HENNGE株式会社

HENNGE K.K.
渋谷区南平台町16番28号 DAIWA渋谷スクエア
証券コード:44750
業界:情報・通信業
有価証券報告書の提出日:2022年12月23日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2018年9月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

売上高

(千円)

2,834,900

3,426,851

4,152,655

4,844,887

5,646,198

経常利益

(千円)

219,258

177,513

535,457

383,403

452,149

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

123,331

109,897

354,981

223,835

321,169

包括利益

(千円)

122,921

107,769

785,917

3,194

231,303

純資産額

(千円)

583,525

691,294

1,821,808

1,842,829

2,091,805

総資産額

(千円)

2,315,415

2,603,200

4,240,770

4,491,217

5,205,645

1株当たり純資産額

(円)

18.96

22.46

56.92

56.72

64.36

1株当たり当期純利益金額

(円)

4.03

3.57

11.29

6.93

9.88

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

10.95

6.89

9.88

自己資本比率

(%)

25.2

26.6

43.0

41.0

40.2

自己資本利益率

(%)

23.9

17.2

28.3

12.2

16.3

株価収益率

(倍)

298.9

427.6

85.0

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

536,031

227,025

774,187

526,929

776,736

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

53,291

156,595

123,308

25,363

119,782

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

10,000

344,597

17,827

100

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

1,804,065

1,874,179

2,870,891

3,392,761

4,053,700

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(人)

134

154

181

213

243

(12)

(15)

(13)

(16)

  (26)

 

(注) 1.千円単位で表示している金額については、千円未満の端数を四捨五入して表示しております。

2.第22期及び第23期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため期中平均株価が把握できず、記載しておりません。

3.第22期及び第23期の株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。

4.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の年間の平均人員を外数で記載しております。

5.当社は、2019年7月19日開催の取締役会決議により、2019年8月14日付で普通株式1株につき、2,000株の株式分割を行い、また2021年11月12日開催の取締役会決議により、2022年1月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行いましたが、第22期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額を記載しております。

6.第23期の財務活動によるキャッシュ・フローは発生していないため、記載しておりません。

7.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準を適用した後の数値となっております。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2018年9月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

売上高

(千円)

2,833,067

3,422,244

4,144,216

4,831,645

5,629,516

経常利益

(千円)

248,661

205,423

561,576

417,237

479,612

当期純利益

(千円)

73,713

137,807

381,100

257,669

348,633

資本金

(千円)

330,800

330,800

503,153

512,228

521,191

発行済株式総数

(株)

7,694

15,388,000

16,002,200

16,244,200

32,500,600

純資産額

(千円)

556,196

693,952

1,849,808

1,902,136

2,174,289

総資産額

(千円)

2,283,911

2,604,265

4,265,498

4,540,447

5,276,958

1株当たり純資産額

(円)

18.07

22.55

57.80

58.55

66.90

1株当たり配当額
(うち1株当たり
中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益金額

(円)

2.41

4.48

12.12

7.98

10.73

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

11.75

7.93

10.73

自己資本比率

(%)

24.4

26.6

43.4

41.9

41.2

自己資本利益率

(%)

14.3

22.0

30.0

13.7

17.1

株価収益率

(倍)

278.4

371.5

78.3

配当性向

(%)

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(人)

131

151

175

207

236

(12)

(15)

(13)

(16)

(25)

株主総利回り

(%)

87.9

24.9

(比較指標:東証マザーズ指数)

(%)

 (―)

(―)

(―)

(91.9)

(56.7)

最高株価

(円)

7,050

10,530

2,101

(6,940)

最低株価

(円)

1,423

2,901

648

(1,849)

 

(注) 1.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

2.千円単位で表示している金額については、千円未満の端数を四捨五入して表示しております。

3.第22期及び第23期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため期中平均株価が把握できず、記載しておりません。

4.第22期及び第23期の株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。

5.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の年間の平均人員を外数で記載しております。

 

6.当社は、2019年7月19日開催の取締役会決議により、2019年8月14日付で普通株式1株につき、2,000株の株式分割を行い、また2021年11月12日開催の取締役会決議により、2022年1月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行いましたが、第22期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額を記載しております。

7.第22期から第24期の株主総利回り及び比較指標は、2019年10月8日に東京証券取引所マザーズ市場に上場したため、記載しておりません。また、第25期以降の株主総利回り及び比較指標については、第24期末日の株価を基準として算出しております。

8.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所マザーズ市場におけるものであります。ただし、当社株式は、2019年10月8日から東京証券取引所マザーズ市場上場されており、それ以前の株価については該当事項がありません。なお、第26期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。

9.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

当社は、代表取締役社長の小椋一宏が「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンのもと、私たちの技術や時代の先端をいく技術を法人企業がその恩恵を受けやすい形に整え新しい価値として提供することを目的とする会社として、「有限会社ホライズン・デジタル・エンタープライズ」の商号で創業いたしました。

会社設立後の事業の沿革は以下のとおりであります。

1996年11月

東京都三鷹市において、有限会社ホライズン・デジタル・エンタープライズを設立

1997年11月

株式会社ホライズン・デジタル・エンタープライズに組織変更

2007年5月

商号を株式会社HDEに変更

本店所在地を東京都渋谷区南平台町16番28号へ移転

2007年12月

ISMSの国際規格ISO27001認証取得

2011年3月

HDEメールサービスの販売開始

2014年1月

HDEメールサービスの名称を「HDE One」に変更

2015年6月

大阪市北区に大阪ブランチオフィスを開設

2016年8月

名古屋市中村区に名古屋ブランチオフィスを開設

2016年10月

台湾に台灣惠頂益股份有限公司を設立

2018年8月

福岡市博多区に福岡ブランチオフィスを開設

2019年2月

商号をHENNGE株式会社に変更

「HDE One」の名称を「HENNGE One」に変更

「HENNGE Workstyle」の販売開始

2019年4月

「Chromo Education」の販売開始

2019年6月

「HENNGE One」新ライセンス体系にて販売

2019年10月

東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場

2020年7月

「HENNGE One for Education」を販売

2020年8月

「CHROMO(クロモ)」を販売

2020年11月

多要素認証を実現する「HENNGE Lock」の提供開始

 

HENNGE Oneプロダクトアライアンスプログラムの開始

2021年10月

自治体向けコミュニケーションサービス名称を「CHROMO(クロモ)」から「SumaMachi(スマまち)」に変更

 

「HENNGE One」の機能を大幅にアップデート

2022年4月

「HENNGE Connect」を提供開始

 

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズ市場からグロース市場に移行

2022年11月

自社完結型の標的型攻撃メール訓練サービス「tadrill(タドリル)」を提供開始

2022年12月

福岡市中央区に福岡ブランチオフィスを移転

 

 

3 【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結子会社1社(台灣惠頂益股份有限公司)により構成されており、創業以来「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンを掲げ、私たちの技術や時代の先端をいく技術を企業が恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することで世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。

 当社グループは、現在、特にパッケージソフトウエア(注1)をクラウド(注2)サービスとして提供する「SaaS (Software as a Service)(注3)」の形態が我々のビジョンの実現のための最も効率的な手段と位置づけております。汎用的な課題を解決するパッケージソフトウエアは、特定の課題を解決する受託開発型サービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して同じものを提供することができる量産効果を有する商品です。日本では、2010年頃から、クラウド技術の普及により、パッケージソフトウエアを期間課金のクラウドサービスの形態で提供することが可能になりました。これにより、追加開発等による付加価値を、これから利用を開始するお客様だけでなく既存のお客様に対しても提供することができます。そのため、サービス利用者の拡大に伴い、お客様に対して常に高品質なサービスを短納期・低価格で提供することが可能となると同時に、当社グループは安定的な収益を確保することができると考えております。

 当社グループの特徴は、20年以上にわたり、銀行のような比較的保守的な企業や、自治体のような予算制約が厳しい団体など、様々な規模や業種の企業・団体の情報システム部門とお取引する中で培ってきた信頼と実績や、幅広い顧客基盤を背景に、お客様共通のニーズ・課題の抽出、それらを解決するための技術開発、お客様への販売、その後のアフターフォローなど、企画から販売・サポートまでの一連の流れを自社で完結させる力を持っていることです。

 当社グループは、1996年に創業され、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツール、インターネット本格導入期の2000年からは大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクト(注4)、そして2011年からはSaaSの販売に注力しております。

 昨今クラウドサービスの普及が進んでいる背景には、前述の機能・性能面での利点に加え、場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的に必要なデータにアクセスしたり、必要なメンバーと共同作業を行ったりすることができるという性質が、日本経済が直面している課題である労働生産性向上に資するとの期待があると考えております。

 クラウド技術の発達により、クラウドサービスを導入して業務効率化をはかる企業はますます増加しています。しかしながら、たとえば意図しない場所や端末からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念によって、特にこれまで社内のオンプレミスプロダクトをITシステムの中心に据えて業務を行ってきた中堅規模以上の企業では、クラウドサービスの導入が円滑に進まないことがあります。また、業務の基盤となるメールシステムも含めたグループウエアをクラウドに移行する場合、メールを介した誤送信や標的型攻撃などの様々なセキュリティリスクに対応するクラウドサービスも必要となります。「HENNGE One」は様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤(IDaaS)に加えて、誤送信対策や標的型攻撃対策などのメールセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスです。

 お客様がクラウドサービスの利点を最大限に活かし、スムーズに生産性向上を果たせるよう、これらの困難を解決する手段を提供することは、当社グループの経営理念である「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」に合致すると考えております。

 また、当社グループは主にSaaSの形態でお客様にサービス提供を行っておりますが、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」の収益はサービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル(注5)となっております。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる性質を持っております。このため「HENNGE One」は、新規や追加の契約金額が解約金額を下回らない限りは前年度の収益を上回るという安定性を有しつつ、その収益基盤をもって安定的な成長を目指すことが可能となるサービスであると考えております。

 

 

 なお、当社グループの事業は単一セグメントでありますが、売上区分につきましては、「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」の2つに区分しております。各売上区分の詳細は以下のとおりです。

 

(1) HENNGE One事業(当社、台灣惠頂益股份有限公司)

 HENNGE One事業では、企業が利用する様々なクラウドサービスに対して横断的に、セキュアなアクセスとシングルサインオンを実現する「IDaaS (Identity as a Service)(注6)」である「HENNGE One」を展開しております。

 

 「HENNGE One」

 「HENNGE One」は、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制御機能のほか、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするシングルサインオン機能、クラウドメールの誤送信対策・内部監査・証跡調査といった情報漏洩対策機能や、大容量ファイルの送受信、脱PPAP対策や標的型攻撃対策等の機能を備える企業向けSaaSです。

 業種・業態を問わず、また、部署・勤務形態を問わず、様々な企業で、全社でご利用いただく性質のサービスであるため、契約企業数及び契約ユーザ数の増加に伴いARR(注7)は年々積み上がっております。また、一度ご契約いただくとその利便性から継続的に利用されることが多く、解約率(注8)は低水準を維持しております。

 「HENNGE One」はIdP FeaturesとE-Mail Security Featuresの2つで構成されており、それぞれの詳細は以下の通りです。

 

 i. HENNGE One IdP Features

 各種クラウドサービスへのシングルサインオンとセキュアなアクセスを実現する機能です。具体的には、クラウドサービスへのアクセス制御とSAML(注9)認証によるシングルサインオンを行うことができる「HENNGE Access Control」、デバイス証明書(注10)の発行によりクラウドサービスにアクセス可能な端末の制御を行う「HENNGE Device Certificate」、アプリを通じて多要素認証(注11)を行う「HENNGE Lock Plus」、企業のオンプレミスシステムに対してもシングルサインオンを実現する「HENNGE Connect」などを組み合わせることで、利便性と安全性のバランスが取れたクラウド利用をサポートします。

 


 

 ii. HENNGE One E-Mail Security Features

 クラウドメールの送受信双方に対応する統合メールセキュリティ機能です。具体的には、メールの一時保留やフィルタリングを行う「HENNGE E-Mail DLP」、送受信メールのアーカイブをする「HENNGE E-Mail Archive」、大容量ファイルの送受信に特化したクラウドストレージサービスである「HENNGE Secure Transfer」、添付ファイルの自動URL化を行う「HENNGE Secure Download」、送受信メールへのマルウエア対策機能である「HENNGE Clound Protection」などにより、セキュアなクラウドメール環境を実現します。

 


 

 

(2) プロフェッショナル・サービス及びその他事業(当社)

 プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、メールをセキュアに大量かつ高速に配信するメール配信パッケージソフトウエア等を展開しております。主な取り扱い商材は以下の通りです。

 

 1. 「Customers Mail Cloud」

 「Customers Mail Cloud」は、メールを携帯・PC・スマートフォンに大量かつ高速に配信するクラウドベースのメール配信サービスです。

 企業が開発するシステムには、電子メールをユーザ向けに通知する機能がありますが、ユーザ数が増加し、通知頻度が高くなってくると遅延や不達が発生しないメール配信を実現するために、メール配信専用の仕組みを構築する必要があります。企業が開発する独自のシステムから「Customers Mail Cloud」をネットワーク経由で利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ高速なメール配信を実現することができます。

 


 

 2. 「HDE Mail Application Server #Delivery」/ 「HDE Mobile MTA」

 「HDE Mail Application Server #Delivery」及び「HDE Mobile MTA」はメールを携帯・PC・スマートフォンにセキュアに大量かつ高速に配信するオンプレミスのメール配信パッケージソフトウエアです。

 「HDE Mail Application Server #Delivery」は、ATMの引き出し通知など、送信を絶対に止める事ができないようなメールの配信を実現するシステム基盤です。

 また「HDE Mobile MTA」は、携帯電話キャリア向けに特化した高速メール配信サーバであり、送信元の身元を明らかにする技術等により確実なメール配信を実現します。

 前述のクラウドベースの「Customers Mail Cloud」と異なり、独自にシステムを保有する企業向けに、導入支援と合わせて販売しており、特に、銀行からの入金通知、自治体の防災情報通知などセキュア且つ確実に大量のメール配信を希望するお客様に利用されています

 

 

(注)

1.パッケージソフトウエア : 多くの企業において共通する汎用的な課題を解決するために利用できるソフトウエアです。特定の課題を解決する受託開発ソフトウエアやコンサルティングサービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して個別の開発作業無しに同じものを提供することのできる、量産効果を有する商品です。

2.クラウド : クラウドコンピューティングの略語であり、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してITシステムを利用する仕組みの総称です。ソフトウエア、ハードウエアを所有することでITシステムを利用するのに比べ、ITシステムに係る開発や保守・運用の負担が軽減するだけでなく、提供者側が行うバージョンアップなどの機能改善を手間なく受けることができるため、現在普及が進んでいます。

3.SaaS (Software as a Service) : パッケージソフトウエアをクラウドサービスとしてネットワーク経由でお客様に提供する形態で販売するサービスです。

4.オンプレミスプロダクト : パッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせて利用する売り切り型のソフトウエア製品です。

5.サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル : サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(定期購読)の形態で受領するビジネスモデルです。一度契約いただくと、解約されない限り継続的に繰り返し収益が獲得できるという意味から、サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルと呼びます。なお、このビジネスモデルにおいては、前期までに獲得した契約は当期収益の基礎となり、当期の売上高はこの前期までに獲得した契約と当期新しく獲得した契約で構成されることとなります。

6.IDaaS (Identity as a Service) : IDなどログイン情報の管理をクラウドで行えるようにしたSaaSです。

7.ARR (Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。

 期末ARR = 期末月のMRR(注12) × 12(12倍することで年額に換算)

8.解約率:既存の契約金額に占める、サービス解約等に伴い減少した契約金額の割合(グロスレベニューチャーンレート)です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。

9.SAML : Security Assertion Markup Languageの略であり、ユーザ認証を行うIDプロバイダと、認証を必要とする各種クラウドサービスの間で、認証要求/認証許可/ユーザ認証情報などを送受信するための標準規格です。SAML認証でID/パスワードを利用しないことにより、安全でないパスワードの使いまわしが抑制され、セキュリティ向上につながります。

10.デバイス証明書 : あらかじめクライアントの端末にインストールしておき、サービス側でログインする際に検査を行うことで、サービスに対する接続元を限定するために使う電子証明書です。会社が許可したPC又はスマートデバイスにデバイス証明書をインストールして利用することにより、会社が管理していないPC又はスマートデバイスからのアクセスを防ぐことにより情報漏洩、不正アクセスを防ぐ機能です。

11.多要素認証 : サービスへのログイン時に、ユーザに30秒毎に更新されるワンタイムパスワードなど、パスワード以外の要素の入力を求めることで、パスワードが流出した場合の悪意のログインを困難にするための機能です。

12.MRR (Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。

 

[系統図]

 


 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

議決権の
所有割合又は
被所有割合
(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

台灣惠頂益股份有限公司

(注)3

台湾 台北市

29,500千
台湾ドル

HENNGE One 事業

100.0

当社のクラウドサービスを販売。

役員の兼任4名。

 

(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、「主要な事業の内容」には、売上区分を記載しております。

   2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

   3.特定子会社に該当しております。

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

 

2022年9月30日現在

事業部門の名称

従業員数(人)

営業部門

85

(8)

研究開発部門

44

(0)

全社(共通)

114

(18)

合計

243

(26)

 

(注) 1.当社グループは単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。

2.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の最近1年間の平均人員を外数で記載しております。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、営業部門及び研究開発部門以外に所属しているものであります。

4.前連結会計年度末に比べ従業員数が30名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い採用が増加したことによるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2022年9月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

236

(25)

34.9

4.6

7,950

 

 

事業部門の名称

従業員数(人)

営業部門

78

(7)

研究開発部門

44

(0)

全社(共通)

114

(18)

合計

236

(25)

 

(注) 1.当社は単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。

2.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の最近1年間の平均人員を外数で記載しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、営業部門及び研究開発部門以外に所属しているものであります。

5.前事業年度末に比べ従業員数が29名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い採用が増加したことによるものであります。

 

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、私たちの技術や時代の先端をいく技術を広くお客様に届け、世の中を変えていく「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」を経営理念に掲げております。ITは急速なスピードで変化しています。ITはこれまでも、そしてこれからも世界を変え続けていきます。しかしながら、テクノロジーは時として人々の手に入りにくい形で出現します。ITの力を享受するためには、誰かが理想と現実のギャップを埋める必要があります。

当社グループは、テクノロジーにおけるこのギャップの橋渡し役として、お客様に新しい価値を提供し続け、世界の発展に貢献していきます。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」を実現するための最適なビジネスモデルの1つとして、クラウドサービスを提供しております。クラウドサービスは、お客様ごとにカスタマイズし提供する受託開発型のソフトウエアサービスとは異なり、より多くのお客様に当社グループのサービスを届けることを可能にしております。

ITはめまぐるしい勢いで進化しており、日々新技術が世の中に生まれております。しかし、実際の世の中で活用される新技術は数少ないという現実があります。当社グループはこのような経営環境の中、日々生まれてくる新技術に向き合い、失敗と成功を繰り返すことで、最適なクラウドサービスをお客様に提供いたします。そのためにも、当社グループは新技術に対する挑戦を継続し、絶え間ない努力を重ねる体制を整え、日々新技術を活用した新サービスの開発を行っております。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは重要な経営指標として、現在の当社グループの成長ドライバーであるHENNGE One事業のLTV(注)を重視しております。LTVは、ARR、売上総利益率、平均契約年数で算出されますが、この3つの要素の中では、現在特にARRに着目し、今後の更なる成長に向けて積極的に将来ARRの最大化を目指し、日々の事業活動を行ってまいります。

契約企業数の最大化

営業人員の更なる増員、広告宣伝活動によるブランド力や知名度の向上、販売代理店との関係強化等の施策を継続し、契約企業数の最大化を図ります。そして東京だけでなく、当社グループのブランチオフィスがある東海、関西、九州、そして子会社のある海外での販売を拡大し、先行者利益の獲得を目指します。

ユーザあたり単価(ARPU)の向上

「HENNGE One」と連携可能なSaaSを増加させることでプラットフォームとしての価値を高めるほか、カスタマー・サクセス活動の活発化により顧客の要望に耳を傾け、新機能・新サービス等、ユーザに提供できる新しい付加価値の開発を継続することで、今後もユーザあたり単価の向上を目指します。

③平均ユーザ数の最大化

現在は、契約企業数の最大化を目指すべく、販売パートナーとの関係強化施策の中で、大企業だけでなく比較的小規模な企業へのアプローチも行っております。そのため、現在はアンコントローラブルな係数であると認識しております。しかしながら、カスタマー・サクセス活動を通し、顧客企業のクラウドアダプションやデジタルトランスフォーメーションをお手伝いすることで、顧客企業の成長の後押しをしつつ、顧客企業内での利用アカウント数の増加を穏やかに図ってまいります。

また同時に、当社グループは、提供サービスの基盤システムの効率化と、そこから生まれる利益の研究開発等への再投資が、提供サービスの価値向上の源泉であると考えております。そのため、研究開発部門を中心に、基盤システムの効率化や費用削減に積極的に取り組んでおります。

さらに、お客様にとっての当社グループのサービスの価値を継続的に向上すべく新機能・新サービスの研究開発に注力するとともに、当社グループのサービスの認知度向上のための広告宣伝や営業活動にも先行投資しております。そのため、財政状態についても、現金及び預金残高、契約負債残高及びそれらの推移を重視しております。「HENNGE One」は年単位で契約いただくサブスクリプション型のサービスです。年間費用は、原則としてサービス開始時に一括でお支払いいただいております。このビジネスモデルにより、営業や開発への先行投資ができる健全な財務状況となっております。

 

    (注) LTV (Life Time Value)

顧客が顧客ライフサイクルの最初から最後までの間に当社の商品やサービスを購入した(する)金額の合計です。

 

(4) 経営環境

当社グループが属するIT業界は技術進歩がめまぐるしく、新規企業の参入や新サービスの提供が頻繁に起こっております。このように業界における経営環境の変化が速いことが、探求心を持ち続ける当社グループにとって最大のビジネスチャンスであると捉え、新技術への挑戦を続け、新サービスを提供できる体制を構築しております。

当事業年度内においては、前事業年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により、海外渡航制限や対面活動の制約がありましたが、2022年3月以降、入国制限が徐々に緩和されたことで長らく遅延していたグローバル人材の入社が進み、リアルイベントの開催、出展も再開しました。今後、パンデミックを経た新しい生活様式が定着していく中で、中長期的には、事業継続のための多様な働き方や生産性向上に関連する需要がより一層加速するとみております。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

① 技術革新への対応

 IT業界における日進月歩の技術革新に留まらず、多くの企業においてデジタル変革(DX化)が進んでおり、当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、様々な新技術をサービスに適切に取り入れていくこと及び市場やユーザのニーズを適時、的確に捉えることが重要であると認識しております。当社グループでは、2021年10月に「HENNGE One」に3つの新機能を追加し、さらに、2022年4月には上位プランでご利用いただける新機能「HENNGE Connect」を追加しました。このような社内開発活動に加え、「HENNGE One」に続く新規事業開発、事業投資や事業提携等も推進していくことで、市場のニーズに合致した技術力を向上させてまいります。

② 開発体制の効率化と強化

 ITや先進技術分野への需要は拡大しており、IT技術者不足が、企業の開発力の維持、強化を阻む要因の一つとなっております。当社グループでは、優秀なIT技術者の採用と育成強化に取り組むとともに、国外も含めた幅広い層にアプローチすることで、より優秀な人材を確保するため、グローバルインターンシッププログラムの実施や英語の社内公用語化等の取り組みをしております。前事業年度に引き続き、当事業年度においても新型コロナウイルス感染症の影響により取り組みの一部が制限されておりましたが、2022年3月より入国制限が徐々に緩和され、グローバル人材の入社が再開しました。今後も国籍を問わない採用に注力するなど、体制の強化を図ってまいります。

③ 認知度の向上及び販売力の強化

 「HENNGE One」のARRにつきまして、当連結会計年度は前連結会計年度末比18.2%増と堅調に伸長しておりますが、更なる収益拡大を図るためには、当該サービスの認知度向上と営業力の強化が重要であると認識しております。当事業年度は、「HENNGE Rocket Pitch」「HENNGE Meet Up!」など、より具体的にサービスの中身を理解していただくためのイベントを開催いたしました。また、2022年4月からウルトラマンをイメージキャラクターに起用したマーケティングキャンペーンを開始し、リアルイベントにも出展するなど、多層的な顧客アプローチを実施しております。今後も状況に応じた戦略的かつ効果的な広告宣伝活動を実施するとともに、優秀な営業人材の採用や育成、また、販売パートナーとの連携強化を図ってまいります。

④ 海外への展開

 「HENNGE One」はクラウドサービスであるため、国境を越えた展開の可能性を有しております。当社グループでは、中長期的にSaaSの利用拡大が特に見込まれるアジア市場を引き続きターゲットとして捉え、販売拡大を図るとともに、アジア市場以外の海外市場への進出可能性につきましても、継続して検討してまいります。

⑤ 人材の採用・育成とダイバーシティの推進

 変化の激しい環境において、常に変化と挑戦が必要だと考えており、そのために多種多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材の採用及び育成が重要であると認識しております。当社グループでは、英語を社内公用語とし、ダイバーシティを尊重するカルチャーを醸成するとともに、当社グループのカルチャーに共感した優秀な人材が中長期に渡って高い意欲を持って働ける環境の整備に取り組んでおります。また、リモートワーク環境下においても機能し、効果が期待できる研修プログラムを構築、改善するなど、人材の育成にも努めております。

⑥ 顧客満足度の向上

 LTV最大化のためには顧客満足度の向上が必要であると考えております。当社グループでは、2021年10月以降、「HENNGE One」に顧客ニーズを捉えた新機能を順々に追加しておりますが、今後も積極的にユーザとのコミュニケーションを図り、当社グループのサービスに対する要望・意見を収集・分析し、既存サービスの改善及び新サービスの開発に反映させてまいります。

⑦ コーポレート・ガバナンスの強化

 コーポレート・ガバナンスを企業経営の透明性・公正性を確保し、継続的な成長を図るために必要不可欠な機能と位置付けております。当社グループでは、株主をはじめ、ステークホルダーとの信頼関係に基づく経営を実現できるようガバナンスの強化に努めるとともに、企業経営のリスクに対応するための内部統制システムの運用についても、監督・監査を強化し、充実を図ってまいります。

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社グループ株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため実際の結果と異なる可能性があるとともに、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

また、ここで記載する各リスクの発生頻度及びそれらが顕在化した場合の影響度については、合理的に算出することができないため、記載しておりません。

1.事業環境に関するリスク

(1) 経営環境の変化について

(発生可能性:中、影響度:中、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループが事業展開をしているIT業界においては、事業継続の観点や業務効率化による自社競争力向上の観点から大企業から中小企業までIT投資を進めております。その中でも、当社グループが現在注力し、売上の大部分を構成するクラウドサービス市場は、その利便性や初期投資を抑制できるといった特徴により急速な成長を続けております。当社グループの発展にはクラウドサービス市場の成長が必要不可欠でありますが、当社グループが将来的に事業環境の変化に適応できなかった場合、経済情勢や景気動向等の変化によってクラウドサービス市場の成長が鈍化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また急速に成長するクラウドサービス市場において、今後国内外の大手資本や競合他社の参入などにより競争が過熱した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤(IDaaS)に加えて、誤送信対策や標的型攻撃対策などのメールセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスを提供しています。今後、時代の変化とともに変わりゆく顧客のニーズに合わせ、新しい認証技術を用いたアクセスコントロール機能の改善や新機能の開発などを進めていくとともに、カスタマー・サクセスの向上をより一層図っていくことで、クラウドサービス市場を盛り上げると同時に、参入する競業他社との差別化を図り、本リスクの低減に努めております。

 

(2) 技術革新やサービス提供環境への対応について

(発生可能性:低、影響度:高、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループは、技術革新の活発なIT業界において事業活動を行っております。そのため、当社グループ内に最先端の技術を研究開発する部門を設け、日々、既存製品・サービスの改善改良及び新規サービスの開発に絶え間ない努力を重ねておりますが、IT業界の常識を覆すような技術革新が行われた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」は、顧客企業が利用するクラウド型グループウエアと連動して、サービス提供を行っております。クラウド型グループウエアの提供ベンダーが自社で「HENNGE One」に酷似したサービスのみを提供する環境に変更した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、自ら積極的に新技術を試用、検証及び応用するだけでなく、SaaS企業への投資、事業提携等により、新技術に係る情報の収集、知見の獲得、事業上のシナジーの実現等を図り、市場のニーズに適時に応えることができる技術力を保持しております。これらの知見を活かし、提供サービスの改良・改善及び新サービスの開発・提供を続けることで、競合他社が提供するサービスとの差別化を図り、サービスの優位性を築くことにより、本リスクの低減に努めております。

 

2.事業内容に関するリスク

(1) 特定の事業者サービスへの依存について

(発生可能性:低、影響度:高、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループの主要サービスである「HENNGE One」は、安全性、安定性、拡張性及び価格等を総合的に勘案し、Amazon Web Services, Inc.が提供しているクラウドコンピューティングサービスAmazon Web Services(以下「AWS」)を主な基盤として運営されています。AWSのデータセンターの処理能力が、当社グループの求める処理能力を満たさない場合や、AWSに障害が生じた場合などには、「HENNGE One」へのアクセスが中断又は遅延するなど、ユーザの「HENNGE One」利用が滞り、ユーザからの当社サービスへの信頼が損なわれ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、Amazon Web Services, Inc.による経営戦略の変更、価格改定等が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、お客様における「HENNGE One」のご利用にあたって、利用規約を締結しており、当該規約において、当社グループの賠償責任に制限をかけることで、リスク低減を行っております。なお、AWSに障害が生じた場合のリスク、Amazon Web Services, Inc.の戦略変更及び価格改定が行なわれるリスクにつきましては、AWS以外の代替サービスへの分散や移行ができるよう、代替サービスの調査、検討、試験的導入等を継続的に行なうことにより、本リスクの低減に努めております。

 

(2) 特定の当社グループサービスへの依存について

(発生可能性:低、影響度:高、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループの売上高のうち、主要サービスであるHENNGE One事業の売上高が大部分を占めております。当社グループは、IDaaSを中心に多様なサービスを提供する企業ではありますが、市場環境等の変化により、HENNGE One事業の売上高が著しく減少した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、引き続きHENNGE One事業の売上拡大を図る方針に変わりはありませんが、将来的には当社グループ業績に対するその依存度を下げるべく、また、企業価値の更なる向上を図るべく、社内ピッチイベントによる新規事業開発を積極的に行なうとともに、シナジーのある事業投資等による業容の拡大も視野に入れております。このようにHENNGE One事業だけに依存しない取り組みを行なっていくことで、本リスクの低減に努めております。

 

(3) システムトラブルの発生について

(発生可能性:低、影響度:高、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループが主に提供している製品・サービスは顧客にセキュアな環境を提供することを目的の一つとしてプログラムされております。このプログラムされた製品・サービスが意図したこととは異なる動作をするなどといった重大なシステムトラブルが発生した場合、当社グループが提供している製品・サービスへの信用度が著しく低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、システムを安定運用し、継続してサービスを提供できるように、障害発生の未然防止と障害発生時の影響の極小化の両面から、関連分野の新技術、公知既存の市販製品、サービスの不具合に係る情報及びその対処方法の情報を積極的に収集、共有するとともに、当社グループで過去に発生した障害の原因分析、再発防止策を社内共有し、定期的に点検を行なうことで、本リスクの低減に努めております。

 

3.事業体制に関するリスク

(1) 人材の採用・育成について

(発生可能性:中、影響度:中、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループの継続的な成長のためには従業員を中心とする人材の確保が重要であると認識しております。しかし、国際情勢の変化や当社グループが属するクラウドサービス市場における人材の確保が加熱するなどの影響で今後の事業拡大にあわせて人材の採用・育成そして定着化が計画通りにいかない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、変化の激しい環境においては常に変化と挑戦が必要だと考えており、そのために多種多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材の採用及び育成が重要であると認識しております。現在、当社グループはダイバーシティ・マネジメントをより一層推し進めるなどダイバーシティを尊重するカルチャーを醸成するとともに、国外からの優秀な人材を確保するため、英語の社内公用語化を推進しており、本リスクの低減に努めております。また、当社グループのカルチャーに共感した優秀な人材が中長期に渡って高い意欲を持って働ける環境の整備にも取り組んでおり、人材育成や定着化に関しても有用な研修プログラムを構築、改善や人事制度の改訂等を通した人材の定着施策を実行することで、本リスクの低減に努めております。

 

 (2) 内部管理体制について

(発生可能性:低、影響度:高、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループの継続的な成長には、倫理観を共有し、内部管理体制を整えることが重要であると認識しております。しかしながら、当社グループの組織の拡大に対して内部管理体制の構築が間に合わない場合、適切な経営管理ができず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、業務を遂行するにあたり、「Transparency(透明性)」と「Track and Trust(追跡と信頼)」を重視する風土を醸成しております。社内業務のIT化により、一定の情報をオープンにしていくことで、不正や誤謬の発生を予防するとともに、疑わしい事案を追跡できる仕組みの構築に取り組んでおります。これらに加え、管理部門、内部監査部門等の内部管理体制を構築し、これを監視する部門を強化していくことで、本リスクの低減に努めております。

 

 (3) 国外事業について

(発生可能性:低、影響度:低、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループは、国外の顧客に対してもIDaaSを中心としたサービスを提供しております。国外事業は、当社グループのさらなる成長に不可欠であると考え、今後もアジア諸国をはじめ、アメリカ合衆国、欧州各国に事業展開する可能性があります。現地において当社グループが対応できない規制等が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、台湾子会社において、台湾を中心としたアジア諸国への事業展開を図っており、現地の専門家と連携して、市場、商慣習、規制等の情報収集に努めております。また、当社が新たに国外に事業展開を行なう場合には、事前の市場、商慣習、規制等の情報収集を行い、専門家と連携して評価を徹底することで、本リスクの低減に努めております。

 

4.法的規制及び知的財産権等に関するリスク

(1) 法的規制の導入について

(発生可能性:低、影響度:中、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループが現在提供している製品・サービスについて、特段の法的規制はありませんが、今後、当社グループの製品・サービスを対象とする法的規制が整備されることとなった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(対応策)

 当社グループでは、法的規制に関する事前の情報収集の徹底に努めるとともに、収集した情報がタイムリーに経営陣を含めた関係者に共有される仕組みを構築し、法的規制対応に必要となる方策を検討、準備する十分な期間を確保することで、本リスクの低減に努めております。

 

 (2) 知的財産権の侵害について

(発生可能性:低、影響度:高、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループは、研究開発部門を設け、日々、既存製品・サービスの改善改良及び新規サービスの開発に絶え間ない努力を重ねておりますが、当社グループが保有する知的財産権を侵害された場合、又は当社グループが他社の保有する知的財産権を侵害した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、当社グループが開発した知的財産については、適時適切に知的財産権の登録等を行い、当社グループの財産の保全を図っております。また、当社グループの製品・サービスが他社の保有する知的財産権を侵害しないよう、競合企業やベンダー企業の提供サービスについてはモニタリングを実施するとともに、開発段階において採用したビジネスモデルや技術等について、事前に必要な調査を実施し、本リスクの低減に努めております。

 

 (3) 情報管理体制について

(発生可能性:低、影響度:高、重要度の前年からの変化:増)

(リスクの内容)

 当社グループが提供する製品・サービスの導入に際して、顧客企業から機密情報に該当する情報を取得することがあります。当該取得情報を、外部からのサイバー攻撃、内部の作為、不作為等の理由により紛失もしくは漏えいした場合、信頼性の低下、損害賠償及び訴訟費用の支出が発生する等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、情報資産を適切に保護、管理するため、各種情報システム・セキュリティに関する規定を整備するとともに、ISMS(ISO27001_情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得し、情報管理体制を適宜見直し構築するとともに、毎年、外部事業者によるセキュリティ診断を実施する等、外部からのサイバー攻撃による情報漏洩対策を慎重に検討し、実行しております。また、各種情報の取り扱いについて、適切な管理体制を構築するとともに、管理策の定着と改善のための社内教育、監視等を徹底することで、本リスクの低減に努めております。

 

5.その他のリスク

 (1) 投融資について

(発生可能性:高、影響度:低、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 IT業界においては日進月歩の技術革新に留まらず、多くの企業においてデジタル変革(DX化)が進んでおり、当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、様々な新技術をサービスに適切に取り入れていくこと、および市場やユーザのニーズを適時・的確に捉えることが重要であると認識しております。当社グループは、現在、市場のニーズに合致した技術力を保持するため、新規事業開発だけでなく、事業シナジーが見込まれると判断した企業に対して投資を実行しております。また、今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。投資先企業の事業が計画通りに進捗しない場合や投融資額を回収できなかった場合、減損の対象となる事象が生じた場合等においては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、投資判断においては、投資先候補企業の事業内容を吟味し、当社グループとの事業シナジーが得られること、投資先候補企業の事業計画、当社グループの財務状況や投資先候補企業への影響等を考慮し、投資先候補企業の評価額が適切な水準であること等を慎重に検討することで、本リスクの低減に努めております。

 

 (2) 株式価値の希薄化について

(発生可能性:高、影響度:低、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループは、インセンティブの1つとして、当社取締役及び監査役に対して譲渡制限付株式を付与しており、従業員に対しても、ストック・オプションを付与しております。また、今後も株式報酬制度やストック・オプション制度等、企業の持続的成長のためのインセンティブプランを活用していくことが考えられます。そのため、当該インセンティブプランの活用等により新規に株式が発行された場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、株式報酬制度やストック・オプション制度等のインセンティブプランを活用する場合には、既存の潜在株式の割合と希薄化率を勘案し、外部専門機関による意見等も加味したうえで、適切な規模の制度設計を行なうことで、本リスクの低減に努めております。

 

 (3) 為替の変動について

(発生可能性:高、影響度:低、重要度の前年からの変化:同)

(リスクの内容)

 当社グループでは、クラウドインフラ利用料は主に米ドル建てで支払っており、急激に円安が進行した場合には、売上原価が増加し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、外貨建て仕入債務等に対して為替予約等を適宜活用することで、その年の為替変動の影響をヘッジし、売上原価の変動が一定の水準に収まるようにする等、為替変動に係るリスクの低減に努めております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の業績、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社グループが判断したものであります。

 ① 経営成績の分析

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限が緩和され、徐々に経済活動が再開されたものの、ウクライナ危機の発生や物価上昇の進行などにより、今後も景気は依然として不安定な状況が続くと見込まれております。

 このような状況下においても、当社グループの属するソフトウエア業界を含む情報通信サービス業界では、少子化により日本の労働力人口が減少しているという課題に対処するため、労働生産性向上を目的としたクラウドサービスの利用が拡大しております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受け、国内外問わずリモートワークやオンライン教育、またデジタルトランスフォーメーションの需要が後押しとなり、クラウドサービスに対する需要は一層拡大傾向となっております。

 このような経営環境の中で、当社グループは、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業に対し、クラウドサービスの利便性を損なうことなく、セキュリティリスクを軽減させる「HENNGE One」を成長のドライバーと位置付け、事業を推進しております。

 場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的にサービスを利用できるというクラウドサービスの特性は、業務に幅広い柔軟性をもたらします。しかしながらこの特性は、たとえば意図しない場所からアクセスが可能になってしまうかもしれないといったセキュリティ上の懸念にもつながります。また、業務の基盤となるメールシステムも含めたグループウエアをクラウドに移行する場合、クラウドメール誤送信による情報漏洩対策や、年々リスクが高まっている標的型攻撃などへの対策もあわせて検討する必要があります。

 「HENNGE One」は、様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤(IDaaS)に加えて、誤送信対策や標的型攻撃対策などのメールセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスです。

 当社グループは、より多くの企業がクラウドサービスを導入することでBCP(事業継続計画)対策や労働生産性向上を実現し、それによって日本経済がさらに活性化するよう貢献したいと考えております。

 当社グループは、中長期的な株主価値及び企業価値の向上を目指すべく、主要サービスである「HENNGE One」のLTV(注1)及びARR(注2)を重要な経営指標としております。

 当連結会計年度においても、このLTV及びARRの最大化を目指すため、契約企業数とユーザあたり単価を向上させるとともに、低解約率・低原価率の維持を図ってまいりました。また、継続的な売上高の成長実現に向け、積極的なマーケティング活動や人材採用をはじめとした営業体制の強化や新機能追加によるサービスラインアップの充実に取り組んでまいりました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,646百万円(前連結会計年度比16.5%増)、営業利益462百万円(同21.6%増)、経常利益452百万円(同17.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益321百万円(同43.5%増)となりました。なお、売上高のうち5,566百万円(売上高全体のうち98.6%)は解約がされない限り翌期も継続的に売上高となる性質の売上で構成されており、当社グループの安定的な収益基盤を構築しております。また、当社グループの研究開発部門において基盤システムの効率化を継続的に実施した結果、売上総利益率は前連結会計年度比1.5ポイント増の84.5%となりました。
 
 当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますが、売上区分別の事業概況は、次のとおりであります。

1.HENNGE One事業

 不正ログイン対策、スマートフォン紛失対策、メールの情報漏洩対策などを一元的にクラウドサービス上で提供する「HENNGE One」については、営業面では、オンラインとオフラインのハイブリッド型のイベントの開催、ウルトラマンをイメージキャラクターに起用したマーケティングキャンペーンの開始、リアルイベントへの出展など、多層的な顧客アプローチを実施しました。また営業職とカスタマー・サクセス職の採用・教育、販売パートナー(販売代理店)との連携強化を進めることで、首都圏及びその他の地域での販売拡大のための体制作りにも引き続き注力いたしました。運営面では、2021年10月から新機能を追加してライセンス体系を刷新し、より幅広い顧客ニーズにお応えするとともに、ユーザ当たり単価の向上に繋げながらも低い解約率を維持するための施策を進めてまいりました。さらに開発面においては、既存機能の改善や新機能の追加開発のため、日々研究開発を重ねております。

 これら活動の結果として、首都圏・名阪地域を中心とした新規受注の獲得、ユーザ当たり単価の上昇、低解約率の維持を達成いたしました。

 この結果、HENNGE One事業の売上高は、5,166百万円(前連結会計年度比18.6%増)となりました。また、翌連結会計年度の収益見込みのベースとなるARRは5,602百万円(前連結会計年度末比18.2%増)、当連結会計年度末時点の契約企業数は2,213社(同13.4%増)、契約ユーザ数は2,324,365人(同8.7%増)、直近12ヶ月の平均月次解約率は0.21%(同0.04ポイント減)となりました。

 

2.プロフェッショナル・サービス及びその他事業
 プロフェッショナル・サービス及びその他事業については、業績は期初策定の計画通りに推移いたしました。クラウド型のメール配信システム「Customers Mail Cloud」につきましては、新規案件やユーザ追加等の受注、メール配信料の増加などにより堅調に推移いたしましたが、既にサポート終了を予定していた既存製品のサポートの売上減少の影響により、売上高は前年同期比で微減しております。

 また、地域住民とのスムーズな双方向コミュニケーションを実現する新しい取り組みであるコミュニケーションサービス「SumaMachi (旧CHROMO)」の全国自治体への販売を継続的に実施するなど、日々、将来のプロフェッショナル・サービス事業の基盤となるサービスの研究開発を重ねております。

 この結果、プロフェッショナル・サービス及びその他事業の売上高の合計は、480百万円(前連結会計年度比2.0%減)となりました。

 

(注1)LTV (Life Time Value)

  顧客が顧客ライフサイクルの最初から最後までの間に当社の商品やサービスを購入した(する)金額の合計です。

(注2)ARR (Annual Recurring Revenue)
  対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。
 対象月末のARR = 対象月のMRR(注3) × 12(12倍することで年額に換算)
(注3)MRR (Monthly Recurring Revenue)
  対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。

 

② 財政状態の状況

 (資産)
 当連結会計年度末における総資産は、5,206百万円(前連結会計年度末比714百万円の増加)となりました。主な要因としては、現金及び預金の増加661百万円、前払費用の増加148百万円によるものであります。
 (負債)
 当連結会計年度末における負債合計は、3,114百万円(前連結会計年度末比465百万円の増加)となりました。主な要因としては、契約負債(前連結会計年度は前受収益)の増加378百万円、未払金の増加131百万円によるものであります。
 (純資産)
 当連結会計年度末における純資産は、2,092百万円(前連結会計年度末比249百万円の増加)となりました。主な要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益321百万円の計上による利益剰余金の増加、上場有価証券の時価評価に伴う、その他有価証券評価差額金の減少94百万円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物等(以下「資金」という)は、4,054百万円と前連結会計年度末に比べ661百万円(19.5%)の増加となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。


 (営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は777百万円(前連結会計年度は527百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上452百万円や契約負債(前連結会計年度は前受収益)の増加378百万円、未払金の増加132百万円、前払費用の増加142百万円が主な要因となっております。
 (投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果支出した資金は120百万円(前連結会計年度は25百万円の支出)となりました。これは、投資有価証券取得による支出90百万円が主な要因となっております。
 (財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果支出した資金は0百万円(前連結会計年度は18百万円の収入)となりました。これは、自己株式の取得による支出0百万円が主な要因となっております。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

b.受注実績

当社グループは新規案件について受注残が発生するものの、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。

 

売上区分の名称

当連結会計年度
(自 2021年10月1日
 至 2022年9月30日)

前年同期比(%)

HENNGE One事業

(百万円)

5,166

18.6

プロフェッショナル・サービス

及びその他事業 (百万円)

480

△2.0

合計(百万円)

5,646

16.5

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

SB C&S株式会社

595

12.3

686

12.18

株式会社大塚商会

407

8.4

576

10.22

 

2.当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますので、セグメント別の記載は省略しております。

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 
① 重要な会計方針及び見積り
 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者による会計上の見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、会計上の見積りには不確実性があるため、実際の結果と見積りとは異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。

 

③ 経営戦略の現状と見通し

当社グループは「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンのもと、独自の開発サービスの提供により業績を拡大してまいりました。今後、インターネット環境がより発達し、中小企業においても積極的なIT投資が進み、ビジネスにおいてクラウドサービスを利用する場面は多くなると考えております。このような経営環境において、当社サービスは、より積極的な販売活動を実行することで、事業の拡大が可能であると判断しております。
 また、既存サービスの概念に捉われることなく、当社グループの強みである新技術への挑戦を継続することで、新サービスの開発をあわせて実行してまいります。

 

④ 経営者の問題意識と今後の方針について

今後、当社グループが更なる事業拡大を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は最新のIT技術を探求し、あわせて事業環境も把握し、当社グループの強みであるスピード感あふれる実行力を発揮し、世界に新しい価値を創造し続ける方針であります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、広告宣伝費、業務委託費等であります。資金の源泉と流動性を安定的に確保することを目的とし、資金需要の額や使途に合わせて自己資金を投下する他、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は4,054百万円であり、流動性を確保しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】

当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。

(1) 提出会社

 

 

 

 

 

2022年9月30日現在

事業所名
(所在地)

設備の内容

帳簿価額

従業員数
(人)

建物
(千円)

工具、器具及び備品
(千円)

建設仮勘定
(千円)

ソフト
ウエア
(千円)

合計
(千円)

本社
(東京都
渋谷区)

事務所設備等

121,177

39,313

386

288

161,164

236(25)

 

(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。

2.本社の事務所は賃借しているものであり、年間賃借料は244,996千円であります。

3.当社の事業セグメントは単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。

4.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の年間の平均人員を外数で記載しております。

 

(2) 在外子会社

該当事項はありません。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

123,080,000

123,080,000

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2022年9月30日)

提出日現在
発行数(株)
(2022年12月23日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

32,500,600

32,500,600

東京証券取引所
(グロース市場)

完全議決権株式であり、権利内容に何ら制限のない当社における標準となる株式です。
なお、単元株式数は100株であります。

32,500,600

32,500,600

 

(注)当社は、東京証券取引所マザーズに上場しておりましたが、2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、同日以降の上場金融商品取引所名は、東京証券取引所グロース市場となっております。

 

① 【ストックオプション制度の内容】

当事業年度末日以降に発行決議した新株予約権の内容は、次のとおりであります。

第5回新株予約権

決議年月日

2022年11月18日

付与対象者の区分及び人数

当社の従業員      234名

当社の子会社の従業員   6名

新株予約権の数

当社の従業員     2,305個

当社の子会社の従業員   30個 (注)1、2

新株予約権の目的となる株式の種類、
内容及び数

普通株式      233,500株 (注)1、2

新株予約権の行使時の払込金額

(注)3、4

新株予約権の割当日

2023年2月10日

新株予約権の行使期間

自 2024年11月19日
至 2028年12月31日

新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項

①本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果生じる1円未満の端数は、これを切り上げるものとする。

②本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金等増加限度額から上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とする。

新株予約権の行使の条件

①新株予約権者は、2023年9月期から2025年9月期までの各連結会計年度(本新株予約権の割当日以後、当社が決算期末を9月末から他の月末に変更した場合には、変更後の決算期に係る連結会計年度とする。)のいずれかにおいて、当該各連結会計年度に係る有価証券報告書に含まれる当社の連結損益計算書に記載された売上高(本新株予約権の割当日以後、当社が会計基準を変更した場合においては、変更後の会計基準において売上高に相当するもの)が100億円を超えた場合にのみ、本新株予約権を行使することができる。

②上記①にかかわらず、以下のいずれかの事由に該当した場合には、本新株予約権を行使することができない。

1 新株予約権者が、割当日から本新株予約権の権利行使時において、当社又は当社の子会社の取締役、監査役、執行役、執行役員又は使用人の地位に就いていない期間が生じた場合。ただし、出向、任期満了による退任、定年退職など当社取締役会が正当な理由があると認めた場合はこの限りではない。

2 新株予約権者が禁錮以上の刑に処せられた場合

3 新株予約権者について破産手続開始、民事再生手続開始その他これらに類する手続開始の申立てがあった場合

4 新株予約権者が差押え、仮差押え、仮処分、強制執行若しくは競売の申立てを受け、又は公租公課の滞納処分を受けた場合

5 新株予約権者について、法令又は当社若しくは当社の子会社の社内規程に違反し、又は、当社又は当社の子会社に対する背信行為があった場合

6 新株予約権者について、当社又は当社の子会社に対して、損害又は損害のおそれをもたらした場合

③本新株予約権について1個未満の行使をすることはできない。

④新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

新株予約権の譲渡に関する事項

譲渡による本新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要する。

新株予約権の取得の条件

下記①、②、③、④、⑤又は⑥の議案につき当社株主総会で承認された場合(株主総会の決議が不要の場合は、当社取締役会の決議がなされた場合。)は、当社の取締役会が別途定める日に、当社は無償で本新株予約権の一部又は全部を取得することができる。

①当社が消滅会社となる合併契約承認の議案

②当社が分割会社となる分割契約又は分割計画承認の議案

③当社が完全子会社となる株式交換契約又は株式移転計画承認の議案

④当社が完全子会社となる株式交付計画承認の議案

⑤当社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要することについての定めを設ける定款の変更承認の議案

⑥新株予約権の目的である種類の株式の内容として譲渡による当該種類の株式の取得について当社の承認を要すること又は当該種類の株式について当社が株主総会の決議によってその全部を取得することについての定めを設ける定款の変更承認の議案

上記のほか、「新株予約権の行使の条件」の定めにより本新株予約権の行使ができなくなった場合、当社は無償で当該本新株予約権の一部又は全部を取得することができる。

組織再編成行為に伴う新株予約権の
交付に関する事項

(注)5

端数がある場合の取り扱い

本新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に1株に満たない端数がある場合には、これを切り捨てるものとする。

新株予約権にかかる新株予約権証券に関する事項

当社は、本新株予約権にかかる新株予約権証券を発行しないものとする。

 

(注)1.上記総数は、割当予定数であり、引受けの申込みがなされなかった場合等、割り当てる新株予約権の総数が減少したときは、割り当てる本新株予約権の総数をもって発行する本新株予約権の総数とする。

2.新株予約権の目的である株式の数(以下「付与株式数」という。)は、新株予約権1個当たり100株とする。なお、付与株式数は、本議案の決議の日(以下「決議日」という。)の後、当社が当社普通株式につき、株式分割若しくは株式併合又は当社普通株式の株式無償割当て(以下総称して「株式分割等」という。)を行う場合、次の算式により付与株式数の調整を行い、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。

 調整後付与株式数=調整前付与株式数×株式分割等の比率

当該調整後付与株式数を適用する日については、(注)4の(2)①の規定を準用する。また、決議日以降、当社が合併又は会社分割を行う場合及びその他これらの場合に準じて付与株式数の調整を必要とする場合、当社は、合理的な範囲で付与株式数の調整を行うことができる。なお、決議日以降、当社が、当社普通株式の単元株式数変更(株式分割等を伴う場合を除く。以下、単元株式数変更の記載につき同じ。)を行う場合には、当社は、当該単元株式数変更の効力発生日以降にその発行のための当社取締役会の決議が行われる本新株予約権について、当該単元株式数変更の比率に応じて付与株式数を合理的に調整することができる。

付与株式数の調整を行うときは、当社は調整後付与株式数を適用する日の前日までに、必要な事項を新株予約権原簿に記載された各本新株予約権を保有する者(以下「新株予約権者」という。)に通知又は公告する。ただし、当該適用の日の前日までに通知又は公告を行うことができない場合には、以後速やかに通知又は公告する。

3.各本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、各本新株予約権を行使することにより交付を受けることができる株式1株当たりの払込金額(以下「行使価額」という。)に付与株式数を乗じた金額とする。

行使価額は、新株予約権を割り当てる日(以下「割当日」という。)の属する月の前月の各日(取引が成立しない日を除く。)の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値(以下「終値」という。)の平均値(1円未満の端数は切り上げる。)又は割当日の終値(当日に終値がない場合は、それに先立つ取引日の終値。)のいずれか高い金額とする。ただし、行使価額は(注)4に定める調整に服するものとする。

4.行使価額の調整

(1)割当日後、当社が当社普通株式につき、次の①又は②を行う場合、行使価額をそれぞれ次に定める算式(以下「行使価額調整式」という。)により調整し、調整の結果生じる1円未満の端数は、これを切り上げる。

① 当社が株式分割又は株式併合を行う場合

調整後行使価額=

調整前行使価額×

株式分割・株式併合の比率

 

② 当社が時価を下回る価額で、新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合(会社法第194条の規定(単元未満株主による単元未満株式売渡請求)に基づく自己株式の売渡し、当社普通株式に転換される証券若しくは転換できる証券の転換、又は当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)の行使による場合を除く。)

 

 

調整後行使価額

 

 

=調整前行使価額×

 

新規発行株式数×1株当たり払込金額

既存発行株式数+

1株当たりの時価

既発行株式数+新規発行株式数

 

ⅰ 上記行使価額調整式において使用する「時価」は、調整後行使価額が適用される日に先立つ45取引日目に始まる30取引日(終値のない日を除く。)における上場金融商品取引所(但し、当社普通株式を上場する金融商品取引所が複数の場合は、当該期間における当社普通株式の出来高、値付率等を考慮して最も適切と判断される主たる取引所)における当社普通株式の普通取引の終値(気配表示を含む。以下同じ。)の平均値(円位未満小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで算出。)とする。

ⅱ 上記行使価額調整式において「既発行株式数」とは、基準日がない場合は調整後行使価額を適用する日の1ヶ月前の日、基準日がある場合は基準日における当社普通株式に係る発行済株式総数から当社普通株式に係る自己株式数を控除した数とする。

ⅲ 自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替える。

(2)調整後行使価額を適用する日は、次に定めるところによる。

① 上記(1)①に従い調整を行う場合の調整後行使価額は、株式分割の場合は、当該株式分割の基準日(基準日を定めないときは、その効力発生日)の翌日以降、株式併合の場合は、その効力発生日以降、これを適用する。ただし、剰余金の額を減少して資本金又は準備金を増加する議案が当社株主総会において承認されることを条件として株式分割が行われる場合で、当該株主総会の終結の日以前の日を株式分割のための基準日とする場合は、調整後行使価額は、当該株主総会の終結の日の翌日以降、当該基準日の翌日に遡及してこれを適用する。

なお、上記ただし書に定める場合において、株式分割のための基準日の翌日から当該株主総会の終結の日までに本新株予約権を行使した(当該本新株予約権を行使することにより交付を受けることができる株式の数を、以下「分割前行使株式数」という。)新株予約権者に対しては、交付する当社普通株式の数を次の算式により調整し、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。

新規発行株式数=

(調整前行使価額―調整後行使価額)×分割前行使株式数

調整後行使価額

 

② 上記(1)②に従い調整を行う場合の調整後行使価額は、当該発行又は処分の払込期日(払込期間が設けられたときは、当該払込期間の最終日)の翌日以降(基準日がある場合は当該基準日の翌日以降)、これを適用する。

(3)上記(1)①及び②に定める場合の他、割当日後、他の種類株式の普通株主への無償割当て、他の会社の株式の普通株主への配当を行う場合等、行使価額の調整をすることが適切な場合は、かかる割当て又は配当等の条件等を勘案の上、合理的な範囲で行使価額を調整することができる。

(4)行使価額の調整を行うときは、当社は適用日の前日までに、必要な事項を新株予約権者に通知又は公告する。ただし、当該適用の日の前日までに通知又は公告を行うことができない場合には、以後速やかに通知又は公告するものとする。

5.当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割若しくは新設分割(それぞれ当社が分割会社となる場合に限る。)、又は株式交換若しくは株式移転(それぞれ当社が完全子会社となる場合に限る。)(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日(吸収合併につき吸収合併の効力発生日、新設合併につき新設合併設立会社成立の日、吸収分割につき吸収分割の効力発生日、新設分割につき新設分割設立会社の成立の日、株式交換につき株式交換の効力発生日、及び株式移転につき株式移転設立完全親会社の成立の日をいう。)の直前において残存する本新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の本新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付するものとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めることを条件とする。

(1)交付する再編対象会社の新株予約権の数

新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。

(2)新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類

再編対象会社の普通株式とする。

(3)新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数

組織再編行為の条件等を勘案の上、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」に準じて決定する。

(4)新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

交付される本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、(注)3で定められる行使価額を組織再編行為の条件等を勘案の上、調整して得られる再編後払込金額に上記(3)に従って決定される当該本新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。

(5)新株予約権を行使することができる期間

「新株予約権の行使期間」に定める本新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、「新株予約権の行使期間」に定める本新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。

(6)新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項

新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項」に準じて決定する。

(7)譲渡による新株予約権の取得の制限

譲渡による本新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。

(8)新株予約権の取得条項

新株予約権の取得の条件」に準じて決定する。

(9)新株予約権の行使の条件

新株予約権の行使の条件」に準じて決定する。

 

② 【ライツプランの内容】

 該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
(千円)

資本金残高
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2018年9月25日
(注)1

50

7,694

5,000

330,800

5,000

296,500

2019年8月14日

(注)2

15,380,306

15,388,000

330,800

296,500

2019年10月7日

(注)3

50,000

15,438,000

32,200

363,000

32,200

328,700

2019年11月6日

(注)4

196,200

15,634,200

126,353

489,353

126,353

455,053

2019年10月1日~

2020年9月30日

(注)5

368,000

16,002,200

13,800

503,153

13,800

468,853

2020年10月1日~

2021年9月30日

(注)6

242,000

16,244,200

9,075

512,228

9,075

477,928

2022年1月1日

(注)7

16,244,200

32,488,400

512,228

477,928

2022年1月21日

(注)8

8,200

32,496,600

8,887

521,115

8,887

486,815

2021年10月1日~

2022年9月30日

(注)9

4,000

32,500,600

76

521,191

76

486,891

 

(注) 1.有償第三者割当増資

発行価格     200,000円

資本組入額    100,000円

割当先 HENNGE従業員持株会

   2.株式分割(1:2,000)によるものであります。

   3.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)

発行価格 1,400円

引受価額 1,288円

資本組入額 644円

   4.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)

発行価格     1,288円

資本組入額     644円

割当先 野村證券株式会社

   5.新株予約権の権利行使による増加であります。

   6.新株予約権の権利行使による増加であります。

   7.株式分割(1:2)によるものであります。

   8.譲渡制限付株式報酬としての新株式発行による増加であります。

発行価額    2,167円50銭

資本組入額   1,083円75銭

割当先     当社取締役(社外取締役を含む。) 7名

        当社監査役            3名

   9.新株予約権の権利行使による増加であります。

 

(5) 【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2022年9月30日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

6

30

70

73

82

11,781

12,042

所有株式数
(単元)

29,808

9,708

9,150

26,318

564

249,279

324,827

17,900

所有株式数
の割合(%)

9.18

2.99

2.82

8.10

0.17

76.74

100.0

 

(注)自己株式276株は、「個人その他」に2単元、「単元未満株式の状況」に76株含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2022年9月30日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

小椋 一宏

東京都杉並区

8,226,600

25.31

宮本 和明

東京都世田谷区

4,102,200

12.62

永留 義己

東京都世田谷区

3,733,400

11.49

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

1,386,100

4.26

日本証券金融株式会社

東京都中央区日本橋茅場町1丁目2-10号

716,600

2.20

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8-12

635,400

1.96

株式会社ブイ・シー・エヌ

東京都渋谷区恵比寿西1丁目8-1

600,000

1.85

HENNGE従業員持株会

東京都渋谷区南平台町16-28

365,336

1.12

株式会社SBI証券

東京都港区六本木1丁目6番1号

355,803

1.09

DZ PRIVATBANK S.A.RE INVESTMENTFONDS
(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)

4, RUE THOMAS EDISON, L-1445 LUXEMBOURG-STRASSEN
(東京都千代田区丸の内2丁目7-1)

348,500

1.07

20,469,939

62.97

 

(注)1.2022年6月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、フィデリティ投信株式会社が2022年5月31日現在で、以下の株式を所有している旨が記載されておりますが、当社として2022年9月30日現在における実質保有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」には含めておりません。

なお、当該大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。

氏名又は名称

住所

保有株券等の数(株)

株券等保有割合(%)

フィデリティ投信株式会社

東京都港区六本木七丁目7番7号

2,732,500

8.41

 

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2021年9月30日)

当連結会計年度

(2022年9月30日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

3,392,761

4,053,700

 

 

売掛金

125,905

115,304

 

 

前払費用

216,298

364,479

 

 

その他

2,463

3,313

 

 

流動資産合計

3,737,426

4,536,797

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

162,550

167,989

 

 

 

 

減価償却累計額

33,627

46,812

 

 

 

 

建物(純額)

128,923

121,177

 

 

 

工具、器具及び備品

119,775

131,807

 

 

 

 

減価償却累計額

78,196

92,493

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

41,579

39,313

 

 

 

建設仮勘定

941

386

 

 

 

有形固定資産合計

171,443

160,876

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

1,450

288

 

 

 

無形固定資産合計

1,450

288

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

308,373

258,939

 

 

 

繰延税金資産

24,374

67,981

 

 

 

敷金及び保証金

160,808

161,047

 

 

 

その他

87,344

19,718

 

 

 

投資その他の資産合計

580,898

507,684

 

 

固定資産合計

753,791

668,848

 

資産合計

4,491,217

5,205,645

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2021年9月30日)

当連結会計年度

(2022年9月30日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

24,151

26,874

 

 

未払金

163,049

294,174

 

 

未払法人税等

83,300

73,205

 

 

前受収益

1,929,328

 

 

契約負債

2,307,302

 

 

賞与引当金

197,112

168,565

 

 

その他

151,901

138,764

 

 

流動負債合計

2,548,842

3,008,885

 

固定負債

 

 

 

 

資産除去債務

61,531

61,674

 

 

その他

38,016

43,281

 

 

固定負債合計

99,547

104,955

 

負債合計

2,648,388

3,113,840

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

512,228

521,191

 

 

資本剰余金

477,928

486,891

 

 

利益剰余金

647,371

968,541

 

 

自己株式

432

684

 

 

株主資本合計

1,637,095

1,975,938

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

207,048

112,896

 

 

為替換算調整勘定

1,314

2,972

 

 

その他の包括利益累計額合計

205,734

115,868

 

純資産合計

1,842,829

2,091,805

負債純資産合計

4,491,217

5,205,645

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2020年10月1日

 至 2021年9月30日)

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

 至 2022年9月30日)

売上高

4,844,887

※1 5,646,198

売上原価

821,701

874,476

売上総利益

4,023,187

4,771,722

販売費及び一般管理費

※2,※3 3,643,087

※2,※3 4,309,421

営業利益

380,100

462,301

営業外収益

 

 

 

受取利息

37

47

 

受取配当金

6

 

投資有価証券売却益

152

 

為替差益

577

 

助成金収入

2,500

 

その他

31

45

 

営業外収益合計

3,303

92

営業外費用

 

 

 

為替差損

6,515

 

投資事業組合運用損

3,729

 

営業外費用合計

10,244

経常利益

383,403

452,149

特別損失

 

 

 

投資有価証券評価損

27,200

 

特別損失合計

27,200

税金等調整前当期純利益

356,203

452,149

法人税、住民税及び事業税

150,435

133,034

法人税等調整額

18,067

2,054

法人税等合計

132,368

130,980

当期純利益

223,835

321,169

親会社株主に帰属する当期純利益

223,835

321,169

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年9月30日)

当事業年度

(2022年9月30日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

3,350,576

3,998,983

 

 

売掛金

117,613

110,521

 

 

前払費用

216,015

364,148

 

 

その他

22,101

23,206

 

 

流動資産合計

3,706,305

4,496,858

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

128,923

121,177

 

 

 

工具、器具及び備品

41,579

39,313

 

 

 

建設仮勘定

941

386

 

 

 

有形固定資産合計

171,443

160,876

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

1,450

288

 

 

 

無形固定資産合計

1,450

288

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

308,373

258,939

 

 

 

関係会社株式

81,591

112,699

 

 

 

長期前払費用

83,412

15,134

 

 

 

敷金及び保証金

159,568

159,600

 

 

 

繰延税金資産

24,374

67,981

 

 

 

その他

3,932

4,584

 

 

 

投資その他の資産合計

661,249

618,936

 

 

固定資産合計

834,142

780,100

 

資産合計

4,540,447

5,276,958

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年9月30日)

当事業年度

(2022年9月30日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

24,151

26,874

 

 

未払金

166,237

299,066

 

 

未払費用

86,241

52,550

 

 

未払法人税等

83,127

73,064

 

 

前受収益

1,920,552

 

 

契約負債

2,295,255

 

 

預り金

5,663

6,268

 

 

賞与引当金

194,644

166,492

 

 

その他

61,340

79,946

 

 

流動負債合計

2,541,955

2,999,515

 

固定負債

 

 

 

 

資産除去債務

61,531

61,674

 

 

その他

34,825

41,480

 

 

固定負債合計

96,356

103,153

 

負債合計

2,638,311

3,102,669

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

512,228

521,191

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

477,928

486,891

 

 

 

資本剰余金合計

477,928

486,891

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

705,364

1,053,996

 

 

 

利益剰余金合計

705,364

1,053,996

 

 

自己株式

432

684

 

 

株主資本合計

1,695,087

2,061,394

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

207,048

112,896

 

 

評価・換算差額等合計

207,048

112,896

 

純資産合計

1,902,136

2,174,289

負債純資産合計

4,540,447

5,276,958

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2020年10月1日

 至 2021年9月30日)

当事業年度

(自 2021年10月1日

 至 2022年9月30日)

売上高

4,831,645

5,629,516

売上原価

821,701

874,476

売上総利益

4,009,944

4,755,039

販売費及び一般管理費

※1 3,600,884

※1 4,268,790

営業利益

409,060

486,250

営業外収益

 

 

 

受取利息

19

21

 

受取配当金

6

 

投資有価証券売却益

152

 

助成金収入

2,500

 

業務受託料

5,273

4,939

 

その他

227

45

 

営業外収益合計

8,177

5,005

営業外費用

 

 

 

為替差損

7,913

 

投資事業組合運用損

3,729

 

営業外費用合計

11,643

経常利益

417,237

479,612

特別損失

 

 

 

投資有価証券評価損

27,200

 

特別損失合計

27,200

税引前当期純利益

390,037

479,612

法人税、住民税及び事業税

150,435

133,034

法人税等調整額

18,067

2,054

法人税等合計

132,368

130,980

当期純利益

257,669

348,633