恵和株式会社
中央区日本橋茅場町2-10-5
証券コード:42510
業界:化学
有価証券報告書の提出日:2023年3月28日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第72期

第73期

第74期

第75期

第76期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

売上高

(千円)

15,758,666

15,823,348

14,735,937

18,130,734

21,102,765

経常利益

(千円)

741,855

945,151

996,406

3,467,649

6,202,415

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

451,768

692,338

740,819

2,569,629

4,860,906

包括利益

(千円)

294,992

667,653

726,590

2,724,515

4,986,962

純資産額

(千円)

3,057,883

4,999,129

7,213,776

14,146,463

18,907,551

総資産額

(千円)

13,999,374

15,260,991

17,655,074

28,771,385

29,332,857

1株当たり純資産額

(円)

258.26

323.88

409.86

735.60

981.86

1株当たり当期純利益

(円)

38.15

54.77

46.70

144.79

252.46

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

54.15

45.69

144.63

自己資本比率

(%)

21.8

32.8

40.9

49.2

64.5

自己資本利益率

(%)

15.5

17.2

12.1

24.1

29.4

株価収益率

(倍)

18.6

22.8

20.8

6.1

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

2,055,183

1,733,014

1,224,969

2,176,259

6,760,381

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

397,536

1,046,838

1,679,202

2,274,465

4,004,954

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

1,506,721

278,391

1,593,047

4,951,048

1,680,114

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

1,650,955

2,646,637

3,832,806

8,902,570

9,994,559

従業員数
〔ほか、平均臨時
雇用人員〕

(名)

386

98

388

84

415

67

430

51

436

45

 

(注) 1.当社は、2023年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第72期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、「1株当たり純資産額」、「1株当たり当期純利益」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」を算定しております。

2.第72期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。また、第76期における潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3.第72期の株価収益率については、当社株式が非上場であったため記載しておりません。

4.収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第76期の期首から適用しており、第76期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第72期

第73期

第74期

第75期

第76期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

売上高

(千円)

14,777,751

14,950,237

14,120,343

16,859,532

18,674,008

経常利益

(千円)

630,820

686,986

733,453

2,990,105

4,898,735

当期純利益

(千円)

361,244

525,535

563,461

2,285,915

3,995,663

資本金

(千円)

266,400

906,499

1,700,880

3,864,402

3,871,768

発行済株式総数

(株)

5,920,000

7,717,400

8,800,500

9,615,835

9,628,714

純資産額

(千円)

2,979,750

4,783,454

6,807,093

13,283,817

17,089,832

総資産額

(千円)

13,706,793

14,899,598

17,119,210

27,410,970

26,935,827

1株当たり純資産額

(円)

251.66

309.91

386.75

690.74

887.47

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

1.00

()

13.00

(-)

13.50

()

25.00

()

75.00

()

1株当たり当期純利益

(円)

30.51

41.57

35.52

128.81

207.52

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

41.10

34.75

128.66

自己資本比率

(%)

21.7

32.1

39.8

48.5

63.4

自己資本利益率

(%)

12.7

13.5

9.7

22.8

26.3

株価収益率

(倍)

24.5

29.9

23.4

7.5

配当性向

(%)

1.6

15.6

19.0

9.7

18.0

従業員数
〔ほか、平均臨時
雇用人員〕

(名)

269

97

275

83

298

66

304

50

310

44

株主総利回り

(%)

105.7

298.6

158.7

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(-)

(-)

(107.4)

(121.1)

(118.1)

最高株価

(円)

2,057

2,967

6,740

6,300

(3,150)

最低株価

(円)

791

890

1,826

2,965

(1,482)

 

(注) 1.当社は、2023年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第72期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、「1株当たり純資産額」、「1株当たり当期純利益」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」を算定しております。

2.第72期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。また、第76期における潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3.第72期の株価収益率については、当社株式が非上場であったため記載しておりません。

4.第72期及び第73期の株主総利回り及び比較指標については、2019年10月30日に東京証券取引所市場第二部に上場したため、記載しておりません。第74期以降の株主総利回り及び比較指標は、2019年12月末を基準として算定しております。

5.第73期の1株当たり配当額13円には、上場記念配当3円を含んでおり、第74期の1株当たり配当額13.5円には、東証一部上場記念配当3.5円を含んでおります。また、第75期の1株当たり配当額25円には、特別配当15円を含んでおり、第76期の1株当たり配当額75円には、特別配当25円及び淡路ベース操業記念配当25円を含んでおります

6.最高株価及び最低株価は、2020年12月16日までは東京証券取引所(市場第二部)、2020年12月17日以降2022年4月3日までは東京証券取引所(市場第一部)、2022年4月4日以降は東京証券取引所(プライム市場)におけるものであります。ただし、当社株式は、2019年10月30日から東京証券取引所(市場第二部)に上場しており、それ以前の株価については該当事項がありません。

7.当社は、2023年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っており、第76期の最高株価及び最低株価の( )内は、株式分割による権利落後の最高・最低株価を示しております。

8.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第76期の期首から適用しており、第76期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

2 【沿革】

 

年月

概要

1948年9月

神戸市生田区に米国製ターポリン紙等統制外物資の販売を目的として恵和商工株式会社(資本金30万円)を設立

1949年4月

大阪市北区に第1工場建設

しわ付防水加工機を設置し、しわ付防水紙の生産開始

1951年9月

大阪市北区に第2工場を建設

ターポリン製造機を設置し、国内初ターポリン紙の生産開始

1955年2月

大阪市東淀川区に第3工場を建設
ターポリン紙とポリプルーフ紙の本格製造を開始

1956年10月

大阪市北区に本社を移転

1959年10月

「ポリプルーフ紙」の特許取得(当社初の特許取得)

1963年7月

第3工場にラミネーターを設置し、ポリエチレンラミネート紙の生産開始

1966年4月

東京都港区に東京営業所を開設

1967年3月

滋賀県東近江市に滋賀工場建設(現・滋賀アドバンストテクノセンター(SATC))

シリコンコーターを設置し、コーティング製品(剥離紙及び粘着加工紙)の生産開始

1968年3月

北九州市小倉区に小倉工場建設(SATC K-Site)

広幅のラミネーターを設置し、押出ラミネーティング製品の生産開始

1970年3月

千葉県八千代市に千葉工場建設(SATC T-Site)

ラミネーターを設置し、押出ラミネーティング製品の生産開始

1973年12月

大阪市東淀川区に本社を移転

1980年2月

資本金1億5,000万円に増資

1985年9月

東京都江戸川区にアタックマーケティングセンターを開設

東京営業所を東京支店に名称変更

1992年4月

光拡散シート「オパルス」の製造及び日本液晶メーカー各社へ販売開始

1993年9月

和歌山県日高郡にアタックテクノセンターⅠ建設(現・和歌山テクノセンターⅠ(WTCⅠ)

シート成形機、コーターを設置し、クリーンルームで「オパルス」の本格生産開始

1994年3月

東京支店とアタックマーケティングセンターを東京都中央区に移転

1996年4月

環境に配慮したリサイクル防湿紙「トケバリア」の開発開始

1997年4月

「オパルス」の特許取得

1998年3月

アタックテクノセンターⅠ(現・和歌山テクノセンターⅠ(WTCⅠ))において「オパルス」製造工程の「ISO9001」認証取得

1998年4月

東京支店を東京本社に改め、2本社体制に移行

1999年4月

恵和商工株式会社から恵和株式会社に商号変更

1999年4月

資本金2億円に増資

 

 

 

 

年月

概要

2001年10月

台湾台北市に台湾恵和股份有限公司を設立(現・連結子会社)

2001年11月

資本金2億3,000万円に増資

2002年8月

高機能光学フィルム「オプコン」が主要取引先で採用

2003年4月

中国江蘇省蘇州市に蘇州駐在事務所(現・惠和光電材料(南京)有限公司蘇州事務所)を開設

2004年10月

和歌山県日高郡にアタックテクノセンターⅡ建設(現・和歌山テクノセンターⅡ)

2005年3月

アタックテクノセンターⅠ(現・和歌山テクノセンターⅠ)において光拡散シート・高機能光学フィルムの開発及び製造、光学シートの製造に係る「ISO14001」認証取得

2006年6月

中国江蘇省南京市に惠和光電材料(南京)有限公司を設立(現・連結子会社)

2006年8月

中国広東省深圳市に惠和光電材料(南京)有限公司深圳事務所を開設

2007年4月

太陽電池モジュール用バックシート「アプリソーラ」の販売開始

2007年6月

韓国ソウル特別市にソウル恵和光電株式会社を設立(現・連結子会社)

2008年9月

滋賀工場(現・滋賀アドバンストテクノセンター(SATC))において太陽電池用バックシートの設計・開発及び製造に係る「ISO9001」認証取得

2009年1月

滋賀工場(現・滋賀アドバンストテクノセンター(SATC))においてフィルム・紙のコーティング製品の設計・開発及び製造に係る「ISO14001」認証取得

2009年5月

和歌山県御坊市にアタックテクノセンターⅢ建設(現・和歌山テクノセンターⅢ)

2010年7月

中国浙江省寧波市に惠和光電材料(南京)有限公司寧波事務所を開設

2011年3月

資本金2億6,640万円に増資

2012年6月

惠和光電材料(南京)有限公司深圳事務所を中国広東省東莞市に移転、惠和光電材料(南京)有限公司東莞事務所を開設

2013年2月

米国カリフォルニア州にOpellence Solutions(現・KEIWA Incorporated USA)を設立(現・連結子会社)

2015年6月

中国北京市に惠和光電材料(南京)有限公司北京事務所を開設

2016年4月

東京都中央区(現本店所在地)に本社を移転

2016年8月

大阪市中央区へ大阪本社を移転

2019年10月

東京証券取引所市場第二部へ上場

2019年12月

資本金9億649万円に増資

2020年1月

京都府相楽郡にValue Creation Center(VCC)を開設

2020年12月

東京証券取引所市場第一部へ上場(市場変更)

2020年12月

資本金17億88万円に増資

2021年12月

資本金38億6,440万円に増資

2022年4月

東京証券取引所プライム市場へ上場(市場変更)

2022年10月

兵庫県淡路市に地球の絆創膏本部淡路ベースを建設

 

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、お客様のミッション達成に貢献する高機能フィルムメーカーです。コア技術であるSheeting(製膜)、Laminating(積層)、Coating(塗布)に、Ultra Precision(高精度な先端技術やお客様対応)を加えることで、顧客ニーズに合わせた先端機能フィルムとソリューションを提供しています。

当社グループは当社及び連結子会社4社で構成され、光拡散フィルム、高機能光学フィルムの開発、製造、販売を行う「光学シート事業」、包装資材、工程紙・建材、クリーンエネルギー資材、農業資材等の開発、製造、販売を行う「生活・環境イノベーション事業」、建物の屋根や各種構造物の保護・延命シートの開発、製造、販売を行う「地球の絆創膏事業」の3つの事業に関する製品の開発・製造・販売を行っております。

当社グループは、従来、報告セグメントの事業区分を「光学シート事業」及び「機能製品事業」の2事業区分に分類しておりましたが、第2四半期連結会計期間より、「機能製品事業」については、複数の事業部が集まり多岐にわたる製品の製造及び販売を担っていることを明確に表示するため、報告セグメントの名称を「機能製品、他」に変更いたしました。また、当社グループが重要な新事業と位置付けている、屋根やコンクリート建造物の保護シート「KYŌZIN®」の開発・製造拠点として、2022年10月14日「地球の絆創膏本部淡路ベース」が操業を開始し、これらの事業を担う「地球の絆創膏本部」に対しては、将来にわたり重点的な経営資源の配分を行い、業績評価のモニタリングを実施していくことから、「機能製品、他」から分離・独立し、「地球の絆創膏事業」セグメントを新設いたしております。なお、その他の「機能製品、他」に属する製品及びサービスについては、セグメントの事業目的をより明確化するために、「生活・環境イノベーション事業」に名称変更を行っております。

当社グループの事業における報告セグメントの概要及び位置付けは、次のとおりであります。

なお、以下に示す区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。

 

事業セグメント

製品カテゴリ

主要製品

最終製品(例)

光学シート事業

光拡散フィルム

光拡散フィルム

複合拡散板

パソコンのモニター、タブレット、スマートフォン等の液晶ディスプレイ

高機能光学フィルム

偏光制御フィルム等

パソコンのモニター、タブレット、スマートフォン、車載ディスプレイ、デジタルサイネージ等の高精度・高機能液晶ディスプレイ

生活・環境イノベーション事業

包装資材

防錆包装紙

防湿包装紙

自動車用外装鉄網コイル、亜鉛メッキ銅板、アルミ合金等の金属製品の包装紙等

工程紙・建材

工程紙

建材

自動車のシート、コート・スーツ・ジャケット等の衣料品、靴・手袋等の合成レザー製品、発泡ウレタン、室内の壁材、ドア材、クッションフロア(床材)

クリーンエネルギー資材

次世代電池用特殊フィルム

太陽電池用バックシート

燃料電池車、ハイブリッド車、EV、太陽電池モジュール、住宅用・産業用発電システム等

農業資材等

ビニールハウス用の雨樋シート、裾部止水シート

農業用ビニールハウス等

地球の絆創膏事業

建築・土木構造物の保護・延命シート

屋根保護シート、コンクリート構造物保護シート、シーリング剤

住宅・工場などの屋根、コンクリート構造物(橋脚、高欄)等

 

 

当社及び当社の関係会社の事業内容、位置付け及び報告セグメントとの関連

会社名

所在地

事業内容

報告セグメント

との関連

恵和株式会社(当社)

日本

和歌山3工場を含む国内5工場において、当社製品を製造し、顧客へ販売を行っております。海外顧客に対しては主に当社子会社を通じて販売を行っております。

光学シート事業

生活・環境イノベーション事業

地球の絆創膏事業

惠和光電材料(南京)有限公司

中国

主に中国のディスプレイ関連メーカー向けに当社製品の販売活動及び先端の開発情報の収集を行っております。一部当社製品を仕上加工し、販売も行っております。

光学シート事業

台湾恵和股份有限公司

台湾

主に台湾のディスプレイ関連メーカー向けに当社製品の販売活動を行っております。

光学シート事業

ソウル恵和光電株式会社

韓国

主に韓国のディスプレイ関連メーカー向けに当社製品の販売活動及び先端の開発情報の収集を行っております。

光学シート事業

KEIWA Incorporated USA

米国

各種展示会や学会発表を通じて米国のディスプレイ業界、その他当社グループに関連する業界のトレンド情報の収集と、北米顧客への販売活動及び先端の開発情報の収集を行っております。

光学シート事業

 

 

(1) 光学シート事業

光学シート事業は、当社のCoating技術、Sheeting技術を活用し、ノートPC、タブレット、車載ディスプレイ、スマートフォン等の液晶ディスプレイに利用される光拡散フィルム、複合拡散板、偏光制御フィルム等の光学シート部材の開発・製造・販売を行っております。

主要製品となる光拡散フィルム「オパルス®」は、液晶ディスプレイの光源であるバックライトユニット構成部材の1つであり、光のムラをなくし、光を均一に拡散させる機能を有するプラスチックフィルムであります。また、少ない光源で全体を明るくするため省電力の役割も担っています。

また前連結会計年度からは、従来型の“エッジライト型液晶ディスプレイ”に比べて画質が飛躍的に向上し、タブレット、ノートパソコン向け中型液晶ディスプレイとして採用拡大が見込まれる“直下型ミニLED液晶ディスプレイ”に最適な複合拡散板「オパスキ」の本格販売を開始しております。

それ以外にも、当社グループのSheeting技術を活用して、様々な特性を有する樹脂を複合的に組み合わせた高機能光学フィルムを製造しております。ニーズに応じた機能(高硬度、耐擦傷性、光学性能、耐熱性、防汚性、反射防止等)を付加する事が可能です。

光拡散フィルムと比べて、より高精度化、高機能化が要求される各種センサー用途、次世代自動車の車載ディスプレイ等の分野での活用が期待されております。

 

(2) 生活・環境イノベーション事業

生活・環境イノベーション事業は、当社創業時より長年培ってきた事業であり、安定的に収益を生み出す当社グループの根幹の1つを担う事業として続けて参りましたが、コモディティ化が進行して当社の技術的な優位性が差別化につなげられず価格競争に陥ってしまうものもあったことから、最終用途の市場成長性や収益性の見通しなどに基いて一部の製品郡において戦略的な絞り込みを行い、より高い成長や収益が期待できる分野への経営資源の集中に取り組んでおります。

当事業では、紙、フィルム等にコーティングやラミネーティング加工をする他、自社でシート成形したフィルムを貼り合せる等により、特定の機能(防錆性・防湿性・耐熱性・耐久性・耐候性・剝離性等)を付加した包装資材、工程紙・建材、クリーンエネルギー資材、農業資材等の製造・販売を行っております。

包装資材は、冷延鋼鈑等の金属製品を湿気から保護し、さらに錆の発生を防ぐ機能を持った防錆紙等、製造工程で必要不可欠な包装材料であります。

工程紙・建材は、工程紙と建材で構成され、工程紙は合成皮革、ウレタンフォーム・ウレタンフィルム等の製品を製造する過程において、製品の支持体になると同時に、表面に形状(凹凸模様等の型押し)を与える機能を持った産業資材であり、その用途(最終商品)は多岐に渡ります。建材は、室内の壁材、ドア材、床材等、主に内装用建築資材の構成部材となる製品、またはその製造工程で必要となる機能を付与する製品であります。

クリーンエネルギー資材は、燃料電池車やハイブリッド車、EVなどのクリーンエネルギー車の燃料電池や二次電池に使用される特殊な高機能フィルムや、太陽電池の内部を保護するバックシートであります。

農業資材は、農業用ハウスの日照を確保できる雨樋シートや、害虫や汚染水等の侵入を防ぐ止水シート等であります。

また、冒頭に説明したように、製品ポートフォリオの入替により事業全体の成長性や収益性を高めるべく、医療・衛生分野を中心に、高性能な特殊フィルム製品の市場・製品開発にも注力しております。

 

(3) 地球の絆創膏事業

地球の絆創膏事業は、様々な構造物に絆創膏のように貼ることで長期間保護することができる画期的な保護シート「KYŌZIN」の開発・製造・販売を行っております。

当連結会計年度に量産販売を開始するとともに、開発・製造拠点である「地球の絆創膏本部淡路ベース」を新設するなど、重要な新事業であり、将来にわたり重点的な経営資源の配分を行っていくという位置づけが明確になったことから、機能製品事業(現 生活・環境イノベーション事業)から分離しました。

「KYŌZIN」は他の工法に比べて、工期が短縮できる、さまざまな種類の屋根材に施工できる、メンテナンスが長期間不要でありライフサイクルコストが低い、軽量であるため建物への負担が少ない、遮熱性の向上による建物の空調効率の向上が可能である、といった特徴があり、屋根補修用途の「KYŌZIN Re-Roof」、土木構造物用途の「KYŌZIN」、施工の際に使用するシーリング剤「KYŌZIN CENTURY」などがあります。

 

これらの技術の概要と各技術の特徴は以下のとおりであります。

シーティング技術

(Sheeting)

 樹脂からプラスチックシートを作るシート成形技術であります。

当社の押出シート成形技術は、原料の合成樹脂を、エクストルーダー(押出機)で加熱溶融しながら押し出し、シート成形する技術であり、これにより様々な特性を有する樹脂を複合的に組み合わせて多機能シートを成形することが可能であります。また、当社にてシート成形した独自の基材にラミネーティング技術やコーティング技術を組み合わせ、更なる高精度・多機能化が可能となります。

ラミネーティング技術

(Laminating)

 プラスチックフィルム、紙、合成樹脂等を積層する技術であります。

当社のラミネーティング技術は、加熱溶融させた合成樹脂を基材に直接塗布・接着する押出ラミネートと、複数の基材を接着剤で貼るドライラミネートを主な技法としております。異種の材料を積層することによって、各々の材料の長所を生かし、短所を補うことにより、防湿性・剥離性・耐久性等の様々な機能を付与することが可能となります。

コーティング技術

(Coating)

 シート状の基材にコート剤を塗布する技術であります。

基材の表面に、特殊なコート剤を塗布して乾燥させ、層を創ることで機能を付与する技術であり、コート剤の性状等により、最適なコーティング方式を選択します。これにより基材に高い硬度や耐擦傷性、光学性能、耐紫外線性、防汚性、印刷適性等の様々な機能を付与することが可能となります。

ウルトラプレシジョン技術

(Ultra-precision)

紙やフィルム等の基材を極めて精細に加工する技術であります。
繊細な高機能フィルムに、印刷等の加工を施すことで、より付加価値の高い製品を提供することが可能となります。

 

 

 

 

[事業系統図]

当社グループの事業系統図は以下のとおりです。

 

光学シート事業


 

生活・環境イノベーション事業


 

地球の絆創膏事業


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は

出資金

主要な事業

の内容

議決権の所有(又は被所有)割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

千人民元

 

 

 

惠和光電材料(南京)有限公司

(注)2、4

中国

江蘇省南京市

44,389

光学シート事業

100.0

当社製品の仕上加工をしている他、同製品の中国での販売に協力している。

役員の兼任あり。

 

 

千台湾ドル

 

 

 

台湾恵和股份有限公司

台湾

台北市

5,000

光学シート事業

100.0

当社製品の台湾での販売に協力している。

役員の兼任あり。

 

 

百万ウォン

 

 

 

ソウル恵和光電株式会社

韓国

ソウル特別市

200

光学シート事業

100.0

当社製品の韓国での販売に協力している。
役員の兼任あり。

 

 

千米ドル

 

 

 

KEIWA Incorporated USA

米国

カリフォルニア州

60

光学シート事業

100.0

マーケット情報を収集している他、当社製品の北米での販売に協力している。
役員の兼任あり。

 

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

     2.特定子会社であります。

     3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

   4. 惠和光電材料(南京)有限公司については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

     主要な損益情報等 ① 売上高                    9,627,354 千円

                           ② 経常利益                   1,314,982   〃

                           ③ 当期純利益                     984,001   〃

                           ④ 純資産額                     3,019,932   〃

                           ⑤ 総資産額                     5,733,403   〃

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

 

2022年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

光学シート事業

297

(21)

生活・環境イノベーション事業

43

(13)

地球の絆創膏事業

20

(0)

全社(共通)

76

(11)

合計

436

(45)

 

(注) 1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の期末雇用人員であります。

3.臨時従業員には、パートタイマー、契約社員及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

4.全社(共通)は、財務、人事総務、情報システム等の管理部門及び内部監査室、研究開発部門の従業員であります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2022年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

310

40.5

13.7

6,266

(44)

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

光学シート事業

171

(20)

生活・環境イノベーション事業

43

(13)

地球の絆創膏事業

20

(0)

全社(共通)

76

(11)

合計

310

(44)

 

(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の期末雇用人員であります。

3.臨時従業員には、パートタイマー、契約社員及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5.全社(共通)は、財務、人事総務、情報システム等の管理部門及び内部監査室、研究開発部門の従業員であります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

(1) 会社経営の基本方針

 a) 経営理念

 当社並びに海外に展開しているグループ子会社は“自然と産業の調和を創造する”という経営理念のもと、人と自然にやさしい製品やサービスの提供を通じて、社会に貢献してまいります。

 「自然に感謝し、自然と産業とが矛盾しない存在にする」それを実現する製品・技術・サービスの提供が恵和の存在意義であります。

b) 経営ビジョン
  当社は、これまで事業を通じて実践し、そしてこれからも変わらず掲げていく“あるべき姿”をより明確に示すために経営ビジョンを刷新し、「自然と社会の共通価値を『高品質の提供』を通じて実現するCSVグループを目指す」といたしました。

 なお“CSV”とは、企業活動を通じて社会的価値と経済的価値を同時に満足する“共有価値”を創造するという“Creating Shared Value”の略称であり、当社の価値観と合致することから経営ビジョンに取り入れました。今後さまざまな機会を通じて社内外に発信してまいります。

c) バリュー(行動規範)

① 社会貢献・自然貢献

 経営の透明化を図り、健全な経営を実現し、自然と社会に貢献します。

② イノベーション

 新たな価値を創造し、提供し続けることが私達の信条です。

③ 顧客からの信頼

 現在と将来の顧客への信頼を得るために行動します。

④ 品質は競争力

 顧客に選ばれるために高品質を追求します。

⑤ 社員の幸福と自己啓発

 社員とその関係者の健康と幸福を願い、多様性と向上心を尊重します。

⑥ ステークホルダーの満足

 安定的な成長を実現し、適正な利益を確保します。

d) コアコンピタンス

 当社グループのコアコンピタンスは次のとおりであります。

① Ultra-precision Marketing

 当社及び各国子会社のマーケターやエンジニアがブランドメーカーから部材メーカーに至るまで顧客と直接対面する事で精緻な情報収集を行っております。また、需要地の中国に品質保証センターを設置し、現地での迅速なアフターサービスを実現しております。

 ② コア技術SLC×UP

 3つのコア技術(S:シーティング技術、L:ラミネ―ティング技術、C:コーティング技術)と、高精度な先端技術及び高精度な顧客対応(UP:ウルトラプレシジョン)によって、顧客ニーズを具現化した高付加価値製品の提供が可能であります。

③ All Keiwa Innovation活動

 AKI活動は、安全・健全・イノベーションをキーワードにした全従業員が参加する活動です。顧客ミッションを貫くことにより、単なる改善活動ではなく継続的にイノベーションを生む成果を上げており、当社の企業文化と言えます。当社グループの事業の継続的な発展を実現するためには、グローバル市場で活躍ができる人材の育成が重要な課題である中、社員のモチベーションやCSV志向のさらなる向上にも繋がるものであります。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業本来の収益力を客観的に評価できることから、営業利益を重要な指標と位置づけております。高付加価値製品の販売に集中し、省力化や歩留の改善を更に進めることにより、営業利益を向上させることを目指しております。

 

(3) 中長期的な成長戦略

① IoTやAIの活用、次世代通信規格の実用化等の技術革新が進むエレクトロニクス市場において、光拡散フィルムや複合拡散板を主力製品として、ブランド力と高品質を活かした高機能光学フィルム等の製品を販売いたします。

② 世界的な環境問題への関心の高まりを背景に、普及が進むとみられる環境適合車等の新エネルギー関連の市場に対し、コア技術を総合的に活用し顧客ニーズに的確かつ迅速に対応することにより、新規事業の創出を行ってまいります。

③ 我が国の労働人口の減少及び就労者の高齢化を背景に、インフラ用構造物の施工簡素化や高耐久化に役立つフィルムやシートの提供を行ってまいります。

④ 国内外の有力顧客に対する競争優位性を引き続き維持向上させるために、顧客ニーズに沿った設計から配送までの改善を進めてまいります。

⑤ グローバルな事業展開に沿った、必要な人材の確保・育成に努めてまいります。

 

(4) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済・社会活動の制限が徐々に緩和されつつあるものの、中国における都市封鎖や、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に伴う世界的な経済成長率の鈍化、物価上昇に伴う原燃料価格の高騰に加えて、急激な円安の進行やその後の円高への揺り戻しなど、先行きの不透明な状況が続きました。

このような経済状況におきまして、当社グループは、スマートフォンやノートPCの市場低迷があったものの、上位機種のノートPCやタブレット用を中心とする光学製品やクリーンエネルギー関連製品などの高付加価値製品の販売促進活動を世界各地の拠点で強化するとともに、生産性の向上と新規事業に対する研究開発に努めました。

当社グループは、売上高の多くを輸出により得ている関係上、グローバル経済の状況が当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響を与えます。特に為替相場の変動、大きなマーケットとなった中国の国内経済の動向、海外競合メーカーへの対応等多くの課題が存在します。

このような環境に対して、当社グループは、高品質・高性能製品の販売を強化することで、利益志向の経営を行ってまいります。また、強みを生かせる領域に資源を集中しつつ、生産コストの低減に努め、急激な為替変動リスクに対応して確実な利益確保に注力してまいります。

① CSV及び経営基盤の強化

当社グループでは、経営理念に基づき「資源を無駄にしない、エネルギーを有効活用する」といった社会の役に立つ製品の提供を続けてまいりました。これからも、この理念を追求し社会が抱える課題に対して積極的に向き合い、地球と未来社会に貢献してまいります。同時に、安全推進チームの事故ゼロ活動による安全の追求、厳格な品質管理体制による製品の安全性、地球環境の保護に取り組んでまいります。また、情報インフラの整備によるグループ連携の強化やセキュリティの高度化に取り組みます。これらの経営基盤の強化により事業の継続的な発展を推進します。

② グローバルニッチ市場に高付加価値製品を提供

ブランドメーカーから部材メーカーに至るまで顧客と直接対面して精緻な情報を得るウルトラプレシジョンマーケティングと、高性能・高品質な製品を高精度で提供するウルトラプレシジョン生産を戦略の骨子とし、顧客ニーズに適合した高付加価値製品を提供します。グローバルニッチ市場をターゲットに、強みを生かせる領域に集中しつつ確実な利益志向の経営を行ってまいります。

③ コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの強化

当社グループは、企業価値の最大化を図るためには、経営の健全性、透明性及び客観性を高めることが必要と考えており、重要な経営課題として、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの強化に取り組んでおります。当社では、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会等の設置を行っており、海外グループ会社を含めて全社を挙げて強化を進めております。

④ 人材の確保と育成

東京証券取引所プライム市場上場による社会的信用力の増大と知名度の向上により、これまで以上に研究開発職・グローバル人材の確保に重点を置いた採用活動を行ってまいります。また仕事を通して成長を実感できるAKI活動や大学院等の外部機関と連携した社外研修の提供により従業員の成長意欲に応えられるような人材育成に取り組んでまいります。人材の高度化と同時にIT化・自動化を加速し省力化による生産性向上を目指します。

 

 

なお、事業セグメント別には以下のとおり対応してまいります。

 

(光学シート事業)

ノートPCやタブレットに加えて、市場の拡大が見込まれる車載ディスプレイやVR機器、高性能モニター用途などへの選択的集中マーケティングを継続いたします。特に、高い技術力が要求される高付加価値ゾーンをターゲットとして、直下型ミニLED液晶ディスプレイ向けの複合拡散板「オパスキ®」や、VR機器に使用される特殊な光学シートなど、高品質・高性能な製品を高精度で開発・製造し、従来型の液晶ディスプレイ向け拡散フィルムに限らず、様々な用途でシェアを向上させることで収益性向上を実現いたします。また、製造工程の自動化・省人化などを含めた生産体制の拡充を推進いたします。

 

(生活・環境イノベーション事業)

従来からの防錆紙、建材、工程紙、農業資材等の安定事業については、引き続き収益性の向上に努めてまいります。加えて、精密加工技術により差別化が可能であり、今後伸長が見込まれるクリーンエネルギー自動車や、医療・衛生分野向けの高品質・高機能な特殊フィルムの開発及び販売拡大を図り、高付加価値製品の構成比率を高めてまいります。

 

(地球の絆創膏事業)

当連結会計年度に引き続き、積極的な各種展示会への出展やセミナーの開催を継続し、さらなる認知度の向上と販売の拡大を目指します。また、「KYŌZIN Re-Roof®」が他の工法に比べて有する、短い工期で簡便に補修できること、メンテナンスが長期間不要でありライフサイクルコストが低いこと、軽量であるため建物への負担が少なく建物自体が長持ちすることなどの優位性に加えて、遮熱性の向上による建物の空調効率の向上や施工現場で発生する廃棄物の削減などにより、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現にも貢献できることを、当社が提供する価値としてより一層訴求してまいります。

屋根や土木インフラの補修における画期的な工法である「KYŌZIN Re-Roof®」がデファクトスタンダードとなることを目指し、「淡路ベース」においては、今後の需要増加に対応する供給能力を確保します。さらに製品力を向上させ、新しい価値を提供するための開発を進めるとともに、海外市場への進出を視野に入れたマーケティング活動を開始いたします。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業活動に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは本株式への投資に関連するリスクを完全に網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。

 

(1) 販売価格の変動

当社グループの主要取引先であります液晶ディスプレイ業界は熾烈な価格競争をグローバルに展開しており、当社グループも市場価格への対応を図ってまいりますが、さらなる販売価格の低下が継続する場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社では高付加価値セグメントに集中することにより差別化を図っておりますが、競合による低価格政策により価格競争に晒される場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2) 原材料等価格の変動

当社グループの光学事業において使用される主要原材料は樹脂・フィルムといった各種のプラスチック製品であり、これらの原材料の価格は原油・ナフサなどの国際商品市況の影響を受けるものであります。当社グループでは、国内外に複数の原材料の調達先を確保し、市況動向に応じて国内と海外の発注比率を調整する等価格変動のリスクヘッジを行っておりますが、今後価格上昇による影響を販売価格への転嫁で吸収できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替相場の変動

当社グループは、海外からの外貨建てによる資材の調達、海外への外貨建ての販売を行っており、為替相場の変動によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 有利子負債比率と金利変動

当社グループでは、設備投資等の必要資金を金融機関からの借入れにより調達しており、2021年12月期末における有利子負債比率(連結)は42.5%、2022年12月期末における有利子負債比率(連結)は24.5となっております。当該借入金の金利については、その多くを固定金利での調達としておりますが、今後の金利動向等、金融情勢の急激な変化により、金利水準が大幅に上昇した場合には支払利息の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 特定の製品分野・技術等への依存と製品市場の変動について

当社グループでは、光学シート事業において、液晶ディスプレイ等に組み込まれる光学フィルム、高機能光学フィルム等の製造・販売を行っております。当社グループは、今後も継続して市場のニーズに応えるべく新製品の開発を進めてまいりますが、将来的に技術革新に伴い液晶ディスプレイに光拡散フィルムが不要になった場合もしくは競合製品・代替製品がより低価格で導入され価格競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 最終消費財の景況

当社グループの光学シートの製品群は中間生産材・部材であり、当社製品を使用して製造されるディスプレイ等最終消費財の景況によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 海外事業展開

当社グループでは、製品の輸出入及び海外での製品販売などの海外事業を展開しております。特に光学シート事業においては海外売上が大半を占めており、その大部分は中国に集中しております。従って、中国への販売活動において、予測し得ない税制や法規制などの急激な変更、政治・経済情勢の混乱、テロ・紛争などの勃発、自然災害などによるリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 知的財産について

当社グループは、他社製品と差別化するべく、製品又は技術に関しては、特許等の知的財産権により積極的に権利の保護を図っております。しかしながら、特定の地域においては、このような法的保護が不完全であることにより、当社グループ製品・技術が模倣又は解析調査等されることを防止できない可能性があります。また、第三者の知的財産権についても侵害することのないよう適時適切に調査を行っておりますが、第三者との間で、無効、模倣、侵害等の知的財産権の問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 研究開発・設備投資の回収について

 当社グループでは日頃からより高い水準の新技術や新製品の開発を目指し、生産性の向上及び差別化に資する研究開発や設備投資を行っております。今後も市場の要求に対応するための研究開発や設備投資を継続して行っていく予定であります。しかしながら、急激な市場の変化や技術革新等により、計画どおりの受注、操業度、品質等を確保できない場合には、歩留まりの低下による原材料コストの上昇や、設備投資に伴う減価償却費・資金調達費用の増加や投下資本回収の長期化を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 環境規制等の影響

当社グループは、和歌山テクノセンター、滋賀アドバンストテクノセンターの2事業所の製造工程において有機溶剤を使用しております。この有機溶剤は取り扱いにあたり、労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法、消防法、化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)、大気汚染防止法等の法規制を受けております。当社グループは、これらの法規制を遵守するとともに、事業所においては、環境方針、環境目標を設定する等により環境汚染の防止、安全衛生の推進に努めております。しかしながら、環境関連法規制は年々厳しさを増しており、これらの環境規制・法的規制が強化、改正、新設された場合には、現有設備が利用できず追加の設備投資が必要となるなど事業活動の制約を受ける恐れがあり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 製品の欠陥

当社グループは、顧客に選ばれるために高品質を追求し安全で信頼される製品の提供を実現するため、生産工程における工程内検査の検査基準と手順を常に見直しを図る等、品質の向上に努めていることに加え、ISO9001を取得する等、厳格な品質管理体制の構築を図っております。

しかしながら、当社グループの製品に欠陥があった場合には、回収や代替品の提供等に相当程度の費用が生じ、また、顧客の完成品に生じた欠陥について補償を求められる可能性があります。製造物責任賠償については、万一に備え保険に加入しておりますが、当該保険の免責事項等によりてん補されない不測の事態が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 重要な訴訟等について

当社グループは、「自然と産業の調和を創造する」という経営理念のもと、顧客満足に重点を置いて製品の製造販売を行っておりますが、製品の欠陥等の不具合が発生した場合、損害賠償による利益の喪失、当社グループのブランドに対する信頼の喪失、補償費用の発生が予測されます。その結果、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 災害等による影響について

当社グループの生産拠点は、国内5工場(和歌山県日高郡に2工場、和歌山県御坊市、滋賀県東近江市、兵庫県淡路市)と中国南京に1工場を設けており、その中でも光学シートのコーティング、シーティングは和歌山テクノセンターで行っております。和歌山テクノセンターは県内の高台に分散して建設しており、同敷地内で事故が拡大するリスクの低減を図っておりますが、今後、大規模自然災害等が発生し、和歌山テクノセンターをはじめとする各工場建屋や生産設備の被災、サプライチェーンの復旧遅れ、電力供給不足等により、生産能力及び物流機能等に大きな影響が生じた場合、当社グループの財政状態及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 与信リスク

当社グループでは、取引先の経営状況及び信用度の把握に万全を期すため、調査機関や業界情報を活用して与信管理を徹底しておりますが、取引先に予期せぬ突発的な経営破綻等の事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 機密情報漏洩リスク

当社グループは、新製品の開発等にあたって機密性の高い顧客情報に直接関与する業務もあるため、その提供主体に対する信頼の維持が重要となります。当社グループでは機密情報管理にあたり、関連規程を整備するとともに全従業員に啓発・教育を行い情報管理の周知徹底に努めております。しかしながら、第三者による不正アクセス等により、万が一、機密情報漏洩が発生した場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担や企業イメージ低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 人材の確保及び育成について

当社グループが事業の継続的な発展を実現するためには、グローバル市場で活躍ができる人材、優秀な技術者の確保が重要な課題であると認識しております。当社グループでは、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や生産性を高める研修の実施等の人事施策を通じ、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。

当社グループは今後もこれらの施策を継続していく予定ではありますが、必要な人材が十分に確保・育成できなかった場合、又は採用後の人材流出が進んだ場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(17) 業績の季節的変動等

当社グループは光学製品を展開しており、事業の特性上、最終製品で使用されるテレビ、タブレット端末、スマートフォン等の動向の影響を受けやすくなっています。よって、当社グループの業績は、短期的には上記の最終製品の新モデル投入時期及びその販売数量、並びにそれらの関連製品に係る主要顧客からの受注の影響を受けやすくなっています。その他、年末休暇や中国の春節等の数量調整により、第1四半期の業績が一時的に落ちる傾向があります。これらの最終製品で使用される各業界の動向及び最終製品の動向は予測可能であるため予算上見込んでおりますが、予測を超える変動があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 減損会計

当社グループは、事業用の設備、不動産など様々な有形・無形の固定資産を所有しており、成長投資を積極的にに行っています。こうした資産は、時価の下落や、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) 新規事業について

当社グループは、培ったノウハウを生かし、更なる成長を目指して新規事業の積極展開を進めていく所存です。新規事業開発は慎重な検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画どおりの成果が得られない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済・社会活動の制限が徐々に緩和されつつあるものの、中国における都市封鎖や、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に伴う世界的な経済成長率の鈍化、物価上昇に伴う原燃料価格の高騰に加えて、急激な円安の進行やその後の円高への揺り戻しなど、先行きの不透明な状況が続きました。

このような経済状況におきまして、当社グループは、スマートフォンやノートPCの市場低迷があったものの、上位機種のノートPCやタブレット用を中心とする光学製品やクリーンエネルギー関連製品などの高付加価値製品の販売促進活動を世界各地の拠点で強化するとともに、生産性の向上と新規事業に対する研究開発に努めました。

また、生活・環境イノベーション事業において差別化製品の開発・生産を強力に推進するために、SATC K-Site(旧九州工場)に引き続き、SATC T-Site(旧東京工場)の機能を滋賀ATセンターに集約いたしました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は21,102百万円(前期比16.4%増)、営業利益は5,569百万円(前期比77.6%増)、経常利益6,202百万円(前期比78.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,860百万円(前期比89.2%増)となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

なお、当社グループの報告セグメントは、当連結会計年度より、「光学シート事業」、「生活・環境イノベーション事業」、「地球の絆創膏事業」の3事業区分に変更し、当社グループの経営状況をより適切に表示することといたしております。「生活・環境イノベーション事業」、「地球の絆創膏事業」の報告セグメントの名称につきましては、「生活・環境イノベーション事業」は、人々の生活に役立ち、地球環境の保護に貢献する革新的な製品・サービスを提供する、「地球の絆創膏事業」は、様々な構造物に「KYŌZIN®」を絆創膏のように貼ることで長期間保護し地球をレスキューする、という事業コンセプトを明確に表現することを念頭に置いて決定いたしております。

また、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 セグメント情報等」をご参照ください。

 

[光学シート事業]

ノートPC・タブレット向けでは、第2四半期の中国上海地区を中心とする都市封鎖(ロックダウン)の影響による一時的な販売減少などはあったものの、高性能な直下型ミニLED液晶ディスプレイ向けに新規開発した複合拡散板「オパスキ®」が、前連結会計年度に引き続き概ね順調な売上を維持したほか、光拡散フィルム「オパルス®」についても、従来型の液晶ディスプレイの高精細化に寄与する高性能な当社製品の採用が増えたことなどから、売上が増加いたしました。その一方、スマートフォン向けでは、一部の機種で液晶ディスプレイから有機ELディスプレイへの変更が進んだことなどから光拡散フィルム「オパルス®」の売上が減少いたしました。利益面においては、売上の増加に加え、高付加価値製品の販売構成比が前年比で増加し収益性が向上したことや、為替相場が円安基調で推移したことなどにより、大きく伸長いたしました。

この結果、売上高17,462百万円前期比25.2%増)、セグメント利益8,700百万円前期比61.4%増)となりました。

 

[生活・環境イノベーション事業]

前連結会計年度中に実施した事業再構築の一環として高品質による差別化が可能な製品に絞り込んだことなどにより、生活・環境イノベーション事業全体の売上は減少いたしました。また、前連結会計年度に引き続き、クリーンエネルギー車や医療・衛生向けの特殊フィルム製品など、高い成長が見込まれる分野での販売拡大に注力し、製品構成の変化による収益性向上に努めました。しかしながら、SATC K-Site(旧九州工場)及びSATC T-Site(旧東京工場)の滋賀ATセンターへの機能集約などの事業再編に伴う費用の増加や、製造が停止する集約期間中の供給責任を果たすために前連結会計年度に増加した製品在庫が出荷により減少したことなどから、収益は一時的に悪化いたしました。

この結果、売上高3,615百万円前期比13.5%減)、セグメント損失93百万円(前連結会計年度は136百万円のセグメント利益)となりました。

 

[地球の絆創膏事業]

当連結会計年度から屋根用保護シート「KYŌZIN Re-Roof®」の量産販売を開始いたしました。展示会への出展やセミナーの開催などを通じて、戸建て住宅に加えて工場建屋や倉庫、店舗等の大型案件のお引合いやご注文が増加傾向を続けており、普及の初期に入っております。また、需要の増加に対応し、生産能力の確保や製品価値の更なる向上のための開発・製造拠点として兵庫県淡路市に「地球の絆創膏本部淡路ベース」を新設するなど、将来に向けた先行投資を実施いたしました。

この結果、売上高25百万円、セグメント損失97百万円となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産の部)

資産合計は、現金及び預金が2,740百万円、受取手形及び売掛金が854百万円それぞれ減少したものの、有価証券(譲渡性預金)が4,000百万円、有形固定資産が341百万円、無形固定資産が441百万円それぞれ増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ561百万円増加し、29,332百万円となりました。

 

(負債の部)

負債合計は、未払法人税等が677百万円が増加したものの、支払手形及び買掛金が831百万円、営業外電子記録債務が2,064百万円、長期借入金が1,244百万円それぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ4,199百万円減少し、10,425百万円となりました。

 

(純資産の部)

純資産合計は、剰余金の配当により240百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により4,860百万円増加したことなどから前連結会計年度末に比べ4,761百万円増加し、18,907百万円となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より1,091百万円増加し、9,994百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、6,760百万円の収入(前期は2,176百万円の収入)となりました。主な要因としては、仕入債務の減少額1,256百万円、法人税等の支払額1,081百万円などの支出があった一方で、税金等調整前当期純利益6,699百万円、減価償却費1,515百万円などによる収入があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、4,004百万円の支出(前期は2,274百万円の支出)となりました。主な要因としては、有形固定資産の取得による支出4,108百万円があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,680百万円の支出(前期は4,951百万円の収入)となりました。主な要因としては、長期借入金の返済による支出1,373百万円があったことによります。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

光学シート事業

11,915,383

123.9

生活・環境イノベーション事業

1,912,802

58.9

地球の絆創膏事業

43,855

合計

13,872,040

107.8

 

(注) 金額は、標準原価によっております。

 

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

光学シート事業

26,310,784

136.5

2,831,306

83.1

生活・環境イノベーション事業

4,054,184

103.9

99,192

58.1

地球の絆創膏事業

29,464

1,685

合計

30,394,432

131.2

2,932,183

82.0

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

光学シート事業

17,462,417

125.2

生活・環境イノベーション事業

3,615,176

86.5

地球の絆創膏事業

25,171

合計

21,102,765

116.4

 

(注) 主な相手別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

 

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

 

瑞儀光電股份有限公司

5,118,923

28.2

9,996,798

47.37

 

 

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

なお、見積りの評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の報告数値と異なる可能性があります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当社グループは、営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としており、顧客に貢献する高付加価値製品の製造・販売に集中し、省力化や歩留の改善を更に進めることにより、営業利益を向上させることを目指しております。

なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

a 売上高

当連結会計年度における売上高は、21,102百万円(前期比16.4%増)となりました。光学シート事業では、スマートフォンやノートPCの市場低迷があったものの、上位機種のノートPCやタブレット用を中心とする高付加価値製品の販売促進活動を世界各地の拠点で強化し、売上高は17,462百万円(前期比25.2%増)となりました。生活・環境イノベーション事業では、前連結会計年度中に実施した事業再構築の一環として高品質による差別化が可能な製品に絞り込んだことなどにより売上が減少し、売上高は3,615百万円(前期比13.5%減)となりました。地球の絆創膏事業では屋根用保護シート「KYŌZIN Re-Roof®」の量産販売を開始し、売上高は25百万円となりました。

b 売上総利益

当連結会計年度における売上原価は10,910百万円(前期比0.1%減)となり、売上総利益は、より付加価値の高い製品へのシフト、生産効率の向上、コスト削減等により10,191百万円(前期比41.4%増)となりました。売上原価率は高性能製品の販売構成割合の上昇、前期から引き続き高い歩留まりを維持したこと等により、前連結会計年度の60.3%に対し、51.7%と8.5ptの低下となり、売上総利益率は48.3%(前連結会計年度は39.7%)と向上しております。

c 販売費及び一般管理費、営業利益

販売費及び一般管理費は、4,622百万円(前期比13.5%増)となり、売上高に対する比率は、前連結会計年度の22.5%に対し、21.9%と0.6ptの下降となりました。この結果、営業利益は5,569百万円(前年度は3,135百万円の利益)となりました。

d 経常利益

当連結会計年度における営業外損益は、主として為替差益の計上により、632百万円の利益(前連結会計年度は332百万円の利益)となりました。この結果、経常利益は6,202百万円(前年度は3,467百万円の利益)となりました。

e 特別損益

当連結会計年度における特別損益は、497百万円の利益(前連結会計年度196百万円の損失)となりました。これは主に、生産拠点移転統合費用による損失を91百万円、固定資産売却益による利益を610百万円計上したことによるものです。

f 税金等調整前当期純利益

当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は6,699百万円(前連結会計年度は3,271百万円の利益)となりました。

g 法人税等

当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額は1,838百万円(前連結会計年度は701百万円)となりました。

h 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は4,860百万円(前連結会計年度は2,569百万円の利益)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性についての分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」記載のとおりです。

主として、原材料の購入費用、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用として必要となる運転資金の調達にあたっては、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、当社は、貸出コミットメントライン契約および当座貸越契約を取引銀行と締結し、フレキシブルな資金調達手段を確保することで、流動性リスクを適切にコントロールしております。

設備資金の調達にあたっては、自己資金及び金融機関からの長期借入に加え、公募増資等の直接金融手段を検討してまいります。健全な財務バランスを維持しつつ、生産設備や研究開発投資を通じた企業価値向上を実現するため、引き続き、資金調達の多様化を図ってまいります。

 

 

④ 経営者の問題認識と今後の方針

当社グループが今後も高品質な製品やサービスを継続的に提供していくためには、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営課題に対処することが必要であると認識しております。具体的には、当社グループが掲げる“自然と産業の調和を創造する”という経営理念を念頭に、以下の5項目に注力してまいります。

a 新規事業の創出

b コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの強化

c 人材の確保及び育成

d 生産性を高める人事戦略

e 経営基盤の強化

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメン
トの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数
(名)

建物
及び構築物

機械装置
及び運搬具

土地
(面積㎡)

その他

合計

東京本社

(東京都中央区)

全社(共通)

本社機能

12,393

21,908

-

(-)

1,825

36,126

21

[1]

大阪本社

(大阪市中央区)

全社(共通)

本社機能

21,247

6,034

-

(-)

472,954

500,235

33

[1]

和歌山テクノセンターⅠⅡ

(和歌山県日高郡)Ⅲ(和歌山県御坊市)

光学

シート事業

 

全社(共通)

生産設備

 

研究設備

5,296,157

1,691,905

486,250

(74,246)

505,221

7,979,533

182

[25]

滋賀アドバンストテクノセンター

(滋賀県東近江市)

生活・環境イノベーション事業

全社(共通)

生産設備

 

研究設備

446,318

249,887

28,662

(43,679)

24,719

749,586

37

[12]

地球の絆創膏本部 淡路ベース

(兵庫県洲本市)

地球の絆創膏事業

生産設備

448,095

190,789

365,000

(24,315)

34,360

1,038,244

10

[-]

 

(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。

     2.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品、リース資産、建設仮勘定及びソフトウェアの合計であります。

     3.従業員数の[]は、臨時従業員数を外書きしております。

 

     4.上記の他、連結会社以外から賃借している設備の内容は、下記のとおりであります。

 

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

年間賃貸料
(千円)

東京本社

(東京都中央区)

全社(共通)

事務所

35,244

 大阪本社

 (大阪市中央区)

全社(共通)

事務所

23,433

 Value Creation Center

 (京都府相楽郡)

全社(共通)

研究施設

13,980

 

 

(2) 国内子会社

   該当事項はありません。

 

(3) 在外子会社

   在外子会社における設備は、重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

23,000,000

23,000,000

 

(注) 2022年11月29日開催の取締役会決議に基づき、2023年1月1日付で株式分割に伴う定款の一部変更が行われ、発行可能株式総数は23,000,000株増加し、46,000,000株となっております。

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2022年12月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年3月28日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

9,628,714

19,257,428

東京証券取引所
(プライム市場)

単元株式数は100株であります。

9,628,714

19,257,428

 

(注) 2022年11月29日開催の取締役会決議に基づき、2023年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。これにより、発行済株式数は9,628,714株増加し、19,257,428株となっております

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
 
(千円)

資本金残高
 
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2019年10月29日

(注)1

1,500,000

7,420,000

534,187

800,587

534,187

569,187

2019年12月2日

(注)2 

297,400

7,717,400

105,911

906,499

105,911

675,099

2020年7月31日

(注)3

295,000

8,012,400

7,522

914,021

7,522

682,621

2020年12月16日

(注)4

700,000

8,712,400

698,897

1,612,919

698,897

1,381,519

2020年12月28日

(注)5

88,100

8,800,500

87,961

1,700,880

87,961

1,469,480

2021年4月23日

(注)6

7,435

8,807,935

7,479

1,708,359

7,479

1,476,959

2021年12月13日

(注)7

700,000

9,507,935

1,868,090

3,576,449

1,868,090

3,345,049

2021年12月28日

(注)8

107,900

9,615,835

287,952

3,864,402

287,952

3,633,002

2022年2月28日

(注)3

10,000

9,625,835

255

3,864,657

255

3,633,257

2022年4月28日

(注)6

2,879

9,628,714

7,111

3,871,768

7,111

3,640,368

 

(注) 1.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)

発行価格    770円

引受価額    712.25円

資本組入額   356.125円

2.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)

発行価格    712.25円

資本組入額   356.125円

割当先     大和証券㈱

3.新株予約権の権利行使による増加であります。

4.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)

発行価格    2,109円

引受価額    1,996.85円

資本組入額   998.425円

 

5.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)

発行価格    1,996.85円

資本組入額   998.425円

割当先     大和証券㈱

6.譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行による増加であります。

7.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)

発行価格    5,567円

引受価額    5,337.4円

資本組入額   2,668.7円

8.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)

発行価格    5,337.4円

資本組入額   2,668.7円

割当先     大和証券㈱

9.2022年11月29日開催の取締役会決議に基づき、2023年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。これにより、発行済株式数は9,628,714株増加し、19,257,428株となっております。

 

(5) 【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数 100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

11

25

88

55

24

7,913

8,116

所有株式数
(単元)

11,379

1,463

1,732

5,384

86

76,167

96,211

7,614

所有株式数
の割合(%)

11.83

1.52

1.80

5.60

0.09

79.16

100.00

 

(注)1.自己株式314株は、「個人その他」に3単元、「単元未満株式の状況」に14株含まれております。

2.2022年11月29日開催の取締役会決議に基づき、2023年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っておりますが、上記株式数については、当該株式分割前の株式数を記載しております。

 

 

(6) 【大株主の状況】

2022年12月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

長村 惠弌

大阪府吹田市

3,384,200

35.15

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11番3号

772,800

8.03

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8番12号

234,500

2.44

足利 正夫

大阪府吹田市

123,136

1.28

江田 徐紅

東京都豊島区

116,000

1.20

NOMURA INTERNATIONAL PLC A/C
JAPAN FLOW(常任代理人:野村證券株式会社)

1 ANGEL LANE, LONDON, EC4R 3AB, UNITED KINGDOM
(東京都中央区日本橋1丁目13番1号)

105,464

1.10

中島 由起

奈良県奈良市

100,000

1.04

恵和従業員持株会

東京都中央区日本橋茅場町2丁目10番5号

95,100

0.99

石田 憲次

堺市西区

80,000

0.83

MSCO CUSTOMER SECURITIES(常任代理人:モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)

1585 BROADWAY NEWYORK, NEW YORK 10036, U.S.A.
(東京都千代田区大手町1丁目9番7号)

76,822

0.80

5,088,022

52.84

 

(注) 2022年11月29日開催の取締役会決議に基づき、2023年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っておりますが、上記株式数については、当該株式分割前の株式数を記載しております。

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2021年12月31日)

当連結会計年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

※2 9,027,843

※2 6,287,379

 

 

受取手形及び売掛金

※3 5,313,670

※3,※4 4,459,432

 

 

有価証券

4,000,000

 

 

商品及び製品

1,854,299

1,610,001

 

 

原材料及び貯蔵品

653,541

652,379

 

 

その他

1,149,887

915,327

 

 

貸倒引当金

470

289

 

 

流動資産合計

17,998,772

17,924,231

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

※2 5,975,504

※2 6,281,331

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

2,495,740

2,586,209

 

 

 

土地

※2 904,179

※2 880,315

 

 

 

建設仮勘定

177,799

188,736

 

 

 

その他(純額)

568,200

525,910

 

 

 

有形固定資産合計

※1 10,121,423

※1 10,462,502

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

82,194

102,013

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

2,556

423,933

 

 

 

無形固定資産合計

84,751

525,946

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

152,146

123,302

 

 

 

繰延税金資産

331,573

221,593

 

 

 

その他

146,687

141,285

 

 

 

貸倒引当金

63,970

66,005

 

 

 

投資その他の資産合計

566,437

420,177

 

 

固定資産合計

10,772,613

11,408,626

 

資産合計

28,771,385

29,332,857

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2021年12月31日)

当連結会計年度

(2022年12月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

2,012,034

1,181,015

 

 

電子記録債務

1,518,354

1,276,781

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※2 1,373,308

※2 1,244,046

 

 

未払金

1,141,135

927,505

 

 

未払法人税等

711,968

1,389,483

 

 

製品保証引当金

158,357

74,372

 

 

営業外電子記録債務

2,254,572

189,970

 

 

その他

368,967

373,052

 

 

流動負債合計

9,538,699

6,656,226

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

※2 4,642,637

※2 3,398,591

 

 

退職給付に係る負債

259,640

241,653

 

 

資産除去債務

71,310

51,855

 

 

その他

112,635

76,979

 

 

固定負債合計

5,086,222

3,769,079

 

負債合計

14,624,921

10,425,306

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

3,864,402

3,871,768

 

 

資本剰余金

3,633,002

3,640,368

 

 

利益剰余金

6,324,162

10,944,679

 

 

自己株式

448

666

 

 

株主資本合計

13,821,118

18,456,150

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

41,195

33,843

 

 

繰延ヘッジ損益

6,535

37,048

 

 

為替換算調整勘定

301,315

374,280

 

 

退職給付に係る調整累計額

10,629

6,227

 

 

その他の包括利益累計額合計

325,345

451,400

 

純資産合計

14,146,463

18,907,551

負債純資産合計

28,771,385

29,332,857

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

売上高

18,130,734

21,102,765

売上原価

※1 10,924,071

※1 10,910,945

売上総利益

7,206,662

10,191,820

販売費及び一般管理費

※2,※3 4,071,330

※2,※3 4,622,182

営業利益

3,135,332

5,569,637

営業外収益

 

 

 

受取配当金

11,011

2,835

 

受取保険金

24,024

24,231

 

受取補償金

1,591

4,542

 

助成金収入

10,065

12,224

 

売電収入

23,256

22,295

 

為替差益

321,744

631,633

 

その他

12,635

14,001

 

営業外収益合計

404,329

711,764

営業外費用

 

 

 

支払利息

49,460

44,384

 

売電費用

12,796

11,322

 

支払補償費

9,092

18,541

 

その他

662

4,738

 

営業外費用合計

72,011

78,987

経常利益

3,467,649

6,202,415

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※4 243

※4 610,057

 

投資有価証券売却益

※5 96,079

※5 6,138

 

特別利益合計

96,323

616,196

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

※6 52,439

※6 28,018

 

減損損失

※7 71,030

 

生産拠点移転統合費用

※8 169,184

※8 91,000

 

その他

139

 

特別損失合計

292,793

119,018

税金等調整前当期純利益

3,271,179

6,699,592

法人税、住民税及び事業税

874,848

1,751,182

法人税等調整額

173,298

87,503

法人税等合計

701,550

1,838,685

当期純利益

2,569,629

4,860,906

非支配株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益

2,569,629

4,860,906

 

1.報告セグメントの概要

(1)報告セグメントの決定方法

当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。

当社グループは事業部を基礎とした製品・サービス別セグメントから構成されており、「光学シート事業」、「生活・環境イノベーション事業」、「地球の絆創膏事業」の3つを報告セグメントとしております。

 

(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

「光学シート事業」においては、中小型液晶ディスプレイ用の光拡散フィルム「オパルス®」、直下型ミニLED液晶ディスプレイ用の複合拡散版「オパスキ®」等の製造及び販売、「生活・環境イノベーション事業」においては、包装資材、工程紙、建築用資材の他、クリーンエネルギー車・医療衛生向けフィルム等の製品の製造及び販売、「地球の絆創膏事業」においては、屋根用保護シート「KYŌZIN Re-Roof®」等の製造及び販売を行っております。

 

(3)報告セグメントの変更等に関する事項

当社グループは、従来、報告セグメントの事業区分を「光学シート事業」及び「機能製品事業」の2事業区分に分類しておりましたが、第2四半期連結会計期間より、「機能製品事業」については、複数の事業部が集まり多岐にわたる製品の製造及び販売を担っていることを明確に表示するため、報告セグメントの名称を「機能製品、他」に変更いたしました。また、当社グループが重要な新事業と位置付けている、屋根やコンクリート建造物の保護シート「KYŌZIN®」の開発・製造拠点として、2022年10月14日「地球の絆創膏本部淡路ベース」が操業を開始し、これらの事業を担う「地球の絆創膏本部」に対しては、将来にわたり重点的な経営資源の配分を行い、業績評価のモニタリングを実施していくことから、「機能製品、他」から分離・独立し、「地球の絆創膏事業」セグメントを新設いたしております。なお、その他の「機能製品、他」に属する製品及びサービスについては、セグメントの事業目的をより明確化するために、「生活・環境イノベーション事業」に名称変更を行っております。

この結果、当社グループの報告セグメントは、「光学シート事業」、「生活・環境イノベーション事業」、「地球の絆創膏事業」の3事業区分に変更し、当社グループの経営状況をより適切に表示することとしております。

なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

7,191,736

4,018,687

 

 

受取手形

※3 915,577

※3 740,044

 

 

売掛金

※1 5,068,752

※1 3,620,469

 

 

有価証券

4,000,000

 

 

商品及び製品

1,527,862

1,383,258

 

 

原材料及び貯蔵品

640,395

641,083

 

 

未収消費税等

962,018

672,951

 

 

その他

※1 174,321

※1 233,360

 

 

貸倒引当金

819

574

 

 

流動資産合計

16,479,845

15,309,281

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

※2 5,924,100

※2 6,172,423

 

 

 

構築物

※2 47,443

※2 72,027

 

 

 

機械及び装置

2,230,026

2,227,513

 

 

 

車両運搬具

47,541

59,564

 

 

 

工具、器具及び備品

379,285

378,552

 

 

 

土地

※2 904,179

※2 880,315

 

 

 

建設仮勘定

115,452

186,939

 

 

 

その他

6,668

3,484

 

 

 

有形固定資産合計

9,654,696

9,980,819

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

71,849

88,536

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

2,556

423,933

 

 

 

無形固定資産合計

74,406

512,469

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

152,145

123,293

 

 

 

関係会社株式

33,513

33,513

 

 

 

出資金

3,393

3,393

 

 

 

関係会社出資金

694,220

694,220

 

 

 

長期前払費用

13,192

4,468

 

 

 

繰延税金資産

244,346

211,414

 

 

 

その他

62,411

63,953

 

 

 

貸倒引当金

1,200

1,000

 

 

 

投資その他の資産合計

1,202,022

1,133,256

 

 

固定資産合計

10,931,124

11,626,546

 

資産合計

27,410,970

26,935,827

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

202,842

45,427

 

 

電子記録債務

1,518,354

1,276,781

 

 

買掛金

※1 1,697,271

1,052,377

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※2 1,373,308

※2 1,244,046

 

 

未払金

※1 1,148,776

※1 926,897

 

 

未払法人税等

608,198

1,167,015

 

 

製品保証引当金

158,357

74,372

 

 

営業外電子記録債務

2,254,572

189,970

 

 

その他

204,354

167,875

 

 

流動負債合計

9,166,036

6,144,764

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

※2 4,642,637

※2 3,398,591

 

 

退職給付引当金

243,684

249,084

 

 

資産除去債務

71,310

51,855

 

 

その他

3,484

1,700

 

 

固定負債合計

4,961,116

3,701,230

 

負債合計

14,127,152

9,845,994

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

3,864,402

3,871,768

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

3,633,002

3,640,368

 

 

 

資本剰余金合計

3,633,002

3,640,368

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

57,500

57,500

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

固定資産圧縮積立金

3,791

3,205

 

 

 

 

別途積立金

1,400,000

1,400,000

 

 

 

 

繰越利益剰余金

4,290,911

8,046,771

 

 

 

利益剰余金合計

5,752,202

9,507,476

 

 

自己株式

448

666

 

 

株主資本合計

13,249,158

17,018,947

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

41,195

33,836

 

 

繰延ヘッジ損益

6,535

37,048

 

 

評価・換算差額等合計

34,659

70,885

 

純資産合計

13,283,817

17,089,832

負債純資産合計

27,410,970

26,935,827

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

当事業年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

売上高

※1 16,859,532

※1 18,674,008

売上原価

※1 10,240,632

※1 9,769,157

売上総利益

6,618,900

8,904,850

販売費及び一般管理費

※1,※2 4,037,061

※1,※2 4,567,814

営業利益

2,581,839

4,337,035

営業外収益

 

 

 

受取配当金

※1 70,034

※1 35,443

 

受取保険金

24,024

24,231

 

受取補償金

1,591

4,542

 

助成金収入

10,065

12,224

 

売電収入

23,256

22,295

 

為替差益

347,099

536,409

 

その他

3,739

3,171

 

営業外収益合計

479,810

638,317

営業外費用

 

 

 

支払利息

49,132

42,952

 

売電費用

12,796

11,322

 

支払補償費

9,092

18,541

 

その他

522

3,801

 

営業外費用合計

71,543

76,617

経常利益

2,990,105

4,898,735

特別利益

 

 

 

固定資産売却益

※3 243

※3 610,057

 

投資有価証券売却益

99,682

6,138

 

特別利益合計

99,926

616,196

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

※4 49,264

※4 27,779

 

生産拠点移転統合費用

※5 169,184

※5 91,000

 

減損損失

71,030

 

特別損失合計

289,479

118,779

税引前当期純利益

2,800,552

5,396,152

法人税、住民税及び事業税

593,803

1,383,544

法人税等調整額

79,165

16,944

法人税等合計

514,637

1,400,488

当期純利益

2,285,915

3,995,663