デクセリアルズ株式会社
Dexerials Corporation
下野市下坪山1724
証券コード:49800
業界:化学
有価証券報告書の提出日:2023年6月23日

(1)連結経営指標等

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

60,580

57,710

65,830

95,712

106,167

経常利益

(百万円)

3,903

4,393

10,844

25,023

30,174

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

2,284

2,734

5,329

16,669

20,685

包括利益

(百万円)

1,588

2,328

5,977

17,909

21,419

純資産額

(百万円)

49,055

49,567

53,305

64,576

73,774

総資産額

(百万円)

87,586

86,279

95,201

128,785

126,379

1株当たり純資産額

(円)

809.40

814.68

874.66

1,063.24

1,257.14

1株当たり当期純利益金額

(円)

37.73

45.05

87.60

274.61

350.62

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

37.43

44.83

87.06

272.78

348.78

自己資本比率

(%)

56.01

57.45

55.99

49.49

57.68

自己資本利益率

(%)

4.62

5.55

10.36

28.48

30.28

株価収益率

(倍)

19.45

15.49

21.60

12.18

7.67

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

7,826

9,656

13,187

25,804

21,339

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

6,554

3,891

2,471

12,434

9,447

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

4,564

3,600

4,259

5,783

12,535

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

11,826

13,779

20,531

29,363

29,286

従業員数

(人)

2,005

1,999

1,772

1,915

1,943

(外、平均臨時雇用者数)

-)

-)

-)

351

409

(注)1.当社は、従業員株式所有制度及び業績連動型株式報酬制度を導入しております。(制度の詳細については「第4 提出会社の状況 1株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。)

当制度の導入に伴い、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式については、有価証券報告書において自己株式として会計処理をしているため、期末の普通株式の数及び期中平均株式数は、当該株式の数を控除して算定しております。

2.平均臨時雇用者数について、当該臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満である連結会計年度は、記載を省略しております。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第10期の期首から適用しており、第10期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

4.第11期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第10期の関連する主要な経営指標等については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の内容となっております。

(2)提出会社の経営指標等

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(百万円)

54,116

52,181

60,580

88,189

94,003

経常利益

(百万円)

3,402

3,780

11,207

22,918

26,447

当期純利益

(百万円)

2,145

2,434

6,253

14,579

18,274

資本金

(百万円)

15,977

16,021

16,106

16,170

16,194

発行済株式総数

(株)

63,817,100

63,973,800

64,276,700

64,493,400

64,575,000

純資産額

(百万円)

42,153

42,895

46,166

53,497

59,935

総資産額

(百万円)

80,843

80,563

88,052

111,751

108,399

1株当たり純資産額

(円)

695.51

705.01

757.52

892.45

1,033.61

1株当たり配当額

(円)

34.00

34.00

44.00

60.00

65.00

(うち1株当たり中間配当額)

(20.00)

(17.00)

(17.00)

(30.00)

(30.00)

1株当たり当期純利益金額

(円)

35.43

40.10

102.79

240.18

309.75

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

35.15

39.90

102.16

238.58

308.13

自己資本比率

(%)

52.14

53.24

52.43

47.87

55.29

自己資本利益率

(%)

5.06

5.72

14.04

29.26

32.22

株価収益率

(倍)

20.72

17.41

18.41

13.93

8.68

配当性向

(%)

95.96

84.79

42.81

24.98

20.98

従業員数

(人)

1,603

1,604

1,313

1,342

1,378

(外、平均臨時雇用者数)

-)

-)

-)

241

282

株主総利回り

(%)

69.5

69.3

181.4

318.3

264.7

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(95.0)

(85.9)

(122.1)

(124.6)

(131.8)

最高株価

(円)

1,232

1,140

1,960

4,235

4,445

最低株価

(円)

720

577

650

1,875

2,435

(注)1.当社は、従業員株式所有制度及び業績連動型株式報酬制度を導入しております。(制度の詳細については「第4 提出会社の状況 1株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。)

当制度の導入に伴い、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式については、有価証券報告書において自己株式として会計処理をしているため、期末の普通株式の数及び期中平均株式数は、当該株式の数を控除して算定しております。

2.平均臨時雇用者数について、当該臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満である事業年度は、記載を省略しております。

3.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものであります。

4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第10期の期首から適用しており、第10期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

5.第11期の1株当たり配当額には、創業10周年記念配当5.00円を含んでおります。

2【沿革】

 当社(形式上の存続会社)の実質上の事業活動は、1962年3月に東京都品川区北品川にソニー㈱がプリント基板の国産化を目指し、回路基板用接着剤付き銅箔製品、工業用接着剤製品の製造・販売を目的として設立したソニーケミカル㈱に始まります。

 従いまして、以下におきましては、当社の事業を2012年9月以前において行っておりました、旧デクセリアルズ㈱及び当社(形式上の存続会社)の沿革につきまして記載しております。

 会社設立以後の企業グループに係る経緯は、次のとおりであります。

〈当社(形式上の存続会社)の沿革〉

年月

事業の変遷

2012年6月

㈱VGケミカル設立

2012年9月

旧デクセリアルズ㈱の全株式を取得し、同社を完全子会社とする

中国の製造拠点であるDexerials (Shenzhen) Corporationを索尼(中国)有限公司から買収

2013年3月

旧デクセリアルズ㈱を吸収合併し、同日、デクセリアルズ㈱に商号変更

2013年3月

中国での販売拠点としてDexerials (Shanghai) Corporation設立

2014年5月

中国での製造拠点としてDexerials Advanced Material (Suzhou) Co.,Ltd.設立

2014年12月

障がい者雇用を推進することを目的として、デクセリアルズ希望株式会社 設立

2015年7月

東京証券取引所市場第一部に株式を上場

2015年8月

栃木県下野市において新事業拠点として建屋と土地を取得

2016年10月

栃木事業所(栃木県下野市)において生産を開始。分散していた開発機能や一部製造、間接機能の集約を進める

2017年3月

根上事業所閉鎖

2017年12月

Dexerials (Suzhou) Co.,Ltd.がDexerials Advanced Material (Suzhou) Co.,Ltd.を吸収合併

2019年4月

ORTHOREBIRTH 株式会社を株式の追加取得により持分法適用関連会社化

2020年10月

マイクロデバイス事業における設計、技術、企画管理、製造管理機能を担当する連結子会社Dexerials Precision Components株式会社を設立

2020年11月

マイクロデバイス製品の製造等を行う合弁会社である株式会社OSDCを設立、持分法適用関連会社化

2021年4月

Dexerials (Shenzhen) Corporation閉鎖

2021年7月

本社を栃木県下野市に移転

2022年3月

㈱京都セミコンダクターの株式を取得し、同社を子会社化

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行

 

〈旧デクセリアルズ㈱(実質上の存続会社)の沿革〉

年月

事業の変遷

1962年3月

東京都品川区北品川にソニー㈱がプリント基板の国産化を目指し、回路基板用接着剤付き銅箔製品、工業用接着剤製品の製造・販売を目的としたソニーケミカル㈱を設立

1963年1月

東京都大田区で羽田工場が操業開始

1964年4月

羽田工場で回路基板用接着剤付き銅箔製品、接着剤の製造を開始

1973年10月

フレキシブルプリント基板(FPC)を製造開始

1977年12月

異方性導電膜(ACF)を製造開始

1985年10月

熱転写プリンター用インクリボンを製造開始

1987年7月

東京証券取引所第二部に上場

1987年11月

超小型モーター用「ラミコイル」を製造開始

1989年5月

高密度薄板多層基板を製造開始

1989年12月

米国での製造販売拠点としてSony Chemicals Corporation of America (現Dexerials America Corporation)設立

1990年5月

シンガポールでの販売拠点としてSony Chemicals (Singapore) Pte. Ltd. (現Dexerials Singapore Pte. Ltd.)設立

1992年1月

光ディスク用記録層保護コーティング材(SKシリーズ)を製造開始

1992年2月

欧州での製造販売拠点としてSony Chemicals Europe B.V. (現 Dexerials Europe B.V.)設立

1994年4月

中国での製造販売拠点として索尼凱美高電子(蘇州)有限公司 (現 Dexerials (Suzhou) Co.,Ltd.)設立

1994年7月

リチウムイオン電池用2次保護素子(SCP)を製造開始

1995年5月

ビルドアップ基板を製造開始

1998年7月

2層ポリイミド基板、光ディスク用プリズムを製造開始

2000年1月

ソニー㈱の構造改革により株式上場を廃止し、ソニー㈱の100%子会社化

2001年10月

タッチパネルを製造開始

2002年1月

反射防止フィルムを製造開始

2002年4月

ソニーケミカル㈱を存続会社としてソニー根上㈱を吸収合併

2004年1月

高密度実装両面フレックスリジッド基板を製造開始

2006年7月

ソニーケミカル㈱を存続会社としてソニー宮城㈱を吸収合併し、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス㈱に商号変更

2007年4月

光学弾性樹脂(SVR)を製造開始

2010年4月

太陽電池タブ線接合材料(SCF)を製造開始

2012年8月

ソニーグループからケミカルプロダクツ関連事業を譲り受けるため、韓国、台湾、香港にDexerials Korea Corporation、Dexerials Taiwan Corporation、Dexerials Hong Kong Limited設立

2012年9月

ソニー㈱の事業ポートフォリオ改革の一環として、ケミカルプロダクツ関連事業を㈱日本政策投資銀行及びユニゾン・キャピタル㈱がアドバイザー等を務めるファンドが出資した㈱VGケミカルが買収し、㈱VGケミカルの完全子会社となり、旧デクセリアルズ㈱へ商号を変更

2013年3月

㈱VGケミカルが旧デクセリアルズ㈱を吸収合併し、消滅会社となる

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の子会社)は、当社(デクセリアルズ株式会社)及び子会社12社(連結子会社11社及び非連結子会社1社)及び持分法適用関連会社2社により構成されており、光学材料、電子材料、接合材料等の製造・販売を主要な事業としております。

 

 当社グループは、「Value Matters-今までなかったものを。世界の価値になるものを。」をビジョンに掲げ、卓越した独自の技術を組み合わせ、お客さまのニーズ、課題に応え、エレクトロニクス分野や環境・新エネルギー分野、モビリティ分野などに、高度な材料技術やプロセス技術に支えられた新しい高機能性材料を提供することで、人間社会と地球環境の豊かさと質の向上に貢献してまいります。そして付加価値の高い製品を提供し続けるために、社名の元になっている「かしこく、機敏に」材料の力を組み合わせ、常に新しい価値を創造できる『人』を社内に創ること、が大切な使命だと考えております。

 当社グループの社員は、常に、持てる技術に磨きをかけ、知恵をしぼり、仕事に向かう姿勢として、経営理念である「Integrity 誠心誠意・真摯であれ」を心がけています。その真摯に取り組む姿勢が技術開発や製品品質の向上につながり、お客さまに喜んでいただける付加価値の高い製品を生む当社の基礎(いしずえ)となっていると考えております。

 

 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

 なお、次の2事業区分は「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 また、当社は前連結会計年度末日をみなし取得日として株式会社京都セミコンダクターを連結の範囲に含めております。報告セグメントは、同社事業の光半導体カテゴリーを電子材料部品事業として新たに追加しております。

 

(1)光学材料部品事業

 当事業は光学フィルム、光学樹脂材料の2カテゴリーに分けられています。これら2カテゴリーには反射防止フィルム、光学弾性樹脂、精密接合用樹脂等が含まれており、特に主力製品である反射防止フィルム(当社製品名:ARF)は当社独自の技術によりコンシューマーエレクトロニクス及び自動車用ディスプレイパネルでの採用が進んでおり、業界からの高い評価を得られております。また、精密接合用樹脂は、精密な固定が要求されるセンサーモジュールの組み立て用接着剤として、スマートフォンをはじめとするさまざまなアプリケーションで採用が広がっています。

 

 当社、子会社Dexerials America Corporationが製造・販売を行い、子会社Dexerials Hong Kong Limited、Dexerials Taiwan Corporation他3社が販売を行っております。

 当事業は、主に製品技術として光学特性の向上に係る事業であり、全て顧客仕様にあわせてカスタマイズした上で、液晶パネルメーカー及びセットメーカー等に販売しております。

 主にスマートフォン、タブレットPC、パソコン、及び自動車向けディスプレイの需要に対応しております。

 その中でも、反射防止フィルムは、ディスプレイの表面で発生する外光反射を抑制するフィルムとして、スパッタ製法を用いた優れた低反射特性と耐擦傷性を実現させ、ノートPC向けディスプレイや車載ディスプレイでの採用が拡大しております。

 

(各製品カテゴリーに含まれる主な製品・ソリューションの概要)

 ・光学フィルムカテゴリー

-反射防止フィルム:ディスプレイパネルの表面に貼り付けることで、外光の反射を低減し、パネルの視認性を向上させる機能を持つフィルム

-蛍光体フィルム:液晶ディスプレイの画像の色調等を向上させる機能性フィルム

 ・光学樹脂材料カテゴリー

-光学弾性樹脂:フラットパネルディスプレイでディスプレイモジュールとカバーガラスの貼り合わせに使われる透明な樹脂粘着剤

-精密接合用樹脂:カメラモジュールをはじめとする各種センサーモジュールの組み立て等に用いられる樹脂接着材

-光ディスク用紫外線硬化型樹脂:DVD・BD等の光ディスク用の表面保護のためのコーティング剤・接着剤

(2)電子材料部品事業

 当事業は異方性導電膜、表面実装型ヒューズ、マイクロデバイス、光半導体、接合関連材料の5カテゴリーに分けられています。特に主力製品である異方性導電膜(当社製品名:ACF)は1977年に業界で初めて開発・量産化しており、高い技術、品質で世界市場において高いシェアを有しております。

 

 当社、子会社Dexerials (Suzhou) Co.,Ltd.及び株式会社京都セミコンダクター が製造・販売を行う他、子会社Dexerials Precision Components株式会社が製造を行い、子会社Dexerials Hong Kong Limited、Dexerials Taiwan Corporation他5社が販売を行っております。

 当事業は、接着、接合、接続特性向上に係る事業であり、顧客仕様にあわせたカスタマイズ製品と標準タイプの汎用製品を、電子部品メーカー及び材料加工メーカー等に販売しております。

 その中でも、異方性導電膜は、スマートフォン、タブレットPC等の小型化、薄型化、狭額縁化、軽量化に寄与しておりますが、特にスマートフォン等の中小型フレキシブルOLEDパネルで主に使われる粒子整列型タイプを当社は強みとしております。近年ではさらなる小型化、狭額縁化に対応可能な粒子整列型異方性導電膜の需要が拡大しており、安定的に供給できる体制を確立しております。また、近年、スマートフォン向けセンサーモジュールの実装用途において、モジュールの異形化に対応した形状加工タイプの異方性導電膜の採用が拡大しております。

 

(各製品カテゴリーに含まれる主な製品の概要)

 ・接合関連材料カテゴリー

-工業用機能性接合材:半導体・通信・車載機器向けの粘着テープ等の機能性接合材料

 ・異方性導電膜カテゴリー

-異方性導電膜:主に、ガラス・プリント基板に電子部品を接続する、導通と絶縁の機能を兼ね備えた接着フィルム

 ・表面実装型ヒューズカテゴリー

-表面実装型ヒューズ:リチウムイオン二次電池を過充電や過電流から保護するためのヒューズ

 ・マイクロデバイスカテゴリー

-無機材料:主にプロジェクター向けの無機偏光板・無機波長板・無機拡散板

 ・光半導体カテゴリー

-光半導体デバイス及びモジュール:光通信用デバイス・センシング用デバイス

 

(3)研究開発・生産・販売体制

(研究開発・生産体制)

  研究開発・生産に関しては、生産効率及び管理効率の最大化を図るため、開発拠点及びメイン工場として

栃木県下野市の栃木事業所へ集約しております。

 研究開発の基本方針として、材料技術、プロセス技術、分析・解析技術、評価技術を基軸に、技術の融合と進化によるコア技術の強化とビジネス拡大への貢献を掲げ、新規領域での事業成長を加速させるべく研究開発体制につきましては、研究開発機能はコーポレートR&D部門が、各事業の意思決定の迅速化を図るため事業部へ統合した商品開発機能は開発技術部門が、アライアンス戦略機能は経営戦略本部が、新規事業創出機能はグローバルセールス&マーケティング本部が、権限と責任をより明確化することで、自律的な運営を行っております。これらの研究開発からマーケティングまでの機能を連携させた全社の技術戦略の策定と推進をDexerials Innovation Group(DIG)推進部が担っております。

 また、分析・解析拠点を栃木、中国、韓国の各拠点に設置し、顧客の実装ラインを保有することで迅速かつ顧客の生産工程に即した対応を可能としており、同時に製品の改良・開発等へフィードバックが可能となっております。

 生産体制につきましては、流通及び管理効率化のため、生産拠点は栃木事業所、鹿沼事業所をはじめ国内外の8拠点で構成しております。

(販売体制)

  当社グループはグローバルに事業を展開し、世界のメーカーと取引を行うなど、多くの顧客を有しており、直接の販売先だけでなく、最終顧客(最終製品メーカー)との直接のコミュニケーションに加え、装置メーカーやEMSとも連携し、強固な関係を築いております。特に、新製品投入の際には、外部からの分析や模倣が非常に難しい高機能な材料とその性能を最大限引き出すプロセスを組み合わせた、ソリューションを提供しております。更に、顧客へのプロセス特許の無償提供や、顧客の製造設備の導入サポートにより製造プロセスのスタンダード化を実現しております。これらの販売機能はグローバルセールス&マーケティング本部が主体的に担っております。

 また、顧客に密着した営業活動を行うため、海外販売子会社を米国、オランダ、香港、中国、台湾、韓国及びシンガポールに置き、国内では東京、大阪に営業部門を置いており、製品カテゴリー別に組織しております。

 

[事業系統図]

 以上述べた主な事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

当社の他、子会社8社は光学材料部品事業・電子材料部品事業共通であり、子会社Dexerials (Suzhou) Co.,Ltd.、株式会社京都セミコンダクター、及びKyosemi Opto America Corporation は電子材料部品事業に属しております。

 

0101010_001.png

 

 

4【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

Dexerials America Corporation

GA,U.S.A.

4,600

千US$

光学材料部品事業

電子材料部品事業

100

光学材料部品の一部を製造販売している他、当社製品を北米中心に販売している。

役員の兼任等 有

資金の借入 有

Dexerials Europe B.V.

Lijnden,Netherlands

726

千EUR

光学材料部品事業

電子材料部品事業

100

当社製品を主に欧州中心に販売している。

役員の兼任等 有

資金の貸付 有

Dexerials (Suzhou) Co.,Ltd.

(注)2

中国蘇州市

31,350

千US$

電子材料部品事業

100

電子材料部品の一部を製造し、主に中国で販売している。

役員の兼任等 有

Dexerials Korea Corporation

(注)2、3

Seoul,Korea

5,000

百万KRW

光学材料部品事業

電子材料部品事業

100

当社製品を主に韓国で販売している。

役員の兼任等 有

Dexerials Taiwan Corporation

(注)2、3

Taipei City,Taiwan

20

百万NT$

光学材料部品事業

電子材料部品事業

100

当社製品を主に台湾で販売している。

役員の兼任等 有

Dexerials Hong Kong Limited

(注)2、3

Kowloon,Hong Kong

4,300

千US$

光学材料部品事業

電子材料部品事業

100

当社製品を主に中国で販売している。

役員の兼任等 有

Dexerials Singapore Pte. Ltd.

Singapore,Singapore

5.5

百万S$

光学材料部品事業

電子材料部品事業

100

当社製品を主に東南アジアで販売している。

役員の兼任等 有

資金の借入 有

Dexerials (Shanghai) Corporation

(注)4

中国上海市

3,300

千US$

光学材料部品事業

電子材料部品事業

100

(100)

主に中国で販売支援活動を行っている。

役員の兼任等 有

Dexerials

Precision

Components

株式会社

(注)2

宮城県登米市

100

百万円

光学材料部品事業

電子材料部品事業

100

当社製品の設計、技術、企画管理、製造管理を行っている。

役員の兼任等 有

株式会社京都セミコンダクター

京都府京都市伏見区

353

百万円

電子材料部品事業

81.2

役員の兼任等 有

資金の貸付 有

Kyosemi Opto

America Corporation

(注)4

CA,U.S.A.

400

千US$

電子材料部品事業

81.2

(81.2)

(持分法適用

 関連会社)

 

 

 

 

 

ORTHOREBIRTH

株式会社

神奈川県

横浜市都筑区

208

百万円

光学材料部品事業

電子材料部品事業

34.1

当社と技術協力を行っている。

役員の兼任等 有

株式会社OSDC

東京都千代田区

70

百万円

光学材料部品事業

電子材料部品事業

49.0

当社製品の製造請負を行っている。

役員の兼任等 有

 

(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報の名称を記載しております。

2.特定子会社に該当しております。

3.Dexerials Korea Corporation、Dexerials Taiwan Corporation及びDexerials Hong Kong Limitedについて

は、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

 

主要な損益情報

Dexerials Korea Corporation

(1)売上高          20,591百万円

(2)経常利益         1,044百万円

(3)当期純利益         801百万円

(4)純資産額         2,669百万円

(5)総資産額         5,272百万円

Dexerials Taiwan Corporation

(1)売上高          25,313百万円

(2)経常利益         1,304百万円

(3)当期純利益         993百万円

(4)純資産額         2,966百万円

(5)総資産額         6,657百万円

Dexerials Hong Kong Limited

(1)売上高          18,988百万円

(2)経常利益           906百万円

(3)当期純利益         767百万円

(4)純資産額         3,620百万円

(5)総資産額         6,500百万円

 

4.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

光学材料部品

433

90

電子材料部品

695

240

報告セグメント計

1,128

330

全社(共通)

815

79

合計

1,943

409

(注)1.従業員数は、当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であります。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門等に所属しているものであります。

3.臨時雇用者数は、年間の平均人数を( )外数で記載しております。

 

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,378

43.7

16

8ヶ月

8,087,750

 

セグメントの名称

従業員数(人)

光学材料部品

378

89

電子材料部品

460

119

報告セグメント計

838

208

全社(共通)

540

74

合計

1,378

282

(注)1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門等に所属しているものであります。

4.臨時雇用者数は、年間の平均人数を( )外数で記載しております。

 

 

(3)労働組合の状況

労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

5.1

8.0

82.6

80.7

109.8

(注)3.

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.男性労働者の育児休業取得率(8.0%)と当社独自の育児支援休暇取得率(76.0%)を合算すると84.0%であり、仕事と家庭の両立支援を制度面からサポートし、個々人が能力を十分に発揮できる環境を整えています。

配偶者の出産時や子の育児に際して、最長20日間の特別休暇(有給)の取得が可能。当事業年度に配偶者が出産した男性労働者の人数25名のうち、育児支援休暇を取得した男性労働者の人数19名の割合)

 

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

「Integrity 誠心誠意・真摯であれ」

 当社は、経営理念として「Integrity 誠心誠意・真摯であれ」を掲げ、卓越した独自の技術を組み合わせて新しい機能性材料及び技術ソリューションを開発・提供することでお客さまのニーズや課題に応え、その期待を超える価値を創造し、社会課題を解決することを目指しており、その結果、当社の持続的な事業成長や業績向上が実現し、企業価値の向上につながると考えています。

 

企業ビジョン

「Value Matters-今までなかったものを。世界の価値になるものを。」

 当社は、顧客のニーズや課題に応え、卓越した独自の技術を組み合わせて新しい機能性材料を開発・提供することで顧客の期待を超える価値を創造することを常に目指しており、その結果として当社の事業成長や業績向上が実現し、企業価値の向上につながると考えています。

 この企業ビジョンのもと、「高付加価値製品および技術ソリューションの提供による社会課題の解決を通じて持続的に成長する企業」を目指しています。

 

(2)経営戦略

 当社は、長期で目指す企業像の実現に向けて、社会課題が顕在化した新規領域での事業拡大を通じて持続的な成長を確立するフェーズと位置づけ、2020年3月期から2024年3月期の5ヵ年の中期経営計画『進化への挑戦』を策定いたしました。

 

 1.3つの基本方針

 新規領域での事業拡大を通じて持続的な成長をする企業に進化するため、引続き以下の3つの基本方針に基づき、それぞれにおいて外部環境の変化に応じてアップデートした施策を展開します。

①新規領域での事業成長加速

②既存領域における事業の質的転換

③経営基盤の強化

 

 2.経営目標

 2022年3月期において売上高957億円、営業利益266億円、EBITDA324億円、ROIC22.5%、ROE28.5%となり、2021年5月10日に公表した中期経営計画リフレッシュ(アップデート)の最終年度である2024年3月期の経営目標としていた売上高852億円、営業利益168億円、EBITDA239億円、ROIC15.0%程度、ROE15.0%程度を2年前倒しで達成いたしました。2023年3月期においても売上高1,061億円、営業利益322億円、EBITDA391億円、ROIC24.4%、ROE30.3%となり3期連続で過去最高益を更新しました。2024年3月期においては、次期中期経営計画に向けた準備期間として、持続的な成長と企業価値向上のために、経営基盤の強化をさらに進め、成長戦略を前倒しで実行いたします。

 

(注意事項)

 中期経営計画に関する上記記述中の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、将来に関する記述の正確性・完全性に関する責任を負うものではありません。実際の業績等は様々な要因により異なる可能性があり、当社として将来計画の達成を約束する趣旨のものではありません。なお、実際の結果等にかかわらず、当社は本資料の日付以降において、本資料に記載された内容を随時更新する義務を負うものではなく、かかる方針も有していません。

 これらの記述は投資家の皆様の判断のための参考情報の公開のみを目的としており、投資に関する最終決定はご自身の責任においてご判断ください。これらの記述に全面的に依拠して投資判断を下すことによって生じうるいかなる損失に関しても、当社は責任を負うものではありません。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、持続的な企業価値向上に関わる指標としてROE(株主資本利益率)を位置づけており、EBITDAを当社の稼ぐ力の指標として用いています。さらに、2022年3月期よりROICを新たな経営指標として導入しております。

 

(4)経営環境

 当期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する行動制限が徐々に緩和し経済活動が再開する一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格上昇、世界的なインフレ、中国でのゼロコロナ政策による都市封鎖などの影響により緩やかな回復に留まり、依然として先行きの不透明さは続いています。

 当社の製品が関わる主要業界では、コンシューマーIT製品市場において、スマートフォンは中国での顧客工場停止による生産数減少、ノートPC・タブレットは景気後退懸念による大幅な在庫調整があり、厳しい事業環境となりました。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社は、現在の中期経営計画期間においては、基本方針のもと各種施策を継続して取り組み持続的な成長を目指すとともに、2025年3月期以降も持続的な成長を実現するために必要な施策を展開します。2024年3月期については、特に以下の課題あるいは施策に重点的に取り組んでいきます。

 

1.新規領域での事業成長加速

 コンシューマーIT製品市場における事業で培った当社技術を活かし、IoTをはじめとするデジタルテクノロジーの進化を支え、新規領域での事業拡大を推し進めます。デジタル化が進み、IoTアプリケーションのひとつとなりつつある自動車領域においては、先進運転支援システム(ADAS)のモニタリング等に欠かせない車載ディスプレイの安全性向上に貢献する反射防止フィルムの生産体制を強化し、需要増加に対応します。また、次世代通信やセンサー用途など、デジタル化する社会に欠かせない光半導体を手掛ける株式会社京都セミコンダクターにおいては、昨年度獲得した大型案件の着実な推進により、光通信向け製品のさらなる拡販を図るとともに、収益構造の一層の改善に取り組んでいきます。

 

2.既存領域における事業の質的転換

 当社の強みである、世の中のテクノロジーの進化を先回りした技術開発により、差異化技術製品を生み出すことで既存事業の収益を最大化します。特に、ハイエンドモデルのスマートフォン向けには、①フレキシブルOLEDディスプレイの採用増加に伴い、同ディスプレイでデファクト技術となった粒子整列型ACFの拡大、②センサーモジュールの大型化や搭載数増加に伴うモジュール組み立て用の精密接合用樹脂の拡大、③モジュールの大型化に伴い複雑化した実装箇所に対応するために開発した形状加工ACFの拡大、が続くと見込んでいます。

 

3.経営基盤の強化

 変化の激しい事業環境でも持続的に成長するべく、非財務資本・無形資産を中心とする経営基盤の強化に継続的に取り組んでまいります。なかでも、当社にとって最も重要な経営資源の一つである人的資本の強化策として、2023年4月1日より国内管理職層に対して「ジョブ型人事制度」を導入しました。グローバルスタンダードであるジョブ型人事制度を導入することで、国内外を問わず優秀かつ意欲的な人材の獲得を目指します。また、製造現場のIoT化、システム投資、DX人材育成など全社レベルでのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、生産性や業務効率向上を通じた、人材の価値最大化を目指してまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下の事項は当社グループのリスクのうち主要なものを記載しており、当社グループに係る全てのリスクを網羅的に記載したものではなく、記載された事項以外にも予測し難いリスクが存在する可能性があるものと考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況の動向

 当社グループは各国に進出してグローバルな事業展開を積極的に推進しております。このため、世界の経済状況の動向や金融不安が当社グループの製品の需要に大きく影響を与えます。また、当社グループの製品を使用するスマートフォンやタブレットPC等の完成品の市場は、経済環境の変化及び景気変動の影響を受けます。中国その他の新興国を含む重要な経済圏における経済の減速、サプライチェーンの混乱、原油など資源価格の高騰やその他の物価の上昇による経済の混乱、欧州や米国等における金融又は銀行部門における継続的な不安定性、日本及び先進国における政府による景気刺激策や金融政策の失敗、ウクライナや台湾などの地域を含む世界各国の不安定な政治情勢、感染症の世界的な拡大による影響などにより、広範囲かつ長期間に亘る世界経済の低迷が生じる可能性があります。当社グループは急激な需要変化に的確に対応できる生産及び販売管理体制への取り組みを進めておりますが、当社グループの製品に対する需要が減少した場合に、速やかに固定費用を切り下げるなどの調整を行うことが難しく、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競争の激化

 当社グループが製品を展開している市場では厳しい競争が続いております。当社グループの競合他社は、研究開発、生産能力、資金や人的資源等において、当社グループよりも強い競争力を有する場合があります。また、当社グループはダイバーシティの推進、働き方改革に取り組むことでより働きやすい労働環境の整備を進め、新卒採用や経験者の通年採用など優秀な人材の獲得を積極的に行っておりますが、優秀な研究者やエンジニア等の人材を確保できない場合、重要な人材が当社グループの競合他社に転職する場合、またデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みの遅れなどにより人的資源の効果的な配置が十分に進まない場合等には、競合他社対比で当社グループの競争力が相対的に低下する可能性があります。さらにディスプレイメーカー・セットメーカーを始めとする当社グループの製品の顧客は、その市場において激しい競争に直面していることから、品質やコストの改善を図るために、又は当該顧客における再編や戦略の変更等により、仕入先を当社グループから競合他社に切り替える可能性や当社グループへの注文を減少させる可能性があります。当社グループは差異化技術を用いた高付加価値製品の開発など事業の強化を進めておりますが、当社グループが競合他社との競争において優位に立てない場合には、当社グループの市場におけるシェアが減少し、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)ディスプレイ製品等への依存

 当社グループは、高機能材料メーカーとして光学材料及び電子材料の事業領域で製品を展開しており、売上高の多くの部分はディスプレイ製品に関するものであり、ディスプレイメーカーの事業戦略や販売戦略の変更等も当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、規模の大きいスマートフォン・タブレットPCのセットメーカーの数は限定されており、これらのセットメーカーによる事業戦略や販売戦略の変更、完成品のモデルチェンジの時期及び販売量は、当社グループの顧客であるディスプレイメーカー等から当社グループの製品に対する需要に影響を与えます。当社グループは、ディスプレイ以外の分野・製品においても、当社グループ製品の採用拡大に努めておりますが、ディスプレイ以外の分野・製品における新規の需要を創出する取り組みが成功する保証はありません。かかる取り組みが成功せず、ディスプレイ製品への依存度の低下が進まない状態において、ディスプレイ業界全体の需要低下や当社グループの製品を使用しているディスプレイ製品に対する需要の減少等の事態が生じた場合は、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)業績の季節的変動等

 当社グループは事業の特性上、スマートフォン・タブレットPC、ノートPC等の最終製品で使用される中小型ディスプレイや電子部品関連業界の動向の影響を受けやすくなっています。よって、当社グループの業績は、短期的には上記の最終製品の新モデル投入時期及びその販売数量、並びにそれらの関連製品に係る主要顧客からの受注の影響を受けやすくなっています。また、クリスマス等の年末休暇や中国の春節等の商戦期に向けて当該最終製品の生産が本格化する第2四半期及び第3四半期に業績が偏重する傾向があります。当社グループは季節的変動が少ない自動車領域を主とした新規領域の売上の拡大に取り組んでいますが、電子部品関連業界の動向の影響を受けやすい製品が当社グループの売上高に占める割合は依然として高く、上記のような最終製品で使用される中小型ディスプレイや電子部品関連業界の動向、及び最終製品の動向が当社グループの製品に対する需要に与える影響により、当社グループの売上は四半期毎又は連結会計年度毎に変動する可能性があります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)製品の販売価格の下落

 当社グループは、常に付加価値の創出及び製品の高品質化に努め、価格水準の維持及び向上を目指し、工程改善、材料歩留りの改善等によるコスト低減に取り組み、製品の販売価格の下落リスクに備えておりますが、顧客からの恒常的な価格圧力、光学材料及び電子材料市場での生産過剰、需要の減少、低価格帯の製品を提供するメーカーによる高性能製品市場への進出、顧客との交渉の結果等により、当社グループでのコスト低減幅以上に当社グループ製品の価格が下落した場合又は利益率の低い製品の販売比率が拡大する場合には、当社グループが十分な利益を確保することが困難となる可能性があります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)海外での事業展開

 当社グループは、日本、中国及び米国に製造拠点を有し、世界各国に進出してグローバルな事業展開を積極的に推進しており、当社グループの売上げの相当程度の部分は、海外顧客向けの製品の販売によるものとなっております。海外事業の展開にあたっては、不安定な政治情勢、不確実な経済環境、当社グループの製品の製造、輸出入や使用等に関する環境や安全等に係る規制を含む法令、労務管理上の問題及び人件費の上昇、高額な関税及び厳格な貿易規制、予期しない法令・税制・政策の新設又は変更や解釈の相違、電力、輸送、通信等の基幹となるサービスの停止・遅延等を起こしうる不安定なインフラ、為替レートの変動、法令、規制、商慣習及び実務上の取扱いの違い、テロ、戦争、経済制裁、貿易摩擦、感染症の世界的な拡大、ボイコットの発生等のリスクが内在しております。当社グループでは政治的・経済的な社会情勢の変化を適時に当社グループ内で共有し、適宜対応に努めておりますが、全ての変化を把握することは困難であり、これらのリスクが顕在化した場合、売上げの減少、費用の増加、業務の混乱等を生じさせ、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)買収(M&A)、事業提携及びその他の戦略的投資

 当社グループは、買収(M&A)、事業提携及びその他の戦略的投資を成長のための経営戦略の1つとして位置付けており、新規市場への参入や新規領域事業の展開等のために買収、事業提携及びその他の戦略的投資を行い、今後も実施する可能性があります。また、当社グループは2024年3月期を最終年度とする中期経営計画において、自動車を中心とした新規領域における成長の加速を基本方針の1つとして掲げておりますが、新規領域事業の展開は、市場環境の変化等の様々な要素に左右されるため、新規領域事業の展開が計画どおりに進まない可能性があります。買収(M&A)、事業提携及びその他の戦略的投資を行う際には、対象企業や新規領域事業等の投資先について詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題が判明する可能性や、投資先の企業の業績変動により当社グループが保有する有価証券などの評価が大幅に下落し評価損を計上または追加的な支出が発生する可能性があります。また当社グループは、買収、事業提携及びその他の戦略的投資並びに各事業に係る固定資産の取得及び保有に際しては投資経済性評価を実施し、投資回収とリスクの検討を行っておりますが、市場動向や価格下落などの理由によって事業収益性が低下し、対象となる資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、減損の認識が必要となる可能性があります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)技術開発等

 当社グループが事業展開する分野は、技術革新とコスト競争力について厳しい要求があり、さらに、競合他社の新技術や新製品開発、当社グループ製品を使用している完成品における新技術や新製品開発、業界における標準や顧客のニーズの変化により、当社グループの製品が予期せぬ陳腐化を起こす可能性があります。また、当社グループの売上げ及び営業利益の相当部分は特定の主力製品の販売によるものとなっており、これらの主力製品に代替する技術が競合他社により開発された場合や競合他社がこれらの主力製品より優れた製品を導入した場合には、当社グループの製品への需要が減少する可能性があります。当社グループは中期の開発戦略のもとに新技術や新製品の開発、新用途・新市場の開拓や生産プロセス改革に必要な研究開発投資や設備投資をしておりますが、市場の変化が激しい業界において変化を予測することは容易ではなく、開発した製品について想定した売上げ等の効果が得られない可能性があります。また、当社グループは顧客が要求する仕様に応じて当社グループ製品を顧客毎にカスタマイズしておりますが、当社グループが常にこの様な顧客の要請に応えられる保証はなく、さらに、顧客が当社グループに求める価格、時期、数量で当社グループ製品を供給できる保証はなく、また、顧客が当社グループに求める高度なアフターサービスを提供できない場合もあります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)原材料の調達

 当社グループは、原材料が適時、適量に調達できることを前提とした生産体制を構築しておりますが、原材料の一部の供給を特定の購入先に依存しております。当社グループは、購入先を複数にするなど主要原材料が確保できなくなるリスクを低減するよう努めておりますが、原材料によっては特定の購入先に依存せざるを得ないものがあり、原材料の購入先が、原材料の供給遅延、供給不足その他の理由により当社グループとの購入契約上の義務を果たせなくなり、また、購入先による原材料の値上げや主要な購入契約が終了した場合には、当社グループは原材料を市場又は他の購入先から調達しなければならず、有利な価格で原材料を調達できる保証はなく、また、これにより当社製品の出荷を予定通り行うことができなくなる可能性があります。また、原材料の価格や燃料価格が上昇する可能性があり、上昇したコストを製品価格に転嫁できない場合や、購入先の自然災害での被災、事故、倒産等により供給が中断し、必要な主要原材料を確保できなくなる場合、および法規制の導入や改正により原材料の使用が制限される場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)知的財産

 当社グループは国内外で多くの知的財産権を保有し、維持・管理しております。しかし、当社グループの知的財産権が無効とされる可能性、当社グループの知的財産が特定の国・地域では十分な保護が得られない可能性や模倣される可能性等があり、当社グループの保有する知的財産権の保護が損なわれる可能性があります。また、当社グループは、主要な競合他社を含む第三者から使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用する場合がありますが、今後、必要な使用許諾等を第三者から受けられなくなる可能性や、当社グループにとって不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性、競合他社が当社グループより有利な条件で第三者から使用許諾等を受ける可能性があります。さらに、第三者の知的財産権を侵害したことにより、当社グループが当該第三者に対して損害賠償責任を負う可能性や、当社グループの一定の製品の開発・製造をする権利を失う可能性等もあります。加えて、当社が他社との業務提携等を行ったことにより、他社が第三者との間で締結しているライセンス契約上の制約が、当社グループに課せられる可能性もあります。当社グループは他社の知的財産権の調査を行い、これらの問題が発生することの無いように努めておりますが、全ての問題発生の可能性を排除できる保証はなく、これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(11)製品の欠陥

 当社グループの事業は、部材の企業間取引が基本となっておりますが、当社グループの製品に欠陥があった場合には、修理や回収等に相当程度の費用が生じ、また、顧客の完成品に生じた欠陥について補償を求められる可能性があります。また、当社グループの製品に欠陥があった場合には、当社グループの顧客との関係や当社グループの信用及び評判に悪影響を与える可能性があり、当社グループの製品の売上げやシェアが低下する可能性があります。さらに、当社グループの顧客又は完成品の消費者に対して製造物賠償責任保険の適用を超える賠償などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品の欠陥に関して当社グループに訴訟が提起された場合、製造物賠償責任保険の保険料が増額される可能性や製造物賠償責任保険を継続できない可能性があります。特に、車載や医療等の新規分野については、大規模なリコールが発生する可能性や、製造物責任賠償請求がなされることにより当社グループに大きなレピュテーション上のリスクが発生する可能性があります。当社グループは国際的な品質管理システムに従って製品を製造し、品質管理を行っておりますが、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)環境問題

 当社グループは、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適用を受けております。事故や自然災害により不測の環境汚染が生じる場合、当社グループが過去又は現在所有する工場用地等において汚染物質が発見された場合や新たな環境規制が施行された場合には多額の費用が発生し、当社グループの活動が制限され、当社グループが環境規制を遵守できない可能性があります。当社グループは、環境保全活動を重要な方針の一つとして掲げ、自主的な削減計画を作成し、実行しておりますが、かかる自主的な削減計画等が当社グループの想定した通りに実行できる保証はなく、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)気候変動等による影響

 当社グループは、気候変動問題は持続可能な社会実現のために人類が解決すべき重要な課題であり、企業にとって気候変動の対応は事業継続の前提条件であると考えています。

 当社グループは、気候変動に関連するリスク、機会及びこれらの影響の評価に取り組む姿勢を明確にするため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明し再生可能エネルギーの導入などにより2030年度に事業由来の電力消費によるCO2排出量ゼロ達成を目標に掲げるとともに、顧客の製造工程の省エネルギー化や最終製品のエネルギー効率向上に資する製品の提供を通じて、サプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献するべく気候変動への取り組みを進めており、統合報告書や当社ウェブサイトを通じて、推奨される情報を継続的に開示しています。

 当社グループは気候変動への対応をリスクとしてだけでなく機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題の解決を目指しておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、費用の増加等を生じさせ、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)コンプライアンスと法規制

 当社グループの事業については各国の競争、汚職防止、コーポレート・ガバナンス、労働、消費者保護、電力、租税等に係る各種法令による規制を受けており、当社グループがかかる法規制に違反する場合、また、当社グループが保有する許認可等に付された条件や制約を遵守できない場合には、規制当局からの制裁や罰金、罰則の適用、追加費用の負担や許認可等の剥奪等の可能性があります。また、法規制の強化や大幅な変更がなされた場合にも、当社グループの活動が制限され、当該法規制の遵守のために新たなコストが発生する可能性があります。当社グループは、内部統制システムを構築した上で各国の法規制の遵守に努めておりますが、かかる法規制の遵守の努力が有効である保証はなく、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)訴訟

 当社グループは世界各地において事業活動を展開しており、取引先等との間の訴訟を含む様々な訴訟等が提起される可能性があります。訴訟対応コストがかさむ場合、当社グループに不利益な判決、決定又は判断等がなされる場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(16)情報セキュリティ

 当社グループは、情報システムを構築し、研究開発、製造、販売及び営業活動など業務遂行に使用しており、当社グループ及び顧客の技術、各活動に関する機密情報を当社グループの情報システム内や様々な形態で保持及び管理しております。第三者による当社グループの情報システムへの予期せぬサイバー攻撃により、業務活動への影響が生じた場合や当社グループが保持又は管理する情報が流出し、第三者がこれを不正に取得又は使用するような事態が生じ、当社グループに対して損害賠償を求める訴訟が提起される場合など当社グループの評判及び信用に悪影響を与える可能性があります。当社グループは、情報セキュリティの確保においては、外部ITベンダーと連携しサイバー攻撃に強いシステムの導入を行うとともに、全社体制の下でこれらの機密情報を保護するための管理を行っておりますが、かかる管理が将来に亘って常に有効である保証はなく、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)事故・災害等による影響

 当社グループは操業安全と事業継続性の確保を掲げ、災害や事故の未然防止の対策、及びBCPを策定しておりますが、当社グループが事業展開を行っている又は当社グループの取引先が所在する各国における地震や津波、洪水といった大規模な自然災害や感染症の世界的な大流行があった場合、当社グループのみに限定されず、電力・ガスなどのインフラ被害や、原材料の調達・物流・顧客など、広範囲にわたるサプライチェーンへの被害により、事業の中断につながる可能性があります。特に日本では地震が発生する確率が高く、大規模地震が発生した場合、直接的な被害を受ける可能性や、製造工程において火災や化学物質により人的被害が発生する可能性もあり、特に国内事業拠点の集約が進んだ場合にはその影響が相対的に大きくなる可能性があります。さらに、このような自然災害のみならず暴動・労働争議によっても、当社グループの事業が中断する可能性があります。これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)為替相場の変動

 当社グループは、日本円以外の外貨建てによる取引も行っており、製品・サービス等のコストや価格、及び外貨建ての資産・負債は為替相場の変動による影響を受けます。当社グループでは、この影響を最小限に抑えるべく、適宜為替予約等によるヘッジを行っておりますが、かかるヘッジにより為替リスクを完全に回避できるわけではなく、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。なお、海外関係会社の現地通貨建の資産・負債等は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、当社グループの財政状態は為替相場の変動による影響を受けます。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する行動制限が徐々に緩和し経済活動が再開する一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格上昇、世界的なインフレ、中国でのゼロコロナ政策による都市封鎖などの影響により緩やかな回復に留まり、依然として先行きの不透明さは続いています。

 当社の製品が関わる主要業界では、コンシューマーIT製品市場において、スマートフォンは中国での顧客工場停止による生産数減少、ノートPC・タブレットは景気後退懸念による大幅な在庫調整があり、厳しい事業環境となりました。

 このような経営環境のなか、事業環境の変化の影響を受けにくい事業ポートフォリオへの転換に取り組みました。新規領域においては、2022年3月に買収し新規に連結子会社となった株式会社京都セミコンダクターでは生産性の改善に取り組んだほか、自動車向け製品の販売が拡大するなど、コンシューマーIT製品以外の事業を拡大しました。既存領域においては、テクノロジーの進化を先回りした製品の開発・提案に取り組み、高付加価値製品の販売が拡大しました。

 この結果、新規連結の株式会社京都セミコンダクターの貢献に加え、差異化技術製品である精密接合用樹脂、異方性導電膜(ACF)及び光学フィルムの販売が拡大しました。

 

 以上より、当連結会計年度の売上高は106,167百万円(前連結会計年度比10.9%増)となり、営業利益は32,288百万円(前連結会計年度比21.2%増)となりました。

 経常利益は、為替差損等が増加したものの、30,174百万円(前連結会計年度比20.6%増)となりました。

 税金等調整前当期純利益は、特別損失として固定資産除却損等を計上しておりますが、29,632百万円(前連結会計年度比24.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、20,685百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。

 

 各セグメントの業績、ならびに製品カテゴリー別の売上状況は以下のとおりであります。

 なお、株式会社京都セミコンダクターの事業である光半導体カテゴリーを電子材料部品事業として新たに追加しております。

 

(光学材料部品事業)

          (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

売上高

49,159

55,384

12.7%

営業利益

13,127

17,969

36.9%

             (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。

 

 ・ 売上高は55,384百万円(前連結会計年度比12.7%増)、営業利益は17,969百万円(前連結会計年度比36.9%増)となりました。

 ・ 光学フィルムでは、反射防止フィルムにおいてノートPC用ディスプレイ向け製品が減少したものの、車載ディスプレイ向け製品が増加したことに加え、蛍光体フィルムの増加により、増収増益となりました。

 ・ 光学樹脂材料では、精密接合用樹脂における大手顧客スマートフォン向け製品の数量増加などにより増収増益となりました。

 

(電子材料部品事業)

          (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

売上高

47,195

51,495

9.1%

営業利益

15,304

16,106

5.2%

             (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。

 

 ・ 売上高は51,495百万円(前連結会計年度比9.1%増)、営業利益は16,106百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。

 ・ 接合関連材料では、ノートPC向けの数量減少に加え、事業再評価の結果、汎用品を中心に収益性の低い製品の販売を前連結会計年度において終了したことにより、減収減益となりました。

 ・ 異方性導電膜では、主にスマートフォンのハイエンドモデルにおいてディスプレイ向け粒子整列型ACFが堅調に推移したほか、カメラ等の各種センサーモジュール向けの形状加工ACFの販売拡大により、増収増益となりました。

 ・ 表面実装型ヒューズでは、電動工具やノートPC向けにおいて顧客の在庫調整に伴う数量減により減収減益となりました。

 ・ マイクロデバイスでは、プロジェクター需要の回復に加えて当社製品採用モデルの好調により増収増益となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ77百万円減少し、当連結会計年度末には29,286百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は21,339百万円(前連結会計年度比4,464百万円減)となりました。これは主に法人税等の支払額10,705百万円の一方で、税金等調整前当期純利益29,632百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は9,447百万円(前連結会計年度比2,987百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出10,705百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は12,535百万円(前連結会計年度比6,751百万円増)となりました。これは主に長期借入れによる収入10,000百万円の一方で、自己株式の取得による支出8,999百万円、長期借入金の返済による支出5,220百万円及び短期借入金の純増減額の減少4,500百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

金額(百万円)

光学材料部品

58,017

110.8

電子材料部品

50,435

97.7

合計

108,452

104.3

(注)金額は売価換算値によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

当社グループは主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

金額(百万円)

光学材料部品

54,967

112.1

電子材料部品

51,199

109.7

合計

106,167

110.9

(注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日東電工株式会社

14,737

15.4

12,245

11.5

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

   ①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

(資産の部)

 当連結会計年度末の資産合計は126,379百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,405百万円の減少となりました。
 流動資産は59,238百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,847百万円の減少となりました。その主な要因は、商品及び製品が316百万円、その他(流動資産)が664百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が6,013百万円、仕掛品が681百万円それぞれ減少したことであります。
 固定資産は67,141百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,441百万円の増加となりました。その主な要因は、のれんが2,283百万円、土地が1,110百万円それぞれ減少した一方で、建物及び構築物(純額)が3,137百万円、建設仮勘定が3,025百万円それぞれ増加したことであります。


(負債の部)
 当連結会計年度末の負債合計は52,605百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,603百万円の減少となりました。
 流動負債は35,074百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,729百万円の減少となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金が7,115百万円、短期借入金が4,500百万円、その他(流動負債)が4,068百万円それぞれ減少したことであります。
 固定負債は17,530百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,125百万円の増加となりました。その主な要因は、長期借入金が2,684百万円、その他(固定負債)が464百万円それぞれ増加したことであります。


(純資産の部)
 当連結会計年度末の純資産合計は73,774百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,198百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金が16,929百万円、自己株式が8,463百万円、為替換算調整勘定が587百万円、繰延ヘッジ損益が333百万円それぞれ増加したことであります。

 

2)経営成績

 当連結会計年度の売上高は106,167百万円(前連結会計年度比10.9%増)、営業利益は32,288百万円(前連結会計年度比21.2%増)、経常利益は30,174百万円(前連結会計年度比20.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,685百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。

 

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。

 

(営業利益)

売上原価は51,996百万円と、前連結会計年度と比べ1,470百万円増加し、売上原価率は49.0%と、前連結会計年度と比べ3.8%改善しました。

販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ3,339百万円増加し、21,882百万円となりました。その主な要因は、給与、のれん償却費、減価償却費及び開発研究費が増加したことであります。

以上により、当連結会計年度の営業利益は32,288百万円と前連結会計年度に比べ21.2%の増益となりました。

(経常利益)

営業外収益につきましては、359百万円と前連結会計年度と比べ74百万円の増加となりました。その主な要因は、受取利息が増加したことであります。

営業外費用につきましては、2,472百万円と前連結会計年度と比べ568百万円の増加となりました。その主な要因は、為替差損が増加したことであります。

以上により、当連結会計年度の経常利益は30,174百万円と前連結会計年度に比べ20.6%の増益となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益につきましては、補助金収入が64百万円、固定資産売却益が14百万円となりました。

特別損失につきましては、固定資産除却損が508百万円となりました。

以上により、税金等調整前当期純利益は29,632百万円と前連結会計年度に比べ24.6%の増益となりました。

法人税等については、法人税、住民税及び事業税が8,590百万円、繰延税金資産の取崩し等により、法人税等調整額が321百万円となりました。

非支配株主に帰属する当期純利益については35百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、20,685百万円と前連結会計年度に比べ24.1%の増益となりました。

 

3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当連結会計年度においては、コンシューマーIT製品市場において、スマートフォンは中国での顧客工場停止による生産数減少、ノートPC・タブレットは景気後退懸念による大幅な在庫調整があり、厳しい事業環境となりました。

 世界的な景気低迷及びインフレが継続するなか、当社の製品が関わる主要業界では、ノートPCが減速、タブレット、スマートフォン及び自動車は前連結会計年度並みの需要にとどまり、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続くものと考えております。

 このような状況の下、当社は、ハイエンドモデルのスマートフォンにおいて、ディスプレイ向けに粒子整列型ACF、センサーモジュール向けに精密接合用樹脂及び形状加工ACFの販売拡大に注力するとともに、新規領域である自動車向けや光半導体の成長を加速させてまいります。

 経営成績に重要な影響を与えるその他の要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

    ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は29,286百万円となり、前年度末に比べ77百万円の減少となりました。当社グループでは、フリー・キャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動により支出されたキャッシュ・フローの合計として定義しており、当連結会計年度末の残高は以下のとおりであります。

 

項目

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

25,804百万円

21,339百万円

△4,464百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△12,434百万円

△9,447百万円

2,987百万円

フリー・キャッシュ・フロー

13,369百万円

11,892百万円

△1,477百万円

 

 当社グループの主な短期的な資金の需要としては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金、配当金の支払等を見込んでおります。なお、当社の短期的な資金調達の源泉は、主に営業活動によって獲得した現金であります。資金調達は金融機関からの借入れにより調達を行っておりますが、当連結会計年度末の有利子負債残高は19,935百万円であり、総資産に対して15.8%と低い依存度となっております。

 

 当社グループでは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性を維持することを資金調達の基本としており、国内の主要金融機関との良好な関係に基づき、長期借入れを中心として必要資金を低いコストで調達しております。また、流動性資金の確保の面では、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末における総額は、15,670百万円(うち借入未実行残高は15,670百万円)であります。

 

 連結子会社が保有する資金は、当連結会計年度末において15,316百万円でありますが、グループ資金は当社での有効活用を前提に、可能な限り配当を実施することを基本方針としており、各連結子会社の配当可能利益をベースに、各社の手元必要流動性資金を考慮の上、当社への資金還流を今後も積極的に進めていく予定であります。

 

 資本政策につきましては、株主還元を充実させていくことを心掛け、従来どおり総還元性向として調整後親会社株主に帰属する当期純利益の40%を目処に、健全な財務基盤を確保しつつ、フリー・キャッシュ・フローの見通し、自己株式の取得を含む総還元性向、安定配当の重要性などを総合的に勘案した上で利益還元を行う方針であります。

 

   ③経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況

 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

 2023年3月期の達成・進捗状況は下記のとおりであります。

 

指標

2023年3月期(計画)

2023年3月期(実績)

2022年度(計画比)

売上高

110,000百万円

106,167百万円

△3,833百万円 (3.5%減)

営業利益

31,000百万円

32,288百万円

 1,288百万円 (4.2%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

20,000百万円

20,685百万円

    685百万円 (3.4%増)

EBITDA

38,000百万円

39,101百万円

1,101百万円 (2.9%増)

ROIC

21.0%

24.4%

3.4ポイント増

ROE(自己資本利益率)

29.1%

30.3%

    1.2ポイント増

(注)2023年3月期(計画)は2022年5月10日公表値

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「4 経営者による財政状

態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状

況」に記載のとおりであります。

 

   ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて

は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

5【経営上の重要な契約等】

当該事項はありません。

2【主要な設備の状況】

当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。

(1)提出会社

 

2023年3月31日現在

 

事業所名

(所在地)

セグメントの

名称

設備の内容

帳簿価額

従業員数

(人)

建物

及び構築物

(百万円)

機械装置

及び運搬具

(百万円)

土地

(百万円)

(面積㎡)

その他

(百万円)

合計

(百万円)

本社・栃木事業所

(栃木県下野市)

光学材料部品事業

電子材料部品事業

全社共通

製造設備・

研究開発設備

10,643

3,165


1,291

(  114,876)

 

7,087

22,188

786

鹿沼事業所 第1工場

(栃木県鹿沼市)

光学材料部品事業

電子材料部品事業

全社共通

製造設備

47

291

(-)

216

554

91

鹿沼事業所 第2工場

(栃木県鹿沼市)

光学材料部品事業

電子材料部品事業

全社共通

製造設備

1,200

956

465

( 26,560)

739

3,361

263

多賀城事業所

(宮城県多賀城市)

光学材料部品事業

電子材料部品事業

全社共通

製造設備・

研究開発設備

75

391

(-)

238

706

83

(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定であります。

なお、金額に消費税等は含めておりません。

2.上記の他、連結会社以外から賃借している設備の内容は、以下のとおりであります。

事業所名

(所在地)

セグメントの

名称

設備の内容

年間賃借料

(百万円)

多賀城事業所            (宮城県多賀城市)

光学材料部品事業

電子材料部品事業

全社共通

土地・建物

159

鹿沼事業所 第1工場

(栃木県鹿沼市)

光学材料部品事業

電子材料部品事業

全社共通

製造設備

157

東京オフィス

(東京都中央区)

事業所

57

 

 

(2)国内子会社

2023年3月31日現在

 

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの

名称

設備の内容

帳簿価額

従業員数

(人)

建物

及び構築物

(百万円)

機械装置

及び運搬具

(百万円)

土地

(百万円)

(面積㎡)

その他

(百万円)

合計

(百万円)

Dexerials Precision Components(株)

本社

(宮城県登米市)

電子材料部品事業

全社共通

製造設備・

研究開発設備

763

1,364

496

( 75,209)

137

2,761

112

(株)京都セミコンダクター

本社

ほか3事業所

電子材料部品事業

製造設備・

研究開発設備

951

598

210

(22,845)

98

1,859

148

(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定であります。

2.Dexerials Precision Components(株)の設備はすべて提出会社から賃借しているものであります。

 

(3)在外子会社

 

主要な設備に該当するものはありません。

 

①【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

100,000,000

100,000,000

 

②【発行済株式】

種類

事業年度末現在発行数

(株)

(2023年3月31日)

提出日現在発行数

(株)

(2023年6月23日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

64,575,000

61,024,400

東京証券取引所

プライム市場

完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。また、単元株式数は100株であります。

64,575,000

61,024,400

(注)1.「提出日現在発行数」欄には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により

発行された株式数は含まれておりません。

2.2023年5月10日開催の取締役会決議により、2023年5月24日付で自己株式の消却を実施いたしました。これに

より発行済株式総数は3,550,600株減少し、61,024,400株となっております。

 

①【ストックオプション制度の内容】

会社法に基づき発行した新株予約権は、次のとおりであります。

イ.第2回新株予約権(2014年4月23日臨時株主総会決議)

区分

事業年度末現在

(2023年3月31日)

決議年月日

2014年4月23日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社取締役 3

当社従業員 83

新株予約権の数(個)※

3,026(注)1

新株予約権の目的となる株式の種類 ※

普通株式

新株予約権の目的となる株式の数(株)※

302,600(注)1、5

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

580(注)2、5

新株予約権の行使期間 ※

2016年4月24日から

2024年4月23日まで

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格 580(注)5

資本組入額 290

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

譲渡による本新株予約権の取得については、

当社取締役会の承認を要する。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)4

 ※当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

(注)1.本新株予約権1個の行使により新たに発行又はこれに代えて当社の保有する自己株式を移転する株式(以下「割当株式数」という。)は、当社普通株式1株(以下の調整に服する。)とする。ただし、割当株式数は、本新株予約権の割当日以降、当社普通株式の分割(株式無償割当てを含む。以下同じ。)又は併合を行う場合には、次の算式に従って調整され、本新株予約権の目的である株式の総数は、調整後割当株式数に本新株予約権(調整後割当株式数を適用する日までに行使され、消却され又は消滅した本新株予約権を除く。)の総数を乗じた数とする。

調整後割当株式数 = 調整前割当株式数 × 分割・併合の比率

なお、本新株予約権を行使した本新株予約権者に交付する株式の数に1株に満たない端数がある場合は、こ

れを切り捨てる。

 上記に定める場合以外にも、本新株予約権の割当日以降に、当社を吸収合併存続会社とする吸収合併、当社

を吸収分割承継会社とする吸収分割、又は当社を株式交換完全親会社とする株式交換を行う場合、その他割当

株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じた場合には、当社は、適当と考える方法により合理的な

範囲内で割当株式数の調整を行うものとする。

2.(1)本新株予約権の割当日以降に、当社が当社普通株式の分割又は併合を行う場合、本新株予約権を

行使することにより交付を受けることができる株式1株当たりの出資される財産の価額(以下「行使

価額」という。)を次の算式により調整し、調整の結果生じる1円未満の端数は、これを切り上げる。

調整後行使価額 = 調整前行使価額 ÷ 分割・併合の比率

 

(2)当社が時価を下回る価額で株式の交付を行う場合、行使価額を次の算式により調整し、調整の結果生じ

る1円未満の端数は、これを切り上げる。

 

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(3)上記(1)(2)に定める場合以外にも、本新株予約権の割当日以降に、当社を吸収合併存続会社と

する吸収合併、当社を吸収分割承継会社とする吸収分割、又は当社を株式交換完全親会社とする株式

交換を行う場合、その他行使価額の調整を必要とするやむを得ない事由が生じた場合には、当社は、適

当と考える方法により合理的な範囲内で行使価額の調整を行うものとする。

3.本新株予約権の行使条件

(1)本新株予約権は、次のいずれかの場合にのみ行使することができる。

① 当社普通株式が日本国内の取引所金融商品市場又は日本国外の証券取引市場に上場した場合で、か

つ、当該上場日から1年が経過した場合

② 株式会社日本政策投資銀行がその保有する当社普通株式の全てを一括してその子会社以外の第三者

に譲渡(担保権の実行に伴う譲渡を含む。)した場合

(2)上記(1)の定めにかかわらず、本新株予約権者は、本新株予約権者が、当社又は当社の子会社の取締

役、執行役員又は従業員の地位を失った場合は、本新株予約権を行使することはできない。

ただし、任期満了による退任、定年退職その他会社都合によりこれらのいずれの地位も失った場合にお

いて当該地位を失った日の翌日から3年を経過していないとき、又は当社の取締役会の決議により別途

行使が認められた場合は、この限りではない。

(3)上記(1)の定めにかかわらず、本新株予約権者は、次の事由のいずれかに該当した場合は、その後

本新株予約権を行使することはできない。

① 禁錮以上の刑に処せられた場合

② 不正行為又は職務上の義務違反若しくは懈怠があったと当社の取締役会が判断した場合

③ 当社又は当社の子会社の事業と実質的に競業する事業を営む会社、法人、組合等の役職員に

就いた場合(当社の書面による承諾を事前に得た場合を除く。)

(4)上記(1)の定めにかかわらず、本新株予約権者の相続人は、本新株予約権を行使することはできな

い。ただし、当社の取締役会の承認があった場合は、この限りではない。

(5)上記(1)の定めにかかわらず、(1)②に該当する場合を除き、本新株予約権者は、行使する本新株

予約権の1暦年間の合計数が、本新株予約権者に対して割り当てられる本新株予約権の数の3分の1

を超えることとなる本新株予約権の行使をしてはならない。ただし、当該暦年間の前年までに本号に従

って行使可能な本新株予約権のうち未行使のものが存在する場合は、当該未行使の本新株予約権の行使

は妨げられない。

 

4.当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割(当社が分割会社となる場合に限る。)

若しくは新設分割、又は株式交換(当社が完全子会社となる場合に限る。)若しくは株式移転(以上を総称し

て、以下「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生の直前時点において残存

する本新株予約権の本新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホま

でに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の次の各号に定める内容の新株予約権(以下「承継新

株予約権」という。)を交付する。ただし、以下に定める内容に合致する再編対象会社の新株予約権を交付す

る旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画におい

て定めた場合に限るものとする。

(1)承継新株予約権の数

本新株予約権に代えて交付する承継新株予約権の数は、本新株予約権1個につき1個とする。

(2)承継新株予約権の目的である株式の種類及び数

① 承継新株予約権の目的である株式の種類は、再編対象会社の普通株式とする。

② 承継新株予約権の目的である株式の数は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、(注)1に定める

割当株式数(調整がなされた場合には調整後割当株式数)につき合理的な調整を行った数とする。

ただし、調整により生じる1株未満の端数は切り捨てる。

(3)承継新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

承継新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、

(注)2に定める行使価額(調整がなされた場合には調整後行使価額)につき合理的な調整を行った価額に、上記(2)②に従って決定される承継新株予約権の目的である再編対象会社の普通株式の数を乗じて得られる金額とする。

(4)承継新株予約権を行使することができる期間

本新株予約権の行使期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、本新株予約

権の行使期間の満了日までとする。

(5)承継新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条

第1項の規定に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額(ただし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額)とする。

承継新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記の資本金等

増加限度額から資本金の額を減じた額とする。

(6)譲渡による承継新株予約権の取得の制限

譲渡による承継新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の承認を要する。

(7)承継新株予約権の行使の条件及び取得事由

① 承継新株予約権の行使の条件については、(注)3に準じて決定する。

② 承継新株予約権の取得事由

 再編対象会社は、再編対象会社取締役会が別途定める日に、承継新株予約権の全部又は一部を無償に

て取得することができる。なお、承継新株予約権の一部を取得する場合には、再編対象会社取締役会の

決議により、その取得する承継新株予約権を定めるものとする。

5.当社は2015年5月27日付で株式1株につき100株の株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の数」、「新株予約権の行使時の払込金額」、「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。

ロ.第3回新株予約権(2014年11月26日臨時株主総会決議)

区分

事業年度末現在

(2023年3月31日)

決議年月日

2014年11月26日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社従業員 7

新株予約権の数(個)※

340(注)1

新株予約権の目的となる株式の種類 ※

普通株式

新株予約権の目的となる株式の数(株)※

34,000(注)1、5

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

840(注)2、5

新株予約権の行使期間 ※

2016年11月27日から

2024年11月26日まで

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格 840(注)5

資本組入額 420

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

譲渡による本新株予約権の取得については、

当社取締役会の承認を要する。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)4

 ※当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

(注)1.本新株予約権1個の行使により新たに発行又はこれに代えて当社の保有する自己株式を移転する株式(以下「割当株式数」という。)は、当社普通株式1株(以下の調整に服する。)とする。ただし、割当株式数は、本新株予約権の割当日以降、当社普通株式の分割(株式無償割当てを含む。以下同じ。)又は併合を行う場合には、次の算式に従って調整され、本新株予約権の目的である株式の総数は、調整後割当株式数に本新株予約権(調整後割当株式数を適用する日までに行使され、消却され又は消滅した本新株予約権を除く。)の総数を乗じた数とする。

調整後割当株式数 = 調整前割当株式数 × 分割・併合の比率

なお、本新株予約権を行使した本新株予約権者に交付する株式の数に1株に満たない端数がある場合は、こ

れを切り捨てる。

 上記に定める場合以外にも、本新株予約権の割当日以降に、当社を吸収合併存続会社とする吸収合併、当社

を吸収分割承継会社とする吸収分割、又は当社を株式交換完全親会社とする株式交換を行う場合、その他割当

株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じた場合には、当社は、適当と考える方法により合理的な

範囲内で割当株式数の調整を行うものとする。

2.(1)本新株予約権の割当日以降に、当社が当社普通株式の分割又は併合を行う場合、本新株予約権を

行使することにより交付を受けることができる株式1株当たりの出資される財産の価額(以下「行使

価額」という。)を次の算式により調整し、調整の結果生じる1円未満の端数は、これを切り上げる。

調整後行使価額 = 調整前行使価額 ÷ 分割・併合の比率

 

(2)当社が時価を下回る価額で株式の交付を行う場合、行使価額を次の算式により調整し、調整の結果生じ

る1円未満の端数は、これを切り上げる。

 

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(3)上記(1)(2)に定める場合以外にも、本新株予約権の割当日以降に、当社を吸収合併存続会社と

する吸収合併、当社を吸収分割承継会社とする吸収分割、又は当社を株式交換完全親会社とする株式

交換を行う場合、その他行使価額の調整を必要とするやむを得ない事由が生じた場合には、当社は、適

当と考える方法により合理的な範囲内で行使価額の調整を行うものとする。

3.本新株予約権の行使条件

(1)本新株予約権は、次のいずれかの場合にのみ行使することができる。

① 当社普通株式が日本国内の取引所金融商品市場又は日本国外の証券取引市場に上場した場合で、か

つ、当該上場日から1年が経過した場合

② 株式会社日本政策投資銀行がその保有する当社普通株式の全てを一括してその子会社以外の第三者

に譲渡(担保権の実行に伴う譲渡を含む。)した場合

(2)上記(1)の定めにかかわらず、本新株予約権者は、本新株予約権者が、当社又は当社の子会社の取締

役、執行役員又は従業員の地位を失った場合は、本新株予約権を行使することはできない。

ただし、任期満了による退任、定年退職その他会社都合によりこれらのいずれの地位も失った場合にお

いて当該地位を失った日の翌日から3年を経過していないとき、又は当社の取締役会の決議により別途

行使が認められた場合は、この限りではない。

(3)上記(1)の定めにかかわらず、本新株予約権者は、次の事由のいずれかに該当した場合は、その後

本新株予約権を行使することはできない。

① 禁錮以上の刑に処せられた場合

② 不正行為又は職務上の義務違反若しくは懈怠があったと当社の取締役会が判断した場合

③ 当社又は当社の子会社の事業と実質的に競業する事業を営む会社、法人、組合等の役職員に

就いた場合(当社の書面による承諾を事前に得た場合を除く。)

(4)上記(1)の定めにかかわらず、本新株予約権者の相続人は、本新株予約権を行使することはできな

い。ただし、当社の取締役会の承認があった場合は、この限りではない。

(5)上記(1)の定めにかかわらず、(1)②に該当する場合を除き、本新株予約権者は、行使する本新株

予約権の1暦年間の合計数が、本新株予約権者に対して割り当てられる本新株予約権の数の3分の1

を超えることとなる本新株予約権の行使をしてはならない。ただし、当該暦年間の前年までに本号に従

って行使可能な本新株予約権のうち未行使のものが存在する場合は、当該未行使の本新株予約権の行使

は妨げられない。

 

4.当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割(当社が分割会社となる場合に限る。)

若しくは新設分割、又は株式交換(当社が完全子会社となる場合に限る。)若しくは株式移転(以上を総称し

て、以下「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生の直前時点において残存

する本新株予約権の本新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホま

でに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の次の各号に定める内容の新株予約権(以下「承継新

株予約権」という。)を交付する。ただし、以下に定める内容に合致する再編対象会社の新株予約権を交付す

る旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画におい

て定めた場合に限るものとする。

(1)承継新株予約権の数

本新株予約権に代えて交付する承継新株予約権の数は、本新株予約権1個につき1個とする。

(2)承継新株予約権の目的である株式の種類及び数

① 承継新株予約権の目的である株式の種類は、再編対象会社の普通株式とする。

② 承継新株予約権の目的である株式の数は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、(注)1に定める

割当株式数(調整がなされた場合には調整後割当株式数)につき合理的な調整を行った数とする。

ただし、調整により生じる1株未満の端数は切り捨てる。

(3)承継新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

承継新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、

(注)2に定める行使価額(調整がなされた場合には調整後行使価額)につき合理的な調整を行った価額に、上記(2)②に従って決定される承継新株予約権の目的である再編対象会社の普通株式の数を乗じて得られる金額とする。

(4)承継新株予約権を行使することができる期間

本新株予約権の行使期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、本新株予約

権の行使期間の満了日までとする。

(5)承継新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条

第1項の規定に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額(ただし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額)とする。

承継新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記の資本金等

増加限度額から資本金の額を減じた額とする。

(6)譲渡による承継新株予約権の取得の制限

譲渡による承継新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の承認を要する。

(7)承継新株予約権の行使の条件及び取得事由

① 承継新株予約権の行使の条件については、(注)3に準じて決定する。

② 承継新株予約権の取得事由

 再編対象会社は、再編対象会社取締役会が別途定める日に、承継新株予約権の全部又は一部を無償に

て取得することができる。なお、承継新株予約権の一部を取得する場合には、再編対象会社取締役会の

決議により、その取得する承継新株予約権を定めるものとする。

5.当社は2015年5月27日付で株式1株につき100株の株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の数」、「新株予約権の行使時の払込金額」、「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。

 

②【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式

総数増減数

(株)

発行済株式

総数残高

(株)

資本金

増減額

(百万円)

資本金残高

(百万円)

資本準備金

増減額

(百万円)

資本準備金

残高

(百万円)

2018年4月1日~

2019年3月31日

(注)1

149,100

63,817,100

43

15,977

43

15,977

2019年4月1日~

2020年3月31日

(注)1

156,700

63,973,800

43

16,021

43

16,021

2020年4月1日~

2021年3月31日

(注)1

302,900

64,276,700

85

16,106

85

16,106

2021年4月1日~

2022年3月31日

(注)1

216,700

64,493,400

64

16,170

64

16,170

2022年4月1日~

2023年3月31日

(注)1

81,600

64,575,000

24

16,194

24

16,194

(注)1.新株予約権(ストックオプション)の権利行使による増加であります。

2.2023年5月10日開催の取締役会決議により、2023年5月24日付で自己株式の消却を実施いたしました。これにより発行済株式総数は3,550,600株減少し、61,024,400株となっております。

 

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数 100株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び

地方公共団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数

(人)

22

47

150

229

28

23,728

24,204

所有株式数

(単元)

214,261

24,899

60,948

180,893

142

164,410

645,553

19,700

所有株式数の割合

(%)

33.19

3.86

9.44

28.02

0.02

25.47

100.00

(注)1.「金融機関」の欄には、従業員に対する自社株式給付のインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」制度及び取締役に対する業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust)」の導入に伴い、信託財産として所有する当社株式2,744,500株(27,445単元)が含まれております。

2.自己名義株式3,844,529株は、「個人・その他」に38,445単元、「単元未満株式の状況」に29株含まれております。

 

(6)【大株主の状況】

 

 

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

11,110,100

18.29

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8-12

3,784,300

6.23

大日本印刷株式会社

東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号

3,125,000

5.15

SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT

(常任代理人香港上海銀行東京支店)

ONE LINCOLN STREET,BOSTON MA USA 02111

(東京都中央区日本橋3丁目11-1)

2,870,161

4.73

株式会社日本カストディ銀行(信託E口)

東京都中央区晴海1丁目8番12号

2,744,500

4.52

積水化学工業株式会社

大阪府大阪市北区西天満2丁目4番4号

2,520,000

4.15

野村信託銀行株式会社(投信口)

東京都千代田区大手町2丁目2-2

2,518,600

4.15

MISAKI ENGAGEMENT MASTER FUND

(常任代理人香港上海銀行東京支店)

190 ELGIN AVENUE,GEORGE TOWN,GRAND CAYMAN,KY 1-9005,CAYMAN ISLANDS

(東京都中央区日本橋3丁目11-1)

1,641,300

2.70

株式会社SBI証券

東京都港区六本木1丁目6番1号

1,151,132

1.90

RBC ISB S/A DUB NON RESIDENT/TREATY RATE UCITS-CLIENTS ACCOUNT-MIG

(常任代理人シティバンク、エヌ・エイ東京支店)

14 PORTE DE FRANCE,ESCH-SUR-ALZETTE,LUXEMBOURG,L-4360

(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)

1,142,800

1.88

32,607,893

53.69

(注)1.当社は、自己株式 3,850,729 株を所有しておりますが、本表には記載しておりません。また、持株比率は、自己株式(3,850,729株)を控除して算出しております。

2.株式会社日本カストディ銀行(信託E口)は、従業員に対する自社株式給付のインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」制度及び取締役に対する業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))」に係る信託財産の委託先であります。なお、上記委託先が所有している当社株式は、連結財務諸表及び財務諸表において自己株式として表示しております。

3.上記日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、10,991,200株であります。

4.上記株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、3,754,000株であります。

5.上記野村信託銀行株式会社(投信口)の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、2,518,600株であります。

 

6.2023年4月3日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー(Capital Research and Management Company)及びその共同保有者であるキャピタル・インターナショナル株式会社、キャピタル・インターナショナル・インク(Capital International Inc.)、キャピタル・インターナショナル・エス・エイ・アール・エル(Capital International Sarl)並びにキャピタル・グループ・インベストメント・マネージメント・ピーティーイー・リミテッド(Capital Group Investment Management Pte. Ltd.)が2023年3月27日現在でそれぞれ次のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。上記の大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。

なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等の総数(株・口)

株券等保有割合(%)

キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー(Capital Research and Management Company)

アメリカ合衆国カリフォルニア州、ロスアンジェルス、サウスホープ・ストリート333

(333 South Hope Street, Los Angeles, CA 90071, U.S.A.)

5,161,500

8.00

キャピタル・インターナショナル株式会社

東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 明治安田生命ビル14階

2,008,200

3.11

キャピタル・インターナショナル・インク

(Capital International Inc.)

アメリカ合衆国カリフォルニア州90025、ロスアンジェルス、サンタ・モニカ通り11100、15階

(11100 Santa Monica Boulevard, 15th Fl., Los Angeles, CA 90025, U.S.A.)

238,000

0.37

キャピタル・インターナショナル・エス・エイ・アール・エル

(Capital International Sarl)

スイス国、ジュネーヴ1201、プラス・デ・ベルグ3

(3 Place des Bergues, 1201 Geneva, Switzerland)

223,200

0.35

キャピタル・グループ・インベストメント・マネージメント・ピーティーイー・リミテッド

(Capital Group Investment Management Pte. Ltd.)

シンガポール(048583)、ラッフルズ・キー1、43-00号(1 Raffles Quay, #43-00, Singapore (048583))

105,500

0.16

7,736,400

11.99

 

7.2023年4月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者である日興アセットマネジメント株式会社が2023年3月31日現在でそれぞれ次のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。上記の大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。

なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等の総数(株・口)

株券等保有割合(%)

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

東京都港区芝公園一丁目1番1号

2,194,000

3.40

日興アセットマネジメント株式会社

東京都港区赤坂九丁目7番1号

867,900

1.34

3,061,900

4.74

 

 

 

 

 

8.2023年2月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、みずほ信託銀行株式会社及びその共同保有者であるアセットマネジメントOne株式会社が2023年1月31日現在でそれぞれ次のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。上記の大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。

なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等の総数(株・口)

株券等保有割合(%)

みずほ信託銀行株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目3番3号

2,744,600

4.25

アセットマネジメントOne株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目8番2号

1,466,600

2.27

4,211,200

6.53

 

 

 

①【連結貸借対照表】

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

29,363

29,286

受取手形及び売掛金

※4 19,140

※4 13,126

電子記録債権

289

342

商品及び製品

3,794

4,111

仕掛品

3,565

2,883

原材料及び貯蔵品

4,465

4,358

その他

4,468

5,133

貸倒引当金

2

2

流動資産合計

65,086

59,238

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物及び構築物

32,288

27,709

減価償却累計額

21,693

13,976

建物及び構築物(純額)

10,595

13,732

機械装置及び運搬具

38,755

40,475

減価償却累計額

31,651

33,308

機械装置及び運搬具(純額)

7,103

7,167

土地

3,634

2,524

建設仮勘定

3,620

6,646

その他

7,664

8,672

減価償却累計額

5,915

6,458

その他(純額)

1,749

2,214

有形固定資産合計

26,703

32,284

無形固定資産

 

 

のれん

23,728

21,444

特許権

831

695

顧客関連資産

3,247

2,884

その他

1,541

2,295

無形固定資産合計

29,348

27,320

投資その他の資産

 

 

関係会社株式

※1 160

※1 117

退職給付に係る資産

3,250

3,242

繰延税金資産

2,661

2,389

その他

1,586

1,799

貸倒引当金

12

13

投資その他の資産合計

7,647

7,535

固定資産合計

63,699

67,141

資産合計

128,785

126,379

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

支払手形及び買掛金

13,087

5,972

電子記録債務

2,928

2,569

短期借入金

6,500

2,000

1年内返済予定の長期借入金

4,465

6,560

未払金

5,935

7,817

未払費用

877

856

未払法人税等

6,822

4,705

賞与引当金

3,084

2,558

その他

6,102

2,034

流動負債合計

49,803

35,074

固定負債

 

 

長期借入金

8,467

11,152

退職給付に係る負債

4,385

4,273

繰延税金負債

1,235

1,323

その他

316

780

固定負債合計

14,405

17,530

負債合計

64,209

52,605

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

16,170

16,194

資本剰余金

16,170

16,147

利益剰余金

35,733

52,663

自己株式

7,444

15,908

株主資本合計

60,629

69,097

その他の包括利益累計額

 

 

繰延ヘッジ損益

359

26

為替換算調整勘定

2,691

3,278

退職給付に係る調整累計額

774

547

その他の包括利益累計額合計

3,105

3,799

非支配株主持分

840

878

純資産合計

64,576

73,774

負債純資産合計

128,785

126,379

【連結損益計算書】

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 95,712

※1 106,167

売上原価

※2 50,525

※2 51,996

売上総利益

45,186

54,170

販売費及び一般管理費

※3,※4 18,543

※3,※4 21,882

営業利益

26,642

32,288

営業外収益

 

 

受取利息

8

87

持分法による投資利益

16

受取賃貸料

67

20

受取補償金

36

その他

172

235

営業外収益合計

285

359

営業外費用

 

 

支払利息

49

73

為替差損

1,130

2,019

持分法による投資損失

431

減価償却費

160

85

投資事業組合運用損

43

61

その他

90

232

営業外費用合計

1,904

2,472

経常利益

25,023

30,174

特別利益

 

 

固定資産売却益

※5 51

※5 14

子会社清算益

242

補助金収入

64

特別利益合計

293

78

特別損失

 

 

固定資産売却損

※6 5

固定資産除却損

※7 825

※7 508

減損損失

※8 202

※8 12

投資有価証券評価損

59

本社移転費用

155

固定資産圧縮損

39

損害賠償金

349

特別損失合計

1,539

620

税金等調整前当期純利益

23,777

29,632

法人税、住民税及び事業税

7,918

8,590

法人税等調整額

809

321

法人税等合計

7,108

8,911

当期純利益

16,669

20,721

非支配株主に帰属する当期純利益

35

親会社株主に帰属する当期純利益

16,669

20,685

1.報告セグメントの概要

  当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。

  当社グループの報告セグメントは「光学材料部品」、「電子材料部品」としております。なお、製品及びソリューション等が概ね類似している「光学フィルム」、「光学樹脂材料」を集約し、「光学材料部品」としており、「接合関連材料」、「異方性導電膜」、「表面実装型ヒューズ」、「マイクロデバイス」、「光半導体」を集約し、「電子材料部品」としております。各報告セグメントに属する主要な製品は次のとおりであります。

 

報告セグメント名称    報告セグメントに属する主要な製品

光学材料部品          反射防止フィルム、光ディスク用紫外線硬化型樹脂、

                      光学弾性樹脂、蛍光体フィルム等

電子材料部品          工業用機能性接合材、異方性導電膜、表面実装型ヒューズ、無機偏光板

                      光半導体等

 

①【貸借対照表】

 

 

(単位:百万円)

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

14,453

13,970

受取手形

45

58

売掛金

※1 19,316

※1 12,922

電子記録債権

185

199

商品及び製品

2,695

3,061

仕掛品

2,965

2,277

原材料及び貯蔵品

3,473

3,473

前払費用

309

422

その他

※1 5,593

※1 4,101

流動資産合計

49,037

40,485

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物

9,227

12,384

構築物

380

426

機械及び装置

6,173

6,252

車両運搬具

45

43

工具、器具及び備品

1,466

1,824

土地

3,362

2,252

リース資産

22

17

建設仮勘定

3,674

6,505

有形固定資産合計

24,352

29,706

無形固定資産

 

 

のれん

18,767

16,980

特許権

830

695

特許実施権

187

156

ソフトウエア

833

994

その他

411

1,123

無形固定資産合計

21,031

19,951

投資その他の資産

 

 

投資有価証券

584

691

関係会社株式

11,090

11,058

関係会社出資金

0

0

前払年金費用

2,263

2,612

長期貸付金

※1 745

繰延税金資産

2,595

2,234

その他

795

914

投資その他の資産合計

17,329

18,257

固定資産合計

62,713

67,914

資産合計

111,751

108,399

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

支払手形

18

23

買掛金

※1 12,957

※1 5,943

電子記録債務

2,336

1,921

短期借入金

6,500

2,000

1年内返済予定の長期借入金

3,761

6,311

リース債務

1

1

未払金

5,669

7,440

未払費用

※1 614

※1 576

未払法人税等

6,147

4,435

賞与引当金

2,647

2,097

株式給付引当金

766

その他

※1 5,584

※1 2,384

流動負債合計

47,006

33,136

固定負債

 

 

長期借入金

7,047

10,736

リース債務

21

16

退職給付引当金

4,020

3,979

株式給付引当金

280

役員株式給付引当金

56

186

資産除去債務

101

130

固定負債合計

11,247

15,328

負債合計

58,253

48,464

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

16,170

16,194

資本剰余金

 

 

資本準備金

16,170

16,194

資本剰余金合計

16,170

16,194

利益剰余金

 

 

その他利益剰余金

 

 

繰越利益剰余金

28,961

43,480

利益剰余金合計

28,961

43,480

自己株式

7,444

15,908

株主資本合計

53,857

59,961

評価・換算差額等

 

 

繰延ヘッジ損益

359

26

評価・換算差額等合計

359

26

純資産合計

53,497

59,935

負債純資産合計

111,751

108,399

②【損益計算書】

 

 

(単位:百万円)

 

 前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

 当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 88,189

※1 94,003

売上原価

※1 49,413

※1 47,413

売上総利益

38,776

46,590

販売費及び一般管理費

※1,※2 16,371

※1,※2 18,094

営業利益

22,405

28,495

営業外収益

 

 

受取利息

0

34

受取配当金

※1 1,404

※1 336

受取補償金

36

雑収入

※1 222

※1 205

営業外収益合計

1,664

576

営業外費用

 

 

支払利息

※1 54

※1 89

為替差損

800

2,184

投資事業組合運用損

43

61

減価償却費

160

85

雑支出

※1 92

※1 203

営業外費用合計

1,151

2,625

経常利益

22,918

26,447

特別利益

 

 

固定資産売却益

※1,※3 56

※3 12

子会社清算益

42

特別利益合計

99

12

特別損失

 

 

固定資産除却損

※4 822

※4 331

減損損失

※5 204

※5 11

投資有価証券評価損

59

関係会社株式評価損

※6 888

※6 33

本社移転費用

155

損害賠償金

349

特別損失合計

2,420

436

税引前当期純利益

20,596

26,022

法人税、住民税及び事業税

6,893

7,532

法人税等調整額

876

215

法人税等合計

6,017

7,747

当期純利益

14,579

18,274