西本Wismettacホールディングス株式会社
(注) 1.第72期から第74期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.第73期より、当社の国内連結子会社の退職給付債務の計算方法を、簡便法から原則法に変更しております。
これに伴い、第72期の関連する主要な経営指標等の推移については、当該会計方針の変更を遡及適用した数値を記載しております。なお、第75期より、当社及び一部の国内連結子会社は、一部を除き確定拠出年金制度へ移行しております。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第76期の期首から適用しており、第76期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.第72期から第74期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
3.配当性向については、配当金総額を当期純利益で除して算出しております。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第76期の期首から適用しており、第76期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社は、1912年神戸において貿易商社として創業したことにはじまります。その後、1947年9月、西本貿易株式会社として法人化いたしました。
創業以来、1947年9月当社設立までの間、グローバルな視野とフロンティア精神、そしてリベラルな価値観を尊ぶ社風を基本理念とし、1920年には、当社初の北米拠点であるシアトル支店を米国ワシントン州において開設、翌年1921年には、海外向けプライベート・ブランド(以下PBという。)の「Shirakiku」を商標登録する等、海外展開、業容拡大に努めてまいりました。
その後、2010年10月に西本貿易株式会社(旧)の商号を西本貿易ホールディングス株式会社に変更すると同時に新設分割により西本貿易株式会社(新)を設立し、2015年1月には商号を現在の西本Wismettacホールディングス株式会社に変更いたしました。当社グループの社名の「Wismettac」(読み方 ウィズメタック)は、西洋で智を意味する「Wisdom」、東洋で智、パーリ語でやさしさ、おもいやりを意味する「Metta」、価値の創造力を表す「Creativity」を掛け合わした造語であり、世界の「食」の向上に貢献するグローバルビジネスを目指す当社グループを最も端的に表す概念であると考えております。
当社グループは、当社、連結子会社23社及び持分法適用関連会社1社で構成されています。米国を中心にグローバルで日本食、アジア食品・食材の開発から販売・物流まで一貫して手掛ける「アジア食グローバル事業」、及び青果物全般(フルーツ、野菜、その他加工品)の輸入卸販売、食品メーカーや外食産業向けの食材の供給を行っている「農水産商社事業」を主たる事業としております。これら各事業における事業内容及びグループ各社の位置付けは以下のとおりであります。
事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントの区分方法を変更しております。
また、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については、連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
アジア食グローバル事業は、日本食を中心としたアジア食品・食材等を日本、中国、東南アジア等最適地から仕入(米穀等は米国内で調達)し、米国及びカナダを中心に欧州、豪州及びアジア等の日本食を中心としたレストラン、グローサリーに販売しております。中でも、1921年に商標登録をしたPB「Shirakiku」は、今日においても有数の日本食ブランドとして認知されており、北米で広く親しまれているものと考えております。
従来、米国における日本食といえば日系マーケットを対象としていましたが、今や国境や人種の壁を超えたグローバルな食文化へと進化しております。当社グループ初の北米拠点であるシアトル支店を開設以来、現在では、北米地域での営業拠点は24箇所に達しており、北米地域における日本食卸売大手の一社として、2022年12月期現在では約6,300アイテムを販売しております。
また、当事業に携わっている従業員は世界各国で1,541名となっており(2022年12月31日現在)、商品の開発・企画、仕入から、輸入通関、在庫管理、分荷・配送、販売に至るまで、バリューチェーンに係るオペレーションを、当社グループが世界各国において一貫して手掛けております。顧客に対してスピーディーできめ細やかなサービスを提供するために、自社物流機能を有して、自社にて配送用トラックを運用し、自社管理倉庫にて三温度帯(冷凍、冷蔵、常温)での温度管理を行っておりますので、常にベストな状態の商品を届けられる体制となっているものと考えております。販売面においては、営業スタッフが顧客(レストラン、グローサリー等)を訪問し、直接対話による営業活動を主としてきましたが、オンラインオーダー・ECサイト等のデジタル化に向けた対応も、積極的に取り組んでおります。
農水産商社事業においては、生鮮青果、冷凍加工青果、水産物等を国内の卸売市場、量販店、外食・中食産業、食品メーカー等に対して輸入卸販売に加えて国産青果物の輸出・三国間貿易(注)等を行っております。輸入生鮮青果としては、柑橘類(レモン、オレンジ等)をはじめとして、トロピカルフルーツ、野菜等青果全般にわたって取扱い、特に柑橘類においては、サンキスト・グロワーズ社の日本輸入総代理元となっております。
冷凍加工商材カテゴリーでは、世界の農産原料の産地開発から輸入までを一貫して手掛けており、厳しい品質基準が求められる国内食品メーカー向けの原料から、全国に店舗展開する外食産業、中食産業、小売業態に対しての商品開発まで、様々な業態に多様な商品を提供し、安定した原料・食材の供給を行えるノウハウを持っているものと考えております。
また、国産青果物の輸出や、これまでの販路の中心であった国内の卸売市場、食品メーカーや外食産業だけでなく、中国、香港、東南アジア等で輸出販路の拡大やギフト商品の販売にも取り組んでおります。
(注)貿易商社が在外支店を通じて第三国間で行う貿易取引を指し、仲介貿易とも表現されます。
前述の事業以外には、アメニティ事業部門において海外食品や雑貨の輸入及びキャラクター商品の開発、製造、輸入販売を行っております。具体的には、日本にはないユニークな海外のブランド食品を日本市場に紹介するとともに、バレンタインやハロウィン、クリスマス等の季節ごとに展開されるシーズンイベント商品を自ら企画、開発、販売しております。これ以外にも、サプリメント販売、催事への出店等も行っております。また当期は、著名飲食店と協働した中食支援事業や手術後・病後者向けの食品提供事業等、国内における新規事業の展開も開始しております。
(注) 2022年1月7日付けで、連結子会社となっております。
[事業系統図]

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.特定子会社であります。
3.NTC Wismettac Singapore Pte. Ltd.による株式取得に伴い、連結子会社となっております。
4.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
5.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
6.Wismettacフーズ株式会社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
7.Wismettac Asian Foods, Inc.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
2022年12月31日現在
(注) 1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
2022年12月31日現在
(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
4.平均年間給与には、受入出向社員は含まれておりません。
当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループをはじめとするグローバルな食の世界に携わる企業を取巻く環境は、サプライチェーンの状況や為替変動等から受ける影響のほか、世界的に広がる食の多様化や供食形態の変化(外食・中食需要増)等によって、近年ますます大きな変化に晒されております。
他方、日本食を中心としたアジア食品のグローバル化は、2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことにも代表されるように、現地の食生活により馴染む形で着実に発展、浸透しつつあります。
また、環境への配慮や健康に対する意識と、味や値段・利便性とのバランス等、人々の食に対するニーズがさらに多様化する中、既存の食品業界の領域を超えて、様々な技術・サービスが新たに生まれております。
このような環境下において持続可能な収益基盤を構築していくためには、当社グループの事業構造を継続的に変革していくことが切要と考えております。具体的には、既存事業における一層の収益性向上を目指して以下の戦略・方針を実現するとともに、食品業界を取巻く課題や人々のライフスタイルの変化等から生じるニーズを発掘し、それらに対するソリューションを開発・展開する事業の構築を目指してまいります。
アジア食グローバル事業では、今まで培ってきたサプライチェーン機能をさらに強化するとともに、日本食レストランや日系・アジア系の量販店のほか、各国の現地系大手量販店等、新規顧客の開拓を推進することによりシェアの拡大を図ります。事業エリアについては、主要地域である北米での成長を維持しつつ、北米以外の地域についても積極的に市場開拓に取り組んでまいります。本事業は、各国の食品に係る各種規制対応等、グローバルに事業を展開する上で参入障壁が高い分野であると認識しております。併せて、当社グループは110年を超える実績のもと、世界各国に拠点を有し、調達から輸出・輸入卸と物流機能を一気通貫で展開可能な体制を整備しております。そのような競争優位性を活かしながら、食のライフスタイルの変化に対応した商品の開発、フードセーフティの強化、事業オペレーションの効率化等によって更なる差別化を図り、中長期での収益性の向上を目指してまいります。
また、食の安全・安心を守り、食を通じて世界の人々の生活をより豊かに、より幸せにすることが当社グループの使命と心得、各地域において現地のニーズを反映した商品販売や新たな事業展開を推進するべく、現地プロフェッショナルの採用を進めるとともに、社内の人材育成も注力してまいります。
農水産商社事業では、サンキスト・グロワーズ社の日本輸入総代理元として柑橘類を取扱っているほか、世界中から生鮮青果の幅広い商品を調達し、全国の卸売市場、量販店及び外食産業へ販売しております。グローバルな調達力と輸入青果に係る国内販売網の両方を有する企業として、これまでに培った知見や技術、取引先との信頼関係を活かし、中国をはじめアジア各国への販路拡大を推進してまいります。その一環として、2022年1月にシンガポールの有力青果物輸入卸商社であるBan Choon Marketing Pte. Ltd.を連結子会社化いたしました。同社を東南アジア地域における農水産商社事業の核として位置づけ、同地域の青果物事業の拡大を目指すとともに、同社の販路を活かし、アジア食グローバル事業の規模拡大にも繋げてまいります。
国内のその他事業では、海外のユニークなブランド食品を日本市場に紹介する他、ハロウィン、クリスマス等のイベント商品やキャラクター商品の企画・販売を行っております。催事への出店やECサイト販売の強化、オーガニック商品の取扱いやサプリメント販売等、食が創り出す楽しさ・喜びを国内一般消費者にもお届けしております。
また、当連結会計年度においては、手術後・病後者向けの食品提供事業等、国内向け新規事業の展開も開始いたしました。
当社グループは、北米地域を中心に世界各国へ日本食を中心としたアジアの食品・食材を供給しております。そのため生産者やメーカーと協働し市場ニーズを的確に捉え、各地のマーケットに合わせた商品を企画・開発し提供してまいりました。1921年に商標登録したプライベートブランド「Shirakiku」は、以来1世紀にわたり有数の日本食ブランドとして米国を中心に世界各地で親しまれております。今後もその商品ラインナップを拡充し、「健康・安全・美味」を象徴するブランドとして一層強化・育成してまいります。
また、注力分野である非日系レストラン及び量販店に対しては、既存商品の取扱量増加を目指すとともに、Ready To Eat商品等、消費者の利便性を高めた商品の開発により、日常食としてのアジア食の浸透に向けた取組みも進めております。
当社グループでは、特にアジア食グローバル事業において自社の配送網を持ち、きめ細かな物流サービスを提供しております。このことは、大手の卸売会社を容易に参入させない優位性である一方、在庫管理・流通加工及び配送業務における効率化は、更なる成長に向けた重要な課題と認識しております。
世界的に人件費やエネルギー費用等を含む物流費が増加する中、当社グループは次のような施策を推進し、在庫管理及び物流機能の強化に努めてまいります。
・受注から配送までの業務を一貫して効率運用できるオンライン受発注システムの改善
・グループ会社間での情報管理システムの共有化、グループ横断的なデータ収集・分析
・グループ全体でのスケールメリットを活かした船舶輸送の手配、効率化
当社グループは、食の安全・安心を守り、食を通じて世界の人々の生活をより豊かに、より幸せにすることを経営理念の一つとして掲げております。各国ごとに異なる食品に関する法令・規制を順守すると同時に、法令・規制対応に限定せず、取扱食品の安心・安全を担保するフードセーフティ(以下「FS」という。)活動は、当社グループにとって必須かつ永続的な課題です。
当社グループでは、情報収集とその分析・対応を迅速かつ正確に行う体制として、当社にホールディングカンパニーとしての総合的な統括部署を設置している他、各国の事業会社ごとにFS担当部署を設けております。また、事業部門にもFS担当部署との窓口となる担当者を配置し、速やかに漏れなく情報を集約する体制を構築しております。かかる組織体制により、事業部門担当者からの報告をもとに事業会社のFS担当部署が情報整理及び対策検討を行い、さらに全体を当社統括部署が監修し、社外の専門家も活用しながら、課題の設定やスケジュール管理を行っております。このようなグループ内での情報共有と円滑な業務連携が、グローバルかつ網羅的なFS管理を可能にしております。
当社グループでは、主要取引が米ドルを中心とした外貨取引であるため、為替リスク対応が重要な課題と認識しております。このため、グループ会社間における為替マリー(※)の活用や、三国間取引を行うことで為替リスクの極小化を図ってまいります。
また、当社グループの継続的成長を図る上で、資金調達力の強化は重要な検討課題であると捉えております。経済環境等に応じて、借入金のほか公募増資・社債発行等資本市場からの直接金融による資金調達等の選択肢を考慮しながら、安定した財務基盤の構築に取り組んでまいります。
(※)外国為替の売り持高と買い持高を結びつけることによって、為替持高を相殺することを指します。
当社グループでは、これまでアジア食グローバル事業を中心に、潜在成長性が高く、かつ、マーケット全体に占める割合の大きい欧州及びアジアにおいて、複数のM&Aを実施してまいりました。当連結会計年度におきましても、2022年1月にシンガポールのBan Choon Marketing Pte. Ltd.を連結子会社化しております。今後も既存事業の強化や事業エリアの拡大、及び新規事業の構築に寄与する投資機会については、デュー・ディリジェンスの実施による財務・法務上の精査を十分行った上で検討してまいります。
人々のライフスタイルの多様化や食のグローバル化が加速する中、食の安全や環境問題に対する配慮等、食品業界に対する社会的な要請が多様化する一方、食品業界にとって新たなソリューションとなりうる技術やテクノロジーの研究開発が世界各地で進んでおります。これらのソリューションを発掘し、事業化に繋げていくことによって、食品業界に携わる人々の生活をより豊かに、幸せにするという当社グループの経営理念を追求してまいります。
当社グループは、「北米地域の事業のグループ内シェア」及び「ROWC(=Return on Working Capital)」を目標とすべき主要な経営指標としております。
「北米地域の事業のグループ内シェア」は、当社グループの事業基盤を支える北米地域における事業を伸ばしながらもその構成比率を引き下げること、言い換えると、北米以外の地域における事業で北米地域における事業を上回る成長を実現することにより、グループとしての成長を加速させることを目指しているものです。
北米以外の地域の事業構成比率(売上高ベース)は、欧州における事業規模拡大等により43.0%となりました。
「ROWC」は、大きな設備をあまり必要としない当社グループの事業効率の指標として採用しており、営業利益(Return)が運転資本(Working Capital)に占める割合になります。運転資本とは日々営業活動を継続するための資金で、(売上債権+棚卸資産-買入債務)で求められます。ROWCの算出には一般に前期末と当期末の平均が用いられます。
なお、2022年度の実績は、前期比プラス1.7ポイントの21.3%となりました。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、取扱商品に関するFS(フードセーフティ)に対応するため、グループ各社にFSを管理する部署を設置している他、グループ外の専門家等も活用し、情報収集とその分析を迅速に対応できる組織的な体制の構築に取り組んでおります。
しかしながら、偶発的な事由によるものを含め、商品事故が発生した場合や当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、回収費用や訴訟・損害賠償等による費用増加、風評リスクによる売上の減少等、当社グループの事業展開並びに業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの主要取扱商品である農産物、冷凍水産物や加工食品等の需給関係は、国際的な需要の変化や異常気象・自然災害等による供給量の減少、あるいは企業・個人の消費活動の変化や消費の不振等を要因として大きく変動する可能性があります。その場合には、国内及び海外の相場変動に伴う取扱量の減少や販売価格の下落が想定され、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、関係会社を通じて、グローバルに食品・食材の調達、供給を行い、全世界で事業を展開しているため、売上高の海外比重が高くなっております。当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたって、在外子会社の財務諸表を円貨に換算する必要があるため、当該子会社の財務諸表の各項目は、換算時の為替レートの変動の影響を受けます。過去の為替レートと比較し、円高となる場合には、円換算額が表面上減少することになります。とりわけ当社米国子会社のWismettac Asian Foods,Inc.は連結グループに占める割合が大きく、米ドルの為替レートの変動の影響を強く受けることとなります。
また、為替レートの変動は、外貨建てで取引されている商品・サービスの提供価格及び仕入商品の調達コスト等にも影響を与える可能性があります。当社グループは、主要取引が米ドルを中心とした外貨取引であるため、米ドルの他通貨に対する外国為替変動リスクを軽減及び回避するため、三国間取引を行う等様々な手段を講じておりますが、為替相場の変動によっては、米ドルベースでの当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、北米地域を中心に海外事業展開を積極的に行っておりますが、海外においては、政治・経済情勢の変化、税務法制(関税、貿易協定)等の国際取引情勢の変化、予期しえない法規制の変更、自然災害、テロ、戦争による社会的又は経済的な混乱、労働賃金のコストアップ、慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等、それぞれの国や地域固有のリスクが存在します。かかるリスクに関して、当社グループでは現状、仕入先の拡充・販路の拡大等、リスク分散に努めておりますが、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、北米地域を中心に多数の営業・物流拠点を設置しておりますが、地震等の自然災害、疫病の大流行、大規模な事故等、想定を上回る非常事態が発生した地域においては、営業・物流拠点等の破損、商品の調達困難、必要要員の確保困難等が生じる可能性があり、その場合には、販売能力の低下に伴い営業活動や当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
さらに、設備修復のための費用や商品調達等のコスト増加も含めて当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症は、世界各国において経済及び企業活動に広範囲な影響を与えましたが、当該感染症の再拡大等によって景気回復に向けた動きが停滞し、国内外経済への影響が長期化する場合には、当社の業績に対しても大きな影響が生じる可能性があります。
具体的には、売上減少や労働市場の逼迫による人件費等の費用増加による収益性低下、当社の主要な取引先である外食産業の業況悪化による売掛金回収リスクの増加、及び当該リスクに対する備えとして貸倒引当金の追加計上が発生する可能性があります。また、世界的な物流混乱の長期化や急激な事業環境の変化によって大幅な売上減少が生じた場合には、在庫回転の鈍化や賞味期限到来により、棚卸評価損の計上等、在庫処理に係る損失計上が発生する可能性があります。さらに、収益性の低下に伴い、固定資産の減損損失の計上、及び繰延税金資産の取崩しが発生する可能性があります。当社としては、この様な急激な事業環境の変化によるリスクに対して適切に対処できるよう在庫、及び売掛金回収状況に係るモニタリング強化に努めるとともに、十分な手元流動性の確保と自己資本の充実に努めております。
また、従業員及びステークホルダーの皆様の安全確保を最優先に、各拠点での感染防止対策の強化に努め、政府指導に基づいた対応等を実施しております。
当社グループは、事業を展開する各国において、商品開発・企画から通関、保管・分荷、販売までのバリューチェーンの中で、局所的に若しくはバリューチェーン全体に亘り、当該国の法的規制を受けております。例えば、米国においては食品安全強化法(FSMA)に関連する規則等、国内においては主に食品衛生法等、多岐に亘る法的規制に対応することが求められます。このような環境下で当社グループは、現状、上述のようにFS体制を整備し、グループ横断的に現地法規制等の法的リスクを極小化するための体制を構築しているものと考えております。しかしながら、今後、これらの規制が強化又は変更された場合、又は新たな法規制が施行された場合には、当社グループにおける事業活動の制限や見直しによる売上の減少や、新規制対応に係る販管費の増加等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業活動を行う上で多くの機密情報や個人情報を保有しており、情報セキュリティ体制の強化に努めておりますが、ランサムウェア等のコンピューターウイルスの侵入やサイバー攻撃、不正アクセス等により、情報の流出や情報改ざん、システム停止等が発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの業務や提供するサービスの停止、社会的信用の低下等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループのPB商品は、国内外の協力メーカーによる委託生産を行っております。新商品開発及び販売を行う場合、現状、上述のようにFS体制を整備し、グループ横断的に現地法規制等の法的リスクを極小化するための体制を構築しております。しかしながら、予期せぬ不具合商品の発生によりPB商品の安心、安全、信頼が害され信用を失う可能性があります。また、商品に関する何らかの事故が発生した場合、その後速やかに適切な対応を取らなかった場合にも大きな信用失墜につながり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
現在、当社グループにおいてはアジア食グローバル事業が売上高及び営業利益において多くの部分を占めており、業績への季節変動の影響は限定的と考えております。ただし、農水産商社事業の主力商品群である輸入生鮮青果物は、第2四半期にあたる4月から6月までが繁忙期となり売上高が増加し、9月から11月までは国産果実の繁忙期となるため輸入果実の売上高は減少するといった季節変動性を有しております。そのため、当社グループ全体に占める農水産商社事業の売上高及び営業利益の割合が増加する、若しくは、当該事業の季節変動がより大きくなることによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、企業買収によって事業エリア及び事業規模の拡大を図ってきており、当社が目指す事業展開の方向性を実現する上で必要な施策については、今後も積極的に取り組んでいく予定です。企業買収の際には、対象企業及び事業について財務、法務等のデュー・ディリジェンスを実施し、十分な精査、検討を行うことによってリスク低減を図っております。しかしながら、対象企業及び事業が当初計画していた業績を上げられない等の理由で、対象企業及び事業の価値が低下した場合には、のれんの減損等によって当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
公益財団法人洲崎福祉財団は、2008年12月に当社の代表取締役会長兼社長CEOである洲崎良朗が、障害者支援のための助成活動を行うことを目的に設立した公益財団法人であり、当連結会計年度末現在、当社株式1,300,000株を保有しております。当社グループでは、同財団の活動に賛同し、2017年度までは寄附を行っていたこともありましたが、今後は寄附を含め、同財団との取引(当社からの配当は除く。)を行う予定はありません。
前述のとおり同財団は、当社の株主となっておりますが、当社株式の議決権行使に関しては同財団が独自で判断するものと理解しております。なお、当社代表取締役会長兼社長CEO洲崎良朗は同財団の代表理事を兼務しておりますが、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第5条10号(注)において公益財団法人の理事及び監事の構成に関する制限がなされており、同財団における洲崎良朗及びその親族が理事会に占める割合は限定的となっております。当社代表取締役会長兼社長CEOを含む当社グループ関係者の理事は、同財団の保有する当社株式に係る議決権行使については関与をしない方針であります。
(注)各理事について、当該理事及びその配偶者又は三親等内の親族(これらの者に準ずるものとして当該理事と政令で定める特別の関係がある者を含む。)である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様といたします。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しており、従来の方法に比べて、当連結会計年度の売上高は1億96百万円減少しております。なお、売上総利益、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微であります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
なお、文中の前年比較につきましては、収益認識会計基準等の適用前の前期実績を用いております。
(経営成績)
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス禍からの経済活動再開に各国が動く一方、ロシアのウクライナ侵攻や米国と中国の覇権争いから国際社会の分断が深刻さを増し、供給網の確保やエネルギー安全保障の重要性が高まりました。また、急激なインフレに直面し、食品をはじめ生活用品の値上げが続く中、世界景気の減速懸念も強まっています。
このような状況の下、当社グループは食を扱う企業としての使命を再認識し、従業員の安全を確保しながら、安定的な商品の供給に努めてまいりました。当社グループの主たる事業は、日本食をはじめとするアジア食品・食材を、北米中心に欧州、中国、東南アジア、豪州等で販売する「アジア食グローバル事業」、並びに青果物・水産物等の輸入・国内販売及び輸出・三国間貿易を行う「農水産商社事業」であります。また、海外のブランド食品や自社で企画・開発したシーズン商品・キャラクター商品を日本の輸入食品店、生活雑貨店等に販売する事業、さらに、ナチュラルサプリメントの製造・販売事業も行っております。加えて、食品業界が抱える様々な課題に対するソリューションを開発・提供する企業への進化を目指し、「食」と「ヘルスケア」等が融合する新たな領域での事業展開を進めております。
アジア食グローバル事業は、北米地域の持続的かつ安定的な収益実現に向けた取組みと、成長戦略の一つである北米以外の地域における営業基盤の拡充を積極的に推進してまいりました。農水産商社事業では、主力の国内市場(卸売市場、量販店、中・外食産業等)への販売拡大を進める一方、国産青果物の輸出、三国間貿易、中国国内卸売事業等、海外販路の開拓に取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における業績は、売上高2,752億9百万円(前期比29.1%増)、営業利益104億98百万円(前期比43.8%増)、経常利益107億87百万円(前期比49.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益68億15百万円(前期比35.5%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
また、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントの区分方法を変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
a.アジア食グローバル事業
アジア食グローバル事業の当連結会計年度における業績は、売上高2,161億43百万円(前期比33.0%増)、営業利益123億55百万円(前期比49.6%増)となりました。
主力の北米地域においては、新型コロナウイルス感染症関連規制が撤廃され、パンデミック前の日常を回復したことから、レストラン向け、グローサリー向けともに売上高は順調に推移いたしました。需要の回復に加え、インフレ等による全般的なコスト上昇(メーカーの販売価格及び海上運賃その他の物流経費)に対して適切な価格転嫁に努めたことも、前期比増収の要因となっております。また、円安の進行が円換算ベースの売上高を押し上げる結果となりました(米ドル円換算レートは、前期が109.80円であったのに対し、当期は131.43円)。
利益面では、商品原価及び諸経費は上昇の一途を辿っているものの、主に上半期において国際的な物流混乱等により需給バランスがタイトであったことや、前述のとおり適切な価格転嫁に努めたこと等により、高い利益率を維持いたしました。足元では景気減速懸念の高まりやサプライチェーンが正常化に向かう中で、在庫や価格の調整局面における利益率の低下傾向はみられるものの、当連結会計年度においてはその影響は想定していた範囲にとどまりました。その結果、当連結会計年度は、未だ新型コロナウイルス感染症関連規制の影響が残る前期と比べて、大幅な増収増益となりました。
北米以外の地域においては、欧州地域では、新型コロナウイルス感染症関連規制の緩和が進み経済活動が促進された結果、売上高は順調に推移いたしましたが、第2四半期後半以降は物価高や金利上昇、エネルギー費用増等に見舞われたことで、業績回復の勢いがやや鈍化いたしました。アジア・オセアニア地域では、第1四半期は新型コロナウイルス変異株のまん延による規制強化やサプライチェーン悪化による欠品等により売上高が減少いたしましたが、第2四半期以降は、規制緩和と供給不足が解消の方向に向かったことで、順調に売上高が回復いたしました。一方で、原材料の高騰による原価上昇、燃料費・人件費を中心とした諸経費は引き続き増加傾向にあります。
農水産商社事業の当連結会計年度における業績は、売上高551億99百万円(前期比16.6%増)、営業損失8億77百万円(前期は1億14百万円の営業損失)となりました。
主力商品である輸入果実においては、原産国におけるインフレ、海上運賃の高騰、物流関連費用の増加に加え、急激な円安進行が国産品に対する価格競争力の低下をもたらしました。また、生活必需品全般の値上げが続く中、消費者が果実類の購入を減らす傾向がみられることや、原価高騰を反映した販売価格の上昇を受け、量販店における商品の取扱いが一部縮小される等、国内市場では売上高の確保に苦戦いたしました。一方で、2022年1月にシンガポール大手青果卸売業者であるBan Choon Marketing Pte. Ltd.を連結子会社化したことが寄与し、セグメント全体では前期比で増収となりました。
利益面については、主力商品である輸入果実において、前述の原価高騰に加え、コンテナ船延着に起因する品質劣化の発生、在庫回転を優先した販売施策の実施等が、利益を減少させる要因となりました。入荷が少ない時期には、相場を維持し一定の利益を確保する局面もありましたが、前期比で減益となりました。
その他事業の当連結会計年度における業績は、売上高38億66百万円(前期比12.3%増)、営業損失2億44百万円(前期は44百万円の営業利益)となりました。
主力の輸入食品事業では、第1四半期は最大商戦であるバレンタイン・イベントの成功により、売上高・利益ともに順調な滑り出しでした。第2・第3四半期は、原材料の値上げに急激な円安が重なり利益が減少いたしましたが、第4四半期は、ハロウィン、クリスマス商品の好調等により、売上高・利益とも回復いたしました。サプリメント事業では、新商品の投入やEC事業の拡大により、売上高・利益とも順調に推移いたしました。
他方、著名飲食店と協働した中食支援事業の展開や、手術後・病後者向けの食品提供事業等、国内における新規事業の展開を開始したことで、当該新規事業に係る販売費及び一般管理費等が先行して発生し、その他事業合計では前期比で増収減益となりました。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ374億46百万円増加し、1,792億15百万円となりました。主な要因は次のとおりであります。
当連結会計年度末における流動資産合計は、1,510億30百万円(前連結会計年度末比262億93百万円増加)となりました。流動資産の増加は、現金及び預金の増加101億39百万円、棚卸資産の増加80億86百万円、受取手形及び売掛金の増加68億63百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産合計は、281億84百万円(前連結会計年度末比111億52百万円増加)となりました。固定資産の増加は、リース資産(純額)の増加97億45百万円があったことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ252億59百万円増加し、1,071億66百万円となりました。主な要因は次のとおりであります。
当連結会計年度末における流動負債合計は、336億13百万円(前連結会計年度末比30億79百万円減少)となりました。流動負債の減少は、短期借入金の増加31億33百万円、リース債務の増加20億92百万円があったものの、1年内返済予定の長期借入金の減少87億72百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債合計は、735億53百万円(前連結会計年度末比283億39百万円増加)となりました。固定負債の増加は、長期借入金の増加205億58百万円、リース債務の増加81億34百万円があったことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ121億86百万円増加し、720億48百万円となりました。純資産の増加は、主に為替換算調整勘定の増加73億7百万円、利益剰余金の増加48億43百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、757億87百万円となり、前連結会計年度末から101億39百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億55百万円の資金の支出となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益99億26百万円、非資金性費用である減価償却費及びその他の償却費27億35百万円があったものの、法人税等の支払額40億50百万円、棚卸資産の増加38億1百万円、売上債権の増加31億54百万円、仕入債務の減少25億3百万円によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の支出が33億28百万円増加(前期は21億72百万円の資金の獲得)しておりますが、主に、棚卸資産の増減額が28億97百万円の支出減、税金等調整前当期純利益の増加25億83百万円があったものの、仕入債務の増減額が58億54百万円の支出増、法人税等の支払額が15億93百万円の支出増となったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億84百万円の資金の支出となりました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出20億38百万円、無形固定資産の取得による支出6億85百万円があったことによるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の支出が27億79百万円増加(前期比912.6%支出増)しておりますが、主に、前期に発生した定期預金の純増減額の収入17億93百万円が当期はないこと、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が8億68百万円の支出増となったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、98億69百万円の資金の獲得となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出95億82百万円、配当金の支払額20億9百万円があったものの、長期借入れによる収入193億81百万円、短期借入金の純増減額の収入27億10百万円があったことによるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の獲得が1億21百万円増加(前期比1.3%収入増)しておりますが、主に、長期借入金の返済による支出の増加89億54百万円、配当金の支払額の増加による支出増12億19百万円があったものの、長期借入れによる収入の増加81億19百万円、短期借入金の純増減額が24億39百万円の収入増となったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
a.経営成績
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ619億61百万円増加し、2,752億9百万円(前期比29.1%増)となりました。この増加の主な要因は、アジア食グローバル事業において、世界各国での新型コロナウイルス感染症関連規制の撤廃とともに需要が回復し、売上高が順調に推移したことによるものです。
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ476億84百万円増加し、2,198億95百万円(前期比27.7%増)となりました。この増加の主な要因は、アジア食グローバル事業における増収によるものです。
以上の結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ142億76百万円増加し、553億14百万円(前期比34.8%増)となりました。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ110億79百万円増加し、448億15百万円(前期比32.8%増)となりました。この増加の主な要因は、アジア食グローバル事業における売上高増加に伴う費用及びインフレ進行等による物流関連経費等の増加、また、既存事業の基盤強化や当社グループが今後目指す新しいビジネスモデルへの進化に係る人材投資等によるものです。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ31億97百万円増加し、104億98百万円(前期比43.8%増)となりました。
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ6億35百万円増加し、9億50百万円(前期比202.2%増)となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ2億49百万円増加し、6億61百万円(前期比60.8%増)となりました。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ35億82百万円増加し、107億87百万円(前期比49.7%増)となりました。
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ1億71百万円減少し、7百万円(前期比95.6%減)となりました。この減少の主な要因は、前連結会計年度においては、退職給付制度の改定による特別利益が発生したことによるものです。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ8億27百万円増加し、8億68百万円となりました。この増加の主な要因は、当連結会計年度における海外子会社の減損損失の発生によるものです。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ25億83百万円増加し、99億26百万円(前期比35.2%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ17億87百万円増加し、68億15百万円(前期比35.5%増)となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
当社グループは成長するマーケットの拡大に先んじて、事業基盤の拡充に取り組んでいく計画です。また、食文化の多様化、食の安心安全意識の向上、法的規制強化等の環境変化に対応するため、「食」のサプライチェーンの各階層においてこれまで以上に提供する機能を強化していく必要があります。このような環境下において当社グループが業容を拡大しつつ、より良い商品及びサービスを継続的に提供していくためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしました様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。そのために、経営者として常に外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を把握し、それに対する課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。
b.財政状態
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
c.経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (8)目標とすべき経営指標」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループにおける資金需要の主なものは、商材等の仕入・調達費用、販売費及び一般管理費等の運転資金及び物流・システム等を整備・強化するための人材や設備への投資資金であります。
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金について、「営業活動によるキャッシュ・フロー」を源泉とした自己資金調達を中心に、多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入、資本市場からの直接調達も検討する方針であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
該当事項はありません。
2022年12月31日現在
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、特許権及び商標権の合計であります。
2.上記の他、連結会社以外から賃借している建物(面積4,339㎡)があり、年間賃借料は705百万円であります。
2022年12月31日現在
(注) 帳簿価額のうち「その他」は、電話加入権であります。
2022年12月31日現在
(注) 帳簿価額のうち「その他」は、商標権であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 4,467.37円
資本組入額 2,233.685円
払込金額総額 44百万円
割当先 野村證券株式会社
2.最近5事業年度における発行済株式総数、資本金及び資本準備金の増減がないため、直近の増減及び残高を記載しております。
2022年12月31日現在
(注)1.自己株式220株は、「個人その他」に2単元、「単元未満株式の状況」に20株含まれております。
2.株式会社証券保管振替機構名義の株式はありません。
3.所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
2022年12月31日現在
(注) 1.上記信託銀行の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、以下のとおりであります。
日本マスタートラスト信託銀行株式会社 564千株
株式会社日本カストディ銀行 263千株
2.所有株式数は千株未満を切り捨て、発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
1.報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは持株会社体制をとっており、当社は持株会社としてグループ事業戦略の立案及び全般管理を行い、各子会社において事業活動を展開しております。当社グループは、事業別のセグメントから構成されており、経済的特徴の類似性等を考慮した上で各社を集約し、「アジア食グローバル事業」、「農水産商社事業」及び「その他事業」の3つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属するサービスの種類
各報告セグメントに属するサービスの種類は以下のとおりとなります。