AI inside株式会社
AI inside Inc.
渋谷区渋谷三丁目8番12号
証券コード:44880
業界:情報・通信業
有価証券報告書の提出日:2023年6月23日

 

回次

第4期

第5期

第6期

第7期

第8期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

445,264

1,591,454

4,597,295

3,310,744

3,802,642

経常利益又は
経常損失(△)

(千円)

182,914

409,000

2,339,197

563,893

279,482

当期純利益又は

当期純損失(△)

(千円)

183,865

419,981

1,660,567

411,703

518,524

持分法を適用した場合
の投資損失(△)

(千円)

39,897

198,992

514,502

資本金

(千円)

465,200

1,106,000

1,205,260

1,222,986

1,233,990

発行済株式総数

(株)

3,240,000

3,666,000

3,913,000

3,961,450

3,997,750

純資産額

(千円)

605,210

2,305,788

4,203,436

4,730,885

4,354,207

総資産額

(千円)

966,649

3,007,856

7,470,904

6,848,271

6,675,478

1株当たり純資産額

(円)

193.17

647.88

1,104.07

1,224.78

1,108.26

1株当たり配当額
(うち1株当たり
中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益金額又は当期純損失金額(△)

(円)

60.62

129.70

450.87

107.71

132.49

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益金額

(円)

126.18

426.38

105.65

自己資本比率

(%)

62.6

76.7

56.3

69.1

65.2

自己資本利益率

(%)

28.9

51.0

9.2

株価収益率

(倍)

124.1

78.9

49.0

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

34,172

580,459

2,090,066

208,832

793,847

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

12,256

103,679

1,503,834

223,635

2,068,903

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

575,200

1,258,241

1,696,130

35,256

21,650

現金及び現金同等物の
期末残高

(千円)

799,069

2,534,089

4,816,451

4,419,240

3,235,034

従業員数
(外、平均臨時雇用
者数)

(人)

36

67

102

116

139

(9)

(12)

( 18)

( 22)

( 28)

株主総利回り

(%)

220.8

32.8

26.5

(比較指標:東証マザーズ指数)

(-)

(-)

(194.0)

(127.4)

(120.9)

最高株価

(円)

 

23,550

 

96,000

 

38,950

 

6,060

最低株価

(円)

 

11,800

 

15,950

 

3,670

 

3,650

 

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.第4期及び第5期の持分法を適用した場合の投資損失(△)については、関連会社を有していないため記載しておりません。

3.第4期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式はありますが、第4期の当社株式は非上場株式であるため期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。また、第8期の潜在株式 調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式はありますが、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

4.第4期の株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。また、第8期の株価収益率については当期純損失のため記載しておりません。

5.第4期、第8期の自己資本利益率は、当期純損失であるため記載しておりません。

6.1株当たり配当額及び配当性向については、無配のため、記載しておりません。

7.従業員数は就業人員(社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

8.第4期の経常損失及び当期純損失の計上は、研究開発及び業容拡大のため、積極的に人員採用等を行ったこと等によります。第8期の当期純損失の主な要因は、関係会社株式評価損の計上によるものであります。

9.第5期、第6期における従業員数の増加は、業容拡大のため人材を積極的に採用したことによるものであります。

10.第4期及び第5期の株主総利回り及び比較指標は、2019年12月に東京証券取引所マザーズ(現東証グロース)に上場したため記載しておりません。第6期以降の株主総利回り及び比較指標は、2020年3月末を基準として算定しております。

11.当社は、2018年7月19日付で株式1株につき1,000株の株式分割を行っております。第4期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失金額を算定しております。

12.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所マザーズにおけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであります。ただし、当社株式は、2019年12月25日付けで東京証券取引所マザーズに上場したため、それ以前の株価については該当事項がありません。

13.収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第7期の期首から適用しており、第7期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

年月

概要

2015年8月

東京都渋谷区にAI inside 株式会社設立、AI手書き文字認識サービスを提供開始

2016年12月

NVIDIA Inception Program(注1)のパートナー企業として認定

2017年10月

業務拡張のため、本社を東京都渋谷区渋谷三丁目の渋谷第一生命ビルディングに移転

2017年11月

「DX Suite」、AI-OCR(注2)サービス「Intelligent OCR」を提供開始

2018年9月

帳票の仕分けAIサービス「Elastic Sorter」を提供開始

2019年1月

東日本電信電話株式会社と「DX Suite」OEM製品「AIよみと~る」を共同発表、提供開始

2019年3月

株式会社エヌ・ティ・ティ・データと、行政専用の閉域ネットワークであるLGWANを活用

した「DX Suite」を、地方公共団体向けに提供開始

2019年6月

非定型帳票AI-OCRサービス「Multi Form」を提供開始

エッジコンピューティング用ハードウェア「AI inside Cube」を提供開始

2019年12月

西日本電信電話株式会社と「DX Suite」OEM製品「おまかせAI OCR」を共同発表、提供開始

東京証券取引所マザーズ(現東証グロース)に株式を上場

2020年11月

エッジコンピューティング用ハードウェア「AI inside Cube mini」を提供開始

2020年12月

株式会社ショーケースを関係会社とする資本業務提携を実施

2021年4月

ノーコードAI開発ツール「Learning Center」を提供開始

「DX Suite」やAIアプリが使える「Workflows」を発表、α版の提供開始

2021年6月

監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行

2021年9月

高性能エッジコンピューティング用ハードウェア「AI inside Cube Pro」を提供開始

2022年5月

株式会社aiforce solutionsの全株式を取得し子会社化、及び吸収合併

 

(注)

1.NVIDIA Inception Programは、AIとデータサイエンスで産業に革命を起こすスタートアップ企業の成長をNVIDIA Corporationが様々な特典で支援する仮想インキュベータープログラムです。

2.OCR(Optical Character Recognition/Reader、光学的文字認識)とは、印刷された文字や手書き文字に光を当てて読み取り、デジタルの文字コードに変換する技術やソフトウェアです。

 

 

 

3 【事業の内容】

当社のミッションは、AIテクノロジーの妥協なき追求により、非常識を常識に変え続けることです。
「AI inside X」というビジョンで、「X=様々な環境」に溶け込むAIを実装し、誰もが特別な意識をすることなくAIを使える、その恩恵を受けられる、といった社会を目指しています。

また、人々がAIを使って働き方や生き方をより良いものにしていくことをサポートしており、当社の製品により、ユーザの働き方をどれだけ変えられたか、どれだけ働きやすくなったのかにフォーカスしています。そのため、高品質なユーザ体験を届けることは当社にとって最優先の事項です。この徹底したユーザ重視の姿勢は、当社の重要な文化であり、下記の3点をユーザにコミットします。

・高品質・高価値なAIを提供するために最善を尽くします。

・製品をより使いやすく、より優れたユーザ体験を届けるため、継続的に行動します。

・短期的な経済的利益のために、ユーザ重視の姿勢を妥協しません。

当社の経営は、徹底したユーザ重視を基本方針としています。

 

<外部環境について>

現在、国内において生産年齢人口は1995年をピークに減少傾向にあり、2020年に7,292万人程となりました。また、2040年には、2020年と比較し1,315万人程が減少し、5,977万人程になると予想されております(注1)。そのような背景の中、これまで人が行ってきた業務を機械化し、生産性を維持・向上させること、また、業務を高付加価値なものにすることがこれまで以上に強く求められております。しかしながら、これまで人が行ってきた業務は、機械やソフトウェアで代替することが困難な業務が多い故に、人が行ってきておりました。

昨今は、そういった複雑な業務を人のようにこなせる「AI」が注目されており、実証実験や一部の社会実装が始まっているという情勢であります。当社は、AIは今後より急速に社会に普及していくと考えております。

また、その急速な普及のため、政府においてはデータサイエンス・AIを理解し、各専門分野で応用できる人材を年間25万人育成する目標も公表されており(注2)、社会普及の実現には、AI開発と運用をよりスムーズに行えるようインフラも整える必要があると考えております。

 

(注1) 出所 2020年までは総務省「国勢調査」(年齢不詳人口を除く)、2040年は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」(出生中位・死亡中位推計)

(注2) 出所 内閣府 AI戦略2022 令和4年4月22日 「統合イノベーション戦略推進会議決定」

 

<AI inside のストーリー>
 当社はその創業にあたり、「企業の業務プロセスの内、人の手で行われているものを、AIでサポートすること」を目指しました。そこで「企業が既に外部委託している業務プロセス」を調査し、まず初めに、データ入力業務をAIでサポートすることを目的に、研究開発を始めました。その後の最新調査によると、データ入力業務を含む「非IT系の外部委託市場」については2016年度で1.66兆円の実績、2017年度で1.7兆円の実績とされております(注3)。

その結果、当社は人がルールを設計し、そのルールをプログラミングすることで開発する文字認識技術を一切排除し、コンピュータが自動的に文字画像データを学習しルールを設計する、ディープラーニングによる手書き文字認識AIを開発しました。このAIを、日々の業務で誰もが使えるようにするため、AI-OCRサービス「DX Suite」として企業へ提供しております。これまで49億回を超える読取りを行い、企業の生産性向上に貢献してきました。

製品の提供方式として、現在主力製品となっているクラウドコンピューティング(AI inside Cloud)だけではなく、クラウドにアクセスすることなくユーザの元でAI処理を行う、エッジコンピューティング用ハードウェア「AI inside Cube」を自社で開発製造しました。これにより、地方公共団体などプライバシー保護がより一層重要視される業界への導入拡大も実現しています。

同時に、大規模化による低コスト構造の実現と、AIを動作させるためのハードウェアを自社開発・自社利用することにより、ユーザへより低価格での提供が可能な構造となっております。当社は、この好循環サイクル(注4)により契約数の拡大とユーザの継続利用、ビジネスの継続的強化を実現しています。

また当社は、従来からの強みである画像・物体等の認識AIに加え、予測AI技術を開発・提供してまいりました。当社が持つこれらの製品技術を統合し、あらゆるデータを活用してAIが自律的に学習し、新しいAIモデルを生み出すソリューションである「AnyData」を発表しております。これにより、企業活動全体の効率化を担う付加価値の高い複合AIソリューションをパートナーとともに提供することで、AIソリューションの利用拡大、より効率的な事業のスケールに取り組み、「誰もが意識することなくAIの恩恵を受けられる世界」を目指します。
 

なお、当社は人工知能事業の単一セグメントであるため、以下ではサービス別の事業内容を記載しております。また、当社が展開するサービスは、継続的に収益が計上されるリカーリング型モデルと取引毎に収益が発生するセリング型モデルにより構成されております。

 

(注3) 出所 株式会社矢野経済研究所 BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場の実態と展望 2021-2022

(注4) ビジネスの根幹となる好循環サイクル

 


 

 

<サービスの内容>

(1) 「DX Suite」

当社は、人がルールを設計し、そのルールをプログラミングすることで開発する文字認識技術を一切排除し、文字画像データを学習し、コンピュータが自動的にルールを設計する、ディープラーニングによる手書き文字認識AIを開発しました。このAIを、日々の業務で誰もが使えるようにするため、ユーザインターフェースを備えたAI-OCRサービス「DX Suite」として開発し、ユーザへ提供しております。
 

「DX Suite」は、その内部に「Intelligent OCR」「Elastic Sorter」というアプリケーションを有しており、組み合わせて契約、利用することができます。これらサービスは、システム開発、銀行、証券、保険、小売、エネルギー、物流、製薬、不動産、製造、印刷等、業態を問わず導入されており、ユーザ企業にて帳票をデータ化するリクエスト数(読取り回数)を基に算出される月額従量費用や、オプション機能の月額固定費用といったリカーリング型モデルの収益と、初期費用等のセリング型モデルの収益で売上を構成しております。なお、「DX Suite」の初期費用についてはサービスの提供期間にわたり売上高を按分計上しております。

 
 「Intelligent OCR」:手書き文字認識技術をベースとする「定型帳票」及び「非定型帳票」を読取り、デジタルデータ化するサービスです。「定型帳票」とは、帳票レイアウトが統一されており、事前に読取り箇所を指定することができる帳票を指します。具体的には、各種申込書や受発注帳票、アンケートなどの帳票をデータ化できます。「非定型帳票」とは、記載される項目は同じでも、記載される場所、レイアウトが無数にあり、書類の種類数が限定的で無いため、「Elastic Sorter」では仕分けることのできない帳票を指します。具体的には請求書や領収書、住民票やレシートなどといった帳票を事前の準備・設定不要で、データの構造化含め、デジタルデータ化できます。 料金体系としまして、リカーリング型モデルの月額固定費用、読取りごとに発生する月額従量費用と、セリング型モデルの初期費用により構成されております。

 

「Elastic Sorter」:「Intelligent OCR」のオプションとして、複数種類の帳票を順不同にまとめてスキャンしてある場合に、同種類の帳票をAIが選び取り、仕分けるサービスです。具体的には、免許証や保険証、住民票など複数種類ある本人確認書類や各種申込書類を種類ごとに仕分け、仕分け後に「Intelligent OCR」で読取りを行うなどの業務に利用できます。

料金体系としまして、セリング型モデルの初期費用は無く、リカーリング型モデルの月額固定費用、読取りごとに発生する月額従量費用により構成されております。

 

(1-1)「AI inside Cube」

当社の主力製品は「DX Suite」クラウド版ですが、官公庁・地方公共団体などではオンプレミス(注5)環境での利用ニーズがあります。しかしながらオンプレミス環境の構築は、機器選定、購入、システムインテグレーションなど様々な工程に時間と人的リソースを必要とするため、ユーザ企業、当社双方にスケールしにくい分野です。

そこで当社は、クラウドにアクセスすることなくユーザの元でAI処理を行う、エッジコンピューティング用ハードウェア「AI inside Cube」を自社開発しました。ユーザは、「AI inside Cube」に「DX Suite」をインストールし、利用できます。特別なインテグレーションは必要なく、誰でも使えるよう、電源とデータ送信用のLANケーブルを差し込むだけで使える仕組みです。「AI inside Cube」は、月額定額のリカーリング型モデルで提供をしています。

 

 

(1-2)「AI inside Computing Engine」

当社のAIは、クラウド環境、オンプレミス(注5)環境共にソフトウェアインフラ基盤「AI inside Computing Engine」の上で稼働しております。「AI inside Computing Engine」を使わない従来方式では、ソフトウェアやAIを動作させるためのサーバの構築は、各種設定を時間をかけて人が行う必要があります。そうして作り上げた環境を、別のサーバにも適用させる場合、同じように人が行う必要があり、コストと時間がかかります。

「AI inside Computing Engine」を使うと、一度作り上げたサーバ環境をコンテナとしてコピーして立ち上げることができます。従来、人が行っていた作業を数十秒で自動実行できるため、コストと時間がほとんどかからず、例えば、大量のリクエストに対しても、自動でサーバを増減させることが可能になります。 コンテナの中に入れるソフトウェアやAIは、コンテナと依存関係に無く入れ替えることもできるので、一度作ったコンテナで多種類のソフトウェアやAIを最適に自動運用することができます。

 

(注5) オンプレミスとは、サーバーやソフトウェアなどの情報システムを企業などの使用者が管理する設備内に設置することにより、自社運用をすることを指します。

 

(2) 「AnyData」・「AI Growth Program」

当社は、従来からの強みである画像・物体等の認識AIに加え、予測AI技術を開発し、「Learning Center Vision」「Learning Center Forecast」として提供を行ってまいりました。また、組織のAIリテラシーを向上させ、ビジネス領域でAIを活用できる人材を育成する「実践型のAI教育プログラム」である「AI Growth Program」により、AI活用の内製化の実現を目指しています。従来の主力製品である「DX Suite」に加え、当社が持つこれらの製品技術やサービスを統合し、あらゆるデータを活用してAIが自律的に学習することで、高付加価値のAIモデルを提供するための「AnyData」を提供してまいります。

 

 

[事業系統図]

 


 

(注1)パートナーは、当社の製品・サービスをユーザ企業に販売する代理店です。

(注2) サーバ事業者は、当社が契約するクラウドコンピューティングサービスを提供する事業者です。

 

 用語解説
「事業の内容」における用語の定義を以下に記します。

 

用語

用語の定義

AI

コンピュータを用いて「認識、言語の理解、課題解決」などの知能行動を実行する技術。

クラウドコンピューティング

オンプレミスに対して、クラウドコンピューティングではユーザがインターネットなどのネットワークを経由して、各種のコンピューティングリソースを利用する形態。

 

 

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金(百万円)

主要な事業内容

議決権の所有割合(又は被所有)割合(%)

関係内容

(関連会社)

株式会社ショーケース

東京都港区

954

webマーケティング支援

20.67

業務の委託

 

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況

2023年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

139

(28)

36.2

2.11

8,389

 

(注) 1.従業員数は就業人員(社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。

 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 3.当社は、人工知能事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

4.前事業年度末に比べ従業員数が23名増加しております。主な理由は、2022年5月2日付で、株式会社aiforce solutionsを吸収合併したこと、及び業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。

 

(2) 労働組合の状況

当社の労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)(注)

男性労働者の

育児休業取得率(%)(注)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注)

正規雇用労働者

正規雇用労働者

15.6

83.3

79.7

 

(注) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社のミッションは、AIテクノロジーの妥協なき追求により非常識を常識に変え続けることです。その実現のため、高品質・高価値なユーザ体験を届けることが、当社にとって最優先の事項です。当社の経営は、徹底したユーザ重視を基本方針としています。

 

(2) 目標とする経営指標

リカーリング型売上の成長を最重要指標と定めており、その要因として契約件数や契約の解約率(注1)、AIファンクションのリクエスト数を指標としております。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社が展開する事業と関わりの深い「非IT系の外部委託市場」を例にとると、人によるデータ入力に関する外部委託市場は2022年度の6,090億円から2025年度には6,290億円へ成長していくと予想されております(市場規模は全て「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場の実態と展望 2021-2022(株式会社矢野経済研究所)」より)。

 

当社が事業を展開するAI-OCR市場においては、企業は、働き方改革をこれまで以上に意識した事業運営が求められていることから、社会的なデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に伴い、今後も市場の成長は持続するものと予測しております。このような環境のもと、当社が対処すべき主な課題は以下の通りと認識しております。

 

① 研究開発の強化

短期的な技術開発の場では、失敗の許されない状況における開発が主となることが多いため、既存技術のブラッシュアップにしか手を出すことができず、抜本的な技術開発には着手しにくくなります。本質的な次世代技術を開発するためには、その基盤を固める知識・経験が必須であり、将来的に確実に必要となる長期的課題にも積極的に取り組んでいかなければ、世界のAIを牽引するような企業に発展することは望めません。そのため、当社は応用研究だけではなく、基礎研究も行い続けます。

② 製品開発の強化

当社で提供しているAIは、ユーザが日々の業務で使うほど、さらなる追加学習のためにフィードバックがなされ、精度が向上するという特徴を備えております。

当社の好循環サイクルにおいて、より高精度、高価値なAIを提供し続けることが可能であります。

③ 顧客基盤の強化

1)パートナー連携推進によるリカーリング型売上の強化

当社製品については、ユーザへの直接販売、パートナーを通じた販売を行い、既にパートナー販売における契約数の割合が直接販売よりも高くなっておりますが、パートナーとより強固な関係を築くことで今後さらにその比率を上げていく方針です。また、当社が持つ既存製品・サービスに加え、それらを組み合わせた複合AIソリューションの提供により、事業規模・業種を問わない幅広い顧客基盤を構築してまいります。

加えて、セリング型の売上に含まれる初期費用などを低価格化し、導入拡大を図ることで、リカーリング型の売上を拡大させていく方針です。

2)付加価値の高いAIソリューションよる顧客・社会課題の解決

当社は、従来からの強みである画像・物体等の認識AIに加え、予測AI技術を提供してまいりました。当社が持つこれらの技術を組み合わせることにより、顧客や社会が持つ潜在課題を解決し、企業活動全体の効率化を担う付加価値の高い複合AIソリューションをパートナーとともに提供してまいります。これにより、AIソリューションの利用拡大および、より効率的な事業拡大を実現し、「誰もが意識することなくAIの恩恵を受けられる世界」を目指します。

 

④ 情報管理体制の強化

当社は、顧客企業の業務データや公開前の製品企画情報など多くの機密情報や個人情報等を保有しており、その重要性については十分に認識しております。その保護体制構築に向けて、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、情報セキュリティマネジメントシステムの構築・維持向上に努めることで、今後も引き続き、情報管理体制の強化を図ってまいります。

⑤ 優秀な人材の確保

当社は、今後の事業拡大に伴い、当社の企業理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用していく必要があると考えております。労働市場における知名度の向上を図り採用力の向上に努めるとともに、業務環境や福利厚生の改善により採用した人材の離職率の低減も図ってまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社は、事業展開上のリスクになる可能性があると考えられる主な要因として、以下の記載事項を認識しております。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1) 景気動向及び業界動向の変化について

企業を取り巻く環境や労働人口減少に伴う企業経営の効率化などの動きにより当社が事業を展開する市場は今後も拡大すると予想されるものの、企業の景気による影響や各種新技術の発展による影響を受ける可能性があります。当社においては当社が事業を展開する市場が経済情勢や技術革新などにより事業環境が変化した場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合について

当社の事業は、同様のビジネスモデルを有している企業は数社あるものの、製品の特性、その導入実績、保有特許、ノウハウによる技術等、様々な点から他社と比較して優位性を確保できていると認識しておりますが、将来の成長が期待される市場であり、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。このため先行して事業を推進していくことで、さらに実績を積み上げて市場内での地位を早期に確立してまいります。

しかしながら、今後において十分な差別化等が図られなかった場合や、新規参入により競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 技術革新について

当社の事業に関連するAI技術は、世界的に研究開発が進んでおり、技術革新のスピードが極めて速い分野であります。当社はこうした技術革新に対応できる研究開発活動を推進することで、AIを活用した事業により事業基盤の拡大を図ってまいります。しかしながら、技術革新への対応が遅れる可能性もあり、その場合には当社の競争力が低下することで、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) システムトラブルについて

当社の事業は、PCやコンピュータシステム並びにこれらを結ぶ通信ネットワークに依存しており、これらにトラブルが発生した場合には、業務遂行に障害が生じます。このため当社では、システムトラブルを回避するために、サーバー負荷の分散、サーバーリソース監視、定期バックアップの実施等の手段を講じることでトラブルの防止及び回避に努めております。また、万一の場合に備え、サイバー保険を付保しております。

しかしながら、アクセスの急激な増加等による負荷の拡大や自然災害や事故などにより予期せぬトラブルが発生し、システムトラブルが発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が利用しているクラウドサーバーの稼働にトラブルが生じた場合、当社が提供するサービスの安定稼働に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 情報セキュリティ及び個人情報等の漏えいについて

当社では、業務上、個人情報その他機密情報を顧客より受領する場合があります。当社におきましては、2016年3月に情報セキュリティマネジメントシステム(JIS Q 27001:2014、ISO/IEC27001:2013)の規格に適合する証明を、また2018年7月にプライバシーマークを取得しており、情報管理の重要性を周知徹底するべく役職員に対し研修等を行い、情報管理の強化を図っております。また、情報セキュリティについては外部からの不正アクセス、コンピュータウィルスの侵入防止について、社内のITグループを中心にシステム的な対策を講じております。なお、万一の場合に備え、サイバー保険を付保しております。

しかしながら、当社が取り扱う機密情報及び個人情報について、漏えい、改ざんまたは、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえず、何らかの要因からこれらの問題が発生した場合には、顧客からの損害賠償請求等によりサイバー保険で填補できない損害が生じ、または、信用が失墜する等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 知的財産権について

当社は、事業運営の際に第三者の知的財産権侵害などが起こらないような管理体制を構築しておりますが、第三者の知的財産権に抵触しているか否かを完全に調査することは極めて困難であります。このため、知的財産権侵害とされた場合には、損害賠償または当該知的財産権の使用に対する対価の支払い等が発生する可能性があり、その際には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 個人情報を含むデータを学習に用いるリスクについて

当社は、製品及びその他のサービスを提供するにあたり、顧客から取得した個人情報を含むデータを用いて、人工知能の学習を行うことがあります。当社は、個人情報保護法を含む法令を遵守し、また、当該学習に用いることにつき顧客の承諾を取得しておりますが、個人情報の本人など消費者から理解が得られず、当社又は顧客が批判にさらされる可能性があり、そのような場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 法的規制等について

当社は、当社の事業を制限する直接的かつ特有の法的規制は本書提出日時点において存在しないと考えております。しかしながら、今後、当社の事業を直接的に制限する法的規制がなされた場合、また、従来の法的規制の運用に変更がなされた場合には、当社の事業展開は制約を受ける可能性があります。当社としては引き続き法令を遵守した事業運営を行っていくべく、今後も法令遵守体制の強化や社内教育などを行っていく方針ですが、今後当社の事業が新たな法的規制の対象となった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 訴訟、係争について

当社では、本書提出日現在において業績に影響を及ぼす訴訟や紛争は生じておりません。

しかしながら、今後何らかの事情によって当社に関連する訴訟、紛争が行われる可能性は否定できず、かかる事態となった場合、その経過または結果によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 当社設立からの経過年数について

当社は2015年8月に設立され、本書提出日時点では9期目と若い企業です。優秀な人材を積極的に採用し、社内管理体制の構築、製品・サービスの開発、販売の強化を行ってきました。今後も事業拡大に向けた社内体制の強化、新規サービスの研究及び製品・サービスの拡販に向けた取り組みを強化してまいりますが、何らかの理由によりこれらの取り組みが想定通りに実施されなかった場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 小規模組織であることについて

当社は2023年3月31日現在、従業員139名と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっております。当社は今後の事業拡大に応じて従業員の育成、人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12) 人材の確保と育成について

当社が今後更なる成長を成し遂げていくためには、優秀な人材の確保と育成を重要課題の一つであると位置づけております。当社は現在も優秀な人材の採用を進めておりますが、これらの要員を十分に採用できない場合や、採用後の育成が十分に進まなかった場合、あるいは在職中の従業員が退職するなどした場合には、当社の事業拡大の制約となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 内部管理体制について

当社は、今後の事業運営及び業容拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しており、今後、事業規模の拡大に合わせて内部管理体制も充実・強化させていく方針であります。しかしながら、事業規模に応じた内部管理体制の整備に遅れが生じた場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 特定人物への依存について

当社の代表取締役社長CEOである渡久地択は、当社の創業者であり、設立以来当社の経営方針や事業戦略の立案やその遂行において重要な役割を担っております。当社は特定の人物に依存しない体制を構築するべく、幹部社員への情報共有や権限の委譲によって同氏に過度に依存しない組織体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社における業務遂行が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 特定の当社サービスへの依存について

当社は「AIテクノロジーの妥協なき追求により非常識を常識に変え続けること」をミッションに掲げ、当社の製品及びサービスを展開しておりますが、主力サービスである「DX Suite」に関する売上高が大半を占めております。そのため、市場環境等の変化により「DX Suite」に関連する売上高が著しく減少した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 販売代理店への依存リスクについて

当社は顧客基盤を拡大するために代理店を通じた販売を重視しており、代理店販売における契約数の割合を高めていくべく、協業体制を引き続き推進していく方針です。そのため今後は当社の売上高に占める代理店販売の比率は高まることが想定されます。

当社は次年度以降も代理店販売契約の継続を見込んでおりますが、今後何らかの理由により契約の更新がなされない場合や、取引条件の変更、もしくは代理店経由の販売が落ち込んだ場合等には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また販売代理店の一形態であるOEM販売については、営業活動及び顧客サポートの実施はOEM先により実施されます。当社が有する販売及び顧客サポートのノウハウは適宜OEM先と共有することで、顧客獲得とその維持につながるように努めてまいりますが、OEM先の販売施策により顧客獲得の急激な増減が生じ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 当社の経営指標について

当社は重要経営指標として、リカーリング型売上を掲げております。リカーリング型売上は継続的に計上されることが期待される収益であり、当社が独自にその定義を設定し、算出した数値を開示しております。

当社は引き続きリカーリング型売上を重要指標として開示していく方針ですが、リカーリング型売上は当社と顧客間の契約件数、解約率等の関連指標の推移により影響を受けます。これらの関連指標も当社が独自に定義・算定しており、事業環境の変化による販売戦略の変更、販売代理店固有の販売施策等により影響されるものであり、結果として当社が開示するリカーリング型売上に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(18) ソフトウェアの開発について

当社ではサービス提供に使用する自社利用のソフトウェア開発に関し、ソフトウェア開発プロジェクトに関する期間や費用の見積り及び将来収益計画について妥当性の確認を行っております。しかしながら、顧客のニーズによる開発途中の要件変更や品質改善要求、開発遅延等により当初計画どおりの開発及びサービス提供がなされなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) 配当政策について

当社は、株主に対する利益還元を経営課題と認識しており、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案し、利益還元政策を決定していく所存であります。

しかしながら、当社は、成長過程にあり内部留保が充実しているとはいえず、創業以来配当を行えておりません。また、現時点では事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。

将来的には、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案し、利益還元を行うことを検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(20) М&Aによる影響について

当社は、事業拡大を加速する有効な手段のひとつとして、当社に関連する事業のМ&A戦略を検討していく方針です。М&A実施に関しては、対象企業の財務・法務・事業等について事前にデューデリジェンスを行い、十分にリスクを吟味した上で決定いたしますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画通りに進まない場合、当社の経営成績及び財政に影響を与える可能性があります。

さらに、М&A取引の結果として、無形固定資産ののれんを計上する可能性があります。事業環境の変化等の事由によりのれんの経済価値が低下し、減損処理に至った場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) 当社の経営成績について

当社では創業以来、販売活動に先んじて新製品の開発に投資を継続してきました。今後も顧客の業務効率化を実現するサービスの開発を続けてまいりますが、当社が展開する事業領域は持続的に成長しており、売上高の増加に伴い損益も改善しております。

しかしながら、更なる開発を要するような状況の変化、売上拡大のための先行投資や、当社が期待するほどの売上成長とならない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(22) ソフトウェアの資産計上に伴う費用化による影響について

当社では、ソフトウェアの開発に係る費用を「研究開発費等に係る会計基準」に従って研究開発費の一部について、適切に資産計上及び減価償却を行っており、ソフトウェアの合計は、2023年3月末時点で387,147千円となっております。今後、研究開発の結果として資産計上されるソフトウェアが増加した場合には、それに伴う減価償却費も増加することとなり、当社の将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(23) 減損の可能性について

当社では時価のある有価証券552,583千円を関係会社株式として保有しておりますが、時価のある有価証券については株式市場の変動などにより時価が著しく下落した場合には、評価損を計上することとしております。また、当社は事業用の設備やレンタル資産等を固定資産として計上しておりますが、これら資産が期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になる等、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(24) 自然災害に関するリスクについて

大規模な地震等の自然災害や事故など、当社による予測が不可能かつ突発的な事由によって、事業所等が壊滅的な損害を被る可能性があります。このような自然災害に備え、免震性の高いビルへのオフィス移転、従業員安否確認手段の整備、オフィスでの備蓄食料・生活物資の確保、無停電電源装置の確保等に努めておりますが、想定を超える自然災害が発生する場合は、当社の事業活動が制限され、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社が直接被災しない場合であっても、外部パートナー等の被災により、間接的に損害を被る場合もあります。

また、災害等の発生によって、電力等の使用制限による社会インフラ能力の低下、個人消費意欲の低下といった副次的な影響により、顧客企業の事業活動の抑制につながる可能性があり、そのような場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べて1,026,585千円減少し、4,047,749千円となりました。この主な要因は、現金及び預金が1,184,206千円減少したことによるものであります。また、固定資産は、前事業年度末に比べて853,792千円増加し、2,627,728千円となりました。この主な要因は、ソフトウェア資産が252,879千円増加、のれんが1,343,226千円増加、関係会社株式が685,292千円減少したことによるものです。この結果、総資産は、前事業年度末に比べ172,793千円減少し、6,675,478千円となりました。

 

(負債)

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べて138,701千円増加し、2,252,907千円となりました。この主な要因は、未払法人税等が30,427千円増加、未払消費税等が129,131千円増加、未払金が33,213千円減少したこと等によるものであります。固定負債は、株式給付引当金が50,000千円増加したこと等により68,363千円となりました。この結果、総負債は、前事業年度末に比べて203,885千円増加し、2,321,271千円となりました。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べて376,678千円減少し、4,354,207千円となりました。これは、主に株式報酬等に伴うその他資本剰余金170,326千円の増加、新株予約権の行使により、資本金及び資本剰余金が11,004千円ずつ増加したこと、当期純損失518,524千円を計上したこと等によるものです。

なお、当事業年度末における自己資本比率は65.2%となり、前事業年度末に比べ、3.9ポイント減少しております。

 

② 経営成績の状況

近年我が国において、少子高齢化や人口減により生産年齢人口が減少する一方、人によるデータ入力に関する外部委託市場は2022年度の6,090億円から2025年度には6,290億円へ成長していくと予測されております(市場規模は全て「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場の実態と展望 2021-2022(株式会社矢野経済研究所)」より)。企業は、労働者の在宅ワーク導入など働き方改革をこれまで以上に意識した事業運営が求められていることから、社会的なデジタルトランスフォーメーション(DX)推進は加速していくものとみられます。

このような市場環境において、当社は、ディープラーニングによる手書き文字認識AIを活用した生産性向上のためのAI-OCRサービス「DX Suite」、および当社のミッション「AIテクノロジーの妥協なき追求により、非常識を常識に変え続ける」を実現するための製品「Learning Center」の開発・提供を進めてまいりました。また、当期において、株式会社aiforce solutionsとの事業統合により「Learning Center Forecast」「AI Growth Program」の提供を行いました。

その結果、売上高及び各段階利益については以下の実績となりました。

 

 

 

(売上高)

当事業年度の売上高は3,802,642千円(前年同期比114.8%)となりました。当事業年度における当社及びその他販売パートナーがそれぞれの顧客へ提供している「DX Suite」利用ライセンスは前年同期の2,232件から2,568件に堅調に増加し、またチャーンレート(解約率)の実績は低水準で推移しており、営業活動による新規案件の獲得により売上高の積上げを進めてまいりました。

加えて、第1四半期会計期間に吸収合併を行った株式会社aiforce solutionsの予測・判断AI技術を取り込んだ 「Learning Center Forecast」(旧称:AMATERAS RAY)及び非エンジニア人材のAI人材化を加速する「AI Growth Program」(旧称:AMATERAS EDU)の収益が計上されております。

 

売上高のうち、リカーリング型モデル(注1)及びセリング型モデル(注2)の内訳は以下のとおりとなりました。

 

収益モデル

第7期事業年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

第8期事業年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

売上高(千円)

前年同期比(%)

リカーリング型モデル

3,027,780

75.1

3,454,920

114.1

セリング型モデル

282,963

50.1

347,722

122.8

合計

3,310,744

72.0

3,802,642

114.8

 

(注)1. リカーリング型:顧客が当社のサービスを利用する限り継続的に計上される収益形態を表します。

 2. セリング型:特定の取引毎に計上される収益形態を表します。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は、837,621千円(前年同期比102.0%)となりました。これは、主にサーバ費用等によるものであります。この結果、売上総利益は2,965,020千円(前年同期比119.1%)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、2,681,351千円(前年同期比139.6%)となりました。これは、主に業容拡大に伴う採用費・人件費の増加、2022年5月より発生したのれん償却費によるものであります。この結果、営業利益は283,668千円(前年同期比49.8%)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当事業年度において、営業外収益は11,365千円発生しました。これは、主に補助金の交付による収入10,396千円が発生したことによるものです。また、営業外費用は15,552千円発生しました。これは、主に短期借入金に係る支払利息9,523千円、為替差損5,919千円が発生したこと等によるものです。この結果、経常利益は279,482千円(前年同期比49.6%)となりました。

 

(特別損益、当期純利益)

当事業年度において、特別損失が685,292千円発生しました。これは、関係会社株式評価損を計上したことによるものです。また、法人税、住民税及び事業税を106,632千円、法人税等調整額6,081千円を計上した結果、当期純損失は518,524千円となりました。

 

なお、セグメントについては、当社は人工知能事業の単一セグメントであるため、記載しておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,184,206千円減少し、3,235,034千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は793,847千円(前事業年度は208,832千円の使用)となりました。主な内訳は、税引前当期純損失405,810千円の計上、売上債権が106,499千円増加した一方で、非資金損益項目である関係会社株式評価損685,292千円の計上及びのれん償却額301,540千円の計上、減価償却費150,638千円を計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は2,068,903千円(前事業年度は223,635千円の使用)となりました。主な内訳は、子会社株式の取得による支出1,642,005千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果使用した資金は21,650千円(前事業年度は35,256千円の獲得)となりました。主な要因は、株式発行による22,008千円の収入がある一方で、長期借入金の返済による支出43,395千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社で行う事業は、受注から役務提供の開始までの期間が短く、受注状況には重要性がないため記載を省略しております。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社は人工知能事業の単一セグメントであるため、収益計上のモデル別に記載しております。

 

収益モデル

売上高(千円)

前年同期比(%)

リカーリング型モデル

3,454,920

114.1

セリング型モデル

347,722

122.8

合計

3,802,642

114.8

 

 

(注) 1.当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

第7期事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

第8期事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

西日本電信電話株式会社

355,510

10.7

49,486

1.0

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

② 財政状態の分析

財政状態に関する分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりです。

 

③ 経営成績の分析

経営成績に関する分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性について

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、当社サービスを拡大していくための開発人員及び営業人員の人件費、また研究開発に係る費用であります。これらの資金については自己資金にて充当する方針です。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】

当社における主要な設備は、次のとおりであります。

2023年3月31日現在

事業所名
(所在地)

設備の内容

帳簿価額

従業員数
(人)

建物附属設備
(千円)

工具、器具
及び備品
(千円)

レンタル資産
(千円)

ソフトウェア
(千円)

合計
(千円)

本社
(東京都渋谷区)

本社事務所

4,404

63,409

102,553

387,147

557,513

139(28)

 

(注) 1.上記帳簿価額には、建設仮勘定51,044千円は含んでおりません。

2.本社の建物は賃借物件であり、年間賃借料は45,843千円であります。

3.建物附属設備は、賃借建物に施した附属設備の金額であります。

4.従業員数は就業人員(社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は年間の平均人員を( )外数で記載しております。

5.当社は人工知能事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

12,000,000

12,000,000

 

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2023年3月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年6月23日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

3,997,750

3,997,750

東京証券取引所
グロース市場

完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。
なお、単元株式数は100株となります。

3,997,750

3,997,750

 

(注) 提出日現在の発行数には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。

 

① 【ストックオプション制度の内容】

第4回新株予約権(2016年12月12日臨時株主総会決議)

 

決議年月日

2016年12月12日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社取締役  3 

当社従業員  8(注)6.

新株予約権の数(個) ※

0[0](注)1.

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株) ※

普通株式 0[0](注)1.5.

新株予約権の行使時の払込金額(円) ※

800(注)2.5.

新株予約権の行使期間 ※

自 2018年12月13日    

至 2026年11月30日(注)7.

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円) ※

発行価格  800            

資本組入額 400(注)2.5.

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3.

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

新株予約権者は、新株予約権を第三者に譲渡することはできず、また、いかなる理由であれ、担保権の対象とすることはできない。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)4.

 

※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。なお、当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2023年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。

(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は1,000株であります。

ただし、新株予約権の割当日後、当社が、株式分割または株式併合を行う場合、次の算式により目的たる株式の数を調整するものとする。また、決議日後、当社が資本金の額の減少を行う場合等、付与株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、資本金の額の減少等の条件等を勘案の上、合理的な範囲で付与株式数を調整する。なお、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点において行使されていない新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の株式についてはこれを切り捨てるものとする。

調整後付与株式数

調整前付与株式数

×

分割・併合の比率

 

2.なお、新株予約権発行後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

調整後
行使価額

調整前
行使価額

×

株式分割または株式併合の比率

 

 

また、割当日後、行使価額を下回る価額で新株の発行または自己株式の処分を行う場合等、行使価額を調整することが適切な場合は、当社は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

 

 

 

 

既発行
株式数

 

新規発行株式数
または処分株式数

×

1株当たりの払込金額
または処分価額

調整後
行使価額

調整前
行使価額

×

1株当たり時価

既発行株式数 + 新規発行株式数または処分株式数

 

 

上記算式において「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とする。さらに、決議日後、当社が資本金の額の減少を行う場合等、付与株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、資本金の額の減少等の条件等を勘案の上、合理的な範囲で行使価額を調整する。

 

3.新株予約権の行使条件は次のとおりであります。

① 新株予約権者は、その行使時において、当社の役員、当社の従業員または当社が承認する社外の協力者の地位にあることを要する。ただし、定年退職、社命による他社への転籍、その他当社が認める正当な理由がある場合にはこの限りではない。

② 新株予約権者が死亡した場合は、相続人がその権利を行使することができるものとする。

③ 新株予約権者の新株予約権の行使に係る権利行使価額の年間(1月1日から12月31日まで)の合計額は、1,200万円を超えてはならない。

④ 新株予約権者は、租税特別措置法第29条の2第1項第6号の規定に従い、新株予約権の行使により取得する当社の株式を当社が指定する証券業者等の営業所又は事務所に保管の委託又は管理等信託を行う。なお、かかる証券業者については、追って当社より新株予約権者に通知する。

⑤ その他の条件については、新株予約権にかかる契約に定めるところによる。

4.組織再編行為における新株予約権の取扱い

当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以下総称して「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付する。この場合、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行する。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限る。

① 交付する再編対象会社の新株予約権の数

残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数を基準に、組織再編行為の条件等を勘案して合理的に決定される数とする。

② 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類

再編対象会社の普通株式とする。

③ 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数

組織再編行為の条件等を勘案のうえ、合理的に決定される数とする。

④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

組織再編行為の条件等を勘案のうえ、現在の行使価額を調整して得られる再編後行使価額に前記③に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。

⑤ 新株予約権を行使することができる期間

前新株予約権を行使できる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、現在の発行内容に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。

⑥ 増加する資本金及び資本準備金に関する事項

現在の発行内容に準じて決定する。

⑦ 新株予約権の取得事由

現在の発行内容に準じて決定する。

5.2018年6月27日開催の取締役会決議により、2018年7月19日付で普通株式1株を1,000株に株式分割しております。これにより、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。

6.付与対象者の権利行使および退職による権利の喪失により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は当社従業員0名であります。

7.行使期間の最終日が会社の営業日でない日に当たる場合は、その直前営業日が最終日となる。

 

 

第5回新株予約権(2018年9月27日臨時株主総会決議)

 

決議年月日

2018年9月27日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社従業員  24(注)5.

新株予約権の数(個)※

200[200](注)6.

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式 200[200](注)1.7.

新株予約権の行使時の払込金額(円) ※

1,360(注)2.

新株予約権の行使期間 ※

自 2020年9月29日 

至 2028年9月28日(注)8.

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円) ※

発行価格  1,360
資本組入額  680(注)2.

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3.

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

新株予約権者は、新株予約権を第三者に譲渡することはできず、また、いかなる理由であれ、担保権の対象とすることはできない。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)4.

 

※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。なお、当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2023年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。

(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は1株であります。

ただし、新株予約権の割当日後、当社が、株式分割または株式併合を行う場合、次の算式により目的たる株式の数を調整するものとする。また、決議日後、当社が資本金の額の減少を行う場合等、付与株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、資本金の額の減少等の条件等を勘案の上、合理的な範囲で付与株式数を調整する。なお、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点において行使されていない新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の株式についてはこれを切り捨てるものとする。

調整後付与株式数

調整前付与株式数

×

分割・併合の比率

 

2.なお、新株予約権発行後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

調整後
行使価額

調整前
行使価額

×

株式分割または株式併合の比率

 

 

また、割当日後、行使価額を下回る価額で新株の発行または自己株式の処分を行う場合等、行使価額を調整することが適切な場合は、当社は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

 

 

 

既発行
株式数

新規発行株式数
または処分株式数

×

1株当たりの払込金額
または処分価額

調整後
行使価額

調整前
行使価額

×

1株当たり時価

既発行株式数 + 新規発行株式数または処分株式数

 

 

上記算式において「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とする。さらに、決議日後、当社が資本金の額の減少を行う場合等、付与株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、資本金の額の減少等の条件等を勘案の上、合理的な範囲で行使価額を調整する。

 

3.新株予約権の行使条件は次のとおりであります。

① 新株予約権者は,その行使時において,当社の役員,当社の従業員または当社が承認する社外の協力者の地位にあることを要し、当社の役職員等の地位を失った場合は以後行使することができない。

② 新株予約権者が死亡した場合は,相続人がその権利を行使することができるものとする。

③ 新株予約権者の新株予約権の行使に係る権利行使価額の年間(1月1日から12月31日まで)の合計額は、1,200万円を超えてはならない。

④ 新株予約権者は,租税特別措置法第29条の2第1項第6号の規定に従い,新株予約権の行使により取得する当社の株式を当社が指定する証券業者等の営業所又は事務所に保管の委託又は管理等信託を行う。なお,かかる証券業者については,追って当社より新株予約権者に通知する。

⑤ 新株予約権者は、当社株式が金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所またはこれに類似するものであって外国に所在するものに上場されたことを条件として、新株予約権を行使することができる。

⑥ その他の条件については、新株予約権にかかる契約に定めるところによる。

4.組織再編行為における新株予約権の取扱い

当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以下総称して「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付する。この場合、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行する。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限る。

① 交付する再編対象会社の新株予約権の数

残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数を基準に、組織再編行為の条件等を勘案して合理的に決定される数とする。

② 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類

再編対象会社の普通株式とする。

③ 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数

組織再編行為の条件等を勘案のうえ、合理的に決定される数とする。

④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

組織再編行為の条件等を勘案のうえ、現在の行使価額を調整して得られる再編後行使価額に前記③に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。

⑤ 新株予約権を行使することができる期間

前新株予約権を行使できる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、現在の発行内容に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。

⑥ 増加する資本金及び資本準備金に関する事項

現在の発行内容に準じて決定する。

⑦ 新株予約権の取得事由

現在の発行内容に準じて決定する。

5.付与対象者の権利行使および退職による権利の喪失により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は当社従業員2名であります。

6. 付与対象者の権利行使および退職による権利の喪失により、本書提出日現在の「新株予約権の数」は200個であります。

7. 付与対象者の権利行使および退職による権利の喪失により、本書提出日現在の「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」は普通株式200株であります。

8.行使期間の最終日が会社の営業日でない日に当たる場合は、その直前営業日が最終日となる。

 

 

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
(千円)

資本金残高
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2018年5月31日
(注)1

2,850

△224,500

200,000

△372,500

50,000

2018年7月3日
(注)2

221

3,071

150,280

350,280

150,280

200,280

2018年7月18日
(注)3

22

3,093

14,960

365,240

14,960

215,240

2018年7月19日
(注)4

3,089,907

3,093,000

365,240

215,240

2018年7月31日
(注)5

147,000

3,240,000

99,960

465,200

99,960

315,200

2019年12月24日
(注)6

300,000

3,540,000

496,800

962,000

496,800

812,000

2020年1月21日
(注)7

75,000

3,645,000

124,200

1,086,200

124,200

936,200

2019年4月1日~

  2020年3月31日
(注)8

51,000

3,666,000

19,800

1,106,000

19,800

956,000

2020年4月1日~

  2021年3月31日
(注)8

247,000

3,913,000

99,260

1,205,260

99,260

1,055,260

2021年4月1日~

  2022年3月31日
(注)8

48,450

3,961,450

17,726

1,222,986

17,726

1,072,986

2022年4月1日~

  2023年3月31日
(注)8

36,300

3,997,750

11,004

1,233,990

11,004

1,083,990

 

(注) 1.配当可能な剰余金を確保し、自己株式の取得を行うために、2018年4月13日に開催された定時株主総会の決議により無償減資を行い、2018年5月31日に資本金224,500千円(資本金残高の52.9%)及び資本準備金372,500千円(資本準備金残高の88.2%)がそれぞれ減少し、資本剰余金のその他資本剰余金が増加しております。

2.有償第三者割当

発行価格  1,360,000円

資本組入額  680,000円

割当先   UTEC4号投資事業有限責任組合

3.有償第三者割当

発行価格  1,360,000円

資本組入額  680,000円

割当先   三菱UFJキャピタル6号投資事業有限責任組合

4.株式1株につき1,000株とする株式分割によるものであります。

5.有償第三者割当

発行価格  1,360円

資本組入額  680円

割当先   日本郵政キャピタル株式会社

6.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)

発行価格  3,600円

引受価額  3,312円

資本組入額 1,656円

7.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)

発行価格  3,312円

資本組入額 1,656円

割当先   野村證券株式会社

8.新株予約権の行使によるものであります。

 

 

(5) 【所有者別状況】

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数(人)

6

25

87

31

36

3,505

3,690

所有株式数(単元)

2,753

3,460

1,578

475

118

31,430

39,814

16,350

所有株式数の割合(%)

6.914

8.690

3.963

1.193

0.296

78.942

100

 

(注)1. 自己株式38,484株は、「個人その他」に384単元を含めて記載しております。

(注)2. 「単元未満株式の状況」は、自己株式84株を含めて記載しております。

 

 

(6) 【大株主の状況】

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

渡久地 択

神奈川県鎌倉市

1,874,168

47.33

楽天証券株式会社

東京都港区南青山二丁目6番21号

249,900

6.31

中沖 勝明

東京都渋谷区

118,500

2.99

大日本印刷株式会社

東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号

100,000

2.52

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海一丁目8番12号

86,200

2.17

野村信託銀行株式会社(投信口)

東京都千代田区大手町二丁目2番2号

70,000

1.76

第一生命保険株式会社

東京都千代田区有楽町一丁目13番1号

50,000

1.26

株式会社SBI証券

東京都港区六本木一丁目6番1号

44,800

1.13

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町二丁目11番3号

44,700

1.12

名井 將元

神奈川県鎌倉市

35,400

0.89

2,673,668

67.48

 

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

4,419,240

3,235,034

 

 

売掛金

※1 402,707

※1 521,174

 

 

前払費用

172,638

275,881

 

 

その他

80,002

16,073

 

 

貸倒引当金

253

413

 

 

流動資産合計

5,074,335

4,047,749

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物附属設備

46,328

46,328

 

 

 

 

減価償却累計額

41,125

41,924

 

 

 

 

建物附属設備(純額)

5,203

4,404

 

 

 

工具、器具及び備品

172,797

197,476

 

 

 

 

減価償却累計額

98,877

134,067

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

73,920

63,409

 

 

 

レンタル資産

184,885

206,187

 

 

 

 

減価償却累計額

78,344

103,634

 

 

 

 

レンタル資産(純額)

106,540

102,553

 

 

 

建設仮勘定

14,650

51,044

 

 

 

有形固定資産合計

200,314

221,410

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

134,267

387,147

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

45,830

-

 

 

 

のれん

-

1,343,226

 

 

 

無形固定資産合計

180,097

1,730,373

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

3,523

3,523

 

 

 

関係会社株式

1,237,875

552,583

 

 

 

長期前払費用

2,823

320

 

 

 

差入保証金

38,382

36,680

 

 

 

繰延税金資産

88,918

82,836

 

 

 

その他

22,000

-

 

 

 

投資その他の資産合計

1,393,523

675,944

 

 

固定資産合計

1,773,935

2,627,728

 

資産合計

6,848,271

6,675,478

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

短期借入金

※2 1,600,000

※2 1,600,000

 

 

未払金

※1 194,150

※1 160,936

 

 

未払費用

85,233

93,110

 

 

未払法人税等

68,482

98,910

 

 

未払消費税等

-

129,131

 

 

預り金

29,291

50,474

 

 

契約負債

70,048

67,589

 

 

賞与引当金

66,999

51,675

 

 

1年内返済予定の長期借入金

-

1,080

 

 

流動負債合計

2,114,206

2,252,907

 

固定負債

 

 

 

 

株式給付引当金

-

50,000

 

 

長期借入金

-

14,130

 

 

長期契約負債

3,180

4,233

 

 

固定負債合計

3,180

68,363

 

負債合計

2,117,386

2,321,271

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

1,222,986

1,233,990

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

1,072,986

1,083,990

 

 

 

その他資本剰余金

724,947

895,273

 

 

 

資本剰余金合計

1,797,933

1,979,263

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

1,772,537

1,254,012

 

 

 

 

繰越利益剰余金

1,772,537

1,254,012

 

 

 

利益剰余金合計

1,772,537

1,254,012

 

 

自己株式

62,571

113,058

 

 

株主資本合計

4,730,885

4,354,207

 

純資産合計

4,730,885

4,354,207

負債純資産合計

6,848,271

6,675,478

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

※1 3,310,744

※1 3,802,642

売上原価

※1 821,149

837,621

売上総利益

2,489,595

2,965,020

販売費及び一般管理費

※1,, 1,920,210

※1,, 2,681,351

営業利益

569,384

283,668

営業外収益

 

 

 

受取利息

31

20

 

受取配当金

※1 11,512

-

 

補助金収入

-

10,396

 

その他

150

948

 

営業外収益合計

11,694

11,365

営業外費用

 

 

 

支払利息

9,871

9,523

 

為替差損

7,252

5,919

 

その他

61

109

 

営業外費用合計

17,185

15,552

経常利益

563,893

279,482

特別損失

 

 

 

関係会社株式評価損

-

685,292

 

特別損失合計

-

685,292

税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△)

563,893

405,810

法人税、住民税及び事業税

52,583

106,632

法人税等調整額

99,606

6,081

法人税等合計

152,189

112,714

当期純利益又は当期純損失(△)

411,703

518,524