株式会社浜木綿
(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については、記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がないため記載しておりません。
3.当社は2019年8月6日付で普通株式1株につき2株の割合で、2023年8月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っておりますが、第52期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算定しております。なお、第52期から第56期までの1株当たり配当額については、当該株式分割前の実際の配当金の額を記載しております。
4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第52期及び第55期は潜在株式が存在しないため、第53期、第54期及び第56期は1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
5.第52期の株価収益率については、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
6.第53期、第54期及び第56期の株価収益率及び配当性向については、当期純損失であるため、記載しておりません。
7.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員を除く。)は、年間平均雇用人員(1日8時間換算)を〔〕内に外数で記載しております。
8.第52期及び第53期の株主総利回り及び比較指標は、当社株式は2019年10月18日付で、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)及び名古屋証券取引所市場第二部に上場したため、記載しておりません。第54期以降の株主総利回り及び比較指標は、2020年7月期末を基準として算定しております。
9.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。なお、当社株式は2019年10月18日付で東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)及び名古屋証券取引所市場第二部に上場いたしましたので、それ以前の株価については該当事項はありません。
当社は、1967年2月に名古屋市瑞穂区において個人経営として創業した「中国料理はまゆう」を前身に、中国料理店の多店舗展開を行う目的で、1968年2月に名古屋市昭和区にて「株式会社浜木綿」として設立されました。
株式会社浜木綿設立以後の当社に係る経緯は、次のとおりであります。
当社は、東海地方を中心に中国料理専門店の店舗展開を行っております。「新しい食文化を創造し、来店されたすべてのお客様に豊かでハッピーな食事時間を提供します」というミッションの下、1967年2月に創業して以来、約半世紀、おいしい中国料理を手頃な価格で顧客に楽しんでもらえるように工夫をしてまいりました。手頃な価格でおいしい料理を提供するために、新卒者を自社で調理師に育成し、また、約30年前から独自のオーダーシステムを使い料理の提供スピードを上げ、セントラルキッチンで食材の調理技術を共有することで、現在の調理オペレーションを確立してまいりました。その結果、通常の中国料理店より少ない調理師の人数で安定した料理を提供できるようになり、多店舗展開を可能とすることができました。
当社が店舗展開を行っている業態は、家族の集いに重きを置いた主力ブランドである「浜木綿」、全室個室タイプの「四季亭」、少人数顧客向けの「桃李蹊」、新町中華専門店の「中国食堂はまゆう」であります。
当社の特徴としましては、中国料理において当社が企画する「ちょっと晴れの日マーケット」(客単価1,500円~3,000円、利用頻度は月に1回程度)に狙いを定め、競合間での差別化を推進しております。また、土日祝日を中心にした家族での利用に加え、平日・昼の時間帯は主婦層がメインとなっており、平日・夜の時間帯は歓送迎会や忘年会、新年会等での宴会利用など、それぞれの用途に適したメニューとオペレーションを用意していることも特徴であります。
各業態の詳細及び店舗数は下記のとおりであります。
(2023年7月31日現在)
また、当社は、東海地方を中心に東は東京都から西は大阪府まで幅広い地域に出店しております。当社の戦略として、広い駐車スペースが確保できる幹線道路のロードサイドなど、家族が利用しやすい立地への出店を基本としております。
なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
各業態の店舗数の都道府県別内訳は下記のとおりであります。
(2023年7月31日現在)
[浜木綿業態店舗一覧]
[四季亭業態店舗一覧]
[桃李蹊業態店舗一覧]
[中国食堂はまゆう業態店舗一覧]
当社の事業系統図は以下のとおりであります。
[事業系統図]

該当事項はありません。
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は、最近1年間の平均雇用人員(1日8時間換算)を〔〕内に外数で記載しております。
2.臨時雇用者数には、パートタイマー及びアルバイトの従業員を含み、派遣社員を除いております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.当社の報告セグメントは単一飲食事業であるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社の労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号による育児休業等の取得割合を算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
当社は、「新しい食文化を創造し、来店されたすべてのお客様に豊かでハッピーな食事時間を提供します」というミッションの下、質の高い料理とサービスをバリュー(商品価値)のある価格で顧客に提供することを基本とし、当社で働くすべての人がチームの一員としてミッションを意識し、顧客のニーズに応じて柔軟に変化していくことが大切であると考えております。また、企業スローガンを「おいしい時間はつながる時間」として、おいしい料理を提供することで、顧客が家族や仲間と楽しい時間を共有できるよう従業員一同、取り組んでおります。
現在、当社は中国料理において複数の業態で店舗を展開しておりますが、当該業態の中で最も安定した営業基盤を構築している「浜木綿」業態の店舗展開を主として考えており、東海地方だけではなく関東・関西エリアへの店舗展開を検討しておりました。しかし、消費者のライフスタイルの変化などにより、職場や仲間での宴会、家族・親類が集まっての食事、法事などの集いによる利用比率の高い「浜木綿」業態にとっては先行きの見通しが不透明な状況となっており、同じく客単価2,000円前後の中価格帯で展開しております「四季亭」・「桃李蹊」の2つの業態につきましても、同様の状況となっております。
そこで、これらの業態とは異なり、毎日の食事としての利用をメインとする「日常の食事マーケット」での展開を視野に開発した「中国食堂はまゆう」業態を強化してまいります。客単価1,000円前後の低価格帯が中心となる「日常の食事マーケット」は、競合他社も多く存在しておりますが、当社が現在展開している中価格帯(浜木綿・四季亭・桃李蹊)のマーケットとは比較にならないほど大きなマーケットだと捉えております。また、中でもいわゆる「町中華」と言われる個人店が中心の業態は、人気はあっても多くの店に後継者がおらず、減少傾向にあります。このようにマーケットがあるにもかかわらず減少傾向の「町中華」業態を、当社のビジネスモデルを生かし運営をすることで進化させ、「新町中華」というコンセプトの下、当社の新しいマーケットを切り開いていきたいと考えております。以前から、セントラルキッチンをバックヤードに持ち、様々な業態展開を長期的に検討してまいりましたが、この業態は今後も一定の需要が見込まれ、売上をある程度維持できる業態であると考えており、今後の景気や生活環境の変化などにも対応できるように、2つのマーケットを両輪として、持続的な安定した成長を実現していきたいと考えております。
当社のビジネスモデルの強みは、多彩な中国料理を本格的かつリーズナブルな価格で提供できる仕組みを持ち、提供できるところにあります。店舗を支える「セントラルキッチン」では、本来調理師が行う仕込み部分を担って現場の労力を軽減するとともに、現場に必要な技術を共有することができ、少ない調理師でも本格的な中国料理を提供できます。また、店舗におきましても、調理師は味を守るところに仕事を集中させ、定型的な作業はパート・アルバイトでできるようにしております。これらの仕組みにより、従来できなかった本格的な中国料理店の多店舗化を可能にしております。また、味にかかわる大事な部分を担う調理師の育成に注力し、おいしい本格的な中国料理を安定して提供できることで、従来のチェーン店と差別化を図っております。また、このことは他企業の参入障壁を高くしております。
今後の出店による規模の拡大を期し、愛知県豊川市にバックヤード機能の強化を目的とした新たなセントラルキッチンを、第57期事業年度の下半期には稼働する予定となっております。
また、セントラルキッチンの新設とあわせ、IT設備の活用も重要な施策と考えております。従来から、調理場とホールとレジとを結ぶオーダーシステムを導入し、調理場とホールのディスプレイに注文の状況を表示することで、料理の提供タイミングを共有してサービスをコントロールしたり、レシピを登録することで原価差異を管理するなど、管理面で活用してまいりました。さらに近年では、タブレットを利用したテーブルオーダーシステムの導入、デリバリーやテイクアウトをお客様のスマートフォン等から注文できるシステムの導入をしております。また、2021年10月にリリースした「はまゆうアプリ」によりお客様との対話を実現し、会議やミーティングのオンライン環境の整備や、スマートフォンから業務マニュアルにアクセスできるシステムなど教育面にも積極的に活用しております。働き方改革による人的コストの上昇や、インフレ傾向の経済環境も含めて、これらのITの活用による生産性の向上はこれからの運営には必須のものと捉えて積極的に整備して、経営戦略の一環としてまいります。
損益からみた経営指標では、客数の増減を最も重視しております。客数は取り組んでいることの正否のバロメーターであると考えております。そのほか、当社の工夫の結果と付加価値を表す売上原価率、これからの会社の存続にもかかわる重要な指標である生産性(人時売上高:店舗売上高÷総労働時間)も重視しております。
外食産業を取り巻く環境につきまして、新型コロナウイルス感染症の経済に与える影響は、5類への移行や水際対策が撤廃されたことを契機に徐々に薄れるものとみられ、人流や消費活動はコロナ禍以前の状況に戻りつつあるものの、食材価格やエネルギーコストをはじめとするあらゆるコストの上昇傾向は継続しており、引き続き厳しい状況が続いております。
このような経営環境の中で、当社は、コロナ禍を経たライフスタイルの変化や、多様なお客様ニーズへの柔軟な対応に向けた新たな取り組みを行い、継続的な成長の実現と企業たちの向上のため、以下の課題について重点的に取り組んでまいります。
当社は創業当時、日常マーケットで創業し、その後「浜木綿」という業態で「ちょっと晴れの日マーケット」という特異な市場を得意として成長してきましたが、コロナ禍を契機にした生活様式の変化等によって大型の宴会需要が減少するなど、「集い」をテーマとしたこの業態は、いまだに先行きの見通しが不透明な状況です。
そこで、創業当時の日常マーケットに目を向け、現在、人気があるのに店舗が少なくなっている「町中華」から新たな発想により進化させた「新町中華」をコンセプトとした新業態の出店を強化し、新しい成長のエンジンとして取り組んでまいります。
既存業態におけるアフターコロナ対策として、宴会比率が減少した分の新しい顧客をつくるために、「平日の夜」の用途を広げ、日常マーケットの一部をメニュー改善により、増客を試みるとともに、「小さな宴会」に特化した宴会政策により、新たな宴会需要を掘り起こしてまいります。
また、経年店舗においては、改装によるリニューアルを実施し、消費者のライフスタイルの変化に対応した店舗づくりを行い、営業強化とビジネスモデルの再構築を図ってまいります。
当社が今後、安定して成長していくためには、優秀な人材の確保が必要不可欠と考えております。当社の基本理念を理解し、賛同した人材の採用・定着を最重要課題とし、新卒・中途・パート・アルバイトの採用を積極的に行うとともに、教育研修の強化を図り、優秀な人材の確保と育成に取り組んでまいります。
④ 衛生・品質管理の徹底、強化
外食産業において、食中毒事故や偽装表示問題等により食の安心・安全に対する社会的な要請は高まる傾向にあります。当社におきましても、お客様に安心・安全なお料理を提供することは最大の責務であり、重要な課題であると考えております。そのため食材の情報及び品質の管理並びに仕入から提供までの衛生管理の徹底、強化に取り組んでまいります。
⑤ 経営管理体制の強化
企業規模を拡大するには、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織作りが必要です。そのため各部門における経営リーダーの育成は、必須の課題と考えております。経営陣の成長を促す教育と育成を実践の中で図るとともに、新しい人材の登用も視野に入れ、体制を強化してまいります。
⑥ セントラルキッチンの稼働強化
働き方改革が進む中、事業の生産性向上は必須の課題となっております。店舗内の生産性を上げ、お料理のおいしさを維持するためには、セントラルキッチンによる加工の技術と流通の技術が不可欠であります。店舗のバックヤードとしての強化に取り組むとともに、お土産やECサイトによる販売も視野に入れ、セントラルキッチンの技術と稼働率を充実させてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 市場環境について
外食産業は、人口減少や少子高齢化によって市場規模の拡大が見込まれ難い一方で、成熟した市場になっており、顧客の嗜好やニーズはますます多様化し、商品・サービスに対する選別が厳しさを増すとともに、企業間・店舗間競争の激化等により、厳しい経営環境となっております。当社では、サービス力と商品力の向上に努め、新商品の開発やメニュー改定等により既存店舗の売上高の確保を図るとともに、新規出店による事業拡大を積極的に行ってまいります。また、セントラルキッチンの拡充やITの活用等による生産性の向上と店舗収益の確保を施策として実施してまいりますが、今後、外食産業における市場環境の悪化が進む場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(2) 店舗の出退店について
① 新規出店計画について
新規出店については、立地条件、賃借条件、収益性等を総合的に検討して決定しております。しかしながら、当社のニーズに合致した条件の物件が必ずしも確保されるとは限らず、新規出店が計画どおり遂行できない事態が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
② 賃借による店舗展開について
当社の直営店舗の出店については、そのほとんどが土地を賃借しており、賃貸人に対し差入保証金等を差し入れております。新規出店に際しては、賃貸人の与信管理を徹底しておりますが、賃貸人の財政状態が悪化した場合、差入保証金等の一部又は全部が回収不能になることや、賃借物件の継続的使用が困難となることも考えられます。
その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 出退店時に発生する費用及び損失について
当社では、新規出店時に什器備品等の消耗品や広告宣伝及び販売促進に伴う費用が一時的に発生するため、大量の新規出店や期末に近い時点での新規出店は、利益を押し下げる要因となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、業績の改善が見込めない不採算店舗を閉店する場合には、賃借物件の違約金や固定資産の撤去に係る費用などの店舗閉鎖に伴う損失が発生することとなり、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 出店後の環境変化について
当社は新規出店をする際には、商圏調査を綿密に行った上で意思決定をしております。しかしながら、出店後に周辺の道路や開発環境の想定外の変化、同業他社等による競合店の出店など、立地環境の大幅な変化が発生した場合には、当初の計画どおりに店舗収益が確保できず、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(3) 法的規制について
① 食品衛生法について
当社のセントラルキッチン及び各店舗では、食品衛生法(昭和22年法律第233号)の規定に基づき、管轄保健所を通じて営業許可を取得し、食品衛生責任者を配置しております。また、セントラルキッチン及び各店舗では、衛生管理チェックリストを用いた日々のチェックに加え、臨店による指導及び細菌等の測定検査などを実施し、衛生管理の強化に取り組んでおり、内部監査においても衛生管理状況を確認することで、食中毒等の重大事故の未然防止に努めております。しかしながら、万が一、今後、食中毒等の事故が発生した場合は、食品衛生法の規定に基づき、食品等の廃棄処分、一定期間の営業停止、営業の禁止、営業許可の取り消し等の処分を受けるおそれがあり、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
② 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)について
2001年5月に施行された「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食業者(食品関連事業者)は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、食品残渣物の削減を義務付けられております。当社は食品残渣物を削減するための取り組みを鋭意実施しておりますが、今後、法的規制が強化された場合には、その対応のために、設備投資等に関連する新たな費用が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) 人材採用・育成について
当社が安定的な成長を達成していくためには、優秀な人材の確保が必要不可欠と考えております。当社の基本理念を理解し、賛同した人材の採用・定着を最重要課題とし、積極的な採用活動を行うとともに、採用後の人材教育により早期戦力化を図ってまいります。しかしながら、人材採用環境の変化等により十分な人材の確保及び育成ができない場合は、サービスの低下による集客力の低下、計画どおりの出店が困難となること等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(5) 減損損失について
当社は、各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位と捉え、減損会計を適用し、事業用固定資産の投資回収可能性を適時判断しております。
外部環境の著しい変化等により、事業計画において計画した予算を大幅に乖離する事や店舗の収益性が低下し、店舗における営業活動から生じる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスとなった場合など、減損損失の兆候が認識された場合、店舗の収益性悪化の原因把握を速やかに行い、経営効率の向上や販売促進等の様々な営業施策による改善計画を策定・実行しております。しかしながら、事業環境の変化等により、収益性が著しく低下した場合、減損損失を計上する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(6) 原材料費の価格高騰について
当社の店舗において使用する食材について、天候不順による野菜価格の高騰や、ウイルスの流行等により需給関係が逼迫した場合の仕入コストなど、原材料価格が高騰した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(7) 自然災害について
当社の店舗展開は東海地方に集中しております。東海地方において大規模な地震や台風、天候不順、異常気象等による自然災害が発生した場合、一時的に来客数が著しく減少し、売上の低下等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(8) インターネット等による風評被害について
インターネット上の書き込みなどによる風評被害が発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(9) 個人情報について
当社は、「個人情報の保護に関する法律」に基づく「個人情報取扱事業者」として従業員及び顧客の個人情報を保有しており、これらの個人情報については、適正な管理に努め万全を期しております。しかしながら、個人情報が外部へ漏えいするような事態が発生した場合には、社会的信用の失墜、損害賠償による費用の発生等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(10)商標権について
当社は、複数の業態による店舗ブランドを保有しております。これらの商標が第三者のものと類似する等、第三者の商標権を侵害しているとみなされた場合、商標使用差止や、損害賠償等を請求される可能性があり、これらが生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(11)物流業務の外部委託について
当社は、各店舗で日々使用する食材等の配送の一部及び当社の植田工場(セントラルキッチン)で調理した加工食材の保管・配送について、昭和冷蔵株式会社に委託しております。
現段階では、効率性やコスト面等により、当該体制における集中配送・集中納品のメリットを生かしてまいりたいと考えておりますが、同社の配送センターにおける事故等、不測の事態が生じた場合には、同社の物流機能が一時的に停止し、当社の店舗に必要な食材等が欠品に陥り、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(12)有利子負債依存度について
当社は、店舗建築費用及び差入保証金等の出店資金を主に金融機関からの借入れ等により調達しているため、総資産に占める有利子負債(借入金、社債、リース債務)の割合が、第56期事業年度末は38.4%と高い水準にあります。今後、有利子負債依存度が高いまま金利が上昇した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(13)特定人物への依存について
当社の代表取締役社長 林永芳は、経営方針の策定や経営戦略の決定、業態開発、立地開発及びメニュー開発等の当社の事業推進において重要な役割を果たしております。
当社は、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、組織の充実を図るとともに人材の育成並びに権限の委譲等、組織的な事業運営に注力しておりますが、同氏が何らかの理由により業務執行できない事態となった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(14)配当について
当社は、将来の積極的な事業展開と経営環境の急激な変化に備えた経営体質の構築並びに財務基盤の強化に必要な内部留保を確保するとともに、株主への安定的かつ継続的な利益還元を経営の重要施策として、業績を勘案しながら成果配分を行うことを基本方針としております。しかしながら、業績の低迷等により安定的な配当が維持できなくなる可能性があります。
(15)感染症の流行について
新型コロナウイルス等による感染症の流行・拡大の状況によっては、店舗の営業時間の短縮や臨時休業の実施、外出自粛等による来店客数の減少、個人消費の低迷や原材料等の供給の遅延が想定され、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社は、各店での日々使用する食材等の一部について、名古屋市天白区の植田工場(セントラルキッチン)にて生産をしております。従業員から感染者が発生し、生産活動や店舗への食材等の供給に支障をきたす事態が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度における総資産は3,857百万円、負債は2,443百万円、純資産は1,414百万円であり、自己資本比率は36.7%となりました。当事業年度における財政状態の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(流動資産)
流動資産につきましては前事業年度末に比べ219百万円減少し、1,395百万円となりました。これは主に現金及び預金が210百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産につきましては前事業年度末に比べ397百万円減少し、2,462百万円となりました。これは主に土地が271百万円、建物が117百万円減少したことによるものであります。
(流動負債)
流動負債につきましては前事業年度末に比べ170百万円減少し、908百万円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が113百万円、1年内償還予定の社債が100百万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債につきましては前事業年度末に比べ371百万円減少し、1,534百万円となりました。これは主に長期借入金が389百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては前事業年度末に比べ76百万円減少し、1,414百万円となりました。これは主に利益剰余金が84百万円減少したことによるものであります。
当事業年度(2022年8月1日から2023年7月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に引き下げられたことや、入国制限などの水際措置が終了したことにより、人流が増加し、個人の消費マインドも回復基調に推移しました。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源・エネルギー価格の高騰や、円安を背景にした輸入原材料価格の上昇によりあらゆる物価の高止まりが懸念され、先行きは依然として不透明な状態が続くものと予想されます。
外食業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の第7波及び第8波による影響が一定程度あったものの、行動制限解除後は営業の制約もなくなり、政府や地方自治体による経済活動促進策やインバウンド消費も後押しして回復基調が強まりました。一方で原材料費や物流費、人件費など様々なコストが上昇するなど厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当社におきましては、ご来店いただくすべてのお客様に安心してお食事をお楽しみいただけるよう努めております。営業面では、お客様のニーズに対応すべく、テイクアウトの充実やデリバリーサービス対応店舗の拡大など、営業力の強化に努め、収益の維持、拡大に向けた様々な販売施策を実施してまいりました。また、定番料理向上宣言として既存の商品をより美味しくブラッシュアップするとともに、少人数よりご利用いただける「お値打ちでおいしい宴会」メニューの導入を行い顧客の獲得に努めております。
店舗展開につきましては、当事業年度において新規出店は実施しておりません。一方、退店につきましては「メンヤム 水広橋店」(名古屋市緑区)及び「桃李蹊 春日井東野店」(愛知県春日井市)の計2店舗を実施いたしました。また、2023年3月に「浜木綿 豊田店」(愛知県豊田市)を「中国食堂はまゆう 豊田店」に、同年5月には「桃李蹊 図書館通店」(愛知県長久手市)を「中国食堂はまゆう 図書館通店」へそれぞれ業態変更し、手頃な価格で本格的な味を堪能できる新業態「中国食堂はまゆう」の強化を推進いたしました。今後も引き続き『日常の食事マーケット』に取り組み、経済環境が変化しても安定した売上を確保できるよう努めてまいります。
これにより、当事業年度末の店舗数は、「浜木綿」31店舗、「四季亭」3店舗、「桃李蹊」3店舗、「中国食堂はまゆう」3店舗の合計40店舗(すべて直営店)となっております。
当事業年度の前半までは新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けることとなりましたが、後半からは客足が徐々に回復傾向にあります。この結果、売上高は、前期に比べて726百万円増加し、2期連続で増収となりました。
利益面につきましては、売上が段階的に回復する中、食材の仕入価格が高騰し、売上原価率は前期より増加いたしました。一方で徹底的なコストコントロールに努め、売上高販売管理費率は前期に比べ減少しました。これにより、営業利益は黒字化して大幅に増益となりましたが、経常利益は、前期に営業外収益として計上した営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金が当期は計上がなかったため、前期に比べ減益となりました。また、特別利益として固定資産売却益28百万円、特別損失として減損損失172百万円など合計202百万円をそれぞれ計上しております。
以上の結果、当事業年度の売上高は5,271百万円(前期比16.0%増)、営業利益は121百万円(前期は営業損失165百万円)、経常利益は122百万円(前期比46.1%減)、当期純損失は62百万円(前期は当期純利益19百万円)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べ200百万円減少し、916百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は350百万円(前年同期は373百万円の増加)となりました。これは主に、減価償却費164百万円及び減損損失172百万円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果増加した資金は117百万円(前年同期は575百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出245百万円により減少した一方、有形固定資産の売却による収入389百万円により増加したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は668百万円(前年同期は186百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出503百万円、社債の償還による支出100百万円を計上したことによるものであります。
当事業年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、生産実績につきましては、飲食事業について記載しております。
(注) 金額は製造原価によっております。
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
当事業年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、仕入実績につきましては、飲食事業について記載しております。
(注) 金額は仕入価格によっております。
当事業年度における販売実績を業態別及び都道府県別に示すと、次のとおりであります。なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、販売実績につきましては、飲食事業について記載しております。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.主要な販売先については、総販売実績の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
3.前事業年度において、その他業態に含めていた「中国食堂はまゆう業態」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記することとしております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
なお、当社は店舗における客数、売上原価率及び人時売上高を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として捉えております。
客数は、第56期事業年度においては、新型コロナウイルス感染症の第7波及び第8波の影響を一定程度受けることとなりましたが、後半からは客足が徐々に回復傾向にあり、既存店の客数が11.7%、全店の客数が13.8%それぞれ前事業年度から増加いたしました。
売上原価率は、円安を背景にした輸入原材料価格の上昇により、食材の仕入価格も高騰し、第56期事業年度は前事業年度と比べ、1.5%増となりました。
生産性の指標である人時売上高は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に引き下げられたことや、入国制限などの水際措置が終了したことにより、人流が増加し、売上高が段階的に回復する中、人件費の抑制に努め、第56期事業年度は前事業年度から8.3%増加いたしました。
また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては、市場規模の変動、消費者の嗜好の変化、他社との競合等が挙げられます。外食産業は、人口減少や少子高齢化によって市場規模の拡大が見込まれ難い一方で、成熟した市場になっており、顧客の嗜好やニーズはますます多様化し、商品・サービスに対する選別が厳しさを増すとともに、企業間・店舗間競争の激化等により、厳しい経営環境となっております。この対応策として、新商品の開発やメニュー改定等により既存店舗の売上高の確保を図るとともに、新規出店による事業拡大を積極的に行ってまいります。消費者のライフスタイルの変化に向けた新たな取り組みを行い、既存店舗の営業強化とビジネスモデルの再構築を図ってまいります。
また、当社の安定的な成長には、人材の確保が必要不可欠であり、当社の経営成績に重要な影響を与えます。近時、多くの業界で人手不足が深刻な問題となっており、当社におきましても予定どおり人材の確保を行うことが困難な場合には、新規出店等が不可能となるため当社の経営成績に影響を与えます。この対応策として、積極的な採用活動とともに、採用後の人材教育に注力し早期戦力化を図っております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
当社の主な資金需要としては、大きく分けて設備投資資金及び運転資金となっております。基本的には「営業活動によるキャッシュ・フロー」を中心としながらも、新規出店等の設備資金については、長期借入金により資金調達を行っております。
また、銀行借入金につきましては、当座貸越枠350百万円を設定し、手許流動性預金とあわせ、緊急な支出にも対応可能な体制を整えております。
当事業年度においては、新規の資金調達を行っておりません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たって、必要な見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員を除く。)は、年間平均雇用人員(1日8時間換算)を〔 〕内に外数で記載しております。
3.賃借している土地の面積を〈 〉内に外数で記載しております。
4.土地に係る年間賃借料は、363,822千円(植田工場6,840千円、浜木綿業態307,399千円、四季亭業態19,431千円、桃李蹊業態20,386千円、中国食堂はまゆう業態8,880千円、その他業態884千円)となります。
5.帳簿価額のうち「その他」は建設仮勘定、無形固定資産及び投資その他の資産の「その他」(投資不動産)の合計であります。
6.当社は飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)会社法第184条第2項の規定に基づき、2023年8月1日付で当社定款第5条を変更し、発行可能株式総数は2,768,000株増加し、5,536,000株となりました。
(注)1.発行済株式のうち2,240株は、譲渡制限付株式報酬として、金銭報酬債権合計9,139千円を出資の目的とす
る現物出資により発行したものです。
2.当社は、2023年8月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しております。これによ
り、発行済株式数は、1,077,500株増加し、2,155,000株となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注)1.株式分割(1:2)によるものであります。
2.有償一般募集増資(ブックビルディング方式による募集増資)
発行価格 2,120円
引受価額 1,950.40円
資本組入額 975.20円
3.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 1,950.40円
資本組入額 975.20円
割当先 野村證券株式会社
4.有償第三者割当(譲渡制限付株式報酬)
発行価格 3,215円
資本組入額 1,607.50円
割当先 取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名
5.有償第三者割当(譲渡制限付株式報酬)
発行価格 4,080円
資本組入額 2,040.00円
割当先 取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名
6.2023年8月1日付をもって1株を2株に株式分割し、発行済株式総数が1,077,500株増加しております。
(注)自己株式397株は、「個人その他」に3単元、「単元未満株式の状況」に97株含まれております。
2023年7月31日現在