ソレイジア・ファーマ株式会社
|
回次 |
国際会計基準 |
|||||
|
第11期 |
第12期 |
第13期 |
第14期 |
第15期 |
||
|
決算年月 |
2018年12月 |
2019年12月 |
2020年12月 |
2021年12月 |
2022年12月 |
|
|
売上収益 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
|
税引前当期利益(△損失) |
(百万円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益(△損失) |
(百万円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
親会社の所有者に帰属する当期包括利益 |
(百万円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
|
総資産額 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
|
1株当たり親会社の所有者帰属持分 |
(円) |
|
|
|
|
|
|
基本的1株当たり当期利益(△損失) |
(円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
希薄化後1株当たり当期利益(△損失) |
(円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
親会社所有者帰属持分比率 |
(%) |
|
|
|
|
|
|
親会社所有者帰属持分当期利益率 |
(%) |
|
|
|
|
|
|
株価収益率 |
(倍) |
|
|
|
|
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
|
|
|
|
|
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
|
従業員数 |
(人) |
|
|
|
|
|
|
(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
|
(注)1.上記指標は、国際会計基準(以下「IFRS」)により作成された連結財務諸表に基づいています。
2.第11期より、株式給付信託制度(J-ESOP)を導入し、信託が保有する当社株式を連結財務諸表において自己株式として計上しております。これに伴い、当該信託が保有する当社株式を、1株当たり親会社の所有者帰属持分の算定上、期末発行済株式総数の計算において控除する自己株式に含めており、また、基本的1株当たり当期利益(△損失)及び希薄化後1株当たり当期利益(△損失)の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
3.希薄化後1株当たり当期利益(△損失)は、ストックオプション、転換社債型新株予約権付社債及び株式給付信託が逆希薄化効果を有するため、基本的1株当たり当期利益(△損失)と同額にて表示しています。
4.親会社所有者帰属持分当期利益率は、親会社の所有者に帰属する当期損益が損失であるため、記載していません。
5.株価収益率は、基本的1株当たり当期損失であるため、記載していません。
6.従業員数は就業人員です。
|
回次 |
日本基準 |
|||||
|
第11期 |
第12期 |
第13期 |
第14期 |
第15期 |
||
|
決算年月 |
2018年12月 |
2019年12月 |
2020年12月 |
2021年12月 |
2022年12月 |
|
|
売上高 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
|
経常利益(△損失) |
(百万円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
当期純利益(△損失) |
(百万円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
資本金 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
|
発行済株式総数 |
(株) |
|
|
|
|
|
|
普通株式 |
|
|
|
|
|
|
|
純資産額 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
|
総資産額 |
(百万円) |
|
|
|
|
|
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
|
|
|
|
|
|
1株当たり配当額 |
(円) |
|
|
|
|
|
|
(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
|
|
1株当たり当期純利益(△損失) |
(円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
|
|
|
|
|
|
自己資本比率 |
(%) |
|
|
|
|
|
|
自己資本利益率 |
(%) |
|
|
|
|
|
|
株価収益率 |
(倍) |
|
|
|
|
|
|
配当性向 |
(%) |
|
|
|
|
|
|
従業員数 |
(人) |
|
|
|
|
|
|
(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
|
|
株主総利回り |
(%) |
|
|
|
|
|
|
(比較指標:TOPIX) |
(%) |
( |
( |
( |
( |
( |
|
最高株価 |
(円) |
434 |
248 |
267 |
182 |
134 |
|
最低株価 |
(円) |
118 |
137 |
96 |
97 |
44 |
(注)1.第11期より、株式給付信託制度(J-ESOP)を導入し、信託が保有する当社株式を財務諸表において自己株式として計上しております。これに伴い、当該信託が保有する当社株式を、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数の計算において控除する自己株式に含めており、また、1株当たり当期純損失(△)及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
2.1株当たり配当額は、配当を実施していないため、記載していません。
3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、1株当たり当期純損失であるため、記載していません。
4.自己資本利益率は、当期純損益が損失であるため、記載していません。
5.株価収益率は、1株当たり当期純損失であるため、記載していません。
6.配当性向は、配当を実施していないため、記載していません。
7.従業員数は就業人員です。
8.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(グロース市場)におけるものであり、それ以前は東京証券取引所(マザーズ市場)におけるものです。
9.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
|
2006年12月 |
当社医薬品開発事業の準備拠点として、JapanBridge Inc.を米国に設立 |
|
2007年1月 |
バジャカラ株式会社(現当社)設立 |
|
2008年4月 |
JapanBridge Inc.が当社を買収し、JapanBridge Inc.より医薬品開発事業を承継 ジャパンブリッジ株式会社(現当社)に商号を変更 |
|
2008年5月 |
開発品SP-01 Sancuso®の日本、台湾、シンガポール、マレーシア、中国(香港、マカオ含む)での独占的開発販売権をStrakan International Ltd.(現Kyowa Kirin Services Limited)(英国)より導入。なお、日本での独占的開発販売権は2011年1月にStrakan International Ltd.に返還 |
|
2008年9月 |
ソレイジア・ファーマ株式会社に商号を変更 |
|
2011年3月 |
開発品SP-02 darinaparsinのアジア太平洋地域での独占的開発販売権をZIOPHARM Oncology, Inc.(現Alaunos Therapeutics, Inc.)(米国)より導入 |
|
2011年12月 |
中国での開発活動を目的として北京に当社代表事務所を開設 |
|
2013年1月 |
中国での販売活動準備を目的として上海に事務所を開設 |
|
2014年6月 |
開発品SP-01 Sancuso®の中国における承認申請 |
|
2014年7月 |
開発品SP-02 darinaparsinの米国、欧州諸国の独占的開発販売権をZIOPHARM Oncology, Inc.(現Alaunos Therapeutics, Inc.)(米国)より導入 |
|
2014年12月 |
中国上海に、当社製品の医薬情報提供を行うための子会社(Solasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.)を設立 |
|
2015年3月 |
開発品SP-03 episil®の日本、中国での独占的開発販売権をCamurus AB(スウェーデン)より導入 |
|
2015年11月 |
開発品SP-01 Sancuso®の中国(北京、上海、広州、香港、マカオを除く)での独占的販売権をLee's Pharmaceutical (HK) Limitedに導出 |
|
2016年5月 |
開発品SP-03 episil®の中国における医療機器承認申請 |
|
2016年10月 |
開発品SP-03 episil®の日本における医療機器承認申請 |
|
2016年11月 |
開発品SP-03 episil®の日本での独占的販売権をMeiji Seika ファルマ株式会社に導出 |
|
2017年2月 |
開発品SP-03 episil®の中国(北京、上海、広州を除く)での独占的販売権をLee's Pharmaceutical (HK) Limitedに導出 |
|
2017年3月 |
東京証券取引所マザーズ市場に上場 |
|
2017年7月 |
開発品SP-03 episil®の日本における医療機器承認を取得 |
|
2017年11月 |
開発品SP-04 PledOx®の日本、中国、韓国、台湾及びマカオでの独占的開発販売権をPledPharma AB(現Egetis Therapeutics AB)(スウェーデン)より導入 |
|
2018年5月 2018年7月 |
開発品SP-03 episil®を日本で発売 開発品SP-01 Sancuso®の中国における承認を取得 |
|
2018年8月 2018年8月 |
開発品SP-03 episil®の韓国での独占的開発販売権をCamurus ABより導入 開発品SP-02 darinaparsinの南米8カ国での独占的販売権をHB Human BioScience SAS(コロンビア)に導出 |
|
2019年2月 |
開発品SP-03 episil®の中国における医療機器承認取得 |
|
2019年3月 |
開発品SP-03 episil®の韓国における医療機器承認申請 |
|
2019年3月 |
「Sancuso®」(開発品SP-01, 中国語製品名「善可舒®」)を中国で発売 |
|
2019年7月 |
「エピシル® 口腔用液」(開発品SP-03, 中国語製品名「益普舒®」)を中国で発売 |
|
2019年10月 |
開発品SP-03 episil®の韓国における医療機器承認を取得 |
|
2019年12月 |
開発品SP-04 PledOx®の日本での独占的販売権をマルホ株式会社に導出 |
|
2020年1月 |
開発品SP-03 episil®の韓国での独占的販売権をSynex社に導出 |
|
2020年8月 |
開発品SP-05 arfolitixorinの日本における独占的開発販売権をIsofol Medical ABより導入 |
|
2020年9月 |
開発品SP-03 episil®を韓国で発売 |
|
2021年10月 |
開発品SP-02 darinaparsinの日本での商業化等の権利を日本化薬株式会社に導出 |
|
2022年4月 |
東京証券取引所の市場区分の見直しにより、マザーズ市場からグロース市場へ移行 |
|
2022年6月 |
開発品SP-02 darinaparsinの日本における承認を取得 |
|
2022年7月 |
開発品SP-03 episil®の全世界での独占的製造販売権をCamurus ABより導入 |
|
2022年8月 |
開発品SP-01 Sancuso®、開発品SP-03 episil®の中国(北京、上海、広州)での独占的販売権をLee's Pharmaceutical (HK)に導出 |
|
2022年8月 |
開発品SP-02 darinaparsinを日本で発売 |
当社は日本及びアジア諸国の医療に貢献するため、海外又は国内の製薬企業又はバイオベンチャー企業から有望な新薬候補品を導入し、日本及びアジア諸国における臨床試験を中心とした開発活動を通じ、製品を医薬品市場に供給することを目的として、2006年に創業した企業です。創業に際しては、事業準備拠点としてJapanBridge Inc.をまず米国に設立し、2008年4月にJapanBridge Inc.がバジャカラ株式会社(現当社)の発行済株式をすべて取得して、これを日本での事業活動の主体とすることとしました。同時にJapanBridge Inc.での事業準備成果が当社に承継され、商号をジャパンブリッジ株式会社に変更し、事業活動を本格的に開始しました。
本書提出日現在、当社グループは、当社と連結子会社であるSolasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.及び持分法適用関連会社の1社で構成されており、4種類の医薬品及び医療機器の製品開発パイプラインを有しています。
当社グループの事業系統図は下記のとおりです。なお、医薬候補品等の導入、導出契約における経済条件(支払条件)は、主に以下の形態の取引によって構成されます。
・契約一時金 :導入導出契約を契機として導入側が支払う一時金
・開発マイルストン:開発の一定の進捗を契機として導入側が支払う一時金
・販売マイルストン:導入側乃至そのサブライセンス先等の、一定の製品販売金額への到達を契機として、導入側が支払う一時金
・ロイヤリティ :導入側乃至そのサブライセンス先等の製品販売金額等に応じて導入側が支払う使用料
(1) 当社グループの事業領域
現在、日本及び中国では悪性腫瘍(一般に悪性新生物又はがんという。以下同じ)が死因の第一位を占めており、その他のアジア諸国でも死因の上位を占める傾向にあります。当社グループは、悪性腫瘍治療を目的とする医薬品の開発及び販売を主たる事業領域としています。また、悪性腫瘍治療薬の投与や放射線治療によって生じる有害事象(副作用等)を軽減し、悪性腫瘍に対する治療及び患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上が期待できる医薬品及び医療機器の開発及び販売も事業領域としています。
(2) 製薬バリュー・チェーン(初期研究活動から事業化までの機能連鎖)での位置づけ
標準的な製薬バリュー・チェーンは、上流の基礎研究、製剤研究、非臨床開発の各機能、中流の臨床開発機能、下流の販売、マーケティング、製造販売後調査※、製造の各機能により構成されます。当社グループは開発候補品の導入から薬事承認を取得するまでの臨床開発機能及び承認申請を含む当局対応機能等を中心とした事業を推進しています。
※ 製造販売後調査:医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令において、医薬品の製造販売業者又は外国製造医薬品等特例承認取得者が、医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、検出、確認又は検証のために行う使用成績調査又は製造販売後臨床試験をいう。
(3) 事業内容
① 医薬品又は医療機器候補物質(以下、医薬品等候補という。)の権利導入
近年、多くの疾患原因の特定が遺伝子レベルの解析によって行われつつあることに伴い、基礎研究及び製剤研究は、より複雑化又は多様化する傾向にあります。大学や病院等の研究機関による成果、この研究を土台とするベンチャー企業の創薬技術や製剤化技術、あるいは国際的な大手製薬企業による研究を通じて、多くの医薬品等候補が産み出されています。当社グループは、一定の開発段階に至った医薬品等候補の権利を導入し、日本や中国等で臨床開発等を通じて当該医薬品等候補を販売可能な状況に導き、これの販売又は導出を通じて収益を得る事業を行っています。基礎研究や製剤技術の他社への提供による収益化を行うものではありません。
当社グループでは、臨床試験開始前から第Ⅰ相臨床試験※終了までの早期開発ステージ、又は有効性のproof of concept※が確認される第Ⅱ相臨床試験※から承認までの臨床後期ステージにある医薬品等候補を導入検討の対象としています。また、基礎研究、製剤研究、非臨床開発等の進捗状況の観点からは、少なくとも当社グループの主たる事業エリアである日本及びアジア諸国において科学面及び薬事行政面でも臨床開発が実施可能なレベルで基礎情報が整備されていることを導入の要件としています。
当社グループは、上記要件を満たす医薬品等候補について、当該医薬品等候補が対象とする適応症、非臨床・臨床データ、市場規模、競合品の開発及び販売状況等を検討し、経済条件及び特許権等の知的財産の扱い等について契約相手方と合意を得られた後、導入を決定しています。
※ 第Ⅰ相臨床試験:実施する国において初めて対象となる医薬品候補品(治験薬)を使用する臨床試験で、健康成人がボランティアとして参加することが多い。第Ⅰ相臨床試験の主たる目的は、治験薬の安全性並びに忍容性(薬剤投与によって発現する副作用について、患者が治療を継続できる許容程度)の評価・確認及び薬物動態(生体に投与した薬物の体内動態)の検討である。
※ proof of concept:医療の領域においては、期待あるいは想定される作用(一般には有効性)を初期臨床試験において確認すること。
※ 第Ⅱ相臨床試験:対象となる疾病に罹患している少数の患者群に対し、医薬品候補品を投与して、その有効性及び安全性(副作用の発現等)の予備的評価、将来の実際の臨床現場で使用する投与量や用法の評価を主たる目的とした臨床試験。
② 医薬品等候補の開発
当社グループは、医薬品等候補の導入後、自社の臨床開発機能を中心として、日本を含むアジア各地域の外部委託機関(Contract Research Organization:CRO※)と開発チームを構成し、アジア各地域における臨床試験(当該国の製造販売承認に必要な一部の追加非臨床試験を含む)又はアジア各地域を中心とした国際共同治験※を計画し、実施します。
医薬品等候補開発の最終的な目標は、質の高い医薬品等を、早期に医療現場に提供することにあります。そのためには、有望な医薬品等候補の将来性及び可能性を活かして厳格な臨床試験を効率的に計画・実施し、不要な失敗を回避して成功確率を高めることが重要であると考えています。これらを実現するための当社グループにおける医薬品等の開発体制は以下のとおりです。
※ Contract Research Organization, CRO:医薬品等開発の一部の工程を依頼者との契約を以て受託し、実施する企業又はグループの総称。
※ 国際共同治験:共通の実施計画書に基づき、複数の国が参加して実施される臨床試験。
a 当社グループの開発機能
医薬品等開発、臨床試験は、対象となる治療領域における問題点や改善点の評価、具体的な対象疾患及び患者の選択、最適投与量や用法の設計、有効性の評価項目の設定等の試験計画に始まり、実施に当たっては、対象疾患の専門医の選択と当該医師との臨床試験内容の協議、臨床試験実施地域や実施医療施設の評価と選択の過程を経て、実際の投薬及び試験モニタリング、さらに有効性と安全性のデータの収集、解析、評価等の複雑かつ多くのプロセスと諸活動により構成されます。
これらの医薬品等開発のプロセスは、薬事行政規制等に基づいて進められるとともに、常にデータや理論に基づく科学的判断が求められることから、最適な判断のためには、医薬品等や臨床開発全般に対する科学的見識と経験の裏付けが必要不可欠です。当社グループの開発部門は、採用に際してこれらの要素を最重要視して選考を行っており、悪性腫瘍治療薬の臨床開発について、国際的製薬企業等における経験を有する人材、日本国内や中国をはじめとするアジア諸国、さらには国際共同治験の経験を有する人材、あるいは薬事面では各規制当局と密な情報交換が可能な人材等を中心として構成し、少人数であっても医薬品等開発諸活動を円滑に支障なく運営し得る開発体制を構築することに努めています。
b 開発における外部機関の活用
近年、製薬企業における臨床試験実施は、その一部を外部委託機関に外注する傾向にあります。当社グループの開発部門は、臨床開発計画、試験設計、運営、評価及び医薬品等開発に関わる薬事行政対応を基本機能としており、試験実施に際しては、業務効率の向上並びに固定費削減を図るため、この外部委託機関(開発業務委託機関等)等を活用しています。これら外部委託機関の活用においては、当社グループが指示する臨床試験の方針や計画・設計を、正確に理解し実現し得る外部機関を選定することが重要です。そして外部委託機関が計画どおりの成果を果たすために、双方向で詳細な最新情報を共有するとともに、当社グループが随時指示の徹底を図り、管理監督の厳格な実施に努めています。
③ 医薬品等候補の収益化
当社グループが医薬品等候補の開発に成功して製造販売承認を取得し、上市できることになった場合には、他社への販売権導出を通じて、製品販売収益、マイルストン収入及びロイヤリティ収入による収益確保を図ります。また上市に先立ち契約一時金、マイルストン収入を得る場合もあります。
(4) 当社グループの開発パイプライン
① Sancuso®(中国販売名:善可舒®)(経皮吸収型グラニセトロン製剤:開発コードSP-01(医薬品))
a がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐
悪心・嘔吐は、がん化学療法剤の投与を受ける多くの患者が苦痛を感じる副作用の1つであり、急性(投与後24時間まで)と遅延性(投与後24時間以降)に分類されます。悪心・嘔吐が十分にコントロールされない場合、脱水、電解質異常※、栄養障害、誤嚥性肺炎等の生命を脅かしかねない多くの合併症を来す可能性があります。このような合併症が起こることによる入院期間の延長、看護に要する時間の延長、薬剤投与を含む全般的な医療コストの増大等、悪心・嘔吐は、患者のみならず、様々な影響を及ぼすことが想定されます。催吐作用(吐き気を催す作用)の強い一部のがん化学療法剤では9割以上の患者に悪心・嘔吐が生じることがあります。悪心・嘔吐による苦痛は時間とともに増大することが多く、悪心・嘔吐をコントロールすることができない場合には、がん化学療法のコンプライアンス(推奨される悪性腫瘍治療薬の用法用量、その他投薬ルールの順守状況)の低下が懸念されます。
がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐の発現メカニズムの1つは、化学受容器引金帯※(Chemoreceptor Trigger Zone:CTZ)の活性化によるとされ、CTZの活性化は、ドパミン、オピオイド、ヒスタミン、アセチルコリン、ニューロキニン-1(Neurokinin-1:NK-1)又は5-ヒドロキシトリプタミン3型(5-hydroxytryptamine3:5-HT3)受容体※等に対する刺激によって直接的又は間接的に引き起こされると考えられています。また、がん化学療法剤による消化管粘膜の損傷や消化管の神経伝達細胞受容体の刺激、及び皮質や前庭※のメカニズムも関与していると考えられています。
※ 電解質異常:体内のナトリウムやカリウム、マグネシウム等の電解質が異常な状態となり、浸透圧調整や筋肉収縮の機能に異常をきたすこと。
※ 化学受容器引金帯:第4脳室に接する脳幹領域に存在する受容器。血中のある種の薬物や毒物に反応して嘔吐中枢に刺激を送り、嘔吐を誘発する。
※ 5-ヒドロキシトリプタミン3型(5-hydroxytryptamine3:5-HT3)受容体:イオン共役型のセロトニン受容体で、中枢神経系、末梢神経系に作用して、神経興奮、不安、嘔吐を誘発する。
※ 前庭:内耳にあり重力と直線加速度を司る感覚器官。
b 5-HT3受容体拮抗薬
各種悪性腫瘍の臨床ガイドラインにおいて、がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐に対して5-HT3受容体拮抗薬※の使用が推奨されています。グラニセトロンは5-HT3受容体拮抗薬の1つで、5-HT3受容体への結合によるセロトニン刺激の遮断によってがん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐を予防する作用があります。グラニセトロンの経口剤及び注射剤は、これまでに得られた臨床試験の結果から、がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐の予防に極めて有効であることが確認されており、既に世界各国で承認されています。
※ 受容体拮抗薬:生体内の受容体分子に働いて神経伝達物質やホルモン等の働きを阻害する薬のこと。
c SP-01開発の経緯
SP-01は、粘着基剤※中にグラニセトロンを含有する経皮吸収型製剤※です。貼付後から持続的にグラニセトロンを放出するよう設計されており、5日間にわたって安定的に血中グラニセトロン濃度を維持することが可能な医薬品です。SP-01を一旦貼付すれば、5日間は新たな制吐剤投与のために来院する必要がなく、外来治療の負担の軽減が期待できます。また、がん化学療法剤を投与中の患者が、悪心・嘔吐や口内炎が原因で薬剤の服用が困難な状態にある場合、経口剤や注射剤と比較し、経皮吸収型製剤は有用と考えられ、医療現場における投薬業務を簡便化することが可能と考えています。経皮吸収型グラニセトロン製剤は、米国を代表するがんセンターで結成されたガイドライン策定組織(National Comprehensive Cancer Network:NCCN)が作成したNCCN診療ガイドラインにおいても処方が推奨されています。また、中国においては、2014年にがん治療ガイドライン策定グループが作成した治療ガイドラインにおいても同様に処方が推奨されています。更に、2019年には中国臨床腫瘍学会(CSCO)が発行した診療ガイドラインにも収載されました。
|
|
|
|
(左図:SP-01 中国販売名:善可舒®の販売のパッケージ) (右図:SP-01の貼付)
SP-01は、米国において「高度※又は中等度催吐性※がん化学療法剤の最長5日間投与に伴う悪心・嘔吐の予防」を適応として2008年9月に米国食品医薬品局から承認されています(販売名:Sancuso®)。また、米国以外では、欧州、アジア等約20ヵ国以上で販売又は承認(承認勧告含む)されています。
当社グループは、2008年5月の本剤導入後から臨床開発を推進してまいりました。2008年に日本人での薬物動態試験※、2012年に韓国人での薬物動態試験をそれぞれ実施した他、2013年から2014年に亘り中国人での薬物動態試験及び中国人がん患者での無作為化二重盲検比較試験※を実施し、2014年6月に中国において新薬承認申請を完了し、2018年7月に当局承認を取得しました。
※ 粘着基剤:皮膚に接着する粘着剤で、SP-01は粘着基剤がフィルム状シートに塗布されている。
※ 経皮吸収型製剤:医薬品の有効成分が皮膚を通して体内に吸収されるよう設計された剤型。
※ 高度催吐性:90%を超える患者に催吐が生じること。
※ 中等度催吐性:30~90%の患者に催吐が生じること。
※ 薬物動態試験:医薬品の体内における動き、蓄積などを評価する臨床試験。
※ 無作為化二重盲検比較試験:評価の対象となる医薬品候補と標準的薬剤を無作為に割り付け、医師及び患者のいずれもがどちらの薬剤を使用しているかわからない状態で治療及び評価を行う試験手法で、結果に対するバイアスを排除した客観的な評価を行うことができる。
d SP-01の主要な臨床試験概要
試験相: 第Ⅲ相臨床試験(欧米での承認取得のための最終試験)
被験者: 637名、中等度又は高度催吐性のがん化学療法剤で複数日治療を受けた欧米のがん患者
目的: 悪心・嘔吐の予防に対するSP-01の有効性の検証及び安全性の確認
成績: 有効性については、グラニセトロン経口剤に対するSP-01の非劣性※を確認。
安全性については、SP-01投与群とグラニセトロン経口剤投与群で被験薬との関連性が否定できない有害事象※の発現率に大きな差は認められないことを確認。
試験実施:ProStrakan Group plc(現Kyowa Kirin、権利導入元) 試験完了:2006年
試験相: 第Ⅲ相臨床試験(中国での承認取得のための最終試験)
被験者: 313名、中等度又は高度催吐性のがん化学療法剤で複数日治療を受けた中国人がん患者
目的: 悪心・嘔吐の予防に対するSP-01の有効性の検証及び安全性の確認
成績: 有効性については、グラニセトロン経口剤に対するSP-01の非劣性を確認。
安全性については、SP-01投与群とグラニセトロン経口剤投与群で被験薬との関連性が否定できない有害事象の発現率に大きな差は認められないことを確認。
試験実施:当社 試験完了:2014年
※ 非劣性:第Ⅲ相臨床試験における有効性検証の手法の1つで、試験薬が対照薬に対して劣らないことを指す。
※ 有害事象:臨床試験の実施期間中に起こる治験薬又は製造販売後臨床試験薬を投与された被験者に生じたすべての好ましくない又は意図しない疾病又はその徴候をいう。当該治験薬又は当該製造販売後臨床試験薬との因果関係の有無は問わない。
e SP-01の収益化戦略
2019年3月より製品販売を開始しています。中国市場ではLee's Pharmaceutical (HK) Limitedへの販売権導出契約のもと、同社によるマーケティングや販売活動を通じて、収益を得ています。
② ダリナパルシン(国内販売名:ダルビアス®点滴静注用135mg)(有機ヒ素製剤:開発コードSP-02(医薬品))
a 末梢性T細胞リンパ腫※
当社は、海外で実施された臨床試験結果から、再発又は難治性末梢性T細胞リンパ腫(Peripheral T-Cell Lymphoma:PTCL)をSP-02の最初の適応症※と選択し、当該適応症に対する開発を行っています。末梢性T細胞リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫※の一病型です。一般的に末梢性T細胞リンパ腫という場合、胸腺※での細胞分化※と成熟を経て末梢臓器※に移動したT細胞※に起源を発するリンパ腫の総称で、主に以下の病型に分類されます。
・末梢性T細胞リンパ腫-非特異群※:PTCL-NOS
・血管免疫芽球型T細胞リンパ腫※:AITL
・ALK※陽性未分化大細胞型リンパ腫※:ALCL ALK+
・ALK陰性未分化大細胞型リンパ腫:ALCL ALK-
末梢性T細胞リンパ腫を含むT細胞リンパ腫は、B細胞リンパ腫※に比べて予後不良で、International T-Cell Lymphoma Project※で行った研究によると、PTCL-NOS及びAITLの5年全生存率※はともに32%であり、ALK陽性ALCLは70%、ALK陰性ALCLは49%と報告されています。
※ リンパ腫:血液がんの一種で、白血球の中のリンパ球ががん化したものをいう。
※ 末梢性T細胞リンパ腫:白血球の中のTリンパ球ががん化した悪性腫瘍で、リンパ腫の約10%を占める非ホジキンT細胞性リンパ腫。病因は不明で標準的治療法は確立されていない。
※ 適応症:薬剤の治療の対象となる疾病をいう。
※ 非ホジキンリンパ腫:ホジキンリンパ腫以外のすべての多様な悪性リンパ腫を含む一群。ホジキンリンパ腫とは腫瘍細胞の性状や形態の違いなど、いわゆる病理組織学的所見をもとに組織分類される。
※ 胸腺:胸骨の裏側、心臓の上前部(前縦隔:ぜんじゅうかく)にあり、Tリンパ球と呼ばれる白血球をつくっている臓器。
※ 細胞分化:細胞が特定の機能を有する細胞に変化するプロセス。
※ 末梢臓器:末梢は中枢に対する対義語で、神経系における「脳・脊髄」に対する末梢神経や効果器・感覚器等を指す。
※ T細胞:リンパ球の一種で、骨髄で産生された前駆細胞が胸腺での選択を経て分化し成熟したもの。細胞表面に特徴的なT細胞受容体を有している。末梢血中のリンパ球の70〜80%を占める。
※ 末梢性T細胞リンパ腫-非特異群:悪性リンパ腫のWHO分類(2017)において成熟T細胞及びNK細胞腫瘍に分類されるリンパ腫の一型。
※ 血管免疫芽球型T細胞リンパ腫:悪性リンパ腫のWHO分類(2017)において成熟T細胞及びNK細胞腫瘍に分類されるリンパ腫の一型。
※ ALK(anaplastic lymphoma kinase):未分化リンパ腫リン酸化酵素と呼ばれる受容体型チロシンキナーゼ。ALK陽性とはALKを含むことをいい、ALK陰性とはALKを含まないことをいう。
※ 未分化大細胞型リンパ腫:悪性リンパ腫のWHO分類(2017)において成熟T細胞及びNK細胞腫瘍に分類されるリンパ腫の一型。
※ B細胞リンパ腫:非ホジキンリンパ腫の一種であり、リンパ球の一種であるB細胞ががん化した悪性腫瘍。
※ International T-Cell Lymphoma Project:国際的なT細胞リンパ腫の調査プロジェクト。
※ 5年全生存率:診断あるいは治療開始から5年間経過後に生存している人の割合のこと。
b 治療法及び予後
現在まで、日本国内において、病型(病理組織学的分類)を問わず「悪性リンパ腫」の効能を有する医薬品(抗悪性腫瘍薬及び副腎皮質ステロイド薬※)は多数存在しますが、再発又は難治性のPTCLの効能を有し、販売している医薬品は3剤のみであり、その効果は未だ十分とは言えません。また、PTCLに対する治療に医薬品が単剤で使用されることは稀で、通常は複数の医薬品を組み合わせた多剤併用療法が行われています。
悪性リンパ腫に対する診療ガイドラインは、米国のNCCN、欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology:ESMO)、英国血液学会(British Committee for Standards in Hematology:BCSH)及び国内の日本血液学会等により各々公表されていますが、いずれのガイドラインにおいても、PTCLの初回治療※は、「臨床試験への参加」又はCHOP療法※やその類似療法であるCHOEP療法※及びHyper CVAD/MA療法※等のアントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬※ を含む多剤併用療法が挙げられています。
PTCLは患者数が少ないため、これまでびまん性大細胞型B細胞リンパ腫※(Diffuse Large B-Cell Lymphoma:DLBCL)等を含むアグレッシブ・リンパ腫※の臨床試験に含めて解析されており、PTCLに限定した大規模な臨床試験は行われていません。そのため、アグレッシブ・リンパ腫に対する初回治療として、CHOP療法が標準治療に位置付けられたことを受け、DLBCLと同様、PTCLに対してもCHOP療法が選択されています。
一方、再発・難治例に対する救援療法※については、上述の診療ガイドラインのいずれにおいても「臨床試験への参加」が推奨されています。「臨床試験への参加」以外の治療選択肢としては、DHAP療法※、ESHAP療法※、GDP療法※、GemOx療法※、ICE療法※、MINE療法※等に加え、日本ではCHASE療法※、EPOCH療法※、DeVIC療法※等の多剤併用療法が行われる場合もあります。また、NCCNガイドラインでは単剤療法として数種の薬剤が推奨されています。しかしながら、いずれの療法も医学的知見(臨床データの蓄積等)は未だ乏しい状況と考えられています。
以上のとおり、PTCLの初回治療に明確な医学的知見は存在しておらず、CHOP療法に代表されるアントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬を含む多剤併用療法が日常診療で広く行われているものの、治療成績は十分ではないのが現状です。再発・難治例においては、確立された救援療法がなく、予後は不良であり、悪性リンパ腫の治療では、多剤併用療法が有効であると考えられていることから、これまでに多くの組み合わせが検討され、その一部が日常診療で使用されています。
これらの治療現状から、新しい作用機序※を持つ治療薬や、忍容性が良好で併用療法の組み合わせに加えられるような、新たな治療薬が望まれています。
※ 副腎皮質ステロイド薬:抗炎症作用や免疫抑制作用が期待される薬剤の一種。造血器腫瘍への適用が認められている薬剤が存在する。
※ 初回治療:ある患者が最初に施される化学療法をいう。
※ CHOP療法:シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ステロイドで構成される併用療法の1つ。
※ CHOEP療法:シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、プレドニゾロンで構成される併用療法の1つ。
※ Hyper CVAD/MA療法:シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、デキサメタゾン、メトトレキセート、シタラビンで構成される併用療法の1つ。
※ アントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬:がん治療に使用される抗生物質の薬剤。
※ びまん性大細胞型B細胞リンパ腫:悪性リンパ腫の種類の1つで、Bリンパ球細胞から発生する非ホジキンリンパ腫で中悪性度に分類される。日本の非ホジキンリンパ腫の30~40%を占めており、最も発生頻度の高い病型。
※ アグレッシブ・リンパ腫:Working Formulation分類では、病型分類の他に非ホジキンリンパ腫の進行速度に基づき、無治療での予後が年単位で進行する低悪性度,月単位で進行する中悪性度、週単位で進行する高悪性度というように悪性度による分類がなされ、アメリカのNational Cancer Instituteより、悪性度による分類に加えて疾患の悪性度、活動性や侵攻性といったaggressivenessの程度を考慮した、低悪性度=インドレントリンパ腫(indolent lymphoma)、中悪性度=アグレッシブ・リンパ腫(aggressive lymphoma)、高悪性度=高度アグレッシブ・リンパ腫(highly aggressive lymphoma)という臨床分類が提唱されている。
※ 救援療法:主に造血器腫瘍において、治療効果が得られない場合(治療抵抗性)、あるいは再発・再燃した場合に用いる治療を、救援療法あるいは救援化学療法と呼ぶ。がんの種類によって治療内容は異なり、複数の薬(抗がん剤など)を組み合わせた治療が主流で、救済療法又はサルベージ療法と呼ばれることもある。
※ DHAP療法:デキサメタゾン、シスプラチン、シタラビンで構成される併用療法の1つ。
※ ESHAP療法:エトポシド、メチルプレドニゾロン、シタラビン、シスプラチンで構成される併用療法の1つ。
※ GDP療法:ゲムシタビン、デキサメタゾン、シスプラチンで構成される併用療法の1つ。
※ GemOx療法:ゲムシタビン、オキサリプラチンで構成される併用療法の1つ。
※ ICE療法:イホスファミド、カルボプラチン、エトポシドで構成される併用療法の1つ。
※ MINE療法:メスナ、イホスファミド、ミトキサントロン、エトポシドで構成される併用療法の1つ。
※ CHASE療法:シクロホスファミド、エトポシド、シタラビン、デキサメタゾンで構成される併用療法の1つ。
※ EPOCH療法:エトポシド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、プレドニゾロンで構成される併用療法の1つ。
※ DeVIC療法:カルボプラチン、イホスファミド、エトポシド、デキサメタゾンで構成される併用療法の1つ。
※ 作用機序:薬剤がその効果を発揮するための特異的な生化学的相互作用をいう。
c SP-02開発の経緯
SP-02は、有機ヒ素※化合物を製剤化した医薬品候補で、PTCLに対する以下の新しい作用機序により、最終的な殺細胞効果を発現すると考えられています。
・腫瘍細胞内ミトコンドリア※への直接的な障害
・腫瘍細胞内のROS(Reactive Oxygen Substance※)を増加させることによる細胞障害※の誘発
・カスペース※9、カスペース3を介してのアポトーシス※誘導
これまでに実施された薬効薬理試験※結果から、無機ヒ素化合物である三酸化ヒ素※(Arsenic trioxide:ATO)に比してSP-02は細胞内取り込み濃度が高く、白血病、骨髄腫、悪性リンパ腫、固形腫瘍の各細胞株※に対するin vitro※活性が示され、また造血器腫瘍に対する抗腫瘍効果、及び固形腫瘍細胞株に対する殺細胞作用が認められています。さらに、SP-02の細胞毒性※はATOと異なり、PML/RARα融合蛋白※と無関係に発現し、ATO耐性細胞株※に対しても殺細胞作用が確認されています。
SP-02は、生体内でのヒ素を解毒する経路で生じる中間代謝体※と同じ構造を持ち、グルタチオン抱合体※構造を有することから、無機ヒ素化合物より毒性が低く、治療域がより広くなることが期待されます。
多剤併用療法で使用頻度の高いアントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬の心毒性※は広く認識されていますが、SP-02は、第Ⅰ相臨床試験で実施された詳細な心電図評価において、ATOで報告されている不整脈や心電図異常(QT延長※)等の心毒性は認められず、将来アントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬を含む多剤併用療法と安全に組み合わせられる可能性があります。
また、上記のとおり、SP-02は分子標的薬ではなく、その適用範囲や作用機序は多岐に渡ることが想定されていることから、今後PTCL以外の血液がん又は固形がんに対する適応の拡大が期待されています。
なお、SP-02は米国及び欧州において、PTCL治療薬として、希少疾病用医薬品※(オーファン・ドラッグ)に指定されています。
本剤は、導入元であるZIOPHARM Oncology, Inc.(現Alaunos Therapeutics, Inc.)により開発が進められてきており、同社により、米国及びインドでの前期第Ⅱ相臨床試験が2012年に完了されています。当社グループは、2011年3月の本剤導入後から臨床開発を推進してまいりました。2015年に、日本及び韓国での第Ⅰ相臨床試験を完了。2016年に、承認申請への最終試験としての設計のもと、日本、韓国、台湾及び香港での国際共同第Ⅱ相臨床試験を開始し、2020年6月に当該試験において良好な結果が確認できたことから、2021年6月末に当局への製造販売承認申請を行い、2022年6月20日に当該申請にかかる承認を取得し、2022年8月22日に販売を開始いたしました。
※ 有機ヒ素:炭素を含むヒ素化合物。
※ ミトコンドリア:ほとんどの真核生物に存在する細胞小器官で、独自のDNAを持ち、分裂・増殖する。好気呼吸によりエネルギーを生み出す器官。
※ Reactive Oxygen Substance, ROS:活性酸素種ともいう。活性酸素種は好気性生物が酸素を消費する過程で発生する反応性の高い副産物であり、細胞内のDNAを損傷するとされている。
※ 細胞障害:細胞に対して死、若しくは機能障害や増殖阻害の影響を与える、物質や物理作用等の性質。
※ カスペース:細胞にプログラム細胞死を起こさせるシグナル伝達経路を構成するシステインプロテアーゼ。カスペース3やカスペース9はその一種。
※ アポトーシス:細胞に組み込まれたプログラムによる細胞死。
※ 薬効薬理試験:医薬品等の作用(効果)評価を目的とした細胞、組織あるいは動物などを用いた試験。
※ 三酸化ヒ素:無機ヒ素化合物の1つで、日本では再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病を適応症として承認されている(トリセノックス®)。
※ 細胞株:長期間にわたって体外で維持され、一定の安定した性質をもつに至った細胞をいう。
※ in vitro:試験管や培養器内等の人工的に構成管理された試験条件及び環境。
※ 細胞毒性:細胞障害性のこと。
※ PML/RARα融合蛋白:急性前骨髄球性白血病では、第15番染色体の一部と第17番染色体の一部が切れて互いに入れ代わる相互転座が起こり、その際に第17番染色体にあるレチノイン酸受容体α遺伝子(RARα)が第15番染色体にあるPML遺伝子のもとに移動し、PML/RARα融合遺伝子が作られる。この融合遺伝子が作るPML/RARα蛋白は、RARα遺伝子とPML遺伝子から作られる蛋白がもともと持っている白血球の分化・成熟作用を阻止し、その結果、急性前骨髄球性白血病では、前骨髄球の段階で細胞の分化・成熟が停止し、前骨髄球が異常に増える白血病が発症する。
※ ATO耐性細胞株:三酸化ヒ素(無機ヒ素化合物)に耐性を有する細胞株。
※ 中間代謝体:体内の代謝での物質変化は、多くの中間段階を経て行われるのが常であり、終産物に行きつく手前のこれらの中間段階の物質をいう。
※ グルタチオン抱合体:生体内に取り込まれた生体外物質を無毒化し体外へ排出する代謝過程において活性化された生体外物質の代謝物は、グルタチオン等の電荷を持つ化学種に抱合される(グルタチオン抱合体)。
※ 心毒性:心臓に機能低下・異常あるいは病変等の悪影響を及ぼすこと。
※ QT延長:心電図上のQT時間の延長で、心筋細胞の電気的な回復が延長することにより起こる。
※ 希少疾病用医薬品:「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、医薬品医療機器等法という。)第77条の2に基づき、厚生労働大臣によって指定されるもので、対象患者数は日本で5万人未満、医療上特にその必要性が高いもの、実質的な開発計画があるもの等が対象となる。優先審査や開発に際しての補助金等のメリットがある。
d SP-02の主要な臨床試験概要
試験相: 前期第Ⅱ相臨床試験※
被験者: 50症例、各種造血器腫瘍(悪性リンパ腫、白血病等)患者(米国及びインド)
目的: SP-02の有効性、安全性、薬物動態の評価
成績: 悪性リンパ腫、特にPTCLについて抗腫瘍効果が示唆された。
試験実施:ZIOPHARM Oncology, Inc.(現Alaunos Therapeutics, Inc.)(権利導入元) 試験完了:2012年
試験相: 第Ⅱ相臨床試験
被験者: 65 症例、再発・難治性PTCL患者(日本、韓国、台湾および香港)
目的: 再発・難治性PTCL患者に対するSP-02の有効性の評価
成績: 再発・難治性のPTCLに対する有効性評価につき、事前に設定した閾値奏効率を有意に上回ることが示され、本剤の効果が検証された。また有害事象はいずれも臨床的に許容なもの且つコントロール可能なものであった。
試験実施:当社 試験完了:2021年
SP-02第Ⅱ相臨床試験の有効性解析(ウォーターフォール図)
※ 上図は、末梢性T細胞リンパ腫患者に対するSP-02投与開始前と最良有効性評価時点(評価期間中での、薬剤の治療効果が最も高まったタイミング)、コンピューター断層撮影(CT)検査による腫瘍効果判定の結果を示す。棒グラフの各棒の長さが各被験者の腫瘍サイズの増減率を示し、何れも投与開始前を0%とし、例えば+80%を示す場合は腫瘍サイズが最良有効性評価時点で投与開始時点から80%増大したことを示し、-80%を示す場合は当該サイズが80%縮小したことを示す。なお、腫瘍サイズは各標的病変(測定の対象となる腫瘍病変)の二方向の直径の積の総和の変化によって測定される。
※ 各棒に付してある略語は、フルオロデオキシグルコースを用いたポジトロン断層撮影(Fluorodeoxyglucose-Positron Emission Tomography:FDG-PET)検査を加味した効果判定規準(改訂版悪性リンパ腫の効果判定規準、出典:造血器腫瘍取扱い規約第1版)における腫瘍縮小効果判定(下表)に基づく。
|
総合 効果 |
標的病変の二方向積和 |
非標的病変 |
骨髄浸潤 |
PET |
新病変 |
||
|
節性 |
節外性 |
節性 |
節外性 |
||||
|
CR |
二方向積和の変化は問わない(未検は不可) |
陰性 |
陰性 |
なし |
|||
|
PR |
二方向積和の変化は問わない(未検は不可) |
陰性 |
陰性 |
なし |
|||
|
50%以上縮小 |
正常又は非増大 |
消失又は非増大 |
問わない(未検可) |
陽性 |
なし |
||
|
SD |
50%未満の縮小かつ 50%未満の増大 |
正常又は非増大 |
消失又は非増大 |
問わない(未検可) |
陽性 |
なし |
|
|
PD |
50%以上増大 |
増大 |
増大 |
陽性化 |
陽性 |
あり |
|
|
RD |
再腫大 |
再出現 |
再腫大 |
再出現 |
|||
CR:完全奏効(Complete Response) PR:部分奏効(Partial Response)
奏功とは、薬の投与による効果をいう。
SD:安定(Stable Disease) PD:進行(Progressive Disease)RD:再発(Relapsed Disease)
※ 非標的病変:測定の対象以外の腫瘍病変をいう。
※ 骨髄浸潤:腫瘍が骨髄に浸潤する(入り込む)こと。
※ 節性、節外性:節性とは標的病変がリンパ節にある場合をいう。節外性とは標的病変がリンパ節以外の臓器にある場合をいう。
※ 未検可、未検不可:臨床試験に際して当該項目の検査が実施されなくとも、当該効果判定評価が可能な場合を「未検可」という。当該項目の検査が実施されない場合、当該効果判定評価が不可能な場合を「未検不可」という。
※ 再腫大:再発により、腫瘍の大きさが再び増大すること。
※ 再出現:再発により、腫瘍が再び出現すること。
e SP-02の収益化戦略
SP-02は販売権導出及びNPP(Named Patient Program)制度活用による収益化を図ります。なお、当社はSP-02の全世界権利を有しており、日本をはじめ各国の規制当局の承認を受けた上で、導出先が販売を開始することとなります。NPP制度においては、各国の医師からの特定の患者に対する使用要請に基づき、所定の手続きを経て提供することとなります。
日本市場に対しては、2021年10月に日本化薬株式会社と締結した「ライセンス契約書」(開発販売権導出契約)のもと、同社による販売活動を通じて、収益化を図ります。なお、当該導出契約による契約金収入及び製品販売収入は、収益計上されております。
また、南米市場に対しては、2018年8月にHB Human BioScience SASと締結した「ライセンス契約書」(販売権導出契約)のもと、同社による販売活動を通じて、収益化を図ります。
その他、米国、欧州、中国、韓国等の諸市場に対しては、今後、諸地域毎に製薬企業等への導出契約を締結し、当該企業の販売活動を通じて収益化を図ることを計画しており、これらの地域における導出候補先の選定を進めています。
③ episil®(国内販売名:エピシル® 口腔用液、中国販売名:益普舒®、韓国販売名:episil® ORAL LIQUID)(口腔内創傷被覆保護材:開発コードSP-03(医療機器))
a がん等の化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和
がん等の化学療法及び放射線療法に伴う口内炎は、化学療法薬剤による作用として、また化学療法や放射線療法による抵抗力の低下による細菌等の感染により発生します。発生頻度は30〜40%程度であり※、重症化するとがん治療の継続が困難になることもあります。症状としては、接触痛、出血、冷温水痛※、口腔乾燥、口腔粘膜の発赤※・腫脹※、開口障害※、構音障害※、嚥下障害※、味覚障害などが報告されています。また、がん治療を受ける患者にとって、栄養を十分摂取することが全身状態の改善や口内炎の改善に寄与するため、経口摂取に支障を来さない適切な口腔内管理を行うことが重要と考えられています。
※ 参照:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 抗がん剤による口内炎」
※ 冷温水痛:冷水や温水に対して痛みを感じる状態。
※ 発赤:皮膚や粘膜の一部に炎症がおこり、充血して赤くなる状態。
※ 腫脹:炎症などが原因で、局所の血流量が増加し体の組織や器官の一部が腫れ上がる状態。
※ 開口障害:なんらかの原因で下顎の開口が制限される状態。
※ 構音障害:音を作る器官やその動きに問題があって発音がうまくできない状態。
※ 嚥下障害:食物等を飲み込むことがうまくできない状態。
b SP-03発売以前の主な治療及び対処方法
がん等の化学療法及び放射線療法に伴う口内炎には、確立した標準治療及び対処方法はなく、各々の医療機関での症状にあわせた対症療法が主となっておりました。二次感染の予防や重症化を防ぐために、含嗽(うがい)による口腔内の保清・保湿による口腔ケアを継続し、軽度から中等度の痛みには局所麻酔薬による含嗽に加え、解熱消炎鎮痛薬を使用する場合があります。また、口腔乾燥からの粘膜保護には、保湿剤や唾液の分泌を促す経口薬投与や人工唾液などを補助的に使用します。最近では、コラーゲンの新生促進や血流改善、血管新生を促進する低出力レーザの照射により、疼痛緩和効果をはじめ抗炎症効果、鎮痛効果、創傷治癒促進効果が認められており、口内炎治療に応用されています。
c SP-03開発の経緯
SP-03は、種々のがんに対する化学療法剤治療又は放射線治療によって誘発される口腔内粘膜障害(口内炎)への外部刺激による疼痛の緩和及び管理を主たる目的として開発されており、感染症予防や疼痛緩和によって食事摂取が可能になることによるクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上も期待されています。SP-03は、レシチン※及びグリセリン脂肪酸エステル※からなる非吸収性の液体であり、口腔内にごく少量の内容液を滴下塗布(ポンプ容器を用いた塗布)することにより、口腔内で唾液と混合されてごく薄い脂質被膜を構成し、口内炎表面を物理的に覆うことによって、食物等の外部刺激による疼痛を一定時間緩和することが期待されます。薬効成分※は含まれないため、医薬品医療機器等法上は医薬品ではなく、医療機器に分類されます。
|
|
|
|
図:エピシル®口腔用液 図:口腔内へのSP-03の適用状況 図:口腔粘膜に接着したSP-03の模式図
日本販売品 可視化のため着色剤添加物を使用 (左図のSP-03適用の拡大図)
本剤は、米国及び欧州の一部の国で製品名episil®として既に承認・販売されており、当社グループは、2015年3月に本剤の日本及び中国の権利を導入した後、中国では2016年5月、日本においては2016年10月に、それぞれの規制当局に対して承認申請を完了し、中国においては2019年2月、日本においては2017年7月に承認を取得しています。また、2018年8月には、韓国の権利も導入し、2019年10月に承認を取得しています。
※ レシチン:グリセロリン脂質の一種。自然界の動植物においてすべての細胞中に存在しており、生体膜の主要構成成分である。
※ グリセリン脂肪酸エステル:グリセリンの持つ3つのヒドロキシ基のうち1つ乃至2つに脂肪酸がエステル結合したもので、代表的な食品用乳化剤である。
※ 薬効成分:有効成分ともいう。医薬品、医薬部外品などに含有される物質のうち、生理活性を示すものの総称。
d SP-03の収益化戦略
日本、中国、韓国市場に対して、販売権導出を通じて収益化を図ります。日本においてはMeiji Seika ファルマ株式会社、中国においてはLee's Pharmaceutical (HK) Limited社、韓国においてはSynex社、それぞれの地域での販売権導出契約を締結しており、これら提携先のマーケティングや販売活動を通じて収益化を図ります。
本書提出日現在、SP-03は日本及び中国、韓国において既に上市済であり、上記戦略に基づく収益化を開始しております。なお、導出モデル上の製品販売収入、契約金収入及びマイルストン収入の一部は、すでに収益計上されております。
その他、米国、欧州等の諸市場に対しては、今後、諸地域毎に製薬企業等への導出契約を締結のうえ収益化を図ることを計画しており、これらの地域における導出候補先の選定を進めています。
④ PledOx®(細胞内スーパーオキシド除去剤:開発コードSP-04(医薬品))
a がん化学療法に伴う末梢神経障害(Chemotherapy Induced Peripheral Neuropathy : CIPN)
がん化学療法は、悪心・嘔吐や口内炎発症等の副作用が生じますが、末梢神経障害も重篤な副作用の一つにあげられます。末梢神経障害は、植物アルカロイド製剤※、プラチナ製剤※等のがん化学療法の主要薬剤において、顕著に発現することが知られています。大腸がんの治療法として、手術による治癒が難しい進行・再発がんに対する化学療法及び術後補助化学療法※の代表的な抗がん剤の組み合わせに、プラチナ製剤のオキサリプラチンを含むFOLFOX療法※があります。オキサリプラチンの処方は、患者のほとんど全例(85%-95%)で末梢神経障害が生じ※、当該障害は以下の様な症状をもたらします。
急性症状: 手、足や口唇周囲部等の異常感覚、呼吸困難や嚥下障害を伴う咽頭喉頭の絞扼感
慢性症状: 四肢末梢のしびれ感、感覚低下、腱反射の低下、感覚性運動失調
このような副作用が発現した場合には、薬剤中止により、80%の症例では一部症状の改善がみられ、40%の症例で6~8ヶ月後には完全に回復するものと考えられておりますが※、当該薬剤中止は、がん化学療法の中止や方針変更を意味するものであり、当該障害を治療することは医療上の重要な課題です。
これまでのところ、がん化学療法に伴う末梢神経障害を効能・効果とする薬剤は存在しておりません。
※ 植物アルカロイド製剤:強い毒性のある植物成分を応用した抗がん剤。
※ プラチナ製剤:薬剤の構造中に白金を含む抗がん剤。
※ 術後補助化学療法:再発を防ぐために、手術後に抗がん剤を使用する治療法。
※ FOLFOX(フォルフォックス)療法:フルオロウラシル・フォリン酸・オキサリプラチンの3剤を併用するがん化学療法をいう。StageⅢ大腸癌の術後補助化学療法、StageⅣ再発大腸癌に対しての全身化学療法において、標準療法として採用されている。
※ 参照:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 末梢神経障害」
b SP-04開発の経緯
当社は2017年11月にSP-04の日本、中国(香港、マカオ含)、韓国、台湾における独占的開発販売権をPledPharma AB(現Egetis Therapeutics AB、以下Egetis社という)より獲得しました。
SP-04は、がん化学療法に伴う末梢神経障害を適応とする開発品です。生体に悪影響を及ぼす細胞内活性酸素の一種スーパーオキシドを分解する酵素スーパーオキシド・ジスムターゼ様の作用を持つ、新規に化学合成された金属複合剤(金属キレート剤※)です。Egetis社は、これまで当該末梢神経障害を適応としてPledOx®の研究開発を欧米にて行ってきております。Egetis社の実施した第Ⅱ相までの臨床試験等の結果、FOLFOX療法を受ける進行性大腸がん患者において、治療中及び治療後の末梢神経障害を改善する効果が示唆されており、またFOLFOX療法によるがん治療そのものへの影響を生じさせないことも示唆されております。
2018年より2020年にかけて、日本、韓国、台湾及び香港において、mFOLFOX6治療を受ける大腸がん患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を行いました。当該第Ⅲ相臨床試験は2つの試験で構成されており、権利導入元との共同にて、欧米アジアで展開いたしました。2020年12月にオキサリプラチン投与に起因する末梢神経障害を対象とした当該第Ⅲ相試験結果について、主要評価項目の未達を確認しました。本書提出日現在、上記試験結果に鑑み、白金製剤であるオキサリプラチン誘発末梢神経障害での開発を留保し 、タキサン製剤誘発末梢神経障害を対象とした開発の可能性を探索するため、現在、追加の動物試験を実施しております。
※ 金属キレート剤:分子中に複数の配位子(孤立電子対を持つ有機化合物や陰イオン)を有する化合物が金属陽イオンに配位結合した化合物。
c SP-04の主要な臨床試験概要
試験相: 第Ⅱ相臨床試験
被験者: 173症例、FOLFOX療法を実施する遠隔転移を有する大腸がん患者(米国、欧州)
目的: SP-04の有効性及び安全性の検討
成績: FOLFOX療法による末梢神経障害へのSP-04の有効性が示唆された。またSP-04投与がFOLFOX療法自体の効果へ影響を生じさせないことが示唆された。
試験実施:Egetis社(権利導入元) 試験完了:2016年
試験相: 第Ⅰ相臨床試験
被験者: 48症例、日本人及び白人健康男性
目的: SP-04の安全性及び薬物動態の検討
成績: SP-04は10 µmol/kgまでの用量で安全であり,忍容性も良好であった。
SP-04の曝露量(AUC0-last及びCmax[RT1])は日本人と白人で同様であった。
試験実施:Egetis社(権利導入元) 試験完了:2018年
試験相: 第Ⅲ相臨床試験
被験者: 592症例、米国、欧州、日本等のmFOLFOX6療法を実施する大腸がん患者
目的: SP-04の有効性及び安全性の検討
成績: 有効性にかかる主要評価項目は未達となった。化学療法併用 SP-04 投与群は化学療法単独群(プラセボ)に対して、がん化学療法の最初の投与サイクルから 9 か月後の被験者報告に基づく中等度又は重度の末梢神経障害の発症リスクについて、統計学的に有意な低下を示さなかった。
試験実施:当社及びEgetis社(権利導入元) 試験完了:2020年
d SP-04の収益化戦略
導出モデルにより収益化を図ります。製薬企業等への導出契約を締結し、当該企業の販売活動を通じて収益化を図ることを計画しております。
日本市場では、マルホ株式会社と販売権導出契約を締結しており、同社の販売活動を通じて収益化を図ることを計画しております。
当社グループの開発パイプラインの進捗状況は下記のとおりです(2023年3月現在)。
|
名称 |
住所 |
資本金 |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合 (%) |
関係内容 |
|
(連結子会社) |
|
|
|
|
|
|
Solasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd. |
中華人民共和国上海市
|
30百万円 |
当社製品のマーケティング支援 |
所有 直接 100.0 |
役員の兼任 |
|
(持分法適用関連会社) |
|
|
|
|
|
|
その他1社 (注) |
|
|
|
|
|
(注)2022年4月に当社が㈱Hikari Q Health株式を新たに取得したことにより、持分法適用関連会社に含めております。
(1) 連結会社の状況
|
2022年12月31日現在 |
|
|
従業員数(人) |
|
|
|
( |
(注)1.従業員数は就業人員(社外から当社への出向者を含む。)であり、パート及び嘱託社員は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2.当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報との関連は記載していません。
3.人件費高騰や都市ロックダウン等の中国カントリーリスクへの対処や固定費削減等を主目的とし、当社100%出資子会社(Solasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.)が運営してきた自社販売体制を2022年7月末に解消したことにより、当社連結従業員は77名(2022年3月末)から27名体制(2022年12月末)に縮小いたしました。
(2) 提出会社の状況
|
|
|
|
|
2022年12月31日現在 |
|
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(百万円) |
|
|
|
( |
|
|
|
(注)1.従業員数は就業人員(社外から当社への出向者を含む。)であり、パート及び嘱託社員は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3.当社は単一セグメントであるため、セグメント情報との関連は記載していません。
(3) 労働組合の状況
労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。
当社グループの財政状態及び経営成績に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記に記載しています。また、必ずしも事業上のリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の判断において重要と考えられる事項は、積極的な情報開示の観点から記載しています。当社グループは、これら事業等のリスクを認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応を図り事業活動を行っていますが、このような諸策の成否には不確実性が存在します。また、当社グループの事業はこれら以外にも様々なリスクを伴っており、下記の記載はリスクを網羅するものではありません。当社グループは、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、すべての開発が成功するとは限りません。特に販売開始前の研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。
なお、文中における将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 研究開発の失敗に関する事項
当社グループの開発品は、既に販売開始となったもの、当局により承認を取得したもの、臨床試験の最終段階にあるものもあります。これら開発品には、今後の開発活動等において主に下記のとおりのリスクが付帯しています。
・医薬品等の有効性若しくは安全性に対する、臨床試験等の結果の不確実性
・臨床試験等の開発活動運営の不確実性
・開発活動への投資額や所要期間の不確実性
・法令や規制、規制当局指導の不確実性
・開発品の競合関係の不確実性
・導入や導出、開発委託等の提携関係の不確実性
・開発主体である当社組織の不確実性
・特許侵害等の知的財産権の不確実性
これらリスクが顕在化した場合には、当該開発品の開発方針の変更、開発延期、延長又は中止という事態(以下「開発品の中止等」という。)が生じる可能性があります。
開発品の中止等が生じた場合には、当該開発品に対して計画していた将来収益を失うほか、主に以下の事象を生じせしめ、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼすこととなります。但し、開発品の中止等に起因する下記事象は、それを網羅するものではありません。以下は、これら事象により影響を受けると考えられる勘定科目の、過去の連結財政状態計算書の数値です。
|
(単位:百万円) |
第14期 2021年12月期 連結会計年度 |
第15期 2022年12月期 連結会計年度 |
|
決算年月 |
2021年12月31日 |
2022年12月31日 |
|
棚卸資産 |
0 |
14 |
|
無形資産 |
2,079 |
1,570 |
|
負債合計 |
556 |
472 |
|
資本金 |
2,110 |
1,436 |
|
資本剰余金 |
5,738 |
1,500 |
|
利益剰余金 |
△5,204 |
△223 |
|
資本合計 |
2,587 |
2,662 |
① 棚卸資産の評価損
開発品の中止等が生じた場合、かかる開発品の棚卸資産の一部若しくは全部が評価減されることとなり、連結損益計算書上で評価損が計上され、同額だけ連結財政状態計算書上の利益剰余金及び資本合計が減少することとなります。
② 無形資産の減損
当社グループは、採用する国際会計基準(IFRS)に基づき、開発品への投資のうち資産性を有すると認識される開発費用、導入費用及びかかる資金コストにつき、これを連結財政状態計算書上の無形資産として計上する会計処理を行っています。開発品の中止等が生じた場合、かかる開発品に対して計上された無形資産の一部若しくは全部が減損されることとなり、連結損益計算書上で減損損失が計上され、同額だけ連結財政状態計算書上の利益剰余金及び資本合計が減少することとなります。
(2) 医薬品等の研究開発事業一般に関する事項
① 研究開発の不確実性に関する事項
当社グループは医薬品等の開発を主業務としています。近年の診断理論及び技術、また遺伝子レベルでの病因解析に基づいた新薬の効果安全性を予見する技術の向上にもかかわらず、最終的な効果及び安全性は臨床試験での検討あるいは検証を要することから、その成功の可能性は、他産業に比して極めて低いものとされています。これらのことから、一般的に、医薬品等の研究開発期間は、基礎研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、相当規模の研究開発投資が必要と考えられています。
医薬品等の開発過程においては、臨床試験結果等に起因して、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止となる場合があります。このことから、研究開発活動の将来性は不確実性を伴っています。
医薬品等の開発は、主に開発を計画して運営する製薬企業、臨床試験を実施する医師及び医療施設、さらに開発プロセスの監督及び承認権限を有する規制当局の三者によって実施されます。製薬企業が科学的根拠に基づき作成した開発計画あるいは臨床試験計画についても、臨床試験を実施する医師の見解あるいは医療施設側において計画どおりに試験が実施できる可能性等によって計画変更を余儀なくされる場合があります。また、規制当局からの要望又は指導等により、当社グループの方針にかかわらず計画の変更を余儀なくされる場合があります。また、医薬品等業界は規制業種であり、開発をはじめとする医薬品等事業全般には、医薬品医療機器等法や他の法令に基づいて計画・実施することが求められます。法令は定期的又は不定期に変更・改訂される場合があります。これらの要因により、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止を招く場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 導入活動の不確実性に関する事項
当社グループは、開発パイプラインの拡充にあたっては導入の手法を活用しています。近年、世界的に新薬や新医療機器の開発候補品が限られてきており、大手製薬企業等も自らの基礎研究から輩出される新薬や新医療機器の開発候補品に加えて、積極的な候補品導入活動を行っていることから、当社グループの目指す疾患領域であるがん領域における有望な開発候補品獲得において、これら世界的製薬企業等との厳しい競合も想定されます。導入における他社との競合に起因する製品候補品導入の不確実性は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
③ 医薬品等業界の競合関係に関する事項
当社グループの属する医薬品等業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による、研究、開発、製造及び販売の各分野で競争が激しい状態にあります。当社グループの開発パイプラインには、同業他社が同じ適応症で開発を進めている競合品が存在するため、競合品の開発進捗状況あるいはその結果によっては、当社グループ製品の優位性を示せない可能性があり、将来の開発品についても同様です。従って、これら競合相手との、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、当社グループの製品開発や販売が計画どおりに推移しない場合、財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
④ 副作用、製造物責任に関する事項
通常、医薬品は本来期待する治療効果とともに、期待されない副作用の両面を併せ持っています。医薬品の安全性は、動物を用いた非臨床試験の中で十分に検討されますが、ヒトに使用した場合、種の違いによる予期できない副作用が発現する可能性は否定できません。また少数例での臨床試験では検出されなかった発現頻度の低い副作用が、当該医薬品の上市後、より多く使用される段階で検出される可能性もあります。
当社グループでは、これら臨床試験中又は市販後の副作用発生による補償又は賠償に対応するために、想定し得る範囲で治験保険あるいは製造物責任保険に加入していますが、補償範囲外の賠償責任を問われる可能性は否定できません。また、重篤な副作用や死亡例の発現は、製品及び企業イメージを大きく損ねることとなり、当該製品以外の事業への影響も考えられます。重篤な副作用の発現等により、製品の回収、製造販売の中止、薬害訴訟の提起、製造物責任賠償等が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
⑤ 医薬品医療機器等法その他の規制に関する事項
当社グループの属する医薬品等業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の医薬品医療機器等法、薬事行政指導、医療保険制度及びその他関係法令等により、様々な規制を受けています。
医薬品等は基礎研究から製造販売承認を取得するまでには、多大な開発コストと長い年月を必要とします。品質、有効性及び安全性に関する十分なデータが得られず、医薬品等としての有用性を規制当局が認めない場合には、承認が計画どおり取得できず上市が困難になる可能性があります。これは開発品を他社に導出する場合も同様であり、当初計画した条件での導出が行えない可能性、導出そのものが困難になる可能性、導出した場合にその契約内容が変更になる可能性若しくは導出契約が解消される可能性があります。また、当社開発品への承認を取得できた際にも、健康保険の対象として保険収載されない場合や、計画どおりの保険価格が付されない可能性があります。このような事象が生じた場合、また、将来各国の医薬品医療機器等法等の諸規制に大きな変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
(3) 当社グループの事業活動に関する事項
① 導出に関する事項
当社グループは、開発品の収益化について、開発品を開発の途中段階で他社に導出し、一時金や導出先の販売高に連動して収益を受領する導出モデルを採用しております。しかしながら、開発の遅延その他の理由により計画どおりの時期に導出ができない場合、導出を行った場合において想定できない状況により導出契約の内容が変更となる場合若しくは導出契約が解消される場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。また、導出を予定している開発品に関して、導出そのものが困難になった場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
② 提携関係に関する事項
当社グループは、開発品の導入や導出のほか、研究開発の各段階において広範な提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ最先端技術の取込みを図っています。特に臨床開発部門では、組織の規模拡大を一義とせず、自社では専門性を有する少数の人材を確保するに留め、外部専門家及び外部委託機関との協力・協業によって企業活動を遂行しています。当社グループは、自社の研究開発人員とこれらの提携関係をもって研究開発体制を構築しています。同様に固定費増加の回避等を目的として、将来自社で販売を計画している開発品の販売体制や製品製造・調達体制においても、様々な提携関係を構築しています。これら提携関係のうち、特に重要と考えられる契約は、「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおりです。今後も事業基盤の強化、効率的な経営の実現に向けて、広範な提携関係構築を検討してまいりますが、期待どおりに提携関係が構築できない場合、提携関係に想定し得ない変化が生じた場合、提携の効果が当初の期待を下回る場合、若しくは提携関係が当社グループの意図に反して解消された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
③ 会社組織に関する事項
a 業歴に関する事項
当社は、2006年に創業し、連結子会社である中国法人は2014年に設立されています。当社グループでは、医薬品等業界又はその他専門分野での経験を有する人材の登用と維持に努めていますが、企業体としての経験はいまだ浅く、今後予測できない事業上の問題等が発生し、これに対応する人材の確保もしくは維持ができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
b 小規模組織に関する事項
当社グループは、医薬品等を取り扱う企業としては小規模組織であるために、役職員一人一人が担当する業務及び責任範囲は相対的に広範となる場合が多く、退職あるいは休職等に対応する補充要員が十分でない環境にあります。今後の事業拡大に伴い、必要な人員増加を図ってまいりますが、多くの人材流出等があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
c 人材の確保及び育成に関する事項
当社グループの事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員等に強く依存しています。そのため、常に必要とされる人材の確保と育成に努めていますが、このような人材確保又は育成が計画どおりに行えない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
④ 事業地域に関する事項
a 中国固有のカントリー・リスクに関する事項
当社グループ事業は主にアジアを対象としており、その中心は日本及び中国です。中国の医薬品等産業は中国政府の厳しい監督管理下での規制を受けており、政策、規制、法律等に変化が生じた場合には、当社グループの経営戦略や事業活動の制約要因となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
b 中国での雇用に関する事項
当社グループは、中国での事業活動に際し、中国人従業員を採用しています。中国の労働環境は、社会制度の違いにより日本に比べて企業による管理が困難な場合があり、従業員の採用、解雇、退職などに関わる人事問題、また、賃金、残業等に関わる給与問題、不正行為等について、対応が困難な局面が生じる可能性があると考えています。当社グループでは、これら労務管理上の諸問題を事前に回避すべく最大限努力する所存ですが、当該事象が顕在化し解決までに長期間を要す場合、又は多額の費用が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
c 中国の開発活動に関する事項
当社が現在保有している開発品は、中国で開発販売権を有しており、そのうち、SP-01は2018年7月に、SP-03は2019年2月に、中国当局の承認を受けております。一方で、SP-02とSP-04においては、今後も中国での開発活動を推進する可能性があります。医薬品等の開発活動は、前掲「医薬品医療機器等法その他の規制に関する事項」のとおり様々な規制のもとで推進することが必要ですが、中国の規制が日本等の他の国との規制が相違する場合、中国での開発活動がその影響を受けることは否定できません。
⑤ 訴訟等に関する事項
当社グループは、本書提出日現在において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来何らかの事由の発生により、訴訟等による請求を受ける可能性を完全に回避することは困難であり、このような事態が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
⑥ 知的財産権に関する事項
当社グループは研究開発活動等において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社グループ所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しています。しかしながら、出願中の特許が登録に至らない、若しくは特許の一部のみしか登録に至らない可能性があります。また、当社グループが所有又は使用許諾を受けた知的財産権に優位する知的財産権が第三者によって生み出される可能性や、第三者の知的財産権の侵害に基づく将来の係争を完全に回避することは困難であり、こうした結果、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
⑦ 情報管理に関する事項
当社グループは、事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また一定の個人情報を有しています。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、セキュリティシステムの継続的な改善を図るとともに、情報の取り扱いに関する社員教育や、情報へのアクセス管理等、内部管理体制についても強化しています。しかしながら、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は存在し、このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 新型コロナウイルス感染症に関する事項
当社グループの事業は、中国ほか諸外国との取引関係をもって運営されております。今般発生している新型コロナウイス感染症の流行によって、当社グループの様々な事業活動が制約を受ける可能性は否めず、当該事象が長期化し解決までに長期間を要す場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
(4) 業績、財務及び資本政策等に関する事項
① 財務状況について
当社グループは、医薬品等の研究開発とその販売を業としています。医薬品等の研究開発は多額の先行投資を要し、かつその期間は中長期に亘ることから、収益確保、投資資金回収には相当程度の期間を要するものとなります。2018年5月、2019年3月、2019年7月、2022年8月に当社製品の上市を達成しましたが、いずれも現時点で市場浸透度は充分ではありません。このことから、事業全体としても先行投資の段階にあり、研究開発活動の失敗を原因としない損益計算上の損失計上、収支計算上の営業キャッシュ・フローマイナスの計上という状況が継続的に生じています。
これまでの先行投資の結果として、当局承認を経て上市に到達した開発品、医薬品等の事業化プロセスの後期段階にある開発品ポートフォリオを保持するに至り、今後も製品開発、承認獲得及び製品上市を通じ、更なる企業価値向上と中長期視点に基づく財務状況改善を図る計画にあります。このうち、当社開発品SP-03(国内販売名:「エピシル® 口腔用液」)の日本事業化においては2018年5月に、当社開発品SP-01及び当社開発品SP-03の中国事業化では2019年3月、2019年7月に、当社開発品SP-02の日本事業化においては2022年8月にそれぞれ製品上市を達成しております。このことは、これまでの先行投資一辺倒であった財務状況から、一定の経常的な収益を計上しうる事業構造への転換点に到達したものと見込まれ、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象は現時点で存在せず、またそのような状況に現時点で該当しないと判断しております。但し、承認獲得及び製品上市には不確実性を有し、当社グループの計画どおりに製品開発と事業化が進捗しない場合には、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 過年度の業績推移等に関する事項
当社グループは医薬品等の開発を主たる事業としています。既に3製品の上市を達成しましたが、いずれも現時点で市場浸透度は充分ではありません。また、積極的に研究開発活動に経営資源を投入していることから、下表のとおり、最近5事業年度の損益(単体)はマイナスとなる傾向が続いています。一方で、今後の一定時点において、開発の成功を契機として投下した研究開発費の回収を図り、また損益がプラスに転じる可能性があります。そのため、過年度の財務経営指標は、期間業績比較、今後の当社グループ業績を予測する材料としては不十分な面があります。
|
回次 |
第11期 |
第12期 |
第13期 |
第14期 |
第15期 |
|
(単位:百万円) 決算年月 |
2018年12月 |
2019年12月 |
2020年12月 |
2021年12月 |
2022年12月 |
|
日本基準単体 |
|
|
|
|
|
|
売上高 |
318 |
1,310 |
454 |
559 |
1,092 |
|
経常利益(△損失) |
△2,531 |
△2,203 |
△3,090 |
△2,228 |
△1,772 |
|
当期純利益(△損失) |
△2,532 |
△2,204 |
△3,091 |
△2,232 |
△2,084 |
|
利益剰余金 |
△11,244 |
△2,204 |
△5,296 |
△7,529 |
△2,084 |
|
現金及び預金 |
4,012 |
4,077 |
2,909 |
668 |
793 |
|
国際会計基準連結 |
|
|
|
|
|
|
売上収益 |
318 |
1,310 |
454 |
559 |
1,092 |
|
税引前当期利益(△損失) |
△2,445 |
△1,797 |
△4,159 |
△2,442 |
△2,492 |
|
当期利益(△損失) |
△2,422 |
△1,867 |
△4,127 |
△2,478 |
△2,548 |
|
利益剰余金 |
△7,975 |
1,400 |
△2,726 |
△5,204 |
△223 |
|
現金及び現金同等物 |
4,046 |
4,116 |
2,964 |
714 |
803 |
③ 契約に基づく支払義務の負担に関する事項
当社グループは、開発パイプラインに関する提携企業との契約において、販売に至る前の開発段階及び販売開始後に提携先に対する支払義務を負っている場合があります。また、開発費の共同負担や、販売開始後一定額の販売活動経費の投入を行う義務を負う場合もあります。これらの対価の支払形態は、当社グループのような製薬企業の事業の性質上当然のものと認識していますが、当社グループの資本力に比べ金額が高額となる可能性は否定できず、支払時期等の観点から当社グループにとって資金負担が大きくなる可能性もあります。何らかの理由により当社グループがかかる支払義務を履行できない事態が生じた場合は、当社グループは対象となる契約の解除や損害賠償請求等を受ける可能性もあり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
④ 外国為替変動に関する事項
当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外企業とのライセンスや、海外からの製品仕入、海外での研究開発活動等においては、外貨建て取引を行い、債権債務が存在しています。当社グループでは、為替変動に対しては想定し得る範囲でヘッジ手段を講じていますが、急激な為替変動によって当該リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
⑤ 無形資産に関する事項
当社グループは、採用する国際会計基準(IFRS)に基づき、開発品への投資のうち資産性を有すると認識される開発費用、導入費用及びかかる資金コストにつき、これを連結財政状態計算書上の無形資産として計上する会計処理を行っています。開発品において、「(2) 医薬品等の研究開発事業一般に関する事項」「(3) 当社グループの事業活動に関する事項」に記載のとおりのリスクが顕在化し、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止が生じた場合、また当該開発品に対して想定している売上収益と利益を計上できない場合には、資産化された無形資産の全部又は一部を減損する可能性があります。なお、無形資産の残高の総額は、第14期連結会計年度末においては2,079百万円、第15期連結会計年度末においては1,570百万円です。
⑥ 業績予想に関する事項
当社グループは、連結会計年度毎に業績予想を公表しています。しかし、事業や経済環境の変化及び不確実性等の予測不可能な要因により、これら業績予想や目標を期限内に達成することや、目標を維持することが困難になる可能性があります。
⑦ 公募増資等の資金使途に関する事項
当社グループが2018年9月に実施した公募増資による調達資金は、SP-04(がん化学療法に伴う末梢神経障害への適応)の臨床試験を中心とした開発費及び権利導入元へのマイルストン費用に充当致しました。
当社グループが2019年12月に実施した第三者割当増資により調達した資金は、2020年8月に導入したSP-05への投資に充当致しました。
当社グループが2020年8月に実施した普通社債発行及び新株予約権発行による資金調達はSP-05第Ⅲ相臨床試験費用等、SP-02適応拡大非臨床試験費用等、当局申請準備費用等、SP-04非臨床試験費用等、第Ⅲ相臨床試験費用等へ充当しております。
当社グループが2022年3月に実施した普通社債発行及び新株予約権発行による資金調達と2022年7月に実施した第三者割当増資による資金調達で得た資金は、SP-02開発資金等及び新規開発品導入等へ充当する計画です。
しかしながら、経営環境の変化に対応するため、あるいは開発品の中止等が生じた場合、調達資金を計画以外の使途に充当する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定です。また、計画どおりの投資が行われても想定どおりの効果が得ることができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
⑧ 資金繰りに関する事項
当社グループは医薬品等の開発を進めるため、多額の研究開発費を必要とします、開発パイプラインの事業化が計画どおりに進展せず、資金不足が生じた場合、新たな提携契約の獲得、既存提携先との契約内容の見直し、新株発行等の方法により資金の確保に努めますが、資金確保のタイミング次第では、医薬品等の開発の継続が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
⑨ 資金調達に関する事項
医薬品等事業においては、多額の研究開発費を要し、その額は研究開発の進捗に応じて増加する傾向にあり、当社グループに資金需要が生じた場合には、増資を中心とした資金調達の実施を検討してまいります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、市場における需給環境の悪化等により機動的な資金調達を行うことができなかった場合には、当社グループの研究開発に係る体制及び計画の見直しを余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
⑩ 無配継続等の配当政策に関する事項
当社グループは、創業以来配当を実施していません。また、上記「② 過年度の業績推移等に関する事項」の表記のとおり日本基準の貸借対照表(単体)において利益剰余金のマイナスが継続しており、当連結会計年度末においても、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。将来財政状態が好転した場合、株主への利益還元を重要な経営課題として、その時点における財政状態及び経営成績を勘案しつつ利益配当を検討する所存です。
⑪ 新株予約権等に関する事項
当社は、資金調達を目的として新株予約権を発行しております。また、当社はインセンティブ目的としてのストックオプション制度を採用しており、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき当社グループ取締役、監査役、従業員及びアドバイザー等に対して新株予約権を発行しております。
これらの新株予約権等の目的となる株式数は、2023年2月末現在で14,688,499株です。これらの新株予約権等の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。そして、今後インセンティブ目的等で新株予約権等を新たに発行しその行使が行われた場合、同様に当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
(開発品コードSP―01)
|
契約名称 |
LICENSE AGREEMENT |
|
相手先の名称 |
Strakan International S.A.(現Kyowa Kirin Services Limited) |
|
国名 |
ルクセンブルク |
|
契約対象 |
SP-01:グラニセトロン経皮吸収型製剤(Sancuso®) |
|
契約締結日 |
2008年5月23日(2008年10月31日、2009年1月5日、2010年7月19日、2015年9月17日改訂) |
|
契約期間 |
契約締結日より当社にて本製剤を販売開始後10年が経過した日又は特許が満了する日のどちらか遅い日まで |
|
主な契約内容 |
①Strakan International S.A.(現Kyowa Kirin Services Limited)は、当社に対し、中国等における本製剤の独占的開発販売権を付与する。 ②当社は、Strakan International S.A.(現Kyowa Kirin Services Limited)に対して契約一時金をはじめ、開発の進捗や売上高の目標達成に応じたマイルストン及び売上高に応じた一定率のロイヤリティを支払う。 |
|
契約名称 |
Sancuso® License, Promotional and Supply Agreement |
|
相手先の名称 |
Lee's Pharmaceutical (HK) Limited |
|
国名 |
中国(香港) |
|
契約対象 |
SP-01:グラニセトロン経皮吸収型製剤(Sancuso®) |
|
契約締結日 |
2015年11月25日(2022年6月30日改訂) |
|
契約期間 |
契約締結日より契約地域においてLee's Pharmaceutical (HK) Limitedが本製剤を販売開始後5年を経過した事業年度の12月31日まで |
|
主な契約内容 |
①当社は、Lee's Pharmaceutical (HK) Limitedに対し、中国(香港、マカオを除く)における本製剤の独占的販売権を付与する。 ②Lee's Pharmaceutical (HK) Limitedは、当社に対し、契約一時金をはじめ、販売の開始等に応じたマイルストンを支払う。 |
(開発品コードSP―02)
|
契約名称 |
LICENSE AND COLLABORATION AGREEMENT |
|
相手先の名称 |
ZIOPHARM Oncology, Inc.(現Alaunos Therapeutics, Inc.) |
|
国名 |
米国 |
|
契約対象 |
SP-02:darinaparsin(ZINAPAR™, ZIO-101)及びそれに関連する有機ヒ素化合物群 |
|
契約締結日 |
2011年3月3日(2014年7月31日、2021年10月19日改訂) |
|
契約期間 |
契約締結日より販売開始から10年目、特許が満了する日又は特許以外の規制上の保護期間が満了した時のいずれか遅い日が終了するまで |
|
主な契約内容 |
①ZIOPHARM Oncology, Inc.(現Alaunos Therapeutics, Inc.)は、当社に対し、米国、欧州諸国を含む全世界において、本製剤の適応症を対象とするサブライセンス付与権付き独占的開発販売権を付与する。 ②当社は、ZIOPHARM Oncology, Inc.(現Alaunos Therapeutics, Inc.)に対して開発着手金をはじめ、開発の進捗や売上高の目標達成に応じたマイルストン及び売上高に応じた一定率のロイヤリティを支払う。 |
|
契約名称 |
ライセンス契約書 |
|
相手先の名称 |
日本化薬株式会社 |
|
国名 |
日本 |
|
契約対象 |
SP-02:darinaparsin(ZINAPAR™, ZIO-101)及び関連する有機ヒ素化合物群 |
|
契約締結日 |
2021年10月26日 |
|
契約期間 |
契約締結日より契約締結日からSP-02関連特許の終了、若しくはSP-02製品の再審査期間満了のいずれか遅い時まであり、両者合意により一定期間更新される |
|
主な契約内容 |
①当社は、日本化薬株式会社に対し、日本国内商業化等の権利(日本国内販売権は独占的権利)を付与する。 ②当社は同社に対して製品の供給を行い、また契約一時金のほか、今後の開発及び販売の進捗に応じたマイルストンの支払いを受けることによって収益を得る。 |
(開発品コードSP―03)
|
契約名称 |
ASSET PURCHASE AND LICENSE AGREEMENT |
|
相手先の名称 |
Camurus AB |
|
国名 |
スウェーデン |
|
契約対象 |
SP-03:口腔用液状医療機器(episil®) |
|
契約締結日 |
2015年3月25日(2018年8月17日、2019年3月14日改訂、2022年7月8日改訂) |
|
契約期間 |
契約期間の定めなし |
|
主な契約内容 |
①当社は、Camurus ABより本製品の全世界開発製造販売権を取得する。 ②当社は、Camurus ABに対して契約一時金をはじめ、製品販売の利益に応じた一定率のロイヤリティを支払う。 |
|
契約名称 |
ライセンス契約書および販売締結契約書 |
|
相手先の名称 |
Meiji Seika ファルマ株式会社 |
|
国名 |
日本 |
|
契約対象 |
SP-03:口腔用液状医療機器(episil®) |
|
契約締結日 |
2016年11月29日 |
|
契約期間 |
初回発売日より10年経過するまで |
|
主な契約内容 |
①当社は、Meiji Seika ファルマ株式会社に対し、日本における独占的販売権を付与する。 ②Meiji Seika ファルマ株式会社は、当社に対し、契約一時金をはじめ、開発の進捗や売上高の目標達成に応じたマイルストン及び売上高に応じた一定率のロイヤリティを支払う。 |
|
契約名称 |
episil® LICENSE, PROMOTIONAL AND SUPPLY AGREEMENT |
|
相手先の名称 |
Lee's Pharmaceutical (HK) Limited |
|
国名 |
中国(香港) |
|
契約対象 |
SP-03:口腔用液状医療機器(episil®) |
|
契約締結日 |
2017年2月10日(2022年6月30日改訂) |
|
契約期間 |
契約締結日より契約地域において販売開始後10年経過するまで |
|
主な契約内容 |
①当社は、Lee's Pharmaceutical (HK) Limitedに対し、中国における本製品の独占的販売権を付与する。 ②Lee's Pharmaceutical (HK) Limitedは、当社に対し、開発の進捗や売上高の目標達成に応じたマイルストンを支払う。 |
(開発品コードSP―04)
|
契約名称 |
LICENSE AGREEMENT |
|
相手先の名称 |
PledPharma AB(現Egetis Therapeutics AB) |
|
国名 |
スウェーデン |
|
契約対象 |
SP-04:calmangafodipir(PledOx®) |
|
契約締結日 |
2017年11月20日(2019年10月9日改訂) |
|
契約期間 |
特定の期間を定めていない |
|
主な契約内容 |
①PledPharma AB(現Egetis Therapeutics AB)は当社に対し、日本、中国(香港、マカオを含む)、韓国、台湾における本製剤の独占的開発販売権を付与する。 ②当社は、PledPharma AB(現Egetis Therapeutics AB)に対して契約一時金をはじめ、開発の進捗や売上高の目標達成に応じたマイルストン及び売上高に応じた一定率のロイヤリティを支払う。 |
|
契約名称 |
販売ライセンス契約書 |
|
相手先の名称 |
マルホ株式会社 |
|
国名 |
日本 |
|
契約対象 |
SP-04:calmangafodipir(PledOx®) |
|
契約締結日 |
2019年12月10日 |
|
契約期間 |
契約締結日より本件特許の終了又は本製品の上市後8年間が経過した時のいずれか遅い時まで |
|
主な契約内容 |
①当社は、マルホ株式会社に対し、日本における独占的販売権を付与する。 ②マルホ株式会社は、当社に対し、契約一時金をはじめ、今後の開発及び販売の進捗に応じたマイルストンを支払う。 ③当社は、マルホ株式会社に対して、独占的に本製品の販売を行う。 |
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりです。
(1) 提出会社
|
|
|
|
|
|
|
2022年12月31日現在 |
|
|
事業所名 (所在地) |
セグメント の名称 |
設備の内容 |
帳簿価額(百万円) |
従業員数 (人) |
|||
|
建物 |
工具、器具 及び備品 |
使用権資産 |
合計 |
||||
|
本社 (東京都港区) |
医薬品事業 |
本社事務所 |
20 |
5 |
27 |
53 |
21 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれていません。
|
種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
480,000,000 |
|
計 |
480,000,000 |
会社法に基づき発行した新株予約権は、次のとおりです。
|
決議年月日 |
2013年7月31日 |
2013年9月17日 |
|
付与対象者の区分及び人数(名) |
取締役 1 従業員 7 アドバイザー 3 |
取締役 1 従業員 9 アドバイザー 1 |
|
新株予約権の数(個)※ |
286,600 |
715,000 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類※ |
普通株式 |
普通株式 |
|
新株予約権の目的となる株式の数(株)※ |
286,600 |
715,000 |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
1株当たり20.75467641 |
|
|
新株予約権の行使期間※ |
自 2015年8月1日 至 2023年7月31日 |
自 2016年3月20日 至 2024年3月19日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 20.75467641 資本組入額 10.37733821 |
|
|
新株予約権の行使の条件※ |
新株予約権者が死亡した場合又は永久的な心身障害により当社での勤務が不可能となった場合には、その相続人又は代理人は死亡又は永久的な心身障害後1年以内に限り新株予約権を行使することができる。 |
|
|
新株予約権の譲渡に関する事項※ |
譲渡による新株予約権の取得は、取締役会の承認を要するものとする。 |
|
|
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項※ |
- |
|
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しています。当事業年度の末日現在から提出日の前月末現在(2023年2月28日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注)新株予約権発行後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、それぞれの効力発生の時をもって次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
|
決議年月日 |
2014年10月3日 |
|
付与対象者の区分及び人数(名) |
従業員 5
|
|
新株予約権の数(個)※ |
305,000 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類※ |
普通株式 |
|
新株予約権の目的となる株式の数(株)※ |
305,000 |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
1株当たり20.75467641 |
|
新株予約権の行使期間※ |
自 2016年10月11日 至 2024年10月10日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 20.75467641 資本組入額 10.37733821 |
|
新株予約権の行使の条件※ |
新株予約権者が死亡した場合又は永久的な心身障害により当社での勤務が不可能となった場合には、その相続人又は代理人は死亡又は永久的な心身障害後1年以内に限り新株予約権を行使することができる。 |
|
新株予約権の譲渡に関する事項※ |
譲渡による新株予約権の取得は、取締役会の承認を要するものとする。 |
|
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項※ |
- |
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しています。当事業年度の末日現在から提出日の前月末現在(2023年2月28日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注)新株予約権発行後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、それぞれの効力発生の時をもって次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
|
決議年月日 |
2016年2月4日 |
2016年4月30日 |
|
付与対象者の区分及び人数(名) |
取締役 4 監査役 2 従業員 17 |
取締役 1
|
|
新株予約権の数(個)※ |
2,496,999 |
100,000 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類※ |
普通株式 |
普通株式 |
|
新株予約権の目的となる株式の数(株)※ |
2,496,999 |
100,000 |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
1株当たり29 |
|
|
新株予約権の行使期間※ |
自 2018年2月5日 至 2026年2月4日 |
自 2018年5月3日 至 2026年5月2日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 29 資本組入額 14.5 |
|
|
新株予約権の行使の条件※ |
新株予約権者が死亡した場合又は永久的な心身障害により当社での勤務が不可能となった場合には、その相続人又は代理人は死亡又は永久的な心身障害後1年以内に限り新株予約権を行使することができる。 |
|
|
新株予約権の譲渡に関する事項※ |
譲渡による新株予約権の取得は、取締役会の承認を要するものとする。 |
|
|
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項※ |
- |
|
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しています。当事業年度の末日現在から提出日の前月末現在(2023年2月28日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注)新株予約権発行後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、それぞれの効力発生の時をもって次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
|
決議年月日 |
2016年11月1日 |
|
付与対象者の区分及び人数(名) |
子会社従業員 1 アドバイザー 2 |
|
新株予約権の数(個)※ |
185,000 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類※ |
普通株式 |
|
新株予約権の目的となる株式の数(株)※ |
185,000 |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
1株当たり29 |
|
新株予約権の行使期間※ |
自 2018年11月2日 至 2026年11月1日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 29 資本組入額 14.5 |
|
新株予約権の行使の条件※ |
新株予約権者が死亡した場合又は永久的な心身障害により当社での勤務が不可能となった場合には、その相続人又は代理人は死亡又は永久的な心身障害後1年以内に限り新株予約権を行使することができる。 |
|
新株予約権の譲渡に関する事項※ |
譲渡による新株予約権の取得は、取締役会の承認を要するものとする。 |
|
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項※ |
- |
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しています。当事業年度の末日現在から提出日の前月末現在(2023年2月28日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注)新株予約権発行後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、それぞれの効力発生の時をもって次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
該当事項はありません。
|
|
|
|
|
|
|
|
2022年12月31日現在 |
||
|
区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満株式の状況 (株) |
|||||||
|
政府及び地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
|||
|
個人以外 |
個人 |
||||||||
|
株主数(人) |
|
|
|
|
|
|
|
|
- |
|
所有株式数 (単元) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
所有株式数の割合(%) |
|
|
|
|
|
|
|
100.0 |
- |
(注) 自己株式10株は、「単元未満株式の状況」に10株含まれています。
|
|
|
2022年12月31日現在 |
|
|
氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
25 Cabot Square, Canary Wharf, London E14 4QA, U.K. |
|
|
|
|
|
|
|
|
計 |
- |
|
|
(注)前事業年度末において主要株主であった伊藤忠商事株式会社は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
注記 |
前連結会計年度 (2021年12月31日) |
当連結会計年度 (2022年12月31日) |
|
資産 |
|
|
|
|
流動資産 |
|
|
|
|
現金及び現金同等物 |
6,15 |
|
|
|
営業債権及びその他の債権 |
7,15 |
|
|
|
棚卸資産 |
8 |
|
|
|
その他の流動資産 |
11 |
|
|
|
流動資産合計 |
|
|
|
|
非流動資産 |
|
|
|
|
有形固定資産 |
9 |
|
|
|
使用権資産 |
23 |
|
|
|
無形資産 |
10 |
|
|
|
持分法で会計処理されている投資 |
21 |
|
|
|
その他の非流動資産 |
11,15 |
|
|
|
非流動資産合計 |
|
|
|
|
資産合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
負債及び資本 |
|
|
|
|
負債 |
|
|
|
|
流動負債 |
|
|
|
|
営業債務及びその他の債務 |
12,15 |
|
|
|
リース負債 |
15,25 |
|
|
|
その他の流動負債 |
13 |
|
|
|
流動負債合計 |
|
|
|
|
非流動負債 |
|
|
|
|
繰延税金負債 |
20 |
|
|
|
リース負債 |
15,25 |
|
|
|
その他の非流動負債 |
13 |
|
|
|
非流動負債合計 |
|
|
|
|
負債合計 |
|
|
|
|
資本 |
|
|
|
|
資本金 |
14 |
|
|
|
資本剰余金 |
14 |
|
|
|
利益剰余金 |
14 |
△ |
△ |
|
自己株式 |
14,19 |
△ |
△ |
|
その他の資本の構成要素 |
|
|
|
|
資本合計 |
|
|
|
|
負債及び資本合計 |
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
注記 |
前連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
|
売上収益 |
5,16, 26 |
|
|
|
売上原価 |
8,17 |
|
|
|
売上総利益 |
|
|
|
|
研究開発費 |
17,18 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
17,18 |
|
|
|
営業利益(△損失) |
|
△ |
△ |
|
金融収益 |
|
|
|
|
金融費用 |
|
|
|
|
その他の収益 |
|
|
|
|
持分法による投資損益(△は損失) |
21 |
|
△ |
|
税引前当期利益(△損失) |
|
△ |
△ |
|
法人所得税費用 |
20 |
|
|
|
当期利益(△損失) |
|
△ |
△ |
|
|
|
|
|
|
当期利益(△損失)の帰属: |
|
|
|
|
親会社の所有者 |
|
△ |
△ |
|
|
|
|
|
|
1株当たり当期利益(△損失) |
24 |
|
|
|
基本的1株当たり当期利益(△損失)(円) |
|
△ |
△ |
|
希薄化後1株当たり当期利益(△損失)(円) |
|
△ |
△ |
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前事業年度 (2021年12月31日) |
当事業年度 (2022年12月31日) |
|
資産の部 |
|
|
|
流動資産 |
|
|
|
現金及び預金 |
|
|
|
売掛金 |
|
|
|
商品 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
流動資産合計 |
|
|
|
固定資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
|
|
|
建物 |
|
|
|
工具、器具及び備品 |
|
|
|
リース資産 |
|
|
|
有形固定資産合計 |
|
|
|
投資その他の資産 |
|
|
|
関係会社株式 |
|
|
|
関係会社出資金 |
|
|
|
敷金及び保証金 |
|
|
|
投資その他の資産合計 |
|
|
|
固定資産合計 |
|
|
|
資産合計 |
|
|
|
負債の部 |
|
|
|
流動負債 |
|
|
|
買掛金 |
|
|
|
未払金 |
|
|
|
未払法人税等 |
|
|
|
預り金 |
|
|
|
流動負債合計 |
|
|
|
固定負債 |
|
|
|
従業員株式給付引当金 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
固定負債合計 |
|
|
|
負債合計 |
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
株主資本 |
|
|
|
資本金 |
|
|
|
資本剰余金 |
|
|
|
資本準備金 |
|
|
|
資本剰余金合計 |
|
|
|
利益剰余金 |
|
|
|
その他利益剰余金 |
|
|
|
繰越利益剰余金 |
△ |
△ |
|
利益剰余金合計 |
△ |
△ |
|
自己株式 |
△ |
△ |
|
株主資本合計 |
|
|
|
新株予約権 |
|
|
|
純資産合計 |
|
|
|
負債純資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
当事業年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
|
売上高 |
|
|
|
売上原価 |
|
|
|
売上総利益 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
|
|
|
研究開発費 |
|
|
|
人件費 |
|
|
|
業務委託費 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
販売費及び一般管理費合計 |
|
|
|
営業損失(△) |
△ |
△ |
|
営業外収益 |
|
|
|
受取利息 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
営業外収益合計 |
|
|
|
営業外費用 |
|
|
|
支払利息 |
|
|
|
支払手数料 |
|
|
|
株式交付費 |
|
|
|
為替差損 |
|
|
|
営業外費用合計 |
|
|
|
経常損失(△) |
△ |
△ |
|
特別損失 |
|
|
|
事業構造改善費用 |
|
|
|
特別損失合計 |
|
|
|
税引前当期純損失(△) |
△ |
△ |
|
法人税、住民税及び事業税 |
|
|
|
当期純損失(△) |
△ |
△ |
