Hamee株式会社
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(アルバイト・パートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用人員を( )外数で記載しております。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.第25期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
2.第25期の株価収益率及び配当性向については、当期純損失であるため記載しておりません。
3.従業員数は就業人員(当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイト・パートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用人員を( )外数で記載しております。
4.最高・最低株価は東京証券取引所市場第一部におけるものです。なお、2022年4月4日以降の最高株価及び最低株価は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社は、1998年5月22日に神奈川県小田原市において、モバイル周辺アクセサリーの企画・販売・イーコマース(以下「EC」といいます。)を目的にマクロウィル有限会社として設立いたしました。
その後、2001年12月に、当社EC店舗名として知名度の高かった「ストラップヤ」を当社商号として採用し、モバイル周辺アクセサリーに特化した販売事業を展開してまいりました。2008年5月にはEC事業の受発注・在庫・売上を一元管理するシステム「ネクストエンジン」のサービス提供を開始し、新たな事業の柱としました。その後、2013年5月1日付で、商号を「Hamee(ハミィ)」に変更し、現在に至っております。
当社設立後の企業集団に係る経緯は、次のとおりであります。
当社グループは、当社及び連結子会社6社、関連会社1社の合計8社で構成されており、世界的にも成長が続いているEC市場において、市場の変化に対応しつつ進化成長してまいりました。自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Mission「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げております。
主要なものとしては、スマートフォンケースやイヤホンケース等モバイルアクセサリーの商品企画・開発・製造、それら商品についてインターネット通信販売及び大手雑貨量販店等への卸販売を行う「コマース事業」と、主にEC事業者向けクラウド(SaaS)型EC Attractions「ネクストエンジン」の開発・提供を行う「プラットフォーム事業」を展開しております。それぞれの事業の内容は以下のとおりであります。
2022年8月1日に当社が営むプラットフォーム事業を、会社分割の方法によって、当社の100%子会社であるNE株式会社に承継しております。また、2022年9月5日にNE株式会社がNE株式会社の100%子会社(当社の孫会社)であるHameeコンサルティング株式会社を吸収合併しております。
なお、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
当事業においては、若年層に高い認知度を持つiFaceブランドを中心としたスマートフォンアクセサリーを取り扱う事業が主力事業となります。若年層を含む幅広い顧客に対して、ECでは多店舗展開することでより多くの顧客と接点を持ちつつ、また雑貨量販店、家電量販店、キャリアショップ等のリアルな売り場での接点をも有す、バランスの良い販路を持っているのが一つの特徴であります。あわせて、当社グループで企画開発、製造、販売までのサプライチェーンを構築しているのも大きな優位性となっております。また、これらにEC運営ナレッジを加えた強みを活かしてカテゴリー拡張をしており、ゲーミングモニターブランドPixioや、コスメティクスを「ByUR」ブランドとして展開しています。また、これまではその他セグメントとなっていたHamic事業を新規事業と位置付けコマース事業に含めております。なお、当事業は国内だけでなく、韓国、米国、中国の連結子会社3社を通じてインターネット通信販売及び小売り事業者向けの卸販売を行っており、インターネット通信販売においては自社サイトの運営だけでなく、国内及び海外の有力ECショッピングモール等へ出店しております。
インターネット通信販売においては、自社ドメインサイト5店舗、楽天市場で2店舗、Yahoo!ショッピングモール/ PayPayモールで3店舗、Amazon.co.jpで2店舗、ZOZOTOWNで1店舗、その他小規模店舗を含め日本国内で14店舗のEC店舗を運営し、一般消費者に向けてモバイルアクセサリー等を販売しております。店舗運営に当たっては、UX(注1)を重視し、専門チームがUXの向上に努め様々な施策を行っております。
大手雑貨量販店、大手家電量販店向けに、モバイルアクセサリーの卸販売を行っているほか、EC事業者向けにインターネット卸販売サイトの運営を行っております。小田原本社のほか、東京、大阪に拠点を設け、ラウンダーと呼ばれる実店舗の売場構築支援を行う人員を配置し、顧客満足度向上に努めております。
子会社を通じて次のとおり店舗展開をしております。
Hamee Global Inc.(韓国連結子会社、以下「Hamee Global」という。)では、一般消費者向けにインターネット販売を展開しております。また、韓国国外の代理店に対する海外輸出も行っております。
Hamee US,Corp.(米国連結子会社、以下「Hamee US」という。)では、欧米の一般消費者向けインターネット通信販売を展開しております。また、米国においては大手雑貨量販店等への卸売販売も行っております。
Hamee Shanghai Tech & Trading Co., Ltd.(中国連結子会社、以下「Hamee Shanghai Tech & Trading」という。)では、中国一般消費者向けインターネット販売を展開しております。
商品仕入については、500社を超える仕入先との取引により、モバイルアクセサリー関連の情報網を確保しており、時代のニーズに合わせた多種多様な商品展開が可能な体制を構築しております。また、社内にて商品デザイナーを中心とした商品企画・デザイン専門チームを設置し、自社企画商品として、海外を含む外部メーカーと協力しオリジナル商品を制作しております。自社企画商品においては、ディズニーやムーミン等の人気キャラクターの商品化権を取得して、キャラクター商品の制作も積極的に行っております。これらに加え、玩具や実用品等も一部取り扱っており、様々な商品について、多くのEC店舗における販売状況を分析することで、売れ筋商品をリアルタイムに把握し、商品仕入・企画に活用することが可能な体制となっております。
また、韓国連結子会社が製造機能を保有しており、自社商品の企画・製造から物流・販売までのフローを統括できる体制を構築しております。
当事業においては、2022年8月にNE株式会社として分社化いたしました。主に自社サイトやECショッピングモール等でインターネット通販を展開するEC事業者向けに、ネットショップ運営に係る日々の業務を可能な限り自動化すると同時に、モール横断型で複数店舗の受注処理や在庫状況を一元管理できるクラウド(SaaS)型EC Attractions「ネクストエンジン」を開発・提供しております。このサービスは、「(1)コマース事業」にて記載した当社自身によるEC事業のために開発したシステムを社外に提供したものであり、EC事業者だからこそわかる潜在的なニーズに対応できる素地があり、継続的な改良を行っております。
また、これまではその他セグメントとなっていたふるさと納税支援サービスロカルコ事業及び2022年9月NE株式会社において、Hameeコンサルティング株式会社を吸収合併したことによりプラットフォーム事業に取り入れております。
ネクストエンジンは、EC事業者に対して、メール自動対応、受注伝票一括管理、在庫自動連携、商品ページ一括アップロード等の機能を提供し、ネットショップ運営の業務プロセスの自動化を進め、EC事業者の経営効率向上を支援するクラウド(SaaS)型システムであります。異なるインターネットショッピングモールに出店した複数のネットショップの管理を一元化したり、複数のネットショップの在庫数表示を同期させたりする機能を持つことから、特に複数のネットショップを運営するEC事業者には利点があります。
ネクストエンジンには、メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」といいます。)があり、ユーザーはニーズに合わせて機能を使い分けることが可能となっております。メイン機能はEC事業者の利便性に資する標準的な機能がワンパッケージで搭載されており、アプリはそれ以上の特殊なニーズに対応するためのオプションと位置付けられています。
2023年4月期末時点におけるネクストエンジンの契約社数は5,772社(前連結会計年度末比355社増)で、利用店舗数は45,937店(同4,342店増)、利用店舗の取引総額は1兆2,062億円(同826億円増、いずれも自社調べ)となっております。
ネクストエンジンの基本料金は、ユーザーであるEC事業者の受注件数に応じた従量課金制をとっており、ユーザーの事業規模に応じた料金体系となっております。また、専用サーバープランや、カスタマイズ等については顧客ごとに個別料金を適用しております。ネクストエンジン上の各種アプリにつきましては、アプリごとの定額料金制(一部従量課金制)としております。
営業活動につきましては、EC事業者向けのイベント・セミナー等へ出展・参加し、当サービスを紹介して、興味を持っていただいたEC事業者に詳細を提案するという営業スタイルを主体に、小田原(本社)に加え、東京営業所を営業拠点として、契約見込み先に対する積極的な営業(コンサルテーション)を展開し、契約の獲得に繋げております。加えて、無料体験からの成約率を高めるための組織も編成しており、組織の役割を明確にすることで少人数でも効率的に契約件数を獲得することが可能な体制となっております。また、協力事業者(ユーザー及び代理店として「パートナー制度に関する利用規約」を締結している事業者等)に代理で営業活動を行っていただき、当サービスを紹介していただく「パートナー制度」も設けております。
ネクストエンジンのユーザーへのサポート業務は自社にログやノウハウが蓄積できる体制を構築したうえで定型業務をアウトソーシングしております。このコールセンター業務を担っていた人員が解約率抑制に取り組むことで、カスタマーサクセスの追求を行っております。
ネクストエンジンの開発は全て自社の開発部で行っております。ユーザーと同じ目線で、ユーザーの利便性を重視したシステムにしていくため、当社を始めとした5,700社超のユーザーからのリクエストや、ECショッピングモール側のシステム変更等に迅速に対応できる開発体制を構築しております。
2013年12月よりネクストエンジンのAPI(注2)を公開したことにより、ネクストエンジン上で自社及び外部ディベロッパーが開発した各種アプリの展開が可能となるなど、いわゆるプラットフォーム化が実現いたしました。これにより、顧客のニーズに合わせたネクストエンジンのカスタマイズが容易となり、小規模EC事業者から、大規模EC事業者まで、広範なユーザーのニーズに対応したサービス提供が可能となっております。
また、既存のアプリとネクストエンジンを連携させることにより、ユーザーの環境に合わせた効率的なシステム運用も可能となります。
加えて、ユーザーが独自に開発したアプリを、ネクストエンジン上で販売することも可能になります。
(注) 1.UX(User Experience)とは、ある製品やサービスを利用したり、消費した時に得られる体験の総体。個別の機能や使いやすさのみならず、ユーザー(ここでは当社のECサイトを訪問する一般消費者)が真にやりたいことを楽しく、心地よく実現できるかどうかを重視した概念。
2.API(Application Programming Interface)とは、あるコンピュータプログラム(ソフトウエア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから簡単に呼び出して利用できるようにするインターフェースのこと。ここでいうインターフェースとは、機能の呼び出し手順や記述方法などを定めた仕様を指す。APIが提供されている機能は独自にゼロから開発する必要がないため、プログラムの開発を効率的に行うことが可能になる。

(プラットフォーム事業)

(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報の名称を記載しております。
2.「議決権の所有割合又は被所有割合」欄の〔内書〕は間接所有であります。
3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4.Hamee Global Inc.及びNE株式会社は、特定子会社に該当しております。
5.当連結会計年度より、新たに設立したNE株式会社を連結の範囲に含めております。また、当連結会計年度において、当社の連結子会社であったHameeコンサルティング株式会社は、当社の連結子会社であるNE株式会社を存続会社とする吸収合併により消滅したため、連結の範囲から除外しております。
2023年4月30日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(アルバイト・パートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用人員を( )外数で記載しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門の従業員数であります。
2023年4月30日現在
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイト・パートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均雇用人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門の従業員数であります。
4.前事業年度末と比べ従業員数が85名減少しておりますが、これは主に、2022年8月1日に当社のプラットフォーム事業を、会社分割の方法によって当社の100%子会社であるNE株式会社に承継させたことによるものです。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
当社グループは、自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Mission「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げ、コマース事業とプラットフォーム事業とをそれぞれ継続的に進化・成長させることに取り組んでおります。
今後の事業展開において、各事業が更なる事業拡大・成長を目指すに当たり、様々な課題を認識しております。当社グループは、これらの課題に以下のとおり迅速に対処してまいります。
① 全社的な課題
イ.優秀な人材が働きやすい環境の整備
継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの商品開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。当社グループにおいては、デザイナー、開発エンジニア等のクリエイティブ人材を継続的に採用し、商品クオリティの向上、開発スピードの向上等によって、ユーザーのニーズに対応していくことが重要であります。2020年にフルテレワーク可能な人事制度を構築し、様々なテレワークに関するツールを導入したほか、2021年には従前のオフィスワークとテレワーク両方に最適なオフィスに転換するなど働きやすい環境を整備しました。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動制限が緩和され、リアルでのコミュニケーションの重要性が再認識されている状況も鑑み、今後も当社グループはテレワークと出社を自由に選択できる勤務形態を維持し、リアルとデジタルが融合した働き方の多様性に対応していきます。
ロ.コーポレートガバナンスの高度化
ガバナンス体制の構築と権限委譲による意思決定の迅速化を図るため、監査等委員会設置会社へ2022年7月に移行いたしましたが、より一層のコーポレートガバナンスの高度化を実現するため、社外取締役の比率向上、取締役会におけるより高度なガバナンス体制の構築を目指しております。2022年10月に指名・報酬委員会を設置し、取締役の指名・報酬等に関する決定プロセスの透明性・客観性を高め、コーポレートガバナンスの充実を実現いたしました。今後もコーポレートガバナンスにおいては透明性及び客観性を維持向上できるよう対応してまいります。
ハ.コンプライアンス体制の維持向上
近年、企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。当社グループでは、コンプライアンスマニュアルの制定、コンプライアンス担当役員の選任、法務部門の設置等、コンプライアンスを徹底する体制の強化を実施しておりますが、お客様からの信頼性向上のため、今後も社内教育を通してコンプライアンス体制の維持向上を図っていく方針であります。
ニ.ESGの推進
当社グループが本社を構える小田原の地には、江戸時代の思想家、二宮尊徳翁が生んだ「報徳思想」という考え方が根付いています。この教えのもと、私たちは社会の公器としての自覚を持ち、事業活動の進化・成長を図るとともに、環境・社会・経済などに関わる課題の包括的解決に取り組むためESGに関するマテリアリティ(重要課題)を特定しており、各マテリアリティ達成に向けて、事業活動を通じて取り組むべき目標とそのアクションプランを当社ホームページにて公表しております。具体例といたしましては、SDGsの目標12『つくる責任・つかう責任』を果たせるような持続可能性のあるプロジェクトである「Parallel Plastics」を展開し、プラスチック製品の不良品や余剰在庫から新たなプロダクトをつくるリサイクルサービスを開発しているほか、ネクストエンジンの拡大により、消費者に多様なEC消費の機会をもたらし、ECに関わる事業者に「あそび」のある時間をもたらす、『働きがいも経済成長も』『産業と技術革新の基盤をつくろう』に繋がる取り組みを行っています。しかしながら、アクションプランについては不十分な側面もあると認識しているため、引き続き、アクションプランの拡充に取り組んでまいります。
② コマースセグメント
イ.特定カテゴリー(スマートフォンアクセサリー)への依存
コマースセグメントの売上構成は、8割以上が日本国内市場であり、そしてそのほとんどがスマートフォンアクセサリーカテゴリーとなっております。スマートフォンの普及率や、今後の国内人口の見通しなどを勘案すると、事業基盤をより安定させるために、グローバル展開の加速と、カテゴリー拡張や新規事業創出が必須の経営課題であると認識しております。これに対処するべく当社グループは「EC運営ナレッジ」「自社で企画・開発・製造を行い卸販売、EC小売の2つの販売チャネルをバランス良く保持しているサプライチェーン」「認知度の高いiFaceブランド」といった強みを活かした、カテゴリー拡張、新規事業創出を積極的に行いつつ、グローバル展開をさらに加速させる取り組みを継続的に実施しております。具体的には、スマートフォンアクセサリーを中心としたモバイルライフ事業をベースの事業として、コスメブランドByUR(バイユア)を中心としたコスメティクス事業、ゲーミングモニターブランドPixioを中心としたゲーミングアクセサリー事業、オタマトーンやスクィーズ等海外で人気のある商材を取り扱うグローバル事業に対して積極的に投資を行いました。その成果として、当事業年度において各事業で売上高の成長が認められましたが、利益貢献の面で課題を残すため、今後採算改善のための取り組みにも注力してまいります。
ロ.ブランド力の維持向上
当セグメントが属するスマートフォンアクセサリー市場は今後も大きく変化し、競争も激化することが予想されます。そのような環境の中で、主力ブランドでありコアコンピタンスでありコスメティクスをはじめとするカテゴリー拡張の要であるiFaceが今後も顧客から選ばれるブランドであるべく、その価値向上を図るため、一層のブランディング強化を行います。スマートフォンアクセサリーブランドとして10年以上の歴史を積み上げてきた、オンリーワンな強みを最大限活用し、更なる成長を目指します。
ハ.商品の市場投入スピードの向上
コスメティクス事業の「ByUR(バイユア)」ブランドの主力商品群と位置付けて開発を進めていたスキンケア商材(トナーパッド、美容液、クリーム等)のリリースが、当初予定していた2022年4月から同9月へと遅れたことに伴って、売上計画に対して大幅なビハインドになったほか、モバイルライフ事業においても商品開発の遅れが認められるなど、ニーズに合った商品の市場投入スピードについて課題が生じました。これに対し、海外子会社の組織体制の見直しを含む組織改革を実施し、新商品をスピーディかつ継続的に市場投入する体制の構築に着手いたしました。主要なカテゴリーを扱うモバイルライフ事業については、新商品の投入数を主要な経営指標として認識し、自社企画商品をタイムリーに市場投入することで需要を喚起し、当事業年度において一時的に落ち込んだ売上高の回復に努めてまいります。
ニ.採算性の改善
ここ数年続いた「巣ごもり需要」に紐づくモノ消費から、外食や旅行、その他イベント参加などのコト消費へと消費行動が変容したこと、原材料価格やエネルギー価格の高騰に伴う物価上昇によって家計の余力が減退したことなど外部環境の変化に伴う影響が大きく、不振となったモバイルライフ事業の売上高を、ゲーミングアクセサリー事業、コスメティクス事業、グローバル事業といった新しい注力分野の売上高がカバーする構図が顕著となり、事業ポートフォリオの形成が進みました。しかしながら当該三事業は未だに投資を重ねている領域であり、採算性に課題を認識しております。事業譲受による調達価格の低減と販売地域の拡大、内製化やメーカーとの関係強化によるコスト削減の取り組みなどの施策を今後も継続し、利益の貢献を早期に実現するよう努めてまいります。
③ プラットフォームセグメント
イ.ネクストエンジン契約拡大のための継続的な取り組み
ネクストエンジンは主として(EC流通額)中規模事業者に対して支持されているサービスであり、5,700社を超える顧客にご利用いただいています。今後も引き続き、以下の取り組みを推進し、顧客によるEC事業の成長実現を通じて、総契約社数の拡大を目指します。
・無料インバウンド強化のためのプロモーション活動
・サポート体制の充実化と代理店の活用による契約率の向上
・高機能化と二律背反の関係にあった初期設定の煩雑さを軽減
・スムーズなデータ連携とEC事業者の作業時間短縮化
・APIを豊富に開発することで他社サービスとの連携幅をさらに拡大
・新規顧客の増加へ対応しつつ、顧客満足度を維持するための、コールセンターのアウトソース
・不十分な運用習得による解約の抑制
ロ.市場環境に左右されない強固な顧客基盤の構築
当事業年度において下記のとおり経営環境の変化があったものと認識しております。
(a) コロナ禍でEC業界へ進出する事業者が増加したものの、プレーヤー増加による競争環境の激化によって、ブランド力や財務的に余力のあるEC事業者と、そうでない事業者との間の格差が広がり、業界として二極化が進んだ。
(b) コロナ禍で消費行動のデジタルシフトが進んだが、ワクチン接種の浸透、重症者数の減少などを背景にリアル店舗での消費が増大傾向にあることや、自粛期間を経てモノ消費からコト消費(旅行やイベントなど)にシフトする傾向が強まったことなど、デジタルシフトの反動が顕著になった。
(c) EC事業者の喫緊の経営課題のシフト上記を背景に、EC事業者の経営上の優先課題がバックオフィス業務の効率化から、売上極大化及び利益の確保へシフトしており、各種の業務効率化サービスの導入意欲が一時的に減退していると考えられる。
これらの状況を踏まえ、ネクストエンジンが更なる成長加速を目指すために、従前の中規模以上のEC事業者に対する強みを発揮するだけではなく、小規模事業者を含む全てのコマース事業者に伴走し成長を支援するようなサービスを拡張・充実させることで、顧客基盤を強化し、総契約社数の更なる拡大を目指します。
ハ.好循環なビジネス構造の実現
また先述の強固な顧客基盤の構築においてアプローチする小規模事業者へ、その興味関心である「売上拡大」という課題に対し、また中規模事業者であっても同様の課題を持っている事業者に対して、コンサルティング事業による制作、ECコンサルティング等を提供、またネクストエンジンの初期設定代行をコンサル事業が行うなどシナジーをさらに追求し、フロントと管理両面に対して、一体化されたサービス体制を構築し、ロングタームで顧客成長を伴走できるプラットフォームへ成長するべく、「好循環なビジネス構造」の実現を目指していきます。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも特に重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断のうえで、あるいは事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、以下の記載における将来に関する事項については、本書提出日現在において当社で想定される範囲で記載したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。
当社グループにおける事業は、主としてECに関連する事業であるため、EC関連市場が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。
今後もEC関連市場は拡大するものと見込んでおりますが、仮に新たな法的規制の導入、通信環境やセキュリティ対策等の技術進歩が市場のニーズに追いつかなくなるなど技術革新の遅れ、利用料金の改訂を含む通信事業者の動向など、予期せぬ要因によりEC関連市場の発展が阻害される場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業においては、日本の代表的なECモールである楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、ECインフラともいうべき企業の運営方針の影響を受けます。当社グループにおいては、複数のECモールへの出店や、自社ドメインサイトの運営などにより、一つのECモールに依存しない運営体制を構築しておりますが、ECモールが同一企業による複数店舗の出店を禁止するなどした場合や、販売ロイヤリティ率の引き上げに伴いECモールへの出店に関する費用が増加した場合、自社EC店舗の運営に支障が生じるとともに、プラットフォーム事業においてシステムを利用する顧客が減少するなどし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業は、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワーク及び当社が提供しているシステムに依存しております。このため、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合、またはサイトへのアクセスの急激な増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムにトラブルが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループのコンピュータシステムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、それらの手段で対応できないコンピュータウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害等が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が運用しているネクストエンジンは、プラットフォーム事業における主要サービスであるとともに、コマース事業における管理システムとしても利用しております。当社は、ネクストエンジンの運用に支障が生じないよう、システムの保守や管理に努めておりますが、何らかの理由によりネクストエンジンに不具合が生じた場合、プラットフォーム事業における主要なサービスの提供が困難になると同時に、コマース事業において受注処理等の業務運営が滞るなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは「不当景品類及び不当表示防止法」、「製造物責任法」、「特定商取引に関する法律」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「不正競争防止法」、「消費者契約法」、「個人情報の保護に関する法律」、「商標法」、「著作権法」等による法的規制を受けております。当社グループでは、管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、これらの法令に違反する行為が行われた場合、法令の改正または新たな法令の制定が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、企業規模の拡大に伴い、継続的に優秀な人材の維持と拡充が必須であると認識しております。当社グループの競争力向上に当たっては、それぞれの部門において高い専門性を有する人材が要求されることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を適切に採用するとともに、成長ポテンシャルの高い人材育成、維持に積極的に努めていく方針であります。しかしながら、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保が計画どおりに進まなかった場合や、人材育成・維持が計画どおりに進まなかった場合、また既存の主要な人材が社外に流出した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、プラットフォーム事業においては、当社グループの過失によるシステム障害などで顧客の業務が滞り、顧客に機会損失が発生した場合には訴訟を受ける可能性があります。また、コマース事業においては、商品が第三者の知的財産権を侵害していたり、商品を購入した顧客に被害等(蓄電池の発火による火傷、火災など)が発生した場合には、訴訟を受ける可能性及び商品の不良発生等に基づいて、監督官庁から商品の回収命令を受ける可能性があります。当社は、販売する商品等について商品開発部が、メーカーから納品される前のサンプル検査の段階において、素材の確認、裁断や焼却等による検査を行うとともに、通電商品等の機能性商品については外部専門機関等によるチェックを実施するなど、品質の確認には十分な注意を払っておりますが、完全にそのリスクを排除できる保証はなく、発生した訴訟の内容及び結果、損害賠償の金額、商品回収費用の発生状況によっては当社グループの事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 減損処理の影響について
当社グループは、2018年4月のHameeコンサルティング株式会社の買収(子会社化)、2019年10月のJEI DESIGN WORKS Inc.の製造事業の譲受(ブランド企画・デザイン企画人材含む)による取得、2023年1月の株式会社キューブの製品製造販売事業の譲受(音楽雑貨オタマトーン)による取得など、事業進展のための様々な投資を行っており、今後も国内及び海外において、企業買収等の投資を継続する可能性があります。当社グループは、慎重な事業評価、契約交渉、社内審議等のプロセスを経たうえで投資等の実行を判断し遂行しておりますが、業績計画との乖離等によって期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合には、のれんの減損が発生するなど、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するべく、前述の投資判断に加え、投資後のモニタリングを行い、事業計画との乖離が見られた段階で早期に対策を検討・実行していきます。
⑨ 新型コロナウイルス感染症に関わるリスクについて
新型コロナウイルス感染症が拡大し、当社グループの各拠点に被害が発生した場合、事業活動に支障が生じる可能性があります。新型コロナウイルス感染症が5月8日をもって5類感染症に移行し、一定の落ち着きが見られ、今後収束に向かうことが見込まれますが、当社グループとしては、事業を継続させるべく様々な取り組みを行っております。具体的には、代表取締役社長を本部長とするBCP災害対策本部を設置し、在宅勤務の実施、国内外への出張及び渡航規制の強化、感染防止策の周知徹底、国内外のネットワークを通じた各地動向の把握など、状況に応じた事業継続計画(BCP)を立案、実行しております。
しかしながら、これらによっても新型コロナウイルス感染症による被害を完全に回避できるわけではなく、感染症が爆発的に拡大した場合には、顧客の操業度低下・停止やサプライチェーン寸断、EC含む市況の悪化などにより、当社グループの取引減少などがリスクとして見込まれており、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属するモバイルアクセサリー業界は、スマートフォン機種の流行に影響を受ける傾向があります。モバイルアクセサリーは、特定機種専用の商品と、機種に左右されない商品がありますが、スマートフォンは概ね一年ごとにモデルチェンジされているため、特定機種専用商品のライフサイクルが短いという傾向にあるといえます。機種の流行や顧客の嗜好等により特定機種専用商品への依存度に変化が生じた場合、売上変動や在庫増加が発生するほか、当該変化が当初の需要予測と異なった場合には、棚卸資産の評価の見積りに重要な影響を与えるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定ブランドへの依存について
当社グループのコマース事業において販売する商品の大部分はスマートフォンケースブランドである「iFace」シリーズの商品となっております。「iFace」以外のブランド力の強化や新ブランドの検討を行っているものの、今後「iFace」ブランドに対するイメージが著しく低下した場合や、「iFace」ブランドと同様のコンセプトの商品が他社から発売され、他社と比して著しく劣るような状況となった場合、当該商品に対する需要が落ち込み、売上が減少するなど、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、キャラクター商品を幅広く取り扱っております。当社グループの商品へのキャラクターの活用に当たっては、長期安定的な人気を得るものを活用する方針でありますが、当社グループが人気キャラクターの商品化許諾権を版権元から獲得できなかった場合、当社グループの取り扱うキャラクター商品に関する版権元との商品化許諾契約が、何らかの理由により更新拒絶、解除等により終了した場合、採用するキャラクターの人気の程度により、当社グループの業績が変動する可能性があります。
当社グループのコマース事業においては、モバイルアクセサリー市場の成熟に伴い、競争の激化が予想されます。今後他のモバイルアクセサリーのインターネット通信販売事業者、卸販売事業者のみならず、仕入先自身によるインターネット通信販売の展開、その他新規参入事業者等により、新たな高付加価値サービスの提供がなされた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。
また、2022年4月期より取り扱いを開始しましたコスメティクスやゲーミングアクセサリーブランドにおいても競合が存在しており、影響がございます。
当社グループのコマース事業において販売する商品の大部分は、需要予測に基づいた仕入れを行っております。しかしながら、実際の受注が需要予測を上回った場合には販売機会を失うこととなります。また、実際の受注が需要予想を下回った場合には、当社グループに過剰在庫が発生しキャッシュ・フローへの影響や商品評価損が発生する可能性があります。
当社グループの国内コマース事業は、商品の保管、入出庫等に係る業務を株式会社清長へ委託しております。同社とは通信回線にてデータの授受を行っており、何らかのシステム障害にて通信回線が不能となった場合、入出荷業務に影響を及ぼす可能性があります。また地震やその他不可抗力、その他同社の業務の継続が困難になる事象等、何らかの理由により同社からのサービスの提供の中断・停止が生じた場合、または同社との基本契約が変更され、当社グループ業務運営上何らかの影響が生じ、かつ当社グループがこれに適切な対応ができない場合等には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、現時点において売上に占める物流費の割合について、目立った上昇の傾向は出ておりませんが、今後運送事業者からの値上げ要請が発生した場合には、物流コストの増加が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのコマース事業において販売する商品のうち一定割合のモバイルアクセサリーは、当社グループの商品開発部門と仕入先企業が共同で商品開発を行い、仕入先企業にて生産される自社企画商品であります。商品の安全性に関する社会の期待、関心は高まっており、当社グループにおいても、仕入に際しての品質基準の見直しや、品質検査、適法検査等を強化し、安全な商品の供給に努めております。しかしながら、当社グループが販売した商品に不具合等が発生した場合には、大規模な返品、製造物責任法に基づく損害賠償や対応費用の発生、信用失墜により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのコマース事業においては、契約書上に定める一定範囲において、雑貨量販店をはじめとする各小売店等より、一定の条件で商品の返品を受け入れており、商品入庫時及び出荷時における検品の徹底により、商品の瑕疵に伴う不良返品の発生を未然に防ぐ対応を行っております。また、期末日以後の返品による影響に備えるため、返品されると見込まれる商品の対価を返金負債として、返金負債の決済時に顧客から商品を回収する権利として認識した資産を返品資産として計上しております。しかしながら、想定を超えて大量に返品が発生した場合には、代替商品の配送費用など追加的な費用が発生することから、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
モバイルアクセサリー等のインターネット販売サイトの運営管理におきましては、登録会員の個人情報を大量に保有しているため、2005年4月に全面施行された「個人情報の保護に関する法律」を遵守しております。また、当社グループの「個人情報保護方針」に沿って、個人情報保護マネジメントシステムを整備しております。さらに、従業員に対する個人情報保護に関する意識の向上を図り、個人情報の漏洩に対し防止策を講じています。
しかしながら、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等による個人情報の漏洩、消失、不正利用が発生した場合、対応次第では、信用の失墜を招き、さらには損害賠償の対象となることも考えられます。そのような場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
プラットフォーム事業における当社グループの主力サービスは、EC事業者向けのネットショップ一元管理システム、ネクストエンジンであります。EC業界におけるネットショップ管理システムのニーズが高まっているため、継続した機能強化に努めておりますが、ECモールの寡占化が進んだ場合や、EC業界においてネットショップ管理システムの需要が減退した場合、当社システムが陳腐化した場合、また、価格やサポート体制等の総合的なサービス内容が他社と比して著しく劣るような状況となった場合、他社システムへの乗り換えに伴う解約の増加により売上が減少するなど、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのプラットフォーム事業においては、ネクストエンジンのサービス運用に当たって、顧客が保有する取引先情報・機密情報を預かります。当社と顧客との間では当サービスの利用規約に基づき適切な管理を行っておりますが、顧客データの取り扱いにおける人的過失、従業員の故意等による顧客情報の漏洩、消失、不正利用等が発生した場合、信用の失墜を招き、さらには損害賠償による経済的損失が発生するなど、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動制限が緩和される動きに伴って、個人向けサービス業等を中心に非製造業の業況判断の改善が見られた一方で、ウクライナ情勢などを背景に世界的な原材料価格・エネルギー価格の高騰によるインフレや急激な円安等のリスクが顕在化し、依然として先行きの不透明感が拭えない状況が続いております。
このような経営環境のもとで、当連結会計年度における当社グループのセグメントごとの経営成績は次のとおりとなりました。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。変更の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(a) モバイルライフ事業
当連結会計年度については、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動制限が緩和されたことを背景に、ここ数年続いた「巣ごもり需要」に紐づくモノ消費から、外食や旅行、その他イベント参加などのコト消費へと消費行動が変容したこと、原材料価格やエネルギー価格の高騰に伴う物価上昇によって家計の余力が減退したこと、高価格化に伴ってiPhone14シリーズの需要が想定より伸び悩み、新型iPhone向け商品が振るわない状況が続いたことなど外部環境の変化に伴う影響が大きく、国内販売については卸販売、小売ともに苦戦が続きました。
このような状況の改善を図るため、当連結会計年度において新型iPhone以外の機種向け商品や、市場トレンドを取り入れた新商品の開発スピードの向上など各種施策に積極的に取り組み、新しいiFaceシリーズであるショルダーストラップ付きケース「Hang and」を2月に市場投入いたしましたが、当連結会計年度においては業績面への貢献には繋がりませんでした。また、人気の火付け役となったFirst Classシリーズや、それを上回る勢いで市場に浸透したReflectionシリーズ等の定番商品に加え、前連結会計年度新規リリースしたフルクリアケースであるLook in Clearシリーズなど、従前のiFaceシリーズについても、市場への再認知を図るため、人気VTuberグループとのコラボレーション企画によるプロモーションを展開するなど、営業面の強化に注力いたしましたが、上記のネガティブ要素を払拭するには至らず大幅な減収となりました。
(b) ゲーミングアクセサリー事業
価格と性能面のバランスが評価され、当連結会計年度も順調に販売が拡大いたしました。10月にはゲーミングモニターブランド「Pixio(ピクシオ)」が、Amazon.co.jp 販売事業者アワード 2022において、カテゴリー賞(パソコン・オフィス用品部門)を受賞したほか、シナジー創出を目指して当社グループの投資事業において出資した、株式会社TechnoBlood eSportsが運営するeSportsカフェへの納入や、実機展示などのリアルでの販促活動にも注力いたしました。また、EC販売について前連結会計年度においては本店とAmazon1店舗のみの運営であったものの、2022年5月にPayPayモール、7月には楽天市場、ヤフオク!と出店を加速したこと及び、本店のリニューアルによる訴求力の向上、モニターアーム等周辺アクセサリーの展開などの施策により、前連結会計年度と比較して大幅な増収となりました。
(c) コスメティクス事業
「ByUR(バイユア)」ブランドの主力商品群と位置付けて開発を進めていたスキンケア商材(トナーパッド、美容液、クリーム等)のリリースが、当初予定していた2022年4月から同9月へと大幅に遅れたことに伴って通期計画に対して大幅なビハインドとなっておりましたが、当該商品群のリリースによる商材の拡充と、期初より継続してきた広告宣伝投資の効果もあり、第3四半期連結会計期間より売上高が伸長しはじめ、注目コスメとしてメディア各社が主催する各種のアワードを40冠受賞するなど、認知度は着実に拡大いたしました。また、2023年4月にTV番組でベースメイクシリーズが紹介されたことをきっかけに、4月単月の予算に対し200%の実績を残すなど、着実に実績を積み上げることができました。
販売チャネルについても、当連結会計年度末で卸先7社(取扱店舗数260店舗)、EC5店舗(本店、Amazon、Qoo10、Yahoo!、楽天)まで拡大しており、今後もSNSを中心としたプロモーションによるEC店舗への誘致と卸販売先の開拓を進めることで、更なるトップラインの伸長を実現してまいります。
なお、国内化粧品業界全体は成熟市場であり大手企業を中心にシェアの獲得競争が激しい業界であるものの、財務省貿易統計によると、化粧品国内輸入金額の推移において韓国からの輸入額はここ数年で急速に増加していることが確認でき、韓国コスメ(K-beauty)市場は急速に成長しているものと考えられます。また、現時点では大手企業の参入も少ないことから、当社グループの強みを活かして早期にイニシアチブを獲れる領域であると判断しております。
(d) グローバル事業
韓国子会社において、オタマトーン等の仕入商材が好調に推移したものの、一方で自社製品であるモバイルアクセサリーは国内同様に苦戦したため、商品ミックスの変化に起因して売上総利益率が低下し減益となりました。
米国子会社について、上期において販売拡大施策の一環として実施したディスカウント販売や、宣伝広告費の拡大など営業に関わる費用の増加によって利益率の大幅な悪化が見られましたが、下期における販売価格の見直しやコスト管理の徹底などの採算改善施策と、クリスマス商戦での好調な販売を受け、利益面での改善が進みました。
なお、特に好調な販売を維持している音楽雑貨のオタマトーンについて、当社の連結子会社であるHamee Global Inc.は、2023年1月1日付で株式会社キューブと同社の製品製造販売事業の譲受に関する事業譲渡契約を締結し、同日付で同事業を譲受ております。これにより、売上原価の圧縮と販売に関わるロイヤリティー支払いの削減が期待でき利益率の改善が可能となる見込みです。
これらの結果、コマースセグメントの当連結会計年度の売上高は10,655,603千円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益は696,068千円(同62.8%減)となりました。
(a) ネクストエンジン事業
当連結会計年度において下記のとおり経営環境の変化があったものと認識しております。
ⅰ.EC市場における構造変化
コロナ禍でEC業界へ進出する事業者が増加したものの、プレーヤー増加による競争環境の激化によって、ブランド力や財務的に余力のあるEC事業者と、そうでない事業者との間の格差が広がり、業界として二極化が進んだ。
ⅱ.コロナ禍で進んだ消費行動の反動
コロナ禍で消費行動のデジタルシフトが進んだが、ワクチン接種の浸透、重症者数の減少などを背景にリアル店舗での消費が増大傾向にあることや、自粛期間を経てモノ消費からコト消費(旅行やイベントなど)にシフトする傾向が強まったことなど、デジタルシフトの反動が顕著になった。
ⅲ.EC事業者の喫緊の経営課題のシフト
上記を背景に、EC事業者の経営上の優先課題がバックオフィス業務の効率化から、売上極大化及び利益の確保へシフトしており、各種の業務効率化サービスの導入意欲が一時的に減退していると考えられる。
これらを背景として、従前は自然流入で一定数を確保できていた無料契約数が伸び悩む状況が生じており、無料契約から正式契約への転換率自体は大きな変動はないものの、第2四半期連結会計期間の契約純増数は38社となるなど、契約社数の伸びが鈍化しました。この状況を改善するため、第3四半期連結会計期間以降、カスタマーサクセスの思想をしっかりとビジネスの中に取り込み、プラットフォームとしての強みを発揮しながらユーザーの成長を支援する、という基本的な方針は維持しながら可能な限り契約獲得へもリソースを投入することで、第3四半期連結会計期間の契約純増数は53社、第4四半期連結会計期間の契約純増数は121社まで回復することができました。
引き続きECから撤退する事業者も増加傾向にあり、解約率について第1四半期の0.80%から第2四半期は1.04%へ若干悪化する傾向が見られましたが、平均の月次解約率は0.95%と引き続き低位を維持しております。
また、サーバー費用の圧縮等コスト管理の徹底と、ストックビジネスである強みを活かして売上、営業利益とも前連結会計年度比で着実に成長することができました。
(b) コンサルティング事業
コンサルタントのリソース確保という経営課題に継続的に取り組んでおり、コンサルタント不足に起因する売上の減少に加え、不足するリソースの外注化による外注費の増加や人件費の増加により、利益面についても減益となりました。サイト構築に関する案件を大手企業から受注するなど引き合いは好調であるものの、引き続きリソースの確保と基盤整備を優先課題としてとらえ、成長軌道に戻すための体制強化に注力してまいります。
(c) ロカルコ事業
ふるさと納税が最盛期となる12月の取り扱いが過去最高を記録するなど、当連結会計年度も好調を維持しております。来年度に向けた新規自治体獲得のため、外部パートナーとの連携を進めて営業を強化し、引き続き高い成長性を維持してまいります。
これらの結果、プラットフォームセグメントの当連結会計年度の売上高は3,389,421千円(前連結会計年度比9.3%増)、営業利益は1,509,819千円(同23.2%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,038,437千円(前連結会計年度比4.7%増)、営業利益は1,271,159千円(同42.3%減)、経常利益は1,399,637千円(同39.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は945,375千円(同45.8%減)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ423,741千円増加し、8,581,977千円(前年度比5.2%増)となりました。これは主に、現金及び預金が490,088千円減少した一方、その他が543,924千円、売上高の増加等により受取手形及び売掛金が129,937千円及び商品が215,445千円増加したことなどの結果によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,378,552千円増加し、3,738,509千円(同58.4%増)となりました。これは主に、投資有価証券が517,727千円、のれんが354,583千円、使用権資産が232,679千円増加したことなどの結果によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,003,943千円増加し、3,236,260千円(同45.0%増)となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が43,853千円及び買掛金が7,531千円減少した一方、短期借入金が800,000千円、その他が129,205千円及び未払法人税等が77,180千円増加したことなどによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ90,764千円増加し、123,725千円(同275.4%増)となりました。これは主に、退職給付に係る負債が19,000千円減少した一方、その他が109,566千円増加したことなどの結果によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ707,584千円増加し、8,960,501千円(同8.6%増)となりました。これは主に、利益剰余金が636,134千円増加及び為替換算調整勘定が60,236千円増加したことなどの結果によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ490,089千円減少し、3,535,669千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は695,036千円(前連結会計年度は1,186,178千円の収入)でありました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,395,911千円、減価償却費627,115千円、のれん償却額164,245千円等の収入要因に対し、法人税等の支払い666,693千円、その他451,085千円、棚卸資産の増加210,711千円等の支出要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,507,314千円(前連結会計年度は886,457千円の支出)でありました。これは主に、貸付金の回収による収入272,000千円及び投資有価証券の売却による収入32,428千円等の収入要因に対し、投資有価証券の取得による支出544,194千円、事業譲受による支出520,277千円、有形固定資産の取得290,064千円、貸付けによる支出272,000千円、無形固定資産の取得196,468千円等の支出要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は262,789千円(前連結会計年度は298,055千円の収入)でありました。これは主に、短期借入金の増加800,000千円等の収入要因に対し、配当金の支払い357,734千円、リース債務の返済による支出136,521千円及び長期借入金の返済43,853千円等の支出要因があったことによるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、当期総製造費用によっております。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
当社グループのコマース事業においては受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。またプラットフォーム事業においては、ユーザーのシステム内における受注件数に応じた従量課金制の手数料収入が主であるため、受注残高は発生しません。そのため、受注状況には重要性がなく、記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 4、会計方針に関する事項」及び「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要の主なものは、コマース事業における卸販売の拡大に伴い発生する商品仕入資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用支払いに充当するための資金であります。設備投資資金の主なものは、プラットフォーム事業における主要なサービスであるネクストエンジンの機能向上に資するための開発、ソフトウエア等無形固定資産への投資資金、この他企業買収等、企業価値向上に資する投資に関する資金需要があります。
当該資金需要のうち運転資金につきましては、取引銀行6行との間で総額1,950,000千円の当座貸越枠を設定しており、必要に応じて機動的な資金調達が可能な体制を整えております。また、投資資金につきましては、案件ごとに、手持ち資金の状況を勘案しながら、長期借入金により資金調達を行っております。
なお、企業買収について、今後多額の買収資金が必要となるような案件が発生した場合、資本効率やコスト等のバランスと、株主利益への影響を十分に勘案したうえで、資本市場での調達、金融機関からの調達の双方を慎重に検討のうえ資金調達を実施してまいります。
当社は、2022年6月13日付の会社法第370条による決議(取締役会の決議にかわる書面決議)によって、2022年8月1日を効力発生日として、当社のプラットフォーム事業を会社分割の方法により、今回の会社分割における承継会社として当社が設立した100%子会社であるNE株式会社へ承継すること(以下「本分割」といいます。)を決議しました。なお、本分割の実施は2022年7月28日開催の当社定時株主総会において承認が得られることを条件としておりましたが、同株主総会において承認が得られております。
当社の連結子会社であるHamee Global Inc. は2023年1月1日付で株式会社キューブと同社の製品製造販売事業の譲受に関する事業譲渡契約を締結し、同日付で同事業を譲受ております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時雇用者数であります。
3.上記のほか、主要な賃借物件として、以下のものがあります。
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時雇用者数であります。
3.上記のほか、主要な賃借物件として、以下のものがあります。
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時雇用者数であります。
3.上記のほか、主要な賃借物件として、以下のものがあります。
(注) 「提出日現在発行数」欄には、2023年7月1日から、この有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
会社法に基づき発行した新株予約権は、次のとおりであります。
第4回新株予約権(2014年4月22日臨時株主総会決議)
(付与対象者の区分及び人数:当社取締役3名、当社従業員14名、子会社取締役1名、子会社従業員2名)
(注)1.新株予約権発行後、当社が株式分割(株式無償割当を含む。)または株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとする。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない新株予約権の目的となる株式の数について行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てる。
2.新株予約権発行後、当会社が株式分割(株式無償割当を含む。)または株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、1円未満の端数は切り上げる。
また、行使価額を下回る払込価額で募集株式の発行または自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく自己株式の譲渡及び株式交換による自己株式の移転の場合を除く)は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生じる1円未満の端数は切り上げる。
上記算式において「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行」を「自己株式の処分」、「1株当たり払込金額」を「1株当たり処分金額」と読み替えるものとする。
3.新株予約権の行使の条件
① 新株予約権の割当を受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、権利行使時において、当社または当社のグループ会社の取締役、監査役及び従業員(当社若しくは所属する当社グループ会社の就業規則または同等の規定の定義による)のいずれかの地位を保有している場合に限り新株予約権を行使することができる。ただし、取締役会が正当な理由があると認めた場合は、この限りではない。
② 新株予約権者が死亡した場合、相続人が新株予約権者の配偶者または子の場合に限り新株予約権を行使することができる。
③ 新株予約権者は、行使しようとする新株予約権につき、当社と新株予約権者との間において締結する新株予約権割当契約に違反して新株予約権を行使することができない。
4.譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の決議による承認を要するものとする。
5.2014年11月18日開催の取締役会決議により、2014年12月11日付で普通株式1株につき200株、2016年1月19日開催の取締役会決議により、2016年3月1日付で普通株式1株につき4株、2016年9月9日開催の取締役会決議により、2016年11月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
第5回新株予約権(2016年7月28日定時株主総会決議)
(付与対象者の区分及び人数:当社取締役4名、当社従業員50名、子会社取締役3名、子会社従業員2名)
(注)1.新株予約権発行後、当社が株式分割(株式無償割当を含む。)または株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとする。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない新株予約権の目的となる株式の数について行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てる。
2.新株予約権発行後、当会社が株式分割(株式無償割当を含む。)または株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、1円未満の端数は切り上げる。
また、当社が時価を下回る価額で新株を発行する場合、または自己株式を処分する場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整の結果生じる1円未満の端数は切り上げるものとする。
上記算式において「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」と読み替えるものとする。さらに、当社が合併または会社分割を行うなど、行使価額の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、合併または会社分割の条件等を勘案のうえ合理的な範囲で行使価額を調整するものとする。
3.新株予約権の行使の条件
① 新株予約権の割当を受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、権利行使時において、当社または当社のグループ会社の取締役、監査役及び従業員(当社若しくは所属する当社グループ会社の就業規則または同等の規定の定義による)のいずれかの地位を保有している場合に限り新株予約権を行使することができる。ただし、取締役会が正当な理由があると認めた場合は、この限りではない。
② 新株予約権者が死亡した場合、相続人が新株予約権者の配偶者または子の場合に限り新株予約権を行使することができる。
③ 新株予約権者は、行使しようとする新株予約権につき、当社と新株予約権者との間において締結する新株予約権割当契約に違反して新株予約権を行使することができない。
4.譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の決議による承認を要するものとする。
5.2016年9月9日開催の取締役会決議により、2016年11月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
該当事項はありません。
(注) 1.新株予約権の行使による増加であります。
(注) 自己株式363,700株は、「個人その他」に3,637単元含まれております。
2023年4月30日現在
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。当社グループは、事業活動を基礎とした商品・サービス別のセグメントから構成されており、「コマース事業」「プラットフォーム事業」の2つを報告セグメントとしております。「コマース事業」は主にモバイルアクセサリー関連商品・サービスの企画、製造、仕入、販売をしております。「プラットフォーム事業」は、EC事業者の販売、在庫管理を支援するクラウド(SaaS)型EC Attractions「ネクストエンジン」及び販売支援コンサルティングサービスの提供をしております。
(報告セグメントの変更等に関する事項)
2022年6月13日付の会社法第370条による決議(取締役会の決議にかわる書面決議)において、プラットフォーム事業の分社化を機に、新しい経営体制に則り、報告セグメントの一部を変更することといたしました。主な変更は以下のとおりです。
(注) ネクストエンジンコリアは今後、韓国EC市場に適したサービスをHamee Global Inc.の元で独自に開発・発展しながら、新たなサービス形態を模索するため、コマースセグメントにて集計・開示しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。