HPCシステムズ株式会社
(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、持分法を適用すべき重要な非連結子会社及び関連会社が存在しないため、それぞれ記載しておりません。
3.第14期から第16期の1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。
4.第14期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価を把握できないため記載しておりません。
5.第14期の株価収益率については、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
6.当社は、2019年6月17日開催の取締役会決議により、2019年7月10日付で普通株式1株につき500株の株式分割を行っております。第14期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。
7.第14期及び第15期の株主総利回り及び比較指標は、2019年9月26日に東京証券取引所マザーズに上場したため、記載しておりません。第16期以降の株主総利回り及び比較指標は、第15期末を基準として算定しております。
8.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所グロース市場におけるものであります。それ以前は、東京証券取引所マザーズにおけるものであります。
但し、当社株式は、2019年9月26日から東京証券取引所マザーズに上場されており、それ以前の株価については該当事項がありません。
9.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第17期の期首から適用しており、第17期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社は、2006年9月にHPC事業の源流となる株式会社エッチ・アイ・ティー及びCTO事業の源流となるプロサイド株式会社から分社型吸収分割を行い、実質的な事業を開始いたしました。
当社は「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」の経営理念の下、「人の創造力とコンピューティングを融合させ未来をつくる企業になる」ことをビジョンに、「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」をミッションに掲げ、人類の難題に挑戦している研究者や開発者に寄り添い、知恵、努力、コミュニケーションとコンピューティングを通じてそれぞれが抱えている課題に共に取り組んでおります。
当社の役割実現のため、専門的な知見を求められる科学技術計算用コンピュータ事業(HPC事業)と安定的で信頼性の高い製品供給を求められる産業用コンピュータ事業(CTO事業)の2つの事業を展開しております。
当社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、事業の区分内容は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表注記事項」に掲げるセグメントと同一の区分であります。
(1) HPC事業
HPC事業は、科学技術計算用コンピュータに関連するソリューションの提供を行っております。科学技術計算用コンピュータは、高性能コンピュータを駆使して科学技術における問題を計算によって解決する計算科学という分野で使用されておりますが、計算科学は、理論や実験と並ぶ第三の研究手段に数えられるまでに発展してきております。その中で当社は、計算科学の手法を用いて「理論化学」の問題を取り扱う「計算化学」という分野に強みを持っており、中でもライフサイエンス(生命科学)とマテリアルサイエンス(材料科学)分野を重点事業領域と位置づけ、コンピュータ上で高精度に計算した材料データベースやAI等を活用して材料開発を行うマテリアルズ・インフォマティクスのアプリケーション開発に力を入れております。
当社が提供するHPCシステムインテグレーションは、従来のシステム開発業者等が行っている業務系システムやERPシステム等の構築といったITサービスとは領域が異なっており、科学技術計算、モノ作りにおける流体構造シミュレーション、創薬や材料開発に必要な計算化学、ディープラーニング、AI解析、ビッグデータ解析等、顧客の使用目的に応じた知見を必要とする領域に対するシステムインテグレーションであります。こうしたHPCシステムインテグレーションを実装した科学技術計算用高性能コンピュータを販売するシステム販売の他、ソフトウェアプログラムの開発・販売、受託計算・研究開発支援及び導入後のサポートまでをワンストップでトータルに行う体制を構築しております。
具体的には、ユーザが保有、又は想定する様々なシステム構成(アーキテクチャ)に対して、ユーザの求める計算科学プログラムをコンピュータ上で実行可能な状態に変換するビルドや、同プログラム性能の最大化を図るための調整(チューニング)を行うことで、コンピュータにおける計算時間を大幅に短縮させる超高速計算や、大量のデータを正確に計算させる大規模・高精度計算を実現している他、HPCユーザである研究者や製品開発者のニーズに合わせて、科学技術計算用のオリジナルソフトウェアプログラムの開発・販売・サポート、計算科学をテーマとするセミナーの開催、科学技術計算の受託や技術支援、プログラム高速化サービス等を提供しております。その過程で長年にわたって培ってきた全国に所在する大学の研究室や公的研究機関、企業のR&Dセンターや中央研究所等との関係性を構築していることがHPC事業の強みであります。例えば、基礎研究の有効活用を模索している大学の研究室等と、応用研究を行っている企業のR&Dセンター等との橋渡しや、基礎研究の成果を探している企業のR&Dセンター等に対して、大学の研究室等の基礎研究成果を紹介するといったように、官と民を結ぶハブの役割を担うことを可能としております。
その他、多様化する顧客のHPCによる計算ニーズにあわせ、HPCの計算能力をクラウドにて提供するサービスにも取り組んでおります。HPCユーザの計算ニーズは極めて秘密性が高く、計算に長い時間を要することから、従来は各研究室又は各社でHPCを保有する(オンプレミス)ことが一般的でした。しかしながら、近年ではHPCユーザの裾野が拡大しており、柔軟な利用環境を求めるユーザの要望が増加していること等から、当社では一時的に利用できる解析用HPCリモートサービスや、技術の進歩を捉えてHPCのクラウドサービスも開始しております。
最近では、HPCとビッグデータやAIが融合し、理論計算からデータ分析、機械学習、そして理論計算といった機能を実現できるシステムの導入が進んでおり、さまざまな分野でAI技術の応用が進められております。当社も、重要な社会インフラへのHPCの適用事例となる5G技術、及び「コネクテッドカー」に係る研究開発活動のニーズを支える技術者集団として参画しております。
このように、当社はハードウェアからソフトウェアプログラム、システムインテグレーションサービス、各種研究サポートを一気通貫してワンストップで対応しております。
HPC事業ワンストップサービスの概念図

(2) CTO事業
CTO事業は、顧客企業の注文仕様に応じた産業用コンピュータの開発、製造及び販売を行っております。当社の産業用コンピュータは、組込コンピュータ(エンベデッド・コンピュータ)として、各種製造装置や工作機械、計測装置や検査装置の他、インフラシステムにおける監視制御、医療機器、デジタルサイネージ等に搭載され、さまざまな産業分野において活用されております。
産業用コンピュータは、市販のパソコンが画一仕様の量販品であることと比較すると、要求される仕様も特徴もまたその使用される用途によって千差万別となっております。又、各種産業用装置に組み込まれた産業用コンピュータにおいてトラブルにより使用できない時間(ダウンタイム)が発生した場合、顧客企業にとっての操業ロスに直結することになるため、稼働の安定性等が求められます。当社で開発・製造・販売している産業用コンピュータは、高い処理性能を持ちつつも、顧客企業の製品システムや装置に必要なI/Oインターフェース、苛酷な温度、静電気、電波、振動、ノイズ、ほこり等設置環境に係る耐環境性、連続稼動や長期使用に耐える頑健性・信頼性、異常動作からの早期復旧力やメンテナンス性、省スペース性等、さまざまに寄せられる顧客企業特有の多種多様な要件の実現に応えております。
産業用コンピュータメーカーの中には、自社製品の大量生産、市場投入を軸として、定期的なモデルチェンジ(仕様の変更)等を実施しているメーカーもありますが、当社では顧客要望に応じて設計を行い、最適部品を選定・調達し、生産を行うだけでなく、同一システム(設備)を長期間使用する顧客に対しては、国内外のさまざまな電子部品メーカーとのサプライチェーンを築くことで、カスタム要素の強い同一仕様の産業用コンピュータの長期安定供給を実現し(製品構成部品のバージョンアップ対応を含む)保守サービスにもきめ細かく対応しております。このように、産業用コンピュータの仕様設計段階から試作機提案段階、量産前検証段階、量産製造段階、出荷後のサポート対応段階と各段階において一貫した体制を保持し、顧客企業の要望にきめ細かく対応できることが当社の強みとなっております。
CTO事業の顧客は、自社製品、設備増強の部品としての組込みコンピュータの長期継続供給を前提として採用するため、顧客の製品が販売される期間においては継続的な受注が見込めます。当社は部品の供給パートナーとの関係強化により、産業用コンピュータに特有な部品の長期安定調達力と品揃えを充実させるとともに、販売パートナーとの関係強化を図り、取り扱い製品と取引先の拡充を図っております。
産業用コンピュータの製造は国内工場(千葉県匝瑳市)で行っております。部品供給パートナーより仕入れた部品の入荷管理、在庫管理から産業用コンピュータの組立、検査、出荷及び品質管理、サポートまでを同工場にて実施しております。又、組立、検査、出荷等に関しては、作業手順書や指示、チェックシートをオンライン化し、作業のトレーサビリティ管理する為の独自開発の生産支援システム「ProMIS: Manufacturing Information System(プロミス)」を使用しており、当該システムの使用により、顧客メーカー毎の要望に沿った製造体制を構築するとともに、顧客メーカーの品質管理部門による工場監査への対応も実施しております。
CTO事業一貫体制図

用語解説
本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。
(事業系統図)
以上述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

該当事項はありません。
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、
最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門等に所属している従業員であります。
当社の労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の促進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.賃金差異の主たる要因は、当社は賃金規程や評価制度において男女間で差異を設けておりませんが、男女の管理職比率の差異によるものであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社の経営理念は、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」であります。
世界の人が安心、安全で平和に暮らすためには、共存共栄を基本にそれぞれの国の特徴を活かせる科学技術の発展と、そこに産業があり、やりがいを持てる仕事があることだと確信しております。当社は会社設立以来、「人の創造力とコンピューティングを融合させ未来をつくる企業になる」というビジョンを持ち、人類の難題に挑戦している研究者や開発者に寄り添い、知恵、努力、コミュニケーションとコンピューティングを通じてそれぞれが抱えている課題やニーズを共に考え、「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」をミッションとし、それが当社の果たすべき役割であると位置づけております。
その当社の果たすべき役割を実行していくために、研究者や開発者に徹底的に寄り添い、研究者や開発者が本当に抱える課題を探り出し、その課題に対して、製品やサービスを組み合わせるだけのソリューション提供ではなく、当社の持つ付加価値を追加し、最適化したソリューションを提供してまいります。
(2) 経営戦略等
当社は、HPC事業とCTO事業の二つの事業に取り組んでおり、これらの事業を拡大させることが、当社の更なる成長と発展のために必要であると認識しております。そのために顧客志向を徹底し、顧客が実現したいことや課題を解決するために、当社が用意した3つの強力なソリューション・ツールが互いに掛け合わされて3乗の効果で発揮する「S3 as a Service」(Sキューブソリューション as a Service)という独自のソリューションサービス戦略を展開してまいります。当社は、「S3 as a Service」を提供することで、研究者や開発者に徹底的に寄り添ってまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、現時点で終息時期を予測することが困難であり、顧客における経済活動自粛に伴う設備投資の延期や、商談期間の長期化等による当社業績への影響を注視していく必要があると考えております。
S3 as a Service (Sキューブソリューション as a Service)
(3) 目標とする経営指標
当社は、事業拡大、企業価値向上を目指し、売上高成長率、営業利益成長率を重要な経営指標と位置付けており、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。
(4) 対処すべき課題
① 成長分野への対応
最新のICT(情報通信技術)分野では、AIや機械学習の本格導入が始まり、関連市場が成長期に移行しつつあると考えております。当社がHPC事業にて推進している計算科学分野でも、AI技術を活用した研究開発活動がさまざまな課題解決に向けて広がりを見せるとともに活発化しています。又、5Gサービスの開始により多くの産業分野や社会基盤に関わるところで本格的なIoTの実現と成長が見込まれており、エッジコンピューティングと親和性の高いCTO事業の拡大が見込まれています。
このように当社は、最先端のコンピューティング技術を活用したサービス展開を追求しています。そのために、AI、エッジコンピューティングといった最先端のコンピューティングにまつわる技術を関連技術とともに常に捕捉し、新しい技術を研究・獲得し、社内共有することで新たなサービスの開発へと結び付けていく必要があります。
最近ではCTO事業の顧客企業の製造現場においても、AI、特にディープラーニングといった従来であればHPC事業に属するニーズも出てきております。つまり、AI、ディープラーニングやエッジコンピューティングといった最先端のコンピューティング技術においては、当社の両事業の垣根を越えた体制が必要となる可能性が考えられますので、当社では、まず両事業の技術部門のコミュニケーションの強化を図る方針であります。既にCTO事業の産業用コンピュータの開発段階において、HPC事業のAI等に関する先端技術情報を共有し、産業用コンピュータの開発段階に組込むことでCTO事業の顧客企業の製造現場のニーズに応えております。このように先端技術情報の共有を図り、成長分野における新しい商機への対応を図ってまいります。
② 優秀な人財の確保
継続的な成長の原資である人財は、当社にとって、最も重要な経営資源と認識しております。当社の技術開発力やサービス企画力及び販売力を維持し、継続的に発展、強化していくために、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長の機会を提供し、かつ事業規模を拡大させていくための人財を獲得する方針であります。
当社は、従業員に対し目標管理制度を導入しております。目標の設定など査定方法を明確化し、従業員の評価の適正化を図るとともに、急速なIT技術の進歩にあわせて、この変革のスピードに対応できるような人財を育成していく体制を整えることも急務であると考えております。今後はそれらを見据え、従業員一人一人への適正な評価、研修の実施や各種資格取得の推奨・補助を行うことを通じて、能力の向上を図っていく方針であります。
④ 内部管理体制、コーポレート・ガバナンスの充実
当社では継続的な成長を実現していくために、事業規模に応じた内部管理体制の充実が不可欠であると認識しております。金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価へ対応すべく、業務の適正性や効率性、財務報告の信頼性の確保に努める必要があります。
今後も事業規模の拡大に合わせ管理部門の一層の強化による内部管理体制の整備を図るとともに、会議体及び職務権限の見直しや各種委員会の設置等、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組む方針であります。
⑤ 認知度の向上
当社は、これまで自社WEBサイトの運営、学会、展示会への出展等を通じて顧客を獲得してまいりました。提供するサービスを顧客企業へ拡販し、当社の成長を実現するためには、当社及び提供するサービスの認知度の向上も必要であると考えております。今後も、費用対効果を見極めながら従前のインターネット、展示会に加えてマスメディア等を活用し、さらなる認知度の向上に努めてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。又、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。
(1) 景気動向及び産業動向の変動による影響
企業を取り巻く環境の動きにより、企業の景気による影響を受ける可能性があります。当社のHPC事業は大学官公庁や企業等に科学技術計算用コンピュータを販売しておりますが、顧客の研究開発投資需要等に影響を受けます。又、CTO事業が販売する産業用コンピュータは顧客の設備投資需要等に影響を受けます。そのため、経済情勢の変化に伴い事業環境が悪化し、顧客企業の業績へ悪影響を及ぼした場合、当社の過去の実績にもございましたが、顧客の研究開発に関する投資計画や、設備投資に関する投資計画が縮小し、両事業の売上が減少するなど当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(2) 内部管理体制
当社は、企業価値の持続的な増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令順守の徹底が必要と認識しております。当社では内部管理体制の充実に努めておりますが、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3) 技術革新への対応
当社の事業領域であるコンピューティング関連市場は全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社はそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードに適時に対応できない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4) 特定の人物への依存
当社代表取締役である小野鉄平は、当社の事業推進に極めて重要な役割を果たしております。当社では小野鉄平に過度に依存しない事業体制の構築を目指し人財の育成及び強化に注力しておりますが、何らかの理由により小野鉄平が業務執行できない事態となった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(5) 特定仕入先への依存
当社のHPC事業の主要仕入先は、米国のSuper Micro Computer,Inc.であります。同社とは代理店契約を締結し、当該契約に基づき安定供給を受けているものの、同社の技術水準の相対的低下に伴う商品力低下等、取引関係が継続困難になった場合には、受注に対する仕入に関し、代替先を探すことになります。代替候補は存在するものの、必要な数量の確保、納期調整、仕入コストの増加等への対応にかかる時間コストが発生する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(6) 部品の調達
当社のビジネスにおいて、十分な品質の部品等をタイムリー且つ必要数量入手する事は不可欠であります。急激な部品価格の高騰(例えばメモリー等)や供給不足等が発生した場合、原価上昇リスクや部品確保が困難となり製品出荷の遅延リスクが生じることがあり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品の欠陥等、製造物責任
当社は、製品の品質安定に細心の注意を払っておりますが、予測不能な製品及び使用している部品等の欠陥又は不具合により、納入先顧客から損害賠償を請求される可能性があります。一定額の損害保険に加入し、リスク回避策を講じておりますが、補償額を超える損害が発生した場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 業績の偏重
当社の販売動向には次の理由により季節変動があります。科学技術計算用コンピュータの主要顧客は、大学公官庁又は大企業であり、受注が急増する年度末の1月~3月に売上高及び営業利益が集中する傾向にあります。従いまして、四半期会計期間毎の業績について、第3四半期会計期間の比重が高くなる傾向にあります。
なお、2023年6月期の当社の売上高及び営業利益又は営業損失の四半期会計期間毎の推移は、以下のとおりとなります。
(注)上記の売上高及び営業利益又は営業損失は、太陽有限責任監査法人の四半期レビューを受けております。
(9) 法的規制
当社が事業活動を行うに際して、会社法・金融商品取引法・税法・外為法を含む貿易関連諸法、下請法等の各種法的規制の適用を受けております。当社の事業に関連する法的規制等が新設や改正された場合、当社の現在又は将来の事業活動が大きく制約される可能性や、コストの増加を招く可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 減損損失の可能性
当社は、国内に工場や新製品のベンチマーク取得の為のサーバ設備など事業用資産の他、投資有価証券を保有しております。事業用資産については、事業環境の変化等の事由により、これら資産の経済価値が低下し減損処理を行った場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。又、投資有価証券については、市場価格のあるものは相場価格の変動により、市場価格のない非上場株式等は当該会社の純資産、将来の事業計画等を総合的に勘案することにより、減損処理を行った場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 自然災害、事故等
当社では、自然災害、事故等に備え、サーバデータの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、大地震等の自然災害が発生した場合、当社設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(12) 小規模組織であること
当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(13) 配当政策
当社は、株主に対し成長に応じた利益還元を重要な経営課題として認識しております。中長期の経営視点から、獲得した資金は内部留保の充実化と将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当しつつ、財務の健全性、及び株価水準等を総合的に判断した上で自己株式の取得を機動的に実施することを基本方針としております。配当につきましては、成長投資を優先し、企業価値の最大化を目指す中で、経営全般を総合的に勘案した上で実施を判断しておりますので、配当が実施されない可能性があります。
(14) 訴訟等
当社では、これまでに訴訟は発生しておりません。しかしながら、将来において当社の取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。係る訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(15) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化
当社は取締役、監査役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権が希薄化する可能性があります。
(16) カントリーリスク/為替変動
当社は製品の大部分を海外から購入しており、主な仕入先は台湾であります。そのため、当該地域に関係する市場リスク、信用リスク及び地政学的リスクや為替レートの大幅な変動等が当社の仕入れに影響を与え、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(17) 情報セキュリティ
当社のコンピュータ及びネットワークシステムは、適切なセキュリティ対策を講じて外部からの不正アクセス等を回避するよう努めております。
しかしながら、各サービスへの急激なアクセス増加に伴う負荷や自然災害等に起因するデータセンターへの電力供給の停止等、予測不可能な要因によってシステムが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやハッカーの侵入によりシステム障害が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における流動資産は7,487,246千円となり、前事業年度末と比べ3,272,290千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が135,040千円減少したものの、売掛金が3,124,283千円、棚卸資産が117,047千円、前渡金が90,877千円、電子記録債権が70,100千円増加したことによるものであります。固定資産は390,889千円となり、前事業年度末と比べ36,683千円増加いたしました。これは主に長期前払費用が31,115千円減少したものの、機械及び装置が52,239千円、繰延税金資産17,903千円増加したことによるものであります。
以上の結果、総資産は7,878,135千円となり、前事業年度末に比べ3,308,973千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は4,946,201千円となり、前事業年度末と比べ2,882,690千円増加いたしました。これは主に短期借入金が2,425,000千円、前受金が290,023千円、1年内返済予定の長期借入金が86,305千円、未払法人税等が35,752千円、賞与引当金が28,531千円増加したことによるものであります。固定負債は626,660千円となり、前事業年度末と比べ339,990千円増加いたしました。これは長期借入金が339,990千円増加したことによるものであります。
以上の結果、負債合計は5,572,861千円となり、前事業年度末に比べ3,222,680千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,305,274千円となり、前事業年度末と比べ86,292千円増加いたしました。これは主に繰越利益剰余金が77,840千円、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ4,456千円増加したことによるものであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和や外国人観光客の受け入れ再開など、景気は緩やかに持ち直しの動きがみられたものの、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、円安に伴う原材料価格の高騰、物価上昇による個人消費への影響が懸念されるなど、今後の景気の見通しは極めて不透明な状況が続いております。
当社が属するコンピューティング業界においては、計算科学シミュレーション、クラウド、人工知能(AI)、ディープラーニング、ビッグデータ処理等の技術革新に対する需要が引き続き堅調である一方、ウクライナ情勢など地政学リスクの増大による資源価格の上昇、円安進行による輸入コストの上昇など製造コストが上昇傾向にあります。コスト上昇分については販売価格への転嫁を進めているものの、販売価格への転嫁には顧客との交渉もあり一定のタイムラグが生じております。その他、原材料価格の上昇を受け一部の顧客からコストダウン要請があるなど当社をとりまく事業環境は大きく変化しております。
このような環境において当社は、過去最大規模の案件を受注し、様々な課題に直面したものの当社技術陣が一体となり対応したことで、過去最高売上を達成することができました。これまでの技術的蓄積と先端技術の知見を有する人財を集結して課題解決力を高め、顧客の技術的課題を解決することで売上拡大を目指しております。又、売上拡大を見据えて生産体制の見直しを進めていくとともに、海外認証を取得するなど海外展開を促進するよう施策を進めております。一方、原材料価格の高騰や歴史的な円安による輸入コストの上昇等の他、先行投資としての人員増強等で販売管理費が増加した影響は大きく、利益面の大きな逆風となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は8,854,176千円(前期比47.0%増)、営業利益258,670千円(前期比60.4%減)、経常利益275,308千円(前期比56.3%減)、当期純利益183,746千円(前期比57.6%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(HPC事業)
大学等公的研究機関向けが小規模案件を中心に低調であったものの、民間企業向け過去最大規模の案件の売上を計上したほか、全般的に民間企業向けが好調であったことにより、過去最高売上を達成することができました。一方、原材料価格の高騰や急速な円安進行による輸入コストの増加等により利益率が低下しました。中期経営計画の達成に向けた体制強化の為の積極的な人財採用に伴う販売管理費の増加等もあり、セグメント利益は減少となりました。
以上の結果、HPC事業の売上高は6,755,015千円(前期比70.7%増)、セグメント利益は157,450千円(前期比63.4%減)となりました。
(CTO事業)
新規顧客向けは全体的に低調であった一方、継続顧客向けが分野毎の好不調はあるものの全体としては堅調に推移したことで売上高は増加しました。しかし、原材料価格の高騰や円安進行による輸入コストの増加、一部顧客のコストダウン要請による採算悪化等により利益率が低下しました。人員増加や出張費用など販売管理費増加等もあり、セグメント利益は減少しました。
以上の結果、CTO事業の売上高は2,099,161千円(前期比1.6%増)、セグメント利益は101,219千円(前期比54.7%減)となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、売上債権の増加に伴う運転資金が増加したこと等により、前事業年度末に比べ259,787千円減少し、1,017,511千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前受金の増加による収入290,023千円、税引前当期純利益282,109千円計上したものの、売上債権の増加による支出3,192,602千円、棚卸資産の増加による支出117,047千円等により2,792,848千円の支出となり、前事業年度に比べ1,630,569千円減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出115,932千円、定期預金の増加による支出115,254千円等により235,762千円の支出となり、前事業年度に比べ109,573千円減少しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金の返済による支出1,548,705千円等がありましたが、短期借入れ及び長期借入れによる収入4,400,000千円等により2,754,371千円の収入となり、前事業年度に比べ1,924,834千円増加しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) HPC事業については生産を行っておりませんので、該当事項はございません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.受注残高については、システムによる集計が困難のため、記載を省略しております。
C.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(棚卸資産(原材料)の評価)
製品の受注見込みに基づいて一定数量の原材料(部品)調達を行うことを原則としておりますが、急激な部品価格の高騰や供給不足等に備えて先行して調達を行うこともあります。当該部品等については、技術革新により陳腐化する可能性や原材料(部品)の滞留により収益性が低下する可能性があります。これらの不確実性に対し貸借対照表価額を正味売却価額まで切り下げる方法に代えて、原材料(部品)の更新サイクルに係る仮定による社内ルールに基づき一定の保有期間を超える場合、規則的に帳簿価額を切り下げる方法により、収益性の低下の事実を適切に貸借対照表に反映しております。
HPC事業においては、大学等公的研究機関向けが小規模案件を中心に低調であったものの、過去最大規模の大口案件の売上を計上するなど民間企業向けが好調であったことで大幅増収となりました。CTO事業においては、新規顧客向けが低調であったものの、継続顧客向けが分野毎の好不調はあるものの全体としては堅調に推移したことで増収となりました。HPC事業が大幅増収となったことで、売上高は、前事業年度と比べ2,832,291千円増加の8,854,176千円となり過去最高売上を達成することが出来ました。一方、部材価格の高騰、急速な円安進行による輸入コスト上昇で原価が上昇した他、一部顧客のコストダウン要請による採算悪化もあり、利益率が低下したことで、増収にも関わらず売上総利益は前事業年度と比べ196,160千円減少し、1,666,732千円となりました。
当社は売上高成長率と営業利益成長率を重要な経営指標としておりますが、当事業年度の売上高成長率につきましては、これまで積み上げてきました強固な顧客基盤に支えられた他、重要客先として注力していた民間企業向けで大口案件を獲得することができたことにより、前事業年度に対し47.0%のプラス成長を達成することができました。営業利益成長率につきましては、部材価格の高騰と歴史的な円安進行による輸入コストの上昇により利益率が低下した他、積極的な人財採用に伴う販売管理費が増加したことにより営業利益は減少し、前事業年度に対し60.4%のマイナス成長となりました。
当事業年度末における借入金の残高は、4,514,446千円となっております。財務基盤の強化のため長期借入を700,000千円実行した他、大口案件用運転資金確保の為、株式会社みずほ銀行との間で総額3,000,000千円のコミットメントライン契約を締結しております。当事業年度末におけるコミットメントライン実施残高は3,000,000千円となっております。
季節的な変動に伴う資金需要に機動的に対応する為、取引先金融機関5行と当座貸越契約を締結しております。当座貸越枠の合計は1,250,000千円であり、当事業年度末において、本契約に基づく当座貸越残高は400,000千円となっております。
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、車輌運搬具、工具、器具及び備品、ソフトウエア等であります。
2.現在休止中の主要な設備はありません。
3.上記の他、他の者から賃借している設備の内容は下記のとおりであります。
(注)提出日現在発行数には、2023年9月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。
会社法に基づき発行した新株予約権は、次のとおりであります。
第1回新株予約権(2015年9月25日定時株主総会決議及び2015年10月23日取締役会決議)
※ 当事業年度の末日(2023年6月30日)における内容を記載しております。なお、当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2023年8月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1.新株予約権1個当たりの目的である株式の種類及び数(以下、付与株式数 という。)は、当事業年度の末日現在は当社普通株式500株であります。なお、新株予約権割当後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、新株予約権のうち当該株式分割又は当該株式併合の時点で権利行使されていないものについて、次の算式により付与株式数を調整する。但し、調整の結果生じる1株未満の端数はこれを切り捨てる。
調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 分割又は併合の比率
上記の他、新株予約権割当後に当社が合併、会社分割等の組織再編、資本金の減少等により、付与株式数の調整を必要とする場合には、取締役会の決議に基づき付与株式数の調整を行うことができる。
2.当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、新株予約権のうち当該株式分割又は当該株式併合の時点で権利行使されていないものについて、次の算式により行使価額を調整する。但し、調整の結果生じる1株未満の端数はこれを切り捨てる。
3.(1) 新株予約権者は、その行使時において、当社の取締役、監査役、従業員又は当社が承認する社外の協力者の地位を有することを要する。但し、定年退職、社命による他社への転籍、その他当社が認める正当な理由がある場合にはこの限りではない。
(2) 新株予約権者が死亡した場合は、相続人がその権利を行使することができる。新株予約権者の新株予約権の行使に係る権利行使価額の年間(1月1日から12月31日まで)の合計額は、1,200万円を超えない。
(3) 新株予約権者は、租税特別措置法第29条の2第1項第6号の規定に従い、新株予約権の行使により取得する当社の株式を当社が指定する証券会社等の営業所もしくは事務所に保管の委託もしくは管理等信託を行う。なお、係る証券会社等については、追って当社より新株予約権者に通知する。
(4) 新株予約権者は、次の各号の一に該当することとなった場合、未行使分の新株予約権を行使することはできなくなる。
① 当社の株主総会決議による解任、懲戒処分による解雇又は自己都合による辞任・退職の場合
② 禁固以上の刑に処せられた場合
③ 差押、仮差押、保全差押、仮処分の申立もしくは滞納処分を受けた場合
4.当社が他社と吸収合併(合併により当社が消滅する場合に限る)、新設合併、会社分割、株式移転又は株式交換等(以下、組織再編行為 という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日において残存する新株予約権(以下、残存新株予約権 という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる会社(以下、再編対象会社 という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付するものとする。この場合、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行する。但し、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画に定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数を基準に、組織再編行為の条件等を勘案して合理的に決定される数とする。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、合理的に決定される数とする。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
組織再編行為の条件等を勘案の上、上記「新株予約権の行使時の払込金額」で定められた行使価額を調整して得られる再編後行使価額に上記(3)に従って決定される新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。
(6) 増加する資本金及び資本準備金に関する事項
上記「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」に準じて決定する。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
上記「新株予約権の譲渡に関する事項」に準じて決定する。
(8) 新株予約権の取得事由
組織再編行為前の条件に準じて決定する。
第2回新株予約権(2018年12月26日臨時株主総会決議及び2019年1月23日取締役会決議)
※ 当事業年度の末日(2023年6月30日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2023年8月31日)にかけて、変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注)1.新株予約権1個当たりの目的である株式の種類及び数(以下、付与株式数 という。)は、当事業年度の末日現在は当社普通株式500株であります。なお、新株予約権割当後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、新株予約権のうち当該株式分割又は当該株式併合の時点で権利行使されていないものについて、次の算式により付与株式数を調整する。但し、調整の結果生じる1株未満の端数はこれを切り捨てる。
調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 分割又は併合の比率
上記の他、新株予約権割当後に当社が合併、会社分割等の組織再編、資本金の減少等により、付与株式数の調整を必要とする場合には、取締役会の決議に基づき付与株式数の調整を行うことができる。
2.当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、新株予約権のうち当該株式分割又は当該株式併合の時点で権利行使されていないものについて、次の算式により行使価額を調整する。但し、調整の結果生じる1株未満の端数はこれを切り上げる。
又、本新株予約権の割当日後、当社が当社普通株式につき時価を下回る価額で新株の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)、 次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式に係る発行済株式総数から当社普通株式に係る自己株式数を控除した数とし、又、当社普通株式に係る自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。
さらに、上記の他、本新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて行使価額の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に行使価額の調整を行うことができるものとする。
3. (1) 新株予約権者は、その行使時において、当社の取締役、監査役、従業員の地位を有することを要するものとする。但し、定年退職、社命による他社への転籍、その他当社が認める正当な理由がある場合にはこの限りではない。
(2) 新株予約権者が死亡した場合、本新株予約権の相続による承継は認めず、相続人は本新株予約権を行使できないものとする。
(3) 新株予約権者の新株予約権の行使に係る権利行使価額の年間(1月1日から12月31日まで)の合計額は、1,200万円を超えてはならない。
(4) 新株予約権者は、租税特別措置法第29条の2第1項第6号の規定に従い、新株予約権の行使により取得する当社の株式を当社が指定する証券会社等の営業所もしくは事務所に保管の委託もしくは管理等信託を行うものとする。なお、係る証券会社等については、追って当社より新株予約権者に通知するものとする。
(5) 新株予約権者は、次の各号の一に該当することとなった場合、未行使分の新株予約権を行使することはできなくなる。
① 当社の株主総会決議による解任、懲戒処分による解雇又は自己都合による辞任・退職の場合
② 禁固以上の刑に処せられた場合
③ 差押、仮差押、保全差押、仮処分の申立もしくは滞納処分を受けた場合
4.当社が他社と吸収合併(合併により当社が消滅する場合に限る)、新設合併、会社分割、株式移転又は株式交換等(以下、組織再編行為 という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日において残存する新株予約権(以下、残存新株予約権 という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる会社(以下、再編対象会社 という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付するものとする。この場合、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行する。但し、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画に定めた場合に限るものとする
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数を基準に、組織再編行為の条件等を勘案して合理的に決定される数とする。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、合理的に決定される数とする。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
組織再編行為の条件等を勘案の上、上記「新株予約権の行使時の払込金額」で定められた行使価額を調整して得られる再編後行使価額に上記(3)に従って決定される新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。
(6) 増加する資本金及び資本準備金に関する事項
上記「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」に準じて決定する。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
上記「新株予約権の譲渡に関する事項」に準じて決定する。
(8) 新株予約権の取得事由
組織再編行為前の条件に準じて決定する。
該当事項はありません。
(注) 1.株式分割(1:500)によるものであります。
2.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)
発行価格 1,990円
引受価額 1,830.80円
資本組入額 915.40円
払込金総額 91,540千円
3.新株予約権の行使による増加であります。
4.2023年7月1日から2023年8月31日までの間に、新株予約権の行使により、発行済株式数が500株、資本金及び資本準備金がそれぞれ128千円増加しております。なお、2023年9月1日から有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
(注)自己株式65,907株は「個人その他」に659単元、「単元未満株式の状況」に7株含めて記載しております。
2023年6月30日現在
(注)1.「日本マスタートラスト信託銀行株式会社(退職給付信託口・菱洋エレクトロ株式会社口)」名義の株式290,900株は、菱洋エレクトロ株式会社が保有する当社株式を退職給付信託として信託設定したものであり、議決権については菱洋エレクトロ株式会社が指図権を留保しております。
2.2023年5月10日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、レオス・キャピタルワークス株式会社が2023年4月28日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として実質所有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」は、2023年6月30日現在の株主名簿上の所有株式数に基づき記載しております。
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、取扱う製品及びサービスを事業単位の基礎として、包括的な戦略を立案し事業活動を展開しております。従って、科学技術計算用コンピュータ事業を展開している「HPC事業」と産業用コンピュータ事業を展開している「CTO事業」の2つを報告セグメントとしております。