 有明店/レクサス有明」にショップインショップの形態で、カーディーラーの建物内に独立した店舗運営を行っております。3台分のブースのみの運営で、オープン初月である5月は16日間の運営で524万円、6月では906万円と驚異的な実績を上げております。
トヨタ・レクサスの店舗の方からもコラボレーションした事で、キーパーラボのお客様がショールームでおくつろぎ中に、トヨタ・レクサス車のパンフレット見たり、車に試乗や触れる事も出来るなど、相乗効果が出ていると大きな反響をいただいております。
新たなビジネスモデルという事もあり、業界雑誌などにも取り上げられるなど注目度も高く、すでに他のトヨタ新車ディーラーからも同じような協業の話もいただいております。
そして、「板橋店」が2022年6月26日で一旦閉店し、移転候補地を探し続けましたが、1年を経っても最適な候補地を見つからず、大変残念ではございますが「板橋店」を閉店とさせていただきます。もちろん今後とも板橋区においてのラボ出店は、最重要エリアとして物件を探し続けていきます。これにより、キーパーラボ直営店舗数は、106店舗となりました。
また、キーパーラボのFC店は、新規出店が「弘前店」「西宮店」「熊本白山店」「大津店」の4店舗、FC店を脱退しキーパープロショップへの移行が「三島伏見店」「岡崎上和田店」「松山店」の3店舗で、FC店舗数は合計13店舗となり、2023年6月期末時点でのキーパーラボ店舗数は119店舗となりました。
(既存店舗の増設、改装)
キーパーの認知度アップと共に、EXキーパーを始めとする高付加価値コーティングの需要が大幅に上がっています。そのため、コーティングブースが不足する店舗が多く、ブース拡大を積極的に行いました。
また、今までは「洗い場」と「仕上げ場」を分けており、車を洗い終わったら、車を移動させ仕上げ場に移動しておりましたが、「移動中の事故防止」「作業効率向上」を考え、「洗い」「仕上げ」を同時に出来る改装工事を積極的に進めました。
(*) 新ブランディングへ変更:看板や建物、店舗の内外装のデザインを一新するプロジェクト(2016年9月より開始)
人員については、232名の純増(内、新卒採用:111名)を果たせた結果、人時生産性は7,328円/時と前年比1.3%増に止めることができました。これまで実施した増員やコーティングブースの増設、洗車・仕上げ場の車両の移動に関わる労力を最小限に減らすための工夫、断熱対策などの効果で、高付加価値コーティングが大きく増え、作業効率も上がっているため、人時生産性の高さに比して、スタッフの疲労度は低くなっています。
今後も新規出店と既存店の成長に伴う増員を予測に入れ、良い人材を、需要増に遅れることなく、精力的に行い、高過ぎる人時生産性に達することを極力防ぎ、お客様の満足に集中できる人員体制、職場環境の整備に注力をしていきます。
キーパーラボ運営事業のセグメント実績
このような活動の結果、売上高は96億58百万円(前年同期比21.9%増加)となり、当セグメントにおける営業利益は、25億85百万円(同17.1%増加)と増収増益となり、過去最高益を更新しました。
<キーパー製品等関連事業>
当事業において最も大きなシェアを占める石油販売業界は、原油高騰の影響も感じさせないほど、車での外出が増えており、店舗は給油作業で忙しい状況が続いています。当然、車を使うとなれば「車をキレイにしてお出かけしたい」や「汚れた車をキレイに戻したい」など、コーティングや洗車需要が大きく向上しております。そんなベストなタイミングで新商品である「フレッシュキーパー」が、2022年10月に販売を開始しました。
機能と価格の両面から、女性のお客様に受け入れやすいと考えられたサービスなので、ガソリンスタンド主体のキーパープロショップでは、約半分の方が女性顧客であることもあり相性が良く、販売開始早々から多くの施工に繋がりました。
また、キーパープロショップの恒例行事である、キーパーコーティングの施工台数(ポイント)の合計で競い合う選手権を、2022年12月から「キーパー選手権」、全国のキーパー施工者の技術力向上のため、2023年4月から「第8回 キーパー技術コンテスト」を開催し、過去最大の3,665名(昨年は3,216名)の選手が出場されるなど、キーパーの需要拡大と共に、大きな盛り上がりを見せました。
(新車マーケット)
新車マーケットにおいては、「2023年3月31日より、株式会社ホンダアクセスでKeePerコーティングが純正品として取扱い開始」が始まりました。
ホンダ販売店に訪問すると「KeePerのような新しい技術を採用していて、BtoC向けのCMなどのプロモーションアピール力があるため、販売店側からすると心強い」と言われる事も多く、早いペースでの導入、そして施工台数増に繋がっております。
そして、増産体制をとっているトヨタの新車施工が本格的に始まっており、施工台数が着実に増加しております。加えて、「トヨタ」と「レクサス」の併設店舗「トヨタモビリティ東京(株) 有明店/レクサス有明」にショップインショップの形態で運営している、キーパーラボ有明店でのお客様の反響や、ユーザーに認知度も高く人気があるKeePerコーティングの将来性を感じ、トヨタモビリティ東京(株)の新車ディーラー全店での導入が決定しました。
今までは、トヨタ新車販売店向けへのKeePer導入は、着実に進んでいるものの、大きな拡大には至っていませんでしたが、今後は、「KeePer LABO」というBtoCビジネスを展開している、KeePer技研の大きな強みを生かすことで、新たな突破口が明確に見えてきました。
また、『SUBARU Wダイヤモンドキーパー』においては、販売から3年ほど経過し、高付加価値コーティングとして確実に定着しております。さらに2022年9月29日より、既販車・中古車向けボディコーティングとして「SUBARU ダイヤモンドKeePer」が発売されており、新車販売店からも、今までなかった分野でのコーティング市場という事で期待も大きく施工台数も着実に増加してきております。
さらに、新車施工から定期的なメンテナンスが可能であり、今後重要になってくるサービス収益が望める商品としてKeePerが注目されています。不安定な車の製造状況やコストアップなど、どのようなサービスで付加価値を上げていくか考える上で、KeePerのサービスがたくさんのお客様に喜んでいただき、再来店していただける商品として、新車販売会社の導入が増えております。
(自動車向けコーティング以外の事業)
車以外のサービスでは、スマートフォン用のコーティングやモーターサイクル業界、看板業界に続いて、自転車業界にも進出しました。今後はさらに家電販売業界、船舶、自動販売機などにも進出し始めており、KeePer製品の、販路の拡大を着実に進めております。
(海外事業)
海外事業においては、すでにキーパープロショップとして展開している、香港、タイ、台湾、ベトナムに加えて、韓国、メキシコでも日本での研修が終了し、2023年秋ごろにはキーパープロショップとして運営を開始いたします。
キーパー製品等関連事業のセグメント実績
このような活動の結果、売上高は73億84百万円(前年同期比14.7%増加)となり、当セグメントにおける営業利益は、内部取引控除後28億89百万円(同36.4%増加)となり、過去最高益を更新しました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ8億52百万円増加し35億73百万円(前事業年度末比31.3%増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は36億63百万円(前事業年度比4億42百万円増加)となりました。収入の主な内訳は税引前当期純利益54億60百万円、減価償却費3億30百万円であり、支出の主な内訳は法人税等の支払額15億25百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は15億86百万円(前事業年度比2億36百万円増加)となりました。支出の主な内訳は有形固定資産の取得による支出11億24百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は12億26百万円(前事業年度比5億57百万円増加)となりました。支出の主な内訳は長期借入金の返済による支出3億79百万円、配当金の支払額8億45百万円であります。
該当事項はありません。
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては「第5経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は66億75百万円(前事業年度末比32.7%増加)となり、16億46百万円増加しました。これは主に現金及び預金が8億52百万円増加したこと等によるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は84億4百万円(前事業年度末比23.1%増加)となり、15億74百万円増加しました。これは主に建物が9億75百万円増加したこと等によるものです。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は28億14百万円(前事業年度末比1.8%増加)となり、48百万円増加しました。これは主に未払金が2億62百万円増加、買掛金が96百万円増加、未払法人税等が12百万円増加、契約負債が67百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が3億31百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は11億14百万円(前事業年度末比5.8%増加)となり、60百万円増加しました。これは主に長期借入金が48百万円減少、退職給付引当金が55百万円増加、資産除去債務が38百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は111億51百万円(前事業年度末比38.7%増加)となり、31億11百万円増加しました。これは主に利益剰余金が当期純利益により39億57百万円増加した一方で、配当により8億45百万円減少したこと等によるものです。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は170億42百万円(前事業年度比18.7%増加)となりました。
(売上総利益)
当事業年度の売上総利益は、139億16百万円(前事業年度比19.6%増加)となりました。
(営業利益)
当事業年度の営業利益は54億75百万円(前事業年度比26.5%増加)となりました。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は、営業外収益8百万円と営業外費用12百万円を計上した結果、54億70百万円(前事業年度比26.5%増加)となりました。
(税引前当期純利益)
当事業年度の税引前当期純利益は、54億60百万円(前事業年度比26.3%増加)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、法人税等15億31百万円を計上したことにより、39億57百万円(前事業年度比27.9%増加)となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
(5)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または金融機関からの借入により資金調達することとしております。
なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は35億73百万円、1年内返済予定の長期借入金の残高は48百万円、長期借入金の残高は1億12百万円となっております。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
① KeePerの品質維持とブランディングについて
「サービス商品」であるKeePer商品は、工場やセントラルキッチンなどで画一的に造られる「製品」ではな く、キーパーLABO及びキーパープロショップなどの店頭で、一つ一つ造り上げられる「サービス商品」なので、その品質維持に難しいものがあります。
しかし、それをKeePerは、材料ケミカルの高い性能と、それを店頭での施工技術力の維持のために、全国18か所のトレーニングセンターを設置し約80名のインストラクターが活動しております。それにも増して、全国のキーパープロショップの皆さんの高品質に対する意識の高さが、施工されたキーパーコーティングの、サービス商品としての高品質の向上と維持を実現しています。その品質の高さは定評があり、キーパーコーティングを施工されたお客様はリピート率約85%という高い率で支持され、その積み重ねと、認知度アップでの新規顧客の獲得と相まってKeePerのガラス系コーティングは市場を拡大しています。
また、この高い品質が競合商品との決定的に差別化された競争力になっており、これをいかに維持していくかが今後の事業の拡大に大きな影響を与えます。その為に、「技術研修」、「キーパー技術コンテスト」や「上達会」が、キーパープロショップや施工店さんたちへの当社の主な活動となっており、キーパーLABO運営事業においては、より一層高い品質を維持することが専門店としての生命線として維持向上に努めています。
キーパーLABOは2023年6月30日時点で119店舗(直営106店舗)、キーパープロショップが6,414店舗と非常に多くの店舗であり、それぞれの店舗の責任において施工がされていて、そのすべての商品品質を均一に高く維持することは極めて困難でありますが、逆に、これを実現することが競合商品との差別化、決定的な競争力であり、KeePerのブランディングそのものです。
もちろん、KeePerのブランディングは、全国へのテレビCMやYouTube、Webサイトで広く一般に認知を広げるなどマーケティングを通じても作り上げられております。これは2024年度以降も継続して行きたいと思っています。
② 新車マーケットでのKeePerコーティングの拡大について
カーメーカーやカーディーラーなどの新車マーケットである自動車業界においてもKeePerの拡大をすべく積極的に営業活動がされております。方策としては、KeePer初の”新車用”コーティングとして発売した、「EXキーパー」を中心に導入を推し進めております。その活動は、各メーカーへの純正採用として、まず初めて2020年10月より『SUBARU WダイヤモンドKeePer』が発売され、着実に販売シェアが広がってきております。2021年9月1日からは、トヨタグループの自動車部品専門の卸売会社である、トヨタモビリティパーツ株式会社より、KeePerボディーコートが発売されました。2023年3月31日からは、株式会社ホンダアクセスより、「EXキーパー」「ECOダイヤモンドキーパー」が純正品としてより発売開始されました。新車から既販車まで一貫してKeePerのサービスを提供し、日本国中の車をより美しくし、お客様に喜びを提供していきます。
③ キーパープロショップ登録店舗数の増加と1店舗当たりの施工台数の増加について
KeePer製品等関連事業の主力であるキーパープロショップは主にガソリンスタンドです。ガソリンスタンドは石油製品(燃料)が徐々に販売減少していく中でそのインフラを活かし、燃料以外で収益を上げる必要があり、どこの石油元売りもこぞってカーコーティングの施工販売に力を入れております。ガソリンスタンド自体の店舗数は減少の一途ではありますが、いまだに29,000店舗以上あり、その中でキーパープロショップは2023年6月30日時点で、約21%の6,414店舗であります。期首6,283店から期末6,414店と微増ですが、主要製品の一つであるダイヤモンドキーパーケミカルとレジン2、ECOレジンの売上が、前年同期比約20%増の伸びとなっており、1店舗当たりのコーティング実績が向上している事がわかります。
キーパープロショップは、入会金ゼロ、会費無料であり、獲得のための営業活動も全くしておりませんが、実際に売上実績が上がる功績で自然に増えてきたものなので、ガソリン業界だけではなく、カーディーラーやカーショップなどへも拡大していくと予想しております。
④ キーパーLABO既存店の売上向上と新規出店のペースアップについて
キーパーLABO運営事業については、「愛車をキレイに、長く乗ろうと」というマインドが高い状態が続き、新しい次元に入った実績が続きながら、KeePerコーティングがYouTubeなどのSNS上での高い評価を見て、高額商品の需要が高くなって、KeePerコーティングの人気は上昇し続けております。
キーパーLABOの前年実績のある既存店舗は、SNSの中で良い評判が広がっていること。TVコマーシャルなどでKeePerブランドが消費者の中に浸透してきていることによってKeePer全体の信頼が上がってきて、購買商品がより価格の高い上位商品である「EXキーパー」「ECOダイヤモンドキーパー」の施工が新車を中心に増加し、キーパーLABOの販売単価を押し上げで来ています。
株式の上場と東証一部への指定替によって一番大きく変わったのが、キーパーLABO新店用の物件の出る数です。これが劇的に増加したのは、KeePerの認知度が上がったと同時に株式上場によって、社会的信用が上がったことが大きな要因と言えます。
⑤ キーパーLABOとキーパープロショップの共存共栄について
初回施工はキーパーLABOで施行したお客様も、2回目以降の施工は近くて便利なキーパープロショップで施工される方がおよそ50%もいて、キーパーLABOが、周辺のキーパープロショップの活性化に役立っています。逆に、全国のキーパープロショップにKeePerの看板が上げられ、店頭ではパンフレットなどでの営業が行われることで、KeePerブランドの認知度がアップし、キーパーLABOの集客や運営に大きなプラスの力になっています。つまり、キーパーLABOとキーパープロショップの存在は相乗効果を持っており、このシナジー効果を持っていることもKeePerの大きな強みとなっております。
⑥ 新規出店に伴う人員の採用と、資金計画について
キーパーLABOの新規出店に伴う人員は、大学卒、高校卒とも、来春の新卒採用が前年を上回るペースで順調に推移しているため、中途採用も含めて十分な採用人数を得られるものと考えております。
元々、キーパーLABOの社員の定着率は非常に高いものでした。企業理念にあるように、お客様の満足(CS)を高い技術で実現すると同時に、お客様の「ありがとう」の言葉で、従業員のやりがいと満足(ES)を生み出していくことが、定着率の高さに結びついており、採用数の増加と相まって社員数全体の増強が実現しております。更に定着率の高さが、勤務経歴の長さを生み、勤務の長さが技術の熟練を生み出して商品の品質の維持向上にも貢献しています。
新店の構築のためのコストは上昇しており、更地からの建設物件で約6,500万円/1件、既設の建物がある居抜き物件では約4,000万円/1件の費用が掛かります。しかし新規開店から採算ベースに乗るようになってきており、営業キャッシュ・フローでのプラス要因と、現在の現預金からして、現状の2023年6月30日時点で直営106舗から今後の150店舗余までの資金は安定的に調達をすることができると考えております。
2023年6月30日現在
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。
3.臨時従業員数(パートタイマー及び派遣社員を含む。)は、年間平均雇用人員数(1日8時間換算)を〔 〕内に外数で記載しております。
4.営業所・トレーニングセンターにつきましては、賃借物件の為、土地の帳簿価額は発生しておりません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1.2013年7月9日の取締役会決議に基づき付与したストックオプションの行使による増加であります。
2. 株式分割(1株:2株)
2023年6月30日現在
(注)自己株式1,000,660株は、「個人その他」に10,006単元、「単元未満株式の状況」に60株含まれております。
2023年6月30日現在
1.報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の分配の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。当社は販売先別にセグメントを位置付け、一般顧客向け、事業者向けに包括的な戦略を立案し事業活動を展開しております。
従って当社は販売先別のセグメントから構成されており「キーパー製品等関連事業」「キーパーLABO運営事業」の2つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「キーパー製品等関連事業」は自動車のコーティング用ケミカル製品をはじめとした、道具機器類の開発・製造、販売を行っております。「キーパーLABO運営事業」は一般のカー・ユーザー向けに自動車のコーティングを中心とした「車の美装を提供する店舗」をコンセプトとして「キーパーLABO」店舗を運営しております。