株式会社イオレ
eole Inc.
港区高輪三丁目5番23号
証券コード:23340
業界:サービス業
有価証券報告書の提出日:2023年6月23日

 

回次

第18期

第19期

第20期

第21期

第22期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

1,955,888

1,844,098

1,439,034

2,086,427

3,564,446

経常利益又は
経常損失(△)

(千円)

76,220

26,328

274,063

43,565

54,184

当期純利益又は
当期純損失(△)

(千円)

58,895

937

630,978

147,250

36,806

持分法を適用した
場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

734,116

737,857

745,843

770,742

877,302

発行済株式総数

(株)

2,306,000

2,312,500

2,330,183

2,396,234

2,592,059

純資産額

(千円)

1,145,188

1,153,533

538,526

438,483

691,585

総資産額

(千円)

1,473,646

1,428,357

766,480

751,696

1,449,262

1株当たり純資産額

(円)

495.44

497.67

229.95

182.40

265.12

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

―)

1株当たり当期純利益又は1株当たり
当期純損失(△)

(円)

25.55

0.41

271.32

61.65

15.04

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

24.11

0.38

14.91

自己資本比率

(%)

77.5

80.6

69.9

58.1

47.4

自己資本利益率

(%)

5.3

0.1

6.5

株価収益率

(倍)

51.0

2,927.6

85.3

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

164,556

190,502

249,866

1,441

125,614

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

198,849

135,850

39,588

72,465

273,533

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

87,960

13,207

7,973

42,210

213,295

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

661,049

702,493

421,012

392,198

457,574

従業員数

(名)

76

82

84

77

90

株主総利回り

(比較指標:東証マザーズ指数)

(%)

44.7

39.8

56.4

33.5

43.0

(%)

(79.2)

(51.4)

(99.8)

(65.5)

(62.1)

最高株価

(円)

3,595

4,095

3,925

1,780

1,716

最低株価

(円)

905

888

1,000

960

772

 

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を第21期の期首から適用しており、第21期以降に係る主要な経営指標については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がないため記載しておりません。

4.当社は配当を行っておりませんので、1株当たり配当額及び配当性向についてはそれぞれ記載しておりません。

5.第20期及び第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

6.第20期及び第21期の自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。

7.第20期及び第21期の株価収益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。

8.従業員は就業人員であります。なお、平均臨時従業員数は従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。

9.最高及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所グロース市場におけるものであり、それ以前は東京証券取引所マザーズ市場におけるものであります。

 

 

2 【沿革】

 

年月

概 要

2001年4月

インターネット等のネットワークを利用した各種情報提供サービスを事業目的として、港区六本木に株式会社イオレ(資本金10,000千円)を設立

2001年6月

渋谷区西原に本社を移転、営業開始

2001年10月

携帯サッカー新聞「オーレ!ニッポン」公式サイト開設

2003年4月

世田谷区奥沢に本社を移転

2005年4月

グループコミュニケーション支援サービス『らくらく連絡網』運用開始

2009年7月

「オーレ!ニッポン」を含む6サイトを株式会社シーエー・モバイルに事業譲渡

2009年8月

『らくらく連絡網』の広告が非表示になるサービス『らくらく連絡網有料版』運用開始

2010年4月

大学生に特化したアルバイト求人情報提供サイト『ガクバアルバイト(大学生アルバイト.com)』(注1)運用開始(2021年4月30日に終了)

2013年7月

アルバイト求人情報ポータルサイト『らくらくアルバイト』運用開始

2013年10月

港区高輪に本社を移転

2014年3月

『らくらく連絡網』スマートフォン版アプリリリース

2014年4月

プライベートDMP(注2)『pinpoint DMP』運用開始

2014年11月

『pinpoint DMP』を活用したGoogle社「DBM」(注3)での広告配信開始

2015年10月

『pinpoint DMP』を活用したFacebook・Twitter・Instagram・YouTubeでの広告配信開始

2015年11月

株式会社KEIアドバンスと資本業務提携締結(2019年3月に資本関係解消)

2015年12月

株式会社毎日コムネットと資本業務提携締結(2020年10月に業務提携解消)

2016年6月

『pinpoint DMP』を活用したLINEでの広告配信開始

2017年7月

凸版印刷株式会社と資本業務提携締結(2022年3月に資本関係解消)

2017年12月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2019年3月

採用支援システム『ジョブオレ』運用開始

2020年8月

団体活動向け連絡網サービス『らくらく連絡網.app』運用開始

2020年10月

運用型求人広告プラットフォーム『HR Ads Platform(HRアドプラットフォーム』運用開始

2022年8月

中央区日本橋横山町に本社を移転

2022年11月

ペット事業・Web3事業に参入

2022年12月

ゲームギルド運営事業を開始

2023年1月

オモイデノ株式会社から『休日いぬ部』事業を譲受

2023年3月

株式会社ポケットカルチャーから旅行事業を譲受

 

(注1) 2017年10月より『大学生アルバイト.com』のサービス名称を『ガクバアルバイト』に変更しております。

(注2) DMP(データマネジメントプラットフォーム)とは、インターネット上に蓄積されている様々なデータを統合、管理、分析し、広告配信等の最適化を可能とするためのプラットフォームであります。

DMPは、主に第三者が保有するデータを利用するパブリックDMPと、第三者が保有するデータに加えて自社が独自に保有するデータを利用するプライベートDMPに大別できます。

(注3) DBM(DoubleClick Bid Manager)とは、Google社が提供するDSP(注4)であります。

(注4) DSP(デマンドサイドプラットフォーム)とは、広告主の利益を最大化するために効率的にインターネット広告枠の買い付けをし、広告を配信するプラットフォームであります。

DSPを利用することで、ユーザーのウェブ行動ログや広告接触履歴データ、購買データ、会員データ等を考慮した適切なユーザーのターゲティングと、ユーザーの広告1インプレッション(広告露出)ごとに最適な自動入札取引・広告配信を行うことが可能となります。

 

 

3 【事業の内容】

当社は、「新しいテクノロジーを駆使し、今までになかった新しい便利、新しいよろこびを創り出し、世の中を応援し、社会に貢献してゆく」という経営理念のもと、グループコミュニケーション支援サービスを独自開発し、その運営を通して、さまざまな生活者支援に貢献するべく事業を推進しております。

当社は、インターネットメディア関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、2023年3月期より『コミュニケーションデータ事業』、『HRデータ事業』及び『その他』の3つの区分としております。当社の強みは、データマネジメント力であり、その構成要素は『データ集めの仕組み作り』と『データを活用した事業作り』であります。『コミュニケーションデータ事業』は、らくらく連絡網を中心としたコミュニケーションに派生して得られるデータを活用して、収益を上げていく事業であります。一方で『HRデータ事業』は、顧客が求人業界であり、当社が培ってきた求人広告分野におけるノウハウ、そこで得たデータとテクノロジーを組み合わせた事業となっております。

『コミュニケーションデータ事業』、『HRデータ事業』及び『その他』の3つの区分に含まれるサービスは従来と変わらず、主要なサービスとして下記のサービスを提供しております。

①日本全国の部活動、サークル、PTA等の団体活動従事者向けにグループコミュニケーション支援サービスを提供す

 る『らくらく連絡網』

②自社サービスの登録情報を基にした精度の高いデータを保有している『pinpoint DMP』を活用した運用型広告サ

 ービスを行うDSP広告サービス『pinpoint』

③アルバイト求人情報ポータルサイトである『らくらくアルバイト』

④求人検索エンジンの販売代理及び広告運用に関するコンサルティングを行う『求人検索エンジン』

⑤次世代の運用型求人広告プラットフォームである『HR Ads Platform』

⑥採用活動を応援するための採用支援システム『ジョブオレ』

当社の提供するサービスとその概要は以下のとおりであります。

セグメント区分

事業区分

サービス名

概要

インターネット

メディア関連事業

コミュニケーションデータ事業

らくらく連絡網/

らくらく連絡網.app

グループコミュニケーション支援サービス

BtoB向けをメインとした簡易版らくらく連絡網

pinpoint

独自のデータを保有する「pinpoint DMP」を活用した運用型広告

らくらくアルバイト

アルバイト求人情報ポータルサイト

HRデータ事業

求人検索エンジン

他媒体販売による運用型広告

HR Ads Platform

運用型求人広告プラットフォーム

ジョブオレ

採用活動を応援するための採用支援システム

その他

その他

上記以外のサービス

 

 

(コミュニケーションデータ事業)

 当社の『コミュニケーションデータ事業』は、『らくらく連絡網』のユーザーに提携先のデータを加えた、約2,000万人のビッグデータを利用して、様々なインターネット媒体のうち、最も効果が高いと考えられる媒体への広告出稿を可能にし、広告効果の最大化を行うサービス群となっています。各サービスの内容は以下のとおりです。

 

(1) らくらく連絡網

当社サービスの基盤となる『らくらく連絡網』は、団体やグループでの活動に必要な出欠確認や日程調整、アンケート、安否確認等を、メールの一斉送信でカンタンに行うことができる無料のグループコミュニケーション支援サービスであります。『らくらく連絡網』のユーザーは、部活動やサークル、ゼミ、子供の習い事や少年スポーツチーム、PTA等、何らかの団体・集団活動に従事しており、団体単位で加入して団体活動の出欠確認、日程調整、重要情報の通達等に『らくらく連絡網』を利用しております。

『らくらく連絡網』は、団体活動を前提としたグループコミュニケーションをターゲットにしており、グループ外へのつながりの抑制や、メンバー間の団体活動外でのつながりを起こさない形でのコミュニケーションを意識しています。一方で団体活動に必要な便利機能として、「スマートフォン、PC等様々なデバイスに対応」「アプリでの通知とメールでの通知の兼用」「出欠確認等の回答結果がひと目でわかる、未回答にワンタップで催促できる」「日程調整や出席確認等7種類のメール機能」「写真、会議の資料、集合場所の地図、部活動の台本等をExcel、Word、PDF等様々な形で共有可能」等の機能を備えております。

当社は、『らくらく連絡網』の機能や利便性の向上によりユーザー数の増加を図っており、2005年4月にサービス開始以降、ユーザー数は堅調にして推移しております。2023年3月末時点における『らくらく連絡網』の会員数は698万人、アプリ会員数は287万人、有効団体数(会員が3名以上所属している団体数)は39万団体であります。

なお、当社は、『らくらく連絡網』のインターネット媒体としての特性や利用者数等を背景として、広告収入を受け取るともに、後記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2) pinpoint」に記載の『らくらく連絡網』のデータを活用した他媒体への広告配信を行っております。また、無料版の『らくらく連絡網』の利便性を高めた有料版の『らくらく連絡網』を提供し、その利用料収入を受け取っております。

『らくらく連絡網.app』は、従来の『らくらく連絡網』からより利便性を求めた団体活動向け連絡網サービスです。「新しい生活様式」が求められるなど、事業環境の変化から法人利用ニーズが高まっており、カスタマイズが容易なコミュニケーションツールとして、SaaS型ソリューション事業の実現へ向けて、展開しております。

 

① 広告収入

『らくらく連絡網』を利用している会員に対し、『らくらく連絡網』サイト内でのバナー広告の掲載やメールマガジンの配信、当社ユーザーが閲覧する第三者サイトへのバナー広告の掲載等を行うことにより、広告主から広告収入を受け取っております。また、『らくらく連絡網』のユーザー向けに商品サンプリングや市場調査における調査対象者のリクルーティング等のタイアップ広告を配信し、広告主のマーケティング支援を行い、その成果に応じて収入を受け取っております。

当社が独自開発した『らくらく連絡網』を無料で提供することで会員数を増やし、広告配信機会の拡大を図ることができ、また、会員の詳細な属性データを保有していることから、クライアントのニーズに応じた詳細な配信設定により高い広告配信効果を期待できる、付加価値の高い広告サービスを提供しております。

 

② 有料版『らくらく連絡網』の利用料収入

『らくらく連絡網』は、原則として利用者に無料でサービスを提供しておりますが、有料であってもより高い利便性を望むユーザーもいるとの認識から、有料版の『らくらく連絡網』を提供し、その利用料収入を受け取っております。

 

(2) pinpoint

『pinpoint』は、当社及び提携パートナーが独自に保有する属性が明らかな約2,000万人の匿名加工化されたユーザーデータを活用して、精密なセグメント設定によって本当に届けたいターゲット属性への広告配信を可能とするサービスであります。『pinpoint』においては、『らくらく連絡網』の広告枠の販売だけではなく、DSPを介して『らくらく連絡網』利用者のオーディエンスデータ(注1)に合致する外部サイトの広告枠すなわち他媒体への第三者配信を行うことで、広告主のマーケティング・チャネルの最適化を図っております。当社は、『らくらく連絡網』における698万人の会員情報を基に、匿名加工化された精度の高い詳細なオーディエンスデータを保有していることから、これを当社が独自開発したプライベートDMP『pinpoint DMP』で統合、管理、分析することで、精度の高いターゲティングを可能とした運用型広告サービスを『pinpoint』として提供しております。

『pinpoint』は、以下のような強みや特徴を有しております。

・広告配信の基礎となるデータベースは、『らくらく連絡網』及び提携パートナーから取得しているデータで構築されており、そのデータの属性が明確であることから、類推データを使用して広告配信を行う他のDSP広告サービスよりも高い確度でターゲットへの広告配信を行うことができます。

・『pinpoint DMP』は当社が独自開発したDMPであり、その運用も社内で行っております。そのため、データサプライヤー側との連携が容易であることに加え、各DSP事業者等との接続にあたっても広告代理店の広告配信システムを変更することなく行うことができます。

・当社は、Trading Desk(注2)チームを内製化しており、クライアントの広告効果最大化のため、適宜配信の設定・変更・分析を行うことができます。また、その知見を社内に蓄積させることで、事例をもとにした同一業界への販売活動が可能であります。

・『pinpoint』は、国内の複数のWEBサイト・SNSへの広告配信が可能であり、ターゲットへの広告配信機会を幅広く確保しております。また、静止画バナー広告の他、インフィード広告(注3)、動画広告といった、多様な広告表現にも対応することができます。

また、『pinpoint DMP』を介さず他媒体を利用する場合においてもTrading Deskや配信機能を活用しております。

なお、当社は、『らくらく連絡網』に蓄積されたユーザーデータと『pinpoint DMP』を活用した広告サービスを提供し、あるいは他媒体への第三者配信による広告料収入を受け取っております。また、広告配信における媒体選定・配信設計・広告運用・クリエイティブ制作といった一連のサービスをワンストップで提供しており、これらのサービスに係るサービス料収入を受け取っております。

 

(3) らくらくアルバイト

『らくらくアルバイト』は、アルバイト求人サイト運営企業と提携し、当該企業群が保持する全国のアルバイト求人情報をインポートしているアルバイト求人情報ポータルサイトであります。全国のアルバイト求人情報を、地方の大学生や、『らくらく連絡網』のもうひとつの中心的な利用者である、20代・30代の男女のうち主にフリーターや主婦層に対して提供しております。

『らくらくアルバイト』は、698万人の会員を有する『らくらく連絡網』の会員登録時及び利用時において当サイトの訴求を行い、新規登録者の獲得に繋げることができるという特徴があります。また、アルバイト求人サイト運営企業と提携し、当該企業群が保持する全国のアルバイト求人情報をインポートすることで、保持するデータベースの量やクライアント企業の案件への応募数において、優位性を確保できるという特徴があります。

『らくらくアルバイト』においては、サービス開始以降、会員数は堅調に増加しており、2023年3月末時点での会員数は194万人となっております。

なお、当社は、サイト利用者が応募したアルバイト求人情報を提供している提携企業側から広告収入を受け取っております。

 

(HRデータ事業)

当社の『HRデータ事業』は、日本の求人市場において新たな雇用機会を提供すべく、当社が求人業界で培ったノウハウとテクノロジーを活かした事業であります。『HRデータ事業』は、以下の3つのサービスが含まれております。

(1) 求人検索エンジン

『求人検索エンジン』は、インターネット上の求人情報を一括して検索できる、『求人検索エンジン』の広告代理運用事業を行っております。『求人検索エンジン』の利用は、採用企業側にとっては採用コストが安く、求職者にとっては求人メディアを横断して検索可能であることから、双方にとって利便性が高いため、急激に求人広告市場のシェアを拡大している広告手法であります。一方、『求人検索エンジン』で広告効果を高めるためには一定の広告運用の知識やノウハウが必要となっております。当社は、効率的かつ効果的な採用を行いたい企業から『求人検索エンジン』の運用代行を請け負っており、当社がこれまで蓄積した経験知とノウハウから求人企業の採用を最適化することで、当該分野における優位性を確保しております。

なお、当社は求人企業側から広告収入を受け取っております。

 

 (2)HR Ads Platform

 『HR Ads Platform』は、運用型広告と呼ばれるアドテクノロジーを求人領域に活用し、掲載媒体の選定、プラン、広告出稿及び運用を自動で行うことで採用業務のDX化を推進する、運用型求人広告プラットフォームであります。 求人企業が求人原稿、予算及び応募単価などを設定して入札するだけで、『HR Ads Platform』独自のアルゴリズムにより、連携している多数の求人メディアから最適な掲載メディアと掲載順位を自動で選定し、即日に求人広告を掲載します。掲載までの工程に人力を介さないため、従来の掲載フローと比べ大幅に業務量が削減され、求人企業側の採用スケジュールを短縮することができます。さらに成果型課金方式と呼ばれるCPA(応募課金)であることから採用コストの最適化を実現するなど、採用担当者が求人広告掲載において抱えていた様々な悩みを解決することができます。

 なお、当社は求人企業側から成果に応じて広告収入を受け取っております。

 

(3)ジョブオレ

2019年3月より採用活動を応援するための採用支援システム『ジョブオレ』の提供を開始しております。企業は『ジョブオレ』を利用することで、簡単でスピーディーな採用サイトの作成を行うことが可能となります。また、応募者対応及び分析機能を搭載しており、専用の管理画面から詳細な応募や採用状況の分析、一元管理を行うことができます。また『ジョブオレ』で作られた採用サイトは各種アグリゲートサイトとの連携を行っているため、企業側にとっては幅広い求職者へのアプローチを可能とします。また、『HR Ads Platform』にも接続可能となっており、『ジョブオレ』を通じて採用企業が自由に入札や出稿を行える仕組みとなっております。

なお、『ジョブオレ』については、利用企業より一部利用料を受け取っております。

 

 (その他)

その他のサービスとして、『他求人広告』、『セールス・プロモーション(SP)』等のサービスを提供しております。『他求人広告』は、他社が運営する求人媒体における求人広告枠の販売サービスであります。また、『SP』は、主に大学構内でのフィールド系広告の販売サービス等であり、学食内、売店等の広告スペースや学内チラシへの広告の掲載や、学内やキャンパス前での広告チラシの配布等を行っております。当社は、広告の掲載等を行うことで、広告主から広告収入を受け取っております。

 

(注1) オーディエンスデータとは、あるインターネットユーザー(アプリを含む)の個人を特定しない属性情報や行動履歴情報であります。

(注2) Trading Desk(トレーディングデスク)とは、広告主に代わって、DSP等を用いた広告運用の最適化をサポートすること、または、サポートする組織であります。予算と商品に合わせて、利用するDSP等の広告配信ツールの選定、広告枠の買付け、運用戦略の立案、配信結果のレポーティング、分析等を行い、最適な広告運用をサポートします。

(注3) インフィード広告とは、WEBサイトやSNSアプリのコンテンツとコンテンツの間に組み込まれ、表示される広告のことであります。

 

 

事業系統図

 


 

 

4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況

  2023年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

90

33.1

4.9

5,851

 

(注) 1.従業員数は就業人員数であります。

2.臨時従業員数はその総数が従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.当社は、インターネットメディア関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は、「新しいテクノロジーを駆使し、今までになかった新しい便利、新しいよろこびを創り出し、世の中を応援し、社会に貢献してゆく」を経営理念に掲げております。経営理念を実現するために、団体活動を支援することにより団体から最も支持されるサービスを提供し、サービスを通じて得られたデータと新しいテクノロジーを融合させることで、データがメディアになる時代において、データベースを最も保有し、最も活かすことのできる企業を目指してまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社は『らくらく連絡網』で取得したデータをもとに、『pinpoint』、『らくらくアルバイト』等のサービスを運営しております。当社の強みはデータ集めの仕組み作りとデータを活用した事業作りであり、その強みを活かして、主に以下の戦略を通じて事業を展開しております。

 

① データベースマーケティング会社としての地位確立

 当社が保有する『らくらく連絡網』の会員情報、及び会員の団体活動における行動属性等に関するビッグデータを適切に解析し、最適な方法で顧客のマーケティング活動を支援することで、データベースマーケティング会社としての地位を確立してまいります。また、データサプライヤーとのアライアンスやパートナーづくりを推進し、新たなデータの拡充も進めてまいります。

 

② データベースを活かした新サービスの創出

 当社では、『pinpoint DMP』に連携された『らくらく連絡網』を含む匿名加工化情報約2,000万人のデータベースを活かすことで、新規サービスや新規事業を展開することが可能であります。これにより成長分野への進出や、優位性を持ったサービスの構築が可能であり、『pinpoint DMP』に連携されたデータとテクノロジーを活用し、新しいサービスを創出、成長させることにより、収益を拡大させてまいります。

 

③ 運用型求人広告の推進と拡大

 独自のデータベースと、得意とするアドテクノロジーを駆使し、変革する可能性の高い求人広告市場での展開に注力してまいります。少子高齢化を背景にした構造的な人手不足という課題に対し、採用広告領域においては、従来の予約型広告から運用型求人広告へ大きく変化しようとしている中、『pinpoint』や『HR Ads Platform』を通じて求人企業の人手不足解消と求職者への最適な就労の場を提供すべく、求人広告市場における社会的課題に取り組んでまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、持続的な成長を達成するために、着実に利益を確保することを重視しており、「営業利益」を重要な指標として位置づけております。

 

(4) 経営環境等

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の普及により経済正常化の流れが進みつつあるものの、新たに発生したオミクロン株等の蔓延懸念に加え、ウクライナ情勢の長期的な影響が懸念される等、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

当社が属するインターネット広告市場におきましては、2022年の広告費は3兆912億円(前年比114.3%増)となり、2兆円超えの2019年よりわずか3年で約1兆円増加し、広告市場全体の成長を後押しする結果となりました(株式会社電通「2022年 日本の広告費」)。また、当社が注力してまいりましたインターネットを活用した求人広告市場につきましては、2022年度平均の有効求人倍率は1.31倍、2023年3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍となり、前年同期比でそれぞれ0.15、0.10ポイント増加し(厚生労働省「一般職業紹介状況(2023年3月分及び2022年度分)について」)、2023年3月の職種分類別求人広告掲載件数は、全体で154万件(公益社団法人全国求人情報協会「求人広告掲載件数等集計結果(2023年3月分)」で徐々に回復傾向となっており、前年同期比で17.3%増加となりました。

このような社会環境下ではありますが、当社としては経営戦略を着実に進めるとともに、経営課題に取り組んでまいります。

 

(5) 対処すべき課題
① 競争力の強化

 a データベースの拡充

 当社は、698万人の会員を擁する『らくらく連絡網』のデータベースを活用することにより、インターネットメディアに関連する様々なサービスを提供しております。その中でも、『pinpoint』、『らくらくアルバイト』などは重要な収益基盤となっております。
 また、データベースのさらなる拡充を図るため、『らくらく連絡網』の会員満足度の向上と、新しいユーザーエクスペリエンスの提供を図ることは経営課題として必須であると考えています。会員の皆様にはこれからも、「安心」、「安全」でより「便利」なサービスを提供するために必要な、ユーザビリティの向上、機能やサービスの追加、個人情報保護の安全性強化、広告量の最適化等、会員満足度の向上を全社的な課題とし、継続して取り組んでまいります。
 さらに、データサプライヤーとのアライアンスやパートナーづくりを推進し、新たなデータベースの拡充方法も図ってまいります。

 

 b 技術革新への対応

 当社が事業展開しているインターネット関連市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のサイクルが極めて早く、かつ、新たなスマートデバイス等のインターネット端末の技術革新も絶えず進化していることが特徴です。
 また、アドテクノロジー分野においては、広告配信システムの開発、改善、機能強化等や、アドテクノロジー広告の新たな技法の開発、配信アルゴリズムの変化等が進むことが想定されます。同様にプラットフォーム開発においても、マッチングやマッピングの精度向上や自動化が進むことが想定されます。当社は、このような急速に変化する環境にも柔軟に対応すべく、業界の動向を注視し、機械学習等の先端的なテクノロジーの知見やノウハウやデータの蓄積、高度な技能を習得した優秀な技術者の採用と育成を積極的に推進してまいります。

 

 c 新規事業の展開

 当社は、『らくらく連絡網』を通じて獲得した独自のデータベースと、得意とするアドテクノロジーを駆使し、近年は変革する可能性の高い求人広告市場への参入に力を注いでまいりました。昨今、採用難・人手不足を直接肌で感じ、少子高齢化を背景にした構造的な人手不足という課題を強く認識し、解決する手段を模索してまいりました。そのような環境下、採用支援システム『ジョブオレ』のリリースと拡大を図ってまいりました。
 また、「HRテック」や「HRデータ」をキーワードとして、求人広告市場における構造上の問題にも着目し、求人企業が入札(RTB)という仕組みを用いた求人メディアへの自動出稿ツール『HR Ads Platform』の収益化に取り組んでまいります。
 今後も引き続き、最先端のテクノロジーとデータを駆使し、求人企業の人手不足解消と求職者への最適な就労の場を提供すべく、求人広告市場における社会的課題に積極的に取り組んでまいります。

 合わせて、当社は上記の『らくらく連絡網』にて、698万人の会員(約39万団体の幹事含む)を有しており、それぞれの団体特性に応じたサービスを新規事業開発として行い、ユーザーの利便性を高め、更なる会員数の増加を目指すことで、保有する1stパーティデータを拡張させると同時に行動履歴データを取得するとともに、効率的な広告配信及び新規サービスによる収益力の強化を図って参ります。

 

 d 知名度・コーポレートブランド価値の向上

当社の提供する各サービスの利用拡大とコーポレートブランド価値の向上を実現していくためには、サービス自体が利用者の皆様に愛されるものであること、各サービスの知名度や安心感を得ることが不可欠であると考えております。事業を支える優秀な人材の獲得や他社との提携等をより有利に進めるためにも、引き続き広告宣伝活動及び広報活動を積極的に行ってまいります。

 

② 社内体制の強化

 a 情報管理体制の強化

 当社は、個人情報を扱う企業であり、個人情報の保護をはじめとした情報管理の徹底については、常に経営上の大きな取り組み課題だと考えております。
 個人情報等の機密情報について、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備、プライバシーマーク制度の認証取得等により、情報管理の徹底を図っておりますが、今後も引き続き、情報管理体制の強化を図ってまいります。
 また、当社では、2017年10月より、匿名加工情報の取扱を開始し適法な運用を図っており、適切な運用ができるよう社内体制の整備と教育を行っております。
 近年、GAFAに代表されるプラットフォーマーがcookie等の利用に関する制限を強化しております。当社では、主に広告IDを利用し、cookieには多くを依存しない形での匿名加工情報の活用を進めておりますが、今後、当社の出稿する各種インターネットメディアやプラットフォーマーにおける関連ガイドラインが大きく変更された場合に備え、情報の収集と速やかに対応できる社内体制の構築に努めてまいります。

 

 b システムの安定性確保

 当社は、『らくらく連絡網』等、ユーザーの社会活動インフラに大きく関わるサービスをインターネット上で提供しており、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上の重要な課題であると認識しております。そのため、サーバー設備の強化や負荷分散システムの導入が必要不可欠であると認識しております。
 今後につきましても、ユーザー数増加や新規事業の立ち上がり等に伴うアクセス数の増加を考慮し、継続的かつ適時適切な設備投資を行うことで、システムの安定性確保に取り組んでまいります。

 

 c 優秀な人材の確保と育成

 当社は、未だ成長過程にあり、今後の事業拡大・成長に伴い、継続して専門性あるいはポテンシャルの高い優秀な人材の採用を行っていく必要があります。
 また、新卒採用による若手社員の比率が高まっており、事業拡大のためにこれら若手人材の育成とマネジメント体制や教育体制の構築も重要であると認識しております。引き続き、人材戦略を経営戦略の一つと位置付け、新たな部門を設ける等本課題に取り組んでまいります。

 

 d 経営管理体制の構築

 当社は、今後も事業の拡大を図るにあたり、事業をより効率的かつ安定的に運営していくためにも、業務の標準化と効率化を進め、コーポレート・ガバナンス機能、コンプライアンス体制の更なる強化、内部統制システムの整備・充実の継続的な推進等、リスク管理体制を更に強化し、経営管理体制を構築していくことが重要であると認識しております。
 会社の規模や成長に合わせ、適宜、ビジネスプロセスや意思決定プロセスの改善、組織体制の最適化を積極的に実施してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社では、リスクは環境変化の中での「不確実性」と捉え、プラス面(機会)とマイナス面(脅威)の両面があると考えております。従って、マイナス面のリスクに対し、適切にリスクヘッジをする一方、マーケットの変化を見極め、積極的なリスクテイクを行うことで今後の企業の持続的成長につながると考えております。

また、「市場環境に関するリスク」、「技術革新や法的規制、プラットフォーマーの動向に関するリスク」、「競争環境の変化に関するリスク」、「自社固有の内部リスク」に分けております。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

また、「新型コロナウイルス感染症の影響によるリスク」については、多岐にわたるため最後にまとめて再掲しております。

 


 

(1) 市場環境に関するリスクについて

(特に重要なリスク)

① インターネットを活用した求人広告市場

当社は、『らくらくアルバイト』や『HR Ads Platform』が属し、また『pinpoint』を通じてインターネットを活用した求人広告市場に注力しております。インターネットを活用した求人広告市場は、2022年度平均の有効求人倍率は1.31倍、2023年3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍となり、前年同期比でそれぞれ0.15、0.10ポイント増加し(厚生労働省「一般職業紹介状況(2023年3月分及び2022年度分)について」)、2023年3月の職種分類別求人広告掲載件数は、全体で154万件(公益社団法人全国求人情報協会「求人広告掲載件数等集計結果(2023年3月分)」で徐々に回復傾向となっており、前年同期比で17.3%増加となりました。新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、雇用情勢等の経済環境が著しく変動した場合、当社の当面の業績に影響を与える可能性があります。

一方で、近い将来の事象として当社が予測しておりました新卒採用の通年化や、大規模就職フェア等による採用母集団形成からウェブでの母集団形成への流れが加速することも考えられることから、適切なタイミングで十分な投資を通じたサービスを提供できれば、長期的には当社の強みとするデータベースを活用した運用型の求人広告の強みが発揮できると考えております。

 

② インターネット広告市場

当社は『pinpoint』、『らくらく連絡網』等の各分野で求人広告以外にも一部でインターネット広告を収入源としております。2022年の広告費は3兆912億円(前年比114.3%増)となり、2兆円超えの2019年よりわずか3年で約1兆円増加し、広告市場全体の成長を後押しする結果となりました(株式会社電通「2022年 日本の広告費」)。

しかしながら、クライアント企業の戦略上の予算方針やその配分方針に変化が生じた場合、あるいは、新型コロナウイルス感染症の影響等の急激な景気悪化等により広告需要が減少、或いは媒体別の配分方針に変化がおきた場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2) 技術革新や法的規制、プラットフォーマーの動向に関するリスク

(特に重要なリスク)

① 個人情報の取扱いについて

当社は、登録ユーザーを広く募っており、ユーザー登録に伴って各種の個人情報を取得していることから、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課されております。

当社は、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、個人情報の外部漏洩、不適切な利用、改ざん等の防止を徹底すべく、個人情報保護管理規程を制定し、また、社内教育を通じて関連ルールの周知と意識の向上を図っております。なお、当社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会よりプライバシーマークの認定・付与を受けておりますが、個人情報の流出等の重大なトラブルが発生した場合には、損害賠償を含む法的責任を課される可能性があります。また、広告主及びユーザーの信頼を失い、さらにはブランドイメージの悪化等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報の保護に関する法的規制やプラットフォーマー等の動向について

当社は『pinpoint』等において、ユーザー登録情報に基づきDMPに格納された匿名加工情報を活用しております。匿名加工情報とは、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、当該個人情報を復元できないようにした情報のことをいい、「個人情報の保護に関する法律」の改正により、一定のルールの下で事業者間におけるデータ取引やデータ連携を含むパーソナルデータの利活用を促進することを目的に導入されたものであります。当社では、2017年10月より、匿名加工情報の取扱を開始し適法な運用を図っております。また、今後の個人情報保護法の改正動向を見極め、適切な運用ができるよう社内体制の整備と教育も行っております。

昨今、GAFAに代表されるプラットフォーマー等がcookieの利用に関する制限を強化しております。当社では主に広告IDを利用し、cookieには多くを依存しない形での匿名加工情報の活用を進めておりますが、今後、当社の出稿する各種インターネットメディアやプラットフォーマーにおける関連ガイドラインが大きく変更された場合、あるいは匿名加工情報の利用の制限につながる法的規制が大きく変更された場合は、当社の広告効果に影響を及ぼし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(重要なリスク)

  技術革新について

当社が事業展開しているインターネット関連市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のサイクルが極めて早くかつ、新たなスマートデバイス等のインターネット端末の技術革新も絶えず進化していることが特徴となっております。また、アドテクノロジー分野において、広告配信システムの開発、改善、機能強化等や、アドテクノロジー広告の新たな技法の開発、配信アルゴリズムの変化等が進むことが想定されます。当社は、このような急速に変化する環境に柔軟に対応すべく、業界の動向を注視し、先端的なテクノロジーの知見やノウハウの研究と蓄積、高度な技能を習得した優秀な技術者の採用と育成を積極的に推進してまいります。

しかしながら、何らかの要因により技術革新にうまく対応できなかった場合、当社の技術的優位性やサービス競争力が低下し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(その他のリスク)
  個人情報保護法以外の法的規制等について

当社は、事業継続に必ずしも著しく重要な影響を及ぼす法的規制等ではありませんが、「電気通信事業法」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)」、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」、「職業安定法」、「労働基準法」、「不当景品類及び不当表示防止法」等の各種法的規制等を受けております。

当社では社内教育を実施する等、これらの法令遵守体制の構築に努めておりますが、新たな法的規制の制定や既存法令等の改正又は解釈変更等がなされた場合には、当社の事業が制約を受ける可能性や新たな法的規制を遵守するための費用増加につながる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 競争環境の変化に関するリスク

(特に重要なリスク)

  新しいサービスの台頭を含む競合について

当社が事業展開しているインターネット広告市場やインターネット求人情報市場においては、現時点で競合他社が国内外に複数存在しており、今後も新しいサービスを掲げる新規参入企業等により競争が激化することが予想されます。また、当社が予想しておりました「求人広告における予約掲載型広告から、運用型広告への移行」は、「Indeed」に代表される検索連動型の運用広告を中心に、スピード感を持った拡大を見せております。

当社は、『らくらく連絡網』においては連絡網に特化することによるSNSサービスとしての独自性の確立につとめ、『pinpoint』においては、『らくらく連絡網』の登録情報を基にした精度の高いデータを匿名加工化した情報をベースとする自社プロダクトであるプライベートDMP『pinpoint DMP』の開発を通じた独自の強みを持った高付加価値DMPを実現してまいるとともに、『ガクバアルバイト』・『らくらくアルバイト』によって培った他社媒体との提携やクライアント企業の案件への応募数の拡大のノウハウ等、運用型広告に必要とされる運用力の優位性の構築を推進してまいりました。

しかしながら、企画力・開発力・資金等を潤沢に持つ企業の新規参入や台頭、あるいは当社が資金等を含む何らかの理由によりタイムリーに新しいサービスを提供できなかった場合、業界構造の変化の際に起きがちな一時的な過当競争等により当社の優位性を保てなくなった場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 自社固有の内部リスク

(特に重要なリスク)

① 事業拡大に伴う設備投資の増加と減損のリスクについて

当社は、サービスの安定稼働やユーザー満足度の向上を図るためには、サービスの成長段階に即してシステムやインフラに対する先行投資を行っていくことが必要であると認識しております。また、当社が予想する求人広告市場の変化をいち早くとらえ、事業拡大の機会とするために、新たな市場ニーズにそったサービスの構築のため、『ジョブオレ』や『HR Ads Platform』のような新規サービスに対するタイムリーかつ適切な投資が必要であるとも考えております。今後予測されるユーザー数及びトラフィックの拡大、並びに新サービスの需要やセキュリティの向上に備えて継続的な設備投資を計画しております。

しかしながら、実際のユーザー数及びトラフィック、あるいは新サービスの需要が当初の予測から大幅に乖離する場合は、設備投資の時期、内容、規模について変更せざるを得なくなる可能性があります。このような事態が生じた場合、設備投資、減価償却費負担の増加が想定され、また、減損のリスクが生じることで当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 株式価値の希薄化について

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、業績への影響が大きくなった場合等に、事業継続あるいは将来の事業拡大のための投資資金の確保等の目的で、第三者割当増資や資本借入等を行うことも考えられます。増資が行われた場合は、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。

また、当社は、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度、また、2020年6月24日開催の第19回定時株主総会にて決議されました譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。

今後につきましても役員及び従業員へのインセンティブプランとしてストック・オプション制度ならびに譲渡制限付株式報酬制度を活用していくことを検討しており、付与している新株予約権の行使または譲渡制限付株式の発行が行われた場合は、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。

なお、提出日の前月末現在における新株予約権による潜在株式は200,500株であり、発行済株式総数2,632,859株(2023年5月31日現在)の7.6%に相当します。

 

③ 大株主との関係について

当事業年度末現在、当社の取締役である吉田直人が保有している株式数は563,300株存在し、発行済株式総数2,592,059株の21.7%に相当します。当社としては、同氏は当社の創業者であり、当社取締役会長であるため、長期保有の意向であると認識しておりますが、何らかの事情により同氏の当社株式の保有方針に変更が生じ、やむを得ず当該株式の売却を市場で行った場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場での売却ではなく特定の相手先への譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によっては、当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。

 

(重要なリスク)

① システム障害について

当社の事業は、コンピューターシステムや通信ネットワークに依存しております。そのため、ネットワーク機器の故障やアクセス過多によるサーバーの停止、事故、火災、自然災害、電力供給の停止、コンピューターウィルスやハッカーの侵入等によるシステムトラブル、従業員の誤操作によるネットワーク障害等について、その発生を防止するべく、稼働状況の常時監視、定期的なバックアップの実施、サーバーの負荷分散、セキュリティ対策による外部からの不正アクセスの回避、内部統制の構築等に取り組んでおります。

しかしながら、予測不可能な要因によって、コンテンツを管理しているサーバーやシステム、通信ネットワーク、データセンターに何らかのトラブルが発生した場合、円滑に事業を運営できなくなる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の獲得・育成について

当社は、未だ成長過程にあり、今後の事業拡大・成長に伴い、継続して優秀な人材の確保・育成を行っていく方針であります。また、新卒採用による若手社員の比率が高まっており、事業拡大のためにこれら若手人材の育成が重要であると認識しております。引き続き、人材戦略を経営戦略の一つと位置付け、新たな部門を設ける等本課題にあたっております。

しかしながら、人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や、既存人材の社外流出等が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社の業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(その他のリスク)

① 内部管理体制について

当社は、企業価値の持続的な増大を図るためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。当社では、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、更には健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底等、内部管理体制の充実、継続的なコンプライアンス体制の強化に努めており、今後についても、規模に応じた業務執行体制の整備や内部管理体制の更なる強化を図っていく方針であります。

しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況や法令等に抵触する事態が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 自然災害等について

地震、台風、津波等の自然災害、感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合やこれに伴う地域経済の悪化等により、当社の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。これらの災害等が発生した場合、当社は速やかに全社的な危機管理や復旧対応を行うよう努めてまいりますが、各種災害や国際紛争等による物的、人的損害が甚大である場合には、事業の継続自体が困難となる可能性があります。

 

 

③ 新規事業について

当社では今後も積極的に新規事業を進めてまいりますが、これに伴うシステムへの先行投資や人件費等の追加的な支出により、利益率が低下する可能性があります。また、当初計画とは異なる状況により新規事業の展開が想定どおりに進まない場合には、当初の投資を回収できず、当社の業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。当社では新規事業の進捗に関して定期的なモニタリングを実施しており、外部環境の変化や追加コストの発生に対して柔軟に対応できる体制を構築しておりますが、今後も更なる高い精度の実現に向けて取り組んでまいります。

 

④ M&Aに関するリスクについて

当社は事業規模の拡大を目指すため、既存事業の強化や新規事業領域への参入を通じた企業価値の最大化を目指しております。そのための手法の一つとして、今後、M&Aを実施する可能性があります。その対象となる企業や事業については事前に詳細な調査を行い、十分にリスクを検討した上で適切なプロセスを経て進めてまいりますが、買収後に未認識債務の判明や偶発債務の発生等、事前の調査で把握できなかった問題が生じる可能性があります。また、買収後の事業展開が計画通りに進まない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、M&Aにより新規事業領域が追加される場合には、その事業固有のリスク要因も追加されます。

M&Aの実施に伴い、のれんが生じる場合があります。対象企業における期待キャッシュ・フローが事業計画と乖離した場合には、のれんの減損損失が計上されることにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 継続企業の前提に関する重要事象等について

 当事業年度は、55,082千円の営業利益を計上することができましたが、当社は、2021年3月期及び2022年3月期は多額の営業損失が発生しており、当事業年度は黒字化したものの収益性改善の途上にあることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しているものと認識しております。

 このような事象又は状況を解消するために、翌事業年度以降の業績回復を目的とした既存事業の売上強化を始めとする諸施策を講じる中で、主に『コミュニケーションデータ事業』、『HRデータ事業』及び『新規事業』に注力してまいります。また、財務基盤は安定していることに加え、金融機関との当座貸越契約の未実行残高を200,000千円確保しており、十分な運転資金を確保できているものと判断しております。

 以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

(5) 新型コロナウイルス感染症の影響によるリスクについて

 当社の属する業種においては、営業自粛要請等の直接の対象とはなっておりません。また、サプライチェーン上の直接の影響も受けておりません。一方で、当社の主力とする運用型求人広告については、その出稿元に飲食業やイベント業等の顧客企業もおります。当該業種の顧客企業からの今後の出稿の減少、また、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合の有効求人倍率の低下による幅広い業種における顧客企業における出稿意欲の低下による業績への影響を及ぼすリスクが考えられます。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響により、新卒採用の通年化や、大規模就職フェア等による採用母集団形成からウェブでの母集団形成への流れが加速することも考えられ、適切なタイミングで十分な投資を通じたサービスを提供できれば、長期的には当社の強みとするデータを活用した運用型の求人広告の強みが発揮できると考えております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 
① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に収まり、中国のゼロコロナ政策の終了もあったものの、ドル円為替水準の大きな変動等、経済に大きな影響を及ぼす事象が複数発生しており、未だ経済の見通しにつきましては、不透明な部分が存在するものと認識しております。

当社が属するインターネット広告市場においては、経済産業省の特定サービス産業動態統計調査(2023年2月分確報)によると、2023年2月のインターネット広告の売上高合計は119,977百万円(前年同月比2.59%増)と引き続き回復傾向となってきておりますが、当社が注力してまいりましたインターネットを活用した求人広告市場につきましては、2023年3月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.32倍(厚生労働省「一般職業紹介状況(2023年3月分)について」)で直近では微増で推移しており、2023年3月の職種分類別求人広告掲載件数は、全体で154万件(公益社団法人全国求人情報協会 「求人広告掲載件数等集計結果(2023年3月分)」)となっており、前年同月比で増加し、回復基調となっているものの更なる回復が望まれます。

このような事業環境の下、『コミュニケーションデータ事業』は、当社の優位性の一つであるデータとテクノロジーを組み合わせて収益を上げていく事業として、『らくらく連絡網』、『らくらくアルバイト』、『pinpoint』及び『他媒体広告』、『休日いぬ部』を含めており、当事業年度は代理店戦略の強化やアライアンスの推進を行い、データの拡充と有効活用を図ってまいりました。

また、『HRデータ事業』は、顧客が求人業界であり、当社が培ってきた求人広告分野におけるノウハウとテクノロジーを組み合わせた事業として、『求人検索エンジン』、『HR Ads Platform』及び『ジョブオレ』を含めており、当事業年度は『HR Ads Platform』を重視し、新規求人メディア連携やATS連携の強化を図ってまいりました。

その結果、『らくらく連絡網』の2023年3月末時点の会員数は698万人(前年同期比0.7%増)、アプリ会員数は287万人(前年同期比8.9%増)、有効団体数は39万団体(前年同期比0.1%増)、『らくらくアルバイト』の2023年3月末時点の会員数は194万人(前年同期比3.9%増)、『ジョブオレ』の2023年3月末時点の求人原稿数は335千件(前年同期比2.4%増)となっております。

以上の結果、当事業年度の売上高は3,564,446千円(前年同期比70.8%増)、営業利益は55,082千円(前年同期は40,321千円の営業損失)、経常利益は54,184千円(前年同期は43,565千円の経常損失)、当期純利益は36,806千円(前年同期は147,250千円の当期純損失)となりました。

なお、当社は、インターネットメディア関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は前事業年度末に比べ65,376千円増加し、457,574千円(前年同期比16.7%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は125,614千円(前年同期は1,441千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加額292,409千円、未払消費税等の減少額31,181千円があったものの、仕入債務の増加額265,883千円及び未払金の増加額61,515千円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は273,533千円(前年同期比277.5%増)となりました。これは主に、事業譲受による支出156,000千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は213,295千円(前年同期比405.3%増)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入208,305千円があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績

当社の主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b. 受注実績

受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c. 販売実績

当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。

なお、当社は単一セグメントでありセグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。

事業の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

コミュニケーションデータ事業

950,311

+44.1

HRデータ事業

2,494,593

+80.0

その他

119,542

+191.1

合計

3,564,446

+70.8

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績

(売上高)

売上高は、前事業年度より1,478,019千円(70.8%)増加し、3,564,446千円となりました。これは主に、『コミュニケーションデータ事業』に関しては、各企業の販促需要が徐々に回復し、『HRデータ事業』において、運用型広告の当社運用力を背景に他社からの乗り換えやコロナ禍の影響を受けにくい顧客群の強化を行ってきたことにより、売上高を牽引し、コロナ禍以前の売上高水準を上回る成果を見せ始めたものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は、前事業年度より1,296,289千円(89.6%)増加し、2,742,876千円となり、売上原価率は7.6ポイント増加して77.0%となりました。これは主に、売上高増加に伴って仕入高が1,194,239千円増加及び外注費が84,894千円増加したこと等によるものであります。

以上の結果、売上総利益は、前事業年度より181,730千円(28.4%)増加し、821,569千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ86,326千円(12.7%)増加し、766,487千円となり、売上に対する販売費及び一般管理費の比率は、11.1ポイント減少して、21.5%となりました。これは主に、広告宣伝費が12,797千円減少したものの、販売手数料が18,285千円増加、支払報酬が17,419千円増加、支払手数料が10,094千円増加、人件費が9,174千円増加したこと等によるものであります。

以上の結果、営業利益は前事業年度より95,403千円増加し、55,082千円の営業利益(前事業年度は40,321千円の営業損失)となりました。

 

(営業外損益)

営業外損益は、前事業年度の3,244千円の費用(純額)から897千円の費用(純額)となりました。これは主に、新株予約権発行費が3,277千円減少したこと等によるものであります。

以上の結果、経常利益は前事業年度より97,750千円増加し、54,184千円の経常利益(前事業年度は43,565千円の経常損失)となりました。

 

(特別損益)

特別損益は、前事業年度の101,394千円の損失(純額)から15,725千円の損失(純額)となりました。これは主に、前事業年度において、減損損失が101,394千円発生、当事業年度において、本社移転費用が15,757千円発生したことによるものであります。

 

(法人税等合計)

法人税等合計は、前事業年度に比べ637千円(27.8%)減少して、1,652千円となりました。これは法人税等が637千円減少したことによるものであります。

以上の結果、当期純利益は、前事業年度より184,057千円増加し、36,806千円の当期純利益(前事業年度は147,250千円の当期純損失)となりました。

 

b. 財政状態

(資産)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて697,565千円(92.8%)増加し、1,449,262千円となりました。これは主として、売掛金が292,097千円増加、のれんが144,354千円増加、ソフトウエアが114,978千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて444,464千円(141.9%)増加し、757,677千円となりました。これは主として、買掛金が265,883千円増加、預り金が101,040千円増加、未払金が81,696千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて253,101千円(57.7%)増加し、691,585千円となりました。これは主として、資本金が106,560千円増加、資本準備金が106,560千円増加、当期純利益の計上に伴い利益剰余金が36,806千円増加したことによるものであります。

 

c. キャッシュ・フロー

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d. 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、媒体仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、サーバー等の設備投資、サービス開発に係る労務費、外注費等によるものであります。必要資金については原則として手許資金で賄っておりますが、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、その当座貸越極度額は200,000千円であります。
当社は、財務基盤を強化するとともに、成長のための投資資金の確保を実現するため、財務の健全性や資本効率等当社にとって最適な資本構成を追求しながら、新たなサービスの開発等、会社の将来の成長のための内部留保の充実を図る必要があると考えております。

 

e. 経営戦略の現状と見通し
 2024年3月期は、新型コロナウイルス感染症の拡大は感染症法における分類の引き下げなどにより収束に向かうと期待しておりますが、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による、原材料の価格高騰や材料不足などから起こるインフレーションによる消費マインドの冷え込みリスクなど、経済の先行きは不透明な状況が続くと予想されます。
 2024年3月期は、『コミュニケーションデータ事業』に関しては、『らくらく連絡網』の新機能追加やUI改善により、新規会員獲得に注力し、データの拡充を行い、そのデータを活かしたより効果の高い広告配信を行うことで競争力の強化を図ってまいります。また、中長期的には、新たな収益モデルの確立のために投資を行い、更なる新規事業の創出を目指しております。『HRデータ事業』に関しては、『HR Ads Platform』の新規求人メディア連携やATS連携の強化を図るとともに、人事管理系ツールとの連携や採用BIツールの構築等に、引き続き注力してまいります。『求人検索エンジン』については既存顧客の継続率を高めつつアップセルを強化していくとともに、新規顧客の獲得を積極的に行い、効果の高いサービス提供に取り組んでまいります。
 以上の状況を背景に、売上高は4,784,000千円(前年同期比34.2%増)となり、営業利益は90,000千円(前年同期比63.3%増)、経常利益は、88,504千円(前年同期比63.3%増)、当期純利益は86,786千円(前年同期比135.7%増)を予想しております。

 

f. 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向及び業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保及び適切な教育を実施するとともに、事業体制、内部管理体制を強化し、社会のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を行ってまいります。

 

g. 経営者の問題認識と今後の方針について

当社の経営陣は、今後のさらなる成長のために、スピーディーな事業展開による収益基盤の強化と多角化、システムセキュリティの維持と情報管理体制の強化、及びこれらを担う優秀な人材確保が大きな課題であると考え、これらの達成を中期的な目標としております。詳細につきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】

  2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数
(名)

建物附属設備

工具、器具
及び備品

ソフト
ウエア

合計

本社
(東京都中央区)

本社
事務所

12,308

5,301

114,978

132,587

90

 

(注) 1.当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

2.現在休止中の主要な設備はありません。

3.上記の他、他の者から賃借している設備の内容は下記のとおりであります。

 

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

賃借床面積(㎡)

年間賃借料(千円)

本社
(東京都中央区)

本社事務所

510.32

28,765

 

(注) 当社は2022年8月より、東京都港区から東京都中央区へ本社を移転し業務を開始しており、年間賃借料は移転

   前の賃借料を含んでおります。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

6,000,000

6,000,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月23日)

上場金融商品取引所名又は
登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

2,592,059

2,632,859

東京証券取引所
グロース市場

単元株式数は100株であります。

2,592,059

2,632,859

 

(注)1.提出日現在の発行数には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。

2.事業年度末現在発行数のうち、12,359株は譲渡制限付株式報酬として普通株式を発行した際の現物出資

 (金銭報酬債権15,995千円)によるものであります。

    3.2023年4月6日付で第10回新株予約権の行使による新株式を発行したことにより、提出日現在発行数は40,800株増加しております。

 

① 【ストックオプション制度の内容】
a 第2回新株予約権

 

 

決議年月日

2006年3月30日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社取締役 3

子会社取締役 1

外部協力者 1

新株予約権の数(個) ※

690(注)1

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株) ※

普通株式 69,000(注)1

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

670(注)2

新株予約権の行使期間 ※

2006年5月21日~2026年3月31日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円) ※

発行価格  670
資本組入額 335

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要する。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

 

※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年5月31日)現在において、これらの事項に変更はありません。

(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株であります。

ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整し、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てる。

 

調整後付与株式数

調整前付与株式数

×

分割・併合の比率

 

 

また、当社が他社と合併を行い本件新株予約権が承継される場合、又は、当社が会社分割を行う場合、並びに、当社が完全子会社となる株式交換又は株式移転を行い本件新株予約権が承継される場合、当社は必要と認める株式の数の調整を行う。

2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

調整後払込金額

調整前払込金額

×

分割・併合の比率

 

 

新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行または自己株式の処分を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

 

 

 

 

既発行株式数

新株発行(処分)株式数×1株当たり払込金額

調整後払込金額

調整前払込金額

×

1株当たり時価

既発行株式数+新株発行(処分)株式数

 

 

また、当社が他社と合併を行い本件新株予約権が承継される場合、又は、当社が会社分割を行う場合、並びに、当社が完全子会社となる株式交換又は株式移転を行い本件新株予約権が承継される場合、当社は必要と認める払込金額の調整を行う。

3.新株予約権の行使の条件は次のとおりであります。

(1) 当該新株予約権の所有者は、新株予約権の権利を行使する時においても、当社又は当社の子会社の役員、従業員、当社の企業公開業務支援者又は事業協力者であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職その他正当な理由のある場合並びに相続により新株予約権を取得した場合はこの限りではない。

(2) 相続により新株予約権を取得した者が権利行使しようとするときは、当社の取締役会の承認を得るものとする。

 

 

b 第9回新株予約権

 

 

決議年月日

2017年3月16日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社従業員 63

新株予約権の数(個) ※

245(注)1

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株) ※

普通株式 24,500(注)1

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

1,200(注)2

新株予約権の行使期間 ※

2019年3月16日~2027年3月15日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円) ※

発行価格  1,200
資本組入額   600

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要する。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)4

 

 ※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年5月31日)現在において、これらの事項に変更はありません。

(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株であります。

ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整し、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てる。

 

調整後付与株式数

調整前付与株式数

×

分割・併合の比率

 

 

また、当社が株主割当の方法により募集株式の発行を行う場合、株式無償割当を行う場合、合併する場合、株式交換を行う場合、会社分割を行う場合その他必要と認められる場合、当社は必要と認める株式の数の調整を行う。

2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

調整後払込金額

調整前払込金額

×

分割・併合の比率

 

 

新株予約権の割当日後、本項に定める払込金額を下回る価額で新株式の発行または自己株式の処分を行う場合、並びに、本項に定める払込金額を下回る価額で普通株式を取得し得る潜在株式等の発行を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

 

 

 

 

既発行株式数

新株発行(処分)株式数×1株当たり払込金額

調整後払込金額

調整前払込金額

×

調整前払込金額

既発行株式数+新株発行(処分)株式数

 

 

また、当社が合併する場合、株式交換を行う場合、会社分割を行う場合その他必要と認められる場合、当社は必要と認める払込金額の調整を行う。

3.新株予約権の行使の条件は次のとおりであります。

(1) 行使しようとする本新株予約権又は権利者について取得事由が発生していないことを条件とし、取得事由が生じた本新株予約権の行使は認められないものとする。ただし、取締役会の決議により特に行使を認められた場合はこの限りではない。なお、上記但書にかかわらず、取締役会の決議によって取得事由の生じた本新株予約権の行使を認めることができない旨確定することができるものとし、かかる決議がなされた場合は、いかなる場合でも当該新株予約権は行使できなくなるものとする。

(2) 権利者は、当社株式が国内の証券取引所に上場されて6ヶ月以上経過しなければ、権利の行使ができないものとする。

(3) 当社が消滅会社となる吸収合併若しくは新設合併、当社が分割会社となる吸収分割若しくは新設分割、又は当社が完全子会社となる株式交換若しくは株式移転(以下、「企業再編」という)を行うときに、当該企業再編にかかる契約書又は計画において、本新株予約権の権利者に対して本新株予約権に代わる合併における存続会社若しくは新設会社、会社分割における承継会社若しくは新設会社、又は株式交換若しくは株式移転における完全親会社(いずれの場合も株式会社に限る。以下総称して「再編会社」という)の新株予約権を交付することが定められなかった場合には、かかる場合に会社法に基づく本新株予約権の買取請求権の行使が可能となる日の前日の正午において、本新株予約権は行使できなくなるものとする。

(4) 本新株予約権の行使は1新株予約権単位で行うものとし、各新株予約権の一部の行使は認められないものとする。

(5) 権利者が1個又は複数の本新株予約権を行使した場合に、当該行使により当該権利者に対して発行される株式数は整数(当社が単元株制度を導入した場合には一単元の株式数の整数倍)でなければならず、1株(当社が単元株制度を導入した場合には一単元の株式数)未満の部分については、株式は割当てられないものとします。かかる端数等の切捨てについて金銭による調整は行わない。

(6) 租税特別措置法第29条ノ2に規定する税制の優遇措置を適用する新株予約権の行使にあたっては、以下の定めにしたがうものとする。

① 権利行使にかかる年間の払込金の合計額が1,200万円を超えないこと

② 権利行使により取得した株式が第9回新株予約権割当契約書の定めにより開設される当社の指定する証券会社の当該新株予約権の所有者本人名義の株式保護預り口座に保護預りされること

4.組織再編行為時の新株予約権の取扱い

当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して、以下「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権をそれぞれ交付することとする。この場合において、残存新株予約権は消滅するものとする。ただし、新株予約権を交付する旨及びその比率を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。

 

 

c 第11回新株予約権

 

 

決議年月日

2022年5月13日

付与対象者の区分及び人数(名) ※

当社取締役 3

新株予約権の数(個) ※

1,070(注)1

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株) ※

普通株式 107,000(注)1

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

841(注)2

新株予約権の行使期間 ※

2025年5月31日~2032年5月30日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円) ※

発行価格   841
資本組入額   420.5

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要する。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)4

 

 ※当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年5月31日)

  現在において、これらの事項に変更はありません。

(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株であります。

ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整し、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てる。

 

調整後付与株式数

調整前付与株式数

×

分割・併合の比率

 

 

また、当社が合併、会社分割、株式交換または株式交付を行う場合その他これらの場合に準じ付与株式数の調整を必要とする場合には、当社は合理的な範囲で適切に付与株式数の調整を行う。

2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

調整後払込金額

調整前払込金額

×

分割・併合の比率

 

 

新株予約権の割当日後、本項に定める払込金額を下回る価額で新株式の発行または自己株式の処分を行う場合、並びに、本項に定める払込金額を下回る価額で普通株式を取得し得る潜在株式等の発行を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

 

 

 

 

既発行株式数

新株発行(処分)株式数×1株当たり払込金額

調整後払込金額

調整前払込金額

×

調整前払込金額

既発行株式数+新株発行(処分)株式数

 

 

また、当社が合併、会社分割、株式交換もしくは株式交付を行う場合その他必要と認められる場合、当社は必要と認める払込金額の調整を行う。

3.新株予約権の行使の条件は次のとおりであります。

(1) 権利者は、2025年3月期に係る当社が提出した有価証券報告書に記載される監査済みの当社の損益計算書(連結損益計算書を作成している場合には連結計算書。)に記載された営業利益が300百万円を超過した場合にのみ行使することができる。なお、会計基準の変更や決算期の変更また業績に多大な影響を及ぼす企業買収などの事象が発生し、判定を行うことが適切でないと判断した場合には合理的な範囲内で変更または企業買収等の影響を排除し、判定に使用する数値を調整することができるものとする。

(2) 権利者は、権利行使時において、当社または当社関係会社の取締役、監査役または従業員であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。

(3) 権利行使によって、当社の発行済株式数が当該時点における発行可能株式数を超過することとなるときは、権利行使を行うことはできない。

(4) 本新株予約権の行使は1新株予約権単位で行うものとし、各新株予約権の一部の行使は認められないものとする。

4.組織再編行為時の新株予約権の取扱い

当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転(以上を総称して、以下「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権をそれぞれ交付することとする。この場合において、残存新株予約権は消滅するものとする。ただし、新株予約権を交付する旨及びその比率を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
(千円)

資本金残高
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2018年4月1日~

2019年3月31日

(注)1

3,100

2,306,000

1,038

734,116

1,038

677,038

2019年4月1日~

2020年3月31日

(注)1

6,500

2,312,500

3,741

737,857

3,741

680,779

2020年7月22日

(注)2

5,783

2,318,283

3,998

741,856

3,998

684,778

2020年4月1日~

2021年3月31日

(注)1

11,900

2,330,183

3,986

745,843

3,986

688,765

2021年7月21日

(注)3

3,051

2,333,234

2,498

748,342

2,498

691,264

2021年4月1日~

2022年3月31日

(注)1

63,000

2,396,234

22,400

770,742

21,105

712,369

2022年7月25日

(注)4

3,525

2,399,759

1,499

772,242

1,499

713,869

2022年4月1日~

2023年3月31日

(注)1

192,300

2,592,059

105,060

877,302

105,060

818,929

 

(注) 1.新株予約権(ストック・オプション)の権利行使による増加であります。

2.譲渡制限付株式報酬としての新株発行による増加であります。

発行価額

1株につき1,383円

資本組入額

1株につき691.5円

割当先

取締役(社外取締役を除く。)3名

 

取締役を兼務しない執行役員 3名

 

3.譲渡制限付株式報酬としての新株発行による増加であります。

発行価額

1株につき1,638円

資本組入額

1株につき819円

割当先

取締役(社外取締役を除く。)3名

 

4.譲渡制限付株式報酬としての新株発行による増加であります。

発行価額

1株につき851円

資本組入額

1株につき425.5円

割当先

取締役を兼務しない執行役員 2名

 

5.2023年4月1日から2023年5月31日までの間に、新株予約権の行使により、発行済株式総数が40,800株、資本金が22,431千円及び資本準備金が22,431千円増加しております。

 

(5) 【所有者別状況】

  2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数 100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

2

19

27

19

3

1,938

2,008

所有株式数
(単元)

270

2,379

2,985

784

3

19,484

25,905

1,559

所有株式数
の割合(%)

1.04

9.18

11.52

3.02

0.01

75.21

100.00

 

(注)  自己株式819株は、「個人その他」に8単元、「単元未満株式の状況」に19株含まれております。

 

 

(6) 【大株主の状況】

  2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

吉田 直人

シンガポール共和国スコッツロード

563,300

21.74

株式会社五六

東京都目黒区目黒本町二丁目26番19号 ランドステージ学芸大学103号

126,000

4.86

冨塚 優

東京都葛飾区

67,521

2.60

株式会社アルファステップ

東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 新宿センタービル31階

67,500

2.60

楽天証券株式会社

東京都港区南青山二丁目6番21号

66,600

2.57

吉岡裕之

大阪府茨木市

43,000

1.65

JPモルガン証券株式会社

東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 東京ビルディング

41,800

1.61

モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティサウスタワー

39,700

1.53

グロース・キャピタル株式会社

東京都港区南青山三丁目8番40号 青山センタービル2階

38,900

1.50

佐藤 昭子

東京都町田市

38,500

1.48

Hongoholdings株式会社

東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 新宿センタービル31階

38,500

1.48

1,131,321

43.65

 

 (注) 上記のほか当社所有の自己株式819株があります。

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

392,198

457,574

 

 

売掛金

※1 328,861

※1 620,959

 

 

前払費用

17,644

18,115

 

 

未収消費税等

36,805

 

 

その他

387

23,018

 

 

貸倒引当金

1,973

3,731

 

 

流動資産合計

737,119

1,152,742

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

1,263

 

 

 

 

減価償却累計額

605

 

 

 

 

減損損失累計額

658

 

 

 

 

建物(純額)

 

 

 

建物附属設備

12,970

 

 

 

 

減価償却累計額

661

 

 

 

 

減損損失累計額

 

 

 

 

建物附属設備(純額)

12,308

 

 

 

工具、器具及び備品

27,874

28,509

 

 

 

 

減価償却累計額

23,348

18,987

 

 

 

 

減損損失累計額

4,525

4,220

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

5,301

 

 

 

有形固定資産合計

17,609

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

114,978

 

 

 

のれん

144,354

 

 

 

無形固定資産合計

259,332

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

破産更生債権等

5,120

5,582

 

 

 

その他

14,834

20,785

 

 

 

貸倒引当金

5,376

6,789

 

 

 

投資その他の資産合計

14,577

19,577

 

 

固定資産合計

14,577

296,519

 

資産合計

751,696

1,449,262

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

183,584

449,468

 

 

未払金

55,285

136,982

 

 

未払費用

5,065

7,473

 

 

未払法人税等

8,725

9,553

 

 

未払消費税等

31,181

 

 

前受金

※2 19,969

※2 22,129

 

 

預り金

9,401

110,442

 

 

その他

21,627

 

 

流動負債合計

313,213

757,677

 

負債合計

313,213

757,677

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

770,742

877,302

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

712,369

818,929

 

 

 

資本剰余金合計

712,369

818,929

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

1,045,929

1,009,122

 

 

 

利益剰余金合計

1,045,929

1,009,122

 

 

自己株式

117

117

 

 

株主資本合計

437,064

686,992

 

新株予約権

1,418

4,592

 

純資産合計

438,483

691,585

負債純資産合計

751,696

1,449,262

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 2,086,427

※1 3,564,446

売上原価

1,446,587

2,742,876

売上総利益

639,839

821,569

販売費及び一般管理費

※2 680,161

※2 766,487

営業利益又は営業損失(△)

40,321

55,082

営業外収益

 

 

 

受取利息

4

3

 

雑収入

54

754

 

営業外収益合計

59

757

営業外費用

 

 

 

支払利息

25

52

 

新株予約権発行費

3,277

 

株式交付費

1,431

 

雑損失

171

 

営業外費用合計

3,303

1,655

経常利益又は経常損失(△)

43,565

54,184

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

31

 

特別利益合計

31

特別損失

 

 

 

減損損失

※3 101,394

 

本社移転費用

15,757

 

特別損失合計

101,394

15,757

税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△)

144,960

38,459

法人税、住民税及び事業税

2,290

1,652

法人税等調整額

法人税等合計

2,290

1,652

当期純利益又は当期純損失(△)

147,250

36,806