信和株式会社
(注) 1.国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含み、派遣社員は除く。)であり、臨時雇用者数(契約社員、嘱託社員及びパート社員を含む。)は、年間の平均人員を( )にて外数で記載しております。
(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第8期の期首から適用しており、第8期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(契約社員、嘱託社員及びパート社員を含み、派遣社員は除く。)は、年間の平均人員を( )にて外数で記載しております。
3.最高・最低株価は、2019年3月19日以前は東京証券取引所市場第二部、2019年3月20日以降かつ2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
当社は、1977年9月に信和商店を創業し、1979年8月に仮設資材等の製造・販売を業とする法人として信和株式会社(以下「旧信和①」という。)が設立されました。
2003年12月、創業者の株式売却の意向を受け、エスビーアイ・パートナーズ株式会社(注1)が発行済株式の全株式を取得いたしました。翌2004年2月には、エスビーアイ・パートナーズ株式会社を存続会社、旧信和①を消滅会社とする吸収合併を行い、同時に商号変更を行い「信和株式会社」(以下「旧信和②」という。)となりました。
その後、2006年4月に、コスメティクス・グローバル・ホールディングス・ジャパン株式会社(注2)が、エスビーアイ・キャピタル株式会社が運営するファンドから旧信和②の全株式を取得しました。また、2006年8月にコスメティクス・グローバル・ホールディングス・ジャパン株式会社が旧信和②を吸収合併、同時に商号変更を行い、「信和株式会社」(以下「旧信和③」という。)となりました。
2007年8月に旧信和③は株式会社メザニン(現MCo株式会社)が運営するファンド、MCo1号投資事業有限責任組合(以下「MCo1号」という。)に対して、優先株式を有償発行しました。また、同時に旧信和③は、CVC・アジア・パシフィックジャパン株式会社(以下「CVC」という。)に対して優先株式を無償割り当てし、CVCは当該優先株式をMCo1号に譲渡しました。
さらに、2014年9月にMCo1号が優先株式を普通株式に転換し、同年同月及び同年10月に、リバーホールディングス株式会社(注3)が旧信和③の全株式を取得、翌2015年4月に旧信和③を吸収合併、同時に商号を現在の信和株式会社に変更いたしました。また、本店所在地を東京都千代田区から、実質上の存続会社である旧信和③の本社所在地の岐阜県海津市に移転、同社の資産、負債及び権利義務の一切を引き継ぎました。
いずれの合併におきましても、実質上の存続会社は旧信和①の事業を承継した会社であり、本書提出日現在においても1979年8月に設立しました旧信和①の事業を継続して行っている状況にあります。
次に、2019年10月1日付で、当社を存続会社とし、完全子会社である信和サービス株式会社を消滅会社とする吸収合併を実施いたしました。
以上の当社の事業運営の変遷を図示いたしますと、次のようになります。

(注1) エスビーアイ・パートナーズ株式会社は、エスビーアイ・キャピタル株式会社が運営する投資ファンドが100%出資する会社であり、バイアウト等による有価証券取得を目的とした特別目的会社(SPC)であります。
(注2) コスメティクス・グローバル・ホールディングス・ジャパン株式会社は、CVCが運営する投資ファンドが100%出資する会社であり、債権の買取、有価証券の取得及び保有を目的とした会社であります。
(注3) リバーホールディングス株式会社は、インテグラル・パートナーズ株式会社が運営する投資ファンド(インテグラル2号投資事業有限責任組合)が100%出資する会社であり、バイアウト等による有価証券取得を目的とした特別目的会社(SPC)であります。
(法人格の沿革)
(事業の沿革)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社である広東日信創富建築新材料有限公司の計2社で構成されており、主に仮設資材、物流機器を中心とした金属製品の製造・販売を行っております。
当社グループの報告セグメントは仮設資材及び物流機器の製造・販売事業の単一セグメントとしておりますが、「仮設資材部門」「物流機器部門」の別で説明します。
<仮設資材部門>
仮設資材部門では、建設現場などで使用される仮設資材の製造・販売を主軸に、仮設資材のレンタルサービス、OEM製品の受託製造等を行っております。
建設現場で用いられる仮設足場は、主に低層~中層用で使用されるシステム足場(注)(くさび緊結式足場)と中層~高層用で使用されるシステム足場(次世代足場)並びに、主に高層用や大規模施設等で使用される枠組足場の3種類に大別されますが、当事業においては、主にシステム足場(くさび緊結式足場・次世代足場)の製造・販売を行っております。
(注)システム足場とは、「くさび緊結式足場」と「次世代足場」の総称です。
門型の建枠にジャッキベース・交差筋かい・踏板等の基本部材を組み合わせ、積み上げていく枠組足場と比べ、システム足場は各製品(支柱、手すり、踏板等)が軽量かつシンプルな形状であるため、熟練したとび職でなくとも施工が容易という特徴があります。またコンパクトに結束できるため、現場への輸送効率が良く、保管場所も少なくて済むという特徴があります。さらには、ハンマーを使用して、くさびを緊結するだけであるため、ボルト締め等の作業が不要であり、枠組足場よりも施工効率が高く、短期間で施工できる特徴があります。
当社が調査依頼した仮設資材市場調査報告書(2021年12月調査実施・非公表)によると、当社が提供する「システム足場」は、2020年度の出荷金額ベースで市場シェア1位となっております。
・くさび緊結式足場「シンワキャッチャー」について
当社の取り扱うくさび緊結式足場の「シンワキャッチャー」は、主に支柱、手すり、ジャッキベース、ブラケット、踏板から構成されております。
シンワキャッチャー製品においては、既存の顧客に対するリレーションを保ちつつ、新規顧客に対しては、高い施工性や製品・サービスの豊富なラインナップを活かした幅広い提案、丁寧な営業活動を行うことで、新規顧客の獲得に努めております。また次世代足場「SPS(サイレントパワーシステム)」により、次世代足場市場でのトップシェアを目指しております。
・次世代足場「SPS(サイレントパワーシステム)」について
「SPS」は、当社の開発した次世代足場製品であります。次世代足場は、従来の枠組足場における寸法規格であるインチサイズに準拠して作られており、寸法感は枠組足場である一方、くさび緊結式足場と同様に組み立て式となっており、各製品(支柱、手すり等)が軽量かつシンプルな形状となっております。くさび緊結式足場と比較したときの大きな特徴は、手すりに抜け止め機能を有しているほか、支柱本体にロック機能が備わっており、高所作業における安全性・安定性を高めた製品であります。
また、「SPS」は軽量な樹脂ハンマーを使用して組み立てることが可能であるため、組立時や解体時における騒音が少なく、マンション等の住宅街の工事における騒音対策に配慮されているほか、従来のくさび緊結式足場では踏板に段差が生じていたところ、次世代足場においては支柱ポケットの構造上、段差が生じないため、より安全性が高いという点にも特徴があります。
その他、クランプ、壁つなぎなどの一般仮設資材の製造・販売をしております。
(主な関係会社)当社、広東日信創富建築新材料有限公司
(主な仕入先)原材料メーカー及び商社、必要に応じて国内外の外注先を活用
(主な販売先)レンタル会社、足場架払業者、商社、代理店、ホームセンター
<物流機器部門>
物流機器部門では、主に工場、倉庫、建設現場における物品の保管・搬送等に使用される物流機器の製造・販売を行っております。
用途に合わせて様々な製品を製造しており、自動車部品、液晶パネル用ガラス等の保管・搬送用パレット及びスチールラックといった物品保管用の物流機器を、顧客の要望に基づいて企画設計・提案・試作・製造・納品をし、顧客のニーズに最も適した製品を提供できるよう努めております。
また、建設現場向けに、吊りパレット、先行手すり用パレット、キャッチャー専用パレット等といったパレット製品を販売しております。
各パレット製品の概要は、下記のとおりであります。
今後は、当社の強みである提案型営業と受注生産力をさらに補強し、これまで取引の希薄であった農水産、住設・建材、流通、倉庫業といった新たな業界へとアプローチをし、取引チャネルの拡大を図ってまいります。
(主な関係会社)当社
(主な仕入先)原材料メーカー及び商社、必要に応じて国内外の外注先を活用
(主な販売先)レンタル会社、足場架払業者、商社、代理店、ホームセンター
[事業系統図]
<仮設資材部門>

<物流機器部門>

(注) 1.有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。
2.上記子会社のうち、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上収益に占める割合が、10%を超えている会社はないため主要な損益情報等の記載を省略しております。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含み、派遣社員は除く。)であり、臨時雇用者数(契約社員、嘱託社員及びパート社員を含む。)は、年間の平均人員を( )にて外数で記載しております。
2.当社グループは仮設資材及び物流機器の製造・販売事業の単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。
2023年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含み、派遣社員は除く。)であり、臨時雇用者数(契約社員、嘱託社員及びパート社員を含む。)は、年間の平均人員を( )にて外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社は仮設資材及び物流機器の製造・販売事業の単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。
当社グループの労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は安定しております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、経営上の重要な基本理念、目標等を「私たちの信条(Our Credo)」として取りまとめております。
経営理念(Our Mission)
(a) 私たちは、製品・サービスを通じて大切な「命」を守ります。
私たちがご提供する製品やサービスは、これらを利用する方々の安全、ひいては命に直結しています。
私たちはそれをいつも心にとどめて活動し、全ての品質に対して決して妥協することはありません。
(b) 私たちは、社員のやる気を応援し、「夢と未来」の実現を支えます。
社員が夢を描き、その実現に向かって、持てる力を存分に発揮できることが重要と考えています。
私たちは、社員が誇りとやりがいをもって仕事に臨み、成果を分かち合い、さらなる成長を目指していくことを全力で支えます。
経営目標(Our Vision)
(a) 私たちは、お客様から信頼される企業を目指します。
私たちの『品質方針』である「安全性」・「品質向上」・「納期厳守」・「価格競争力」のレベルを高めるべく、お客様との対話を大切に、一切の妥協なく努力を続けます。
(b) 私たちは、お客様とともに成長を続けます。
社員の一人ひとりが、日々の活動を通じて人間として成長できるよう、一歩ずつでも前進していきます。
やがて、社員が自分の人生を託すにふさわしい、素晴らしく夢のある企業を自ら創りだせるよう、努力と工夫を怠らない組織となることを目指します。
当社グループは、売上収益、営業利益のほか、EBITDA(※)を経営上の重要な指標としております。
※EBITDA=営業利益(損失) + その他の費用 - その他の収益 + 減価償却費及び償却費
当社グループが属する建設業界において、我が国の建設投資の状況は、2010年度の41.9兆円を底に下げ止まり、2021年度は前年対比2.9%増の62.6兆円の見通しとなっております。(注1)
住宅においては、総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」によると居住世帯のある住宅数5,361万戸のうち、1990年以前に建築された住宅が全体の約39%(2,113万戸)を占めており、今後は住宅の改築・リフォーム・耐震工事などの需要が高まるものと認識しております。
また、道路橋などの社会的インフラは、高度経済成長期等に集中的に整備されたため、今後急速に老朽化することが懸念される中、2014年に策定された国土交通省インフラ長寿計画により、インフラの戦略的な維持管理・更新等が推進されております。
さらに、2015年には厚生労働省「安全衛生規則」が改正され、足場からの転落事故を防止する「手すり先行工法」の推奨など、より一層、安全に配慮した製品が求められております。
また、建設現場において、技能を持った熟練した職人の不足問題(注2)や、労務単価の上昇(注3)、労働時間の適正化といった問題が顕在化しており、より一層、工期短縮に資する施工効率の高い製品や、軽量で作業負担の少ない製品、コスト削減に資する保管効率や運搬効率が高い製品が求められております。
他方、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の世界的拡大は、我が国においても極めて大きな経済及び社会活動への影響を与えました。建設業界においては、1回目の緊急事態宣言発令時(2020年4月)は、建築工事の中断・延期や新規投資案件の延期等の影響が多く見られました。その後、社会活動や経済活動の持ち直しに伴い、足元では一定の落ち着きが見られるものの、先行きはきわめて不透明であり、予断を許さない事業環境であります。
(注1)国土交通省(2021年10月発表)「令和3年度(2021年度)建設投資見通し」より
(注2)国土交通省(2022年5月発表)「建設労働需給調査結果」より
(注3)国土交通省プレスリリース(2021年2月発表)「令和3年3月から適用する公共工事設計労務単価について」より
当社が調査依頼した仮設資材市場調査報告書(2021年12月調査実施・非公表)によると、当社が提供する「システム足場」は、2020年度の出荷金額ベースで市場シェア1位となっております。
これは当社グループが、仮設資材のリーディングカンパニーとして「製造力」「マーケティング力」「営業力」の三位一体の総合力で競争力のある製品を開発し、製造・販売することでシェアの拡大に努めた結果であると考えております。例えば、2015年7月の安全衛生規則の改正に対応した「先行手すり」を迅速に開発・販売したところ、多くの顧客より価格と扱いやすさを高く評価いただいております。
また、市場シェア1位を支える当社の土倉工場(岐阜県海津市、敷地面積40,642㎡)では、その生産能力を活かし、顧客の求める仕様に柔軟に対応した多品種対応を行うとともに、原材料の調達コストや外注コストの低減を図ることにより、国内生産でありながら競争力の高い製造原価を目指しております。
当社グループは、これらの「より高く売れるもの」を「より安く作り」「より多く売る」取組みにより、高い営業利益率の実現を目指しております。
また、様々な顧客ニーズに対応した製品開発のノウハウを培う中で、自動車産業で使用される特殊パレットなど、顧客の課題解決に特化した特注型の製品開発を実現する技術力とノウハウが蓄積された結果、物流機器部門が仮設資材部門に次ぐ新たな柱として成長しております。
(c) 成長戦略
当社グループは、2021年12月14日に、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画を公表いたしましたが、2023年5月12日に、2026年3月期の売上収益目標として185億円、営業利益として20億円を目標と修正しております。今後、その実現のため、仮設資材部門、物流機器部門、さらに「躍進分野」において、以下の戦略のもと、事業活動に取り組んでまいります。
仮設資材部門は、中低層建築物向けの「シンワキャッチャー」、高層マンションや大型公共施設向けの「SPS」「NDS」など、低層から高層マーケットまで「システム足場製品」を供給できる唯一のメーカーであります。その独自性、高いシェアと認知度を活用し、特に次世代足場の市場において、工事現場を取り巻くさまざまな課題解決に資する当社製品の拡販に努め、シェアを一層高めてまいります。また、顧客の足場資材保有負担の増加、足場の調達手段の多様化などが見られる中、レンタル事業のさらなる充実を図り、顧客ニーズへの対応力を高めてまいります。
物流機器部門-レンタル事業への参入、EC等販売チャネルの拡大、アライアンスの強化
2003年、建設現場で使用される金属製カゴの製造からスタートした物流機器部門は、その後自動車、電機、化学、倉庫、農業など、幅広い産業のお客様とともに、「運搬・保管」の効率化を実現し、高い評価をいただいてまいりました。今後一層のビジネス展開を図るため、既存の機材センターや新規物流拠点を活用したレンタル事業への参入、ホームページより見積から注文までを可能にするECサイトの構築など、より利便性の高いサービスを展開してまいります。さらに、独自の製造技術を活かし、倉庫業向けをはじめ更なる顧客創出に注力するほか、市場探索や販売能力を高めるために有力な企業とのアライアンスの強化を通じ引き続き様々な取り組みを進めてまいります。
当社グループのコア事業である「仮設資材部門」、そして成長を続ける「物流機器部門」。これらに続く収益基盤の確立は、当社の今後の成長における大きな要素であると考えております。当社グループではこれを「躍進分野」とし、超高層マーケット向け仮設資材製品の開発・販促、当社がターゲットとする海外市場への事業展開、既存事業とシナジーが見込める対象先をターゲットとした積極的なM&Aの検討及び実施など、当社の発展に資する成長のシーズを探索し、新たな成長の柱へと育ててまいります。
当社グループは、2021年12月に2022年3月期から2026年3月期までの5カ年を実行期間とする「中期経営計画」を策定・公表いたしました。次期は当該計画の3年目となり、各事業部門の施策を着実に実行するとともに、躍進分野に注力し、2026年3月期の目標達成に向け取り組んでまいります。
しかしながら足元では、ウクライナ情勢の長期化や急激な金利及び為替変動の影響による物価及び資源価格の高騰が続くなど、様々な不確定要素が顕在化しており、経済の下振れリスクに対しては予断を許さない状態が続いております。加えて中国での不動産、建築市場の冷え込みなどから、当面は当社がターゲットとする海外市場における販売増加は難しいものと判断しております。
また収益面では、当社製品の主要な原材料である鋼材の価格は、当面の間は高止まりが継続するものと見られることから、当社にとって厳しい状況が継続するものと見込まれます。次期も引き続き、収益性の確保の取り組みを継続する他、以下の課題に取り組んでまいります。
当社グループが持続的な成長を果たすためには、優秀な人材を確保し育成することが不可欠であると考えております。
当社グループでは、積極的な採用活動を一層推し進め、製品開発力の強化や営業力の強化、内部管理体制の強化等に資する優秀な人材を確保してまいります。
また、成長を促す仕組みづくりに取り組み、社内外の研修体制の整備、人材管理体制の構築、外部ノウハウの活用等を推進してまいります。
当社グループは、コンプライアンスの方針・体制・運営方法を定め、企業の社会的責任を深く自覚するとともに日常の業務遂行において関係諸法令を遵守し、社会倫理に適合した行動を実践することが、継続的な企業価値の向上につながると考えております。
全てのステークホルダーを尊重し、企業の健全性、透明性を高めるとともに、長期的かつ安定的な株主価値の向上に努めるため、迅速で合理的な意思決定体制及び業務執行の効率化を可能とする社内体制を構築し、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。
また、子会社においても管理体制を強化し、グループ全体でのガバナンスの強化を推進してまいります。
当社製品が顧客に選ばれ続けるための基盤は、製品品質の維持・向上にあるものと考えております。
製造人員、製造設備、製造方法等の変更時などの変化点における特に重点的な品質確認を実施するほか、過去に発生した品質問題を毎日のミーティング時に振り返り、対応策の継続確認や更なる対策の検討を行うことで、同じ問題を繰り返さない体制をさらに強化してまいります。
また、製品自体の品質確認のみならず、製造設備の造り込みやメンテナンスの定期化等の確認、検出された不具合の速やかな情報展開・情報共有を通じ、品質に問題のある個体を造らせない活動も行ってまいります。
当社グループの製造・調達部門においては、従来からの手法をそのまま踏襲し続けるのではなく、常に改善点を模索し、コストダウンを実践しております。
その範囲は、工程短縮だけにとどまらず、設備のランニングコスト、検査コストなど幅広い視点から、様々なコストダウン活動の積み重ねにより大きな効果を目指すものであります。材料調達においても、歩留まり向上を意図した適切なサイズの材料発注や複数社購買の推進などに注力することで、仕入れコスト低減に努めてまいります。
これらの活動は定期的にレビューし、取り組みの効果や方向性などを確認しつつ、コストダウンに対する不変的な姿勢としての定着を図ってまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下の事項があります。
なお、本項において将来に関する事項を含んでおりますが、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり実現を保証するものでは無く、また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。
(1) 建設投資動向などの影響について
当社グループの主要販売であるシステム足場は、主に建設足場で使用される仮設資材であります。そのため、日本国内の景気動向や当該市場の経済環境の変化により、仮設業界全体が影響を受けた場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料の価格変動等によるリスクについて
当社グループが提供する製品の原材料であるパイプやコイルといった鉄鋼製の部材は、鉄鋼を取り扱う国内外の専門商社やメーカー等から品質を厳選して仕入を行っておりますが、その価格は商品相場、為替、政治情勢、需給ギャップ等の影響を受けて変動いたします。当社グループは、複数の重要な仕入先のルートを確保することにより価格高騰による業績変動リスクや供給リスクを軽減しておりますが、今後、価格変動の可能性は否定できません。
これらの原材料の価格高騰が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 借入金の期限の利益喪失について
当社は、複数の金融機関とシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には、以下の禁止事項及び財務制限条項が定められております。
① 全貸付人及びエージェントの事前の書面による承諾がなく、本契約上の債務以外を担保するため担保提供しないこと
② 全貸付人及びエージェントの事前の書面による承諾なく、本担保契約を除き、一部の貸付人のために、本契約上の債務を担保するために担保提供を行わないこと
③ 2019年3月期決算以降、各年度の決算期の末日における連結財政状態計算書上の資本合計の金額を2018年3月決算期末日における連結財政状態計算書上の資本合計の金額の75%(トランシェD貸付金にあっては65%)以上に維持すること
④ 2019年3月期決算以降、各年度の決算期の末日及び第2四半期の末日において、連結の損益計算書に示される営業損益が2期連続して損失とならないようにすること
当該契約においては、以下の資産制限条項が定められております。
① 組織変更(会社法(平成17年法律第86号、その後の改正も含む。)第2条第26号で定義された意味を有する。)、合併、会社分割、株式交換、株式移転、もしくは自己信託の設定
② 事業もしくは資産の全部もしくは一部の第三者への譲渡(セールアンドリースバックのための譲渡を含む。)
③ 第三者の事業もしくは資産の全部もしくは一部の譲受
これらの条項に抵触した場合には、借入金を一括返済する可能性があり、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 総資産に占めるのれんの割合が高いことについて
当社グループは、当連結会計年度末現在において非流動資産にのれんを、9,221,769千円計上しており、総資産に占める割合が43.3%と高くなっております。なお、当該のれんは、2014年9月にリバーホールディングス株式会社が旧信和③を取得したことにより生じたものであります。
当社はIFRSを採用しているため毎期の償却負担は基本的に発生いたしませんが、のれんの対象となる事業の収益力が低下し、減損損失を計上するに至った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2023年3月期末においては、減損テストの結果、将来キャッシュ・フローによる使用価値(回収可能価額)は帳簿残高を上回っているものと判断しております。仮に、将来の各期の見積キャッシュ・フローが18.7%減少した場合、または税引前割引率が2.39%上昇した場合、回収可能価額と帳簿価額が等しくなります。
(5) 人材の確保と育成について
当社グループにおいては、優秀な人材の確保と育成が不可欠となりますが、確保と育成ができない場合または社外に流出した場合には、当社グループの事業運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 外注管理について
当社グループは、製品の製造過程の一部において外注を活用しております。このうち、製品のメッキ加工、並びに、社内製造における業務請負については、それぞれ1社に当該外注が集中している状況にあります。
当社グループは、供給・価格の安定性の観点から、可能な限り特定の相手先に外注が偏らないよう努めておりますが、依存度の高い外注先からの供給が何らかの理由により不安定になった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、外注先の工場の稼働率や原材料の高騰が外注費の上昇をもたらすことにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7) 品質の保証について
当社グループが事業を展開する仮設業界においては、製商品の保証期間を明確に定める慣行はありません。しかしながら、当社グループが提供する製品の品質については、製造物責任法、労働安全衛生法、労働安全衛生規則及びその他の法令等により、実質的な品質の保証が求められており、また、当社グループの企業倫理の観点からも、提供した製品の品質の万全性・アフターサービスについては真摯に取り組むべき課題であると認識しております。
当社グループは、提供した製品の不良等による万が一の重大事故の発生に備え、賠償責任保険へ加入しリスクの低減を図っておりますが、当社グループの製品の品質に重大な契約不適合や不備が認められ、重大事故等が発生した場合には、当社グループの社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 当社グループの製品に係る仮設工業会の認証制度について
当社グループは、一般社団法人仮設工業会の認証制度に基づき、「仮設機材に関する認定制度」及び「承認制度」の認定及び承認を受けております。同会の認証制度は、仮設構造物等に係る労働災害防止とその工事施工の円滑化に寄与することを目的として、仮設構造物の安全性や規格が、同会の定める仮設機材認定基準等に適合していることを検査するためのものであります。
当社グループは、提供する製品及びその製造過程において不測の事態が生じないよう品質管理には万全の体制をとっておりますが、万が一、当該認証制度に合格できないまたは更新できないような状況となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 生産拠点の集中と自然災害などについて
当社グループの製品は、その大部分を岐阜県の土倉工場にて生産しており、生産拠点が岐阜県に集中しております。また、物流の中心は岐阜県、愛知県を中心とした東海エリアであります。
したがって、自然災害などの不可抗力及び工場内の事故等の発生によって、工場の罹災や従業員の生活が脅かされることにより土倉工場の生産が停滞し、取引先への製品の安定供給ができない場合、また東海エリアの主要幹線道路や港が寸断され納期に重要な影響が発生する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法的規制等について
当社グループにおける仮設資材部門及び物流機器部門においては、仮設資材及び物流機器等の製造・販売を行っております。当社グループは、労働安全衛生法、労働安全衛生規則及びその他の法令等に基づき、従業員の労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等、その防止に関する総合的な計画に基づく対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成に努めておりますが、これらの法的規制が強化された場合、または、製品の安全性について社会的な要求水準が高まった場合、設備投資等の新たな費用が発生・増加すること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 知的財産権について
当社グループにおける知的財産権の管理は、研究開発から知的財産の申請及び申請後の登録や維持の事務を営業開発部が担当し、所有する知的財産を管理しております。また、知的財産権の保護に関しては、営業担当者が当社グループの知的財産権が侵害されているか否かの情報を入手し、侵害されていることを発見した場合には、関係部門に報告し、知的財産権の侵害の有無を社内で検討しております。
当社グループは、これまで第三者により知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はありませんが、当社グループの事業分野で当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性または新たに第三者の知的財産権が成立する可能性があり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。
万が一、当社グループが第三者の知的財産権等を侵害した場合には、損害賠償請求、差止請求や知的財産権の使用に関する対価等の支払い等により、当社グループの事業活動並びに経営成績及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) ITへの依存について
当社グループは、受注から出荷までのあらゆる業務について、基幹システム等のITを広い範囲で活用しております。当社グループは、外部からのインターネットを通じた情報システムへのサイバー攻撃や重要なデータの喪失等に備え、適切なファイアウォールの設定やデータのバックアップについての物理的な分散等を講じ、リスクの低減を図っておりますが、予期しないプログラムの不具合等やコンピュータ・ウィルス、外部からのサイバー攻撃等により、当社グループの情報システムに様々な障害が生じた場合には、当社グループの業務が滞り、重要なデータを喪失し、または対応費用が発生すること等により、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 海外事業展開に関するカントリーリスクについて
当社グループは、事業地域の拡大の一環として中国をはじめとするアジア地域において海外事業を展開しております。当社グループは、各国市場のニーズに適合した製品を投入することにより積極的な販売活動に努めてまいりますが、進出先における景気の後退、為替の大幅な変動、予測し得ない税制や法規制などの急激な変更、政治・経済情勢の混乱、テロ・紛争などの勃発、自然災害などによるリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 新型コロナウイルス感染症による影響について
新型コロナウイルス感染症の影響については、終息に向けた兆しは見られるものの、今後の動向についてはいまだ予断を許さない状況にあります。仮に同感染症が拡大した場合、当社役員、従業員の感染による健康被害に加え、それに伴う事業場の閉鎖、事業活動の制限や生産性の低下、生産活動の停止などのリスクがあります。これに対して当社グループは、新型コロナウイルス感染症への対応マニュアルを作成し、在宅勤務や時差出勤の実施、及びWeb会議の推奨を行っております。また、事業場への入館時への検温、手指消毒の徹底などの対策も徹底しております。
加えて、同感染症の拡大により経済活動の停滞及び建設工事の遅延あるいは中断が生じた場合、当社顧客による当社製品に対する需要が減退する結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響はまだ見られるものの、ウィズコロナの新たな段階を見据えた各種政策等により、景況感はゆるやかな持ち直しの動きが継続しました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や急激な金利及び為替変動の影響による物価及び資源価格の高騰が続くなど、様々な不確定要素が顕在化しており、経済の下振れリスクに対しては予断を許さない状態が続いております。
当社製品の主な供給先である建設業界におきましては、国土交通省「建設総合統計」によると、2022年4月から2023年2月の建設投資総額は48.5兆円(前年同期比2.4%増)と、民間を中心とした需要が見られた一方、建築資材の価格は期を通じて上昇が継続しました。また物流機器部門においては、経済及び企業活動の回復に伴い、輸送機器及び大型倉庫関連の需要が高まりました。
このような状況の中、当社は収益性維持のため販売価格の見直しを実行しつつ、コストの抑制に取り組みました。また、2022年9月28日に開示いたしました当社元従業員による不適切行為を重く受け止め、社内体制の見直しを通じ再発防止策の推進及びコンプライアンス体制の立て直し、顧客の信頼回復に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上収益は14,757百万円(前期比8.1%減)、営業利益は1,501百万円(前期比29.7%減)、税引前利益は1,434百万円(前期比30.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,007百万円(前期比30.6%減)となりました。
なお、当社グループは仮設資材及び物流機器の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、事業部門別の業績は、次のとおりであります。
仮設資材部門は、主に戸建住宅などの低層から中層をターゲットにした「くさび緊結式足場」と、中層から高層の大型施設や公共工事をターゲットにした「次世代足場」の2つの製品群を展開しております。
当連結会計年度においては、建設工事案件の底堅さを背景に、主力製品であるくさび緊結式足場及び次世代足場、及び安全措置資材の需要は継続しているものの、当社製品を含む建築資材の高騰状況が継続していることなどから、仮設資材を購入ではなくレンタルで調達する志向が強まりました。この結果、販売価格の改定は実現した一方で、販売物量に減少がみられました。また、前述の不適切行為への対処として、対象拠点の営業・管理体制を刷新し、業務運営全体の是正を図る活動を重視したものの、当該拠点における売上収益が大幅に減少しました。
これらの結果、仮設資材部門の売上収益は10,391百万円(前期比16.4%減)となりました。
物流機器部門は、建設業界のみならず、自動車や物流倉庫など幅広い産業に向けて、オーダーメイドの製品提供を通じ、運搬・収納の効率化や安全性の向上を実現するソリューションを提供しております。
当連結会計年度においては、各種産業における生産活動の活発化、物流量の増大が見られました。これらを背景にリピート案件の需要が旺盛であり、安定的な受注獲得に繋がりました。加えて、電気機器向け資材搬送用パレット案件や、新たな産業領域である建材分野向け物流機器案件が売上収益の増加に貢献いたしました。
これらの結果、物流機器部門の売上収益は4,365百万円(前期比20.0%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,063百万円となり、前連結会計年度に比べ1,396百万円減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は686百万円と前年同期に比べ149百万円減少しました。主な収入要因は、税引前利益1,434百万円、減価償却費及び償却費597百万円、営業債権及びその他の債権の減少280百万円であり、主な支出要因は、棚卸資産の増加938百万円、法人所得税の支払額769百万円、営業債務及びその他の債務の減少121百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は659百万円となり、前連結会計年度に比べ158百万円支出が減少しました。主な支出要因は、有形固定資産の取得による支出605百万円、無形資産の取得による支出47百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は1,424百万円となり、前連結会計年度に比べ117百万円支出が増加しました。主な収入要因は、短期借入金の借入による収入1,422百万円であり、主な支出要因は、短期借入金の返済による支出1,551百万円、配当金による支出599百万円、長期借入金の返済による支出500百万円であります。
当連結会計年度の生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.事業部門間の取引については相殺消去しております。
2.金額は製造原価によっております。
3.当社グループは仮設資材及び物流機器の製造・販売事業の単一セグメントであるため、事業部門別の生産実績を記載しております。
当社グループは、需要予測に基づく見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.事業部門間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループは仮設資材及び物流機器の製造・販売事業の単一セグメントであるため、事業部門別の販売実績を記載しております。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な取引先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が10%以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
4.その他の仮設資材及びパレットには、IFRS第16号に基づくリースから生じる売上収益が前連結会計年度は428,229千円、当連結会計年度は538,385千円含まれております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき、また当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、それぞれ作成されております。この連結財務諸表及び財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
特に、のれん及び耐用年数を確定できない商標権及び棚卸資産の評価については重要な会計上の見積りが必要となります。当該見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に乗じる影響などは、「第5 経理の状況」(重要な会計上の見積り)に注記しております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
仮設資材部門では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言発令の影響などによる建築工事の中断・延期、並びに、新規建設投資案件の延期等の影響を受け、仮設資材全体の需要は落ち込みました。一方、工事現場の安全性向上を目的とした墜落・落下防止対策用の安全措置資材の需要は引き続き高く、これらの供給に注力することで、売上収益を下支えいたしました。その結果、仮設資材部門の売上収益は10,391百万円(前期比16.4%減)となりました。一方、物流機器部門は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が主に海外との物流減少の影響を与え、一部分野では需要の落ち込みがみられましたが、自動車産業や半導体産業など、企業活動の持ち直しがみられたことや、物流倉庫分野でも新規案件が獲得できたことなどにより、堅調に推移し、売上収益は4,365百万円(前期比20.0%増)となりました。これらの結果、当連結会計年度における売上収益は、前連結会計年度に比べ1,306百万円減少し、14,757百万円(前期比8.1%減)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ667百万円減少し、3,499百万円(前期比16.0%減)となりました。また、売上総利益率は、引き続き幅広い原材料調達ルートの活用や仕入れ先との交渉を通じて、調達価格上昇の抑制に取り組みしたことや、コロナ禍の状況にあっても、安全措置資材など高付加価値製品の需要は高く、これら製品の製造・供給への注力など、収益性の改善に取り組みした結果、前連結会計年度に比べ2.2ポイント減少し、23.7%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、役員報酬等の減額やその他の固定費の削減を行うとともに、新規投資案件の見直しなど、あらゆる手段を通じたコスト削減、支出抑制に取り組みました。その結果、前連結会計年度に比べ64百万円減少し、1,959百万円(前期比3.2%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ633百万円減少し、1,501百万円(前期比29.7%減)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ445百万円減少し、1,007百万円(前期比30.6%減)となりました。
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は7,962百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,119百万円減少しました。この主な要因は、棚卸資産が938百万円増加した一方、現金及び現金同等物が1,396百万円減少、営業債権及びその他の債権が308百万円減少したためであります。また、非流動資産は13,332百万円となり、前連結会計年度末に比べ101百万円減少しました。この主な要因は、有形固定資産47百万円減少によるものであります。この結果、資産合計は21,294百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,220百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は5,241百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,689百万円増加しました。この主な要因は、営業債務及びその他の債務が528百万円減少した一方、借入金が2,619百万円増加したためであります。また、非流動負債は501百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,303百万円減少しました。この主な要因は、借入金が3,234百万円減少したためであります。この結果、負債合計は5,742百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,614百万円減少しました。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は15,552百万円となり、前連結会計年度末に比べ393百万円増加しました。この主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上1,007百万円、配当の実施597百万円によるものであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは経営上の重要な指標としてEBITDAを採用しております。当連結会計年度における当社グループのEBITDAは2,137百万円となり、前連結会計年度に比べ20.5%減少いたしました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度における借入金を含む有利子負債の残高は4,490百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,063百万円となっております。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループが事業活動を展開している仮設業界は、日本国内における建設市場の経済動向により大きな影響を受けております。このため、日本国内の景気動向や当該市場の経済環境の変化により、仮設業界全体が影響を受けた場合、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(注) 1.基準金利は、一般社団法人全銀協TIBOR運営機関が公表する日本円TIBORのうち、本金銭消費貸借契約に係る貸付期間に対応した利率であります。
2.連結ベースの会計数値はいずれもIFRSによるものであります。
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。
2023年3月31日現在
(注) 1.IFRSに基づく金額を記載しております。
2.帳簿価額のうち「その他」は、レンタル資産及びソフトウエアの合計であります。
3.従業員数の( )は臨時雇用者数を外書きしております。
4.当社は仮設資材及び物流機器の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 新株予約権の行使による増加であります。
2023年3月31日現在
(注) 自己株式192,518株は、「個人その他」に1,925単元、「単元未満株式の状況」に18株含まれております。
2023年3月31日現在
(注) 当社は、自己株式192,518株を保有しておりますが、上記大株主から除いております。






