株式会社ファンペップ
茨木市彩都あさぎ七丁目7-15
証券コード:48810
業界:医薬品
有価証券報告書の提出日:2023年3月30日

(1)連結経営指標等

 

回次

第6期

第7期

第8期

第9期

第10期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

事業収益

(千円)

1,067

経常損失(△)

(千円)

1,175,229

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

1,172,515

包括利益

(千円)

1,172,515

純資産額

(千円)

2,694,585

総資産額

(千円)

2,992,694

1株当たり純資産額

(円)

125.79

1株当たり当期純損失(△)

(円)

61.04

潜在株式調整後1株当たり

当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

89.95

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

1,053,151

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

19,141

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

245,125

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

2,245,438

従業員数

(人)

14

(外、平均臨時雇用者数)

(-)

(-)

(-)

(-)

(2)

 

(注)1.第10期連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、それ以前については記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、新株予約権が存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

4.自己資本利益率及び株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載しておりません。

5.従業員数は就業人員であり、使用人兼務役員を含んでおります。なお、臨時雇用者数は、年間の平均人員を外数で記載しております。

 

 

(2)提出会社の経営指標等

 

回次

第6期

第7期

第8期

第9期

第10期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

事業収益

(千円)

355,866

301,417

2,970

126,869

1,067

経常損失(△)

(千円)

8,744

232,293

505,080

679,654

1,158,000

当期純損失(△)

(千円)

11,937

235,183

507,930

682,265

1,150,617

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

634,540

634,540

2,207,410

2,350,451

2,474,634

発行済株式総数

(株)

11,614,300

11,614,300

16,746,700

17,786,100

21,399,900

純資産額

(千円)

1,165,906

930,723

3,568,534

3,176,039

2,716,483

総資産額

(千円)

1,377,016

1,016,683

3,720,623

3,364,713

2,891,945

1株当たり純資産額

(円)

100.39

80.14

213.09

178.57

126.81

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純損失(△)

(円)

1.06

20.25

40.37

39.58

59.90

潜在株式調整後1株当たり

当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

84.67

91.55

95.91

94.28

93.84

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

11,736

345,895

413,950

887,466

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

2,134

1,005

4,753

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

459,247

3,138,221

282,680

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,239,307

892,406

3,616,677

3,007,138

従業員数

(人)

11

10

10

15

14

(外、平均臨時雇用者数)

(-)

(-)

(-)

(-)

(2)

株主総利回り

(%)

44.6

25.0

(比較指標:マザーズ指数)

(%)

(-)

(-)

(-)

(82.6)

(61.0)

最高株価

(円)

843

744

307

最低株価

(円)

609

238

146

 

(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2.第10期より連結財務諸表を作成しているため、持分法を適用した場合の投資利益、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フロー及び現金及び現金同等物の期末残高は記載しておりません。

3.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第6期及び第7期については、新株予約権が存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので、また、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。また、第8期、第9期及び第10期については、新株予約権が存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

5.自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

 

6.第6期及び第7期の株価収益率については、当社株式は非上場であるため記載しておりません。また、第8期、第9期及び第10期の株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

7.従業員数は就業人員であり、使用人兼務役員を含んでおります。なお、第6期、第7期、第8期及び第9期の臨時雇用者数は、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。また、第10期の臨時雇用者数は、年間の平均人員を外数で記載しております。

8.当社は、2020年12月25日をもって東京証券取引所マザーズ市場に上場しており、株主総利回り及び比較指標については、第8期の末日における株価及び株価指数を基準として算出しております。そのため、第8期以前の株主総利回り及び比較指数は記載しておりません。

9.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所グロース市場におけるものであり、それ以前は東京証券取引所マザーズ市場におけるものであります。

なお、2020年12月25日をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。

 

 

2【沿革】

当社は、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチドを医薬品、化粧品等として開発することを目的として、2013年10月に設立した創薬系バイオベンチャーであります。

 

年月

事項

2013年10月

東京都渋谷区において株式会社ファンペップ(資本金1百万円)を設立

2015年3月

アンジェスMG株式会社(現アンジェス株式会社)との間で機能性ペプチド(SR-0379及びキュアペプチン等)の知的財産権の移転を伴う現物出資契約を締結

2015年4月

東京都港区に東京オフィスを新設

2015年6月

大阪府茨木市に大阪オフィスを新設

2015年7月

大阪大学との間で抗体誘導ペプチドに関する共同研究を開始

2015年10月

塩野義製薬株式会社との間で機能性ペプチドSR-0379に関するライセンス契約を締結

2016年1月

本店登記地を大阪府茨木市(大阪オフィス)に変更

東京都渋谷区に東京オフィスを移転

2016年2月

株式会社メディパルホールディングスとの間で抗体誘導ペプチドの研究開発支援に関する提携基本契約を締結

2016年9月

大日本住友製薬株式会社(現住友ファーマ株式会社)との間で標的タンパク質IL-17Aに関する抗体誘導ペプチドの共同研究を開始

2018年3月

大日本住友製薬株式会社(現住友ファーマ株式会社)との間で抗体誘導ペプチドFPP003に関するオプション契約を締結

2018年7月

塩野義製薬株式会社が機能性ペプチドSR-0379の皮膚潰瘍を対象とする日本での第Ⅱ相臨床試験を開始

2019年4月

抗体誘導ペプチドFPP003の尋常性乾癬を対象とするオーストラリアでの第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験を開始

2019年5月

大阪府吹田市に千里オフィスを開設

大阪オフィスを彩都オフィスに改称

2020年12月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2021年6月

機能性ペプチドSR-0379の皮膚潰瘍を対象とする日本での第Ⅲ相臨床試験を開始

本店登記地を大阪府茨木市内で変更(彩都オフィスを閉鎖)

千里オフィスを千里リサーチセンターに改称

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場に移行

2022年10月

アンチエイジングペプタイド株式会社を株式交換により完全子会社化

2022年11月

東京都中央区に東京オフィスを移転

 

 

 

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社ファンペップ)及び子会社1社(アンチエイジングペプタイド株式会社)により構成されており、医薬品等の研究開発事業を主たる業務としております。

当社グループは、医薬品等の研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの情報は記載しておりません。

なお、「(*)」を付している用語及び出所については、「3 事業の内容」の末尾に用語解説及び参考文献を設け、説明しております。

 

当社は、2022年10月1日付で株式交換を実施し、当社に対して抗体誘導ペプチドに関する知的財産権を許諾しているアンチエイジングペプタイド株式会社を完全子会社化しました。当社は、アンチエイジングペプタイド株式会社をグループ内に取り込むことにより、①医薬品分野において抗体誘導ペプチドのコア技術であるAJP001の知的財産基盤を統合強化し、②化粧品分野においてはアンチエイジング機能をもつOSK9等のショートペプチド群を取得して機能性ペプチド事業の強化を図っております。

これに関連して、当社はグループ内の事業分野別の役割分担を明確にするため、化粧品事業等を2022年12月1日付でアンチエイジングペプタイド株式会社に事業譲渡しました。これにより、当社は医薬品事業を中心に事業展開し、アンチエイジングペプタイド株式会社は非医薬品事業の化粧品事業等に特化して事業拡大を図っております。

 

当社グループの事業系統図は、以下のとおりであります。

 

<当社グループの事業系統図>

 

 

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(注)1.研究開発・販売権等のライセンス契約を締結する前に、その契約締結に対するオプションを付与するオプション契約を締結する場合もあります。

2.株式会社メディパルホールディングスとの提携契約に基づき、抗体誘導ペプチドプロジェクトから創出した医薬品候補を製薬会社に導出した際には、当社グループは同社に対し「利益分配金」として、製薬会社から受け取る契約一時金及び開発マイルストーンの一部を支払う予定であります。

 

 

当社グループは、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチドの研究開発を進め、医薬品分野で実用化することを主な事業としております。事業内容の詳細は以下のとおりであります。

 

 

(1)技術シーズの起源

① 「機能性ペプチド」とは?

ペプチドとは、アミノ酸2~50個程度が結合した物質であります。一般的に、50個以下のアミノ酸が鎖状に結合した物質をペプチドと呼び、それ以上の数のアミノ酸が結合した物質をタンパク質と呼んでおります。

ペプチドの中には、生体内等で機能を発揮するものがあり、「機能性ペプチド」と呼ばれています。機能性ペプチドは、医薬品、化粧品及び食品等の幅広い事業分野で実用化されています。

例えば、生体内のペプチドには、体内の器官の働きを調整するための情報伝達を担うホルモン等(インスリン(*)、グルカゴン、カルシトニン等が含まれます)があり、タンパク質のように生体内で機能を担っております。これらのホルモン由来の機能性ペプチドは、がんや糖尿病領域の医薬品として発売されております。また、タンパク質の分解過程で生じるペプチドが機能を持っていることもあり、血圧降下ペプチド等の特定保健用食品等の食品分野や、スキンケアやヘアケア商品として化粧品分野で利用されています。

 

<機能性ペプチドを利用した主な医薬品及び食品>

 

分野

領域

機能性ペプチド

売上高

医薬品

糖尿病

インスリン製剤(ホルモン関連)

1兆71億円(注)1
(世界、2022年度)

 

がん他

リュープロレリン(ホルモン関連)

1,566百万ドル(注)2
(世界、2021年度)

 

 

ゴセレリン(ホルモン関連)

716百万ドル(注)2
(世界、2022年度)

食品
(特定保健用食品)

血圧降下

イワシペプチド、ラクトトリペプチド、
ワカメペプチド、ゴマペプチド他

 

(注)1.Novo Nordisk社のInsulin sales DKK 52,952 million。

(2022年12月30日の為替レートを参考に1DKK=19.02円で換算しています)

出所:Novo Nordisk社「Annual Report 2022」

2.出所:Citeline「Biomedtracker」(February 2023)

 

 

② 技術シーズの起源

当社グループの技術シーズの起源は、大阪大学大学院医学系研究科における新規血管新生因子の探索研究により同定されたAG30(angiogenic peptide 30)であります。AG30は30アミノ酸からなる機能性ペプチドで、血管新生作用を持っており、更に、抗菌活性を併せ持つ創薬シーズであります。

 

当社グループの研究者は、機能性ペプチドAG30を起源とし、そのペプチドを構成するアミノ酸の一部を置き換える検討を重ねることで、目的とする機能が増強したペプチド「SR-0379」、新しい機能が付与されたペプチド「AJP001」及び多機能の活性を示すペプチドの特定の機能が消失しているペプチド「キュアペプチン」などの機能性ペプチドを見出しました。

 

(A)SR-0379

SR-0379は、AG30を起源とし、生体内安定性や製造コストを改良し、医薬品として最適化を図った20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドであります。SR-0379は、血管新生や肉芽(*)形成促進を主たる作用とし、抗菌活性を併せ持った皮膚潰瘍治療薬として日本で開発が進んでおります。

 

(B)AJP001

AJP001は、AG30を起源とし、アジュバント(*)機能を増強した20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドであります。当社グループは、AJP001を抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術として利用しております。

当社グループは、この創薬プラットフォーム技術を強みとして新規開発品を創出して研究開発パイプラインの強化を図っております。現在、先行開発品FPP003は海外での臨床試験段階にあるほか、FPP004及びFPP005は前臨床段階にあり、更に多数の様々な研究テーマが進行中であります。

 

(C)キュアペプチン

キュアペプチンは、AG30を起源とし、血管新生作用を持たず、幅広い抗菌活性を持つ機能性ペプチドとして最適化を図った20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドであります。

キュアペプチン含有商品については、その抗菌活性を生かした化粧品分野への応用を検討しております。

 

(D)機能性ショートペプチド群

機能性ショートペプチド(*)OSK9は、AG30を起源とし、アンチエイジング機能(*)により最適化を図った短い機能性ペプチドで、大手化粧品会社の化粧品に美容成分として配合された実績があります。

当社グループの機能性ペプチド創生の経緯は、下記の通りであります。

AG30を起源として、機能性ペプチド「SR-0379」「キュアペプチン」、機能性ペプチドの一種である抗体誘導ペプチド「FPP003」「FPP004」「FPP005」、更にショートペプチド群が創生されてきました。現在、更なる抗体誘導ペプチドの新規開発品の創出を図っております。

 

<技術シーズの起源>

 

 

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(2)抗体誘導ペプチド

当社グループの創薬活動の強みは、新しいモダリティ(創薬技術)である抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術「STEP UP」を保有していることであります。このプラットフォーム技術にもとづき、多様な抗体誘導ペプチドを開発することによって社会に貢献していきたいと考えております。

 

抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で「抗体」産生を誘導して治療効果を示すペプチド治療ワクチンであります。

先進国では高齢化社会を迎え医療財政問題が深刻化しておりますが、その要因の一つは、高額な抗体医薬品等の市場が拡大していることであります(後述の「抗体医薬品市場の推移」のグラフをご参照ください)。

日本でも、「経済財政運営と改革の基本方針2018(平成30年6月15日閣議決定)」において、医薬品等の保険収載等に際して、費用対効果や財政影響などの経済性評価や保険外併用療養の活用などを検討するとされ、高額な医薬品に対する対応は、医療財政問題の重要課題と位置付けられております。

当社グループは、高額な抗体医薬品に対して医療費を抑制できる代替医薬品として抗体誘導ペプチドを開発し、医療財政問題の解決に貢献することを目指してまいります。

 

<抗体誘導ペプチドの特徴>

 

 

◆ 薬剤費抑制により医療費を抑制して医療財政問題への貢献を期待できる

・抗体医薬品と違い、化学合成で製造可能な抗体誘導ペプチドは製造コスト抑制を期待できる

・既存の抗体医薬品と(ターゲットとなる標的タンパク質を阻害する)作用メカニズムが同じであることから、開発成功確率が高まり、多額な医薬品開発費用の抑制を期待できる

 

◆ 患者様の体内で免疫細胞が一定期間抗体を産生するため、投与頻度が少なく患者様の負担が少ない

 

◆ 既存の抗体医薬品を参考に、創薬プラットフォーム技術を用いて多様な標的タンパク質・疾患に対する抗体誘導ペプチドを順次創生していくことができるため、広範な製品群・疾患への適用可能性をもつ

 

◆ 高額な抗体医薬品では投与対象にならなかった患者層への適用範囲拡大も期待できる

 

 

① 抗体医薬品との違い

抗体医薬品は「体外で製造する抗体」であるのに対し、抗体誘導ペプチドは、元々生体に備わった能力を利用して「体内で抗体を産生させる」ペプチドであるため、製造コストを低く抑制することを期待できます。

また、抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で免疫細胞が「抗体」を一定期間持続的に産生するため、薬剤投与頻度が少なく患者様の負担が少ないと考えられます。

 

「抗体」は、細菌やウイルス等の「外来の異物」を排除するために免疫細胞(B細胞)が産生する物質であり、元々生体内で産生されている物質であります。この細菌やウイルス等の「外来の異物」に対する生体内の抗体産生能力を利用した薬剤が感染症予防ワクチンであります。

「抗体」は、標的となる物質に対する特異性が高いため、有効性及び安全性が高い抗体医薬品として実用化されており、従来型医薬品では十分な効果等が得られなかった難治性疾患の治療に活用されております。しかし、多くの抗体医薬品の標的タンパク質は生体内に存在する「自己タンパク質」であるため、免疫寛容(*)という仕組みによって生体内では抗体は産生されません。抗体医薬品は、分子量が約15万と大きく構造が複雑なタンパク質であるために、バイオ製造施設で生きた動物細胞を培養して製造する必要があり、設備、コストと手間がかかり製造コストが高くなります。

これに対し、抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で標的タンパク質(自己タンパク質)に対する「抗体」を産生するように設計したペプチドワクチンであります。抗体誘導ペプチドは、化学合成で製造可能なペプチド(分子量数千)であり、投与後は体内で免疫細胞(B細胞)が「抗体」を一定期間持続的に産生するため、製造コストを抑制することが期待されます。

 

<抗体医薬品と抗体誘導ペプチドの違い>

 

 

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② 創薬プラットフォーム技術「STEP UP」

多くの抗体医薬品、抗体誘導ペプチドの対象疾患は慢性疾患であり、標的タンパク質は「自己タンパク質」であります。通常、「自己タンパク質」に対して抗体は産生されませんが、抗体誘導ペプチドは、「自己タンパク質」に対して免疫反応を引き起こす役割を担う「キャリア」と、標的タンパク質の一部の短いペプチド(又は類似ペプチド)である「エピトープ」を結合することによって、標的の自己タンパク質に対する抗体を産生できるように設計しております。

当社グループの抗体誘導ペプチドプロジェクトの強みは、(A)「キャリア」に当社グループ独自の機能性ペプチド「AJP001」を使用していること、(B)標的タンパク質の特性(物理化学的性質、立体構造及び生物学的機能)に応じた「エピトープ」を設計・選定する技術ノウハウを有していることであり、当社グループは、これら2つの強みを合わせてプラットフォーム技術「STEP UP(Search Technology of EPitope for Unique Peptide vaccine)」と呼んでおります。

 

 

<プラットフォーム技術「STEP UP」>

 

 

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(A)「キャリア」に使用する当社グループ独自の機能性ペプチド「AJP001」

抗体誘導ペプチドは、標的の「自己タンパク質」に対する免疫反応を引き起こす役割を担う「キャリア」を結合しております。

 

一般的に「キャリア」には、スカシガイ由来ヘモシアニン(KLH, Keyhole limpet hemocyanin)、ウイルス様粒子(VLP, Virus like particle)、破傷風トキソイド(TT, tetanus toxoid)及びジフテリアトキソイド(DT, diphtheria toxoid)等が使用されておりますが、これらの生物由来の「キャリア」には、下記の課題があります。

 

生物由来の「キャリア」の課題

◆ 標的タンパク質に対する抗体に加え、「キャリア」に対する抗体(薬剤に対する抗体)が誘導され、初回投与後の反復投与時に効果が減弱する可能性があること

◆ 製造上の品質確保(「エピトープ」と「キャリア」の縮合反応の制御等)の難易度が高いこと

◆ アレルギーやアナフィラキシー(*)のような期待しない免疫反応を引き起こす懸念があること

 

当社グループが「キャリア」として使用している機能性ペプチドAJP001は20アミノ酸(分子量約3千)であり、生物由来のキャリア(分子量は数万~数百万)と比較して分子量が相対的に小さいものの、「キャリア」として機能することが非臨床試験で確認されており、これらの課題を解決することを期待しております。

 

(B)「エピトープ」を選定する技術ノウハウ

「エピトープ」は、抗体が認識する、免疫反応の対象となる物質(以下、抗原といいます)の一部のことであります。抗体は抗原と結合するとき、その抗原全体を認識するわけではなく、抗原の比較的小さな一部分のペプチド(通常6-10アミノ酸程度)のみを認識して結合します。このペプチドがエピトープと呼ばれています。通常、1つの抗原には多数のエピトープが含まれております。

抗体誘導ペプチドに用いる「エピトープ」は、多数ある候補ペプチドのうち、標的タンパク質の機能を阻害して治療効果が期待される「エピトープ」を選択する必要がありますが、当社グループは、大阪大学との共同研究等によって、標的タンパク質の特性(アミノ酸の物理化学的性質、立体構造及び生物学的機能)に基づき、治療効果が最も期待される「エピトープ」を選択する技術ノウハウを保有していることが強みであります。

 

 

 

(ご参考)抗体誘導ペプチドの作用メカニズム - 免疫寛容を回避する仕組み -

 

抗体誘導ペプチドが抗体産生を誘導するメカニズムの概要は前述の通りですが、ここでは医薬分野の専門知識をお持ちの投資家の方々に向けて、専門用語を用いた補足説明をいたします。

 

 

 

生体内で抗体が産生するためには、B細胞が抗原(標的タンパク質)を認識し、更にヘルパーT細胞からの刺激によってB細胞が活性化する必要があります。しかし、自己抗原(自己タンパク質等)に対しては、ヘルパーT細胞が活性化しないため抗体が産生されません。

抗体誘導ペプチドは、ヘルパーT細胞を活性化するT細胞エピトープを含んだ「キャリア」に、B細胞が認識する「エピトープ」(B細胞エピトープともいいます)を結合し、標的の自己タンパク質に対する抗体産生を誘導するように設計しております。

 

抗体誘導ペプチドの作用メカニズム

◆ 生体内に投与された抗体誘導ペプチドは、樹状細胞に取り込まれ、抗体誘導ペプチドを取り込んだ樹状細胞は、T細胞エピトープ(抗体誘導ペプチドの「キャリア(AJP001)」部分)をMHCクラスIIに提示します。そして、これを認識するAJP001特異的ヘルパーT細胞が活性化します。

◆ 一方、B細胞はB細胞受容体を介してB細胞エピトープを認識し抗体誘導ペプチドを取り込みます。抗体誘導ペプチドを取り込んだB細胞は、T細胞エピトープ(AJP001)をMHCクラスIIに提示します。樹状細胞により活性化されたAJP001特異的ヘルパーT細胞がAJP001を提示しているB細胞を活性化します。活性化されたB細胞は増殖しB細胞エピトープ特異的な抗体を産生します。この抗体が標的タンパク質に結合することにより阻害活性を示し治療効果を発揮します。

 

AJP001と他のキャリアとの違い

◆ 自己タンパク質に対する抗体を産生させる場合、生物由来のキャリア(スカシガイ由来ヘモシアニン(KLH)、ウイルス様粒子(VLP)、破傷風トキソイド(TT)及びジフテリアトキソイド(DT)等)を用いることが多いですが、これらのキャリアにはT細胞エピトープだけでなくB細胞エピトープも含まれるため、キャリアに対する抗体も産生されます。そのため、繰り返し投与するとキャリアに対する免疫誘導が強くなり、標的タンパク質に対する免疫誘導が減弱する可能性があります。一方、AJP001をキャリアとした場合、AJP001に対する抗体は産生されないため、標的タンパク質特異的に抗体産生を誘導することが可能です。

 

 

<抗体誘導ペプチドの作用メカニズム>

 

 

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*1:MHC class IIは樹状細胞やB細胞などの抗原提示細胞に発現する。抗原を取り込んだ抗原提示細胞は、取り込んだ抗原をペプチドに分解しMHC class IIとの複合体としてT細胞に抗原提示する。

*2:B細胞では細胞膜上に発現する抗体分子が抗原受容体(B細胞受容体)として働く。B細胞はB細胞受容体に結合した抗原を取り込みヘルパーT細胞に提示し活性化され抗体を産生する。B細胞受容体が放出されたものが抗体である。

 

 

 

 

このプラットフォーム技術「STEP UP」を創薬活動の強みとして、当社グループは、AJP001と、様々な標的タンパク質(エピトープ)を組み合わせることによって、標的タンパク質IL-17Aに対する抗体誘導ペプチド「FPP003」、標的タンパク質IgEに対する抗体誘導ペプチド「FPP004」及び標的タンパク質IL-23に対する抗体誘導ペプチド「FPP005」に続いて、様々な標的タンパク質に対する抗体誘導ペプチドを創生し、研究開発パイプラインの拡充を図ってまいります。

 

<抗体誘導ペプチドの開発パイプライン拡充>

 

 

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③ 抗体誘導ペプチドの将来性

抗体誘導ペプチドは、抗体医薬品の代替医薬品として、既存の抗体医薬品を参考に多様な標的タンパク質ごとに開発品を創生し、様々な疾患に開発対象を順次広げていくことができ、広範な製品群、疾患への適用可能性があります。

更に、高額な抗体医薬品では投与対象外であった重症度の患者層や、対象疾患への適用範囲拡大も期待できます。

 

(A)抗体医薬品の代替医薬品

抗体医薬品市場は、2020年に前年比13%増加の17兆8,246億円に達しており、大幅な増加傾向が続いております。ターゲット市場は既に顕在化した市場であり、抗体誘導ペプチドは、既存の抗体医薬品を参考にして開発戦略を構築することができます。

 

<抗体医薬品市場の推移>

 

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(出所)TPCマーケティングリサーチ社「2021年 世界の抗体医薬品市場」

 

 

抗体医薬品は、様々な標的タンパク質に対する製品が発売されております。当社グループは、標的タンパク質IL-17A(FPP003)、IgE(FPP004)及びIL-23(FPP005)に対する抗体誘導ペプチドの開発を進めておりますが、創薬プラットフォーム技術を活用し、既存の抗体医薬品を参考にして様々な標的タンパク質に対する抗体誘導ペプチドの開発品を順次創出していくことが可能と考えております。例えば、下記の標的タンパク質に対する新規抗体誘導ペプチドを創生していくことを想定しております。

 

<抗体医薬品の主な標的タンパク質と対象疾患>

 

領域

主な標的タンパク質 (注)1

主な対象疾患

主要製品の

世界売上高

(2020年、百万ドル)

炎症

IL-17AIgEIL-23、TNFα、

IL-12/23p40、IL-6、α4β7インテグリン、IL-4/13、IL-5、BLyS、IL-13、その他

関節リウマチ、尋常性乾癬、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、気管支喘息、慢性蕁麻疹、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)、アトピー性皮膚炎、その他

Humira

Stelara

Remicade

Cosentyx

Xolair

20,408

8,050

4,502

3,995

3,279

精神神経

α4インテグリン、CGRP、NGF (注)2、アミロイドβ、タウ (注)2、αシヌクレイン (注)2、その他

多発性硬化症、片頭痛、疼痛、

アルツハイマー病、パーキンソン病、その他

Tysabri

Aimovig

Emgality

1,947

542

363

RANKL、スクレロスチン

骨粗鬆症、その他

Prolia

Evenity

3,074

649

循環器

PCSK9

家族性高コレステロール血症、

高コレステロール血症

Repatha

Praluent

926

445

その他

補体(C5)

発作性夜間ヘモグロビン尿症、その他

Soliris

4,064

 

(注)1.表中の標的タンパク質に対する受容体を含みます。

2.開発段階の抗体医薬品の標的タンパク質です。

(出所)主要製品の世界売上高は、Informa社「Datamonitor Healthcare」(November 2021)データを使用。

 

既存の抗体医薬品は、様々な対象疾患の薬事承認を取得しており有効性及び安全性が証明されております。したがって、抗体誘導ペプチドの各開発品は、初期の対象疾患で一定の有効性及び安全性を確認した段階で、高い成功確率のもとで抗体医薬品の対象疾患を参考にして開発対象疾患を拡大していくことが可能と考えております。

例えば、FPP003の場合は抗IL-17A抗体医薬品を参考に、現在開発中の乾癬、強直性脊椎炎から関節症性乾癬、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎へ、FPP004の場合は抗IgE抗体医薬品を参考に、現在開発中の花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)から気管支喘息、慢性蕁麻疹へと対象を拡大することを想定しております。

 

抗体誘導ペプチドは、既存の抗体医薬品と同じ作用メカニズム(同じ標的タンパク質を阻害して対象疾患を治療するメカニズム)であることから、医薬品開発リスクを低減でき、さらに抗体医薬品の対象疾患を参考に開発対象疾患を広げていくことが可能と考えております。

 

<抗体医薬品の代替医薬品としての将来性>

 

 

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<抗体誘導ペプチドの使用法>

抗体誘導ペプチドは、免疫反応を起こして患者様の体内で抗体を産生しますので、抗体誘導ペプチドを投与してから抗体が産生するまでに1ヶ月程度の期間が必要になります。一方、抗体医薬品は、抗体そのものを投与しますので、症状を速やかに改善する即効性を期待できます。

したがって、慢性疾患に対する治療プロセスにおいて、症状が重く速やかに症状を改善させる必要がある時期(活動期)には即効性がある抗体医薬品を投与し、その後改善された症状を維持・再発防止するために維持療法を行う必要がある時期(寛解維持期)に抗体誘導ペプチドを継続的に投与することが想定されます。

治療に必要な医療費や患者様の経済的負担を抑制でき、投与頻度が少ない(数カ月に一回投与を想定しています)抗体誘導ペプチドは、長期に亘って継続的な投与が必要な寛解維持期に適した薬剤であり、この疾患ステージにおいて既存の抗体医薬品の代替医薬品となることを期待しております。

 

 

(B)幅広い対象患者層への適用

抗体医薬品は治療効果が大きく副作用が少ないにもかかわらず、使用範囲が一部の重症患者に限定されております。その主要な要因は高額な薬剤費用ですが、抗体誘導ペプチドは、薬剤費用を抑制でき、その課題を解決して、現在は費用面が障害となって抗体医薬品の使用を控え他種類の薬剤が使用されている患者層や、価格面が障害となって抗体医薬品が開発されていない生活習慣病等の疾患への適用範囲拡大も可能と考えております。

 

(a)高額な抗体医薬品が使用できない患者層

高額な抗体医薬品は、既存療法で効果が不十分な患者等、投与対象患者が一定の患者層に限定されております。抗体誘導ペプチドは、重症度が早期ステージの患者層など薬剤費用がハードルとなって使用できなかった患者層への適用範囲拡大を目指してまいります。

 

(b)生活習慣病等の疾患への適用拡大

高血圧、糖尿病及び高脂血症等の生活習慣病に対しては、一般的に低分子医薬品が使用されております。これらの低分子医薬品は、連日投与の経口剤であります。しかし、生活習慣病は明確な症状がない場合が多く、また服薬管理を自ら行うことが難しい高齢者の患者が多いことから、服薬管理が良好な患者の割合は低い水準に留まっており、服薬アドヒアランス(*)向上が課題となっております(米国において実施された高脂血症治療薬の服薬状況の調査では25~40%(出所:Jackevicius et al.(2002)(*))。

抗体誘導ペプチドは、免疫細胞が一定期間抗体を産生して効果が持続するため、数カ月一回投与と投与間隔が長く患者様の負担が少なく、服薬アドヒアランス向上を通して生活習慣病を適正にコントロールし、心血管イベント等の合併症の発生を予防できる患者の割合が増えるものと考えられます。

当社グループでは、大阪大学との共同研究によって、高血圧や抗血栓を対象とする抗体誘導ペプチドの探索研究を進めております。

 

<幅広い対象患者層への適用>

 

 

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以上の医療ニーズ及び社会ニーズを満たすため、抗体誘導ペプチドのように慢性疾患を対象とするペプチドワクチンは、当社グループのみならず世界各地で、アルツハイマー病、パーキンソン病、片頭痛及び脂質異常症等を対象疾患として研究開発が行われております。

 

 

④ 抗体誘導ペプチドの開発パイプライン

現在、開発段階にある抗体誘導ペプチドは、標的タンパク質IL-17Aに対するFPP003、標的タンパク質IgEに対するFPP004及び標的タンパク質IL-23に対するFPP005であります。

(研究開発パイプライン表は、「(3)研究開発パイプライン」をご参照ください。)

 

(A)FPP003

◇ 概要

FPP003は、標的タンパク質IL-17A(Interleukin 17A)に対する抗体誘導ペプチドであります。

IL-17Aは、免疫反応に関するサイトカイン(*)の一つであり、乾癬及び強直性脊椎炎等に関与していることが明らかになっています。

 

◇ 対象疾患

現在開発中の対象疾患は、尋常性乾癬及び強直性脊椎炎であります。

IL-17Aを標的タンパク質とする既存の抗体医薬品は、日米欧で尋常性乾癬及び強直性脊椎炎以外に、関節症性乾癬及びX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎等の薬事承認を取得しております。

当社グループといたしましては、関節症性乾癬やX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎等への開発対象疾患の拡大を図り、抗体医薬品が使用されている幅広い患者様への貢献を目指してまいります。

 

対象患者層拡大に向けて

乾癬の患者数は、「軽症から中等症」の患者が約80%、皮疹範囲が体表面積の5%以上に及ぶ「中等症から重症」の患者は約20%であります(出所:The American Academy of Dermatology(*))。乾癬患者全体のうち、尋常性乾癬患者がほとんどで、約80~90%を占めております(出所:The American Academy of Dermatology)。

尋常性乾癬の治療は、「軽症から中等症」患者に対しては局所薬物療法の外用薬が使用されますが、「中等症から重症」患者に対しては光線療法や全身薬物療法が行われております。これらの全身薬物療法の対象患者のうち、効果が不十分な場合等には抗体医薬品が使用されております。

当社グループといたしましては、経済面で抗体医薬品が投与できない患者層に対して適用することや、他の薬剤を使った全身療法や光線療法に対して有効性、安全性及び利便性(投与頻度が少ない)で優位性を示すことにより、従来は抗体医薬品の投与対象にはならなかった幅広い患者層に抗体誘導ペプチドを適用することを目指してまいります。

 

<尋常性乾癬の治療選択肢>

 

全身療法

抗体医薬品(生物学的製剤)

 

メトトレキサート

シクロスポリン

アシトレチン

経口低分子医薬

光線療法

紫外線療法

局所療法

 

 

 

ビタミンD3外用薬

ステロイド外用薬

アンスラリン外用薬

レチノイド外用薬

 

(出所)WHO「Global report on PSORIASIS 2016」に基づき当社作成。

 

 

◇ 開発状況

FPP003は、大阪大学及び大日本住友製薬株式会社(現住友ファーマ株式会社)との共同研究のもとで当社グループが同定した開発化合物であります。

 

当社グループがオーストラリアで実施した尋常性乾癬を対象とする第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験の速報結果において、FPP003投与症例の約8割(高用量コホート、陽性率78%(9例中7例))で抗IL-17A抗体(標的タンパク質IL-17Aに対する抗体)の抗体価の持続的な上昇が確認されました。安全性に関しては、ワクチンで頻繁にみられる局所反応以外に特に臨床的に問題となるものはみられませんでした。

 

強直性脊椎炎に対する開発については、日本で医師主導治験として第Ⅰ相臨床試験が進んでおります。本医師主導治験は、大阪大学大学院医学系研究科が採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度「難治性疾患実用化研究事業(2次公募)/希少難治性疾患に対する画期的な医薬品の実用化に関する研究分野」として実施されております。

◇ 提携状況

当社グループは、2018年3月に、大日本住友製薬株式会社(現住友ファーマ株式会社)との間でオプション契約を締結いたしました。

このオプション契約により、住友ファーマ株式会社は、当社グループが実施する初期臨床試験結果にもとづき、北米での全疾患に対する独占的開発・商業化権を取得する権利を保有しております。さらに北米以外の地域については、優先交渉権を保有しております。その対価として、当社グループは、契約一時金、FPP003の研究開発の進捗に伴い開発マイルストーンを受取ります(これらの収入は既に全額を受け取り事業収益に計上いたしました)。

さらに、同社が上記のオプション権を行使した場合、当社グループは、一時金、FPP003の研究開発の進捗に伴い、開発マイルストーンを受取る予定であります。更に製品上市後には、販売額に応じたロイヤリティー及び販売マイルストーンを受取る予定であります。

 

◇ 技術導入状況

当社グループは、2018年8月に、大阪大学より、FPP003を含む抗体誘導ペプチドの独占的な実施権の許諾を受けております(対象の特許権は、大阪大学と当社グループの共同所有)。

 

(B)FPP004

◇ 概要

FPP004は、標的タンパク質IgE(Immunoglobulin E)に対する抗体誘導ペプチドであります。

IgEは、アレルギー反応に重要な役割を果たしており、アレルギー性疾患の発症に関与しております。

 

◇ 対象疾患

現在開発中の対象疾患は、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)であります。

更に、IgEを標的タンパク質とする既存の抗体医薬品は、日本の花粉症以外に、日米欧で喘息及び慢性蕁麻疹の薬事承認を取得しております。

当社グループといたしましては、喘息や慢性蕁麻疹への開発対象疾患の拡大を図り、抗体医薬品が使用されている幅広い患者様への貢献を目指してまいります。

 

対象患者層拡大に向けて

日本での花粉症患者の有病率は42.5%(出所:鼻アレルギーの全国疫学調査2019(*))であり、花粉症は患者数が多い疾患であります。

花粉症の治療には、抗ヒスタミン薬、鼻噴射用ステロイド薬やアレルゲン免疫療法薬等が使用されております。これら既存療法で効果不十分な重症及び最重症患者に対して抗体医薬品が使用されております。

当社グループといたしましては、これらの薬剤に対し、薬剤費用、有効性、安全性及び利便性(投与頻度が少ない)で優位性を示すことにより抗体誘導ペプチドを幅広い患者層に適用することを目指してまいります。

 

◇ 開発状況

FPP004は、大阪大学との共同研究のもとで当社グループが同定した開発化合物であります。

本書提出日現在、前臨床試験の段階にあります。

なお、開発リソースを他のプロジェクトに優先配分するため、FPP004についてはバックアップ化合物の探索研究を進めております。

 

 

(C)FPP005

◇ 概要

FPP005は、標的タンパク質IL-23(Interleukin-23)に対する抗体誘導ペプチドであります。

IL-23は、免疫反応に関するサイトカインの一つであり、乾癬、クローン病及び潰瘍性大腸炎等に関与していることが明らかになっています。

 

◇ 対象疾患

現在開発中の対象疾患は、尋常性乾癬であります。

IL-23を標的タンパク質とする既存の抗体医薬品は、尋常性乾癬、関節症性乾癬、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の幅広い疾患を対象に開発が進んでおります。

当社グループといたしましては、尋常性乾癬を始めとする幅広い炎症性疾患を対象に開発を進めて社会に貢献することを目指してまいります。

 

◇ 開発状況

FPP005は、大阪大学との共同研究のもとで当社グループが同定した開発化合物であります。

本書提出日現在、前臨床試験を実施中であります。

本研究開発(IL-23を標的とした抗体誘導ペプチドの研究開発)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「研究開発型ベンチャー支援事業/橋渡し研究開発促進による事業化支援」の支援の成果に基づき実施しております。

 

◇ 技術導入状況

当社グループは、2023年3月に、大阪大学より、FPP005を含む抗体誘導ペプチドの独占的な実施権の許諾を受けております(対象の特許権は、大阪大学と当社グループの共同所有)。

 

⑤ 抗体誘導ペプチドの研究テーマ

当社グループは、FPP003、FPP004及びFPP005に続く新規開発品創出に向けて、大阪大学との共同研究により抗体誘導ペプチドの探索研究を進めております。

抗体医薬品の代替医薬品として、疼痛及びアレルギー性疾患の慢性疾患に対する抗体誘導ペプチド、更に生活習慣病に対する抗体誘導ペプチドとして、高血圧、抗血栓を対象に研究を進めております。2022年4月からは熊本大学との共同研究により脂質異常症を対象とする抗体誘導ペプチドの研究に取り組んでおります。(研究開発パイプライン表は、「(3)研究開発パイプライン」を御参照ください。)

 

◇ 提携状況

当社グループは、2018年3月に、大日本住友製薬株式会社(現住友ファーマ株式会社)との間で、精神神経疾患を対象とする抗体誘導ペプチドの研究契約を締結しており、これに基づき、同社が探索研究を実施しております。

 

[ 研究開発支援に関する提携 ]

当社グループは、2016年2月に、株式会社メディパルホールディングスとの間で抗体誘導ペプチドの研究開発に関する提携契約を締結しております。

これにより、当社グループは、契約時に一時金を受け取ったほか、2016年4月以降の3年間にわたって研究開発協力金を受け取りました。一方、その対価として、株式会社メディパルホールディングスは、当社グループが抗体誘導ペプチドプロジェクトから創出した一定数の医薬品候補(以下、「対象医薬品」という。)について、当社グループが導出先の製薬会社から受け取る契約一時金及び開発マイルストーンの一部を受け取るほか、当該医薬品の日本国内等の卸売販売について優先交渉権を取得する予定であります。利益分配等の対象医薬品については、これまでにFPP003及びFPP005が選定されております。

 

 

(3)研究開発パイプライン

当社グループの研究開発パイプライン表は、下記の図のとおりであります。

 

当社グループは、抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術「STEP UP」を強みとして、大阪大学との産学連携のもとで様々な対象疾患に対する抗体誘導ペプチドの探索研究を行い、現在臨床試験段階にあるFPP003、前臨床試験段階にあるFPP004及びFPP005を創出し、更に今後の新規開発品についても、抗体誘導ペプチドの多様な研究テーマから創出していく方針であります。

一方、AG30を起源とする皮膚潰瘍治療薬SR-0379は、大阪大学大学院医学系研究科及びアンジェス株式会社との連携のもとで創生された開発品であり、その後アカデミア主導の前臨床試験及び複数の医師主導治験が実施され、現在、塩野義製薬株式会社と当社グループの共同開発が進んでおります。

SR-0379は、高齢化社会を迎え益々重要性が増している褥瘡等の皮膚潰瘍治療において、今後拡大が見込まれる在宅医療でも取り扱いやすい簡便な使用法によって、幅広い患者様のQOL(Quality of Life、生活の質)に貢献できる薬剤として開発を進めてまいります。

 

<医薬品>

・ 開発品

 

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(注)1.大阪大学大学院医学系研究科が採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度「難治性疾患実用化研究事業(2次公募)/希少難治性疾患に対する画期的な医薬品の実用化に関する研究分野」として脊椎関節炎を対象とする開発が行われています。

2.国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「研究開発型ベンチャー支援事業/橋渡し研究開発促進による事業化支援」の支援の成果に基づき、開発を進めています。

3.大阪大学大学院医学系研究科が採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度「橋渡し研究プログラム(シーズB)/感染症・関連疾患」(2次公募)として開発が行われています。

 

・ 研究テーマ

 

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<化粧品等>

株式会社ファンケルより、2018年3月から当社グループの機能性ペプチドを含有するシャンプーとして「マイルドクレンジングシャンプー」が発売されております。また、株式会社SMV JAPANより、2020年4月から当社グループの機能性ペプチドを含有するアルコール除菌スプレーが発売されております。

これらの商品販売により、当社グループは、化粧品原料商社又は販社に対する機能性ペプチド販売収入を計上しております。

 

① SR-0379

◇ 概要

SR-0379は、AG30を起源とし、生体内安定性や製造コストを改良し、医薬品として最適化を図った20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドであります。血管新生や肉芽形成促進を主たる作用とし、抗菌活性を併せ持っております。

皮膚潰瘍は、皮膚のバリア機能が欠損した状態にあり、創面には様々な細菌が付着しております。細菌増殖により感染状態になると創傷治癒が遅延し、更に敗血症により重篤な状態が生じる可能性があるため、細菌、感染のコントロールは重要であります。創傷治癒促進作用を持つ既存薬には抗菌活性はなく、SR-0379独自の強みであります。

 

<SR-0379の作用メカニズム>

 

 

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SR-0379は、天然に存在する抗菌ペプチドと類似の構造的特徴を持つことから、抗菌ペプチドと同様の作用メカニズムで抗菌活性を示します。

皮膚や免疫細胞には「抗菌ペプチド」と呼ばれる20~40個程度のアミノ酸から構成される一群のペプチドが存在し、免疫防御機能の一翼を担っております。「抗菌ペプチド」は、プラスに荷電している親水性(*)のアミノ酸と疎水性(*)のアミノ酸が偏在するという構造的特徴により、細菌や真菌の細胞膜を破壊して抗菌作用を示します。SR-0379は、天然に存在する「抗菌ペプチド」と類似の構造的特徴を持つことから、同様の作用メカニズムで抗菌活性を示します。

 

<抗菌ペプチドの抗菌作用メカニズム>

 

 

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SR-0379は、下記の表の通り、抗菌力を示す指標として最小発育阻止濃度MIC(Minimum Inhibitory Concentration)を用いた試験により細菌や真菌に対する抗菌活性が確認されております。MICとは、抗生物質の抗菌力を表す際に用いられる単位であり、薬剤により細菌や真菌が発育しない薬剤の最小濃度です。

 

<SR-0379の抗菌活性>

 

 

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◇ 対象疾患

SR-0379の対象疾患は、皮膚潰瘍であります。皮膚潰瘍は、皮膚の組織が一定程度欠損した状態であります。

このような皮膚潰瘍の治療は、創傷治癒メカニズムを働かせることが重要であります。SR-0379は、「創傷治癒を遅延させる要因」である感染を防御及び予防する機能を備えた上で、「創傷治癒を促進する要因」の血管新生作用や肉芽形成促進作用等により創傷治癒を促進します。

皮膚潰瘍の患部に消毒剤を用いる場合には、その組織障害性から創傷治癒を遅延させることが懸念されますが、SR-0379にはその懸念がなく、抗菌作用により本来皮膚の持つ感染防御機能を補いながら、創傷治癒を促進させる新しいタイプの皮膚潰瘍治療剤として期待されます。

皮膚潰瘍には、寝たきりの高齢者に発生することが多い「褥瘡(じょくそう(いわゆる「床ずれ」))」、高齢者での有病率が高い糖尿病の合併症である「糖尿病性潰瘍」や主に静脈うっ血を原因とする「下腿潰瘍」等があり、高齢化社会を迎え皮膚潰瘍治療の重要性が増しております。

皮膚潰瘍の患者数は多く、糖尿病性潰瘍患者は、糖尿病患者5,790万人(日本723万人、米国3,018万人、欧州主要5ヶ国2,048万人(出所:IDF「Diabetes Atlas 2017」)の5~10%程度(当社推定)が見込まれます。また、褥瘡患者数は米国で50万人(出所:Russo et al.(2008)(*))、下腿潰瘍患者数は米国で60万人(出所:Bowman et al.(1999)(*))との報告があります。

SR-0379は、今後拡大が見込まれる在宅医療でも取り扱いやすい簡便な投与方法(常温保存可能なスプレー剤)であり、幅広い患者様のQOLに貢献できる薬剤として開発を進めております。

 

◇ 開発状況

SR-0379は、日米欧等での世界展開を視野に入れ、日本での開発を先行して進めております。

SR-0379の臨床試験は、日本において、医師主導治験として、2014年10月から健常人を対象とする第Ⅰ相臨床試験、2015年10月から難治性皮膚潰瘍患者(糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍)を対象とする第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験、2017年9月から希少疾病であるWerner症候群の皮膚潰瘍患者を対象とする第Ⅱ相臨床試験が行われました。

更に、2018年7月からは、提携先の塩野義製薬株式会社が日本で皮膚潰瘍患者(褥瘡、糖尿病性潰瘍)を対象とする第Ⅱ相臨床試験を実施いたしました。この第Ⅱ相臨床試験結果は、下記のとおりであります。

 

 

[ 第Ⅱ相臨床試験の結果 ]

皮膚潰瘍患者(褥瘡、糖尿病性潰瘍)を対象とする第Ⅱ相臨床試験(プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験(*))の有効性に関しては、主要評価項目(*)の「潰瘍面積の縮小率」においては統計学的有意差を示さなかったものの、重症度の高い患者(潰瘍面積4平方センチメートル以上)のサブグループにおいて、SR-0379の0.1%群はプラセボ群に対し、副次評価項目(*)の「DESIGN-R®」合計スコア(*)を統計学的有意に改善しました。また、安全性に関しては、治験薬と因果関係がある有害事象はありませんでした。

重症の褥瘡等の創傷は、壊死組織の除去等により感染をコントロールしながら、皮膚の再生組織である良性肉芽を形成して創底状態を整備し、更に皮膚の表面を覆う表皮の形成を促進させて治療いたします。「DESIGN-R®」合計スコアは、そのような創傷の治癒プロセスを多角的に評価する有効性評価指標であり、実臨床で広く使用されております。重みづけした6項目(「滲出液」「大きさ」「炎症/感染」「肉芽組織」「壊死組織」「ポケット」)の合計数値によって算定され、スコアが高いほど重症と判断いたします。

厚生労働省「難治性創傷治療機器の臨床評価に関する評価指標」(次世代医療機器評価指標の公表について(薬生機審発0925第1号))にて、創傷治療は、①保存療法(外用剤及び創傷被覆材)によって完全治癒を目的とすること(比較的小さな創傷が該当します)、②創部環境好転を目的とすることに大別され、各臨床的位置付けを踏まえて評価項目を選択することが望ましいことが提唱されました。本第Ⅱ相臨床試験の結果から、SR-0379は、①の潰瘍面積を縮小させて完全治癒を目指す目的で使用するのではなく、②の皮膚潰瘍に対して良性肉芽形成を促進して創底状態を整備するための薬剤として適していることが示唆されました。この結果を踏まえ、下記の第Ⅲ相臨床試験を実施いたしました。

 

<有効性評価指標「DESIGN-R®」合計スコアの推移>

 

 

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[ 第Ⅲ相臨床試験の速報結果 ]

第Ⅲ相臨床試験(プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験)では、皮膚潰瘍患者(褥瘡、糖尿病性潰瘍及び下腿潰瘍等)を対象にSR-0379の有効性及び安全性を検証しました。

植皮等の簡単な外科的措置が必要な皮膚潰瘍は、皮膚が深く欠損した状態にあり、感染をコントロールしながら、皮膚の再生組織である良性肉芽の形成を促進して創底の状態を改善し、植皮等が生着可能な状態まで皮膚潰瘍を早期に改善させることが重要であります。

本試験では、「簡単な外科的措置に至るまでの日数」を主要評価項目として設定し、SR-0379の投与により植皮等が生着可能な創底状態に皮膚潰瘍が改善するまでの期間が短縮されるかを検討しました。

 

本試験の速報結果では、SR-0379群はプラセボ群と比較して、統計学的有意差には至らなかったものの、主要評価項目を改善する傾向がみられました。安全性に関しては、治験薬と因果関係がある有害事象はなく、SR-0379 の高い安全性が確認されました。

現在、本試験結果の詳細な解析を実施中で、塩野義製薬株式会社と当社は、SR-0379の今後の開発方針の検討を進めております。

 

<皮膚潰瘍治療における植皮術>

 

 

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(写真提供)

埼玉医科大学形成外科市岡滋教授

 

 

 

◇ 提携状況

当社グループは、2015年10月に、塩野義製薬株式会社との間でSR-0379のライセンス契約を締結しております。

日本での塩野義製薬株式会社との共同開発において、当社グループは第Ⅲ相臨床試験及び薬事承認申請を担当し、同社は治験薬製造(CMC)を担当する予定です。製品上市後については、同社が販売を担当し、当社グループが製品供給する予定であります。

この契約に基づき、当社グループは、契約一時金、開発マイルストーン、製品上市後には販売額に応じたロイヤリティー及び販売マイルストーン、製品供給に関する収入を受取ります(契約一時金と一部の開発マイルストーンは既に受取り事業収益に計上いたしました)。

 

◇ 技術導入状況

当社グループは、2015年3月に、アンジェスMG株式会社(現アンジェス株式会社)との間で現物出資契約を締結し、同社よりSR-0379の知的財産権を取得しております。

 

 

② 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチン

当社グループは、大阪大学との連携のもと、抗体誘導ペプチドの技術基盤を活用し、新型コロナペプチドワクチンの研究開発を行っております。

既存のワクチン(mRNAワクチン及びウイルスベクターワクチン)と異なり、ペプチドワクチンは、一般的に重要な機能を持った短い配列(エピトープ)のみで免疫を誘導することが特徴であり、副反応が少ないワクチンになること、誘導される中和抗体のターゲット部位の特異性が高く変異が入りにくい部位をターゲットとすることで様々な変異株に対応可能なワクチンになることが期待されます。

 

 

(4)ビジネスモデル

当社グループは医薬品及び化粧品分野等において事業展開しておりますが、ビジネスモデルの特徴については、現時点での事業計画に対して影響が大きい医薬品分野での事業展開を中心に記載しております。

 

① 大学発ベンチャーの役割

当社は大阪大学発の創薬系バイオベンチャー企業であり、当社グループは大学の研究成果を製薬会社への橋渡しに向けてインキュベート(研究開発を推進)する役割を担っております。この役割を担うため、当社グループは、大阪大学を始めとする大学等の研究機関との間で、共同研究等により連携を図り、大学の技術シーズを生かした基礎研究を実施しております。更に、当社グループは、開発品の開発規模(試験規模及び必要資金規模)を踏まえ、医薬品の研究開発プロセスのうち、基礎研究から一定段階の臨床試験や薬事承認までを実施して開発品の価値向上を図り、技術シーズのインキュベーションを行う方針であります。

 

<一般的な医薬品の研究開発プロセスの内容>

 

プロセス

期間

主な内容

基礎研究

2~3年

新薬候補化合物の探索(合成及び絞込み等)研究

前臨床試験

3~5年

実験動物等を用いて有効性及び安全性等を確認する試験

臨床試験

3~7年

第Ⅰ相

少数の健康な人を対象に安全性等を確認する試験

第Ⅱ相

少数の患者を対象に有効性及び安全性を探索的に確認する試験

第Ⅲ相

多数の患者を対象に有効性と安全性を検証的に確認する試験

申請・承認

1~2年

各国の規制当局による審査

 

(注)臨床試験開始前に実施する非臨床試験を前臨床試験といいます。

 

② 製薬会社との提携体制

医薬品の研究開発は期間が長く必要資金も大きいのが特徴であります。このため、当社グループは、研究開発の早期段階から製薬会社等との提携体制を構築し、その提携収入等により、研究開発遂行上の財務リスクの低減を図っていく方針であります。

一般的な提携形態としては、基礎研究段階では共同研究契約等、前臨床試験や臨床試験段階ではライセンス契約を締結して、製薬会社と当社グループの間で研究開発段階や商業化段階の役割分担と経済条件を決めます。また、ライセンス契約に先行して、その契約締結に対するオプションを供与するオプション契約を締結する場合もあります。当社グループの場合は、機能性ペプチドSR-0379は塩野義製薬株式会社との間でライセンス契約、抗体誘導ペプチドFPP003は住友ファーマ株式会社との間でオプション契約を締結しており、抗体誘導ペプチドの研究開発に関しては、株式会社メディパルホールディングスとの間で研究開発支援契約、住友ファーマ株式会社との間で精神神経領域の抗体誘導ペプチドの研究契約を締結しております。

これらの提携体制のもと、当社グループの主な事業収益は、提携製薬会社等からの収入であり、医薬品の研究開発段階においては、契約一時金、研究開発協力金及び開発マイルストーン、販売段階においては、ロイヤリティー及び販売マイルストーン等を想定しております。当社グループは、現時点で事業収益に計上しているのは研究開発段階の収入のみであり、これらの収入により研究開発投資による財務リスク低減を図りながら研究開発を進めております。そして、当社グループ開発品が将来上市に至った場合に提携製薬会社から受け取るロイヤリティー収入等によって本格的な利益拡大を実現する計画であります。

 

<医薬品の開発プロセスと提携会社から受け取る一般的な収入>

 

 

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<主な収入の内容>

 

収入名

内容

契約一時金

契約締結時に一時金として受け取る収入

開発マイルストーン

研究開発の進捗に応じて、事前に設定したイベントを達成した際に受け取る収入

研究開発協力金

研究開発を推進するために提携会社から受け取る収入

ロイヤリティー

医薬品販売後に、年間販売額に応じて受け取る収入

販売マイルストーン

医薬品販売後に、事前に設定した年間販売額を達成した際に受け取る収入

製品供給収入

製品供給の対価として得られる収入

 

 

 

③ 業務受託会社の活用

当社グループは、研究開発に従事する中で、当社グループが研究開発戦略を描いたうえで、製造及び研究開発に関する業務を積極的に外部委託しております。これらの業務委受託契約は、契約金額が大きく、かつ、単一の契約に支払条件や費用の発生パターンの異なる活動が数多く含まれるため契約内容が複雑になりますが、当該委託により、当社グループは、少人数制による低い固定費で研究開発を推進することができ、財務リスクの低減を図っております。

 

 

<用語解説> (50音順、アルファベット順)

 

用語

意味・内容

アジュバント

主剤の免疫反応を増強する物質のことです。ワクチン製剤に含まれます。

アナフィラキシー
 

アレルギーの原因物質が体内に入ることにより複数の臓器や全身に表れるアレルギー症状のことで、生命に危険が生じうる過敏な反応のことです。

アンチエイジング機能

機能性ショートペプチドOSK9は、線維芽細胞の増殖を促進し、ヒアルロン酸(肌への潤い)やコラーゲン(しわ取り)の産生を促進する作用が確認されております。

インスリン

膵臓から分泌されるペプチドホルモンのことです。血糖値を下げる働きをします。

サイトカイン

細胞から分泌され、細胞間相互作用に影響を与えるタンパク質のことです。

主要評価項目
 

臨床試験を実施するにあたり、主要な目的を評価するのに適した評価項目として設定されるものです。

ショートペプチド
 
 

ペプチドとは、アミノ酸2~50個程度が結合した物質であります。

当社グループは、アミノ酸が5~20個結合した短いペプチドのことを「ショートペプチド」と呼んでおります。

親水性

水に溶けやすいことです。

疎水性

水に溶けにくいことです。

肉芽

皮膚潰瘍が治癒する過程で形成される、赤く柔らかい粒状の結合組織のことです。

副次評価項目

 

臨床試験を実施するにあたり、主要評価項目以外の有効性を評価するための項目で、主要評価項目とは異なる視点から有効性を評価する項目や主要評価項目を支持する補足的な項目です。

服薬アドヒアランス
 

医師との連携のもとで患者が治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることです。

プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験
 
 
 
 
 
 

「プラセボ」とは、偽薬のことです。臨床試験では、患者様が薬を使っていると思うことで症状が改善する「プラセボ効果」が生じることが指摘されています。この影響をコントロールし、開発化合物の薬理効果のみを評価するため、臨床試験では、「プラセボ」を投与した被験者群(プラセボ群)と、開発化合物を投与した被験者群(実薬群)の有効性等を比較する「プラセボ対照二重盲検」試験が行われています。

また、薬の効果は、投薬開始前の患者様の状態(病気の重症度等)により影響を受ける可能性があります。したがって、臨床試験では、プラセボ群と実薬群の間で、被験者をランダムに登録し、群間において患者様の状態のバラツキを少なくする「ランダム化(無作為化)」試験が行われています。

 

 

 

用語

意味・内容

免疫寛容
 
 

特定の抗原に対する特異的な免疫反応の欠如あるいは抑制状態のことをいいます。

免疫系は、自己抗原(自己組織や自己タンパク質等)を認識しないようになっており、これを自己免疫寛容といいます。

「DESIGN-R®」合計スコア
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「DESIGN-R®」は、2008年に日本褥瘡学会が公表した褥瘡状態評価スケールであり、[深さ(Depth)]、[滲出液(Exudate)]、[大きさ(Size)]、[炎症/感染(Inflammation/Infection)]、[肉芽組織(Granulation)]、[壊死組織(Necrotic tissue)]、[ポケット(Pocket)]の7項目で評価されます。

DESIGN-R®合計スコアよる重症度判定は、重みづけした6項目(深さ(Depth)を除く)の合計スコアによって行われ、スコアが高いほど重症と判断します。

 

・DESIGN-R®合計スコア評価表(褥瘡経過評価用)

http://www.jspu.org/jpn/info/pdf/design-r.pdf

 

DESIGN-R®スコア合計スコアの改善は、「1週間で1ポイント改善することにより、30日以内の褥瘡治癒確率は、浅い褥瘡で21%、深い潰瘍で23%上昇する」(Iizaka et al.(2012)(*))と考えられ、臨床的意義が高いと考えられます。

 

 

 

<参考文献> (50音順、アルファベット順)

 

松原 篤,他:鼻アレルギーの全国疫学調査2019(1998年,2008年との比較):速報─耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として,日本耳鼻咽喉科学会,2020;123:485-490

 

Bowman PH, Hogan DJ. Leg ulcers: a common problem with sometimes uncommon etiologies. Geriatrics. 1999;54:43,47-8.50 passim.

 

Iizaka S, Sanada H et al. Predictive validity of weekly monitoring of wound status using DESIGN-R score change for pressure ulcer healing: a multicenter prospective cohort study. Wound Repair Regen. 2012 Jul-Aug;20(4):473-81.

 

Jackevicius CA, Mamdani M, Tu JV. Adherence with statin therapy in elderly patients with and without acute coronary syndromes. JAMA 2002;288:462–7.

 

Russo A, Steiner C, Spector W. Hospitalizations Related to Pressure Ulcers among Adults 18 years and older, 2006. Healthcare Cost and Utilization Project (HCUP) Statistical Briefs [Internet]. Rockville (MD): Agency for Healthcare Research and Quality (US); 2006-.2008 Dec.

 

The American Academy of Dermatology website.

“Psoriasis.”  https://www.aad.org/media/stats/conditions/psoriasis (Accessed August 2017)

 

4【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

アンチエイジングペプタイド株式会社

(注)

大阪府茨木市

9,550

化粧品分野等の機能性ペプチドの研究開発及び販売

100

知的財産権のライセンス

管理業務受託

 

(注)アンチエイジングペプタイド株式会社は、2022年10月1日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、同社を株式交換完全子会社とする株式交換を実施することにより、当社の100%子会社となりました。

 

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2022年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

医薬品等の研究開発事業

14

(2)

合計

14

(2)

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、使用人兼務役員を含んでおります。なお、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.当社グループは、医薬品等の研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの情報は記載しておりません。。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2022年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

14

(2)

45.3

4.2

9,283,344

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、使用人兼務役員を含んでおります。なお、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社は、医薬品等の研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの情報は記載しておりません。

 

(3)労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、大阪大学発の創薬系バイオベンチャー企業であります。

当社社名のファンペップ(FunPep)には、「機能(function)をもつペプチド(peptide)の可能性を追求し、医薬品や化粧品、医療機器として皆さまにお届けし、そして、誰もが健康で明るく、楽しい人生(fun life)を送ることのできる社会を目指したい」という想いが込められております。

当社グループは、下記の会社の理念に基づき、機能性ペプチドに関する大学発の技術シーズを主に医薬品分野に応用することで、社会に貢献することを目指しております。

 

[ 会社の理念 ]

◇ ペプチド(peptide)の機能(function)の可能性を追求して、人々に健康と安心をもたらします

◇ 大学の知を発掘し、社会への橋渡しをおこないます

◇ 医薬品から化粧品・医療機器まで、幅広い商品構成で広く人々のお役にたちます

 

(2)経営戦略等

技術領域は、機能性ペプチドを基礎とする領域及びこれとシナジーを有する関連する領域と定めております。創薬活動のプラットフォーム技術を強みとし、医薬品の研究開発を中心とした事業展開をしてまいります。

当社グループは、大阪大学発の創薬系バイオベンチャー企業であり、大学の研究成果を製薬会社への橋渡しに向けてインキュベートする役割を担っております。大学の技術シーズを生かした基礎研究から、開発品の開発規模(試験規模及び必要資金規模)を踏まえ、一定段階の臨床試験や承認申請までを実施して開発品の価値向上を図り、技術シーズのインキュベーションを行う方針であります。

医薬品は、研究開発の期間が長く、多額の資金も必要となることから、研究開発の早期段階から製薬会社等との提携体制を構築し、研究開発段階の提携収入等により研究開発投資に伴う財務リスクの低減を図りながら研究開発を進めていく方針であります。そして、当社グループの開発品が将来上市に至った場合に提携製薬会社から受け取るロイヤリティー収入等によって本格的な利益拡大を実現する計画であります。

 

(3)経営環境

医薬品業界では研究開発の難易度が上昇しており、製薬会社は、従来の主役であった低分子医薬に加え、抗体医薬、遺伝子医薬、細胞医薬・再生医療等の新しいタイプの創薬シーズ・モダリティを外部の創薬系バイオベンチャー等から導入して研究開発パイプラインに取り入れる動きが続いています。

当社グループが取り組んでいる抗体誘導ペプチド等の機能性ペプチドも新しいタイプの創薬シーズであり、当社グループは、大学等のシーズをインキュベーションして製薬会社に橋渡しすることで、医薬品業界における役割を果たしていきたいと考えております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、機能性ペプチドに関する大学発の技術シーズを主に医薬品分野に応用することで、社会に貢献することを目指しております。このような背景のもと、当社グループは、次の対処すべき課題に取り組んでまいります。

 

① 研究開発パイプラインの充実

当社グループの将来収益の源泉は、抗体誘導ペプチドを次々と生み出すプラットフォーム技術であります。

当社グループは、当社グループの強みである抗体誘導ペプチドを創出するプラットフォーム技術「STEP UP」に基づき、大阪大学大学院医学系研究科との連携のもとで新規開発品や研究テーマを拡充して研究開発パイプラインの強化を図ってまいります。

 

② 製薬会社等との提携契約の獲得

医薬品の研究開発は期間が長く必要資金も大きいことから、当社グループは、研究開発の早期段階から製薬会社等との提携関係を構築し、その提携収入等により、研究開発遂行上の財務リスクの低減を図っていく方針であります。

このため、当社グループは、ライセンス契約や共同研究契約等の新規提携契約を獲得できるように努めてまいります。

 

③ 研究開発資金の調達

研究開発を継続的に実施するため、開発品や研究テーマに充当する研究開発資金が必要となります。

当社グループといたしましては、製薬会社等との提携により研究開発資金の確保を図る一方で、資本市場からの資金調達を行う方針であります。

 

④ 人材の獲得

当社グループは、開発品や研究テーマが増えて研究開発パイプラインが拡充する中で、製造や研究開発に関する外部委託を積極的に活用しながら研究開発部門の人材の拡充を図ってまいります。

また、管理部門では、効率的な内部統制を構築し、少人数による運営体制を構築しておりますが、必要に応じて適切な人材を採用していく方針であります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営上の目標は、当社グループが創生した機能性ペプチドを実用化して社会に貢献するとともに、その製品販売に伴う収入によって利益拡大を実現することであります。しかしながら、当社グループの医薬品分野の開発品はすべて研究開発段階にあり、また上市に至るまでの研究開発は長期間にわたることから、経営目標の達成状況については、財務指標ではなく、研究開発パイプラインの進捗状況によって把握しております。したがって、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な財務指標等は特に定めておりません。

 

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。中には当社グループとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、もしくは当社グループの事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。

当社グループはこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、更にこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意いただく必要があると考えます。

また、当社グループは、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、各パイプラインの開発が必ずしも成功するとは限りません。特に研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社グループへの投資はこれに該当します。

なお、文中の将来に関する記載は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)機能性ペプチド事業に関するリスク

① 機能性ペプチドの実用化リスク

機能性ペプチドは、医薬品、化粧品及び食品等の幅広い事業分野で実用化されております。

例えば、生体内のペプチドには、体内の器官の働きを調整するための情報伝達を担うホルモン等(インスリン、グルカゴン、カルシトニン等が含まれます)があり、タンパク質のように生体内で機能を担っております。これらのホルモン由来の機能性ペプチドは、がんや糖尿病領域の医薬品として発売されております。また、タンパク質の分解過程で生じるペプチドが機能を持っていることもあり、血圧降下ペプチド等の特定保健用食品等の食品分野やスキンケア又はヘアケア商品等の化粧品分野で利用されています。

当社グループにおいても、機能性ペプチドを医薬品及び化粧品分野等に応用して実用化を図っていく方針ですが、商品開発の過程では、市場性、差別化ポイント及び採算性等の様々な観点から検討を重ねる必要があり、商品化が延期もしくは中止された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当社グループのプラットフォーム技術に関するリスク

当社グループの強みは、機能性ペプチドの一種である抗体誘導ペプチドを創生するプラットフォーム技術「STEP UP」を保有していることであります。

当社グループは、プラットフォーム技術に基づき、大阪大学との共同研究等によって、抗体誘導ペプチドを創出する研究開発を行っております。そして、これらの抗体誘導ペプチドの研究開発を推進するとともに、事業会社との提携契約を締結し、収益を獲得することを目指しております。

当社グループは、今後も、プラットフォーム技術の改良に努めていく方針ですが、当社グループ以外の研究機関が優位性を持つ技術を開発するなど、当社グループのプラットフォーム技術が競争力を失う場合には、抗体誘導ペプチドの実用化や事業会社との提携が困難となり、当社グループの事業戦略、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 医薬品業界及び研究開発に関するリスク

機能性ペプチドの応用分野の中でも、現時点での事業計画に対して影響が大きい医薬品分野については、発売(上市)に至るまでのリスクが高い事業分野であります。従いまして、下記に医薬品事業特有のリスクを記載いたします。

 

 

(A)医薬品研究開発の不確実性

医薬品の研究開発には多額の資金と長期にわたる期間を要しますが、臨床試験で有用な効果を確認できないことや、競合品の開発進展や上市及びその他の理由により研究開発が予定どおりに進行せず、開発の延長や中止の判断を行うことや追加資金が必要になることは稀ではありません。医薬品は、安価な後発品発売を回避できる特許権存続期間等の独占的期間内に投資回収を行う必要があることから、開発が延長された場合には投資を回収できなくなるリスクもあります。また、世界の主要国において医薬品を製造及び販売するためには、各国の薬事関連法規等の法的規制の下、各国別に厳格な審査を受ける必要があり、この審査に耐えうる有効性、安全性及び品質等に関する十分なデータが得られない場合には、予定していた時期に上市ができず延期になる、又は上市を断念する可能性があります。

このように、当社グループの研究開発パイプラインに含まれる機能性ペプチドが上市して安定的な収益が得られるまでには、上記に記載した様々な研究開発リスクが存在します。当社グループは科学技術顧問や医学アドバイザー等からの助言や規制当局との相談制度を通じて、研究開発リスクの顕在化の防止を目指しています。しかしながら、当社の医薬品候補物質は、今後上市に至るまでに数年以上の期間を要するうえ、臨床試験において期待する効果・安全性が示される必要等があり、現時点で上市後の安定的なロイヤリティー収益が確定しているわけではありません。 

当社グループといたしましては、研究開発の早期段階から事業会社との提携により収益を獲得していく方針でありますが、製薬会社等に導出した医薬品候補物質が上市に至る前に開発が延長や中止に至った場合には、その後受け取る計画の収益は影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(B)副作用発現、製造物責任

医薬品には、臨床試験段階から更には上市以降において、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。当社グループは、自社で臨床試験を実施する場合には、こうした事態に備えて、製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入する予定ですが、最終的に当社グループが負担する賠償額の全てに相当する保険金が支払われる保証はありません。また、当社グループに対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、製造物責任請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、当社グループ及び当社グループの製品に対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。この結果、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、化粧品分野についても同様のリスクがあります。

 

(C)競合

医薬品の研究開発は、国内外の製薬会社やバイオベンチャー企業により激しい競争環境の下で行われております。他社競合品の開発進展や上市に伴い、上市後の販売価格や販売シェアへの影響により提携製薬会社からのロイヤリティー収入が減少するリスクや、提携製薬会社が事業性の観点から当社グループとの契約を終了するリスクがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(D)医療費抑制策

世界の医薬品市場の主要国においては、医療費抑制策が強化されております。また、日本国内においても、政府は増加の続く医療費を抑制するため、定期的に薬価引き下げを実施するほか、後発医薬品の使用促進策の導入を進めております。今後の医療費抑制策の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業遂行上のリスク

① 特定の提携契約への依存及び収益の不確実性

当社グループは、下記の提携契約を締結しており、これらの提携契約による収益を中心とした事業計画を策定しております。

 

・2015年10月に、塩野義製薬株式会社との間で機能性ペプチドSR-0379の全世界における独占的研究開発・商業化権を供与するライセンス契約を締結

・2018年3月に、大日本住友製薬株式会社(現住友ファーマ株式会社)との間で抗体誘導ペプチドFPP003の北米における独占的開発・商業化権を供与するライセンス契約に関するオプション契約を締結

 

しかしながら、このような提携契約は、契約条項違反が一定期間内に是正されない場合など契約に規定された何らかの要因により、契約期間満了前に終了する可能性があります。現時点では契約が終了となる状況は発生しておりませんが、本契約が終了した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、機能性ペプチドSR-0379及び抗体誘導ペプチドFPP003が上市する前の収益として、開発マイルストーン収益を見込んでおりますが、この発生時期は開発の進捗に依存した不確実性を伴うものであり、開発が遅延した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

今後も、事業会社との新規提携契約により、上記の2つの提携契約への依存度を低減していく方針でありますが、新規提携契約を獲得できる保証はありません。

 

② 小規模組織及び少数の事業推進者への依存

当社グループは、本書提出日現在、取締役6名、監査役3名及び従業員15名(従業員兼務役員2名含む)の小規模組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっております。従業員の成長こそが当社グループの成長を支える要素であり、当社グループは人材の育成を積極的に推進すると共に、今後、業容拡大に応じて社内外ネットワークを活用し、確かな技術・能力・成長意欲のある人材採用を行い、内部管理体制の充実を図る方針であります。

また、当社グループの事業活動は、当社の創業者であり代表取締役社長である三好稔美を始めとする現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者に依存するところがあります。

研究開発については、当社グループの強みであるプラットフォーム技術「STEP UP」は、少数の当社グループの研究者が保有する技術ノウハウを含んでおります。

当社グループは、当該技術ノウハウの確保及び発展の見地から、常に優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定の技術シーズへの依存

当社グループの研究開発活動は、大阪大学大学院医学系研究科の技術シーズに基づくものが中心であります。当社グループは、現在、機能性ペプチドの一種である抗体誘導ペプチドの創生に向けて大阪大学と共同研究を実施しており、更に他大学との共同研究も実施しております。今後も、大学等の研究機関との間で共同研究等により連携を拡大していく方針であります。しかしながら、今後、何らかの要因により、大阪大学又は他大学等との連携ができなくなった場合には、当社グループの研究開発戦略に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 知的財産権

当社グループでは研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社グループ所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しております。FPP003、FPP004及びFPP005の開発は、「4 経営上の重要な契約等(2)技術導入」に記載した大阪大学からのライセンス契約を前提としておりますが、これらのライセンス契約が解除された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります(ただし、契約が解除されるのは、当社グループの債務不履行が発生し、その状態が改善されない場合などに限定されます)。

一方、当社グループが保有している現在出願中の特許は全て成立する保証はなく、また、特許権が成立した場合でも、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により、当社グループの特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しております。当社グループの特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは他社の特許権の侵害リスクを未然に防止するための特許調査を実施しており、これまでに、当社グループの開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。しかし、当社グループのような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

主な特許

 

対象

発明の名称

所有者

出願番号

登録状況

SR-0379

血管新生誘導活性及び抗菌活性を有するポリペプチド及びそれを含有する創傷治療剤

当社

PCT/JP2010/58838

日本、米国及び欧州の主要国において特許権が成立しております。

FPP003

疾患の要因となる生体内タンパク質を標的とするコンジュゲートワクチン

当社
大阪大学

PCT/JP2017/012187

日本、米国及び欧州の主要国において特許権が成立しております。

FPP003

FPP004

FPP005

抗老化作用を有するペプチドおよびその利用

大阪大学

(注)

PCT/JP2014/058786

日本、米国及び欧州の主要国において特許権が成立しております。

FPP003

FPP004

FPP005

新規ペプチドおよびその用途

大阪大学

(注)

PCT/JP2015/077139

日本、米国及び欧州の主要国において特許権が成立しております。

 

(注)当社の連結子会社アンチエイジングペプタイド株式会社は、大阪大学より独占的通常実施権の許諾を受けております。対象のライセンス契約は、「4 経営上の重要な契約等 (2)技術導入」に記載しております。

(3)業績等に関するリスク

① 社歴の浅さ

当社は、2013年10月に設立された社歴の浅い企業であります。当社グループは、医薬品業界において豊富な経験を有する経営陣及び各部門責任者により運営されているものの、企業としては未経験のトラブルが発生する可能性は否定できず、その場合の組織としての対応能力については、一定のリスクがあります。

 

② 収益が大きく変動する傾向

当社グループの事業収益は、事業会社との新規提携契約の契約一時金、研究開発進捗に伴う開発マイルストーン等への依存度が高いため、当面の業績は不安定に推移することが見込まれます。この傾向は、当社グループの開発品が上市され安定的な収益基盤が確立するまで続く見込みであります。

 

③ 資金繰り

抗体誘導ペプチドを含む機能性ペプチドの研究開発には多額の資金を要します。当社グループは、事業会社との提携による研究開発資金の調達や、必要に応じて適切な時期に資本市場等からの資金調達を実施し、財務基盤の強化を図る方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社グループの研究開発の進捗に対して重大な影響が生じる可能性があります。また、研究開発の進捗状況によっては、それぞれの機能性ペプチド等の研究開発資金が当初の予定金額を上回る可能性や他のプロジェクト等に充当される可能性もあります。

 

④ 調達資金使途

2020年12月の株式上場にて公募増資等により調達した資金及び2021年12月発行の第9回新株予約権により調達した資金は、機能性ペプチドSR-0379及び抗体誘導ペプチドの研究開発費等に充当する計画であります。ただし、特に医薬品分野における研究開発活動の成果が収益に結びつくには相応の期間を要する一方で、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はなく、その結果、調達した資金が期待される利益に結びつかない可能性があります。また、研究開発の進捗状況によっては、それぞれの機能性ペプチド等の研究開発資金が当初の予定金額を上回る可能性や他のプロジェクト等に充当される可能性もあります。

なお、抗体誘導ペプチドFPP003のオプション契約に関しては、初期臨床試験結果に基づきオプション権が行使され、それ以降の北米での臨床試験は提携先の住友ファーマ株式会社が実施する前提で資金計画を立てておりますが、オプション権が行使されない場合には、当社グループがその後の臨床試験実施のため、当該プロジェクトへ調達資金を充当する可能性があります。

 

⑤ 新株式発行による資金調達

当社グループは、増資等により新株式発行を伴う資金調達を実施する可能性があります。その場合には、当社の発行済株式総数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 新株予約権の権利行使

当社グループは、ストック・オプション制度を採用しております。本制度は、当社取締役、監査役、従業員及び社外協力者に対して、業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点で有効であると当社グループは認識しております。また、今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。

本書提出日の前月末現在における当社の発行済株式総数は22,735,700株であり、ストック・オプションと資金調達目的で発行した第9回新株予約権の権利が行使された場合は、新たに3,329,600株の新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。今後発行される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

⑦ 配当政策

当社は、設立以来、配当を実施しておりません。また、当面は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先する方針であります。

しかしながら、株主への利益還元については、当社の重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ、配当による利益還元の実施を検討したいと考えておりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

 

(4)その他

① 自然災害

当社グループは、事業活動の中心となる設備や人員が大阪と東京の2箇所に集中しております。また、研究開発活動の主要な部分を国内外の製造・研究開発委託機関にアウトソーシングしております。

したがって、これらの地域において地震等の大規模な災害が発生した場合には、設備等の損壊、研究開発の遅延、事業活動の停滞によって、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

2019年12月以降、日本を含む世界各地で新型コロナウイルス感染症の患者発生報告は続いており、世界保健機関(WHO)も2020年3月に当該感染症をパンデミック(世界的大流行)と宣言しております。

この影響により、当社グループの様々な事業活動が制約を受け、研究開発が遅延するなどの可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期及び前連結会計年度末との比較分析は行っておりません。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は2,474,106千円となりました。この主な内訳は、現金及び預金2,245,438千円、前渡金95,102千円、貯蔵品88,421千円であります。また、当連結会計年度末における固定資産は518,588千円となりました。この主な内訳は、契約関連無形資産371,711千円、のれん125,343千円であります。

この結果、資産合計は2,992,694千円となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は175,688千円となりました。この主な内訳は、前受金71,891千円、未払金59,197千円であります。また、当連結会計年度末における固定負債は122,420千円となりました。この内訳は、繰延税金負債122,420千円であります。

この結果、負債合計は298,109千円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は2,694,585千円となりました。この主な内訳は、資本金2,474,634千円、資本剰余金2,917,337千円、利益剰余金△2,700,067千円であります。

 

 

② 経営成績の状況

医薬品業界では新薬の研究開発の難易度が上昇しており、製薬会社は、従来の主役であった低分子医薬に加え、抗体医薬品、遺伝子医薬品、細胞医薬品・再生医療等の新しいタイプの創薬シーズ・モダリティ(創薬技術)を創薬系ベンチャー等から導入して研究開発パイプラインの強化を図っております。

当社グループが取り組んでいる抗体誘導ペプチド等の機能性ペプチドも新しいタイプの創薬シーズ・モダリティであり、当社グループは、大学等のシーズをインキュベーションして製薬会社に橋渡しすることで、医薬品業界における大学発創薬系ベンチャーの役割を果たしていきたいと考えております。この役割を担うため、当社グループは、大阪大学をはじめとする大学等の研究機関との間で、共同研究等により連携を図り、大学の技術シーズを生かした基礎研究を実施しております。更に、当社グループは、開発品の開発規模(試験規模及び必要資金規模)を踏まえ、医薬品の研究開発プロセスのうち、基礎研究から、一定段階の臨床試験や薬事承認までを実施して技術シーズのインキュベーションを行う方針です。

一方、医薬品の研究開発は期間が長く必要資金も大きいことから、当社グループは、研究開発段階から製薬会社等との提携体制を構築し、その提携収入等により、研究開発遂行上の財務リスクの低減を図っていく方針です。医薬品の研究開発段階においては、契約一時金、研究開発協力金及び開発マイルストーンを受取り、当社グループの開発品が将来上市に至った場合には、提携製薬会社からのロイヤリティー収入等によって本格的な利益拡大を実現する計画です。

このような業界環境及びビジネスモデルのもと、当社グループは、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチド「AJP001」を強みとして展開する抗体誘導ペプチドプロジェクトと機能性ペプチド「SR-0379」を中心に研究開発を進めております。

 

 

(A)抗体誘導ペプチドプロジェクト

当社グループの創薬活動の強みは、新しいモダリティである抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術「STEP UP(Search Technology of EPitope for Unique Peptide vaccine)」を保有していることです。当社グループは、機能性ペプチド「AJP001」を利用した創薬プラットフォーム技術により、多様な抗体誘導ペプチドを創生して開発パイプラインの強化を図ってまいります。高額な抗体医薬品に対して医療費を抑制できる代替医薬品として抗体誘導ペプチドを開発することにより、先進国で深刻化する医療財政問題の解決や患者様の経済的負担の軽減に貢献していきたいと考えております。

 

(a)抗体誘導ペプチド「FPP003」(標的タンパク質:IL-17A)

FPP003は、標的タンパク質IL-17Aに対する抗体誘導ペプチドの開発化合物です。先行する抗IL-17A抗体医薬品は、尋常性乾癬、強直性脊椎炎、関節症性乾癬及びX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎等の幅広い薬事承認を取得しており、既に世界市場は数千億円規模まで拡大しております。

当社グループは、2019年4月からFPP003の尋常性乾癬を対象疾患とする第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験をオーストラリア(注)で進めております。本試験は当社グループの抗体誘導ペプチドをヒトに初めて投与する臨床試験(FIH (First in Human)試験)です。2023年2月14日に公表した第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験の速報結果において、FPP003投与症例の約8割(高用量コホート、陽性率78%(9例中7例))で抗IL-17A抗体(標的タンパク質IL-17Aに対する抗体)の抗体価の持続的な上昇が確認されました。安全性に関しては、ワクチンで頻繁にみられる局所反応以外に特に臨床的に問題となるものはみられませんでした。本試験結果は、当社の抗体誘導ペプチドが慢性疾患の標的タンパク質である「自己タンパク質」(IL-17A)に対して抗体誘導することをヒトで初めて示したものであり、抗体誘導ペプチドの開発コンセプトを支持するものです。

また、強直性脊椎炎を対象とする開発については、医師主導治験として第Ⅰ相臨床試験が進んでおります。

なお、FPP003に関しては、住友ファーマ株式会社との間でオプション契約を締結しており、同社は、北米での全疾患に対する独占的開発・商業化権の取得に関するオプション権を保有しております。

(注)オーストラリアでの臨床試験データは米欧等での承認申請に使用可能であり、次相以降は米国等での臨床試験を想定しております。

 

(b)抗体誘導ペプチド「FPP004」(標的タンパク質:IgE)

FPP004は、標的タンパク質IgEに対する抗体誘導ペプチドの開発化合物です。

先行する抗IgE抗体医薬品は、喘息、慢性蕁麻疹及び花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の薬事承認を取得しております。当社グループは、日本で患者数が多い花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)を対象として開発しており、現在、前臨床試験の段階にあります。

なお、研究開発パイプラインが拡充される中、当社グループは前臨床試験等の人的リソースをFPP005等の開発に優先的に投下し、FPP004についてはバックアップ化合物の探索研究を進めております。

 

(c)抗体誘導ペプチド「FPP005」(標的タンパク質:IL-23)

FPP005は、標的タンパク質IL-23に対する抗体誘導ペプチドの開発化合物です。

先行する抗IL-23抗体医薬品は、尋常性乾癬、関節症性乾癬、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の幅広い疾患を対象に開発が進んでおります。当社は、2023年からの臨床試験開始を目指して前臨床試験を進めております。

FPP005は、2022年8月に株式会社メディパルホールディングスから、抗体誘導ペプチドの研究開発支援に関する提携契約に基づく有望な開発品として、利益分配等の対象開発品に選定されております。

 

(d)抗体誘導ペプチドの研究テーマ

抗体誘導ペプチドの探索研究は、大阪大学大学院医学系研究科との共同研究により実施しております。

自社研究テーマは、抗体医薬品の代替医薬品として、アレルギー性疾患を対象とする抗体誘導ペプチドの研究を行っております。更に生活習慣病の高血圧及び抗血栓を対象とする抗体誘導ペプチドの研究、2022年4月からは熊本大学との共同研究により脂質異常症を対象とする抗体誘導ペプチドの研究に取り組んでおります。

また、住友ファーマ株式会社との間で精神神経疾患を対象とする抗体誘導ペプチドの研究契約を締結し、製薬会社とのアライアンスのもとでの探索研究にも取り組んでおります。疼痛を対象とする抗体誘導ペプチドの探索研究については、塩野義製薬株式会社との共同研究が終了し、今後は本研究成果に基づき当社が単独で研究開発を進めていくことになりました。現在、開発化合物の創生に向けた候補化合物の最適化研究を進めております。さらに、株式会社メドレックスとの間でマイクロニードル技術を用いた抗体誘導ペプチドの次世代製剤技術開発に関する共同研究を進めております。

 

 

(B)新型コロナペプチドワクチン「FPP006」

FPP006は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するペプチドワクチンの開発化合物です。

当社は、大阪大学大学院医学系研究科との連携のもと、抗体誘導ペプチドの技術基盤を活用し、新型コロナペプチドワクチンの研究開発を行っております。

既存のワクチンはウイルス全体や標的タンパク質(mRNAワクチン、DNAワクチン、ウイルスベクターワクチン及び組換えタンパク質等)を抗原として用いて免疫を誘導するのに対し、FPP006は、ウイルスの変異の報告がないペプチド配列(エピトープ)を選択して効率的に免疫を誘導するのが特徴です。この特徴を活かして、高効率で副反応が少なくウイルスの変異の影響を受けないワクチンになることが期待されます。

 

(C)機能性ペプチド「SR-0379」

SR-0379は、皮膚潰瘍を対象疾患とする開発化合物です。皮膚のバリア機能が欠損して様々な細菌が創面に付着している皮膚潰瘍の治療には、細菌、感染のコントロールが重要です。SR-0379は、血管新生や肉芽形成促進による創傷治癒促進作用に加え、抗菌活性を併せ持つことが強みです。当社は、SR-0379の開発により、高齢化社会を迎え重要性が増している褥瘡等の皮膚潰瘍の早期回復を促進し、患者様のQOL向上に貢献することを目指しております。

SR-0379の開発は、複数のアカデミア主導の医師主導治験、更に企業治験を経て、現在、塩野義製薬株式会社と当社の共同開発により日本での開発を進めております。2022年11月22日に公表した第Ⅲ相臨床試験の速報結果において、SR-0379 群はプラセボ群と比較して主要評価項目(「簡単な外科的措置に至るまでの日数」)の日数を短縮する傾向がみられたものの、統計学的に有意な差には至りませんでした。安全性に関しては、治験薬と因果関係がある有害事象はなく、SR-0379 の高い安全性が確認されました。現在、本試験結果の詳細な解析を行っており、塩野義製薬株式会社と当社はSR-0379の今後の開発方針を検討してまいります。

 

(D)医薬品以外の事業分野

(a)機能性ペプチドの販売

医薬品以外の事業分野においては、2018年3月に株式会社ファンケルから「マイルドクレンジングシャンプー」、更に2020年4月に株式会社SMV JAPANから「携帯アルコール除菌スプレー」等が発売され、当社グループの機能性ペプチドを含有する商品が販売されております。

これらの商品販売に関し、当社グループは化粧品原料商社又は販社に対して機能性ペプチドを販売しております。

 

(b)創傷用洗浄器の共同開発

株式会社サイエンスとの間で、2022年2月から次世代の創傷用洗浄器の共同開発を進めております。同社のファインバブル技術を用いた創傷用洗浄器に当社グループの抗菌作用を示す機能性ペプチドを組み合わせて用いることにより、洗浄力の高い新規創傷用洗浄器を開発し、褥瘡等の皮膚潰瘍の治療に貢献することを目指しております。

 

(c)幹細胞化粧品の共同開発

株式会社ASメディカルサポート及び株式会社N3との間で、2022年12月に幹細胞化粧品の共同開発契約を締結いたしました。両社の幹細胞上清液の特徴を活かした幹細胞化粧品に当社グループのヒアルロン酸産生増加作用や幹細胞誘導作用をもつ機能性ペプチドを配合することにより、皮膚再生に有効性の高い新規機能性成分を配合した化粧品の共同開発を進めてまいります。

 

(d)フェムテック化粧品の共同開発

株式会社サンルイ・インターナッショナルとの間で、2023年2月にフェムテック化粧品の共同開発契約を締結いたしました。同社のフェムテック分野の化粧品に当社グループの抗菌作用を持つ機能性ペプチドを配合した新規化粧品の共同開発を進めてまいります。

 

当社は、2022年10月1日付で株式交換を実施し、当社に対して抗体誘導ペプチドに関する知的財産権を許諾しているアンチエイジングペプタイド株式会社を完全子会社化しました。

当社は、アンチエイジングペプタイド株式会社をグループ内に取り込むことにより、①医薬品分野において抗体誘導ペプチドプロジェクトのコア技術であるAJP001の知的財産基盤を統合強化し、②化粧品分野においてはアンチエイジング機能をもつOSK9等のショートペプチド群を取得して機能性ペプチド事業の強化を図ってまいります。

これに関連して、当社はグループ内の事業分野別の役割分担を明確にするため、化粧品分野等での機能性ペプチドの販売業務等(以下「化粧品事業等」という)を2022年12月1日付でアンチエイジングペプタイド株式会社に事業譲渡いたしました。当社は、医薬品事業を中心に事業展開し、AAPは非医薬品事業の化粧品事業等に特化して事業拡大を図ってまいります。

 

 

以上の事業を進めた結果、当連結会計年度の業績は、事業収益1,067千円、営業損失1,169,069千円、経常損失1,175,229千円、親会社株主に帰属する当期純損失1,172,515千円となりました。

 

・事業収益

化粧品分野向け等の機能性ペプチド販売額1,067千円を計上いたしました。

 

・事業費用、営業損失、経常損失及び当期純損失

研究開発費はSR-0379の臨床試験費用及び抗体誘導ペプチド開発費用等により912,355千円、その他の販売費及び一般管理費は257,781千円計上し、事業費用は1,170,136千円となりました。

営業損失は1,169,069千円、経常損失は1,175,229千円及び親会社株主に帰属する当期純損失は1,172,515千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、当連結会計年度末には2,245,438千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は1,053,151千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,175,229千円の計上並びに前渡金166,377千円の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は19,141千円となりました。これは主に、有形固定資産12,978千円の取得及び差入保証金6,037千円の差入によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は245,125千円となりました。これは主に、新株式の発行による収入によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

b.受注実績

当社は研究開発を主体としており、受注生産を行っておりませんので、受注実績は記載しておりません。

 

c.販売実績

当社グループは医薬品等の研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの情報は記載しておりません。当連結会計年度の販売実績は以下のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(千円)

医薬品等の研究開発事業

1,067

 

(注)当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

アリスタヘルスアンドニュートリションサイエンス株式会社

525

49.2

株式会社SMV JAPAN

489

45.8

 

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「② 経営成績の状況」に記載しております。

また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの主な資金需要は、医薬品等の創出のための研究開発費やその他の販売費及び一般管理費等の事業費用であり、これら事業上必要な資金は、事業収益から得られる資金だけでなく、株式市場等からの増資資金の獲得や補助金等の活用により調達しております。また、手元資金については、資金需要に迅速かつ確実に対応するため、銀行預金により流動性を確保しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、連結財務諸表作成時に入手可能な情報及び合理的な基準に基づき判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)株式交換

当社は、2022年7月14日開催の取締役会決議に基づき、アンチエイジングペプタイド株式会社との間で、知的財産基盤を統合強化し、また化粧品分野における機能性ペプチド事業をより一層強化することを目的として、同日付で株式交換契約を締結いたしました。

株式交換の概要は以下のとおりであります。

① 株式交換の内容

当社を完全親会社とし、アンチエイジングペプタイド株式会社を完全子会社とする株式交換

② 株式交換の日(効力発生日)

2022年10月1日

③ 株式交換の方法

株式交換日現在のアンチエイジングペプタイド株式会社の株主名簿に記載又は記録された株主に対して、当社は普通株式2,385,500株を新たに発行し、割当交付します。

④ 株式交換比率

 

 

当社

アンチエイジング

ペプタイド株式会社

株式交換比率

6,500

1

 

⑤ 株式交換比率の算定根拠

当社は、株式交換比率の算定にあたり、その公平性・妥当性を確保するため、両社から独立した第三者算定機関である株式会社赤坂国際会計に株式価値評価を依頼しました。

当社は、アンチエイジングペプタイド株式会社のデューデリジェンスや第三者機関による株式価値評価の結果を受けて、同社の財務状況や資産状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案した上で、アンチエイジングペプタイド株式会社と協議を重ねてまいりました。その結果、当該株式交換比率は妥当であり、株主の利益を損ねるものではないとの判断に至ったため、両社の取締役会の決議に基づき、株式交換契約を締結しました。

⑥ 株式交換完全親会社となる会社の概要

資本金  2,474,634千円

事業内容 機能性ペプチドの研究開発

 

(2)技術導入

 

契約会社名

相手方

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

名称

国名

アンチエイジングペプタイド㈱

(連結子会社)

国立大学法人
大阪大学

日本

ライセンス契約

2016年5月

抗体誘導ペプチド等に関する知的財産権の独占的な実施権の許諾

2016年5月から本特許期間満了日まで

㈱ファンペップ

(当社)

国立大学法人
大阪大学

日本

ライセンス契約

2018年8月9日

FPP003等の抗体誘導ペプチドの独占的な実施権の許諾

2018年8月9日から本特許期間満了日まで

㈱ファンペップ

(当社)

国立大学法人
大阪大学

日本

ライセンス契約

2023年3月6日

FPP005等の抗体誘導ペプチドの独占的な実施権の許諾

2023年3月6日から本特許期間満了日まで

 

 

(3)技術導出

 

相手方

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

名称

国名

塩野義製薬㈱

日本

ライセンス契約

2015年10月13日

機能性ペプチドSR-0379の独占的な実施権の許諾及び再許諾に関する契約

2015年10月13日から

本製品の許諾対象地域における最初の商業的販売から15年を経過する日又は本製品を実質的に保護する本特許の特許期間満了日のいずれか遅く到来する日まで

住友ファーマ㈱

日本

オプション契約

2018年3月30日

抗体誘導ペプチドFPP003の北米における独占的な実施権の許諾及び再許諾に関するオプション契約

2018年3月30日から

対象のライセンス契約が締結された日又はライセンス契約が締結されないと決定した日のいずれか早く到来する日まで

(4)業務提携

 

相手方

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

名称

国名

㈱メディパルホールディングス

日本

提携基本契約

2016年2月10日

抗体誘導ペプチドの研究開発に関する提携契約

2016年2月10日から

すべての開発対象医薬品に係る個別覚書の有効期限が満了するまで

 

 

(5)共同研究

 

相手方

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

名称

国名

国立大学法人
大阪大学

日本

共同研究契約

2015年9月28日

「抗体誘導ペプチド」を用いた各種疾患に対するワクチンデザインと機能性評価、機能性ペプチドの作用メカニズムの解析に関する共同研究

2015年7月16日から

2024年3月31日まで

国立大学法人
大阪大学

日本

共同研究契約

2017年9月4日

能動免疫療法に用いるキャリアタンパク、抗原及びアジュバントの基盤研究に関する共同研究

2017年9月1日から

2024年3月31日まで

 

 

 

2【主要な設備の状況】

(1)提出会社

 

 

2022年12月31日現在

事業所名

(所在地)

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数(人)

建物附属設備

工具、器具及び備品

ソフトウエア

合計

東京オフィス

(東京都中央区)

本社機能

5,256

950

6,207

5

(1)

千里リサーチセンター

(大阪府吹田市)

研究開発設備

8,120

352

8,473

9

(1)

 

(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。

2.従業員数は就業人員であり、使用人兼務役員を含んでおります。なお、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

3.上記の他、主要な賃借している設備として、以下のものがあります。なお、2022年11月に東京オフィスを東京都渋谷区より東京都中央区に移転しております。

 

事業所名

(所在地)

設備の内容

従業員数(人)

土地面積(㎡)

年間賃借料
(千円)

東京オフィス

(東京都中央区)

本社機能

5

(1)

133

519

旧・東京オフィス

(東京都渋谷区)

本社機能

166

6,490

千里リサーチセンター

(大阪府吹田市)

研究開発設備

9

(1)

161

3,726

 

 

(2)国内子会社

該当事項はありません。

 

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

56,000,000

56,000,000

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在

発行数(株)

(2022年12月31日)

提出日現在

発行数(株)

(2023年3月30日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

21,399,900

22,735,700

東京証券取引所

グロース市場

権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であり、単元株式数は100株であります。

21,399,900

22,735,700

 

(注)1.発行済株式のうち200,000株は、現物出資(知的財産権10,000千円)によるものであります。

2.「提出日現在発行数」には、2023年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。

3.当社は、東京証券取引所マザーズ市場に上場しておりましたが、2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、同日以降の上場金融商品取引所名は、東京証券取引所グロース市場となっております。

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

 

第3回新株予約権

 

決議年月日

2015年3月31日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社取締役    3

当社従業員    1

新株予約権の数(個)※

66

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式   330,000(注)1

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

50(注)2

新株予約権の行使期間 ※

自 2017年4月16日 至 2025年3月31日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格     50

資本組入額    25

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

権利の譲渡、質入その他一切の処分をすることはできない。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)4

 

※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年2月28日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式の数は5,000株であります。

なお、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、次の算式により、目的である株式の数を調整し、その結果生じる1株未満の端数は切り捨てる。ただし、係る調整は、新株予約権のうち当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数について行う。

調整後株式数 = 調整前株式数 × 分割・併合の比率

また、新株予約権の割当日後、新株予約権の目的である株式の数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で株式数の調整を行うことができるものとする。

2.新株予約権の行使に際して出資される財産の算定方法は、以下のとおりであります。

(1)当社が普通株式につき株式分割(無償割当てを含む。)又は株式併合を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、その結果生じる1円未満の端数は切り上げる。

調整後行使価額 = 調整前行使価額 ×

分割・併合の比率

 

(2)当社が時価を下回る価額で新株の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)の行使及び取得請求権付株式の取得請求権の行使による場合を除く。)、次の算式により行使価額を調整し、その結果生じる1円未満の端数は切り上げる。

 

既発行株式数 +

新規発行株式数 × 1株当たり払込金額

調整後行使価額 = 調整前行使価額 ×

1株当たりの時価

既発行株式数 + 新規発行株式数

 

上記算式において、「既発行株式数」とは当社の発行済普通株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」、「1株当たり払込金額」を「1株当たり処分金額」と読み替える。

(3)以下の場合、当社は必要と認める行使価額の調整を行うものとする。

① 当社が合併を行う場合において、存続会社もしくは新設会社が新株予約権にかかる当社の義務を承継するとき

② 会社分割を行う場合において、分割によって設立された会社もしくは分割によって営業を承継する会社が新株予約権に係る当社の義務を承継するとき

③ その他これらの場合に準じて行使価額の調整の必要があるとき

 

3.新株予約権の行使の条件は、以下のとおりであります。

(1)新株予約権は、発行時に割当を受けた新株予約権者において、これを行使することができる。

(2)新株予約権者のうち新株予約権発行時において、当社の取締役、監査役又は従業員の地位にあった者は、新株予約権の行使時においても、当社、当社子会社又は関係会社の取締役、監査役又は従業員の地位にあることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職その他正当な理由がある場合として、当社が特に承認した場合は、その限りではない。

(3)新株予約権者が死亡した場合は、その相続人は新株予約権の相続は認めないものとする。

(4)新株予約権の権利行使価額の年間の合計額が1,200万円を超えない。

(5)新株予約権の割当個数の全部又は一部を行使することができる。ただし、1個の新株予約権を更に分割して行使することはできない。

(6)新株予約権者が以下のうちいずれか一つの条件を満たした場合、新株予約権を行使することができない。

① 禁固以上の刑に処された場合

② 戒告以上の懲戒処分を2回以上受けた場合

③ 書面による事前の同意なく、競業他社の役員、従業員又はコンサルタント等に就いた場合

④ 所定の書面により新株予約権の全部又は一部を放棄する旨を申し出た場合

⑤ 法令又は社内諸規則等の違反、又は当社に対する背信行為があり、当社が新株予約権の行使を認めない旨を書面にて通知をした場合

4.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項は、以下のとおりであります。

当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転を行う場合には、組織再編成行為の効力発生日において、新株予約権の新株予約権者に対し、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づき交付するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限る。

(1)交付する再編対象会社の新株予約権の数

組織再編行為の効力発生日直前において、新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数を交付する。

(2)交付する再編対象会社の新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類

再編対象会社の普通株式とする。

(3)交付する再編対象会社の新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数

組織再編行為の条件を勘案のうえ、上記1.に準じて再編対象会社が決定する。

(4)交付する再編対象会社の新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

交付する再編対象会社の新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、上記2.に従って定められる調整後行使価額を基準に組織再編行為の条件等を勘案のうえ再編対象会社が合理的に決定する価額に、上記(3)に従って定められる当該新株予約権1個当たりの目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。

(5)交付する再編対象会社の新株予約権を行使することができる期間

権利行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から権利行使期間の末日までとする。

(6)譲渡による交付する再編対象会社の新株予約権の取得の制限

譲渡による交付する再編対象会社の新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要する。

(7)交付する再編対象会社の新株予約権の行使の条件

上記3.に準じて決定する。

(8)交付する再編対象会社の新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項

① 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とする。計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。

② 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金等増加限度額から、上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とする。

(9)交付する再編対象会社の新株予約権の取得条項

当社は、新株予約権の割当を受けた者が新株予約権の行使の条件に定める規定により、権利を行使する条件には該当しなくなった場合には、新株予約権を無償で取得することができる。

 

第4回新株予約権

 

決議年月日

2015年9月17日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社取締役    1

当社従業員    8

新株予約権の数(個)※

110

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式   550,000(注)1

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

200(注)2

新株予約権の行使期間 ※

自 2017年10月1日 至 2025年6月15日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格     200

資本組入額    100

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

権利の譲渡、質入その他一切の処分をすることはできない。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)4

 

※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年2月28日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式の数は5,000株であります。また、退職により権利を喪失した個数を減じて記載しております。

なお、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、次の算式により、目的である株式の数を調整し、その結果生じる1株未満の端数は切り捨てる。ただし、係る調整は、新株予約権のうち当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数について行う。

調整後株式数 = 調整前株式数 × 分割・併合の比率

また、新株予約権の割当日後、新株予約権の目的である株式の数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で株式数の調整を行うことができるものとする。

2.新株予約権の行使に際して出資される財産の算定方法は、以下のとおりであります。

(1)当社が普通株式につき株式分割(無償割当てを含む。)又は株式併合を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、その結果生じる1円未満の端数は切り上げる。

調整後行使価額 = 調整前行使価額 ×

分割・併合の比率

 

(2)当社が時価を下回る価額で新株の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)の行使及び取得請求権付株式の取得請求権の行使による場合を除く。)、次の算式により行使価額を調整し、その結果生じる1円未満の端数は切り上げる。

 

既発行株式数 +

新規発行株式数 × 1株当たり払込金額

調整後行使価額 = 調整前行使価額 ×

1株当たりの時価

既発行株式数 + 新規発行株式数

 

上記算式において、「既発行株式数」とは当社の発行済普通株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」、「1株当たり払込金額」を「1株当たり処分金額」と読み替える。

(3)以下の場合、当社は必要と認める行使価額の調整を行うものとする。

① 当社が合併を行う場合において、存続会社もしくは新設会社が新株予約権にかかる当社の義務を承継するとき

② 会社分割を行う場合において、分割によって設立された会社もしくは分割によって営業を承継する会社が新株予約権に係る当社の義務を承継するとき

③ その他これらの場合に準じて行使価額の調整の必要があるとき

3.新株予約権の行使の条件は、以下のとおりであります。

(1)新株予約権は、発行時に割当を受けた新株予約権者において、これを行使することができる。

(2)新株予約権者のうち新株予約権発行時において、当社の取締役、監査役又は従業員の地位にあった者は、新株予約権の行使時においても、当社、当社子会社又は関係会社の取締役、監査役又は従業員の地位にあることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職その他正当な理由がある場合として、当社が特に承認した場合は、その限りではない。

(3)新株予約権者が死亡した場合は、その相続人は新株予約権の相続は認めないものとする。

(4)新株予約権の権利行使価額の年間の合計額が1,200万円を超えない。

(5)新株予約権の割当個数の全部又は一部を行使することができる。ただし、1個の新株予約権を更に分割して行使することはできない。

(6)新株予約権者が以下のうちいずれか一つの条件を満たした場合、新株予約権を行使することができない。

① 禁固以上の刑に処された場合

② 戒告以上の懲戒処分を2回以上受けた場合

③ 書面による事前の同意なく、競業他社の役員、従業員又はコンサルタント等に就いた場合

④ 所定の書面により新株予約権の全部又は一部を放棄する旨を申し出た場合

⑤ 法令又は社内諸規則等の違反、又は当社に対する背信行為があり、当社が新株予約権の行使を認めない旨を書面にて通知をした場合

4.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項は、以下のとおりであります。

当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転を行う場合には、組織再編成行為の効力発生日において、新株予約権の新株予約権者に対し、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づき交付するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限る。

(1)交付する再編対象会社の新株予約権の数

組織再編行為の効力発生日直前において、新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数を交付する。

(2)交付する再編対象会社の新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類

再編対象会社の普通株式とする。

(3)交付する再編対象会社の新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数

組織再編行為の条件を勘案のうえ、上記1.に準じて再編対象会社が決定する。

(4)交付する再編対象会社の新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

交付する再編対象会社の新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、上記2.に従って定められる調整後行使価額を基準に組織再編行為の条件等を勘案のうえ再編対象会社が合理的に決定する価額に、上記(3)に従って定められる当該新株予約権1個当たりの目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。

(5)交付する再編対象会社の新株予約権を行使することができる期間

権利行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から権利行使期間の末日までとする。

(6)譲渡による交付する再編対象会社の新株予約権の取得の制限

譲渡による交付する再編対象会社の新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要する。

(7)交付する再編対象会社の新株予約権の行使の条件

上記3.に準じて決定する。

(8)交付する再編対象会社の新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項

① 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とする。計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。

② 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金等増加限度額から、上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とする。

(9)交付する再編対象会社の新株予約権の取得条項

当社は、新株予約権の割当を受けた者が新株予約権の行使の条件に定める規定により、権利を行使する条件には該当しなくなった場合には、新株予約権を無償で取得することができる。

 

第5回新株予約権

 

決議年月日

2015年12月18日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社取締役    5

当社従業員    6

新株予約権の数(個)※

55

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式   275,000(注)1

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

200(注)2

新株予約権の行使期間 ※

自 2018年1月1日 至 2025年12月17日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格     200

資本組入額    100

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

権利の譲渡、質入その他一切の処分をすることはできない。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)4

 

※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年2月28日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式の数は5,000株であります。また、退職により権利を喪失した個数を減じて記載しております。

なお、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、次の算式により、目的である株式の数を調整し、その結果生じる1株未満の端数は切り捨てる。ただし、係る調整は、新株予約権のうち当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数について行う。

調整後株式数 = 調整前株式数 × 分割・併合の比率

また、新株予約権の割当日後、新株予約権の目的である株式の数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で株式数の調整を行うことができるものとする。

2.新株予約権の行使に際して出資される財産の算定方法は、以下のとおりであります。

(1)当社が普通株式につき株式分割(無償割当てを含む。)又は株式併合を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、その結果生じる1円未満の端数は切り上げる。

調整後行使価額 = 調整前行使価額 ×

分割・併合の比率

 

(2)当社が時価を下回る価額で新株の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)の行使及び取得請求権付株式の取得請求権の行使による場合を除く。)、次の算式により行使価額を調整し、その結果生じる1円未満の端数は切り上げる。

 

既発行株式数 +

新規発行株式数 × 1株当たり払込金額

調整後行使価額 = 調整前行使価額 ×

1株当たりの時価

既発行株式数 + 新規発行株式数

 

上記算式において、「既発行株式数」とは当社の発行済普通株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」、「1株当たり払込金額」を「1株当たり処分金額」と読み替える。

(3)以下の場合、当社は必要と認める行使価額の調整を行うものとする。

① 当社が合併を行う場合において、存続会社もしくは新設会社が新株予約権にかかる当社の義務を承継するとき

② 会社分割を行う場合において、分割によって設立された会社もしくは分割によって営業を承継する会社が新株予約権に係る当社の義務を承継するとき

③ その他これらの場合に準じて行使価額の調整の必要があるとき

3.新株予約権の行使の条件は、以下のとおりであります。

(1)新株予約権は、発行時に割当を受けた新株予約権者において、これを行使することができる。

(2)新株予約権者のうち新株予約権発行時において、当社の取締役、監査役又は従業員の地位にあった者は、新株予約権の行使時においても、当社、当社子会社又は関係会社の取締役、監査役又は従業員の地位にあることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職その他正当な理由がある場合として、当社が特に承認した場合は、その限りではない。

(3)新株予約権者が死亡した場合は、その相続人は新株予約権を相続しないものとする。

(4)新株予約権の権利行使価額の年間の合計額が1,200万円を超えない。

(5)新株予約権の割当個数の全部又は一部を行使することができる。ただし、1個の新株予約権を更に分割して行使することはできない。

(6)新株予約権者が以下のうちいずれか一つの条件を満たした場合、新株予約権を行使することができない。

① 禁固以上の刑に処された場合

② 戒告以上の懲戒処分を2回以上受けた場合

③ 書面による事前の同意なく、競業他社の役員、従業員又はコンサルタント等に就いた場合

④ 所定の書面により新株予約権の全部又は一部を放棄する旨を申し出た場合

⑤ 法令又は社内諸規則等の違反、又は当社に対する背信行為があり、当社が新株予約権の行使を認めない旨を書面にて通知をした場合

4.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項は、以下のとおりであります。

当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転を行う場合には、組織再編成行為の効力発生日において、新株予約権の新株予約権者に対し、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づき交付するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限る。

(1)交付する再編対象会社の新株予約権の数

組織再編行為の効力発生日直前において、新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数を交付する。

(2)交付する再編対象会社の新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類

再編対象会社の普通株式とする。

(3)交付する再編対象会社の新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数

組織再編行為の条件を勘案のうえ、上記2.に準じて再編対象会社が決定する。

(4)交付する再編対象会社の新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

交付する再編対象会社の新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、上記3.に従って定められる調整後行使価額を基準に組織再編行為の条件等を勘案のうえ再編対象会社が合理的に決定する価額に、上記(3)に従って定められる当該新株予約権1個当たりの目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。

(5)交付する再編対象会社の新株予約権を行使することができる期間

権利行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から権利行使期間の末日までとする。

(6)譲渡による交付する再編対象会社の新株予約権の取得の制限

譲渡による交付する再編対象会社の新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要する。

(7)交付する再編対象会社の新株予約権の行使の条件

上記4.に準じて決定する。

(8)交付する再編対象会社の新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項

① 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とする。計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。

② 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金等増加限度額から、上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とする。

(9)交付する再編対象会社の新株予約権の取得条項

当社は、新株予約権の割当を受けた者が新株予約権の行使の条件に定める規定により、権利を行使する条件には該当しなくなった場合には、新株予約権を無償で取得することができる。

 

第8回新株予約権

 

決議年月日

2020年9月30日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社従業員    4

新株予約権の数(個)※

52,500

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式   52,500(注)1

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

630(注)2

新株予約権の行使期間 ※

自 2022年10月11日 至 2030年9月29日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格     630

資本組入額    315

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

権利の譲渡、質入その他一切の処分をすることはできない。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)4

 

※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年2月28日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式の数は1株であります。

なお、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、次の算式により、目的である株式の数を調整し、その結果生じる1株未満の端数は切り捨てる。ただし、係る調整は、新株予約権のうち当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数について行う。

調整後株式数 = 調整前株式数 × 分割・併合の比率

また、新株予約権の割当日後、新株予約権の目的である株式の数の調整を必要とする場合は、当社は合理的な範囲で株式数の調整を行うことができるものとする。

2.新株予約権の行使に際して出資される財産の算定方法は、以下のとおりであります。

(1)当社が普通株式につき株式分割(無償割当てを含む。)又は株式併合を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、その結果生じる1円未満の端数は切り上げる。

調整後行使価額 = 調整前行使価額 ×

分割・併合の比率

 

(2)当社が時価を下回る価額で新株の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)の行使及び取得請求権付株式の取得請求権の行使による場合を除く。)は、次の算式により行使価額を調整し、その結果生じる1円未満の端数は切り上げる。

 

既発行株式数 +

新規発行株式数 × 1株当たり払込金額

調整後行使価額 = 調整前行使価額 ×

1株当たりの時価

既発行株式数 + 新規発行株式数

 

上記算式において、「既発行株式数」とは当社の発行済普通株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」、「1株当たり払込金額」を「1株当たり処分金額」と読み替える。

(3)以下の場合、当社は必要と認める行使価額の調整を行うものとする。

① 当社が合併を行う場合において、存続会社もしくは新設会社が新株予約権にかかる当社の義務を承継するとき

② 会社分割を行う場合において、分割によって設立された会社もしくは分割によって営業を承継する会社が新株予約権に係る当社の義務を承継するとき

③ その他これらの場合に準じて行使価額の調整の必要があるとき

3.新株予約権の行使の条件は、以下のとおりであります。

(1)新株予約権は、発行時に割当を受けた新株予約権者において、これを行使することができる。

(2)新株予約権者のうち新株予約権発行時において、当社の取締役、監査役又は従業員の地位にあった者は、新株予約権の行使時においても、当社、当社子会社又は関係会社の取締役、監査役又は従業員の地位にあることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職その他正当な理由がある場合として、当社が特に承認した場合は、その限りではない。

(3)新株予約権者が死亡した場合は、その相続人は新株予約権を相続しないものとする。

(4)新株予約権の権利行使価額の年間の合計額が1,200万円を超えない。

 

(5)新株予約権の割当個数の全部又は一部を行使することができる。ただし、1個の新株予約権を更に分割して行使することはできない。

(6)新株予約権者が以下のうちいずれか一つの条件を満たした場合、新株予約権を行使することができない。

① 禁固以上の刑に処された場合

② 戒告以上の懲戒処分を2回以上受けた場合

③ 書面による事前の同意なく、競業他社の役員、従業員又はコンサルタント等に就いた場合

④ 所定の書面により新株予約権の全部又は一部を放棄する旨を申し出た場合

⑤ 法令又は社内諸規則等の違反、又は当社に対する背信行為があり、当社が新株予約権の行使を認めない旨を書面にて通知をした場合

4.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項は、以下のとおりであります。

当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転を行う場合には、組織再編成行為の効力発生日において、新株予約権の新株予約権者に対し、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づき交付するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限る。

(1)交付する再編対象会社の新株予約権の数

組織再編行為の効力発生日直前において、新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数を交付する。

(2)交付する再編対象会社の新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類

再編対象会社の普通株式とする。

(3)交付する再編対象会社の新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数

組織再編行為の条件を勘案のうえ、上記1.に準じて再編対象会社が決定する。

(4)交付する再編対象会社の新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

交付する再編対象会社の新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、上記2.に従って定められる調整後行使価額を基準に組織再編行為の条件等を勘案のうえ再編対象会社が合理的に決定する価額に、上記(3)に従って定められる当該新株予約権1個当たりの目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。

(5)交付する再編対象会社の新株予約権を行使することができる期間

権利行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から権利行使期間の末日までとする。

(6)譲渡による交付する再編対象会社の新株予約権の取得の制限

譲渡による交付する再編対象会社の新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要する。

(7)交付する再編対象会社の新株予約権の行使の条件

上記3.に準じて決定する。

(8)交付する再編対象会社の新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項

① 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とする。計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。

② 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金等増加限度額から、上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とする。

(9)交付する再編対象会社の新株予約権の取得条項

当社は、新株予約権の割当を受けた者が新株予約権の行使の条件に定める規定により、権利を行使する条件には該当しなくなった場合には、新株予約権を無償で取得することができる。

 

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式総数増減数(株)

発行済株式総数残高(株)

資本金増減額(千円)

資本金残高(千円)

資本準備金増減額(千円)

資本準備金残高(千円)

2018年9月27日

(注)1

439,300

11,614,300

230,632

634,540

230,632

633,540

2020年8月14日

(注)2

2,392,700

14,007,000

753,700

1,388,240

753,700

1,387,240

2020年12月24日

(注)3

2,739,700

16,746,700

819,170

2,207,410

819,170

2,206,410

2021年1月27日

(注)4

395,600

17,142,300

118,284

2,325,695

118,284

2,324,695

2021年1月1日~

2021年12月31日

(注)5

585,000

17,727,300

17,875

2,343,570

17,875

2,342,570

2021年1月1日~

2021年12月31日

(注)6

58,800

17,786,100

6,880

2,350,451

6,880

2,349,451

2022年10月1日

(注)7

2,385,500

20,171,600

2,350,451

443,703

2,793,154

2022年1月1日~

2022年12月31日

(注)8

70,000

20,241,600

1,520

2,351,971

1,520

2,794,674

2022年1月1日~

2022年12月31日

(注)9

1,158,300

21,399,900

122,663

2,474,634

122,663

2,917,337

 

(注)1.有償第三者割当

割当先   塩野義製薬株式会社、株式会社メディパルホールディングス、大日本住友製薬株式会社、
みずほ成長支援投資事業有限責任組合、株式会社ファンケル、森下仁丹株式会社、
バイオ・サイト・スタート投資事業有限責任組合、バイオ・サイト・キャピタル株式会社

発行価格     1,050円

資本組入額     525円

2.有償第三者割当

割当先   SBI4&5投資事業有限責任組合、New Life Science 1号投資事業有限責任組合、
UNICORNファンド投資事業有限責任組合、EPSホールディングス株式会社、
バイオ・サイト・スタート投資事業有限責任組合

発行価格      630円

資本組入額     315円

3.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)

発行価格      650円

引受価額      598円

資本組入額     299円

払込金総額 1,638,340千円

4.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当)

発行価格      598円

資本組入額     299円

割当先    株式会社SBI証券

5.新株予約権の行使による増加であります。

6.行使価額修正条項付新株予約権の行使による増加であります。

7.アンチエイジングペプタイド株式会社との株式交換に伴う新株発行によるものであります。

発行価格      186円

資本組入額      -円

8.新株予約権の行使による増加であります。

9.行使価額修正条項付新株予約権の行使による増加であります。

10.2023年1月1日から2023年2月28日までの間に、行使価額修正条項付新株予約権の行使により、発行済株式総数が1,335,800株、資本金及び資本準備金がそれぞれ134,924千円増加しております。

11.2023年3月29日開催の定時株主総会において、資本準備金を2,678,169千円減少し、欠損てん補することを決議しております。

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数(人)

1

20

47

15

44

6,627

6,754

所有株式数

(単元)

189

9,737

58,285

1,180

697

143,827

213,915

8,400

所有株式数の割合(%)

0.09

4.55

27.25

0.55

0.32

67.24

100.00

 

(注)自己株式1株は、「単元未満株式の状況」に含まれております。

(6)【大株主の状況】

 

 

2022年12月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

森下 竜一

大阪府吹田市

1,340,000

6.26

SBI4&5投資事業有限責任組合

東京都港区六本木一丁目6番1号

1,190,400

5.56

塩野義製薬株式会社

大阪市中央区道修町三丁目1番8号

1,095,200

5.12

三好 稔美

東京都渋谷区

1,025,000

4.79

有限会社アドバンステクノロジー

大阪府吹田市千里山西一丁目41番4号

1,000,000

4.67

株式会社ReBeage

東京都世田谷区上馬二丁目34番15号202号室

835,000

3.90

New Life Science1号投資事業有限責任組合

東京都港区虎ノ門五丁目13番1号

虎ノ門40MTビル

793,600

3.71

株式会社SOLA

東京都港区西麻布四丁目22番15号602号室

750,000

3.50

平井 昭光

横浜市港北区

700,000

3.27

中神 啓徳

大阪府茨木市

650,000

3.04

9,379,200

43.83

 

(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。

 

 

① 【連結貸借対照表】

 

(単位:千円)

 

当連結会計年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

流動資産

 

現金及び預金

2,245,438

貯蔵品

88,421

前渡金

95,102

前払費用

13,090

その他

32,052

流動資産合計

2,474,106

固定資産

 

有形固定資産

 

建物附属設備

5,443

減価償却累計額

186

建物附属設備(純額)

5,256

工具、器具及び備品

17,927

減価償却累計額

8,855

工具、器具及び備品(純額)

9,071

有形固定資産合計

14,328

無形固定資産

 

のれん

125,343

契約関連無形資産

371,711

その他

820

無形固定資産合計

497,875

投資その他の資産

 

長期前払費用

346

差入保証金

6,037

投資その他の資産合計

6,384

固定資産合計

518,588

資産合計

2,992,694

 

 

 

 

(単位:千円)

 

当連結会計年度

(2022年12月31日)

負債の部

 

流動負債

 

未払金

59,197

未払費用

23,787

未払法人税等

19,390

前受金

71,891

預り金

1,421

流動負債合計

175,688

固定負債

 

繰延税金負債

122,420

固定負債合計

122,420

負債合計

298,109

純資産の部

 

株主資本

 

資本金

2,474,634

資本剰余金

2,917,337

利益剰余金

2,700,067

自己株式

0

株主資本合計

2,691,903

新株予約権

2,682

純資産合計

2,694,585

負債純資産合計

2,992,694

 

【連結損益計算書】

 

(単位:千円)

 

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

事業収益

※1  1,067

事業費用

 

研究開発費

※2  912,355

その他の販売費及び一般管理費

※3  257,781

事業費用合計

1,170,136

営業損失(△)

1,169,069

営業外収益

 

受取利息

29

補助金収入

254

受取手数料

108

その他

38

営業外収益合計

430

営業外費用

 

株式交付費

2,232

為替差損

4,088

その他

269

営業外費用合計

6,590

経常損失(△)

1,175,229

税金等調整前当期純損失(△)

1,175,229

法人税、住民税及び事業税

3,271

法人税等調整額

5,985

法人税等合計

2,713

当期純損失(△)

1,172,515

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

1,172,515

 

① 【貸借対照表】

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

3,007,138

2,180,439

貯蔵品

50,906

88,421

前渡金

261,479

95,102

前払費用

10,449

13,090

その他

25,516

  44,383

流動資産合計

3,355,490

2,421,437

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物附属設備

720

5,443

減価償却累計額

417

186

建物附属設備(純額)

302

5,256

工具、器具及び備品

10,392

17,927

減価償却累計額

5,120

8,855

工具、器具及び備品(純額)

5,271

9,071

有形固定資産合計

5,574

14,328

無形固定資産

 

 

商標権

597

ソフトウエア

198

352

無形固定資産合計

796

352

投資その他の資産

 

 

関係会社株式

449,441

長期前払費用

492

346

差入保証金

2,360

6,037

投資その他の資産合計

2,852

455,826

固定資産合計

9,223

470,507

資産合計

3,364,713

2,891,945

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

未払金

98,332

59,197

未払費用

34,287

23,787

未払法人税等

15,694

19,186

前受金

39,000

71,891

預り金

1,359

1,398

流動負債合計

188,674

175,461

負債合計

188,674

175,461

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

2,350,451

2,474,634

資本剰余金

 

 

資本準備金

2,349,451

2,917,337

資本剰余金合計

2,349,451

2,917,337

利益剰余金

 

 

その他利益剰余金

 

 

繰越利益剰余金

1,527,552

2,678,169

利益剰余金合計

1,527,552

2,678,169

自己株式

0

株主資本合計

3,172,349

2,713,801

新株予約権

3,689

2,682

純資産合計

3,176,039

2,716,483

負債純資産合計

3,364,713

2,891,945

② 【損益計算書】

 

 

(単位:千円)

 

 前事業年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

 当事業年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

事業収益

126,869

1,067

事業費用

 

 

事業原価

382

研究開発費

※2  662,112

※2  912,355

その他の販売費及び一般管理費

※3  209,419

※3  240,852

事業費用合計

871,914

1,153,208

営業損失(△)

745,044

1,152,140

営業外収益

 

 

受取利息

31

29

業務受託料

※1  300

補助金収入

73,333

254

受取手数料

49

108

その他

119

38

営業外収益合計

73,532

730

営業外費用

 

 

株式交付費

7,089

2,232

為替差損

1,052

4,088

その他

0

269

営業外費用合計

8,142

6,590

経常損失(△)

679,654

1,158,000

特別利益

 

 

事業譲渡益

※1,※4  10,603

特別利益合計

10,603

税引前当期純損失(△)

679,654

1,147,397

法人税、住民税及び事業税

2,610

3,220

当期純損失(△)

682,265

1,150,617