昭栄薬品株式会社
SHOEI YAKUHIN CO.,LTD.
大阪市中央区安土町一丁目5番1号
証券コード:35370
業界:卸売業
有価証券報告書の提出日:2023年6月26日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第59期

第60期

第61期

第62期

第63期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

20,110,251

17,733,944

17,032,260

21,147,821

24,529,038

経常利益

(千円)

411,446

262,103

313,469

474,894

673,545

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

272,986

255,940

237,774

578,640

484,559

包括利益

(千円)

482,946

233,478

428,081

631,893

628,134

純資産額

(千円)

8,080,570

8,135,437

7,644,748

6,950,376

7,370,220

総資産額

(千円)

16,831,265

14,999,910

14,605,801

14,480,863

14,798,019

1株当たり純資産額

(円)

2,258.10

2,339.00

2,202.48

2,011.64

2,172.26

1株当たり当期純利益

(円)

76.53

72.08

68.47

167.29

141.83

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

48.0

54.2

52.3

48.0

49.8

自己資本利益率

(%)

3.5

3.2

3.0

7.9

6.8

株価収益率

(倍)

13.1

12.0

14.2

6.3

7.0

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

331,942

472,184

324,817

398,371

644,570

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

33,348

116,353

39,014

382,729

30,110

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

505,213

547,293

77,019

62,477

269,324

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,629,485

732,515

1,010,940

913,365

1,260,944

従業員数
〔ほか、平均臨時
雇用人員〕

(人)

72

74

74

74

76

7

5

3

8

7

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第62期の期首から適用しており、第62期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

3.当社は、2018年12月1日付で普通株式1株につき3株の株式分割を行いました。第59期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第59期

第60期

第61期

第62期

第63期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

19,293,350

17,111,087

16,665,801

20,549,925

23,407,040

経常利益

(千円)

431,718

262,208

328,486

458,176

593,762

当期純利益

(千円)

302,110

260,146

251,557

571,324

415,959

資本金

(千円)

248,169

248,169

248,169

248,169

248,169

発行済株式総数

(株)

3,579,105

3,579,105

3,579,105

3,579,105

3,579,105

純資産額

(千円)

7,989,264

8,024,465

7,569,387

6,855,516

7,157,360

総資産額

(千円)

16,599,536

14,757,238

14,466,393

14,270,819

14,448,374

1株当たり純資産額

(円)

2,232.59

2,307.09

2,180.77

1,984.19

2,109.53

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

18.00

18.00

18.00

42.00

36.00

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

84.70

73.27

72.44

165.18

121.75

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

48.1

54.4

52.3

48.0

49.5

自己資本利益率

(%)

3.9

3.2

3.2

7.9

5.9

株価収益率

(倍)

11.8

11.8

13.5

6.4

8.1

配当性向

(%)

21.3

24.6

24.8

25.4

29.6

従業員数
〔ほか、平均臨時
雇用人員〕

(人)

57

59

58

57

58

2

2

2

6

6

株主総利回り

(%)

95.7

84.3

96.5

108.3

105.2

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(95.0)

(85.9)

(122.1)

(124.6)

(131.8)

最高株価

(円)

1,176
(3,900)

1,418

 

1,105

 

1,254

 

1,122

 

最低株価

(円)

960
(2,880)

736

 

812

 

940

 

961

 

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第62期の期首から適用しており、第62期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

3.当社は、2018年12月1日付で普通株式1株につき3株の株式分割を行っております。第59期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

4.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。なお、第59期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。

 

 

2 【沿革】

当社は、1937年12月に創業者である鐵野義数が大阪市南区(現 大阪市中央区)に於いて、鐵野商店を開業し無機薬品を中心とした化学品の卸売事業を開始したことに始まります。1946年4月に昭栄理化学工業所と改称し、主として化学品及び石鹸の原材料の販売を行い、商社としての地盤を築き、また1951年4月から、花王石鹸株式会社(現 花王株式会社)の脂肪酸及び脂肪酸誘導体の販売を開始したことを契機に、事業を拡大してまいりました。

当社グループに係る経緯は、次のとおりです。

年月

概要

1937年12月

化学品卸、鐵野商店として創業

1946年4月

鐵野商店を昭栄理化学工業所と改称

1949年9月

大阪市中央区(現 本社所在地)に事務所を新築、昭栄薬品商会と改称

1951年4月

花王石鹸株式会社(現 花王株式会社)の脂肪酸及び脂肪酸誘導体の販売を開始

1960年3月

昭栄薬品商会を、昭栄薬品株式会社に改組(資本金10百万円)

1960年6月

 

新日本油化株式会社を子会社化し、鐵野油化株式会社に商号を変更

脂肪酸、脂肪酸エステル及び界面活性剤等の化学品の生産を開始

1962年4月

東京都中央区に東京営業所開設

1963年10月

愛知県名古屋市に名古屋営業所開設

1965年4月

土木建設業界向けに関連資材の販売を開始し、土木建設資材事業に参入

1967年10月

水中接着剤「ショーレジン」開発

1969年5月

「ショーレジン」の拡販を目的に、ショーレジン株式会社を設立(議決権比率:75%)

1976年4月

東京営業所を東京支店に改組

1987年4月

家庭用洗剤を商品化し、日用品事業に参入

1988年1月

大阪市中央区(現 本社所在地)に本社新社屋を建設

1993年5月

東南アジア諸国への輸出拡大を目的に、シンガポール支店開設

2005年5月

中国での販売強化を目的に、昭栄祥(上海)貿易有限公司を設立(議決権比率:100%)

2007年2月

ISO14001認証取得(大阪本社、東京支店、名古屋営業所)

2008年6月

当社グループ経営の合理化を目的に、ショーレジン株式会社の保有全株式を譲渡

2008年10月

当社グループ経営の効率化を目的に、鐵野油化株式会社を吸収合併(同社を大阪工場とする。)

2009年6月

 

東南アジア諸国への拡販を目的に、合弁会社SHOEI-TDC(THAILAND)CO.,LTD.を設立(議決権比率:

49%)

2010年10月

 

当社グループ経営の合理化を目的に、株式会社ショーエイ(当社役員の出資により1987年7月設立)を吸収合併

2012年5月

海外事業の強化を目的に、SHOEI-TDC(THAILAND)CO.,LTD.の合弁を解消(議決権比率:100%)

2012年7月

SHOEI-TDC(THAILAND)CO.,LTD.をSHOEI TRADING(THAILAND)CO.,LTD.に商号を変更

2013年7月

シンガポール支店を閉鎖

2013年12月

大阪工場における脂肪酸、脂肪酸エステル及び界面活性剤等の生産から撤退

2014年12月

大阪工場における全ての生産活動から撤退し、大阪工場を閉鎖

2016年3月

東京証券取引所JASDAQスタンダードに株式上場

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、東京証券取引所スタンダード市場へ移行

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び子会社2社により構成されており、天然油脂由来の油脂化学品(総称して以下、「オレオケミカル」といいます。)を主な取扱商品とする化学品事業を主たる事業としております。

当社グループの主な取扱商品である「オレオケミカル」とは、パーム油、ヤシ油及びパーム核油等の天然油脂を原材料として生み出される油脂化学品の総称であり、多種多様な化学品の中で資源に限りがある石油化学品とは異なり、再生産が可能であること及び環境負荷が低いこと等の特徴があります。

また、化学品事業におけるオレオケミカル及びオレオケミカルを原材料とする界面活性剤に関する専門的知識を活用し、事業間のシナジー効果を重視した関連多角化により、家庭用洗剤等を取扱う日用品事業、及び地盤改良やコンクリートの補修補強材料等を取扱う土木建設資材事業を営んでおります。

当社グループの事業における報告セグメントの概要及び位置付けは、次のとおりです。

なお、以下に示す区分は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。

 

セグメントの名称

主な事業内容

会社名

化学品事業

 

 

脂肪酸、脂肪アミン、脂肪アルコール及びグリセリン等のオレオケミカル、並びにこれらの誘導体である界面活性剤等の化学品の仕入販売

昭栄薬品株式会社(当社)

昭栄祥(上海)貿易有限公司

SHOEI TRADING(THAILAND)CO.,LTD.

日用品事業

 

「安心・安全」を重視した家庭用洗浄剤を中心とした日用品の企画及び仕入販売

昭栄薬品株式会社(当社)

 

土木建設資材事業

 

 

グラウト(薬液注入)工法等の地盤改良及びコンクリート補修補強工法に使用する材料・添加剤、並びに汚染土壌改良(環境改善)のための環境改善薬剤の仕入販売

昭栄薬品株式会社(当社)

 

 

 

 

報告セグメント別の事業の詳細は、次のとおりです。

〔化学品事業〕

化学品事業は、当社、昭栄祥(上海)貿易有限公司及びSHOEI TRADING(THAILAND)CO.,LTD.が行っております。

当事業は、脂肪酸、脂肪アミン、脂肪アルコール及びグリセリン等のオレオケミカルを界面活性剤等の原材料として油脂メーカーから仕入れ、界面活性剤等の中間製品(1次製品、2次製品等)メーカー等に販売し、これらの中間製品メーカーが生産した界面活性剤等の化学品を、家庭用として石鹸、洗剤、シャンプー、リンス及び化粧品等の最終製品メーカーに、工業用として繊維、紙・パルプ、医薬、食品、洗浄剤、プラスティック及び塗料等の最終製品メーカーに販売しており、「化学品の原材料流通を川上から川下まで広くカバーするビジネスモデル」を構築している点に特徴があります。

当事業の取扱商品は、前述のオレオケミカル及びこれらを原材料とする界面活性剤のほか、界面活性剤等の原材料としてPEG、EO誘導体、PO誘導体等の石油化学品、その他の化学品として合成樹脂、溶剤・鉱油、無機化学品、顔料及び香料等を、自動車部品、家電、電子部品、日用品、FRP製品関連メーカー等に販売しております。

創業当初からの事業である当事業においては、花王株式会社を主要な仕入先として事業活動を行っており、現在は同社の国内主要代理店として、同社のオレオケミカルを界面活性剤等の化学品メーカーに、同社の界面活性剤等を洗浄剤及び香粧品メーカー等の幅広い業界に販売し、これを当事業の基礎としております。

得意先及び仕入先は、常に新商品開発、商品リニューアルにおいて、価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、自社と外部のアイデア等を組み合わせて革新的な価値を創出するオープン・イノベーションを志向する企業が増える中、当社グループが各社の開発テーマや製造上の課題をヒアリングできる機会は徐々に増加しております。当社グループは、これらをビジネスチャンスと捉え、単なる商社機能の枠を超え、オレオケミカル及び界面活性剤に資源を集中した事業活動によって蓄積された知識やノウハウを活用し、これらの企業に対する新商品開発支援を強化することで、既存商品よりも付加価値の高い新商品の実現に貢献し、信頼関係を構築することで競合他社との差別化を図っております。

 

化学品事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

〔日用品事業〕

日用品事業は、当社が行っております。

当事業は、化学品事業における界面活性剤に関する専門性を活用し、「安心・安全」をテーマとして「簡単・便利」を商品コンセプトに、家庭用洗剤及び業務用洗浄剤等の商品を得意先とともに企画し、外部に生産を委託する等して、相手先ブランド(OEM)で商品を販売しております。

大手企業が主に高い洗浄機能に重点を置いた商品開発を行っているのに対し、当社グループは「安心・安全」をテーマにしたニッチな商品企画を得意としており、また化学品事業において日用品の原材料となる多種多様な化学品メーカーとの取引があることから、最適な原材料の調達及び生産委託先の選定を効率的かつ機動的に行うことが可能となっております。

「安心・安全」を差別化の特徴とする類似商品は多数存在しておりますが、当社グループは、得意先についても、当社グループの差別化商品と親和性の高い商品を取扱い、著名なナショナルブランド商品の取扱いに偏らない販売チャネルを有する企業を中心に展開し、得意先のブランド価値の維持・向上に努め、関係強化を図ってまいりました。また、当社グループは、界面活性剤を中心とした化学知識、適切な原材料の調達を可能にする仕入網、生産委託が可能な日用品メーカー等、日用品を「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に供給できるサプライチェーン」を構築しております。当事業においては、これらのサプライチェーンを最大限活用し、課題を解決する新たな商品の提供を図り、顧客ニーズに対応したエンドユーザー視点での商品差別化だけでなく、「得意先のブランド価値の維持・向上を支える商品提供」を行うことによって、差別化を図っております。

 

日用品事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

 

〔土木建設資材事業〕

土木建設資材事業は、当社が行っております。

当事業の取扱商品は、化学品事業における界面活性剤に関する専門性を活用し、グラウト(薬液注入)工法等の地盤改良、及びコンクリート補修補強工法に使用する材料・添加剤、並びに汚染土壌改良の環境改善薬剤等であり、個別の工事の目的に応じた工法に関する情報提供を含め、工事の現場環境に応じた適切な商品を提案する販売活動を行うほか、土木建設資材メーカーに対して原材料となる化学品の販売を行っております。

多くの同業他社が成型品資材を取扱商品の中心としているのに対して、当社は土木建設関連の化学品(薬剤)を主たる取扱商品としている点に特徴があり、環境負荷に対する社会的関心の高まりを背景に環境影響に配慮した薬剤提案を強みとして、ゼネコン等が進める新工法開発の原材料に関する技術サポート等を通して共同で特許権を取得し、また特許実施契約を締結する等して、これら特定の工法に対する原材料の販売に優位性があります。

当社が商品販売に優位性を有する代表的な工法は、次のとおりです。

区 分

工法の名称

概 要

地盤改良工法

ジェット・グラウト工法

 

 

当社は、花王株式会社の代理店として、同工法の基本設計の薬剤として指定されているセメント用の混和剤(減水剤)の国内販売を独占的に行っている。

汚染土壌改良の環境改善薬剤

汚染土壌のバイオレメディエーションによる浄化剤及びそれを使用した浄化方法

当社は、不二製油株式会社と株式会社鴻池組が共同出願した特許権(特許第6674741号)の実施許諾を締結し、浄化薬剤として使用される「大豆ホエイ製品 ソイビオMA」を独占的に販売している。

汚染土壌改良の環境改善薬剤

酸化マグネシウムを使用した汚染土壌の固化・不溶化方法

当社は、同方法に係る薬剤の製造メーカーである宇部マテリアルズ株式会社と取引基本契約を締結し、重金属の固化・不溶化薬剤の国内販売を独占的に行っている。

 

 

 

土木建設資材事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

〔参考〕用語の解説

用 語

解  説

油脂

脂肪酸とグリセリンとのエステルの形態で、一般に常温で液体のものを「脂肪油」、固体のものを「脂肪」と呼び分けられています。油脂は大きく分けて石油等から精製される合成油脂と、動植物から精製される天然油脂があります。

天然油脂

油脂のうち、アブラヤシや牛等の動植物由来の油脂のことをいいます。パーム油、ヤシ油及びパーム核油等は再生産が可能で、石油由来の油脂に比べて資源の枯渇リスクや環境負荷が低い油脂とされ、合成油脂に代わる原材料として注目されています。

オレオケミカル

パーム油、ヤシ油及びパーム核油等、主に植物系の天然油脂を原材料とした油脂化学品の総称であり、脂肪酸、グリセリン、脂肪アルコール、脂肪アミン及び脂肪酸エステルがあります。

界面活性剤

界面活性剤は、疎水基と親水基からできている化合物であって、油と水の界面のように互いに反発している界面に集まってその界面張力を下げる性質をもつ物質の総称です。この性質は、湿潤作用、浸透作用、乳化作用、分散作用、起泡作用及び洗浄作用をもたらします。これらの基本的な作用は、一般に知られる洗浄剤だけでなく、乳化剤、可溶化剤、分散剤、起泡・消泡剤、帯電防止剤、防錆剤、撥水剤、浸透剤、潤滑剤及び柔軟剤として、日用品メーカーはもとより、化粧品、食品、医薬品、繊維、合成樹脂、土木建築、紙・パルプ、染料・顔料・塗料、ゴム、潤滑油等の幅広い製品で広く利用されています。

脂肪酸

油脂から精製される一価のカルボン酸で鎖式構造をもつもので、ステアリン酸、オレイン酸等があります。単体としては化粧石鹸基剤、医薬品のクリーム軟膏等に使用されるほか、脂肪アミン、脂肪アルコール及びエステルに分解され、各種界面活性剤等に使用されています。

グリセリン

油脂から精製される多価アルコールの一種で、無色透明の粘性がある液体という特徴があり、医薬品及び化粧品等の保湿剤、湿潤剤、柔軟剤、ヘアコンディショニング剤、保水剤、口腔衛生剤等として使用されています。

脂肪アルコール

脂肪酸から精製されるアルコール(一般に炭素数6以上の一価アルコールを高級アルコールといいます。)であり、単体としては合成樹脂の乳化重合助剤、合成皮革の柔軟剤及び金属の圧延油等、化合物である硫酸エステルとして洗剤・シャンプー・歯磨き用洗浄基剤、同リン酸エステルとして繊維油剤及び帯電防止剤、同三級アミンとしてリンス基剤、殺菌剤及び繊維処理剤、同フタレートとしてプラスティック可塑剤、同ポリアクリレートとして潤滑油添加剤等、その他エステルとして化粧品基剤に使用されています。

脂肪アミン

油脂から精製されるカルボキシ基をアミノ基に誘導したものであり、単体としては土木分野の道路用アスファルト乳化剤、金属分野の防錆・防食剤、化合物としてリンス基剤、殺菌消毒剤、繊維の柔軟仕上剤、帯電防止剤、シャンプー基剤、液体洗剤用起泡剤等として使用されています。

脂肪酸エステル

油脂から精製される脂肪酸とアルコールがエステル結合した脂肪酸とアルコールからなる化合物で、合成樹脂添加剤(可塑剤、帯電防止剤等)、ワックス、グリース、食品添加剤等として使用されています。

PEG

エチレングリコールが重合した構造をもつ高分子化合物で、他の疎水性分子に結合すれば、非イオン性界面活性剤が得られ、化粧品等の乳化剤に使用されています。

EO誘導体

酸化エチレンの誘導体で、エチレングリコール、エタノールアミン等があり、これらは界面活性剤の原材料として使用されています。

PO誘導体

酸化プロピレンの誘導体で、プロピレングリコール等があり、これらは保水剤や界面活性剤の原材料として使用されています。

FRP

合成樹脂にガラス繊維等の繊維を加えて強度を高めた複合材料のことをいい、軽量で耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れ、成型が比較的容易なことから、広く建築材料やバスタブなどに用いられています。

ジェット・グラウト工法

軟弱な地盤の止水及び強化等を目的として、地中の亀裂及び間隙等に固結剤を注入するグラウト工法の一つで、液体に高い圧力を与えて得られるエネルギーによって地盤を切削破壊し、硬化剤と土とを攪拌混合して地盤を改良する工法です。

ジョッツ・クリート工法

コンクリート構造物の断面修復・補強を目的とした工法の一つで、ポリマーセメントモルタルを用いた湿式吹付技術を用い、液体急結剤を使用することから、初期強度が高く、かつ一度に厚く吹き付けることが可能な工法です。

酸化マグネシウムを使用した汚染土壌の固化・不溶化方法

酸化マグネシウムを汚染土壌に添加、混合することにより、汚染土壌を固化して、重金属等の汚染物質の不溶化を行う汚染土壌改良方法で、フッ素、ヒ素及び鉛の不溶化に優れ、セメント系固化剤と比べてアルカリ度が低く、生物への影響を軽減できます。

 

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業

の内容

議決権の所有

割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

昭栄祥(上海)貿易有限公司(注2)

中国 
上海

1,000千米ドル

化学品事業

100.0

当社取扱商品を販売し、同社取扱商品を仕入れております。

役員の兼任4名

資金貸付あり

SHOEI TRADING (THAILAND)
CO.,LTD.
(注2)

タイ 
バンコク

110,000千タイバーツ

化学品事業

100.0

当社取扱商品を販売し、同社取扱商品を仕入れております。

役員の兼任3名

 

(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。

2.特定子会社であります。

3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

  2023年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

化学品事業

47

3)

日用品事業

5

(―)

土木建設資材事業

4

(―)

全社(共通)

20

4)

合計

76

7)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイト・パート、派遣社員を含みます。)は、年間の平均人員を()外数で記載しております。

2.従業員数には、使用人兼務取締役を含んでおりません。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

  2023年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

58

6)

45.3

16.8

8,493

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

化学品事業

29

2)

日用品事業

5

(―)

土木建設資材事業

4

(―)

全社(共通)

20

4)

合計

58

6)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含みます。)であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイト・パート、派遣社員を含みます。)は、年間の平均人員を()外数で記載しております。

2.従業員数には、使用人兼務取締役を含んでおりません。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(3) 労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、経営理念及び行動規範を次のとおり制定し、これらの実践をとおして「一番にお声がかかる選ばれる会社」となることで、一層の業績向上を目指しております。

① 経営理念

私たちは環境と安全に配慮した価値ある商品の提供と、新しい市場の開発を通じて、真の顧客満足を実現し、企業の発展と社会への貢献を果たします。

私たちは事業の目的を達成するため、業務の有効性及び効率性を高めるための取り組みと、正しい財務報告と資産管理、社会正義に則っての法令遵守を継続していきます。

② 行動規範

一、仕入先には信頼感 

市場の変化や幅広い情報を仕入先と共有し、ニーズに沿った商品の供給と開発を共同で行い、新しい市場を拓きます。これを通じて仕入先との強い信頼関係を築きます。

一、得意先には満足感

自信と誇りを持って価値ある商品を提供します。さらに、ニーズに対応した価値ある提案を行うことにより、お客様の満足を実現し、その繁栄に寄与します。

一、自分自身は責任感

自分の存在価値を仕事の中に見出し、常に自己研鑽に励みます。目標を高く掲げてチャレンジし、スピーディーに責任をもって仕事を達成します。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、持続的な成長と発展の基盤は、利益であるとの認識の下、売上総利益の絶対額の持続的な増加を目標としております。

2024年3月期は、世界景気の減速懸念が予想され、当社グループの連結業績は、売上高24,232百万円(前連結会計年度比1.2%減)、売上総利益は前連結会計年度に比べ81百万円減の1,804百万円(前連結会計年度比4.3%減)を見込んでおります。

(単位:百万円,%)

 

 

2022年3月

2023年3月

2024年3月期[予算]

 

実績

前期比増減率

実績

前期比増減率

予算

前期比増減率

売上総利益額
(連結)

1,650

12.0

1,885

14.3

1,804

△4.3

 

 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、経営者及び従業員等の「人的経営資源」、設備及び資金等の「物的経営資源」、及び情報、ノウハウ、信用力等の「情報的経営資源」の展開を、当社グループの事業ドメインである「オレオケミカルを中心とした化学品分野」に集中的に展開する「集中戦略」を採用しております。

当社グループは、持続的な安定成長、経営リスクの分散の観点から、化学品事業、日用品事業及び土木建設資材事業のそれぞれにおいて、一層の市場の深耕を図る必要があるものと考えております。これら市場の深耕に当たっては、既に有する経営資源のうち、特に当社グループの事業ドメインに係る関連知識、国内外の製品情報、メーカー情報及び営業ノウハウ等の「情報的経営資源」を3事業それぞれが有効に活用することこそが最も重要であり、この徹底をもって3事業間で強い関連を持たせながら効率的な市場の深耕を図ってまいります。

現在の3事業を基本とした集中型市場深耕の展開を選択することで、新しい経営資源の獲得を効率的に行うことが可能になり、また新たに獲得した情報的経営資源を3事業で有効に活用することによって、事業間のシナジー効果の最大化を図り、異業種への事業多角化を図るよりも低リスクで利益貢献の可能性が高い事業展開を推進してまいります。

セグメント別の中長期的な戦略は、次のとおりです。

〔化学品事業〕

当社グループの主たる事業である化学品事業の販売活動は、オレオケミカルを界面活性剤等の原材料として油脂メーカーから仕入れ、界面活性剤等の中間製品メーカー等に販売し、これらの中間製品メーカーが生産した界面活性剤等の化学品を最終製品メーカーに販売する「化学品の原材料流通を川上から川下まで広くカバーするビジネスモデル」を構築している点に特徴があります。

得意先及び仕入先は、常に新商品開発、商品リニューアルにおいて、価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、自社と外部のアイデア等を組み合わせて革新的な価値を創出するオープン・イノベーションを志向する企業が増える中、当社グループが各社の開発テーマや製造上の課題をヒアリングできる機会は徐々に増加しております。当社グループは、これらをビジネスチャンスと捉え、単なる商社機能の枠を超え、油脂・界面活性剤業界に集中して事業活動を行ってきたことから蓄積された知識やノウハウを活用し、これらの企業に対して原材料選定の面から新商品開発の支援を強化することで、既存商品よりも付加価値の高い商品のイノベーションの実現に貢献し、信頼関係を構築することで競合他社との差別化を図り、グローバルでの取引の拡大に繋げてまいります。

〔日用品事業〕

日用品事業は、化学品事業における界面活性剤に関する専門性を活用し、「安心・安全」をテーマとして「簡単・便利」を商品コンセプトに、家庭用洗剤、業務用洗浄剤及び化粧品等の商品を得意先とともに企画し、外部に生産を委託する等によって、相手先ブランド(OEM)で商品を販売しております。また、2016年より当社オリジナル商品の販売を開始し、販売チャネルの拡大に取組んでおります。

大手企業が主に高い洗浄機能に重点を置いた商品開発を行っているのに対し、当社グループは「安心・安全」をテーマにしたニッチな商品企画を得意としており、また化学品事業において日用品の原材料となる多種多様な化学品メーカーとの取引があることから、最適な原材料の調達及び生産委託先の選定を効率的かつ機動的に行うことが可能となっております。

得意先は、新商品開発、商品リニューアルにおいて、常に価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えております。当社グループはこれらをビジネスチャンスと捉え、当社グループが有する情報的経営資源、及び「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に供給できるサプライチェーン」を最大限活用し、得意先の課題を解決する新たな商品の提供を図り、顧客ニーズに対応したエンドユーザー視点での商品差別化だけでなく、「得意先のブランド価値の維持・向上を支える商品提供」を行うことによって、差別化を図ってまいります。

〔土木建設資材事業〕

当社グループは、化学品事業で蓄積した界面活性剤に関する専門的知識を最大限活用するという観点から、土木建設資材の中でも、グラウト(薬液注入)工法等の地盤改良及びコンクリート補修補強工法に使用する材料・添加剤、並びに汚染土壌改良の環境改善薬剤等の販売に経営資源を集中し、特に環境影響に配慮した薬剤選定に強みがあります。

得意先は、土木建設工事において、常に価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、当社グループはこれらをビジネスチャンスと捉え、当社グループが有する情報的経営資源を最大限活用し、ゼネコン等が進める新工法開発の原材料選定に関する技術サポート等を通して取扱工法を増やし、また得意先との信頼関係を強固にすることで、差別化を図ってまいります。

 

 

(4)経営環境

セグメント別の経営環境は、次のとおりです。

〔化学品事業〕

化学品事業とのかかわりの深い界面活性剤業界におきましては、海外経済の減速懸念から鈍化の兆しが見られ、2022年度の生産・販売活動は前年を下回りました。そのような中、上期は比較的、自動車関連や繊維油剤関連の国内主要得意先からの受注(原材料販売)は堅調となりましたが、下期に入り在庫調整等で受注は減少傾向となりました。また、2022年度の天然油脂相場(パーム油)価格は、過去最高値水準から短期間で大幅下落し、下期に入り、下げ止まったものの、不安定な相場となりました。それに伴い仕入・販売価格も上期は高値水準で推移していたものが下期に入り、値下げする商品が増えてきました。

 


※(資料:経済産業省鉱工業生産動態統計室、編集:日本界面活性剤工業会)

 


 

<2022年度 マレーシアパーム油価格推移>

(単位:RM/TONNE)

 

2022年4月

2022年5月

2022年6月

2022年7月

2022年8月

2022年9月

月平均価格

6,759

6,909

5,801

4,056

4,163

3,681

2022年10月

2022年11月

2022年12月

2023年1月

2023年2月

2023年3月

月平均価格

3,749

4,068

3,941

3,908

3,979

4,139

 

 

※(出典:Malaysia Prices of Crude Palm Oil(当該ページURL:http://www.mpob.gov.my)のデータをもとに当社にて加工して作成)

 

〔日用品事業〕

日用品事業におきましては、量販店向けルートで取扱う一部商品(コロナ関連グッズ)の売行きは堅調となりましたが、全体での売行きは、物価上昇に伴う買い控え等で低迷しました。また、利益面では原材料高や包材、物流費等のコストアップの影響を受け、厳しい事業環境となりました。

 

〔土木建設資材事業〕

土木建設資材事業におきましては、広くは国内の土木建設投資の増減に影響を受けます。国土交通省から報道発表されている令和四年度建設投資見通しは、66兆9,900億円(前年度比0.6%増)となっておりますが、当事業の取扱商品とかかわりの深い地盤改良工事、コンクリート補修補強工事において新規大型物件の発注遅れ等により工事に使用される材料・添加剤等の販売は低迷しました。また、環境関連薬剤の販売についても、一部、災害復興関連工事で使用される汚染土壌薬剤やバイオレメディエーション(微生物等の分解能力を用いて土壌、環境汚染を修復する技術)用浄化促進剤の販売は堅調に推移するものの、新規大型物件等の受注も少なく伸び悩みました。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、「オレオケミカルを中心とした化学品分野」を事業ドメインとし、役員及び従業員等の人的経営資源、設備及び資金等の物的経営資源、並びに関連情報、営業ノウハウ等の情報的経営資源を、当該事業ドメインに集中的に展開し、化学品事業、日用品事業及び土木建設資材事業のそれぞれにおいて一層の市場深耕を図る「集中型市場深耕モデル」をビジネスモデルとしております。当社グループは、このビジネスモデルを基礎として持続的な企業の成長を推進し、一層の企業価値の向上を図るため、以下の事項を今後の課題と考え、対処してまいります。

 

① グローバル・ネットワークの構築

当社グループは、事業間のシナジー追求はもとより、国内外のシナジーを一層強化するため、国内外の情報的経営資源を整理し、各事業において有効に活用する仕組みの構築に取組んでおります。しかし、国内外の事業活動で蓄積された情報的経営資源の共有はなされているものの、これらを活用した得意先への提案活動はまだ十分なレベルとはいえません。とりわけ海外子会社は、国内事業との一層の連携強化により、早期に国内と同等レベルまでの提案力の向上を図り、海外における事業ノウハウの蓄積、国内事業へのフィードバックによるシナジーの最大化が不可欠であり、国内事業だけでは成し得ない新たな顧客価値を創造する「グローバル・ネットワークの構築」が課題であると考えております。

② 組織機能の向上及び人材の育成

当社グループは、持続的な企業価値の向上を図るため、またあらゆる経営課題を克服するために、マーケティング、営業及び仕入、並びに人事、財務及びその他管理等の個々の組織機能の関連性を強化し、継続して向上させることが課題と認識しております。

また、当社グループは、これらの組織機能を支える重要な要素である人材について、かねてから外部研修を利用する等してその育成に努めておりますが、今後も経営環境の変化に対して組織機能別に関連した組織機能と連動して機動的に対応できる人材の確保及び育成は、継続的な課題であると認識しております。

③ コア・コンピタンスの継続的な向上及び効果の最大化

当社グループは、化学品事業においては「得意先が求める顧客価値の実現を原材料選定の面から支援する仕組み」、日用品事業においては、「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に商品を供給できるサプライチェーン」、土木建設資材事業においては、「新工法の開発支援、工事目的に応じた工法提案等の技術サポート力」を有することが、3事業それぞれのコア・コンピタンスと考えております。これらのコア・コンピタンスは普遍的な側面を有する一方で、市場の環境変化や技術革新等による陳腐化の可能性を有しています。

当社グループは、事業活動の顧客にとっての付加価値、すなわち取引先のバリュー・チェーン及び顧客価値の創造に好影響を与え続けることができるよう、それぞれのコア・コンピタンスの継続的な向上が課題であると考えております。

また、これらコア・コンピタンスの有する効果の最大化についても経営上の重要な課題であると認識しており、事業別に以下の事項を中期的に取り組むべき主要な事項としております。

〔化学品事業〕

新興国の化学品メーカーの新規開拓等によって新たな戦略商品、取扱商品のラインアップの強化及びサプライチェーンの拡充・拡大、環境関連ビジネスへの展開推進を図る。

〔日用品事業〕

国内を中心とするサプライチェーンを活用し、安心安全をテーマにした商品企画の強化及び販売チャネルの拡大を図る。

〔土木建設資材事業〕

全国の土木建設投資の幅広い需要獲得のため、メーカー、二次販売店への情報収集、販売強化及び新工法・新規商品開発のための得意先との連携強化を図る。

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 取扱商品について

当社グループの主たる取扱商品は天然油脂由来の油脂化学品であるオレオケミカル及びこれらを主たる原材料とした化学品であり、オレオケミカル分野に係る化学品等の需要動向、パーム油等の天然油脂の市況変動及び為替変動の影響を受けており、また当該分野の商品については、天然油脂の原材料であるアブラヤシ等の天候不順等による不作の影響を受けることがあります。当社グループは、引続き取扱商品の仕入価格の変動に応じた販売価格の見直しにより、適正な利潤を維持する方針でありますが、これらに著しい変動が生じた場合には、化学品事業等においては取扱商品の価格変動に伴うマージンの増減並びに取扱商品の供給量の不足等により、日用品事業においては利益率の変動等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

なお、オレオケミカル分野の化学品については、自然派志向や環境負荷への配慮等の意識の高まりから、その需要は底堅く推移するものと認識しておりますが、一部の工業用途等においては石油化学製品との競合もあり、これらの動向等についても、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (2) 主要な取引先との関係について

当社グループにおいて、花王株式会社は主要な取引先(仕入先及び販売先)であります。同社との取引は、1951年に脂肪酸及び脂肪酸誘導体の仕入取引を開始して以降、長年にわたるものであり、当社は現在、同社ケミカル事業の国内主要代理店に指定されております。

同社からの仕入金額は当社グループの仕入総額の約4割を占めており、その依存度は高い状況にあるほか、同社との関係が当社グループの事業基盤となっております。当社グループは、販売代理店として同社との強固な関係を維持し、今後も取引の維持拡大を図っていく方針でありますが、同社における販売戦略等に重要な変更が生じた場合、その他何らかの事情により、同社から当社への商品供給に著しい支障をきたし、若しくは商品供給が不能になった場合は、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は長期保有目的で主要取引先の株式を複数保有しております。2023年3月期末における投資有価証券残高は4,536,808千円であり連結総資産額の30.7%を占めており、うち同社株式は同3,590,599千円(連結総資産の24.3%)であります。当社はこれら保有株式に係る剰余金の配当を受領しております。当該受取配当金の額は2023年3月期において130,715千円であり、うち同社株式に係る受取配当金は102,846千円となっております。

これらの状況から、同社株式をはじめとする保有投資有価証券に係る株価の変動、配当金の増減が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外展開について

当社グループは、中国及びタイをはじめとするアジア諸国での事業展開を強化しております。各国での事業推進に当たっては、それぞれの国における経済環境や政治情勢を常に注視しながらその展開を図っておりますが、予期せぬ法規制の変更、テロ、紛争その他予期し得ない政治または社会情勢の変動、景気動向及び為替等の経済情勢の変化、文化及び商習慣の違いに関するリスクの顕在化等、事業環境に変化が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは海外展開に当たっては、主に国内企業の海外生産拠点を取引先として事業活動を行っており、これらの日系企業の化学品需要の獲得に努めております。しかしながら、これらの対策が奏功せず、取引先の海外展開に十分な対応ができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 経済環境について

当社グループの事業は様々な産業分野に関連しており、当社グループの業績は産業分野個別の好不調の影響を受けにくい反面、国内全体の景気動向とともに、海外諸国の経済情勢の影響を直接および間接的に受けます。今後の経済情勢の動向によっては、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 人材確保について

当社グループが持続的な成長をしていくためには、高度な専門知識を有する人材の確保と育成が重要と考えております。しかしながら、雇用環境の変化や人材獲得競争の激化等により、人材の確保や育成、維持が出来なかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 競合他社との競争環境について

当社グループは、「オレオケミカルを中心とした化学品分野」を事業ドメインとして、事業活動を行っておりますが、当社グループのようにオレオケミカル分野に係る化学品を主たる取扱商品としていなくとも、オレオケミカル分野の化学品を取扱う企業は存在し、これらの企業とは取扱商品のラインアップ、品質及び価格等を含めた競争関係にあります。

当社グループは、オレオケミカル分野を中心とした専門的知識を蓄積、共有し、また国内外における既存仕入先との関係強化及び新規仕入先の開拓等による取扱商品の拡充等により、顧客に対する提案活動の強化に努める等の差別化を図っております。しかしながら、何らかの要因でこれらの対策が奏功しない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 為替相場の変動について

当社グループは、外貨建取引において為替変動リスクに晒されております。当社グループでは、為替予約等によりリスクを低減させる措置を講じておりますが、為替相場の変動により影響を受ける可能性があります。また、海外の連結子会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されますが、為替の変動によって当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 売上債権管理について

当社グループは、取引先の信用管理につきましては、定性的及び定量的な面から取引先を評価し与信限度額を設定しており、その範囲内で取引が実行できているかを日々モニタリングをしております。また、一定の条件を充たす取引先に関しては、外部信用調査機関による信用調査情報に基づいて与信限度額の見直しを年次で行っており、不良債権の発生防止に努めております。しかしながら、経営環境の変化等に起因して取引先の信用が悪化する等により債権回収が不能又は著しく困難となった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製造物責任について

当社グループの取扱う一部商品(化学品事業における輸入商品及び日用品事業における外部製造委託の商品等)は、製造物責任法による規制を受けており、当社グループは万一の製造物責任事故による損害賠償リスクに備える生産物賠償責任保険(PL保険)に加入しておりますが、同保険が賠償責任額を十分にカバーできるという保証はなく、製造物責任による多額の損害賠償が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 取引先に係る機密情報管理について

当社グループは、事業活動を通じて、取引先の商品開発等の機密情報を入手することがあります。これらの機密情報の管理については、情報セキュリティ管理規程を定め、情報セキュリティ担当役員を統括責任者として、その徹底を図っております。しかしながら、万が一これら機密情報の漏洩事故等が生じた場合には、当社グループの信用が著しく低下し、また損害賠償責任を負う等、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 自然災害・感染症等について

当社グループは、地震等の自然災害や新型インフルエンザ等が発生した場合に備え、従業員の安否確認やBCP(事業継続計画)実行のためのマニュアル作成・教育等の対策を講じております。しかしながら、被害や影響を完全に回避することは困難であり、更には仕入先や販売先が被害や影響を受けることもあります。そのような場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 法規制について

当社グループは、事業活動を展開している日本、中国及び東南アジア等において、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」をはじめとする関係法令(海外においてはこれらに相当する法令)により、各種許認可や環境規制等の適用を受けております。これら法規制の大幅な変更・強化及び予期しない法令の変更等により、事業活動の制限、追加の費用等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 知的財産権について

当社グループは、主に土木建設資材事業においてゼネコン等が進める新工法開発の原材料に関する技術サポート等を通して共同で特許権等の知的財産権を取得することがあります。これらの共同保有の知的財産権がその権利保護に十分であるという保証はなく、第三者により知的財産権の侵害を主張され、また第三者がこれらの知的財産権を侵害して不正に使用する可能性があります。現時点においては、過去に知的財産権に係る重要な係争・紛争が生じた事例はありませんが、万が一これらの知的財産権に係る係争・紛争が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 取引先との取引基本契約の締結について

当社グループは、仕入及び販売取引に際して、継続的取引先とは取引基本契約書を締結することを原則としておりますが、既存取引先との過去からの取引慣行、及び取引先の方針等により、必ずしも取引基本契約書を締結しておりません。取引に係る基本的な事項については、取引の対象となる取扱商品の規格書、見積書及びこれに基づく注文書、並びに取引確認書等によってその明確化に努めております。

当社グループにおいては、現時点で通常取引における支障は生じておりませんが、当社グループ及び取引先との取引に関して明確な取決めがなされていない事項について、何らかの問題が生じた場合は、当該取引先との関係が悪化し、また係争に発展する可能性があり、結果的に当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が長期化した中、政府による景気支援策や行動制限の緩和により経済社会活動が徐々に正常化し、景気も緩やかに持ち直しの動きが見られました。しかしながら、世界経済はウクライナ情勢等の影響で資源価格が高騰しインフレ懸念、急激な為替変動など、先行きは依然不透明な状況が続いております。

このような環境の下、当社グループの事業とかかわりの深い界面活性剤業界は、海外経済に鈍化の兆しが見られ、生産・販売活動とも前年を下回りました。

こうした中、当社グループにおいても在宅勤務やオンライン商談等を活用し、化学品事業におけるオレオケミカルを中心とした既存得意先への拡販・拡充、環境ソリューションビジネスの提案、新興国化学品の販売拡大に取組んでまいりました。また、仕入・販売価格に影響を及ぼすオレオケミカルを中心とした天然油脂相場価格は過去最高値水準から大きく下落し、下期に入り下げ止まったものの、仕入・販売価格は不安定な1年となりました。

ただ、年間を通して得意先からの受注数量が堅調であったことと販売価格が上期比較的高値水準であったことから、上期の好業績が大きく寄与し、これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高が24,529,038千円前連結会計年度比16.0%増)、営業利益が488,215千円前連結会計年度比61.5%増)、経常利益が673,545千円前連結会計年度比41.8%増)となり、それぞれ過去最高額を記録しました。親会社株主に帰属する当期純利益は前年度に計上した投資有価証券売却益がなくなったことにより484,559千円前連結会計年度比16.3%減)となりました。

また、当社グループの目標とする経営指標における売上総利益の絶対額の持続的な増加については、当初計画数値を大きく上回り、前年実績から235,221千円増加した1,885,675千円(前連結会計年度比14.3%増)となり達成することができました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、各セグメントの売上高は外部顧客への売上高を表示し、セグメント損益は連結損益計算書における営業損益(営業利益又は営業損失)をベースとしております。また、各セグメントの営業損益のほかに、各セグメントに帰属しない全社費用170,847千円前連結会計年度比3.7%減)があります。

① 化学品事業

化学品事業におきましては、上期は円安や海外需要に支えられ、自動車関連や繊維油剤関連の国内主要得意先からの受注は堅調に推移しましたが、下期は海外経済の減速懸念の影響から在庫調整等で受注が減少傾向となりました。また、販売価格については、上期は資源高同様に高値水準で推移したものの、下期からは市況の変化に伴い、値下げ基調となりました。

この結果、化学品事業に係る当連結会計年度の売上高は22,583,500千円前連結会計年度比18.9%増)、セグメント利益は600,204千円前連結会計年度比57.6%増)となりました。

② 日用品事業

日用品事業におきましては、当事業が取扱う掃除用関連商品や生活日用品(洗浄剤や用途別脱臭剤等)の定番商品や量販店向けルートで取扱う一部商品(コロナ関連グッズ)の売行きは堅調となりましたが、全体での売行きは、物価上昇に伴う買い控え等で低迷しました。また、利益面でも原材料高や包材、物流費等のコストアップの影響を受け、厳しい事業環境となりました。

この結果、日用品事業に係る当連結会計年度の売上高は830,221千円前連結会計年度比4.6%減)、セグメント利益は87,119千円前連結会計年度比24.3%減)となりました。

③ 土木建設資材事業

土木建設資材事業におきましては、当事業の取扱商品とかかわりの深い地盤改良工事、コンクリート補修補強工事は依然低調で、工事に使用される材料・添加剤等の販売は低迷しました。一方、災害復興関連工事等の環境関連工事で使用される環境関連薬剤やバイオレメディエーション(微生物等の分解能力を用いて土壌、環境汚染を修復する技術)用浄化促進剤の販売については堅調に推移するものの、新規大型物件等の受注も少なく、伸び悩みました。

この結果、土木建設資材事業に係る当連結会計年度の売上高は1,115,316千円前連結会計年度比12.7%減)、セグメント損失は28,260千円(前連結会計年度は16,053千円のセグメント損失)となりました。

 

 

〔2023年3月期 セグメント別連結業績〕

(単位:千円,%)

 

セグメント区分

セグメント別売上高

セグメント損益(営業損益)

 

実績

百分比

前期比増減率

実績

利益率

前期比増減率

化学品事業

22,583,500

92.1

18.9

600,204

2.7

57.6

日用品事業

830,221

3.4

△4.6

87,119

10.5

△24.3

土木建設資材事業

1,115,316

4.5

△12.7

△28,260

全社費用

△170,847

△3.7

セグメント合計

24,529,038

100.0

16.0

488,215

2.0

61.5

 

(注)1.セグメント別売上高は、各セグメントの外部顧客への売上高を表示しております。

2.セグメント損益は、各セグメントの営業利益又は営業損失(△)を表示しております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

該当事項はありません。

 

② 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

商品仕入高(千円)

前年同期比(%)

化学品事業

20,971,303

16.5

日用品事業

573,939

0.2

土木建設資材事業

1,009,279

△14.3

合計

22,554,522

14.2

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

       

③ 受注実績

受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。

 

④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

化学品事業

22,583,500

18.9

日用品事業

830,221

△4.6

土木建設資材事業

1,115,316

△12.7

合計

24,529,038

16.0

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

三洋化成工業株式会社

2,169,470

10.3

2,541,787

10.4

 

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は14,798,019千円前連結会計年度末比317,156千円増加)、負債は7,427,798千円前連結会計年度末比102,687千円減少)、純資産は7,370,220千円前連結会計年度末比419,843千円増加)となりました。

主な増減要因は、次のとおりであります。

 

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は9,558,530千円となり、前連結会計年度末に比べ163,839千円増加しました。主な要因は、売上債権が83,361千円、商品が38,460千円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が373,478千円増加したことによるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は5,239,489千円となり、前連結会計年度末に比べ153,316千円増加しました。主な要因は、保有投資有価証券の時価変動等により投資有価証券が152,387千円増加したことによるものです。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は6,119,838千円となり、前連結会計年度末に比べ145,008千円減少しました。主な要因は、未払法人税等が147,801千円、短期借入金が56,347千円それぞれ減少したことによるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は1,307,960千円となり、前連結会計年度末に比べ42,320千円増加しました。主な要因は、繰延税金負債が43,511千円増加したことによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は7,370,220千円となり、前連結会計年度末に比べ419,843千円増加しました。主な要因は、利益剰余金339,446千円、保有投資有価証券の時価変動によりその他有価証券評価差額金94,175千円それぞれ増加したことによるものです。

 

なお、当社グループでは、経営の意思決定上、資産及び負債を各セグメントに配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載を省略しております。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、営業活動の結果獲得した資金が644,570千円投資活動の結果使用した資金が30,110千円財務活動の結果使用した資金が269,324千円であったこと等により、前連結会計年度に比べ347,578千円増加1,260,944千円となりました。

当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は644,570千円前連結会計年度は398,371千円の資金の使用)となりました。主な要因は、法人税等の支払額328,070千円があった一方で、税金等調整前当期純利益673,545千円、売上債権の減少額105,946千円、未払消費税等の増加額47,069千円、棚卸資産の減少額46,742千円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は30,110千円前連結会計年度は382,729千円の資金の獲得)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出17,597千円有形固定資産の取得による支出10,055千円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は269,324千円前連結会計年度は62,477千円の資金の使用)となりました。要因は、配当金の支払額145,113千円、自己株式の取得による支出63,371千円、短期借入金の減少額60,840千円があったことによるものです。

 

資本の財源及び資金の流動性に係る情報は、次のとおりであります。

① 主要な資金需要及び財源

当社グループの主要な資金需要は、原材料、販売費及び一般管理費、並びにシステム投資等の投資であります。

また今後、当社グループの収益の源泉として、事業間及び国内外間のシナジーを追及し売上高の増加を目指してまいります。

② 資金の流動性
突発的な資金需要に対して、迅速かつ確実に資金を調達できるよう、20億円の当座借越枠を取得しており、流動性リスクに備えております。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年3月

2022年3月

2023年3月

自己資本比率(%)

52.3

48.0

49.8

時価ベースの自己資本比率(%)

23.2

25.3

22.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.2

1.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

76.8

266.2

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。

4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

5.「キャッシュ・フロー/利払い」は、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を利用しております。

6.2022年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社グループの経営上の重要な契約は次のとおりです。

 

相手方の名称

内容

契約期間

花王株式会社

花王株式会社が当社に対して同社製品を継続的に供給販売し、当社がこれを継続的に購入し、第三者への販売を行う契約

2020年4月1日から

2021年3月31日まで

以後1年毎自動更新

 

 

2 【主要な設備の状況】

当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、次のとおりであります。

(1) 提出会社

  2023年3月31日現在

事業所名

(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業
員数

(名)

建物

構築物

土地

(面積㎡)

機械装置及び運搬具

工具、
器具及び
備品

合計

本社

(大阪市中央区)

全社共通

管理及び
販売業務
設備

132,595

2,174

26,941

(361.74)

0

6,215

167,927

38

 

(注) 現在休止中の主要な設備はありません。

 

(2) 在外子会社

重要な設備はありません。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

11,610,000

11,610,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月26日)

上場金融商品取引所名

又は登録認可金融商品

取引業協会名

内容

普通株式

3,579,105

3,579,105

東京証券取引所
スタンダード市場

単元株式数100株

3,579,105

3,579,105

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式

総数増減数

(株)

発行済株式

総数残高

(株)

資本金増減額

 

(千円)

資本金残高

 

(千円)

資本準備金

増減額

(千円)

資本準備金

残高

(千円)

2018年12月1日
(注)1

2,386,070

3,579,105

248,169

167,145

 

(注) 1.株式分割(1:3)による増加であります。

 

(5) 【所有者別状況】

  2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び

地方公共

団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数
(人)

1

15

38

17

2

2,116

2,189

所有株式数
(単元)

25

398

8,003

1,702

8

25,619

35,755

3,605

所有株式数の割合(%)

0.07

1.11

22.38

4.76

0.02

71.66

100.00

 

(注)自己株式186,230株は、「個人その他」に1,862単元、「単元未満株式の状況」に30株含まれております。

 

 

(6) 【大株主の状況】

  2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

昭栄薬品社員持株会

大阪府大阪市中央区安土町1丁目5-1
船場昭栄ビル

496,985

14.65

鐵野 磨輝男

兵庫県伊丹市

395,205

11.65

大阪中小企業投資育成株式会社

大阪府大阪市北区中之島3丁目3番23号

307,500

9.06

光通信株式会社

東京都豊島区西池袋1丁目4-10

220,700

6.50

Black Clover Limited
(常任代理人 三田証券株式会社)

Sertus Chambers,Second Floor,
The Quadrant,Manglier Street,
P.O.Box 334,Victoria,Mahe,
Republic of Seychelles
(東京都中央区日本橋兜町3-11)

122,400

3.61

藤原 佐一郎

大阪府泉大津市

106,035

3.13

渡邉 健司

群馬県吾妻郡草津町

102,200

3.01

小林 節夫

東京都江戸川区

101,700

3.00

内野 佐斗司

大阪府吹田市

80,480

2.37

西巻 俊樹

兵庫県西宮市

80,075

2.36

2,013,280

59.34

 

(注)1.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入してお ります。

 2.上記のほか当社所有の自己株式186,230株があります。

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

1,153,465

1,526,944

 

 

受取手形

839,335

769,226

 

 

電子記録債権

910,250

1,046,914

 

 

売掛金

5,659,106

5,509,190

 

 

商品

654,288

615,827

 

 

その他

178,755

90,679

 

 

貸倒引当金

512

253

 

 

流動資産合計

9,394,690

9,558,530

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物

502,614

503,408

 

 

 

 

減価償却累計額

358,841

366,467

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

143,773

136,940

 

 

 

機械装置及び運搬具

15,300

15,300

 

 

 

 

減価償却累計額

15,300

15,300

 

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

0

0

 

 

 

工具、器具及び備品

67,316

75,221

 

 

 

 

減価償却累計額

58,446

62,937

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

8,870

12,283

 

 

 

土地

26,941

26,941

 

 

 

有形固定資産合計

179,585

176,166

 

 

無形固定資産

2,495

1,867

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※1 4,384,421

※1 4,536,808

 

 

 

敷金及び保証金

※1 341,718

※1 347,700

 

 

 

その他

183,517

180,751

 

 

 

貸倒引当金

5,564

3,804

 

 

 

投資その他の資産合計

4,904,091

5,061,455

 

 

固定資産合計

5,086,172

5,239,489

 

資産合計

14,480,863

14,798,019

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

※1 5,197,005

※1 5,193,009

 

 

短期借入金

※1 706,347

※1 650,000

 

 

未払法人税等

201,376

53,574

 

 

賞与引当金

79,768

80,047

 

 

その他

※2 80,349

※2 143,206

 

 

流動負債合計

6,264,846

6,119,838

 

固定負債

 

 

 

 

退職給付に係る負債

55,122

53,690

 

 

長期未払金

126,554

127,383

 

 

繰延税金負債

1,051,851

1,095,363

 

 

その他

32,111

31,522

 

 

固定負債合計

1,265,639

1,307,960

 

負債合計

7,530,486

7,427,798

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

248,169

248,169

 

 

資本剰余金

173,568

173,568

 

 

利益剰余金

3,956,794

4,296,241

 

 

自己株式

114,909

178,087

 

 

株主資本合計

4,263,622

4,539,890

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

2,565,643

2,659,819

 

 

為替換算調整勘定

121,111

170,510

 

 

その他の包括利益累計額合計

2,686,754

2,830,330

 

純資産合計

6,950,376

7,370,220

負債純資産合計

14,480,863

14,798,019

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 21,147,821

※1 24,529,038

売上原価

※2 19,497,367

※2 22,643,362

売上総利益

1,650,454

1,885,675

販売費及び一般管理費

※3 1,348,117

※3 1,397,460

営業利益

302,336

488,215

営業外収益

 

 

 

受取利息

5,212

5,491

 

受取配当金

130,535

130,715

 

為替差益

21,773

33,567

 

不動産賃貸料

22,148

22,148

 

その他

9,293

6,292

 

営業外収益合計

188,964

198,215

営業外費用

 

 

 

支払利息

3,975

2,421

 

不動産賃貸原価

11,580

9,583

 

その他

849

880

 

営業外費用合計

16,405

12,885

経常利益

474,894

673,545

特別利益

 

 

 

投資有価証券売却益

370,010

-

 

特別利益合計

370,010

-

税金等調整前当期純利益

844,904

673,545

法人税、住民税及び事業税

250,607

186,088

法人税等調整額

15,657

2,897

法人税等合計

266,264

188,986

当期純利益

578,640

484,559

親会社株主に帰属する当期純利益

578,640

484,559

 

1.報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、化学品事業、日用品事業、土木建設資材事業の3事業で組織が構成されており、各事業単位で包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

従って、当社は、「化学品事業」、「日用品事業」及び「土木建設資材事業」の3事業を報告セグメントとしております。

「化学品事業」は、脂肪アルコール、脂肪酸、界面活性剤、石油化学製品等の販売を、「日用品事業」は、洗剤、化粧品、各種アイデア雑貨等の企画開発及び販売を、「土木建設資材事業」は、地盤改良薬剤、補修材料、環境改善薬剤等を販売しております。

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

667,818

946,489

 

 

受取手形

809,847

731,269

 

 

電子記録債権

910,250

1,046,914

 

 

売掛金

※2 5,698,742

※2 5,490,500

 

 

商品

601,631

511,740

 

 

前渡金

23,255

34,626

 

 

前払費用

27,559

19,373

 

 

その他

※2 31,568

※2 13,009

 

 

貸倒引当金

534

261

 

 

流動資産合計

8,770,138

8,793,662

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

141,436

134,766

 

 

 

構築物

2,336

2,174

 

 

 

機械及び装置

0

0

 

 

 

車両運搬具

0

0

 

 

 

工具、器具及び備品

7,018

9,688

 

 

 

土地

26,941

26,941

 

 

 

有形固定資産合計

177,732

173,570

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

1,193

565

 

 

 

その他

1,301

1,301

 

 

 

無形固定資産合計

2,495

1,867

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

※1 4,384,421

※1 4,536,808

 

 

 

関係会社株式

293,653

293,653

 

 

 

関係会社出資金

99,451

99,451

 

 

 

関係会社長期貸付金

33,045

36,053

 

 

 

敷金及び保証金

※1 336,635

※1 341,498

 

 

 

その他

178,809

175,613

 

 

 

貸倒引当金

5,564

3,804

 

 

 

投資その他の資産合計

5,320,451

5,479,273

 

 

固定資産合計

5,500,680

5,654,711

 

資産合計

14,270,819

14,448,374

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

538,314

706,263

 

 

買掛金

※1 4,630,433

※1 4,382,677

 

 

短期借入金

※1 650,000

※1 650,000

 

 

未払金

18,597

22,538

 

 

未払費用

26,916

48,131

 

 

未払法人税等

195,052

48,393

 

 

賞与引当金

79,768

80,047

 

 

その他

29,867

65,901

 

 

流動負債合計

6,168,949

6,003,952

 

固定負債

 

 

 

 

退職給付引当金

55,122

53,690

 

 

長期未払金

110,789

110,789

 

 

繰延税金負債

1,048,329

1,091,058

 

 

その他

32,111

31,522

 

 

固定負債合計

1,246,353

1,287,061

 

負債合計

7,415,303

7,291,013

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

248,169

248,169

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

167,145

167,145

 

 

 

その他資本剰余金

6,423

6,423

 

 

 

資本剰余金合計

173,568

173,568

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

20,256

20,256

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

別途積立金

1,270,000

1,270,000

 

 

 

 

繰越利益剰余金

2,692,789

2,963,635

 

 

 

利益剰余金合計

3,983,045

4,253,891

 

 

自己株式

114,909

178,087

 

 

株主資本合計

4,289,872

4,497,540

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

2,565,643

2,659,819

 

 

評価・換算差額等合計

2,565,643

2,659,819

 

純資産合計

6,855,516

7,157,360

負債純資産合計

14,270,819

14,448,374

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※2 20,549,925

※2 23,407,040

売上原価

※2 19,067,497

※2 21,798,190

売上総利益

1,482,428

1,608,850

販売費及び一般管理費

※1 1,189,200

※1 1,199,550

営業利益

293,228

409,299

営業外収益

 

 

 

受取利息

※2 5,098

※2 5,288

 

受取配当金

130,535

※2 149,962

 

為替差益

12,861

12,682

 

不動産賃貸料

22,148

22,148

 

その他

8,527

6,240

 

営業外収益合計

179,172

196,321

営業外費用

 

 

 

支払利息

1,794

1,395

 

不動産賃貸原価

11,580

9,583

 

その他

849

880

 

営業外費用合計

14,224

11,858

経常利益

458,176

593,762

特別利益

 

 

 

投資有価証券売却益

370,010

-

 

特別利益合計

370,010

-

税引前当期純利益

828,186

593,762

法人税、住民税及び事業税

243,792

175,688

法人税等調整額

13,068

2,114

法人税等合計

256,861

177,803

当期純利益

571,324

415,959